人気モグラ女子とJリーガー、パーフェクトなふたりの交際に羨望の声! このまま順調にゴールインか

 モデルとグラビアアイドルを両立する“モグラ女子”として人気の泉里香(31)とJリーグ・川崎フロンターレのキャプテン谷口彰悟(29)の熱愛を11日発売の『FRIDAY』(講談社)がキャッチした。かねてから交際がウワサされていたが、順調に愛を育んでいるようだ。

 記事によれば、泉は谷口が運転する車から紙袋を携えて降車し、ふたりは時間差でマンション内に入っていったという。同誌の直撃に谷口は近所に住んでいることを明かし、交際を否定せず、泉の所属事務所も「プライベートは本人に任せています」とコメントを寄せた。

 3年前にデートがスクープされた際には関係を否定していたが、今回は隠さなかった。ネット上では「しあわせになってほしい」「美男美女」「羨ましい」「すてきなカップル」と歓迎の声が上がった。人気のモグラ女子・泉をオトした谷口の素顔について、スポーツ紙のデスクはこう解説する。

「男気あふれる谷口の性格からして結婚は近いのかもしれません。谷口は三浦春馬さん似のルックスだけでなく“男が惚れる男”で、本当に身辺がきちんとしている。チャラい選手も多いJリーガーの中でも規律を守り、後輩からも慕われていますよ。

10代の頃からとにかくモテまくり、学生の時には、試合の途中で交代したら谷口目当ての女性ファンも一斉に姿を消したなんて伝説もあります。女遊びはせず、付き合ったら長くて、筑波大学時代に交際していた女性にも一途だったといいます」

 一方で泉を知る雑誌編集者は、「SNSなどにはあえて載せないようにしているみたいですが、頻繁に料理を作って腕をあげています。もしかしたら食事面で谷口を支えているのかもしれません。仕事面では誰よりもプロ意識が高く、ジム通いやストレッチを欠かさず、完璧なプロポーションを維持しています。自分に厳しく周囲のモデルからも一目置かれる存在です」と語る。

 ストイックで欠点のないパーフェクトなふたりだけに、このまま順調にゴールインとなるのかもしれない。

パチスロ「超クール」なAT機が「撤去」へ…「多彩な特化ゾーン」と「強力プレミアムトリガー」搭載 

 スタイリッシュな出玉性能と液晶演出を有するひとつの高射幸性機が9月7日、認定期間満了と共に撤去を余儀なくされた。

 同名SFアニメ作品をモチーフに据えたオリンピアの『パチスロ カウボーイビバップ』は、1G純増約2.5枚のAT機能「スパイクRUSH」が出玉増加の肝。主なAT突入ルートは直撃、東風モード、堕天使たちのバラッド、タンクチャンスの4種類で、高設定ほど直撃当選割合は低下の傾向にある。

 東風モードは前後半の2部構成で、前半では後半で発生するバトルの継続ゲーム数を決定。後半は毎ゲーム、バトルの勝利抽選が行われ、最終ゲームのみ勝率が12.5%にアップする。

 堕天使たちのバラッドはバトルに発展するまでの毎ゲーム、ステップアップ抽選。バトル発展時はそのステップに応じてATの当否がジャッジされ、ステップ3であれば50%、ステップ4であれば81.2%、ステップEXであれば100%ATに結び付く。

 タンクチャンスは1G限定のAT抽選契機で、指定された図柄を停止させられればAT確定。トータル期待度は約50%と高いが、その分、突入率は2923.71分の1~2979.89分の1とかなり低い。

 見事ATに当選すると、まずは「賞金首RUSH」で初期ゲーム数を決定。継続ゲーム数は5Gor7Gor10G+αで、継続中は毎ゲーム、仲間ポイントorゲーム数が上乗せされる。

 AT中は仲間ポイントを貯めることで3種類ある上乗せ特化ゾーンのいずれかへ突入。10G継続のジェットRUSHはSTタイプ、5G+α継続のフェイRUSHは「5G」を元手にゲーム数を倍増させるタイプ、1セット基本5GのエドRUSHはベルの押し順正解で上乗せ+セット継続するタイプで、それぞれ「SUPER」への発展で上乗せ性能が上昇する。

 AT終了時はビバップチャレンジ突入の可能性があり、ここで狙えカットイン発生→赤7が揃えばATがリスタート。基本的には賞金首RUSHへ突入し、各種上乗せ特化ゾーン「SUPER」が始まることもある。

 プレミア契機はターゲットコンボとタンクボーナスの2種類で、ターゲットコンボは7が高速で止まるたびにゲーム数を上乗せ。突入率は全設定共通8192分の1で、平均して164Gほどの上乗せが見込める。

 タンクボーナスは全設定共通65536分の1の激低フラグで、成立した時点でAT初期ゲーム数100G+平均上乗せ約360Gの恩恵あり。画面がブラックアウトしたら、大量出玉は約束されたも同然だ。 

 また、本機を語る上で欠かせないのが疑似遊技「コンボチャンス」であり、このコンボチャンスは通常時、AT中と状況を問わず、出玉に関わる各種抽選に大きな影響を及ぼす。通常時は平均32G消化ごとにチャンス役が連続で成立し、2回~5回の連続回数と組み合わせによってCZ及びAT抽選。5連続は問答無用でAT確定だ。

 設定推測要素は共通ベル出現率、東風モード及び堕天使たちのバラッド出現率、賞金首RUSH中の上乗せゲーム数など。天井は999Gで、前兆を経てATに当選する。

接触確認アプリ「COCOA」で接触通知が来た! 確認すべき3つの行動とは?

生活をもっと楽しく刺激的に。 オトナライフより】

いまだ衰えを知らない新型コロナウイルスの猛威。2020年6月19日には厚生労働省から、新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」が配信され、約3カ月が経過した。ダウンロード数はすでに1,600万件を突破しており、筆者の周りでも陽性者との接触確認通知を受け取った者が現れた。だが、もしCOCOAで接触通知が来てしまったら、そのあとはどんな行動すればいいのだろうか? そこで今回は、実際に接触通知が来た人への取材で分かった3つ行動を紹介しよう。

新型コロナ感染者との接触通知が来るCOCOAとは?

 2020年9月10日現在、新型コロナウイルスの第2波もようやく終息の気配を見せ始めたが、まだまだ予断を許さない状況にある。そんな中、頼りになるのが「COCOA」というアプリだ。これは、厚生労働省が2020年6月19日に公開した「新型コロナウイルス 接触確認アプリ」のことで、スマホにインストールしておけば、新型コロナウイルス感染者と接触した恐れのある人に通知されるというもの。このアプリについては『新型コロナ「接触確認アプリ(COCOA)」って何ができるの? 何がわかるの?』を参考にしてほし…

続きは【オトナライフ】で読む

JRAクッション値に「隠された」視覚トリック!? 中山開幕「やや硬め」も、「ガラパゴス化否定」疑惑の試みに早くも矛盾……?

 11日、秋競馬の開幕に合わせ、JRA(日本中央競馬会)が初公開となる「芝のクッション値」を発表した。今週から開幕を迎える中山が「やや硬め」となる10.8(9時測定)、中京が「標準」となる9.9(9時測定)とのことだ。

 JRAの公式ホームページによると「より充実した情報提供を行うことを目的として」今秋から導入されることとなったクッション値。今後、馬券予想にどのような効果を与えるのか、小さくはない注目が集まっている。

 だが、ファンの間では「もう1つの思惑」の方が、むしろ注目されているという。

「表向きは馬券検討の新要素と言われていますが、やはり近年、ファンや一部メディアの間で“超高速化”が度々問題視されている『日本馬場のガラパゴス化』に対する牽制では、と囁かれていますね。

以前から『タイムが速い→馬場が硬い→馬が故障しやすい』という見解があり、『タイムが速い=悪』というイメージがあります。様々な識者や競馬関係者が否定的な見解を発表しているものの、今春も青葉賞(G2)をレコード勝ちしてダービーの有力候補となったオーソリティが直後に故障するなど、ファンの間では疑問として根強く残っているようです。

そんな人々からすると、今回のクッション値発表の背景には『日本の馬場は、世界的な基準から見ても正常である(つまりは速い時計が出るのは、日本の競走馬が優秀なのであって、馬場が硬すぎるわけではない)』ということを証明するJRAの思惑があるのではないか、と囁かれているわけです」(競馬記者)

 実際に、JRAは昨年に事前準備としてイギリス、フランス、香港、オーストラリア、アメリカの主要競馬場で、芝のクッション値を測定。概ねクッション値「7~10」の範囲内という“世界基準”を発表している。

 その上でJRAが発表した【クッション値とクッション性との関係性】は下記の通りだ。

芝馬場のクッション値/馬場表層のクッション性
12以上/硬め
10~12/やや硬め
8~10/標準
7~8/やや軟らかめ
7以下/軟らかめ

 現在、発表されている馬場状態「不良→重→稍重→良」を上回る5段階とあって一見、とても親切な設定に見える。だが前出の記者曰く、仮に日本の馬場が、JRAが公表した“世界基準”の中にあるとすれば、そこには「巧妙な“落とし穴”」があるという。

「JRAが公表した競馬主要国の平均値、つまりは世界基準が『7~10』とするならば、本来はそれに倣うべきかと。天候など、不測の事態を見越して『6~11』が妥当だと思います。

しかし、JRAが公表したのは『7~12』。これだけを見ても、日本の馬場が世界基準よりも全体的に硬めであることの証明と述べざるを得ません」(同)

 さらに、記者曰く「10~12/やや硬め」「7~8/やや軟らかめ」に「大きな疑問を感じる人が多いのでは」という。

 というのも「やや軟らかめ」が、7~8と「1」しか値の範囲がないにも関わらず、「やや硬め」は10~12と2倍の範囲が設定されているからだ。

 これは見方によっては、全体的な馬場の硬さを隠すための功名な“視覚トリック”と言われても仕方ないところだろう。

 ちなみに今週末に開幕を迎える中山の初週は、昨年も京成杯オータムH(G3)でトロワゼトワルが日本レコード(当時)を叩き出すなど、超高速馬場として有名な開催だ。

 JRAが11日(金)段階で発表したクッション値は「やや硬め」となる10.8。果たして、どういった傾向が見られるのか――。残念ながら明日は雨予報だが、注意深く見守りたい。

JRA紫苑S(G3)「C.ルメール人気」のシーズンズギフトは消し! 実績馬に潜む「特大穴馬」が堅いレースをかき乱す!? 混戦レースを小点数で完全攻略を狙う!

 12日、中山競馬場で紫苑S(G3)が開催される。秋華賞(G1)トライアルとして2000年に新設された比較的歴史の浅いレースである。2016年にG3に昇格して、秋華賞の優先出走権が3着以内の馬にまで与えられるようになった。

 昨年は3着のカレンブーケドールが秋華賞で2着、17年の勝ち馬ディアドラ、16年の2着馬ヴィブロスが秋華賞馬に輝いており、本番を見据えるうえで重要なレースと言えるだろう。

 過去10年の3連単平均配当は7万5408円と波乱含みの数字だが、重賞昇格後は1万5137円と堅い決着が続いている。直近4年の勝ち馬は1番人気と2番人気で分け合っており、1番人気は複勝率100%、8番人気以下は一度も馬券に絡んでいない。かなり堅いレースと言える。

 いつもは「強力現場情報」をベースに予想をするのだが、今回は自分の「信念」だけで紫苑Sをハナビ杉崎が攻略する。

 まず今年の出走メンバーを確認すると、オークス(G1)3着のウインマイティー、チューリップ賞(G2)勝ち馬マルターズディオサ、京成杯(G3)2着のスカイグルーヴ、ニュージーランドT(G2)2着のシーズンズギフトなど、上位拮抗の混戦が予想される。複勝率100%の1番人気にあやかりたいところだが、人気が読めないのは苦しいところだ……。

 まず「◎」はウインマイティー(牝3歳、栗東・五十嵐忠厩舎)を指名する。

 オークスは13番人気の低評価を覆して、3着に好走。和田竜二騎手の好騎乗も光ったが、能力の高さを示すには十分な内容だった。これまで7戦して、すべてプラス体重で出走している成長がオークスで開花したと考えられる。

 2000mは1戦1勝、中山コースも1戦1勝と、レース条件に不安は全くない。

 先行できるスピードもあり、開幕週の馬場も味方になるはずだ。コンビ2戦目の和田竜騎手が秋の大一番に向けて、実力を発揮することに期待したい。不安らしい不安がないことが、この馬の魅力である。

 次に「〇」はパラスアテナ(牝3歳、美浦・高柳瑞樹厩舎)だ。

 前走のラジオNIKKEI賞(G3)は1番人気ながら4着に敗れたが、悲観する内容ではない。勝ち馬バビットと斤量差は1キロしかなかったことを考えれば、牡馬相手に健闘したと言えるだろう。2連勝を決めた際に見せた上がり最速の末脚を発揮できれば、勝ち負け必至のはずだ。

 また、オーナーの広尾サラブレッド倶楽部の所有馬はキーンランドC(G3)でディメンシオン、札幌2歳S(G3)でバスラットレオンがともに3着。2週連続で馬券に絡んでいるだけに、今週も警戒が必要かもしれない。

 ただ、唯一不安なのが、前走時に武豊騎手が稍重の馬場を敗因に挙げていること。当日の馬場状態に注意したほうが良さそうだ。

「▲」はスカイグルーヴ(牝3歳、美浦・木村哲也厩舎)だ。

 同コースで行われた京成杯(G3)は横綱相撲で押し切りを図るも、大外から追い込んできたクリスタルブラックに交わされての2着。牡馬相手に力のあるところを見せている。

 前走のフローラS(G2)は5着に敗れているが、マイナス14キロと大きく馬体を減らしたことが敗因に考えられるため、度外視して問題ないだろう。その分、今回はどこまで馬体重を戻しているかに注目すべきか。コース実績のある良血馬を3番手に指名する。

「△」はマジックキャッスル(牝3歳、美浦・国枝栄厩舎)だ。

 オークスは前走大敗、距離不安ということから14番人気に甘んじた。だが、デアリングタクトに次ぐ、上がり3ハロン33秒4の末脚で5着に入る健闘を見せた。評価を改める必要がありそうだ。

 過去10年、紫苑Sで2勝、2着3回と結果を残しているディープインパクト産駒。特に、オークス組の成績は【1,1,1,1】と好相性だ。さらにオークスで5着以内だった馬はすべて馬券に絡んでいる。ここでは実力上位と見て、問題ないだろう。

 不安に挙げられるのは、重馬場の桜花賞(G1)で大敗していること。理想は良馬場なだけに、こちらも馬場状態次第と言えそうだ。

「☆」はラヴユーライヴ(牝3歳、栗東・矢作芳人厩舎)に期待する。

 全兄にリアルスティール、全姉にラヴズオンリーユーをもつ超良血馬。デビュー戦は5着に敗れたが、その後2連勝をして初の重賞挑戦となる。

 前走の1勝クラスはハナを切って、上がり最速の末脚で押し切り勝ち。2着に3馬身差をつける圧勝だった。2着馬が次走で勝ち上がっていることから、レースレベルが低かったわけではない。また、休み明けで、プラス30キロとボリュームアップした馬体に成長を感じられた点もプラス要因である。

 今回、相手強化となるが、好走しても何ら不思議でない存在だ。

 上位人気が予想されるC.ルメール騎手のシーズンズギフトは「消し」とする。ニュージーランドT(芝1600m)はルフトシュトロームと0秒1差の2着に好走しているが、フラワーC(G3・芝1800m)のアブレイズと0秒4差の3着はあまり評価できる内容ではない。鞍上人気も予想されるうえに、本質的にマイラーの可能性があることが消しの理由である。

 買い目は以下の通り。

 3連複 1頭軸流し 6点

 軸[ウインマイティー]  相手[パラスアテナ、スカイグルーヴ、マジックキャッスル、ラヴユーライヴ]

 近年、固い決着が続いているだけに、3連単の妙味はないと見る。3連複で小点数に絞って、厚めに勝負したい。

(文=ハナビ杉崎)

コロワイド、大戸屋への敵対的TOBをギリギリで成立させた「短期利益狙いの投機筋」

 外食大手のコロワイドは9月9日、定食チェーン、大戸屋ホールディングスに対する敵対的TOB(株式公開買い付け)が成立したと発表した。締め切り日としていた8日までに200万株を集め、TOBの下限である151万株を上回った。コロワイドの持ち株比率は19.16%から46.77%に高まった。取得費用は約61億円。

 コロワイドは取締役全員の解任を目的として11月上旬の臨時株主総会の開催を求めたことも公表した。株主総会で現在の取締役11人全員を解任し、自社が推す取締役候補7人を選任するよう提案する。新社長にはコロワイド創業家の蔵人賢樹専務を据える。

 一方で、「円滑な再建に向けコロワイドの方針に理解を示す複数の役員の留任を含めた会社提案の提出を大戸屋に打診している」としている。大戸屋経営陣が15日までに総会の開催と、コロワイドの人事案に賛成すれば、一部の経営陣を取締役候補に加えることを検討する。

「株主が決めたことだ。結果を受け入れるしかない」。コロワイドのTOB成立を受け、大戸屋の窪田建一社長は8日夜、涙をにじませながらこう言葉を絞り出した。

大戸屋のホワイトナイトは見つからなかった

 外食業界で敵対的TOBが成立するのは初めてのことだ。コロワイドは、難航していた買収を1年がかりでやっと、前に進めた。

 19年10月、コロワイドが大戸屋の筆頭株主として突如、登場した。創業家から大戸屋株式の18.66%を取得(その後、19.16%まで買い増した)。11月、子会社化を持ちかけた。コロワイドは居酒屋「甘太郎」や焼き肉チェーンの「牛角」など夜間営業が中心。昼が主力の定食の大戸屋を取り込むことを狙った。

 しかし、交渉は難航した。今年6月の定時株主総会で、コロワイドは経営陣の刷新を株主提案したが、委任状争奪戦(プロキシファイト)の末、否決された。株主総会から2週間後の7月9日、コロワイドは大戸屋のTOBを発表した。買い付け価格は1株3081円。TOB発表前の株価に46%のプレミアムを上乗せした。TOB成立の条件の下限は45%、上限を51.32%とした。

 7月20日、大戸屋はTOBへの反対を表明。敵対的TOBに発展した。ここから、敵対的TOBに対抗するためのホワイトナイト(白馬の騎士)探しの行脚が始まる。ホワイトナイトが見つからなければ飲み込まれてしまう。

 投資ファンドや株主である取引先企業に打診したが断られた。新型コロナウイルスで大きな打撃を被った外食企業は、ファンドにとって魅力的な投資先ではない。取引先企業は、外食大手のコロワイドに睨まれるのは得策ではないと、腰が引けた。

 8月14日、大戸屋は有機・無添加食品の通信販売会社、オイシックス・ラ・大地と業務提携した。ただし、これは資本提携ではないから、ホワイトナイトにはなり得ない。コロワイドのTOBが成立するのは、ほぼ確実の情勢となった。

取得株の下限は引き下げたが買い付け価格は据え置き

 事態は急変する。当初のTOB期限だった8月25日の時点では目標に届かなかった。コロワイドは期限を9月8日に延長。取得株の下限を当初の45%から40%に引き下げた。買い付け価格3081円は据え置いた。

 カギを握るのは個人株主である。株主総会では個人株主が反対したため、コロワイドの株主提案は否決された。そこで46%のプレミアムをつけ、個人株主が、すんなり、TOBに応じることを狙ったが、株主の6割を占める個人株主の動きは鈍かった。

 個人株主が買い付け価格の引き上げを求めていることは明らかだったが、コロワイドは、そうしなかった。コロワイドがTOBの期限を9月8日に延長すると発表したのは8月25日。その日の終値は2700円。TOBの買い付け価格3081円より381円安い。2700円で手に入れて、TOBに応じれば、利ザヤが抜ける。こんなおいしい話はない。

 利にさとい短期の投機筋が大戸屋株に殺到した。26日の売買高は48万9800株。前日の5万4200株の9倍以上に膨れ上がった。その後も、10万株を超える商いが連日続いた。大戸屋株の通常の商いは2~3万株程度だったから、いかに大商いだったかがわかる。短期筋がTOBに応じ、コロワイドは薄氷の思いでTOBの成立にこぎつけた。

 コロワイドは面目は保ったが、当初目標としていた過半数の株式を握ることには失敗した。大戸屋の子会社化に向けて、次はどんな手を繰り出すのか。

(文=編集部)

経団連・中西会長にハプニングがあれば、後任はリストラ本番迎える日本製鉄会長しかいない

 中西宏明経団連会長は9月7日、リンパ腫再発後、初めて記者会見した。2カ月ぶりに病院を出て、会長・副会長会議に出席。その後、記者会見に臨んだ。「体調は悪くない」としたが、「試行錯誤しながら最先端の治療を受けている」と説明した。再発の難しさもあり、退院の時期は見通せない。

「安倍首相のように『辞めたい』と言いたいが、そんな経済情勢ではない。ご迷惑をかけながらも一生懸命やっていきたい」と述べた。安倍首相については「新型コロナウイルスの感染拡大対策を十分に主導できなかった」「コロナ対策の全過程で主導権が薄く、辞任という決断になった」と分析。コロナ対策が後手に回ったことが退陣につながったという認識を示した、と毎日新聞は書いている。

 中西会長の病状は予断を許さないということだろう。年末辞任というスケジュールが浮上することも考えられる。中西氏はリンパ腫のため、2019年5月下旬から3カ月半、病気療養し、9月に復帰した。11月下旬に病状が治まった状態である「寛解(かんかい)」との診断を受けた。「寛解」とは、全治とまではいえないが、病状が治まっておだやかであること。中西氏は復帰後に定期的に受けている検査で、腫瘍マーカーの数値が悪化していることがわかった。7月14日から精密検査のため入院していた。

 経団連の会長が長期にわたって休んだのは中西会長が初めて。経団連は会長不在時のルールを特に設けてはいない。会長代行を置かず、案件ごとに担当の副会長らが対応することになっている。

 かつての経団連会長経験者は「経団連会長はボランティア(の仕事)のようなもの」と真顔で語ったことがある。それに、経団連が政策提言しても安倍政権はほとんど採用しなかった。「財界総理」と呼ばれた経団連会長は、今や名誉職でしかないといった辛辣な見方さえあるなか、中西会長は病気を押して経団連会長を続けるというのだ。

ポスト中西の絶対本命はいない

「ポスト中西」のポイントは「製造業にこだわるかどうか」(元経団連副会長)

 20年7月1日現在の副会長は、進藤孝生・日本製鉄会長、山西健一郎・三菱電機特別顧問、早川茂・トヨタ自動車副会長、越智仁・三菱ケミカルホールディングス社長、大橋徹二・コマツ会長が製造業出身である。山西氏は特別顧問だし、トヨタの早川氏は豊田章男社長が経団連になびいてくれないから代わりに副会長になってもらっている、いわば“当て馬”である。来春、早川氏はトヨタの副会長を辞めるとみられている。進藤氏が本命、対抗は大橋氏。越智氏が大穴(失礼な言い方になったらお許しを)というのが大方の見立てだ。

 しかし、リストラがこれから本番を迎える日本製鉄経団連会長を出す余裕はないはずだ。人柄からいえば越智氏は有力候補だが、化学出身の経団連会長については、事務局にトラウマがある。

 審議員会議長・副議長で製造業出身者は、副議長の宮永俊一・三菱重工業会長、津賀一宏・パナソニック社長、吉田憲一郎・ソニー会長兼社長。津賀、吉田の両氏は経団連会長の椅子に興味はなさそうだ。審議員会副議長から経団連会長になる目があるとすれば、三菱重工業の宮永会長だが、日本製鉄以上に経団連の会長をやる余力はなかろう。宮永氏が引き受けたら社内外から非難轟々である。

 こう見てくると、ポスト中西の絶対本命はいないということになってしまう。経団連の歴史的使命は終わったと、かねてから指摘されてきた。日本の産業構造は、製造業からサービス業に転換した。だが、経団連は重厚長大産業の製造業が主力メンバーだ。IT(情報技術)化の流れに完全に乗り遅れた。

官邸と経団連の力関係

 12年の第2次安倍晋三政権誕生後、官邸と経団連(=財界)の力関係は大きく変わった。安倍氏が自民党総裁に帰り咲いた早々、外交や金融政策に注文をつけた当時の米倉弘昌・経団連会長に安倍氏は激しく反発。第2次政権発足後、経団連会長の「指定席」といわれた経済財政諮問会議の議員のポストを米倉氏には与えなかった。

 14年、米倉氏の後任として経団連会長に就任した榊原定征氏は官邸との関係の修復に務め、“安倍さんのポチ”と揶揄された。18年、経団連会長に就いた中西氏は、「物言う経済界」のリーダーとなることが期待された。しかし、「長期の会長不在が響き、経団連は鳴りを潜めたまま」(安倍政権に近いとされるIT企業のトップ)との指摘もある。

 もう一度、“ポスト中西”に戻る。もし、中西会長にハプニングが起こった場合、進藤氏が急遽、登板することになるのではないのか。この選択肢しかなさそうである。経団連会長に誰がなっても日本経済新聞を除き1面のニュースにはならなくなって久しい。だが、「途中交代ということになれば経団連史上で初めてのこと。大ニュースだ」(前出の経団連の元副会長)。

 政界も財界も年末、年始にかけて大波乱の予感がする。

(文=有森隆/ジャーナリスト)

「モバイルWi-Fiをステンレスボウルに入れて通信改善」は危険?逆に悪化も?

 テレワーク拡大に伴い、自宅のインターネット環境を見直す人が増えているなか、ある情報がインターネット上で広まっている。自宅でモバイルWi-Fiルーターの接続が悪く、通信速度が遅くなることに悩んだ際、ステンレス製のボウルにWi-Fiルーターを入れると通信速度が改善されるというものだ。このほかにも、無線ルーターも背後の壁にアルミホイルなどの金属を貼ると通信がよくなるという情報もあがっている。

 果たしてルーターに金属を近づけることで通信速度が改善されることがあるのだろうか。そこで、今回はモバイル業界の事情に詳しく、『できるZoom ビデオ会議が使いこなせる本』(インプレス)などの著書があるジャーナリスト・法林岳之氏に、この現象の真偽について聞いた。

金属に反射させることで電波環境の改善は“あり得る”が…

 まず、ステンレス製のボウルにモバイルWi-Fiルーターを入れると電波環境が良くなるというのは事実なのだろうか。

「“条件が整えば、電波環境が改善する可能性がある”とは言えます。モバイルWi-Fiルーターの場合、スマホと同じくモバイルネットワークの電波を受けて、タブレットやパソコンなどの機器にWi-Fiの電波を送信しています。モバイルWi-Fiルーターと、スマホのテザリング機能を使ってほかのデバイスをネットにつなぐのは、同じ仕組みということですね。そのモバイルネットワークの電波にはいろんな周波数がありますが、FMラジオなどと比較するとはるかに高い周波数なので、金属に反射するんです。

 今回の場合は、ボウルの上部から入ってくる電波をパラボラアンテナと同じ要領で取り込んでいます。そうして集まった電波がボウルに反射すると、モバイルWi-Fiルーターのアンテナに電波が集まることになるので、電波環境が良くなることもあるでしょう。

 さらに、モバイルWi-Fiルーターはボディが小さい分、アンテナも小さく感度も抜群に良いわけではありません。ですから、ちょっとした状況の変化でも電波環境が良くなったように感じられるのかもしれません」(法林氏)

 しかし、法林氏はボウルに入れるという行為が、かえって電波の入りを悪くさせる可能性もあると語る。

「金属は電波を遮断しますから、場合によっては、本来入っていた電波がボウルによって遮断されることも考えられます。一般的に無線通信の基地局はビルの屋上といった高いところにあり、そこから噴水が広がるような放物線を描いて電波を発信しています。そうすると、たとえばマンションの3、4階くらいに位置する部屋までなら、やや上や真横ぐらいから電波を取り込むことが多いわけです。

 ですが、タワマンの上層階にある部屋に住んでいる場合などは、基地局よりも高い位置にいることになるので、下方から電波を受信することになる。こういう環境でルーターをステンレスボウルに入れてしまうと、下からの電波を遮断してしまうことになるので、かえって電波が悪くなるということもあるでしょう」(法林氏)

 法林氏の意見をまとめると、“条件が揃えばステンレス製のボウルにモバイルWi-Fiルーターを入れると電波環境が改善する。しかし場合によっては悪化することもある”ということだ。しかし、悪化するケース以外にも、法林氏はこの方法はおすすめできないという。

「モバイルWi-Fiルーターでもスマホでも同じことですが、本来こういう機器は、机のうえに置いたり、手で持った状態で使ったりすることを想定して製造されています。今回のような使い方はメーカーにとっては想定外なので、機器に熱がこもりすぎたり、中の基板が痛んだり、バッテリーが加熱してしまったりするかもしれません。モバイルWi-Fiルーターの会社がどんな設計をしているかにもよりますが、そういう危険性もゼロではないことを踏まえると、たとえ電波環境が改善していたとしても、私はおすすめできません」(法林氏)

裏技には頼らず、電波が入りやすい場所を徹底的に探すべし

 ステンレスボウルに入れるといった裏技を使うよりも根本的な改善方法を模索するべきと、法林氏は続ける。

「基本的には、電波を強くキャッチできる場所にモバイルWi-Fiルーターを置くというのが鉄則です。一般的には窓際など、まわりに障害物が少ないところに置くのがベターでしょう。ただ、夏場の強い日差しを浴びると機器が傷む可能性もあるということや、窓に鉄繊維で模様がつけられているガラスだと電波を遮断してしまう可能性があることなど、環境に応じた注意は必要ですね。

 しかし、そもそも電波の受信は本当にさまざまな要因に左右されるもの。たとえば、1階に位置する部屋の場合、家の前にトラックが止まったり、人が立ち止まっているというだけでも電波の状況が悪くなったりもするんです。環境、状況、タイミングによっても刻々と変化するものなので、個々人のお宅で電波が入りやすい場所を根気よく探していくしかないでしょうね」(法林氏)

 そのほかの解決策として有効なのはルーターの電源を入れ直す、平置きしていたルーターを縦置きにしてみる、ルーターの向きを変えてみる、などがあるという。いずれにしても、それでも通信速度の改善が見込めなければ、モバイルWi-Fiルーターではなく、ホームルーターに切り替えるのが賢明だそうだ。

「全く同じ回線・事業者という条件で比較した場合、モバイルWi-Fiルーターよりも据え置き型のホームルーターのほうがモバイルネットワーク、Wi-Fiともに通信速度が速くなる可能性が高いです。モバイルWi-Fiルーターはボディが小さいため、内蔵されているアンテナの数も当然少なくなります。一方で、据え置き型はコップやタンブラーくらいの大きさがあります。そうすると、その分内蔵されているアンテナの長さも長くなり、数も増える。つまり、外からの電波を受ける口が増えるということですから、通信速度の改善も期待できるでしょう」(法林氏)

 裏技に頼るのはではなく、奇をてらわない正攻法が一番有効という帰結になるようだ。

(取材・文=福永全体/A4studio)

飲食店は「手数料38%」徴収される…「ウーバーイーツ」栄えて街が滅ぶ、自治体が対抗策

 新型コロナウイルスの感染拡大により、飲食店は営業休止や縮小を余儀なくされている。そのため、売上は下がり、閉店の危機に瀕している。有名店や老舗でも閉店を決めた店は多く、そうした店の閉店を惜しむ報道なども頻繁になされている。

 コロナで苦しい飲食業界を尻目に、業績を大幅に拡大させているのがスマホアプリを活用したデリバリーサービス「ウーバーイーツ」だ。そのカバーエリアは急拡大しており、ニーズは高まるばかり。配達員を街で見かけることも珍しくなくなった。飲食店は慢性的な人手不足のため、配達で人手を奪われるデリバリーへの参入障壁は高かったが、ウーバーイーツなら配達員の確保に悩むことはない。

 一方、その配達員は暇な時間をうまく活用してアルバイト感覚で働く。副業ブームも追い風に、順調に配達員を増やし、それに伴って売上も伸ばしてきた。店側も配達員を常駐させる必要がなく、配達の注文が入ったときだけ配達員を使えるので合理的なシステムではある。

 しかし、ネックになるのは手数料だ。ウーバーイーツは飲食店側から代金の37.8パーセントの手数料を徴収している。これほどの高い手数料を徴収されたら、店が利益を出すのは難しい。当面は収支トントンで凌ぎ、コロナ後に再び稼ぐ。そんな青写真を描くこともできるが、いっこうにコロナが収束する兆しはみえない。

 店側としては、利益を出すために値上げするしか術はないが、客はとたんに離れてしまう。板挟み状態にある飲食店は、当面の売上を確保するためにウーバーイーツを活用するが、同時に脱ウーバーイーツを模索してきた。利益を出せないのだから経営は回らなくなり、廃業する飲食店が相次ぐのも時間の問題だった。

 街の飲食店が次々に廃業すれば、それは街のにぎわいにも影響する。中心市街地から飲食店が消滅するとの危機感が自治体を悩ませる。税収にも影響が及び、自治体の存亡にもつながる。ウーバーイーツは手軽で便利ではあるが、それは同時に飲食店を苦しめ、私たちが住む街を蝕む。

「デリバリー三鷹」

 そのため、自治体のなかからウーバーイーツに対抗しようとする動きが出てきている。東京都三鷹市は、街の飲食店と利用者をマッチングする「デリバリー」サービスを開始した。苦境に陥る市内の飲食店を支援する目的で三鷹市が始めたサービスは「デリバリー三鷹」と呼ばれ、もはや公営ウーバーイーツともいえる事業だ。ただし、スマホやクレジットカードなどを持たない高齢者の利用を主眼においているので、電話での注文受け付けも可能。支払いは現金のみの対応となっている。三鷹市生活環境部生活経済課の担当者はこう話す。

「市内全域でデリバリー三鷹のサービスを開始したのは7月20日からですが、当初は個人経営の飲食店を支援することを主眼にしていました。しかし、コロナでアルバイト先がなくなって困窮している学生などに働いてもらうことにより、結果的に学生の金銭的な支援も兼ねることになりました」

 ウーバーイーツは手軽に始められる副業としてもてはやされているが、その一方で就業中の事故・トラブルは自己責任。デリバリー三鷹はそうした部分にも配慮し、地元の警察署と連携。デリバリースタッフに交通安全講習を受講させるなど、安全対策を強化している。また、ウーバーイーツには低賃金労働との批判が絶えないが、デリバリー三鷹の配達員は時給1400円。それでいて、デリバリーを頼む飲食店は手数料も配達料も負担ゼロ。これらは、すべて事業者支援・困窮学生支援の名目で三鷹市が負担している。デリバリー三鷹を利用しているのは居酒屋や食堂のほか、パン屋、弁当屋など幅広く、市内35店舗にのぼる。

日野市、キッチンカー無料貸し出し

 三鷹市が取り組むデリバリー事業に続くのが、東京都日野市のキッチンカーなどの無料貸し出し事業だ。日野市企画経営課の担当者は言う。

「予算の関係上、市議会の議決を経る必要があるために事業の開始は11月からを予定しています。車内で調理が可能な、いわゆるキッチンカーだけではなく、パンや弁当、ドリンク・菓子類などを販売する移動販売車なども含めて、無料で貸し出しする事業です」

 ランチタイムに駅前や人が多く集まる公園・オフィスビル前といったスペースにキッチンカーが並ぶ光景は、いまや当たり前になりつつある。昼にキッチンカーで稼ぎ、夜は実店舗で稼ぐ。日野市の無料貸し出し事業は、この二毛作を推進させることが目的で、少しでもコロナによる売上不振をカバーしてもらおうというもの。飲食店にとってキッチンカーの導入費用がネックになっていた。キッチンカーは標準化されているとはいいつつも、調理機材・スペースなどをカスタマイズしなければならず、改造費などで値段が張る。

「キッチンカーを無料で貸し出すことによって、飲食店などが試験的に移動販売などをできるようになります。無料貸し出しは経営面をサポートすることが主眼ですが、従来とは違った場所で営業して、新たな顧客層を開拓してもらうことも狙いに含んでいます」(日野市企画経営課)

 行政がウーバーイーツに対抗するような施策を打ち出すのは、ウーバーイーツが売り上げを拡大させても地元の飲食店には還元されていないことが大きいからだ。行政がサポートしてテイクアウト・キッチンカー・移動販売などを始め、それが店の利益を少しでも増やす。そうした好循環をつくることは、飲食店や食品販売店だけにプラスになるわけではなく、行政にもプラスになる。

 独走するウーバーイーツへの包囲網は確実に狭まっている。

(文=小川裕夫/フリーランスライター)

60歳以上の年金生活者でも新築マンションを買える!「リ・バース60」利用者増加

 少子高齢化がますます進行するわが国で、高齢者が住宅市場でも存在感を発揮しています。年金生活のなかでも家を建てたり、買ったりする人がいるかと思えば、首都圏では70代以上のシニアが、7000万円近い新築マンションを買っているのです。そのがんばりの秘訣はどこにあるのでしょうか。

住宅ローンの完済時年齢満80歳未満がネックに

 60歳を過ぎれば住宅ローンを組めないので、マイホーム購入や建設はガマンして古くなった家に住み続けるしかない――そんなイメージは昔話になっているようです。いまどきのシニアは、年をとってからでも新たな住まいの建設、取得に前向きで、実際に多くの人が高齢期に入ってからの“終の住処”の獲得に成功しています。

 それも資産がタップリあって、余裕を持ってマイホームを取得する人だけではありません。ほとんど所得がなく、収入といえば年金だけという人も、最近は家を建てたり、買ったりできるようになっているのです。

 通常、民間住宅ローンには借入時の年齢が満70歳まで、完済時年齢は満80歳未満までといった規定があります。したがって、65歳以上の高齢者でも一定の年収があれば、住宅ローンの借入れは可能ですが、利用できる返済期間は14年以内までに限られます。そうなると、かなりの年収がないと住宅ローンを組むことは難しく、高齢期に入ってからのマイホーム取得は難しいのが現実でした。

60代以上限定の「リ・バース60」利用者が増加

 そんななか、いま秘かに注目を浴びているのが、住宅金融支援機構が実施している「リ・バース60」という、原則的に利用者を60歳以上に限定した、リバースモーゲージ型の住宅ローンです。

 最大の特徴は、住宅ローンの返済において、元金は据え置き、金利支払いだけでOKという点です。元金は利用者が亡くなったときに、相続人が一括返済することになります。一括返済できる現金が手元になければ、「リ・バース60」で取得した住まいを売却して支払うかたちでもOKです。売却代金では残高をカバーできない可能性もありますが、ノンリコース型の「リ・バース60」にしておけば、売却代金以上の支払い義務がなくなるので、相続人の不安もなくなります。

 それもあって、このところ、この「リ・バース60」の利用者がジワジワと増加しています。住宅金融支援機構によると、2020年4月~6月の「リ・バース60」の申請戸数は前年同期比で8.6%の増加でした。新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあって、住宅ローン全体の申込件数が減少しているなかだけに、ひときわ目立つ存在といっていいでしょう。

利息返済だけなので毎月返済額は大幅に軽減

 この「リ・バース60」の利用者プロフィールをみると、平均年齢は70歳で、年収の平均は360万円。取得した住宅の平均価格は2743万円、借入額の平均が1462万円で、毎月の支払額の平均は2.9万円だそうです。

 平均年齢は70歳ですから、一般の住宅ローンだと、完済時年齢満80歳未満の条件に照らすと、最長9年しか利用できません。そうなると、借入額1462万円を、金利1.0%で借りられたとしても、毎月返済額は14万1609円になります。年収360万円だと年収に占める年間返済額の割合を示す返済負担率は47.2%に達します。これでは、審査基準にひっかかりますし、現実に返済は困難でしょう。

 しかし、利息返済だけなら、ノンリコース型を利用して金利が多少高くなったとしても、「リ・バース60」なら利息支払いだけなので、金利2.5%なら毎月3万458円、3.0%でも3万6550円ですみます。

年金受給者が「リ・バース60」利用者の6割近くに

 そのため、年収の少ない高齢者でもマイホームの取得が可能になるわけです。実際、この「リ・バース60」を利用した人たちの属性をみると、図表1にあるように、年金受給者が57.1%と全体の6割近くを占めています。次いで、会社員が20.4%で続いていますが、比較的年収の高そうな会社役員は5.8%、個人経営も5.4%にとどまっています。

 この「リ・バース60」がなければとてもマイホームを買えそうもない人たちが、“終の住処”を得ているのです。その資金使途をみると、図表2にあるように、戸建新築が35.8%を占め、新築マンションが13.3%で、中古マンション4.2%、新築戸建2.1%、中古戸建1.3%などとなっています。「リ・バース60」を利用して、新築・中古にかかわらず、新たにマイホームを取得したという人の合計が6割近くに達しているのです。

 一方、戸建リフォーム、借換えといった人たちは4割強にとどまっています。

50代以上の高額所得者のマンション購入も多い

 もちろん、年配者のなかにはある程度の年齢になっても働き続けていて、高額所得を得ている人もいます。そんな人たちがマンション市場で存在感を高めているのです。

 リクルート住まいカンパニーでは、毎年首都圏で新築マンションを買った人たちの実態を調査していますが、最新版の『2019年首都圏新築マンション契約者動向調査』では、シニアカップルがどういう位置を占めているかを分析しています。

 まず、全体の回答者数4931人のうち、50代以上のシニアカップルは256人と、約5.2%を占めています。このシニアカップル、全体平均に比べると図表3の棒グラフにあるように、年収が高くなっています。全体平均の世帯年収が994万円に対して、50代は1196万円、60代は1343万円に達しています。70代以上ではさすがに年収は低下しますが、それでも780万円を維持しています。先の「リ・バース60」利用者に比べると、格段に年収水準の高い人たちで占められています。  

70代以上の購入価格の平均は7000万円近くに

 その年収でどれくらいの新築マンションを買っているのかが、図表3の折れ線グラフです。全体平均が5517万円に対して、50代は5647万円で、60代が5927万円、そして70代以上が6846万円となっています。70代以上では、年収が780万円にもかかわらず、その9倍近くの新築マンションを手に入れている計算です。

 70代では、先に触れたように通常の住宅ローンはほとんど利用できませんから、どうしているのかというと、図表4にあるように、多額の自己資金を用意しています。全体平均の自己資金比率は19.1%に対して、50代は42.8%に増え、60代になると82.5%まで高まり、70代以上では98.2%に達しています。つまり、70代以上では、ほとんどの人がほぼ全額の自己資金を用意して、ローンのお世話にならずに買っていることになります。

 70代以上の平均年収は780万円とさほど高くないのですが、逆にいえば70代でもこれだけの年収を稼いでいるということは、若いうちにはもっと高額の年収を得ていたのは間違いないところです。その時代から形成してきた蓄えを活かして、現金でポンと新築マンションを手に入れているのではないでしょうか。

都心の高額物件にはシニアを意識したプランが増加

 こうした傾向を反映して、最近の都心の高額マンションではシニアカップルを意識したプランが少なくありません。専有面積は100平方メートルを超えているにもかかわらず、2LDKなど、ふたり住まいを念頭においたプランになっているケースが多いのです。もちろん、都心やその周辺だと、価格はゆうに1億円を超えるのですが、それでも、シニアの現金買いによって、高額物件から売れるマンションもあるようです。

 シニアの物件購入といっても、実に千差万別です。できるものなら、若いうちから資産を形成、高齢期に入ったら、その資産をもとに高齢期にふさわしいマンションなどを取得できるようにするのが一番ですが、そうでなくても、「リ・バース60」で、マイホームを手に入れることもできます。「もう年だから」と諦めずに、自分たちにふさわしい“終の住処”を見つけていただきたいものです。

(文=山下和之/住宅ジャーナリスト)