パチスロ「史上初の5thリール搭載機」など「名作」を特集!【祝!プロ野球開幕「特別企画」】

 6月19日、遂にプロ野球が開幕した。

 当初の開幕予定日から約3か月。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から史上初となる無観客での開催ではあるが、ボールがミットに収まる音やバットでボールをとらえた瞬間の音が響き渡るのは何とも心地が良い。

 神宮球場では、普段ならば声援でかき消される解説者の声が選手まで聞こえてしまった…などという珍事件が発生したとはいえ、無観客ならではのカメラアングルも貴重である。

いずれにせよプロ野球がある日常はファンにとって嬉しい限りであろうし、ニュースで試合結果が流れるたび、野球は日本における国民的スポーツなのだということを再認識する。

 パチスロにも、野球をテーマとしたマシンはいくつか存在する。その元祖ともいえるのが、1994年に誕生したマックスアライドの4号機『トリプルクラウンI』である。

 トリプルクラウンとは打率、打点、ホームランと3つのタイトルを獲得した「三冠王」のこと。下パネルにはバットを脇に抱えた野球選手が描かれ、リプレイ絵柄にはボール、REG絵柄には「HOMERUN」と記されたシンプルなデザインが採用されている。

 スベリでボーナスフラグを察知するシンプルな仕様はそこそこヒットし、以降、『トリプルクラウンⅢ』、沖縄仕様の『トリプルクラウンⅡ-30』と続編が登場。

 一部地域ではドーピングが施された超スラッガー、いわゆるBモノ化されたが、今では清流ゲームジャパンによってシリーズ化され、初代から続くバットとボールの告知ランプはしっかりと受け継がれている。

 2001年に高砂電器産業(現・コナミアミューズメント)より発売された同じく4号機の『スロ野球2』は、RT搭載のボーナスタイプ。赤7と青7、2種類あるビッグのうち赤7を狙った場合は制御によってシングルorダブル揃いに振り分けられるのが特徴で、シングル揃いならば平均350枚、ダブル揃いならば約500枚の獲得が見込める。

 約400枚獲得の青7を含めてビッグ後は2分の1でRTへ突入。このRTは100G消化、もしくはビッグ当選で終了を迎える。

 翌2002年には、スポ根漫画の金字塔『巨人の星』がアリストクラートテクノロジーズ(現・クロスアルファ)によって史上初の5thリール搭載機としてパチスロ化。

 成立したボーナスを一旦内部に貯蓄するストック機で、規定ゲーム数の消化とボーナス放出契機のひとつ「リプレイ4連続」を強制的に発生させる「特訓モード」を絡めた連チャンは多くのプレイヤーを魅了した。

 タイトル名が「巨人」なだけに一部熱狂的な「阪神タイガースファン」からは敬遠されたといった話もあるが、それを知ってか知らぬか、後に花形満をフィーチャーした「猛虎パネル」が登場。

 2003年に阪神タイガースがリーグ優勝を決めた際には「優勝パネル」もリリースされ、話題を集めた。

 この巨人の星はシリーズ化され、『Ⅲ』までは4号機、『Ⅳ』『Ⅴ』は5号機としてデビュー。現存する5号機『パチスロ巨人の星~情熱編』に関してはサンセイR&Dのマシンだ。

 同じ漫画のカテゴリーでいえば2007年、JPSの『アストロ球団』も忘れてはならない。出玉増加のメインはボーナスで、通常時72Gの周期消化及びボーナス後はRTへ突入。

 このRTは基本的にチェリー入賞orボーナス成立で終了するのだが、「アストロタイム」へ突入すればチェリー入賞回避のナビが発生且つボーナスを引いても規定ゲーム数消化まで継続する。規定ゲーム数は最大5000Gで、突入時の平均獲得枚数は2000枚に達する。

 原作漫画では、個性溢れる超人的な選手たちがおよそスポーツとは言い難い規格外のプレイを見せる。

 液晶画面はこの原作の世界観を忠実に再現し、自軍が10点以上リードしていればチェリー以外の小役が全ナビされるなどといった細かな機能もある。35点差以上で勝利した場合はアストロタイム突入確定だ。

 ちなみに、このアストロ球団は設定6が分かりやすすぎたことから、どこのホールでも朝イチしばらく回した後は放置状態に。ロングRTを強制的に成立させるゴト手順も発覚し、撤去を余儀なくされた。

 近年では2018年にメーシーから『SLOTファミリースタジアム』が登場。その名の通り、人気野球ゲームをモチーフとしたボーナス+RT搭載機で、「リプ・リプ・ベル」を起点とする「野球演出」には多彩なチャンスパターンが用意されている。 

JRA宝塚記念(G1)5連覇中ノーザンファームで狙うべきはブラストワンピース!? 人気必至のサートゥルナーリアとラッキーライラックが勝てない理由とは?

 今年春の3歳G1レースでノーザンファームは1勝もできなかったが、それでも大阪杯・天皇賞(春)・ヴィクトリアマイル・安田記念を勝ち、古馬に限定すれば無類の強さを発揮した。

 今週行われる宝塚記念とノーザンファームの相性は抜群で、過去5年をすべて勝利と5連覇中。当然今年も負けられないとの思いは強いだろうし、その思惑は大阪杯を回避してここに挑むサートゥルナーリア、ヴィクトリアマイルや天皇賞(春)を使わず大阪杯から直行したラッキーライラック、クロノジェネシス、ブラストワンピースの4頭に繋がっているのだろう。

 しかし過去5年で優勝したノーザンファームの馬を見てみると、意外な事実が判明する。すべて1~2番人気以外の馬が勝利しているのだ。過去5年、それぞれでノーザンファームは出走馬の半数以上となる生産馬を出走させており、それらが上位人気に支持されていたのだが、まさかの結果に。

 これは想定通りなのか、それとも想定外なのか、後者であれば関係者にとっては非常に複雑な心境だろう。

 そんなノーザンファームの有力馬をチェックし、過去の傾向と照らし合わせることで「今年買うべきノーザンファームの生産馬」を見つけた。春の大一番を締めくくるためにも、ここでその狙い馬を公開しよう。

 まずは過去の傾向をおさらいするため、ノーザンファームの宝塚記念過去5年の出走馬と成績をまとめた。

■2019年
リスグラシュー  (3番人気1着)
スワーヴリチャード(6番人気3着)
アルアイン    (5番人気4着)
レイデオロ    (2番人気5着)
エタリオウ    (4番人気9着)
マカヒキ     (7番人気11着)

■2018年
ミッキーロケット (7番人気1着)
ヴィブロス    (3番人気4着)
ダンビュライト  (5番人気5着)
サトノダイヤモンド(1番人気6着)
ステファノス   (11番人気7着)
パフォーマプロミス(4番人気9着)
サトノクラウン  (6番人気12着)
アルバート    (15番人気13着)
ゼーヴィント   (9番人気14着)

■2017年
サトノクラウン  (3番人気1着)
ミッキークイーン (4番人気3着)
シャケトラ    (2番人気4着)
レインボーライン (7番人気5着)
ミッキーロケット (8番人気6着)
シュヴァルグラン (6番人気8着)

■2016年
マリアライト   (8番人気1着)
ドゥラメンテ   (1番人気2着)
ラブリーデイ   (4番人気4着)
ステファノス   (7番人気5着)
サトノクラウン  (9番人気6着)
シュヴァルグラン (5番人気9着)
カレンミロティック(14番人気11着)
タッチングスピーチ(16番人気12着)
フェイムゲーム  (12番人気17着)

■2015年
ラブリーデイ   (6番人気1着)
デニムアンドルビー(10番人気2着)
ディアドラマドレ (8番人気6着)
レッドデイヴィス (12番人気7着)
ラキシス     (2番人気8着)
トウシンモンステラ(16番人気10着)
トーセンスターダム(9番人気12着)
カレンミロティック(5番人気13着)
アドマイヤスピカ (14番人気16着)

 この5年でわかることは、ノーザンファームはかなり宝塚記念に力を入れているということだ。出走頭数を見てみると、2019年12頭中6頭、2018年16頭中9頭、2017年11頭中6頭、2016年17頭中9頭、2015年16頭中9頭と出走馬の半数以上がノーザンファームの生産馬だ。

 これは7月に行われるセレクトセールのアピールも兼ねているといって間違いないだろう。

 そして実際に5年連続勝利を達成しているのだから、これはノーザンファームの思惑通りといっていい。しかし優勝馬に関しては狙い通りとはいえないかもしれない。というのも、宝塚記念に出走したノーザンファームの1~2番人気馬は、5頭すべてが敗退と結果を残せていないのだ。

 この傾向を今年に当てはめれば、1~2番人気になるであろうサートゥルナーリアとラッキーライラックにとって逆風となるデータだ。

 逆に勝利に向けて追い風となるノーザンファームの生産馬はどれか。まず人気でみれば3~8番人気が狙いとなる。過去5年の優勝馬は3・7・3・8・6番人気なので、今年もそこにチャンスがあるだろう。さらに前走がG1レースか重賞レースに出走し、G1レースなら9着以内、重賞レースなら2着以内の成績が必要。そして過去4走以内で2着以内に好走しているという実績も必要だ。

 今年出走するノーザンファームの生産馬は以下の7頭。

・アドマイヤアルバ
・クロノジェネシス
・サートゥルナーリア
・ダンビュライト
・ブラストワンピース
・ラッキーライラック
・ワグネリアン

 前述の傾向を踏まえると、今年の狙いはただ1頭、ブラストワンピースしかいない。同馬はおそらく3~5番人気あたり。そして上記の成績や実績がすべて当てはまる。この馬は2着と3着がなく、勝つか大敗かのどちらか。しかも3歳春以降から勝利と凡走を繰り返しているので、前走の大阪杯で凡走したのは逆にプラスともいえる。そして過去5年で4勝している8枠というのも心強い。サートゥルナーリアとラッキーライラックに人気が集まるのも好都合であり、ここは同馬の激走に注目したい。

JRAオルフェーヴル「復活」に池添謙一号泣! 宝塚記念(G1)プレッシャーに打ち勝った「グランプリ男」はモズベッロで大仕事!?

 今週28日に阪神競馬場で行われる宝塚記念(G1)は、上半期最後のG1であり、ファン投票で選ばれた馬たちを中心に出走してくる。

 その中、ファン投票55位でまだ知名度が低いモズベッロ(牡4歳、栗東・森田直行厩舎)が出走。3勝クラスの身でありながら今年1月に日経新春杯(G2)を優勝し、次走の日経賞(G2)も2着で、今年急成長してきた4歳馬だ。

 初G1挑戦の天皇賞・春(G1)は7着だったが、今回は一旦リフレッシュ放牧に出され、さらにパワーアップが見込めそうだ。本格化したモズベッロに3走騎乗した池添謙一騎手が、今回も継続騎乗する。

 池添騎手といえば、有馬記念4勝、宝塚記念3勝で計グランプリ7勝を挙げ、武豊騎手と並びグランプリレース最多勝利騎手である。モズベッロにとって心強いジョッキーだ。

 この宝塚記念での池添騎手の活躍というと、2005年にスイープトウショウでグランプリ初優勝を飾り、のちに有馬記念も勝つドリームジャーニーで2009年に優勝。他には、2015年に人気薄のショウナンパンドラを3着に持ってきたり、2014年はカレンミロティックを2着に持ってくるなど、池添騎手が“グランプリ男”と言われる理由がわかる活躍ぶりだ。

 そんな数々のドラマを宝塚記念で見せてきた池添騎手だが、一番印象的だった宝塚記念は、2012年のオルフェーヴルの涙の勝利であろう。

 これまで数々のクラシックレース、古馬G1を勝ってきた池添騎手は、プレッシャーに強い騎手と言われているのだが、その中でもこのレースは「究極のプレッシャー」が掛かったレースと言える一戦だった。

 この年の春、オルフェーヴルはスランプに陥り、阪神大賞典(G2)では4コーナーで大暴走し、かなりの大外を回しての追い込みで届かず2着。天皇賞・春(G1)は折り合いを欠いて、全くいいところがなく11着惨敗に終わる。

「オルフェーヴルは昔から気性難で引っ掛かりやすいのですが、この時期は制御が効かず、春の2戦は凡走を繰り返しました。そのため次走の宝塚記念の結果次第では、凱旋門賞の再挑戦白紙という事態に陥りそうな大ピンチを迎えていたのです」(競馬記者)

 いよいよ後がない陣営は、宝塚記念に向けて懸命にオルフェーヴルを調整し、池添騎手は只々、オルフェーヴルの復活を信じて騎乗するしかなかった。

 スタートの時を迎えたオルフェーヴルは、出遅れることなくきれいに飛び出す。池添騎手は、まわりの馬を行かせて中団でレースを進めていくことを選択した。ネコパンチがガンガン逃げる展開で、ある程度レースが流れたので、オルフェーヴルを馬群の中に入れて、他の馬に囲まれながら折り合いをつけて進めた。

「ここ2走は大外枠だったことで、外目を進んでいったのですが、流れが遅く引っ掛かってしまい、折り合いがつきませんでした。今回は、6枠11番だったので、外目を進むこともなく、池添騎手は他の馬で壁を作り、オルフェーヴルの折り合いに専念していたようです」(同)

 4コーナーでスピードが上がると、直線は外目が比較的馬場が良いため、他馬は外側に流れて行き、インが空いた。そこを池添騎手は狙い澄ましていたかのように、オルフェーヴルの進路を内側に素早く取った。荒れ馬場は関係なく、末脚弾けて追い込んだ。優勝を確信したファンの大声援の中、オルフェーヴルは1着でゴールを駆け抜けていったのだった。

 初めて「ジョッキーを辞めたい」とまで思ったという池添騎手だったが、投票1位に選んでくれたファンに対して、オルフェーヴル復活を見せることができた。

 レース後に池江泰寿調教師が「(今日のオルフェーヴルは)いい時に比べると7分くらいの出来」だったと語っていた。池添騎手は、そんな状態であってもオルフェーヴルの底力を信じていたため、荒れた馬場の内側を選択することができたのだろう。

 勝利ジョッキーインタビューでは「ここまで本当にキツくて……勝てて本当に良かったと思います。沢山の方に競馬場に足を運んでもらって、この馬の力をやっと見せることが出来ました」と涙ながらに語った。

 今年の宝塚記念だが、池添騎手が乗るモズベッロは人気も低いと思われる。

 オルフェーヴルの時と比べれば、プレッシャー無く乗ることができるだろう。これまで人気薄でもG1を勝っている池添騎手だけに、ここは大胆な乗り方でグランプリ勝利数新記録を樹立してもらいたいものだ。

大きなスロットマシンから小さなパチスロへ~「パチスロパルサー」後編~【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.07】

 
 昭和55年、パチンコのシマにすっぽり収まるように小型化されて誕生したパチンコ型スロットマシン、略してパチスロ

 その史上初のマシンとなった『パチスロパルサー』は、いかにしてダウンサイジングを実現したのだろうか。

 最も大きな決め手となったのは、スロットマシンの命とも言えるリールを駆動する部分の近代化だ。

 昭和39年に最初に登場したオリンピアマシンにしろ、昭和51年に誕生したジェミニにしろ、リール駆動システムはアナログな機械式だった。

 まず、レバーを引くとスプリングの力でリールが回転する。そしてストップボタンを止めるとストッパーがリールを停止させ、各リール横に備えられた溝の切られた円盤によって停止絵柄を判別し、役が揃った場合はメダルを払い出す。

 以上が、機械式スロットマシンの基本的な動作の流れである。基本的な機構は19世紀末に考案されたものだが、すべてを機械の連動で行う非常に手の込んだ大がかりなものだった。

 そもそも、揃った絵柄を判別して払い出しを行うということは、極端な話、目押しで自在に役を揃えることができるわけで、上手い客ばかりが来ると店は営業が成り立たなくなる。

 オリンピアマシンの後期やジェミニの頃になると、リール停止のタイミングをズラす電気回路を付加して、狙い打ち対策を行った。

 しかし、やがてはそのズレを計算に入れて正確に狙い打ちをする猛者も現れるなど、対策は決して万全なものではなかった。

 そこで考えられたのが、現在のパチスロのようなコンピュータによる役抽選とステッピングモーターによるリールコントロールシステムである。

 ステッピングモーターとは、パルス電圧によって動作角度を自在に制御できるモーターのことで、パルスモーターとも呼ばれている。
 
 元々は、工業用ロボットなどのために考案されたものだが、それ自体がコンパクトなうえに簡単な回路構成で正確な動作が可能ということで、リール駆動部分の簡素化にはもってこいだった。

 かくして、電子化と小型化を両立した史上初のパチンコ型スロットマシン、パチスロパルサーは誕生。近代パチスロの世が開けたのである。

 ちなみに、現在も山佐の定番ブランドとして受け継がれる「パルサー」というネーミングについてだが、これには諸説ある。

 ひとつは、前出のパルスモーターに由来するというもの。もうひとつは、当時人気だった同名の日産のコンパクトカーだ。

「小型で経済的、しかも高性能。まさに、うちの新型スロットマシンと一緒じゃないか」

 開発会議の場で、そんな話が出たとか出なかったとか。

 

 ともかく、パチスロパルサーの登場はスロットマシン業界に一大革命を巻き起こし、競合他社も同様の近代的かつ小型化されたパチスロを開発・発表するなど追随した。

 またこの時期、業界の発展を目指してメーカー団体である日本電動式遊技機工業共同組合、略して日電協が設立された。

 加盟メーカーは当初10社だったが、2年後の昭和57年には20社に増加。パチスロ機の設置台数も10万の大台に近づくなど、着実にパチスロは新たな遊技文化として普及してゆくのであった。

(文=アニマルかつみ)

『サザエさん』の生みの親・長谷川町子が幼少期に見せていた才能の片鱗

 

 休日が終わる日曜日の夕方にテレビをつけるといつもやっているアニメ『サザエさん』。昨年、放送50周年を迎え、「世界で最も長く放送されたテレビアニメ番組」としてギネス世界記録更新。さらに今年は『サザエさん』の原作者である長谷川町子さんの生誕100周年でもある。

『サザエさんと長谷川町子』(工藤美代子著、幻冬舎刊)では、『サザエさん』出版を家業として姉妹社を立ち上げた長谷川家の三姉妹の人生の光と闇を綴る。

 町子さんは大正9年佐賀県生まれ。漫画家デビューは早く、15歳ですでに天才少女として世に持て囃された。それから72歳で亡くなる5年前まで漫画を描き続けた。

 当時は女性が職業を持つことすら珍しい時代であり、漫画家として活躍する女性は前例がなかったようだ。女性漫画家のパイオニアとして新天地を切り拓き、没後30年近く経た今も、町子さんのサザエさんは不動の人気を誇る。

 そんな彼女はどのような子供時代を過ごし、どんな絵を描いていたのか。町子さん自身、2、3歳くらいから大量に絵を描いていたと語り、小学校1年性の時には同級生に、かんざしから手の指の1本1本の細部まできれいにきちんと描かれた花嫁の絵を描いていたという。

 また、町子さんと小学校から女学校まで同級だった親友は「長谷川さんは、ちょっとそそっかしくてお転婆さん。少しわがままで茶目っ気たっぷり」と町子さんのことを表現する。

 教室では教科書を立てて置き、そのかげで授業をしている先生の似顔絵を描いていた。先生に見つかると怒られ、廊下に立たさる。そんな仕打ちを受けて悔しい町子さんは、うっぷん晴らしに先生の癖を漫画に描く。それを他の児童に回して見せていたという。

 絵を描き、お転婆な少女時代を過ごした町子さんは、この頃から後に人気漫画家となる片鱗を見せていたようだ。

 新型コロナウィルスの影響で『サザエさん』の新作は1カ月休止していたが、6月19日から新作の放送も再開。国民的漫画であるこの作品は広く知られていても、長谷川町子さんとその家族の一生はあまり知られていないかもしれない。彼女がどんな激動の人生を歩んだのか、を知れば『サザエさん』を今よりもっと楽しめるのではないだろうか。
(T・N/新刊J P編集部)

※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

公選法容疑の菅原前経産相、東京地検が「謝罪したから」と不起訴…秘書の供述“握り潰し”

 地元有権者に秘書が香典などを提供していたとして、公選法違反(寄付行為)容疑で告発されていた前経済産業相菅原一秀衆院議員(58)が不起訴処分(起訴猶予)になった。東京地検特捜部が25日、発表した。事実上の無罪放免ともいうべき措置で、インターネット上では怒りの声が広がっている。元東京地検検事の郷原信郎弁護士も「#菅原前経産相の不起訴に抗議します」とのハッシュタグを自身のTwitterアカウントで拡散した。菅原氏はなぜ起訴されないのか。郷原弁護士に聞いた。

 共同通信は26日、記事『特捜部、辞職を考慮し起訴猶予 菅原前経産相への公選法違反告発』で、地検特捜部の見解を「経産相を辞し、公の場で事実を認めて謝罪したことなどを考慮した」と説明。そのうえで、以下のように報道した。

「菅原氏は『告発されたことを重く受け止めるとともに、不用意に行ったことを心から反省し、深くおわび申し上げます』とのコメントを出した。

 特捜部は、支援者らの葬儀の大半では菅原氏が自ら弔問し、秘書らが香典を持参したのは例外だった点を考慮。『公選法を軽視する姿勢が顕著とは言えない』と判断した」

 つまり、「菅原氏が経産相を辞任し、謝罪した」「香典を持って行った回数は秘書より、『自身が持参する香典』のほうが多かった」ので不起訴にしたというのだ。

 これに対して郷原弁護士はTwitterで以下のように反論している。

「【大拡散‼】免許持って運転する人がスピート違反して赤切符切られたら罰金払う。選挙で当選した国会議員の公選法違反が発覚したのに、『大臣辞めた』『謝罪した』から罰金も払わないで済まされる。そんなことが罷り通るのか?もう誰も交通違反の罰金など払わない。#菅原前経産相の不起訴に抗議します」(原文ママ)

郷原弁護士「まず秘書が訃報を収集して、菅原氏が行くか判断」

 巷間では「謝ってすむなら、警察(検察)はいらない」というのが常識だが、いったいどういうことなのか。菅原氏の秘書の代理人も務める郷原弁護士は次のように語る。

「常識では考えられない。謝罪と辞任は不起訴の理由になりません。秘書の香典持参について菅原氏は『選挙が目的ではなく、弔意を示すべき人物の葬儀に参列したまでで、どうしても自身でそれができない場合に、例外として秘書に香典を持たせて参列した』などと述べています。事実はまったく逆です。なぜ地検特捜部が菅原氏の供述をすべて鵜呑みにしているのか甚だ疑問です。

 こちらが検察に提出した供述は『まず選挙区内で誰かが亡くなったという情報を秘書が入手する。当然、菅原氏本人がその情報を入手することもあるが、区内で議員と関係している人が亡くなったら香典を出すということは決まっていた。いくらにするのかを菅原氏が決める。実際に菅原氏が行かないと顔が立たない場合には、例外的に菅原氏本人が参列する』というものです。菅原氏は秘書にすべての責任を転嫁するような発言を続けていますが、許しがたい行いです」

 一連の菅原氏の疑惑に、自民党衆議院議員の関係者は「国政、地方問わず議員事務所の秘書の朝は、地元新聞の訃報欄を確認するところから始まる。菅原さんの件を立件されたら、これまでずっと地域で行ってきた政治活動ができなくなる。有権者と議員の人間関係を壊すのか」などと話す。だが知人や恩人に哀悼の誠を示すのと、葬儀を口実に選挙区民を取り込むことは、似て非なるものではないのだろうか。

(文=編集部)

 

菅原一秀前経産相、選挙違反を認めたのに不起訴処分…裏で自民党と検察が“司法取引”か

 国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。

 国会は閉会しましたが、永田町は相変わらずざわついています。大きな原因は、やはり前法務大臣の河井克行衆議院議員と河井案里参議院議員の夫妻が公職選挙法違反容疑で逮捕されたことですね。去年の参議院議員選挙で広島県内の首長や県議、町議など94人に現金を配布していたことが明らかになり、三原市の天満祥典市は現金の受け取りを認めた上で辞職を表明しました。

 おそらく、小選挙区制度になってから最大規模の買収行為ではないでしょうか。ここまで大きくなったのは「ドケチ夫妻」の純粋な収入からだけでなく、自民党からの1億5000万円もの原資があったからこそ、です。

 これには、さすがに自民党内からも憤りの声が続出しています。なぜ河井夫妻にだけ、こんなにたくさんのお金が流れたのか。これから解明されるのでしょうが、今後、自民党本部はどんな重点候補に対しても、1億5000万円もの支出は二度とできないでしょう。内部の決裁機能も強化されるでしょうからね。

 通常なら選挙関連の資金は党の選挙対策委員長に決裁権があるはずですが、この規模の金額だと、二階俊博幹事長から指示されたと見るのが妥当ですね。それも、安倍晋三首相筋から二階幹事長へ連絡がいくルートだと思います。もちろん、さすがに安倍首相本人が二階幹事長へ直接伝えることはないと思いますが……。実際のところはどうなんでしょうか。

逮捕当日に起きた河井克行議員の“脱走問題”

 6月18日の逮捕当日、克行議員の身柄について、ちょっとした騒ぎがありました。逮捕前日に赤坂の議員宿舎に入る姿は確認されているものの、いつ出て行ったのかが不明だそうです。マスコミに追いかけられたくなかったのでしょうね。

 この「脱走問題」について、知り合いの週刊誌の記者と、ボスが逮捕された経験のある秘書たちと一緒に、脱出方法を探ってみました。真相はわかりませんが、おそらく宿舎の地下1階の駐車場入り口に第三者の乗用車を用意して乗り込み、後部座席かトランクに隠れたのだろうという結論になりました。

 どちらにしろ、衆議院議員・前法相とは思えない姿で宿舎を出て、検察が指定した場所まで移動したと思われます。身から出た錆とはいえ、情けないですね。

 克行議員といえば、現在は立憲民主党の参議院議員で、以前は広島県内の選挙区で国民新党に所属していた塩村文夏議員を尾行していたことを「週刊文春」(文藝春秋)が報じていました。警察OBの“探偵”に依頼して、3カ月も尾行させていたそうです。塩村議員は気づかなかったそうですが、本人によると「これまでも尾行や盗撮は何度かあった」そうです。

 実は、その人物は神澤も知っているのですが、「プロってすごい!」の一言です。逆に言えば、調査対象者になった場合、自分の気づかない間に情報収集されている可能性があるということで、背筋が凍ってしまいます。

 一方で、文春が河井夫妻の買収疑惑をスクープしたときは、車3台分の人員を広島に送り込み、13人のウグイス嬢へ同日の同時刻に一斉に突撃取材したそうですから、これまた警察並みの機動力ですよね。良くも悪くも、ターゲットになったら人生おしまいということです。

菅原議員が不起訴の裏に自民党との司法取引?

 そんな余談もあって、秘書仲間と盛り上がっていた最中、前経済産業大臣の菅原一秀衆議院議員の不起訴処分の速報が入り、一同驚きました。これまで多くの証拠や証言が出てきていたので、「さすがに起訴はされるでしょ」というのが永田町の住人たちの大方の見解だったからです。

 菅原議員の公設秘書が選挙区内の有権者に香典を渡していた現場がスクープされ、公選法違反の疑いで告発されていましたよね。ほかにも、選挙区内で贈答品を送ったり、「会費」と称して寄付を行っていた裏帳簿の存在が明らかになったり、公選法違反は明確でした。菅原議員自身も、16日に記者会見で公選法違反を認めて謝罪しています。それなのに、東京地検特捜部は不起訴処分(起訴猶予)にしたのです。納得がいきませんね。

 一部では、菅原議員は次の選挙では到底勝てないだろうから、議員辞職させて10月に補欠選挙をするのではないかとも言われていただけに、なんともスッキリしません。

 神澤は、自民党と検察上層部の間に「高度な司法取引」があったと見ています。16日に菅原議員が自民党本部で会見を行ったあたりから、なんか腑に落ちないことが多かったのです。

 まず、会見のタイミングです。東京地検の事情聴取を受けていたことが報道される「直前」でした。そして、会見の場所です。自民党本部が場所を提供するということは、菅原議員の不起訴が前提だったはずです。起訴されるような議員ならば、即離党。それが自民党ですから。

 とはいえ、25日に不起訴の連絡を受けるまで、菅原議員は気が気でなかったはずです。新型コロナでの自粛期間中も女性と焼肉デートを楽しむ余裕があった菅原議員ですが、ここ最近はおとなしくしていたようです。不起訴を受けて、また表情が明るくなり、遊び出すかもしれないと思うと、「東京地検は尻込みするんじゃねえ!」と言いたい気分です。きっと、現場の検事も忸怩たる思いでしょうね。

 検察にとって、菅原議員の不起訴は河井夫妻の起訴に焦点を絞るという決意の表れなのかもしれません。首相官邸としても、河井夫妻の身柄を差し出す代わりに、菅原議員については勘弁してもらったのでしょう。

 そして、もうひとり、谷川弥一衆議院議員(長崎3区)の選挙区でも選挙違反容疑で逮捕者が続出していますが、谷川議員はもう高齢で次の選挙には出馬しないでしょうから、そっちは粛々と捜査するスタンスなんでしょうね。

 いずれも、国民感情とはかけ離れた物差しで起訴するかどうかを決めているのが見え見えです。「検察の正義」なんて、たかが知れていますね。心底がっかりしています。

(文=神澤志万/国会議員秘書)

JRA「26戦全敗」社台RHの悲願達成へ! 宝塚記念(G1)と好相性のステイゴールド産駒がまたしても大暴れか!?

 28日(日)、阪神競馬場では上半期を締めくくる一戦、宝塚記念(G1)が開催される。スティッフェリオ(牡6歳、栗東・音無秀孝厩舎)は6歳を迎え、ここ2戦続けて人気薄で好走。好メンバーがそろったここでも一発を狙う。

 重賞3勝の実績を誇るスティッフェリオだが、昨年までG1の舞台では5戦して「14着→7着→7着→12着→13着」と掲示板にも載れずにいた。しかしG1・6度目の挑戦となった前走の天皇賞・春では、3番手から早めに抜け出し、驚異の粘り腰を発揮。ゴール寸前でフィエールマンに交わされたが、ハナ差2着という接戦を演じた。

 6歳で本格化の兆しを見せるその姿は、7歳時に香港でG1初制覇を飾った“遅咲き”の父ステイゴールドを思い起させる。父の産駒は宝塚記念にめっぽう強く、2009年から14年までの6年間で4頭(ドリームジャーニー、ナカヤマフェスタ、オルフェーヴル、ゴールドシップ=2勝)が実に5勝を挙げている。

 しかし、ステイゴールド自身は現役時代、宝塚記念に4度出走したが一度も勝つことはなかった。

「父(のステイゴールド)は4歳時に初めて出走した宝塚記念(1998年)で9番人気の低評価を覆し、サイレンススズカの2着に入りました。翌年はグラスワンダーとスペシャルウィークに大きく離されましたが、7番人気で3着と好走。6、7歳時はいずれも5番人気で4着に入るなど4戦全てで人気を上回る着順という好結果を残しました。

ステイゴールドの血を受け継いでいるスティッフェリオなら今年も人気以上の好走は間違いないでしょう。昨年は8番人気で7着でしたが、この春の充実度は昨年以上。前走のような展開に持ち込むことができれば、一発の可能性はあると思いますよ」(競馬誌ライター)

 ステイゴールドとスティッフェリオの父子は、ともに同じ社台レースホース(以下、社台RH)の所有馬だ。春のグランプリ制覇は社台RHにとっても長年の悲願である。

 これまで社台RHは、のべ26頭を宝塚記念に送り込んできたが、その成績は「0-4-3-19」。1996年サンデーブランチから、97年バブルガムフェロー、98年ステイゴールドまで3年連続2着という悔しい経験もした。2005年には、ハーツクライがクビ差の2着に入ったが、それ以降は昨年のスティッフェリオまで6頭が出走しているが、馬券に絡むこともできていない。

 この春、突如充実期を迎えたスティッフェリオ。社台RHに悲願の宝塚記念制覇をもたらそうとしている。

JRA 武豊「ベタ惚れ」才女パラスアテナ求めて久々福島へ!? 「能力がある」7年ぶりの「苦行」も意に介さず?

「道中から良い感じで、追ってからもしっかりしていました。能力があります」

 5月23日に行われたカーネーションC(1勝クラス)をパラスアテナ(牝3歳、美浦・高柳瑞樹厩舎)で勝利した武豊騎手は、レース後、相棒のポテンシャルを称賛した。

 パラスアテナは父ルーラーシップ、母ステラリード、母父スペシャルウィークという血統を持つ。半姉たちがダートを主戦場としていたこともあり、同馬も今年の1月にダートでデビュー。だが、2戦したものの、勝ち上がることはできなかった。

 そのため、陣営は芝への転向を決意。するとこれが見事にハマり、吉田隼人騎手を背に向かった4月の福島競馬3歳未勝利(芝2000m戦)を、2着に5馬身差をつけて圧勝。これまでの走りが嘘だったかのように、快勝してみせた。

 そして5月はカーネーションCに出走を果たす。武豊騎手と新コンビを結成したパラスアテナは、5番手の好位で追走。直線で外に出されると上がり最速33秒3の脚を使い、ライバルたちを豪快に交わして芝のレース2連勝を決めた。

「カーネーションCには、ソウルスターリングの半妹であるスパングルドスター、サンデーレーシングで1口200万円で40口募集されたカトゥルスフェリスら、良血馬も出走していました。ですが、それらを歯牙にもかけずに勝利を収めています。

今後、パラスアテナは自己条件戦も視野に入れられていたものの、格上挑戦となるラジオNIKKEI賞(G3)への出走を決めたそうです。所有する『広尾サラブレッド倶楽部株式会社』(愛馬会法人)のHPに掲載された高柳瑞師のコメントによれば『仮に軽斤でも武豊騎手が乗ってくれる』からとのこと。

武豊騎手は例年、この時期は中京競馬場を拠点にしていることが多く、福島競馬に遠征するのは、昨年のラジオNIKKEI賞以来、1年ぶり。このレースにしても、過去10年で騎乗したのは昨年のゴータイミング(3着)、16年のブラックスピネル(5着)の2回のみ。武豊騎手がこのパラスアテナのために福島競馬へ足を運ぶということは、その才能を認めているからだと見ていいはずです」(競馬記者)

 ラジオNIKKEI賞はハンデ戦だ。武豊騎手は『仮に軽斤でも』騎乗を決意しているようだが、1勝クラスの牝馬で格上挑戦に打って出た昨年のサヴォワールエメ、一昨年のロードライト、3年前のバルベーラはいずれも51キロの斤量を背負っての出走だった。1勝クラスのパラスアテナも、斤量が51キロになる可能性がある。

「もしもパラスアテナの斤量が51キロだった場合、武豊騎手がその斤量で重賞に挑むのは、13年のCBC賞(G3)で騎乗したザラストロ以来、7年ぶりとなります。

武豊騎手は2014年6月の自身の日記に、『52キロなら減量なしで騎乗できますし、50キロだってちょっと頑張れば乗れます』と綴っています。これは普段からの節制の賜物ですが、やはり51キロの出走になるとある程度の苦労は伴うはず。しかしそれすらも苦にならないほどの逸材だと考えているのでしょうね」(競馬誌ライター)

 パラスアテナは軽斤量の武豊騎手背に勝利を収め、“夏の上がり馬”として秋を向かることができるのだろうか?

JRAサートゥルナーリアが、ラッキーライラックが陥る自滅!? 「雨」の宝塚記念(G1)に魔境の歴史……アンカツを驚かせた、あの“鬼脚”炸裂か

「今回は直線も短いから、早めの競馬を考えないといけない。ポジション(獲り)が一番大事」

 28日、阪神競馬場で行われる宝塚記念(G1)。1番人気が濃厚なサートゥルナーリアの主戦C.ルメール騎手が、レースのポイントとして真っ先に挙げたのが、やはり「早めの競馬」そして「ポジション獲り」だった。

 その一方、サートゥルナーリアと1番人気を争うことになる、大阪杯(G1)の覇者ラッキーライラックの松永幹夫調教師も「ポイントは位置獲り。前走(大阪杯)みたいに、いいスタートを切れたら、位置も獲れるんじゃないか」と、ルメール騎手とほぼ同様の見解を語っている。

 それに加え、大阪杯でラッキーライラックとほぼ同じポジションから2着したクロノジェネシス、「ラッキーライラックに前に入られて」と福永祐一騎手が序盤のポジション獲りを悔やんだワグネリアン、天皇賞・春(G1)で逃げたキセキ、2番手だったダンビュライト、3番手から2着に激走したスティッフェリオ……。

 これだけを見ても、今年の宝塚記念の「先行争い」が激化することは火を見るよりも明らかだろう。

 それもそのはずだ。昨年の宝塚記念は逃げたキセキが2着で、2番手だったリスグラシューが優勝。3着スワーヴリチャードも4番手、4着アルアインが3番手だったのだから、各陣営が序盤のポジション獲りを意識するのは当然……「勝ちたければ前へ行け」が、宝塚記念の鉄則であることは歴史が物語っている。

 しかし実は、それらはあくまで「良馬場」であればこその話である。

 宝塚記念は6月の梅雨時に行われることもあって、荒れた馬場で行われることでも有名だ。今年も幸か不幸か、週末は雨予報。ただ、気象庁の発表によると雨が降るのは金曜日と日曜日で、それぞれ降水確率50%程度。そこまで強い雨にはならなさそうで、「稍重」や「重」辺りでの開催が想定される。

 その上で、過去5年「良馬場以外」で行われた結果を確認すると「明からな違い」が浮かび上がってくる。

2016年(稍重)
1着:マリアライト(8番人気) 通過順位11-11-10-6
2着:ドゥラメンテ(1番人気) 通過順位13-13-10-9
3着:キタサンブラック(2番人気) 通過順位1-1-1-1

2017年(稍重)
1着:サトノクラウン(3番人気)通過順位7-6-6-6
2着:ゴールドアクター(5番人気)通過順位6-6-6-9
3着:ミッキークイーン(4番人気)通過順位9-9-9-9

2018年(稍重)
1着:ミッキーロケット(7番人気)通過順位7-5-3-2
2着:ワーザー(10番人気)通過順位12-14-13-13
3着:ノーブルマーズ(12番人気)通過順位10-9-7-7

 上記の結果で「勝ちたければ前へ行け」などとは、口が裂けても言えないだろう。どう見ても後方有利の前崩れの傾向である。2016年のキタサンブラックこそ3着に粘っているが「あのキタサンブラックでさえ3着」と述べた方が適切かもしれない。

 実際にキタサンブラックが3着に粘った2016年も、3番人気だったアンビシャス(16着)を筆頭に好位組は壊滅。その翌年にはキタサンブラック自身が、単勝1.4倍を背負って9着に沈んでいる。

 それを踏まえて急浮上するのが、大阪杯で4着だったカデナ(牡6歳、栗東・中竹和也厩舎)だ。

 主戦の鮫島克駿騎手が「絶対に脚を使ってくれる」と、その末脚に絶大な信頼を寄せるカデナは、典型的な後方待機馬だ。前走の大阪杯でも、12頭中11番人気ながら上がり最速となる33.5秒の鬼脚で4着に突っ込み周囲を驚かせた。

「大阪杯の後は、鮫島騎手も『直線では手応え通りに伸びてきて、すごく惜しい内容』と悔しがっていました。Twitterで(元JRA騎手の)安藤勝己さんも『驚いたのはカデナ』と、その名を挙げていましたよ。その大阪杯は3番手から勝ったラッキーライラックを筆頭に、カデナ以外は前に行った馬が上位を独占していました。

実績面では見劣りしますが、今回の宝塚記念で前が止まるようならラッキーライラックやクロノジェネシスと逆転があっても不思議ではないですよ。ディープインパクト産駒でも母の父がフレンチデピュティなら、多少の雨も大丈夫でしょう」(競馬記者)

 1週前追い切りでは、自己ベストにコンマ2秒差に迫る好時計。陣営も「本当に良い」「充実している」と、今回のデキに悔いを残していない。

 そんなカデナが「近10年で7勝」と圧倒的な好相性を誇る8枠に入ったのは、いよいよ“天”の定めか。乾坤一擲の激走へ、舞台は整っている。