「千葉ジェッツふなばし」新社長が語る、「イノベーションパートナー」で実現したいこと

前回は、日本バスケットボール界の現状と、スポーツチームと企業の新しい関係、「イノベーションパートナー」について解説しました。今回は2020年7月に千葉ジェッツふなばし社長に就任した田村征也氏と電通 筧将英氏の対談をお届けします。スポーツとビジネス・企業の関係を軸に、「イノベーションパートナー」が生まれた背景、目指す未来について話し合いました。

対談イメージ
※この対談は、オンラインで行われました。

コロナ禍の今こそ、チームに新たな風を

筧:田村さんはこれまで、千葉ジェッツふなばし(以下、千葉ジェッツ)の親会社に当たるミクシィでスポーツ事業を手掛けてきました。千葉ジェッツ社長に就任するまでの経歴を教えていただけますか?

田村:ミクシィに入社後、広告営業やコンテンツ開拓を経験し、スマホゲームアプリ「モンスターストライク」(以下「モンスト」)がリリースされた2013年からはマーケティングの責任者を務めました。国内外のマーケティング統括、XFLAG STORE社長を経てスポーツ事業本部本部長だった2019年11月、千葉ジェッツの運営会社がミクシィグループと資本提携し、外部取締役としてチームの運営に携わることに。そして2020年7月、社長に就任しました。

筧:社長交代の背景には、何があったのでしょうか。

田村:最大の要因は、新型コロナウイルスの影響です。コロナ禍において千葉ジェッツが掲げる1万人規模のアリーナ建設計画を見据えると、ミクシィとの連携をさらに深める必要があり、経営体制を大きく変えることになったのです。

筧:ミクシィで培った知見を、スポーツビジネスにどう生かしていきたいと考えていますか?

田村:大きく二つあります。SNS「mixi」はもともと招待制を採用しており、人が人を呼ぶ仕組みにより一気にユーザーを増やしてきました。いわゆるバイラルマーケティング(インターネットを利用して製品やサービスの口コミを広めるマーケティング手法)はミクシィの強みであり、「モンスト」でも全世界約5000万人ものユーザーを集めています。このノウハウをチームの集客に生かし、千葉ジェッツや関連コンテンツ、ひいてはBリーグやスポーツ業界全体を盛り上げていきたいと考えています。

もう一つは、リアルとウェブを行き来することで熱量を高める手法です。ミクシィでは、年に1度「XFLAG PARK」というイベントを開催し、2日間で4万人以上動員していました。「モンスト」ファンは日頃からSNSなどで交流を楽しんでいますが、イベントに参加すると「熱量の高いユーザーがこんなにいるんだ!」と体感でき、ゲームを続けるモチベーションにつながります。新たな友達もできますし、コンテンツをさらに好きになるきっかけになるんです。このようなノウハウを、チーム運営にも生かしたいと思っています。

筧:千葉ジェッツの場合、会場に足を運ぶというリアルな体験が重視されてきました。今後はオンラインでも、さらにファンの熱量を上げていくということでしょうか。

田村:広報の頑張りもあって、現在千葉ジェッツのTwitterフォロワー数はBリーグの中ではナンバーワンです。これまでは情報発信がメインでしたが、選手とファンの関わりを深め、双方向に楽しめるコンテンツをもっと増やせるのではと考えています。ファンマーケティングの取り組みに、より一層力を入れていきたいですね。

筧:「XFLAG PARK」は、エンターテインメント性が非常に高いイベントですよね。スポーツビジネスのエンターテインメント化については、どのような考えをお持ちですか?

田村:競技を知らない方でも1日楽しめるような空間をつくり、ファンの裾野を広げることが重要だと考えています。「XFLAG PARK」では「モンスト」のファン以外も楽しんでいただけるイベントを心がけていました。有名アーティストとのコラボレーションによるショー、サーカスのようなステージを行ったことも。「モンスト」を知らなくても、人気アーティストやバク転をするパフォーマーを見たら誰もがワクワクしますよね。

この手法は、スポーツにも置き換えられると思うんです。今もプロジェクションマッピングなどの演出に力を入れて非日常空間を構築していますが、もっと人が人を呼ぶような仕掛けにも挑戦して、スポーツ業界全体を発展させていきたいです。

大手企業と共に、スポーツ業界を牽引する先進事例をつくりたい

筧:スポーツと一般企業の関係で、課題に感じていることを聞かせてください。

田村:地域の企業とは、非常に良い関係を構築できています。現在千葉ジェッツは約300社のスポンサー企業に支えられ、Bリーグ内で上位の収益を見込んでいます。地域を巻き込むことでファンも増え、プラスのサイクルが生まれています。

千葉ジェッツは地域に根差したチームですし、今後も地域を大切にする姿勢は変わりません。それと同時に、Bリーグに所属するチームとして千葉ジェッツが中心となり、先進的な事例に取り組んでいくことも重要です。そのため、全国規模、世界規模でビジネスを展開しているパートナーとも連携していきたいと考えています。

筧:新しいパートナーシップの形として、「アクティベーション」「POC」「R&D」の三つのメニューを挙げています。どんなことが実現できると思いますか?

田村:アクティベーションであれば、会場でアプリをダウンロードしてもらうことが考えられます。例えば来場者にグッズをプレゼントする際、簡易的なゲームをダウンロードしていただき、スコアが高い方にぬいぐるみをあげるなどの施策です。アプリのダウンロードにつながりますし、年間を通じてのダイレクトマーケティングが行いやすい環境だと思います。

POCでは企業の新たな技術を試す場として、例えば試合中、一人の選手をずっと追いかける目線の映像を配信することなども考えられます。新たな観戦体験に結びつけることもできそうです。

R&Dに関しては、選手のデータを活用していただけるのではないかと思います。ただデータを提供するのではなく、チーム強化も兼ねることができたらうれしいですね。

バスケ試合風景1
※この写真は2019-20シーズンのものです。

筧:どのような企業と連携していきたいですか?

田村:データをしっかり取り、次につなげていける取り組みを一緒に考えていただける企業ですね。また、千葉ジェッツのファンは女性やファミリーが多いという特徴があります。購買につながる商品開発であったり、アリーナに車で来場される方々のデータを取得して渋滞や駐車場不足など地域の課題解決につなげたり、われわれもさまざまな形で貢献できるのではないかと思います。

他にも、選手の食事や体づくりに関するデータを取得し、一般消費者に生かすことも考えられます。私自身もIT企業出身ですから、データを活用した先進的な取り組みにも積極的にチャレンジしていきたいです。

筧:バスケットボールは野球やサッカーに比べて選手との距離感がすごく近いですよね。そういったバスケならではの特色を生かした取り組みも考えられるのではないでしょうか。

田村:野球やサッカーと違い、Bリーグはハーフタイム中に選手以外の人(チアリーダーなどのパフォーマーやキャンペーンに応募して当選したお客さまなど)がコートに入れるんです。アクティベーションの取り組みに関しては、他の競技よりも幅広いことに挑戦できると思います。

バスケ試合風景2
※この写真は2019-20シーズンのものです。

筧:今回、新たなパートナーシップの形を模索する中で、われわれと約半年にわたってディスカッションしてきました。電通とはどのような取り組みをしていきたいですか?

田村:ホームゲームは毎年30試合あるため、長期にわたって課題を解決したり、仮説を検証したりする取り組みを、パートナー企業と共に考えていきたいと思っています。そのため、電通には単発的な効果というより、中長期的な取り組みの成果が求められるような企業との関係を取り持っていただきたい。それにより、新しい体験価値の創出、新しいマーケティングデータの分析につなげてプロジェクトの成果を最大化したいと考えています。

筧:最後に、これからのBリーグ、スポーツ業界で田村さんが実現したいことを教えてください。

田村:短期的には、デジタルによる効率化が目標です。アナログ要素の多いスポーツ業界ですが、デジタルによってプロセスを簡略化したり、ファンやパートナーの負担を軽減したりしたいと考えています。

中長期的には、スポーツの体験そのものをアップデートする取り組みを実現したいですね。VRや5Gなどテクノロジーの発展により、固定観念を覆すような観戦体験が可能になるはず。それによってファンを増やし、世界に向けて日本のスポーツをアピールしていきたいです。

筧:電通のプランナーとしては、露出という形でのスポンサーシップから脱却したいという思いがあります。リーチ(広告の到達率)よりも深い指標をしっかり設計する。あるいは、ビジネスを回すためのひとつの取り組みとしてスポンサードを設計する。そういったプランニングが求められていると思っています。チームとパートナー企業をつなぐ立場として、田村さんの考えに共感していただける企業とともに新たな価値を提供していきたいですね。

日経平均、秋から来年以降に史上最悪の暴落か…今、不況なのに株価が上がっている理由

 未曾有の危機に襲われている世界経済は、今後どのように動くのか。『暴落はまだ終わっていない!』(KADOKAWA/2020年8月26日発売)の著者で経済アナリストの塚澤健二氏は、今年3月に当サイトで株価の急反発を予測していた。

 TOPIX(東証株価指数)があっさり1300を割り、日経平均株価も1万7000円を割れる時期に、塚澤氏のオリジナル指標である「T-Model」は急反発を予測していたという。3月13日に掲載された当時の記事で、塚澤氏は以下のように語っている。

「世界的株価暴落の様相ですが、私の『T-Model指標』ではまだ急落調整であり、暴落本番は、ここから一旦、急反発があってからです」

 3月13日というと、アメリカのニューヨーク証券取引所が開始後まもなく突然止まってしまう、サーキットブレーカーが発動した日だ。CNNのライブ放送では、ダウ平均株価が15分間ストップし、先行き不安から株価がどこまで落ちるのかを生中継していた。

 新型コロナウイルスが猛威をふるい、リーマン・ショックを超えるスピードで世界の株価が同時に急落している当時、塚澤氏は急反発を予測し、それは現実化した。

 実際、ダウ平均は2月12日の最高値2万9551ドルから3月23日の最安値1万8591ドルまでマイナス38%の急落後、8月11日に2万8154ドルまで反発、ピークからボトムまでの下落幅1万1355ドルの84%を回復している。

10カ月先の株価を予測する方法とは

「『先行きDI(関東‐全国の移動平均)』を10カ月ずらして、TOPIXの数値を合わせると、おもしろいことがわかります。T-Modelオリジナル指標『先行きDI関東‐全国(10カ月先行)とTOPIX』では、なんと10カ月先の株価が見えてくるのです」(塚澤氏)

 この指標では、日経平均は20年4月をボトムに、11月に向けて急上昇している。実際にはボトムは3月23日だったが、コロナのマーケットへの影響が春頃には一巡し、そこから秋に向けて急速に株価が戻ることまで示唆している。

「11月といえば、アメリカの大統領選挙が控えています。11月の大統領選に向けて、ドナルド・トランプ大統領はコロナ禍終息と景気の良さをアピールするために株高政策を取っていくことで、株価はさらに上昇していくものと思われます。

 株価は、ますます最悪の実体経済との乖離を拡大していくことでしょう。ただし、気をつけないといけないのは、11月頃になると、もう一度急速に株価が落ちていくことが示唆されていることです」(同)

 それでは、著書のタイトルにある「暴落はまだ終わっていない!」とはどういうことだろうか?

 これまでの日本の株価は、日本銀行のETF(上場投資信託)買いやGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の株式買いなどで支えてきたことによる上昇が大きい。景気後退は消費税が増税される1年前の18年10月から始まっており、コロナによって、フェイク経済の“化けの皮”がはがれつつあるという。

「景気は株価の急反発を追いかけるように一旦は急回復が予想されますが、長期的にはもう一段悪くなり、企業や金融機関も破綻するところが出てきて、失業者も激増することでしょう」(同)

 塚澤氏は新刊の中で「『暴落』とは、株価が下落し元の水準に戻るまで5年以上を費やすこと」と定義しており、急落から急回復している今回のコロナ・ショックは急落調整にすぎないという。

 では、次の本当の「暴落」はいつくるのだろうか?

「近い将来、私たちが目にするであろう本番の『第2のリーマン・ショック』は、解決できない史上最大級の変動となるはずで、結果的に想像を絶する金融破綻が待ち受けていることだけは覚悟しておいた方がいいでしょう。その理由は、金融の『核爆発』ともいえる世界的な『デリバティブ・バブル』が原因となるからです」(同)

 金利が上昇し、FRB(米連邦準備理事会)の無制限金融緩和が終わったらどうなるのか? 天災も含め、今年の秋から来年以降に起きるかもしれない本番の「暴落」が来るときに備え、コロナ・ショックによる株価急落はあくまで「予行練習」のようなものとして考え、今、何をやっておくべきか。本書では、そうした内容について説いている。

 これまでの経済常識が通用しないニューノーマル時代の「マネーの教科書」として、ぜひ読んでおきたい一冊だ。

(文=編集部)

激安バジェット・レンタカーでスズキハスラーに乗れた!オシャレで20キロ超の高燃費

 レンタカーは車を借りる店舗と返す店舗は同一というのが基本だ。別の店舗に返却する場合は、乗り捨て料金が別途かかることが一般的で、長距離の場合は基本料金より高くなってしまう場合が少なくない。

 大手レンタカー会社では、トヨタレンタカーバジェット・レンタカーは基本的に同一都道府県内の店舗であれば無料(北海道など例外あり)、日産レンタカータイムズカーレンタルオリックスレンタカーは20km未満であれば無料(同)だ。ニッポンレンタカーは、以前は同一都道府県は基本的に無料だったが、この8月4日より、20km未満が無料というシステムになった。

 ユーザーにとっては、どちらかといえば20km以内(未満)無料より、同一都道府県内無料のほうがありがたい。距離制限は、羽田空港から神奈川県川崎市、大阪国際(伊丹)空港から兵庫県尼崎市など都道府県境では有効ではあるものの、都道府県内という制限のほうが圧倒的に活用しやすいからだ。

 レンタカー業者側からすれば、乗り捨てされた車は出発した店舗に回送しなければならない。人件費がかかるだけでなく、回送中は貸し出しできないため、利益の逸失も発生する。そのため乗り捨て料金が発生するのは理解できるのだが、利用者としては、やはり「もったいない」という感覚が生じてしまう。

 たとえば飛行機である目的地へ向かい、空港からレンタカーを借りて観光地を巡り、そこからさらに鉄道で別の目的地へと向かいたい……などというとき、空港で借りて駅の近くで返却できれば、とても便利だ。しかし、空港の多くはターミナル駅から20km以上離れた位置にある。こういうケースでは、都道府県内の乗り捨てが無料というレンタカー会社を利用するのが賢いということになる。

 先日、東京から飛行機で大分空港へ向かい、数カ所で取材をこなして、JR大分駅から福岡市へ電車で向かうという、まさに上記に当てはまる仕事があったため、実際にレンタカーを借りてみた。その際に料金をいろいろとシミュレーションしてみたところ、バジェット・レンタカーの軽乗用車が「4950円」と最安だったため、予約してみた。

 普段は街なかでレンタカーを利用する方にはあまり馴染みがないかもしれないが、バジェット・レンタカーは全国の空港に多くの店舗を構えるレンタカー会社。今回は、このバジェット・レンタカーの実情をレポートしてみたい。

おまかせプランで出てきたのは、先代のスズキ・ハスラー!

 バジェット・レンタカーも、借り方は一般的。空港のカウンターで予約名を伝え、迎えにきた車に乗って営業所へ向かう。車種はお任せというプランだったのだが、出てきたのは先代のスズキ・ハスラーだった。ポップなデザインと、軽クロスオーバーというコンセプトが人気を集めた、いわずとしれた大ヒット車。期せずして乗れるとなれば、これはちょっと意外、うれしいではないか。

 レンタカーはとかく、ベーシックな車種を取りそろえていることが多い。個性的なデザインや独特のコンセプトを持つ車はレンタカーでは少なく、万人が無難に扱える車を選ぶ傾向が強い。操作性や着座位置などが一般的な車のほうが、運転に不慣れな人でも事故を起こしにくいという側面もあるのではないかと思う。

 その点ハスラーは、かなり独特な車だ。クロスオーバーを称するだけあって、着座位置(座面の高さ)はやはりちょっと高い。視界がよいと感じる人が多いだろうが、コーナリングではやや不安を感じる部分もある。かなり立っている前面の柱(Aピラー)も、違和感を感じないではない。

なかなか乗れないスズキ・ハスラー、24km/Lの高燃費!

 ただ、全体的には思いのほか乗りやすい。室内はいわゆる「軽トール系」の高さだが、これはスズキ・ワゴンRダイハツ・ムーヴと同程度で、現代日本においてはもはや一般的なレベル。高速道路も5kmほど走ったが、安定性にはなんの問題も感じなかった。貸し出し車両の走行距離が3万1000km台とそれほど乗り込まれていなかったこともあり、ボディやダンパーがヤレている感じもなかった。

 そして何より、デザイン性はやはり高い。屋根だけ別塗装のツートーンだが、ボディ色は内装の一部と、屋根色はホイールと合わせたコーディネートの細やかさが心憎い。前面パネルはメーターやナビを含め、四角と丸をうまく調和させたスタイリッシュなデザイン。ベンチシートも雰囲気に合っており、長時間乗らなければ腰が痛くなるようなこともない。

 96km走って給油量は3.99Lで、24km/Lの高燃費だった。ガソリン代は551円で、レンタカー代と合わせて5501円。空港から大分駅のアクセスバスは、大人片道で1550円。4人での移動ならレンタカーのほうが安い計算になる(もっともバスは、4枚券が4200円で販売されているのだが)。

 運行時間が決まっているうえ、道中で寄り道のできないアクセスバスより、レンタカーでの移動は圧倒的に快適だった。街なかではあまり見かけないが、全国の空港ではよく見かけるバジェット・レンタカー。早期割引やキャンペーンなども数多く行っているので、旅行の際のアクセス手段などとしては、実に有効ではなかろうか。

(文=渡瀬基樹)

●渡瀬基樹(わたせ・もとき)
1976年、静岡県生まれ。ゴルフ雑誌、自動車雑誌などを経て、現在はフリーの編集者・ライター。自動車、野球、マンガ評論、神社仏閣、温泉、高速道路のSA・PAなど雑多なジャンルを扱います。

AOKIで買える高機能グッズ3選!雨に強いバッグ、スニーカーより軽い革靴、蒸れないシャツ

 コロナによってテレワークが推奨されているが、やはりまだまだスーツでの出勤や外回りが多いのも事実。特に年々、酷暑になる夏はサラリーマンにとって1年で最もつらい季節である。また、近年はゲリラ豪雨なども増え、暑い上に濡れるという、スーツ姿にとっては過酷な日々が続いている。

 そこで今回は、大手スーツ量販店に並ぶ機能性グッズを3つ紹介する。主に耐水性や通気性に優れたものをピックアップした。

 今回紹介するのは、スーツ業界シェア2位で全国574店舗(2018年3月末時点)を展開するAOKI。青山、コナカと並びスーツ量販店御三家と言われるが、他の2社よりも細身のスーツが多いなど若者向けという印象がある。そんなAOKIで見つけた、おすすめ機能性グッズ3選を紹介していく(価格はウェブ税別価格)。

雨に強い3WAYバッグ LES MUES/1万2720円

「LES MUES」(レ・ミュー)は、AOKIが1992年にプライベートブランド(PB)として初めて発売したシリーズだ。

 この商品の売りは高撥水素材が使用されていることで、繊維事業者大手の帝人による高機能素材「MINOTECH(ミノテック)」が採用されている。この素材は、生地表面の縦方向に水滴を流すつくりと横方向に水滴の表面張力を低減するための凸構造を配したマイクロガーター構造により、繊維表面についた水滴がほとんど染みずに転がり落ちる。急な雨などの状況でも、常にサラッとした撥水性が発揮されるのだ。

 また、止水ファスナー仕様になっているため、バッグの中に水が入りにくく、パソコンや書類が濡れるのを防いでくれる。さらに、ナイロンの7倍もの強度を持つコーデュラ生地を使用しているため、耐久性や摩耗性にも優れ、ハードワークにも強い。

 ちなみに、この商品は手持ち、肩がけ、背負いと3パターンの利用ができるので、自分のスタイルに合わせて使うことができる。近年はゲリラ豪雨も多く、台風も頻発している。急な雨にも、備えあれば憂いなしだ。

超軽量空気循環 シングルモンクシューズ LES MUES/1万320円

 こちらも、AOKIのPB「LES MUES」による商品。LES MUESではスーツをはじめ靴まで、豊富なラインナップが並んでいる。

 まず紹介したいポイントは、その軽さである。動きやすい靴の代名詞であるスニーカーの片足分の重さは平均350~400gと言われているが、この商品は片足約285g。スニーカーを下回る重量で、一度履いたら手放せないほどの軽やかさを誇っている。

 そして、特筆すべきなのはムレを防ぐ仕様だ。靴底の穴(エアゲート)により、靴の中の空気が循環するため、ムレを防止。革靴のムレはサラリーマンにとって永遠の悩みだが、このシューズによって改善されることは間違いない。また、撥水加工レザーを使用しているため水にも強く、インソールとミッドソールによるダブルクッションで歩いても疲れにくい。

 AOKIの中でも人気が高い商品というのも納得の、機能性抜群の一品。ぜひ手にとって、実感してほしい。

ボタンダウン ニット 半袖シャツ LES MUES/3990円

 今やノンアイロンシャツは一般的になりつつあるが、AOKIも同分野に関しては力を入れている。

 この商品は従来の形状安定シャツよりも防シワ性に優れていて、アイロンがけが不要。そのままリュックやカバンに入れても問題ないほどだ。さらに、ニットなので伸縮性が高く、ストレッチがきくなど動きやすくなっている。

 さらに、通常は生地が重ねられて仕立てられている肩の部分は、一枚布で仕立てることで衣類内部のムレを抑える効果が見込まれる。また、吸汗速乾性もあり、汗をすぐに乾かしてくれるので、夏でもベタつき知らずだ。ちなみに、肩部分を一枚布で仕立てるのは、他社にはないAOKI独自の仕様である。

 この商品はスリムな形状になっているため、半袖でもスタイリッシュな印象を与えてくれる。おじさん臭いダボッとした半袖シャツは見た目の印象も悪いが、このシャツであれば好印象になること間違いなしだ。

(文=清談社)

河井克行・案里が初公判で無罪主張もこれから120人が証人出廷! 安倍事務所の買収関与を物語る決定的証言が飛び出す可能性

 本日25日、前法相の衆院議員・河井克行被告と、妻で参院議員の案里被告の初公判が開かれたが、予想通り、起訴内容を否認した。  夫妻は参院選公示日前後に地元議員らに現金を供与したことはおおむね認めたものの、その金は「統一地方選に立候補した人への陣中見舞いや当選祝い」だったと...

パチンコ新台『ルパン三世~復活のマモー~』に続く朗報!「あの神作」が激アツ仕様で登場!?

 業界を代表する「ビッグコンテンツ」の動きが目立つパチンコ。その中でも注目度が高いのは「おまえのハートをバズらせてやるよ」と宣言する『ルパン三世』シリーズ最新作だろう。

 ヒットメーカー平和はパチンコ新機種『Pルパン三世~復活のマモー~』の製品情報ページを公開。早くも反響が寄せられている状況だ。

 同ページではすでに公開されていた「スペック」「ルパン・ザ・シアター」「世界観」の予告動画を掲載。新筐体の斬新さや、神と天才が最終決戦を繰り広げる「極限BATTLE」を搭載している旨が確認できる。

 気になるスペックに関しては「常識を覆す」「2000」「騒然必至の新世界」という強烈な文言を紹介。限界突破アタッカーへ玉が入賞しながら「2000まで増えていく様子」は圧巻の一言だろう。スピード感も感じられる映像に、ファンのボルテージは高まっている印象だ。

 シリーズでも人気の高い「ルパンVS複製人間」を題材にした本機。一部では遊タイム搭載の可能性も話題になるなど、その仕上がりに期待は高まるばかりである。続報が非常に楽しみだが…。

 同社コンテンツの中で、熱い視線を浴びているのは『ルパン三世』だけではない。

 8月に入り「世界的ヒット作品」に関する情報が目立つようになってきた。「超絶進化」パチンコとして話題になった「アノ機種」を話題にする関係者は多い。

「平和さんのラインナップに関する情報は多いですが、大ヒット映画『JAWS』とのタイアップ機を話題にする方は多いです。シリーズを通して上々の実績を残しているコンテンツ。2018年の“超絶進化を遂げた”と宣言された『JAWS再臨』も、『転落確率を約1/500』まで下げた仕様が話題になりましたよね。

そんなシリーズ最新作の動向に注目が集まっています。気になる仕上がりに関しては、遊タイム搭載を予想する声も浮上。時期的には十分にあり得ますし、ぜひとも原作の世界観を活かした演出を期待したいところです。すでに発表されている搭載タイプ『P戦国乙女6 暁の関ヶ原』への反響も上々ですから楽しみですよね。

一部では『他メーカーの可能性も!?』といった情報もありますが、そのへんも含めた続報に注目ですね。現段階では『準備中!?』との話が有力視されていますが、近いうちに動きがあるかもしれませんよ」(パチンコ記者)

『Pルパン三世~復活のマモー~』に続き、人気シリーズ『JAWS』最新作が動き出すのだろうか。敏腕メーカーの「次なる一手」に注目は高まる。

JRA「九州産馬期待の星」ヨカヨカの敵はライバルよりも”G1級”のハンデ!? ひまわり賞に立ち塞がる試練を突破できるか?

 29日、土曜小倉では、ひまわり賞(OP)が開催される。九州産馬にとって唯一の限定オープン競走となるため、「九州産馬ダービー」とも呼ばれるレースだ。だが、今年はオリンピック開催もあり、小倉開催が通常よりも少ない4週しか行われない変則日程。これも影響し、登録している23頭中の14頭が、「出走すると3連闘」という異常な事態が発生している。

「“連闘”といえば、思い出されるのはラガービッグワンではないでしょうか。95年6月10日の札幌4Rから、8月27日の函館3Rまで12週間連続で出走。この間に3着は3度ありましたが勝利を挙げることは出来ませんでしたね。また12年にはフェブアクティヴが10月6日からの秋の京都開催8週に“皆勤”し、8連闘したことがありました。こちらも連闘の甲斐なく、勝利には結びついていないです。

今年もカイザーノヴァが、連闘で函館2歳S(G3/5着)に挑戦するなど、2週続けてレースに使う陣営もいます。しかし、それ以上となると16年8月にコスモフレンチ、ボクノナオミが18年3月に3連闘し、3戦目で勝利を挙げたことがありましたけど、やはり稀です。使い詰めで疲労が蓄積した結果の故障も懸念されますからね」(競馬誌ライター)

 しかし日程の都合上、その“3連闘”を余儀なくされる馬が多数出走することになるひまわり賞。だが、一部競馬ファンからはそれ以上に注目されているのが、熊本産馬の期待の新星・ヨカヨカが背負う「57キロ」の斤量だ。

 1986年以降、JRAの2歳戦で57キロを背負ったのは、98年のひまわり賞に出走し3着だったカシノリファールをはじめ、03年のもみじS(OP)を勝ったナムラビッグタイム。さらに05年の京都2歳S(OP)の勝ち馬マルカシェンク、同年の中京2歳S(OP)を制したメイショウサムソン。そして07年の福島2歳S(OP)で5着のマルブツイースターなどの5頭。今回のヨカヨカが史上6頭目となる。

「ヨカヨカは前走のフェニックス賞(OP)後に、主戦の福永祐一騎手が、『九州産馬のなかに入れば、力が一枚も二枚も上』とその才能を認める発言をしたこともあり、今回のひまわり賞でも断然の人気を集めると見られています。

 しかし今回は連闘に加えて、斤量が57キロ。この斤量を背負って勝利した2歳牝馬は過去にいません。高松宮記念(G1)の覇者であるモズスーパーフレアでさえ、北九州記念(G3)に出走した際は56.5キロでしたし、獲得した賞金の額に応じて斤量が決まる別定戦とはいえ、重すぎる気がしますね」(競馬記者)

 2歳牝馬ながら古馬のG1馬であるモズスーパーフレアよりも「酷量」を背負うことになったヨカヨカ。だが、それを跳ね除けて勝利を挙げることができれば、さらに大きな道も開けるはずだ。ヨカヨカがこの試練を突破する姿が見たい。

手越祐也、無人島動画でNEWSではなくSMAP曲熱唱で物議「許可取ってる?」「無神経」

 6月にジャニーズ事務所を退所後、YouTube公式チャンネルの登録者数がすでに152万人(2020年8月25日現在)に達し、多くの話題を振りまきながらも絶好調の手越祐也。そんな彼の“熱唱”が、またもや話題を呼んでいる。

 手越は24日、自身のYouTubeチャンネルに『【チャラ男の無人島生活3】これが無人島最後の動画です』というタイトルの動画を投稿。彼がかつて出演していた『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)への“オマージュ”か、などとして話題になっていた「無人島生活シリーズ」の第3弾なのだが、そのなかの“あるシーン”に、注目が集まったのだ。

「今回の第3弾動画で手越は、ビーチフラッグを行い、きりもみ式の火起こしに挑戦するなどしていました。火起こしではなかなか火を着けることができず、『あんだけ擦って煙さえ出ない。腹立ってきたな』と悪態をついたものの、その後成功。その日で焚火をし、島で獲った魚を焼いてその味を絶賛していましたね。

 動画の締めとしてスタッフから歌をリクエストされた手越は、『手越祐也第2幕に完全にGOするぞっていうさ、決意だったわけ。で、今歌のリクエストをされて。決意だからこそ、第1幕、手越のね。俺の人生を変えてくれた曲』として、SMAPのヒット曲『世界に一つだけの花』をチョイス、アカペラで熱唱してみせたのです」(芸能ライター)

「なぜ、NEWSの曲を歌わないのか」との批判の声

 歌唱後、「思い出したよ15歳の時。いい曲だな、最高の曲だな。大好き」と曲を絶賛した手越は、「これからの手越祐也に期待していてください!」と呼びかけて、動画は終了。これに対しネットでは、「SMAPがこの曲を歌えない状況のなか、手越が歌ってくれたのはよかった」「アカペラでアレだけ感情を載せて歌えるの、やっぱり手越って歌が上手い」など、肯定的に捉える声も。

 しかし一方で、「無神経すぎるし、そもそも許可とか取ってるの?」「NEWSの曲を歌えばいいのに」「歌もビブラートでごまかしてるだけで、そんなに上手いとは思わない」など辛辣な意見も多く見られ、賛否が入り交じる状態となっているのだ。

「手越自身が言及していたように、『世界に一つだけの花』は手越のデビューのきっかけとなった曲なんです。彼が15歳の時、ジャニーズJr.の仲間とカラオケに行った際、この曲を熱唱したところ、周りの仲間が感嘆。その翌日に、歌が上手いジャニーズJr.メンバーを探していたジャニー喜多川社長に対し、その仲間らが手越を推薦、結果としてKUT-TUNのライブに出ることが決まった……という有名なエピソードがあるんですよ。

 とはいえ、『この無人島シリーズ』に対しても、『“イッテQ”のまんまじゃないか』といった批判の声があるなか、さらに大先輩であるSMAPの曲を持ってきたわけですからね。『結局ジャニーズをネタにしないと食っていけないのか……』と、冷ややかな声も上がっています」(同・芸能ライター)

 6月23日に行われたジャニーズ事務所退所会見では、「なんかすごい革命的なことをやっているし、面白そうだなと思わせられる絶対的な自信がいま僕にはあるので」と、独立の理由を語っていた手越。しかし今回の動画に関しては、視聴者に対し、“革命的”な何かを感じさせることはできなかったようだ。

(文=編集部)

新型ハリアーが大ヒット、RAV4 PHVは受注増で販売中止…ニーズが高まる“隠れ高級車”とは?

 トヨタ自動車の新型「ハリアー」が大ヒットしているのは、すでにご承知のことと思うが、とりあえずその状況を確認すると、自販連(日本自動車販売協会連合会)統計による2020年7月単月の除軽(登録車のみ)カウントでの新車販売ランキングでは9388台を販売し、4位に入っている。

 月販目標台数3100台に対し、3倍以上の結果となった。ただし、ハリアーは現時点では納車待ちが半年以上となっており、オプションの組み合わせ次第ではさらに納車を待つ状況となっているので、現時点ではフル生産してバックオーダーを消化している状況といっていいだろう。

 もうひとつのトピックが、6月8日に発売となったトヨタ「RAV4 PHV」。こちらは発売直後に“バッテリーの生産能力を大幅に上回る受注があった”とし、さらに年度内生産分の販売を終了したとして、販売中止となっている。

 RAV4 PHVがこのような事態となったことについて、新車販売業界に詳しいA氏は「トヨタは需要予測を見誤ったようです。上層部としては、もっと量販できる体制を整えなくていいのかと現場に伝えたようですが、開発現場では『そんなに売れるはずがない』と判断したようです」と話してくれた。

 ハリアーについては、月販目標台数の設定自体が良く言えば“控え目”にも見え、これがさらに“ヒットしている”というイメージを増長しているように見えるが、とにかくよく売れ、それなりの生産体制を組んでバックオーダーの消化をしているのは事実である。

 両車の人気の背景についてはさまざまなメディアで分析が進んでいるが、個々の事情のほかに、“WITHコロナ”という社会背景も大きく影響を与えているものと考えられる。

意外な需要がある“隠れ高級車”とは?

 筆者が命名したのだが、世の中には“隠れ高級車(高額車)”というものがある。わかりやすくいえば、見た目や世間の印象よりも高額なモデルである。過去にはトヨタ「エスティマ ハイブリッド」が、その代表格であった。

 最終モデル(3代目)が2016年に最後のマイナーチェンジを行ったときには、ガソリン車の最上級グレードの車両本体価格が約370万円なのに対し、ハイブリッドの最上級グレードは約500万円なので、その差は約130万円となっていた。

「あるセールスマンから聞いた話では、お得意様といえる、夫婦ともに公務員で子どものいないお客がいたそうです。そして、このお客は『お金が余って仕方がない』と短期間(早いときには半年)でエスティマ ハイブリッドを乗り継いだそうです。ガソリン車でもけっこうな価格はしますが、ハイブリッドでつけられるオプションはすべて装着して、総額700万円ほどで乗り継いでいたそうです。メルセデスベンツなど輸入車に乗ると近所でも話題となってしまいますが、世間ではミニバンはそれほど高いイメージがないので、カモフラージュになるし、本人たちにとっては満足感も高いとして選んでいたそうです」(前出のA氏)

「レクサス」が日本で開業した頃、都市部より地方部で反応が良かったという話を聞いたことがある。それこそ、メルセデスベンツに乗れば目立つし、近所で何を言われるかもわからないが、レクサスならば「トヨタのクルマ」と説明すれば、それほど抵抗なく受け入れてもらえたとのことであった。

 その地方部も、今では各輸入ブランドの積極的な出店や格差社会の拡大などもあり、それほど抵抗なく輸入車に乗ることができるようになっているようだ。

 RAV4 PHVは、まさに“隠れ高級車(高額車)”としては“ストライク”級といっていいほど、ドンピシャのモデルであった。ハイブリッドの最上級グレードより約137万円高いだけでなく、日本車ではまだ数少ないPHEVの最新版となるので、技術的に興味を示す人も多い。

 そして、RAV4はまだまだ手軽なモデルだった初代のイメージを引きずる人も多いので、“隠れ高級車”を欲しがっている人が殺到することは、新型コロナウイルス感染拡大がなくとも容易に想像ができた。

 しかも、“WITHコロナ”の時代となり、富裕層のライフスタイルは大きく変わった。高級レストランなどでの外食はほとんどできなくなり、せいぜい高級デリバリーサービスを利用するぐらい。さらに、海外渡航は観光レベルでは事実上不可能となっている“鎖国状態”が続く中では、お金の使い道がかなり限られているのである。その中で、セールスマンから「おもしろいクルマがある」とアプローチされれば、飛びつくのは当たり前の反応である。

 ハリアーにしても、ベーシックタイプでは300万円を切る299万円となっているが、最上級のハイブリッドZ 4WD レザーパッケージでは504万円となる。販売現場からの声も強かったようで、新型ではハイブリッドでも2WDが設定されたが、4WDの方がパフォーマンスとして圧倒的に良いとの話も聞いている。しかも、レザーパッケージを選ぶと納期がさらに延びているとの情報も入っており、“隠れ高級車”として選ばれている傾向が目立っているように見える。

マツダのSUVとトヨタ車の決定的な違い

 とはいえ、ハリアーやRAV4 PHVに乗り替えたいという人がそんなに多いのか……と疑問に思う人もいるかもしれないが、トヨタはその圧倒的に強い国内販売力を背景に膨大な既納客を抱えており、その構成は実にバラエティに富んでいる。その中には、当然“隠れ富裕層”(公務員などで見かけはつつましく生活していても、お金をいっぱい持っている層)も多く含まれる。

 過去に3代目「プリウス」が大ヒットしたが、そのときにも、たとえば校長先生が最上級グレードにつけられるオプションをすべてつけて購入したり、身分の安定した若い公務員が「86」をポンと購入した、などという話をよく現場で聞いた。「クラウン」を代々乗り継いでいるお客に「新型が出ますよ」と話したら、「最上級グレードにオプション全部乗せで持ってこい」と即答されることなども、過去には当たり前のようにあった。

「とにかく『オプション操作のスイッチ用のダミースペースをすべて埋めるように』とオーダーするお客は多かったようです」(同)

“隠れ高級車”といえば、マツダのSUVも候補として思い浮かぶが、こちらはトヨタのような動きはあまり見られないようで、販売状況は今ひとつといったところ。この点について、A氏は以下のように語る。

「確かに値引きをあまりせずに、デザインや技術力では定評がありますが、クルマ自体の知名度が希薄なのが致命的なようです。“ハリアー”、“RAV4”といえば、RAV4は一時国内販売を“お休み”していたとはいえ、両車ともすでに長い間販売を続けており(しかも人気モデルとして)、それほどクルマに興味がなくても車名ぐらいは知っている人は多いでしょう。“継続は力なり”ではないですが、同じ車名で長い間販売を続けていることは大きいようです」

 リセールバリューが“鉄板”なことも見逃せない。ハリアー、RAV4ともに海外バイヤーが注目しており、日本から中古車として出荷されると、ロシアや東アジア、アフリカなどの海外で人気が高いことが大きく影響している。リセールバリューが高いので、残価設定ローンを組む際に3年後や5年後などの残価率が高いだけでなく、たとえば5年払いならば55回目ぐらいなど、支払い途中で下取り査定に出すと、査定額で残債を相殺できるだけでなく“お釣り”がくることも多い。

 富裕層の中には、まとまった現金は手元に置きたいので、あえてローンを利用するといった人も目立つ。今のような先の見えない不安定な状況下では、「まとまった現金は手元に置いておきたい」という傾向がより強まり、そのような動きは顕著となっている。

 数千万円級の高級輸入車を購入する人は、お気に入りのモデルということもあるが、リセールバリューなども考慮して資産価値(値落ちの少ないモデル)もしっかり評価して選んでいると聞いたことがある。日本車についても、残価設定ローンの普及もあり、同じような視点でクルマを選ぶ人が目立っている。

高まる“隠れ高級車”のニーズ

 新型コロナの感染拡大は誰もが予測できなかった事態なので、ハリアーやRAV4 PHVは今の社会状況を見据え、タイミングを見計らって市場投入したとは考えにくいが、少なくとも今のような“非常時”に市場投入して、どのような反応があるかはシミュレーションしたはず。ハリアーでは4月に発表し、6月に正式発売したのは、その動きともとれる。

 日本車メーカーは、レベルの違いはあっても、富裕層と呼ばれる購買層の消費スタイルや価値観の把握が苦手に見える。レクサスは北米で大成功しているが、それでも現地では「購買層の消費スタイルや価値観を理解しきれていない」との話をよく聞く。残念なことかもしれないが、日本でも貧富の差は今後も拡大の一途をたどることになるだろう。

“隠れ高級車”がよく売れる一方で、輸入車販売もJAIA(日本自動車輸入組合)の統計を見ると、7月単月は前年比マイナスながら、6月と比べると回復傾向が顕著となっており、都市部を中心に活発に売れているようである。新型コロナ感染拡大で、さまざまな場面において、改めて日本における“同調圧力”の強さというものを感じたが、“隠れ高級車”の売れ行きが好調なのも、その傾向を強く反映したものといっていいだろう。

 新型コロナウイルス感染拡大が収束を見せず、そして事業年度締めで下半期となる10月以降は企業業績の悪化が顕著となり、雇用問題が深刻化するとも言われている。その中でも、給与、身分ともに安定している公務員、元公務員や元大手企業幹部や役員を経てリタイアし、年金生活を送っている“富裕高齢者”を中心に、“隠れ高級車”のニーズは高まり続けそうである。

(文=小林敦志/フリー編集記者)

映画『ヤクザと家族 The Family』から見える、21世紀のリアルすぎるヤクザ事情

 

 今年、33歳という若さで日本アカデミー賞を獲得した気鋭の映画監督・藤井道人。そんな彼の新作は『ヤクザと家族 The Family』。そして、本作の監修・所作指導をしたのが、当サイトの執筆陣のひとりであり、元ヤクザの肩書を持つ作家の沖田臥竜。これまでのヤクザ映画とは一線を画す、徹底的に「ヤクザのリアル」を追求した同作品は、現代社会に何を訴えかけるのか? どこよりも早く、当事者2人が語った。

『新聞記者』のチームで挑んだヤクザ映画

――『新聞記者』で日本アカデミー賞最優秀作品賞などを獲得した藤井監督ですが、来年公開される新作はヤクザをテーマにしたもので、しかも監修と所作指導を務めたのが、弊社(サイゾー)でアウトロー関連本を複数出版したり、当サイトで山口組関連のレポートを執筆したりしてくれている沖田さんということで、早速話を聞きたく、今日は集まっていただきました。まだ、試写会も行われておらず、出せる情報の限られている中ですが、この作品を軸に、現在のヤクザ事情についても伺えればと思っています。

藤井道人(以下、藤井) 新作のタイトルは『ヤクザと家族 The Family』というんですが、実は、その前に9月4日に『宇宙でいちばんあかるい屋根』という映画が公開されるので、そちらの宣伝もお願いします(笑)。

――はい。その映画については、あらためて関連サイトのほうで取材をさせていただきますね。ところで、前作の『新聞記者』は、現政権やそこに忖度するメディアへの強烈な批判精神が溢れている骨太な作品で、『宇宙でいちばん~』は清原果耶さんが主演のファンタジー色もある青春ドラマ。そして、『ヤクザと家族』は、社会から阻害されたアウトローたちの人間ドラマ。特に、タイトルにある通り、「家族」を軸に描かれています。

藤井 『新聞記者』は自分が監督をするまでに紆余曲折あって、自分の精神から生み出された作品とは言い切れなくて、プロデューサーがしたかった社会への挑戦状という側面が強かった気がしますね。その挑戦的な意図が明確に伝わるような映画にしたかったので。

――『新聞記者』の原案は、安倍政権批判の急先鋒である東京新聞の望月衣塑子記者で、プロデューサーの河村光庸氏も安倍政権下での民主主義の形骸化を憂える発言をよくされています。いわば、その“反権力映画”が日本アカデミー賞を受賞したことは、特にネット上で賛否を呼んだというか、右の人たちからは「赤デミー賞」などと揶揄する向きもありましたね。

藤井 『新聞記者』については、一切エゴサーチしないと決めています。望月さんや河村さんほどの強い政治的な信念もなく、傷つきそうなので(笑)。その『新聞記者』と同じチームでつくったのが『ヤクザと家族 The Family』です。『新聞記者』を撮り終わった後、プロデューサーの河村さんが「藤井、ヤクザ映画って興味ある?」って言ってきて。そもそも2012年に『けむりの街の、より善き未来は』というヤクザをテーマにした長編を撮ったことがあって、またやりたいなと思っていたんです。ヤクザの世界を描くにしても、軸を何にするかいくつか出し合った時に、今までにないものにしたかったので、その中から、家族関係を軸にしつつ、ヤクザやその家族の人権とか、ヤクザである主人公の周辺にいるそれぞれの立場の人間が、社会に対してどう生きていくのかというところを描こうと思いました。

――『ヤクザと家族』は、元ヤクザである沖田さんが書く作品とも通じる部分が多くあったそうですね。

沖田臥竜(以下、沖田) 自分も脚本を読んだ時にびっくりしましたね。自分の場合は、『死に体』(れんが書房新社)や『忘れな草』(サイゾー)といった作品もそうなんですが、実体験をもとに、一人の男がヤクザになる前と、ヤクザになった時と、ヤクザをやめた後の人生を軸に物語を書くことが多いんです。ヤクザものだけど、抗争を中心にした切った張ったの暴力的な世界を書きたいわけじゃない。ひとりの人間であるアウトローのリアルな姿や心情を書きたいのですが、『ヤクザと家族』もまさにそんな作品やったんで驚いたし、喜んで製作に協力させてもらいました。

「見たことないヤクザ映画を撮ろうと決めてました」(藤井)

――物語を簡単に説明すると、綾野剛演じる主人公の山本が不良少年時代に、舘ひろし演じるヤクザの親分・柴咲に救われたことで、親子の盃を交わすことになる。実父を失い、孤独になった山本は、ヤクザになることで新しい家族(親分や兄弟)を持つことができ、そんな組織のために体を懸ける。一方で山本はある女性を愛し、彼女に本当の家族像を求める。ただ、現代社会の中で、ヤクザであり続けること、ヤクザが家族を持つことの困難さを突きつけられる――山本の半生を縦軸に、敵対組織との争いやヤクザ組織の衰退、新時代のアウトローの勃興、警察の腐敗、そして家族との関係など、多くの要素が絡み合っていく。ヤクザ映画と聞いて想像する、抗争や犯罪、任侠道などを中心に描かれているような作品とはまったく違うようですね。

藤井 見たことないヤクザ映画を撮ろうっていうのだけは決めていました。古くは『仁義なき戦い』から近年は『孤狼の血』とか、ヤクザ映画には、古典や名作もたくさんある中で、そこに肩を並べたいという思いで作ったのではなくて、今の時代を映す時にヤクザを主題にしたら観客にどう届くんだろうっていうところに挑んでみたかった。

沖田 これまでのヤクザ映画の多くは「争い」「暴力」を中心に描かれているけど、今回の作品は「社会」「生活」に焦点が当たっている。それがとてもリアル。今のヤクザをここまでリアルに描いているのは、ほかにはないでしょうね。暴力団対策法に続き、暴力団排除条例が施行されて、ヤクザへの締め付けが強くなって、組織運営もままならなくなっていく。シノギが減って、組員も減って、それでも若い子たちはまだ比較的カタギに戻りやすいけど、長くヤクザの世界にいた年輩者は、ほかに行くところもなく、ズルズルと組織に身を置きつつ、アルバイト的な小銭稼ぎをしている。しかも、そんな彼らの家族も、社会の中で厳しい扱いを受ける。見ていて、自分に置き換えてしまったりして、胸が苦しくなりました(苦笑)。

――『ヤクザと家族』というタイトルを聞くと、『ヤクザと憲法』という東海テレビが制作したドキュメンタリーを想起してしまいます。あの作品は、指定暴力団の二次団体の事務所に密着して、そこから「ヤクザは“法の下の平等”という憲法に定められた理念に沿った生き方ができているのか」という問題提起がされていたかと思います。この作品と通じるものはありますか?

藤井 ありますね。もちろん、『ヤクザと憲法』も見させてもらいました。あちらはドキュメンタリーなんで、実際に起きた「事実」に寄り添うんですけど、映画は絶対的に人間の「感情」に寄り添わないといけない。登場人物の感情を描くために、そこで起きていることの裏側をちゃんとドラマとして構築するというのは、映画を作る際にすごく意識しなくてはいけないと思っています。

沖田 『ヤクザと憲法』では、カメラが回っていないところの実態はわかりませんよね。ヤクザって「24時間、ヤクザでおらんといかん」って言われますけど、やっぱり家庭があったり、他人に見せたくないプライベートがあったり、息抜きしたり、と、ドキュメンタリーだって映されたくないところはたくさんありますよ。映画はそこに踏み込める。特に、憲法で保障された人権とか考える上で、家族との関係や生活がどうなっているのかというのは大事だけど、実際にはそこまで映し出した作品はないでしょう。『ヤクザと家族』はそこをしっかり描いてますね。

藤井 2019年現在のヤクザを描こうとしたとき、すぐに出てくるのは、現役のヤクザはもちろん、ヤクザを辞めても、5年ルール【註:暴力団員でなくなった時から5年を経過しない者は反社会勢力と見なし、契約や取引をしないと定めている企業が多く、国もこれを違法としていない】というのがあって、携帯も買えない、銀行口座も作れないなど、社会から排除されている姿なんですが、そこだけだと映画として伝えたいものが伝わらない気がして。そんな時代に行き着いてしまったヤクザたちは、どうしてその世界に入り、組織や個人としてのどんな栄枯盛衰があったのかという歴史的な流れを知りたくて、参考文献をあさり、取材をして勉強しました。ただ、沖田さんと出会い、話してみると、沖田さんが抱えている体験や情報、そしてそれを言葉にする伝達能力というのがすごくて。元ヤクザに、こんな人がいるんだなと。しかも、経歴を聞いたら、今作の主人公の山本に近くてビックリしたんです。

沖田 たまたまですね。刑務所行っていた年数とか、出所してきた年齢とかが近くて。

舘ひろしのオーラは頂点に君臨する者のそれと同じ

――沖田さんに依頼したきっかけはなんだったんですか?

藤井 今回、助監督を務めた人間が、沖田さんの書くものをよく見させていただいていたようで、声をかけさせてもらったんです。沖田さんが、主人公に近い設定を持っているということを考えてのことだったのかもしれません。

沖田 最初、TwitterのDMが来たんですよ。映画の世界なんて、まったくわからんから、最初は「無理、無理」と思いながらも、助監督の彼と話したら、気があったんですよね。情熱を持っていて、こちらの言うことののみ込みも早くて。最初は、取材協力くらいの形で話をしていたんですが、その時の脚本を見せてもらったら、ちょっと無理がある設定だと思うところもあって。細かく意見を言わせてもらってたり、参考になるような資料を結構送ったりしていたら、監修や所作の指導までやってほしいということになったんです。ただ、修正された脚本を見たら、これはすごいなと。「ヤクザが生きづらくなった世の中」を、ここまで書くんかと。

藤井 沖田さんの協力もあって、脚本も設定もよりリアルにブラッシュアップされましたね。構成員がつけているバッジの色が組織のランクを表しているとか、それすらわからないところからスタートしていたので、細かくチェックしてもらって。演出面でもアドバイスをもらって、例えば、敵対組織との手打ちのシーンなど、そのときはどんなセリフで、どんな流れでいくべきかとか。駆け引きの間(ま)とか緊迫感をうまく再現することができました。

沖田 これまでのヤクザ映画とかVシネは、漫画みたいなもんですよ。見るもんにカタルシスを与えるための誇張されたセリフや演出。エンタテイメントはそれでええんだけど、『ヤクザと家族』はリアルさを追求したいというから、所作指導まで細かくさせてもらいました。しかも、綾野さんも舘さんも、そのほかの役者さんもさすがプロという演技力。誰もがヤクザの所作をすぐ覚えるから、驚かされました。

――沖田さんも出演されているそうですね?

藤井 盃事の媒酌人で出てもらいました。盃事はヤクザ社会では最も重要な儀式で、そこを描いて、映画にリアリティを持たせようと思った時、俳優に教えて演じさせるよりも、沖田さんがやってくれるなら、それがいちばんうれしいなと。

沖田 現役時代にさんざん親分に怒られて、礼儀作法とかいろんなことを教わって、よかったなと思いますね(笑)。

――あれだけの大物役者陣の前で演じて、ビビリませんでしたか? セリフを噛んでしまうとか。

沖田 そこは全然ですね。もともとは、あれをヤクザに囲まれてやってきたわけじゃないですか。それこそ失敗できませんよ。実際にはないですが、盃事で失敗したら、小指が飛ぶんじゃないかとか、そういう緊張感の中でやってましたし、媒酌人の言葉は現役時代50回は言ってるので間違えることはないですね。映画は撮り直しもできるし、気分は全然楽。他の演技をやれと言われたら、まったくできませんけど。

藤井 舘さんは沖田さんのこと、「先生」って呼んでましたね(笑)。

沖田 自分は小さい頃、『あぶない刑事』【註:1986~87年に放送された舘ひろし・柴田恭兵主演の刑事ドラマ】見てきているわけじゃないですか。その人にマンツーマンで指導して、向こうはこっちに「先生、これでよかった?」って。この体験は、宝物になりますよ。ヤクザをやっててよかった(笑)。それに映画作りの現場を体験できたのも、ものすごい思い出になりました。総勢150名くらいで文化祭の準備をしている感じですよね。強烈な熱気があって、ヤクザ映画だからとかじゃなく、映画界におけるものづくりの姿勢は、自分がものを書くうえでも勉強になりました。最初は、待たされる時間も長かったり、同じ場面を何度も取り直したりと、一見効率が悪いっていうか……それで舘さんに「いやぁ、ツライですね」とこぼしたら、「でも、病みつきになるんですよ」と返されて。確かに、終わってみたらわかりますよね。あの活気を味わいたくなるというのは。しかし、舘さんのオーラはすごかった。実際には、あんなオーラの親分はなかなかいませんよ。司さんみたいでしたからね。

――六代目山口組司忍組長ですか? 

沖田 頂上にいる人のオーラです。悟りを開いた、神様、仏様みたいな感じで。逆に、綾野さんは現代のヤクザ像を見事に演じてくれてる。破滅的で刹那的。そんな人間はヤクザとして生きることが最初はおもしろいんだけど、時代が変わって、家族ができても、そういう性根の部分が変えられず、悲劇が待っている――みたいな。綾野さんは、常にその危うさをまとってました。

ヤクザにとって「家族」とは?

――映画は、その二人が親子の契りを交わすところから物語がスタートするそうですね。

藤井 一度はタイトルも『一家と家族』にしようと考えてたくらいで、家族の意味を再考したかった時に、ヤクザ社会の“一家”という概念にすごく興味を惹かれました。社会からこぼれ落ちてしまった人たちや、家族を持てなかった人たちが寄り添って、一家という擬似家族を構成する。「親父」「兄弟」「兄貴」とか呼び合って、すごく特有ですよね。親殺し、子殺しの事件などもあるように、血縁で支えられた家族というものに対しての希薄さが社会に蔓延している中で、ヤクザの一家の絆は、本当の家族以上にも見える。でも、やはり本当の家族を持たないと埋められない部分もある。『ヤクザと家族』は、そこを映し出せたらいいなと思いました。

――沖田さんの場合、盃を交わした家族と本当の家族というのは、どう違うものでしたか?

沖田 若い時は、組織ありきですよね。言われるんですよね。「家族を持つな。おんなこどもを作るな」と。なにかの時に未練が残るって意味で。やっぱり20代の頃っていうんは、ガムシャラじゃないですか。そういうことがカッコええと思うんですよ。一方で、家族を持っている人もいて、組織のために罪を背負って、刑務所に15年とか行くような場合、組織は「家族の心配はするな」と言ってくれる。ただ、残した家族に対して、最初は組織が経済的に面倒見てくれても、状況が変わるじゃないですか。組織運営が厳しくなったり、解散したり。そしたら、家族だって待っててくれませんよ。生きるために別の道を選ぶでしょ。刑務所の中にいる人間は「あんだけ家族のことやってくれる言うたのに、やってないやんけ」と組織を恨むことになる。

――それぞれの「家族」を失うことになりかねないと。

沖田 そんな話を聞くと、そもそも家族は持たないでおこうとなりますよね。でも、30代とかになってくると、当たり前の幸せが欲しくなって、行き着くとこは家族であって、そもそも偉い親分衆を見てると、孫までおるわけなんですよ。「人には持つなと言ってるくせに、自分にはおるやんけ」みたいな(笑)。自分は刑務所から出て、ヤクザやめてから、30代で家族持ちましたけど、やっぱりヤクザをやってきたということは、カタギの人間を泣かしているんで、いきなり一般の家庭と同じようにやれるかいうたら、難しいところはあると思いますね。そこは『ヤクザと家族』にもものすごく反映されてますよね。

ヤクザに「暴力」は必要、ヤクザは社会の「必要悪」!?

――ただ、ヤクザはそこまで社会に迷惑をかけているのか、という疑問もあると思います。もちろん、組織的に犯罪を犯しているところや、組織の中で犯罪を犯す人はいるでしょうが、ヤクザという属性を理由に十把一絡げに法的規制をかけることに不条理さを感じることはないですか?

沖田 いや、誰がなんといおうと自分の意思で決めたことじゃないですか。結局、ヤクザをやる人間が悪いんですよ。常識的に考えて、ヤクザが正しいか正しくないかはわかるわけですよね。落ちこぼれだろうが、家庭環境が悪かろうが、ヤクザになったことは他人のせいにはできない。社会から疎外されることを不満に思ったとしても、それはヤクザをやる人間が悪いという結論しかない。

――ヤクザの中には、自分たちは暴力団ではなく侠客で、義理人情を重んじる生き方を実践している、という人はいますよね。純粋にそういう生き方をしているヤクザは、社会から批判を受ける必要はないと思ったりもします。

沖田 その考え方は人それぞれだと思うんですけど、自分は、ヤクザは暴力団じゃないとあかんと思ってました。暴力が背景にないと、義理人情を重んじて行き着いた先で、人を守ることも助けることもできないと。法令遵守していたんじゃ解決しない話も、暴力がバックにあることで話し合いが進められる。だから、暴力団といわれるのは自分からしたら理想やったんですよね。まさに「必要悪」として存在していたわけで。ただ、それを権力側は「絶対悪」として厳罰化しだした。そりゃ、そうですよね。暴力団を利用して利を得る者がいれば、その相手側は恨んでますからね。自分を守ってくれる暴力団は善で、相手側は悪なんて理屈は社会が許さないわけで、存在自体を悪とする。そうなると、ヤクザの意味はどこにあるねんってなりますよね。ただ、だからってヤクザを簡単には辞められない。いっときは家族以上でもあった人間関係をすべて断ち切るなんて難しいし、仮に辞めても社会の厳しさが待っていたりと。

――映画の中でも、元ヤクザやその家族が、SNSで誹謗中傷を受けたり、会社や学校をやめざるを得なかったりと、苦難に直面します。当然、ああいったことは現実にも起こっているわけですよね。特に、家族が疎外されるような仕打ちを受ける理屈はないと思います。

沖田 家族のために足を洗っても、自分の過去が家族を傷つける。ヤクザにとって、家族を持つのはそれぐらいの覚悟がいることなんかも。

暴力団がなくなっても暴力は連鎖していくのか

――藤井監督は、『ヤクザと家族』でも描かれた、現代のヤクザが置かれている状況とか社会からの目の向けられ方は、仕方がないのか、不条理なのか、割り切れるものではないと思いますが、どちら寄りのメッセージを伝えたかったというのはありますか?

藤井 それはどちらにも寄らないというのは最初から決めていて、意識したのは、時代としてそれを見るっていう点ですね。特に暴力というのは連鎖しているということ。どちらに寄ることもなく、自分が描きたかったのは次の世代。暴力団が衰退しても、次の暴力が生まれてくる。その暴力をどういうふうに主人公が止めるのかというところにメッセージを込めました。

――現実社会でもそうでしょうが、暴力団に代わり、より社会経済活動に溶け込んだ形で力をもった半グレの存在や、ネット上の誹謗中傷という新たな暴力なども描かれているとのことですね。きっと、それらも永遠に存在するものではなく、暴力団と同様、時代と共に移り変わっていくことが想像できます。

藤井 やはり時代ってすごく変わってきていて、暴力というカードを武器にヤクザが必要とされていた時代もあれば、不要となる時代も来る。これって、人間生活のすべてがそうだと思うんですよね。それが建設的な方向に変わっていけばいいんだけど、暴力の連鎖、負の連鎖というものは必ずある。それをどう止めるかっていうことをディスカッションする材料として、この映画が存在してくれたらいいなと思いますね。

――藤井監督は、『ヤクザと家族』の作品としての手応えはどうですか?

藤井 完成までもう少しですが、現状では最高ですね。というか、毎回、悔いがないようにやっているので、あとは観客の反応を楽しみに待ちたいと思います。ただ、最高といえるような準備をすることが映画って一番大事なんです。撮影現場で撮りながらいいものを作ろうというだけではなくて、沖田さんと一緒に脚本を練り込んだところから、取材して、時代考証をして、衣装合わせを何回もしてという、準備段階で出来上がりの点数がほぼ決まる。そこができてないと、現場でいい演出をしても、役者さんがいい演技をしても、最高の作品になることはありません。映画って、やはり大変だけど、終わったらまた作りたくなる。今回の作品もすごく楽しかったですね。

沖田 自分もこの作品には自信を持てます。昨今のヤクザ映画ではダントツにリアル。そうするために自分も協力したので、これ以上のものを作られたら、自分の存在意義がないですよ。現在のヤクザを描こうとした時に、暴力中心の映画なんておかしすぎる。じゃ、暴力がないヤクザ映画はつまらないのかといえば、そうではないことを『ヤクザと家族』が証明してくれた。今後も、2020年以降のヤクザを描こうと思う映画があったら、この作品の真似したようになるんちゃいますか。

――公開が待ち遠しいですね。本日はありがとうございました。

(司会・構成=サイゾー編集部、撮影=尾藤能暢/本稿は「月刊サイゾー」9月号掲載の記事を加筆・修正したものです)

藤井道人(ふじい・みちひと)
映画監督、脚本家、映像作家。1986年生まれ。大学卒業後、2010年に映像集団「BABEL LABEL」を設立。伊坂幸太郎原作『オー!ファーザー』(14年)でデビュー。以降『青の帰り道』(18年)、『デイアンドナイト』(19年)など精力的に作品を発表。19年に公開された『新聞記者』は日本アカデミー賞で最優秀賞3部門含む、6部門受賞をはじめ、映画賞を多数受賞。

●沖田臥竜(おきた・がりょう)
作家。1976 年生まれ。14年に渡世から引退した後、自らのアウトロー経験を生かし、執筆活動を開始。裏社会の詳細なレポートが話題を呼ぶ一方、16年に『生野が生んだスーパースター 文政』(サイゾー)で小説家デビュー。続編『尼崎の一番星たち』と共に増刷がかかるヒットに。近著に『死に体』(れんが書房新社)、『忘れな草』(サイゾー)、共著として、『「惡問」のすゝめ』(徳間書店)がある。『ヤクザと家族 The Family』ほか、映像作品の企画、原作、監修などにも関わる。

【作品紹介】
『ヤクザと家族 The Family』(2021年公開予定)
出演:綾野剛、舘ひろし ほか/監督:藤井道人
現代ヤクザの実像を、1999年、2005年、2019年と3つの時代で見つめる、一人の男とその“家族・ファミリー”の壮大な物語。

宇宙でいちばんあかるい屋根(2020年9月4日公開)
出演:清原果耶、伊藤健太郎、桃井かおり ほか/監督:藤井道人
家族関係や恋に悩む、14歳の迷える少女と、不思議な老婆の出会いによって紡がれる、どこか懐かしくて心温まる、ひと夏のストーリー。