香港、民主化活動家が海外へ大量逃亡…国際金融センター機能消滅で中国の一地方都市化か

 香港では12月2日の公判で、著名な民主化活動家・黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏に禁固刑13カ月半、周庭(アグネス・チョウ)氏に同10カ月の量刑が言い渡された。また、3日には民主化運動の重鎮的な存在で、香港紙・蘋果日報(アップル・デイリー)創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏の詐欺罪に関する初公判で、保釈が認められず、裁判官は2021年4月の次回公判までの勾留を決め、黎氏は刑事施設に収監されるなど、政治的な締め付けが強まっている。

 このようななか、政治的な迫害を恐れて、運動の中心にいた活動家たちの香港脱出の動きが顕在化している。11月に立法会(議会)議員を辞任した許智峯氏は12月3日、訪問先のデンマークで、英国への政治亡命を表明。2016年に議員資格を剥奪された活動家の梁頌恒氏もすでに米国に渡ったことが確認されている。

 これ以前にも、今年7月には著名な民主活動家の羅冠聡・前立法会議員が英国に脱出しており、秘密裏に台湾に逃げ込んだ活動家を含め、少なくとも100人以上が香港から逃亡していると伝えられる。

 とくに、許智峯氏の場合、香港在住の父母と妻、息子と娘の家族5人も4日に香港を離れ、英国で許氏と合流しており、家族ぐるみの亡命という極めて珍しいケースだ。香港政府は「法的責任から逃れようとする犯罪者を決して容認しない」と非難しており、その報復措置として、許氏と家族の銀行口座を凍結し、預金していた数百万香港ドル(1香港ドル=13.43円)が引き出せない状況だという。

 亡命を宣言した活動家と家族の預金口座が凍結されたことが明らかになったのは今回が初めて。

 許氏によると、許氏が12月5日にロンドンに到着して家族と合流したあと、銀行口座を確認したところ、すでに凍結措置がなされていた。これらの口座は香港ドル紙幣を発行している香港上海銀行(HSBC)やスタンダード・チャータード銀行、中国銀行(香港)に加えて、香港の大手銀行である恒生(ハンセン)銀行などの香港を代表する複数の大手銀行が含まれているという。

 報道によると、許氏は銀行に連絡してスタッフに問い合わせたところ、「許氏の口座に関しては、特別な制約が課されているが、具体的には言えない」との返事だった。また、香港メディアがHSBCの報道担当者に質したところ、「個人の銀行口座についてはコメントできない」と答えている。香港警察はメディアの問い合わせについて、「個々のケースや報告についてコメントしないが、法的責任から逃れようとする犯罪者の試みを強く非難するのみである」と述べたという。

 このような銀行口座凍結措置は、許氏らのような活動家が海外に逃亡できないようにするための予防措置をみられるが、まさに人権無視的な報復措置といっても過言ではないだろう。

英国海外市民旅券の保有者増加

 この香港当局の法の統治をないがしろにするやり方は香港市民の強い批判を招いており、当局の思惑とは裏腹に、香港市民の海外への移住に拍車をかけているのも事実だ。英メディアによると、英国が香港返還前に発行した英国海外市民(BNO)旅券の保有者は年末に73万3000人に達する可能性がある。2月時点では約35万人だったという。いつでも使えるように旅券の更新手続きをする人が急増したためだとみられるが、さらに約180万人の香港人にBNOを申請する権利があるというだけに、今後も申請者増の動きは加速しそうだ。

 移住先は英国ばかりでなく、台湾、カナダ、オーストラリア、さらに人気が高い米国が挙げられている。日本政府も金融やIT部門の人材が多い香港からの移民受け入れを推進する方針を明らかにしている。今年6月11日の参院予算委員会で、安倍晋三首相(当時)は「香港を含め専門的、技術的分野の外国人材を受け入れてきた。引き続き積極的に推進する」と答えている。また、菅義偉官房長官(同)も同月12日の記者会見で、香港などの高度人材受け入れをめぐり「何ができるか引き続き検討したい」と述べている。

 茂木敏充外相は「中長期的な視点で関係省庁と連携しながら積極的に推進していく」と話している。この動きと一致して、自民党の経済成長戦略本部も12日、東京の金融機能強化を盛り込んだ成長戦略の提言骨子案を示したなかで、香港からの人材受け入れを視野に入れた方針を示している。

 冒頭の黄氏や氏、黎氏らの収監や許氏一家への超法規的な報復措置といった政治的迫害としかいいようがないケースが増えれば増えるほど、香港から諸外国に移住する人々は後を立たず、香港の国際金融センターとしての機能は消滅し、最終的に中国共産党に忠誠を誓う人々だけが集まる、単なる中国の一地方都市になり下がる可能性も否定できないだろう。

(取材・文=相馬勝/ジャーナリスト)

なぜ音声がDXを牽引する?「体温が伝わるDX」とは。

Voicyの技術提供を受けて開発された「KOELUTION(コエリューション)」は、音声コンテンツで企業を活性化し、経営課題を解決するサービスです。前回の記事では概要を解説しましたが、今回はVoicy代表取締役CEO 緒方憲太郎氏と電通ビジネスデザインスクエア(BDS)の西井美保子氏との対談により、動画や文字ではなくなぜ「声」なのか、「声」が企業課題にどう役立つのか、さらに深掘りしていきます。

緒方氏西井氏対談画像
この対談はオンラインで実施しました。

声の力で、人と人をつなぎたい

西井:私と緒方さんが初めて出会ったのは、2015年頃でしたよね。まだVoicyを創業する前でしたが、ボイスメディア事業の可能性を熱く語り、「声で革命を起こす」とお話しされていたのを覚えています。その後2016年にVoicyを立ち上げ、2019年には電通も一部出資をさせていただきました。

その後「Voicy」の事業を拡大されていく中で、企業向けのサービスも開発されていると聞き、BDSのインナーアクティベーションの取り組みなどと掛け合わせられるかも、というお話になったんですよね。

緒方:はい。今回の「KOELUTION」の開発には、大きく分けて二つの背景があります。一つは、ボイスメディア「Voicy」の運営を通じて、ニーズに気づいたということです。

これまで音声コンテンツといえば、ラジオ局などでプロが音声を収録するものでした。それを大衆化したのが「Voicy」です。活字メディアも、かつては記者が文章を書いていましたが、ブログの登場によって一般の方でも発信できるようになりましたよね。同じように、「Voicy」の誕生により、誰もがネット上で話を聞き、聞かせられるようになりました。

そこで気づいたのが、声が持つ「人と人をつなげる力」です。声によるコミュニケーションには、発信者と受信者の距離が近くなったり、発信者への信頼が高まったりする効果があります。そこで、声の力を組織に生かせないかと考えました。

現在、多くの企業の経営層が、「会社の理念、事業のビジョンが現場に届きにくくなっている」という課題を感じています。そこで、まずは「声の社内報」システムをつくることに。社内のメンバーだけに声を届け、誰がいつ聞いたか、どのタイミングで離脱したかというデータも取れるようにしました。

西井:そこで、私たちのチームに相談いただき、組織の課題解決のためにどのようなコンテンツをつくればいいのか、どのように運用すればいいのか、聴取データを活用し、より多くの企業に役立つパッケージにしたのが「KOELUTION」ですね。もう一つの背景についても教えてください。

緒方:もう一つは、世の中の流れです。昨今のコロナ禍でリモートワークが進み、従業員が不安や孤独を感じるケースが増えています。このままドライにリモートワークを推進すると、組織としてのつながりが弱まることに。このタイミングで、声を使ってコミュニケーションをDX(デジタルトランスフォーメーション)する必要があると感じました。

また、働き方改革が進み、効率的な働き方を求められるようになったことも大きいです。労働時間を減らさなければならないのに、退職者を減らして社員を維持するにはエンゲージメントを高めなければなりません。その結果、1on1ミーティングに多くの時間を割いている企業も多数あります。

効率化を求め過ぎると、会社の温かみが失われ、無機質なつながりになってしまいます。声によるコミュニケーションを投入すれば、事業のビジョンを伝えたり、社内文化を醸成したりできると考えました。

西井:「KOELUTION」の立ち上げに際して、企業のトップ20人にアンケートを取りましたよね。「社内コミュニケーションに課題がある」と感じている方は75%。中でも「経営層と現場の社員の断絶」を問題視されている方は、60%に上りました。皆さん、社内コミュニケーションが課題だと認識しているけれど、現状の手法ではまだ解決できていないという発見がありました。

経営者への調査

西井:BDSでも、企業を内側から動かすインナーアクティベーションに取り組む機会が多いのですが、やはり社内コミュニケーションに課題を抱える企業が多いです。しかも、コロナ禍でリモートワークを推進した結果、さらにこの課題が大きくなっていると感じます。緒方さんも企業経営者ですが、どのような実感がありますか?

緒方:みんなが「与えられたタスクだけこなせばいい」と考えると、会社が業務委託スタッフの集まりのようになってしまいます。新しい仕事は取りに行かない。未来のことを考えない。社員が一丸になる機会も、大きく減りそうです。

経営者としては、社員みんなに「働いてよかった」と思ってもらいたいし、仲間意識を感じてほしいんです。仕事は、労働時間・労働量をお金に換えるだけの作業だとは思いたくありません。世の中が、こうした思いと逆行しつつあることに怖さを感じます。

「声だけ」だからこそ、伝わるものがある

西井:そもそも緒方さんは、なぜ声を使った事業に関心を抱いたのでしょう。声の魅力はどこにあると思いますか?

緒方:情報は、手でつくったものを目で入れるか、口でつくったものを耳で入れるかの2パターンしかありません。前者は、情報を文章に変換して表現するので、発信者の“本人感”が失われます。発信者ではなく、ライターや編集者が文章化する場合は、なおさら本人の思いや感情が伝わりにくくなります。

一方、声の場合、話した内容がそのまま相手に伝わります。しかも、口から発した音がその振動情報とともに直接相手の身体に入り、物理的に鼓膜を揺らすんですね。ある意味、非常に気持ち悪くて、非常に気持ちいいコミュニケーションです。例えば、黒板を爪でひっかく音なんて、想像するだけでゾワッとしますよね。ああいう感覚を味わえるのは、耳から入る音や声だけ。そんな身体性が、声の魅力だと思います。

西井情報を伝える場合、動画という手法も考えられますよね。「KOELUTION」が、音声ソリューションであることのメリットをお聞かせください。

緒方:情報発信は文字、音声、動画の三つに大別できます。音声は、非常に手軽ですし、余計な情報が入りにくいですよね。その上、感情もリッチに届く。この3点がメリットです。

文字の場合、語弊がないよう文章で表現するのはなかなか大変です。しかも、日本人の国語力は年々下がっているため、文章を誤解し、真意をくみ取れないまま会社に対して文句を言う社員も。でも、声でメッセージを伝える場合、文法は正しくなくても「これ、めちゃくちゃ大変だけど、頑張ってほしいんだよね」と言えば、意味も感情も伝わります。普段の話し言葉そのままでしゃべるだけで、前後の文脈を含めてメッセージを届けられるんです。

動画の場合は、余計な情報が多くなります。「今日は元気ないな」「背後に映っているアレは何だろう」など、いろいろ気になってしまうんです。海外の研究でも、内容を理解するだけなら動画よりも音声の方が効果的だという結果が出ています。本当に伝えたいことだけをリッチに届けられるという点で、音声の方が優れていると考えられます。

西井:動画から映像を取り除いたものが音声、というわけではなく、音声ならではの効果がありますよね。

緒方:はい。音声と動画は、まったく違うものです。動画は、目で見た世界をそのまま届けるコンテンツ。音声は、耳で受け取った感情をそのまま受け止めるものだと思っています。例えば、「うわー、めっちゃおいしい」と棒読みで言っても、「いや、おいしいと思ってないな」とすぐに分かりますよね。声からは、話し手の感情の揺れ、思考回路、本気度が、丸ごと伝わってしまうのです。そこに新しい価値があると思っています。

西井:しかも、音声は手軽に発信できるのも魅力です。社長のメッセージ動画を配信するとなると、まず社長の予定を調整し、撮影準備、撮影、編集、確認、修正と多くのプロセスがあり、少なくとも1カ月以上かかります。こうした作業量を圧縮できるのが、声を使うメリットでもありますよね。

しかも、使うのは耳だけ。違う作業をしながら「ながら聞き」ができます。リスナーの時間を奪わないコミュニケーションツールだと思います。

緒方:車の運転中や通勤中にメッセージを聞けば、モチベーションが高まる効果もあります。女性からは、「メイク中に聞けるのがいい」という意見もありました。

西井:例えば運送会社のドライバーように、「手と目を使っているけれど耳は空いている」という仕事には特にフィットするサービスですね。

継続的な音声コンテンツ制作を促すサポート体制

緒方:発信する側が、気軽に話せるような工夫も凝らしています。「えー」とか「あー」と言ってもかまわない。なんならお茶を飲みながら話してもいい。5分のコンテンツをつくるのに、10分かからないという手軽さです。

とはいえ、話のプロではない方に、いきなり「しゃべってください」といってもなかなか難しい。話すネタ、もしくは聞いてもらえるネタをどうつくるか、その点はBDSと相談しながら解決していきました。

西井:「KOELUTION」のオリジナルメソッドとして、まずSTEP1で「100 QUESTION」に答えていただきます。私たちは「企業の魅力再発見診断」と呼んでいるのですが、100の質問を通してその企業の課題をあぶり出し、カルテを策定するんです。ここで聞いたことが話すネタになりますし、誰が話すべきか発信者の抽出もできます。一気通貫で番組を開発できるサービスだと思います。

続くSTEP2では、導入企業に編集企画チームをつくっていただきます。「KOELUTION」では、コンテンツを継続的に配信し続けることが重要なので、そのためのチームづくりです。必要に応じて社内横断チームをつくっていただくこともあれば、広報の方にリードしていただくことも。内定者や新入社員とのコミュニケーションに特化した「KOELUTION For Recruiting」では、人事部の研修担当者がリードしていくことも想定しています。

その上で電通のクリエイターが加わり、「伝える」ではなく「伝わる」コンテンツをつくっていきます。「チャンネル名をどうするか」「導入で何を話すか」ということまでサポートします。さらに、テクニカルサポートチームとしてVoicyも参加。自社、Voicy 、電通の3社による運営体制がポイントです。

サービスの流れ

緒方:音声コンテンツがアーカイブとして残ることも、大きなメリットですよね。創業者の現役時代の声や、創業10周年の社長メッセージなどが、会社の歴史とともに残っていく。アーカイブが会社の資産、宝物になっていくと思います。

西井:放送ごと、チャプターごとにデータを取れるのも、大きな特徴です。当月のリスナーの増減、社員が何曜日に何時間コンテンツを聞いたかなど、細かいデータを取り、毎月レポーティングしていきます。そのレポートを見れば、どのタイミングでどういうふうに聞かれているかが分かり、今後どんなコンテンツを出せばいいのか次の発信に生かすことができます。

声を使えば、ITでも温かみを表現できる

緒方:「KOELUTION」のサービスは開始したばかりで導入効果はまだ測定できていませんが、現時点では発信に手間がかからない点を高く評価していただいています。リスナー側からは、「トップの思いが聞きたかった。ありがたい」という意見も。もともと会社に対してロイヤルティーを持つ方の意識がさらに高まり、ニュートラルだった人が「やっぱりこの会社、好きだな」と思っていただくきっかけになっていると思います。

「KOELUTION」の前身にあたる「声の社内報」サービスの話になりますが、ある企業ではメインMCを3カ月ごとに交代しているそうです。MCを担当するメンバーは、どうすれば社員に聞いてもらえるか考えるので、会社へのロイヤルティーも圧倒的に高まったそうです。

これまでは経営企画チームに入らない限り、会社をより良くしようと考えることもなかったでしょう。でも「声の社内報」の制作に携わることで、主体的に会社の未来を考える人を増やせたという意見を頂きました。「KOELUTION」でも幅広い効果を期待していますし、他の用途にもどんどん転用できたらいいですよね。

西井:DXが進む中で、声で解決できることはまだまだたくさんあると思います。例えば、採用レター。転職する際、「この会社で大丈夫?」と奥さんが反対する「嫁ブロック」も多いそうです。そんな時、転職先の社長から「あなたのことをこれほど評価している。ぜひ働いてほしい」とボイスレターを送ることで、「嫁ブロック」を回避できたという事例もあると聞きました。

感情や熱量、トーンが伝わる声のコミュニケーションが良い効果をもたらすケースは、至る所にあります。そこに「KOELUTION」が応えられたら、と思います。

緒方:やっぱり、声には温かみがあるんですよね。声を使えば、ITでも温かみは表現できるはずです。

西井:私が「KOELUTION」が好きな理由も、デジタルなのに温かいから。リアルVSデジタルという二項対立になりがちですが、このサービスは緩やかなグラデーションを描いているんですよね。温かみとグラデーションのあるコミュニケーションの導入によってさまざまな課題を解決し、声の温かみを多くの方に感じていただきたいですね。今後ますます音声市場は伸びていくと予想されますが、緒方さんはどのような展望をお持ちですか?

緒方:ボイスメディア「Voicy」は、日本最大級の音声メディアプラットフォームを目指しています。スポンサーやリスナー課金によるビジネスモデル、音声でのレコメンドサービス、データ収集に関しては、業界トップを走っていると自負しています。

今後のミッションは、発信者の使いやすさをさらに追求し、「魅力的なコンテンツがあふれているからこそ、たくさんのリスナーが集まる」という状態にすること。声のある生活を浸透させ、「なぜ昔は、目だけで情報収集していたんだろう」という時代をつくりたいですね。

西井:電通と組むことで、どのような効果を期待していますか?

緒方:企業が、声に対してお金を払う時代をつくりたいと考えています。「Voicy」でも企業の番組がスタートしましたが、声によるブランディング、ボイスマーケティングができるようにしたいですし、サウンドロゴなど耳に訴えかけるコンテンツはたくさんあります。広告業界だけでなく、コンテンツ業界、エンタメ業界を含めて市場規模は大きいため、電通と一緒に何ができるか開発を進められたらうれしいですね。

西井:音声市場は、数年以内に必ず急成長すると思っています。その際、電通が広告領域に限らず、人と人、人と企業、企業と企業の間の関係づくりに関われたらいいですね。動画市場が急拡大した時のように、声で生きていく人が増えることも考えられます。そういった生き方の提案もできたらうれしいです。


「KOELUTION(コエリューション)」リリース:
「声」で企業の経営課題を解決するサービス「KOELUTION(コエリューション)」を開発

略式起訴では済まぬ「桜を見る会」疑惑、公開法廷で経緯を明らかにせよ…江川紹子の提言

 総理主催の「桜を見る会」前日に、安倍晋三・前首相の後援会が支援者を集めて都内のホテルで催していた夕食会の費用を、安倍氏側が補填していた疑惑。東京地検特捜部が、安倍氏の公設第1秘書と事務担当者の2人を、政治資金規正法違反(不記載)罪で略式起訴する見通し、という記事やニュースを、各メディアが盛んに報じ、検察の観測気球の役割を務めている。

 こういう茶番はやめてもらいたい。

「陸山会」事件を凌駕する、極めて悪質な犯行

 事件が、報じられている通りの事実だとすれば、この秘書らは、内閣総理大臣に国会で虚偽の答弁をさせ続けたことになる。それによって、国民を騙し、国会審議の長大な時間を無駄に消費させたわけで、その結果は極めて重大だ。しかも、犯行は意図的かつ計画的で、毎年繰り返され、ホテル発行の領収書を廃棄して証拠の隠滅もしているというのだから、悪質性は極めて高いといわざるをえない。

 これほどの事件が、略式手続きで済まされていいはずがない。略式を強行すれば、司法に対する信頼を著しく損なうことを、検察も、そして裁判所も、今からよくよく自覚すべきだ。

 報道によると、直近5年の2015年から19年の夕食会について、ホテルに支払った総費用は合計約2300万円だった。これに対し、支援者から徴収した会費は計約1400万円。安倍氏側が計約900万円を補填していた。

 12月3日付読売新聞によれば、同特捜部は、会費徴収分計約1400万円について、収支報告書の収入と支出にそれぞれ計上したうえで、補填分やその原資についても記載する必要があったと見ており、不記載の金額は4000万円規模に上る可能性がある。

 報告書への不記載や虚偽記載をした場合、罰則は「5年以下の禁錮または100万円以下の罰金」とされている。

 小沢一郎・衆院議員の政治資金管理団体「陸山会」を巡る事件では、同氏の元秘書で、その後衆院議員となった石川知裕氏が禁錮2年執行猶予3年となった。この時は小沢氏からの借入金4億円の不記載が違法とされた。

 今回の安倍氏後援会の件は、不記載額はその10分の1程度だとしても、秘書らの犯行がもたらした結果の重大性は、「陸山会」事件の比ではない。

 昨年11月以来、国会ではしばしば「桜を見る会」を巡る問題が取り上げられた。前夜祭と称する夕食会の会費補填疑惑も、野党の質問に対し、安倍首相(当時)は「後援会としての収入、支出は一切ない」「ホテル側から明細書等の発行はない」と繰り返した。

 この問題に審議時間の多くが割かれることに、批判もあった。産経新聞は昨年11月24日付の社説「主張」で、「いつまでも時季はずれの花見に興じている場合ではない。首相はじめ、与野党議員は自らの本分をしっかり自覚してもらいたい」と叱った。

 また、読売新聞は昨年12月8日付社説で、政権側の態度を「節度を欠いた」と指摘しつつ、野党側の追及は「事細かに問題点をあげつらった」「国会戦術上の駆け引きに終始し、本質的な議論は乏しかった」と批判。「言論の府として、嘆かわしい」と慨嘆してみせた。

 さまざまな課題が山積するなか、こうした論評が出るほど「桜」に長時間を割かざるを得なかった主たる原因は、安倍氏など政権側の不誠実な答弁にある。なかでも、夕食会に関する安倍氏による虚偽の答弁は、聞いていてもいかにも不自然で、疑念をますます深めることになった。

 報道によれば、安倍氏の公設第1秘書らは「(補填はないという、事実と異なる)答弁をしてもらう以外ないと判断した」と述べている、という。本当に安倍氏が事実を知らなかったのか疑問は残るが、仮に秘書らが勝手に判断した、というのが事実だとすると、この秘書らの責任は重大だ。

 審議時間を無駄に費やしただけではない。総理大臣の答弁の信頼性を失墜させた。しかも、国会を開くにも経費がかかっている。この秘書らは、数億円単位の税金を浪費させたことになる。

 そのうえ、故意に、くり返し証拠隠滅を伴う、極めて悪質な犯行だ。とりわけ2019年分については、11月の時点で補填が大いに問題になっていたのに、それを知りつつ虚偽の収支報告書を提出したことになる。

 秘書らが犯行を認めているとしても、結果の重大性や悪質性において、「陸山会」事件を凌駕する以上、検察の求刑が100万円以下の罰金ということはあり得ないのではないか。

 検察は、かつてヤミ献金を受領した元自民党副総裁の金丸信氏を略式裁判で罰金20万円で済ませ、その後、検察庁の看板にペンキを投げつけられた出来事を、思い出すべきだろう。

裁判所が略式不相当と判断した事件は過去にも数多く存在する

 それでも、検察が略式手続きを強行した場合は、裁判所に適正な役割を果たしてもらいたい。

 検察が略式手続きを選択しても、裁判所が略式不相当と判断すれば、正式な裁判を開くことができる。そうした事態は頻繁にあるわけではないが、これまで少なからぬ前例がある。

 メディアで報じられ、記事データベースに収められている例を挙げる。

▽2018年11月 佐久簡裁(略式不相当の判断をした裁判所、以下同じ)
 従業員に違法な長時間労働をさせたとして労働基準法に問われた長野県南牧村の乳製品製造販売会社と同社役員2人の事件。正式裁判も同簡裁で実施。

▽2019年1月 名古屋簡裁
 生徒に体罰を加えたとして暴行罪に問われた養護学校教諭の事件。名古屋地裁が罰金30万円の判決。

▽2018年11月 岐阜簡裁
 岐阜県警の巡査長が、法定速度の60キロを大幅に上回る約112キロで公用車を走行させ、物損事故を起こした。

▽2018年8月 岐阜簡裁
 生活保護を受給する女性らに抱きつくなどしたとして、暴行罪に問われた岐阜市職員。

▽2018年1月 盛岡簡裁
 盛岡市内の認可外保育施設で1歳の乳児が食塩中毒で死亡し、施設経営者が業務上過失致死罪に問われた。盛岡区検の略式起訴に対し、被害児の両親が正式裁判を求める意見書を簡裁に提出していた。

▽2017年7月 東京簡裁
 女性新入社員が自殺に追い込まれたことをきっかけに発覚した広告代理店王手・電通の違法残業事件。東京地検は法人としての電通を略式起訴し、同社部長らは不起訴処分としていた。

▽2017年3月 大阪簡裁
 ファミリーレストラン「和食さと」の運営会社が、7人の従業員に月40時間の上限を超えた時間外労働をさせていた事件。正式裁判も同簡裁で行われた。判決は、「全国規模で飲食店を展開する大企業で社会的影響は少なくない」などとして罰金50万円。

▽2017年3月 大阪簡裁
 大阪市内のスーパーマーケット運営会社「コノミヤ」が従業員4人に時間外労働の上限を超えて残業をさせた。正式裁判も同簡裁で行われ、判決は「6100人も雇用する大企業で、社会的責任が大きい。労働基準監督署からの是正勧告後も是正しておらず、刑事責任は重い」として罰金50万円。

▽2012年12月 大阪池田簡裁
 二日酔いの酒気帯び状態で車を運転して出勤し、道交法違反に問われた大阪府警の元警部(依願退職)が正式裁判に。

▽2012年3月 大阪簡裁
 事件の証拠品の木刀を紛失したと思い込み、無関係の木刀を証拠品にねつ造したとして証拠隠滅罪に問われた大阪府警の元警察官3人の事件。正式裁判で検察側は罰金10~20万円を求刑したが、大阪地裁は1人を懲役3月執行猶予2年とし、残る2人も求刑を上回る罰金を科した。

▽2011年5月 大阪簡裁
 柔道練習中の小学1年生男児が死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われた指導者に対し、大阪区検は罰金100万円で略式起訴したが、大阪地裁での正式裁判に。判決は求刑通り罰金100万円。

▽2010年12月 大阪簡裁
 任意の取調べの際に被疑者に対して暴言を吐いて、脅迫罪に問われた大阪府警の警部補について略式不相当とし、大阪地裁に移送。正式裁判では求刑20万円を上回る罰金30万円の判決。

司法への信頼を損なわないために、略式不相当とし、正式裁判を開くべき

 ここ10年間の例を見てみると、簡裁が略式不相当と判断した事件は(1)事件による結果が重大 (2)被告人が警察官など公務員 (3)社会的影響が大きい――という3要素のいずれかを含んでいる。

 安倍氏事務所の件も、(1)と(3)は満たしているうえ、公設秘書は税金から給与を支払っており、身分は国家公務員特別職で(2)にも該当するといえるだろう。 

 これを略式手続きで済ませ、公開の裁判を開かずに終われば、裁判所は権力者に甘いと受け止められ、司法の公平性、公正性に対する信頼は著しく損なわれるに違いない。

 また、略式手続きで済まされれば、当該秘書らがコトの経緯について何を語っているか、検察官が作成した調書のなかに記されるだけで、国民は知ることが難しくなる。一部を、検察がメディアにリークしたとしても、全容を直接確かめることはできない。そもそも、検察官調書が本人の供述通りに作成されているか、確かめようがない。

 略式手続きであっても、確定後には記録の閲覧はできることになっている。しかし現実には、記録は検察庁が保管・管理し、記録のどの部分を、何を閲覧に供し、どの部分を非公開にするかは、検察の判断ということになる。

 たとえば、横綱日馬富士(当時)の暴行事件は略式手続きが行われ、私はその記録を閲覧した。しかし、横綱白鵬や鶴竜ら目撃者の調書は閲覧用の記録からは外され、日馬富士本人の調書も黒塗りされた部分が多かった。

 この問題では、国会で虚偽の答弁を行った安倍氏自身が、記者会見などで国民に詳細な説明をするべきであることはいうまでもない。読売新聞の世論調査では、72%が安倍氏の説明を求めている。共同通信の世論調査でも、60.5%が安倍氏の国会招致を要求した。

 ことの全体像を知るために、最も詳細を知る秘書らにも、公開の法廷で正直に経緯を語ってもらいたい。

(文=江川紹子/ジャーナリスト)

●江川紹子(えがわ・しょうこ)
東京都出身。神奈川新聞社会部記者を経て、フリーランスに。著書に『魂の虜囚 オウム事件はなぜ起きたか』『人を助ける仕事』『勇気ってなんだろう』ほか。『「歴史認識」とは何か – 対立の構図を超えて』(著者・大沼保昭)では聞き手を務めている。クラシック音楽への造詣も深い。

江川紹子ジャーナル www.egawashoko.com、twitter:amneris84、Facebook:shokoeg

中国、企業債務が過去最悪圏、破綻急増に警戒高まる…米国の会計監査強化が追い打ち

 米国下院は12月2日、米株式市場に上場する外国企業の会計監査状況について、米当局の検査を義務づける法案(外国企業説明責任法案)を全会一致で可決した。今回の法案は共和党と民主党の超党派の議員が提出し、5月に上院で全会一致で可決した後、下院で継続審議になっていた。今後、ドナルド・トランプ大統領の署名によって成立となるが、すでに米証券取引委員会(SEC)は、トランプ政権の要請を受けて中国企業を念頭に置いたルール策定に着手しており、年内に規則案が公表される見通しである。

 中国企業の会計監査は長年の懸案だった。中国政府が自国監査法人に米当局の検査が入ることを拒んできたからだが、今回の法案では、米国に上場する中国企業が米当局による監査状況の点検を3年連続で拒んだ場合、株式の売買が禁止となる。中国企業を上場廃止に追い込む可能性がある厳しい内容である。

 米株式市場には電子商取引(EC)大手のアリババ集団やインターネット検索最大手の百度(バイドゥ)、中国石油天然ガス(ペトロチャイナ)など中国企業217社が上場し、時価総額は合計約2.2兆ドル(10月時点)に上っているが、今回の法案成立により、中国企業の成長資金の調達に支障が出ることへの懸念が生じている。

 中国企業、特に成長率の高い民間企業は、このところ米ドル資金に頼ってきたからである。旺盛な資金需要に応えるため、中国企業は米株式市場への上場での資金調達以外に、世界中に散らばるタックスヘイブン経由で米ドルを確保してきた。その額は過去6年間で1兆ドルを超え、そのうち約5000億ドルが中国企業の社債に投資されたとされているが、中国企業のドル建て社債の金利が8~14%と魅力的だったことから、その主な資金の出し手は米国ファンドであるという。

 毎年多額の経常収支の黒字を計上し、貯蓄率も高いことから、中国国内には多額の資金が眠っているはずなのに、なぜ将来性のある民間企業は海外の高利金融に頼らざるを得なかったのだろうか。

 国内資金の大部分は国有銀行が吸い上げ、非効率きわまりない国有企業に回されているという構図が続いているからである。中国では依然として国有企業のウェイトが大きく、営利目的でさまざまな事業を行う建前となっているが、真の目的は共産党をはじめとするエリート集団に利権をばらまくことである。国有企業などを通じて巨額の利権を彼らに分配できなくなれば、党員数約9000万人の中国共産党が14億人の国民を支配する構図に大きな亀裂が生じてしまうことから、中国共産党の一党支配を維持するために、国内の多額の資金が浪費されているのである。

ドル建て債務の不履行が増加

 中国では今年、企業が新型コロナウイルスのパンデミックを乗り切るために大規模な資金調達を行ったため、債務水準が過去最悪圏で推移している(11月24日付ロイター)。中国の上場非金融企業で時価総額1億ドル以上の2087社を分析したところ、9月末時点の債務総額は約2兆7600億ドルで、前年比12.5%増と過去1年で最も大幅な伸びだった。過去最悪だった6月末の2兆8000億ドルをわずかに下回るだけの水準である。

 中国国有企業の積極的な資金調達も目立っていたが、足元で有名国有企業数社がデフォルトを起こしたことで、多額の債務をめぐる不安が再燃している。中国の非金融企業は来年末までに少なくとも8130億ドル相当の債務が返済期限を迎える。

 良好な米中関係を背景に巨額のドル資金を調達してきた中国の民間企業だが、無謀な過剰投資によってドル建て債務が不履行に陥るケースが増加している。中国企業に対する締め付けが強化されていることから、今後米国など海外勢が投融資を引き揚げるような事態になれば、成長性の高い民間企業の破綻も急増する可能性がある。

 オバマ前政権からの要求(監査強化)を無視したツケとはいえ、米国で「中国包囲網」の動きが強まっているなかで、「金融分断」が起きてしまったことであり、中国にとって大誤算である。 中国人民大学の教授は11月28日、動画配信サイトがライブ配信した討論会で「トランプ政権が誕生するまでの1992年から2016年までの過去数十年間、中国当局が米国政府をうまく扱うことができたのは、米国の政治権力を支配するウォール街に友人がいたからだ。すべての問題は大体2カ月で解決できた」とした上で「バイデン政権が誕生し、米中関係が再びトランプ政権以前の状態に戻ることができる」との期待を示した。

 中国当局がウォール街の金融機関を抱き込み、米国政府の政策に影響力を及ぼしてきたのは公然の秘密だった。米国の内政と外交に大きな影響力を行使してきたウォール街の金融機関は膨大な利益を提供してきた「金づる」を失わないようにするため、中国に対する批判を許してこなかった。米国ではトランプ政権誕生まで「中国批判」をタブー視する長い閉塞状況が続いたが、トランプ政権誕生で事態は一変した。「トランプ大統領が仕掛けた貿易戦争の最中、ウォール街の金融機関は中国のために動いたが力不足だった」と不満だった中国側は「バイデン政権の誕生でようやく元の関係に戻れる」と期待している節があるが、バイデン次期政権でも「中国封じ込め」の流れは変わらないとの見方が多い。

「金融分断」は経済の分野にとどまらず、国際関係にも多大な影響を与えた前例がある。1920年の日本と米国は、米国モルガン商会のトーマス・ラモントのおかげで蜜月関係を誇っていたが、満州事変の勃発などでラモントが仲介役を退いた1930年代初頭からその関係が一気に悪化したという経緯がある。

 今回の「金融分断」により、米中関係はますます悪化し、軍事的衝突に発展するリスクが高まってしまったのではないだろうか。

(文=藤和彦/経済産業研究所上席研究員) 
(参考文献)

『投資はするな! なぜ2027年まで大不況はつづくのか』(増田悦佐著/ビジネス社)

冬の肌・唇の乾燥トラブルは「食べ物」が原因?肌の保湿力をアップする“食事術”

 これから寒くなってくると湿度が下がり、空気の乾燥が進みます。そうなると、笑った瞬間に唇が裂ける、唇の皮がむける、肌のかゆみを感じる、肌に粉がふくなど、乾燥による唇や肌のトラブルが起きやすくなります。

 ある報告によりますと、男性が乾燥を感じる体の部位は、1位「唇」、2位「手指」、女性は1位「手指」、2位「唇」であったということです。

 皮膚は、外気と直に接していますので影響を受けやすいことはいうまでもありません。ですので、皮膚は異物(ウイルスや細菌)をいち早く検知し、防御体制をつくるための免疫器官としての役割を担っています。

 皮膚のいちばん外側部分を角質層といいますが、角質層は煉瓦のように14~15層と積み重なっている角質細胞からなり、有害な物質や微生物が体内に侵入するのを防いだり、体内の水分保持をしたり、バリア機能を持っています。角質層のなかには、体の水分蒸発を防ぐ細胞の成分として、天然保湿因子(NMF)、たんぱく分子構造(ケラチンなど)、角質細胞間脂質(セラミドなど)がありバリア機能を果たしています。

 皮膚のバリア機能が正常に働くことで、細菌やウイルスが体内に侵入してくることを防いでいますが、乾燥などが原因で傷が生じたりするとバリア機能は弱まり、傷口から微生物が侵入しやすくなります。

 空気の乾燥は、皮膚の表面を覆ってうるおいや滑らかさを保つ皮脂膜を薄くさせて、皮膚の乾燥を進めます。特に唇は角質層が薄いうえに、皮脂膜がないので水分が保たれにくく乾燥しやすい構造になっています。そのため唇はリップクリームなどで人工的に皮脂膜を補うことで乾燥を防ぐのが一般的ですが、今年の冬は、そればかりでなく、食事からの栄養補給もしっかり行い、体に備わっているバリア機能を万全の体制で整えていく必要があると思います。

ビタミンA・ビタミンB2・たんぱく質

 栄養面からの乾燥対策として、特にビタミンA(魚、肉、緑黄野菜)、ビタミンB2(肉、魚、乳製品、大豆製品、緑黄色野菜)、たんぱく質(肉、魚、卵、大豆製品)の食事からの供給を忘れないようにしましょう。ビタミンAは、角質層の保湿機能を高めますし、ビタミンB2は、皮膚の新陳代謝を高め、血液循環を活発にします。

 また、前述の角質層にある天然保湿因子(NMF)も食事から補給されるさまざまな栄養素によって生成され、複数の成分から構成されています。下の表をご覧ください。たとえば、主成分のアミノ酸(40%)は、肉、魚、卵、大豆製品などのたんぱく質食品が主な原料となり、ピロリドンカルボン酸は、だし汁のうまみ成分で有名なグルタミン酸が代謝されてできたものです。

 栄養素は、相互に作用し合って働いているので、ひとつの栄養素だけとってもうまく働かず、いろいろな栄養素をとることが必要です。それには1日3食、主食、主菜、副菜の組み合わせで食事をすることです。

 乾燥による唇や肌のトラブルが起きやすくなるこれからの季節、外側からはクリームやリップクリームなどの化粧品で、内側からは食事からの栄養補給で、唇や皮膚の緻密なバリア機能を高め、細菌やウイルスの侵入を防御しましょう。

 最後に、12月14日に青春出版社から『免疫力は食事が9割』が発売されます。新型コロナウイルス蔓延のなか、本来備わっている体の機能を活性化させるためには、食事、運動、睡眠が大切であると考えられています。特に食事は重要です。「食」こそ、最強の「感染症対策」なのです。正しい最新の栄養情報を知って、免疫システムの機能を正常に保つ一助となればと執筆いたしました。本書をどうぞよろしくお願い申し上げます。

(文=森由香子/管理栄養士)

医療危機、支持率急落も菅首相はGoTo続行、専門家の中止提案も無視! 経済優先というが成長率も中韓より低い大幅マイナスに

 菅義偉政権の支持率が急落している。共同通信が今月5・6日に実施した世論調査では、菅内閣の支持率は前回11月からなんと12.7%も減らし、50.3%に。共同通信の世論調査で内閣支持率が10%以上減少したのは、安倍政権で加計学園問題が追及されていた2017年6月以来だ。  ...

パチンコライター大御所が「万パチミー」開催。SNS上ではイベントのあり方に賛否

 12月5日、都内某所で「万パチミー」が行われた。

 万パチミーとは、パチンコライターの大御所「大崎一万発」氏と、「オフミー」を主催する「ジーズ」とがタッグを組んだ催し。最近、ジーズはパチスロライターで実業家の「ウシオ」氏ともコラボレーションし、「ウシオフミー」なる催しも行って話題を集めた。

 この万パチミーの開催にあたり、ウシオ氏のチャンネル「SAMURAI GRAPH」では「あの遺恨の3人が集結!」との煽りで動画を公開。3人の熱い議論が交わされた、その動画を大崎氏自身もTwitter上で紹介すると、程なくして多くのファンが反応した。

 というのも大崎氏は過去、事前告知禁止の神奈川県でオフミーの告知が堂々と行われた際に、「ちゃんとやろうよ」などと、一般社団法人「ぱちんこ広告協議会(PAA)」の理事でもあるジーズの社長についてコメント。「何を目指しているのか見えない団体」とPAAについても言及し、「こういうのと、同一視されるのがキツい」と自身の活動については、これと一線を画することを強調していた。

 そんなスタンスの大崎氏がジーズと手を組んだことで、ファンからは「衝撃的」「驚いた」などとのコメントが多数。中には「結局、イベントか」などの批判的な声もあり、大崎氏が委員長を務めるオンラインサロン「パチンコ未来ラボ」の会員からも辛辣な意見もあった。
 
 こういった催しの是非についてはそれぞれの考え方があるだろうし、賛否が分かれるのは当然といえば当然なのだが、この批判的な意見に拍車をかけたのが、SNS上で個人が勝手に告知する、いわゆる「晒し屋」だ。

 万パチミーの開催は「12月5日、どこかで」とだけの告知だったハズなのに、SNS上では、大崎氏や店舗とは関係のない個人アカウントから店名が告知される事態に。これに対してSNS上では大崎氏を追及する者も散見され、大崎氏は「ガチで門外漢」と説明した。

 結果、SNS上で告知された店舗には当日、多くの人が集まった模様。その出玉状況もすぐさま公開され、それなりに盛り上がったことが窺える。

 様々な意見が飛び交った今回の催し。はたして今後も開催されるのか、動向に注目したいところだ。 

母「死ぬよ!」セクゾ・マリウス活動休止、現場で見せた限界だった精神状態、上智大と両立困難

 2日、Sexy Zone(セクゾ)のマリウス葉(20才)が体調不良のため一時活動休止すると、ジャニーズ事務所は発表した。

 マリウスは先月の11月23日、通院中の病院から処方された薬を過剰に服用したことから気分が悪くなり、住宅街で昏倒。事前に体調がすぐれないことを事務所関係者などに伝えていたため、救急搬送された直後には関係者をはじめ、メンバーの菊池風磨も駆けつけたという。マリウスは体調不良の影響もあり、2日後の25日に放送された音楽番組『ベストアーティスト2020』(日本テレビ系)への出演も断念。セクゾは4人でのパフォーマンスを披露した。

 セクゾといえば、今年8月に約2年間休養をしていた松島聡が復帰し、新たにグループとしてのスタートを切ったばかり。なかでもマリウスは松島と親しく、松島の復帰を心待ちにしていただけに、このタイミングでのマリウスの活動休止に驚いたファンは多いだろう。

「マリウスが通っている上智大学の国際教養学部は、授業に出席しないと落第してしまうんです。過去に同じ学部に通っていたHey!Say!JUMPの岡本圭人は、仕事優先だったことから単位は取れず退学となっていました。さらに、この学部はグループワークでの授業や課題、プレゼンも多くて、授業に来ていないと点数を稼げないんです。学部のシステム上、売れている芸能人が卒業するのは難しいと思います」(上智大学卒業生)

 そんなマリウスの母で元宝塚女優としても知られている燁明さんは今月2日、自身のブログ上に「こんなにたくさん単位取ったら死ぬよ!といつも言っても親の言う事なんて聞かない!」「彼の傷を癒やしてくださる専門家に委ねるしかない」などと投稿。さらに9月からは米スタンフォード大学のオンラインコースも受講して、夜中にオンライン授業を受けていることも綴っていたが、すぐにこれらの投稿が削除されていた。

「もともとマリウスは精神的に繊細な部分があり、年上のメンバーとじゃれ合うと本気で泣いてしまうこともあった。2014年に佐藤勝利、中島健人、菊池風磨の3人がSexy Zoneに残り、松島とマリウスがそれぞれ別のグループ所属となった際には、かなり落ち込み、そんなマリウスを元気付けていたのが松島で、2人の関係はかなり深い。

 そしてマリウスは大学生になってからは仕事の合間は勉強ばかりで、現場で菊池や中島が手伝おうとしても、マリウスは“無理だよ”という感じで断ったり、集中しているせいかメンバーが声をかけても返事をせず、自分の世界に入ったままのこともあった。仕事と学業を両立するために、精神的にも肉体的にも限界だったのは間違いないでしょう」(業界関係者)

 また、別の業界関係者はいう。

「マリウスはとてもリアリストで、メンバーのなかで一番クール。自分の人生は芸能界だけじゃないと考え、そのために大学でたくさん勉強して、興味のあることはいつか仕事にしたいと考えている。現在在籍する学部を卒業するのがいかに難しいかはマリウスもわかっていて、今後も学業優先とならざるを得ず、松島が復帰したことでグループ活動も増えるので、両立はかなり難しくなりそうです」

 ジャニーズでは史上最年少となる11歳でデビューを果たしたマリウス。走り続けてきたのだから、ここで一度、休憩することは悪くないかもしれない。

(文=編集部)

 

JRA霜降り明星・粗品がクリソベリル「100万円」勝負に失敗!! 波乱のチャンピオンズC(G1)を読み解いたあの芸人は60万円以上の配当ゲット!! ギャンブル芸人明暗分かれる

 6日に中京競馬場で開催された秋のダート王決定戦・チャンピオンズC(G1)は、戸崎圭太騎手の4番人気チュウワウィザードが優勝。2着には2馬身半差で3番人気ゴールドドリーム、3着には10番人気インティが入った。単勝1.4倍の1番人気だったクリソベリルは4着に終わっている。

 今年の秋のG1シーズンでは、スプリンターズSから先々週のジャパンCまで1番人気の馬の優勝が続いていた。そのため、クリソベリルも『勝たなくともせめて3着内に入る』と考えたファンも多かったのか、総売り上げこそ前年比97.9%にとどまったものの、複勝に限れば売り上げは昨年の7億5600万5600円から、11億2886万6400円と前年比149.3%を記録。そしてそのうち57.9%にあたる6億5359万6000円がクリソベリルへ投じられていたという。

 その圧倒的な支持を集めた1番人気がまさかの馬券圏外。涙を飲むことになったファンも大勢いたようだが、あの今をときめく芸人もそのひとりになってしまった。霜降り明星の粗品が、クリソベリルの複勝に100万円を投じていたことを自身のTwitterで明かしている。

 粗品はチャンピオンズCが行われる時間帯に、師走恒例となっている世界最大規模の合唱コンサート「サントリー1万人の第九」の総合司会を務めていたという。だが「マネージャーから借りた100万円を、1万人の第九中に、クリソベリルの複勝に賭けてた」といい、さらに仕事の合間縫って結果を確認したところ、「客席で第九聞いて地球終わったんか思いました」と、レース結果が書かれたスクリーンショットをアップするとともに、独特の表現で大金が無に帰したことを報告した。

 粗品はジャパンC開催週にはWIN5に挑戦。28万1600円の勝負に出たが、あえなく失敗していた。それだけにここを外すわけにはいかないと、人気馬に厚く張ったのだろうが、それが裏目に出てしまった。2週連続惨敗した粗品には、ファンからは同情や慰めの声がかけられている。

 今回は1番人気が馬券圏外に終わったこともあり、難解な1戦となってしまった。だがそのチャンピオンズCで、見事に馬券を的中させて株を上げているのが、インスタントジョンソンのじゃいだ。

 じゃいは自身のYouTubeチャンネル「じゃいちゅ~ぶ」で予想を公開。昨年のチャンピオンズCの内容、今回の1戦が行われる舞台の特性などを話しつつ、チュウワウィザード、ゴールドドリームの2頭を高評価。そして、それらの相手としてクリソベリル、アナザートゥルース、タイムフライヤー、アルクトス、クリンチャー、そしてインティの名前を挙げていた。

 そしてレース後、じゃいは「ほら来たー!」とYouTubeで明かした通り、チュウワウィザード、ゴールドドリームの軸2頭マルチから6頭に流す馬券の画像をアップ。36通りの組み合わせで各組300円購入していたため、60万円以上の配当が付いたようだ。

「じゃいさんは『稼ぐギャンブル 5000万円稼いだ芸人が教える50の法則』や『勝てる馬券の買い方』などの著作があるなど、ギャンブルに強い芸人として知られています。2014年にはWIN5で4432万円の配当金を手にしたこともあるそうです。

 今週末には阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)が開催されますが、YouTubeチャンネルではそのレースの予想を生放送する予定なのだとか。悩んでいる方は参考にしてみては?」(競馬誌ライター)

 今週はじゃいのYouTubeチャンネルが注目を集めることになりそうだ。

伊藤文學が語る~日本で最初の同性愛の本『心が破けてしまいそう』

 僕は88歳になるまで、12~3冊ほどの著書を出版している。その最初の本は昭和53年(1978年)に光風社書店からの『心が破れてしまいそう・親兄弟にも言えないこの苦しみはなんだ』だ。

 その帯には「あなたの息子も、あなたの夫も苦しんでいるかもしれない!!今、初めて明らかにされた同性愛の真実の姿!『薔薇族』編集長がとらえた感動の人間愛ドキュメント!850円」とある。

 カバーの裏表紙には薔薇の絵があり、その上に「ROSE BOOKS」とあるから、まだ同性愛の本を出そうと思っていたのだろう。だが僕の本が売れなかったからではないが、すでに経営が行き詰っていたのか、間もなく光風社書店は倒産してしまった。

 今から42年前で、まだ本が売れていた時代なので、たしか刷部数も1万2千部と記憶しているが、印税はもらっていなかった。

 うれしいことに女性の読者からの読後感が多く寄せられてきたことだ。同性愛の読者は購入したとしても手紙はくれない。女性のほうが理解してくれたようだ。

 前書きに僕はこんなことを記している。「同性愛を“薄汚い”と思っている人、“気持ちが悪い”と、先入観から毛嫌いしている人。女好きの年配の男性に、こういう人たちが多いのですが、このような人たちに同性愛を理解してもらおうと思っても、本質的に嫌なのだから、理屈では割り切れないものなのです。

 だからと言って、こういった人たちの息子さんに同性愛者が生まれないという保証は何一つないのです。また兄弟のなかにそういう人がいるかもしれないのです。100人中、6.7人は先天的に好むと好まざるとにかかわらず、同性愛者として生まれてきてしまうからなのです。

 もし、あなたの子供さんが、あなたのご主人が、あなたの恋人がホモだとしたらどうするでしょうか(ホモという言葉は使いたくないのですが、他に言葉がないのです。アメリカの場合は、ホモもレズもゲイと呼びます)それよりも先に、ホモの人たちってどういう人なのか、あなたは知っているでしょうか?

 過去に同性愛の悩みや、苦しみ、また同性愛者でしか分からない喜び、そんなことを書いた本は、ただの1冊もありませんでした。よく取材で来られるマスコミの方々も、同性愛の知識は皆無といっていいでしょう。

 マスコミの人たちが知らないことを、一般の人が知っているわけがありません。今まではテレビによく登場してくる助走の男たち、あの人たちをホモだと思っていたのです。ですから本当のホモたちは、人に言わなければ誰にも知られずに隠れられていたのです。

 本当のホモの人たちといっても、普通のごく当たり前の市民たちなのです。警察官にだって、自衛隊員にだって、お役人にだって、先生にだって、どこにだっているのです。いるのが当たり前で、外見から見てもわかるものではないのです。

 それをある日、突然に自分の息子がホモだと知って泣き叫ぶ母親。病気ではないかと神経科の病院へ、放り込んでしまう母親。自分の亭主がホモだと知って、薄汚いとばかり子供がいるのに、即、離婚してしまう奥さん。

 知らないがための悲劇喜劇は後を絶ちません。この本はそうしたときに、どう判断すべきか、そのときの判断の材料にしてもらいたい。知っているのと、知らないのとでは、判断の仕方が違ってくると思うからです。

 この世の中で、今時親兄弟にも言えない苦しみ、悩みが存在するなんて、だれも考えられないでしょう。それが現実に存在するのです。ほもであること、これだけは口が裂けても、誰にも言えない。心が破けてしまいそうになるくらい苦しいことなのです。

 偶然というか、因縁というか、同性愛の世界をのぞいてしまった一人として、何年も前から考えていたことを、ついに実現させようとしています。それは単行本を世に送り出すことなのです。

 同性愛者でない人たちに、同性愛者の悩みや、苦しみを少しでも理解してもらうための本を……(中略)

 日本のホモたちはあまりにも暗すぎます。彼らを呼ぶ“隠花植物”という言葉が、あまりにもふさわしいのです。

 なんとしても彼らを明るいところへ、陽の当たるところへ、連れ出してあげたい。男が男を愛するということ、どうしても女性を愛せないのだから、これはこれで仕方がないことではないか、人間の業のようなものではないでしょうか。

 都会に住んでいて仲間をたやすく探し求められる人たちはいい。地方に住んでいて孤立しているホモたちはあまりにもみじめすぎます。こういう人たちになんとかして生きる希望を与え、連帯感を持たせてあげたい。」

 この『心が破けてしまいそう』は、戦後出版されたゲイの本では最初で、画期的な本だろう。今から42年も前のことだから。

「この世の中に、この暗い、隠花植物の世界を明るい陽の当たる世界へ持ち出せる者は僕しかいない。ホモではない人間で、ホモの人たちのためになにかした人は、この日本の歴史にいなかったと断言できます。」

 日本という国はだれも僕の残した仕事をほめてくれる人はいない。(もちろん相棒の藤田竜君もそんなことを望んでいたわけではない)

 アメリカのサンフランシスコのゲイパレードに招かれて参加したときに、サンフランシスコの黒人の知事から、ぼくの働きに対して表彰状をいただいたことがあってうれしかった。ロサンゼルスのゲイパレードに女房と二人でオープンカーに乗って、つめかけたアメリカ人の人たちの前で、手を振って歓迎に応えた時の感激を今でも忘れることは出来ない。日本人でこんな経験をした人は誰もいない。

 現在、88歳、『薔薇族』のスタッフはみんなこの世を去っているが、ネットを通じて、ブログ、ツイッターなどを書き続け、一人でも多くの人たちに同性愛を知ってもらうために書き続けたいものだ。