JRA大阪杯(G1)「波乱の主役」はレッドジェニアル!? ダービー馬に先着した実績再び!!

 4月5日(日)の大阪杯(G1)において、『netkeiba.com』の予想単勝オッズで3.1倍の1番人気となっているのがダノンキングリーである。

 まだG1勝利はないが、昨年の日本ダービー(G1)2着馬で、毎日王冠(G2)と中山記念(G2)を勝利している。そして何と言っても、まだ成長が見込める4歳馬である点が魅力のひとつとなっているに違いない。

「成長力のある4歳馬なら、昨年の京都新聞杯(G2)を勝ったレッドジェニアル(牡4歳、栗東・高橋義忠厩舎)も面白い存在だ」(競馬記者)

 記者が指摘した昨年の京都新聞杯で、レッドジェニアルは酒井学騎手を背に、11番人気という低評価を覆して勝利している。クビ差で2着に敗れた馬は、後のダービー馬ロジャーバローズだった。ダノンキングリーもロジャーバローズに先着できなかったのだから、ロジャーバローズを物差しにすれば、レッドジェニアルもダノンキングリーに引けを取らない実力の持ち主という見方もできる。

 だが、レッドジェニアルは『netkeiba.com』の予想単勝オッズでは、122.7倍で13番人気。全く評価されていない。

 レッドジェニアルの前走は日経新春杯(G2)だった。この時は武豊騎手と初めてのコンビを組み、単勝オッズ3.6倍で1番人気になっている。だが結果は7着。今回は酒井騎手に手綱が戻る。鞍上強化で期待された前走で結果が出なかったことも、評価を下げる原因となっているのかもしれない。

 その酒井騎手は京都新聞杯を勝った際、「今日はうまく壁を作ることができた」と語っている。レッドジェニアルを好走させるのに、どんな乗り方をすべきかを知っているのは武豊騎手ではなく、酒井騎手の方かもしれない。記者もこう指摘する。

「阪神の芝2000mは内回りコースだから、京都の外回りコースよりも前の馬を利用して壁を作るのは容易だろう。後は上手く折り合ってくれれば、京都新聞杯の再現もあり得る。鞍上もその特徴は理解しているだろう」(同)

 京都新聞杯以降、レッドジェニアルは一度も馬券圏内に入っていない。その意味では評価が下がるのもやむを得ない。だが、その近走成績だけを鵜呑みにすると、痛い目に遭う可能性は十分にある。ダービー馬に先着した実力を大阪杯で再び目の当たりにすることになるのかもしれない。要注意の1頭だ。

志村けんさん、三味線の腕前披露のCMに再び脚光…再放送を望む声が急増

 3月30日、新型コロナウイルス性肺炎により29日に志村けんさんが逝去したとのニュースが日本中を駆け巡った。

 40年以上、日本のお笑い界の第一線を走り続け、多くの笑いを提供し続けてきた志村さんの訃報を受けて、悲しみに暮れる声があふれている。

 テレビ局各社が志村さんの追悼番組を企画しているほか、ネット配信でも志村さんのコントなど過去の動画への注目度が高まっている。そんななか、秘かに関心が集まりつつある動画が、2016年に公開された『キリン氷結』のウェブムービーだ。

『キリン氷結』では、さまざまなタレントが東京スカパラダイスオーケストラ(スカパラ)と共演しているが、志村さんも得意の三味線を弾いてスカパラとセッションを楽しんでいる。志村さん扮する“バカ殿”も登場するため、志村さんを追悼する思いで鑑賞する人が多くいるようだ。

 志村さんは所属していた「ザ・ドリフターズ」のなかでギターを担当していたが、三味線もプロ級の腕前。テレビで披露する機会は少なかったうえ、お笑いのイメージが強かったため、若い世代にはあまり知られていないが、今、あらためてその音楽センスを評価する声が高まっている。

 志村さんの訃報後にこの『キリン氷結』を見た人たちからは、

「この三味線弾いてる志村さんは本当にかっこよくて何度も見てる」

「志村さんは日本の宝だった」

「まさに本物のコント師」

などと称える声が続出。

 また、「KIRINさん。このCM。 今、流してもらえないかな」と、再びテレビで放送されることを望む声も多くあがっている。

 本CMで共演したスカパラの谷中敦も30日、自身のツイッターで「志村けんさん。悲しいです。在りし日のお姿を偲びつつ、ご冥福をお祈りいたします」と追悼のコメントを出した。

 志村さんは、本当に老若男女に広く愛されたコメディアンだった。

(文=編集部)

蛍原「YouTubeで宮迫との共演はない」最後の“大物ゲスト”は明石家さんまか

 YouTuberデビューして約2カ月が過ぎた宮迫博之。チャンネルの登録者数は開局からわずか10日で50万人を突破したものの、最近では当初の勢いは陰りを見せ、68万6000人程度(3月31日現在)で落ち着きつつある。一般のYouTuberならば十分な数字だが、元人気芸人と考えると少々物足りない気も。ネットメディアに詳しいあるライターは次のように語る。

「宮迫さんはずっと芸能界の第一線で活躍していたわけですから、66万人では納得いかないでしょうね。同時期にYouTuberデビューした江頭2:50のチャンネル登録者数は現在192万人。宮迫さんはほぼ毎日配信をして頑張ってはいますが、数字の上では圧倒的に負けています。これまでは有名YouTuberとのコラボ動画を巧みに入れ込んだりして数字を上げてきた宮迫さんですが、カジサック(キングコング梶原雄太)やオリラジ中田さん(オリエンタルラジオ中田敦彦)には人気でもクオリティーでも到底かなわない。それというのもやはり、宮迫さんの配信する動画の随所から、“テレビに対する未練”が出てしまっているからではないでしょうか。

 例えば、宮迫さんがコント番組『ワンナイR&R』(フジテレビ系)でやっていた『轟さん』というキャラがいるのですが、YouTube視聴者の大半はコントなんて求めていないでしょう。むしろテレビへの未練としか取られかねず、それではYouTuberとしては逆効果なように思われます。

 ご本人は『毎日投稿するのがしんどい』とか『テレビに戻るためにYouTubeをやっているのではない』と語っていますが、考えればこうした発言も、『YouTubeをなめてる』と思われてもおかしくない発言。元人気芸人としてのプライドが、無意識にこういう発言を招いてしまうのでしょう」

「宮迫とは共演しない」と語る相方・蛍原

 一方、宮迫の相方である蛍原徹は、3月15日に放送された『ボクらの時代』(フジテレビ系)に出演。「宮迫の(YouTube)チャンネルに出るか?」と聞かれ、「ない」と即答したことが話題となった。吉本興業に近いある芸能記者はこう語る。

「蛍原さんの発言は、吉本興業が宮迫さんのYouTuber活動にいい印象を持ってないという証拠。闇営業騒動でいろんなテレビ局やスポンサーに迷惑をかけてしまった手前、YouTubeで簡単にコンビ復活をするわけにはいかないということでしょう。

 宮迫さんが謹慎になった際、テレビ局やスポンサー対応をし、ケツを拭いたのは吉本興業にほかならないわけで、しかし宮迫さんは吉本とは仲たがい状態のままYouTube上での芸能活動を再開させてしまった。吉本の大崎(洋)会長も、正直怒り心頭なはずですよ。だから今の蛍原さんの立場では、YouTuberとしての宮迫さんに関しては突き放すしかない。宮迫さんは、『相方が待ってくれてるんで相方の隣に戻りたい』としきりに語っていますが、実際に彼がやっていることは全部逆効果なように思われます」

 その点、ロンブーの淳さん(ロンドンブーツ1号2号の田村淳)はYouTubeチャンネルを立ち上げても決して亮さん(田村亮)を出そうとせず、一方で自身で会社を立ち上げてみせ吉本とのエージェント契約を結び、結果的にAbemaTV上ではありますが『ロンドンハーツ』に復帰させることができた。地上波復帰ももうすぐでしょう。同時期に謹慎となった宮迫さんと亮さんですが、こんなにも対照的な結果となってしまいました。いっそのこと、淳さんが立ち上げた会社に宮迫さんが所属するほうが、テレビ復帰への近道になると思いますけどね(笑)」

明石家さんまというビッグサプライズ

 そんな宮迫は自身のYouTubeチャンネル内で、「チャンネル登録者数100万人を突破したらビッグゲストを呼ぶ」と公言しているが……。前出のライターはこう予測する。

「普通に考えると、明石家さんまさんでしょうね。宮迫さんは現在、さんまさんの個人事務所預かりの身。さんまさんはYouTubeをテレビの敵とみなしていますが、『収入がないからYouTuberをやるのもわかる』と自身のラジオ番組でもコメントしているように、宮迫さんに対して一定の理解は示している。実際に出演したとしてもさんまさんはYouTubeに対する文句を連発するとは思いますが(笑)、とはいえ実現したら相当話題にはなるでしょうね。

 またさんまさんは、5月に上演予定だったある舞台で宮迫さんと蛍原さんをコンビで復帰させようと目論んでいたそうですが、コロナの影響でその舞台自体が“飛んでしまった”と自身のレギュラー番組で明かしています。大崎会長を含め吉本の首脳陣でさんまさんに意見できる者はいないため、さんまさんの力技でこの舞台が実現していれば、宮迫さんの芸能界復帰も近づいていたのかもしれませんがね……」

 闇営業騒動だけでなく、水面下でコロナショックにも巻き込まれていた宮迫博之。彼が熱望する「相方の横に戻りたい」という思いは、果たして実現する日が来るのだろうか。

(文=藤原三星)

●藤原三星(ふじわら・さんせい)
ドラマ評論家・コメンテーター・脚本家・コピーライターなど、エンタメ業界に潜伏すること15年。独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を中心に量産中。<twitter:@samsungfujiwara

“消えた”緊急事態宣言発令、なぜデマは流れた?安倍首相官邸、発令への“判断基準”

 多くの国民が注視している改正新型インフルエンザ等特措法に基づく「緊急事態宣言」。政府、東京都の外出自粛要請の限界も露呈しつつあり、最近では宣言の発令を待ち望むような意見もインターネット上で散見されるようになりつつある。宣言をめぐり政府内部ではどのような議論が交わされているのか。実情を探った。

世耕氏の「緊急事態宣言デマ」の否定

 世耕弘成自民党参議院幹事長は30日午後7時40分、突如として以下のようなツイートを投稿した。

「ネット上で、政府が緊急事態宣言の検討を本格化していて、4月2日から首都封鎖(ロックダウン)が行われるとのデマが、官邸関係者の話や民放幹部の話として流されていますが、根拠のないデマです。今夕の官房長官記者会見で明確に否定されていますので、やり取りの概要を紹介しておきます」(原文ママ、以下同)

「記者質問)ネット上では政府が緊急事態宣言 検討を本格化、4月1日に発表、2日から首都封鎖、ロックダウンが行われるとの真偽不明情報が相当数拡散、憶測を呼んでいる。政府は確認してるか?内容は事実か?事実でないなら、かかる情報の拡散に対する政府としての受け止めや国民への呼びかけを。(続く)」

「(続き)官房長官回答) まず、そうした事実はありません、明確に否定しておきます。現在、国民 の皆さんには大変な御不便をおかけしていますが、それは緊急事態宣言のような厳しい 措置を回避するためのものであります。現状ではまだ緊急事態宣言が必要な状態ではない、このように考えております」

 世耕氏の投稿は、同日午後に行われた菅義偉内閣官房長官の会見を受けたものだ。ただその情報がデマだったとして、なぜ内閣府や内閣官房、厚生労働省ではなく、世耕氏が個人的に否定したのだろう。

 実は菅官房長官が否定するまでのいきさつがあった。菅官房長官は同日午前の記者会見で次のように述べていた。

「緊急事態宣言は、国民生活に重大な影響を与えることを鑑みて、多方面から専門的な知見に基づき慎重に判断することが必要だ」

 そしてその会見の直後、日本医師会が記者会見を開いた。政府の新型コロナウイルス感染症専門家会議の委員でもある常任理事の釜萢敏氏が次のように政府に対応を促したのだ。

「専門家の間では緊急事態宣言はもう発令していただいたほうがいいのではないかという意見がほとんど。感染拡大の状況を見れば、もう発令していい。ただ宣言のインパクトは大きく、政府は疫学だけでなく社会への影響をどう評価するか総合的な判断が必要になる。国がバランスをとって判断するだろう」

 医療現場を代表する日本医師会が、プレスリリースでも専門家会議内での意見表明でもなく、記者会見という場を開いて発表したことは非常に大きなインパクトがあった。だが結局、その見解は同日2回目の菅官房長官の記者会見で否定されることになった。

院内感染の拡大を医師会が危惧か

 いったい政府部内で何が起こっているのか。厚生労働省関係者は次のように語る。

「日本医師会内の意見が急速に緊急事態宣言発令に傾いた要因の一つになったのが、東京都台東区内の病院の院内感染の拡大だったと思われます。永寿総合病院で最初に感染が明らかになったのは24日でした。内科の入院患者と医療従事者ら5人が感染し、医師への感染も出ました。感染者の転院も難航していて、28日までに判明した感染者は計70人に上りました。

 医師会が最も恐れるのは医療現場の崩壊です。新型コロナウイルス感染症対策に専念すべきなのはいうまでもありませんが、病院内には他の疾病を抱えた多くの患者がいます。新型コロナウイルスは既往症があると重篤化することがわかっています。つまり院内感染が拡大すれば病院内がどのようになるのかは想像に難しくはないのです。

 新型コロナの患者が病院に殺到すれば、それだけ院内感染のリスクが高まり、最悪の場合、日本の医療現場も過酷な状況になります。病院にいる新型コロナに起因しない他の多くの患者も含めた、本来であれば救えた命が救えなくなる可能性があるのです。

 緊急事態宣言はいわば無症状感染者の方に家にいてもらう方策です。医政を担当する厚労省としては、厚生労働大臣以下、最悪のケースを想定して改正新型インフルエンザ等特措法が成立した段階ですでに準備を始めていました。医師会も同様です。

 状況が明らかに急変しつつあった28日の段階で、医師会は首相官邸に30日の会見で語ったような内容を伝えていたようです。今回の件は単なるデマかもしれませんが、そうした水面下の動きが漏れ伝わっていろんな噂が出ているのではないかと思います。

 結局、医師会の意見表明があっても、官邸や政府閣僚内でさまざまな意見があるようで、今日まで緊急事態宣言は発令されていません。この案件では最低でも日本経済団体連合会、日本銀行、財務省、経産省、文科省、国土交通省、防衛省、警察庁、外務省への根回しと同意が必要になるのですが、話がまとまらなかったのではないでしょうか。世耕氏が菅官房長官の会見を引き合いに出して、緊急事態宣言を重ねて否定されているのも、そういう理由があるからではないかと思われます。

 審議会や各専門家団体などの複数の同意を得て、進めるのが政府施策の定石です。最終的には釜萢常任理事が会見で指摘したように、これは政治的な決断が必要になります。

 我々にできるのは、安倍首相に対して『こういう条件がそろうと、このようになり、最悪このようになる』という予測と、それに対処するためのいくつかの手段を提示することです。『宣言する』ことも『しない』ことも、結局は政治決断という言葉に行きつくのだと思います」

最終的には世論の動向次第か

 政治ジャーナリストの朝霞唯夫氏は次のように解説する。

「すでに26日に安倍晋三首相は政府対策本部の設置を指示していることからも、緊急事態宣言を選択肢の一つとして視野に入れていることは確かですが、なかなか発令には踏み切れない状況です。発令にあたって大きな問題となるのが、経済への影響です。2月下旬の段階ではリーマンショックほどの影響はないという見方が強かったですが、すでに企業倒産も発生し、特に飲食業・旅客業・宿泊業では深刻な被害が出ています。もし宣言が発令されれば経済が一部停止状態となり、中小事業者の倒産や経営者の自殺が増える可能性もあり、企業や個人の所得補償をどうするのかという問題も出てきます。

 また、省庁間の足並みがそろわないという点もあります。厚労省は、すでに宣言発令のための条件が揃っているというスタンスですが、もし発令されれば、議論が浮上している固定資産税や消費税の減税に限らず大型の減税や、所得補償が必要となるため、財務省内部には抵抗が大きい。再び小中高校の一斉休校措置などが必要になるため、文部科学省も及び腰だといわれています。

 このほかにも、国民の人権保護との兼ね合いという問題も出てきます。それほど強制力は伴わないという指摘はあるものの、一定程度は国民の生活に制限がかかる事態は免れず、戒厳令のようなムードになってしまいかねない決断に、果たして踏み込むのかどうかという議論もあるでしょう」

 では、もし政府が宣言を発令する場合、何がその決め手となるのだろうか。

「感染者数や死亡者数の推移に加えて、世論が大きな判断材料になってきます。1~2週間前に行われた各種世論調査では、“宣言発令について慎重にすべき”という声が強かったですが、ここにきて風向きが大きく変わってきています。安倍政権は非常に世論を意識する政権なので、『なぜ宣言を出さないのか』という声が強まってくれば、踏み切る可能性もある。最後は安倍首相が、麻生太郎財務相や秘書官など、信頼する少数の側近と協議して決めることになるとみられています」(朝霞氏)

 31日午後、厚生労働省はSNSアプリ「LINE」などを通じて、国民を対象にした第1回「新型コロナ対策のための全国調査」に踏み出した。宣言発令の準備は着々と進んでいるのだろうか。

(文=編集部)

 

【新型コロナ】五輪延期決定後に東京都の感染者数が急増…安倍政権の“長期的対策”の欺瞞

米国シンクタンクが公表した死亡人口予測

 新型コロナウイルスパンデミック(感染症の世界的大流行)に関する衝撃的な予測がある。米国屈指の政策シンクタンク「ブルッキングス研究所」(ワシントンDC)は3月2日、新型コロナウイルスの感染拡大が今後の世界経済に及ぼす影響を予測した報告書「COVID-19による世界的マクロ経済への影響~7つのシナリオ」(便宜上、タイトルは筆者仮訳)を公表した。

 世界5大シンクタンクのひとつとして知られ、米国政府との距離も近い同研究所がまとめた43ページにわたるこの報告書のなかで、「人口への影響」に関する項目に添付された国・地域別の表には、信じ難い数字が並んでいる。下表は、そこに記された予測値一覧から、世界と日本における予測死亡人口を抜粋・並記したものだ。

 一瞥しただけで背筋が凍るシロモノである。季節性インフルエンザの場合、間接的な死亡も合算した「超過死亡概念」に基づく世界の年間死亡者数は25万~50万人と推計されているが、これは桁が違うのだ。

 同報告書でこの表とは別に目を引いたのが、後半に添付されている別表「各国死亡率」である。下表は、死者激増中のイタリアと日本における「致死率」予測データを並べたものだ。日本は、7つのシナリオにおける各々の死亡率が世界中で唯一、イタリアと同じ比率になっている(筆者注:「S」はシナリオ番号、「-」は未試算のため空欄)。

 イタリアは3月2日に死者52人だった。現在の日本と近い死者数だ。果たして、日本は大丈夫か。言うまでもなく同報告は「予測」であり、誰もがそうならぬよう回避したいと願っている。早期に治療薬やワクチン薬が開発されれば、杞憂にすぎなかったと安心することもできる。

 ただし、未解明の新型コロナウイルス・パンデミックに対する治療薬やワクチンは、開発後の治験に1年はかかることが見込まれている。短期間にすさまじい速度で感染が拡大し死者が急増する「傾斜角」をみれば、その時間はあまりにも長すぎる。

感染者数の激増で東京都も「感染爆発」に突入か

 パンデミックの猛威は日を追うごとに勢いを増している。

 本稿執筆中の3月30日17時現在、世界の感染者数は約72万3124人、死者数は約3万3986人。特に欧米では、信じられないような勢いで死者が急増中だ。イタリアは感染者9万7689人中の死者1万779人。米国が感染者14万2637人中で死者2485人。スペインも感染者8万110人中に死者6803人。

 各国ともすさまじい死亡者数だ。治療薬もワクチンも未開発、病床数や人口呼吸器具、医療物資などはすでに限界目前。補充の見通しは立っておらず、遺体を収納する冷蔵庫の空きさえない。どの国も、今のままだと医療現場が確実に崩壊する。

 感染者数・死者数の急増グラフが示す鋭い「傾斜角」と、予想される「医療崩壊」を併考すれば、冒頭に掲示したブルッキングス研究所の予測数値がにわかに現実味を帯びてくる。

 一方、日本は30日現在の感染者数がクルーズ船を含めて2605人、死者数64人。一見して、数字の上での死者数には前述の欧米各国と大差があるが、現在の数字だけでは何も判断できない。

 日本で重症化した治療中の患者が延命している大きな理由のひとつは、危うい感染リスクを抱えて必死で治療に勤しむ医療従事者の努力と充実した医療環境・高い延命治療術があるためだ。患者の力が尽きれば、いつ死者数が激増するかもわからない。

 実際、感染爆発直前の3月30日現在、日本は死者64人だが、前述のようにイタリアでは、3月2日に死者52人だったのが、わずか28日間で約207倍にまで急増したからである。

 小池百合子東京都知事は「東京は爆発的感染(オーバーシュート)の入口に差し掛かっており、封鎖(ロックダウン)寸前の重大局面に立っている」として、3月25日に引き続き、27日にも「外出自粛要請」などの継続を都民に求めた。

 しかし、感染者数が激増して200人を超えた時点で東京都は、すでに「感染爆発」に突入したとみなければならない。言うまでもなく感染拡大には地理的境界がなく、首都圏を越えて国内全体に広がる。事態は、より深刻度を増し続けているということだ。

 これまで日本は、独自の「振り分け」で分別した有症者にPCR検査を集中し、「量ではなく質」だとして「感染拡大の抑制に成功している」と国内外に公言してきた。だが、その対策は、果たして本当に功を奏したのか。相変わらず感染爆発の兆候がなければ、それは正しかったのかもしれないが、現実は日本に危機をもたらしつつある。

 そもそも、東京都が「感染爆発」で封鎖すれば、ウイルスを駆逐できても免疫はできないため、いずれは再びウイルスが還流する。ところが、後述するように、この期に及んでは「時間をかけて免疫を広めつつ、治療薬とワクチンの開発を待つ」などという時間的余裕もなくなってしまった。

欧米からも検査数の少なさに懐疑的・批判的な指摘が

 病気は検査を踏まえた医師の診断で確定する。日本では、海外渡航の有無または渡航者との接触の有無、さらには「高熱」が続く症状の有無など、感染の可能性が高い有症者しか検査を行わない方針を採ってきた。そのため、結果的に検査数は低く抑えられ、確定する感染者の絶対数も低くなる。

 事実、東京都が感染者数の急上昇を発表した前日の3月24日頃まで、日本でのPCR検査件数はわずか1万5000件。同時期の韓国では30万件余が検査済みだった。

 最近になって、欧米からも日本のPCR検査数の少なさを「おかしい」と懐疑的・批判的に指摘する声が出てきたが、国内では一部の専門家が以前から指摘して警鐘を鳴らしてきた。

 検査の範囲や数量が少なければ、膨大な検査漏れがデータから除外される。そのため、時々刻々と増えつづける感染者の実数からは遠のくばかりだ。近似値の実数を集計・分析できなければ、感染の分布を含む実態は把握できない。日本がこれまで国内外に公表してきた感染者数は、ほとんど当てにならないのである。

 これに対して、専門家からは「欧米のように検査漏れの感染者が日本に多数徘徊している、と考えるのは現実的ではない。学説に基づく致死率で死者数を割り戻せばわかる」という説明が行われている。その場合、割り戻して推定される感染者数は約6000人程度か。

 しかし、前述のように、現在治療中で表面化しない患者には人工呼吸器や集中治療室で延命中の重症者が多く、日常的な感染リスクに晒されて治療に没頭する医療従事者たちの努力と高いレベルの医療環境を持つ日本の場合、延命治療でかなりの患者がまだ持ちこたえているのが実態なのである。

 その結果、ある時期に死者数が急増すれば、その数を学説の致死率で割り戻して出た数値こそ、実は感染者数の近似値となる可能性が高いのである。前段で「いつ死者が激増するかわからない」と書いたのは、そのためだ。現在の死者数から感染者数を割り出しても、国内感染者総数の近似値は得られないのである。

 検査を抑制し続けて、結果的に感染の実態を推定できず、従って適切な致死率を割り出す母数の近似値にも向かえず、感染の地域分布も把握できない状況で、日本の執政者がなしたことは「一部休校」ではなく「全国一斉休校」という拙策だった。

重症化の原因が抗原抗体反応の過剰発生なら対策の根本的見直しも

 とはいえ、PCR検査は一時的なものであり、検査結果は「長期的な対策」の材料にはなり得ない。仮に検査結果が「陰性」と出ても、その後に感染するからである。

 PCR検査は医療現場における短期的な速攻対処であり、素早く感染者を特定して隔離・治療し、一気にウイルス感染を遮断するための判別策だ。時間が経過すれば結局、感染実態の全体像は把握できない。

 今後、感染拡大を抑えながら抗体が数年かけて広がっていけば「集団免疫」ができて、その間に治療薬とワクチンが開発されればパンデミックは終息する。日本では、厚生労働省と専門家会議が「PCR検査の抑制で医療現場における感染拡大を回避しつつ、薬の開発を待ちながら無症者間の免疫拡大を期待する」という長期的対策を立てた。

 そこには、「治療薬とワクチンが開発されれば、いずれは季節性インフルエンザと同様の伝染病として落ち着くだろう」との想定があったものと思われる。実際、免疫が拡大しないまま感染を止めてしまえば、近い将来、訪日外国人から国内にウイルスが還流し、日本は再び新型コロナ・パンデミックの危機に陥る火種を抱えることになるからである。

 ただし、新型コロナウイルスには未解明の「謎」が山積している。そもそも「感染で抗体ができれば免疫がつくから安心」という既成概念が通用しない特殊ウイルスの疑いもあり、重症化のメカニズムは「抗原抗体反応の過剰発生」によるものかもしれないという説も出始めている。風邪のコロナウイルスを抗体として持つ個体が、新型コロナウイルスの侵入を「再感染」と認識して「過剰に攻撃する」というものだ。

 いずれにしろ、東京を皮切りに国内での「爆発的感染」の兆しが濃厚になってきた現在の日本は、もはや長期的対策に固執せず「危機の脱出」を最優先せざるを得なくなってきた。

東京五輪「1年程度の延期」確定翌日に東京都の感染者数が急増

 長期的対策を考えて検査を抑制したのは専門家が考えた末での選択肢の範囲であり、無闇に責めることはできない。事態がより深刻化したことで都市封鎖(ロックダウン)に踏み切るとしても、それは仕方のないことだ。

 しかし、それらの施策がもし「不純な思惑」によるものであれば、それは明らかにされねばならない。もし、政権維持や製薬利権で「検査の抑制」や「データの改竄・隠蔽」が行われたのだとしたら、今後も同じことが起きるからである。実際、安倍政権は過去にそのようなことを何度も繰り返してきた事実がある。

 日本の「感染爆発」が本格化して死者が激増した場合、その原因が「不純な思惑による意図的な検査漏れで無症状の感染者が広まったから」だとしたら、事は単なる失策では済むまい。

 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が延期を納得表明し、安倍晋三首相とバッハIOC(国際オリンピック委員会)会長が電話協議で「1年程度の延期」が確定したのが3月24日。その翌日、小池都知事は東京都における感染者数の「公表数値」が急角度で上昇したことを公表した。その急上昇は今も続いている。

 注意深い国民にとって、この流れはとても“偶然”には見えない。まるで「オリンピック開催のために東京都と安倍政権が結託して、これまで抑制・隠蔽してきた都内の感染者数の公表を解禁したかのようだ」と疑念を抱く人も少なくないのではないか。

 PCR検査が行われてきたのは、濃厚接触者および濃厚接触者周辺の無症状の人々に限られてきた。「全国一斉休校」のような政府の迷妄は、短期・速攻の対策に使えるデータが得られなかったせいだが、それは病原体保有の有無が不明のまま有症者が医療機関を受診できず、結果、感染者が確定されなかったためだ。前述のように、政府の方針が「長期的対策」だったからである。

 しかし、それが果たして「長期的対策」だけを目的としたものだったのか、それとも水面下にそれ以外の目的が潜んでいたのか。実は、国内外に「公表」する日本の新型コロナ感染者数・死亡者数を、政府が意図的に抑えてきた痕跡がある(以下、次稿)。

(文=藤野光太郎/ジャーナリスト)

GENERATIONS数原龍友「志村けんさんも盛り上がっていこうぜ」発言が炎上、真意は?

正解のないWEBマガジン~wezzyより】

GENERATIONS公式サイトより

 今月30日、音楽番組『CDTVライブライブ』(TBS系)に生出演した「GENERATIONS」数原龍友の発言が“炎上”している。

 GENERATIONSは「ヒラヒラ」を披露したが、パフォーマンスに入る前、数原は空気を盛り上げるために<皆さん、そして天国に行ってしまった志村けんさんも僕たちと一緒に最高の笑顔で盛り上がっていこうぜ~>と煽った。

 しかし志村けんさんの訃報は30日の朝に発表されたばかりであり、視聴者から“不謹慎”との声が続出。グループのTwitterアカウントにも「謝罪しろ」「いくら何でも軽率すぎる」などといった批判的なリプライが殺到し、炎上に発展した。

JRA 武豊騎手を背に「我が道を行く」! 大阪杯(G1)でロードマイウェイが2年連続のジャイアントキリングを画策!?

 4月5日(日)、春の中距離G1・大阪杯が阪神競馬場で開催される。昨年は9番人気だったアルアインがキセキ、ワグネリアンらを抑えて優勝。ジャイアントキリングを成し遂げ、北村友一騎手にうれしいG1初勝利をプレゼントした。

 今年も馬券的な旨味を考え、昨年同様下位人気の激走を期待したいのは当然。そう考えると、前走の大敗で大きく人気を落とすと見られている、武豊騎手が騎乗予定のロードマイウェイ(牡4歳、栗東・杉山晴紀厩舎)が魅力的に見えてくる。

 ロードマイウェイは2歳の未勝利戦を勝ち上がるも、2勝目を挙げられず、春のクラシックには間に合わなかった。だが6月の国分寺特別(1勝クラス)で待望の勝ち星を掴むと、そこから破竹の勢いで4連勝を記録した。

 そして暮れにはチャレンジC(G3)に挑戦。道中中団の後ろにつけると、最後の直線で逃げ粘りを狙ったトリオンフを交わしてゴール。自身の連勝を5まで伸ばし、ジャスタウェイ産駒で初めて重賞制覇を達成した。

 今年は金鯱賞(G2)から始動。C.ルメール騎手から川田将雅騎手に手替わりしたものの、昨年の結果が評価されたこともあり、サートゥルナーリアに次いで2番人気に支持されていた。だが出遅れてしまい、その直後に他馬と接触。後方からの競馬を強いられてしまう。しかもレースは終始緩やかなペースで進んだため、末脚も不発。10着と大敗し、鞍上の川田騎手は『ゲートでうるさくて出られない形になりました』と肩を落としていた。

「出遅れに加えて、スタート直後の不利で位置取りに失敗したのがすべてでしょうね。こうなると挽回するのは難しいです。しかし、力負けではないので必要以上に悲観的になる必要もないでしょう。

大阪杯に向けての1週前追い切りは出走間隔が短いこともあり、馬なりで4F54秒9、ラスト13秒2を記録。時計はかかりましたが、迫力ある動きを見せてくれました。状態は悪くないと思います。

 今回鞍上は武豊騎手にチェンジします。武豊騎手は、G2だった時代も含めて大阪杯で7勝。現役最多の勝利数を誇る名騎手とコンビを組んだロードマイウェイの巻き返しに期待したいですね」(競馬誌ライター)

 杉山晴調教師は「東スポ」の取材に「自分のリズムで運んだほうがいいタイプ。スタートを決めて、いい位置で流れに乗る形が理想です」と希望を語っている。その馬名の由来通りにロードマイウェイが、「我が道を行く」ことができれば、勝機も見えるはずだ。

近大附属中高はネットで学習継続、花まるはZoom自学室…問われる学校の存在意義

 新型コロナウイルス肺炎の拡大予防措置として、全国の小中高等学校などで一斉休校措置が取られて1カ月。ネット上ではさまざまな学習コンテンツが無料で公開され、ネット環境さえあれば自宅にいながら学べるということが証明された今、未来の教育の姿を模索する動きが始まっている。学校や塾など教育現場ではどんなことが起きていたのか。近畿大学附属高等学校・中学校と花まるグループのスクールFCの取り組みを取材した。そのなかで見えてきたこととは――。

ICT教育に力をいれてきた学校では、休校措置にもスムーズに対応できた

 一斉休校措置が発表された翌週3月2日から、休校に踏み切った近大附属中高。その際、生徒に対して行ったのは、「通常通り、学校からの連絡システムに必ず目を通すこと」という1本のメールを送信するだけだった。休校中の学習は、双方向の連絡システムを活用して、e-ラーニング教材の視聴範囲やYoutubeのURLが提示され、オンライン上でレポートを提出したり、確認テストを行ったり、各教員が必要に応じて対応をしているという。

 しかし、こういう事態に一番担保しなくてはいけないのは、生徒の精神的安定と心理的サポートだ。そこで、オンライン会議システムを使用してホームルームを行ったり、なかには、生徒たちの希望により、リアルタイムのオンライン授業を行った教員もいる。このように、休校中でもクラウド上で学校運営が続けられているのだ。

 このようなスムーズな運営ができているのは、教員も生徒もICTの活用に慣れていたから。同校は、2013年から全校で一人一台のipadを導入して以来、すべての生徒、教職員が24時間365日双方向にやりとりできる通信システムを活用した学校運営を実施してきたICT教育のトップランナーだ。

 そこで、同校の教育改革推進室長 乾 武司教諭にICT教育の可能性について話を聞いた。

ICTの活用で、学校の存在そのものの意義が問い直される

 日常的に、オンラインでの双方向のやり取りに教員も生徒も慣れていたので、本校では急な休校装置にも、慌てずに対応ができました。今回明らかになったのは、ICTを使った学校運営をスムーズに行うためには、

(1)双方向のオンライン通信システムが確保されていること。

(2)24時間使える一人一台のデジタル端末があること。

(3)常日頃から教員生徒双方のICT活用スキルが磨かれていること。

 この3つが欠かせないということです。いきなり学習ツールだけあてがわれても、十分な学習活動は行えないのではないでしょうか。今後もこういうことが起こりうる可能性はあるし、子どもたちの学ぶ場所を確保するためにも、学校は教育に対する認識を新たにしていく必要があると思います。

 なぜなら、ICTの活用は学校の存在そのものの意義が問い直されることになるからです。この休校措置で、生徒たちは学校に来なくても勉強できるということに気づき始めていると思いますし、我々も生徒たちはいろいろなリスクを負って学校に通ってきているということに改めて気づきました。情報を伝達するだけなら、学校に来る必要はないのですから、学校での教育活動は、あえて学校に集まるだけの意味のあるものにしなくてはと感じています。

 実際本校ではICTの導入を進めた結果、生徒主体の学び合いが活発に行われるようになっています。実は、導入当時は、学習目的で使用していたわけではなかったのですが、自由に使える端末があると生徒たちが勝手に自分で情報収集をして学びだしました。その様子をみていて、先生はなんのために存在するかを、否が応でも考えさせられたのです。

 私は、学びの主体が生徒である以上、しんどい思いをするのは生徒であるべきだと考えるようになりました。そこで、単元を細分化し、担当セクションについて、生徒が事前に調べて資料をまとめて授業を行うというスタイルに変えました。教師は教えるのが好きなのでつい教えたくなりますが、生徒に委ねてみたら前よりずっと主体的に勉強するようなったのです。

~以上、乾先生のコメント~

教育×ICTで、子どもたちの多様な才能が開花する可能性

 ICT化によって、もたらされたもう一つの気づきは、生徒の隠れた才能が見えてきたこと。インプットだけでなくアウトプットが多様化することで、今まで引き出さなかった力を引き出せるようになったという。

「これまでの教育では、覚えて書く力に秀でている子どもだけが評価されてきましたが、今は動画で発表するなど表現も多様化していて、そこでは、総合芸術の力が求められます。また、教室では、今までは黙って授業を聞くことが要求されてきましたが、双方向の授業になれば、発信が得意な子が活躍するようになります」(乾先生)

 学校でのICTの活用によって、児童・生徒の主体性や多様性が引き出されるという話は、前回の記事で渋谷区立西原小学校の手代木校長も指摘した視点だ。

Zoomを活用したオンライン自習室という取り組み

 では、塾業界では、どのような動きが起きているのだろうか。学校と同様に大手を中心に休校措置を取るところが多かったが、なかにはオンライン会議システムを活用して対応したところもある。花まるグループの中学受験塾、スクールFC代表・松島伸浩さんに話を聞いた。

「政府の発表を受けて、3月2日から我々も2週間の休講を決めました。しかし、子どもたちが、家でストレスを抱えたり生活が乱れたりすることが予想できる中、課題を出すだけでいいのか、何かできることはないのかと考えて、急遽オンライン自学室を開講することにしました。」(松島さん)

 活用したのはZoom新型コロナウイルスで一挙に需要が高まっているといわれている会議システムだ。どのようにやっているのか、筆者もオンライン上で参加してみた。

 指定されたURLから会議室に入ると、自宅のさまざまな場所で勉強をしている10名ほどの子どもたちとその様子を見守る講師の様子が画面に映し出されていた。全員マイクをミュートにしているので音はしないが、様子を見ていると皆思い思いの場所で静かに勉強をしているようだ。2名の講師がその様子を見守り、必要に応じて声をかけたり、生徒からの質問に対応する。質問があるときには、子どもはマイクをオンにしてホスト役の講師に声をかる。すると、ホスト役の講師が、Zoomのブレイクアウトセッション機能を使って、担当の先生と子どもを個別のセッションルームに移動させ、そこで1対1の個別指導が行われるという仕組みだ。

 自分ひとりだと続かない勉強も、友達が勉強している様子が映っていると頑張ろうという気持ちにもなるのだろう。自学室は毎日午前10時から19時まで開けられているが、毎日200名ほどが利用している。規則正しい生活リズムを確保できると、保護者からも好評だ。

離れていてもつながっている空間の中で、自ら勉強する習慣が身につく

「もともと、『自学できる子を育てる』ということを指導理念の一つに掲げていて、普段から1年中自学室を開放しています。また、授業の合間にも自分で勉強する自学タイムを設けています。必要に応じて質問等に答えながら、自ら勉強する習慣を身に着けさせたいという思いから、やっていることですが、こういう学びを止めたくないと思いから、オンライン自学室という発想が生まれました」(松島さん)

 4日間で生徒・保護者・社員向けのマニュアルをつくり、3月4日から始まった自学室。運営側も不慣れでバタバタしている中、10時の開講と同時に会議室に入り始めた子どもたちは、特別な指示も出さないうちに勝手に自習を始めたという。その様子を見ていて、「自ら進んで勉強する子を育てたいという我々の理念が子どもたちに届いていると感じて、嬉しかった」と松島さん。もともと自分で計画を立てて勉強するという習慣が身についていたからこそ、オンライン自学室という試みも、うまく機能したのだろうが、離れていてもつながっている感覚を持てるオンライン自習室というこの試みは、教育の新しい可能性を開く扉になるのかもしれない。

ICT化は、100年前から変わらない学校の姿を変える

 2つの事例から、見えてきたことは、学びの主体者は子どもたちであり、大人が信じて任せれば、子どもたちは持っている力を発揮し始めるということ。そして、それを後押しするのが、ICTのさまざまな機能だということだ。

 前述の乾先生は言う。

「日本の教育現場へのICT機器の導入を遅らせてきたのは、『学校の中でしか学べない』という思い込みが強かったことと、教える側と教わる側のヒエラルキーを崩さないという圧力が強かったからです。教育の世界では、先生以外からは教わる手段がなかった明治時代から変わらない情報伝達システムが今も行われています。しかし、今は誰からでも学べる時代です。日常的に教育現場でICTが活用されるようになると、いっきに教育改革が進むのでは」

 今回の取材を通して、教育×ICTがもたらす可能性に改めて気づかされるのと同時に、これが今後学校のあり方や学び方を根底から変える起爆剤になるのかもしれないと感じた。

 思ってもみない事態が起こったときに、自分で考えて行動できるかどうかは、日頃から主体的に取り組む経験があるかどうかにかかっているが、管理だけをしていたら、決して主体性は育まれない。国が打ち出した、一人一台の端末を持たせるという「GIGAスクール構想」が、日本の教育を変える起爆剤になりうるかどうかは、大人たちの「子どもは管理しないと何もできない」というブロックを外せるかどうかにかかっているのかもしれない。

(文=中曽根陽子/教育ジャーナリスト、マザークエスト代表)

●中曽根陽子/教育ジャーナリスト、マザークエスト代表  

教育機関の取材やインタビュー経験が豊富で、紙媒体からWEB連載まで幅広く執筆。子育て中の女性に寄り添う視点に定評があり、テレビやラジオなどでもコメントを求められることも多い。海外の教育視察も行い、偏差値主義の教育からクリエイティブな力を育てる探求型の学びへのシフトを提唱し、講演活動も精力的に行っている。また、人材育成のプロジェクトである子育てをハッピーにしたいと、母親のための発見と成長の場「マザークエスト」を立ち上げて活動中。『一歩先いく中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』(晶文社)、『後悔しない中学受験』(晶文社出版)、『子どもがバケる学校を探せ! 中学校選びの新基準』(ダイヤモンド社)など著書多数。ビジネスジャーナルで「中曽根陽子の教育最前線」を連載中。

オフィシャルサイトhttp://www.waiwainet.com/

マザークエスト https://www.motherquest.net/

「星プロ」が、少女の想像をかなえる “お花とおしゃべりマシン”を開発

NTTドコモは3月25日、子どもたちの未来や夢を描く力を応援する、創作絵画コンクール「ドコモ未来ミュージアム」のスピンオフ企画として、星P(星野源さん)率いる星プロメンバーが独自に設定した「星プロ賞」を決定し、受賞作を実際にプロダクト化したと発表した。

同企画は、「星プロプロデュース道 子どもの想像力を実現してみた! Supported by ドコモ未来ミュージアム」のタイトルで、2019年12月に始動し、星プロ賞には沖縄県在住の喜屋武いつきさん(3歳)の「お花とおしゃべり」を選んだ。
いつきさんの想像を実現したプロダクト「お花とおしゃべりマシン Powered by モンジュウロウ」は、星プロメンバーのモンジュウロウをモチーフに、おしゃべりやコミュニケーション、花占い機能を搭載。マシンの声は、テレビCMでモンジュウロウ役を務める浜辺美波さんが担当している。

同日特設サイトでは、企画の紹介や、いつきさんにマシンを披露した様子などを映像化したウェブ動画を公開した。
いつきさんは、マシンのサプライズ訪問に戸惑っていたが、会話を続けるうちに打ち解け、マシンの花に水や光を与えるなど笑顔で楽しんでいた。

 

「星プロ」が、少女の想像をかなえる “お花とおしゃべりマシン”を開発

NTTドコモは3月25日、子どもたちの未来や夢を描く力を応援する、創作絵画コンクール「ドコモ未来ミュージアム」のスピンオフ企画として、星P(星野源さん)率いる星プロメンバーが独自に設定した「星プロ賞」を決定し、受賞作を実際にプロダクト化したと発表した。

同企画は、「星プロプロデュース道 子どもの想像力を実現してみた! Supported by ドコモ未来ミュージアム」のタイトルで、2019年12月に始動し、星プロ賞には沖縄県在住の喜屋武いつきさん(3歳)の「お花とおしゃべり」を選んだ。
いつきさんの想像を実現したプロダクト「お花とおしゃべりマシン Powered by モンジュウロウ」は、星プロメンバーのモンジュウロウをモチーフに、おしゃべりやコミュニケーション、花占い機能を搭載。マシンの声は、テレビCMでモンジュウロウ役を務める浜辺美波さんが担当している。

同日特設サイトでは、企画の紹介や、いつきさんにマシンを披露した様子などを映像化したウェブ動画を公開した。
いつきさんは、マシンのサプライズ訪問に戸惑っていたが、会話を続けるうちに打ち解け、マシンの花に水や光を与えるなど笑顔で楽しんでいた。