進撃のクリエイティブ・ストラテジー?

最恐の戦略本、ここに誕生

「20年間、わが社を支えてきたブランドを、少子高齢という人口動態に合わせて、いま再びよみがえらせるにはどうすればいいか?」

「IPOを目指す3年間にしたい。そんな中で、創業事業とは異なる第二の事業をゼロから立ち上げたい。まず何から始めればいいかな?」

「駅ビルを建て替えるのだけれど、町民はもちろん、働く人も、やる気が出る空間にしたい!」
……etc.

戦略という武器を使って、業界やジャンル問わず、さまざまな企業や団体の抱える悩みと向き合い、その解決策やクリエイティブ・アイデアを創る。それがクリエイティブ・ストラテジストの仕事です。

そんな仕事の傍ら、ある出合いをキッカケに、本づくりをさせていただくことになりました。その名は、『進撃の相談室』(発行:講談社)。

進撃の相談室 書籍データ
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タイトルから、かの名作漫画『進撃の巨人』を原作とした作品であることは間違いない。しかし、これが単なるファンブックでないことは、副題まで見てみると分かります。そこには、『13歳からの「戦略論」』という言葉が並びます。

そう、この本は、「自分の頭で考えぬく具体策」として、エレンやミカサたちが活躍する『進撃の巨人』のエピソードを題材に、「戦略思考の基本のキ」を習得する本なのです。

業界を超えて、さまざまな年齢やバックグラウンドを持った方々とお仕事をご一緒する中で、気づいたことがあります。それは、戦略思考をマスターするのに、年齢は関係ないということです。

戦略は、人が悩みというバケモノに襲われはじめるその時から、持っていて損はない武器。しかし残念なことに、たいていの戦略論は、戦争の歴史や特定のビジネスに特化した専門分野に閉じている。つまり、狭義の戦略論としてしか、語られません。

ビジネスのビにも関心のない10代の頃から、特定の専門領域にとらわれない、広義の戦略論に触れる機会があればいいのに。もしそんな夢みたいなことが実現できれば、10年後の世界は、もっと面白くなるはずだ。若さゆえの柔軟なアイデアと戦略思考を掛け合わせて、世界を変える次世代が多く生まれてくれるに違いない。

そんなバカみたいな妄想が、頭の片隅にありました。
そんな夢物語を、講談社さんが面白がってくれたことで、本づくりがスタートしたのです。

また、私は以前から、『進撃の巨人』という作品に対して、特別な思いを抱いていました。もちろん、極上の最恐エンターテインメント作品として堪能したことは言うまでもありません。それに加えて、この物語は、どんなに分厚い戦略の専門書にも負けない、実践的な問題解決のアイデアに溢れた「戦略思考の教科書」なのです。

ファンにお馴染みの名場面はもちろん、何気ない会話劇の中にすら、専門家から見て、思わず身震いしてしまう戦略が溢れている。そう、ファンの皆さんが「うわぁ…。さすが頭脳派アルミン!」と口にしたその場面には、素晴らしい戦略が隠れているのです。

本書自体は進撃ファンおよび中高生をベースにつくられていますが、その骨子は、年齢問わず、また公私問わず、あらゆるビジネスパーソンの生活に潜む「悩み」を駆逐するために役に立つ内容となっています。そこで本連載では、職種問わず、あらゆるビジネスパーソンの役に立つ論点に絞って、戦略クリエイティブの観点から、『進撃の相談室』のエッセンスをお伝えします。

「答え探し」より、「倒す訓練」に時間を費やせ

この残酷な世界を、丸腰で生きることを勇気とは呼ばない。
それは、単なる無謀というものだ。
まず我々は、生き抜くための「武器」を持たなければならない。

本書は、こんな文章から始まります。
もちろん、私たちが生きる現実社会は、エレンやリヴァイが暮らす世界とは違って、突然と巨人に喰われてしまうハプニングは起こりません。遥か高い壁に閉じ込められているわけでもありません。

しかし、この現実は、フィクションと同じくらい、いやフィクション以上に、残酷な世界ともいえます。平気で人を傷つける「友達や同僚という名の巨人」がはびこり、息苦しい「教室や職場という名の壁」に阻まれている。つまり、私たちは常にさまざまな悩みに囲まれて、生きざるを得ない。

そんな残酷な世界だからこそ、巨人と闘うエレンが武器を携えているように、私たちは丸腰で挑むのではなく、悩みという強敵を倒すための武器を、携えなければならない。それこそ、問題解決ツールとしての「戦略思考」というわけです。

進撃の巨人 カット

ただし、ここで言う「武器」とは、いわゆる「答え」そのものとは違います。

今はとても便利な時代で、ビジネス書を立ち読みしたり、スマホでウェブニュースを検索すれば、「5分でわかる●●●」や「●●●を解決するたったひとつの方法」など、耳当たりのいい“答えらしきもの”が、すぐ見つかります。

しかし、その“答えらしきもの”が、自分の悩みにジャストフィットすることは、まず起こらないのではないでしょうか。それも無理もありません。だって、私たちは一人一人違う。それに、悩みの姿かたちは千差万別。そのくせ、目には見えないから、その人がどんな悩みに苦しめられているのか、他人からは分かりづらい。いや、当の本人ですら、悩みの正体が何なのか、分からない。

そんな状況ですから、だれにでも当てはまる答えが、自分にぴったりの答えになるとは限らないし、たとえあったとしても、ビジネス書やウェブニュースでサクリと見つかる保証は、どこにもありません。

では、「私だけの悩み」を解決する答えは、いったいだれが与えてくれるのか?当たり前ですが、その最後のアンカーは、自分。自分自身でしかありません。

そう考えると、何かの壁にぶちあたる度に、目前の悩みにジャストフィットする「答え探し」に時間を費やすことは、実はコスパが悪いのだと気付きます。その場しのぎが上手くいったとしても、また数日たてば、違う問題が発生するのがこの世界。

そこで、同じ時間をつかうなら、「悩みの答え探し」ではなく「悩みを倒す訓練」に費やした方が、持続的に自分の仕事を強くしてくれるはずです。一度鍛えられた力は、他の問題でも応用できる。

例えば、人に言われた方法論に則って大学に合格した人と、自ら創意工夫をこらして独自の勉強法を編み出し成果を上げた人とでは、同じ大学生でも、問題解決力が大きく変わってくることは明らか。ルールが刻々と変化する現代社会において、後者のような力を持つ人の方が、活躍の舞台が広がっていることは言うまでもありません。
 
この本が扱うのは、まさにそんな悩みとの闘う武器としての戦略思考なのです。

「悩む」から「考える」へ

本書ではまず、悩みを駆逐する第一歩として、

「悩む」と「考える」は使い分けろ!

と提案しています。

ビジネスでも日常生活でも、ある悩みに直面した時、二つの反応パターンがあります。それが「悩む」と「考える」です。一見、その違いは見えにくい。しかし頭の中までのぞき込んでみると、両者は大きく違っているのです。

「悩む人」というのは、五里霧中。どうすれば悩みというバケモノを倒せるのか、手がかりが掴めず、ぼんやりと立ちつくしている状態を指します。もう一方で、「考える人」は、具体的な問いを設定して、悩みを一つずつクリアしていく。つまり、「考える人」は具体的な問いによって、掴みどころのない悩みに、形を与えることができるのです。

本書では、このことを「クッキー作り」に例えて説明しています。
クッキー生地を「悩み」、型抜き器を「(考える人が設定する)具体的な問い」と例えると、次の図のようになります。

クッキーの型抜きの画像

具体的な問いが用意されることで、ボンヤリとした「悩み」が、ハッキリとした「考え=問題」に変身するのです。

もちろん、クッキー生地に、どんなにうまく型抜き器を当てても、多少の切れ端が残ってしまうように、悩みが100%消え去ることはありません。それでも、具体的な問いによって、大半の悩みを、解決できる問題にスイッチできることの意義は大きいのです。

そこで次に問題になるのが、現実世界を生きる中で、「悩む人から考える人へと変身する方法、その具体策は何なのか?」です。ちなみに、ここで「具体策」という言葉にこだわる必要があります。単なる根性論や何となくの答えで納得しないように、注意しなければなりません。

というのも、ここで言う「悩む人」と「考える人」との違いは、よくセンスや才能、性格やパーソナリティーとかいう簡単な言葉で、誤魔化されてしまいがちだからです。

「つい悩みがちな人は、そういう星のもとに生まれてしまった人なんだから仕方ないよね」なんてバカげた主張が、教育の現場にも、ビジネスの現場にも、はびこっています。

しかし、実際はそうではありません。「悩み」を「考える」に変えるためのスイッチ(変換器)、つまり考えるための道具さえあれば、誰だって、この残酷な現実と向き合うための「考える力」を持つことができるのです。

そこで本書は、「7つの戦略スイッチ」という武器を駆使し、進撃の物語に隠された戦略の構造を明らかにすることを通じて、広義の戦略づくりの方法を、訓練していく一冊となっています。
(つづく)

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「サントリー天然水」CM第5弾 宇多田さんの新曲も起用(動画あり)

サントリー食品インターナショナルは4月19日から、「サントリー天然水」の新テレビCM「光も風もいただきます。」編を放送する。
これまでと同様に、ブランドキャラクターを務めるシンガー・ソングライターの宇多田ヒカルさんが出演し、楽曲には宇多田さんの新曲「誰にも言わない」(5月29日配信開始予定)を起用した。放送に先立つ17日には、30、60秒の2編を公式サイトとユーチューブで公開した。

 

宇多田さんが出演するシリーズCM第5弾になる同編の舞台は、大自然の中の雄大な滝。
残雪の中を山までやってきた宇多田さん。焚き火で暖を取りながら、国木田独歩の詩集の中にあるワーズワースの一節「月光をして汝の逍遙を照らさしめ、山谷の風をしてほしいままに汝を吹かしめよ」を朗読する。
場面は清流から、水が激しく流れ落ちる巨大な滝へ。宇多田さんは巨大な滝壺のそばで、“生きた水”を体全体で感じる。
サントリー天然水を飲む宇多田さんの清々しい表情に、「アルプスの光も風も、いただきました」という宇多田さんのナレーションが入る。いつもながら、体に心地良い風が吹くような仕上がりだ。

 

当初、詩の朗読シーンは、制作サイドが用意した詩集の一節を使う予定だったが、CM楽曲の世界観と重なる詩の方がいいのでは、という宇多田さんの提案で、国木田独歩の詩集から自身が選んだ一節を朗読することになったという。
5月にデジタル先行配信される楽曲の一部が聴けることも注目される。

東京2020組織委とIOC 今後の大会準備についてテレビ会議開催

東京2020組織委と国際オリンピック委員会(IOC)は4月16日、エグゼクティブプロジェクトレビューをテレビ会議で開催した。
(写真=代表撮影)

IOCからはジョン・コーツ調整委員会委員長、アレックス・ギラディ同副委員長、クリストフ・デュビ エグゼクティブディレクターらが、組織委からは森喜朗会長、武藤敏郎事務総長らが出席し、1年間の延期を決めた東京大会について、今後の進め方の枠組みや基本方針、延期に伴う論点、スケジュールなどについて議論した。 

 会議終了後、報道メディア向けに、ユーチューブのライブ配信を通じて記者会見が行われた。
冒頭、コーツ委委員長は、今後のプロセスを統括する「ジョイント・ステアリング・コミッティー」を設立したことを明らかにし、自身と森会長が率い、武藤事務総長とデュビ氏がメンバーだとした。加えて、コミッティーをサポートするため、IOC側は「Here we go」タスクフォース、組織委側は「新たな出発本部」とする組織を置くと話した。

また、会場と競技スケジュールはすでに決定していたものを踏襲するのが望ましいとするとともに、コスト削減に取り組む姿勢を見せた。21年の開催は、日本の景気上昇への刺激となる考えを示し、暑さ対策や水質問題に対応するチャンスでもあると述べた。運営計画の詳細は、4月中に検討を行い、5月にロードマップを固めたいとした。

森会長は「来年の大会の枠組みについて合意したことは大きな成果であり、コストが最大の課題との認識も一致した。会場については、来年の日程に合わせ、会場所有者に協力を要請していく。引き続き関係者の皆さまと連携し、大会開催に向けて努力したい」とコメントした。
プレスリリース:「東京2020大会延期に伴う今後の大会準備の枠組みについて」
https://tokyo2020.org/ja/news/news-202000416-01-ja

 

 

昭恵夫人が心酔、大分旅行にも同行の“スピ系医師”が著書で「コロナは心配する人が罹る」、外出控える人を逆に「ウイルスまみれ」「低次元」と攻撃

 あの安倍昭恵夫人がまたぞろやらかした。昨日発売の「週刊文春」(文藝春秋)4月23日号が報じているが、新型コロナウイルスで外出自粛が求められているなか、昭恵夫人は我関せずと大分県へ旅行。総勢約50人の団体ツアーとともに宇佐神宮を参拝していたというのである。 「週刊文春」に...

コロナショックで、採用は学歴フィルターから#タグ検索へ。

早期化、通年化の流れが加速し、変わりつつある採用市場。

さらに、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、企業も学生も、今までとは大きく異なる環境の中で活動を行っています。

企業は今後、どのような点を意識して採用活動を行えばいいのか。

まずは、今年2月に行った電通ワカモン(※)の就活意識調査の結果をご覧ください。


※電通ワカモン(電通若者研究部):若者と社会の関係性をデザインすることをミッションとして掲げているプランニング&クリエイティブユニット。就職活動のリデザインを通して、若者と企業の新しい出会い方のプロデュースを行っています。


 就活データ1就活データ2就活データ3
 この結果に驚くかどうかで年代の差がわかるといってもいいほど、就活生の意識は激変しています。

企業に選ばれる就活から、学生が選ぶ就活へ

人手不足は日本全体の課題ですが、少子化が進んでいる若者は特にその傾向が強く表れています。そんな希少価値の高い若者の就職先のトレンドはコンサルティングファームなどの外資系企業。今、日系企業は優秀な学生の獲得に苦戦しています。その結果、学生の間では「売り手市場」の意識が高まりました。

冒頭のデータが示すように、学生は企業を絞って就活を行い、自分が希望する配属先を保証してくれることを求めています。「学生が企業を選んでいる」という意識も強く、就活において企業と学生が対等な立場になりつつあることが読み取れます。

今度は、企業の立場になって考えてみましょう。特に日系大手はこれまで採用活動を「学生を選ぶ場」と捉えてきました。しかし今は「学生から選ばれる場」でもあります。それ故に採用にもブランディングやマーケティングの視点が必要になっています。事実、電通にも多くの問い合わせを頂いています。

これまで電通がクライアントと仕事をさせていただく場合、クライアントの窓口は宣伝部や広報部が主体でした。しかし、採用に関するプランニングでは、人事部や採用チームの方々、もしくは「宣伝部×人事部」の混合チームと組むケースが多くなりました。

また採用ブランディングを社員の意識改革(インナーブランディング)と連動させたり、学生以外へのブランディング(コーポレートブランディング)に活用したいという声も多くいただいています。

通年採用で疲弊する人事部

大きく変わりつつある採用市場ですが、今年さらなる変化を迎えています。これまで経団連が定めてきたいわゆる「就活ルール」が事実上の撤廃に向かっています。これまで経団連に加盟する大企業は、学生たちの学業を尊重する意味で3月を採用広報(採用ウェブの開設など)の解禁日、6月を採用選考の解禁日(面接の開始)としてきました。

しかし経団連に加盟しない外資系企業や、ベンチャー企業はこのルールを守る必要がありません。また、このルールは、あくまで紳士協定のため、抜け駆けする企業も増えています。優秀な学生ほど早く囲い込みたい。つまり、企業は律儀に採用解禁日まで動かないでいると、採用市場に優秀な人材がほとんど残っていない状態になってしまいます。

日系大手がルールを守れば守るほど、優秀な人材が日系大手に入社しなくなる現状。これらを受けて経団連もこの「就活ルール」の見直しを表明しました。

一方で、この「就活ルール」が撤廃されると、人事部・採用チームは格段に忙しくなります。これまで採用活動は冬〜初夏がピークでしたたが、時期の区切りがなくなったことで「通年採用」に移行します。つまり年中忙しい状態が続くのです。

また、3年生の冬になってから接触しては遅いので、これまで採用のターゲットではなかった1〜2年生にも早くから接触して、「母集団形成」をする必要が出てくるでしょう。

採用活動イメージ

単純計算すると、期間が2倍になって、ターゲットが3倍になるのがこれからの採用市場。この流れを受けて、新卒採用のアウトソーシングも進んでいます。採用面接の面接官をアウトソーシングしている企業も珍しくありません。

コロナショックで急速に進むオンライン化

採用の変化に追い打ちをかけるのが、新型コロナウイルスの影響です。本来であれば 3月の採用広報解禁を受けて実施されるはずだった採用関連イベントや、面談が、今年はことごとく中止となっています。

これに代わる手段として用いられているのがオンラインイベントやオンライン面談。これまで地方学生に向けては一部行われていたオンライン採用が、首都圏の学生たちにも用いられるようになりました。

電通でもこの3月、DENTSU RECRUIT LIVEとしてライブ配信イベントを実施しました。

DENTSU RECRUIT LIVE
「DENTSU RECRUIT LIVE」は、就活生がさまざまな社員と話せるオンライン座談会。社員1名と参加者15人が1グループとなり、仕事内容などについて、30分間×3人の社員と会話した。

オンラインイベントは場所を選ばず参加できるため、就活の地方格差を是正する効果も。結果的にこのイベントは海外留学生の参加も多く見られました。オンラインによる就職活動はコロナ収束後も続くと考えられます。

学歴フィルターから#タグ検索へ

売り手市場、通年採用、全学年採用、オンライン化、採用チームのリソース不足。これらの影響を受ける「採用新時代」は、学生のスクリーニング(ふるい分け)にも大きな変化が予想されます。

これまでオフラインの面談に進む学生には、学歴フィルターやSPIなどの適性検査によるスクリーニングがよく行われていました。しかし、大企業ともなれば、それでも何千人もの学生と会わなければいけません。また、10分や15分の個人面談、グループ面接で学生を見抜くのはプロでも難しいでしょう。

通年採用、全学年採用に移行すればこの手間はより拡大します。それを受けて、学歴やテストセンターに代わるオンラインのスクリーニングが必要になるでしょう。採用は学生が企業を探すのではなく、企業が学生を探すフェーズに入ってくるのです。

今の若者はSNSのハッシュタグなどで情報を探すのが一般的。企業が学生を探す際の検索行動でも同じような「#タグ検索」が行われるようになるでしょう。

こんな属性、こんな活動、こんな趣味嗜好などリアリティーのあるタグが採用のスクリーニングに機能してくると考えられます。これまでの学歴や資格は膨大なタグの一つにすぎないようになります。すでに、学生の属性に合わせてオファーを配信できるプラットフォームも登場し始めています。

採用イメージ2

また、オンラインでスクリーニング、オフラインで入社の意思確認、となれば採用チームの負担軽減につながるはず。コロナショックでオンライン化が常態化すれば、採用活動はこの方向に進むと考えられます。

激変する採用現場について、ここまで書いてきましたが、変化に対応できるかどうかの大きなボトルネックは、上層部や経営層の意識です。

いまだに「日系大企業が優秀な学生にとって人気があり、採用は学生を選ぶ場」と捉えていると、採用チームの予算もリソースも増えません。結果的に変化に対応できず、優秀な学生が離れていき、社としての力を落とすことになりかねません。

採用は経営課題です。優秀人材をヘッドハンティングするのもいいですが、原石となる新卒採用への意識を変えることが社内改革の一歩となるでしょう。


ワカモン
高校生・大学生を中心に10〜20代の若者の実態にとことん迫り、若者と社会がよりよい関係性を築けるようなヒントを探るプランニング&クリエイティブユニット。https://dentsu-wakamon.com/


<調査概要>
【出典】「サークルアップ調査」
【調査時期】2020年2月16日~2月20日
【調査対象】大学生サークル専用アプリ「サークルアップ」に登録する大学1年生~4年生 
【サンプル総数】186ss
【調査地域】全国

“ロボットコーチ”があなたのスキルを引き上げる

近年、センサー技術や画像解析技術の進展で、スポーツの世界でも今まで以上に科学的なトレーニングが行われるようになってきました。例えば、GPSモーションセンサー(※)を装着して運動すれば、体への負荷状況を正確に計測可能です。運動強度や疲労の蓄積を見込んで、けがをせず、トレーニング効果を最大にするようなメニューを組めるようになります。ラグビー日本代表が利用例を紹介し、一般にも知られるようになりましたが、JリーグやBリーグのチームはもちろん、ユース年代でも取り組み例が増えてきています。 

※=GPSモーションセンサー
位置情報や移動速度、負荷の強さ・方向を記録・送信するデバイス

 
一方で、笹川スポーツ財団の調査(2015年 スポーツ少年団現況調査報告書)によると、少子化に伴い、小学生のスポーツ少年団の構成団員数が年々減少しているとのこと。1団体当たりの子どもの数は21.8人となっており、2002年の26.7人から4.9人の減少。スポーツによっては減り幅がより大きいものもあり、1年~6年で紅白戦をするのがやっと…という状況です。 

また、学校部活動が教員の負担になっているという議論も昨今見られますが、それに伴い今後、部活動も縮小傾向になることが予想されます。
 
少子化の影響は、そもそも競技人口が多くない競技にとっては死活問題です。全国高等学校体育連盟の2019年度の登録選手数(人数は全て男女合計)を見てみましょう。サッカー約17万人、バドミントン約12万人など、登録人数が多い種目もあります。しかしプレーに大型の機材が必要であるものや競技ができる場所が限られる種目、例えばカヌーは約1600人、ウェイトリフティングは約2000人と登録人数は少ない状況。日本選手の活躍が目立つスピードスケートは、約1300人で、競技環境的に当然ですが地域的にも北海道や東北地方に偏る傾向が見られます。 

少子化と競技人口の減少という逆風の中で、日本スポーツ界の国際競争力を高めるには、少人数(1人)でも効率的なトレーニングが行える手法が求められます。それを可能にするのが“ロボットコーチ”です。
 
ある程度コストが掛けられる種目では、既にAIを活用してアドバイスを行うロボットコーチを実現する機器が出現しています。例えば、ゴルフや野球では小型のレーダーを用いてスイングとボールの軌跡を解析し、具体的なアドバイスを行うような機器も出てきています。

このような技術が低廉化し、さまざまな競技に応用されれば、1人でバッティング練習をする場合も非常に効率的になるはずです。プロの目から見た的確なアドバイスを得られるので、スキル向上が早くなることも期待できるでしょう。集団スポーツでも、映像解析技術の向上で、戦術アドバイスを試合の直後から行えるようなアプリサービスも登場しているため、戦術意識の浸透などにも有効であると考えられます。 

さらに、ロボットコーチにおいて見逃せないのが「データが共有されること」です。個人練習で蓄積された膨大なデータは、当然ながらインターネットを介して、リアルタイムでクラウドで共有されることになります。それらのデータを分析することで、ある選手の得意なプレー・苦手なプレーが可視化されるので、長所を伸ばし、短所を克服するトレーニングメニューを作成することができます。子どもの才能を伸ばすことに加え、その子が最も活躍できるポジションを分析・提案することもできるかもしれません。

ロボットコーチ

 スポーツにおいては、幼年時は特定の競技に限定せず、さまざまな動きをさせることが重要という考え方があります。また、特定の競技では才能が発揮できなかったが、別の競技では輝いた…というケースも多くあります。ロボットコーチのデータを競技間で共有していくことで、子どもたちの隠れた才能を発掘できるのです。ロボットコーチを活用すれば、少子化の中でもスポーツの国際競争力を高めていくことができるのではないでしょうか。 


未来予測支援ラボ:http://dentsu-fsl.jp/