「定年女子」のワーク&ライフ レビュー

1986年に男女雇用機会均等法が施行されてから、早34年。それまでにないステージでキャリアをスタートさせた彼女たちの、定年に対する意識やライフスタイル、女性活躍社会における仕事観の把握を目的に、電通シニアプロジェクトでは「定年女子調査」(※)を実施しました。

調査によると、定年を意識し始める年齢は、平均50.7歳!定年前後の女性たちのプロフィールやリアルインサイト、今後のアプローチのヒントについて、3回連載で紹介していきます。

図表1 「定年女子調査」調査対象者
(※)定年女子調査: 60歳を定年と規定し、
●「プレ定年女子」:6~10年以内に定年予定の50~54歳女性
●「定年女子」:5年以内に定年予定の55~59歳女性
●「ポスト定年女子」:既に定年を経験した60~64歳女性と定義。
またポスト定年女子のうち仕事をしている人を「ポスト定年女子(仕事継続組)」、仕事をしていない人を「ポスト定年女子(仕事リタイア組)」とした。
詳細は巻末をご覧ください。

「定年女子」のライフヒストリーと女性活躍社会への道のり

定年をいよいよ間近に控えた「定年女子」は、これまでどんなふうに仕事と共に歩んできたのでしょうか。まず、より深く彼女たちを知るため、「定年女子」のワーク&ライフヒストリーや社会背景に注目します。

図表2 定年女子のライフヒストリー

「定年女子」は女性として常に注目を浴びながら、道を切り開いてきたキャリアウーマンの草分け。

「定年女子」は雇用機会均等法1期生を含む、キャリアウーマンの草分け的な存在です。図表2の定年女子のライフヒストリーからもうかがえるように、高度経済成長のさなかに誕生、20代で女子大生ブームやバブルといった華やかな消費も経験し、男性社会の中で肩を並べながら走り続けてきた、働く女性のフロントランナーといえます。

また下記の図表3、4が示すように、社会の変化や行政の支援施策、進学率の向上などが、結婚や出産を経ても働き続ける女性や、キャリアアップを目指す女性たちの増えてきた背景となっています。

現在、女性の2020年(1月)の女性の労働力人口は2970万人。日本全体の44.4%を占めています。働く女性の割合も年々上昇していて、2019年時点で女性全体の53.3%。50~54歳では8割、55~59歳でも75%近くに達しています。いわゆる子育てと仕事を両立する人が増え、M字カーブのくぼみが平たんになるとともに、近年、働く中高年女性の割合も上昇しており、この傾向は今後も続くと考えられています。

図表3 女性雇用と子育て支援政策、及び進学率の推移
 

【女性就労環境に関する各種法律の整備の推移】
●1986年:「男女雇用機会均等法」(雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律。その後、1997、2006、2015年改訂)
●1994年:「エンゼルプラン」(今後の子育て支援のための施策の基本的方向)
●1999年:「新エンゼルプラン」(重点的に推進すべき少子化対策の具体的実施計画)
●2005年:「次世代育成支援対策推進法」(10年間の時限立法)
●2016年:「女性活躍推進法」(女性の職業生活による活躍の推進に関する法律)

図表4 女性の労働力の推移

「定年女子」のリアルライフ

「定年女子」の歩んできたライフヒストリーと社会背景が見えてきたところで、次に彼女たちの、現在のワーク&ライフスタイルにフォーカスします。

「定年女子」の現在の暮らしぶりは子育てもひと段落。45%が配偶者と同居。一人暮らしは3割。
家族構成は、既婚:46.5%、未婚:29.0%、離別:22.5%、死別:2.0%。一人暮らしは31%、配偶者と同居が45%、父母と同居が22%、社会人以上の子と同居が19%となっています(重複あり)。年収は200~400万円が最多で、42.5%となっています。

「定年女子」の累計勤続年数は平均28.4年、4分の3以上がキャリア30年以上。管理職経験アリは約3割。
「定年女子」の累計勤続年数は平均28.4年で、4分の3以上の人が30年以上も働き続けてきました。1社で継続勤務してきた人は21.5%。約半数は現在の会社が3~5社目(48.5%)で、何社かを経験しながら働き続けてきたワークスタイルが多数派です。また、管理職を経験した人は27.5%となっています。

「定年女子」の休職・離職の理由は「結婚」だが、「プレ定年女子」の理由は「出産」。キャリアアップやキャリアチェンジを理由に休職・離職した人のスコアも高い。
「定年女子」の7割は、「休職・離職経験あり」で、その理由として最も多いのは「結婚」(28.5%)でした。一方、「プレ定年女子」では、「出産・子育て」(29.0%)がトップで、休職・離職理由が「結婚」から「出産・子育て」に変化していったことがうかがえます。「自身のキャリアアップやキャリアチェンジ」を理由に休職・離職した人のスコアも3割と高く、ポジティブなチャンスとしてきた様子が見られます。

図表5 プレ定年女子と定年女子の休職・離職理由

「定年女子」の職場に対する満足度
 

「定年女子」は今の職場について、どのように評価しているのでしょうか。満足度とその理由に注目します。

51.5%が今の職場には「満足している」と回答。一方、「満足していない」は27.5%にとどまり、自分を生かせる場と役割、メリハリある働き方が満足感につながっている。
今の職場に満足している理由は、「自分の居場所がある(果たすべき役割がある)」(52.4%)「適切な勤務時間・休日がある」(51.4%)など。お給料ではなく、自分自身を生かせる場所と役割、勤務時間と休日のメリハリが、定年を控えた「定年女子」の満足感につながっていました。また、勤務地、転勤がないこと、ワークライフバランスや福利厚生といった、働きやすさ、続けやすさを担保する要素も満足につながっていると考えられます。

職場で「高給与・好待遇」「良好な人間関係」「自分に対する適切な評価」「やりがい」が得られないと不満が。
一方、不満理由については、「給料や待遇面が良くない」(65.5%)、「職場の人間関係が良好でない」(54.5%)、「自分のことを適切に評価してもらえていない」(43.6%)、「日々の業務にやりがいを感じられない」(32.7%)などが上位に挙がりました。働きに見合わない報酬、周囲の人間関係や自分に対する評価が適切でないこと、やりがいのなさが「定年女子」の職場への不満を募らせています。

「定年女子」の職場の満足度は、いかに自己肯定感を感じながら、働きやすい環境下で、良好な人間関係を保ちながら働けるか、と深く関係していることが見えてきました。

図表6「定年女子」の現在の職場の満足度

「定年女子」の女性活躍社会に対する思い

女性の活躍については賛成だが、実際の管理職志望は少数派。
図表7を見ると、「女性活躍社会に賛成である」と回答した人は79.5%と多数で、「女性の管理職がもっと増えるべきだ」という回答も67.0%と多い一方、管理職未経験者で「(部長以上の)管理職になりたい/なりたかった」と答えた人は18.1%と少ないことが分かります。

適正な評価や自分を生かせる場があることが、職場の満足感につながっている「定年女子」。女性が活躍できる社会には賛成するが、自身が管理職のポストに就いて職責を果たすことについては、少し心理的なハードルがあるようです。

図表7 女性活躍社会に対する考え
以上、第1回は「定年女子」のワークとライフの棚卸しと称して、定年女子のワーク&ライフヒストリーを振り返りながら、彼女たちの現在、自分の職場に対する満足度と影響を与えるファクター、女性活躍社会への考えなどについて分析してきました。「定年女子」の輪郭が見えてきたところで、次回は、「『定年女子』のホンネとお金のモンダイ」についてひもといていきます。
【「定年女子調査」実施概要】
・対象エリア:全国
・調査手法:インターネット調査
・対象者条件およびサンプル数:
A.    定年のある企業に正社員として働く50代女性 400ss
※プレ定年女子=50~54歳 200ss
定年女子=55~59歳 200ss
B.    定年のある企業に正社員として働き、定年を体験した60~64歳女性 200ss(※)
※ポスト定年女子
「定年後も働いている」人=仕事継続組 100ss
  「定年後は仕事をしていない」人=リタイア組 100ss
・サンプル総数:600ss
・調査期間:2019年12月
・調査機関:電通マクロミルインサイト

 

「定年女子」のワーク&ライフ レビュー

1986年に男女雇用機会均等法が施行されてから、早34年。それまでにないステージでキャリアをスタートさせた彼女たちの、定年に対する意識やライフスタイル、女性活躍社会における仕事観の把握を目的に、電通シニアプロジェクトでは「定年女子調査」(※)を実施しました。

調査によると、定年を意識し始める年齢は、平均50.7歳!定年前後の女性たちのプロフィールやリアルインサイト、今後のアプローチのヒントについて、3回連載で紹介していきます。

図表1 「定年女子調査」調査対象者
(※)定年女子調査: 60歳を定年と規定し、
●「プレ定年女子」:6~10年以内に定年予定の50~54歳女性
●「定年女子」:5年以内に定年予定の55~59歳女性
●「ポスト定年女子」:既に定年を経験した60~64歳女性と定義。
またポスト定年女子のうち仕事をしている人を「ポスト定年女子(仕事継続組)」、仕事をしていない人を「ポスト定年女子(仕事リタイア組)」とした。
詳細は巻末をご覧ください。

「定年女子」のライフヒストリーと女性活躍社会への道のり

定年をいよいよ間近に控えた「定年女子」は、これまでどんなふうに仕事と共に歩んできたのでしょうか。まず、より深く彼女たちを知るため、「定年女子」のワーク&ライフヒストリーや社会背景に注目します。

図表2 定年女子のライフヒストリー

「定年女子」は女性として常に注目を浴びながら、道を切り開いてきたキャリアウーマンの草分け。

「定年女子」は雇用機会均等法1期生を含む、キャリアウーマンの草分け的な存在です。図表2の定年女子のライフヒストリーからもうかがえるように、高度経済成長のさなかに誕生、20代で女子大生ブームやバブルといった華やかな消費も経験し、男性社会の中で肩を並べながら走り続けてきた、働く女性のフロントランナーといえます。

また下記の図表3、4が示すように、社会の変化や行政の支援施策、進学率の向上などが、結婚や出産を経ても働き続ける女性や、キャリアアップを目指す女性たちの増えてきた背景となっています。

現在、女性の2020年(1月)の女性の労働力人口は2970万人。日本全体の44.4%を占めています。働く女性の割合も年々上昇していて、2019年時点で女性全体の53.3%。50~54歳では8割、55~59歳でも75%近くに達しています。いわゆる子育てと仕事を両立する人が増え、M字カーブのくぼみが平たんになるとともに、近年、働く中高年女性の割合も上昇しており、この傾向は今後も続くと考えられています。

図表3 女性雇用と子育て支援政策、及び進学率の推移
 

【女性就労環境に関する各種法律の整備の推移】
●1986年:「男女雇用機会均等法」(雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律。その後、1997、2006、2015年改訂)
●1994年:「エンゼルプラン」(今後の子育て支援のための施策の基本的方向)
●1999年:「新エンゼルプラン」(重点的に推進すべき少子化対策の具体的実施計画)
●2005年:「次世代育成支援対策推進法」(10年間の時限立法)
●2016年:「女性活躍推進法」(女性の職業生活による活躍の推進に関する法律)

図表4 女性の労働力の推移

「定年女子」のリアルライフ

「定年女子」の歩んできたライフヒストリーと社会背景が見えてきたところで、次に彼女たちの、現在のワーク&ライフスタイルにフォーカスします。

「定年女子」の現在の暮らしぶりは子育てもひと段落。45%が配偶者と同居。一人暮らしは3割。
家族構成は、既婚:46.5%、未婚:29.0%、離別:22.5%、死別:2.0%。一人暮らしは31%、配偶者と同居が45%、父母と同居が22%、社会人以上の子と同居が19%となっています(重複あり)。年収は200~400万円が最多で、42.5%となっています。

「定年女子」の累計勤続年数は平均28.4年、4分の3以上がキャリア30年以上。管理職経験アリは約3割。
「定年女子」の累計勤続年数は平均28.4年で、4分の3以上の人が30年以上も働き続けてきました。1社で継続勤務してきた人は21.5%。約半数は現在の会社が3~5社目(48.5%)で、何社かを経験しながら働き続けてきたワークスタイルが多数派です。また、管理職を経験した人は27.5%となっています。

「定年女子」の休職・離職の理由は「結婚」だが、「プレ定年女子」の理由は「出産」。キャリアアップやキャリアチェンジを理由に休職・離職した人のスコアも高い。
「定年女子」の7割は、「休職・離職経験あり」で、その理由として最も多いのは「結婚」(28.5%)でした。一方、「プレ定年女子」では、「出産・子育て」(29.0%)がトップで、休職・離職理由が「結婚」から「出産・子育て」に変化していったことがうかがえます。「自身のキャリアアップやキャリアチェンジ」を理由に休職・離職した人のスコアも3割と高く、ポジティブなチャンスとしてきた様子が見られます。

図表5 プレ定年女子と定年女子の休職・離職理由

「定年女子」の職場に対する満足度
 

「定年女子」は今の職場について、どのように評価しているのでしょうか。満足度とその理由に注目します。

51.5%が今の職場には「満足している」と回答。一方、「満足していない」は27.5%にとどまり、自分を生かせる場と役割、メリハリある働き方が満足感につながっている。
今の職場に満足している理由は、「自分の居場所がある(果たすべき役割がある)」(52.4%)「適切な勤務時間・休日がある」(51.4%)など。お給料ではなく、自分自身を生かせる場所と役割、勤務時間と休日のメリハリが、定年を控えた「定年女子」の満足感につながっていました。また、勤務地、転勤がないこと、ワークライフバランスや福利厚生といった、働きやすさ、続けやすさを担保する要素も満足につながっていると考えられます。

職場で「高給与・好待遇」「良好な人間関係」「自分に対する適切な評価」「やりがい」が得られないと不満が。
一方、不満理由については、「給料や待遇面が良くない」(65.5%)、「職場の人間関係が良好でない」(54.5%)、「自分のことを適切に評価してもらえていない」(43.6%)、「日々の業務にやりがいを感じられない」(32.7%)などが上位に挙がりました。働きに見合わない報酬、周囲の人間関係や自分に対する評価が適切でないこと、やりがいのなさが「定年女子」の職場への不満を募らせています。

「定年女子」の職場の満足度は、いかに自己肯定感を感じながら、働きやすい環境下で、良好な人間関係を保ちながら働けるか、と深く関係していることが見えてきました。

図表6「定年女子」の現在の職場の満足度

「定年女子」の女性活躍社会に対する思い

女性の活躍については賛成だが、実際の管理職志望は少数派。
図表7を見ると、「女性活躍社会に賛成である」と回答した人は79.5%と多数で、「女性の管理職がもっと増えるべきだ」という回答も67.0%と多い一方、管理職未経験者で「(部長以上の)管理職になりたい/なりたかった」と答えた人は18.1%と少ないことが分かります。

適正な評価や自分を生かせる場があることが、職場の満足感につながっている「定年女子」。女性が活躍できる社会には賛成するが、自身が管理職のポストに就いて職責を果たすことについては、少し心理的なハードルがあるようです。

図表7 女性活躍社会に対する考え
以上、第1回は「定年女子」のワークとライフの棚卸しと称して、定年女子のワーク&ライフヒストリーを振り返りながら、彼女たちの現在、自分の職場に対する満足度と影響を与えるファクター、女性活躍社会への考えなどについて分析してきました。「定年女子」の輪郭が見えてきたところで、次回は、「『定年女子』のホンネとお金のモンダイ」についてひもといていきます。
【「定年女子調査」実施概要】
・対象エリア:全国
・調査手法:インターネット調査
・対象者条件およびサンプル数:
A.    定年のある企業に正社員として働く50代女性 400ss
※プレ定年女子=50~54歳 200ss
定年女子=55~59歳 200ss
B.    定年のある企業に正社員として働き、定年を体験した60~64歳女性 200ss(※)
※ポスト定年女子
「定年後も働いている」人=仕事継続組 100ss
  「定年後は仕事をしていない」人=リタイア組 100ss
・サンプル総数:600ss
・調査期間:2019年12月
・調査機関:電通マクロミルインサイト

 

「人工呼吸器不足」は安倍政権の責任だ! 1月から野党が指摘していたのに放置、3月29日になっても「増産を調整している段階」

 20日に過去最多となる202人の感染が確認された上、経過が心配されていた志村けん氏が死去したと報道され、一気に危機感が高まっている新型コロナ問題。そんななか、世界で懸念されているのが、人工呼吸器不足だ。  感染者の数が世界一位となったアメリカでは、米食品医薬品局(FDA...

「ゆうちょPay」MV 中村優一さん、田川隼嗣さんが出演

ゆうちょ銀行は3月23日、ゆうちょPayオリジナルソング「#時をめくる指」のミュージックビデオ「いつだって、はじまりになる。」(約4分40秒)を公式サイトと、ユーチューブチャンネルで公開した。
動画には、注目の若手俳優・中村優一さん、田川隼嗣さんを起用した。

主人公を中村さん、その高校生時代を田川さんが演じ、ひとり親家庭で育った息子と母親の絆や成長、二人をつなぐゆうちょPayを描いた。
また、SNSのフォロワーが100万人を超える女子高生・ひかりちょさんも出演している。
オリジナルソングは、若者に人気のバンド・ヨルシカのボーカル suisさんと、多くの名作ゲームの音楽を作曲している下村陽子さんが手掛けた。なお、下村さんはゆうちょPayの決済音も新たに制作、ピアノの旋律が印象的な音に生まれ変わった。

高校生の主人公は、絵を描くことが好きで芸術大に進学したいと考えている。それを知った母親は、金銭的余裕がないことに悩みながら、必死に働き息子を応援する。
社会人になり都会で生き生きと働く主人公は、仕事の合間に母の似顔絵を描き、実家に帰る。二人で久しぶりに買い物に行くと、主人公はゆうちょPayでスマートに支払いを済ませる。そんな息子の様子を見て、うれしい気持ちになった母親は、後日ゆうちょPayデビューを果たす。
不器用な高校生が、母親の愛に支えられて頼もしい青年に成長した姿を、ゆうちょPayによるスムーズな支払いで表現したエモーショナルな動画になっている。劇中には、ヨルシカのロゴをイメージした演出や、中村さんが過去に演じたヒーローにちなんだせりふが出てくるなど、ファンには見逃せない演出が盛り込まれている。

中村さんは、撮影後のインタビューで、母親との思い出について「小児ぜんそくで、入院も多かった僕に、母が付きっきりでいてくれたことは今でも忘れられない」と答え、田川さんは「小学校の卒業時に、親を泣かせるつもりで書いた手紙で“これからも、同じ釜の飯を食べようね”と読み上げて、母に爆笑された」とコメント。ともに、動画をきっかけにゆうちょPayを試してほしいとPRした。

「ゆうちょPay」MV 中村優一さん、田川隼嗣さんが出演

ゆうちょ銀行は3月23日、ゆうちょPayオリジナルソング「#時をめくる指」のミュージックビデオ「いつだって、はじまりになる。」(約4分40秒)を公式サイトと、ユーチューブチャンネルで公開した。
動画には、注目の若手俳優・中村優一さん、田川隼嗣さんを起用した。

主人公を中村さん、その高校生時代を田川さんが演じ、ひとり親家庭で育った息子と母親の絆や成長、二人をつなぐゆうちょPayを描いた。
また、SNSのフォロワーが100万人を超える女子高生・ひかりちょさんも出演している。
オリジナルソングは、若者に人気のバンド・ヨルシカのボーカル suisさんと、多くの名作ゲームの音楽を作曲している下村陽子さんが手掛けた。なお、下村さんはゆうちょPayの決済音も新たに制作、ピアノの旋律が印象的な音に生まれ変わった。

高校生の主人公は、絵を描くことが好きで芸術大に進学したいと考えている。それを知った母親は、金銭的余裕がないことに悩みながら、必死に働き息子を応援する。
社会人になり都会で生き生きと働く主人公は、仕事の合間に母の似顔絵を描き、実家に帰る。二人で久しぶりに買い物に行くと、主人公はゆうちょPayでスマートに支払いを済ませる。そんな息子の様子を見て、うれしい気持ちになった母親は、後日ゆうちょPayデビューを果たす。
不器用な高校生が、母親の愛に支えられて頼もしい青年に成長した姿を、ゆうちょPayによるスムーズな支払いで表現したエモーショナルな動画になっている。劇中には、ヨルシカのロゴをイメージした演出や、中村さんが過去に演じたヒーローにちなんだせりふが出てくるなど、ファンには見逃せない演出が盛り込まれている。

中村さんは、撮影後のインタビューで、母親との思い出について「小児ぜんそくで、入院も多かった僕に、母が付きっきりでいてくれたことは今でも忘れられない」と答え、田川さんは「小学校の卒業時に、親を泣かせるつもりで書いた手紙で“これからも、同じ釜の飯を食べようね”と読み上げて、母に爆笑された」とコメント。ともに、動画をきっかけにゆうちょPayを試してほしいとPRした。

立川志らく「妻の浮気」が美談になり「ティッシュ買い占め」「弟子への仕打ち」が報道されない理由! 所属のナベプロがメディアに…

「気持ちは分かるんですよ。マスクがいまだにない、トイレットペーパーもデマでなくなってしまったみたいなね。そういう恐怖が食べ物でもきっと来るんじゃないかっていう気持ちは分かるんだけれど、皆が買いだめせずに普通にしてたら物はなくならないわけなんですよ」  3月27日の『ひるお...

若年世代の“メディア観”に迫る!

メディア行動の世代差は「意識」にも差を生む

電通メディアイノベーションラボによる『情報メディア白書2020』(ダイヤモンド社)の刊行に合わせ、本連載では情報メディアと生活者の関わり方の最新事情を伝えてきました。

世代差に関しては、第1回で、デジタルメディアの普及やSNS利用の定着を背景に、世代によってメディア接触のパターンが大きく異なっている様子を見ました。また、第3回ではスマートフォンがあらゆる世代に普及した現在でも、具体的なアプリ利用の内訳は世代によって大きな違いがあることをお伝えしました。

さて、ここまで見てきたメディア接触の顕著な「世代差」は、果たして観察できる行動や現象の差にとどまるのでしょうか?

最近はもう年長世代の間でも、“インスタ映え”や“インフルエンサー”など若年世代を引き寄せる数々のメディア現象が、ある程度理解されるようになりました。しかし、それでも(筆者を含む年長世代が)いまだに分かっていないのが、若年世代の根底にある「意識」ではないでしょうか。

米国では近年、メディア環境とその中での接触行動の変化がもたらす「意識」の変化に大きな注目が集まっています。社会属性による価値観の違いが、デジタルメディア接触の程度差により増幅され、世論の二極化や分断という問題を生んでいるといわれます。

一方、日本では同様の変化が、二極化や分断という表立った対立よりも、世代間の隠れた「分かり合えなさ」を静かに増幅してきたと考えられています。

『情報メディア白書2020』では、年長世代の観点から、若年世代(※)の“メディア観”や、メディア接触を通じて形づくられる “社会観”に迫り、世代間の橋渡しとなる共通言語を見いだそうと、独自の調査を試みました。今回から3回にわたり結果の一部をご紹介します。

※この記事では15~49歳を若年世代、50歳以降を年長世代と表記しています。ただし40代については年長世代との“橋渡し世代”と捉えて調査対象者に含めています。調査結果を年長世代の観点から見ても鮮明に解釈しやすくすることを狙いとしています。

若年世代が日ごろのメディア接触から感じる「メリット」とは?

若年世代の“メディア観”をよく知るために、日頃さまざまなメディアに接することの「メリット」を27項目にわたりアンケート調査で把握しました。その結果をもとに、図表1の通り、若年世代(15~49歳)のメディア接触のモチベーションを構造化してみました。

【図表1】
メディア接触モチベーションの構造

この図では27項目の「メリット」が、対応分析と呼ばれる統計処理により2軸のグラフ上に並べられています。

まず左右の軸を見てみましょう。左側には
「買い物やサービス利用の参考」
「世の中の話題が分かる」
「必要な情報を効率的に」
「自分になかった気づき」
など【世の中・社会】に対応する経験がメリットとしてプロットされています。

右側には
「参加感やメンバー意識を共有」
「ほかの人と差別化」
「ストレス発散・気晴らし」
「じっくりと充実した時間」
など【共有・自分】に対応するメリットが並びました。

このことから、若年世代のメディア接触モチベーションは、グラフ中に大きな矢印で示すように、横軸に沿って、
1.世の中や社会からのインプットによって触発される
2.それが共有・共感のフィルターを通して自分ゴト化される
3.さまざまな経験・体験として咀嚼・消化される
という、メディア経験の「段階(フェーズ)」を表していると解釈できます。

次に、上下の軸を見てみましょう。上側に
「有名人・著名人の様子」
「楽しくハッピーな気分」
「興味合う相手と共感・盛り上がる」
「退屈せず暇つぶし」
など【感性・情緒】的なメディア経験が並びます。

下側には
「社会の動きを正しく理解」
「ほかの人と差別化」
「物事を考えるきっかけ」
など【理解・思考】的なメディア経験が位置しています。

若年世代のメディア接触モチベーションの縦軸は、メディア経験の「質」的な側面を表していると考えられます。

ソーシャルメディアは、世の中の出来事を消化するためのフィルター

今回の調査ではメディアとメリットをセットで把握したので、メディアの位置も同様にプロットすることができます。

図表2のグラフに並んでいるのは、回答者にとって「頼りになっている」とされたメディアです。グラフ全体では、若年世代にとってそれぞれのメディアが、どのような意味で「頼りになっている」のかを表しています。

この各メディアの配置を見ると、メディア接触モチベーションの解釈がよりはっきりします。

【図表2】

メディア接触モチベーションの構造
調査対象とした全80分野のメディアのうち接触率(リーチ)が大きかった40のメディアを表示した。80分野すべての位置づけは『情報メディア白書2020』に掲載されている。

手始めに、年長世代にとって最もなじみ深いテレビ、ラジオ、新聞、雑誌の位置を確認してみましょう。テレビ(地上波・BS)は共通してグラフの横軸に沿って左側、つまり【世の中・社会】の側からのインプット役として頼りにされています。

ラジオは右側の【共有・自分】、新聞(一般紙)は縦軸に沿って下側の【理解・思考】、雑誌のほとんどは上側の【感性・情緒】の方に位置づけられているなど、従来、それぞれが果たしてきた常識的な役割が理解しやすくなっています。人のメディア接触モチベーションと従来メディアとの対応関係は、若年世代においても明瞭といってよいでしょう。

一方、若年世代の間でさまざまなブームや現象を生み出しているソーシャルメディア(SNS・動画共有サイト・ブログなど)の位置を見てみましょう。グラフ中の円で囲った部分、つまり横軸に沿って右側の【共有・自分】、かつ縦軸にそって上側の【感情・情緒】のあたりにあります。

つまり、ソーシャルメディアは若年世代にとって、
・世の中からのさまざまなインプットをダイレクトに自力で消化する前に、
・感情的なつながりにより結ばれた同世代の価値観のフィルターを通し、
・咀嚼しやすくする
という役割を果たしていると考えることができそうです。

ただ、このような順序でのソーシャルメディアの位置づけは、グラフ全体を俯瞰する年長者からの視点からのものだという点も大事です。多くの若年世代自身、とりわけその中でも第1回の10代後半のメディア接触頻度で見たように若い年齢層ほど、ソーシャルメディアは高い頻度で立ち寄る最も身近な場としてまずそこにあり、それを通じて世の中の動きを感じ取る直接的な場ともなっているのです。

若年世代では「購買の場」が「商品認知の場」とイコールに?

もうひとつ注目してほしいのが、グラフの左側の半円で囲まれた「ネットショップ・ECサイト」をはじめとする、商品情報に関するインターネット上の情報源です。私は今回の調査で、これらのメディアが、横軸に沿って最も左側(世の中からのインプット)にある点に、最も注目しました。

年長者にとって新商品の情報といえば、テレビのキャンペーン広告で最初に認知する時代が長く続いてきましたし、今でもその常識は崩れていません。ただ、グラフを素直に読めば、若年世代にとってはECサイトなどの購買の場が、同時に商品認知の場ともなっていると解釈できます。

消費行動プロセスの最も基本的なセオリー“AIDMA”でいえば、最初のA(Attention 注目)が、中間プロセスをすっ飛ばして最後のA(Action 購買)と直結する仕掛けが整いつつあるあるということです。

それは、もう年長世代の仲間入りを始めた筆者にとっては、めまいがするような光景です。しかし、若年世代は、過去10年の急激なメディア環境の変化を経験するうちに、メディア接触のモチベーション構造の中に、ECサイトや商品情報サイトをこのようにごく自然な商品認知の場として位置づけているのです。

同時に、こうした若年世代のメディア意識の変化は、従来メディアにとっての「広告」の役割を鋭く問い直すきっかけにもなっています。この点について、今後の回でもう少し考えてみる予定です。

今回は、若年世代の“メディア観”について、メディア接触のモチベーションの観点から迫ってみました。次回では、そうした若年世代の“メディア観”が、近年のメディア状況の激変の中で育まれた独特の“社会観”にもつながっている可能性について触れていきます。

若年世代の“メディア観”に迫る!

メディア行動の世代差は「意識」にも差を生む

電通メディアイノベーションラボによる『情報メディア白書2020』(ダイヤモンド社)の刊行に合わせ、本連載では情報メディアと生活者の関わり方の最新事情を伝えてきました。

世代差に関しては、第1回で、デジタルメディアの普及やSNS利用の定着を背景に、世代によってメディア接触のパターンが大きく異なっている様子を見ました。また、第3回ではスマートフォンがあらゆる世代に普及した現在でも、具体的なアプリ利用の内訳は世代によって大きな違いがあることをお伝えしました。

さて、ここまで見てきたメディア接触の顕著な「世代差」は、果たして観察できる行動や現象の差にとどまるのでしょうか?

最近はもう年長世代の間でも、“インスタ映え”や“インフルエンサー”など若年世代を引き寄せる数々のメディア現象が、ある程度理解されるようになりました。しかし、それでも(筆者を含む年長世代が)いまだに分かっていないのが、若年世代の根底にある「意識」ではないでしょうか。

米国では近年、メディア環境とその中での接触行動の変化がもたらす「意識」の変化に大きな注目が集まっています。社会属性による価値観の違いが、デジタルメディア接触の程度差により増幅され、世論の二極化や分断という問題を生んでいるといわれます。

一方、日本では同様の変化が、二極化や分断という表立った対立よりも、世代間の隠れた「分かり合えなさ」を静かに増幅してきたと考えられています。

『情報メディア白書2020』では、年長世代の観点から、若年世代(※)の“メディア観”や、メディア接触を通じて形づくられる “社会観”に迫り、世代間の橋渡しとなる共通言語を見いだそうと、独自の調査を試みました。今回から3回にわたり結果の一部をご紹介します。

※この記事では15~49歳を若年世代、50歳以降を年長世代と表記しています。ただし40代については年長世代との“橋渡し世代”と捉えて調査対象者に含めています。調査結果を年長世代の観点から見ても鮮明に解釈しやすくすることを狙いとしています。

若年世代が日ごろのメディア接触から感じる「メリット」とは?

若年世代の“メディア観”をよく知るために、日頃さまざまなメディアに接することの「メリット」を27項目にわたりアンケート調査で把握しました。その結果をもとに、図表1の通り、若年世代(15~49歳)のメディア接触のモチベーションを構造化してみました。

【図表1】
メディア接触モチベーションの構造

この図では27項目の「メリット」が、対応分析と呼ばれる統計処理により2軸のグラフ上に並べられています。

まず左右の軸を見てみましょう。左側には
「買い物やサービス利用の参考」
「世の中の話題が分かる」
「必要な情報を効率的に」
「自分になかった気づき」
など【世の中・社会】に対応する経験がメリットとしてプロットされています。

右側には
「参加感やメンバー意識を共有」
「ほかの人と差別化」
「ストレス発散・気晴らし」
「じっくりと充実した時間」
など【共有・自分】に対応するメリットが並びました。

このことから、若年世代のメディア接触モチベーションは、グラフ中に大きな矢印で示すように、横軸に沿って、
1.世の中や社会からのインプットによって触発される
2.それが共有・共感のフィルターを通して自分ゴト化される
3.さまざまな経験・体験として咀嚼・消化される
という、メディア経験の「段階(フェーズ)」を表していると解釈できます。

次に、上下の軸を見てみましょう。上側に
「有名人・著名人の様子」
「楽しくハッピーな気分」
「興味合う相手と共感・盛り上がる」
「退屈せず暇つぶし」
など【感性・情緒】的なメディア経験が並びます。

下側には
「社会の動きを正しく理解」
「ほかの人と差別化」
「物事を考えるきっかけ」
など【理解・思考】的なメディア経験が位置しています。

若年世代のメディア接触モチベーションの縦軸は、メディア経験の「質」的な側面を表していると考えられます。

ソーシャルメディアは、世の中の出来事を消化するためのフィルター

今回の調査ではメディアとメリットをセットで把握したので、メディアの位置も同様にプロットすることができます。

図表2のグラフに並んでいるのは、回答者にとって「頼りになっている」とされたメディアです。グラフ全体では、若年世代にとってそれぞれのメディアが、どのような意味で「頼りになっている」のかを表しています。

この各メディアの配置を見ると、メディア接触モチベーションの解釈がよりはっきりします。

【図表2】

メディア接触モチベーションの構造
調査対象とした全80分野のメディアのうち接触率(リーチ)が大きかった40のメディアを表示した。80分野すべての位置づけは『情報メディア白書2020』に掲載されている。

手始めに、年長世代にとって最もなじみ深いテレビ、ラジオ、新聞、雑誌の位置を確認してみましょう。テレビ(地上波・BS)は共通してグラフの横軸に沿って左側、つまり【世の中・社会】の側からのインプット役として頼りにされています。

ラジオは右側の【共有・自分】、新聞(一般紙)は縦軸に沿って下側の【理解・思考】、雑誌のほとんどは上側の【感性・情緒】の方に位置づけられているなど、従来、それぞれが果たしてきた常識的な役割が理解しやすくなっています。人のメディア接触モチベーションと従来メディアとの対応関係は、若年世代においても明瞭といってよいでしょう。

一方、若年世代の間でさまざまなブームや現象を生み出しているソーシャルメディア(SNS・動画共有サイト・ブログなど)の位置を見てみましょう。グラフ中の円で囲った部分、つまり横軸に沿って右側の【共有・自分】、かつ縦軸にそって上側の【感情・情緒】のあたりにあります。

つまり、ソーシャルメディアは若年世代にとって、
・世の中からのさまざまなインプットをダイレクトに自力で消化する前に、
・感情的なつながりにより結ばれた同世代の価値観のフィルターを通し、
・咀嚼しやすくする
という役割を果たしていると考えることができそうです。

ただ、このような順序でのソーシャルメディアの位置づけは、グラフ全体を俯瞰する年長者からの視点からのものだという点も大事です。多くの若年世代自身、とりわけその中でも第1回の10代後半のメディア接触頻度で見たように若い年齢層ほど、ソーシャルメディアは高い頻度で立ち寄る最も身近な場としてまずそこにあり、それを通じて世の中の動きを感じ取る直接的な場ともなっているのです。

若年世代では「購買の場」が「商品認知の場」とイコールに?

もうひとつ注目してほしいのが、グラフの左側の半円で囲まれた「ネットショップ・ECサイト」をはじめとする、商品情報に関するインターネット上の情報源です。私は今回の調査で、これらのメディアが、横軸に沿って最も左側(世の中からのインプット)にある点に、最も注目しました。

年長者にとって新商品の情報といえば、テレビのキャンペーン広告で最初に認知する時代が長く続いてきましたし、今でもその常識は崩れていません。ただ、グラフを素直に読めば、若年世代にとってはECサイトなどの購買の場が、同時に商品認知の場ともなっていると解釈できます。

消費行動プロセスの最も基本的なセオリー“AIDMA”でいえば、最初のA(Attention 注目)が、中間プロセスをすっ飛ばして最後のA(Action 購買)と直結する仕掛けが整いつつあるあるということです。

それは、もう年長世代の仲間入りを始めた筆者にとっては、めまいがするような光景です。しかし、若年世代は、過去10年の急激なメディア環境の変化を経験するうちに、メディア接触のモチベーション構造の中に、ECサイトや商品情報サイトをこのようにごく自然な商品認知の場として位置づけているのです。

同時に、こうした若年世代のメディア意識の変化は、従来メディアにとっての「広告」の役割を鋭く問い直すきっかけにもなっています。この点について、今後の回でもう少し考えてみる予定です。

今回は、若年世代の“メディア観”について、メディア接触のモチベーションの観点から迫ってみました。次回では、そうした若年世代の“メディア観”が、近年のメディア状況の激変の中で育まれた独特の“社会観”にもつながっている可能性について触れていきます。

JRA福永祐一「4コーナーまではバッチリ」高松宮記念(G1)1番人気タワーオブロンドンはなぜ凡走したのか?

 29日、日曜中京メインレースは高松宮記念(G1)が行われ、和田竜二騎手の15番人気クリノガウディーが抜け出して1位入線するも、直線で急激に内へ斜行したことにより4着に降着。2位入線した松若風馬騎手の9番人気モズスーパーフレアが繰り上がって1着となった。

 1番人気に支持された福永祐一騎手のタワーオブロンドンは12着と惨敗を喫した。

「4コーナーまではバッチリで、満を持して追い出したけど、後肢が流れて手応えほど伸びなかった」福永騎手はパートナーの凡走に首をかしげた。

 当初はL.ヒューイットソン騎手が騎乗予定となっていたが、ドバイ国際競走の開催が不鮮明な状況となった。そのため、ドバイで騎乗予定だったミスターメロディの騎乗を見送った福永騎手に白羽の矢が立った。

「このような有力馬の依頼をいただいてありがたいです。しっかりいい結果に導けるように努めたい」と意気込みを語った福永騎手にとっても残念な結果となってしまった。

 土曜からの雨の影響で芝の状態は重に悪化。不安の予兆はすでにあったかもしれない。中京8Rでサドキンザンに騎乗して落馬。4コーナーで後肢を滑らせたことによるものだが、奇しくもこれはタワーオブロンドンの敗因と同じだった。藤沢和雄調教師は「こんな馬場で滑っていたね。また改めて」と馬場に敗因を求めている。

 逃げたモズスーパーフレアが前半3Fで刻んだラップは34.2のスロー。道中はダノンスマッシュを前に見る形で中団からの競馬。直線に入っていざ追い出すといつものような鋭い末脚は鳴りを潜め、後方にいた馬にまで交わされてしまった。

 昨年のスプリンターズS(G1)を制したときとは別馬のような凡走だったといえる。

「タワーオブロンドンは、これまでC.ルメール騎手やD.レーン騎手が結果を出していた馬ですが、福永騎手も直線までは作戦通りに乗れていたと思います。伸びなかった理由として考えられるとしたら、重馬場が堪えたのかもしれませんね」(競馬記者)

 史上初の無観客競馬でのG1となった今年。

「G1が無観客だと勝ったあとの実感がないでしょうね。いつもなら声援を受けてウイニングランをするのに何も湧き上がってこないと思う。それだけに残念です」

 レース前にはウイニングランをイメージしていた昨年の優勝騎手にとって、苦い思い出が残った高松宮記念だった。

コロナ感染・阪神藤波の対応に称賛、病院で誤った診断→自ら疑い別の病院で受診し判明

 阪神タイガース藤波晋太郎投手(25)が新型コロナウイルスに感染した。プロ野球選手で初、のみならず日本の著名スポーツ選手としても第1号となり、4月24日の開幕を目指していたセ・パ両リーグに衝撃が走った。そんななか、感染した藤波の対応には称賛の声が上がっている。

 阪神球団によると、藤波は3月24日にコーヒーやワインの匂いが全然わからないことに気づき耳鼻咽喉科に行ったが「季節性のアレルギー」と診断された。発熱や咳などはなかったが嗅覚異常の症状が一向に改善しないためチームドクターと相談して別の耳鼻咽喉科を受診した。そこで「新型コロナウイルスの感染の可能性がある」と指摘された。保健所への連絡でPCR検査を受けると陽性と判明した。

 球団側が藤波に電話で経緯を聴取すると、3月14日に藤波と食事を共にした長坂拳也捕手(25)と伊藤隼太外野手(30)の2人にも「みそ汁の味がしない」などと、味覚障害が起きていることが判明した。2人も咳や発熱はなかった。藤波について当初、球団は「風邪の症状もないし、陰性でしょう」と期待していた。それが暗転した。

 感染発覚でまず、西宮市の鳴尾浜球場(二軍球場)で予定されていたソフトバンクとの練習試合は中止となった。甲子園球場では27日昼頃から白い防護服姿の人たちが球団事務所も含めて消毒を行った。さらに選手や矢野燿大監督をはじめ、コーチ、球団職員には1週間の自宅待機を命じ、球団事務所も閉鎖された。

 藤波ら感染した3選手は他のチ―ムメイト4人と共に、飲食店ではなく球団と無関係の人の自宅で飲食していた。会食者は合計12人だった。3選手は現在、入院中だが大事に至る心配はないという。

 27日午後1時からマスク姿で緊急会見した揚塩健治球団社長は「プロ野球で初めて感染者が出たことを深く重く受け止めている」「3名と複数出たこともを重く受け止めている」などと詫びたうえ、「今から考えると外出禁止というかたちで臨んでいたらよかった」と話した。

藤波、日頃の健康管理と熱心な情報収集の賜物

 日本プロ野球機構(NPB)はJリーグと共同で「新型コロナウイルス対策連絡会議」を立ち上げ、選手らが37度5分以上の熱が続いた時はチームドクターに報告することなどを決めてきた。しかし、咳や発熱もなく、「臭いがしない」というだけの項目は3月12日に発表された「意見書」にはなかった。

 匂いを感じないくらいなら鈍い人ならしばらく気づかないし、「一時的だろう」とさして気にしない人もいよう。それでもすぐに医者に行った藤波。揚塩社長によると藤波は「匂いを感じないことも新型コロナウイルスの症状にあることを知ってもらいたい」と実名公表することを球団側に強く訴えたという。

 英国や米国、ドイツなどの研究では無嗅覚や無味覚の症状が出ることがあることが確認されているという。日本でも少ないながら報じられてはいたが、広くは知られていなかった。藤波は著名人である自分が名乗り出てニュースになることで、感染にいち早く気づく人が増えてほしいと願ったのだ。 

「こんな時に大勢で食事しとるからや」と言う手厳しい虎ファンもいるが、感染源とみられる会食はまだ、不要の外出自粛要請などが出る前だった。

 こうしたなかで自ら感染の事実を公表した藤波の行動に、称賛が巻き起こっている。米大リーグ、シカゴ・カブスのダルビッシュ有は「嗅覚がおかしいってだけで名乗り出た藤浪選手はすごい」「情報収集している証拠やし、自分の身体に敏感な証拠。関係者の感染リスクもかなり抑えられたはず」と、いち早くTwitterで称えた。

 3月27日夕方の大阪朝日放送(ABC)の情報番組では、芸能ジャーナリストの井上公造氏が「こんな病状でもコロナウイルスになることがある、ということを知らせてくれた。勇気ある行動」と称賛していた。タレントの江口ともみさんは「ちょっと(規制が)緩い感じだった中、若い人への警鐘になる」などと話した。在阪局の報道はおしなべて藤波を称賛したようだ。

 藤波は197cm、体重100キロの本格派右腕。大阪桐蔭高校では2012年の甲子園春夏連覇の立役者。2013年、鳴り物入りでタイガース入りすると1年目から10勝するなど活躍を見せ、エースの座を射止めた。しかし、2015年の14勝をピークに成績は下降、再起を期した昨年は、当番試合はたった1試合で1勝もできなかった。エースに復活できるか「元エース」で終わるか、今季はまさに正念場を迎えていた。そんな中での「感染告白」だった。

 神戸市のサンテレビジョンの永谷和雄記者は「藤波選手はちゃんと健康管理もしているから早く感染が判明し、周囲への影響も最低限に抑えられたのでは。本当に根から真面目な男ですから、今シーズンはがんばって復活してほしい」と話す。27日、NPBの井原敦事務局長は予定通りの4月24日の開幕を明かした。がんばれ、晋太郎。

(文=粟野仁雄/ジャーナリスト)