パチスロ新台『サラリーマン番長2』の概要が判明!「限界突破」で大量出玉の「大チャンス」到来!! 


 展開のカギを握るのは轟と鏡の「共闘」。4月20日のデビューを予定している大都技研のパチスロ新機種『押忍!サラリーマン番長2』、その概要が遂に明らかとなった。

 出玉増加の主軸はAT「頂RUSH」で、主な突入ルートは「番長ボーナス」と直撃抽選の2つ。番長ボーナス突入契機はマップによる抽選やチャンス役……と基本的には前作を踏襲しており、本機では新たなCZ「特命」と「ハンコ」による抽選が追加された。

 特命へは払い出し時にピキーンと音が鳴る「押忍!弁当」を機に突入し、5G+α間、漢気目、即ちリーチ目出現率が大幅アップ。ハンコは前作のAT中にもあったシステムで、中段ベル入賞→10個到達で状態昇格やボーナス抽選が行われる。

 演出の流れも前作と同様で、「雫ステージ」や「剛天ステージ」はアツいゲーム数及び高確以上滞在を示唆。「営業会議」はフェイクを含めた前兆ステージで、最終的に対決演出等を経て当否がジャッジされる。

 対決演出は主に支社と本社の2つに分けられ、支社は「入札競走」「熊相撲」、本社は「大食い」「商談」のそれぞれ2パターン。基本的には轟が支社、鏡が本社対応で、轟が本社、鏡が支社に出張した場合はチャンスアップとなる。

 また、2人が共闘した場合は大チャンスで、「フェスティバル」「大脱出」のいずれかに発展。お馴染みの「次回予告」も健在で、「剛天交渉」は発生した時点でボーナス以上が確定すると思われる。

 ボーナスはジャッジ3回突破でAT確定。ATは前作と異なり差枚数管理型で、初期枚数は100枚+α。ボーナスと同じく1G純増は約3.0枚で、消化中はチャンス役やハンコ10個到達などを機に枚数上乗せ抽選が行われる。

「現在の残り枚数」はリール左のメーターで表示され、「残り250枚~230枚」「残り150枚~130枚」「残り50枚~0枚」の間は、『サラ番』の代名詞ともいえる「頂SRUSH」の高確率状態へ移行。「残り300枚」を超えた場合は「限界突破」となり、「頂総決算ボーナス」がスタートする。

  なお、AT中ボーナスの一部で突入する「絶頂RUSH」継続中は毎ゲーム差枚数上乗せ。フリーズor強弁当箱で発動する「超番長ボーナス」は、当選時点でAT複数セット獲得&消化中はチャンス役や7揃いで差枚数が加算される。

JRA大阪杯「関東馬20連敗」の傾向は今年も? ブラストとダノンは大丈夫か……過去の傾向から浮上する「意外な激走馬」とは

 当サイトでも何度か紹介しているが、大阪杯は関東馬にとって鬼門のレースだ。G2時代を含めて現在20連敗中で、グレード制ができた1984年以降まで遡っても、サクラユタカオー、タイキブリザード、サイレントハンターのわずか3勝しかしていない。最後に勝利したのは1999年のサイレントハンターだが、2000年以降のべ48頭の関東馬が出走し、すべて敗退している。

 今年の大阪杯はブラストワンピースダノンキングリージナンボーサトノソルタスと4頭の関東馬が出走。中でもブラストワンピースとダノンキングリーは上位人気必至の有力馬だ。過去20年の“呪い”を払しょくできるか、それとも同じ運命をたどるのか。過去の関東馬のデータから探ってみた。

 この48頭を見てみると、実績も成績も厩舎も騎手もバラバラ。重賞2連勝で挑んで敗退したアメリカンボスや、天皇賞(秋)優勝馬スピルバーグであっても牙城は崩せていない。しかし勝利まであと一歩、2着に好走した6頭に関してはそれなりの統一性が見られた。その傾向は以下の通り。


(1)関西への遠征経験がある

(2)芝1800~2200mで2勝以上

(3)芝2000m以上で勝利

(4)全3勝以上

(5)前走の馬体重はプラスマイナス8㎏以内

(6)前走5着以内

(7)外人騎手か関東所属騎手からの乗り替わり

(8)前走は12~2月のレース

(9)上がり最速か2位で勝利が2度以上

(10)馬体重476㎏以上


 以上の要素はいわゆる「経験、実績、鞍上、距離適正、素質、レース間隔」だろう。しかし、今年の関東馬4頭でこの10個すべてに該当するのはゼロだ。

 まずダノンキングリーは4つ足りない。芝2000m以上で勝利がなく、前走は3月のレース、前走に続いて横山典弘騎手が騎乗なので、ここは乗り替わりではない。そして450㎏台の馬格もマイナス。

 ブラストワンピースは2つ足りない。前走に続いて川田将雅騎手が騎乗なので、乗り替わりではないのは減点。さらに前走は凱旋門賞前の札幌記念よりプラス10kg。成長分とも判断できるが、データ的にはマイナスだ。

 サトノソルタスは5つ足りない。関西への遠征経験がなく、全2勝も足りず、乗り替わりも無し、前走は3月のレースでローテーションもアウト。そして上がり最速での勝利実績もない。

 ジナンボーは2つ足りない。小倉遠征の経験はあるが、関西への遠征経験がないのは残念。さらに前走プラス20㎏も減点と言わざるを得ない。

 結果的に4頭すべての関東馬が条件を満たせなかったが、その中でも魅力的なのは減点2で済んだジナンボーか。関西への遠征経験がないが、小倉で結果を残しており、前走プラス20㎏もここ最近の成長を見れば、むしろ頼もしい。

 ディープインパクト×アパパネという三冠配合の超良血馬が、2度目のG1挑戦でついに本格化するか。20連敗中の関東からの刺客は、意外な伏兵かもしれない。

甘デジで「最強マシン」が降臨!「特定のホール」でしか打てない「プレミアム限定機」!!【激アツ新台実戦JUDGEMENT】

 ホットな新台をユーザーの感想を交えつつ掘り下げていくこのコーナー、【激アツ新台実戦JUDGEMENT】。

 今回のピックアップマシンは、特定の店舗でしか打てないスーパーレアバージョンとなる2019年最強マシンの甘デジタイプ『PAぱちんこ新・必殺仕置人TURBO GORAKU Version「PB機」』(以下、仕置人ターボ)だ。

 ただ、今回はいつものようなユーザーの感想・意見と実戦を交えた評価・分析ではなく、「注目すべき事象」として本機を捉え、議論を展開していきたい。

 さて、あの『仕置人』に甘デジタイプが登場した。しかし、PB機としてである。

 ご存知の方も多いと思うが、ここでPB機について説明しよう。PBとは「プライベートブランド」の略で、広義においては小売店・卸売業者が企画販売する独自ブランドの商品である。身近な例だとセブンイレブンが展開する「セブンプレミアム」など、高品質を市場より低価格で提供できる。

 これをパチンコに置き換えると、「ホール自らが独自のパチンコ機・パチスロ機を作る」ということになる。

 ただ、「独自」といっても完全にオリジナルで製作するパターンは少数で、各メーカーがリリースした既存機種に新規演出を乗っけて特別なスペックで市場投入するのが主流となっている。今回の『仕置人』のように。

 手掛けたのはダイナム。同社はパチンコホール運営のリーディングカンパニーとしてそのスケールメリットを活かし、かねてよりPB機に力を入れ、断続的にPB機をリリースしてきた。今回はその取り組みがある意味、結実したのである。

 あまり話題になっていないのが不思議であるが、この『仕置人ターボ』は前代未聞の画期的なケースとなる。

 なぜなら、2019年のパチンコシーンにおいてもっとも話題をさらい、人気投票など各メディアのコンペティションで必ずベスト3には名を連ねるという超ビッグタイトルを甘デジ部門において独占販売しているからである。

 つまり、現状では『仕置人』の甘デジを打ちたければ基本的にダイナムに行くしかないのである。これまでも『海』シリーズや『冬ソナ』、『エヴァ』など大物機種のPB機は存在したが、同時リリースや後発販売など、たいていは「オリジナル」と共存する形態であった。

 しかし、この『仕置人ターボ』においては、京楽から同様の機種が新製品として登場していないのである。業界最多店舗数を誇るダイナムだからこそ成し遂げられたとはいえ、歴史的な現象といえるのではないだろうか。

 もちろん、今後ダイナムPB機以外の『仕置人』甘デジバージョンがリリースされる可能性も低くないが、この状況ならば最低でも3ヶ月はリリース時期を遅らせるような契約が取り交わされていると想像できる。

 ここでお待ちかね、『仕置人ターボ』の詳細について話題を変えよう。

 本機は6段階の設定が搭載された突破型V-STである。大当り確率は1/99.9(設定1)~1/92.9(設定6)、ヘソでの確変割合は1%だが電チュー抽選時は100%となっている。要は、初当り後に移行する時短を引き戻すことによって高確率連チャンモード「真仕置CRASH TURBO」に突入させ出玉を増やすゲーム性である。

 時短「出陣チャンス」は40回転で、引き戻し率は33.1~35.1%と少々高めのハードルとして設計されている。しかし、100回転のST(真仕置CRASH TURBO)は90.2~91.8%という破格のループ率となるので、兄機『仕置人』以上の連撃を味わうことができるのである。

 しかも、速さも兄機譲りで、本機のいたるところに差し込まれる「TURBO」の名に恥じぬスピード感あふれる仕様となっている。また、ST中の演出もタイプの異なる3種類が選べるようになっていて、単純な縮小版とは一線を画した充実の内容となっている。

 打つ機会を限定された超ビッグコンテンツの甘デジ、激アツである。

(文=大森町男)

JRAダービー卿CT(G3)柴田善臣「それなのにあれだけの脚を使ってくれた」伏兵・ペプチドバンブーが『超絶』万馬券を演出する理由

 4日に中山競馬場でダービー卿CT(G3)が開催される。過去10年で、1番人気馬の勝利は稀代のマイル王・モーリスのみ。荒れるハンデ重賞は、今年も一波乱ありそうだ。

 その波乱の立役者になりうるのが、最軽量ハンデのペプチドバンブー(牡5歳、栗東・武英智厩舎)だ。

 デビューから芝レースを使われてきたペプチドバンブーだが、なかなか勝ちきれず7戦目で初のダート戦に出走した。ダート替わりは効果てきめん。いきなり未勝利戦を突破する。

 その後はダートを主戦場として、1勝クラスでは惜しい2着を2回挟み、3戦目で勝利した。続く2勝クラスも初戦は、10着と凡走に終わるも、2戦目で突破。ダート転向後は【3,2,0,1】と抜群の成績を残す。

 だが、3勝クラス初戦で選んだレースは芝1400mで行われる雲雀S。これまでダートで成功した馬が、再度芝レースへの「意外」な復帰となった。レースは最後方から進み、直線で追い込むも7着に終わる。久々の芝レース、12番人気の低評価だったこと考えれば、健闘した結果ともいえるだろう。

 この敗戦を受けてダートに戻ると思いきや、陣営が下した決断は再度「芝レース」への挑戦だった。

 そして3月に中京競馬場の芝1600mで行われたトリトンS(3勝クラス)に出走。レースは後方から追い込みを決めて見事勝利した。これでペプチドバンブーは、芝レース初勝利とともにオープン入りを果たす。

 トリトンS当日の馬場状態は「不良」。ペプチドバンブーの勝因は馬場状態にあったという見方がある。

 しかし、勝因は馬場ではないのかもしれない。

「2走前の7着に敗れた雲雀Sで騎乗した柴田善臣騎手は、4コーナー手前でムチを落としてしまったそうです。この結果に柴田騎手は『それなのにあれだけの脚を使ってくれたし、まともなら勝負になる。芝の走りはいい』と能力の高さと芝への適性を認めています。そのため、前走の勝利は馬場が向いたわけではなく、“ある意味”期待通りだったというわけです」(競馬記者)

 実際に雲雀Sの映像を確認すると、たしかに直線で柴田騎手がムチを入れている素振りは見られない。それでも直線での末脚は目を見張る。ダービー卿CTは最軽量ハンデの54kgのため、十分に風穴を空ける期待ができるだろう。

 3日時点の『netkeiba.com』の予想オッズで、ペプチドバンブーは10番人気・単勝39.7倍想定の伏兵だ。

 天気予報通りにいけば、レースは「良馬場」で行われることが予想される。それでも、“期待通り”ならば、ペプチドバンブーが芝レース2連勝を決め、波乱の立役者になるかもしれない。

ソフトバンク、行き詰まり、財務内容へ懸念広がる…投資先企業の経営が急速に同時悪化

 投資家の間で、ソフトバンクグループ(SBG)の業績と財務内容への懸念が高まっている。多額の投資によって成長を実現する、同社のビジネスモデルの実力が問われているといえる。

 昨年、SBGは米シェアオフィス大手ウィーカンパニーの新規株式公開(IPO)の延期などで多額の損失が発生した。また、世界中で新型コロナウイルスの感染が拡大し、SBGの投資先企業の経営が急速に悪化している。

 最大の問題は、いつ新型コロナウイルスの感染がピークを打ち、収束に向かうかだ。新型コロナウイルスの感染拡大によって、2020年の世界経済全体の成長率はマイナスに陥る可能性がある。比較的短期間で感染の影響が収まったとしても、短期的にV字回復は期待しづらい。逆に、感染が長期化すれば世界経済にはより深刻な影響があるだろう。先行きの不確実性が急速に高まるなか、業績、財務内容、信用力などの下振れリスクにどう対応するか、SBGの経営は重要な局面を迎えている。

SBGの利得確保の遅れ

 昨年以降、SBGが高値で資産を取得し、結果的に利得の確保(利食い)が遅れていると懸念する市場参加者が徐々に出始めた。投資によって利得を手に入れるためには、株式などに安値で投資し、価格が上昇したところで徐々に売却することが重要だ。当初、SBGは創業者である孫正義会長兼社長の指揮の下でこの投資の哲学を徹底していたように見えた。

 SBGでは、孫氏がアニマルスピリットあふれる企業家を発掘し、かなり初期段階から投資を行ってきた。よい例が中国のIT大手アリババ・グループだ。孫氏は創業の初期段階でネットワークテクノロジーの革新性に惹かれたジャック・マーの企業家としての資質を見抜いた。孫氏の“眼力”を頼りにSBGはアリババに出資し、その後の成長や株価の上昇などを通して莫大な利得を手に入れた。未上場企業への投資は、安値で投資を行う良い例といえる。アリババの株価上昇などは、SBGの業績と財務を支える大きな柱の一つにまで成長した。

 ただ、2017年頃から、SBGの投資スタンスには変化の兆しが出始めたと考える市場参加者は徐々に増え始めた。どういうことかといえば、創業後間もない企業の発掘に注力するよりも、高値圏にあると考えられる未公開企業の株などを取得することが増えた。2017年の米ウィーカンパニーへの出資はその一例だ。

 背景には、複合的な要因があっただろう。まず、SBGが投資によって成長するためには、ライバルよりも有利な成果を実現しなければならない。そのため、どうしても世界が注目する企業への出資を行わざるを得なかったのだろう。また、世界的な“カネ余り”の影響もあったはずだ。低金利環境が続くと多くの市場参加者が先行きを楽観し、世界全体で株価は“上がるから買う、買うから上がる”という様相を呈した。本来ならSBGは株価が高値で推移する環境を利用して資産を売却し、利得の確保とリスクの削減に努めてもよかっただろう。しかし、SBGは投資による高い成長の実現を優先し、高値掴みが増えるとともに利食いが遅れてしまった。

SBGのリスクの上昇と管理体制への懸念

 投資によって長期の成長を目指すためには、強欲になりすぎず、保有する資産を高値で売却し、現金を着実に増やすことが重要と考えられる。それがリスク(予想と異なる結果)への対応余地を増やすことにつながる。

 ウィー社の高値掴みを境に、SBGのリスク管理体制は重要な局面を迎えたと考えられる。つまり、想定外の事態が発生した場合に、収益と財務内容をどう維持するかという重大な問題に直面した。昨年、ウィーカンパニーがIPO申請を取り下げて以降、SBGは環境の変化に思うように対応できていないように見える。同社はウィー社に関して「救済は例外」と表明した。同時に、当時、世界経済の不確定要素は増えつつあった。本来なら、投資資金の回収=保有株式などの一部売却を検討しても良かったはずだ。

 その後、SBGは金融支援やウィー社への経営陣の派遣を行い、経営再建にコミットした。見方によっては、SBGにとってウィー社への投資負担が大きく、投資資金を回収しようにも簡単にはいかない状況に陥ってしまった可能性がある。

 その上、2020年1月以降、新型コロナウイルスの感染が世界的に広まった。世界全体で需要と供給が大きく低下し、金融市場では株式、債券をはじめ価格変動リスクのある資産への投げ売りが起きた。これは、SBGにとって想定外の展開だろう。

 SBGは市場環境の急変に対応するために、複数の対策を発動した。4.5兆円規模の資産売却や自社株の買い取りがすでに発表されている。また、一時、同社は非上場化まで検討していたと報じられた。実現の可否は別にして、非上場化はステークホルダーの数を減らすことで迅速な利害の調整を目指し、抜本的な改革を進めるために重要な手段ではある。経営環境の急変に対する危機感はかなり強い。

 同時に、投資先企業のなかには経営破綻に陥る企業が出始めた。3月27日には、SBGが50%程度の株式(金額にして約2000億円)を保有するとみられる通信衛星企業のワンウェブが米連邦破産法11条(チャプター11)を申請した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響から金融市場が混乱し、同社は資金調達を続けることが難しくなってしまった。

先行き懸念高まる収益・財務内容

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、世界経済の先行きは非常に読みづらくなった。ワンウェブは通信衛星を打ち上げることによって通信サービスの提供を目指した企業だ。新型コロナウイルスの感染が広まるまで、5Gをはじめとする高速通信サービスの普及は、世界経済の成長を支える一つの原動力として市場参加者の関心を集めた。そうした見方が維持できなくなるほど、新型コロナウイルスは世界全体で人の移動を寸断し、需要と供給を落ち込ませている。

 今後の焦点は、どの程度の期間で感染が収まるかだ。いつそうなるかが、かなり見通しづらい。短期間で日米欧など世界各国の感染が収束し、人々の日常生活が通常に戻ればよいが、各国の状況を見ていると楽観できない。世界経済がかなり混乱する可能性は高まっている。

 今後の展開に次第では、収益と財務内容の両面でSBGはさらなるリスクに直面するだろう。追加の資産売却など、同社の事業内容が縮小均衡に向かう可能性は高まりつつある。世界的な需給の寸断を受け、各国の企業業績の悪化は避けられない。すでに財務内容が悪化してきたウィー社のようなケースにおいては、市場参加者のリスク削減などの影響を受け、資産を売却しても資金繰りが追い付かなくなる恐れがある。

 他のSBGの出資先に関しても、ネットワークテクノロジーを用いてグローバルな人の移動(動線)を整備し、そこから付加価値を得ようとしてきた企業が多い。感染対策のために各国が国境を封鎖し、主要都市の封鎖までもが増えている。民泊やライドシェアをはじめITを用いた需給のマッチングによって付加価値を目指してきた企業が付加価値を生み出すことは難しくなっている。それはSBGにとって大きなリスクといえる。

 また、SBGは大手銀行などからの借入によって投資を積み増してきた。SBGの経営体力の低下は、国内の大手金融機関の業績などにも無視できない影響を与える。どのように経営体力を維持するか、SBGは正念場を迎えていると考えられる。孫氏を中心に同社がリスクにどう対応して利害関係者との関係の維持・強化を目指すかに注目が集まるだろう。

(文=真壁昭夫/法政大学大学院教授)

無料予備校「ただよび」、ユーチューブで開校…元東進カリスマ講師・吉野敬介氏が校長

“タダでしょ!”が“今でしょ!”を凌駕するか。

 ユーチューブにおいて4月6日から、無料の予備校が始まる。その名も「ただよび」。予備校のヘッドマスター(校長)は、吉野敬介氏。中学時代から暴走族となり特攻隊長にまでなったが、失恋をきっかけに20歳で大学受験を志し、國學院大學文学部に合格。4ヶ月の猛勉強で25だった国語の偏差値を86にまで上げた経験にもとづき、30年もの間カリスマ講師として予備校の教壇に立ち約100万人を合格に導いてきた。

  吉野氏は「ただよび」への思いを語る。

「たとえば今年、東進ハイスクールから800人くらい東大に入ってますけど、750人くらいは特待生で1年間ほぼ無料で授業を受けているわけです。それまで頑張って優秀な成績を出してきた彼らを責める気はまったくないけど、そういった不平等があるわけですよ。予備校って、年間80万円くらいかかります。30前後で結婚して子どもが17、18歳っていうとお父さんは40代じゃないですか。40代で80万円ってけっこうでかいですよね。

 世の中って、すべてのことが不平等じゃないですか。生まれながらの容姿でも生きていく上で損得が出る。もともと頭のいい奴もいれば、運動神経のいい奴もいる。だからせめて、大学に入るまでの勉強は無料にできないかっていうのは、ずっと考えてきたんですよ。全国で俺は講演してきてますけど、都市と地方の教育環境の格差っていうのはすさまじいものがある。日本はもはや格差社会じゃなくて階級社会ですよ。教育はすべて無償化されるべきだけど、消費税ばっかり上げられちゃって何にもしてくれない。だから自分でできることで、無料の予備校をやろうと思ったわけです。ユーチューブだったら、全国どこにいても見られるわけですから」

 代々木ゼミナールや東進ハイスクールでトップの人気講師だった吉野氏は、ユーチューブでどんな挑戦をするのか。

「地方に公開授業に行ったりすると、先生の大ファンですみたいな生徒が来るんだけど、話してみると映像の授業を1.5倍速で見てるっていうんですよ。90分授業があれば、10分くらい雑談するんだけど、そこだけ普通の早さで見てるとかって言う。『逆だろおまえ』って呆れるんだけど、90分座って授業を受ける時代じゃなくなってるんですよね。

 基本的に授業は10分にします。『む』の識別で10分、『る・らる』の識別で10分という形でやります。長文を90分やる時もありますけど、その時は文法はもう頭に入っているという形。もし分からない部分があったら、もう一度、文法の10分を見ればいいし、分からないところは何度も見ればいい。10分だったら電車の中でも見られるし、効率いいんじゃないかな思うんですよ。

 今、授業の撮影とかを進めてるんですけど、やってみて気づいたのは、タダっていうのは本当に難しいということ。普通の予備校だったら、親が金払ってくれてるからってことで、しょうがないから授業受けるかっていうこともあるでしょう。でもタダだとつまんなかったら見るの止めようってすぐなっちゃう。絶対に飽きさせない授業をしなきゃいけないわけです」

 ユーチューブで無料で見られるなら、社会人にとっても恩恵ではないだろうか。大人になってから「徒然草」「源氏物語」「平家物語」などを原文で読んでみたいと思う者も多いはずだ。

「源氏物語の54帖を、普通の人が読んだら1年くらいかかっちゃう。それをおもしろおかしく話してあげるということもできると思います。将来的には、古文にとらわれず、いろんなことをやりたいんですよ。今、日本語を習っている外国人が、350万人くらいいる。そういう人たちに向けて日本語を教える講座もやりたいですね」

英語の担当は森田鉄也氏

 英語を担当するのは、慶應大学、東京大学大学院で英語学や言語学を学んだ、森田鉄也氏。河合塾、東進ハイスクールで教壇に立ってきたカリスマ講師だ。

 森田氏が「ただよび」への思いを語る。

「今、リスニングが重視されてくるのに、多くの学校の先生はそもそも教え方も分からない。自分たちが習ってきてないんで、やれって言われたって無理なんです。僕は、国際的な英語の教え方の資格を取ってます。世界では当たり前の教え方なのに、日本でやると奇をてらってるように扱われるんです。日本は、他の言語と比べ英語教育が一番最初に進んだ分、一番遅れてるんです。一番最初のやり方をずっと続けてる。そういう状況に一石を投ぜられればいいと思っています」

 日本人が学習する時に困難に感じることの1つは、日本語と英語との語順の違いだ。フランス語、スペイン語、イタリア語などのヨーロッパの言語は、英語とほとんど語順が同じ。それらの言語圏の人々は単語を覚えて入れ替えるだけで英語を習得できる。世界的な英語の教え方は日本人にも通用するのだろうか。

「国際的な教え方というのはどこの国の人、どの言語の人にも通用するので、語順の違いということもクリアできます。だけど、その分きちんと基礎をやらないといけないですよね。大学入試の時に、文法だったり読解に関してはえらく難しいことをやってるのに、ライティングに関しては本当にダメなんです。これは、東大・早慶レベルだろうと関係ない。基礎がまったくできてなくて、読解問題とライティングの問題の差がむちゃくちゃ開いてるんです。

 せっかくいろんな教え方を習ってきたんで、それができる機会がやっと来たかなと思ってます。学校の先生たちが見ても、こういうふうに教える方法があるんだなっていうことが分かります。動画を学校の授業で使ってもらっても構いません。予備校というのは、自分のところに来なければ情報を出さないという隠す文化ですけど、『ただよび』は無料で公開されます。大学入試では、英語4技能(聞く・読む・話す・書く)が使用可能な入試もありますが、地方に行ってみると多くの先生たちはどういった試験なのか分からないという状況です。そういう先生たちにも活用してほしいです」

  英語を喋れるようになりたい、スキルアップしたいと考えている社会人にとっても、無料の授業は朗報だろう。

リアルな大手予備校より質の高い授業を

 無料の予備校はビジネス的に成立するのだろうか。「ただよび」を運営する、株式会社レッドクイーンの慶長聖人社長は語る。

「事業のシミュレーションを実施した結果、理論値的には十分成立するビジネスモデルです。ユーチューブの再生回数に伴う広告収入に加えて、教育への貢献というCSRの一環としてスポンサーになってくれる企業からのタイアップ収入も見込まれます。全世界で教育の無償化というのは国策として唱えられていますが、アメリカはコミュニティカレッジに至るまで無償化が進んでいます。日本では文科省が20年前から無償化を提唱しているものの、まだまだ不十分と言わざるを得ません。高校の義務教育化も課題は山積しています。

 我々がやろうとしているのは、一足飛びに大学受験のための予備校の授業料を無料化するということです。これは視聴者全員に奨学金を出すのと同じです。古文と英語から始めますが、自分もやりたいという先生方も出てくるでしょうから、オーディションを行う予定です。来年からはフルラインナップで大学受験の全教科の先生を揃えて本格的に予備校としてスタートします。これは改革です。吉野先生や森田先生のようなトップクラスの講師を揃えますので、リアルな大手予備校より質の高い授業を提供することも可能になります。今後3年間で、予備校業界は相当に変わるでしょう」

  大学受験予備校授業料の無料化が実現すれば、無限の道が広がる。学校教育すべてをユーチューブなどで行い、学校そのものは別のものに変容する可能性さえ秘めているだろう。

(文=深笛義也/ライター)

家計の“コロナショック”どう防ぐ?固定費(スマホ代、保険料)見直し&節約のポイント

 新型コロナウイルス感染症の拡大により、今後の収入が不安だという方も多いと思います。先行き不透明な状況ですが、打つ手がないわけではありません。自分の出費に関しては、采配次第で減らすことも可能なはず。

 家計が大ピンチに陥る前に、できるだけ早く出費を見直したいところ……。無駄な出費をしっかり削って、その分貯めておくことで、数カ月先の自分が救われます。

真っ先に見直したい「固定費」

 そこで見直したいのが「固定費」です。「固定費」とは、毎月固定で出ていく出費のこと。水道・光熱費やスマホ代、習い事代、保険料、ネットサービス代などが挙げられます。

 その多くが銀行引き落としやクレジットカード払いになっていて、そもそもいくら払っているかを気づいていないのではないでしょうか。その都度支払う「流動費」と違って、お財布からクレジットカードや電子マネー、現金を出して支払うことがめったにないので、忘れてしまいがちなのです。

 家にいる時間が長い今こそ、固定費を見直すいいタイミング。月5000円でも下げられれば、年間6万円。10年間で60万円もの削減になります。固定費をカットする効果が、いかに大きいかがわかりますよね。

 一つひとつ、自分にとって、家族にとって、要不要をチェックしていきましょう。

 そんな「固定費」の代表として、以下で「スマホ代」と「保険料」について、見直しのポイントをお伝えします。

まず着手したいのが「スマホ代」の見直し

 スマホ代は月々どれくらいでしょうか。使い方にもよりますが、1人当たり1万円前後、もしくは1万円以上かかっていたら、下げられる余地がありそうです。

 たとえば、留守番電話や通話し放題のプランなどのサービスを今は使わなかったり、容量が大きいものを契約しているけれど、そもそも家にいる時間が長くなり、家のWi-Fiにつなげていたりという人は、金額を下げられる可能性大です。

 特に、これから在宅勤務が増える可能性が高い方は、プランの見直しをぜひともしたいところです。プラン変更で1000~2000円ほど安くなったという声もたくさん聞きます。

 さらに、スマホ代を下げるには格安スマホに切り替えるのも効果大です。「切り替えると安くなるとは聞くけれど、なんだか面倒……」と感じる人も多いですが、キャリアメールが使えなくなったり、データ移行が面倒に感じたり、というのが理由かもしれません。

 それなら、使っているスマホはそのままに、SIMカードだけ切り替えるのも手。今のスマホで使っているアプリを移行しなくて済みますし、デメリットとしてはキャリアメールが使えなくなる点くらいでしょうか。

 電話帳はそのまま使えるので、メールアドレスが変わったことをゆっくり連絡することもできます。ある人は「メールアドレスが変わったことは、知らせたい人だけに連絡する。最近あまりつながりたくない人と、距離を置くいい機会にもなった」という話をこっそり教えてくれました。

 いわゆる“2年縛り”がある場合は、違約金が1万円程度かかるほか、電話番号をそのまま使う場合は3000円程度かかりますが、それでも、月1万円以上かかっていたスマホ代が2000~3000円前後になるケースも多く、あっという間に元が取れるはずです。

 身近に格安スマホに切り替えた人がいたら、その方法や使い勝手を聞いてみてもいいですね。

よくわからない「保険」があれば見直そう

 自分が入っている保険の内容、きちんと理解しているでしょうか。

 そう質問してみると、「よくわからない」「時々書類が届くけれど、細かい字で読みづらいし、放置している」という方が多いです。

 もし「わからない」のであれば、要注意。なぜなら、保険金が支払われる状態になっても、申請を忘れてしまう可能性大だからです。それでは保険に入っている意味がなくなってしまいます。毎月、無駄な保険料を払っていることになりますよね。

 保険の書類を取り出して、どんな条件で保険金が出るのかをよく確認してみてください。

 また、そもそも「なぜ保険に入ったのか」を思い出してみましょう。その後、家を購入したり、子どもが生まれたり、独立したり、家族構成が変わったり、収入が変わったりしていれば、今の状態に保険内容が合っていないかもしれません。

 見直してみることで、不要な保険があればやめることで大きなお金が浮きますし、もし保険が必要だということがわかれば、しっかり入って将来の万が一に備えることができます。

 その際は、街なかの保険ショップに行く方法もありますが、新たな保険を提案される可能性も高いので、できれば家族の今後の収入見通しやライフイベント、保険の要不要まで、家計全体をじっくり見てくれるファイナンシャルプランナーに相談できると安心です。有料の場合も多いですが、そのお金を払っても十分元が取れるくらい、お金のやりくりを提案してもらえる可能性が高いです。

 念のため、保険についての書籍(比較的簡単そうなもの)やムックを1冊、読んでおくこともおすすめです。

 以上、新型コロナウイルスによるさまざまな不安が増える中、家計を改善するために2大固定費の見直しのポイントをお伝えしました。固定費は一度見直せば、その効果がずっと続きます。家にいる時間が増えた今、ぜひ少しだけ、見直す時間に充ててみてください。

(文=西山美紀/マネーコラムニスト)

JRA ダービー卿CT(G3)プリモシーンに「マイナス情報」!? 余裕の「本命切り」で渾身の現場ネタが「波乱の立役者」を導き出す!!

 4月4日(土)に中山競馬場で開催されるダービー卿CT(G3)に「現場の声を重視するブロディN」が挑戦。独自ルートから仕入れた(秘)ネタで難解なハンデ重賞の的中を狙う。

 選んだ本命は「◎」はレイエンダ(牡5歳、美浦・藤沢和雄厩舎)だ。

 昨年は重賞初勝利をあげるも、G1初挑戦となったマイルチャンピオンSで15着と大敗。今年初戦の東京新聞杯(G3)では巻き返しも期待されたが8着。苦戦が続くものの、陣営は「ここから復活だ」と強気の姿勢を崩さない。

「2走前のマイルCSについてスタッフは『出遅れた上に流れに乗れなかった』と、同じ轍を踏まぬよう冷静に敗因を分析していました。また前走は8着だったものの『道中で先頭に並ぶなど見せ場十分。着差ほど大きく負けてない』と、内容を評価していましたよ。

 凡走が続いてますが、藤沢師は『中山に合う』と舞台替わりに期待しています。関係者の中では『能力はここでも上位』と語る人もいますし、一撃があってもおかしくないです」(美浦関係者A)

「○」にはストーミーシー(牡7歳、美浦・斎藤誠厩舎)をあげたい。

 これまでは後方待機から最後の直線にかける競馬をしてきた。だが、前走の東風S(L)では稍重の馬場を苦にせず、積極的に前に出る競馬を展開。直線で抜け出して先頭に立つと、後続に並びかけられることなく勝利。勢いに乗って重賞制覇を狙う。

「前走後もすぐに乗り込んで好調をキープ。以前からここを目標に調整が進められていたようです。前走はこれまでとは違う形で結果を出たこともあり、斎藤師も『脚質に幅が出ました。今回もペースに合わせた競馬ができると思います』と自在性に期待していましたよ」(競馬関係者)

「▲」には、苦戦が続くエメラルファイト(牡4歳、美浦・相沢郁厩舎)を推したい。

 昨年のスプリングS(G2)を勝ったものの、その後は凡走が続く。そろそろ復活の狼煙を上げたいところだ。

「前走の小倉大賞典(G3)は5番人気ながら11着に終わりましたが、『馬場があれほど悪くなるとは……。参考外ですよ』と陣営は気にしていませんでした。

 前走後は2週間ほど短期放牧を挟んで帰厩。最終追い切りは坂路で軽く流す程度でしたが、相沢師は『これで十分。最近、結果は出ていないですが、ここまま終わる馬ではない。中山競馬場はスプリングSの1走のみだけど、実は意外に適性があるのかも』と前向きでしたね」(競馬記者)

「△」には、ジャンダルム(牡5歳、栗東・池江泰寿厩舎)をあげたい。

 今年はニューイヤーS(L)で2年以上ぶりの勝利。だが前走の東風Sでは、1番人気に支持されたものの10着と大敗。出走馬の中で最も重い58kgの斤量を背負い、外から早めに動いたが、最後の直線では伸びを欠いた。

「ビリーヴの産駒は総じてムラっ気が強く、難しいタイプになりがち。ジャンダルムもその傾向があり、関係者も『斤量が軽くなるとか、相手次第とか、そういう問題ではない』と頭を抱えていました。

 前走では藤井勘一郎騎手も、なるべく機嫌を損なわせないように走らせていましたが、最後はやめていましたね。相変わらず稽古の動きは抜群なので、状態が悪いわけではないです。力はあるので、要は当日の気分次第ですね」(競馬誌ライター)

 最後の「☆」は芝再転向3戦目となるペプチドバンブー(牡5歳、栗東・武英智厩舎)。

 今年から芝に復帰。初戦の雲雀S(3勝クラス)こそ7着に終わったが、続くトリトンS(3勝クラス)では、8番人気ながら上がり最速の脚を使い勝利をあげている。

「2走前は、4角手前で騎乗していた柴田善臣さんがムチを落としたんです。でもレース後に『それなのにあれだけの脚を使ってくれた。まともなら勝負になる。芝の走りはいいよ』って太鼓判を押したんですよね。そもそもムチを落とさないでくださいって話ですけど(笑)。

 そのため、前走の快走は陣営にとって、ある意味想定内。スタッフも『まだまだ伸びしろもある。54kgなら重賞でもチャンスはある』と色気たっぷりでしたよ」(美浦関係者B)

 なお今回、有力視されているプリモシーン。出走馬中、実績は最上位だが、「当初は高松宮記念(G1)を目標にしていたものの、爪をぶつけて回避。前走に比べると皮膚の質感や張りなどが落ちる」というマイナス情報をゲット。さらに「ゲートの不安もある。過信は禁物」との会話も漏れ聞こえてきた。今回は紛れも多い中山マイル戦。馬券妙味を考え、切りと判断した。

 今回は「レイエンダ」「ストーミーシー」「エメラルファイト」「ジャンダルム」「ペプチドバンブー」の5頭ボックス3連複10点で勝負。今年も波乱が巻き起こることを期待したい。
(文=ブロディN)

中国電力、新電力事業者に「4億円」請求…自由化の肝「発送電分離」が事実上破綻

 4月1日、大阪にひっそりと「関西電力送配電株式会社(略称:関電送配電)」が設立された。関西電力の100%子会社だ。近畿地方2府4県を中心とする関西エリアに電気を送配電する会社である。関西電力が保有していた送電線や変電所などを引き継ぎ、これからはこの会社が維持・運用する。「関電」が発電し、その電気を「関電送配電」が企業や一般家庭などのユーザーに届ける。

 不祥事が続いた関電がなぜ、この時期にこんな会社を設立したのかといえば、電力自由化の「発送電分離」で、以前から決まっていたことである。

 一口に“電力”といっても、「発電」「送配電」「小売」という3つの事業で成り立っている。これらの3事業はすべて地域の大手電力会社が独占的に行ってきたが、1995年の電気事業法改正以来、段階的にゆっくりと電力自由化が進められてきた。2016年の小売の全面自由化では、ガス会社など異業種から多くの企業が「新電力」として発電事業に参入し、自然エネルギーの電力会社も全国にたくさん発足した。一般家庭でもどの電力会社から電気を買うかが自由に選べるようになった。

 新電力が発電した電気を家庭や企業に届けるには、大手電力が保有する既存の送電網を使わなければならない。ここで大変な問題が起きた。大手電力は新電力に対して送配電網の利用を制限したり、高い託送料金(送電線使用料)を課したりするなど邪魔しに出た。

 例えば、福島第一原発の事故で全村避難を余儀なくされた福島県飯館村では、震災復興の1つとして村民自ら立ち上がって「飯館電力」を設立したが、当初予定していた1.5MWのメガソーラーに対して東北電力が送電線への接続を保留した。飯館電力はやむなく50kWの低圧発電所を複数カ所設置する事業計画に切り替えた。

 テレビ朝日の『報道ステーション』によれば、山口市では、NPO(非営利団体)が市との連携でメガソーラー事業を始めようとしたところ、中国電力は連携費用として4億5000万円請求してきたという。そこで、山口市が交渉に乗り出し、中国電力に費用の金額根拠を質したところ、その後「70万円」という回答がきたという。その大幅ディスカウントには笑うしかない。4億5000万円は脅かすための言い値だったのだ。

 送電線は長年にわたる国民の電気料金によってつくられた公共財産であるにもかかわらず、大手電力が私物化してきた実態が明らかになったのである。

送配電会社はすべて大手電力の傘下で何も変わらず

 発送電分離の目的は本来、送配電事業を大手電力から切り離して公平で透明性のある競争環境をつくり出そうというものだ。ところが、4月1日付けで設立された全国の送配電事業8社(東電と沖縄電力以外)はすべて、大手電力の100%子会社であり、とても“分離”と呼べるような状況ではない。ちなみに東電は、2016年に会社分割をして持ち株会社に移行し、送配電事業は「東京電力パワーグリッド」が行っている。

 日本では発送電分離に「法的分離」という中途半端な方式を選んだが、欧米の多くでは「所有権分離」という形式を取っている。これは、送配電事業を発電や小売とは資本関係のない完全な別会社とする形式だ。

 3月9日付日本経済新聞でシカゴ大学の伊藤公一朗准教授は「法的分離では公平な送配電線利用は困難」と明確に法的分離を否定している。環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長も次のように指摘する。

「法的分離で独立性が保てないというのは、3年前に分離してスタートした東電を見れば明らか。新電力が顧客をどんどん獲得するなか、送電線を保有している東電パワーグリッドは、どの新電力がどこの顧客をいつ奪っていったのかピンポイントでわかる。その情報が小売事業の東電エナジーパートナーに筒抜けになっていて、その情報を元に巻き返しの営業ができる。情報の遮断ができていない。新電力はお金をかけてマーケティングしながら営業しており、公正な競争にはならない」

 さらに深刻な問題はクロス・サブシディ(内部補填)だという。

「例えば、小売り会社が多少損をして電気を安売りしても、送配電会社のほうで儲けることができれば、グループ全体としては黒字になる。託送料金は高ければ高いほど、グループ全体としては有利になる」

 2018年、奈良県生駒市の新電力「いこま市民パワー」が生駒市と契約したところ、関電は大和郡山市など周辺自治体での競争入札で標準価格の5割ほどの大幅な割安料金で切り崩しにかかった。これは、仮に小売りで赤字でも、託送料で儲ければ問題なしということであろう。大阪府泉佐野市においても、関電は泉佐野電力に対して同様の露骨な値引き販売攻勢を仕掛けたため、公正な競争力がそがれた。

託送料金に損害賠償や廃炉費用も乗せて新電力に請求

 大手電力の傘下にある送配電会社が独占する託送料金がブラックボックス化しているのも問題だ。原発事故の処理費用が託送料金に転嫁されようとしているとして、「グリーン・市民電力」を運営するグリーンコープ共同体は、国と九州電力を相手に訴訟を起こす。経済産業省は原発事故の賠償費用が5.4兆円から7.9兆円に膨らんだため、2016年末に託送料金に上乗せして徴収する方針を決めた。託送料金に上乗せするというのは、原発事故になんら責任のない新電力にも処理費用を肩代わりさせようということだ。

 例えば、もしJRが事故を起こしたとき、その復旧費用や損害賠償費用を運賃に上乗せしてユーザーから徴収しようとしたら、そんなことは絶対に許されないだろう。経済産業省と電力会社は恥も外聞もなく、それを平気でやろうとしているのだ。

「電力自由化のロードマップ上、法的分離で終わり。経済産業省の中でも所有権分離の議論はない」(飯田氏)

 日本の電力自由化は歪んだ制度設計のまま終わろうとしている。再生可能エネルギーはなかなか増えず、エネルギー分野で日本は世界から取り残されていくのである。

(文=横山渉/ジャーナリスト)

トヨタ・新型ヤリスのガソリン仕様車を試乗してみた…小ささにこだわる真の理由とは?

 トヨタ自動車「ヤリス」は、2020年で一気に注目されているモデルのひとつであることに間違いない。軽量コンパクトハッチバックは、トヨタの主力車種であることから、開発段階から気合いが入っている。時を同じくして本田技研工業(ホンダ)が「フィット」をリリースした。直接対決となる最大のライバルと横並びである。このジャンルのシェア争いは、絶対に負けなれない決戦でもある。おのずと完成度も高い。

 筆者は、すでにプロトタイプをサーキット試乗している。そこでの印象は3月13日付本連載記事『ホンダ新型「フィット」、バカ売れの予感…斜陽の小型車に注力、驚異的な心地よさを実現』にて報告済みだ。だが、今回は幸運にも、生産車となったヤリスを公道でドライブする機会を得た。また異なるインプレッションとなる。試乗車はガソリンエンジン仕様である。

 最初に確認しておかなければならないのは、そのディメンションであろう。新型ヤリスは、トヨタの最新プラットフォームであるTNGAを採用している。それにより低重心ワイドスタンスが実現している。骨組みが評判の高いプラットフォームというだけで走りへの期待が高まる。

 意外なのは、ボディがコンパクトになったことだ。フルモデルチェンジするごとにボディは肥大化し、車格感が増すのは新型モデルの常だが、今回はレアケースである。先代の「ヴィッツ(日本名)」と比較して、全長は5mm短縮、全高は30mmも低くなっている。“低く短く”がコンセプトなのだ。

 ただ、ドライバーシートに腰掛けてみると、それほど窮屈感がないのが不思議である。それにもカラクリがある。全高を低くしていながら、シートのヒップポイントを21mm下げている。それによって、懸念された頭上の空間が確保されることになった。むしろ、前に投げ出すような自然なドライビングポジョンが得られるのだ。コンパクトなハッチバックが抱えていた、オルガンを弾くような背筋をピンと伸ばさずにすむ。ホイールベースも40mm長い。室内長は延長してされているはずである。

 ただし、後席はさすがに狭い。法規的な最大乗車定員は5名だが、近距離の移動にとどめたくなる。前席のシート下に空間を持たせるなどして、後席の乗員の足元への配慮も散見できるが、大人ならば2名での移動、もしくは子供を乗せての4名乗車が現実的だろう。

 ともあれ、新型ヤリスはコンパクトであることを、むしろ武器にしている。取材したなかで、開発責任者がたびたび口にしたのが、「小ささへのこだわり」である。最近の肥大化するクルマへのアンチテーゼのように、小ささのメリットを意識しているように感じた。それは日本の道には合っている。

 噂によれば、ヤリスのロングホイールペースモデルも準備されているという。真偽は定かではないが、そのモデルとの差別化を意識しているのかもしれない。そうだとすれば、合点がいく。ヤリスラインナップが出揃ったときこそ、完璧な構成となるのだろうと想像した。

 今回の試乗車に搭載されていたガソリンエンジンは、直列3気筒の1.5リッターだ。最大出力は120ps。数字的には非力だが、車重が1トンを超えるあたりということを考えれば、常識的な走りに終始する。3気筒ゆえに振動やサウンドががさつなのは致し方ないところなのかもしれない。ただ、CVTと組み合わされていながらも緩慢なラバーフィールは抑えられており、自然な走り味である。

 おそらく、3気筒にしたのは燃費効率を求めたことと無縁ではあるまい。実際に、実践に即したWLTCモードへ並々ならぬこだわりを見せている。燃費性能を優先したからの3気筒選択なのかと想像した。

 ちなみに、ホンダ・フィットは4気筒である。対比が興味深い。
(文=木下隆之/レーシングドライバー)

●木下隆之
プロレーシングドライバー、レーシングチームプリンシパル、クリエイティブディレクター、文筆業、自動車評論家、日本カーオブザイヤー選考委員、日本ボートオブザイヤー選考委員、日本自動車ジャーナリスト協会会員 「木下隆之のクルマ三昧」「木下隆之の試乗スケッチ」(いずれも産経新聞社)、「木下隆之のクルマ・スキ・トモニ」(TOYOTA GAZOO RACING)、「木下隆之のR’s百景」「木下隆之のハビタブルゾーン」(いずれも交通タイムス社)、「木下隆之の人生いつでもREDZONE」(ネコ・パブリッシング)など連載を多数抱える。