警官殺しで指名手配された男が、見知らぬ娼婦とともに、逃亡劇を繰り広げる。男の願いはただ一つ。妻に報奨金を渡すことだった。
投稿 映画レビュー「鵞鳥湖の夜」 は 映画遊民 映画をもっと見たくなる! 映画ライター沢宮亘理の映画レビュー、インタビューetc に最初に表示されました。
警官殺しで指名手配された男が、見知らぬ娼婦とともに、逃亡劇を繰り広げる。男の願いはただ一つ。妻に報奨金を渡すことだった。
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日本経済新聞社による「中堅・中小企業劇場 NIKKEI魂の声 ~2030年に残したい企業~」(協賛:DELL、JOYSOUND、ワップフィルム)は、コロナ禍でも輝く中小企業の声を集めて発信する企画です。中小企業各社がYouTubeに「自社の思いを込めた3分動画」をアップし、その動画キャプチャーと社名を日経新聞に掲載。応募企業から選ばれた138社の動画をまとめたYouTubeチャンネルも公開しました。
企画の目的は下記の3点です。
今回は、この企画を立ち上げた経緯や私たちの思い、そして企画を通して得られた気付きなどを、応募動画の内容も交えてシェアしたいと思います。
私は2015年から、電通パブリックリレーションズ(電通PR)の井上大輔さんと一緒に中小企業との企画・コンテンツ開発を続けています。こうした活動を通して1000人を超える中小企業経営者とお会いし、中小企業ならではの“心を動かすコンテンツメーカー”としての魅力をひしひしと体感してきました。
こうした中小企業が持つコンテンツ力に、電通の企画力・クリエイティブ力・メディア連携の強みを掛け合わせれば、対等な立場でより魅力的なコンテンツ開発ができるのではないか。その思いから、日本経済新聞社と「中堅・中小企業活性化プロジェクト」というプロジェクトを立ち上げ、これまでにも「日本の企業は、バラエティ。15秒おしごとTV」や「NIKKEI全国社歌コンテスト」(大企業も対象)といった企画を実現してきました。
東京商工リサーチによると、今回の企画を立ち上げた6月の倒産件数は780件となり、5月の314件から2.5倍に増加。もともと業績に余裕がない企業もあった中、人手不足、消費税増税、暖冬の3重苦に加えてコロナショックが追い討ちをかけた状況です。この緊急事態下において、「コミュニケーション領域で私たちがすぐに実行できることは何なのか?」を考えていました。
企画の決め手となったのは、愛知県で金型ゴム成型を営む「ダイワ化工」取締役の大藪めぐみさんの活動です。コロナの影響で各種イベントが中止となる中、彼女は愛知県と岐阜県の中小企業5社を集めてオンラインでの「ものづくり展示会」を企画し、ビジネスの新しいカタチに挑戦していました。
このような前向きで創意工夫に溢れる取り組みは、より多くの人に届けていく必要があると思いました。
デジタル技術の発展により、誰でも、どこからでも情報発信できる世の中となった一方、その発信力に差が生まれていることも事実です。だからこそ「個性ある企業の声を一堂に集め、発信する場が必要だ」と考え、日経新聞の菊原周平さんと柴田敬一さんに企画化を提案し、すぐに快諾していただきました。
なぜ、日経新聞でやるのか?それは、日々の記事を通じて日本経済に問題提起し続けている日経が、その解決の一助となる参加型企画まで提供する。そこに大きな意味があるからです。
この企画は「中堅・中小企業活性化プロジェクト」の第4弾という位置づけで、電通PR、JOYSOUND、地域力活性化研究室、情熱の学校などによる「NIKKEI全国社歌コンテスト」運営チームが主体となり、動画制作で有名なBIS GROUPにも協力していただき、スピード感を持って一気に動画募集まで実行しました。また、有力中小企業経営者が多数出演し、日本一のロングラン記録を持つ対話型映画「未来シャッター」を製作したワップフィルムにもサポートしてもらっています。
応募企業の動画を拝見し、そこから生まれたキャッチコピーが「輝き方は、選べる。」です。企業の輝き方は実に多種多様。それぞれが思いを込めて企業活動を行い、お客さまの心を動かしているのです。
例えば、廃棄物回収を行う「名晃」(岐阜県)は、長年心を込めて廃棄物置き場を清掃し続けた結果、お客さまから「これは、パワースポット化だ!」という感謝の言葉をもらえるようになり、現在も活動を継続しています。
靴下を国内製造する「巽繊維工業所」(奈良県)は、“穴の開かない靴下”という独自のアプローチを追求することで反響を獲得。生活用品製造を行う「サンコー」(和歌山県)は、“人の心に貯金する”という経営理念をぶれることなくモノづくりで実践。クレーンゲーム大型店を運営する「東洋」(埼玉県)も、企業理念の“笑顔創造”をコロナ禍でも継続することを表明しています。
住宅事業の「マエダハウジング」(広島県)は、“広島を、いい笑顔に”という思いを歌で表現。愛知県、岐阜県、大阪府、富山県の町工場20社は、「俺らFactoryMan」主催の“くだらないモノ日本一“を決める「K-1グランプリ」を一致団結して開催することを決定。ボーカル教室の「Lavoc」(東京都)は、“音楽の力で、日本を元気にする”という原点に立ち返り、レッスンのオンラインサービスを開始しました。
ITハードウエア専門企業の「ゲットイット」(東京都)は、“気づきは、変化の力だ”というメッセージを、「コロナ期に減った通勤時間5200時間/3カ月」といった数値で見える化。イベント企画などをトータルプロデュースする「アステム」(大阪府)は、“物理的距離があってもつながりを大切に”という姿勢を、聴覚に障害のある人や高齢者、外国人へのアクセシビリティーを大切にする同社ならではの手話を交えて発信しています。
集まった数多くの動画を見ると、人の心を動かすものは表現技法以上に、企業の強い思いそのものだということが感じ取れます。
応募企業からは、「日経がこんな企画をつくってくれたことがうれしい」「社員の結束が深まった」「趣旨に賛同した」「動画やYouTubeの勉強をし、遅ればせながらIT化の第一歩となった」などのポジティブな声を頂きました。
この他、私が印象に残ったのは、HRテック企業の「あしたのチーム」(東京都)です。企業の最高のチームづくりのお手伝いをし、働く人がやりがいを持てる“あした”を実現したいという思いを込めた、とある企業のドラマになっています。
私の地元・大阪が誇る、「りくろーおじさんのチーズケーキ」で有名な「リクロー」からも応募がありました。
“おいしい笑顔をふやしたい”という理念を真摯に語る社員の姿が印象的です。動画に散りばめられている「店頭で鳴る鐘の音」を聞いて懐かしく、ホッとする人は多いと思います。
また、「米朝事務所」(大阪府)は、桂米團治師匠本人から応募がありました。桂米團治さんが1980年代に作曲した「米朝一門のうた」を、社会を元気にするために初披露しています。舞台が密にならず、笑いで自己免疫力が高まる点も落語の大きな特徴です。
2016年から社歌コンテストで協力いただいているシンガー・ソングライターの川嶋あいさんに、今回の企画趣旨を説明し、「日本を元気にする曲を作ってもらえませんか?」と相談したところ、快く引き受けてくれました。「中堅・中小企業活性化プロジェクト」と「社歌コンテスト」という日経の二つの企画テーマソングとして「へっちゃら」という楽曲が生まれ、魂の声の紙面掲載日にフルバージョンをYouTubeで公開しました。
歌詞の中に「道なき道でも歩けば鼓動が巡る」という部分があります。今はまさに道が見通しづらい状況ですが、この曲のように「一歩踏み出そう」と思える、企業参加型の企画コンテンツを、今後も模索していきます。
【川嶋あいさんコメント】
この度、「日経 中堅・中小企業活性化プロジェクト」と「NIKKEI全国社歌コンテスト」の2つの企画テーマソングとして「へっちゃら」を書き下ろさせてもらいました。2016年から社歌のプロジェクトに関わらせていただき、多くの企業の皆様の個性豊かな社風や、エネルギーに溢れた働く素顔、そして力強い理念を私自身、体中で感じさせてもらっていました。その一つ一つを昇華させていき、生まれたのが今回のテーマソングです。
時代は刻一刻と変化してゆきます。混沌とした世に生きる中で、何か心の中で呪文のように唱えることによって、元気を取り戻したり、フッと笑ったり、肩の力を抜くことができるような……そんな言葉を思い描いてみたいと思いました。
今、この「へっちゃら」という言葉がどのくらい多くの方の心に届くかはわかりません。
もし少しでも誰かの気持ちがこの「へっちゃら」に出会えた時、今よりちょっとだけでも明日を覗いてみたいな、明日へ向かってみたいな、そんなわずかだけど嬉しい希望が、聞いていただける皆様の心に宿ってくれたら、こんなに幸せなことはありません。
2つのプロジェクトが、日本中で働く企業の皆様の心を、晴れやかに優しく照らす太陽のような存在でありますように。

日本民間放送連盟ラジオ委員会とradikoは、共同企画 TOMORROW PROJECT「ラジオっていいね」の一環として、青春ラジオドラマ「オートリバース」を制作し、12月に放送・配信する。民放ラジオ99局で1話完結編を放送後、完全版11エピソードをradikoで配信予定。
ドラマ原作は高崎卓馬氏の同名小説。1980年代、青春時代をアイドル親衛隊として過ごした2人の少年の物語で、HiHi Jetsの猪狩蒼弥さんと作間龍斗さんが少年を熱く演じる。80年代の歌謡曲をふんだんに使った構成で、若い世代も、当時を知る世代も楽しめる内容になっている。ドラマの演出は、CMディレクター・映画監督の長尾直樹氏。
今年で10周年を迎えるradikoには、民放ラジオ局99局すべてが参加しており、昨今のコロナ禍に伴う在宅リモート勤務推進の流れを受けて、利用者が増加している。
本作は、立体音響システム(バイノーラル録音)で録音。イヤホンやヘッドホンで聴くと、まるでその場に居合わせたかのような臨場感を体験できる。
■ラジオ(放送)
放送日時:2020年12月中放送予定
放送局 :日本全国の民放ラジオ99局(民放連会員社)
制 作 :民放連ラジオ委員会、radiko 共同制作
出演者 :猪狩蒼弥 ・ 作間龍斗(HiHi Jets ジャニーズ Jr.)他
番組時間:約1時間 (1話完結版)
■radiko(配信)
配信日時:2020年12月中配信予定
配信場所:radikoサイト、radikoアプリの特設ページを予定
制 作 :同上
出演者 :同上
番組時間:30分×11エピソード(予定)

■あらすじ
福岡からの転校生・橋本直は、千葉の中学で同じく転校生の高階に出会う。校内暴力の吹き荒れる学校にも家にも居場所はない。そんなときに出会ったのが、売り出し中のアイドル、小泉今日子だった。親衛隊に入隊し、"居場所"を見つけた直と高階。
「俺たちの手で小泉を1位にする!」
しかし、組織の拡大とともに暴走族のようになっていく親衛隊に違和感を抱く直。隊のトップを目指す高階との間には次第に大きな溝が...。
オートリバース特設サイトはこちら
社会はいま「とまどい」の中にある。そうした「とまどい」の下、経営はかつてない「もどかしさ」を抱えている。先行きは、不透明で、不確実なことだらけ。得体の知れない不安が広がっている。

不安にかられると、人も企業も社会も、ついつい思考を停止してしまう。「考えるほどに、不安はつのる。ならばいっそ、考えるのをやめてしまおう」。そうした意識が、ビジネスを停滞させ、失速させているのではないだろうか。本コラムでは「とまどい」や「もどかしさ」の正体を解き明かすことで、「不確実な時代のビジネスのあり方」について、考察を深めていきたいと思う。
前回は、多くのひとがその本質を理解していない「マネジメント」と「リーダーシップ」についてお話ししました。今回は、人はなぜ物事の本質を理解できないのか、そもそも「分からない」というどういうことなのか、ということについて考えてみたいと思います。
多くの人は「分からない」ということを本質が、分かっていません。なぜ、分からないのだろう?その理由に、思いを馳せていないからです。
「分からない」理由には、大きく二つあります。一つは、複雑だから。もう一つは、不確実だから。こう整理しただけで、もうお分かりでしょう?複雑さを解消するには、マネジメントすればいいんです。不確実さに向き合うためには、強いリーダーシップが必要なんです。
マネジメントとは、「ちゃんと」するということです。リーダーシップとは、「もっと」に向き合うということです。企業にとって、ビジネスにとって、このバランスこそが大事で、どちらが欠けていても、それは「破滅」や「死」へ向かっていることになります。
「ちゃんとする」ことだけを考えていては、緩やかな死へと向かいます。「もっと」だけを考えていては、カオス(混乱)が起こり、無茶苦茶な死が訪れます。私はこの二つのバランスのことを「デリケートバランス」と呼んでいるのですが、そのバランス感覚に基づいて「ちゃんと」「もっと」を実践できている企業が、どれだけあるでしょうか?
「Life」という英単語には、人生/生活/生命の三つの意味があります。新型コロナウイルスに翻弄されている現在の状況は、「生活」と「生命」の間で社会全体が揺らいでいる、ということだと思います。どちらを優先すべきか、ということではありません。生活を優先するあまり、生命を失っては元も子もありませんし、生命を優先するあまり、ライフラインを絶ってしまっては、これまた意味がありません。
大事なことは、バランスなんです。社会全体が、正しいバランス感覚を維持し、共有することなのです。パニックを防ぐには、それしかありません。ビジネスの世界でも、まったく同じことが言えるのではないでしょうか?
さあ、いよいよ最終回へ向けてのラストスパートです。多くの日本人が考える「仕事」とは、ビジネスではなく、インダストリーのことなんです。インダストリー=産業/勤勉ということですから、「まじめに、産業を盛り立てること」=「仕事をすること」だと思い込んでいるんですね。対してビジネスとは、「投資をして、リターンをあげること」なんです。
そんなことは、スタートアップ企業の社長がやることだ、と思っていませんか?そうではないんです。人生の貴重な時間や、ご自身の能力を、最大限に、かつ効率よく活用する。その対価として、給料が得られる。それが、ビジネスというもの。そのビジネスを、より楽しく、豊かなものにしていくために人間関係を構築する。よりよい方法を考える。クリエイティビティーを発揮する。これは、あらゆる職業に共通することだと思います。
一言で言うならば、働く前に、体を動かす前に、まずは考えましょう。ということです。考えるとは、なにか。整理することです。整理した上で、単純な算数で状況を把握し、望ましい未来をイメージすることなのです。

河瀬監督の作品や日常には、一貫して「生きる」というテーマがあるように思う。生きるとは、自然体であるということ。生きるとは、普遍的な価値を慈しむこと。めでること。生きるとは、刹那の喜びと、重ねた歳月の重みをリスペクトするということ。その思いを、広く世の中と、そして世界の人と共有するために
映像と、真摯に向き合う。作品を通して、人と深くつながりたいと願う。
そうした彼女のスタンスは、ビジネスの世界にも通じるものがあるはずだ。「見えないものこそを、大切に撮りたい」と、彼女は言う。自分でも見過ごしがちな微かな感情の揺らぎであったり、なにげない日常の中にある、素朴な喜びや深い哀しみであったり。その先に祖母が遺した「この世界は、美しい」という言葉の意味を読み解く何かがあると信じているからだ。
毎月の新月と満月の日に、彼女は決まって今は亡き祖母の墓前に赴く。月の満ち欠けのハザマで、彼女は「生きること」と向き合い続けている。10月23日に公開予定の最新作「朝が来る」に続いて、2021年の東京2020オリンピック競技大会の公式映画の監督も務める 河瀬監督に「この時代を生きることの意味」を、シリーズで尋ねてみたい。
映画監督というと、ひたすら自己と向き合って、表現を突き詰める、みたいなイメージがあるのかもしれませんが、私の場合、むしろ真逆です。
もちろん、そうした作業も必要なのですが、基本姿勢としては「それは、チームを幸せにするか?」「それは、ビジネスとして成立しているのか?」そして「それは、社会を、世界を幸せにできるのか?」ということなんです。
人間は、単体では弱い。裸の状態で、ライオンの前に立たされたら確実にやっつけられてしまう。でも人は、炎を手にいれた。槍を手にいれた。貨幣を手に入れた。そのおかげでライオンさえも御するだけの力を手にいれることができた。
もちろんその先には、環境破壊であったり、さまざまな問題があるわけですが、ポイントは「人間は、システムをつくれる動物である」ということだと思うんです。例えばお金ですが、お札やコインってそれ自体、暖もとれないし、食べられもしないですよね。貨幣経済というシステムがあるから、価値が生まれる。そして、ここからが大事なことなんですが、「システムを成立させ、維持していく上で必要なのは、思想だ」ということ。
システムや制度をつくると、人はひとまずホッとしちゃうんです。でも、待てよ。なんのためのシステムだっけ?みたいなことに、なんとなく世界中が気づき始めているような気がするんです。人が心からホッとしたり、ああ、人生っていいな、と思えるのはシステムがあるからではない。だれもがイライラしたり、ストレスを抱えているようなシステムになんか、なんの意味もないと思うんです。
私はクリエイターですが、いつもビジネスのことを考えている。それは、お金もうけをしたいとか、そんなことじゃない。私の愛する仲間を、世の中の人を、どうしたら幸せにできるのだろう?そんなこれまでにないシステムを、つくれないものだろうか?ということを、常に考え続けているということです。
もちろん、簡単に答えになんかたどり着けませんが、「なんのために、私は生きているのだろう?」という思想を深めていくことから、表現も生まれるし、新たなビジネスも生まれていくのではないか、と私は思っています。
河瀬直美氏のインスタグラムは、こちら。
月満ち欠けに合わせ、新月→上弦→満月→下弦の日の朝8時より新作映画「朝が来る」のオンライントークを配信中。
最新作「朝が来る」公式HPは、こちら。
なら国際映画祭2020特設サイトは、こちら。
「アルムナイ」という取り組み(制度)を、ご存じだろうか?元々は、「卒業生/同窓生/校友」を意味する言葉で転じて、「企業のOBやOGの集まり」を意味するようになった。海外では、一度、企業を離れたアルムナイを、貴重な人的資源して有効活用することが、ごく普通に行われている。本連載では、そうした「アルムナイ」をこれからの事業戦略の核たる制度として捉えていく潮流を通じ、「キャリアデザイン」というものの本質に、迫っていきたい。
「3年から5年、一緒にどっぷりと仕事をしてみないか?」というのが、新たな教職員を採用するときの僕のキメぜりふです。1995年に電通に入社。中部支社で主にメディアの部署で元々やりたかったスポーツビジネスを担当。退社後は筑波大学大学院でコーチングを学び、2005年に静岡聖光学院に再就職しました。監督として弱小ラグビー部を全国大会(花園)に導いた後、経営戦略担当として教頭、副校長を経て19年から校長をしています。

口説き文句の意図が「終身雇用」「年功序列」といった古い仕組みへのアンチテーゼであるように思われるかもしれませんが、必ずしもそればかりではありません。
学校に勤務して16年になりましたが、振り返ってみると3〜5年程度で自分が置かれている立場や求められていることが変化していくように感じています。また、私が飽きやすい性格だからかもしれませんが、監督時代など熱血モードの時でさえ、そのエネルギーは3〜5年程度でさまざまな意味で変化していくようにも思います。だからこそ、冒頭のような言葉で優秀な人材を常に探しています。「3〜5年で、さようなら」ということではなく、「3〜5年経過したら、状況もモチベーションも環境に対する欲求も変化しているだろうから、そのときになったら考えましょう」という意味です。
電通と教員、まったく違う環境に思えますが、結局は「人と人」。仕事の根幹にあるものに大きな違いはありません。最初の頃はクラス担任やラグビー部監督として「自分がやりたかったこと、没頭できることを生徒と共に一生懸命やるぞ!」から始まり、学年主任や総監督になり「今の組織メンバーの中だと自分がやるしかない」、校長になれば「メンバーのことをできる限り支援していこう。そのためには自分の殻を破り、リーダーとしてメンバーにとって必要とされる存在になろう」と振り返ってみたら道になっていた感じで、決して戦略的に思うがまま今日に至っているわけではありません。

本稿のタイトルを「道は、真ん中を歩け」とさせてもらいましたが、それは「本道を歩め」ということではないんです。日々、がむしゃらに、かつ葛藤しながら歩み続けています。振り返ってみたら道になっているわけですが、人生はたった一度。何本もの選択肢を選んできているわけですが、つないでみたら一本道。結局、その道の真ん中を歩いてきていると思います。

未来には何本もの選択肢があってもその都度、選べるのは一つ。選ぶときはさまざまな視点や観点から悩み抜きます。さまざまな検証は、成功の確率を少しだけ上げることはできても、成功を約束するものにはならない。結局、選んだ後はその選んだ道が正しかったと思えるよう、頑張っていくしかない。自戒の念を込めて、大学受験や就職活動で悩む学生に同様の話をします。
あるときまではプロデュースという言葉を多用していました。著書でも「教育や指導育成にプロデューサー感覚を持ち込んだ教師」というキャラクターを強みにしていました。しかし、今の教育界で求められているもののひとつに「解なき問いへ挑戦し続けられる人材」の育成があります。
プロデュースというと「プロデューサーである私のイメージする枠の中での仕掛け」ということになり、上から目線的な見え方にどうしてもなってしまいます。特に年上の部下に対してプロデュースという言葉は、どうにもこうにもふさわしくないのでは、とも感じるようになりプロデュースという言葉はあまり使わないようになりました。
最近ではマネジメントという言葉を使うことが多くなりました。メンバーの持つ可能性の把握。そして、そういった場をいかに創出する手助けができるか。そんなことを心がけています。また、学校長の言葉でよく耳にする「学校の存続のために……」という考えだとどうにもこうにも窮屈に感じる自分がいました。今は、「組織の継続が困難になった時に、待ってましたとばかりにさまざまな業種から引く手あまたの先生たち」というビジョンに切り替えてから、気持ちも前向きになりましたし、見える景色も、メンバーの見え方も変わってきました。私にとって、プロデューサー感覚もマネジメントの観点も、電通時代に培った最高の財産です。
ラグビーの世界でも海外のコーチングの影響を受け、「エンジョイしよう!」という言葉が流行った時期がありました。他のスポーツでも欧米型の「褒める」が流行し、日本の指導者が慣れないオーバーアクションで子どもたちを褒める姿が多くなる時期がありました。現在では、スポーツ界にも心理学などの知見が入り、「褒めるとおだてるの違い」が認識されるようになりました。また、「褒めるより、承認すること」の方が大切であることも理解され始めています。
冒頭の「エンジョイ」も「ただただ、楽しく」という解釈がされがちでした。しかし、本場のラガーマンのエンジョイは「苦しいトレーニングをクリアした後の充実感」という意味や「試合で苦しい状況になったとき、そのハイレベルな状況に充実感を能動的に感じる」という意味のものでした。「エンジョイ=楽、楽しい」ではなく、「エンジョイ=充実」、これは仕事や生き方の価値観にも大きな意味がある言葉ではないかと感じています。生徒が壁に当たっているとき、そして越えたとき、「充実してるか?」「これが充実だよ!」そんな声がけをするようにしています。
電通時代に上司や先輩からよく言われた言葉に「仁義切ったか? 筋を通したか?」というものがあります。「星野、この案件は○○さんに仁義切ったか!」など。当時は、なんだこの会社、古くさいなーと思っていたのですが、この言葉、よくよく考えてみると実に深いんですね。立場とか組織対組織のドライなやりとりにプラスさせた要素。結局は人と人。感情面にもしっかり寄り添うことの大切さは、教員という立場になっても生かされているように感じます。
アルムナイの取り組みは、そんな「人と人」をつなぐ最高の機会であると感じています。しかも、電通という共通認識があるため、お互いを分かり合うための時間が大幅に短縮できる。アルムナイでの会合を機会に国際交流の推進事業や教育を切り口にした地域活性化といった複数のプロジェクトが実際に始動しています。教育村にとどまっていては、見えてこなかった世界を見せてもらっています。
今後は、現役の電通人とも関わらせていただきたいですね。学校の先生だけど、DNAは電通です。きっと、教育関係者とゼロから仕事するより、さまざまな面でワープしたり、コラボできると思います。ぜひぜひ、連絡いただけたらと思います。今回は貴重な機会を頂きまして、ありがとうございました。
電通キャリア・デザイン局大門氏と、電通OB酒井章氏(クリエイティブ・ジャーニー代表)によるアルムラボでの対談記事は、こちら。