インサイトは“聞く”より“狩る”時代へ。「ソーシャルハンティング」のすすめ
「アウトサイド・インサイト(※)」といわれるように、ソーシャルメディアには生活者の本音があふれています。その本音をプランニングに活用しない手はありません。従来のソーシャルリスニングでは見逃してしまう、今後大きな関心事となる兆しやインサイトを“捕獲”する新たな手法「ソーシャルハンティング」と、その活用法を紹介します。
※=アウトサイド・インサイト
ヨーン・リーセゲン氏の著書タイトル。個人や企業・組織がオンライン上に残すあらゆる活動の痕跡(データ)は外部に現れる貴重なインサイトという意味。
ソーシャル分析の新しい手法「ソーシャルハンティング」とは?
ソーシャルメディアにあふれる投稿の分析は、ソーシャルリスニングが一般的です。投稿量や話題になったツイートの拡散量、ポジ・ネガの受け止められ方、関心の高いトピックスなどを定量・定性の面で分析します。
こうした分析では、量的多数を捉えることで、話題の拡散傾向や要点を抽出することができます。しかし、投稿量が少ないと、今後大きな関心事となる兆しがあっても見逃す可能性もあります。それを補うため「ソーシャルハンティング」という手法を、電通パブリックリレーションズと企業広報戦略研究所(電通PR内)で共同開発しました。

ソーシャルハンティングとは、ソーシャルメディア上から、企業や商品のコミュニケーションに役立つツイートを「捕獲」(ハンティング)するという意味から名付けた造語です。声の多寡ではなく、声の内容に着目し、“感情が発露している”あるいは“トレンドの兆しを感じる”ツイートを捉え、企業や商品のコミュニケーションに生かすアプローチ手法です。
マス情報として存在していないイシューやトレンドの発見につながるため、企業は情報発信主体者としての先行者利益を獲得できます。つまり、ソーシャルハンティングでは、量的多数の分析では見えなかった背景や、生活者のインサイトに迫り、取り組むべきイシューを発見できる可能性があるのです。
本来、「イシュー」とは社会的環境や政治的背景などに紐付く、長い時間をかけて解決する大きな課題として扱われることが多いようですが、今回は個々人の不具合を感じる生活者視点の課題として設定しています。自社製品やサービスでイシューの解決を図るようなプランニングができれば、より多くの共感が得られます。
捕獲したインサイトから訴求ポイントを決める
ジョンソン・エンド・ジョンソン ビジョンケア カンパニーでは、目に入る光の量を調節する機能を持つ調光コンタクトレンズの訴求切り口を模索していました。
生活者がクリアな視界でいたい時を探ると、試合観戦やライブなどのイベント前にはブルーベリーサプリメントなどを摂取する行動が見て取れました。
ファンとして強く応援する対象を、いわゆる「推し」と表現しますが、この「推し事」(推しを追いかける活動)をしている人の間でも、そのような行動が顕著に表れています。さらに深掘りをしていくと「推し」をクリアに見るためにコンタクトデビューをする、駆け込みで眼鏡の度数を調整するなどの行動が見られ、視界のコンディション調整をいとわない姿が浮かび上がりました。
そこで推しを一瞬でも見逃したくないのに、「いつも通りの視界では限界がある問題」を生活者サイドのイシューとして設定。そのイシューに共感する生活者とのコミュニケーションのコアに「#推し見逃さない」を打ち出し、潜在的なニーズを浮き彫りにすることを狙いました。

インサイトに迫る効果的な方法~7つの鬱憤 WARPATH~
ソーシャルハンティングによってインサイトに効果的に迫る方法を、電通PRと企業広報戦略研究所では体系化しています。Twitterに本音として表れやすい、現状に対する不満を「7つの鬱憤 WARPATH」として整理し、鬱憤にまつわるワードを掛け合わせてツイートを検索します。「WARPATH」は「Want=欲求」「Anti=反感」など7つの感情の頭文字を表しており、「Want=欲求」であれば、「したい」「ほしい」「したくない」などのワードを掛け合わせて検索します。

例えば今夏は「マスク日焼け」が心配されました。実際に、5月17日にYahoo!ニュースでは「夏場『マスク日焼け』起こる?」という記事が掲載され、Twitter上でも「マスク日焼け」の投稿が活発になっていました。
しかし、遡ってみると3月から「マスク日焼け」に関する投稿は少数ながら生まれています。「WARPATH」の「Awful=悲観」を使うと、「マスク」「夏」「怖い」のキーワード検索で「マスク日焼け」に関する投稿が3月時点でヒットするのです。この発見を足掛かりに深掘りしていくと、「マスク日焼け」を心配する投稿がさらに見つかり、共感性が高いことが予想できます。このように、メディア起点で話題になる前から、イシューの兆しは捕獲(ハンティング)することができます。

withコロナの状況では価値観が変化しやすく、それゆえにイシューも起きやすいといえます。例えば、若者の結婚観として「婚約・結婚指輪や盛大な披露宴にコストをかけるよりも、将来の見通しが不安だから投資に回したい」という兆しも浮かび上がっています。
また、ソーシャルハンティングでは既存の商品やサービスに対する意外性のある声を探すこともできます。「グラノーラ」を例に挙げると、「Problem=困難」を使うことで「おなかが弱い、あるいは冬の朝は寒いから冷たい牛乳と一緒に食べられない」「温かい牛乳をかけて食べる」といった「食べ方の工夫」に関する投稿が発見できます。
視点を変えて「Want=欲求」で「したくない」を掛け合わせて検索すると、「雨の日だからコンビニに行きたくなくて、グラノーラで食事を済ます」という「雨の日×グラノーラ」に関する投稿や「適正量ではないが、どんぶりいっぱいのグラノーラでおなかを満たしたい」という「どんぶりグラノーラ」に関する投稿も見つかります。
このように、同じテーマでも鬱憤の視点を変えると、違うインサイトやイシューの兆しが見えてくる場合もあります。

ソーシャルハンティングで「世の中視点」のイシュー設定を
企業や商品の中には、自分たちが取り組むべきイシューを適切なサイズ感で設定できていないところもあるように感じます。大き過ぎるイシューを設定し、世間が自分ゴト化しづらい場合や、逆に自社ができることだけに意識が行き過ぎて、世の中の問題意識とズレている場合などです。
だからこそ、一方的な「企業視点」でなく、企業も生活者も自分ゴト化しやすい「世の中視点」のイシューを発見・設定するために、ソーシャルハンティングを活用してみてはいかがでしょうか。
菅首相が所信表明演説で安倍前首相並みの嘘とゴマカシ!「温室効果ガスゼロ」の影で原発推進を宣言、再稼働だけでなく新増設も
ドコモ新テレビCMシリーズ第1弾 なじみのキャストが先生役で登場 5G対応のiPhone12を持っていたのは!?
NTTドコモは10月23日から、星野源さん、長谷川博己さん、新田真剣佑さん、橋本環奈さん、浜辺美波さんをイメージキャラクターに起用した新テレビCMシリーズの第1弾「先生、5Gって知ってる?」編を放送している。


同シリーズでは、人と人とのつながりが見直されつつある世の中で、最初につながりが生まれる学校、そして先生に着目。今作は、新たな日常をより豊かなものにする5G、そして5G対応のiPhone12発売への期待感をシンクロさせて描く。
これまでもドコモのテレビCMに出演していたキャスト5人全員が先生役を演じ、職員室を舞台に繰り広げるストーリーだ。






CMは5Gについて、橋本先生(担当:保健室)が話題を切り出すところから始まる。
興味津々の浜辺先生(数学)と新田先生(英語)が会話に参加する中、長谷川先生(化学)は「新しければいいってもんじゃない」と否定し、新田先生はその考えは時代遅れだと対立。一触即発のムード…と思われたところに割って入ったのは、「ワクワクしちゃうけどな~」と5Gに期待を膨らませる星野先生(国語)。
「なんでも新しければいいってもんじゃない」と意見を曲げない頑固な長谷川先生だったが、かかってきた電話に出る姿を見て、4人はびっくり!長谷川先生が持っていたスマートフォンは5G対応のiPhone12だった。
あぜんとする新田先生らに続き、「それ、一番新しいやつ」と皮肉交じりの笑顔で畳み掛ける星野先生。長谷川先生は急に態度を変え、「ここは最新でしょう」と開き直りながら、4人の先生と仲良く生徒の待つ教室へ向かう。

現在、学生のゴールロス(本来体験するはずだった青春が失われている状況)が社会問題となる中、CMでは、バーチャルながらも舞台を「学校」とすることで学生や世の中の気持ちに寄り添いたいという趣旨で企画された。
特設サイトと、オフィシャルSNSでは、先生たちの仲の良さや、各キャラクターの個性をさらに楽しめる全5編のウェブ動画を、同日から順次公開する。
イノベーションのカギは“関係者”にあり。応援で社内変革を促すアクセラレーター

大企業の若手・中堅社員を中心とした企業内有志団体が集う実践コミュニティ「ONE JAPAN」
インタビューしたのは、リコーの事業共創アクセラレータープログラム「TRIBUS」を運営する大越瑛美氏。新規事業では先頭に立つ人が目立ってしまいがちな中で、それを「応援すること」の重要性について体験談をもとに語ります。
電通若者研究部としてONE JAPANに加盟する吉田将英が聞き手となり、「会社を変えたい」と願う若手社員へのヒントを探りました。
「会社を良くしたい」の原点
吉田:早速本題に入っていきたいと思いますが、そもそも今回の大テーマである「大企業が抱える病」とはどんなものだと捉えていますか?
大越:「企業は人なり」という名言がありますが、病も人なりだと思います。自分の環境や立場に対して、何もアクションを起こさずに不満を言う社員って、大企業にいる人であれば誰かしらが思い浮かびますよね。そのような人を見ると「大企業病だなあ」と思います。自分の力不足や境遇を嘆きながらも、給料をもらって会社に生かされているということに気づいてない状態ともいえます。
私はリコーのアクセラレータープログラム「TRIBUS」の事務局をしていますが、エネルギーを持って取り組んでいるようにみえる人にも自分の力不足を他責にする人がいます。何を隠そう、私もその一人でした。
自分のチャレンジしたいことを会社に提案しても受け入れてもらえず、「なんで理解してもらえないんだ」と思ったりして。それが積もっていくと、会社に対する不満になっていきました。今振り返れば、私が上司や経営層を説得させるほど行動していなかったし、どうすれば実現できるかを突き詰めて考えきれていませんでした。
吉田:自分の力不足に気づかず、「会社が悪い」とか「経営層が悪い」と他責にして、そこで一種の諦めにたどり着いてしまうパターンは、誰しも通る道かなとも思います。それを大越さん個人として、会社としてどのように変化していったのか、ぜひ聞かせてください。
大越:私はTRIBUSに関わる前から、会社や組織に対しては感じたことを発言するタイプでした。最初は入社2、3年目のころです。営業部門としてコピー機を売っているのに、コピー機がどのように作られているのかなど、社内のことを何も知りませんでした。
同じ営業部門の先輩方と生産現場など社内の部署に話を聞いて回って、そこで見聞したことを営業活動に生かすために上司に提案したり勉強会を開いたりしていました。そうした活動を続けるうちに、社内から「新規事業の検討のための若手の意見を聞きたい」という声がかかるようになりました。そこから徐々に現在に近づいていくのですが、この時期が原点だった気がします。
吉田:大越さんとはONE JAPANで初めて出会った時から、とにかく「会社を良くしよう」という気持ちが原動力になっていると感じていました。今の話もそうですが、そういうマインドセットになったきっかけは?
大越:それも営業部門のころでしたが、最初はコピー機を売ることが世の中への貢献になる実感がなかったんです。特に私が担当していた法人営業は、販売台数は多いものの利益率が低いこともあり、自分の役割に疑問を感じていました。でもある時、先輩から「営業がコピー機を売ることで、メーカーとして自社の雇用維持につながる」と言われて腑に落ちたんです。
大きい会社で働いていると、業務を通して、自分が世の中に役立っていると実感する機会は少ないと思います。私の場合は、先輩の言葉でコピー機を売ることで工場にいる社員やその家族など、「顔の見える人のために役立っている」という実感が湧き、みんなが働いているこの会社を良くしたいと思うようになっていきました。
吉田:異動されてからは順風満帆だったのですか?
大越:もちろん苦労はありました。営業の次は360°全天球撮影できる「RICOH THETA」(リコー・シータ)という新規事業の部署に異動しました。チームの人数が非常に少なく、マーケティングや広報など、一人で複数の役割を担当せざるをえませんでした。ちょうど電通からの依頼でしたが、あるイベントの相談があって3日で実施にこぎつけたこともあったり(笑)。営業の頃とは全く違う仕事で大変だったのですが、スピード感と裁量がありワクワクして仕事に取り組むことができたことを覚えています。
その後は希望を出してオープンイノベーションで新規事業をつくる部署に行きましたが、アクセラレータープログラムの立ち上げと同時に、経営企画本部に来ました。
TRIBUSが立ち上がったきっかけは、役員と現場社員の間で行われた対話会です。そこで挙がった数百もの意見やアイデアを分析しまとめた結果、「やりたいことがやれない・挑戦する環境がない」という声が非常に多くでてきました。ならば、まずは事業そのものではなく挑戦できる場をつくろうと経営層が判断し、「アクセラレータープログラムによる新規事業の創出」が経営施策に盛りこまれました。
まだ見ぬ可能性の発掘に欠かせない「応援者」の存在
吉田:自分の経験も踏まえて感じるのは、会社のオフィシャルなプログラムは最初の着火点が燃えるかくすぶるか二分すると思います。起業したほうが早いんじゃないかとか、「うまくいかないんじゃないか」という声とか、そうしたことにどう立ち向かったのですか?
大越:実は当社には1990年代から新規事業創出プログラムがあったのですが、それをポジティブに捉えると、やりたいことは基本的に応援してくれる空気がある会社だといえます。もちろん具体的に支援してもらえるかどうかは提案内容によりますが、スタンスとしては肯定的というか。私も、やりたいことがあり異動の希望を出したら受け入れてもらったりしていて、それを感じていました。
その意味では、今回のTRIBUSも応援してもらうと同時に、まだ声を上げていないけど「やりたい」がある人を応援するプログラムでありたいなと思えたんです。
吉田:たしかに個の思いの強さは大事ですが、サポートのほうが得意な人もいますよね。「人のwillを叶えることがwill」というか。「やりたいことをやれ」というのは、ともすれば“willハラスメント”ではないけど、全員にやりたいことを描かせすぎているかもしれません。人のwillを遠くに飛ばすとか、willどうしをつなげるとか。どうしてもファーストペンギンだけが評価されがちですが、そうじゃない側面もあると気付かされます。
大越:一方で、手を挙げてくれる人はもう辞めてるよ、と最初に言われたりもしました。たしかに、応募してほしいと顔が浮かぶ先輩後輩は辞めていることが多い。結果としては、顔を知らなかったけど思いを持っている人にも出会えて、それが会社のオフィシャルなプログラムとしてやって良かったことです。個人のつてでたどれる人を一本釣りするのではなく、機会が平等にあることで出会える可能性があったなと感じています。
中には何年も温めてきた企画や、すでに退職しているなかでチームとして一緒に提案してくれた企画もあったのはうれしい誤算です。会社として門戸を開いていれば、人のWillは発酵されて必ず形になるのだな、と。
吉田:自分からはなかなか行動できないな、という場合にはサポーターとしての活躍の場も用意したことに加えて、きっかけがあると出てきてくれる人を発掘したのが大越さんたちの成果ですね。性善説で会社や同僚を信じてみることも必要なのかなと思いました。ちょっとした使命感や自尊心に火を付けるだけで、人って変わるのかなあと。
仮に新規事業案を持ち込んでくれる“当事者”が5%しかいなくても、応援者が80%いれば85%。ぼくらはどうしても5%の少なさにフォーカスしてしまいますが、アクセラレータープログラムにはいろいろな入り口やかかわり方あっていいですよね。
「じゃない」側面を大切にすることが変革のカギ
吉田:アクセラレータープログラムを始めて、会社の雰囲気は変わりましたか?
大越:2019年度の成果発表会(聴衆を集めて新規事業案をデモンストレーションする会:Ricoh Investors Day)の参加者にとったアンケートでは、「会社の雰囲気が変わってきた・すでに変わった」と回答した人が80%を占めました。そのため、プログラムになにかの形で関わっている人の意識は変わってきている実感があります。
とはいえリコーには国内社員が3万人いるので、まだまだ周知が必要です。プログラムに関心を持ってもらったメンバーでチャットのバーチャルコミュニティをつくっているのですが、メンバーが1000人ほどです。まだ30分の1ほどですが、関係者を今後どんどん広げていきたいと思っています。
私自身がうれしかったのは、去年の応募者が、同僚にTRIBUSを自分ごととして紹介してくれているのを偶然社内で目かけたことです。参加して良かったと思ってもらえていることが実感できた瞬間です。
吉田:少し話を戻すと、発端には経営層が社員の声を聞こうと思って実際に意見を集めたことですよね。「なんでもいいから話してよ」という歩み寄りができる経営陣は珍しいんじゃないかと思います。
ポジション的に偉いのもそうですが、忙しさもあって「結論は?」「何の話?」と悪気がなくてもなりがちで、社員と議論するのは案件化している事案についてだけだったりすることもあります。
大越:本当に議題がなかったので、取りまとめた人事は大変だったと思います。それでも経営層は何回も登場していて声を集めていた。その中でトップでしか反映できない声、経営層でなくてもできる話を分けて、経営企画としてアクセラレータープログラムを主導したという流れです。
吉田:今回のポイントだと思ったのは、「じゃない側」の話が大事だなと。決まったアジェンダ「じゃない」ほうを大事にしたり、起案する立場「じゃない」人がどういうスタンスを意識したり。優秀な人だけが集まってべき論を突き詰めるのとは違う、良い柔らかさがありますね。
大越:もう1つのポイントだと思うのは、TRIBUSでは意思決定が事務局に任されていたことです。経営陣直下のプロジェクトでありながら、誰かを説得せずに決められるのが良い方向に転びました。事務局に意思決定が任されていたので、アクセラレーター期間中は、提案してきた事業リーダーやチームの意思を尊重する環境を事務局としても用意できたと思っています。
吉田:共依存というか、自由と責任の難しさはどの組織でもありますよね。若手は自由度を求める一方で、成果が出るかどうか不安がある。それを回避するために、「上がうるさいから」と言いつつ、結局上司に決めさせて意思決定の依存をしている。上司は上司で当事者がいると思っているから、意思決定をしたというよりも「ちょっと意見した」くらいにしか思っていないこともあります。
でも意思決定を任せたと最初から公言されていると、受け取る側にも責任と度量が問われるので、良い関係だなと思います。
大越:不安になる人は不要な上申をしたりして、「そんなの聞いてこなくていいよ」となるケースはたしかにあるかもしれませんね。上司もさじ加減が難しかったと思いますが、口を出さずに見守っていてくれたのはありがたかったです。
個のwillの集合体=大企業
吉田:大越さんはいま入社して12年です。スタートアップなどに転職するといわゆるC職(CFO、CMOなど各部門トップの役職)を担っている人もいると思いますが、大企業ではまだ若手といわれることもある年次です。いろいろな選択肢がある中で、転職せずに大企業、あるいは今の会社で働き続けることの何が価値だと感じているかを知りたいです。
大越:社内では「Why Ricoh?」という言葉が飛び交っています。現在のリコーの主力事業はオフィス向けの画像機器を中心とした製品・サービスですが、新型コロナウイルスの影響により会社に行く機会が減り、お客様のプリント出力量は減少しました。入社した2008年を思い出すと、このときもリーマンショックでコピー機に「使用禁止」の張り紙があるお客様も見てきました。そうした意味で、自分たちの存在意義とは何か、という問いには向き合い続けています。
質問の答えになるかわかりませんが、アクセラレータープログラム後の社長の総評で「ポストモダニズム時代の新しい会社の形態」という一言がありました。これは「社員がそれぞれやりたいことをやっていて、結果としてそれが会社になっている」という意味です。個々が実現したいことをできていて、組織として成り立っていれば、それも一つの形かなと思います。そうした環境を「応援者」として実現していくことが、自分のやりたいことにもリンクしているので、それがまだリコーにいる意味の一つです。
吉田:「行く先」と「あり方」ですよね。リコーの行く先には、社員の幸せや雇用を守ることがあると思います。破壊的イノベーションがさけばれる時代でも、破壊のベクトルを間違えるとおかしなことになりかねません。だから行く先は同じでもあり方を変えるというのは大切ですよね。会社によっては、行く先を変えるけどあり方を守るパターンもあって、それを見て「大企業はダメ」だ、と脱藩する人もいる。
あり方を編集するスタンスがあれば、豊富な資源を新しい形に変えて、同じ方を目指すこともできます。おもちゃのブロックみたいに、一度ばらして組み直せば全然違うものができる。そう思えると、大企業を捨てたものじゃないと思えるし、可能性があるんじゃないかと、当事者として感じます。
大越:アクセラレーターとか事務局っていうと、優秀でやる気のある人に成功事例を立てていくように見られてしまいがちですが、潤滑油としての役割という方が近いと思っています。新規事業だけではなくて、みんなが思っていることを受け止めて翻訳する役割だなと。
たとえ現在の職域では思うように評価されなくても、新しい領域や自身の役割の捉え方次第で力を発揮させられる人がいます。そのような人含めても活躍できる環境をもっと整えていきたいです。彼らのチャンスになりたいし、それを応援することが会社の明日をつくることにもつながるはずです。
若かりし頃のGoogle、Facebook創業者も受賞した、知る人ぞ知るテックメディアのアワードが日本初上陸

この連載では、マサチューセッツ工科大学の会報誌から始まり、100年以上の歴史を持つメディア「MITテクノロジーレビュー」日本版とタイアップ。同誌が展開する世界的なアワード「Innovators Under 35」が日本で初開催されることを期に、若年層にフォーカスしながら「社会はテクノロジーとどのように向き合うべきか」という問いを考えていきます。
第1回は、同誌を運営する角川アスキー総合研究所の小林久編集長に、ソリューション開発センターの笹川真氏が話を聞きました。
テクノロジーの光と影、どちらにもスポットライトを当てる
小林:日本ではまだ歴史が浅いですが、1899年に米国で創刊し、今年で121周年を迎えています。もとは名前の通りMITの同窓生向けに発行されていましたが、1990年代後半から一般にも発売されるようになりました。
笹川:角川アスキーが関わるようになったのはいつからですか?
小林:私たちが日本語版の権利を得て創刊したのは2016年です。すでに、Amazon創業者のジェフ・ベゾスが宇宙に投資したり、Googleが不老不死に数十億ドルかを出す話があったり、いわゆるIT長者たちが「IT以外の分野」にどんどん投資をしている時でした。
ただ日本を見ると、投資額も、メディアの露出も、「テクノロジー=IT」の話に偏っている風潮がありました。アスキーも30年以上、ITに特化してメディアをやってきたものの、海外では「IT以外のテクノロジー」にもお金が集まり、新しいイノベーションが生まれている事実に、もっと目を向けるべき、という思いがありました。
MITテクノロジーレビューが扱うのは「エマージング・テクノロジー」であり、技術が現代社会やビジネスにどのようなインパクトを与えるかです。具体的なところでは、医療や資源開発といった広い意味での社会問題をテクノロジーでどう解決していくかをテーマにしています。
笹川:米国版の翻訳記事は読み応え十分ですよね。前述された、カバー領域をITの外にまで広げたことも編集方針の1つだと思うのですが、いわゆるテックメディアとの違いについて意識されている点はありますか?
小林:大きく3つあると思っています。1つは今お話したカバー領域の広さです。2つめはそれにも関係しますが、テクノロジーが生み出す社会的なインパクトに目が向いていることでしょうか。最近ですと、「なぜ今『AI倫理』の議論が必要なのか」という記事を公開したのですが、何かの技術が社会で活用されることによって、どんな影響があるのかを考えてもらうような視点を提示しています。
また、AIに限らず、最先端のテクノロジーは専門誌や学会誌を読んでも一般の人にはテクノロジーがどう役立つのか分かりません。日々変わっていく社会とテクノロジーの関係性を、いかに企業経営に反映させればいいのか、どんなビジネスが生み出せるか、といった問いを読者が立てやすいように編集しています。
笹川:テクノロジーの話を、一般の人への橋渡しする役割を編集部が担っているんですね。
小林:ただ、テクノロジーのニュースは分かりやすくしようとすると、どうしてもプロダクトやサービスの話になりがちです。そこであえてMITTRではガジェットニュースをほとんど扱っていません。社会とテクノロジーの関係性を明らかにすることが編集方針だからです。
笹川:そして最後。3つ目は?
小林:テクノロジーを礼賛するのではなくて、客観的に「光と影のどちらにもスポットを当てていること」でしょうか。日本のメディアは、「新しいもの=すごい」という盛り上げ方をしていくのが特徴だと思うので、その点は大きく異なると思います。当然、私たちもテクノロジーの可能性を信じてはいるものの、同時に、その怖さも理解しています。だからこそ、前のめりになりすぎないように心がけています。
例えば、ディープラーニングは顔認識技術に用いられていますよね。顔認識技術は便利ですが、実在する人の顔がクラウド上で流通することはプライバシーの観点で懸念がありますし、さらに、肌の色によって認識精度に差があることも分かってきて、新たな人種差別につながると欧米では数年前から問題になっています。それを受けてIBMからは、今年6月、顔認証製品の開発を停止する発表がありました。
笹川:忖度なく負の側面も伝える。MITTRが多くの企業の経営者や新規事業担当を中心に支持されているのも納得できます。そして、中立の立場であるための論拠として、アカデミックな視点も数多く披露されていますよね。
小林:大学など研究機関の動向、政府の法規制などに対する、社会の反応を扱うことが多いです。その時MITを特別扱いせず、他大学の研究成果も扱うことも特徴です。
笹川:小林編集長に推薦いただいた、マイク・オルカット記者のブロックチェーンの記事、カレン・ハオ記者の人工知能の記事は、読み応えありました。
社会変革をメディアが後押しするために
笹川:①カバー領域がITの外にもある、②テクノロジーの世の中をどう変えるのか、どんなインパクトを与えるのか冷静に分析する、③テクノロジーを礼賛せずその光と影どちらにもスポットを当てる。こうした編集方針を知ると、単に目新しい情報を報じるのではなく、メディアとして社会の前進にフォーカスしていることが分かりますね。
小林:日本版はまだ歴史が浅いのですが、スタートアップにコミットしたり、産学の垣根を低くしたりして、テクノロジーが世の中にインパクトを与えるサポートをしたいと思っています。そういう意図で、これまで3年間で大小数十回のイベントを開催しています。そして今年、米国で一定の認知度を獲得している「Innovators Under 35」という賞を日本でローンチさせます。
笹川:特に米国など、世界的に見ると「Innovators Under 35」は権威ある賞として認知されていますよね。日本版の開催には読者として楽しみにしていますが、どのようなプロセスでノミネートを行うのでしょうか。
小林:「Innovators Under 35」は毎年、テクノロジーによって社会の変革に貢献する35歳未満のイノベーターを表彰しています。マサチューセッツ工科大学(MIT)のキャンパスで発表されるグローバル版が1999年にスタートし、それに加えてアジア、中国、欧州、インド、ラテンアメリカ、MENAのローカル版が開催されてきました。日本では世界で7番目のローカル版として開催されます。
笹川:アワードの特設サイトで過去の受賞者を閲覧できますが、その顔ぶれが豪華ですね。
小林:賞金があるアワードではないのですが、選ばれた人がのちに大成しているケースは確かに多いですよね。
過去の受賞者を少し挙げると、2002年にGoogle創業者のセルゲイ・ブリン、2007年にFacebookのマーク・ザッカーバーグ、2008年にTwitterのジャック・ドーシー。Appleでデザインを担当しているジョナサン・アイブや、ルンバで有名なiRobotの共同創業者ヘレン・グライナー。

小林:海外では実際にそういう認知を得ているようです。日本版も同様の評価が得られるよう、盛り上げていきたいですね。2020年度は9月1日から10月31日までの募集です。自薦・他薦の両方で候補者を受け付けています。

小林:はい、共通の基準で選考します。テクノロジーのメディアが主催する賞なので、プロダクトやサービスをつくっている人が応募しやすいかもしれませんが、審査は「テクノロジーで社会にどんな影響をもたらしたか」を評価します。つまり、社会を変える行動をした人も対象となることを意味しています。
たとえば2018年にヘラ・フセインという受賞者がいました。彼女は家庭内暴力に困っている人のための法的手続きをインターネットで簡単にできるサービスの構築で受賞しています。他にも、女性問題、政府の検閲といった社会課題に対して、テクノロジーを活用して解決を試みた受賞例がいくつもあります。
笹川:必ずしも最先端のテクノロジーでなくても、テクノロジーを活用して、社会の難題に取り組んだ人を表彰する賞なのですね。

小林:少しずつ、審査員も決定してきました。日本を代表する方々に引き受けていただいてうれしいです。グローバル版と同じ審査をして、審査員の方々からのフィードバックまで入っているので、ぜひご応募いただきたいと思います。
アンダー35世代の「テクノロジーとの付き合い方」
笹川:Innovators Under 35 は、世界で8カ国目の開催、日本での初開催になりますが、どのようなテクノロジーや受賞者に出会えるのか、今から楽しみですよね。
小林:2020年の日本のアンダー35は、1985年以降なので昭和末期から平成初頭に生まれた方々、バブルが終わって経済不況の間に育った世代なので、海外に積極的に出ていこうとよりも「日本の中でやっていこう」という内向きな志向があるように思います。
一方で、各世帯では少子化が進行した世代でもあります。余裕があって物質的には不自由なく育ってきた世代とも言えます。だから競争の中で何かを勝ち取っていくというより、今あるものの中でどうするかにフォーカスする傾向が見受けられます。「社会に何が還元できるか」とか「自分がすべきことは何か」とか、働くモチベーションも物質的な豊かさではない方向に大きく変化していますよね。
笹川:テクノロジーの文脈で見ると、ある調査では「テクノロジーが世界をよくする」と答えたのが日本ではわずか22%で、先進国と言われる国の中でも低すぎるように見受けられます。
小林:大きくは満ち足りている社会で、新たにテクノロジーが何か解決する領域が少ないと感じているのか。そもそもテクノロジーに関心がないのか。
笹川:このデータだけでは結論づけることはできませんが、次回の連載で、特に35歳未満の社会やテクノロジーに対する認知を35歳以下の後輩も交えて、探ってみたいと思います。
小林:ちなみに、海外、特に新興国は外向きですよね。少し前だと、エストニアという小国がSkypeで世界に打って出ていきました。他にも、テクノロジーの活用法として良い例とは言えませんが、マケドニアの人口5万人程度のヴェレスは「フェイクニュース工場」として有名になりました。何もない田舎町から数百名もの若者がフェイクニュースで大きな富を築きました。テクノロジーを活用した、外向きのアクションだといえます。
笹川:マケドニアの事例はたくましいですね。
小林:特に2000年以降はインターネット全盛の時代で、世界がつながり、海外に出て行く機会が増えました。残念ながら、日本はそのチャンスを十分に生かせなかった。そういった意味では、Innovators Under 35という賞を、日本の新しい才能を世界に発信する場になればいいなと思っています。
**
日本で初開催。MITテクノロジーレビューが選ぶ、未来を創る35歳未満のイノベーターを発掘する「Innovators Under 35」の詳細はこちら
どこまで信用できる? 続々報じられる「スマホ代値引き」は本当に4割下がるのか
現在、スマートフォン料金が大幅な見直しを迫られている。「楽天モバイル」のCMで女優の米倉涼子が「日本のスマホ代は高すぎる!」と叫んでいるように、これまでにもたびたび見直しの話は持ち上がっていた。これまでは議論が立ち消えになり続けていたものの、9月に菅義偉内閣総理大臣が誕生して以降、動きが加速しているように感じられる。
今回は、携帯電話業界の値下げの実現性について考えていきたい。
新総理就任で加速したスマホ料金の値下げ
2018年に菅総理(当時は内閣官房長官)が、「今よりも4割程度下げる余地がある」と発言したことが大きな波紋を呼んだ携帯電話の料金体系。「docomo」「au」「SoftBank」の3大キャリアのユーザーは、毎月の支払いが1万円を超える人も珍しくない。auとSoftBankは、そんな高額な料金を嫌ったユーザーをターゲットとしたサブブランド、いわゆる“格安スマホ”も用意しているほどだ。
そんな中、値下げに言及した菅総理が今度は内閣総理大臣に就任。「デジタル庁の創設」など重要政策に掲げる日本のデジタル化を推進する一環として、改めて携帯料金の改革に踏み込ん…
パチスロの「完成形」!? 革新的メーカー最新作は「バトル」勝利で「特化ゾーン突入」
ファンが求める全てを完全集約。フィールズはこのほど、シリーズ累計発行部数350万部超を誇る人気作品とのコラボ―レーションパチスロ、七匠製造『アカメが斬る』の機種情報を製品サイトで公開した。
出玉増加のカギを握るのは、1セット30G+α、1G純増約4.0枚のAT機能「アカメチャンス」。主な突入契機はボーナスで、通常時は規定ゲーム数の消化やCZを経てボーナスに当選する。
通常時の基本ステージは4種類で、「レオーネステージ」「ラバックステージ」への移行は高確滞在の可能性大。「作戦会議ゾーン」への移行は前兆に期待でき、最終的にバトル演出発展で当否がジャッジされる。
強チャンス役が突入契機のCZは「ナイトレイドチャレンジ」「エスデスゾーン」の2種類。消化中の抽選システムは不明だが、CZからのボーナス当選はビッグに大きな期待が持てるとのことだ。
ボーナスはビッグ、REGの2種類で、ビッグは約120枚の獲得が可能。消化中の演出は3パターンから好みで選択でき、チャンス告知はBAR図柄が揃えば、バトル告知は後半のバトルで敵に勝利すれば、完全告知は「フェイスオブインクルシオ」が発生すればATが約束される。
REGは約60枚増で、入賞時はフリーズ抽選。消化中はキャラ紹介画面に秘密があるようだ。
AT中はチャンス役成立でゲーム数上乗せ及び規定ゲーム数短縮抽選が行われ、規定ゲーム数到達で「イェーガーズバトル」に発展(AT初回は必ず発展)。バトル中は毎ゲームの勝利抽選で、「アカメVSクロメ」は勝利が確定すると思われる。また、バトル敗北時は次回バトルの勝率がアップするようだ。
首尾よくバトルに勝利すれば、例外なく特化ゾーンへ突入する。特化ゾーンは「アカメチャンスin温泉」「革命ノ刻」「エピソードボーナスの」3種類で、アカメチャンスin温泉は1セット6G、最大7セット継続。毎ゲーム全役で上乗せが発生し、1セット平均約40Gの上乗せが見込める。
革命ノ刻はバトル型上乗せ特化ゾーンで、バトル継続の度にゲーム数上乗せ。継続時の追撃発生やエンディング到達でさらなる上乗せが発生する。
エピソードボーナスは30Gの上乗せ高確状態。エピソードは複数種類あるようで、消化中は3桁上乗せの大チャンスを迎える。
先述したREG入賞時を含めてフリーズが発生した場合は、本機最大の出玉トリガー「KILL RUSH」がスタート。その後は15G間、毎ゲーム上乗せが発生し、AT完走に大きく前進する。
ATまでの道のりは王道パターンで、AT中は多彩な特化ゾーンを搭載。気になる本機の導入は、11月9日を予定しているとのことだ。
〇〇〇
【注目記事】
■パチンコ「革新的BIG BONUS」1500発が“倍倍”で増加!? 「次世代システム」も超進化!!
■パチスロ『GOD凱旋』さよなら企画…「カリスマ」が魅せる「最終決戦」!!
■パチスロ『吉宗3』の独走を止める「超大物」!? 人気シリーズ最新作の激アツ情報…「ダブル上乗せ」の爆発力を体感せよ !!
JRAコントレイルは「人類の英知」で生まれた近代型三冠馬!? 史上3頭目の無敗三冠もディープインパクト、シンボリルドルフとの決定的な違い
25日、京都競馬場で開催された菊花賞(G1)において、コントレイル(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)が史上8頭目の牡馬三冠を達成。また無敗での牡馬三冠達成はシンボリルドルフ、ディープインパクトに次ぐ史上3頭目となった。
かつてシンボリルドルフの仔トウカイテイオーが無敗で春二冠を制しながらも、故障によって菊花賞を断念。そんな歴史をディープインパクトの仔コントレイルが親子二代での無敗三冠を達成することで塗り替えた。
福永祐一騎手が「世界でも類を見ない大変な偉業」と話した通り、三冠馬の栄光に彩られる歴史の中でも特別なレースとなった今年の菊花賞。
そして、もう1つ印象的だったのが、その「着差」だ。
皐月賞(G1)こそサリオスと半馬身差の接戦だったが、日本ダービー(G1)では3馬身差の圧勝。そんなコントレイルが、まさか最大のライバル不在の菊花賞で「クビ差」まで追い詰められるとは、多くのファンにとっても想定外だったに違いない。
ちなみに菊花賞のクビ差勝利は、歴代の三冠馬の中でも最小の着差。ナリタブライアンの7馬身圧勝を筆頭に、すでに同世代との差がはっきりしている最後の一冠では、三冠馬の力が改めて浮き彫りとなる結果が目立ったが、コントレイルはギリギリまで追い詰められた。
無論、そこには2着アリストテレスの鞍上C.ルメール騎手の好騎乗があったことは確かだが、それ以上にコントレイルが苦戦した理由は「距離適性」ではないだろうか。
率直に述べて、もしコントレイルが春に二冠を達成していなければ、3000mの菊花賞へは出走していなかったはずだ。
昨年9月に行われた1800mのデビュー戦を快勝したコントレイル。だが、福永騎手は「センスがいい。言うことがない」と絶賛した一方、「スピードが勝っているタイプ」とマイル以下で活躍する可能性を示唆。「距離はやってみないと分からない」と、距離延長には慎重な姿勢を示していた。
さらに11月に東京スポーツ杯2歳S(G3)を5馬身差でデビュー連勝を飾った際、陣営は「2000mくらいまで大丈夫な感じ」とやはり距離には慎重な姿勢を見せ、続く2000mのホープフルS(G1)でG1初制覇を飾った際も矢作芳人調教師が「2000mまでは大丈夫だけど、2400mは……」という旨のコメントを残すなど、コントレイルは常に距離を不安視されてきた存在だ。
「デビュー当初は、今よりも前進気勢が強かったですし、福永騎手はコントレイルについて『育て方によってはマイラーになっていたかも』と話しています。菊花賞の戦前でも『ベストの舞台ではない』と公言していましたし、中日スポーツの取材には『例えば、今年のメンバーにデルタブルース(2004年の菊花賞馬)のような馬が潜んでいたら勝負は分からない』と慎重な姿勢を見せていました。
今回の菊花賞は同世代が相手だったこともあって、能力差で勝てた面も大きいと思います。ですが菊花賞馬とはいえ、スペシャリストが参戦する今後の3000m級の戦いでは、大きな課題が残ったと述べざるを得ません」(競馬記者)
実際に元JRA騎手のアンカツこと安藤勝己氏も、自身のTwitterを通じコントレイルの菊花賞について「恐らくはここがキャリアで最も不向きな舞台」とコメント。やはりコントレイルにとって、3000m級の戦いは大きなハンデとなるのだろう。
「今回は三冠が懸かっていたので菊花賞に出走しましたが、距離適性が重視される今後は天皇賞・春(G1)などの長距離戦には出走しない可能性が高そうです。ちなみにもし、三冠馬が天皇賞・春に出走しないまま引退すれば、グレード制導入以降では初となります」(別の記者)
確かに、菊花賞が昔から「最も強い馬が勝つ」と言われているように、以前は長距離で真価を発揮してこそ最強馬という風習があった。実際にシンボリルドルフ、ナリタブライアン、ディープインパクト、オルフェーヴルといったグレード制導入以降の三冠馬は、いずれも3200mの天皇賞・春に挑戦している。
しかし、コントレイルはスピードが最重要視される近代競馬の中で生まれ、本来はマイラーになってもおかしくなかった馬が、現代の調教技術の高さによって、本質とは大きくかけ離れた3000mをこなせる馬に“改造”されたのだろう。
レース後、大本命馬をクビ差まで追い詰めたアリストテレスの音無秀孝調教師が「来年の天皇賞・春が楽しみになった」と話していた通り、福永騎手の言葉を借りるなら、今年の菊花賞には「第2のデルタブルース」はいた。
しかし、歴代のホースマンたちの積み上げてきた英知が史上8頭目の三冠馬を生み、アリストテレスの挑戦を最後の最後で退けたのかもしれない。
JRA天皇賞(秋)に意外な伏兵…アーモンドアイvsクロノジェネシス最強牝馬決定戦は?
激戦となった菊花賞が終わり、今週末は秋競馬前半最大の注目レースである天皇賞(秋)が行われる。今年の目玉は、なんといってもアーモンドアイvs.クロノジェネシスの最強牝馬決定戦だろう。この2頭に加え、無敗の牝馬三冠を達成したデアリングタクト、安田記念とスプリンターズステークスを連勝したグランアレグリアなど、どの世代や路線でも現役牝馬は粒揃いだが、やはり5歳世代のアーモンドアイ、4歳世代のクロノジェネシスの初対決は見ものだ。
アーモンドアイは日本中央競馬会(JRA)史上最多の芝G1レース8勝という記録がかかっている。ここまで牝馬三冠にジャパンカップ、ドバイターフ、天皇賞(秋)、ヴィクトリアマイルでG1レースを7勝しているが、春の安田記念はグランアレグリアに完敗。引退の時期も近づいているだけに、残されたレースは多くない。それだけに、このレースにかける意気込みは相当高いと思われる。
毎日王冠を圧勝したサリオスと実績馬サートゥルナーリアの出走回避はアーモンドアイにとって渡りに船だが、この記録達成に立ちはだかるのは、同じ牝馬のクロノジェネシスだ。同馬は昨年のエリザベス女王杯でG1初勝利。今年の宝塚記念は2着キセキに1秒もの差をつけて圧勝している。勢いは間違いなくこちらだけに、牝馬と牝馬の意地がぶつかり合う激戦となりそうだ。
この天皇賞には、ほかにもブラストワンピース、キセキ、フィエールマン、ウインブライト、ダノンプレミアムといった合計7頭のG1レース優勝馬が出走を予定しており、かなりハイレベルなメンバー。登録は12頭と少ないが、ジャパンカップや有馬記念など今後のJRAを占ううえでも注目のレースである。
もちろん競馬ファンであれば、このレースを観戦するだけでなく、しっかり馬券を的中させてアピールしたいところ。しかしアーモンドアイとクロノジェネシスを筆頭に、ブラストワンピース、フィエールマン、ウインブライト、ダノンプレミアムといった実績馬はすべて休み明けでの出走。前哨戦を走っていないため、各馬の状態や適性などがわかりにくい状況になっている。特に競馬ファンにとっては、休み明けの馬の動向を完全に把握することは不可能であり、かなり難解なレースになると言えるだろう。
そこで、休み明け各馬の放牧中の情報も完全に把握し、なおかつこの秋も秋華賞で万馬券的中と絶好調の「ホースメン会議」の情報力と分析力に注目したい。
かつて、“競馬の神様”と呼ばれ日本全国の競馬ファンから親しまれた大川慶次郎という競馬評論家がいた。
「ファンに確かな予想と的中の喜びを伝えたい」
と大川氏が考え設立したのが、来年で創立40年となるホースメン会議だ。これほどまでに長く競馬予想業を続けていられるのは、安定した的中実績と競馬ファンからの支持、そして業界関係者から信頼されているからであろう。
その実績はまさに業界でも群を抜くレベルであり、10番人気マジックキャッスル、9番人気ソフトフルートの激走で波乱となった秋華賞でさえも、馬連・2670円、3連複・1万7920円、3連単・4万4110円のダブル万馬券を的中させている。さらにその秋華賞週には、ほかのレースで3連単・8万5060円の高額万馬券も仕留めており、G1レースでも下級条件戦でも確かな情報とハイレベルな分析で的中を連発しているのである。
現在は大川氏の弟子である能勢俊介氏が総監督を引き継ぎ、日刊スポーツの本紙予想を25年にわたって務めた堀内泰夫氏、大阪スポーツ本紙歴37年の米原聡氏、元JRA騎手のG1ジョッキー東信二氏など、業界の誰もが「最強」と認めるほどの予想陣が、騎手エージェントや某大手クラブのマネージャー、某大手牧場のスタッフなどと連携し、確かな情報を得た上で、本物の分析を施している。そんなホースメン会議は、今週末の天皇賞(秋)について以下のように語っている。
「今年の天皇賞は、アーモンドアイが歴代最多となる芝のG1で8勝目を目指す一戦。恐らく1番人気でしょう。しかし、同じように最多G1勝利が懸かっていた安田記念が完敗といえる内容でした。この結果をみて『衰えが出始めているのでは?』と考えている一般ファンも多いかと思います。まずはそこが大きなポイントですが、当社予想陣はすでにアーモンドアイの取捨について『結論は出ている』と断言しています。
天皇賞(秋)といえば、ホースメン会議にとって過去10年で7度も的中させている好相性のG1レース。アーモンドアイが圧勝した昨年も、各所から一般には出回らない裏ネタを入手し、的中につなげています。その流れで今年は、当社予想陣をして2015年に10番人気ステファノスを指名し、馬連7340円と3連複・2万4850円を的中させたときと同様の穴馬がいるとのこと。それは秋華賞で抜擢し、4万馬券的中の立役者となったマジックキャッスルとソフトフルート級の情報が基になっており、このレースでも大きな配当が狙えるでしょう。
そんな天皇賞(秋)を注目している皆様も多いことでしょう。そこで、競馬ファン拡大の特別企画として【天皇賞・秋の3点勝負】を無料で公開することになりました。我々も競馬関係者の立場であり、このコロナウイルスの状況で競馬人気の向上に協力できればと考えています。
また天皇賞(秋)だけでなく、11月以降の7週連続G1レース(エリザベス女王杯~ジャパンカップ~有馬記念)についても、すでにいくつか、新聞には載らない強力情報を入手しておりますので、この秋はぜひホースメン会議にご注目ください」(ホースメン会議スタッフ)
聞くところによるとホースメン会議は、11~12月に向けて【G1重点分析&情報収集チーム】を増員したとのこと。例年以上の体制で、例年以上の成績を挙げるべく、さらなるパワーアップを目指しているという。これは経費削減で人員を減らす傾向にあるマスコミとは真逆の方向で、今後期待できるのはどちらか明白だ。
さらに来年創業40年を迎えるにあたり、1カ月前の12月からさまざまなカウントダウン企画を予定しているとのこと。その詳細は今週の特別無料企画【天皇賞・秋の3点勝負】を利用した際にわかるという。それも非常に楽しみといえよう。この秋競馬をより楽しみ結果を残すためにも、ホースメン会議の情報力と分析力は絶対に必要だ。まずは天皇賞(秋)で、その実力を堪能しよう。
(文=編集部)
CLICK→【無料公開!天皇賞(秋)・3点勝負】ホースメン会議
※本稿はPR記事です。