NPO支援プログラム「伝えるコツ」をオンラインで無料公開開始

5月19日に配信された電通ニュースリリース文面は以下の通りです。


2020年5月19日

16年目を迎え、セミナー形式でNPOのコミュニケーション力を向上

電通と特定非営利活動法人日本NPOセンター※1は、NPOが活動を広げていくためのコミュニケーション力向上を支援するプログラム「伝えるコツ」※2の教材を動画化し、オンラインで無料公開を開始しました。

電通と日本NPOセンターは、両者が中心となり2004年に「NPO広報力向上委員会」※3を設立。電通のクリエーティブ能力と日本NPOセンターのネットワークやインサイトを生かし、「伝えるコツ」のプログラムを開発しました。電通社員やNPOメンバーが講師となり、2005年2月より全国各地で「伝えるコツ」のワークショップを実施してきました。プロジェクトの発足から16年目を迎え、実施回数155回、参加者は延べ約5,600名(2020年3月現在)に達しています。これを機に、さらに多くの方に受講いただけるよう、オンライン教材という形式に変えて無料で公開することといたしました。

電通は、コミュニケーションの領域からNPOの広報力・課題解決力・組織力の向上を図る社会貢献活動の一環として、「伝えるコツ」の活動を行ってきました。社会課題解決の担い手としてNPOの役割はますます大きくなっています。NPOにとって、伝えるスキルは組織をまとめ、理解者や協力者を広げるための重要なスキルであり、また不足しがちなスキルでもあります。「伝えるコツ」をきっかけにNPOの活動がさらに広がることを願い、今後も活動を続けてまいります。

オンライン教材は下記URLより閲覧することができます。
https://www.youtube.com/channel/UCLmXSvnlAYePmCenHDuKRVQ/

※1 日本NPOセンター
NPO全体の発展を願い、民間非営利セクターに関する基盤的組織としてNPOの社会的基盤強化を図り、市民社会づくりの共同責任者としての企業や行政との新しいパートナーシップの確立をめざし1996年に設立。NPOに関する法制度に関する提言や、NPO法人全体のデータベースの運営、全国のNPOやNPO支援者のための研修、企業との協働事業などを実施しています。
https://www.jnpoc.ne.jp

※2 「伝えるコツ」
2015年11月にはテキスト改訂第3版を発行。2016年「グッドデザイン・ベスト100」(カテゴリー:地域・コミュニティづくり/社会貢献活動)を受賞。https://www.jnpoc.ne.jp/tsutaeru/

※3 NPO広報力向上委員会
NPOの広報力が向上することにより、日本のさまざまなNPOの活動が、もっと広がり盛り上がることを願って立ち上げられた会です。広告会社としてコミュニケーション領域を専門とする電通と、社会の課題に取り組むNPOのメンバーによって構成されています。

電通ニュースリリース
https://www.dentsu.co.jp/news/topics/2020/0519-010054.html
 

ハッカズーク “企業とアルムナイの関係”を研究する組織を設立

アルムナイ(企業の退職者)と、企業との関係構築を支援するハッカズークは5月19日、“企業とアルムナイの関係”を研究する組織「アルムナイ研究所」の設立を発表した。
それに伴い、7月に第1回アルムナイシンポジウムを開催予定だ。

同社は、設立の背景について「当社は、“企業と個人の新しい関係”をビジョンに、アルムナイに特化した事業を展開している。アルムナイ特化型クラウドシステム『Official-Alumni.com』やコンサルティングを提供し、2017年の設立以来、上場企業を中心に多くの企業でアルムナイとの関係構築のサポートをしている。その結果、多くの企業とアルムナイ、またアルムナイ同士の新しいつながりが生まれている。
一方で、企業とアルムナイが退職後もつながることは日本ではまだ新しい考え方であり、事例や情報が十分であるとはいえない。
ビジョンの達成のためには、より幅広い事例調査や研究、そしてそのような調査や研究からの発見を発信していくことが必要であると考えている。同じビジョンを持ったパートナーや企業との協業を通じて、アルムナイとの関係を構築する企業を増やし、ビジョンを実現すべく、『アルムナイ研究所』を設立するに至った」としている。

研究所では、「日本の文化に根差した“企業とアルムナイの関係”を研究する組織として、以下の活動を通じてビジョンの実現に寄与していく」という。

・企業とアルムナイの関係や退職に関する調査や研究
・上記やそれに関連する研究会の企画・運営及び調査結果・研究結果の発表
・上記を通じた各種メソッドの開発
・アルムナイに関する施策に取り組む企業のコミュニティ運営など

■アルムナイ研究所のメンバー

所長
酒井章 クリエイティブ・ジャーニー代表

研究員
大門孝行 電通 キャリア・デザイン局 キャリアデザインプロデュース3部 ゼネラル・マネージャー
黒丸修 中外製薬 人事部部長 タレントマネジメントグループ 薬学博士
土橋隼人 PwCコンサルティング 組織人事・チェンジマネジメント シニアマネージャー
山崎涼子 パーソルホールディングス グループ人事本部人事企画部部長
鈴木仁志 ハッカズーク 代表取締役CEO

アドバイザー
篠田真貴子 エール 取締役
服部泰宏 神戸大学大学院 経営学研究科准教授

酒井章所長は「私が企業在職中に立ち上げたアルムナイネットワークの理念は“年齢、在職中の部門・役職に関わらずフラットな場”であることでした。かつてない大きな環境変化の時代だからこそ、この研究所も、多様な方々がオープンでフラットに意見を交換し、これからの“健全な”働き方、キャリア、会社と社員との関係を見通す“メガネ”のような存在になれればと思う」とコメントしている。

ハッカズーク ウェブサイト:https://hackazouk.com/
アルムナイ特化型システム: https://official-alumni.com/
 

 

作品ではなく「作家と出会う」。アートとあなたの新しい関係性

「アート・イン・ビジネス—ビジネスに効くアートの力」筆者のひとり、美術回路(※)メンバーの上原拓真と申します。私が担当した連載第2回ではビジネスパーソンが経験するアートの内在化、第3回では東京理科大でアートマーケットの科学的研究をする大西浩志による寄稿として「ビジネスにおけるアートの効果」について紹介しました。

(※) 美術回路:アートパワーを取り入れたビジネス創造を支援するアートユニットです。専用サイト。

 

「アート・イン・ビジネス」ではアートを内在化したビジネスパーソンが、どうやって初めにアートと出合ったのか、きっかけを紹介しています。主に①作品をたくさん見る、②作品に向き合う、③人と話す、④描いてみる、⑤作品を買う、に分類できるのですが、こういったアートに出合うきっかけをつくるための実践例─というか恥ずかしながら私、上原がどんなアート・イン・ビジネスをみずから手掛けてきたのかお話しさせてください。

日本の現代アートはまだ多くの人にとって「自分には関係ないもの」

現代アートを理解して楽しむには、膨大な数の作品を見ること、歴史や知識を理解することが必要です。とはいえ、ずっとハードルが高いままでは、作品はアート業界の中だけに閉じてしまい、作家にも資金が回りません。
そこで、「作品よりも作家に触れることで、アートの面白さを感じてもらえるのではないか」という仮説の下、あるプロジェクトを始めました。それが作家と話して、作品に出合えるアートテリングツアー、「RUNDA」です。RUNDAは冒頭に示したアートに出合うきっかけ、そのすべてに少しずつ触れることができるツアーとして実践しています。
今回はこの取り組みの紹介を通して、「アートを所有すること」の意味について、改めて考えてみたいと思います。

アートスクールの課題からライフワークへ

私がこのツアーを始めたきっかけは、AIT(Arts Initiative Tokyo)というNPO団体が主催するアートスクールでした(過去記事)。6カ月におよぶプログラムの締めくくりとして、アートに関するプロジェクトを企画することとなり、そこで当時の受講生仲間と共に構想したのがRUNDAの原型です。講座が修了した後、自主的な課外活動として、2016年から実際にこの活動を始めました。
一人一人に深い体験をしてもらうために、あえて少人数で開催していますが、これまでの参加者は延べ200人に上ります。当初はAITを通じて知り合った人が参加してくれていましたが、現在はビジネスパーソンを中心にした20代から60代まで、幅広い層から申し込みがあります。

RUNDAの企画概要図

美大卒なのに「作品を買う」発想がなかった10年間

今でこそこうした活動をしているものの、私自身、元はというと「アートを普通の個人が買う行為」に正直ピンときていませんでした。しかも学生時代、美大でアートマネジメントを専攻していたにもかかわらず、です。

振り返ってみると、その理由の一つには当時の時代背景が関係していたように思います。私が通っていた大学は比較的、アートとビジネスの関係について焦点を当てた教育がされていましたが、当時、日本の美大の多くは美術館のキュレーターや学芸員といった、どちらかといえばアカデミックな人材を育成する色が強い内容でした。そのため、無意識にアートは「団体や美術館が買うもの」という認識があったのかもしれません。

そんな私が初めてアートを買ったのは30歳前のこと。照屋勇賢氏の「Heroes」という作品です。

照屋勇賢氏の「Heroes」

私が当時、ボーナス2回分くらいの金額はする絵を所有することに決めた理由。それは作品に魅了されたことはもちろんですが、一番背中を押してくれたのは“縁”です。実は照屋氏は高校の先輩であり、デッサンを教わったこともある仲だったので、作品に出合う前からその存在を知っていました。加えて、作品を置いていたギャラリーには大学時代の同級生(マキファインアーツの牧高啓氏)が勤めていました。

先輩がつくった作品を同級生から買う──。

この瞬間、あることが急に腑に落ちました。それは「作家にお金が回ることが重要だ」という、大学時代にはたどり着くことがなかった、でもアート産業の発展のためには絶対に欠かせない発想です。

作品そのものではなく、人の縁をきっかけにしてアートを所有する。この原体験を自分以外の人にもしてもらいたい。そこから、今でもアート業界では珍しい「作家の声を直接聞く場を提供する」「作品と鑑賞者の距離を縮める」というRUNDAのコンセプトが生まれました。

展示された作品はもちろん、作家のインスピレーションの源泉になった場所を一緒に巡り、対話する。この行為自体も一つのアートとして位置づけられそうだと思いました。

ツアー参加者の中には、その場で作品を買ってくれた人もいます。別の人からは、ツアーから数か月たって「買うことにした」という報告を聞いて驚いたこともあります。

ギャラリーに所属している現代美術家の作品は、安くても10万円前後。ビジネスパーソンにはハードルが少し高いかもしれません。なにより、アートマネジメントを専攻していた私ですら、大学卒業から初めて作品を購入するまでに10年弱近い期間がありました。

当然、RUNDAの参加者も全員が作品を買って帰るわけではありません。それでも個人的に始めた地道な活動が誰かのアートの入り口になるのはとてもうれしく、やりがいを感じる瞬間でもあります。

RUNDAツアー後の飲み会の様子
RUNDAで大切にしていることのひとつ、ツアー後の作家を交えた飲み会。(RUNDA 第6回 17年12月2日より)

購買は一線を越える境界線

私はなぜここまで“買う”ことにこだわっているのでしょうか。先ほど挙げたように、作家にお金が渡ることの重要性もありますが、理由はそれだけではありません。

私は、「買う瞬間にしか真実は現れない」と思っています。
これはアートに限らず、私が普段の仕事でマーケティングを担当している消費財や自動車といったクライアントの製品でも同じです。

資本主義経済において、購買は非常に重要な行動です。

会員登録が必要ないメディアの記事や動画(電通報もそうです)、街で配られるガムや化粧水などの試供品、自動車や電動自転車の試乗。こうしたものに対して、人は簡単に「いいね」と言います。それは身銭を切っていないからです。ある種の無責任ともいえるかもしれません。

では、もしそれらをお金を払って手に入れるとしたらどうでしょうか。人は自分のお金と商品を交換するとなると、「対価として見合うか」を厳しく判断します。ここに初めて商品と自分との対話が生まれます。

RUNDAツアー過去の様子
(RUNDA 第1回 2016年2月27日 より)

アートも同じです。同じ作品でも、単に鑑賞するだけ(もちろん入館料が必要な場合もありますが)の場合と、購買を通して作者や作品と向き合うのには、大きな違いがあります。

「この作品を家に置きたいか」

言い換えれば、作家が生み出した“身体の一部”を所有し、自分の“生活の血肉”にすること。あるいはその判断をすること。

作品を受け入れる所有者も、受け入れられる作家も、このプロセスによってお互いの接し方や関係性が変わるのです。RUNDAは時としてこの、「売り手と買い手の本当の声が聞ける、尊い瞬間」を間近で目撃できる、とても“アート的”なインスタレーションの舞台でもあるのです。

皆さんもぜひ作家との対話を体験してみてください

作品と鑑賞者の間に作家が入ることで、結果として作品を理解するための最短ルートになる。時代背景や前提知識など、難しいことを一旦抜きにして作家と直接対話すれば、アートが実は身近なものであることを感じられます。

そして一人でも多くの人にそれを体験してもらうべく、RUNDAでは初の試みとなるオンラインツアーを開催します。今回ゲストとなる作家は、「緊急事態宣言下の東京の夜の街」を二つの視点から切り取る作品「Night Order(秩序ある夜)」を発表したフォトグラファー・小田駿一氏です。

小田駿一氏「Night Order」の作品
緊急事態宣言下の東京の夜の街を、客観的・記録的に写し取った作品(吉祥寺ハーモニカ横丁)
小田駿一氏「Night Order」の作品
東京の夜の街に灯る照明を捉え、その温かさ・楽しさを主観的に写し取った抽象作品(有楽町ガード下)

この作品は非常事態宣言の中で経営に苦しむ飲食店を救うべく、作品収益の一部を飲食店に寄付するという、ソーシャルアクションの要素も含んだとても興味深い活動です。クラウドファンディングサービスのmakuakeでも、プロジェクト開始から1週間で120万円以上を集め、現在注目が高まっています。

オンラインツアーでは小田さんの作品に懸ける思いや、当事者である飲食店経営者のリアルな声をお届けする予定です。トークセッションの後は、RUNDA恒例の「作家と直接話せる飲み会」もオンラインで行います。

ギャラリーや美術館に足を運ぶのはハードルが高いという方も、オンラインなのでぜひ気軽に参加してみてください。新たな作品、そして新たな自分の内面との出合いがあるはずです。

RUNDA「オンラインアートツアー」詳細はこちら

なぜ、社会と若者はすれ違うのか?

「令和 若者が望む未来調査2019」とは

昨年5月に元号が令和となり、新たな時代の幕が開けました。令和は、どのような時代となっていくのでしょうか。これを探るヒントは、令和の時代をけん引する若者たちの思いの中にあると、われわれ未来予測支援ラボは考えました。そこで、彼らがどのような未来を望んでいるのか、それを把握するために「令和 若者が望む未来調査 2019」を実施しました。

本調査では、令和時代をけん引する世代である若者を、平成生まれ(調査パネル上は15~29歳)の男女と定義しています。調査は、2019年6月に1万人を対象に、記述式で若者の思いを把握。この6月調査から得られた若者像の確認と深掘りのため、同年12月に600人を対象に、選択式の追加調査を行いました。

この連載では、本調査のサマリーを、全3回に分けてご紹介します。第1回は、「社会の期待と若者の思いのすれ違い」です。

社会が若者に期待するのは「社会への主体的な貢献」

初めに、若者を取り巻く環境を見てみましょう。その時々の若者への期待が反映される学習指導要領から、国は「周囲と共に学び、その知識の活用に主体的に取り組む人材」を求めていることが分かります。

また、経団連の調査では、企業は新卒者に論理性やリーダーシップよりも、「チームと一緒になって主体的に取り組める人材」を求めていることが分かります。これらから、社会から若者への期待とは、「社会の発展への主体的な貢献」だと考えられます。

一方、社会から若者に提供する環境は、経済状況をはじめとする制約により、厳しいものに変わっています。国の予算は、社会保障関連が急激に増大する半面、文教関連は緩やかな上昇にとどまり、シニアらに手厚いとの認識を生みやすい状況です。

企業も、平成の30年間で、賃金を大幅に低下させました。また、非正規雇用を増加させた結果、正規雇用が狭き門になりつつあります。この数年、経済の回復基調が続いていましたが、税負担なども増しており、若者に厳しい環境は変わっていません。

若者が社会に求めるものは、「平等な負担」と「自由な暮らし」

若者は、このような環境をどのように捉えているのでしょうか。彼らは環境が厳しいことを理解しています。それは次のような意見からも確認できます。

若者調査コメント
「令和 若者が望む未来調査 2019」6月調査

このように負担の増加や不安定さに強い懸念を持つ若者が、社会からの求めに応じた成長を選択するのでしょうか。まずは、自身の生活について考えるのではないでしょうか。この傾向は、「実現したいと思う成長」(図表1)で確認できます。

【図表1】

実現したいと思う成長
「令和 若者が望む未来調査 2019」12月調査

若者の成長イメージは、起業や企業内での昇進といった組織や社会を前提とするものよりも、収入や着実な能力成長、資格取得といった個人の成長です。ここから若者の生活防衛の意識は明らかだといえます。この背景には「社会から、個人の安定が得られない」との思いがあると考えられます。「10年後になってほしい社会」(図表2)にはその思いが強く表れています。

【図表2】

10年後になってほしい社会
「令和 若者が望む未来調査 2019」6月調査

彼らが望むのは、自分や周囲の人々を含め、生活の基盤としての「社会の安定」です。若者も発展より、安定を強く望んでいるのです。では、その具体的に望まれる安定とは、どのようなものなのでしょうか。そのヒントが次のような記述に表れています。

若者調査コメント
「令和 若者が望む未来調査 2019」6月調査

若者が求める安定の一つが、「平等な負担」だといえます。若者は、社会のため負担自体は肯定しています。ただし、平等であることを望んでいるのです。そして、それぞれの「自由な暮らし」が実現できる未来も求めていることが分かります。

若者がテクノロジーの発展に対して抱く懸念

若者は、社会の安定を望んでいますが、これは社会の発展に否定的であるということではありません。彼らはどのような社会の発展を望んでいるのでしょうか。社会の発展段階においては、さまざまな技術やサービスが現れます。そこで、若者の技術などへの思いを掘り下げることで、彼らが望む発展の姿を探っていきます。はじめは技術への期待です。

【図表3】

AI・ロボットなど技術発展への期待
「令和 若者が望む未来調査 2019」12月調査

「AI・ロボットなどの技術発展への期待」(図表3)では、技術に期待する若者は5割です。若者はさまざまな通信サービスの利便性を享受しているものの、その技術への期待が半数にとどまっているとも捉えられます。これが、先ほどの社会の発展に対する期待の低さの理由のひとつではないでしょうか。なぜなら、若者は技術に対し次のような認識を持っているからです。

若者調査コメント
「令和 若者が望む未来調査 2019」6月調査

若者は人を補完するものとして技術に期待する半面、人の役割が奪われるのではないかと、技術、特にAIに懸念を持っています。技術が人々に利便性をもたらし、社会の発展につながることを理解する一方、技術は万能ではなく、人の役割、特に人としての心を脅かすものとも考えているようです。ここから解釈を広げていくと、若者は社会基盤の一つとして「人間らしさ」「人の心の存在」を求めているとも考えられます。それは若者がAIなどの技術と、どのように付き合っていきたいのか、その中にも表れています。

【図表4】 

AI・ロボットなどへの考え方
「令和 若者が望む未来調査 2019」12月調査

「AI・ロボットなどの技術に対する考え方」(図表4)から、技術に“人のサポート”を期待していることが分かります。意思決定のサポートであり、タイミングを含め、イニシアチブを持つのは人です。日々の暮らしにおいては、工場のような完全自動化は理想にはなり得ません。

また、アウトプットだけではない丁寧なコミュニケーションを求めています。ボタン一つで便利なアウトプットが得られることより、アウトプットに至った過程に納得感を求めています。

最後のリスクはやや割れています。リスクの低減を望みつつも、現状を変える最適案としてリスクを許容しています。一見矛盾するものだといえますが、「リスクを回避したいという思いが根底にあるものの、現状はリスクを取ってでも変える必要がある」と認識しているのかもしれません。非常に人間らしい揺らぎです。

以上の結果から、技術の導入では人への配慮を期待していることが分かりました。社会の発展に当てはめるならば、利便性だけでは彼らには届かないといえます。彼らに届く社会の発展とは、利便性よりも、人々の心をどのように豊かにしていくのか、を目的とし、その発展イメージにも、心の豊かさの具体化とそのプロセスの提示が必要なのではないでしょうか。現在の社会の安定を求める気持ちとは、利便性を手放してでも心の豊かさを優先する、その思いの表れとも捉えられるのです。

今回は下記三つの、社会と若者、それぞれの思いのすれ違いを見てきました。
【個人目標のすれ違い】
「若者は社会などが求める社会への貢献よりも、個人のスキルを磨く自己の防衛を重視している」
【社会目標のすれ違い】
「若者は社会の発展よりも、安定を強く望んでいる」
【技術の発展にあるすれ違い】
「若者は技術などによる利便性の追求よりも、人間らしさを損なわない技術の在り方に関心がある」

技術の発展におけるすれ違いは、社会に対する若者の思いを反映しています。若者はAIなどの技術を用いた社会の発展に対し、働くことや自身の意思や思考といった人の本質的な価値を脅かされる恐れを抱いています。ここから、若者は便利な社会よりも、心による社会の牽引に期待しているとも感じられるのです。第2回では、若者に見られる新たな社会の萌芽をご紹介します。

【調査概要】
調査名:「令和 若者が望む未来調査2019 6月調査」
実施実施:2019年6月
調査手法:インターネット調査
調査対象:全国に住む15~29歳の男女(10000サンプル)
調査会社:電通マクロミルインサイト
 
調査名:「令和 若者が望む未来調査2019 12月調査」
実施実施:2019年12月
調査手法:インターネット調査
調査対象:全国に住む15~29歳の男女(600サンプル)
調査会社:電通マクロミルインサイト
 
※本レポートは、新型コロナウイルスの感染拡大以前に実施した調査に基づいて、作成しています。そのため、現在は、本レポートと異なった新たな意識が生まれている可能性もあります。
 

検察OB意見書が引用したジョン・ロックの訳者は安倍首相の大学時代の教授! しかも「無知で無恥」と安倍首相を徹底批判 

 検察庁法改正をめぐる国民の怒りの声が止まらない。安倍首相と安倍応援団はいつものように「黒川弘務検事長の定年延長に恣意的な理由はない」「検察庁法改正は国家公務員法改正にあわせただけ」「提案したのは官邸でなく法務省」などと嘘八百をふりまいているが、そんな弁明を信じているのは、...

『進撃の巨人』編集者が語る、これからの時代のサバイブ力

大ヒット漫画『進撃の巨人』をベースにした戦略論の解説書、『進撃の相談室』(発行:講談社)。その著者であり、クリエーティブ・ストラテジストの工藤拓真氏が、講談社の『進撃の巨人』担当編集者・川窪慎太郎氏とともに、「いまを生き抜くための『問いの作法』」について語り合います。

仕事、学校、人間関係…。あらゆる悩みに苦しむ現代人が課題を乗り越え、自分らしく生きる思考法とは?若い世代に必要な教育とはどんなものなのか?そのポイントを紐解きました。

前編:『進撃の巨人』編集者と考える、“人を動かす物語”とは

川窪慎太郎氏と工藤拓真氏のツーショット

一生懸命に人間の生を描き続ければ、結果として世界に届く

川窪:『進撃の巨人』が世界中でヒットした理由は、扱っているテーマがシンプルで普遍的なものだからだと思うんですよね。壁の内側と外側があって、外側には立ち向かわなければならない圧倒的な敵がいる。しかし話が進むと、壁の内側にも敵がいることが分かったり、敵だと思っていたものが、実は敵とはいえなかったり…。こういう構造って、どんなものにも当てはめられるものだと思うんです。日本だけじゃなく世界中にあるものでもありますよね。だから、いろいろな国の人が、自分の置かれた状況と重ね合わせて、「ああ、分かる分かる」と読んでくれているのだと思いました。

工藤:不自由に対する反逆っていうのかな、そういうことが描かれているんですよね。それでちょっと気になったんですが、川窪さんと作者である諫山創先生は、最初から世界を見据えて、こういう普遍的なテーマを扱おうと思っていたのですか?もともと日本だけでなく海外に広げたいと考えていたのでしょうか?

川窪:あ、それはまったくないですね。世界のことなんて考えていないし、もっといえば日本がどうという意識もありませんでした。諫山さんが純粋に描かんとするもの、描かなければいけないと思うものを描いただけだと思いますし、僕もそれをサポートしたいという思いだけでしたね。ただ、一生懸命、人間や人間の生を描いていくと、結果として世界に届くというか。思いを込めて作った物語が存在し続ければ、それが隣にいる日本人に届くように、隣にはいない世界の人にも届くのだなと思いました。

工藤:それはすてきですね。エレンたちが常に強い目的意識に突き動かされていたように、作り手の皆さんも、純粋で、強く、明確な目的意識を持っていらっしゃった、と。

僕は、心の中に強い目的意識のようなものを持っていれば、いろいろな悩みや息苦しさを乗り越えていけるんじゃないかと思っているんです。なにかを目指して、何度も何度も当たって砕けて。そういうことを繰り返して積み重ねていけば、どこかで道が開ける。それが、生きていくためにとっても大切なことなんじゃないかと思っています。

戦略論とは“問いの作法”を体系化したもの

工藤:もう一つ、川窪さんに、ぜひお聞きしたいと思っていたことがあるんです。僕自身が、子どもの頃から大の漫画好きだったということもあって、漫画編集者さんって、漫画家さんとどんなことを話しているのかなあということに興味があって。必ず伝えるようにしていることやアドバイスしていることなどはあるのでしょうか?

川窪:はい、あります。新人の漫画家に会うとき必ず聞くようにしているのが、「なんで漫画家になりたいの?」ということ。こう聞くと、「漫画が好きだからです」という子がすごく多いのですが、でもそれって、「=漫画家になりたい」ということじゃないですよね。僕も昔から漫画が好きでしたけど、漫画家になりたいとも、なれるとも思いませんでしたし。

もし漫画を読むだけで満たされるのであれば、普通に就職してお給料をもらって、そのお給料で漫画を買って読み続けるという道もありますよね。絵を描くことが好きなら、早く帰れる仕事に就いて、プライベートな時間でイラストを描いてSNSにアップするという手段もあるわけで。「今、あなたが漫画家になりたいと言っている、その思いはどこから来るものなのか」「どういう感情なのか」、それをしっかり考えた方がいいよと伝えています。

それは、100人のうち99人が漫画家になれずに終わっていくからです。何者にもなれずに去っていく子が多いからこそ、スタート段階で「本当に漫画家になりたいの?」「それはなんでなの?」という“問い”を投げかけることを大切にしています。

工藤:問いが大切…。これは、漫画家だけに限らず、どんな職業にもいえることですよね。職業だけでなく、なにかを選ぶときや始めるとき、行き詰まったときなど、あらゆるときに言えることだと思います。

川窪:そう思います。ちょっと話がズレてしまうかもしれませんが、昔読んだ本に、こんな話がありました。「どうして殺人がいけないのかに答えはない」「もし君に考えなければいけないことがあるとしたら、なぜ、今、この本を手に取ったかということだ」。もしかしたら友達との関係に悩んでいるのかもしれないし、将来の夢を描けず苦しんでいるのかもしれない。とにかく、その“なぜ”と真剣に向き合った方がいいんじゃないの、というようなことが書かれていたんです。

「これはすごくいい考え方だな」と思って、以来、何かを始めるときは「なんでやるんだっけ?」とか「なんのために始めるの?」と、必ず自分に聞くようにしています。

工藤:問いとか自問自答って、僕が『進撃の相談室』で伝えたいと思っている戦略論にも通じる、とても本質的で大切なことだと思います。戦略論って、問いの立て方というか、分析の手法というか、“問いの作法”とでも言った方がよいのかな、そういうものを体系化したものでもありますからね。

川窪:僕も『進撃の相談室』を読んで、そう思いました。本のメインターゲットである中学生ぐらいの子どもたちって、なんだか漠然とつらかったり、そもそもなんで悩んでいるかも分からなかったり、とてもモヤモヤした状況の中にいると思うんです。それは漫画家になりたいと言っている子たちも同じかもしれませんが。そこに、ちょっと新しい考え方や解決法、視点を変えるような問いが入ると、ガラッと景色が変わることがある。そういう、若い子たちのためのサバイブ術のようなことが書かれている本だと思いました。

『進撃の巨人』の担当者であるということを抜きに、一人の人間として、この本を、多くの小中学生に読んでもらえるといいなと思っています。

血肉の通った物語には、生きるヒントが詰まっている

川窪:前編でもお話ししたように僕は、問いだけでなく「物語」というものも、人間にとって必要不可欠なものだと思っています。物語には、人間がどう生きていけばいいのかを考えるヒントやエッセンスが詰まっていますから。

工藤:そうですね。今、小学校や中学校で、盛んに、問題解決能力を養うための対話教育が行われています。漫画や小説が取り入れられていることもあるようですが、その内容は「さあ、問題解決の時間ですよ」「ある日、突然、大きな男が襲ってきました。どうしますか?」といったような、多分に教科書的で現実離れしたものが多いように思います。

そうではなくて、血肉の通った物語を取り入れてほしい。幸い日本には漫画という良質なコンテンツがたくさんあるわけですから、これを活用しない手はありません。教科書的な漫画や小説を作って生きるヒントを“教える”のではなくて、多くの人に愛される良質な物語を生かして、「どう解釈するか」を、みんなで問いを立てながら“考える”ことが学びになります。そこに可能性や未来があるんじゃないかと思っています。

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