JRA元ジョッキー・安藤勝己氏「いやいや」とジャパンC(G1)三強対決を即否定! 3歳三冠馬に「真逆」の見解!? 自身が乗りたいのは……

 29日、東京競馬場で行われるジャパンC(G1)について、元JRAジョッキー・安藤勝己氏が自身のYouTubeチャンネル「アンカッちゃんねる」で見解を述べた。

 今回のジャパンCについては「まずこんなのが集まるっていうことは、これから先ないんじゃないかな」と、メンバーの印象を語った安藤氏。「すごく楽しみです」と、一競馬ファンとしての意見を述べた。

 今年のジャパンCは、2018年の牝馬三冠馬で後に芝G1・8勝の快挙を成し遂げたアーモンドアイが出走。それに加え、今年の牡馬・牝馬クラシックそれぞれで、無敗の三冠を達成したコントレイルとデアリングタクトも参戦する。

 アーモンドアイについて、過去最高のパフォーマンスを問われた安藤氏は、一昨年のジャパンCと回答。前走の天皇賞・秋(G1)に関しても、ぶっつけだったことを挙げ「十には仕上がってないっすよ」と今回への上積みがあるという見解を示した。

 今年の牡馬三冠コントレイルに関しては、完成度の高さを強調。レースセンスの良さとディープインパクト産駒らしい「軽さ」をストロングポイントとして挙げた。

 三冠レースで最も苦しめられたといっても過言ではない菊花賞(G1)については、ベストの距離ではなかったとし「ずっとやっぱりねえ、ルメールにプレッシャーをかけられてて……」と話した安藤氏。引っ掛かってはいなかったものの、気を使って走っていたという印象を持ったようだ。

 また、不安材料として「雨」というワードもでたコントレイルだが、週末の東京競馬場は雨が降らない予報。「軽さ」が強みという見解からは、良馬場は歓迎だろう。

 牝馬三冠を達成したデアリングタクト。こちらに関しては「追ってからもう一回伸びるっていうのが、すごくいいとこですね」とストロングポイントを分析した。

 また、例年より時計がかかる今年の馬場について問われると「どちらかというと、力のいる馬場の方が合うのかもしれないな……」とコントレイルとは逆ともとれる見解。適性距離を聞かれると「馬場が悪かったせいもあるかもしれないけど……」としながらも「今のとこマイルぐらいがいいのかなあって気がしますけどねえ」と回答した。

 三者三様の三冠馬が激突するジャパンC。毎回恒例となっている「どの馬に乗ってもいいから勝ってくれと言われたら」の質問に対しては、アーモンドアイを指名した。

「レースの上手さといい、不安な点もないですからね」と安藤氏。「完成度で言ったらアーモンドアイがまだ一枚上かなぁって気がしますけどね」と見解を述べた。

 また、三冠馬3頭で決まるかという質問には「いやいや」と即否定。「なかなか3頭で1着から3着まで来るってことは少ないんで……」との持論を展開した。

 コントレイルとデアリングタクトに対して「逆」ともとれる見解を示している安藤氏。それだけに、馬場や展開によっては、どちらかが沈むという想定なのかもしれない。

 この辺りの適性差が、レースにどのような影響を及ぼすのかは見物。安藤氏の意見を参考にしてみてはいかがだろうか。

JRAジャパンC(G1)「◎」コントレイルも、「3強並び立たず」で馬券は一工夫必要!? 「激アツ情報」が導き出した3冠馬対決に割って入る「穴馬」とは

 29日、東京競馬場でジャパンC(G1)が行われる。3冠馬が3頭出走するレースを見られることに喜びを感じると同時に、出走に踏み切った各陣営に感謝したい。

 いつもは過去10年の配当からレース傾向を探るのだが、今回は3強対決ということで過去の3強対決の結果を振り返りたい。

 過去10年のG1レースで、1番人気~3番人気の単勝オッズが2.0~3.9倍かつ、4番人気が10倍以上という条件で抽出したところ、4つのレースが該当した。

2020年 皐月賞
1番人気(2.7) コントレイル(福永) 1着
2番人気(3.6) サトノフラッグ(ルメール) 5着
3番人気(3.8) サリオス(レーン) 2着
8番人気(41.2) ガロアクリーク(ヒューイットソン) 3着

2016年 皐月賞
1番人気(2.7) サトノダイヤモンド(ルメール) 3着
2番人気(2.8) リオンディーズ(デムーロ) 4着
3番人気(3.7) マカヒキ(川田) 2着
8番人気(30.9) ディーマジェスティ(蛯名) 1着

2015年 チャンピオンズC
1番人気(3.3) コパノリッキー(武豊) 7着
2番人気(3.7) ホッコータルマエ(幸) 5着
3番人気(3.8) ノンコノユメ(ルメール) 2着
12番人気(66.4) サンビスタ(デムーロ) 1着
5番人気(12.6) サウンドトゥルー(大野) 2着

2013年 宝塚記念
1番人気(2.4) ジェンティルドンナ(岩田) 3着
2番人気(2.9) ゴールドシップ(内田) 1着
3番人気(3.2) フェノーメノ(蛯名) 4着
5番人気(43.8) ダノンバラード(川田) 2着
※敬称略

 すべてのレースが3強で決着していないという衝撃の結果が浮かび上がった。今年のジャパンCも3強並び立たずとなるのだろうか……。「強力現場情報」をもとに、ジャパンCをハナビ杉崎が攻略する。

 まず「◎」はコントレイル(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)だ。

 これまでのクラシック3戦ですべて本命に指名してきた無敗の3冠馬に期待したい。ただ、3強については甲乙つけがたいのが本音である。

 だが、東京芝2400mのレースを物差しにすると、この馬が日本ダービー(G1)で見せたパフォーマンスが一番だと思う。3馬身差の圧勝でレースを制し、福永祐一騎手が「まだまだ集中しきれていないところがあった。遊びながらダービーを勝っている」とコメントしたことからも、この舞台で全く底を見せていない。

「正直、菊花賞(G1)の疲れはかなりありました。他のレース後はいつもケロッとしているのですが、菊花賞の入線後はすぐに止まりましたし、息も上がっていました。短期放牧を挟んで、しばらくは良化が遅かったですが、先週末くらいから一気に調子が上がってきましたよ。

追い切りに乗った福永騎手も『想像を超えた上昇度。今までの物差しでは計れない馬』と驚いていました。舞台設定も合っていますし、枠も真ん中の絶好枠。外へも誘導できますし、内が残る馬場状態に変化しても対応できると思います」(厩舎関係者)

 菊花賞の疲れが心配されたものの、陣営のコメントからは万全の態勢で出走することになりそうだ。ここを勝って連勝記録を伸ばし、菊花賞後の有馬記念(G1)で2着に敗れた父ディープインパクトを超えることも十分にあり得るだろう。

 次に「〇」はアーモンドアイ(牝5歳、美浦・国枝栄厩舎)だ。

 得意の東京コースでこの馬は外せない。2年前に東京芝2400mのレコードタイム2:20.6を記録。これまでの実績を考えても、凡走することは考えられない。芝G1・8勝の実力を示してほしい。

「前走から間隔が詰まりますが、無事に調教を終えて挑むことになりそうです。C.ルメール騎手も追い切りで好感触を確かめたようですね。陣営からは『デキに関しては問題ありません。この馬に関して状態云々は心配していません』と強気なコメントが聞こえてきます。

3冠馬が2頭出走することについて、国枝調教師は『そういう馬たちと戦えるということは非常に楽しみですね』と話しています。どうやら8冠を達成してホッとしたおかげで、楽な気持ちでレースに臨めるようです。今回が引退レースとなりますので、しっかりとその走りを目に焼き付けたいですね」(競馬記者)

 あえて不安を挙げるとすれば、レース間隔が詰まることが挙げられる。中2週で挑んだ今年の安田記念(G1)で2着に敗れており、今回の中3週がどう出るか気になるところだ。それでも、東京コースで大崩れすることはないはずだ。

「▲」はデアリングタクト(牝3歳、栗東・杉山晴紀厩舎)だ。

 3強を「◎~▲」に選び、芸がないと言われること覚悟で指名する。やはり史上初の無敗3冠牝馬を軽視できない。そもそも、コントレイル、アーモンドアイ、デアリングタクトはすべて東京芝2400mで無敗。いずれの馬も得意条件と言えるだろう。

「テンションの高さがネックで、秋華賞は調整に苦労しました。実際、万全の状態ではなかったのですが、それでいて押し切ったのは能力の高さですね。馬体の張りなどは明らかに前走以上。落ち着きの中に力強さがあって文句なしの状態です。相手は強敵ですが、53キロの斤量は魅力ですし、決め手をフルに活かせると思いますよ」(厩舎関係者)

 過去に3歳牝馬はジェンティルドンナ、アーモンドアイが優勝。デニムアンドルビー、カレンブーケドールも2着に好走していることからも、53キロの斤量は有利と見ていいだろう。だが、オークス(G1)のように前が空かない展開になった場合、今回の相手ではそう簡単にリカバーできないはずだ。

「△」はユーキャンスマイル(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎)だ。

 友道厩舎3頭出しからはこの馬を狙いたい。G1でも必ず掲示板に名を連ねる堅実な走りは魅力的。前走のアルゼンチン共和国杯(G2)は1番人気ながら4着に敗れたが、度外視していいかもしれない。

「前走は斤量も堪えたと思いますが、1番は通ったコースですね。道中は距離ロスをなくしてくれましたが、肝心の直線ではいいところに出せず、ずっと悪い内を走らされてしまいました。岩田康誠騎手も上がってくるなり『すまん。うまく乗れなかった。外の馬にブロックされて外まで行けなかった』と反省していました。器用さとスタミナは備えているので、消耗戦になれば出番はありますよ」(厩舎関係者)

 岩田康騎手は2012年にジェンティルドンナでオルフェーヴルを破ったジョッキーである。今回は3頭の3冠馬相手にどのような騎乗を見せるのか楽しみにしたい。

「☆」はキセキ(牡6歳、栗東・角居勝彦厩舎)だ。

 今年の始動戦・阪神大賞典(G2)で大出遅れをしたときは今後が不安に思われたが、しっかりと立て直してきている。宝塚記念(G1)で2着、京都大賞典(G2)で2着、天皇賞・秋(G1)で5着と勝ちきれないレースが続いているが、3着以内は十分に狙えるのではないだろうか。

「前走は好スタートを切って好位からの競馬でした。直線に向いて早めに追い出したものの、トップスピードの違いで置かれてしまいましたね。距離延長はプラスとなりそうですし、今の馬場状態を考えると、超不良馬場の菊花賞(G1)を制したこの馬に向きそうに思いますよ」(競馬記者)

 アーモンドアイのレコードタイムはキセキなしには語れない。2年前に見せた走りを再びすることが出来れば、3強に割って入ってもおかしくないはずだ。

 買い目は以下の通り。

単勝 [6]

3連複 フォーメーション 6点
[4,13]-[2,5,6]-[2,5,6]

 メインはコントレイルの単勝で勝負。また、“3強並び立たず”を信じ、ユーキャンスマイルかキセキのどちらが割って入ると考えた3連複を押さえておきたい。

(文=ハナビ杉崎)

パナソニックの甘さと誤算、揺らぐEV電池首位…盟友テスラ、中国企業から大量調達

 10月29日にパナソニックが発表した7~9月期の決算は、コロナショックの影響などによって減収だった。その一方、固定費の削減などが貢献し、純利益は前年同期から76億円増の587億円だった。事業分野ごとに見ると、家電(アプライアンス)と自動車関連(オートモーティブ)、および産業向け機器やサービス(インダストリアルソリューションズ)の営業利益が前年同期から増加した。

 ただし、先行きは楽観できない。なぜなら、“稼ぎ頭”である事業が見当たらないからだ。その要因の一つとして、デジタル家電を中心に世界全体で加速化する“設計・開発と、生産の分離”に同社の対応が遅れたことがある。また、成長分野として重視された自動車関連と住宅事業は期待された収益を獲得できなかった。すでに、パナソニックは住宅事業をトヨタ自動車と統合した。

 同社の業績動向は大阪を中心に関西地域の活力に無視できない影響を与える。有力ITプラットフォーマーが見当たらない日本経済の回復にとっても、同社の業績は重要だ。同社が稼ぎ頭となる事業を確立し持続的な成長を目指すために、経営陣が自社の強みをしっかりと理解して既存の技術と新しい発想の新結合を目指すことの重要性は一段と高まっている。

企画・開発と生産の機能分化の潮流

 松下幸之助による電球用ソケットの製造と販売を出自とするパナソニックは、日本を代表する電機メーカーとして民生用から産業用まで幅広い電機機器を生産してきた。その特徴は、設計・開発から生産までの垂直統合を重視したことだ。戦前から同社はラジオや電池を手掛け、1950年代には洗濯機、冷蔵庫、白黒テレビ(三種の神器)を開発、生産し、販売した。高度経済成長期の到来によって、よりより生活を目指す人が家電製品を買い求め、同社の事業規模は拡大した。

 それを支えたのが、さまざまな部品などを“すり合わせる”パナソニックの技術力だ。同社以外にも日本の電機メーカーの多くが繊細なすり合わせや組み合わせの技術を強みにして世界的シェアを獲得した。2005年の時点でパナソニックとシャープ、ソニーをはじめとする日本の電機メーカーは、世界のテレビ市場の半分近いシェアを維持した。

 しかし、その後の環境変化にパナソニックはうまく対応できず、世界のテレビ市場などでのシェアは低下した。その要因として大きいのが、世界のデジタル家電の生産方式が、ディスプレイや信号処理装置などの“モジュール・ユニット”の組み立て型に移行したことだ。新興国の工業化の進展や技術移転などによって、世界のエレクトロニクス産業では自社内で設計、開発、生産を一貫して行うのではなく、設計・開発と、生産の分離が増えた。

 代表例が米アップルだ。同社はiPhoneなど製品の機能を支えるソフトウェア設計と開発、さらにはデザインやマーケティングに注力し、最終製品の組み立ては台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業などに委託している。労働コストが相対的に低い地域で生産しても機能が変わらないのであれば、そうすべきだ。日本でも、中国のメーカーが生産した液晶テレビをプライベート・ブランド商品として格安で販売する小売店などが登場している。対照的に、パナソニックは自社での設計・開発・生産を重視し、機能と価格の両面で他社を凌駕する優位性を消費者に示すことが難しかった。

払しょくが難しい過去の成功体験

 見方を変えれば、パナソニックには、かつての成功体験(技術力に支えられた高性能の製品を生み出し、成長を実現した経験)が強く残っているとの印象を持つ。家電に加えて、同社が成長分野の一つに位置づけたEV(電気自動車)向けのバッテリー事業に関しても、同じことがいえるだろう。

 データを見ると、パナソニックは日本を代表する世界的な電池メーカーであり、技術力は高い。9月に欧州特許庁(EPO)が公表した報告書によると、2000年から2018年の間、世界の電池関連の特許件数において日本はトップだ。パナソニックは日本最大の電池関連の特許を保有する。同社は世界の電池関連の技術を支える重要企業に位置付けられる。経済のデジタル化、自動車のEV化やCASE化への取り組みによって、より高性能のバッテリー需要が高まる展開を考えると、パナソニックが車載向けをはじめバッテリー事業を重視したことは理にかなった経営判断といえる。

 しかし、世界のEV向けバッテリー市場のシェアに関して、パナソニックは中国と韓国の企業に追い上げられている。2011年に創業した中国の寧徳時代新能源科技(CATL)は急速に世界シェアを獲得し、パナソニックとトップを争うまでに成長した。韓国のLG化学もシェアを伸ばしている。中韓勢は、積極的に大規模な設備投資を進めてきた。

 中国では、CATLが共産党政権から補助金を支給され、急速に生産能力を拡大してパナソニックが協業してきたテスラに製品を納入し、価格競争をリードしている。中国政府の意向もあり、各国の自動車メーカーは中国で販売するEVにCATLのバッテリーを優先して用いざるを得ない。韓国のLG化学は電池部門の分社化を発表し、意思決定と資金調達の迅速化を目指している。

 競争環境が激化するなか、パナソニックが新しい技術の開発を進め、製品への実装を目指す重要性は日々高まっている。しかし、近年のパナソニックの事業運営からは、そうした意気込みが感じづらかった。その一因として、テスラとの協業の問題に加え、“高い技術に裏打ちされた製品は売れる”というある種の思い込みが、さらなる取り組みの遅れにつながり、結果として中韓勢のシェア奪取を許した可能性は軽視できない。

重要性増すソフトウェア創出力の強化

 基本的な技術力が高い一方で、世界のEV向けバッテリー市場でのシェアが低下した問題を併せて考えると、パナソニックは強みを十分に発揮できていないともいえる。重要なことは、社会から必要とされる自社の技術が何かを経営者がしっかりと理解し、その強みを伸ばすことだ。その上で、既存の製品や技術と、新しい発想=ソフトウェアの“新結合(イノベーション)”が目指されることによって、同社の業績には相応の影響があるだろう。

 近年、パナソニックは家電からの脱却を目指して、社会が欲している発想の実現を目指してきた。その一つとして同社はグーグルのスマートホーム事業(グーグルネスト)に携わった人物を招聘し、ソフトウェア面の強化につなげようとしている。外部からもたらされた新しい発想が既存の技術や製品と結びつくことは、パナソニックがこれまでにはなかった人々の生活様式、生き方の創出を目指す第一歩だ。それがヒットすれば、同社の収益が増えるだろう。

 バッテリー関連に関して、パナソニックにはより高性能な製品を支える、新しい技術を生み出す力がある。つまり、バッテリーに関する知識集約的な領域において、同社は世界的な競争優位性を持っている。それは、バッテリーの生産ラインの確立に必要な力とは異なる。パナソニックは産学連携で次世代の電池技術開発に取り組んでいる。

 また、日本にはセパレーターなどバッテリーという製品の機能発揮を支える高機能の素材分野などで競争力を持つ企業が多い。そうした要素の新結合を目指すことによってパナソニックは、中韓などから必要とされるバッテリー技術を生み出し、収益を獲得することができるはずだ。

 企業は、既存の製品や技術、社内外の発想の新しい結合を実現して稼ぎ頭としての事業を育成し、得られた経営資源をより成長期待の高い分野に再配分していかなければならない。それが企業の長期存続を支える。現在、世界的に、製品の設計・開発と、生産の分離は勢いづいている。そうした変化に対応するためにも、同社トップが自社の強みが何であるかをしっかりと見定め、それを支える既存の要素(技術や製品)と新しいソフトウェア(発想)の新結合を目指す展開を期待したい。

(文=真壁昭夫/法政大学大学院教授)

大戸屋、店舗訪問で見えた客離れ&債務超過の原因…好調「かつや」との致命的な差

 大戸屋ホールディングスは10日、9月末時点で14億9500万円の債務超過になったと発表した。不採算店舗の減損処理に伴い17億円を計上したことが響いたと報じられている。

 4日に臨時の株主総会を開催し、旧経営陣を一掃したあとでのこの発表に、戦略的な印象操作を感じた大戸屋ファンも多かったのではないだろうか。

 大戸屋のお家騒動に端を発した近年の騒動は、コロワイドグルーブによる買収劇をもって幕を閉じた。経営方針をめぐり敵対的な買収にまで発展し、結果として勝利を収めたコロワイドであるが、世間的な評判は決して良くない。旧経営陣にすべての責任を押し付けて、自分は会社を立て直す存在であることをことさらに強調する姿はあまり美しいものではない。

「店内調理へのこだわり」(大戸屋)と「セントラルキッチン利用」(コロワイド)をめぐる対立と世間ではみられているが、両者ともにコロナ禍における戦略は決して成功したとはいえない。

 コロワイドは10日、2021年3月期第2四半期決算短信(連結)を発表。コロナ禍終息が見通せないなかで、業績への影響は大としている。

 大戸屋の業績は4月以降、来店者数に正比例して売上高が減少している。客単価に大きなブレがないなかでの業績低迷は、イートイン以外の戦略が底支えになっていなかったことの証左だ。直近で発表のあった9月期では、既存店の売上高は前年同月比20.4%減、客数は20.0%減、客単価は0.5%減である。4~9月の上半期平均では売上高は前年同期比31.0%減、客数は30.0%減、客単価は1.4%減である。

 ビジネス街の店舗では昼食時間帯に多くの弁当を並べて販売していたが、他業態の弁当や弁当業者の移動販売と重なり、結果を残すことは難しかった。大戸屋は路面店が少ないなかで、店舗前で販売するというデメリットもあったのかもしれない。

 大戸屋最大の失敗は大きく2つあると、筆者は各店舗を回って感じた。

 10月6日放送の『ガイアの夜明け』(テレビ東京)でも触れられていたが、新商品の試食は社長が行うという商品戦略(開発)が一つ目の失敗。大戸屋の原点・想いは「かあさん額」であり、お客様に喜んでもらう手作り料理である。ところが、商品開発の場面では社長が全商品を試食して評価しており、そこにお客の姿はない。社長に認められる料理をつくるために料理人が腕を振るうことに違和感を覚えた人は多かったのではないか。一軒しかない定食屋さんなら自然な姿かもしれないが、大戸屋の規模であれば不自然だ。

 また、全国一律のレシピも疑問だ。コンビニのおでんでも地元の味を大切にして、出汁を変えていることは知られている。地域だけでなく客層によってもおいしいと感じる味は違う。

 さらに大きな失敗は、みそ汁の味。昨年三田店に伺ったときに出されたみそ汁は、あの吉野家やすき家でよく見かける「みそ汁サーバー」でつくられたものだった。料理がどれほど心を込めてつくられたとしても、最初の一口は、まずみそ汁からという人は多いのではないだろうか。お箸を湿らせるためにみそ汁を一口すするという作法もある。確かに「みそ汁サーバー」にはアツアツで提供できるという利点もあるが、客層や天候、地域により調整されているのか疑問だ。その後、大戸屋に足を運ぶ機会は大幅に減少した。

汁ものにも手を抜かない「かつや」

 一方、汁ものにも手を抜くことなく、快進撃を続けているチェーンが存在する。アークランドが運営する「かつや」だ。コロナ禍の1~6月期の既存店売上高は前年同期比98.2%。客数は90.0%だが、客単価は109.1%となっている。直近の10月を見ると既存店売上高は101.7%、客数は96.7%、客単価は105.2%と比較的堅調に推移している。

 毎回配布される100円割引券が集客の秘訣という識者もいるが、私はそう感じない。実際店舗に訪問した際に観察していたが、会計時に割引券を使うお客は半数くらいだった。つまり約半数のお客は割引券なく来店し、食事している勘定になる。

「かつや」のとん汁はほぼ半数のお客が注文する人気の商品。調理場をよく見ると、鍋で温めている。材料はビニール袋に入っているが、店舗で最終調整している場面を見る。いや、あえて見せているのだろう。これが人気商品たるゆえんではないかと私は感じた。アツアツかつ具だくさんで提供される商品。

 ブログなどで大盛であることや季節限定商品に関する書き込みが見られることも多いが、基本商品である「とんかつ」やとん汁を丁寧に調理していることが、お客のリピートを誘うのだろう。「かつや」については、また別の機会に紹介したいと思う。

(文=重盛高雄/フードアナリスト)

●重盛高雄

ファストフード、外食産業に詳しいフードアナリストとしてニュース番組、雑誌等に出演多数。2017年はThe Economist誌(英国)に日本のファストフードに詳しいフードアナリストとしてインタビューを受ける。他にもBSスカパー「モノクラーベ」にて王将対決、牛丼チェーン対決にご意見番として出演。最近はファストフードを中心にWebニュース媒体において経営・ビジネスの観点からコラムの執筆を行っている。

電車の窓ガラス、なぜ割れる?なぜ新幹線の「複層ガラス」は曇らない?安全ガラスの種類

 筆者(梅原淳)は仕事柄、テレビ局からのコメントの依頼を多数受ける。さまざまな内容の質問があるなかで目立って多いのは踏切、それから鉄道車両に用いられている窓ガラスについてだ。踏切については本欄の『知ってビックリ「線路の踏切」の秘密…閉まってから到達まで20秒、カンカン音の決まり』で紹介したので、今回は鉄道車両に用いられている窓ガラスについて説明しよう。

 テレビ局から鉄道車両の窓ガラスについてコメントを求められるのは、窓ガラスの破損が発生したときである。その際に聞かれるのは原因、それから窓ガラスの強度だ。原因は大方判明している。多くの場合、走行中の列車に向けてだれかが投げた石が窓ガラスに当たって割れたのだ。動機はさまざまであろうが、とにかく危険なのでやめてほしい。

 ほかに、鉄道車両自体がレールやまくらぎの下に敷いてある砂利や砕石を舞い上がらせた結果、窓ガラスを破損してしまうケースも考えられる。けれども、鉄道車両に付着した雪が線路に落下し、その雪と一緒に砂利や砕石が固まらない限り、砂利や砕石が吹き上げられることはまずない。それに、鉄道車両が走行中に雪混じりの砂利や砕石を舞い上がらせるには相当な高速で走っていなければならないので、新幹線やJR在来線の特急列車はともかく、通勤電車ではまず起きにくい現象だといってよい。

 鉄道車両の客室に装着されている窓ガラスが割れると、決まってこう聞かれる。「もっと窓ガラスは強くできないのですか」と。イベント運転に用いられている古い車両を除き、現代の鉄道車両の客室に使用されている窓ガラスの強度は国の基準で安全ガラスまたは安全ガラスと同等以上の性能を有することと定められている。逆にいうと、安全ガラスよりも強いガラスは防弾ガラスのようにポリカーボネートを張り付けた特殊なものとなってしまう。となるとコスト面でも重量面でも鉄道車両に大量に用いることは難しい。

 ちなみに、安全ガラスという名称は個々のガラスの種類ではない。強化ガラス、合わせガラス、強化合わせガラス、複層ガラスというガラスの総称である。強化ガラスとは一般的なガラスである板ガラスに熱処理を施して強度を高め、と同時に割れたときに細かな破片となるようにつくられたガラスを指す。自動車用のガラスでもおなじみだ。

耐衝撃性の試験方法

 JISではガラスの強度を示す耐衝撃性について試験の方法を定めている。試験は強化ガラスだけでなく他のガラスも共通で、直径5cm、重さ508gの鋼鉄製の球をガラスの種類、厚みによって決められた高さから落とす。破損しなければもちろん合格、破損した場合はガラスの種類別に定められた条件に合致していれば合格となる。

 強化ガラスの場合、厚さが3.2mmならば90cmの高さから、4mm以上であれば1.1mの高さから鋼鉄製の球を落とす決まりだ。試験は同一ロットの6枚のガラスを選び、それぞれ1回ずつ球を落下させる。6枚のガラスのうち、破損したガラスが1枚以内ならば合格だ。もしも2枚以上割れた場合、同一ロットからさらに6枚を抽出して試験を行い、1枚も割れなかったときだけ合格となる。

 一方、強化ガラスの細かな破片とはどのくらいかは、JISのR3213「鉄道車両要安全ガラス」で定められた。ハンマーやポンチを用いて破砕した際、厚さ3.2mmの強化ガラスでは10cm四方の正方形の領域での破片の数は10個以上でなくてはならない。もしも10個未満の領域が存在したときは20cm四方の範囲での破片の数が40個以上となっている必要がある。一方、厚さ4mm以上の強化ガラスの場合、5cm四方の領域での破片の数は40個以上で合格だ。もしも40個未満の領域が存在したときは、その領域を含めた10cm四方の領域に広げて破片の数を数え、160個以上なければならない。

 合わせガラスとは、間にプラスチックをはさんで2枚以上のガラスを張り合わせたガラスを指す。ガラスとプラスチックとは接着されているので、ガラスが割れても破片の大部分が飛び散らないという特徴をもつ。合わせガラスには板ガラスを用いてももちろん構わないが、万全を期して強化ガラスを張り合わせた合わせガラスを採用したケースも見られる。1枚でも強化ガラスを使用した合わせガラスは強化合わせガラスと呼ばれる。

 耐衝撃性の試験は強化ガラスよりも合わせガラスのほうが厳しい。鋼鉄製の球を4mの高さから落とすからだ。試験は同一ロットの6枚に対して実施し、鋼鉄製の球が貫通せず、なおかつ衝撃面とは反対側の面から剥がれた破片の重さが20g以下となったものが5枚以上であれば合格となる。もしも、いま挙げた基準を満たすものが4枚以下であった場合、さらに同一ロットの6枚を抽出し、6枚とも基準を満たさなければ不合格となってしまう。

 複層ガラスとは、2枚以上の合わせガラスまたは強化ガラスを一定の間隔を置いて並べ、ガラス同士のすき間に乾燥した空気を詰めてから周辺を接着して密封させたガラスを指す。新幹線や特急列車など、窓が固定された車両向けとしておなじみだ。間に空気が入っているおかげで車両内外の気温差で客室側のガラスが曇ったり結露することはほぼないし、防音性や断熱性にも優れている。

 耐衝撃性の試験は使用されているガラスに合わせて行う。順序としては合わせガラスであるとか強化ガラスを製造した後に試験を実施し、合格したものを使用して複層ガラスをつくることとなる。

 今乗っている鉄道車両の客室の安全ガラスがどの種類のガラスかは、客室から見て右肩部分、または右下部分に表示されている。ガラスの種類は記号で示されていて、強化ガラスは「TR」(Tempered glass for Rolling stock)、合わせガラスは「LR」(Laminated glass for Rolling stock)、複層ガラスは「SR」(Sealed insulating safety glass for Rolling stock)だ。

注目浴びる複層ガラス

 さて、鉄道車両用のガラスの話題としては、2021(令和3)年1月に京阪電気鉄道の3000系という特急電車に新たに連結されることとなった座席指定車両のプレミアムカーに採用される複層ガラスが注目される。複層ガラスの内側に液晶ディスプレーや小型制御器版を収め、窓ガラスに列車の行き先や列車名、列車の出発時刻といった情報が車外に表示されるのだという。これまでは窓ガラスは単に窓の一部であり、行先表示器は窓とは異なる場所で役割を果たしていたが、両者が一体化されてとてもすっきりとした。ガラスを製造したAGCによると、車外への行先表示器を兼ねた鉄道車両向けの窓ガラスはプレミアムカーが世界で初めてだそうだ。

 複層ガラスに液晶ディスプレーを内蔵となると、この部分から外を眺められない。AGCによると、窓ガラスに透明ディスプレーを組み込むこともできるそうで、電源を切っているときは普通の窓ガラス、電源を入れると窓ガラスに情報や映像が表示されるとのことだ。これならば必要に応じて行先を表示するといった使い方もできる。

 一部のカーナビではプロジェクターから自動車のフロントガラスに情報を表示していることから、鉄道車両にも応用できそうだ。たとえば、鉄道車両の前面のガラスに速度計や計器といった情報を写し出せば、運転士があまり視線を移動せずに運転に専念できるようになる。

(文=梅原淳/鉄道ジャーナリスト)

認知症は40代から無自覚に進行、「新常識」に驚愕…早期治療で9割が回復するリコード法

「人生100年時代」となった現代。人々の興味は、単に寿命を延ばすことではなく「健康寿命」をいかに長くするかということにシフトしている。健康意識が高い昨今、アンチエイジングのために筋トレを行ったりスポーツジムに通うミドル・シニア世代も多いが、脳の機能低下を防ぐことにも注目してほしい。

 脳の機能低下といえば、認知症が真っ先に思い浮かぶ。実は、これまでの医学では、認知症の「末期」の状態を「早期」と診断していた。本来、認知症は40代頃から明確な症状がないまま脳の中で着々と進行していく。そして、60代頃になって症状が現れたときにはすでに「末期」へと近づいている。

 アラフィフ、アラフォーともなれば物忘れが多くなるが、加齢と片付けず、自身の脳と向きあう良いチャンスであると捉えるべきだろう。物忘れが多いと感じる場合には、軽度認知症、すなわち「MCI(Mild Cognitive Impairment)」を疑ってみたほうがいいだろう。

 MCIとは、一言で言えば「認知症の一歩手前」の状態であり、物忘れのような記憶障害があるが日常生活にほぼ支障はなく、認知症ではない。しかし放置すれば、脳機能の低下は進行し、認知症となる可能性が高い。MCIの段階で適切な治療を行えば、脳機能の低下は回復する可能性は高くなる。

 その治療法として、「リコード法」が注目されている。リコード法は、早期なら約9割が快復するという革命的認知症治療である。日本初のリコード法認定医でブレインケアクリニック理事長の今野裕之医師に話を聞いた。

 

 認知機能の低下(COgnitive DEcline)の回復(Reversal)という3つの単語の頭文字から名付けられたリコード法は、30年以上にわたり脳の研究を続けてきたデール・ブレデセン医師によって確立された。これまでの医療で行われてきた治療は、その要因のひとつ「アミロイド仮説」をターゲットにしていたにすぎないが、リコード法では脳を認知症へと蝕む「36の要因」があることを解明し、それらは大きく以下の6つにタイプ分けされている。

1.炎症性 感染症などによる炎症
2.萎縮性 ホルモンやビタミンなどの不足
3.毒物性 重金属などの毒素
4.糖毒性 高血糖
5.血管性 血管の病気の併発
6.外傷性 頭部のケガなど

 要因は患者によって異なるため、患者の状態によりオーダーメイド治療を行う。その要因を特定するためには、さまざまな検査が必要となる。現在の医療制度では、リコード法は自由診療であるが、今野医師のもとを訪れる患者は後を断たないという。

 気になるリコード法の効果だが、今野医師の指導の下、リコード法の治療を2年間、続けたMCIの70代女性で目覚ましい効果があったという。

「70代女性の患者さんで、物忘れが一番の悩みでほかの病院を受診されてMCIと診断され、抗認知症薬を処方されていましたが、ご家族がほかの治療法を求めて私のクリニックに相談に来られました」

 一般的にMCIや認知症と診断された場合、進行を遅らせる薬が処方されることが多いが、薬では認知症を引き起こす36の要因のひとつを塞ぐにすぎず、その効果は大きくはない。

「最初に行った認知機能検査では、『場所の見当識と短期記憶』の部分で障害が見られました。当院では、パソコンを使ってより詳しく認知機能の検査が可能ですが、その検査では、加えて注意力低下と反応時間の遅延があることがわかりました」

 MCIには、それまでの生活習慣が大きく影響するという。

「生活習慣を聞いてみると、甘いものをよく食べる、睡眠時間不規則で寝ている時間が短いというような問題がありました。血液検査では、血糖値が上がりやすくなっている、栄養素が不足している、炎症が起きやすくなっている所見が見られました」

 今野医師が行う血液検査は、一般的な健康診断等で行うものとは異なる。その血液検査の項目は非常に細かい。

・リコード法に不可欠な血液検査の一部
CRP、インスリン、HbA1c、ホモシステイン、葉酸、ビタミンB12、ビタミンD、A/G、アルブミン、AST(GOT)、ALT(GPT)、BUN、クレアチニン、総コレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪、エストラジオール、テストステロン、DHEA-s、TSH、FT3、FT4、銅、亜鉛、カリウム、カルシウム、クロール、水銀、鉛、ヒ素、

 リコード法の治療のために必要な血液検査の項目は非常に多く、すべてを調べる場合には、時間も費用も要する。そのため、今野医師は患者の生活習慣と食生活を十分にヒアリングし、必要と思われる項目を中心に血液検査を行うという。項目の中に重金属もあるが、現代人にとって知らず知らずのうちに蓄積するものであり、認知機能低下につながることから、この数年、重金属のデトックスなどが注目を浴びている。

認知機能改善には食事管理が必須

 長年続けてきた食習慣によって起きる栄養素の不足や毒素の蓄積が認知症リスクとなりうるため、改善には食事管理が必須であるという。血液検査で体の状態が判明すれば、その一つひとつを改善するための栄養療法と生活習慣の改善を地道に続けていく。

「食事管理は間違いなく必須です。前出の70代女性のケースでは、糖質をしっかり控えていただいて血糖値の急激な上昇を防ぐことをメインに、普段使う油をオリーブ油にしたり、小麦・乳製品を控えていただいたりといったことで、炎症が起きにくい体質にする食事を指導させていただきました」

 不足する栄養素を食べ物から摂取するには限界もあり、微量栄養素を中心としたサプリメントの摂取も推奨している。

「サプリメントに関しては、食事だけで十分栄養を摂れるという軽症の方であれば不要なケースもあります。ただ実際には、サプリメントを使ったほうが私の経験上、より早く効果がある場合が多いです」

 また、長年かけて蓄積された毒素の排泄も、食事によって促すこともできる。

「最近、ある有名な医学系の雑誌で、認知症のリスクとして大気汚染が問題との記事があったのですが、こういった身の回りにあるものが脳に影響を与えるということもわかってきています。その排泄を助けてくれる野菜、たとえばブロッコリー、アボカド、ニンニク、パクチーなどを積極的に摂っていただきたいです。また、綺麗な水を飲むことも毒素の排出を促します。

 そういったことを常時、指導し、実行していただいたところ、3カ月ぐらいたった頃から少しずつ変化が出てきました。認知機能を調べてみると実際に点数が上がってきましたが、まず『言葉の記憶力』『注意力』が目に見えて良くなっていきました。そして2年が経過し、すべてが正常となりました」
(*診断基準は認知機能検査MMSEとコグニトラックスを採用)

 現代の生活習慣にはジャンクフード、運動不足、不規則な生活リズムなど認知症リスクが多く潜む。現代人が心がけるべきことは何かを聞いた。

「糖質、タンパク質、脂質の摂り方を見直してください。現代の食事は、糖質が過剰になる傾向にありますので、糖質はなるべく控えてください。また、脂質に関してはオメガ6脂肪酸という、炎症を起こしやすい油が過剰になる傾向にありますので、こちらも控えてください。20~30分の有酸素運動を週に3回程度、1日7時間の睡眠をとるといったことを心がけていただくと、20~30年後に大きな違いとなると思います」

 今野医師がこれまでリコード法で治療してきた患者の多くが、改善しているという。物忘れがあるという方は、食事と生活習慣を見直してみてはいかがだろうか。
(文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト)



吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

安倍晋三が植村隆と櫻井よしこの裁判めぐり「植村記者の捏造確定」とデマ投稿! 裁判で捏造が明らかになったのは櫻井なのに

 元朝日新聞記者の植村隆氏が、「従軍慰安婦」問題に関する記事をめぐり「捏造記者」などと攻撃を受け、櫻井よしこ氏らを名誉毀損で訴えていた裁判で、19日に最高裁が一審・二審に続き、植村氏の請求を棄却した。  この判決が不当判決であることは後述するが、呆れたのは、安倍晋三・前首...

菅首相が1年間で8000万円のカネ集めパーティ! 一方で安倍前首相「桜前夜祭」と同じ政治資金報告書不記載、補填疑惑も浮上

 本日、総務省が2019年分の政治資金収支報告書を公表したが、そこで菅義偉首相の“荒稼ぎ”ぶりがあらわになった。  まず、菅氏の資金管理団体「横浜政経懇話会」の政治資金収支報告書によると、菅氏は2018年12月からの1年間のあいだに「新しい国創りセミナー」と題した政治資金...

【募集告知】「ART PUB WEEK」開催 – アート×ビジネス第一線で活躍の13人が、未来を妄想する

ART PUB WEEK

アートとビジネスをつなぐ電通の社内横断組織「Dentsu Art Hub」は12月7~11日の5日間、オンライントークイベント「ART PUB WEEK」を開催する。第一線で活躍するアーティストや起業家、研究者たち13人をゲストに、アートの思考やインフラ、テクノロジーなど六つの切り口から、新しい未来を生み出すアートとビジネスの可能性を語る。現在、参加者を募集している(12月11日締め切り)。

※「Dentsu Art Hub(電通アートハブ)」はビジネスの様々な側面でアートを活用する方法論を研究、実践すると同時に、アートをビジネスと結びつけることでアーティストを支援し、アートマーケットを活性化することを目的に活動している電通社内横断組織。

 

【ART PUB WEEK 実施概要】

ART PUB WEEK

ART PUB WEEK
-アートとビジネスがつくる未来を妄想する夜-
Hosted by Dentsu Art Hub

開催日程:2020年12月7日(月)~12月11日(金)の5日間
開催時間:(月)19:30~21:30 (火~金)20:30~21:30
   (10分前にZoomウェビナーを開場)
開催形式:オンラインイベント (参加無料)
募集人数:各回先着500名まで参加可能
応募締め切り:2020年12月11日
申し込みURL:
https://artpubweek.peatix.com


内容および登壇者(敬称略)

12月7日(月) 前半 [総論]アートとビジネスがつくる未来
 山口周(独立研究者) 
 佐宗邦威(BIOTOPE CEO)

12月7日(月)  後半 アーティストと資本主義の未来
 椿昇(京都芸術大学教授)
 岩崎かおり(SMBC信託銀行 アート企画推進)

12月8日(火) アートの思考でつくる未来
 長谷川愛(アーティスト)
 ドミニク・チェン(研究者)

12月9日(水) インフラが変える、アートの未来
 施井泰平(スタートバーン代表取締役社長)
 伏谷博之(ORIGINAL INC.代表取締役、タイムアウト東京代表)
 梅澤高明(A.T.カーニー 日本法人会長、CIC Japan 会長)

12月10日(木) アート・マーケットが拡げる未来
 來住尚彦(アート東京代表理事)
 林保太(文化庁文化経済・国際課課長補佐)

12月11日(金) テクノロジーとアートが共鳴する未来
 杉山央(森ビル新領域企画部)
 脇田玲(アーティスト、慶應義塾大学環境情報学部 学部長・教授)


【イベント ステートメント】

これまでのあらゆる常識が覆されていく時代に向き合うために。
ビジネスにアーティストの思考法を取り入れる「アート思考」をはじめ、アートとビジネスがつながることで生まれるさまざまな価値には、この社会の未来を大きく変えてしまうほどの可能性が秘められているはずです。
この分野の第一線で活躍するアーティストや起業家、研究者たちも、きっとその可能性を感じ、いまだ語られぬ「未来への妄想」を内に抱いているはず。

「ART PUB WEEK」はそんなゲストをお呼びして、ちょっとゆるめの空気の中でアートとビジネスがつくる未来に向けて妄想を膨らませる、5日間のオンライントークイベントです。
ぼんやりと秘めている妄想も、ありえないと思っていた未来も、今回のゲスト同士が語り合えばカタチを持ち始め、「妄想」が「構想」へと変わるかもしれません。
妄想トークで未来を夢見る特別な夜を、どうぞお楽しみください。

JRAジャパンCに挑んだ「三冠馬7頭」の全記録で確信!? 今年もっともチャンスがあるのはデアリングタクト

 コロナウイルスの感染が全国に拡大する中、今週は東京競馬場で第40回ジャパンC(G1)が行われる。世間の注目は何と言っても3頭の三冠馬の対決だ。

 ディープインパクト以来となる無敗のクラシック三冠馬コントレイル、史上初となる無敗の牝馬三冠馬デアリングタクト、そして2018年の牝馬三冠馬アーモンドアイによる日本競馬史に残る一戦。この3頭の中でどの馬がもっとも強いのか、あるいは馬券から外れるのはどの馬か、誰もがレース直前まで悩むことだろう。

 そもそもこのジャパンCには、過去に7頭の三冠馬が合計10回出走している。その成績は【5・1・1・3】で勝率は50%。1984年にはミスターシービーとシンボリルドルフの三冠馬2頭が出走し3着と10着。2012年にはジェンティルドンナとオルフェーヴルが出走し、ここではワンツーフィニッシュを決めている。今年は3頭の三冠馬が同じレースに出走するが、これはJRA史上初の出来事だ。

 この3頭でジャパンCの勝利に最も近いのはどの馬か? 答えを探るため、過去ジャパンCに挑戦した三冠馬の成績を振り返ってみた。

■ミスターシービー(1983年にクラシック三冠を達成)
・1984年ジャパンC 1番人気10着(4歳)

■シンボリルドルフ(1984年にクラシック三冠を達成)
・1984年ジャパンC 4番人気3着(3歳)
・1985年ジャパンC 1番人気1着(4歳)

■ナリタブライアン(1994年にクラシック三冠を達成)
・1995年ジャパンC 1番人気6着(4歳)

■ディープインパクト(2005年にクラシック三冠を達成)
・2006年ジャパンC 1番人気1着(4歳)

■オルフェーヴル(2011年にクラシック三冠を達成)
・2012年ジャパンC 1番人気2着(4歳)

■ジェンティルドンナ(2012年に牝馬三冠を達成)
・2012年ジャパンC 3番人気1着(3歳)
・2013年ジャパンC 1番人気1着(4歳)
・2014年ジャパンC 1番人気4着(5歳)

■アーモンドアイ(2018年に牝馬三冠を達成)
・2018年ジャパンC 1番人気1着(3歳)

 牡馬三冠馬で3歳時に挑戦したのはシンボリルドルフのみ。しかも当時は菊花賞からジャパンCは中2週という過酷なローテーションで、ここでの3着はむしろ評価すべきか。そして牡馬三冠馬でジャパンCを制したのは、無敗でクラシック三冠を達成したシンボリルドルフとディープインパクトのみ。つまり同様に無敗の三冠を達成したコントレイルも資格ありと言いたいところだが、同馬に関しては来年の方がチャンスは大きいと言えそうだ。

 というのも、3歳時にジャパンCに挑戦する菊花賞馬が少ないのは、秋華賞よりもローテーションが厳しいことと、秋華賞や天皇賞(秋)の2000mよりも菊花賞の3000mの方が、競走馬に与えるダメージが大きいからだと思われる。

 従って9/27神戸新聞杯2200m→10/25菊花賞3000m→11/29ジャパンC2400mという2か月で3走のローテーションは、コントレイルにとって厳しいと言わざるを得ない。過去に牡馬三冠馬でジャパンCを勝利したのはすべて4歳時。コントレイルも4歳の来年の天皇賞(秋)→ジャパンCというローテーションの方が、チャンスが大きいと言えるだろう。

 対して牝馬三冠馬は2頭で4戦3勝と見事な成績。特に3歳の秋華賞後に挑戦した場合は2戦2勝という成績なので、53㎏で挑める斤量面と中5週というローテーション面の有利さが表れている。

 また、上記の成績から考えられるのは、三冠を達成するにはある程度の早熟性が求められること。そして早熟性のある三冠馬が、5歳以降も成長を続けるのは困難であり、いかに4歳時までのピークを維持できるかが鍵となることだ。そういった意味でも、過去に5歳でジャパンCに挑戦したジェンティルドンナが4着に敗退したのは納得できるところ。今年5歳で挑戦するアーモンドアイは、その壁を超えられるかが大きなポイントになる。

 そして牝馬三冠馬の4戦3勝(勝率75%)に対し、牡馬三冠馬は6戦2勝(勝率33.3%)の傾向も踏まえると、今年のジャパンCはデアリングタクトが有利という結論にたどり着く。

 牝馬三冠馬が秋華賞後に挑んだジャパンCは2戦2勝、父がジャパンCを制したエピファネイアで母の父は日本ダービー馬キングカメハメハ。そして秋2戦目で中5週のローテーション、アーモンドアイとコントレイルより2kg軽い斤量、不利をはねのけて圧勝したオークスで見せたコース適性、すべてにおいてプラスで有利といえるだろう。日本競馬史に残るジャパンCを制するのは、無敗の牝馬三冠馬デアリングタクトだ。