NHK映らないテレビ「受信料払う義務なし」の“画期的”判決…NHKが最も恐れる事態か

 テレビ業界にとって衝撃的な判決が出たといえるのかもしれない――。

 東京地裁は26日、NHKを受信できないテレビを自宅設置している場合に受信契約の義務がないことの確認を求めた裁判で、原告の訴えを認める判決を下した。

 この原告は、筑波大学の准教授が開発した、NHKの番組が映らないテレビを3000円で購入し、自宅に設置しているというが、NHK側は実験を行った結果としてこのテレビを受信可能な状態に復元できると主張。だが地裁は「増幅器の出費をしなければ受信できないテレビは、NHKを受信できる設備とはいえない」との判断を示した。

「原告が所有しているテレビは、筑波大の准教授が開発したNHKの信号のみを減衰させるフィルターを装着しているということですが、もしそんなテレビが広く販売されれば大ヒットするんじゃないですかね。判決では『受信できない以上、契約義務はない』と明確に書かれていますが、裁判所がNHKの受信できないテレビの使用を認めた以上、普及すればNHKにとっては受信料減収につながりかねない。その意味では、今回の判決は、NHKがもっとも恐れている事態を招きかねないといえるかもしれません。

 今では若い人だけではなく60代以上の人でも、テレビで地上波の番組はほとんど観ずにアマプラ(Amazonプライム・ビデオ)やネットフリックスばかり観ている人も多いし、NHKをほとんど観ない人も一定数います。今さら“テレビを持っている人は全員、年間1万円以上かかる受信料を払わなければならない”なんていうのは、時代錯誤も甚だしいですよ」(テレビ局関係者)

 人口減少や人々のテレビ視聴習慣の減退により、長期的にはNHK受信料の減収が予想されるなか、今年3月にはNHKの全放送番組をインターネットでも同時に配信できるようにする放送法改正案が閣議決定された。そしてNHK受信料制度等検討委員会が2017年に出した答申は、地上波とネットの常時同時配信について「受信料型を目指すことに一定の合理性があると考えられる」としているが、全国紙記者はいう。

「昨年、最高裁判所は、テレビのワンセグ放送を受信できる携帯電話を持っている人はNHKと受信契約を結ぶ義務があるとする判断を出しました。今の20~40代では自宅にテレビがない人も増えているなか、今後、NHKがネット配信を強化することでテレビを持っていない人からも広く受信料を徴収しようと考えているという見方も強い。

 今回の東京地裁の判決がきっかけとなってNHKが映らないテレビが普及すれば、NHKがスマホやPC所有者からの徴収の実現に本腰になる可能性もあります。ただ、今でも年1万円以上も受信料を取られることに対する国民の抵抗感も強く、今回の判決を“画期的”だと歓迎する声もあり、スマホやPCを持っているだけで受信料を徴収するというのは、世論からの相当な反発も予想されるため、ハードルは高いでしょう」

 いずれにしても受信料をめぐる議論は、NHKにとっては悩ましい問題といえるだろう。

(文=編集部)

 

JRAサートゥルナーリア“最弱世代”のお山の大将!? 宝塚記念(G1)大本命に“過大評価”の声も……。アノ世代を下回りかねない悲惨な状況とは

 来年2月で厩舎の解散が決定している角居勝彦厩舎。言わずと知れた名門厩舎だが、意外にも宝塚記念(G1)は未勝利に終わっている。2012年のルーラーシップ、15年のデニムアンドルビー、19年のキセキと3度の2着はあるが戴冠には至っていない。角居調教師にとって、今年が宝塚記念制覇のラストチャンスとなるのだ。

 そんな角居厩舎はサートゥルナーリア、キセキ、トーセンカンビーナの3頭出しで、悲願達成に挑む。その中でも、1番人気が予想されるサートゥルナーリア(牡4歳、栗東・角居勝彦厩舎)が大本命だろう。

 昨年の有馬記念(G1)ではリスグラシューに5馬身ちぎられたが、歴戦の古馬相手に2着と大健闘したサートゥルナーリア。今年の始動戦・金鯱賞(G2)を危なげない走りで勝利し、宝塚記念へとコマを進めてきた。阪神コースは神戸新聞杯(G2)で3馬身差をつける圧勝をした舞台のため、コース替わりはサートゥルナーリアにとって大歓迎だろう。

 また、1週前追い切りは栗東・CWコースで、6ハロン79秒8、ラスト11秒2の超抜時計を記録。最終追い切りは坂路で4ハロン51秒3、ラスト12秒2をマークし、万全の仕上がりを見せている。皐月賞(G1)以来のG1・3勝目に向けて、舞台は整ったはずだ。

 だが、サートゥルナーリアは“過大評価”されているという意見もある。

「昨年の有馬記念では2着に好走していますが、レース展開が向いたという側面があります。後方からレースを進めた馬が上位を独占しており、サートゥルナーリアもその1頭。さらにフィエールマン、キセキといった古馬の強力なライバルは海外からの帰国初戦だったため、ベストな状態ではなかったはずです。

古馬初対戦となった天皇賞・秋(G1)では6着に敗れてますし、金鯱賞もメンバーが手薄だったことを考えると、そこまで評価できないですね。今回で力関係がはっきりするはずです」(競馬記者)

 さらにサートゥルナーリア世代には“最弱世代”の疑いもある。

 実は、現4歳世代の牡馬は未だにJRAの古馬芝G1を勝利した馬が1頭もいない。昨年のスプリンターズSに始まり、天皇賞・秋、マイルCS、ジャパンC、有馬記念、今年の高松宮記念、大阪杯、天皇賞・春、安田記念まで、すべて年長馬か同世代の牝馬に負けてしまっているのだ。

 これは過去に「最弱世代」とも揶揄された09年にクラシックを迎えたロジユニヴァース世代以来のことである。

 サートゥルナーリアがこれまで激闘を繰り広げてきた同世代のライバルで、ダノンキングリーは毎日王冠(G2)、中山記念(G2)を勝利し、大阪杯(G1)でも3着と健闘している。だが、それ以外は不振にあえいでおり、ヴェロックスは小倉大賞典(G3)で9着に惨敗、ワールドプレミアは体調が整わず春全休といった状況だ。同世代が結果を残していれば、自ずとサートゥルナーリアの評価も上がるのだが、そうはいっていない。

 ちなみに、ロジユニヴァース世代の牡馬が初の古馬芝G1を制したレースが宝塚記念。この時、勝利したのは8番人気の伏兵ナカヤマフェスタだった。

 今年、サートゥルナーリア以外で宝塚記念に出走する4歳牡馬は、トーセンカンビーナ、レッドジェニアル、メイショウテンゲン、モズベッロの4頭。各馬人気薄が予想されるため、ナカヤマフェスタの再来を期待するファンは、こちらを狙ってみるのもありかもしれない。

 最弱世代疑惑の持たれる現4歳の総大将サートゥルナーリア。宝塚記念を勝利して、世代代表の意地を見せることができるだろうか。もし負ければ、最弱世代の烙印を押されてしまうかもしれない。

 今年の宝塚記念は、4歳牡馬の健闘を祈りたい。

綾野剛、舘ひろし出演の映画『ヤクザと家族』監修で見た壮絶な撮影現場【沖田臥竜コラム】

 一言でいえば、映画の撮影現場は、強烈な“オトナの文化祭”といったところだろうか。関わる人々からは、仕事という枠には収まりきれない、思い入れや情熱が溢れていたのだ。それだけに、1カ月を超えた撮影現場での日々の思い出は尽きない。

 筆者は、来年公開予定の映画『ヤクザと家族 The Family』で監修、所作指導を務めた。同作の主演は綾野剛。脇を支えるのが舘ひろし。現在発表されているキャスティングはその2名のみだが、そのほか日本を代表する俳優たちが顔を並べている。

 まさか、小さな頃からテレビで観ていた舘ひろしさんに、撮影中ずっと「先生」と呼ばれることになるなんて想像したことがなかった。舘さんは、一つひとつのお芝居の際に演技指導していた筆者に対して、終始「先生〜、今のどうだった〜?」となごかな笑顔で確認してくれるのである。

 舘さんから醸し出されるオーラは、周囲を圧倒するほどであった。そんな人が筆者のような人間に、敬意を示しながら、演技の是非を尋ねてくれるのだ。撮影現場は想像を絶するほど過酷だったのだが、いつもそうした一言に感動し、奮い立たされた。舘さんから「先生」と呼ばれる経験は、筆者の人生で間違いなく「宝物」と呼べるものだろう。

 そして、綾野剛さんである。いわずと知れた、芸能界の第一線で活躍しているスターだ。筆者は、撮影前に行われる衣装合わせから立ち会うことになったのだが、この時、初対面となった綾野さんと接し、なぜ彼が第一線で活躍し続けているのか、すぐに肌で感じさせられた。お芝居に対する情熱と、誰に対しても分け隔てなく行う気配りが素晴らしいのだ。今の自身のポジションにあぐらをかくことなく、おごりなど皆無なのである。

 それにしても映画の撮影は本当に大変で、拘束される時間が長く、素人には理解できないこだわりに付き合わされるため、何度もくじけそうになった。辛すぎて「もう辞めよう……」とばかり考え、途中降板するためのもっともらしい理由はないものかと、いつも考えていたように思う。だが、そんな時に綾野さんは決まって、「沖田さ〜ん!」と屈託ない表情で声をかけてくれた。今思えば、あの時、筆者は別の暗い世界にいたのだろう。

「沖田さん〜、映画の撮影は大変でしょう? でもね、これがやみつきになってくるんですよ〜」

 筆者がたたずむ暗い世界に、眩しいほどの笑みを浮かべて綾野さんが足を踏み入れ、そこに明るさを取り戻させてくれた。綾野さんのそんな言葉に、筆者はその時にブルンブルンと首を振っていたのだが、今なら意味がわかる気がする。現に『ヤクザと家族』の監修の仕事が終わってすぐにやってきた連続ドラマの監修の仕事も、大変だと知りつつも受けていたのだった。綾野さんが言うように、作品を作る人々の情熱に、筆者もいつしか魅力され、やみつきになっていたのかもしれない。

 辛いと思った仕事をやり遂げられた理由は、それだけじゃなかった。作品の舵を握る監督の存在。それが本当に大きかった。

『ヤクザと家族』のメガホンを握ったのは、映画『新聞記者』で今年の日本アカデミー賞を受賞した藤井道人監督。まだ33歳という藤井監督もまた天才と呼ばれる人種だろう。その上で、強烈なリーダーシップを発揮して、メガホンを握り続けるのだ。筆者よりもひと回りも下という若さなのに、その姿勢には勉強させられるところがたくさんあった。そして、人柄がすごく良いのだ。藤井監督には、「この人のために――」と周囲が一丸となって彼を支えようと思わせるような人間性が兼ね備えられていた。もしも藤井監督でなければ筆者は、一見冷たく過酷な映画独自の制作文化に飲み込まれてしまい、途中で限界を感じていたかもしれない。そうしたなかで、オールアップを迎えた際、筆者の性格をよく知る知人たちは、「最後までよくがんばった」と久しぶりに褒めてくれたのだった。

 そんな作品に筆者が携わることになったきっかけは、ある若手の助監督が筆者の著作を読んでくれたことだった。『ヤクザと家族』の監修には沖田臥竜が適任だと判断し、監督たちに猛烈にアピールしてくれ、「この人を口説いてよいですか!」と言ってくれたのだ。

 そんな助監督に対して、撮影中には厳しい意見を述べたり、叱責したりして、時に号泣されたこともあった。彼が筆者の担当ということもあり、まだ若い彼に作品に関すること以外にもいろいろな話をした。

 自分でも十分理解しているが、筆者は立派な人間では決してない。取り返しのつかない過ちだって数多く犯してきている。だからこそ、今後は同じ過ちは犯さないと決心し、新たな道でペンを握り続けた。その思いは今でもたいして変わってはいないが、寝る間を惜しんで働き続けたおかげで、普通に生活はできるようにはなっている。その挙げ句に来た今回の仕事。

「沖田を起用して、本当に大丈夫なのか?」という言葉も一部にはあったであろうなか、助監督の一言をきっかけに、監督をはじめ、この映画に携わったすべての人々が、監修および所作指導役として筆者を押し切ってくれたのだ。こちらとしても、その勇気ある決断を後悔させないために、期待に全力で応えようと思ってやってきた。その思いは、撮影が終了した今後も変わらない。

 平成、そして令和のヤクザの姿を描いた映画で、『ヤクザと家族』のリアリティに勝るものはないという自負がある。すごい作品である。少し気が早いが、来年、劇場で観ていただければ幸いだ。

(文=沖田臥竜/作家)

●2021年公開・映画『ヤクザと家族 The Family』公式サイト
https://yakuzatokazoku.com/

●沖田臥竜(おきた・がりょう)
2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、『山口組分裂「六神抗」』365日の全内幕』(宝島社)などに寄稿。以降、テレビ、雑誌などで、山口組関連や反社会的勢力が関係したニュースなどのコメンテーターとして解説することも多い。著書に『生野が生んだスーパースター 文政』2年目の再分裂 「任侠団体山口組」の野望』(共にサイゾー)など。最新小説『忘れな草』が発売中。

パチンコ「盤石」の右打ちモード!歴史に燦然と輝く「名機」に!?

「最強!」「死角なし!」と目されていた『Pフィーバー戦姫絶唱シンフォギア2』が『P大工の源さん 超韋駄天』に喰われているという。前者はライトミドル、後者はフルミドルなので土俵が違うのだが、そのことを差し引いても『源バイン』の二つ名がファンに浸透するほどの人気っぷり、そのスピード感と出玉力に多くのファンが惹かれているようだ。

 もはや過去の遺物、三洋レガシーとなりつつあったコンテンツがかような大復活を遂げるとは人生はわからないものである。

 しかし、現状で人気が押されているとはいえ、『Pフィーバー戦姫絶唱シンフォギア2』も時代を象徴する名機シリーズにその名を連ねる資格を充分に有している完成度の高いマシンである。

 前回https://biz-journal.jp/gj/2020/06/post_163555.htmlは「レバブル」など役物系演出を中心に紐解いてきたが、今回はその真髄ともいえる連チャン性や出玉力といったスペック面での考察を主とする。

 さて、基本的に初代『シンフォギア』を踏襲している本機であるが、スペック面で1つ大きな変更がなされている。それは実質次回まで大当りが約束された連チャンほぼ確の「時短99回転」と継続大チャンスの「時短11回」という振り分けが採用されたことである。

 8割以上が前作同様の時短7回転となっているが、上記2つの時短振り分けを搭載することでトータルのRUSHループ率は約82%にパワーアップされたのである。ただ、トータル継続率のアップよりは実質連チャンの「時短99回」のインパクトと影響力に注目するべきであろう。

「時短99回」の振り分け比率は11%と充分であり、3パターンの継続率が異なる時短にドキドキワクワクできるなどRUSHのゲーム性はさらなる進化を遂げたのである。その時短回数は7回転目が分岐点となり、7回なら残保留を一気に抽選するバトル演出に発展するが、時短99回なら最終変動ハズレからの絶唱演出発生によるV-STOCKの告知が出現する。

 ちなみに、時短11回選択時は時短終盤で抜剣演出が発生し、再び保留を貯める動作を行う。準備が完了すると2回の当否判定が出現する専用演出に発展となる。ただ、専用といっても演出の内容は通常時の抜剣リーチと同じである。

 このように盛り盛りアツアツのRUSH中であるが、出玉速度も前作とそれほど変わらずに初代より楽しめるとファンにも好評である。

 もちろん爆発力も証明され、一撃1万発は全然射程圏内であるし、長時間稼働なら4万発近い出玉を吐き出すようなことも普通にあるような報告も多数。

 特に注目なのがアタッカー周りの構造で、「右こぼしなしはストレスフリー過ぎてヤベーな」「前作よりテンポよく感じて楽しかった」とディテールへのこだわりが垣間見える。

 こうした細かい部分での確かな仕事が本機を名機たらしめているのであり、逆にいえば名機と呼ばれる機種ほど、演出や出玉以外のポイントで何かしらの優位性やアドバンテージを備えているものである。

 そういったことを含め、『Pフィーバー戦姫絶唱シンフォギア2』はP機ライトミドルを代表する一台となり、パチンコ史に燦然と輝く名機たりえよう。

(文=大森町男)

マイナポイントの申し込みをパソコンやスマホ以外でやる方法 役所でも選択可能に!

生活をもっと楽しく刺激的に。 オトナライフより】

2020年9月スタートの「マイナポイント」。いよいよ7月からはキャッシュレス決済サービス事業者をひとつ選ぶことになるが、もし、スマホやパソコンが手元になかったり壊れてしまった場合はどうすればいいのだろうか? そこで今回は、スマホやパソコン以外の方法で決済サービス事業者を選択する方法を紹介しよう。

2020年7月以降は決済サービス事業者をひとつ選ぶ!

 2020年6月末で2%か5%ポイント還元の「キャッシュレス・ポイント還元事業」が終了したあとは、2020年9月からスタートする25%還元の「マイナポイント」制度がスタートする。すでにマイナンバーカードを取得して準備している人もいると思うが、まだの人はマイナポイントの予約(マイキーIDの取得)を行おう。マイキーIDの取得方法は『25%還元マイナポイント予約に必要な「マイキーID」をスマホ(iPhone・Android)で取得する方法』か『25%還元マイナポイント予約に必要な「マイキーID」をパソコンで取得する方法』を参考にしてほしい。  マイキーIDが取得できたら、次にすべきことは、2020年7月以降にマイナポイントに登録…

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JRA「宝塚記念の法則」にラッキーライラックが、クロノジェネシスが絶体絶命!? 15年連続「連対」継続中……今年「大穴」を開けるのは、この3頭?

 28日には、阪神競馬場で宝塚記念(G1)が行われる。

 今年は皐月賞馬サートゥルナーリアと、大阪杯(G1)で牡馬を蹴散らしたラッキーライラックを筆頭に、秋華賞馬クロノジェネシス、香港ヴァーズ(G1)の覇者グローリーヴェイズ、一昨年の有馬記念(G1)を勝ったブラストワンピースなど、G1馬8頭が集結。例年以上の大混戦となりそうだ。

 しかしその一方、近5年で49万、52万と2度の10万馬券が飛び出している通り、一筋縄では行かないのが宝塚記念。10番人気以下の激走も決して珍しくはないだけに、ある意味ではどの馬にもチャンスがある。

 そんな中で着目したいのが、ここ15年連続で継続している「宝塚記念の傾向」だ。

 実は2005年にスイープトウショウが勝って以来、宝塚記念は15回連続で「上がり最速」を記録した馬が連対し続けている。残り600mからゴールまでを最も速く走っているのでだから当然、宝塚記念以外のレースでも馬券に絡む確率は高い。だが、宝塚記念ほど色濃く上がり最速馬が上位に来るレースはそうない。

 実際に、記録が一時途絶えた2004年以前も、1999年から5年連続で上がり最速馬が連対していたのだから、さすがに無視できない傾向だ。

 例えば宝塚記念は2018年の2着ワーザー(10番人気)や、2015年の2着デニムアンドルビー(10番人気)のように、上がり最速さえ叩き出せば穴馬でも連対できる可能性がある。逆に述べれば、穴馬で狙いたいのは「上がり最速が狙えそうな切れ者」ということになるだろう。

 そこで今回は、今年の宝塚記念で人気薄ながら、上がり最速が狙えそうな切れ味自慢をピックアップしたい。

 まず筆頭に挙げたいのは、充実著しいカデナ(牡6歳、栗東・中竹和也厩舎)だ。

 もともとデビューから5戦連続で上がり最速を記録するなど、世代でも屈指の切れ者と名を馳せていたカデナ。一時、スランプに陥っていたが、最近は不発に終わった昨秋の天皇賞・秋(G1)を除けば5戦連続で上がり最速を記録している。

 中でも、後方12番手から4着まで追い上げた前走の大阪杯(G1)は、この馬の充実ぶりを物語っていた。記録した33.5秒は、上がり2位ラッキーライラックとでさえ0.4秒差という圧巻の切れ味。主戦の鮫島克駿騎手はこの馬の末脚を信じ切っており、まともに末脚を爆発できれば、今年の宝塚記念の上がり最速に最も近い存在といえるだろう。

 次点では、トーセンカンビーナ(牡4歳、栗東・角居勝彦厩舎)が面白い存在だ。

 前々走・阪神大賞典(G2)、前走・天皇賞・春(G1)とステイヤー路線を歩んできたトーセンカンビーナ。それだけに、このメンバーで切れるといったイメージはないかもしれないが、実は前々走まで5戦連続で上がり最速を記録していた。

 特に光るのが、昨年の阪神の1800m戦で記録した上がり3ハロン32.9秒だ。今回と違い外回りコースだったが、上がり2位に0.7秒差をつける異次元の末脚。ハマった時の破壊力は、このメンバーでも脅威に違いない。1枠1番という枠順もスタートに不安があるトーセンカンビーナにとっては、むしろプラスだろう。いつも通り出遅れれば、鞍上の浜中俊騎手も腹を括るしかなくなるからだ。

 最後に挙げたいのは、レッドジェニアル(牡4歳、栗東・高橋義忠厩舎)だ。

 こちらもスタートに不安があり、だいたい3走に1度は出遅れて、後方からの競馬を余儀なくされている。今年1月の日経新春杯(G2)でも、スタートで後手を踏んで1番人気を裏切ってしまった。

 しかし、逆に出遅れた際は、非常に高い確率で上がり最速の末脚で追い上げている。唯一、上がり2位に終わったのが昨年の日本ダービー(G1)だが、サートゥルナーリアと0.1秒差の2位なら、その破壊力はG1でも通用するはずだ。

 ただ、逆に“普通”にゲートを出てしまうと、“普通”に中団から競馬して、“普通”に負けてしまっているレッドジェニアル。「出遅れるかが勝負」というのはおかしな話かもしれないが、そんな事情もあって3番手とした。

 もっとも先述したサートゥルナーリアや、グローリーヴェイズといった実力も切れ味も兼ね備えた馬が、あっさり上がり最速を記録してしまう可能性もある。ただ、近1年でそれぞれ1度ずつしか上がり最速を記録していないラッキーライラックや、クロノジェネシスら先行タイプの有力馬にとっては耳の痛い話だろう。

 一歩足りなくとも、ハマった時には上位を賑わすのが穴馬。探すなら、今回は末脚に懸ける切れ味自慢を狙いたいところだ。

レオパレス21、債務超過寸前…ヤマダ電機による買収観測が取り沙汰

 施工不良問題で苦境に立つ賃貸アパート大手レオパレス21の株価が6月5日、前日比34円(14.4%)高の270円まで一時、上げた。年初来高値は5月29日の284円だ。大株主の村上世彰氏が「数百億円規模の増資を引き受ける」と、テレビのニュース番組が報じたことから買いが集まった。

 例年、6月下旬に開いていた株主総会を7月以降に延期した。新型コロナウイルスの終息が見通せないなか、多くの株主や会社関係者が参集する株主総会は感染リスクが高いための措置だ。株主総会の日取りは未定である。株主総会が開かれれば、村上氏と会社側の攻防の第2ラウンドになる。

 2月27日に開いた臨時株主総会で、大株主の投資会社レノなどによる株主提案を否決した。レノは村上氏が関与するファンド。有料老人ホームを運営するシティインデックスホスピタリティ社長で村上氏の側近の大村将裕氏の取締役選任を求めた。結果は賛成比率44.48%で過半数に達しなかった。

 20年3月期末時点の大株主は次の通り。筆頭株主は国内投資会社、アルデシアインベストメントで持ち株比率は18.36%。第2位がシティインデックスイレブンスで8.95%。3位は投資用高級ワンルームマンション開発会社エスグラントコーポレーションの6.43%。2、3位の両社はレノグループだ。

「村上氏は巨額増資を引き受けて、経営の主導権を握った暁には、レオパレス21を売却するとみられている」(関係者)

3月期の最終損益は過去最大の802億円の赤字

 新型コロナの感染拡大を受け、決算業務や監査法人による会計監査を含む決算確定に遅れが生じているとして、5月13日に予定していた20年3月期の決算発表を延期。6月5日、やっと発表にこぎつけた。

 売上高は前期比14.2%減の4335億円、営業損益は364億円の赤字(19年3月期は73億円の黒字)、最終損益は802億円の赤字(同686億円の赤字)だった。当初、1億円の純利益を見込んでいたが、昨年11月に304億円の赤字へと大幅に下方修正した。建築基準法の基準に合わないアパートの調査が長引き、改修工事が進まず、入居者の募集を再開できなかったことが響いた。

 施工不良問題を引きずっているところに新型コロナウイルスの感染拡大が追い討ちをかけた。土地所有者にアパートを建てさせて全室を一括で借り上げ、入居者に転貸するサブリースを手がける。契約者の6割が法人で、新人研修や期間従業員の宿舎として活用していたが、新型コロナの影響で利用が急減した。20年3月期の入居率は年間平均で85%弱を見込んでいたが、実際の入居率は80.78%。19年3月期より7.6ポイント悪化した。本来なら就職・進学シーズンで繁忙期となる3月に十分な営業ができず、入居者を増やすことができなかった。

 所有者への支払いが家賃収入を上回る逆ザヤとなるボーダーラインが入居率80%とされる。将来入る利益を前提に、税金の前払い分を資産として計上する「繰り延べ税金資産」を取り崩して214億円の損失を計上した。改修工事費もかさみ、2020年1~3月期で118億円の特別損失を計上。特別損失は通年で243億円になった。

 業績悪化を食い止めるには、物件の改修をいち早く完了させる必要があるが、これが厳しい。昨年10月時点で、20年末までに改修を終えるとしていたが、新型コロナの影響で工事を中断。4月末に完了時期の延期を決めた。全施工物件3万9000棟のうち不備物件は約3万棟に及ぶが、4月末時点で改修が済んだのは約1000棟にすぎない。

債務超過転落を回避するために大型増資は不可欠

 業績たて直しに向けて構造改革を進める。固定費削減のため人員を約1000人削減する。19年末の従業員数(連結)の14%に相当する。6~7月に希望退職を募り、8月末に退職する予定。特別退職金の支払いで21年3月期に特別損失を約30億円計上する。役員報酬も削減する。宮尾文也社長は今期中、90%減額。顧問・相談役制度も6月末で廃止する。非中核事業の整理を進める。名古屋市に持つホテルを4~9月に売却する方針で、グアムのリゾート事業も早期に譲渡する。

 21年3月期の連結決算の売上高は横ばいの4310億円、営業損益は98億円の赤字、最終損益は80億円の赤字を見込む。最終赤字は3期連続となる。入居率は、もっとも需要が多い4月が81.40%、5月は79.91%と損益分岐点スレスレの水準にとどまり、回復のメドは立たない。

 前期まで2期連続の大赤字となったことで財務内容は悪化した。現金・預金は19年3月期末の845億円から、20年3月期末には605億円へ240億円減った。自己資本比率は27.7%から0.7%へ急低下した。債務超過転落は秒読みとなった。債務超過を避けるために大型増資が不可欠だ。

受け皿候補にヤマダ電機が浮上

 株式市場でレオパレス21の売却が取り沙汰されている。受け皿候補として家電量販店最大手のヤマダ電機が浮上した。ヤマダ電機は10月1日付で持ち株会社体制に移行。社名をヤマダホールディングスに変更する。ヤマダ電機の山田昇会長がヤマダHDの社長に就任する。全額出資で事業子会社ヤマダ電機を設立し、家電や住宅関連の販売を引き継ぐ。持ち株会社体制に移行することでM&A(合併・買収)などがやりやすくなる。

 家電量販店市場は頭打ちだとみて、住宅・不動産や金融事業に力を入れる。19年12月には大塚家具を買収した。レオパレス21と組むことで家具家電付きのアパートを提供できる。

 レオパレス21は自力で再建できるのか。それとも売却へ向かうのか。株主総会の日程は未定だが、総会が最大のヤマ場になるかもしれない。

(文=編集部)

C型肝炎の新薬、講演会等で称賛する医師に年1633万円支払いも…製薬企業から

 医療ガバナンス研究所はワセダクロニクルと共同で製薬マネープロジェクトを進めている。2016年度版データベースに引き続き、2017年度版を準備中だ。

 データベース作成および解析を通じて実感するのは、製薬企業と医師の癒着の深刻さだ。最近になって、国会や行政も、この問題に注目するようになった。例えば、昨年11月6日、文部科学省は衆議院厚生労働委員会に提出した資料で、2016年度に製薬企業から1500万円超の収入を得ていた大学関係者29人の名前と金額を明かした。このうち、10人が糖尿病、8人が心臓病・高血圧の専門家だ。生活習慣病が製薬企業と医師の金城湯池になっているのがわかる。

 私が注目したのは、27位の茶山一彰・広島大学教授の存在だ。専門はC型肝炎である。C型肝炎はC型肝炎ウイルス(HCV)によって引き起こされる感染症だ。血液感染するため、スクリーニング体制が未整備な頃に輸血や血液製剤、予防接種の回し打ちなどで広まった。現在、C型肝炎の患者は37万人、キャリアー(ウイルスが体内に存在しているが肝炎を発病していない人)は約200万人いる。HCVに感染すると慢性肝炎に進展し、一部が肝臓がんを発症する。2017年に2万7114人が肝臓がんで死亡したが、8割はC型肝炎による。

 従来、C型肝炎の標準治療はPEG(ポリエチレングリコール)化インターフェロンの皮下注射とリバビリンの内服だった。HCVはいくつかの亜型に分かれるが、日本で8割程度を占める1b型には効きにくい。この結果、1年以上治療を続けても、半分程度しかHCVが消えなかった。副作用も問題だ。インターフェロンは全身倦怠感や発熱が必発で、継続できない患者は少なくない。

 新薬が状況を一変させた。開発したのは米ギリアド・サイエンシズ社だ。2015年5月にソバルディ、9月にハーボニーを発売した。ソバルディは2型に有効で、12週間服用すると、既治療例の95%、未治療例の98%でウイルスが消失する。ハーボニーはソバルディとレジパスビルの合剤で、1型にも効く。12週間の服用で、ほぼ全例でウイルスが消える。

ギリアドの販売戦略

 画期的な新薬だが、薬価は高い。ソバルディは1錠6万1799円、ハーボニーは1錠8万171円の薬価がついた。一コースの薬剤費は、約520万円、約670万円だ。この2剤はギリアドに莫大な利益をもたらした。2015、16年にソバルディは2222億円、ハーボニーは4340億円を売り上げた。国内の医療用医薬品の売り上げランキングで、2年連続、ハーボニーは首位だった。

 ギリアドは1987年創業のバイオベンチャーだ。抗ウイルス剤開発が事業の中心で、インフルエンザ治療薬タミフルの特許などを有する。ソバルディ、ハーボニーの開発により、ピーク時の時価総額16兆円の大企業に成長した。

 他社も指を咥えて見ているわけではない。複数の企業が、C型肝炎市場に参入した。2015年11月アッヴィ合同がヴィキラックス、2016年11月MSDがエレルサ・グラジナ、2017年2月ブリストル・マイヤーズスクイーブがジメンシーを発売した。ところが、いずれもうまくいかなかった。ギリアドの販売戦略が巧みだったからだ。

 HCV対策が充実した昨今、C型肝炎の新規発症はわずかだ。新薬が効けば、患者がいなくなってしまう。毎年、新規発症が期待できる高血圧や糖尿病とは違う。売上を最大化するには、他社が参入する前に、自社の薬を売り切ってしまわねばならない。発売直後のスタートダッシュが大切だ。

 ソバルディとハーボニーは、発売初年度の2015年度に1509億円、2693億円を売り上げた。2016年度には713億円(マイナス53%)、1647億円(マイナス39%)と売上を落としている。これは従来の医薬品の売り上げが発売開始から数年を経てピークに達するのとは対照的だ。

 どうして、こんな芸当が可能だったのだろう。多くの専門家は「画期的な新薬だったから」と言うが、それはソバルディやハーボニーに限った話ではない。

キーオピニオンリーダーへの厚遇

 ギリアドが重視したのは「キーオピニオンリーダー」と言われる著名な医師の囲いこみだ。発売後は全国各地で講演会が開催され、医療業界誌には「最適なIFNフリー療法を選択できる時代に 国家公務員共済組合連合会虎の門病院分院長熊田博光氏」のような記事が数多く掲載された。このなかでソバルディとハーボニーは賞賛されている。

 このような記事に登場する医師には、製薬企業からカネが支払われる。製薬データベースを用いて、2016年度に「キーオピニオンリーダー」である日本肝臓学会の「C型肝炎治療ガイドライン」委員17人に支払われたカネを調べた。結果は、全員が製薬企業からカネを受け取っており、一人あたりの平均は393万円だった。

 もっとも多いのは、前出の熊田医師で1633万円、泉並木・武蔵野赤十字病院院長の1012万円、小池和彦・東京大学⼤学院医学系研究科消化器内科学教授の586万円と続く。

 一方、支払の多い企業はアッヴィ合同の1433万円、ブリストル・マイヤーズスクイブの1423万円、MSDの845万円だ。不思議なことにギリアドの名前はない。それはギリアドが日本製薬工業協会(製薬協)に加盟していないからだ。製薬マネーの開示は製薬協の自主的な取り組みで、非会員企業に義務はない。自主的に公開している企業はあるが、ギリアドにそのつもりはない。製薬企業の社員は「常識的に考え、途方もないカネが販促に使われたはず」と言う。

 ギリアドの牙城を崩したのがアッヴィ合同だ。2017年11月に発売したマヴィレットがソバルディ、ハーボニーを淘汰した。2018年度の売上は1177億円。この年の国内の医療用医薬品の売上トップだった。マヴィレットは1型、2型を含むすべての遺伝型に使え、投与期間は8週間と短いが、販売増にもっとも効いたのはギリアドから「キーオピニオンリーダーを奪還した」(製薬企業社員)からだ。

巨額の製薬マネー

 その象徴が前出の熊田博光医師(現虎の門病院顧問)だ。2016年度、製薬企業から1633万円を受け取っているが、アッヴィ合同から受け取ったのは835万円だ。2位のブリストル・マイヤーズスクイーブの329万円の倍以上だ。熊田医師は、アッヴィ合同が主催する講演会などで、マヴィレットのことを「8週治療でC型肝炎治療の第一選択に」や「C型肝炎の治療は究極のところまできた」と褒めている。

 熊田医師は前出の日本肝臓学会の「C型肝炎治療ガイドライン」以外に、厚生労働省の「科学的根拠に基づくウイルス性肝炎診療ガイドラインの構築に関する研究」の班長、「肝炎治療戦略会議」の委員など歴任した大物だ。私も虎の門病院在職中に御指導いただいたが、高い臨床能力、研究能力を兼ね備える希有な存在だ。さらに指導力も高い。弟子も多く、前出の茶山一彰・広島大学教授の前職は虎の門病院「熊田一家」の卒業生だ。

 熊田先生は、少々、オーバーに褒めたところもある。エビデンスに基づかない発言もした。例えば「HCVに感染していれば治療対象」という発言だ。慢性肝炎の患者はともかく、キャリアーまで治療すべきかは意見が分かれる。進行しない患者が多いからだ。ところが、キャリアーは慢性肝炎患者の5倍以上いる。財政負担は大きくなる。

 本来、臨床試験で検証すべきだが、わが国では議論する前に、根こそぎ治療してしまった。マヴィレットの2018年の四半期ごとの売上推移は前代未聞だった。第2四半期の423億円の売上がピークで、第3四半期は299億円と売上を落とした。発売から1年以内でピークアウトした。当時、ライバルのギリアドは新薬のエプクルーサ配合錠を開発しており、2019年2月に発売したが、その前に残されていた患者を治療してしまった。

 マヴィレットの開発により、アッヴィが時価総額約13兆円の大企業に成長し、医師は巨額の製薬マネーを受け取った。しかしながら、これが患者の福音になったのかは疑問の余地がある。無駄な投薬、避けられた副作用が起こっているかもしれない。今回の経緯は患者目線で見直さねばならない。

(文=上昌広/特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長)

●上昌広(かみまさひろ)

1993年東大医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。 虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の診療・研究に従事。

2005年より東大医科研探索医療ヒューマンネットワークシステム(後に先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年3月退職。4月より現職。星槎大学共生科学部客員教授、周産期医療の崩壊をくい止める会事務局長、現場からの医療改革推進協議会事務局長を務める。

ストロング系チューハイは“酒ではなく薬物”なのか?精神科医が依存&健康リスクに警鐘

 近年、コンビニやスーパーの酒類売り場で幅を利かせている、アルコール度数7~9%の「ストロング系チューハイ(以下、ストロング系)」。価格が安く、アルコール度数も高いので“手軽に酔える”と人気を集めており、年々市場が拡大している一方、ストロング系を飲み続けることで、さまざまな健康リスクがあるとも言われている。

「会話もできないくらい酔ってフラフラに…」

 原田優さん(仮名・44歳)は、友人の男性がストロング系を愛飲するようになってから“酔い方が変わった”と感じる、と話す。

「この数年、彼がストロング系をよく飲んでいるのは知っていました。この前、久々に居酒屋で一緒にを飲む機会があり、彼はその日も『ストロング系を1本飲んでから来た』と言っていました。その後、普通のビールで乾杯したのですが、1杯目を飲み終わる頃には会話もできないくらい酔っ払ってしまい、足元もフラフラ。すぐにタクシーで帰らせました」

 翌日連絡をすると、飲み会の記憶もほとんどなかったという。原田さんは「酒に弱いイメージがなかったので驚いた」と振り返る。

 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部で部長を務める精神科医の松本俊彦氏は、自身のフェイスブックでストロング系について「『危険ドラッグ』として規制した方がよいのではないか。半ば本気でそう思うことがよくあります」と投稿、依存症リスクの観点から警鐘を鳴らした。

「実は前々から、アルコール依存症患者のご家族から、ストロング系を飲んだときの酔い方がおかしいという声があり、自分の臨床経験でも患者さんの酔い方に違和感がありました。500ml缶を3本飲んで前後不覚の泥酔状態になったり、だらしない酔い方になったりするという印象です」(松本氏)

 そのほか、メンタルヘルスに問題を抱えている人がつらい気持ちを紛らわせるためにストロング系を飲んで自暴自棄になってしまうケースなど、松本氏のもとには多くの患者が相談に来るという。この投稿の反響は大きく、ネット上で議論を呼んだ。

「臨床現場ではよくある症例だったので、これほど注目されるとは思いませんでしたね。ただ、広く拡散された背景には、多くの人が心のどこかで『ストロング系はほかの酒とは違う』と感じている、ということなのかもしれません」(同)

ストロング系チューハイが抱える3つの問題点

 松本氏は「ストロング系には、大きく分けて3つの問題点がある」と指摘する。

「まずひとつは、飲みやすさです。アルコール飲料というよりも清涼飲料水の味に近いので、お酒の味が苦手な女性や、お酒になじんでいない若者も飲みやすく、ジュースや水のように急ピッチで飲めるのが特徴です。しかし、いくら飲みやすくても、ビールの倍近くのアルコール度数があるお酒を短時間で飲む行為は、さまざまなリスクを伴います」(同)

 確かに「お酒は飲めないが、ストロング系ならグイグイ飲める」という女性も少なくない。さまざまなフレーバーがあり、サイダーのような飲み口は“お酒を飲んでいる”という意識を薄れさせてしまうようだ。

「ビールと同等か、それ以上のアルコール度数があるものを急ピッチで飲み続ければ、血中のアルコール濃度も急激に上昇します。その結果、体がおに慣れる前に、精神面に影響を与えたり、足腰が立たなくなるなど運動機能が低下したりと、さまざまな影響が出てしまうようです。ビールや焼酎、日本酒などはお腹にたまる感覚があるので、短時間で多くの量を飲むのは難しいはず。この点は、ストロング系とそれ以外のお酒との大きな違いですね」(同)

 2つ目の問題点は、価格の安さだ。スーパーやドラッグストアなら100円以下で350ml缶のストロング系を買うことができる。値段的に気軽に手が出せる状況も極めて危険だという。

「大学生などの若い人やお小遣いが限られているサラリーマンにとって、価格の安さは魅力ですよね。お酒にこだわりがない人なども、安く酔えるコスパの良さは手に取るきっかけになると思います。とはいえ、水やジュースよりも安いお酒には、いったい何が入っているのか……そう考えると、常飲するのは考えものですよね」(同)

 そして、問題点の3つ目は「“薬物”としてストロング系を飲む行為」にあるという。

「もちろん、ストロング系を楽しく飲んでいる人もいると思います。しかし、生活や精神面に問題を抱えている人のなかには、“酔うために飲む”というケースも少なくないです。彼らはお酒が嫌いでも『つらい気持ちを紛らわしたい』『何も感じなくなってしまいたい』というときに、ストロング系をすごい勢いで飲んでしまいます。酔うために飲むお酒は『薬物』と同じなので、依存のリスクを高めます」(同)

 松本氏は「酔うこと自体が目的になるのは非常に危険」と話す。従来の“お酒そのものを楽しむ”酒の文化と、“酔うために飲む”ストロング系の文化は、まったく別物なのかもしれない。

ストロング系を生んだ日本の酒税法の仕組み

「ストロング系は、すでにアルコール依存症になっている人々にも人気です。お酒が苦手な人とアルコール依存症の人という、これまで両極にいた人たちが同じストロング系を飲んでいる状況なのです」(同)

 アルコール依存症とのかかわりも示唆されるストロング系と、適度に付き合う方法はあるのだろうか。松本氏は「350mlを1本でとどめるのが理想」と話す。

「厚生労働省では、健康リスクが低い適正飲酒量を『1日あたり平均で日本酒1合(純アルコール20g)』と定めています。度数9%のストロング系の350ml缶に含まれる純アルコール量は25.2gなので、1本飲んだ時点で適正量を超えますが、1本でやめればリスクはそれほど高くありません。ちなみに、500ml缶の純アルコールは36gなので、やはり1本で適正飲酒量の倍近くになってしまいます。ただ、ストロング系が好きな人の多くが500ml缶で飲んでいるのが悩ましいところです」(同)

 さらに、健康リスクが高まる飲酒量は「1日あたり平均で純アルコール60g以上」と定められているので、ストロング系350ml缶2本でギリギリ、500ml缶を2本飲むと確実にアウトなので、自制する必要があるだろう。

 松本氏は、リスクを発信しつつも「ストロング系が生まれた背景には、メーカー側の苦労もうかがえる」と話す。特に大きく影響しているのは、日本の“税収ありき”の課税方法だという。

「日本では、アルコール度数に関係なく、ビールや発泡酒など、飲まれる頻度が高いアルコール飲料に課税していく仕組みを採用しています。そのため、メーカー側は課税対策として、税率が低いストロング系のようなものを生み出したと考えられます。北欧のようにアルコール度数の高さで課税率が上がる仕組みであれば、ストロング系は誕生しなかったのではないでしょうか」(同)

 誰しも「嫌なことを忘れて飲み明かしたい」、そんな夜もあるだろう。しかし、自分とストロング系との関係が適切なものかどうか、一度考え直してみてほしい。

(文=谷口京子)

●松本俊彦(まつもと・としひこ)
国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部部長。1993年佐賀医科大学医学部卒業後、国立横浜病院精神科、横浜市立大学医学部附属病院精神科などを経て、現在に至る。『自傷・自殺する子どもたち』(合同出版)など、著書多数。

●「国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所

武蔵小杉&二子玉川が「住みたい街」で大幅ダウン…「穴場の街」1位は世田谷代田

 大東建託は「いい部屋ネット 住みたい街ランキング2020<首都圏版>」を発表した。「住みたい街(駅)ランキング」は「吉祥寺」「横浜」「恵比寿」がトップ3となり、「穴場の街(駅)ランキング」は「世田谷代田」「東大前」「元町・中華街」がトップ3となっている。大東建託賃貸未来研究所所長・AI-DXラボの宗健氏が6月18日にオンライン記者発表会を行い、内容について解説した。

みなとみらいが急浮上した理由とは?

 まず、「住みたい街(駅)ランキング」のトップ10は以下の通りだ。

1.吉祥寺

2.横浜

3.恵比寿

4.みなとみらい

5.鎌倉

6.自由が丘

7.中目黒

8.新宿A(エリア)

9.大宮

10.池袋

「昨年は23位だったみなとみらいが4位に急浮上しています。これは、選択方式をフリーワード・サジェスト方式に変更したことに起因します」(宗氏)

 今回の調査では、たとえば「横浜」と入力すると、「横浜・みなとみらい・桜木町」というふうに周辺の駅が候補に表示される仕組みを導入したという。ちなみに、「横浜」入力後の選択駅は、「みなとみらい」が23%、「桜木町」が7%だった。

 また、「住みたい街は特にない」が39.5%、「今住んでいる街が住みたい街(駅)」が12.9%という結果になった。「よく遊びに行く駅」では、1位「新宿A」、2位「池袋」、4位「渋谷」、5位「横浜」、9位「大宮」、10位「吉祥寺」と、「住みたい街(駅)」とかなり重複していることもわかる。

「首都圏では、商業施設が集中する地域は住みここちが悪くなる傾向にあります。しかし、『住みたい街』では知名度の高い街が上位にランクインすることが多い。私は、『住みたい』と『よく遊びに行く』で重複しない場所に注目しています。たとえば、『鎌倉』や『自由が丘』は『住む』という点では人気が高いと考えていいのではないでしょうか」(同)

 前年の調査では、若い女性にとって住みここちが良い街の傾向も明らかになっている。メディアでは“港区女子”が話題になるが、堅実な女性は「家賃が手頃」「商店街が充実している」街を高く評価しているため、品川区の戸越銀座や板橋区の大山商店街のエリアは評価が高いという。

 また、昨秋に東日本を襲った大型台風の影響が「住みたい街(駅)」に顕著に出ている。たとえば、大きな被害が伝えられた武蔵小杉は11位から20位に、同じく多摩川に近い二子玉川は6位から13位にランクダウンしている。

「穴場の街」は小田急線の世田谷代田が1位に

 また、「穴場の街(駅)ランキング」のトップ10は以下の通りだ。

1.世田谷代田(小田急線)

2.東大前(東京メトロ南北線)

3.元町・中華街(みなとみらい線)

4.センター北(ブルーライン)

5.南阿佐ヶ谷(東京メトロ丸ノ内線)

6.柏の葉キャンパス(つくばエクスプレス)

7.北山田(グリーンライン)

8.戸越公園(東急大井町線)

9.たまプラーザ(東急田園都市線)

10.はるひ野(小田急多摩線)

「『住みここち<駅>ランキング』3位の世田谷代田、同5位の東大前、同8位の元町・中華街がトップ3です。『穴場の街』トップ50のうち、『住みたい街』でもトップ50以内だったのは、たまプラーザ(24位)、桜木町(46位)、横浜(2位)、浦和(11位)、世田谷(34位)の5駅のみとなりました。なじみの薄い街もあるかもしれませんが、いずれも手頃な家賃で住むことができます」(同)

 近年、穴場の街として人気の北千住は家賃高騰が伝えられるなど、知名度の上昇に伴い“穴場”としての魅力は薄れつつあるが、今後はどの街が人をひきつけていくのだろうか。

(構成=長井雄一朗/ライター)