開幕延期のプロ野球、東京五輪&コロナ騒動で日程大混乱…22年ぶりのダブルヘッダー実現か

 新型コロナウイルスの感染防止により、各種スポーツイベントは中止や無観客での実施が相次いでいる。

 国内女子プロゴルフツアーは開幕戦の「ダイキンオーキッドレディス」(3月5日)の中止に続き、3月13日から開催予定だった「明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント」も中止が決まった。NHKの放映権料が億単位の大相撲春場所(3月8日初日)は無観客開催となり、力士に感染する可能性がある土俵上での力水は「形だけ」とするそうだ。

 3月19日に開幕予定のセンバツ高校野球は史上初の無観客開催に向けた準備が進められており、3月11日の臨時運営委員会で最終判断が下される予定となっている。いち早く延期を決めたのは、サッカーのJリーグだ。2月26日のルヴァンカップから3月15日までの、すべての公式戦94試合を延期している。

東京五輪で過密日程のプロ野球事情

 72試合のオープン戦を無観客試合としたプロ野球も、3月20日に控えていた開幕を延期することを決定した。NPB(日本野球機構)はJリーグと共同で「新型コロナウイルス対策連絡会議」を発足し、3月9日に行われた第2回の会議で、専門家から「プロ野球の開幕について延期が望ましい」との提言がなされた。それを受けて、同日に臨時の12球団代表者会議が開かれ、プロ野球の開幕延期が決定した。延期の期間などについては、3月12日に行われる会議で話し合われるという。

 そもそも、球団経営を考えたとき、開幕する以上は無観客での実施は避けたいというのが12球団の本音であったはずだ。黙っていても営業収入が見込める公式戦、しかも注目の開幕戦で無観客試合となれば、各球団の収入は放映権料のみとなり、入場料やグッズ売り上げが消えてしまう。主催試合における損失は1試合あたり少なくとも3000万円以上、1カード3試合で1億円にもなると見込まれる。

 それらの事情も考慮した結果の開幕延期なのだろうが、今年は一筋縄ではいかない事情がある。夏に東京オリンピックが開催される関係で、7月20日のオールスターゲーム終了後、8月13日までの3週間ほど公式戦が中断されるのだ。その期間中は“侍ジャパン”こと日本代表の試合が行われ、横浜DeNAベイスターズの本拠地である横浜スタジアムが野球会場(決勝戦は8月8日)となる。そのため、ベイスターズは一時的に東京ドームとZOZOマリンスタジアムで主催試合を行うことも決まっている。

 つまり、今年はただでさえ東京五輪のために過密日程となるため、本来であれば延期をする余裕がなかったのが現実なのである。3月11日に東日本大震災が発生した2011年は開幕を約3週間延期することで全144試合を消化したが、五輪用の過密日程に加えてスタートが遅れる今年は、日程消化に苦慮することになりそうだ。

 そこで、収入を確保しつつ日程を消化するための策として考えられるのが、特定のチームが1日に2試合を行う「ダブルヘッダー」だ。

22年ぶりのダブルヘッダーとなる可能性も

 ダブルヘッダーが最後に実施されたのは1998年で、実に22年も行われていない。ドーム球場の増加により雨天順延が減ったのが、一番の理由だ。

 しかし、東京五輪のために日程に余裕がない今年、開幕延期に加えて雨天中止が重なれば、22年ぶりのダブルヘッダー実施も現実味を増してくる。特に、広島東洋カープ、東京ヤクルトスワローズ、阪神タイガース、ベイスターズと、4球団の本拠地が屋根なし球場のセ・リーグはなおさらだ。

 80年代までは少なくなかったダブルヘッダーは、1枚のチケットで2試合を観戦することができた。「一粒で二度おいしい」ということで、筆者も子どもの頃に嬉々として後楽園球場の日本ハムファイターズ戦を観戦した思い出がある。

 当時と異なり、今はどの球団も1試合平均2万3000人以上の入場者数(2019年)を誇っている。パ・リーグ人気も定着しただけに、入場料収入を得るための「入れ替え制ダブルヘッダー」も考慮されるかもしれない。

 1988年のロッテオリオンズ対近鉄バファローズのダブルヘッダーでは、第2試合で延長戦にもつれ込み近鉄が優勝を逃し、のちに「10.19」と呼ばれた。翌89年の西武ライオンズ対近鉄のダブルヘッダーでは、近鉄のラルフ・ブライアント選手が4打数連続本塁打を放ち、大混戦を抜け出した近鉄が2日後に優勝を決めた。

 このように、ダブルヘッダーだったからこそ生まれた名勝負も少なくない。終盤に優勝がかかるダブルヘッダーが行われるのもペナントレースの醍醐味と考えれば、ファンにとっては悪くない選択肢のはずだ。

(文=井山良介/経済ライター)

原油価格暴落、今世紀初の需要減少…OPECプラスの協調減産の枠組み失効へ

 米WTI原油先物価格が暴落している。2017年1月からOPEC加盟国とロシアなどの非加盟国(OPECプラス、世界の原油生産の4割超を占める)が実施してきた原油価格を下支えしてきた協調減産の枠組みが、今年4月以降に失効することになったからである。

 OPECプラスは今年1月から日量210万バレルの協調減産を実施してきたが、中国で発生した新型コロナウイルスの感染拡大により、世界の原油需要が日量400万バレル減少するとの見方が強まり、3月5日から6日にかけてその対応を協議してきた。OPECは「減産幅を現在の日量210万バレルから360万バレルにまで拡大する」案を提示したが、ロシアが難色を示し「現行の減産を今年3月末から6月末まで延長する」ことに固執したことから、協議は物別れに終わってしまった。

 ロシアでは「減産を続けていれば世界の原油市場でのシェアを米国のシェール企業に奪われるだけだ」との懸念から、石油企業全社が減産幅拡大に反対したといわれている(3月7日付日本経済新聞)。プーチン大統領に近いとされるセチン氏がCEOを務める国営石油会社の最大手ロスネフチの関連会社が、今年2月にベネズエラの石油取引を支援したとして米国から制裁を受けたことも、反米意識の高まりを助長したとされている(3月7日付ZeroHedge)。

 サウジアラビアとロシアの3年以上にわたる協調関係はこれまでもぎくしゃくすることがあったが、新型コロナウイルスへの対応をめぐりOPECプラスの枠組み自体が瓦解してしまうとは誰が予想しただろう。だが、それ以上に予想外だったのは、サウジアラビアが「原油政策を180度転換する」と表明したことである。同国政府関係者は8日、「日量970万バレルの原油生産量を、4月に日量1000万バレルを大幅に上回る規模に拡大する」ことを明らかにした(3月8日付ブルームバーグ)。過去最大の日量1200万バレルまで増産することも視野に入れているとされている。

サウジアラビア、政策を大幅転換

 サウジアラビアはなぜこのタイミングで原油政策を大幅転換しようとしているのだろうか。筆者はOPECプラスの会議直前に勃発したサウジアラビアの政変に注目している。米紙ニューヨークタイムズやウォールストリートジャーナルによれば、5日、次期国王と目されるムハンマド皇太子の命令により、サルマン国王の弟であるアハメド王子、ナエフ前皇太子などの有力王族が相次いで拘束されたという。拘束の容疑は「国家反逆罪」であり、王族らは終身刑か死刑に処せられる可能性があるが、ムハンマド皇太子から牙を抜かれた状態である王族らが反乱の狼煙を上げられるとは考えにくい。

 今回の粛清事件の直接的な引き金は今のところ明らかになっていないが、サウジアラビアでは新型コロナウイルスの感染者が確認されたことから、5日からイスラム教の2大聖地であるメッカとメディナへの巡礼が禁じられたことが関係しているのかもしれない。

 サウジアラビア国内では、開明的な政策を推進しているムハンマド皇太子に対する保守派の反発は根強い。聖地巡礼を禁止したことで保守派の反発がこれまで以上に高まることを恐れたムハンマド皇太子が、有力王族が保守派に祭り上げられることを恐れて未然に反乱の芽を摘んだと考えられるからである。

 ムハンマド皇太子は従来からOPECと協調する現在の路線を快く思っておらず(3月9日付日経新聞)、今回の政変を機に原油政策についても拡張路線に舵を切ることにしたのではないだろうか。

 OPECプラスの追加減産協議が不調に終わったことで、脱石油政策を掲げるサウジアラビアにとっての希望の星である国営石油会社サウジアラムコの株価は、8日初めて公開価格の32リヤルを下回った。これにより、政府の求めに応じてサウジアラムコの株式を積極的に購入した個人投資家は含み損を抱えることになってしまった。サウジアラムコの株価が低迷するようでは、今後予定されている海外での株式公開もままならない。

 ムハンマド皇太子は「原油価格が上がらないのであれば、生産量を拡大して、サウジアラムコの収入を増加させる」という路線のようだが、はたしてうまくいくのだろうか。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、21世紀に入って初めて世界の原油需要が減少するという最悪のタイミングで、これまで生産を抑制してきたサウジアラビアがスイングプロデューサー(価格安定を図るために調整役を担う産油国)の立場を放棄すれば、9日朝の時点で1バレル=30ドル台前半にまで下落したWTI原油価格は、20ドル以下にまで下落してしまうかもしれないからである(3月8日付ZeroHedge)。

 生産量を増やしても、それ以上に価格が下がってしまっては元も子もない。サウジアラムコの株価が回復しない限り、ムハンマド皇太子が思い描くビジョンも水泡に帰してしまう。にっちもさっちもいかない状態になることが目に見えている。「身から出た錆」との要素が強いが、新型コロナウイルスの影響でムハンマド皇太子が率いるサウジアラビアは、ますます窮地に追い込まれてしまうのではないだろうか。

(文=藤和彦/経済産業研究所上席研究員)

ワークマン「防寒ブルゾン」、2千円台で驚異的に優れた機能…“手ぶら外出”実現に感動

 現場作業員などに向けた作業着を中心にシェアを広げ、業界最大手にまで成長を遂げた作業着チェーン「ワークマン」。近年では、タウンユースにも使えるおしゃれなアウトドアウェアのジャンルにも進出し始め、これがアウトドアユーザーを中心に大ヒットしている。2018年には、こうしたカジュアルジャンルを中心に取り扱った新業態店「WORKMAN Plus」の第1号店もオープンし、話題を呼んだ。

 だが、その一方で、ワークマンは元来の作業着を進化させることも怠っていない。なかでも2017年に登場した「GNT1001 ダブルフラップ防寒ブルゾン」(税込2900円。以下、ブルゾン)は、豊富な機能と驚きの低コストを誇り、発売当時は5万着が約1カ月で完売したという。

ネットユーザーからも大好評

 もちろん、3年経った今でも大人気のこの商品。ネットユーザーからはどのような口コミが寄せられているのか、その一部を紹介しよう。

「ワークマンの防寒ブルゾン(GNT1001)、めちゃ暖かいうえに収納力がすごくて一発で気に入ってしまった」

「作業服はマジで楽なんだよなぁ…部屋着にしたいレベル」

「ワークマンの作業服が暖かくて収納もいっぱいあって快適すぎて、とうとうカバンをもたず手ぶらで出勤するようになってしまった」

「ワークマン 体も財布も 暖める」

「ワークマンの『ダブルフラップ防寒ブルゾン』、凄いなぁ こんな風の強い日でも安心」

 このように、絶賛の声が後を絶たないのだ。

 そこで今回は、パリへの留学やファッション企画コンサルティング会社、ファッション系のITベンチャー企業を経て、現在はファッションアナリストとして活躍している山田耕史氏に実際に着用してもらい、そのリアルな所感と、人気の秘密を聞いた。

丸々洗濯機で洗えて水切れもよし……多彩な機能に感嘆

 まず、最大の特徴は、洗濯機で丸洗いできる点だと山田氏は語る。

「ワークマンに限らず、多くのアウトドアブランドでも、洗濯機での丸洗い自体には対応している防寒ウェアはあります。ですがワークマンのブルゾンは、洗ったあとがとても楽でした。なぜなら、水が溜まりがちな腰回りがメッシュ生地になっており、水切れがいいからです。

 また、中綿の素材がポリエステル100%なので、速乾性も高い。他ブランドの防寒ウェアは“洗おうと思えば洗える”という商品が多いのに対し、“洗って繰り返し使うこと”をしっかり念頭に置いた商品だといえるでしょう」(山田氏)

 次に、肝心の防寒性についてレビューしてもらった。

「基本的にダウンジャケットのように“保温”をベースにしたものではなく、“断風”によって体温低下を防ぐのをベースにしている印象です。

 断風面で一番驚いたのは、首回りの“ダブルフラップ”でした。そもそも商品名になっているダブルフラップとは“二重前立て”のことで、一層目のファスナーと二層目のマジックテープが、二重に断風してくれる仕組みになっています。こうした構造はバイク用のウェアやミリタリー系のウェアなど、比較的高価で特殊な用途の防寒ウェアにはしばしば見られますが、ワークマンのように低コストな作業着ではなかなか珍しい印象なので、ユーザーにとって嬉しいポイントではないでしょうか」(同)

 続いて、着心地はどうだろうか。

「特段悪い面はなく、スムーズに着られると思います。ただ、裏地にこれといって通気性をよくする機能があるわけでもないので、汗をかいたときに、少々ベタつくことはあるかもしれません。とはいえアウターですし、その下にシャツなどを着るのが基本ですから、ほぼ問題はないといっていいでしょう。

 さらに言うと、“動きやすさ”に関しては、かなり気が配られています。特に腕は、別段ストレッチ性の素材が使われているわけではないものの、脇の下部分が動かしやすいカットに切り替えられているなどの工夫が見られ、一般的なアウターに比べて格段にスムーズです。さすがは“現場作業用”といったところでしょうか」(同)

 加えて山田氏は、いかに現場作業を想定したつくりになっているのかを力説する。

「フード部分が凝られているのは特筆すべきですね。まず、ヘルメットの上からでも被れるくらい大きなサイズなのが高評価ポイント。あとは、フード自体を取り外せる“2WAY仕様”になっているのもありがたいですし、何より一番気が利いているのは、フードの先端にマジックテープがついており、フードの口をピタッと閉じられることです。

 狭いところを潜ることの多い現場作業員にとっては、機械にフードをひっかけ、思わぬ事故につながってしまう危険性もありますが、このフードなら、そんな危険性を排除することができます」(同)

タウンユースには不向きなデザインだが、コスパはバツグン

 では、デザイン面、コスト面ではどういう評価なのだろう。

「デザイン面は、もともと現場作業用ということもあり、やや野暮ったさは拭えません。タウンユースにも……とは言いがたいのではないでしょうか。ですが、ワークマンには『現場作業員の服をワンランクおしゃれにアップさせたい』というマインドがあるようで、デザイン性の向上に力を入れているのは確かです。

 また、この性能で税込2900円という低価格を実現しているのも驚異的ですね。アウトドアの有名ブランドのアウターだと、2万円を超えるようなものもざらですし、ユニクロの防寒アウターでも1万円前後です。充実した機能の数々を考えると、コスパは非常に優れています。

 以上を踏まえて総括しますと、たとえ安い値段でもつくりに手を抜かず、ユーザーに長く何度でも使ってもらいたいという、ワークマンの思いやりが見受けられる商品でした。また、このブルゾンに限らないことなのですが、カジュアル系のアイテムであってもペン差しやネームループを忘れないなど、『あくまで現場作業員に向けた商品をつくっているのだ』という誇りも強く感じられます」(同)

 カジュアルアイテムでヒットを飛ばすワークマン。しかし、このブルゾンからも伝わってくるように、現場で戦う作業員と真摯に向き合う姿勢は、今なお健在のようだ。

(文=A4studio)

2020テストイベント「READY STEADY TOKYIO 」スポーツクライミングを実施

東京2020組織委は3月6日、東京大会本番に向け競技運営などを確認するテストイベント「READY STEADY TOKYO」のスポーツクライミングを、東京・江東区の青海アーバンスポーツパークで実施した。

(画像=© フォート・キシモト)
当初、選手が参加する予定だったが取りやめ、組織委などのスタッフにより行われた。同パークは、選手村からも近い青海エリアに仮設で整備される会場で、3x3 バスケットボールやスポーツクライミングが開催される。

スポーツクライミングには、「スピード」「ボルダリング」「リード」の3種目がある。東京大会では、3種目の合計で競われるため、総合力に勝る選手が有利とされる。
スピードのコースは世界共通で高さ15メートル。安全のためのロープを装着した2人の選手が同時にスタートし最上部までのタイムを競う。優勝ラインのタイムは、男子では5~6秒、女子で7~8秒と、あっという間に勝敗が決まる。
ボルダリングは、高さ約4メートルの難コースを4分の制限時間内にどこまで登れるかを競う。最上部のホールドを両手で保持できれば“完登”になる。オーバーハングした壁を、全身を使いながら、普通では考えられない体勢でクリアしていくのが見どころ。

リードは、6分の制限時間内に高さ15メートル以上の壁をどこまで登れるかを競う。選手は安全のために、ロープをクイックドロー(ロープを引っ掛ける器具)に掛けながら登り、トップのクイックドローにロープを掛ければ“完登”となる。

 ボルダリングとリードについては、他選手のクライミングが、大きな参考になるため、自分が登る前は他選手のクライミングを見ることができない「オンサイト方式」が採用される。競技前の選手は隔離され、競技開始直前に全員に数分のみルートを確認する時間が与えられる。

強豪は伝統的にヨーロッパ勢が占めるが、近年ではアジアや北米の選手も力を付けてきた。日本は、特にボルダリングに有力選手が多く、男子は楢﨑智亜・明智選手をはじめ原田海、藤井快選手ら、女子はボルダリング界をリードする野口啓代選手の他、若手の野中生萌、伊藤ふたば選手らが注目される。
参考記事「IFSCクライミング世界選手権」:
https://dentsu-ho.com/articles/6799

 

甘デジ「一発4000発」を狙える一撃性! スペックも演出も◎なキングに死角なし!?

『ホラキン』は甘デジのホームラン王です。

 マイナー機・マニアックマシン・クソ台(良い意味で)を総称する「サブカル台」好きのパチンコファンなら『Pホームランキング』は絶対にハマる。本当にもういろんなことがバチボコ面白いのである。

 まず演出。図柄がテンパイし、ピッチャーが投球するとジョグハンドルを使って投げた玉を打つ演出になるのだが、これはもう完全に「パーフェクト野球盤」なのである。さすがに「消える魔球」は演出にないが、ハンドルを使って玉を弾き返すと、デジタルの上でとはいえ、あの頃の気持ちが蘇る。

 さらに、ここで玉を打った時に発展するルーレットリーチも最高なのである。回転するルーレットランプが停止したマスに書かれた図柄によって大当りの当否やさらなる発展をもたらす期待のSPリーチといった内容であるが、これはもう完全に「ピカデリーサーカス」なのである。あの10円を入れて2、4、6、8、10、30の倍率にベットするメダルゲーム。あの興奮を当時のままに味わえるような気分なのである。

 このように、本機は私のようなパチンコ好事家の心の奥底をがっちり掴む要素が満載だが、単純にノスタルジーをくすぐるだけでなく、例えばバッターの構えに数種類のパターンがあるなど、細かい部分にもこだわっているので、目立たないチャンスパターンの発見など意外に飽きのこない作りになっていて、実は打ち込み要素が高い。

 それでいうとひとつ、「これはやられた!」と天を仰ぎつつニヤリとしてしまう演出に出くわした。それは「サヨナラチャンス」でのこと。

 これは先のルーレットリーチで1ヒット・2ヒット・3ヒットで停止すると発展するラウンド演出で、最大4000発の出玉を獲得できる1・2(ワンツー)機連チャンモードへの突入を賭けた大当り後の昇格演出となっている。

「サヨナラチャンス」の概要としては、ルーレットリーチで出塁したランナーをホームに返すことを目的に展開する演出となり、大当り消化後に再びルーレットを使用した打撃演出を行う。

 この時、大当り消化中にランナーが盗塁すればチャンスアップとなるのであるが、ここでまさかの3塁から盗塁が発生し、打撃演出を行う前にホールスチールによる得点獲得で昇格が決まってしまうパターンが存在するのである。この驚かせ方は秀逸で、固定観念や思い込みを逆手に取った称賛すべき演出であろう。

 さらにスペックも卓抜で、甘デジカテゴリーにおける新たなロールモデルとして取り入れられそうな気配も感じる。甘デジの確率ながら1回の大当りで約1000発獲得できる出玉感は別格な上に、最大で4000発も可能な一撃性は魅力的である。

 しかし、最大の関心事にして最難関の問題点がすべてを帳消しにする可能性も否定できない。そう「クギナイン」である。本機は、ストロークからヘソにいたる通常時の主要な盤面ポイントに釘を使用していない、いわゆる封入式を意識した盤面構成となっている。

 肝心のスタートは、盤面左にあるワープ(黄色い羽根)とスタートチャッカー直近に搭載されたベロ式スライド版によって調整され、安定した一定のスタート回転数を実現している。

 釘をなくす封入式とは本来、回らないストレスを軽減するための仕組みだと私は思っていた。だが、本機は多少イラつきを覚えるほど回らない。ワープもスタート前のベロも完全に「回さない」ための障害物だとしか思えないのである。タイミング良く入賞を邪魔する。その動向を見ているとストレスが溜まる一方なので、もう画面を凝視しつつ、保留の状況をチェックするようになった。

 当然スペックとの兼ね合いから、この回転数になっているはずであるが、それならブン回せる激辛スペックで導入してほしかった。これが釘のないパチンコのスタンダードだと思われたら、この先は厳しい戦いしか待ち受けていないだろう。

 また、スタートのさせ方にも何か工夫が必要かもしれない。少なくともスタート直前で玉を弾くような機構は不満や反感を募らせる一方なので感心しない町男である。せっかくの良機だけに、クギナインにめげずに多くの人に打ってもらいたい。

(文=大森町男)

JRA何故「ディープインパクト記念」が先だったのか? ナリタブライアン記念、シンボリルドルフ記念が生まれない理由

 8日、弥生賞ディープインパクト記念(G2)をサトノフラッグが圧勝。ディープインパクトの主戦だった武豊騎手が、ディープインパクト産駒で勝利するという、今年から名称が変更になった「ディープインパクト記念」を大きくアピールする結果となった。

 ただその一方、以前から一部のファンの間でたびたび議論されているのが、何故、ディープインパクト以前の三冠馬……ナリタブライアンやシンボリルドルフの功績を称えた「記念」レースが生まれないのかということだ。

 確かに、現在施行されているJRAの重賞で馬名を冠したレースは、共にクラシック三冠を達成したセントライト記念(G2、中山・芝2200m)とシンザン記念(G3、京都・芝1600m)の2レースだけである。

 そして、今年から弥生賞ディープインパクト記念が加わり、3例目となった。

「ナリタブライアンやシンボリルドルフには『ナリタ』や『シンボリ』といった冠名が使用されていることも影響があるのではないでしょうか。

 また、今回の改称については、現役時代にクラシック三冠を含むG1・7勝の記録を残し、”種牡馬としても輝かしい実績を残した”功績を称えてと説明がされています。そう考えると確かにシービー、ルドルフ、ブライアンは三冠馬ではありますが、G1の勝利数や種牡馬としての功績となると見劣ってしまう点もあるのかもしれません」(競馬記者)

 ただ、改称の基準については明確になっていないというのが実情だ。現役時代の活躍という意味ならば、「三冠馬」であることがわかりやすい目安となる。だが、シンザン以降にもミスターシービー、シンボリルドルフ、ナリタブライアンがいるため、ディープインパクトだけが選ばれたのは違和感がある人も多いということなのだろう。

 かつては中央でもカブトヤマ記念、クモハタ記念、セイユウ記念、タマツバキ記念、シュンエイ記念があったが、現在は廃止されている。地方競馬の場合はダイオライト記念、オグリキャップ記念、ハイセイコー記念以外も複数のレースがあり、中央に比べるとバリエーションはより多彩だ。

 他にも、昨年9月には「JRAアニバーサリー」1999メモリアル・エルコンドルパサーCと2009メモリアル・ウオッカCが実施された。2004年にはJRA創立50周年のゴールデンジュビリーキャンペーンで名馬の馬名のついたメモリアルレースも行われているが、あくまでイベント的な扱いであることに変わりはない。

 例外として、共同通信杯の場合はトキノミノル記念の副題がついているが、あくまで副題であり、番組表での記載は共同通信杯(トキノミノル記念)にとどまっている。一説では冠名のついている馬名だと選ばれにくいのではないかという声もあるが、トキノミノルの「トキノ」は冠名である。

 現役時代はクラシック三冠を含むG1・7勝をあげた史上最強馬といわれ、種牡馬としても2012年から2019年の日本のリーディングサイアーとして君臨したディープインパクト。この功績が目安となるようなら相当高いハードルとなりそうだ。次に馬名を冠する重賞が誕生するのはまだまだ先のことかもしれない。

パチスロ「狙い目満載」の新台! 話題の新台は「かなりオイシイ」!?

 大松のパチスロ「ハイエナ」実戦。今回は新台『エヴァンゲリオン フェスティバル』について書いていきたい。

 本機は純増約4.5枚のAT「エヴァンゲリオンフェスティバル」で出玉を増やしていく。ATの当選契機は主にチャンスゾーンからで、期待度は約50%だ。

 本機は周期抽選のゲーム性となっている。ゲームフローはまずアイテム獲得パート(ナイトパレード)、次にスタンプ獲得パート、そしてチャンスゾーンorAT当選のジャッジパート(3大アトラクション)となる。

 アイテム獲得パート中に獲得したアイテムは主に3大アトラクションのチャンスアップに使われる。

 スタンプ獲得パートはスタンプを獲得すればするほど3大アトラクションの成功率が上がっていく。3種類のマップがあり、スタンプの獲得期待度が異なる。

 そして3大アトラクションはアイテムと集めたスタンプの数で成功率が決まり、成功すればチャンスゾーンかATに当選、失敗すれば次回周期といった流れだ。

 周期は最大7周期まであり、1周期は約100ゲームほど。7周期目はチャンスゾーンかATが濃厚だ。

 有利区間のリセット契機は「チャンスゾーン突入前」「ATで2400枚獲得時」という仕様になっている。

 有利区間はチャンスゾーンから始まる設計なので『パチスロ ガールズ&パンツァーG~これが私の戦車道です!~』のようにリセット時も狙い目と思われるが詳しくは分かっていない。

 本機は様々な狙い方が出来る。まず周期天井狙い。これは残り3周期であれば積極的に狙っていきたい。

 次にフルコンプ後狙い。ATで一定の条件を満たすと天井が3周期になる場合があるので、それを狙う。下の画像のように液晶右下に「超」の文字があれば、それが目印となる。

 また、2400枚完走で即ヤメの台があれば、すぐにチャンスゾーンに突入するのでかなりの狙い目だ。

 次にマップシナリオ狙い。メニュー画面を開いて表示されたロゴの色が「銀色」や「金色」であれば高期待度のマップが連続しやすい。1周期目が「アツアツ」マップであれば高シナリオ濃厚。

 今回座った台は、この銀色ロゴの台。1周期目からチャンスゾーンに突入し、あっと言う間にATに当選となった。

 そして初ATからフルコンプリートを達成、次回は3周期が天井となるが2周期目で再度チャンスゾーンに突入。

 このチャンスゾーンは残念ながら外してしまったが投資150枚で回収1046枚というまずまずの結果となった。

 新台ということで狙える機会も多いと予想される。見つけた際には是非狙ってみてはいかがだろうか。
(文=大松)

なべおさみ、池江璃花子に近づき“怪しい治療”…コーチとの関係解消に“介入”報道も

 昨年、白血病を公表して治療を続けている日本を代表する競泳選手・池江璃花子。先月にはテレビ番組『報道ステーション』(テレビ朝日系)で単独インタビューに応じる姿が放送され、多くのファンを安心させたのは記憶に新しい。

 その池江をめぐる不穏な動きを、3月9日付「デイリー新潮」記事は報じている。記事によれば、池江は昨年12月に三木二郎コーチの元を離れることを公表したが、タレントのなべおさみが周囲に「僕が辞めさせた」などと語っているという。

「池江となべといえば、昨年8月に発売された『週刊新潮』(新潮社)でツーショット写真と共に、なべが自宅で池江に対し“気”や“パワー”を送る民間療法を行っていると報じられ、世間を驚かせました。なべといえば、息子の明治大学“替え玉”受験事件が有名ですが、それ以外にも2017年に乳がんで亡くなった小林麻央さんにも施術を行ったとライブで語るなど、首をかしげたくなる面も多い。それだけに、池江がなべによって間違った方向にリードされてしまわないかが心配です。

 当サイトは、2019年9月14日付記事『池江璃花子に近づく「なべおさみ」の危険な素性…過去にライブで小林麻央さんにも言及』で、池江となべの関係について報じていたが、今回、改めて同記事を再掲する。

---以下、再掲---

 先月発売された「週刊新潮」(新潮社)で、競泳選手・池江璃花子とタレント・なべおさみの、なんとも“怪しげな交流”が報じられ、波紋を呼んでいる。

「新潮」によれば、今年2月に白血病を公表した池江が母親を伴い、東京・世田谷にあるなべの自宅を訪問し、なべの自宅で1時間ほど滞在したという。なべは以前から「施術」と称して、がん患者などに「気」や「パワー」を送る謎の民間療法を行っており、池江の母親が知人を通じなべと知己を得て、高額の謝礼を払って相談に乗ってもらっていたと記事には書かれている。

「記事中で特に気になったのが、2年前に乳がんで亡くなった小林麻央さんも、なべさんの施術を受けていたという部分です。なべさんは麻耶も含めた小林姉妹と交流があったということですが、確かになべさんは麻央さんが亡くなったすぐあとに行った単独ライブで、麻央さんのことに言及していました。当時、なべさんがそんなことを行っているとは誰も知らず、周りも気にしていなかったのですが、一部の関係者からは『ちょっと不謹慎なのでは……』という声が上がっていたのを覚えています」(芸能事務所関係者)

 当然ながら、まだ未成年で日本を代表する水泳選手である池江に近づくなべに対し、世間の目は厳しくなっているのだが、古くからなべを知る芸能関係者は語る。

「一言で言えば『怪しい』ということなのですが、医学的な面もさることながら、ほかにも心配な点があります。それは、とにかくなべさんは病的なほどの女好きだという点です。過去には若い女性タレントに対し、同じような“民間療法”を行ってトラブルになる一歩手前まで行ったことがあるという話もありました。小林麻央さんや池江の例をみればわかるように、率先して美女を施術するという傾向があるんです。治療とともに、今後は競技復帰の問題にも直面するだろう池江の気持ちに、なべさんがつけこんでいるとすれば、何か問題が起こらないとも限りませんよ」

 先月にはSNSで東京ディズニーランドへ行ったことを報告し、ファンを喜ばせた池江。かつて息子の明治大学“替え玉”受験というとんでもない事件を起こし、一度は芸能界を締め出されたなべに、池江が振り回されないことを、多くの国民が願っていることだけは確かだろう。

(文=編集部)

 

 

GDPが下方修正でマイナス7.1%に! コロナ前なのに東日本大震災直後より悪い数字…それでも安倍首相はコロナに責任転嫁

 衝撃的な数字が発表された。本日、内閣府は消費増税後の2019年10〜12月期の国内総生産(GDP)の改定値を公表したが、年率換算でマイナス6.3%だった速報値を、マイナス7.1%に下方修正した。  これは、東日本大震災の影響を受けた2011年1〜3月期のマイナス6.9%...

テレビに、できること。テレビにしか、できないこと

「テレビ史のハザマでテレビを語る」と題し、フジテレビの黒木氏と電通の北風氏の対談を5回連載でお送りした本特集。続編となる#06で取り上げるテーマは、大分放送と電通と大分県別府市にある「太陽の家」のコラボにより、2019年11月15、16日に開催された「太陽の家カンファレンス2019」。「障がい者雇用」という社会課題に対する、放送会社と広告会社のタッグによる新たな取り組み。そこに至った経緯や今後の展望についての「座談会」(※)の模様を振り返ることで、テレビというメディアの未来像について掘り下げてみたい。

(左から)電通 川崎寛氏、電通そらり 清水恒美氏、大分放送 宮地寛哉氏、野上敦史氏
(左から)電通 川崎寛氏、電通そらり 清水恒美氏、大分放送 宮地寛哉氏、野上敦史氏
※以下の座談会の模様は、シナプスの記事から抜粋の上、再編集したものです。
座談会の全文は、こちら
 

──今日は、「太陽の家カンファレンス2019」の企画者として、大分放送の宮地さん、野上さん、電通そらりの清水さん、電通の川崎さんにお集まりいただきました。まずは、「太陽の家カンファレンス2019、企画の経緯とこれから」について伺えれば。最初に、皆さんがそれぞれ「太陽の家」と出合ったきっかけについてお聞かせください。

宮地:私は、大分放送に入社して13年ほど報道部にいたので、取材を通じて「太陽の家」およびその創設者である中村裕先生について知りました。中でも最も印象的なのは、中村先生の提唱で始まった大分国際車いすマラソン(以下、車いすマラソン)で、毎年この車いすマラソンの取材をしていたので、背景にある「太陽の家」、そして中村先生の存在の大きさを肌で感じることができたんじゃないかなと思っています。

大分放送 宮地寛哉氏
大分放送 宮地寛哉氏

野上:私は大分にUターンで当社に転職して、地元で営業を8年やりましたが、やはり入り口は車いすマラソンでした。

川崎:僕は電通のラジオテレビ局に在籍しているのですが、昨年の上司に「大分の車いすマラソンを見に行って、その足で太陽の家も一緒に見よう」と誘われたのがきっかけです。実際に行ってみたら、その2~3日間で心境の変化があったんです。

電通 川崎寛氏
電通 川崎寛氏

── 一方、清水さんは電通から移籍して、電通そらりの社長に就任されました。電通そらりは、障がいのある方の就業、雇用を促進する電通の特例子会社ですが、やはりそのお仕事を通じて、「太陽の家」についてお知りになったのでしょうか?

清水:はい、電通そらりの社長に就任するまでは、30年ほどクライアント営業の仕事をしていました。ずっと営業畑で忙しくしていたのですが、友達のお子さんに障がいがあって、それで私もB型事業所に行くようになったことから障がい者の就労支援について興味が芽生えたんです。

電通そらり社長 清水恒美氏
電通そらり社長 清水恒美氏

私自身そこで働く障がい者の方々と接する中で、すごくまじめでピュアで、彼らと話すことに私自身、違和感も感じず、理解を深めるうちに、自分に合っているのでは、私も障がい者の方の力になれる仕事をしたい、と思いました。それで自分の会社周りを調べてみたら、障がい者の就業や雇用を促進している電通そらりという会社がある!と分かって。人事と掛け合って、出向させてもらいました。

それが今から2年半前ですね。そして1年ほど前に、川崎さんと、当時の川崎さんの上司である永井局長が突然来社されて、とうとうと車いすマラソンや「太陽の家」について熱く語られました。「車いすマラソンや太陽の家にもっとスポットを当てたい!電通で何かしたい!」って。

──実際にカンファレンスを開催してみて、反響はいかがでしたか?

清水:カンファレンスに参加された企業の方々は、忙しいけど意欲のある人たちばかりだから、事業所視察からワークショップまで予定をぎっしり詰め込んだ超過密スケジュールだったのですが、「もっと見学したかった」「もっと互いの課題を語り合いたかった」という声があがっています。さらには「で、来年はどうするの?」みたいな(笑)。ものすごい意欲・熱意をひしひしと感じます。

宮地:カンファレンス終了後に「太陽の家」の山下理事長にも伺ったところでは、今回のような東京をはじめとした大都市圏の企業に加えて、次回は地場の九州の企業の皆さまにも参加していただいて、もっと輪を広げていきたいというお話もありました。

野上:大分県にカンファレンスの説明をした際に、「大分県の企業は参加しないんですか?」と職員の方からも聞かれたんです。県としても、県内企業における障がい者雇用の活性化に期待しているのだろうなと感じました。

──実際に企画された皆さまとしての感触はいかがでしたか?

野上:あのスケール感は電通さんだからこそ出せたものだと感じました。われわれの発想だけでは、あそこまでの企画は生まれなかったです。

大分放送 野上敦史氏
大分放送 野上敦史氏

野上:企画検討の初期段階で川崎さんから頂いた企画書には、“サミット”と書いてあったんです。「別府でサミットを開く!」って。すごい絵を描くんだなぁと驚きました。われわれだけでは描けないスケールでしたから。そして、今回のカンファレンス開催をご一緒して、これから先の広がりが少し見えたような気がしています。

川崎:今回関わってくださった方々には、概ね良かったという印象を持っていただけているみたいですし、自分としても手ごたえがありました。その上で、次回については開催時期も含めて、規模や誰の目線で開催するのか、そして招待するお客さまの広がりなど、いろいろとブラッシュアップしていく必要はあると感じています。

──次回のカンファレンスは来年になるのでしょうか。皆さんの話を伺っていると、さらに良い企画に仕上がりそうな期待がふくらみます。一方で、現時点で皆さんが課題として感じていることもあると思うのですが、いかがでしょうか?

清水:障がい者の雇用は引き続き継続する中、業務の拡大は、常に必須です。そらりは2年目から、正社員登用をしており、社員が定年まで勤務できる環境は必要です。だからこそ、これまでの枠に捉われず、異業種とも組んでいきたいと考えています。

宮地:社会課題に対してアイデアを出し続ける、その永続的な流れをつくるということを、われわれローカル局の立場としても考えていかなければならないと感じています。それはこれまでのような放送や広告ビジネスという枠組みとは異なりますが、地元を盛り上げる・応援することもわれわれの使命じゃないか、と。

清水:そうですね、障がい者雇用の取り組みは、東京だけではなく地方都市でも広がっていくべきですよね。東京に本社がある会社が、地方で、障がい者の雇用を市と組んで行っているケースもあります。地方都市では、雇用先が厳しいエリアもあり、また、地方創生にもつながりますよね。そんなふうに、東京のような中央の大都市圏と地方とどう組めるかというのも課題のひとつだと感じています。

川崎:われわれ、広告会社としても、広告業という現状から脱却して、時には事業の主体に回る勇気を持たないと生き残っていけないという危機感があります。
広告の受発注をするだけでなく、未来の社会に必要なことだと感じたことに対しては、リーダーシップや求心力を持って積極的に新しいものを生み出す活動を行っていかないと、どうしても頭打ちになってしまうと思っています。

宮地:それは当社のようなローカル局においても、川崎さんが今おっしゃったことと同じような考え方が必要だと思います。大分には「太陽の家」があって、その理念が地域に根付いていて、実際に別府の町も協力してきたという素晴らしい歴史があります。でも、これからの時代は、別府そして大分という枠を超え、この素晴らしい歴史と理念を大分の外に展開して、社会が発展していけるよう、ローカル局として、化学反応を起こすような触媒的な役割も担う必要があるのではないかと思っています。

川崎:「太陽の家」はただの箱ではないので、その思想・理念を広げていくことが大事ですよね。そういう社会的な問題に、テレビというメディアが光を当てるツールとして機能していくことが、今後ますます求められていくのかもしれないと感じています。そうすることによって、いろんな人にとってのより良い生活や社会に発展させていける可能性があります。僕はそういうところにテレビの可能性を感じています。


(編集部雑感)

「障がい者雇用」という、いまだ多くの企業や人に「自分には関係ないこと」として認識されているであろう「小さなテーマ」を探り当て、世の中に情報発信する。ここまでが、従来のテレビのあり方だった。ネタをフォーカスした時点で、番組としては成立している。探り当てたネタを、「ドキュメント風」に仕立てて発信したら、ある意味、それでおしまい。ということだ。

でも、時代は、世の中は、明らかにその先を求めている。その先を探ってこそ、これからのテレビの「真価」が見えてくる。そんな思いから、今回の「大分放送×電通」の座組みが出来上がったのだと思う。

自分には関係ないことを「自分ごと」化してもらうため、ドキュメント風ではなくリアルな「ドキュメント」として配信する。そうすることで、小さなテーマを「大きなムーブメント」にしていく。ネットの世界では、当たり前に行われていることを、テレビというメディアを使ってなんとか実現できないものか。そうしたチャレンジ精神から生まれたのが、「太陽の家カンファレンス2019」だ。

想像するに、従来の番組づくりのプロセスとは、こういうものだ。すなわち、「地域のいいネタを見つけた→それを、深く掘り下げる→地域に発信する。以上」。そのプロセスが、電通とのコラボにより、このように変わっていった。「地域のいいネタを見つけた→それを、広く発信する→協賛企業を含め、みんなで深く掘り下げる→行政すらも巻き込んで、新たな仕組みやビジネスを起こしていく→その仕組みやビジネスを全国的なムーブメントに拡大していく」。そうしたプロセスが、「ローカル発」の新たなダイナミズムを生んだ。

注目すべきは、「掘り下げる」「発信する」の順番が、従来とは真逆である、ということだ。メディアが、メディアの権限のもとで「掘り下げる」に前にネタそのものを「発信する」(=オープンにする)。それも、広く。そのネタに共感した人や企業が、自然と集まってくる。集まってきた人みんなで、議論をする(=掘り下げる)。そこで生まれたアイデアを、単に「発信する」のではなく、具体物(公共的な施設、商品など)や仕組み(制度やサービス)に転換。誰もが実感、共感できるカタチあるものへと具現化していく。

大分放送の野上氏は、川崎氏の「大分で、障がい者雇用をテーマとしたサミットを開催しましょう!」という旨の提案に、衝撃を受けたのだと言う。ポイントは、そこにあるのだと思う。街頭テレビから流れてくるプロレス中継に、全国民が熱狂したように。4Kで放送されたラグビーの試合に、列島が釘付けになったように。テレビというメディアの本質は、いつの時代も、広く人の心をつかみ、動かすことにある。リアリティーの魅力は、速報性ばかりではない。情報の深度や、熱量、スケール感といったものも、欠かせない要素なのだ。

「テレビに、できること。テレビにしか、できないこと」をとことん掘り下げて、みんなの知恵と力を、結集させる。人の心の深いところを揺さぶり、社会現象としてのムーブメントを起こせるのは、やはり「テレビ」というメディアならでは。大分放送による取り組みは、“テレビ史のハザマ”における、小さいながらも確かな一歩。そこに、これからのテレビの大いなる「可能性」を見た。


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