SNSでの活動、その人の特性をかなり正確に表わす傾向…人と所有物に関する詳細研究

 私たちは自分自身のことをどのように理解しているのでしょうか。心理学では、人は自分の能力、パーソナリティ、身体的特徴などさまざまな側面について「自分はこうである」という信念を持っているとして、これらの信念の集合を「自己概念」と呼んでいます【註1】。自己概念は古くから研究されており、いろいろなタイプの自己で構成されていることが明らかになっています【註2、註3】。よく知られている自己には、現在の自分についての信念(現実自己)、そうなりたいというイメージ(理想自己)、他者が自分をどう思っているのか、あるいは他者にどう思われたいのかについての考え(社会的自己)があります。

 今回は、自己概念の一つである「拡張自己」に焦点を当てます。拡張自己は、心理学者のウィリアム・ジェイムズが1890年に提唱した「人間の自己は、私の家族、私の仕事のように、『私の(my)』が付けられるあらゆるものの集合である」という考え方をベースに、マーケティング学者のラッセル・ベルクが1988年に消費者行動研究で理論化したものです【註4】。ベルクは、人が自己を自分が所有しているモノ(所有物)で定義する傾向にあり、自己と所有の関係性を理解することが消費者行動の理解にとって重要であることを主張しました。

 拡張自己の一部となる所有物は、その人にとって意味(価値)があり、自分のアイデンティティの中心や一部のように捉えられます【註5】。したがって、もしも災害や盗難などでそれらを失った場合には、自分のアイデンティティも失ったように感じます。自分の能力を広げてくれる道具や楽器は典型的な所有物ですが、前述した家族や仕事のほかに、家、自動車、ペット、場所、好きなスポーツチームやアーティストなどさまざまなものが対象になります【註3、註4】。また、長い間愛用してきたモノ、就職など人生の転機に獲得したモノ、表彰状や表彰記念品、旅行先で購入した記念品なども拡張自己の一部になります【註3】。必ずしも高額なモノとは限りません。所有物に対する満足度は、自己拡張の一部になるほど高くなることも実証されています【註6】。

拡張自己と製品選択

 拡張自己は、モノを所有したり使用したりすることによって、自己概念を創造あるいは修正することとも定義されます【註2】。自分のアイデンティティが十分に形成されていない人が、望ましいアイデンティティ(理想自己)を持つ製品やブランドを使用することによって、自分のアイデンティティを強化しようとする行為は、拡張自己になります。ソロモンは、思春期の男子が「男らしい」というアイデンティティを形成するために、タバコを吸ったり車を乗り回したりすることを例としてあげています【註7】。魅力的なイメージを持った製品やブランドは多数存在するので、アイデンティティが確立している人でも「自己を表現したい」といった動機づけが働くと、特定のイメージを持つ製品やブランドを人前で使用することによる拡張自己を行います。人は、ブランドの持つ特定のイメージが自分の人生にとって有用と考えるときに、そのブランドとのつながりを構築し、所有しようとするのです【註8】。したがって、人は自己概念と一致するブランドを好む傾向にあります。

ディジタルな世界における拡張自己とは

 近年のディジタル技術の急速な進展は、拡張自己に影響を与えています【註2、註9、註10】。ネット上では、表現したい自己の選択や現実自己の修正を比較的自由に行うことができます。例えば、実年齢よりも若く、あるいは老けているように自分を表現する、恥ずかしがり屋の人が大胆な発言をするといったことが簡単にできます。ベルクは、オンラインでは現実自己よりも理想自己に近い形で自己が表現される傾向にあるものの、SNSでの活動はその人のパーソナリティ特性をかなり正確に表わす傾向にあると述べています。いずれにしても、現在は従来のオフラインでの拡張自己に加えて、オンラインにおけるディジタルな拡張自己が自己を定義する鍵になっています。

拡張自己と脱物質化

 ベルクは、こうしたディジタルな拡張自己の拡大とともに起きている現象として、有形財の脱物質化(デ・マテリアライゼーション)を挙げています【註9、註10】。音楽、本、写真アルバム、手紙、新聞、雑誌などの有形財が、パソコン、スマートフォンタブレット端末に移動し、ディジタル化・無形化しています。モノの獲得、使用、保存、および廃棄の仕方が変わり、製品との関わり方も変化しています。

 ただし、ベルクによると、ディジタル所有は有形財の所有と比べると、コントロールしているとか所有しているといった感覚は得にくいようです。そのため多くの人はバックアップやハードコピーをとったりしますが、それでも「獲得している」「意味がある」「本物である」といった感覚は、有形財の所有よりも弱いと説明しています。また、有形財の所有では、コレクションとしてディスプレイしたり、古くなってくると他にない自分だけのモノといった感覚が得られたりしますが、ディジタル所有ではそうした経験は得にくいということも指摘しています。

 有形財の所有とディジタルの所有に対する選好にはもちろん個人差があります。音楽に深く関わっている人はディジタルよりも有形で所有することを望む人が多いことや、若者は高齢者よりもディジタル所有を拡張自己の一部として捉える傾向にあることが報告されています。有形財の所有とディジタル無形財の所有のどちらが拡張自己により強く影響し、そしてより高い満足度をもたらすかは人それぞれということになりますが、私たちの日常の生活は有形財で囲まれたマテリアルワールドの中で営まれているので、両方による自己の拡張が安定した自己概念の形成につながるのではないかと思われます。

(文=白井美由里/慶應義塾大学商学部教授)

【参考文献】

【註1】中島義明・繁桝数男・箱田祐司(2005)『新・心理学の基礎知識』、有斐閣.

【註2】Kimmel, A. J. (2018), Psychological Foundations of Marketing: The Keys to Consumer Behavior, 2nd edition, Routledge.

【註3】Hawkins, D. I. (2012), Consumer Behavior: Building Marketing Strategy, McGraw-Hill/Irwin.

【註4】Belk, R. W. (1988), “Possessions and the Extended Self,”Journal of Consumer Research, 15 (2), pp. 139-169.

【註5】Sivadas, E. and K. A. Machieit (1994), “A Scale to Determine the Extent of Object Incorporation in the Extended Self,” in C. W. Park and D. C. Smith (Eds.), Marketing Theory and Applications, 5, American Marketing Association.

【註6】Sivadas, E. nd R. Venkatesh (1995), “An Examination of Individual and Object-Specific Influences on the Extended Self and Its Relation to Attachment and Satisfaction,” Advances in Consumer Research, 22, pp. 406-412.

【註7】Solomon, M. R. (2006), Consumer Behavior: Buying, Having, and Being, Pearson Education.

【註8】Gal, D. (2015), “Identity-signaling behavior,” In M. I. Norton, D. D. Rucker, and C. Lamberton (Eds.), The Cambridge handbook of consumer psychology (pp. 257–281), Cambridge University Press.

【註9】Belk, R. (2016), “Extended Self and the Digital World,” Current Opinion in Psychology, 10, pp. 50-54.

【註10】Belk, R. W. (2013), “Extended Self in a Digital World,” Journal of Consumer Research, 40 (3), pp. 477-500.

JRA阪急杯(G3)ベストアクター浜中「主演男優賞」ゲットで自ら復帰祝い

 1日、阪神では第64回 阪急杯(G3)が行われ、6番人気の伏兵ベストアクター(騙6、美浦・鹿戸雄一厩舎)が、馬群から抜け出して鮮やかな勝利を飾った。父ディープインパクト×母ベストロケーション、祖母にダイナアクトレスがいる良血だ。

 鞍上・浜中俊騎手は昨年11月24日の京阪杯(G3)で騎乗したファンタジストが故障した際に落馬負傷。29日の土曜に復帰したばかり。土曜は3鞍に騎乗して勝利をあげることはできなかったが、翌日曜には阪神6Rで復帰後初勝利をあげると続けて8Rも連勝して勢いづくと、メインレース阪急杯も見事な手綱捌きで穴馬を勝利に導いた。

 また、直線ではインを突いた北村友一騎手のダイアトニックが、川田将雅騎手のフィアーノロマーノの進路を塞ぐ格好となり、審議となった。どちらも勝つためにはやむを得なかった進路取りの結果であり、不注意騎乗の裁決結果は北村友騎手には厳しい結果となった。

 昨年のダービージョッキーが完全復活だ。

 レースはニシノラッシュが逃げ、これにクリノガウディー、マイスタルが続いて前半34秒1の平均ペース。ベストアクターは好スタートを決めるも鞍上の浜中騎手は先団からやや離れた後方に下げる。直線に入り、ごちゃつく先行勢を避けて外に進路を確保すると1番人気ダイアトニックと2番人気フィアーノロマーノの争いを楽な手応えで交わし去った。

「スタートが良く、理想的な位置を取ることができましたし、直線もうまく進路を見つけて馬群を割ってこれた」と会心の勝利に浜中の喜びもひとしおだ。

 順調な回復と懸命なリハビリで予定よりも1ヶ月早くなった復帰戦ではあったが「たくさんの人に心配をかけて申し訳ないと思っていたので、いい形で結果が出せてうれしい」と完全復活を印象付けた。

 勿論、これが初重賞となったベストアクターもフロック勝ちではない。祖母に名牝ダイナアクトレスがいる良血馬。素質馬ながらも体質の弱さがこれまで出世を遅らせる原因でもあった。

 管理する鹿戸雄一調教師は「今日は祖母のダイナアクトレスの命日なんですってね。この馬も難しいところがあるので、人が少なかったのはよかったかもしれません。去勢してから、本当に強くなりました」と愛馬の成長と祖母との縁に目を細める。

 陣営によると、このあとは一息入れて京王杯SC(G2)から安田記念(G1)に向かうとのこと。

 遅咲きの素質馬が、脇役から雌伏の時を経て、春の主役をめざす。

親会社が子会社に“敵対的TOB”の異常事態…前田道路、筆頭株主の前田建設と全面戦争

 準大手ゼネコン企業である前田建設工業(前田建設)が、グループ企業である前田道路に仕掛けたTOB(株式公開買い付け)をめぐり、両社の関係がもつれにもつれている。同じグループに属する企業同士、これほど相互不信が高まるケースは珍しい。

 背景にある要因の一つは、前田道路と筆頭株主である前田建設の経営方針が大きく異なることだ。積極果敢な営業姿勢などで知られる前田道路は、独自路線を歩みたい。一方、前田建設は連結子会社化を通してグループ全体の体力をつけたい。

 敵対的なTOBは、関連する企業をはじめ、多くの利害関係者に遺恨を残す懸念がある。資本の論理によって一方が他方への支配を強めることはできる。しかし、それと人々の賛同を獲得し、組織全体の安定を目指すことは異なる。今後、両社がどのように関係の修復を目指すなどして、事業の運営体制を落ち着かせることができるか、先行きは見通しづらい。

独自路線にこだわる前田道路

 2020年1月20日時点で、前田建設は前田道路の株式の約25%(間接所有分を含む)を保有する筆頭株主だ。わが国の企業風土では、グループに属する企業は筆頭株主である企業の意向に沿った経営を行うことが多い。

 しかし、前田建設と前田道路の関係はやや異なる。1990年代以降、前田道路は自力での成長を目指し、実現してきた。1990年代初頭、資産バブル(株式と不動産のバブル)が崩壊した後、1997年度まで政府は公共事業関連の支出を増やした。それに伴い道路舗装などが増えた。前田道路はそうした需要を積極的に取り込み、業績拡大につなげた。

 その後、公共事業は削減されたが、前田道路は営業攻勢を強めて需要を開拓し、売り上げの増加につなげた。敵対的TOB以前の2019年12月末時点で前田道路の時価総額は2384億円に達し、前田建設を上回っていた。自助努力を重ねて成長を遂げた前田道路の内部に、外部から指図されたくないという心理が浸透したことは想像に難くない。

 しかし近年、前田道路の売り上げは伸び悩んでいる。それに加え、前田道路のガバナンス体制への懸念も浮上した。2017年ごろからアスファルト合材の価格カルテルに同社が関与していた疑いが浮上し、公正取引委員会は調査を進めた。

 2019年5月、前田建設前田道路に役員派遣を提案するなどし、ガバナンス体制の整備と、効率的なグループ経営を目指そうとした。それは、変化のスピードが加速化する事業環境への対応力を高めるために重要だ。この時点で、前田建設はどちらかといえば友好的な姿勢をとり、グループ全体の調和を乱さないように前田道路への影響力を強めようとしたとみられる。

 しかし、前田道路はその提案を拒否し、独自路線にこだわった。その結果、関係が徐々にこじれ始めた。本年1月、前田建設は前田道路へのTOBを発表し、資本の論理によって影響力を強めようとした。なお、TOBの期日は3月4日である。

TOBへの反対と対抗措置

 前田道路はTOBに反対した。その結果、当初は友好的に提案されたTOBは敵対的なものへと変わり、両社の関係はかなりこじれている。自社の意思決定を影響されたくないという前田道路の考えは、かなり強い。同社は敵対的TOBを回避するためにさまざまな対抗策を検討している。

 対抗策の一つとして、前田道路は“ホワイトナイト”を探そうとした。ホワイトナイトとは、買収候補となっている企業の株式を友好的に取得してくれる企業や投資家を指す。ただ、この取り組みは思うように進んでいないようだ。近年、前田道路の業績は伸び悩んでいる。ホワイトナイトになる企業にとって、同社の株式を、しかも相応に高い価格で取得するリスクは軽視できない。前田道路内部には、第3者が主要株主となることでこれまでの経営風土が変化するのではないかとの不安や警戒もあるだろう。今後、ホワイトナイトが表れるか否か、状況は不透明とみられる。

 この状況の中で、2月20日の取締役会において同社は、敵対的TOBの成立を回避するためにかなり思い切った意思決定を下した。それは、当初計画の6倍にあたる535億円の特別配当を実施すると決めたことだ。

 端的に、前田道路は自社の資産を減らし、その魅力を削ごうとしている。同社はTOBの主な目的が、自社の豊富な現金などの確保にあると考えているようだ。前田道路は、配当として現金を支払えば前田建設がTOBを取り下げると考え、特別配当を決めたのだろう。なお、昨年末の時点で、前田道路の現金預金の保有額は約630億円だった。4月14日に同社は臨時株主総会を開催して、特別配当の実施を決定するとしている。

 配当金として資産を払い出せば、一時的に株主の利得は増える。前田建設にとってそれはプラスだ。ただ、1月20日に公表したTOBに関する説明資料において前田建設は、IT化などの変化への対応力をつけるためにグループとしての連携を高めることなどが今回のTOBの目的と表明している。特別配当の実施によって敵対的TOBがどうなるかは見通しづらい。前田道路が増資などその他のTOB対抗策を打ち出す可能性も排除はできないだろう。

グループ運営の不安定化懸念

 突き詰めて考えた時、敵対的TOBは対象企業や株主など、多くの利害関係者に遺恨を残す可能性がある。買収企業にとっても、被買収企業にとっても、相互不信が組織全体の士気に与える影響は軽視できない。それは、企業が長期にわたって事業体制を強化し、成長を目指す上で大きな足かせとなる恐れがある。

 それに加え、世界経済の先行き不透明感が高まる中で両社の関係がこじれていることも軽視できない。現在、新型肺炎の感染拡大などを受け、わが国の景気に大きな影響を与えてきた中国経済の減速懸念が高まっている。中国経済が想定以上に減速する展開が現実となれば、わが国の経済には相応の下押し圧力がかかるだろう。それは、前田建設と前田道路の業績悪化懸念を高める主な要因の一つと考えられる。特別配当が本当に実施され、利害関係者に無視できない影響が及ぶ可能性も排除できない。

 また、わが国では少子化、高齢化が進むと同時に人口が減少している。経済成長が高まりづらいなか、道路舗装をはじめとする建設需要は右肩下がりの展開となるだろう。景気先行き懸念の高まりとともに建設案件が想定された以上に落ち込み、ゼネコン業界が縮小均衡に向かうリスクも軽視できない。

 この状況から脱するには、相対的に成長期待が高いアジアの新興国への進出など海外戦略を強化し、需要の獲得に取り組む必要がある。それには、ヒト・モノ・カネの面で体力をつけなければならない。それを目指して業界再編が進む展開も想定される。

 本来、前田建設と前田道路がそうしたリスクに対応しつつ成長を目指すためには、財務と事業運営の両面でより安定した体制を目指すべきだろう。その上で、経営資源をより効率的に再配分し、収益性を高めることが求められる。そのための一つの方法として、グループ間でシナジーの発揮を目指す発想は大切といえる。

 そう考えると、これまでに蓄積されてきたと現金などを特別配当に回すのとは異なる発想があってよいはずだ。現時点で、両社がこうした考えに回帰し、現実的な視線で対応策の協議に臨むとは想定しづらい。敵対的TOBをめぐって関係が一段と不安定化する展開は排除できないだろう。

(文=真壁昭夫/法政大学大学院教授)

片づけ下手にオススメの超便利収納グッズ10選!洋服・紙類・小物がスッキリ片づく!

 片づけはストレスフリーに生きる近道! 元片づけられない収納スタイリスト・整理収納アドバイザー吉川永里子です。

 毎回「片づけ」をテーマに、働くオトナが今よりもっと快適に生きるためのヒントをお届けしています。前回までは、片づけが苦手な方によくある「あるある行動」についてお話ししました。今回はちょっと方向性を変えて、オトナにオススメするスタンダードな収納グッズをご紹介します!

収納の基本は「入れるモノに合わせる」

 片づけが苦手な人に多いのが、片づけようと思い立った時にまず収納グッズを買ってしまうこと……。かつて片づけられなかった私もその傾向がありました。通販カタログやネットでた〜くさんの収納グッズを検索できますよね。

・ベッドと壁の隙間に棚を入れたらスッキリするかな?

・衣装ケースを増やしたら洋服が収まるかな?

・カラーボックスを買い足したらオモチャしまいきれるかな?

なんてふうに、収納グッズを買ってなんとか解決しようとしがちです。

 でもそれは大きな勘違い! 収納グッズ(=外側・ハード面)を増やしたところで、根本の解決にはつながりません。収納グッズを選ぶ時に大切なのは、まず「何を入れたいのか」はっきり決まっていること。次に、入れたいモノの「大きさ」「形状」「量」なども把握する必要があります。洋服を入れる引き出しなのか、文房具を入れる引き出しなのかで、求められる引き出しの大きさ・深さは全然違いますよね? だから、まず必要なモノを選び取る「整理」の作業をして、その後に収納グッズを選んでいきます。今回は場所・アイテム別に、スタンダートで使いやすい収納グッズ10選をご紹介します。

洋服収納にベストな収納グッズ

 改めて洋服収納について考えると、収納方法は「かける」か「たたむ」の2パターンしかありません。また洋服は柔らかいので、たたみ方で大きさを変えることもできるので、収納しやすいアイテムです。

【かける収納】

 洋服をかける場合はハンガーを使いますが、ハンガー選びが重要です。持っている服の肩幅にあったハンガー、重い服には厚みのあるハンガーを使いましょう。また、ネクタイ・ベルト・帽子・バッグなどもかける収納にすると取り出しやすく便利です。

MAWAハンガー

 滑らないハンガーの王様的存在。さまざまな形状・幅・色が揃うので、選びやすい。

ネクタイハンガー

 ぐちゃぐちゃになりやすいネクタイをズボラさんでもサッと取り出せる形状。

【たたむ収納は衣装ケースを使う】

 洋服をたたむのは手間がかかりますが、たたんで収納すればかけて収納するよりも1.5〜2倍の量が収められます。また引き出しの深さを20cm前後のモノにすれば、たたんだ服を立てて収納しやすく、服を探すこともなくなります。長く使うには、丈夫で1段ずつに分かれているケースが使いやすくオススメです。

フィッツケース

 衣装ケースといえば! というど定番。スムーズに引き出せて丈夫な作りで間違いなし。

下着収納ケース

 衣装ケースの中で小物が迷子にならないように、仕切るアイテムも欠かせない。

リビング収納にベストな収納グッズ

 リビングには色々なモノが置かれがちなので、どう収納したらいいか迷ってしまいます。収納するモノをアイテム別・人別などで分けて、収納場所もそれに合わせて区切っていくのがポイントです。

【紙類の収納】

 紙類はついつい溜まっていってしまって、散らかっていってしまうアイテムです。基本はその書類を手に入れた瞬間に「保管」なのか「処分」なのか判断することが重要です。

 紙類は長期保管のものはファイルなどにしまい、すぐ使うものはボックスやトレーに投げ込み式が便利です。

マルチファイルトレー

 大きめの封筒もそのまま入れておけるサイズで、書類の一時置きに最適。

ポリプロピレンファイルボックス

 どんな収納にもマルチに使える優秀なアイテム。個別フォルダを入れれば本格的なファイリングにも。

【小物の収納】

 リモコンや鍵、ペン、ティッシュ、スマホなど、細々したものが散乱しやすいのがリビングです。よく使う小物は1カ所にまとめて、定位置を決めてあげるのが賢い方法。機能はもちろんですが、リビングに置くグッズは見た目も気にいったモノを選びましょう。

cocoshi ウッドティッシュケース

 リビングに置いておきたいモノをスマートにまとめておけるティッシュボックス。

ホルダー付きマグネットキーフック

 家の鍵・車の鍵、ネームカード、印鑑など家族みんなで一括収納するのに便利。

 収納グッズをあれこれ見てるとワクワクしますよね。でも、「素敵〜」と衝動買いするのは絶対にNGです。収納グッズを買っても家は片づきません! 自分の持っているモノ、グッズを置くスペースなどをしっかり吟味して、暮らしに役立つグッズを選んでくださいね!

 次回は、オトナのためのスマートなキッチン収納術をご紹介します。どうぞお楽しみに。

(吉川永里子=収納スタイリスト、整理収納アドバイザー)

【吉川永里子プロフィール】

収納スタイリスト・整理収納アドバイザー

2008年より収納スタイリストとして活動を開始。片づけられない女だった過去の経験を活かし「片づけはストレスフリーに生きる近道」をモットーに、ざっくばらんに整理収納について説く。

働く女性やママの目線で行うライフスタイル提案が好評で、個人宅のアドバイスから、メディア出演・講演など、テンポのいいわかりやすい言葉で女性の暮らしを全力サポート。これまでに10000人以上に片づけをレクチャー。

プライベートは、賃貸住宅で夫と4人の息子たちに囲まれて暮らすステップファミリー。

著書

『なかなか捨てられない人のための鬼速片づけ』

『ズボラさんのための片づけ大事典』

『子どもがいてもキレイがつづく!ラクするための片づけルール』など多数

▶︎公式ウェブサイト「Room&me」

▶︎アメーバブログ

Youtube

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@erico.rm

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JRA「レジェンド武豊」とサウジで際立った存在感!「海外遠征のパイオニア」新設重賞に条件馬を送り込む名采配

 新設されたサウジカップの1着賞金11億が話題になりがちだが、海外遠征でおなじみのコンビがまたしても快挙を成し遂げた。サウジカップデーに挑んだ「海外遠征のパイオニア」森秀行調教師とレジェンドジョッキー武豊の最強タッグが、その存在を世界にアピールした。

 まだ条件馬だったフルフラット(牡3・栗東・森秀行厩舎)と挑んだサンバサウジダービーでは日本馬初勝利を決めると、続けてサウジアスプリントをマテラスカイ(牡6・栗東・森秀行厩舎)であわやの2着と下馬評を覆す大活躍を見せた。

 2頭を管理する森秀行調教師は、次走についてフルフラットはUAEダービー、マテラスカイはゴールデンシャヒーンと共にドバイへ向かいたいと表明した。

 またしてもこのコンビが魅せた。近年では国内で実績を上げた馬が、海外のレースへ挑戦することは珍しくない時代ではなくなった。だが、G1馬でなくとも適性があると判断して結果を残すのは、これまで培った森師のノウハウがあってこそだろう。

 当然ながら今回の挑戦もフルフラットは昨年11月のブリーダーズCジュベナイル、マテラスカイはこれまでもドバイ、ブリーダーズCスプリントで遠征経験をさせていた馬である。

 失敗したら赤字になる。そのためにオーナーの理解は不可欠だ。期待に応えるためにも森師は試行錯誤を重ねた。古くはフジヤマケンザン、シーキングザパール、アグネスワールドでの経験が揺るぎない礎となった。

 初の海外遠征は開業翌年の1994年まで遡る。フジヤマケンザンで挑戦した香港国際カップ(香港Cの前身)だった。4着に敗れはしたが翌年に再挑戦し、見事、海外G1初制覇を成し遂げた。その後も1998年にはシーキングザパールでモーリス・ド・ゲスト賞を勝って日本調教馬による欧州G1初制覇の偉業を達成。2年後の2000年にはアグネスワールドでジュライCを勝って「日本馬は強い」と欧州に知られるきっかけを作った。

 当時は海外遠征する馬は珍しい時代である。遠征するには多大な費用もかかり、失敗したら赤字になるリスクがあった。そんな中でも着実に経験と実績を積み重ねての今がある。

 日本は他国に比べて賞金も高額なこともあり、わざわざリスクの大きい海外遠征は望まれない風潮はまだまだ根強い。

 だが、名誉を得るためには、高い登録料を払ってでも行くべきというのが森師の理念であり、ポリシーともいえる。積極的に海外競馬で日本馬の強さをアピールすることで、海外からどんどん馬を買いに来てもらえて、日高も含めて競馬産業が盛り上がる。森師はそう、信じて疑わない。

 そしてそれをサポートするのが、海外遠征には欠かせないレジェンド武豊の存在。

 次にこのコンビが見られるのは3月のドバイとなる。今度はどんな驚きを我々に見せてくれるだろうか。

2000万円の家を購入しても2000万円貯める方法

正解のないWEBマガジン~wezzyより】

Getty Imagesより

 先日、「家を買っても2000万円貯められる方法について話してほしい」という依頼があり、日本の南の地方都市に行ってまいりました。この2000万円というのは、例の「老後2000万円不足問題」からきています。

 うかがったのは、人口160万人、歴史のある自然豊かな土地です。家を買う人の経済状況をうかがうと、年齢は30代前半、平均年収400~500万円、夫は正社員、妻はパート、もしくは主婦、子どもは1〜2人ということです。

「甘デジ」最強レベルが激突!「最高峰スペック」や「業界初クギナイン」など「明日から狙える」パチンコ新台!!

 3月も話題作がデビュー予定となっているパチンコ。

 人気シリーズ『アクエリオン』の最新作や、通常時も大当り中も「オール右打ち」と革命的な仕様の『P笑点』、出玉は「オール1500発」とまとまった出玉が期待できる『P真・黄門ちゃま』などなど豪華なラインナップとなっているが……。

 今回は、その中より「甘デジ」分野に注目したい。2日からの週には「絶対に打ちたい」といった声が続出している新台がデビューを果たす。

 まず注目したいのは、業界初の入賞機能「クギナイン」を搭載した『Pホームランキング』(アムテックス製)だ。

「打ち出しからスタート入賞まで主要箇所のクギを無くした」斬新な仕様。従来の機種とは異なる「新しい遊技性」を実現した。6段階設定を搭載した1種2種タイプで、大当り確率は約1/99.9~約1/78.3となっている。

 出玉性能も注目したいポイントだ。連チャンモード「ヴィクトリーモード」中の大当りは全て約1000発。最大期待出玉は約4000発と、甘デジながら高い一撃性を実現した。

 4号機時代を彩った名機『アステカ』のゲーム性を継承した『PAでかちりラッシュ』(メーシー製)も熱い視線を浴びている。

 2段階設定付き甘デジとなっており、CT機の快感を本機の魅力である「でかちりRUSH」で再現した。

 RUSHは小当りと大当りの連鎖で平均「2000発オーバー」の出玉を獲得できる仕様。継続率は時短引き戻し込みで約70%となっている。

 ど派手な役物、各種図柄などのデザインもアステカを完全継承。「伝説再来!!」との言葉に期待は高まる。

 ヒットメーカーSANYOが誇る「海遊パチ」シリーズの最新作も見逃せない。『PAスーパー海物語IN地中海』は、シリーズ史上最高の継続期待値を実現した。

 大当り確率は約1/89.8で、ヘソ当りからの98%は時短なしのST20回となる。ここで大当りを引ければST20回+時短80回の「地中海チャンス」へ突入だ。

 突入期待度は約50%で継続期待度は約78%と、遊びやすい確率ながら十分に連チャンを期待できるスペック。新予告も加わるなど、グレードアップした「地中海」を楽しむことができるだろう。

 同日には、日本中を感動の渦に導いた超ビッグタイトルも登場予定。サミーの新機種『デジハネPあの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』は、右打ち中の大当り割合の80%が10ラウンドとなっている点が特長だ。まとまった出玉を狙える仕様となっている。

 今回紹介した機種は3月2日の週より全国導入が開始。ぜひともホールで堪能していただきたい。

ジャニーズの先輩も心配するほど“不仲”深刻…キスマイ、囁かれる解散危機

 20日、ジャニーズ事務所の退所が一斉に報じられた中居正広。そんな中居と縁が深い人気ジャニーズグループといえば、今年で結成15周年を迎えるのKis-My-Ft2キスマイ)だろう。デビューから毎年行なっているコンサートツアーも、今年は4月から5都市13公演を予定しているが、ツアー以外でもバラエティ番組、舞台などで精力的にグループでの活動を続けている。

 もともとバラエティでのスキルが強いものの、まだピンで仕事をするには力量不足のメンバーもいるというのがその理由とされるが、キスマイから生まれた派生ユニットで中居がプロデュースを務めていた「舞祭組」の横尾渉、宮田俊哉、二階堂高嗣、千賀健永は2月9日から東京グローブ座舞台『〇〇な人の末路~僕たちの選んだ××な選択~』に出演中。舞祭組に限っては芸人ばりに体を張る仕事も任せられると業界内でも評価は上々だが、二階堂が今年で30歳を迎えると千賀以外がオーバー30。そろそろ体を張る仕事も控えたいところだろう。

「そもそも結成時から仲が良い時期なんてあったのかな? と思うほど、仲が良くないことで有名なグループですからね。ファンもそれをわかっているし、メンバーもファンがどんな思いで自分たちを見ているのかを理解した上で活動をしているので、良い意味で冷静に自分たちの立ち位置が見えているグループです。

 ただ、藤ヶ谷、北山、玉森あたりは個々の仕事も増えており、特に玉森は俳優として結構評価も高いので、グループ活動を負担に思う瞬間はあるでしょう」(テレビ局関係者)

 もともとジャニーズファンの間でも“次に解散しそうなグループ”と認識され、嵐のようにメンバー愛を語るようなグループではない。

「2年前に渋谷すばるが関ジャニ∞を脱退、事務所を退社し、昨年は同じく関ジャニ∞の錦戸亮も渋谷と同じ道を歩んだ頃から、キスマイメンバーの“バラバラっぷり”に拍車がかかっているみたいですね」(業界関係者)

先輩タレントは「スタッフも気遣わない?」とヒヤヒヤ

 そんなキスマイに関して心配するのはファンだけではないようだ。

「音楽番組の収録現場などでキスマイを見たジャニーズの先輩タレントさんなんかは、収録後などに結構深刻そうに周囲に『大丈夫なの?』って聞いたりしていますね。キスマイのメンバーたちはカメラが回ってないときは無言のことが多いので、先輩タレントのなかには『あれだけ仲悪いとさ、スタッフも気を使わない?』などと口にしている人もいるようです。

 キスマイもかなりキャリアを重ねて、ジャニーズのなかではもう若手とはいえない域に入ってきていることもあり、事務所の人間も注意しにくくなってきたとは思います」(芸能事務所関係者)

 気になるグループ内の人間関係だが――。

舞祭組の4人に限ってはソロでの活動が厳しいということもあり、グループ活動に前向きですが、とにかく藤ヶ谷と北山の仲が相当悪い。玉森は基本的に自分のペースで単独行動が多い、という構図ですね。解散危機かと言われれば、“ずっと前から常に解散危機”みたいな状態で、逆にそれが定着しちゃってるみたいな感じです」(業界関係者)

 キスマイの結束が強まるきっかけが今、必要なのかもしれない。

(文=編集部)

エガちゃん公式チャンネルの裏に「『ぷっ』すま」スタッフ…地上波→ネットの人材流出深刻

 NetflixHuluAmazonプライムといった定額制の動画配信サービスが隆盛を極めつつある昨今、地上波テレビからネットへの“スタッフの流出”が止まらないという。

「今や地上波の連続ドラマや映画よりも、ネット配信ドラマの制作費のほうが大きい時代ですからね。『全裸監督』(Netflix)などは、1話あたりの制作費が1億円ともいわれています。当然スタッフに支払われるギャラも高くなり、その結果、地上波から人材がどんどん流出しているということです」(メディア関係者)

 地上波からネットへのスタッフ流出は、ドラマに限った話ではない。バラエティーのスタッフもまた、ネットへと活躍の場を移しているのだ。バラエティー番組に関わる構成作家A氏はこう話す。

「ドラマと同様にバラエティー番組でも、ネットのほうが制作費が高くなりつつありますね。地上波では街中で素人を捕まえるようなロケが多いのに、ネット番組ではサラッと海外ロケに行くこともある。ケンコバさんとくっきー!さんがエジプトに行った番組には驚きましたよ」

 その番組とは、NTTドコモが提供する「dTVチャンネル」内の「ひかりTVチャンネル+」で今年1月より配信開始された『ケンドーコバヤシ&野性爆弾くっきー! JoJoジャーニー』だ。ケンコバとくっきー!の2人が、マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』(集英社)の舞台となった地を巡る旅番組で、実際にエジプトまで行ったのだ。

 dTVチャンネルは、ケーブルテレビのように複数の専門チャンネルをパソコンやスマホで見られるという有料サービス。番組表に沿ってリアルタイムで番組が配信されているものだが、番組によっては見逃し配信で配信後の番組を見ることもできる。

「dTVチャンネルは携帯キャリアであるNTTドコモが母体ということもあって、番組の制作費が潤沢なことが多いですね。当然、スタッフへのギャラも地上波よりも高いし、長年の慣行で実際の支払いサイクルもいい加減なこともあるテレビ業界に比べ、きちんきちんと支払ってくれるのが助かります。バラエティーのスタッフたちも最近では、“dTVの仕事がしたい”なんて話をしていることも(笑)」(A氏)

“アイデア泥棒”の地上波テレビ業界

 地上波の番組では、ときにギャラが支払われないようなことさえあるという。A氏が明かす。

「地上波の番組企画を考えてほしいということで、いくつかネタ出しをしたり、打ち合わせをしたりすることもあるんですが、特にギャラが支払われないままというケースも珍しくないんです。正式に仕事のオファーを受けたわけではないので当然なのかもしれないし、ノーギャラで協力しておくことで人脈もできて後々仕事をもらえるという側面もあるのは事実。でも、事実上のアイディア泥棒、タダ働きなのでは……と思ってしまうことがあるのも事実。

 一方ネット番組の場合、そういったことはほとんどない。最初から“番組1本〇〇万円でお願いします”という感じで事前にギャラを提示された上でオファーされることが多い。フリーランスの構成作家にしてみれば、きちんとギャラがもらえるかどうかは死活問題ですからね。確実にもらえるネットのほうに人材が流れていくのは、なおのこと仕方ないのではないかと思います」

江頭2:50公式チャンネルを手掛ける『「ぷっ」すま』スタッフ

 また、昨今増加中のタレントが開設するYouTubeの公式チャンネルにおいて、実際の制作作業をこれまで地上波で仕事をしてきたスタッフが手掛けることが増えているという話もある。

「たとえば、今話題の江頭2:50さんのYouTubeチャンネルは、「『ぷっ』すま」で江頭さんと仕事をしてきたスタッフが動画を制作しています。また、若手芸人の公式チャンネルなどは、バラエティー番組を手掛けている構成作家が関わっていることも多いですね。ちょっと前のYouTubeであれば、ネット動画専門のスタッフが多かったのですが、今は別のメディアからネットに入ってきた人がかなり増えています。その影響もあってか、YouTubeの動画の編集傾向が、ちょっとずつ地上波っぽくなっているともいわれていますね」(前出・メディア関係者)

 スタッフも動画の内容も、どんどん垣根がなくなっている地上波とネット。もはや両者を分けて考えることこそが時代遅れなのかもしれない。

(文=編集部)

新型コロナ、厚労省と感染研がPCR検査を妨害していた…感染拡大を助長、既得権益に固執

 新型コロナウイルス感染拡大をめぐる政府の対応に、疑問の声が広まっている。

 2月20日、加藤勝信厚生労働大臣は記者会見で、大規模イベントの開催などについて「政府が一律で自粛を要請することはしない」と語り、運営元や自治体の判断に任せる姿勢を表明。しかしその6日後の26日に政府は、コンサートなどの大規模イベントについて今後2週間は自粛するよう呼び掛けた。

 また、27日に安倍晋三首相は突如、3月2日から公立小中高と特別支援学校に臨時休校の措置を取るよう要請すると表明。全国の学校現場のみならず文科省にも事前に周知されておらず、子どもがいる世帯や企業を巻き込む混乱を招いている。安倍首相は2月29日に急遽行った会見でも、一斉休校要請を判断した根拠を具体的には提示しなかった。

 そして最も疑問を持たれているのが、感染が疑われる人への厳しい検査基準だ。政府は2月17日、検査対象基準を「風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く場合」に限定し、患者はまず各地の保健所に設置された「帰国者・接触者相談センター」に相談し、同センターが指定する医療機関で受診するかたちにした。これによって、自覚症状を持ちながらも検査を断られる事例が多発。さらに、患者の鼻や喉の粘膜から微量の検体を採取してウイルスの遺伝子情報の有無を確かめることができるPCR検査の利用が進んでいない点も、指摘されている。

 その結果、1日平均の検査件数は韓国では約4万件なのに対し、日本では約900件にとどまっている。

「厚労省と国立感染症研究所(感染研)は当初、自家調整の遺伝子検査の手法確立にこだわった。1月下旬になってようやく確立され、全国の衛生研(地方衛生研究所)でその検査を実施する体制を立ち上げ始めたが、感染の拡大は検査体制確立や試薬の製造をはるかに上回るスピードで進み、検査体制はまったく追いついていない。

 こうした経緯を経て、厚労省がロシュ社など民間のPCR法向け試薬による検査を事実上認めたのは2月中旬に入ってからで、2月末になってようやく政府は、PCR検査を保険適用にする意向を表明した。とにかく対応が遅すぎる。初動の段階で、厚労省と感染研が自家調整の遺伝子検査確立にこだわったことが、検査体制確立の遅れにつながったというのが、霞ヶ関での共通した見方です」(霞ヶ関の官僚)

“テリトリー争い”

 医療ガバナンス研究所の上昌広理事長も2月26日付当サイト記事で、次のように指摘している。

「対策本部の専門家会議では、小さな病院では設備の状況などからPCR検査の実施が難しいとしています。しかし、小さな診療所でも患者さんから検体をとって民間の検査会社に送れば、次の日には結果が出ます。日本国内の民間検査機関は100社あって、900のラボがあります。1日10万件単位で検査ができるはずです。本来であればこの一連の流れを保険適用にすればよいだけなのです。

 なぜ韓国で1日4万件、中国でも数万件の検査を実施しているのに、日本では最大3800件なのでしょう。答えは簡単です。一部の利益代表が政府の専門家会議にいて、自らの組織に一連の検査事業を囲い込もうとしているからです。感染研と大学病院で検査すれば補助金がもらえます。つまり、これは公共事業なのです」

 こうした厚労省と感染研の責任については、他の専門家からも多くの指摘がなされている。たとえば、元国立感染症研究所研究員の岡田晴恵・白鴎大教授は2月28日放送の情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)内で、次のように言及している。

「『これはテリトリー争いなんだ』と。このデータはすごく貴重なんだ。衛生研から上がってきたデータを全部、感染研が掌握すると。このデータを『感染研が自分で持っていたい』ということを言っている専門家の感染研OBがいると。『そこらへんがネックだったんだ』ということをおっしゃっておられて、私がその時に思ったのは、『ぜひ、そういうことはやめていただきたい』と。

「(検査については)ようやくここから保険適用でクリニックから行くかもしれませんけど、初動が遅れたという、感染症の一番の初動だってところは、あれが(=PCR検査)が少なかったからだと思っています」

 前出と別の官僚は語る。

「厚労省と感染研が、通常の感染症と同様に自家調整の遺伝子検査という対応で今回も乗り切れると甘くみていた。また、ウィルスに関する各種データ、検査の予算、そして対応の主導権を自分たちですべて握っておきたかったという面もあるでしょう。厚労省らしい発想といえばそれまでですが、最初から民間の医療機関、検査機関、製薬会社などを巻き込んで、PCR検査の利用を後押ししていれば、もっと多くの検査が行われて感染拡大を防ぐことができたのではないか。その意味では、厚労省と感染研が検査拡大を妨害していたと批判を受けても仕方ない」

 当サイトは2月26日付記事『新型コロナ検査、韓国は1日4万件、日本は3千件台…検査拡大を阻む政府内の利益代表者』で厚労省と感染研の対応について検証していたが、今回、改めて同記事を再掲する。

---以下、再掲---

 日本は新型コロナウイルス感染症の爆発的な増加を防ぐことができるのか。重要な分水嶺に差し掛かりつつある。政府は25日、新型ウイルス対策本部(本部長・安倍晋三首相)の会議を首相官邸で開き、対策の基本方針を取りまとめた。「水際対策」から「感染者集団が次の集団を生み出すことの防止」に対策の重点を移すというのだが、その検査体制に関して医療関係者から疑問の声が上がっている。クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の対応から今日まで、一連の政府決定の不可解さの原因はなんなのかについて探る。

なぜ検査は拡大できないのか


 25日の政府方針では、患者が大幅に増えた場合は、一般医療機関で患者を受け入れ、軽症の人は自宅療養とすることも決めた。だが、そもそも感染したかどうかがわからなければ、患者は働き続けるだろうし、家の外にも出るだろう。ビジネスパーソンが特定の病気で休暇を申請するには、医師の診断や検査結果が必要だからだ。昨年の消費税増税以降、生活は苦しくなるばかりなのに欠勤したり、明確な理由なしに貴重な有給休暇を使ったりしたくはないだろう。

 だが、感染を確認するための「PCR検査」は、国立感染症研究所(感染研)と大学付属病院などの大病院に限られ、軽々に受診はできそうにない。

 医療ガバナンス研究所上昌広理事長は次のように現状の問題点を指摘する。

「疑問なのは、なぜ政府は検査体制を拡大しないのかということです。

 対策本部の専門家会議では、小さな病院では設備の状況などからPCR検査の実施が難しいとしています。しかし、小さな診療所でも患者さんから検体をとって民間の検査会社に送れば、次の日には結果が出ます。日本国内の民間検査機関は100社あって、900のラボがあります。1日10万件単位で検査ができるはずです。本来であればこの一連の流れを保険適用にすればよいだけなのです。

 なぜ韓国で1日4万件、中国でも数万件の検査を実施しているのに、日本では最大3800件なのでしょう。答えは簡単です。一部の利益代表が政府の専門家会議にいて、自らの組織に一連の検査事業を囲い込もうとしているからです。感染研と大学病院で検査すれば補助金がもらえます。つまり、これは公共事業なのです」

不可解な政策決定は誰が行っているのか


 与党や複数の政府関係者の話を総合すると、加藤勝信厚労相は政府のスポークスマンで、良い意味でも悪い意味でも方針の策定などにはほとんど関与できていないようだ。

 具体的な対策に関しては、感染研と新型コロナウイルス感染症対策専門家会議に丸投げの状態で、「首相官邸側では首相補佐官の和泉洋人氏、木原稔氏、そして『週刊文春』などで取り上げられている大坪寛子厚労省大臣官房審議官(危機管理、科学技術イノベーションなど担当)らが動いています。大坪審議官はダイヤモンド・プリンセスにも乗船していました」(政府関係者)

 ここで政府の対策本部の専門家会議のメンバーを見てみよう。座長は脇田隆宇感染研所長、副座長は独立行政法人地域医療機能推進機構理事長の尾身茂氏、構成員に川崎市健康安全研究所所長の岡部信彦氏、日本医師会常任理事の釜萢敏氏、東京慈恵医科大学感染症制御科教授の吉田正樹氏ら10人が名を連ねる。

 より詳細に各人の経歴を説明すると、座長の感染研所長の脇田氏は名古屋大医学部卒、副座長の尾身氏は厚労省を経て名誉世界保健機構(WHO)西太平洋地域事務局長、内閣府の「新型インフルエンザ等対策有識者会議」会長を務めた。岡部氏は元感染研感染症情報センター長で東京慈恵医大卒、吉田氏は同大教授だ。そして、大坪氏も東京慈恵医大卒で感染研血液・安全性研究部の研究員だった。釜萢氏のバックボーンの日本医師会は自民党の後援組織である日本医師連盟の母体だ。

 東京慈恵医大は公衆衛生分野の研究でリードしているし、感染研の関係者が今回の問題で全面に出てくるのは道理ではある。とはいえ、人員構成が偏っているようにも見える。

「37.5度以上の発熱で4日何もしなければお年寄りは死ぬ」
 前出の上氏は次のように語る。

「これまで、国内のワクチンは感染研の指揮のもと国内4団体でつくられていて、先進的な技術や知見を持つメガファーマーは関与できませんでした。また輸入品を入れないよう厳しく統制しています。2009年の新型インフルエンザ問題の際も国内でワクチンを作れなかったのも、感染研のガバナンスによるところが大きいです。一部の団体の思惑が排除できない中、合理的に政策決定が下されているのか疑問です。

 政府が打ち出した『37.5度以上の発熱が4日以上続いた場合』という検査対象者の方針も、医療従事者から疑問が噴出しています。思い付きではないでしょうか。疫学的な根拠はまったくありません。そもそもインフルエンザかどうかもわからない状態で、お年寄りが発熱して、解熱剤もタミフルも投与せず4日も経過観察をしたら亡くなってしまいます」

 政府の感染症対策の杜撰さが発覚する起点になったクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」での状況について、自衛隊関係者は次のように話す。

「船内はいろいろな機関が入り乱れていたそうです。そんな中、どこの所属かは言えませんが、とにかく自衛官ではない方が『エボラ(出血熱)じゃないし、風邪みたいなものだし大騒ぎしなくても大丈夫だよ』などと軽口を言っていたようです。どんな文脈で言ったのかはわかりません。

 現場は文字通り懸命に働いています。患者さんも懸命に病気と闘っています。言いたいのはそれだけです」

 不必要に恐怖を煽る必要はない。だが今の政府上層部には自然の猛威に対する謙虚さと誠実さ、真摯さが欠けてはいないだろうか。

(文=編集部)