高齢化で“救急車出払い問題”が深刻…病院への移動手段化も、重症者の救急に支障

 今や急速な高齢化の弊害が、救急活動にまで影響を与えていることが鮮明になっている。消防庁が発表した「令和元年版 救急・救助の現況」によると、2018年に救急車で搬送された人のうち、満65歳以上の高齢者の割合は約6割に上っている。

 19年4月1日現在、救急隊は全国1690 市町村に 5215 隊配備されており、前年比 36 隊(0.7%)増加している。救急隊員は6万3723人(うち女性は1395人)で同952人(1.5%)増加した。また、救急自動車(以下、救急車)の保有台数は、非常用を含め6364台で同35台(0.6%)の増加となっている。

 では、救急出動件数はどうかといえば、18年中で救急車による出動件数は、660万5213件(前年比26万3066件増、4.1%増)、搬送人員は596万295人(同 22万4209人増、3.9%増)と出動件数、搬送人員共に過去最多を更新している。

 前年比で救急隊が0.7%、救急隊員が1.5%、救急車が0.6%しか増加していないのに、出動件数は4.1%、搬送人員は3.9%も増加している。これは、救急活動の増加に対して、人員と設備が追いついていない状況を示している。言い換えれば、現状の救急体制以上に救急活動の要請が増加しているということだ。

 救急車は1日平均1万8096件(前年は1万7376件)、4.8秒に1回(前年は5.0秒に1回)の割合で出動し、国民の21人に1人(前年は22人に1人)が搬送されたことになる。救急車の出動頻度が高まっており、救急車により搬送される人の比率が高まっていることがわかる。

 この結果、現場到着所要時間(入電から現場に到着するまでに要した時間)は全国平均で8.7分(前年比0.1分増)に、病院収容所要時間(入電から医師引継ぎまでに要した時間)は全国平均で39.5分(同0.2 分増)と、若干だが年々時間が延びている。

救急隊員に広がる危機感

 さて、救急車出動の理由で最も多いのは、急病429万4924件でその割合は65.0%に上る。次いで一般負傷99万7804件(15.1%)、交通事故45万9977件(7.0%)となっている。これは搬送人員でも同様で、最も多いのは急病389万1040人(65.3%)、次いで一般負傷91万2346人(15.3%)、交通事故44万1582人(7.4%)の順だ。

 救急車出動の理由を年齢区分別に見ると、最も多い急病では高齢者が241万1050人(62.0%)、一般負傷では高齢者が62万1929人(68.2%)と圧倒的に多い。結果的に救急車搬送人員の年齢区分では、高齢者が353万9063人(59.4%)、続いて成人193万5986人(32.5%)、乳幼児26万6032 人(4.5%)で、救急車の出動の約6割が高齢者搬送のために出動していることがわかる。

 この搬送人員に対する高齢者が占める割合を5年ごとの推移で見ていくと、1998年には35.1%だったが、2003年には41.4%、08年には48.3%、2013年には54.3%増加し、18年には59.4%と約6割にまで上昇した。高齢者の比率は上昇の一途をたどっており、今後も増加していく見込みだ。ちなみに、高齢者の搬送比率が高い都道府県は、秋田県、山形県、山口県、島根県、高知県など高齢化率が高い県と一致している。

 これでわかるように、救急活動は件数、搬送人員共に救急体制の人員と設備の増加を上回るペースで増加が続いていることで、迅速な救急活動の実施に影響を及ぼしかねない状況になっているということだ。実際に現場の救急隊員からは、「不測の事故や交通事故への出動時に、急病人(特に高齢者)搬送で救急車が出払っており、対応が遅れる可能性がある」との危機感を持った声が聞かれる。

 この救急車の出動件数、搬送人員の増加には、2つの大きな要因がある。ひとつは救急車を呼ぶのに、どの程度の病気やケガの状態だったのかという点だ。搬送人員のうち、長期入院が必要な重症は8.2%、入院が必要な中等症は41.6%、外来診療で済む軽症は48.8%と、軽症で救急車を呼んでいる人が最も多い。極端に言えば、呼ぶ必要がない程度の病気やケガで救急車を呼んでいる人が多いということだ。特に、乳幼児では76.0%、少年では74.9%、成人では61.4%が軽症で救急車を呼んでいる。

 だが、最も問題なのは“言わずもがな”だが高齢者の搬送が増加の一途をたどっていることだろう。15年の国勢調査における高齢化率は26.6%。比率と同様に救急車を使っているとすれば、救急車搬送人員の年齢区分でも高齢者の比率は27%程度のはずだが、実際には59.4%となっており、高齢者は概ね9人に1人(全体は21人に1人)が搬送されていることとなる。高齢者の場合、「同じ人が月に何度も救急車を呼ぶ」「病院への交通手段として救急車を呼ぶ」人がいるという指摘もある。

 救急活動が本当に必要な重症の人たちに、遅れることなく十分な対応ができるように、高齢者の健康状態を見守りながら、救急車を使わなくても治療ができる体制をつくり上げることで、救急車がより一層有効に活動できるようにしていく必要があるだろう。

(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)

沢尻エリカ、初公判で依存症特有の「否認」、危険なサイン…改めない限り薬物断つのは困難

 自宅で合成麻薬のMDMAやLSDを所持していたとして、麻薬取締法違反の罪に問われた女優の沢尻エリカ被告の初公判が31日、東京地裁で開かれた。沢尻被告は「間違いありません」と起訴内容を認め、最終意見陳述で「全力で更生し、反省していくことが自分にできる唯一の償いと思っています。二度と繰り返さないように、立ち直っていきたいと思っています」と述べた。

 沢尻被告が違法薬物と決別できればいいとは思うが、本当に決別できるのだろうかという疑問も抱かずにはいられない。その理由として、まず薬物使用歴の長さを挙げておきたい。検察官は、沢尻被告が19歳の頃から大麻などを使うようになったと明らかにしているので、違法薬物をすでに10年以上使用していることになる。

 また、沢尻被告は「大麻に関しては、コントロールできる、やめられると思っていた」と述べたが、これは依存症特有の「否認」と考えられる。アルコール依存症の人が、自分の意志では酒の飲み方を調節できなくなり、「コントロール障害」に陥っているのに、「酒なんかいつでもやめられる」と思い込んでいるのと同じである。

 沢尻被告も、「薬物なんかいつでもやめられる」と高をくくっていた可能性が高い。だが、実際にはなかなかやめられなかったからこそ、逮捕・起訴され、NHKの大河ドラマを降板する羽目になったのだ。だから、沢尻被告本人が認めたように「すべては自身の甘さが招いた結果」といえる。

「否認」をやめるべき

 もう1つ気になるのは、沢尻被告が「女優への復帰は考えていません」と語ったことだ。今回の事件で、大河ドラマを降板するなど多方面に迷惑をかけたので、女優復帰がそんなに簡単に許されるわけではないだろう。第一、世間の理解がなければ、女優としてはやっていけない。

 だが、沢尻容疑者が天職ともいうべき女優の仕事を奪われたら、空虚感と喪失感にさいなまれるのではないか。その結果、薬物にのめり込む危険性が一層高まるのではないか。そう危惧せずにはいられない。

 そもそも、これまで薬物に溺れたのも、快感を得るためばかりではなく、不安や孤独感、抑うつ気分や鬱屈した気持ちをなんとかしたいと思ったからだろう。そういうネガティブな感情や気持ちを薬物が改善してくれた体験を持つ人は、同じようなつらい状況に陥ると、また薬物に頼ろうとしがちだ。

 沢尻被告への求刑は懲役1年6カ月で、初犯ということもあって、執行猶予がつく可能性が高い。だから、執行猶予が明け、その後も違法薬物をやめ続けられたら、女優復帰を目指すべきだし、周囲もサポートすべきだと思う。

 そのためには、何よりも「否認」をやめることが必要だ。「自分の中では薬物をコントロールでき、いつでもやめられると思っていた」のは間違いだと認識し、「自分はコントロールできなかったから、薬物をやめられなくなったのだ」と肝に銘じなければならない。そのうえで、交友関係を見直し、更生プログラムを受けながら、「薬物をやめよう」という気持ちを持ち続けるべきである。

(文=片田珠美/精神科医)

 

岩井俊二『ラストレター』、傑作の誕生…言葉を失う“映画的瞬間”に魂が揺さぶられる

 岩井俊二監督の映画『ラストレター』が、1月17日に公開された。その魅力を、映画業界関係者から聞いた。

※以下、一部に映画の内容に関する記述があるため、閲覧にご注意ください。

「現代の人は皆、手紙を書かなくなって久しいと思うんですけど、松たか子が演じる裕里が必然的に手紙を書かざるをえなくなる状況が、すんなりと進んでいきます。姉の未咲が亡くなったことを知らせに同窓会に行った裕里が、皆から未咲に間違われてしまうのが物語の始まり。ちょっとマンガ的なシチュエーションなのに、岩井俊二の演出力で違和感なく見せています」

 高校時代の裕里の片思いの相手であり、大学時代に未咲の恋人だった、乙坂鏡史郎を演じるのが、福山雅治だ。

「今までの映画でこんなにダメな福山見たことないってくらいの、みじめな売れない小説家ですよね。その冴えない感じがよかった。映画の中盤で、中山美穂と豊川悦司が、荒れた感じで出てきた時にドキッとします。岩井監督の25年前の映画『Love Letter』の2人じゃないですか」

 乙坂から未咲を奪った阿藤陽市を演じるのが、豊川悦司。その同居人を演じているのが、中山美穂だ。

「小説家として乙坂が抱えている問題を、グサリグサリとえぐっていく阿藤のモンスター性をトヨエツはみごとに演じています。酒浸りのダメな人間である阿藤に、乙坂は完膚なきまでに打ちのめされる。その負けた感じを演じる福山もまたよかったです。自殺から始まるけど悲壮感はなくて、悲しみを抱えた人たちを温かな視線で描いているけど、あそこだけ荒涼としている。だけどあのシーンがなければ、この映画は成立しません。脚本の良さと、演技の素晴らしさ、演出が優れていることが現れています」

 豪華キャストであるが、際だった役者は誰だろうか。

「映画監督の庵野秀明、フォークシンガーの小室等、ミュージシャンの鈴木慶一と、役者じゃない人たちが出ていますよね。この人たちの映画慣れしていない素の演技が、作品の世界観にぴったり嵌まっています。

 特筆すべきは、高校時代の裕里を演じた、森七菜。実際に彼女は高校生ですけど、芸術的感度の高い女の子らしいですね。自分がどんなフレームで撮られるか、わかって演じていると聞きました。新しいスターが出てきたな、と感じました。森七菜は高校時代の裕里と、現在の裕里の娘の一人二役。広瀬すずは高校時代の未咲と、現在の未咲の娘の一人二役。同じくらいの年代の女の子の二役で、普通にやったら無理がありそうですけど、みごとに別の人物になっています。器用な役者はいっぱいいるけど、森七菜も広瀬すずも本当にうまい人です。物語のクライマックスで2人は、アッと息を呑むような映画的な瞬間を観客にもたらします」

 映画の原作は、岩井俊二自身の小説『ラストレター』。小説ではこの場面が生み出す感情を言葉で語っているが、映画では一瞬にして観客の心に訴えかけている。

「初恋を扱った切ない物語だけど、映画ではなんでもありになった現代で、純愛こそがファンタジーなのかなと思わせる映画でした。昔からの岩井ファンが多いのか、映画館には年齢の高い観客が多かったんですけど、どの世代でも楽しめる映画。高校生などの学生や若い人に見てほしいです。『あれって、どういうこと?』『自分だったらこうするな』など、見終わった後に語り合えることが多いのではないでしょうか」

 映像の美しさもずば抜けている。スクリーンで見るべき映画だろう。

(文=深笛義也/ライター)

沢尻エリカ、早くも年内復帰説…槇原敬之は覚せい剤で逮捕の翌年にCD発売

 芸能界に大激震をもたらした女優・沢尻エリカの逮捕劇。早くも“年内復帰”の可能性が持ち上がり、「いくらなんでも早すぎでは?」と困惑の声が広がっている。

 昨年11月、自宅に合成麻薬「MDMA」を所持していたとして、麻薬取締法違反容疑で警視庁に逮捕された沢尻被告。その後、取り調べのなかで「10年以上前から違法薬物を使用していた」「これまでに大麻やLSD、コカインも使った」などと供述し、世間に衝撃を与えた。

 人気女優だっただけに、キャストに名を連ねていたNHK大河ドラマ『麒麟がくる』が代役を立てて再撮影に追い込まれるなど、その影響は計り知れない。昨年12月に起訴され、保釈された後は、医療機関で治療に専念していることが伝えられていた。

 1月30日に沢尻被告についてコメントを発表した所属事務所のエイベックス・マネジメントは、「医療機関において専門家の指導の下、更生にむけて治療などに励んでおります」と明言しており、処分については「今後の裁判の結果を踏まえて決定」と伝えていた。

 そして、1月31日に東京地方裁判所で初公判が行われ、黒髪に黒のパンツスーツと白シャツで入廷した沢尻被告は、裁判官から職業を聞かれて「職業は無職です」と返答したことが報じられている。また、薬物の所持などを含めた起訴内容について「間違いありません」と認め、「家族にも辛い思いをさせた」「女優復帰は考えていません」と語ったという。

 検察側は懲役1年6月を求刑しているが、初犯であることなどから執行猶予が濃厚という見方が多い。サンスポコム1月31日付記事では、弁護士法人・響の西川研一代表弁護士が「懲役1年~1年6月、執行猶予3年が妥当」と分析している。

 沢尻被告の初公判の様子について、ネット上では「そりゃ復帰したいとは言えないでしょ」「供述通り10年以上も使用していたとなると、薬物依存から抜け出すのは想像以上に難しいのでは」「まずは社会復帰できるようにならないと」などといった声が上がっている。

 一方で、同日配信のNEWSポストセブンでは、早くも“地上波復帰”の可能性に言及している。かつて覚せい剤取締法違反で有罪判決を受けた女優の酒井法子と比較しつつ、芸能関係者が「判決次第ですが、沢尻さんはすぐに罪を認めているし、事務所のバックアップもあるはずなので、酒井さんより早く地上波に復帰するとみられています」と証言。続けて、「『麒麟がくる』の放送が終わる今年の年末あたりの可能性もゼロではありません」と語っているのだ。

 年内復帰の可能性が浮上したことで、ネット上には

「NHKに大迷惑かけて、どのツラ下げて復帰できるのか」

「イメージ的にもうCM出演は無理だし、潔く引退したほうがいいのでは」

「さすがに芸能界は身内に甘すぎるでしょ」

「早めに仕事をさせて稼ぎたいという事務所の思惑が透けて見える」

という声が上がっている。

 これまでも芸能人の逮捕・復帰については数多くの前例があり、『どんなときも。』などのヒット曲で知られる歌手・槇原敬之のケースもそのひとつだ。1999年に覚せい剤所持で逮捕・起訴された槇原だが、翌年にはアルバムをリリースして復帰。のちに、作詞・作曲を手がけたSMAPの楽曲『世界に一つだけの花』が大ヒットを記録したことで知られている。

 薬物がらみではないものの、ファンに衝撃を与えたという意味では、2009年4月に公然わいせつの容疑で逮捕されたSMAP(当時)の草なぎ剛も同様だろう。草なぎの場合は翌月にバラエティ番組『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)の収録、ならびに『笑っていいとも!』(同)への生出演で復帰。わずか1カ月での活動再開に、少なからず「早すぎる」という批判が巻き起こった。

 槇原や草なぎの例を見ると、沢尻被告の年内復帰もあり得ないとは言い切れないのが芸能界のようだ。世間を騒がせた人気女優は、今後どのような道を歩むのだろうか。

(文=編集部)

東京オリンピック2020は下品な「スクラップ・アンド・ビルド」/本間龍・武田砂鉄対談(前編)

正解のないWEBマガジン~wezzyより】

本間龍(左)、武田砂鉄(右)

 7月の東京オリンピック・パラリンピック開催まで半年あまり。これから夏にかけて日本は国をあげてお祭り騒ぎに浮かれるだろう。

 しかし2020年東京オリンピックに関しては、招致段階からいまに至るまで数々の問題を抱えており、それらが解決されないまま本番に突入しようとしている。

 こうした状況はなぜもたらされてしまったのか。東京オリンピックは今後の日本社会にどんな影響を与えるのか?

 「WEZZY」で東京オリンピックの問題を指摘し続けている本間龍氏と、各媒体で厳しくオリンピック批判を行っている武田砂鉄氏が語り合った。

JRA川田将雅・川崎記念(G1)「匂わせ発言」で禁断の福永イジり!?

 1月29日に行われた川崎記念(G1)。川田将雅騎乗のチュウワウィザード(牡5、栗東・大久保龍志厩舎)の6馬身差圧勝が注目されたが、それ以外にもちょっとした「事件」があった。

 それは、レース後の川田騎手のコメントで「4コーナーからは『西日』もキツかったですし、一頭になったことで、戸惑うところや幼さも出しましたが、ケアしながら最後は運びました」と『西日』に触れる発言をしたからに他ならない。

 これにざわついたのは一部の競馬ファンだ。2018年のチャンピオンズC(G1)で2番人気ケイティブレイブに騎乗し、11着と大敗したときに福永祐一騎手が敗因の一つとして「4コーナーから西日が当たるのを馬が気にして嫌がった」ことをあげたのは、有名な話だからである。

 このコメントに対し、一部の心無いファンから「言い訳するな」「なぜ素直に謝れない」などの辛辣な言葉を浴びせられた福永騎手。その後もケイティブレイブに騎乗するたびにパドックなどで「西日は大丈夫かぁ~」と野次られるようになり、内心穏やかではなかっただろう。

 福永騎手としては「馬が西日で力を発揮できないこともある」というのが新しい発見で、面白いと思って話したつもりが、「負けたのを西日のせいにするな」とおもしろおかしく茶化されてしまった。本来伝えたかった内容が曲解されることに嫌気がさしたのも、連載していた『netkeiba.com』のコラムをやめる契機になった一因とも述懐している。

 それもあってか、福永騎手はケイティブレイブにここ1年の間、騎乗していない。

 そろそろ沈静化しつつあったところに、川田騎手が「4コーナーからは西日もキツかった」と福永騎手を匂わせるコメントをした真意は測りかねる。

 だが、競馬ファンにとっていまだ「西日=福永」はお約束となっているだけに、忘れ去りたい過去を掘り起こされる形になった福永騎手としては、とんだとばっちりを食う格好になってしまった。

 とはいえ、川田騎手が先輩である福永騎手を慕っていることも衆知の事実。2018年の日本ダービー(G1)をワグネリアンで勝利したときは、自身は1番人気ダノンプレミアムで6着に敗れながらも自ら近寄り、馬上で握手を交わした。

 当時のことを「あれだけかわいがってもらっている先輩を祝福したかった」と振り返ったように仲がいいことから、川田騎手なりの愛情表現だったのかもしれない。

 昨年、福永騎手は高松宮記念(G1)、安田記念(G1)、ホープフルS(G1)とG1を3勝、後輩の川田騎手は数多くの有力馬に騎乗したものの、怪物級クリソベリルのチャンピオンズC(G1)1勝にとどまったように、先輩の意地を見せつけた。

 今年はコントレイルとのコンビで二度目のダービー制覇の期待も大きいだけに、福永騎手のさらなる活躍を期待したいところだ。

JRA未聞の「裸足騎乗ジョッキー」に性的暴行疑惑……あの300勝騎手を襲う「薬を盛られた」被害者証言

 

 昨年の凱旋門賞をヴァルトガイストで制し、欧州最強エネイブルに土をつける大金星をあげたP.ブドー騎手が30日、性的暴行の疑いで被害者とともに事情聴取を受けたと報じられた。

 2016年に当時のフランスリーディング記録である301勝をあげ、世界屈指の名手として知られる27歳。日本でもお馴染みのC.スミヨン、昨年のリーディングであるM.ギュイヨンとともに、ハイレベルな争いを繰り広げている。

「日本にも2014年に短期免許で来日していますが、その時は騎乗よりも『裸足事件』が印象的でした。

 11月の新馬戦で、ブドー騎手は減量の失敗から斤量55キロをクリアできず、両足のブーツを脱いで騎乗。結果はクビ差の2着と好走でしたが、JRAからレース後戒告を受けました。武豊騎手もこれには呆れていましたね。

 そんな『ネタ』もあるブドー騎手ですが、性的暴行疑惑とは驚きですね。本人は疑惑を完全否定していますが、それが本当だといいのですが……」(競馬記者)

 将来の「世界No.1候補」だけに事なきを得てもらいたいものだが、アマチュア騎手という被害者女性は「他の被害者も名乗りをあげるかも」と、複数の被害者がいる可能性も示唆している。

 被害者女性の証言によれば「ナイトクラブで薬を盛られ、その後暴行された」とのことであり、最近日本でもよく耳にする「昏睡での暴行」ということだ。もし本当であれば、到底許されるものではない。

 世界一層が厚く、熾烈を極めるフランスリーディング争い。こうした醜聞だけでも、大きなダメージとなりそうだ。

ミカエル・ミシェル「御褒美」がすごい……藤田菜七子と再戦も間近

 ついにその日がやってきた。

 29日、川崎競馬の第5レースで、ミカエル・ミシェル騎手がベルロビンに騎乗し、優勝。今年、来日3日目、地方通算14戦目にしてうれしい初勝利をあげている。

 単勝1番人気に支持されていたミシェル騎手×ベルロビン。道中2番手で進み、手応え十分で最後の直線を迎えると、そのまま後続を突き放してゴール。2着に6馬身差をつけて勝利を飾った。

 この日は川崎記念(G1)当日ということもあり、平日にもかかわらず、1万人を超える来場者数を記録。ゴールした瞬間には大きな歓声があがった。多くのファンから勝利を祝福されたミシェル騎手は、「本当にうれしくて信じられない」と喜びを爆発させていた。

「初日には勝利こそなかったものの、2着1回、3着2回を記録していたので、初勝利もそんなに遠くはないと思っていましたが、ついにやってくれましたね。これからどんどん日本の競馬に慣れてくれれば、さらに好成績を残してくれるはずです。」(競馬誌ライター)

 ミシェル騎手の初白星に湧いた川崎競馬場だが、喜んだのはファンだけではないようだ。ミシェル騎手を受け入れている山崎裕也調教師は、我がことのように喜び、「スポニチ」の取材に「良かった。次はうちの厩舎の馬で勝ってほしい」と明かし、さらに「川崎開催が終わったらスタッフや関係者を温泉に連れて行く」と、彼女を連れて大盤振る舞いする予定であることを明かしている。

 川崎開催は31日で終了。ミシェル騎手は最終日も6鞍に騎乗予定だ。その後、温泉で骨を休めたミシェル騎手は、2月3日から開催される大井競馬で騎乗を再開、さらに4日に高知競馬場から始まり、佐賀競馬場、名古屋競馬場を舞台に行われる『LVRレディスヴィクトリーラウンド』にも参戦予定だという。

 また日本だけにはとどまらず、月末にはサウジアラビアの騎手招待レース(2月28日、キング・アブドゥル・アズィズ競馬場)、さらにその翌週にはスペインで行われる騎手招待レース(3月8日、サルスエラ競馬場)にも出場を予定している。どちらのレースにも藤田菜七子騎手も参戦することが決定しているため、ふたりは異国で再戦を果たすことになりそうだ。

 一挙手一投足が注目され続けているミシェル騎手。今後の活躍にも期待したい。

武豊マイラプソディがサリオス撃破!? 共同通信杯へ好時計で期待増大

 2月16日(日)、共同通信杯(G3、芝1800メートル)が東京競馬場で開催される。

 近年ではここを勝ったディーマジェスティ(2016年)、イスラボニータ(2014年)、ゴールドシップ(2012年)が皐月賞(G1)を優勝。また昨年は勝ち馬のダノンキングリーが皐月賞3着、日本ダービー(G1)2着と好走した。

 春のクラシックとも親和性が高く、今年も2歳王者・サリオスがここを始動戦にするとのウワサもある。2歳時にバツグンの成績を残した同馬が出走すれば、人気を集めるのは当然だ。そして、その対抗馬としてマイラプソディ(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)の名前が急浮上している。

 マイラプソディは武豊騎手とのコンビを組み、3連勝で京都2歳S(G3)を制覇。武豊騎手は京都2歳S後に、自身のHPの日記で『来年のクラシック候補出現を素直に喜んでいます』と綴り、さらに『ハーツクライ産駒は、この時期からグイグイ力をつけて行くイメージなので、とにかく順調に行ってくれること。そうすれば結果は自然についてきそうです』と、その成長曲線には期待を寄せている。

その素質馬が共同通信杯に向けて2週前追い切りを実施。CWコースで僚馬アンコールプリュを追走し、楽な手応えで6F79秒4、ラスト1F11.3秒の好時計を記録したという。クラシックの前哨戦に向けて着々と準備を進めているようだ。

「マイラプソディを所有するキーファーズは、武豊信者としてファンに知られる存在。これまで『武豊騎手と凱旋門賞へ』を合言葉に高額馬を買い漁っていましたが、結果は伴っていませんでした。

苦い思いを続けたキーファーズにとって、ここまで順調に来ているマイラプソディはようやく巡り会えた1頭です。共同通信杯を勝ち、勢いに乗ることができれば、春のクラシックで結果を残し、秋は目標である武豊騎手を背に凱旋門賞に挑むことができるかもしれませんね」(競馬誌ライター)

 オーナーの大きな夢が託された素質馬・マイラプソディの今後に注目したい。

つい他人に強くあたってしまい、関係が築けない。「怒り」をコントロールする方法とは?

 

 日々の生活の中では、様々なことが起きます。その中で強い「怒り」の感情に襲われてしまい、誰かに心無いことを言ってしまったり、衝動的に行動してしまったりした経験はないでしょうか。その結果、自分でも「何であんなことをしたのだろう」と後悔することも。

「怒り」をコントロールする方法としてよく知られるのは「アンガーマネジメント」ですが、そのベースになっているのが「マインドフルネス」です。

 40年の瞑想歴がある精神科医・藤井英雄さんの著書のタイトルはズバリ『怒りにとらわれないマインドフルネス』(大和書房刊)。「怒り」という感情はなくすことができないという前提のうえで、そのやっかいな「怒り」をコントロールするためのマインドフルネスの方法を伝授します。

 では、どうすればそれができるのでしょうか。

■すぐ怒ってしまう人こそ「マインドフルネス」が有効

 マインドフルネスとは「今、ここ」の気づき。もっと言うと、「今、ここの現実にリアルタイムかつ客観的に気づいていること」だと藤井さんは定義します。つまり、自分は今何をしていて、どう思っているのかを客観的に見られている状態といえるでしょう。

 もちろん、普段の生活でもずっとその状態を維持しなさい、というわけではありません。何かに集中したいとき、嬉しかったり感動をしたりしたときなど、ポジティブな感情の時は「今、ここ」の気づきがなくても問題ないのです。

「今、ここ」の気づきが最も必要な場面は、怒りや悲しみなどネガティブな感情に囚われているとき。ネガティブな感情のままでいると、自己肯定感が下がり、自己嫌悪がどんどん上書きされ、強固なものになっていきます。

 藤井さんは「自己肯定感」が弱い人こそ、マインドフルネスが有効だといいます。ネガティブな感情に囚われたとき、一度「今、ここ」を見る。そして心をニュートラルに戻し、そこからゆとりをもってポジティブ思考に移る。こうしていくことで、自己肯定感を高めるわけです。

■瞑想中はさまざまなことを「実況」すべし

 では、ネガティブな感情によって我を忘れているときに「今、ここ」を感じるにはどうすればいいのでしょうか。

 藤井さんは「瞑想」をすることを促します。

 まず鼻で呼吸をし、ゆっくりと息を吐く。腹式呼吸、胸式呼吸どちらも大丈夫ですが、その時にお腹がへこんだり、膨らんだり、胸が広がったり、縮んだりする変化を感じて「実況する」ことが大事です。

「ふくらみ」「へこみ」を実況していると、他の思考は希薄になっていきます。そこで、もしかしたら集中力が切れてしまい、雑念が出てくることも。そんなときも「雑念が出てきた」と実況しましょう。そうすることで雑念自体を客観視して手放し、呼吸に集中を戻すことができます。

 瞑想は座っていても立っていてもOK。ただし、「今、ここ」の気づきなので瞑想中に眠ってはいけません。背筋を伸ばして、余計な力を抜きましょう。

 また、瞑想の時間ですが、最低限のハードルとして10秒を確保することを藤井さんはあげています。その際、「スタート」「Go」「はじめ」など、意識を「今、ここ」に集める合図を始まるときに宣言するといいそうです。

■「怒り」を客観的に見る

 マインドフルネスを続けると、自分はどういうときに「怒り」を感じるのかという、自分の「怒り」のパターンが見えてきます。

 藤井さんによればそれはだいたい5つの要因に当てはまるようです。

「環境」…狭い、暑い、天気が悪いなど
「体調」…疲労、睡眠不足、空腹など
「状況」…忙しい、人目が多い、苦手な人がいるなど
「一時感情が恐怖」…失敗を恐れる、批判を恐れるなど
「一時感情が悲しみ」…失敗した、批判されたなど

 その上で、自分が感じた「怒り」を記録にしてつけておきます。これは「アンガーダイアリー」といい、気づいたことを書くだけでも、「怒り」のコントロールの効果は高まるといいます。

 感情的になってしまい、相手とすぐに口論になる。思うように上手くいかないときについ人に強く当たってしまう。

 本書は、「怒り」をはじめとしたネガティブな感情が起因となり、人間関係を上手く築けないと悩んでいる人にぴったりな一冊。自分のコントロールだけでなく、相手の「怒り」を受け止める方法も指南されています。

 まずは自分自身を客観的に見つめる1日10秒の瞑想からスタートしてみてはいかがでしょうか。だんだんと「怒り」との付き合い方が分かっていくはずです。
(新刊JP編集部)

※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。