P&Gジャパン 新テレビCM 今こそ“想いをつないで未来への架け橋に”(動画あり)

P&Gグループ(ワールドワイドオリンピックパートナー、東京2020 パラリンピックゴールドパートナー)のプロクター・アンド・ギャンブル・ジャパンは6月10日、新テレビCM「想いの架け橋」編(30秒)の放送を開始した。

ロゴ

“想いをつないで未来への架け橋に”をテーマに、日常が変わった今だからこそ、前向きな思いが誰かの元気や楽しみに、笑顔につながっていくことや、思いあふれる毎日の先には、きっとより温かく明るい未来が待っていると伝える。
ナレーションは、同社のオリンピックキャンペーン「ママの公式スポンサー」で熱血応援リーダーを務める、タレントの松岡修造さんが担当。いつもと違う、やわらかく温かな声で未来への思いをつむいでいる。
画面では、大きく変化した日常の中でも楽しみを見つけ、人を思いやりながら頑張って生活する人たちの様子を紹介。その中には、水泳の瀬戸大也選手が、在宅トレーニングに取り組む姿も。

 

また同社は、未来への架け橋の一助になればとして、アスリートや医療従事者、コロナ禍で困難な状況にある子どもへの支援活動に、新たに計5000万円の寄付を決めたという。

特設サイト:
https://www.myrepi.com/family

 

マルコメ君のアーティスト活動 「DJ MARUKOME」が,「読めるスパイスカレー」を発売

LINEは6月9日から、同社が運営する「LINE RECORDS」(https://linerecords.me/)の所属アーティスト「DJ MARUKOME」が、食品専門店などを展開するエースと、カレールウやレトルトカレーを製造・販売するキャニオンスパイスとコラボし、レトルトカレー「読めるスパイスカレー」を発売する。
 

DJ MARUKOMEは、味噌製造のマルコメのイメージキャラクター「マルコメ君」が、味噌や発酵を世界に広めるため、2016年からアーティスト活動を開始したもので、その後、LINE RECORDSから正式デビューした。今後は、有名ミュージシャンらとのコラボ企画や、楽曲と連動した施策をより積極的に展開するという。
今回、エースが手掛ける店舗「北野エース」のカレー売り場「カレーなる本棚」が10周年を迎えたことから、両者のコラボによるカレーを発売することになった。同所では商品棚を本棚に見立て、カレーのパッケージの背表紙を見せるなどして陳列し販売。そのユニークさが注目されている。

商品は、“大豆のお肉”とマルコメこだわりの味噌を隠し味に使用。これに、アーティスト・作家・漫画家らによる読み物を同封することで、“読めるカレー”を実現した。
同日発売の第1弾は、タブラ奏者として活躍するユザーンさんによる「発酵する楽器」が封入される。これ以降も、音楽と発酵を掛け合わせたコンテンツを展開する予定で、第2弾はショートショート作家の田丸雅智さん、第3弾は漫画家の豊田悠さんの作品がラインアップされる。
また、パッケージのQRコードから、LINE MUSICの「カレーを食べながら聴きたい曲 By DJ MARUKOME」にアクセスすることで、“聴けるカレー”にもなる。
「DJ MARUKOME」公式サイト: https://www.djmarukome.com/

 

 

香港の国家安全法制「反対声明に日本が参加拒否」の共同電 安倍応援団の「デマ認定」こそフェイクだ! 本田圭佑も踊らされた詐術を検証

 中国が香港での導入を決めた「国家安全法制」。香港で市民の抗議デモが広がっているのはもちろん、国際社会からも厳しい批判の声が上がっている。当然だろう。この国家安全法制は政治活動や言論の自由を奪い、中国の直接支配を強行しようとする制度。「香港の高度な自治」「一国二制度」を崩壊...

オンラインミーティングの成否を分けるものは?

コロナ禍によって、図らずも日本社会に浸透したリモートワークの常態化が、私たちの働き方に新たな課題を突きつけています。

柔軟なスケジューリング、通勤負荷の軽減などのメリットがある一方で、リモートゆえの創発の難しさや、コミュニケーションの希薄化がチームのクリエーティビティーに与える影響など、多くのことが社会全体で浮き彫りになってきています。

アフターコロナでも、確実に私たちの生活の一部となる、リモートワーク。
そのリモートワークの成否を分ける存在が、実は、「ファシリテーター」なのです。

前編では、オンラインミーティングで創造的なコラボレーションを生み出すためのポイントを、そのカギとなる「ファシリテーター」の役割に焦点を当てて解説します。

今、リモート環境における創発が課題に

業務報告や情報共有には問題ないが、イチからアイデアを生み出すようなコラボレーションは難しい―。

リモートワークの長期化に伴い、オンラインミーティングについてよく聞かれる悩みです。

Buffer & AngelListが今年実施した、「世界各国のリモートワーカーに対する調査※1」においても、一番の問題として「コミュニケーション/コラボレーション」が挙げられています。

オンラインとオフラインでは何が違うのか、まずは、それぞれのメリット・デメリットを整理してみました。

<図1:オフライン/オンラインミーティングのメリット・デメリット>
図1:オフライン/オンラインミーティングのメリット・デメリット

自分のアイデアがチームメンバーにどう思われているのか、さまざまなアイデアの中で多くのメンバーが支持するのはどの案なのか、言葉や文字だけでなく、表情や空気感なども含めた、合意形成のために重要となる「一体感の醸成」。

一番の課題は、これをオンラインミーティングで実現するのが難しいことです。

それを克服するために、ウェブ会議システムにはさまざまな機能が搭載されていますが、リテラシーの個人差もあるため、多くの日本企業では使いこなせていない状況です。

さらに、リモートワークが定着してくると、すでにオフラインで十分に交流があるメンバーだけでなく、リモート環境で初めて出会ったメンバーとプロジェクトを推進していく機会も増加していきます。

そのような環境の中で、個々のチームメンバーの能力を十分に引き出しながら、高いレベルのコラボレーションを実現させるスキルとマインドセットの標準装備という、高度なスキルが今、求められているのです。

オンラインミーティングで重要性を増すファシリテーター

リモート環境においては「あうんの呼吸」によって物事が円滑に進むことが期待できない分、リアルでのコミュニケーション以上に、チームメンバー間の明確な役割分担と、きめ細かい意思疎通を必要とします。

また、良好なリレーションシップを維持するために、オフライン時以上の相互の配慮も重要です。それらを担う司令塔の役割を果たすのが、ファシリテーターです。

円滑なミーティングを運営するためにファシリテーション能力が重要であることはリアルの場でも同様ですが、オンラインミーティングにおいてはその巧拙の差が、よりチーム全体のパフォーマンスに直結します。オンラインミーティングにおけるファシリテーターの役割は、以下の三つです。

1.ミーティング全体のPDCA設計

「段取り八分」という言葉がありますが、ミーティング中だけでなく、その事前準備、および事後のアクションの設計が、円滑なプロジェクト運営のためには不可欠です。ミーティングのゴール設計およびアジェンダ設定、その時間配分、そして事前作業の指示もファシリテーターの仕事です。

アジェンダの設定に当たっては、会議の時間内で終わらせることができる分量・内容かどうかに留意することが必要です。また、重要度、緊急度の高いものから順に議論をすることで、重要なことが議論できずに終了時間が来てしまう、いわゆる「尻切れトンボ」のリスクを低減させる工夫も必要でしょう。また、長時間のミーティングの際は60分ごとに10分程度の休憩を入れるなど、メンバーのコンディションを維持するための配慮も忘れないようにしましょう。

限られた時間の中で質の高いコラボレーションを実現するためには、ミーティング当日のディスカッションに必要な事前資料の読み込みや、チームメンバーそれぞれの意見や課題意識を、メールやチャットなどで収集しておくことも必要です。さらに、それらの事前準備をメンバーに遵守させることも求められます。

ミーティングの終了後には、決定事項や次へのアクションなどを迅速に共有することも忘れてはいけません。その際、ファシリテーターは当日の会議の運営に専念し、議事録作成については他のメンバーが実施する方がスムーズです。

<図2:ミーティング全体のPDCAの設計>
図2:ミーティング全体のPDCAの設計

2.中立な立場で、参加者の主体性、可能性を最大化する

オンラインミーティングではお互いの存在を感じにくいことから、発言が一部の人に限られてしまう傾向が強くなります。また、年次、役職の高い人や、チームの中心メンバーは、悪気はなくてもついつい話し過ぎてしまうことが多々あります。そのような時に、ファシリテーターは、時には話し過ぎてしまう人を制止し、発言の少ないメンバーの意見を積極的に引き出す判断が必要です。オンラインミーティングの良いところは、会議室の「上座、下座」のように、場の設計によって力関係が見える化されないところです。これまで以上にフラットな関係性の構築に努めましょう。

フラットなコミュニケーションをつくるための仕掛けとしては、ミーティングの際にいきなりアジェンダに入るのではなく、「アイスブレーク」の時間を設けることが、緊張感の緩和や一体感の醸成に有効です。日本人にはあまりなじみのないコミュニケーションですが、特別なことをする必要はなく、「最近気になった面白いニュース」や「お勧めの情報」などを参加メンバーで情報交換し合うだけでも、十分効果があります。

3.意思表示・合意形成を円滑にするための「リアクションデザイン」

チームメンバーの積極的な参加を促進するためには、アイデアへの反応や絞り込みについて「ルール化」しておくことが有効です。

例えば、ブレストで出たアイデアを絞り込む際に、それぞれの案をトランプで採点する(例:10点満点中5点だったら5のカードを挙げる)、あるいは単純に挙手を募ることで、思ってもいない案が、実は全体の評価が高いと判明することもあります。

<図3:トランプのイメージ画像>
また、質問を募るときにあえてチャット機能を使うことも効果的です。若手や新しいメンバーなど、口頭での質問をためらいがちな人からも、積極的な発言が聴取しやすくなります。口頭での対話とチャットでの意見募集をうまく交えながら、メンバーの参画意識を最大化していくことも、ファシリテーターの腕の見せ所です。

リモートワークの進展によって加速するカルチャー変革

日本では、コロナ禍による「リアルの代替手段」としてリモートワークが急速に普及しました。しかし世界的では、もともとリモートワークは「多様な人材を生かすことができる生産性の高い働き方」として推進されてきました。例えば、欧州では、移民の受け入れやワークシェアリングの推進のために、業務のマニュアル化やペーパーレス化の推進など、リモートワークのベースとなる仕事スタイルが定着してきた経緯があります。

そして、仕事と並行して専門スキルを高めたい知識労働者の自由でクリエーティブな働き方として、あるいは仕事と子育てや介護などとの両立が可能な働き方として浸透してきました。

多様なバックグラウンド、ライフスタイル、価値観のチームメンバーと、リモート環境で質の高いコラボレーションを実現させるには、ツールの使いこなしもさることながら、心理的安全性を保ちながら多様な人材と対話を進めるスキルや、自分と異なる考え方を受容するマインドセットが不可欠です。リモート環境に適応したコラボレーションスキルの進化は、日本企業のカルチャー変革、そして競争力強化に直結すると、筆者は確信しています。

※1:The 2020 State of Remote Work
制作協力:バルーン・コンサルティング 
 

キャリアデザインから見える教育の本義

 

BBT大学ロゴ

床面積0㎡。日本初、100%オンラインで経営が学べるBBT大学。世界110カ国に居住する在学生が、サイバースペースに集結する。その最前線で教壇に立つグローバル経営学科長の谷中修吾教授に、オンライン教育の本質と可能性について聞いた。


私が教鞭を執るビジネス・ブレークスルー大学(BBT大学)では、世界110カ国に居住するビジネスパーソンたちが、100%オンライン環境でビジネスを学んでいます。「起業に必要な専門スキルを習得したい」「学位を取得して、転職につなげたい」皆それぞれ、何らかの形で、キャリアに対する強い情熱を持っています。

オンライン講義の様子
谷中教授によるオンライン講義の様子。東京・麹町のスタジオから配信し、世界110カ国に居住する学生が受講。谷中教授はBBT大学の人気科目『マーケティング基礎』を教えている。

それでは、より良いキャリアとは、一体、何なのでしょうか?

ビジネス教育においても、キャリアそのものを設計する「キャリアデザイン」の重要性がうたわれるようになって久しいですが、その本質はいつも“ふわっ”としています。そのため、一般的に、キャリアデザインという言葉を聞くと、「専門スキルを習得したり、資格をとったりして、キャリアアップを目指すこと」「人材紹介会社と相談しながら、転職の計画を立てること」というように、計画論としてキャリア設計をイメージする方が多いと思います。

未来の自分を想像して、理想とする職業、役職、年収などについて目標を立てる。そして、その目標を達成するための計画を練る。そのようなキャリア設計を否定するつもりはありません。しかし、キャリアデザインの本質を見失うと、歯を食いしばって達成するための努力目標論になってしまうことも事実です。だから、あえて定義します。キャリアデザインの本質とは、「自分のワクワクと素直に向き合うこと」なのです。

ライブ講義の様子
学生から提出された成果物に対して、バラエティ番組感覚でフィードバック講義を行う。学生は単に講義映像と向き合っているのではない。自身のワクワクと向き合っているのだ。

ワクワクと向き合うには、まず、自分に正直になる必要があります。
というのも、人には必ず、「つい夢中になってしまうこと」や「理屈抜きに好きなこと」など、ワクワクの源が自分の中に存在するものです。
ところが、「世の中の常識がこうだから…」「世間体を考えると…」など、頭の中にインストールされた既成概念プログラムが立ちはだかります。
自分のワクワクは「ここにいるよ」と声をあげているのに、「いや、そんなはずはない」と自分で耳をふさいでいるわけです。

ワクワクと向き合うことなしにキャリアを歩もうとすると、次第に苦しくなります。自分の本来の姿を無視してキャリアの目標を設定することになるため、重い試練に打ちのめされるのも当然でしょう。逆に、素直に心の声に耳を傾けて、ワクワクに基づいたキャリアを歩み始めると、努力なしに道が開かれます。とにかく楽しいから、どのような境遇でも充実しかない。

これが、キャリアデザインの本質なのです。その視点に立つと、ビジネスパーソンの学びの場、すなわち、ビジネス教育というのは、キャリアアップのための場というよりも、「ワクワクを思い出し、そのスイッチを入れる場」と捉えるのが適切だと考えます。

アバター卒業式の様子
BBT大学では教授が自らワクワクをカタチにする。2020年3月、新型コロナに対応して、谷中教授が「アバター卒業式」をプロデュース。卒業生が自宅からアバターロボットを操作して、大前研一学長から卒業証書を受け取った。

新型コロナの影響で、オンライン教育が超速で広がる中だからこそ、教育の本義を捉え直すには良い機会ともいえるでしょう。このコラムでは「ワクワクとは何か?」ということをひもときながら、教育の本質、オンライン教育の特性、オンラインとリアルを交錯させる教育の可能性について、100%オンライン大学のビジネス教育者の視点でお話しさせていただこうと思います。
 

 

工程全てにオーナーシップを持って “全方位” のプロデュースを目指す

あらゆる業界が大きく変化している時代。何が起こるか、先が見えない時代。
広告業界でも、新しい職種がいろいろ生まれています。

今回はその中から、電通のグループ内でも注目の職種「ビジネスプロデューサー」をご紹介。
顧客企業のビジネスをいかに豊かなものにしていくか。それぞれのやり方で、あの手この手で取り組んでいます。
どんな仕事をしているのか、この先どんな世界を目指していくのか、聞いてみました。

連載第8回は、清水仁志さんを紹介します。


クライアント担当者の喜ぶ姿がチームのやりがいに

今は電通デジタルに出向していて、プランニングディレクターとしてデジタル起点のビジネスプロデュースをしています。デジタル領域で幅広く事業展開している会社なので、多様なバックボーンのメンバーに囲まれながら、新しいことを吸収し続けている毎日です。

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昨年は、ある外資系IT企業のプロデュースに注力していました。競合プレゼンに勝ってパートナーになり、その後実際に成果を上げられたことが心に残っています。

この案件は、あるアプリのダウンロード増加を目標としたものだったのですが、成熟市場かつ後発アプリという状況から、目標はチャレンジングなものでした。その中でわれわれのチームは、電通の独自データを活用してターゲットを導き、インフルエンサーを活用したオンオフ統合型のコミュニケーションプランを設計。複数のメディアと独自の企画開発を行うなどしてリーチも工夫した結果、目標を大幅に上回るダウンロード数を達成し、ベンチマークの競合アプリを追い抜くことができました。

数字と共にうれしかったのは、このプロモーションが、クライアントのグローバルグループ全体で社内表彰を受けたこと。クライアント担当者が喜んでいらっしゃって、その姿がチーム一同、とてもうれしかったですね。

オーナーシップを持ち、パートナー全員のグロースを目指す

日頃心掛けているのは、「全部自分でやる」くらいのオーナーシップを持ってプロジェクトに臨むことです。「クライアント意向を聞く」「メンバーのアイデアを聞く」だけではなく、メディア、クリエイティブ、データ活用など、全ての工程においてまず自分で仮説を持つ。そして、それをメンバーにシェアしてチームをリードする。

もちろん、最後は各領域のプロフェッショナルに頼りまくるのですが、最初から意志や意図なく相談しても、プロフェッショナルのプロフェッショナルたる力を引き出せないと思っています。ですので、疎まれることを恐れずに積極的に意見をぶつけることをこれからも大切にしていきたいです。

今後追求していきたいのは、クライアントへのコミットを通して、メディア、コンテンツなどパートナー全員のビジネスをグロースさせていく「全方位のプロデュース」です。これが、昨今の情勢下でわれわれが生み出せる価値だと信じていますし、「若さで動き回る」という自身の強みを生かせる方向性とも考えています。

オーナーシップを持って全方位をプロデュースする、それを目指してこれからも精進していきます。

自民党のネット誹謗中傷対策のメンバーに絶句! 委員長の平井卓也議員は福島瑞穂議員に「黙れ、ばばあ!」と匿名で書き込み

 とんでもない動きが出てきた。女子プロレスラーの木村花さんが亡くなったことを受けて、自民党が「インターネット上の誹謗中傷・人権侵害等の対策プロジェクトチーム」を立ち上げたが、その会合で、投稿者の情報開示どころか、匿名投稿の規制や侮辱罪などの厳罰化を求める声があがっている。 ...

伊藤詩織氏がはすみとしこ氏を提訴! はすみ氏に同調して伊藤氏を攻撃、山口敬之擁護していた自民党・安倍親衛隊議員の責任

 ジャーナリスト・伊藤詩織さんが、ツイッターに投稿されたイラストなどが名誉毀損にあたるとして漫画家のはすみとしこ氏らを提訴した。  伊藤さんは、安倍首相と昵懇の元TBS記者・山口敬之氏から意識がないなかで性行為を強要されたとして1100万円の損害賠償を求めた民事訴訟で、2...

コロナ禍で評価を高めるPRとは?~海外事例から見る五つの特徴~

危機が生じた際にどう対応したか、によってレピュテーションを向上させることも、損なうこともあります。

多くの人々が命の危険と経済的困窮にあえぐコロナ禍では、

「人々にとって必要で実効力のある政策をどれだけ迅速に実行できたか」

によって国家指導者の支持率が上下しました。

経済界においても、特に業界のリーディングカンパニーとして名高い企業は、従業員やサプライチェーン、業界、消費者などのステークホルダーに正面から対峙し、パンデミックにどう対応するかについて意志を示し、行動する必要が生じました。

「多くの生活者や産業が生き抜くための対応・コミュニケーションを取り、それが他社より抜きん出ている企業」

はステークホルダーとの関係を強固にすることに成功しています。

筆者は普段、ステークホルダー調査や報道・SNS分析などを通じて国内外企業の広報評価や広報企画の策定を支援する業務に携わっており、今回は新型コロナウィルス(Covid-19)をめぐる海外企業のコミュニケーション事例を分析しました。

成功事例から五つのポイントを導き出しましたので、ご紹介します。

  1. 新型コロナウイルスをめぐる重要課題への強力な取り組み
  2. 社会や業界への行動変容の提案
  3. 事業環境好転のアイデアと実践
  4. 従業員やサプライチェーンへの配慮
  5. 国民や消費者を力づけ、希望を与えるメッセージ

この五つは、多くのトップ企業で複合的に実践されています。

1.新型コロナウイルスをめぐる重要課題への強力な取り組み

重要課題として、

  • 新型コロナウイルスとの戦いに必須の医薬品・医療設備の開発提供
  • 医療従事者支援
  • 人々の生活や経済基盤の確保

がまず挙げられます。医療と直接関係しない企業でも、三つ目の「人々の生活」に貢献する発信はできるケースが多いでしょう。

ユニリーバはコロナ禍が拡大する中、

せっけんを生産する企業として、せっけんをより簡単に人々が入手できるようにし、効果的な手洗いを啓発する義務がある。

と声明を出し、グローバルに手洗い啓発キャンペーンを展開しています。

新型コロナウイルスを拭い去るために必要な手洗い時間は20秒といわれています。そこで、文字と数字だけが登場する“Take care, be safe”というテレビCMを同社のブランド「ダヴ」で展開しました。20秒からカウントダウン形式で、手を洗う音とともに時間の経過を表示し、

私たちはあなたがどのせっけんを使うかは気にしない、気にしているのはあなたと同じことーーあなたと、みんなのために。

と手を洗う人々に話しかけるメッセージを入れ、#WashToCareのハッシュタグで締めくくっています。

また英国政府と協力し、衛生習慣が定着しておらず、医療が十分に行き届いていない途上国において、10億人をターゲットとするキャンペーンを行っています。バスの停留所に屋外手洗いステーションを設置したり、若年層に影響力のあるインフルエンサーを活用し、せっけんを使った手洗いの有効性を訴求しています。

このように、ワクチンが世界に行きわたるまでの間、衛生水準の向上によって多くの生命を守ろうとしているのです。

2.社会や業界への行動変容の提案

3月初旬に英国でも新型コロナが急激に拡散し、食料などの生活必需品のパニック買いが発生したため、商品の需給バランスが崩れました。

そんな中、ソーシャルディスタンスを早くから導入した英国最大手のスーパーマーケットチェーンのテスコは、テレビCMで「安全措置を講じたスーパーで顧客が商品を購入するまでの流れ」を細やかに説明し、社会に浸透させています。

同社のルイスCEOは

Together, We Can Do This(いっしょに乗り越えよう)

と、何度も声明文を出し、物資供給や消費者の状況に応じて、実店舗やオンラインの購買行動を制限しました。

3月下旬には新型コロナと最前線で闘うNHS(国営医療サービス)関係者が、「仕事を終えてからスーパーに来ても、必要物資が売り切れていて買えない」とSNSで泣いて訴える様子がメディアで取り上げられました。

テスコはこのような声に応えるべく、医療従事者や高齢者が優先的に店舗で買い物できる時間を拡大。

他の消費者はその時間の来店を遠慮してほしい。

と度々消費者に要請しています。その後、対象を介護施設関係者にも拡大した他、通常の購入時間においても、NHSと介護施設関係者が優先的に購入できるようにしました。

テスコが行った混乱期における丁寧な消費者とのコミュニケーションは、生活者に秩序を守るよう促すことで、あらゆる人々に必要な物資が行きわたることに貢献しています。

3.事業環境好転のアイデアと実践

生活必需品以外を扱う小売業の多くは、新型コロナによる世界的な店舗休業で売り上げが大きく減少しました。

ナイキも例外ではなく、中国では2月に75%の店舗が休業し、グローバルでの売り上げも激減しました。

その間、同社は中国で外出を制限された多くの人々に

趁此刻,蓄力吧(今こそ体力をつけよう)


と呼びかけて、Nike Training Clubアプリを使って自宅でエクササイズするよう促しました。エクササイズをした人の多くは、自ずとナイキのオンラインストアにアクセスし、その結果、オンラインでの商品購入が36%増加しています。

その後、同社は中国での成功事例を世界でも展開しようと、同アプリの米国でのサブスクライブ料金を無料にし、欧米でも著名なアスリートたちとフォロワーがさまざまなトレーニングを競うインスタグラムキャンペーン”The Living Room Cup”を展開。

Play Inside(家で運動しよう)

Play for the world(世界のために運動しよう)


を呼び掛け、スポーツのプロからアマチュアまでが家庭でエクササイズを行う、という新しい日常を形成し、ビジネスの好転につなげようとしています。

4.従業員やサプライチェーンへの配慮

多くの企業が従業員の健康と生活を守るために最善を尽くし、働く人々を気遣い、その働きに感謝するメッセージを発信しています。

もちろん、従業員の雇用を維持できないなど、ネガティブな判断をせざるを得ないケースもあります。そんなときこそ、トップメッセージが重要になります。

世界トップのホテルチェーンであるマリオットは経営不振に陥り、3月中旬にはグローバルで従業員の無給休暇を発表したため、従業員は失意のふちにありました。その2日後に、同社ソレンソンCEOはビデオメッセージに登場し、全世界の従業員に思いを届けました。

同氏は率直に

当社の宝である皆さんに伝えたくはないが、今は未曽有の危機」と述べ、「しかし、世界コミュニティーはいずれ良くなる。ゲストはまた美しい世界を旅したくなる。その偉大な日が来たら、ゲストを温かく迎え、ケアしよう。われわれは世界に名をとどろかせている。

と語りかけ、さらにCEO自身が2020年中は無給で働く、と発表しています。

率直に会社の苦境を共有し、自身も従業員と同じ無給の立場になる、と表明したこのトップメッセージは多くの従業員の心を打ち、「従業員が状況を理解し、身の振り方を早く検討できるように配慮した」とメディアでも高く評価されました。

5.国民や消費者を力づけ、希望を与えるメッセージ

企業の中には、これまで数々の危機を克服してきた実績をもとに、新型コロナにも勝てる、という力強いメッセージを発信しているケースもあります。

ゼネラルモーターズは同社サイトにて、

世界大戦という過去の国家の危機に際し、GMと自動車業界は、常にソリューションを開発するよう期待され、国を支援してきた。

新型コロナにおいても世界が勝利するために、GMの能力と工夫が役立つと信じている。

と述べています。

また、コカ・コーラCEOも声明を出し、

当社には正しい行いをしてきた歴史があり、今回も同じ。コカ・コーラとコミュニティーは、より良き未来のために力を合せれば、立ち直ることができると信じている。

と語っています。

このような力強いメッセージは、不況や感染の闇の中で光が見えない人々を勇気づけると同時に、「この企業ならわれわれを助けてくれる、信頼できる」と評価を上げることにも役立ちます。

人々を勇気づけ、希望に導く力強いメッセージを発信できるか否かも、国難や世界的困難が生じた際に必要なポイントです。

まとめ

以上、コロナ禍で企業評価を高めるコミュニケーションの五つのポイントについて、それぞれ該当する海外事例をご紹介しました。

いずれの事例も

  1. 自社の理念やパーパスに沿ってどのような貢献活動を行うかを決定し、
  2. 強い意志で取り組む決意表明を行い、
  3. 変化するステークホルダーのニーズを把握しつつ実施内容を調整し、オウンドメディアや決算発表の機会を活用して実施状況をアップデートしていく

というものでした。

新型コロナによるパンデミックの前と後では企業活動とコミュニケーションの成否により企業評価が大きく変わってしまう、との見方があります。

特に、ダメージの大きかった国々においては、今後のコミュニケーション戦略を検討するうえで、進出企業は自社の評価がどのように変わったかを、調査を通じて把握する必要があります。

パンデミック下でも社会から好意的な評価を得ることに成功しているグローバル企業は、今回お伝えしたように、自社が何者かを改めて国内外のステークホルダーに伝え、信頼を勝ち得ているのです。

多くの人々の命や生活に関わる危機だからこそ、今、社会に役立つために何をすべきかを明確にして、人々を本気で救済する企業と、そうでない企業を、ステークホルダーは冷静に見定めています。

今後も再度の感染拡大が懸念されていますが、感染への備えを盤石にすると同時に、ステークホルダーからの信頼を高めるためにも、企業がどのように貢献し、それを伝えていくべきか再確認してみると良いのではないでしょうか。

希代の起業家が語る、スタートアップが東証1部上場を果たすまで

国内電通グループのDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させると期待されているのが、CARTA HOLDINGS(以下、CARTA)です。同社の会長には、広告事業からメディア運営まで幅広く手掛けるVOYAGE GROUP創業者・CEOの宇佐美進典氏が就任しました。

本連載では、新たに国内電通グループに加わったCARTAってどんな会社?宇佐美さんってどんな人?という疑問に答えるべく、宇佐美氏にインタビュー。

後編となる今回は、宇佐美氏が実現してきた数々の新規事業開発の極意と、会社を上場させるための思考を中心に聞きました。

<目次>
技術部門を「内製化」する最大のメリットとは?
どのようにして次々と強力な新規事業を生み出す組織になったのか?
キャリアの岐路で選ぶべきは「より大変だけど面白そうな道」

 

マザーズから東証1部に鞍替えした際の社内集合写真。創業15年での快挙だった。
マザーズから東証1部に鞍替えした際の社内集合写真。創業15年での快挙だった。 

技術部門を「内製化」する最大のメリットとは?

前回は宇佐美さん率いるアクシブドットコム、後のVOYAGE GROUPが、2001年にサイバーエージェントの連結子会社になった話を聞きました。2005年からは宇佐美さん自身が役員としてサイバーエージェントの経営にも関わるようになったのですね。

宇佐美:はい。連結子会社になってからも、私自身は自社の運営するメディア事業に集中していたのですが、サイバーエージェントの藤田晋社長から、本体の仕事を一緒にやらないかとお声掛けいただいたんです。当時はサイバーエージェントがメディア事業を拡大していこうという時期で、私自身興味のある事業があったので、やらせてくださいと言いました。

私がサイバーエージェントのメディア担当役員として担当したのは、例えば「比較サイト」などの事業があります。ある分野における各社のサービスを横断的に比較して、ユーザーが検討できるというものですね。価格比較サイト「ECナビ」の運営をしていたので、ノウハウがありました。

宇佐美会長とVOYAGE GROUPの歩み その1

―「MyID」「ECナビ」などのメディアをゼロから立ち上げて育ててきた宇佐美さんが経営陣に加わることで、メディア事業を育ててくれることを期待されていたのでしょうか。

宇佐美:そういう面もあったのかもしれません。また、プロパー社員でも中途採用でもない、M&Aでグループに入ってきた起業家が入ることで、経営陣の活性化も期待されたのかなと思います。5年間役員を務めましたが、藤田さんたちの仕事の仕方や考え方を学べたことは、経営者として非常に大きな経験でした。

―メディア部門だけでなく、途中から技術部門の担当役員にも就任されていますね。

宇佐美:当時のサイバーエージェントでは、「アメーバブログ」のシステムを外注でつくっていたのですが、どんどん移り変わるインターネットのサービスをやる上では、外注だとどうしてもスピードに欠けるところがありました。そこで社内の開発力を強化して内製に切り替える方針になり、それを誰が推進していくのかといったときに、当時の役員の中で一番システムについて知見のある私がある意味消去法的に任命されました。

というのは、私は新卒で入社したトーマツコンサルティング時代にシステムコンサルの経験があり、プログラミングまではやらないにせよ、要件定義や設計までは行っていたんですね。その経験を踏まえ、自社のECナビでもシステム設計から参加していましたから、適役だろうということになったのだと思います。

担当役員として、サイバーエージェント技術部門の立ち上げから始まり、メディアの効果測定の仕組みなども構築していくことになりました。当初はアメーバの開発を主にやっていたのですが、次第にサイバーエージェントの広告事業の領域でも、外部パートナーから内製に切り替えていきました。

―ところでVOYAGE GROUPも、サービス開発は基本的に内製ですよね。インターネットサービスをやるなら内製だという意識は持っていたのでしょうか。

宇佐美:そう思っています。社内に技術者がいると、開発や改良のスピードが上がるメリットもあるのですが、もっと大きいのは、チームとしてゴールへの思いを共有し、同じ方向に走りやすいんです。

どのようにして次々と強力な新規事業を生み出す組織になったのか?

CARTA HOLDINGS  宇佐美進典会長

―テック系ベンチャーの話を聞くと、エンジニアサイドとビジネスサイドが一つのチームになるという部分では苦労をされている会社もあります。その点、VOYAGE GROUPでは部門間の垣根のないカルチャーができていると思いますが、宇佐美さんはどういう工夫をされているのでしょうか。

宇佐美:いくつか心がけていることはありますが、組織面でいうと、プロジェクトごとに「事業部制」を採用したことが大きいです。2006年までは、社内は「サービス部門」と「開発部門」のように職種別の組織体制でした。開発部門が“社内受注”するという、よくある構造だったのです。

そうではなく開発部門、サービス・企画部門、営業部門を全部一つのチームにしようということで始めたのが、事業部制です。事業部/子会社ごとに裁量を持ってもらい、かなりの部分を自分たちで判断して進めてもらうようにしました。このやり方で、エンジニアも非エンジニアも垣根なく目的に向かって取り組む、VOYAGE独特のカルチャーができたと思います。その結果、誰もが自由に意見発信できる空気ができ、社内からたくさんの新規事業が生まれるようになりました。

―ここ数年、VOYAGE GROUPの大きな柱となってきたのが、DSPやSSPといった広告プラットフォーム事業、いわゆるアドテクの領域だと思います。この領域に力を入れていった経緯は?

宇佐美:「これからはアドテクをやろう」と言って取り組んだわけではないです。会社創業以来ずっとデジタルメディア事業をやってきた中で、メディアの収益源である「広告枠の売り上げ」を最大化することは常に追求していたんですね。その結果、バナー広告だったり、メール広告だったり、「デジタルメディアをマネタイズするノウハウ」が社内にかなり蓄積されました。この築き上げたものを、競合メディアにも提供できるのではないかというアイデアが社内から出て、広告プラットフォーム事業に繋がりました。

―社内で使ってきたノウハウや技術を、サービスとして競合他社に外販できると。

宇佐美:はい。それを最初に始めたのは2008年頃で、メディアの「サイト内検索」と連動した商品でした。顧客のメディアに、個別にカスタマイズしたサイト内検索を埋め込んで、検索連動型広告が表示されるとレベニューシェアされるという契約です。元となる検索エンジン自体は他社のサービスを使用していたのでシンジケーション事業と呼び、順調に収益も拡大していきました。

サイバーエージェントの役員を5年務め、自分がいなくても技術部門は十分強化されてきたため、2010年からはサイバーエージェントの役員を退任して、自社事業に集中するようになったのですが、あるとき会社に大きな危機が訪れました。シンジケーション事業において突然、元となる検索エンジンを提供してくれていた会社から、今後は提供するのが難しいと連絡があったんです。そのとき自社の営業利益が5億円程度あったのですが、この事業がなくなると、マイナス5億円くらいになりそうだったんですね。社内では、この危機を「ハリケーン」と呼んでいました。

―大きな柱になっていた事業が突然失われそうになったわけですね。

宇佐美:そこで次の柱を作ろうと、複数の新規事業を同時に立ち上げたのですが、その中の一つが、「ディスプレイ広告の最適化」にフォーカスしたSSP事業の「fluct(フラクト)」でした。他社のプラットフォームに依存する事業ではなく、今度は自分たちのプラットフォームを作り、メディアの広告収益最大化を支援していこうということです。すでにシンジケーション事業でさまざまなメディアとの関係性ができていたので、このサービスを提供し始めました。

宇佐美会長とVOYAGE GROUPの歩み その2
―やはり起業家には何度も危機が訪れるものなのですね…。強いストレスにさらされることもあったと思いますが、どういう心境で乗り越えてきたのでしょうか。

宇佐美:ランナーズハイみたいな感じですね(笑)。あとは、売り上げが5億円マイナスになる危機といっても、キャッシュで20~30億くらいはありました。それだけあれば、4年間くらいは会社がもちます。「過去を振り返ってみると3年に1個くらい新しい事業を当ててきているから、4年あれば大丈夫」と、楽観的に考えていました。その頃にはもう社内からどんどん事業のアイデアが出てくるようになっていたので、その4年間の中でいくつか事業を走らせて、うまくいったものを残していこうと。

キャリアの岐路で選ぶべきは「より大変だけど面白そうな道」

CARTA HOLDINGS 宇佐美進典会長

―自社の事業が大きくなり、また数も増えていく中で、2012年にサイバーエージェントからMBO(※)を行いました。このときはすでに危機を脱していたのでしょうか。

※マネジメントバイアウト=親会社から株式や経営権を買い取って独立すること。


宇佐美:脱していなくて、まだ夜明け前というか(笑)。fluctを含めて内部的にはいろいろ仕込んではいたものの、業績的には一番悪いタイミングでした。いけそうかなという手応えはあっても、まだ仕込んだ新規事業の結果が見えていませんでしたね。

―そんなタイミングでMBOを決意した理由は?

宇佐美:もともと僕らは、アクシブドットコム創業時から「将来は上場して、会社として次のステージに成長していきたい」という思いがありました。それで藤田さんにもいつか上場したいということは言っていたのですが、売り上げや利益が伸びているタイミングだと、なかなか連結から切り離すのが難しかったわけです。

でも、そのタイミングではちょうど業績が足踏みしていたので、藤田さんから「今ならグループから離れて上場を目指すやり方もあるけど、どうしたい?」とおっしゃってもらったんです。僕らとしても悩みましたが、ここはリスクを取って、チャレンジしていこうと。

―99年の起業時とは、起業家を取り巻く投資環境も全く違ったと思います。独立するに当たっての資金調達などはスムーズにできたのでしょうか。

宇佐美:リーマンショック(2008年)以降、調達環境は悪化していたんですが、その頃にはまた少し整ってきていましたね。当社の場合、もともとアクシブドットコム創業の時点で、インキュベイトファンドというベンチャーキャピタルの赤浦徹さんに出資していただいたんですが、このときも赤浦さんと一緒に苦労して資金調達しました。最終的にはPEファンドから支援を得て、3年間で5億ずつ利益を増やしていく中期経営計画もつくりました。

―2012年のMBOから、2014年の東証マザーズ上場までの道のりはどんなものでしたか?

宇佐美:想定した以上に業績が伸びてきたため、予定よりも前倒しで上場となりました。今振り返ってみると、上場そのものよりも上場を目指す過程が印象に残っています。ガバナンス構造を見直し、規定を整備して、コンプライアンスを遵守する。ある意味、上場企業として当たり前のことを当たり前にやれるような環境を整えるのは、思った以上に大変でした。

―創業以来の目標達成ということで、上場セレモニーの鐘を鳴らしたときは感慨深いものがあったのではないでしょうか。

宇佐美:目標というより、マイルストーンですね。上場がゴールというわけではないので。でもやはり、マザーズ上場は、個人的にも思い入れが強かったのでけっこう感動しましたっけ。その後、東証1部に市場変更したときは、「やるべきことをやって1部に上がれてよかった」という気持ちでした。

マザーズ上場時の写真

マザーズ上場時の写真
マザーズ上場時の写真。創業15年でたどり着いたマイルストーンだ。

 ―上場したことでモチベーションに変化はありましたか。

宇佐美:変わらないですよ。「やるからには世界を変えるようなすごいことをやりたい」というのが原点なので、そこはずっとぶれていません。

―なるほど。宇佐美さんの目指す方向は、上場にしても、国内電通グループへの参加にしても、「よりすごいことをやるにはどちらに向かうべきか」という判断軸が根っこにあるのですね。

宇佐美:そうですね、「より大きな挑戦はどちらなのか」という軸で判断をしています。去年サイバー・コミュニケーションズ(CCI)と経営統合をして国内電通グループに加わりましたが、VOYAGE GROUPとして経営統合しないと会社は成り立たなかったかといえば、全然そういうわけではなく、そのまま独立性を保ちながら成長を志向していく道も十分ありました。でも、これまでやったことのない経営統合を実現し、自分たちが今までできていない領域に可能性を広げていけるなら、経営統合の方が面白いとシンプルに思ったんです。

―そこがVOYAGE GROUPとCCIが経営統合することになった最大のポイントでしょうか。

宇佐美:もともとVOYAGE GROUPはパフォーマンス領域の広告を中心にやっていて、要は販促に近い広告ですね。一方でCCIや電通はブランド広告に強い。そして今は、広告主がその二つを明確に切り分けなくなってきているんですよ。運用型広告のプラットフォームを、ブランドにも使うし、パフォーマンスにも使う。それを別物として分ける意味は、広告主の側にはなくなってきています。

広告主側が変わってくるのであれば、それに合わせて両方提供できるプラットフォームが必要ですよね。そのためにVOYAGE GROUPとCCI、国内電通グループが一緒になることに大きな可能性を感じています。

―最後に、宇佐美さんのような起業家に憧れる若いビジネスパーソンや学生に向けて、今後の人生でチャレンジしていくためのアドバイスをもらえますか。

宇佐美:参考になるか分かりませんが、僕は「わらしべ長者」みたいな形で今に至っている、という気がすごくするんですよ。どういうことかというと、決していつも戦略的に何かを選んできたわけではなくて、いろんな分岐点で常に「より大変だけど面白そうな道」を選んできた結果、いろんな可能性が広がって、いろんなご縁ができてきたんですね。前回「レール」の例え話をしましたが、今はすでにレールがある時代ではないと思うんです。それなら自分の意志で自分の進む道を切り開いていった方が納得しやすいし、そっちの方が成長する。

あともう一つ、物事をシニカルに見過ぎると面白くないと思いますね。それよりも自分が当事者になっていくということと、そこで自分がどれだけのことができるのかということに取り組んでいれば、いろんな可能性が開けていくのではないでしょうか。