一ベンチャー企業が宇宙ロケット開発を大きく前進…巨額税金投入の官民共同開発は難航

 6月14日、北海道大樹町を拠点とするスタートアップ企業である、インターステラテクノロジズ観測ロケットの打ち上げを行った。今回は残念ながら打ち上げは失敗に終わったが、若いエンジニアが集まり、コストを抑えながら産学連携によってロケット打ち上げ技術の向上に取り組む姿には期待が持てる。

 これまでに同社は、身近な資材を用いてコストを徹底して削減し、小型ロケット打ち上げに成功した経験を持つ。政府主導のプロジェクトと異なり、民間企業には厳しい採算が問われる。インターステラは、組織を構成する一人ひとりの力を最大限に使って、より効率的に付加価値を生み出そうとしている。民間企業の中にそうした取り組みが増えることは、日本経済にとって重要だ。

 今後、新型コロナウイルスの感染は長期化し、日本経済は低迷することが予想される。社会と経済の閉塞感を打破するために、日本は民間の活力を引き出し独自の技術を生み出して、世界からリスペクトされる存在を目指さなければならない。そうした取り組みを進めるためには、インターステラと地域社会の関係などは参考になるはずだ。

徹底したコスト削減の重要性

 2013年に設立されたインターステラは、資本金1,000万円のスタートアップ企業だ。昨年、その小さな企業が国内初の偉業を成し遂げた。5月、同社が打ち上げた小型ロケット「MOMO3号機」は、発射の4分後に宇宙空間とされる高度100キロメートルを超え、最終的には高度113キロを達成した。日本の民間企業が単独で宇宙空間に到達するロケットを開発したのは、それが初めてだった。

 成功の背景には、徹底したコスト削減の取り組みがある。民間企業は収益性を高めなければ生き残れない。特に、スタートアップ企業のように収益を生み出す体制が十分に整備されていない場合、いかにコストを抑え、収益化を目指すかは避けて通れない課題だ。

 インターステラでは、大学院を修了した若きエンジニアを中心に、自分の手で宇宙に届くロケットをつくりたいと思う人が働いている。インターステラはネット通販や、ホームセンターで販売されている資材(汎用品)を用いてロケットを開発している。燃料タンクなどの主要部分に関しても、自社で溶接などの加工処理を行っている。そうした人々の創意工夫がMOMO3号機の打ち上げ成功を支えた。それは、人々の新しい取り組みが積み重ねられた結果、既存のモノや発想が新しい価値観と結合し、イノベーションが発揮された良い例だ。

 今回、5号機の打ち上げは失敗したが、同社は失敗の原因を迅速に突き止め、次回の打ち上げ成功につなげる意欲を示した。そうした姿勢が、国際競争に対応するためには必要だ。近年、米中を中心に通信衛星などを宇宙空間に運ぶためのロケット開発競争は熾烈化している。各国が、コストを抑え、小型かつ高性能のロケットを多く生産し、打ち上げ回数を増やすことを目指している。

 インターステラは1回の打ち上げ費用を5000万円程度に抑えることを目指している。同社のビジョンが実現すれば、日本の宇宙開発は大きく前進するだろう。

難航する官主導でのロケット開発

 事業の運転資金が潤沢ではないなかで、常にコスト管理を徹底し、改善を重ねて成功を目指すインターステラの取り組みは参考にすべき点が多い。

 政府は手厚い予算をJAXA(宇宙航空研究開発機構)につけ、ロケット開発が進められてきた。その背景には、ロケット打ち上げ実験のように、多くの人材と土地、専門の資材などが必要な分野は、民間に任せるよりも政府(官)主導で進めたほうが良いとの考えがある。

 民間と対照的に、政府には効率性や採算性を重視する発想が乏しい。そのため、どうしても官主導のプロジェクトに関しては、スピードやコスト面への意識が高まりづらい。JAXAのロケット開発は、品質に万全を期すために特注品の資材を用いるなど、1回の打ち上げには数十億円の費用がかかる。

 また、組織の対立などから開発が遅れるケースは多い。官民共同で開発が進められた中型のGXロケットの場合、エンジン設計などをめぐって組織間の衝突が解消できなかった。その結果、予定よりも開発が大幅に遅れコストが膨張した。最終的にGXロケット計画は旧民主党政権の“事業仕分け”によって中止された。

 高度な専門知識をもつ人材や企業からの技術面での協力が確保できたとしても、そうした生産要素をフルに生かすリーダーシップがなければ、新しい取り組みは進まない。突き詰めていえば、新しい事業にすべてをかけているという気概のあるトップなくして、新しい事業の育成は難しい。

 国が官民共同でのロケット開発に苦戦する一方で、中国は急速に競争力をつけている。中国では土地が国有だ。日本企業に比べ、中国の国有企業などが土地を取得する原価は極めて低い。その上、中国政府は産業補助金も支給してロケットを開発し、測位衛星の運用台数を増やした。これまでの日本の発想で競争が熾烈化する環境に対応できるとはいいづらい。

重要性高まる民間企業の活力

 インターステラには、コストの削減を徹底する以外の面でも参考になる点がある。その一つが産学連携だ。同社は室蘭工業大学と連携してロケットの部品開発などを行ってきた。本年3月に同大学はインターステラが拠点を置く北海道大樹町と連携協定を結び、施設の利用活発化などが期待される。

 インターステラのロケット開発は鉄鋼の町として発展してきた室蘭市にも影響を与え始めている。同市には航空機部品や金属加工を手掛ける企業が多く、航空関連の技術を高めようと企業の連携が進んでいる。インターステラが小型ロケットの打上げ技術を高めることができれば、産学連携や企業の提携は強化され、室蘭市がわが国有数のロケット・航空技術の集積地として存在感を発揮する可能性がある。

 また、インターステラのような小規模の企業にとって追い風となる変化も起きている。コロナショックの発生によって、欧米ではテレワークが当たり前になり始めた。日本でもテレワークを続ける企業は多い。テレワークは働く場所を問わない。自らの力を発揮すると同時に自然環境豊かな土地で生活のコストを抑えながら働くことも可能になる。生き方の変化と、インターステラが進める先端技術の開発が融合すれば、国内の要素を用いて、自力で独自の技術を生み出すことができるはずだ。それは、企業が拠点を置く地域だけでなく、日本経済にとって大きなプラスの効果をもたらす。

 当面、インターステラは打ち上げの精度を高め、収益基盤を確立しなければならない。同社がクラウドファンディングによって行った資金調達が1日半で目標額を超えるなど、社会の期待は高い。政府は、規制緩和や構造改革を推進し、インターステラのようなエネルギー溢れる企業を増やさなければならない。自力で世界が注目する新しいモノを生み出す企業が増えれば、日本の社会・経済の活力は高まるだろう。

(文=真壁昭夫/法政大学大学院教授)

東京都の感染者100人超でも…小池知事はまさかの「良い傾向」発言、加藤厚労相は「その数字わからない」、安倍首相は「Hanada」のインタビューに

 深刻な数字が突きつけられた。本日、東京都が発表した新型コロナの新規感染者数が107人と、5月2日以来、再び100人の大台に乗った件だ。東京都の新規感染者数が100人をはじめて超えたのは4月4日(118人)だったが、その10日後である17日には新規感染者数は201人にまでの...

パチンコ「激甘リミット機」爆誕のウワサ!? 浮上した「気になる情報」とは…

 新型コロナウイルスの影響で、大半のホールが休業を選択した4月。この特別な時期にも導入予定の新台は存在した。

 本来、最新機種は「新台入替」によって大きな注目を集め連日高稼働となる事が多いが、それを実現することは叶わなかったと言えるだろう。

 4月に導入された機種の中には、前作以上の活躍も期待された『Pフィーバー戦姫絶唱シンフォギア2』や、右打ちの高速消化で多くのファンを魅了している『P10カウントチャージ絶狼』、『P大工の源さん超韋駄天』などがある。これらは営業再開後のホールで高稼働を見せている機種の代表格だが…。

 当然ながら、他機種の活躍も期待されている。その中には名物メーカーの新機種も存在。従来の機種とは一線を画す特殊なスペックで話題となった高尾の『P ROKUROKU 6000Ver.』は、早い段階で話題となった一台だ。

『牙狼』シリーズでお馴染みの雨宮慶太が原作及び総監督のホラー映画をモチーフに据えた本機は、大当り確率319.6分の1のミドルスペック。いかなる場面でも大当り時は例外なく1000個の出玉を獲得でき、確変突入割合は初当り時の50%となる。

 一見すると一般的な確変機に思うかもしれないが、本機は確変6回リミットを搭載しており、ひとたび確変に入れば、「約6000発」の出玉が獲得できる仕様だ。また、リミットに到達しても時短で引き戻せれば更に「約6000発」が獲得できるという、凄まじい爆発力を有している。

 大量出玉がループする可能性を秘めた「無限の爆発力」に加え、確変中は「怪速ヤクソクシステム」によって素早い消化を実現している本機。一部ユーザーから好評を得ている状況だ。

 そんな『ROKUROKU』が、このたび「激甘リミット機」へと変貌を遂げるのではないかと話題沸騰。熱い視線が注がれている。

「高尾さんの『PロクロクL1D』が検定を通過したようですね。前作は高い出玉性能が話題になりましたが、特別な状況での導入で好スタートをきれませんでした。ここからの挽回を期待したいですね。

 現在改めて注目を浴びているわけですが、そのタイミングでの『PロクロクL1D』検定通過で更に話題となっています。気になるスペックに関しての詳細はベールに包まれておりますが…。

 一部関係者の間では『当たりやすい仕様になっているのでは?』という声もあります。前回はミドルスペックでしたが、遊びやすいスペックで登場する可能性は大いにありますね。

『約1000発×6回リミット』という興味深い仕様でしたが、ミドルという事で敬遠していた方もいるのではないでしょうか。ウワサ通り軽いスペックで出るなら反響は得られると思います。更に『まとまった出玉』が獲得できる可能性もありますし、楽しみですね。今後の情報が待ち遠しいです」(記者)

 今回検定を通過し、話題の『PロクロクL1D』。本作も魅力的な仕上がりとなっているのだろうか。続報に期待したい。

【G2川口記念】No.1青山周平VSレジェンド永井大介の壮絶バトル! 「スーパーハンデ」克服のグレード勝利は“伝説”の序章か

 

 川口オートで行われたG2・川口記念(6月28日優勝戦)は、青山周平(伊勢崎)がスーパーハンデを克服して、グレードレース26回目の優勝を飾った。新型コロナウイルスの影響で無観客の中、永井大介との抜きつ抜かれつの壮絶なバトルは、オート史に刻まれる名勝負となった。

 プライドの激突が名勝負を生む。川口記念優勝戦。青山は、永井、中村雅人、若井友和、森且行ら川口のトップ選手7人を前に置き、ただ1人、10m後ろの「スーパーハンデ」からスタートした。1周バックで早くも永井が先頭に立つ厳しい展開。だが、青山は2周2角で森が落車するアクシデントを避け、2周バックで早くも2番手につけた。

 ここから永井との壮絶なデッドヒートが始まる。4周回の3コーナーで永井を内から抜いて先頭へ。5周回の3コーナーで永井に差し返されたが、すかさず4コーナーで抜き返す。6周回の3コーナーで再び永井が懐を突いてきたが、流れたところを冷静にさばいて激闘に終止符を打った。

 抜きつ抜かれつが醍醐味のオートでも、これだけの接戦は滅多にない。昨年SGを3勝し、今期S級1位に返り咲いた青山には、No.1の宿命とも言えるスーパーハンデを背負っての戦い。一方、SG・15勝を誇るレジェンド永井も、地元川口で、青山の10m前では意地でも負けられない。まさにNo.1のプライドとレジェンドの意地の激突だった。

 青山はレース後、「とても信じられない。一生の思い出に残るレースだと思います」と激戦を評した。抜きつ抜かれつの攻防にも触れ「抜かれた時も少し張ってしまった。永井さんに行かれた時も、(永井が)いっぱいに入ってきたので……。永井さんをいっぱいにさせることができて良かった」と冷静に分析していた。

 競馬にも馬の負担斤量によるハンデ戦があるが、スタート位置が異なるハンデ戦があるのは、公営競技でもオートレースだけ。現在の最高ハンデは110mだが、かつて1965年の日本選手権では、広瀬登喜夫さんが何と340mものハンデを克服して優勝している。ちなみに広瀬さんは後年、師匠として森且行を育てたレジェンドだ。

 そんなハンデ戦が魅力のオートレースだが、実力が拮抗したトップ選手同士なら、横一線のオープンレースになる。今回青山が背負ったスーパーハンデは、同じトップ選手のさらに10m後ろに置かれる、最強レーサーに課された過酷なハンデだ。

 スーパーハンデと言えば、「天才」と呼ばれた片平巧さんの「伝説の7人抜き」が今でも語り草になっている。1997年のスーパースター王座戦でただ1人、スーパーハンデを背負ったが、ライバル7人を抜き去り優勝。同レース3連覇を飾った(計5回優勝)。SGレースでスーパーハンデを課されて優勝したのは、後にも先にも片平さんしかいない。

 最強レーサーの称号でもあるスーパーハンデ。平成以降では、絶対王者の高橋貢に永井、池田政和、中村、鈴木圭一郎ら選ばれた選手だけが背負ってきた。青山の今の勢いなら、かつての片平さんのように、スーパーハンデを背負って“伝説”を作る日が訪れるかもしれない。今回の優勝はその序章になる。

 今回の川口記念は無観客レースのため、ファンがオート史に残る名バトルを生で観戦できなかったのは残念だ。

 オートレース場は全国に5場あるが、群馬の伊勢崎オートで初めて、コロナ騒動後最初の本場開催(6月28~7月1日)が実施された。山陽(今月8日~)、飯塚(同14日~)、浜松(同17日~)、川口(同19日~)でも、観客を入れた通常開催に戻ることが決まった。オート史に語り継がれるであろう、今回の青山と永井の名勝負が、オートレース人気を後押しすることは間違いない。

JRA新種牡馬ドゥラメンテ、モーリス、リオンディーズら「合計4勝」の船出。2020年全新種牡馬の6月成績「衝撃の中間報告」に絶句……

 来年のダービーを目指す新シーズンが6月にスタートし、早くも一か月が終了した。

 すでに行われた2歳戦は新馬戦と未勝利戦を合わせて29レース。その中で新種牡馬産駒がどんな成績を残したのかチェックしてみたい。

 種牡馬にとって6月の新馬戦は、7月に行われるセレクトセールに向けて格好のアピールの場でもあり、ここで結果を出せばセレクトセールでの評価(落札価格)にも大きく影響する。

 それだけに、セールに上場を予定する有力種牡馬は、比較的デビューが早い印象がある。特に今年はモーリスとドゥラメンテがその対象だろう。そういった観点で成績を見るとなかなか興味深い点が目に付くのだ。今年デビューした新種牡馬は以下の19頭で、成績は御覧の通りだ。

■モーリス
産駒16頭・18戦0勝[0.4.3.11]・勝率0%・連対率22.2%・複勝率38.9%
デビュー前の評価とは一変し、各方面で酷評されているモーリス産駒。ここまで新種牡馬最多の16頭がデビューし、いまだ勝ち馬がいない。単勝1.5倍で2着だったブエナベントゥーラを筆頭に1~3番人気で10戦全敗というのも厳しい。セレクトセールでは22頭が上場されるが、果たしてどんな結果に……。

■ドゥラメンテ
産駒11頭・14戦1勝[1.0.0.13]・勝率7.1%・連対率7.1%・複勝率7.1%
今年の新種牡馬で大将格のドゥラメンテだが、アスコルターレが唯一の勝ち馬でそれ以外はすべて4着以下に敗退。1~2番人気で6戦1勝と期待に応えられず、産駒は厳しいスタートを切っている。頭数は圧倒的に多いので今後は勝ち上がりも増えるだろうが、現時点では33頭が上場されるセレクトセールに向けて厳しいイメージしかない。

■ディスクリートキャット
産駒7頭・9戦1勝[1.3.1.4]・勝率11.1%・連対率44.4%・複勝率55.5%
プルスウルトラが未勝利戦を勝ち上がるなど、まずまずのスタート。好走条件もダート1000m・芝1000~1400mとはっきりしている。短距離戦なら馬券的に「買い」だ。

■ミッキーアイル
産駒7頭・8戦0勝[0.1.1.6]・勝率0%・連対率12.5%・複勝率25%
同じオーナーのミッキーワクチンが新馬戦で2着に好走。セレクトセールで3672万円だった素質馬だけに次走も注目だ。

■リオンディーズ
産駒6頭・6戦0勝[0.0.0.6]・勝率0%・連対率0%・複勝率0%
テイルウインドが2番人気7着などデビューした6頭はすべて結果を出せず。産駒は多いだけに今後に期待したいところだが。

■ホッコータルマエ
産駒6頭・7戦0勝[0.1.1.5]・勝率0%・連対率14.3%・複勝率28.6%
エナジーロッソがレーンを鞍上に新馬戦で2番人気3着。しかし次走の2歳未勝利戦では三浦皇成騎手で5着と結果が出せず。とはいえ見限るのは早計で、今後に期待したい。

■マクフィ
産駒5頭・5戦1勝[1.0.1.3]・勝率20%・連対率20%・複勝率40%
函館の新馬戦でルーチェドーロが単勝1.9倍の支持に応えて2着に1.1秒差の快勝。しかもレコードタイムのおまけ付き。次走の函館2歳S(G3)が試金石に。

■ラブリーデイ
産駒5頭・5戦0勝[0.0.0.5]・勝率0%・連対率0%・複勝率0%
今のところ目立った活躍は見られず。ラブリーデイのオーナーでもある金子オーナーが所有するジャカランダレーンのデビュー待ちか。

■アジアエクスプレス
産駒3頭・3戦0勝[0.0.0.3]・勝率0%・連対率0%・複勝率0%
2番人気ニシノミズカゼが4着。配合相手次第で上昇も。

■ダノンシャーク
産駒3頭・3戦0勝[0.0.0.3]・勝率0%・連対率0%・複勝率0%
デビューした3頭はすべて8着以下の大敗。勝ち馬とのタイム差も、4.0秒・1.8秒・2.6秒とかなり差を感じる内容。

■クリエイターII
産駒3頭・3戦0勝[0.0.0.3]・勝率0%・連対率0%・複勝率0%
出走した3頭はすべて単勝50倍以下の2ケタ人気と低評価。結果もすべて2ケタ着順と前途は多難。

■ダノンレジェンド
産駒2頭・2戦0勝[0.0.0.2]・勝率0%・連対率0%・複勝率0%
2頭ともいいところがなくデビュー戦で敗退。JRAでは敷居が高く望みは地方競馬か。

■ペルーサ
産駒2頭・2戦0勝[0.0.0.2]・勝率0%・連対率0%・複勝率0%
2頭はともに10番人気以下の低評価。結果もいいところがなく敗退し、産駒数が少ないだけに今後の展望は暗い。

■エイシンヒカリ
産駒2頭・2戦0勝[0.0.0.2]・勝率0%・連対率0%・複勝率0%
2頭がデビューしてともに敗退。新馬戦4着のシャイニングライトは次走期待も、全体的には今後も苦戦必至か。

■クリーンエコロジー
産駒1頭・1戦1勝[1.0.0.0]・勝率100%・連対率100%・複勝率100%
宝塚記念当日の函館競馬場でディープエコロジーが見事新馬勝ち。

■ミュゼスルタン
産駒1頭・1戦0勝[0.0.0.1]・勝率0%・連対率0%・複勝率0%
ユングヴィが新馬戦で4番人気4着とまずまずの走り。同馬は厩舎ゆかりの血統でかなり力を入れているだろう。鞍上の柴田善臣騎手も「新馬としては合格点」と好評価。

■リヤンドファミユ
産駒1頭・1戦0勝[0.0.0.1]・勝率0%・連対率0%・複勝率0%
ベストインクラスがデビュー戦8着、2歳未勝利戦9頭立て5着と敗退続き。産駒数も少なく今後も厳しいだろう。

■トーホウジャッカル
産駒1頭・1戦0勝[0.0.0.1]・勝率0%・連対率0%・複勝率0%
トーホウスザクは12着に敗退。トーホウの冠名を持つ馬が多くオーナーの愛情を感じるだけに、なんとか勝ち馬を輩出してほしい。

■バンデ
産駒1頭・1戦0勝[0.0.0.1]・勝率0%・連対率0%・複勝率0%
モンサンテゾーロがデビュー戦で見せ場なく敗退。産駒が少ないこともあって今後も厳しいだろう。

 以上のように、29レースの2歳戦で新種牡馬は合計4勝とふるわず、なかなか厳しい現実に直面している。

 特に新種牡馬に配慮したのか、出走数が少ないディープインパクト産駒は5戦3勝と結果を出しているだけに、やはりディープインパクトの偉大さが際立ってしまうほどだ。セレクトセールまで残り2週間ほど。今後、新種牡馬産駒がどんな活躍を見せるか、更なる奮起に注目したい。

北朝鮮、史上最悪の経済難で餓死者も…人民の不満充満、暴動で金正恩政権“転覆”の危険

 北朝鮮は4月、新型コロナウイルス対策で今年1月末に完全封鎖した中国との国境を開放し、貿易を再開していたことが明らかになった。北朝鮮は国連による制裁やウイルスの感染対策の長期化で、首都・平壌市などで3カ月以上も配給を行えず、餓死者が出るなど最悪の経済難に直面。その影響は政権中枢の「平壌のエリート層」にまで及んでおり、金正恩朝鮮労働党委員長は政権転覆の危機に警戒感を強めている。

 このため、金氏が先月下旬、朝鮮人民軍の最高幹部を集めて「朝鮮人民軍が百戦百勝するには軍内の規律強化が不可欠だ」と述べ、軍内の汚職や腐敗、士気の低下などを厳しく取り締まるよう指示。金氏の妹、金与正党第一副部長も同時期、軍や国内の治安維持を担当する秘密警察組織である国家保衛省幹部に対して、「人心の動揺を抑えて、人民と軍が一体になって国家を防衛しなければならない」と強調するなど、党内序列ナンバー1の金委員長と事実上のナンバー2である与正氏は国内の引き締めに躍起となっている。

「第2の苦難の行軍」

 中国税関当局の海関総署は「5月の中朝間における商品輸出入の規模は6331万5000ドル(約68億円)で、4月の2400万3000ドル(約27億円)に比べ163%増加した」と発表した。北朝鮮の輸入額は5月の貿易額全体の92%を占め、その大半は食糧や生活必需品だったという。

 中朝両国は4月初旬、北朝鮮側の要請により貿易再開について協議したが、中国は北朝鮮からの新型コロナウイルスの流入を恐れて、国境貿易の再開を拒否したと伝えられている。しかし、その後、金委員長が習近平中国国家主席に電話し、食糧調達や貿易再開協議を懇願したことで、習氏が応じ、担当当局に対して、北朝鮮が望んでいる食糧や生活必需品などを輸出するよう指示したという。

 北朝鮮情報に詳しい「デイリーNK」によると、北朝鮮当局は国内でのウイルス感染は皆無と発表しているものの、実際には感染は拡大し、経済情勢は最悪の状態に陥っており、30万人から300万人の餓死者を出したといわれる1990年代後半の「苦難の行軍」よりも悪化しているという。

 また、これまで直接の被害を受けたことのない政権中枢の「平壌のエリート層」の生活も苦境に陥り、「第2の苦難の行軍」との言葉も出ており、一部市民からは「餓死者を出してまで核ミサイルをつくり、さらに制裁を受けなければならないのか」との金正恩指導部に対する不信の声まで出ているといわれるほどだ。

 金与正氏が先月中旬、開城の南北共同連絡事務所の爆破を予告し、実際に決行したのは、民心が揺らぐほどの経済難により内部の動揺が高まったことで、状況悪化の責任を韓国に転嫁するためだったという。

金与正氏と金委員長の連携プレー

 このように、金指導部はぎりぎりまで追い込まれており、国内の引き締めに躍起となっている。金委員長は6月の党中央軍事委員会拡大会議の予備会議で、「軍内の規律は鋼鉄のごとく硬く強いものでなければならず、軍人の自堕落な姿勢はすべてを破壊しかねない」などと述べて、「6月を軍の規律確立の月に指定する」と命令。これを受けて、軍の監視監督機関を統括する金委員長直属の「軍政指導部」は軍内での任務時間での飲酒や喫煙を禁止し、兵士のけんかや暴力沙汰、兵営からの脱走、命令なしの戦線離脱などの軍規違反を厳しく取り締まることを決めた。

 軍政指導部は4月に発足したばかりで、軍総政治局をはじめ、軍団司令部と将官級の私生活まで検閲、現場で逮捕もできる強大な権限を持つ金委員長直属の秘密親衛部隊だけに、金委員長が軍事力強化のための軍の引き締めに動いたといえる。

 一方、南北共同連絡事務所の爆破を事前に予告するなど強硬派ぶりをあらわにした金与正氏は、金剛山や開城工業区、南北の非武装地帯などへの軍の再駐留を明言するなど軍との連携を誇示。そのうえで、「朝鮮労働党と国家に忠誠を尽くせば、脱北者の親族であったとしても、その赤誠を尊重しなければならない」などとも述べて、国民の人心掌握に乗り出す構えで、正恩氏に次ぐナンバー2としての存在感を示した。

 しかし、その後、すぐに金委員長が「対南軍事行動計画の保留」を発表したが、これは「こわもての与正氏」「余裕の金委員長」という両者の役割分担であり、国内引き締めのための計算された連携プレーとの見方も出ている。

 なぜならば、今、北朝鮮軍が韓国に軍事行動を起こせば、ただでさえ食糧不足などの経済難に陥っている北朝鮮の民衆は動揺し、「食糧一揆」さえも起こりかねず、政権転覆の可能性も捨てきれないからだ。金与正氏が強硬な発言をして、軍を含む北朝鮮の国民をハラハラさせて、最高指導者の金委員長が与正氏の発言を否定すれば、国民は安心し、金委員長を讃嘆し、政権は安定するという図式で、金委員長の発言は安定を求める民心を考慮したものといえるのである。

(文=相馬勝/ジャーナリスト)

安倍政権のカジノ管理委員会には日本のカジノビジネスを監視できない理由

マカオでのカジノ・ライセンス新規再入札による企業価値の維持を優先した米LVS

 カジノホテルをもともとの本業とするドナルド・トランプ米国大統領の大口献金者として知られる米ラスベガス・サンズ(LVS)のシェルドン・アデルソン会長兼CEOが今年5月13日、日本のIRカジノ市場から撤退することを発表した。同氏は「エネルギーを別の好機に集中させるべき時期」と語ったが、それは、日本におけるIRカジノ運営免許の更新期間や他の規制が巨額の資金調達と投資に見合わないと判断したからだと見られている。

 LVSが日本撤退を表明した5月中旬から6月初旬にかけて、筆者は「サンズ撤退をどう見るか」について、電話/メール/面談等で国内外18人(うち2名は米国と上海に在住)のカジノ関係者、国内の政治家秘書、元官僚、商工会議所関係者、ロビイスト等に取材した。以下は、その回答の一部である。

A氏「サンズ撤退に新型コロナの影響はもちろんあると思うが、あんなもの、そのうち慣れて感染騒ぎにも出口がくるに決まっている」

B氏「官邸は約束を反故にした。ライセンス更新は10年かと思っていたら3年だと。官邸のずるさがよくわかった」

C氏「正直に言うと、サンズには選択肢がない。本当は日本でやりたかったが、マカオとの天秤があったということ」

D氏「せっかくつくった法がこれか。それとも、わざと曖昧にしていたのか。外資はバカじゃないから官僚が甘かった」

E氏「行政が無駄に規制を厳しくしたおかげで、こっちはいい迷惑」

F氏「カジノというギャンブルビジネスの需要そのものが終わる。もう一攫千金じゃない。当面はESG(環境・社会・企業統治)投資に移行する」

G氏「たった3年で更新なんていう、バカバカしい日本のIRに愛想が尽きたのだろう。キャッシュフローは10年で組み立てたはず。役人は何考えてるのか。そんなやり方で巨額投資するはずがない」

H氏「日本の官僚はバカですか。バカでしょう(笑)」

 ちなみに、取材に協力していただいた各氏は、ほぼ例外なく筆者のカジノに関する過去記事が日本での設営に批判的であることを承知していた。それでも応じてくれたのは、各氏が「物事の賛否は自由。カネ儲けも自由」と割り切っているからである。

 それにしても、前掲B氏の「ライセンス更新は10年かと思っていたら3年だと」というセリフには驚かされた。日本のIR施設はカジノ賭博のアガリを資金源として維持されることになっており、IRカジノ業者はカジノ管理委員会が発行する免許でカジノ場を運営する。

 IR整備法はカジノ事業者に付与する営業免許の有効期間を「当該免許の日から起算して3年」と規定しているため、3年後には免許を更新せねばならない。「10年」というのは区域整備計画認定の有効期間であり、免許(ライセンス)とは無関係だ。B氏には、その場でスマホに表示した条文を見せたが、「……いや、知らなかった」と言う。

 また、D・E・G・Hの各氏は一様に「行政が無駄に規制を厳しくした」と言うが、果たしてそうだろうか。日本の歴史上、初めて「民間賭博を公認」した政府が「賭博ビジネスから国民を守るために規制を厳しくした」というのは腑に落ちない。行政がライセンス期間を細切れにしたのは、後々の主導権を握るために、「免許を3年更新にすれば、既得権益を維持するためにカジノ業者が“天下り”の受け皿や政治資金の提供を自ら暗に申し出るだろう」と想定したからではないか。

 更新期間を短くすれば、政治家と官僚の“交渉力”がおのずと高まるからである。官僚はH氏が言うような「バカ」ではない。

 興味深いのは、C氏が指摘した「マカオとの天秤」という表現だ。米国ラスベガスを抜いてマカオがカジノ収益で世界一になったのは2006年。7年後の2013年には451億ドルという莫大な営業収益を記録した。1ドル100円換算なら日本円で約4兆5100億円だ。

 だが、それは「営業収益」にすぎない。カジノの収益は「客が負けた金額と諸手数料との合算額」であり、賭けられたチップ総額の一部にすぎないからである。VIPルームは“超・鉄火場”であり、総ベット額は途方もない金額だ。マカオにおける同年の賭け金推定総額は、実に40兆円超。オーストラリアの国家予算にも匹敵する。

 そのマカオで4月20日、特別区行政長官が今年後半のゲーミング法改正でカジノの営業権発給を「自動更新せず、新規再入札とする」と言明した。トランプ政権になって米中関係が悪化したからである。

 従って、マカオのゲーミング・コンセッションは再入札となる。マカオでカジノを運営している6事業者のコンセッション満期は2022年6月26日。マカオのカジノビジネスで余禄を食む中国政府の高級官僚が日本のIRカジノに顧客を吸われるのを嫌がり、新型コロナショックのこの時期に、LVSに対して「日本とマカオのどっちを取るか」を暗に迫っていたとしても不思議ではない。

 マカオで5つのカジノ施設を運営するLVSは香港証券取引所に上場している。LVSとしても、新規再入札でライセンスが更新されれば企業価値が維持され、株価の下落を回避できる。LVSの株はアデルソン一族が大半を握っている。同氏が「このたびは、ひとまずアベ=日本市場を捨てる」ことにした可能性が高いのである。

 LVSが撤退を表明した約2週間後の5月26日、“マカオのカジノ王”として知られたスタンレー・ホー氏(マカオ旅遊娯楽有限公司=STDMの総帥)の訃報が伝えられた。昨年時点で同社は、マカオで運営されているカジノ41施設中の22施設を所有している。しかし、メルコリゾーツ&エンターテインメントを率いる息子のローレンス・ホー会長兼CEOが横浜におけるIRカジノ開発から撤退する気配は微塵もない。

 LVSのアデルソン会長が「日本のカジノに100億ドル(約1兆円)を投資する準備がある!」と狼煙をあげたのは、今から6年前の2014年2月。その“日本上陸宣言”に対して、筆者はその直後、別の媒体でそれが「投資ゲーム」であることを指摘した。従って、LVSが「ひとまず、撤退」しても、IRカジノ法がある限り誘致に奔走する自治体がなくなる可能性は低く、カジノ業者と関連・共益ビジネスも施設建設に邁進するため、IRカジノをめぐる投資ゲームは続く。

 従って、最大手業者が一旦席を外したとしても、監視機関である「カジノ管理委員会」が機能するか否かの重要度は変わらない。

第1の欠陥――「推進する政府」と「規制する機関」が最初から骨がらみ

 世の中には、ただでさえ「カネにまつわる事件と犯罪」があふれている。もし、民設民営の巨大カジノビジネスに対する行政の監視が甘ければ、カジノは無数の事件や犯罪を引き寄せ、国民にはうかがい知れない複雑・巧妙な贈収賄による疑獄、金融犯罪などの温床となる。巨大なカネは権力そのものであり、政官は容易にその力に屈しがちだ。特に、深層で巨額のカネと政治/行政の権力が共謀すれば、仮に事犯が発覚して摘発され世に報じられたとしても、国民に伝えられる“結末”は単なる「尻尾切り」にすぎない場合が少なくない。

 本連載の初回から述べてきたように、IRカジノを本気でメディアが注視するのであれば、これを監視する「カジノ管理委員会」に、まずは焦点を当てる必要がある。国民に代わってカジノビジネスを管理・監督・監視すべき権能が一手に与えられた同委員会の職責は重く、国民の猛反対を無視して禁断の扉を開いた安倍晋三内閣と同委員会は、彼らが高らかにうたった「廉潔性の確保」を字義通りに全うせねばならない。

 しかし、前回までの記事で筆者は、カジノ管理委員会が「素人目にも穴だらけ」で、「いくつもの重大な欠陥・問題を孕んで」おり、「職責を全うできるか」は疑わしく、今のままでは「管理・監督・監視にはならない」と書いた。監視機関が「欠陥だらけ」であれば、国民に公言した「廉潔性の確保」を全うすることはできない。

 カジノ管理委員会は、公正取引委員会や国家公安委員会などと同じく、「内閣府設置法」に基づき内閣府の外局として設置された。それらは、国家行政組織法に基づき環境省の外局として設けられた原子力規制委員会や、同じく法務省の外局である公安審査委員会などと同じ「行政委員会」であり、独立した巨大な権能を与えられている。

 2011年3月11日に東京電力が起こした「東京電力福島第一原発事故」を機に、日本の国民と政府は、いくつもの教訓を“学んだはず”だった。その主要なひとつが、原発を「推進する政府」と「規制する機関」とを明確に分離することである。永年、原発を推進してきた政府は、その規制機関を事実上、傘下に置いて牛耳ってきたことで、天下りや贈収賄による癒着にまみれた原発を「安全神話」で偽装し、その結果として「3.11巨大原子力災害」を引き起こしたからだ。

 事故後の現在、環境省の外局に設置された原子力規制委員会には、カジノ管理委員会と同じく任期5年の委員が5人置かれている。その職責は言うまでもなく、「独立した行政権限による原発の安全規制」だ。「推進」と「規制」が骨がらみにならぬよう、「職員の異動」や「民間登用」を規制し、省庁から規制庁に異動した職員が出身官庁に戻ることを「ノーリターン・ルール」で禁じた。また、原子力を推進する民間の組織・団体・企業から登用した職員の出戻りにも同様のルールが適用された。そうした機構上の刷新によって、少なくとも表面的な「形式的な分離」を示したわけだ。

 とはいえ、昨年9月1日に施行した「原子力規制委員会設置法」で「原子力規制庁の職員の原子力利用推進に係る事務を所掌する行政組織への配置転換を認めない」と“出戻り”を禁じていたにもかかわらず、わずか1カ月後に政府は「原子力の仕事に直接関与する部署以外であれば(出戻りを)認める」と運用ルールの解釈を変更した。設置法は3.11原発事故の教訓を蔑ろにするザル法と化したのである。

 ところが、内閣府の外局として設置されたカジノ管理委員会には、最初から職員の異動に関する「形式的な分離規制」さえ設けられていない。原発の規制委員会と同じく、カジノの規制機関も天下りや贈収賄での馴れ合いを回避するためには当然、「政府から機関分離」する必要があったはずだ。その厳格性を欠いたまま始動した同委員会は、人事や運営以前に、「組織そのもの」が起動時点ですでにゆるゆるなのである。警察庁や国土交通省から異動してきた職員は、出身官庁に戻ることもカジノ関連産業に異動することも事実上、不可能ではない。

 周知のように、IRカジノ法を閣法として起案し、国会で合法化した安倍内閣は、経済再生のための数多ある政策案を打ち捨てて、日本史上初の「外資を含む民間カジノ業者による賭博の合法化」を強行採決した。「カジノが財源を潤す」との名目で法制化されたIRカジノ法は、それを起案した政権による「民間賭博ビジネスの奨励」を命題として抱えている。

 外資含みの民間企業によるカジノ賭博の振興で業者に稼がせたカネを期待することが法の目的とされているからには、それを規制・抑圧すれば辻褄が合わなくなる。従って、政府から異動してきて、いずれは政府に戻ったりカジノ関係組織等へと流れていく可能性が大きい職員は当然、将来の異動先で「減点」となるような“厳格規制の実行”には腰が引ける。

 つまり、カジノを規制する行政組織が「職員の異動先を無規制」としたことは、規制機関としての致命的欠陥なのである。最初から原子力規制委員会設置法と同じ「ザル法」ということだ。仮に、政権を揺るがすような巨大疑獄が察知されたとしても、組織そのものが人事面で政権に牛耳られた現在のカジノ管理委員会には、はじめから手も足も出ないのである。

 その結果、規制対象の背後に潜む巨大な「力」の影が大きければ大きいほど、事犯を一瞥した瞬間に、職員や管理職が目を背けがちになる。逆に、それが“許容範囲”の相手であれば、厳しい規制と処断に躊躇することはない。「規制」と「推進」を分離しなければ、そうした歪な“監視”が必然であることは十分に想定内だったはずである。以下、次稿。

(文=藤野光太郎/ジャーナリスト)

電通と政府・官僚が癒着した理由とは? 博報堂出身の作家が解説

正解のないWEBマガジン~wezzyより】

Getty Imagesより

 国の持続化給付金支援事業において、電通やパソナが設立していた社団法人「サービスデザイン推進協議会」が受託した事業費769億円の97%、749億円を電通に再委託し、電通はさらに自分の子会社に再々委託していたことが、東京新聞の報道で明らかになった。電通は全く同様のやり方で総務省の「マイナポイント事業」も受注していて、電通と官庁の癒着構造が、想像以上に深くなっていたことが明らかになってきた。

 この問題の発覚以来、私の所には新聞社を含む多くのメディアが取材に来たが、異口同音に「なぜ広告代理店の電通がこのような事業を受注するのか」と聞いてくる。今回はその構造を解説する。

梶原雄太・降板騒動、上沼恵美子が公開パワハラで見せた“危険な症状”…本人に自覚なし

 キングコングの梶原雄太さんが、レギュラー出演していた『快傑えみちゃんねる』(関西テレビ)と『上沼恵美子のこころ晴天』(ABCラジオ)を6月いっぱいで降板した。その背景に、6月26日放送の『快傑~』の収録時に上沼さんの“パワハラ”に近い“いじり”があったのではないかと「女性セブン」(7月16日号/小学館)で報じられた。

「女性セブン」によれば、この番組の約1時間の放送中、2カ月ぶりにスタジオに登場した梶原さんが話をしたのはたった70秒だったが、実はお蔵入りになったやり取りがあるようだ。上沼さんは「義理を欠いている」と梶原さんを責め、さらに「イラついてんねん。キミに!」と言い放ったらしい。そう言われて梶原さんは明らかに動揺した様子で、笑いも消え、涙目になり、「なんでこんなに嫌われたんやろ」と絞り出すように話したという。

 この答えを見つけるのは難しい。何しろ上沼さんは梶原さんを息子のようにかわいがり、『快傑~』のレギュラーに抜擢したのも上沼さん自身らしい。梶原さんも上沼さんを恩人と慕っていたようなので、一体なぜ歯車が狂ったのかと首をかしげたくなる。

「かわいさ余って憎さ百倍」ということわざ通りのことが起きているようだが、そのきっかけになるのは、たいてい些細なことだ。「女性セブン」では、『快傑~』の構成作家を務める上沼さんの次男が、あまりに母親が梶原さんを評価することに嫉妬して梶原さんに関する悪評を広めたというテレビ局関係者の証言が紹介されているが、どこまで事実なのか、わからない。

“パワハラ”加害者は自己正当化しがち

 私は上沼さんの大ファンである。上沼さんの関西での人気は絶大だし、ちゃんと人を見て的を射たことを言う能力に敬意を表している。だから、“ネット界の上沼恵美子”になるべく、観察力と分析力を養いながら毒舌に磨きをかけている。

 ただ、今回「女性セブン」の取材に対して上沼さんが「本番中にきついこと言うのは愛です。ただ、梶原くんの返しがものすごく下手だったの。とりあえず、もう少し力をつけるべきでしたね」と答えたことに疑問を抱かずにはいられない。“パワハラ”加害者が口にする言葉に似ているからだ。

 まず、きつい言葉で叱責し、ときには暴言を吐くことを「愛です」と正当化するのは“パワハラ”加害者の常套手段である。たとえば、部下の人格を否定するような言葉を投げつけながら、「これは君の成長のためだ。愛からやっている」と正当化する上司はどこにでもいるだろう。

 また、「梶原くんの返しがものすごく下手だったの」と相手のせいにして責任転嫁するのも、パワハラ加害者がよく使う手だ。部下が「できないから」「力がないから」厳しい対応をしているのだと正当化すれば、罪悪感も自責の念も抱かずにすむからである。

 このような自己正当化は、“パワハラ”加害者にしばしば認められる。そのため、“パワハラ”加害者の言い分は、被害者の主張とかなり異なっていることが少なくない。だが、加害者は必ずしも嘘をついているわけではない。嘘は、本人が意識してつくものだが、自己正当化は本人が自分を守るために無意識のうちにやってしまうものだからだ。嘘をついているという自覚がない分、自己正当化のほうが危険ともいえる。

 とくに他人から善人と思われることを強く望み、体面や世間体のために人並み以上の努力を重ねる人は、自己正当化の達人であることが多い。そういう人が“パワハラ”加害者になると厄介だ。被害者の目には「平気で嘘をつく人」のように映っても、加害者本人には嘘をついているという自覚がまったくないからである。

 上沼さんには、梶原さんに対する苛烈な“いじり”が“パワハラ”になりうるという自覚がなさそうに見える。あくまでも“愛のいじり”と思い込んでいそうだし、もちろん嘘をつているという自覚もないはずだ。

 これだけ人気と実力を兼ね備え、大きな影響力を持つ“西の女帝”である上沼さんに歯止めをかけるのは至難の業だ。だから、梶原さんが局に自ら降板を申し出たのは賢明だと思う。YouTuberとしてデビューし、チャンネル登録者がいまや204万人を突破しているのだから、心身に不調をきたしかねないテレビやラジオの仕事にしがみつく必要はまったくないだろう。

(文=片田珠美/精神科医)

 

JRA「金子オーナー×中内田厩舎」の黄金タッグ! クロノジェネシス宝塚記念圧勝で評価急上昇の「弟」にG1級の期待

 今年の宝塚記念(G1)はレース30分前の豪雨により、一時は良まで回復していた馬場が急変した。馬場状態の発表こそ稍重だったが、勝ち時計の2分13秒5は過去10年でも最も遅く、上がり3Fでも37秒を超える馬が多数出るまでに悪化した。

 そんなタフなレースながらも直線先頭から2着キセキを6馬身千切る圧勝を見せたのがクロノジェネシスだ。18年の阪神JF(G1)ではダノンファンタジーの2着に敗れ、昨年の秋華賞(G1)で悲願のG1制覇を成し遂げた馬が、G1馬が8頭集まった春のグランプリで牡馬の強豪を蹴散らして、一気に頂点に上り詰めた瞬間だった。

 この勝利により、自身の評価が高まると同時に俄然注目される存在となったのが、弟のクルーク(牡2、栗東・中内田充正厩舎)である。クロノジェネシスの父はバゴだが、モーリスに替わった半弟は昨年のセレクトセールに上場され、5616万円で取引された。

 モーリスと配合されたことで発生したサンデーサイレンスの4×3は、過去の名馬に多く見られた「奇跡の血量」にも当てはまる。母クロノロジストは、昨年のヴィクトリアマイル(G1)を優勝したノームコア(父ハービンジャー)も出しているだけに良血といえるだろう。

 また、クルークを購入したのが、金子真人オーナーであることも注目したい。金子オーナーといえば、クロフネ、キングカメハメハ、ディープインパクトをはじめ、これまでに多くのG1ホースを所有している。個人馬主としては初となる八大競走完全制覇を達成した「相馬眼」の持ち主としても有名だ。

 クルークの母父であるクロフネを所有していたこともあるだけに、オーナーにとっても縁のある血統といえるかもしれない。管理する中内田厩舎も関西で頭角を現している腕利きだけに「金子オーナー×中内田充正厩舎」となれば黄金タッグだろう。

 デビュー時期はまだ決まっていないとはいえ、自ずと期待は大きく膨らむ。

「気掛かりがあるとすれば、6月の新馬戦を未勝利と思うような結果を残せていない父のモーリスでしょうか。ですが、モーリスは古馬になってから本格化を遂げた馬です。

同じく父スクリーンヒーローのゴールドアクターも本格化したのが古馬になってからだったことを考えれば、結論を出すのはまだ早いかもしれません」(競馬記者)

 数多くの名馬を見出した金子オーナーの相馬眼にかなったということであれば、クロークが大物の可能性は十分にある。姉の2頭がG1馬になっていることも強力な後押しとなりそうだ。

 今からデビューが待ち遠しい1頭である。