世界で“絆”生む「コマ大戦」に見た、中小企業コンテンツの可能性
中小企業が持つ、商品を売るだけではないコンテンツメーカーとしての魅力や可能性を探る本連載。
日本経済新聞社との取り組みを紹介した第1回、第2回に続き、第3回は実際に中小企業の強みを「コンテンツ」として発信し、反響を得ている経営者の方に話を伺いました。
本連載の著者である森本紘平は、中小企業にフォーカスした企画・コンテンツ開発に携わり、1000人を超える経営者と交流してきました。その中でも、特にすごみを感じた経営者の一人が、ミナロ代表取締役の緑川賢司氏。
「コマ大戦」というキラーコンテンツを生み出し、全国の中小製造業だけでなく世界をも巻き込んだムーブメントを起こした緑川氏に、中小企業が持つコンテンツメーカーとしてのポテンシャルや、コンテンツを発信することの意義をお聞きしました。

中小製造業が生んだ唯一無二のコンテンツ「コマ大戦」
森本:緑川さんには「NIKKEI全国社歌コンテスト」の審査員をはじめ、さまざまなプロジェクトの企画段階から相談に乗っていただき、いつも大変お世話になっています。僕は中小企業にはコンテンツメーカーとしての大きな可能性があると信じているのですが、それをまさに体現されているのが「全日本製造業コマ大戦(※1)」だと思います。このコマ大戦が生まれた経緯を改めてお聞かせください。
※1 全日本製造業コマ大戦
全国の中小製造業が自社の誇りをかけてつくったコマを、土俵上で対戦させる喧嘩ゴマの全国大会。2012年の初開催以来、毎年数多くの企業が参加し、「高校生コマ大戦」「世界コマ大戦」も開催されるなど、世代・国境を超えてムーブメントが広がり続けている。
緑川:下請けとして長らく日本を支えてきた中小製造業は、立派な技術や設備を持っていても、なかなか自社製品を世の中に売り出す機会がありませんでした。さらにリーマンショック以降、景気が落ち込んで苦境に立たされる製造業も多い中、追い討ちをかけたのが2011年の東日本大震災です。このままでは町工場の未来はないと思い、なにか希望が持てる活動ができないかと考えていたとき、たまたま目の前に現れたのがコマでした。
森本:コマとはどのように出合ったのでしょうか?
緑川:知り合いの町工場が、フランスの展示会にコマを出展していたんです。なぜなら、自分たちがつくったコマがよく回れば、言葉が通じない海外の人にも技術力が伝わるから。
素晴らしいアイデアだなぁと感心していたのですが、いや待てよ?と。1センチ程度の小さいコマならどこの町工場でも簡単につくれるし、材料費もそんなにかからない。全国の町工場にコマをつくってもらって日本一を決めようと。こうして、2012年2月にパシフィコ横浜で第一回全日本製造業コマ大戦を開催し、22チームが参加してくれました。
森本:初回の反響はいかがでしたか?
緑川:NHKや日刊工業新聞などに取り上げていただき、全国の町工場から「うちも参加したい」という問い合わせが殺到しました。第二回の参加数は200チーム。7ブロックに分かれて予選大会を行いました。

森本:あっという間に業界に広がっていったんですね。中小製造業を元気にしたいという目的でスタートしたと思うのですが、実際に参加した企業にはどんな変化が訪れたのでしょうか?
緑川:第二回大会で優勝したのが、岐阜にあるシオンという会社。従業員8人程度の小さな町工場ですが、コマ大戦をきっかけに自社ブランドの文房具をつくると、蔦屋書店やLOFTなどにも置かれるようになり、飛ぶように売れたそうです。彼らがつくったレプリカのコマを、某有名歌手が140個購入されたという逸話も生まれています。
森本:まさに中小製造業のコンテンツ化が成功した好例ですよね。
世界大会のきっかけは、チェ・ゲバラからのメール!?
森本:その後、コマ大戦は全国から世界に展開していきます。その経緯も教えていただけますか?
緑川:突然ですが、チェ・ゲバラの話をさせてください。ゲバラはご存じの通り、搾取されている人たちを助けようとキューバ革命を起こし、「アメリカの畑」と呼ばれていたキューバを解放した人物です。彼が亡くなった1967年に私は生まれたという縁もあり、昔からゲバラの功績や生きざまに感銘を受けていました。
コマ大戦の世界大会を企画したとき、最初に手を挙げてくれたのがボリビアです。ボリビアは南米最貧国といわれていますが、職人がたくさんいる国です。そして、ボリビアはゲバラが暗殺された土地。ボリビアの発展に尽力し、道半ばで亡くなったのです。
私はボリビアからメールをもらったとき、「これはゲバラからの連絡だ」と勝手に思ってしまって(笑)。早速、土俵やコマのサンプルをボリビアに送り、予選大会を開きました。その後、他の国でも予選大会を行い、ボリビアのチャンピオンを含む世界大会を日本で開催しました。

森本:その熱量や勢い、本当にすごいです。近年は中高生の間でもコマ大戦が広がっているんですよね。
緑川:はい、工業高校の大会なども行われていますし、小学校のイベントや地域のイベントでも採用してくれています。コマをきっかけに子どもたちが地域の町工場に触れて興味を持つ機会が増えれば、町工場の発展につながると思うので、今後も続けていってもらえるとうれしいですね。
森本:コマ大戦は「教育」という観点でも魅力的ですよね。大人が仕事、もしくは仕事の延長線上にあることにワクワクする姿って子どもたちの心に残るじゃないですか。社会人になっても熱くなれるものがあるんだと子どもたちに伝えることは、すごく大事だと思います。
企画のポイントは、「発起人の熱量」と「エンタメ性」
森本:改めて振り返ってみて、企画が成功したポイントはどこにあると思いますか?
緑川:「言い出しっぺ」が動くことです。本番だけでなく、事前に準備すべきことが多く、地域のリーダー探しも含めてたくさんの人を巻き込んでいかないとイベントは成り立ちません。人を動かすのは、発起人の思いです。自ら率先して動き、みんなに思いを伝えていく。すると、周りの人たちも盛り上がって企画がどんどん動いていくのです。
森本:僕がコマ大戦を見て感じたのは、発案者の熱量がコンテンツに乗っかっていることはもちろん、受け手側にとっても楽しめる工夫がされている点も大切だということ。
例えば、すごく強そうなコマなのに、投げる人がミスして回らないというハラハラ感があったり、大会ルールをうまくかいくぐって勝ちまくるヒール役のコマがいたりなど、中小製造業に関係ない人でもエンターテインメントとして楽しめる設計をされていますよね。
緑川:まさにエンターテインメント性は大事にしているポイントです。どんなに意義のあるプロジェクトでも、結局面白くないと当事者以外の人には見てもらえません。いかに分かりやすく、面白く伝えられるかが重要です。
森本:もう一つ、コンテンツ開発をする上で僕が参考にしていることが、スピード感を持って形にするということ。緑川さんはとにかく形にして、トライ&エラーを繰り返しながら大きなものをつくっている印象です。
緑川:確かに、PDCAではなく「PDPDPD……」をずっと続けているかもしれない(笑)。
森本:それこそが緑川さんの強みであり、たくさんの人がコマ大戦に引き付けられる理由だと思います。人を巻き込んで新しいことを始めるとき、相手はどんなに説明されても目に見えないと現実味が湧かないですよね。
規模が小さくても、素早く形にしてコマ大戦の世界観を提示できたからこそ、初回から大きな反響を呼び、一気に拡大することができたんだと思います。

コンテンツを成功に導く「緑川さんフレームワーク」とは?
森本:今、コンテンツの重要性はますます高まってきていると感じます。例えば、テレビの視聴に関しても「なんとなくテレビを見る」のではなく、「あのドラマを見よう」と、コンテンツありきで視聴する人が増えています。
また、コマ大戦がきっかけで文房具販売に成功したシオンのように、コンテンツというワンクッションを挟むことで、ステークホルダーの気持ちをグッと近づけることも可能になります。
電通の本質的な強みは、人の心を動かす企画・コンテンツを、クリエイティブとメディアのチカラを使ってつくり込めることだと思うので、その強みと中小企業が持つコンテンツメーカーとしての強みを掛け合わせることで、副次的に中小企業の課題解決につながるのではないかと思い、僕も「15秒おしごとTV」や「社歌コンテスト」(現在は大企業も対象)といった企画を考案してきました。
緑川:社歌コンテストはもはや定番になっているからすごいですよね。企画が存続・発展しているのは、言い出しっぺである森本さんの力だと思いますよ。
森本:社歌コンテストが発展したのは、日経新聞とJOYSOUNDのブランド力があったからです。社歌も15秒おしごとTVも、緑川さんにアドバイスを頂いて骨子ができました。実は僕、「緑川さんフレームワーク」というものを使っているんです(笑)。
緑川:なに、それ?(笑)
森本:企画が成功するまでのステップを「ホップ、ステップ、ジャンプ」の三段階に分けているんです。ホップは「行動が伴うから説得力が出てくる」、ステップは「説得力があるから人がついてくる」、ジャンプは「人がついてくるから成果が出る」。これが、緑川さんの仕事から抽出したフレームワークです。
緑川:なるほど(笑)。
森本:このフレームワークから生まれた企画は必ず成功すると思っているので、ぜひ皆さんにも使っていただきたいです(笑)。
連携・連帯が、ワクワクするコンテンツを生み出す
森本:今後、緑川さんが取り組んでいきたいことを教えていただけますか?
緑川:今、中小企業の数を減らして再編する政策が検討されていますが、私は集約には限界があるし、中小企業が担っている役割を集約ですべて賄えるとは思っていません。それよりも、本来もっとパフォーマンスを発揮できるはずの中小企業を改善し、より魅力的な商品を世の中に届けられるように変えていくことが重要だと考えています。
そのためには、ただ中小企業に働きかけるだけでなく、政治にも提言をしていかなければなりません。しかし、一方的に意見を伝えるだけでは世の中は動かないので、社会が協力したいと思えるような組織を、中小企業の皆さんと一緒につくっていきたいと思っています。そのときに重要な切り札となるのが、コンテンツの力ではないかと考えています。
森本:ありがとうございます。どうして緑川さんに仲間が多いのかを改めて考えてみたのですが、やっぱり常にみんなのことを第一に考えているからだと思うんです。どうしたら相手が良くなるのか、どうしたらみんなが良くなるのか、どうしたら国が良くなるか。いつも人のことを考えているからみんながついてくるんですよね。
緑川:そこは森本君も同じだと思いますよ。どうしたら中小企業の人たちに喜んでもらえるか、そこを考え尽くしたからこそ、社歌コンや15秒おしごとTV、中小企業魂の声といった企画に協力してくれる人がたくさん現れたんだと思います。
森本:恐れ多いです。緑川さんも「連携・連帯」をキーワードに掲げていますが、僕がつながってきた面白い人、熱い思いを持った社内外の人たちを、中小企業の方々につなげていくことも、自分がこれから果たすべき役割だと考えています。
緑川:つなぐって大事だよね。とある先輩が「おれは接着剤だ」と言っていたのですが、まさに接着剤のような存在が重要。時代が変わっても、人と人が出会うことの価値は変わりません。その場をつくることが、結果的にワクワクするコンテンツにつながり、未来の仕事につながるんじゃないかと思っています。これからも期待していますよ。
森本:ありがとうございます!コマ大戦が世界に広がっていったように、自分のプロジェクトも世界を視野に入れていきたいと思っています。コンテンツをきっかけに他国の人々同士が出会い、絆が深まり、新しい仕事ができていく。そんな世界観を目指します。今後もいろいろと相談させてください!本日はありがとうございました。
変化の激しい時代に、企業の成長原動力となるブランディングとは?
電通のクリエイティブ横串組織「Future Creative Center」(FCC)は、広告の枠を超えて、未来づくりの領域をクリエイティビティーでサポートする70名強による集団。この連載では、「Future×クリエイティビティー」をテーマに、センター員がこれからの取り組みについて語ります。
今回取り上げるのは、FCCメンバーが取り組んだ「スカパーJSATグループ」の企業ブランディングプロジェクトです。有料多チャンネル放送を軸としたメディア事業のサービス“スカパー!”が有名ですが、グループ内では宇宙事業も行っており、利益全体の半分以上を占めています。そのユニークな事業形態をきちんと発信し直すことになりました。
最大のポイントは、この企業ブランディングが社員やその家族など、内側への発信でもあったこと。つまり、企業ブランディングを企業や社員の成長・やりがいにつなげる必要がありました。加えて、プロジェクトはコロナ禍の中で進行。新たな発見もあったといいます。電通FCCメンバーの三戸健太郎氏、田中せり氏、そして電通のプロデューサー門田耕平氏に話を聞きました。
※この取材は、オンラインで行われました。
社員の方がワクワクする、「この指とまれ」の表現を目指した
三戸:スカパーJSATグループ(以下、SJ)は、衛星放送だけでなく宇宙事業も行っています。しかし、その部分が世の中にあまり知られていません。メディア事業と宇宙事業という、ユニークな2本柱の企業であることをきちんと伝えようと、企業ブランディングプロジェクトが始まりました。3月から制作がスタートし、10月に第1弾となるCM、新聞広告、ウェブサイトを発表。今後、3年ほどかけて企業ブランディングを行っていく予定です。


門田:もともと私がSJの営業窓口を担当しており、クライアント課題を聞いていました。SJの宇宙事業は、メディア事業の倍近い利益を稼ぎ出しています。日本で初めて通信衛星を打ち上げた民間企業であり、今も約20基の通信衛星を保有。研究・開発にとどまらない、実際に宇宙で“実業”を行っている稀有な企業なのです。
三戸:それを世の中にきちんと伝えるのはもちろん、今回は社員やご家族の方、つまり企業の内側に伝えるのも重要なポイントでしたよね。
門田:そうですね。メディア事業は競合も増え競争が激化しています。一方、宇宙事業の方は日本でパイオニアの存在ながら、知らない人も多い。その中で、社員の皆さまが誇りを持ってSJの魅力を語れるようにしたいと。また、メディア事業と宇宙事業はあまりに内容が違うため、事業間の交流も少なかったので、その垣根をなくしたいと。世の中への認知とともに、SJ自身の成長原動力となる企業ブランディングが求められたのです。
三戸:門田さんからその話を受けたのが今年初めでした。僕はプランナーとしてプロジェクト全体の戦略や企画をつくる役目、田中さんはアートディレクターとしてビジュアル面を担当、コピーライターには僕と田中さんの同期でもある、渡辺千佳さんに入ってもらい、プロジェクトを進めることになりました。
田中:案を出すとき、大前提として「SJが今やっていることを説明するだけの広告にはしない」という方針を決めましたよね。
三戸:はい。それにより世の中にSJを説明することはできても、見た社員の方が会社の未来にワクワクしたり、モチベーションや誇りを持つことにはつながりにくい。自分たちの会社は自分たちが一番知っていますから。むしろ、それを見てみんなが楽しそうに感じたり、集まってきたりするような、「この指とまれ」みたいな表現にしようと。
田中:今のSJを説明するのではなく、企業や社員の方が目指す“道しるべ”や“目印”をつくるというイメージで。

三戸:そのためには、社員の方が見てグッとくる表現、社員の方に響くメッセージをつくる必要がありました。そこで、僕らが一方的に案を出すのではなく、まず社員の方の声をヒアリングする機会を設けたんです。「なぜSJに入ったのですか?」「宇宙って皆さんにとってどんな存在ですか?」など、シンプルなことを聞いていきました。
田中:こちらがどんどん提案するのではなく、社員の方と同じ方向を見ながら一緒につくり上げていく。FCCが大切にしている“伴走型”の制作です。
三戸:はい。僕らがやりたいこと、言いたいことを一方的に言うよりも、社員の方の思いや気持ちを反映した方が、企業の内側に響くブランディングになります。
見て情報が完結するのではなく、企業の目印や道しるべになる広告を
三戸:そうやって生まれたブランドスローガンが「未知を、価値に。」です。ヒアリングで感じたのは、とにかく社員の方の宇宙愛や情熱がすごいこと。なぜここまで宇宙に引かれるのかを考えたとき、やっぱり宇宙が未知の存在だからと考えたんです。
ブランドスローガン「未知を、価値に。」
未知のものにワクワクするのは、普遍的な人間の気持ちですよね。宇宙は未知だらけで、だからこそ面白いし、社員の方の情熱になっている。であれば、未知にフォーカスしたスローガンにしようと。
田中:先ほど「目印をつくる」と言いましたが、明確な目標やゴールを表現すると、そこに到達したら終わってしまいます。また、これだけ変化の激しい状況では、具体的な目標よりも、方向性や目印といった変わらない本質をつくるべき。どんな時代にも生きるブランドになります。その意味でも、今の状況に合っているのかなと。
三戸:もうひとつ、このブランディングではSJを「宇宙実業社」と定義し直しました。これも社員の方の声が基になっていますね。というのも、ある方が「SJは宇宙の総合商社」だと話していて。その言葉が印象に残りました。それをかみ砕くと、宇宙で研究開発している機関はあっても、SJのように宇宙で実業をしている会社は少ない。そこでコピーライターの渡辺から「宇宙実業社」という言葉が生まれました。
門田:今回は企業ブランディング第1弾として、CM、新聞広告、ブランドサイトを作成しましたね。まずは「スカパーJSATとはこういう企業です」と表明する“宣言編”の位置付けです。
三戸:「未知を、価値に。」という言葉ができたので、あとは表現物がそれをきちんと伝えられるように。例えば、未知と言いながら説明し過ぎの表現物をつくっても合いません。CMも、SJの事業に関する説明は極力少なくしました。
田中:私は新聞広告のグラフィックを制作しましたが、目印、道しるべとしての広告なので、とにかくシンプルに。宇宙や衛星の写真を使えば分かりやすいですが、それは説明広告であり、読者も見慣れたビジュアルでスルーしてしまうかもしれません。そこで、大胆かつシンプルなビジュアルを選びました。
三戸:新聞広告でここまでシンプルなデザインは、かなり勇気がいりますよね(笑)。今回SJの部署横断ブランディングプロジェクトの皆さまと並走させていただいたのですが、長い時間をかけて議論をして、お互いに思いを共有していたため、この勇気ある決断も素早くしていただけました。そこは、本当に感謝しています。
田中:そうですね。ただ、広告は外に対して自分の企業を見せる役割だけでなく、その広告を見た社員のためのものでもあると思います。だとすると、見て情報が完結する説明的な広告ではなく、この企業についていきたい、この先の歩みを見たいと思うような、行き先を示すサインのようなビジュアルがいいなと。
具体的には、未知を「余白」だと考え、上半分を“黒い余白”と位置付け、標識的な星のようなデザインを入れました。具体的な写真や絵を使わず、抽象的な星にしたのは、メディア事業の方にとっても、宇宙事業の方にとっても、この星がSJのビジネスの象徴である衛星であり、また未知を価値にする社員自身でもある、という意味を込めたかったからです。ブルーから黒へのグラデーションも、夜明け前の地平線に見えたり、宇宙視点での地平線にも見えたり。見る人に委ねるビジュアルにしました。
リモート制作の体験から生まれた「家族に見てもらう」アイデア
三戸:コロナ禍の制作ですべてリモートでしたが、意外とできちゃいましたよね(笑)。ロサンゼルスでの撮影をリモートでして、CMをつくるのはさすがに不安だったのですが、できるものだなと……。
門田:10月1日にCMがテレビで初オンエアになると決まり、社員の方とそのご家族に見ていただく仕掛けもしましたよね。
三戸:そうですね。コロナ禍でSJの方も多くが自宅勤務の状況です。出来上がったCM映像を発表するような社員総会も開かれないので、どう皆さんに伝えるか悩みました。とはいえ、この企業ブランディングは内側に届けるのが重要。そこでSJの方と話し合い、オンエア前日に米倉英一社長(スカパーJSAT㈱ 代表取締役 執行役員社長)から社員全員に直々のメールを送信していただきました。このプロジェクトへの思いとともに「テレビで明日のCMを見ましょう」と。
家族の方に見ていただくアイデアには、こんな背景もありました。編集したCMの試写をリモートで行っていたのですが、SJの方々がその場で小・中学生の息子さんや娘さん、旦那さんにCMを見せて意見を聞いてくれたんです。社員のご家族の意見も大事にしながらブラッシュアップしていった場面もあり、「ぜひ家族の方にも見ていただきたい」と思ったんです。
田中:今回のプロジェクトで感じたのは、企業の成長につながるブランディングは、企業の社員の方の気持ちや向かう先を示すものであるべきということです。当たり前のことですが、その企業を一番熟知していて愛情を持っているのは社員の方々です。だからこそ、社員の方々の気持ちを表したものでないといけません。とはいえ、中にいると気づかない、あるいはその思いをきちんと表現しきれない時もあるので、私たちの視点や表現によって、手助けできればいいなと。そういった存在になるべきだと思いました。
三戸:僕らがいきなり「こんな表現どうですか」と出すのではなく、今回のように社員の方と対話しながら、伴走型でつくることが大事ですよね。そしてもうひとつ、企業の成長につながるブランディングをするには、今の企業の価値を言い当てるのではなく、未来に向けてどんなことをしていくか、どんな姿勢がワクワクするか、「この指とまれ」のやり方が重要です。
しかも今は、数カ月先がどうなるか分からない状況。その中では「ここを目指す」と明確に目的地を示すより、企業の姿勢を含め「変わらない本質」を表現するのが大事なのかなと。ブランディングは一過性ではなく、ずっと続いていくものなので。
門田:SJの企業ブランディングも、3年ほどの長期で企画を進めていきますよね。
三戸:はい。今回は宣言編であり、王道のブランディング施策でしたが、今後は実際のアクションを行っていきます。3月の提案時にも「SAYからDOへ」という言葉を掲げていて。今後は、実際のアクションを通してブランドを築いていくので、ぜひ楽しみにしていてください。
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映画レビュー「エンター・ザ・ボイド」
“輪廻転生”という仏教的テーマを、3D感覚のサイケデリックな映像の中に展開。舞台となった東京の刺激的な風景も見ものだ。
投稿 映画レビュー「エンター・ザ・ボイド」 は 映画遊民 映画をもっと見たくなる! 映画ライター沢宮亘理の映画レビュー、インタビューetc に最初に表示されました。
パチンコ新台「最驚の出玉力」「革新的BIG」も話題のヒットメーカー…第3四半期以降は「販売を本格化」へ
「革新的BIG BONUS」と「グルグルクギナイン」システムを搭載した『P新日本プロレスリング』や、「ALL1500発×継続率80%」の衝撃スペックが話題の『P JAWS3』を発表。ヒットメーカー平和が、パチンコファンから熱視線を浴びている。
そんな平和(東証1部:6412)は11月10日、2021年3月期の第2四半期決算を公表した。
これによると、売上高は前年同期比48.9%減の377億8100万円で、営業損失は46億8000万円、経常損失は46億9400万円。前年同期の売上高は739億1100万円で、営業利益は135億5000万円、経常利益は135億3200万円だった。
同社は遊技機事業の現状を「緊急事態宣言後の営業等の自粛要請は解除されたものの、顧客であるパチンコホールへの客足の戻りは鈍く、稼働も未だ完全に回復していないなど先行き不透明な状況」と分析。「旧規則機の経過措置期間が1年延長されたことで、新規則機の購入を控える動きに繋がった」とした。
これにより当第2四半期は前期発売した機種を中心に販売。売上高は28億9300万円、営業損失57億9500万円と、売上高295億6800万円、営業利益79億4600万円だった前年同期を大幅に下回った(売上高前年同期比90.2%減)。
同社におけるもうひとつの柱であるゴルフ事業は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、来客及び従業員の安全確保、感染防止策を徹底した事業運営を引き続き実施。「数年続いた大きな台風被害が今期は発生しなかった」ことや「第2四半期における来場者の大幅な回復があった」ものの、第1四半期における業績の落ち込みを補うまでには至らず、また「スループレーの増加やコンペの中止などにより顧客単価が低下した」ことで前年同期を大幅に下回ったとした。
同事業の売上高は前年同期比21.3%減の348億8800万円で、営業利益は前年同期比65.8%減の24億6000万円となった。
一方で、「パチンコホールの稼働は緊急事態宣言前の約8割まで回復」と市場動向を分析。「需要の増加が見込める第3四半期以降に販売を本格化」するとし、「新機種以外にも、パチンコ機は遊パチ等の別スペックも販売予定」とした。
今後はパチンコ機『ルパン三世 復活のマモー』、パチスロ機『南国育ち30』『戦国乙女3 天剣を継ぐもの』などパチンコ機78,000台(6タイトル)、パチスロ機52,000台(7タイトル)の販売を計画。前期はパチンコ機95,483台(10タイトル)、パチスロ機68,917台(8タイトル)を販売した。
2021年3月期の連結業績予想は8月に公表した数値から変わらず、売上高1248億円(前期実績1445億7300万円)、営業利益69億円(同235億5100万円)、経常利益63億円(同232億7800万円)としている。
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JRA武豊「過去6年で3勝」得意レースで出るか“代打HR”!? コントレイルに“先着”バスラットレオンは巻き返し図る【ラジオNIKKEI杯京都2歳S(G3)展望】
2014年にOP特別からG3に格上げされたラジオNIKKEI杯京都2歳S(G3)が、28日に阪神競馬場で開催される。年末のホープフルS(G1)に向け、2000m戦で勝ち名乗りを上げるのは、どの馬だろうか。
今月だけで重賞3勝と絶好調のオルフェーヴルを父に持つラーゴム(牡2歳、栗東・斉藤崇史厩舎)が重賞初挑戦。7月の新馬戦は今回と同じ阪神2000mが舞台だった。このレースを先行して勝ち上がると、8頭立ての5番人気に甘んじた2戦目のアイビーS(L)では、勝ったオーソクレースからクビ差の2着に健闘した。
過去2戦で手綱を取った北村友一騎手が騎乗停止中のため、今回は武豊騎手が代打騎乗を予定している。武騎手はこのレースがG3となった過去6年で3勝(15年ドレッドノータス、17年グレイル、19年マイラプソディ)しており、相性は抜群。1週前追い切りにも騎乗し、代打で一発を狙う。
バスラットレオン(牡2歳、栗東・矢作芳人厩舎)は、夏の札幌で2走し、今回が約3か月ぶりの実戦となる。2戦目の札幌2歳S(G3)では、1番人気に支持されたが、ソダシから0秒3差の3着に敗れた。
まだ洋芝経験しかなく、その実力は未知数だが、1週前追い切りの内容から、人気を集めそうだ。18日の栗東CWで、コントレイルとダノンファラオと3頭併せを敢行したバスラットレオン。手応え余裕のままジャパンカップ(G1)に出走するコントレイルに堂々先着してみせた。
近親にスティッフェリオがいるように、血統的にはやや晩成型。にもかかわらず、2歳のこの時期に無敗の3冠馬相手に調教で先着したというのは、ポテンシャルが高い証しだろう。いい競馬を見せることができれば、先々が楽しみな存在になりそうだ。
ダノンドリーマー(牡2歳、栗東・藤原英昭厩舎)は、9月の新馬戦で5着に敗れた後、距離をマイルから2000mに2ハロン延ばした新潟未勝利戦を勝ち上がった。
3代母にはオークス2着、桜花賞と秋華賞で3着というエアデジャヴーがいて、一族からはエアシャカール、エアシェイディ、エアスピネルなどが出ている。鞍上には、前走から引き続き岩田望来騎手が手綱を取る。2年目の若手の有望株も、重賞ではいまだ勝利なし。そろそろ重賞タイトルを獲りたいところだ。
8月小倉の新馬戦で5馬身差の圧勝劇を演じたグラティトゥー(牡2歳、栗東・橋口慎介厩舎)が初めての重賞に挑戦する。
前走の紫菊賞(1勝クラス)は、ヨーホーレイクの2着に敗れたが、良血馬相手に重賞級の能力を示した。エピファネイア産駒で鞍上には松山弘平騎手というデアリングタクトと同じ組み合わせ。ジャパンカップの前日に2歳重賞で白星を挙げられるだろうか。
この他には、紫菊賞でグラティトゥーに次ぐ3着に好走したマカオンドール(牡2歳、栗東・今野貞一厩舎)。1戦1勝で、福永祐一騎手が騎乗予定のグロリアムンディ(牡2歳、栗東・大久保龍志厩舎)。萩S(L)3着のワンダフルタウン(牡2歳、栗東・高橋義忠厩舎)などが出走を予定している。
過去6年で3勝している武騎手とラーゴムに注目が集まる、ホープフルSに向けた重要な一戦は、28日15時40分に発走予定だ。
日本酒をたくさん飲んでいるのに…新潟県民に健康な人が多い理由とは?
新潟といえば日本酒を連想される方も多いのではないでしょうか。
たくさんのおいしいお酒が新潟県ではつくられているからか、新潟県人はお酒が大好きで、その消費量は全国でもトップクラス。そう聞くと、「飲みすぎで病気になったりしないのだろうか」と心配になってしまいますが、『医師がすすめる新潟式食事術 長生きの秘けつがここにありました。』の著者・五十嵐祐子医師によると、実は病気知らずな高齢者が多いのだとか。
■日本で1番、医者いらずの元気な高齢者が多い新潟県
「健康県と聞いてどこを思い浮かべますか?」と質問をしても、新潟と答える人は、あまりいないかもしれません。確かに新潟県は、ご長寿ランキングでは、男女ともにトップ10には入っていません。しかし、「後期高齢者医療事業状況報告」(平成30年度)によると、後期高齢者の1人当たりの医療費が、全国で1番少ないのが、新潟なのです。
「医師に頼らない元気なお年寄りが多い」といえる新潟県ですが、健康のベースは食事。誰もが願う「ピンピンコロリ」を実現するための食事法のヒントが新潟の人が毎日食べている家庭料理に隠されているのでは? 五十嵐医師はそんな気づきから、徹底的に新潟の家庭料理を検証。その結果を本書で紹介しています。
■新潟県で元気な老人が多いのは、食生活にあった!
著者が、総務省の「家計調査」などで新潟県人が何を食べているのかを調べた結果、新潟県人は、常日ごろから、非常にたくさんの健康的な野菜をバランスよく食べていることがわかりました。ご長寿の栄養素として今注目の食物繊維の塊である根菜の消費量が全国1位。老化、寝たきりを防ぐために、絶対に必要なたんぱく質、ビタミンも豊富な豚肉の消費量全国1位。そのほかトマトなどの生鮮野菜も全国屈指の消費量を誇っています。
また、老化の原因となる増えすぎた活性酸素を除去するアスタキサンチンが豊富な鮭などの魚介類もよく食べる。酒どころとあって、発酵食品も豊富。お弁当などで冷やご飯をよく食べ、整腸効果の高い、レジスタントスターチも多く摂取している、などなど、調べるうちに、新潟県民の一般的な食事こそ、理想的な、健康食だと考えるようになったそうです。
■新潟の家庭料理「のっぺ」はスーパー健康料理
五十嵐医師は、特に「のっぺ」という新潟県の伝統的な煮込み料理に注目。国立がん研究センターの研究チームが、9万人の追跡調査で、食物繊維を多く摂取すると死亡リスクが約2割低下したと発表しましたが、この料理は、サトイモ、ニンジン、大根など、その食物繊維をたっぷりと含む根菜、をふんだんに使い、さらに、鮭などでたんぱく質もしっかりとれるスーパー健康料理だとしています。
■新潟県人が愛する健康おつまみとは?
また、五十嵐医師によると、お酒を飲んでも元気な秘けつには、新潟県民が大好きなおつまみにあるそう。そのおつまみとは枝豆(茶豆)です。新潟は、枝豆を含む「さやまめ」の消費量が全国で断トツの1位。
枝豆には、お酒を飲むと体内でできる二日酔いの原因となり、なおかつ発がん性もあるアセドアルデヒドを分解するのを助ける「オルニチン」という物質が多く含まれています。もしかしたら「オルニチン」といえばしじみという印象をお持ちの方もいるかもしれませんが、枝豆には、しじみよりも多くの「オルニチン」が含まれているといわれているそうです。
「『オルニチン』は、飲んだ翌日よりも、飲んでいるときに摂取するのが効果的なので、ぜひおつまみとして食べてください。あと、枝豆を食べているからといって、大量にお酒を飲むのはよくないです」(五十嵐医師)
ちなみに「オルニチン」は、新潟県が全国で3位の消費量をほこる、キノコ類にも多く含まれているそうです。
■日本人なら、「地中海食」より「新潟食」
そのほか、新潟の食生活は、家族や自分の健康を守るための献立づくりに参考にしたいものばかり。
「『地中海食』が体にいいと言われていますが、食べなれた食材が多い『新潟食』の方が、日本人には取り入れやすいのでは」と語る五十嵐医師。
本書には、好きなときに簡単に「のっぺ」を味わえるように開発した「のっぺの素」や枝豆をつかったかんたんおつまみ料理のほか、新潟の家庭料理を元にしたレシピが多数のっています。ぜひ、この週末にでも、新潟食をご家庭で試してみてはいかがでしょうか。(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。