クラシックオーケストラ、人数が多いほど“走る”?その意外なメカニズムが判明

「少し走っているので、気をつけてください」と言われても、なんのことかわからない方が多いのではないでしょうか。「足元に気をつけたほうがいいですよ」という注意喚起にも思えますが、不自然な物言いです。待ち合わせ時間に遅れて知らず知らずのうちに早足になることはあっても、無意識に走りだして人に注意されることなどめったにないと思います。

 しかし、音楽をやったことがある方、特にオーケストラ吹奏楽のように大人数で演奏した経験がある方は全員、意味がわかるのです。

 音楽の現場で「少し走る」という言葉の意味は、急ぎ気味になって、少しずつテンポが速くなっていくことを指します。テンポを維持することを厳しく訓練されているプロよりも、アマチュア・オーケストラの悩みの種です。知らず知らずのうちにどんどん速くなって、難しい音符が出てきて初めて、「こんな速いテンポでは演奏できない」と気付くことも多いのです。

 音楽を演奏する際に、意図していないにもかかわらず自然にテンポが速くなってしまう現象、つまり走ってしまうのは、数人よりもオーケストラのような大人数の時に顕著になることも特徴です。その原因を東京大学の研究チームが突き止めたと発表し、日本経済新聞に取り上げられました。

 これまでは、テンポが速くなる原因は演奏者の緊張や気持ちの高揚のように、生理・心理的原因となっていると、なんとなく考えられていましたが、実は人間が持つタイミング調整のメカニズムが一因であるという研究発表でした。実験方法は次のような流れです。
(1)被験者1人ずつ、メトロノームと一緒に指タップを叩かせる。
(2)途中でメトロノームだけを消し、被験者にはそのまま叩き続けさせる。

 その結果、指タップが速くなる人と、遅くなっていく人がいました。しかし、不思議なことに被験者が2人で一緒に指タップを始めると、ほとんどの場合、速くなってしまうというのです。

 その理由は、2人で一緒に指タップをしているうちに、1人が少しだけタイミングを速く叩いてしまった場合、無意識に速いほうに合わせて修正するメカニズムがあるからだそうです。遅れて叩いた相手に合わせることはなく、速くなったほうに合わせるため、続けていくうちにテンポがどんどん速くなっていくと考えられています

 大人数で盛り上がった時に三三七拍子などの手拍子を打つと、速くなっていった経験をした方も多いでしょう。これも似たようなメカニズムだと思います。人数が多ければ多いほど、うっかりと速く叩いてしまう人が多くなります。

クラシックオーケストラのテンポ

 ただ、大人数のオーケストラのテンポが無意識に速くなってしまうと、演奏上、困った状況に陥ってしまいます。そこで指揮者が必要になってきます。ステージ上で1人、冷静にテンポを守ることが指揮者の大きな役割なのです。

 しかし、大成功のイベントの締めで叩く三三七拍子がどんどん速くなって盛り上がっているにもかかわらず、それを抑えつけられたら興ざめしてしまうのと同じで、オーケストラ・コンサート中の観客の体内にも調整メカニズムが働いているので、盛り上がっているにもかかわらずテンポがまったく変わらないと、「ぐずぐずした演奏だなあ」と感じてしまいます。その塩梅が指揮者の腕のみせどころです。特に曲の最後の部分などは、作曲家が意図的に少しずつ速くなるように指示を楽譜に書き込んでいることもよくあります。その結果、ステージも観客席も大盛り上がりとなり、演奏後に“ブラボー”が乱れ飛ぶことになります。

 ドラムやベースセクションよって一定のテンポを決められているポップ音楽とは違って、クラシックはテンポを自由に変えることができる音楽です。そもそも、テンポ自体を数字で書かなかった作曲家がほとんどで、「遅く」「速く」「歩くように」など抽象的な言葉の指示によって、演奏家にテンポ決定が委ねられています。

 20世紀後半にもなると、東京大学での実験にも使用されたメトロノームのテンポ数字を書き込むのが当たり前になりましたが、メトロノームが発明されたのはベートーヴェンが活躍していた19世紀に入ってからなので、バッハやモーツァルトなどはメトロノームすら知らなかったのです。その後の多くの作曲家も、まだまだ抽象的な言葉を書いて、演奏家の想像にお任せするような状況が続きました。

 しかし、かえってそのほうが良いこともあります。メトロノームの数字が書かれていると、それが気になってしまって、クラシック音楽ならではのテンポ変化の妨げになることもあります。皆様も、三三七拍子で盛り上げっているときに、横でメトロノームが同じテンポを鳴らしていたら、きっと興ざめするでしょう。

 そんななか、困らされるのはブラームスです。『ハンガリー舞曲第5番』などで有名なドイツを代表する作曲家ですが、とにかく性格が優柔不断です。生涯で何度も結婚できるチャンスがあったにもかかわらず、結局は言い出せず、相手はその気なのに、むしろ陰気に去っていくような人物で、テンポの指示も優柔不断です。

 たとえば、『交響曲第2番』の第1楽章は「速く、でもそれほどでなく」、第2楽章は「遅く、でもそれほどでなく」です。どうしたらいいのか、混乱してしまいます。そのあとの第3楽章などは「アレグレット、アンダンティーノくらいで」とあり、その直後に「すごく速く、でもそれほどでもなく」と書かれていて、あきれてしまいます。

 もしブラームスが結婚できたとしても、奥さんは大変だったでしょう。スープの温度をたずねても、「熱いのがいいなあ。でもあまり熱すぎないで」とか、「少し熱めで、でもぬるめにして」などと言われるわけですから。

 そんなブラームスですが、曲のクライマックスでは、彼の生まれ故郷であるドイツ魂が存分に発揮され、猪突猛進の音楽となり、最後にはオーケストラも観客もあっと言わせるのです。優柔不断に見せかけてやる時はやる。普段はぶつぶつ言いながら、それでも気が付けば三冠王を取っていた故野村克也さんタイプ。それがブラームスです。

 ちなみに、モーツァルトはオペラ、交響曲、器楽、歌曲と、なんでもマルチに最高のヒットを生み出すイチロータイプ。ベートーヴェンはストイックに自分を追い詰めながらも、毎回、感動的な大ホームランを打つ王貞治といえるでしょうか。
(文=篠崎靖男/指揮者)

●篠﨑靖男
 桐朋学園大学卒業。1993年アントニオ・ペドロッティ国際指揮者コンクールで最高位を受賞。その後ウィーン国立音楽大学で研鑽を積み、2000年シベリウス国際指揮者コンクール第2位受賞。
 2001年より2004年までロサンゼルス・フィルの副指揮者を務めた後、英ロンドンに本拠を移してヨーロッパを中心に活躍。ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、BBCフィルハーモニック、ボーンマス交響楽団、フランクフルト放送交響楽団、フィンランド放送交響楽団、スウェーデン放送交響楽団など、各国の主要オーケストラを指揮。
 2007年にフィンランド・キュミ・シンフォニエッタの芸術監督・首席指揮者に就任。7年半にわたり意欲的な活動でオーケストラの目覚ましい発展に尽力し、2014年7月に勇退。
 国内でも主要なオーケストラに登場。なかでも2014年9月よりミュージック・アドバイザー、2015年9月から常任指揮者を務めた静岡交響楽団では、2018年3月に退任するまで正統的なスタイルとダイナミックな指揮で観客を魅了、「新しい静響」の発展に大きな足跡を残した。
 現在は、日本はもちろん、世界中で活躍している。ジャパン・アーツ所属
オフィシャル・ホームページ http://www.yasuoshinozaki.com/

丸佳浩、“逆シリーズ男”の汚名返上なるか?5年連続リーグ優勝なのに日本一は未経験

 11月21日から始まる今年のプロ野球・日本シリーズは、昨年に続き読売ジャイアンツ(巨人)と福岡ソフトバンクホークスとの顔合わせとなった。日本シリーズといえば、勝利チームには“シリーズ男”と呼ばれる、期待以上の活躍をする選手が現れることが多い。

 その一方で、負けたチームにはシーズン中に大活躍をみせたにもかかわらず、相手チームに徹底的に研究された末に弱点を丸裸にされるなどして存在感が消えてしまう選手が少なくない。特に顕著なのはバッターだろう。結局シリーズ終了までまったく打てず、“戦犯”として敗北の責任を背負わされてしまい、必ずといっていいほど不名誉な“逆シリーズ男”というレッテルを貼られてしまうからだ。

 そこで今回は、そうした哀しき逆シリーズ男の歴史を、2000年以降に絞って紹介したい。

 まず、逆シリーズ男の特徴としては、レギュラーシーズンの活躍の度合いが大きいのはもちろんだが、何かのタイトルを獲得した選手ほど日本シリーズで失速するケースが目立っている。相手チームから執拗にマークされるというのもあるだろうが、それにしても残念過ぎる……という結果なのだ。

 2000年に巨人と戦って敗れた福岡ダイエーホークス(現ソフトバンク)は、主砲・松中信彦が苦しんだ。シーズンでは打率3割2分、30本塁打、106打点でシーズンMVPに輝いたにもかかわらず、日本シリーズでは6試合で19打数1安打の打率0割5分3厘、1本塁打、2打点に終わっている。第1戦こそ2ランホームランを放って勝利に貢献したが、その後はノーヒット。チームも敵地で2連勝スタートを切ったが、松中の不調に合わせるように、そこから4連敗を喫してしまった。

 01年は、大阪近鉄バファローズ(のちにオリックス・ブルーウェーブと合併し、現在はオリックス・バファローズ)の磯部公一だ。シーズン中は5番打者としてタフィ・ローズ、中村紀洋とクリーンアップを形成し、打率3割2分、17本塁打、95打点とキャリアハイの成績を残して大ブレイクしたものの、ヤクルトスワローズ(現東京ヤクルトスワローズ)との日本シリーズでは、第1戦に相手エースの石井一久に完璧に押さえ込まれると、結果的に16打数0安打と、このシリーズでは1安打も放つことができなかった。

 磯部は第3戦までは5番を任されていたが、第4戦では7番に降格、第5戦はスタメンからも外されている。この磯部の不振もあって、チームはヤクルトの前に1勝4敗で敗れ去り、近鉄としては1度も日本一に輝くことはできずに球団が消滅した。

 翌02年は西武ライオンズ(現埼玉西武ライオンズ)の和田一浩だ。この年、初めて規定打席に達し、打率3割1分9厘、33本塁打、81打点と活躍したが、初戦の第1打席でセンター前に抜けたと思った打球を巨人のセカンド・仁志敏久の好守に阻まれたことでスイングがおかしくなり、調子を崩してしまった。結局、15打数0安打と完璧に抑え込まれた和田の不調が響いた西武は、巨人に4タテをくらってあっさりと敗れ去っている。

金本知憲&今岡誠の2枚看板が封じられた阪神

 05年に千葉ロッテマリーンズと対戦した阪神タイガースは、ポイントとなる主力打者が打ち取られて敗北したパターンだ。金本知憲と今岡誠の2人である。打率3割2分7厘、40本塁打、125打点でセ・リーグMVPに輝いた金本は第3戦までノーヒットに抑え込まれ、第4戦でやっと1本打ったが、焼け石に水だった。13打数1安打の打率0割7分7厘、0本塁打、0打点と低迷。

 一方、シーズンでは147打点で打点王に輝いた今岡も、わずか1打点に終わってしまった。この主軸2人の不振が響いた阪神は4試合でたった4点しか取れず、33得点した千葉ロッテの前にあっけなく4連敗したのである。

 タイトルホルダーの不調といえば、06年の中日ドラゴンズ・福留孝介も印象的だ。この年の福留は、12球団最高となる打率3割5分1厘で首位打者を獲得し、出塁率&長打率ともにリーグ1位だったが、北海道日本ハムファイターズとの日本シリーズでは打率2割に沈み、1勝4敗でチームが日本一を逃す要因となってしまっている。

 この翌年の07年の日本シリーズも同じ顔合わせとなったが、今度は中日がリベンジしたケースである。前年の日本シリーズでMVPに輝いた稲葉篤紀は、この年のシーズンも打率3割3分4厘、17本塁打、87打点と絶好調だった。

 だが、いざシリーズに突入すると、前年には完膚なきまでに打ち込んだハズの中日投手陣に17打数1安打の打率0割5分9厘、0本塁打、0打点と完璧に封じられてしまう。そして何の因果か前年とは逆に、1勝4敗でチームは敗退。2年連続の日本一を逃す結果となってしまったのであった。

 稲葉は計7度も日本シリーズに出場し、06年はMVP、1997年と2012年にも優秀選手に選ばれた“シリーズ男”だが、この年だけは“逆”だったのである。

 13年に、球団創設以来初の日本一に輝いた東北楽天ゴールデンイーグルス。その勝因となったのは、相手チームの巨人の主砲・阿部慎之助を封じたことだった。シーズンでは打率2割9分6厘、32本塁打、91打点でリーグ優勝に貢献した阿部に対して、楽天投手陣は23打数でヒット2本しか許さなかった。

 結果、7試合で打率0割8分7厘、0本塁打、1打点と低迷。阿部が4番の仕事を果たせなかった巨人は3勝4敗で惜敗し、悲願を叶えた相手チームの引き立て役となってしまったのである。

 15年にソフトバンクと対戦して1敗4敗で敗れ去ったヤクルトは、攻撃型2番の川端慎吾がターゲットにされた。この年、195安打を放ち打率3割3分6厘で首位打者と最多安打を獲得したリーグきってのヒットメーカーが、シリーズでは5試合でわずか3安打しか打てなかった。最終的には18打数3安打の打率1割6分7厘、1打点に終わり、攻撃型2番としてはまったく機能しなかった形となったのである。

丸佳浩、“逆シリーズ男”の汚名返上なるか?

 さて、ここまでその歴史を振り返ってきた逆シリーズ男だが、近年では巨人の丸佳浩がその筆頭格となっている。

 丸は広島東洋カープ時代の2016年に初めて日本シリーズに出場して以降、これまで3度のシリーズ経験がある。だが、そのシリーズごとの成績は、16年に21打数7安打で打率3割3分3厘、1本塁打、2打点、5三振という成績を残しているが、18年には25打数4安打で打率1割6分、1本塁打、3打点、12三振(6試合シリーズでのワースト記録となった)と、完全なる大ブレーキで広島が日本一を逃す要因となってしまった。

 さらにフリーエージェント(FA)で読売に移籍した昨年に至っては、9打数0安打で打率なんと0割。ホームランと打点ももちろん0という不名誉な成績を残してしまったのだ。

 結果として通算成績は55打数11安打で打率2割、2本塁打、5打点と低迷している。チームもすべて敗退していることもあって、完全なる逆シリーズ男と化しているのだ。

 相手の強力な打線を分断させることができれば、日本一を大きく引き寄せられる。だからこそ“逆シリーズ男”が生まれるともいえるワケだが、そういう意味でも、今年もどうしても丸に関心が集まってしまう。

 昨年は9打数無安打と無惨な結果に終わり、ソフトバンクの4タテ日本一をアシストしたかたちだが、今回はそのリベンジを果たして3度目の逆シリーズ男となるのはどうしても回避したいところ。丸個人では、5年連続でリーグ優勝を果たし、“優勝請負人”と呼ばれているものの、一度も日本一を経験していない。丸のバットが爆発して、巨人が12年以来8年ぶりとなる悲願の日本一を奪回するのか、注目したい。
(文=上杉純也/フリーライター)

パチンコ「遊タイム狙い」の立ち回りで大勝!? ~激アツ機能は引き弱に優しく作用してくれるのか?~

 2018年の規則改正によってパチンコは新たな時代に突入しました。目玉機能の「設定付き」にはじまり、懸念されたスペック低下も当初言われていたほど絶望的でないばかりか、近年ではCR機に勝るとも劣らない出玉性能で、新たな盛り上がりを期待できるような状況です。

 そんな明るいパチンコで、さらに激アツの機能が搭載されました。そう、「遊タイム」です。

 パチスロの天井のように、一定の回転数をハマると時短が作動する救済措置で、いろんなパターンがありますが、その多くが高確率で大当りを呼び込める類のものとなっています。

 平気で確率の2倍3倍ハマリをする私にはありがたい以外の言葉がない遊タイムですが、引きが弱いなら逆に高確率で遊タイムをゲットできるんじゃないかと思い、遊タイム狙いの立ち回りを実験してみました。

 当然、大きくハマっている台が有利なのですが、この高度情報化社会においては、そもそもそんな台はほとんどありません。遊タイム機は基本電サポモード終了即ヤメ。あっても大当り確率まで。探せば400~500台の回転数がなんとか、って状況でした。

 とりあえず、現状で深いハマリの遊タイム機を打つことに。395回転の『ぱちんこ 仮面ライダー 轟音』です。遊タイムまで残り547。楽勝でしょう。と思ったら、500回転にも届かないところで保留変化が発生。カスタムで保留変化激アツにしていたのでヤバいです。

 その後も、「GO-ONゾーン」に突入するわ、ハイパーベルトフラッシュは発動するわ、ゼブラ柄は出るわ、保留が緑から最終的に赤まで育つわ、「激雷」表示されるわで激アツ演出盛り盛り。終いにはリーチ発展でプップップッとエアVibeが発生し、もちろんそのまま大当りとなりました。

 やはり遊タイムの壁は厚いのか。しかも図ったように逆側の50%、通常大当りです。120回転の時短で引き戻すこともなく、400発の出玉で終了。投資分と差し引きすればもちろんマイナスですよね。ぐぬぬ。

 ゆうて遊タイム到達率って数%ですからね。当り前っちゃ当り前なんですが、私も名うての引き弱男。このままでは引き下がれません。次に向かったのは『P真・牙狼』で、542回転です。

『P真・牙狼』は遊タイム発動条件が低確率900回転消化なので残りは358回転。しかし、データを見ると連チャン後の状態なので、プラス130回転が必要ということになります。それでも残りは500回転以下。楽勝でしょう。

 と、思いきや。またこのパターン。表示で644回転の場面でGARO保留が出現。連続予告からクロスフラッシュ赤で、魔導刻タイマー経由のF.O.G発動を伴いながらエルズSPリーチでホラー撃破。うっかり陰我を断ち切ってしまいました。

 しかし、今回は正解の50%を掴み、「牙狼SLASH」に突入。約83%ループと7割の1500発出玉で大量獲得に成功。7連チャンで約8000発、投資を引いても大幅なプラスで終わることができたのです。

 これがあるので遊タイム狙いは侮れません。仮に遊タイムに到達できなくてもおおむね50%でチャンスがあるし、どっちにしろとにかく1回は当てられるので、ある程度の満足は満たされる。捗りますね。

 とはいえ、本懐は遊タイムに入れること。ちょっと今日は引きが良いみたいなので、より遊タイムへの期待が持てる甘デジに挑戦することに。75回転と遊タイムまで200回転以上を残してはいますが、選択肢が他にない『ぱちんこ 新・必殺仕置人 TURBO』で最後の勝負に挑んだのですが…。

 なんということでしょう。打ち始めて10回転もしないうちにエアVibeが決まりました。本機は99%が通常大当り。遊タイムに入ってこそ旨味のある突破型です。しかも、引き弱をあれだけ喧伝しておきながら3度の3度ですぐに大当りを引き当てるこの状況。

 いや、でもこれ逆に引き弱って話じゃないですか? 意地でも目的を達せさせないネガティブ性能という意味で。

 などと無理矢理自分を正当化してみたしたが、先ほどの『ぱちんこ 新・必殺仕置人 TURBO』はなんと時短中にもエアVibeが発動してRUSH突入。連チャンこそ5連と微妙でしたが、まさかの電チュー279回時短を引き当る神展開も加わり、よもやの大勝利だったことを報告いたします。

 目的こそ遊タイム到達でしたが、展開に恵まれ1万発近くの出玉を獲得できる事態に。遊タイムを意識した昼過ぎからの立ち回り、あるんじゃないでしょうか。

(文=大森町男)

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学術会議任命拒否 宇野重規教授が朝日の書評欄に書いた「暴君」論が「菅首相のことを書いているとしか思えない」と話題

 菅義偉首相が一向にまともな説明をしないままの、日本学術会議の任命拒否問題。任命拒否された6人のうちの1人である宇野重規・東京大学教授は、今回だけでなく2018年の補充人事でも任命拒否されていたことが明らかになった。  周知のように、宇野教授は日本における政治思想史の権威...

ニューノーマル時代のマーケティング、三つの必須キーワードとは

電通による“人”基点のマーケティング「People Driven Marketing(※)」(ピープル・ドリブン・マーケティング)も、4年目を迎え、「PDM4.0」として大きく進化しました。 

本連載では、電通人と企業のゲストたちが、マーケティングとデータの未来を語った「People Driven Marketing® 実践ウェビナー2020」3日間の模様を、ダイジェストでレポートします。

※People Driven Marketing
https://www.dentsu.co.jp/business/pdm/
電通が提唱する、データ&デジタル時代に対応した“人”基点の統合マーケティング・フレームワーク。課題を人(People)基点で捉え直し、電通グループが持つ最先端のマーケティング手法を統合して、顧客の持続的な成長を支援していく。

 

※課題解決マーケティング情報サイト「Do!Solutions」でも、本ウェビナーの特集ページを開設しています。より詳細なレポートはこちらへ。
※課題解決マーケティング情報サイト「Do!Solutions」でも、本ウェビナーの特集ページを開設しています。より詳細なレポートはこちらへ。

 

デジタル&データ時代に対応する、“人”基点の統合マーケティング「PDM」

濱窪大洋氏、高橋学氏

「New Normal時代のマーケティングに必須な3つのキーワードとは?」と題したセッションでは、電通でデータドリブンマーケティングを推進する濱窪大洋氏と、ソリューションディレクターを務める高橋学氏が登壇。

近年の社会状況や人々の消費行動の変化を踏まえ、“人”基点のマーケティングの実現に必要な三つのキーワードについて語りました。

デジタルの進化で顧客と企業が“Always-on”でつながり、人の意識と行動の可視化が急速に進む現代。

この時代に対応するマーケティング・フレームワークとして、2017年に電通が発表したのが「People Driven Marketing」(以下、PDM)です。

顧客の意識データと行動データを基に、“最適な情報”を“最適な対象者”に“最適な場所”と“最適なタイミング”で届けることで、企業のマーケティング目標を達成することを目指してきました。

PDMの内容は年々進化しており、2019年は「PDM3.0」として、デュアルファネル化する企業のマーケティング活動全体への支援活動を進めてきました。

「従来の電通が得意としていた“新規顧客の獲得ファネル”に加え、“既存顧客の管理ファネル”を組み合わせたものがデュアルファネルです。認知~購買領域と、CRM(顧客関係管理)領域を統合させて、顧客のLTV(顧客生涯価値)向上を目指します」(濱窪氏)

PDM 3.0

しかし2020年は社会が激変し、デュアルファネルの取り組みにも変革が起きています。濱窪氏はまず「2020年に人々の生活や意識がどのように変わったのか」を解説しました。

2020年はキャッシュレス、D2C、デジタルコミュニケーションが急速に浸透

コロナ禍で多くの人々が自宅で過ごすようになり、外出する時間は激減しました。その中で、濱窪氏はキャッシュレス決済の利用率に着目。「感染拡大防止の観点から、多くの局面で現金を使う割合が減ってきています」と、キャッシュレス決済が浸透していることを指摘しました。

キャッシュレス決済が浸透

また、濱窪氏は、「外出時間の減少に伴い、もともと通信販売と親和性の高くなかった業種もEコマースに注力するようになってきました」と指摘し、Eコマースの売り上げが伸長しているデータを提示しました。

中でも、「D2C」(※Direct To Consumer。小売店などを挟まず、企業が自社サイトなどで直接商品を販売するビジネスモデル)について、「化粧品などの業界でも、大手メーカーの参入が報じられています。Googleの検索トレンドなどを見ても、“D2C”の検索が急上昇しています」と、市場のポテンシャルに期待を示しました。

そして濱窪氏がキャッシュレス、D2Cの台頭と並んで挙げたもう一つの重要な変化が、情報接触のデジタルシフトです。人と人のコミュニケーションがデジタル中心となるのに伴って、情報源としてもデジタルの重要度が高まっています。

「商品やサービスを知るために、ソーシャルメディアや情報ブログ、企業の公式サイトが役立つと感じる方が増えています」(濱窪氏)

Twitterがきっかけで、ホットサンドメーカーを購入。そこから得た発見とは?

こうした人々の意識や消費行動の変化に対して、マーケティング活動はどうあるべきか?そのひとつの答えとして濱窪氏が挙げたのが、Googleが提唱する消費行動の概念、「パルス(瞬間的に流れる電流)型消費」です。

従来の購買プロセスは「認知→興味→比較→検討→購入」という流れが主流でしたが、パルス型消費は「明確な理由がないまま、気に入った商品を購入する」という瞬間的な消費行動です。

昔から日用品などでは、いわゆる衝動買いが日常的に起きていましたが、スマートフォンの普及で時間や場所に関係なく商品・サービスを購入できるようになり、洋服や家電でもパルス型消費が起きています。

濱窪氏は「スマホを使っていて、偶然知った商品を“その場”で買うことに躊躇がない生活者が増えている」というデータに触れ、「最初は驚きましたが、よく考えると自分にも心当たりがあります」と述べます。

「私も先日、あるTwitterの投稿を見て、ホットサンドメーカーを購入したのです。私以外にも同様の方がたくさんいらっしゃったようで、後日、その商品が品薄になったという記事を目にしました」(濱窪氏)

この購買プロセスは、「Twitterの投稿を見る→購入する」という典型的なパルス型消費ですが、「振り返ってみると、“伏線”がありました」と濱窪氏は言います。

同氏は、緊急事態宣言による自粛期間中、料理をする機会が増え、レシピサイトをよく見ていました。加えて、「ソロキャンプの動画が面白い」という話題を目にしてYouTube動画を閲覧したり、アウトドアグッズを購入したそうです。

これら一連の流れと、「Twitterでホットサンドメーカーの情報を見た」ことに、表向きの紐付きはありません。しかし、小さな要素が伏線として積み重なった結果、最終的な「Twitterを見てホットサンドメーカーを購入する」体験につながったのではないかと濱窪氏は言います。

「この体験をマーケター目線で考えると、最後にTwitterを見るまでの伏線上にある行動は全てデータとして存在している。こうした“伏線”は、購入行動のトリガーに至るヒントや予兆になるのではないでしょうか」と述べました。

つまり、商品を認知する“前”のさまざまな情報接触をもマーケティングデータとして捉えることが、マーケティング戦略において重要になるというのです。

「伏線となる情報接触が蓄積され、何かがトリガーとなって購入に至る」という考え方は、新規顧客獲得だけでなく、既存顧客の管理ファネルにも大きな影響を及ぼします。ロイヤル顧客の行動や、彼らが拡散してくれる商品の評判が、認知前の新規顧客に影響を与える“伏線”や“トリガー”になるからです。

濱窪氏はその観点から、「CRMは、既存顧客のLTV向上だけでなく、新規顧客獲得のためにも重要になっていくでしょう」と語りました。

世界的な個人情報保護の強化。開示する情報を生活者が選べる時代に

濱窪氏が述べたように、生活者の行動データのデジタル蓄積は急速に増え続け、マーケティングへのデータ活用も加速しています。

一方で、世界的に「個人情報保護の強化」が推進され、生活者の行動データをマーケティング活用することに慎重な姿勢が求められる情勢もあります。

濱窪氏に代わって登壇した高橋氏は、個人情報保護の重要性と、それを踏まえた上でのマーケティング活動に必要な三つのキーワードについて解説しました。

高橋氏はまず、欧州や米国におけるネット上の個人情報保護強化をめぐる動きを整理。AppleやGoogleといったプラットフォーマーが、従来のデジタル広告の主力を担ってきたCookieの利活用を大きく制限する方向に進んでいることに触れ、さらに、日本でも公正取引委員会主導で、同様の動きが起きていることを紹介しました。

「Cookieの利用方法を生活者自身が選べる仕組みを導入する企業も増えています。自分の個人情報をどこに開示するかを、生活者自身が選べる時代になっていくということです」(高橋氏)

しかし、すでに現代のビジネスは、生活者データなしには成り立ちません。こうした時代には、企業もデータ活用に対する姿勢を改めていく必要があると、高橋氏は言います。

生活者のためのPDMの実現に欠かせない、三つのキーワード

現在の社会状況は、コロナ禍の影響でデータ活用の「アクセル」が踏まれると同時に、個人情報保護の動きで「ブレーキ」も踏まれている状態です。 

今後重要になるのは、生活者にポジティブな意味で「データを開示したい」と思ってもらえるアプローチ。「私たちは、それをPDM4.0としてアプローチしていきたいと思っています」と高橋氏は述べ、具体的な方向性を示しました。

生活者がすでに情報を預けていて、“ここに情報を開示しないと自分の生活は成り立たない”というサービスを提供している企業と組むこと。そういった企業と組みながら、自社と生活者がつながり続けるデータ基盤をつくること。生活者に“個人データをつなげてもかまわない”と思ってもらえる関係性を結んでいくこと。

高橋氏は、「個人情報保護のルールをきっちりと守りながら、データ活用していくことが重要です」と述べ、上記のことを実現するために電通が掲げる三つのキーワードを紹介しました。

キーワード①データクリーンルーム

「Data Clean Room(データクリーンルーム)」は、大手プラットフォーマーが企業に向けて提供するサービスです。クリーンルーム内の全てのデータは、個人を特定できない形で統計化・匿名化されていることから、プライバシーが侵害されることのない「無菌室=Clean Room」と呼ばれています。

プラットフォーマーの持つデータと、各企業の持つファーストパーティーデータ、さらに電通グループが持つ独自のマーケティングデータを、クリーンルーム内で個人情報を侵害しない形で統合し、マーケティング活用していくという手法が、今後重要になってくると高橋氏は言います。

キーワード②寄り添い型DX

二つ目は、「寄り添い型DX(デジタルトランスフォーメーション)」。これは「カスタマーサクセス」、すなわち生活者の成功や要望を第一に考えてDXを推進し、継続的な付き合いの中でLTVを向上させていく姿勢のことです。

「生活者に寄り添うホスピタリティーやサービスが前提としてあり、そこに必要なデジタルやセキュリティを用意していく。これが私たちの考えるDXです」(高橋氏)

キーワード③Data×CR

最後のキーワードは、「Data×CR」(データ×クリエイティブ)。

「行動データを提供することで得られる体験価値」が伝わらなければ、誰も企業に行動データを渡そうとは思いません。そこで重要なのが、電通が長年培ってきたクリエイティブの力です。

「企業の思いと生活者をつなぐ“体験価値”を具現化できなければ、PDMは単なる数字やデータの蓄積になってしまう。“クリエイティブによる体験価値の具現化”こそが、データを使ってマーケティングを行うPDMの最大のポイントです」(高橋氏)

PDM 3.0から4.0への深化

「データクリーンルーム」で生活者の背後にある文脈を洗い出し、「寄り添い型DX」で生活者が望むサービスに合わせたデジタル基盤をつくる。そして、それらを踏まえて「Data×CR」で最適な体験価値を提供する。

「こうした一連のフローの中で、電通グループの強みを生かしていく。それがデュアルファネルの深化であり、顧客とともに幸せな体験をつくり続けるエコシステムの進化です」と高橋氏は述べ、セッションを締めくくりました。


※本ウェビナーのより詳細なレポートは、「Do!Solutions」の特集ページをご覧ください!

コロナ再拡大の最大の戦犯は菅首相だ! いまだ専門家の「GoToが原因」指摘を無視して「静かなマスク会食を」の無責任ぶり

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「誰もが知っていて、みんなが知らないハーブ」。キリンと電通、未踏の挑戦

キリンホールディングス(以下、キリン)が長年、研究開発してきた「熟成ホップ」。

機能性素材であるこの熟成ホップを事業の基盤に、キリンと電通が合弁し、ジョイントベンチャー「INHOP」(インホップ)を設立しました。

現在INHOPは、ホップからつくったサプリメントや食品を販売するD2C事業を行っています。キリンR&D部門と電通が出合い、生まれたのはどのような企業なのか?

電通で20年間営業一筋だったINHOP取締役COO高杉聡氏と、キリンのR&D部門で10年間開発一筋だったINHOP代表取締役CEO/CTO金子裕司氏が、INHOP誕生の経緯と熟成ホップの可能性を語ります。

<目次>
ホップに健康機能⁉ 世に広めるプロジェクトが発端
「ホップ」をビールから切り離し価値化するために必然だった、キリン×電通の企業形態
「世界最大規模の栽培量なのに、ほとんど認知されていないハーブ」が社会課題を解決する?

ホップに健康機能⁉ 世に広めるプロジェクトが発端

高杉:今回は「なぜ、キリンと電通が組んで、事業会社をつくったのか?どんなメリットがある?」「そもそも熟成ホップってなんだ?」といった疑問に答えていければと思います。

私と金子さんの最初の出会いは、キリンから「熟成ホップをプロジェクト化していきたい」と相談を受けたところからです。ある日の打ち合わせに、金子さんが突然連れてこられたんですよね。

金子:「素材担当者として参加して」と言われて、ちょっと意見を言うくらいかなと、気軽な気持ちでついていったんです。それがなぜだか、今や社長に就任しています(笑)。

高杉:INHOPのCEO兼CTOという今の立場に就くまでは、金子さんはキリンではずっと研究開発職に就いていたと。

金子:入社以来ずっと、キリンで機能性食品のR&D(研究開発)部門に従事していました。研究開発といっても私の場合、自分が基礎研究をするのではなく、研究所が出してきた成果を商品につなぎ、社会へ送り出す取り組みが中心です。携わってきた商品数は、研究所の中では多い方ではないかと思います。 

高杉:例えば、どのような商品に携わってきたのでしょうか。

金子:機能性表示食品や特定保健用食品など、多岐にわたっています。現在もいくつか発売されています。また、商品開発だけでなく素材開発にも携わっていました。INHOPで事業の主軸に据えている「熟成ホップ」もその一つです。

ホップの機能性に関する研究はキリングループで20年以上続いており、その過程で「熟成ホップ」に行きつきました。数年にわたる機能性等の基礎研究が一通り終わった熟成ホップという素材を、量産化して実用化につなげていくこと、この素材を使った商品を世の中に出していくことを担当しました。

高杉:そうした経緯がある中で、電通にキリンから“ホップ関連の新しい素材”についてご相談があったんですよね。キリンが長年研究してきたホップ素材が、脂肪減少効果に加えて他の健康機能でもエビデンスが取れそうで、力を入れて世の中に広めてきたいからどうしたらいい?というお話でした。

ビールの原料であるホップは、キリンにとって“1丁目1番地”ともいえる素材。それを使った「熟成ホップ」という研究成果を、ビールだけの活用にとどめるのではなく、広く世の中に浸透させるためのビッグビジョンを描きたいというお話があったと記憶しています。

金子:高杉さんは、これまでにも電通でこういった「素材のブランディング化」みたいな仕事を何度か手掛けていたのですか?

高杉:今回のように素材ベースの相談というのは非常に珍しいケースです。私は電通に入社して20年超、ほぼ営業一筋でやってきましたが、クライアントから電通への相談というのは、商品のPRやイベント、CM関連が今までは多かったです。

ただ、今回INHOPにジョインした僕たちのチームでは、過去に健康機能が期待される素材を扱うバイオベンチャー企業の案件に取り組んだことがありました。

「企業が研究開発した機能素材の存在を世の中に浸透させて、マーケットとして成長・拡大させた」という経験が、今回の熟成ホップでも生かせるかもしれないと思い、「2社でプロジェクトを組みましょう」と提案したことからスタートしました。

金子:そのプロジェクトが、最終的にキリンと電通とのジョイントベンチャー立ち上げという大ごとになっていくなんて、思ってもみませんでした(笑)。 

「ホップ」をビールから切り離し価値化するために必然だった、キリン×電通の企業形態

新会社発表時の高杉氏(左)と金子氏。ここから全てが始まった。
新会社発表時の高杉氏(左)と金子氏。ここから全てが始まった。

高杉:電通も、最初から「ジョイントベンチャー立ち上げ」まで考えていたわけではありません。僕ら電通のチームがこのプロジェクトでまず着手したのは、キリン社内のあらゆる人へのヒアリングでした。

「この熟成ホップという素材をビールから解放して、世の中に広めるための可能性について、ヒアリングさせてください」とお願いしてから始めるのですが、だいたい40分くらいたつと、皆さんやっぱりビールの話をされているんですね(笑)。

もちろん、それはキリンの社員としては素晴らしい思考回路です。しかし、“ビールから切り離して”熟成ホップ単体で商品化・サービス化を目指したい今回、「ホップの存在を一番に考えるための専門の事業体」をつくるべきなのではないかと思い至りました。

それで、「INHOP」という会社名やロゴマークのデザインまで、先行して勝手につくってしまったのですが(笑)。熟成ホップという素材の立ち位置はもちろん、そこから生まれていく商品群やその順序などを描いた青写真を添えて、改めてキリンに提案したんですよね。

金子:さすがに、ジョイントベンチャー設立は、想像もしていなかった斜め上の内容でした(笑)。ただ、私個人としては、意外性が大きかった一方で、「これはうまくいったら面白そうだぞ」とワクワクするような気持ちを覚えたのも事実です。今までのキリンの文脈にはない新しい取り組みの中で、われわれの思いが詰まった熟成ホップを使って、新しい世界をつくっていけるのではないかと。

高杉:そうでしたか!実は「生意気なことを言うんじゃない!」と、怒られるかとも思っていたんですけどね(笑)。正直、こうやってクライアントに「電通と合弁でベンチャー企業をつくりましょう」などと提案すると、電通はどこまで本気なんだと、いぶかしがられることもあります。今回それを乗り越えて、ご一緒いただいた理由は何でしょうか。

金子:やはり、高杉さんをはじめ電通の皆さんの「熟成ホップを広めたい!」というその熱意が、キリン側の壁を越える大きな原動力だったと思います。

キリンの身内が「熟成ホップはいい!すごい!」というのは分かりますが、第三者が確かにこれは良いものだと言ってくれたのは、キリンという会社にとっても良い後押しとなりました。私を含めて、キリンからプロジェクトにコミットする人たちが、本当に「熟成ホップは大きくできる」という自信と信念をもらいました。

それに、高杉さんたちのチームには、素材のブランディング化や価値化を成功させたという、バイオベンチャー企業での実績もありましたよね。名前は出せないのですが、理科の教科書にも出てくるような素材を、100億円市場にまで拡大していった経験とノウハウは、電通と組むメリットだと感じました。

高杉:ありがとうございます。僕らとしても、過去の「企業の持つ機能素材という資産の価値化」の実績を評価していただき、それが信用を生んで会社設立につながったのは、大きな成功体験になりました。

金子:ところで、ここまで「電通のイメージ」についていろいろ話が出ましたが、逆に、高杉さんから見たキリンという会社の印象はどんなものでしょうか?

高杉:実際に一緒に動いてみて思うのは、キリンはとにかくしっかりしているということです。つまり、「人さまの口に入るもの」を提供する仕事とは、こういうことなのか!と。さまざまな制度やルール、チェック体制などを含めて日々、その責任の重みを痛感しています。

INHOPという会社は、“キリン家”出身の父親と、“電通家”出身の母親という両家の結婚で生まれた子どもですが、父親の家は電通よりも厳格ですよね(笑)。

金子:そうですね(笑)。ただ、もしキリンが単独で熟成ホップのベンチャー企業をつくっていたら、キリンに染みついている“ものづくりの公式”に当てはめて事業計画を考えていたかもしれません。でもそこで、電通の「いろんなものを試してみよう!」というチャレンジ心、遊び心が、いい意味で“ものづくりの公式”を覆してくれる。これは一つの会社で一緒にやっていることの成果だと感じています。

INHOPにおける商品開発では、「こういうものを、こういうたたずまいでつくりたい」というのを、電通から出向しているメンバーに起案してもらい、キリン側ではそれを実際に商品としてつくっていくために品質を担保したり、各種法令に適合したものにしたりという役割分担ができています。

例えば電通でずっとアートディレクターをやられていた宮坂さん(宮坂佳克氏)が、INHOPのCBO(チーフ・ブランディング・オフィサー)として、権限を持って商品開発の提案をしてくれる。しかも、そのイメージをイラストなどで可視化して議論の場に持ってきてくれるのですが、アートディレクターですから、それがすさまじくレベルが高い。

受発注の関係ではなくジョイントベンチャーにしたことで、そういう能力がある人に大きな権限を付与できる体制になっていることは利点ですよね。

高杉:たしかに、役割分担はすごくうまくいっていますね。電通という会社はクライアントに商品開発を提案することも多く、「こんなこと・ものができたらいいな」というアイデア出しや企画は得意です。ですがそのあと、商品化するならどのくらいの単価にできるのかとか、生産する上ではロット的にどのくらい必要だからどれだけ売る必要があるのかなど、実際に先を読む力、僕らは「暗算力」と名付けていますが、これがまだまだ圧倒的に足りていません。

だからその部分は、実際に多くの商品を開発して売ってきた金子さんたちキリンのメンバーに担ってもらうわけですが、「それをやるなら包材コストがかかるから、小口にした方がいい」「夏場にはウケが悪いから半年ずらした方がいい」などといった意見が、議論の場で即時にできています。

お互いが権限を持って一つの会社の中にいることで、とても密度の高い打ち合わせがスピーディーにできるし、それぞれに学びがあるんですよね。

「世界最大規模の栽培量なのに、ほとんど認知されていないハーブ」が社会課題を解決する?

ホップの機能性に関する研究はキリングループで足掛け20年以上続いており、「熟成ホップ」はその過程で開発されたもの。
ホップの機能性に関する研究はキリングループで足掛け20年以上続いており、「熟成ホップ」はその過程で開発されたもの。

金子:ところで、読者の皆さんに「そもそも熟成ホップとは何か?」「INHOPは何をどうやって売っているのか?」ということを紹介しないといけませんね。

高杉:INHOPという会社は名前の通り“ホップカンパニー”です。熟成ホップをはじめ、国産ホップなども含めて、キリンが長年構築してきた企業資産であるホップ全体を、どう価値化していくかが、この会社の大きなミッションだと思っています。

ただ、順番としてはやはり、最初に相談のあった「熟成ホップ」から着手し、事業開発を行っています。ホップに対する機能性イメージや、ホップがビール以外の商品で口に入れられるのだということを指し示す“道しるべ”をつくる意味でも、まずは熟成ホップの普及に注力しています。

ホップにはいくつかの健康機能があるのですが、そのひとつとして期待されているのが、認知機能改善や精神機能改善といった脳機能。これらは“社会課題”として解決策が求められている分野でもあるので、うまく世の中に広げていきたい。

まず熟成ホップの認知機能を軸に商品展開や情報発信展開を手掛け、その次は国産ホップなどさまざまなホップの多様な価値を生活の中に浸透させるというふうに、取り組みを広げていきたいです。

金子:ホップという素材は、実は皆さん知っていそうで知らないことがたくさんあります。まず、歴史を紐解いてみると、ホップは“ハーブ”としての歴史が長いんです。そして現在、ビールの原料として世界中で利用されている実情を考えると、ホップは「世界最大級の規模で栽培されているハーブ」ではないか、と捉えています。一方で、ハーブとしての認知は殆どない。

そんな認識のギャップを解消することで、世界中でホップのさまざまな活用方法が増えていくのではないかと。

それに、キリンがホップをハーブとして研究する中で、様々な健康機能がありそうだということがだんだん分かってきた。これを新しい価値提案として、いろんな形でお客さまに届くようにしていこうと、日々向き合っています。

高杉:僕もホップのイメージといえば、ビールの“苦み”でした。でも金子さんがよくおっしゃる「世界最大級なのに、ほとんど知られていないハーブ」ということが、電通の人間としては面白い!と思ったんですね。

キリンのR&D部門が見いだしたホップのさまざまな機能に、正しい光を当てるのが、自分たちの仕事ではないかと思うと、燃えるというか(笑)。昔から世界で親しまれているのに世界に知られていなかった、「古くて新しい素材」に対して、この情報の非対称な状況をなんとかしたいと思ったんです。

そうやってモノの価値観を変換したり、素材の既成概念から少しズレた解釈をするのは、まさに電通が得意とするコミュニケーションの領域です。ホップという、「誰でも知っているけど、みんな正しく中身を知らないモノ」の認知を、どう変えていくのか。とてもやりがいがある仕事です。

金子:熟成ホップの研究には足掛け20年くらいの時間をかけてきています。ここに至るまでに100人単位の人たちが携わってきて、ようやく結実しました。そんなたくさんの人の「お客さまの健康を改善したい」という思いが詰まったこの素材を、簡単に終わらせるわけにはいきません。私もINHOPを起点に熟成ホップの可能性を世に広める責任があると感じています。

高杉:バリューチェーンの“川上”であるR&Dにかける金子さんたちの思いに、僕らは“川下”で広告やキャンペーンを効果的に打つスキルをもって応えたいですよね。それぞれの強みや視点を生かして、大きなシナジーが生まれる手応えを感じています。

一方で、広告会社で培ってきたスキルを生かしつつ「自分たちで事業会社をつくり、商品企画・開発から販売までを行う」というのは、新しいチャレンジで、とてもやりがいがあります。きちんと爪痕を残せれば、「電通はこんなことができるのだ」という指針になります。これをきっかけに、あとに続く人たちがいろんな可能性にチャレンジできるようにしないといけないですね。金子さんは、“INHOPの今後”に何を見据えていますか?

金子:各ご家庭にビール以外のホップ商材が当たり前に置かれている状態を目指したいです。それができれば、「健康維持にホップを活用しよう」と、お客さまの中で健康意識のあり方が変わってくると思うんです。5年や10年では実現できることではありませんが、健康に関する社会問題を少しでも解決していきたいと考えています。

今は熟成ホップをキリン1社しかつくっていませんが、もっと一般的なものとして世の中に広げていくには、それこそ世界中のホップサプライヤーたちから「熟成ホップのつくり方を教えてほしい」とか、「素材として売らせてほしい」と、お声がけいただけるくらいにならないといけないですね。

そして最終的にはホップの機能性をアピールせずとも、普通に食品の選択肢として熟成ホップ商品を選んでもらえるくらい、人々の生活の中に定着させたいです。

高杉:サプリメントでも調味料でも入浴剤でもいい。ホップという素材を使った商品やサービスが日常の中に当たり前にある世界を、一緒につくっていきましょう!

■INHOP コーポレートサイト
https://inhop.co.jp
■熟成ホップ研究所
https://inhop.co.jp/jukusei

パチンコ『シンフォギア2』が業績牽引も…業界のリーディングカンパニー「減収減益」

 パチンコ・パチスロ業界大手のSANKYO(東証一部:6417)は11月9日、2021年3月期の第2四半期決算を公表した。

 これによると連結業績の売上高は253億3200万円、営業利益は10億8400万円、経常利益は15億8800万円。それぞれ、前年同期と比べて24.4%減、64.8%減、56.0%減となった。

 パチンコ機関連事業の主な販売タイトルは、『Pフィーバー戦姫絶唱シンフォギア2』『Pフィーバー真花月2 夜桜バージョン』の2機種で、販売台数は47,000台。売上高は223億円、営業利益は47億円で、67.000台を販売した前年同期と比べてそれぞれ、17.9%減、15.3%減となった。

 パチスロ機関連事業はBistyブランドの『シャア専用パチスロ 逆襲の赤い彗星』をリリースし、販売台数は3,000台。売上高は15億円、営業損失13億円で、前年同期700万円の営業利益を大きく下回った(売上高は50.0%減)。

 補給機関連事業に関しては、売上高は前年同期比53.8%減の13億円、営業損失は5600万円(前年同期は営業利益1億円)。その他、売上高1億円、営業利益1500万円となった。

 同社は、遊技機市場は「緊急事態宣言が解除された5月を底として、稼働状況は回復傾向にある」「これに伴いパーラーの新機種購買意欲は上向きの兆しを見せる」「遊タイムを搭載したいわゆる新解釈基準機の導入が本格化しており、それらに対するファン・パーラーの期待の高まりが見られる」などと分析。

 その一方で、「パチスロは、型式試験の適合率が依然として低水準で推移しており、新機種の供給が不十分な状況」とした。

 そんな中、同社は「コロナ禍によるパーラーの新機種購買意欲を見極めたうえで販売タイトル数を絞ったことから、例年に比べタイトル数は減少」と説明。「4月に発売した『Pフィーバー戦姫絶唱シンフォギア2』が追加受注をいただくヒットとなり、業績を牽引」とした。

 第3四半期以降は既に導入済みの『PフィーバークイーンⅡ』『Pフィーバーゴルゴ13 疾風ver.』などに加えて、『スーパーコンビ7500』や『Pフィーバーアイドルマスター ミリオンライブ!』などを販売予定。

 2021年3月期の通気連結業績予想については8月7日の公表と変わらず、売上高735億円、営業利益80億円、経常利益87億円としている。

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