JRAディープインパクト「種牡馬リーディング」2位に“ダブルスコア”の独走! それでも偉大な父サンデーサイレンスの“足元”にも及ばず?

 2020年も折り返し地点を迎え、夏競馬真っただ中のJRAでは今週末から後半戦が始まる。

 今年の上半期も当たり前のようにディープインパクト産駒が大活躍を見せた。コントレイルが父以来となる無敗の牡馬クラシック2冠に輝いたのをはじめ、フィエールマンとグランアレグリアが古馬G1を制覇。もちろんディープインパクトが種牡馬リーディング首位に立っており、産駒の総獲得賞金は40億円を突破。これは昨年獲得した自己ベストの76億8176万8000円を上回る年間80億円に達するペースだ。

 そのディープインパクトは昨年7月に急逝。今年国内で生まれた当歳世代は10頭ほどと少ないため、来年夏にデビューする現1歳世代が事実上のラストクロップとなる。2012年から昨年まで8年間にわたって種牡馬リーディングを獲得しているが、現役産駒が激減する3~4年後には“次代を担う”ロードカナロアをはじめとした新興勢力にその座を明け渡すことになるだろう。

 ただし今年に関しては、ディープインパクトとロードカナロアの間にはまだ大きな差がある。

【種牡馬リーディングTOP3(以下、獲得賞金順)、2020年上半期】
1位 40億0905万1000円 ディープインパクト
2位 19億8939万4000円 ロードカナロア
3位 15億2426万5000円 ハーツクライ

 現5歳世代が初年度産駒にもかかわらず20億円近く稼いでいるロードカナロアも十分すごいが、それを20億円以上上回るディープインパクトはさすがの一言。下半期の成績次第では、2位に2倍以上の差をつける“ダブルスコア”でのリーディング獲得もあり得る状況だ。ディープインパクトはこれまで、1歳上で種牡馬としてライバルといわれてきたキングカメハメハの存在もあって、ダブルスコアでのリーディング獲得は一度もなかったが、今年ついに自身初の快挙を狙う。

 種牡馬というトピックを語るうえで欠かせないのがディープインパクトの父サンデーサイレンスだ。1991年にアメリカから輸入され、わずか10年ほどの間に日本の競馬地図を大きく書き換えた偉大な種牡馬である。

 そのサンデーサイレンスが初めて種牡馬リーディングに輝いたのは、初年度産駒がまだ3歳だった1995年。翌96年には、早くも2位ブライアンズタイムにダブルスコアをつけ、大種牡馬としての地位を不動のものとした。その後、2007年まで13年連続で種牡馬リーディングに輝いたが、2位に2倍以上の差をつけるダブルスコアは10回、2位に3倍以上の差をつける“トリプルスコア”も3回に上った。

 種牡馬としてサンデーサイレンスとディープインパクトを比較すると、直仔の活躍だけでなく、後継種牡馬の数や質の面でもやはり父サンデーサイレンスが圧倒しているのは間違いないだろう。ただし、ディープインパクトがサンデーサイレンスの種牡馬晩年に誕生したように、今後コントレイルをも上回るようなディープインパクト産駒が登場するかもしれない。

 残された産駒の活躍で、種牡馬ディープインパクトは偉大な父サンデーサイレンスに少しでも近づけるだろうか。

全国統一基準の制定~パチスロ1号機の誕生~【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.08】

 

 パチンコ型スロットマシン、略して「パチスロ」が誕生してから5年後の昭和60年。再び、スロットマシン業界に大変革が巻き起こる。

 それまでの風俗営業等取締法が大改正され、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(俗に言う新風営法)となった。

 遊技機に関する規則も大幅に改訂され、それまで「その他の遊技機」とされていたパチスロが「回胴式遊技機」という名称で正式に法律の上で定義されたのである。

 さらに、遊技機の仕様や規格、ホールでの営業・運用についても全国統一基準が定められ、現在のような保通協(保安電子通信協会)による型式試験がスタート。この試験にパスしなければ遊技機は発売できないことになった。

 この大改正で誕生したのが、パチスロ1号機。以後、従来の旧基準のマシンは0号機という呼称で区別されることとなった。

 先述のとおり、1号機で初めて全国統一基準が定められたわけだが、では0号機の時代はどうだったかというと、ざっくりいえば各都道府県で認可の基準はバラバラだった。

 たとえば、貸しメダル料金にしても1枚20円のところもあれば10円、あるいは7円と都道府県ごとに異なっていて、それに対応するために同じ機種でも設置される都道府県ごとに仕様が異なっていたのである。

 いまのようにコンプライアンスを遵守する意識もなく、取締もずっと緩かったので、不正改造など日常茶飯事。店ごとにカバン屋と称する業者を雇って基板を好き勝手にカスタマイズするなど、もうやりたい放題だったらしい。

 そういったことがエスカレートして問題視されたことも、新風営法によって厳格に規制を受けることとなった大きな一因であろう。

 話を1号機へ戻して、機械の仕様や規格の面での0号機との違いについて説明しよう。

 最大の違いは、出玉獲得の要となるボーナスゲーム。0号機までは、現在の『ジャグラー』や『ハナハナ』などでいうところのレギュラーボーナスのみが搭載されていた。

 1回あたりの出玉は、90枚程度。しかし、一度それが当ると、あたかもパチンコの確変状態のようになって連続で当り続け、所定の枚数に到達すると打ち止め終了となるシステムだった。

 打ち止め枚数は当然のことながら店のレートによって異なっていたが、景品にするとだいたい1万円くらいになったらしい。これが「射幸性が高い」と問題視され、規制の対象となった。

 そこで1号機では新たに、最大30回の小役ゲームと最大3回のJACゲームからなる「ビッグボーナス」を導入。獲得枚数は1回につき最大360枚と上限が定められた。

 この1号機で導入されたビッグボーナスのシステムはその後、2号機や3号機へと規則が変わっても受け継がれ、パチスロのゲーム性の根幹を成すものとして定着する。

 出玉が抑えられ一発逆転の要素が払拭されたことに、旧来からのファンは落胆した。しかし、見方を変えれば、出玉が少なくなった分、当たりやすくなり、気軽に遊べるようになったのだ。

 このことは新たなファン層の獲得に繋がった。全国統一基準により、ホール側もパチスロを設置しやすくなった。結果、パチスロは一気に普及し、市民権を得てゆくのである。

(文=アニマルかつみ)

JRAノーザンファーム「異例のゴリ押し」が生んだ“実態なきバブル”!? 新種牡馬ドゥラメンテ「絶望的」裏事情で大暴落の危機……

 日本ダービー(G1)翌週から、来年のクラシックを見据える新馬戦が開幕して早1カ月。今年も様々な良血馬がデビューを果たしているが、最も話題となっているのは、期待の高かった新種牡馬モーリスの産駒が「未だ勝ち星なし」という実態だろう。

 これまで16頭がデビューして、18戦0勝……昨年ディープインパクトとキングカメハメハの2大巨頭を失ったノーザンファームが誇る「新時代の旗手」と期待される大物としては、やはり先行きに不安が残る結果と述べざるを得ない。

 しかし、関係者の間で、そんなモーリス以上に「お先真っ暗では……」と囁かれているのが、もう1頭の看板新種牡馬ドゥラメンテだ。

 新馬開幕2日目にアスコルターレが1番人気に応えてデビュー勝ちし、上々のスタートを切ったドゥラメンテ。しかし、その他の産駒は鳴かず飛ばず……結局ここまで11頭(計14戦)がデビューして、アスコルターレ以外は馬券圏内(3着以内)すらない状況である。

「モーリスとドゥラメンテは今年の新種牡馬の目玉的な存在で、ノーザンファームとしても今月13日、14日に控えるセレクトセールに向けて、少しでも産駒のアピールをしておきたい思惑があります。その結果、2頭合計27頭がデビューして、わずか1勝止まりとは……さすがに計算違いなのは間違いないでしょうね。

しかもモーリス産駒が勝ち星こそないものの【0.4.3.11】であることに対して、ドゥラメンテは【1.0.0.13】。前評判ではドゥラメンテの方こそアベレージタイプと言われていたのに、真逆の結果が出ています。この数字だけを見ても話題のモーリスより、むしろ“ヤバい”のはドゥラメンテの方でしょうね」(競馬記者)

 さらに記者曰く、ドゥラメンテが“ヤバい”状況に拍車を掛けているのは、ノーザンファームの超異例ともいえる「強気な姿勢」にあるという。

「種牡馬入り後、初年度の種付料を400万円に設定されたドゥラメンテとモーリスですが、実はドゥラメンテの種付料だけが上がり続けているんですよ。1、2年目は同額の400万円で推移していたんですが、昨年600万円に値上げされると、今年はさらに700万円にアップ。産駒がまだ1頭もデビューしてない段階で、これだけアップするのは異例のことです」(同)

 基本的に新種牡馬の種付料は、産駒がデビューして結果が出るまでは慎重な姿勢であることが多い。例えばモーリスは今も400万円から変動しておらず、ディープインパクトやキングカメハメハといった後の大種牡馬でさえ、人気が落ち着き、産駒のデビューが控える3年目・4年目は種付料を逆に下げている。

 しかし、その一方で400万円→400万円→600万円→700万円と右肩上がりに種付料が上昇し続けているドゥラメンテ。産駒がまだ1頭もデビューしていなかった段階で、これだけ“独り歩き”した背景には、ちょっとした“ドゥラメンテ・バブル”があったようだ。

「大前提としてノーザンファームが、ディープインパクトやキングカメハメハに替わる新エースとして、ドゥラメンテに大きな期待をかけていることは間違いありません。

そんなバックアップもあって、一昨年、昨年のセレクトセールではドゥラメンテ産駒が大人気だったんですよね。ノーザンファームがドゥラメンテの種付料に対して強気な姿勢を見せているのは、現場での周囲の関係者やバイヤーの評価が非常に高かったことが理由の1つになっているのでは」(競馬記者)

 実際に一昨年のセレクトセール当歳に初めて上場されたドゥラメンテ産駒だが、アイムユアーズの2018がいきなり1億8000万円(以下、税抜き)という高値で落札。ディープインパクトやキングカメハメハらを相手に全体2番目の高額落札となった。

 さらに昨年のセレクトセールでも、5頭が億超えを記録。一方のモーリスが最高でも5600万円だったことなど、注目度が落ちる2年目としては異例の人気ぶりだった。

「昨年のセレクトセールでは、すでにドゥラメンテの父キングカメハメハの状態が思わしくなかったことあって、完全にボスト・キングカメハメハ……いえ、ノーザンファームの次代のエースという雰囲気だったんですけどね……。

ディープインパクト、キングカメハメハという2頭が亡くなったことで、700万円の種付料はロードカナロア、ハーツクライに次ぐ第3位。産駒がこのまま低空飛行では、その“反動”も大きいと思いますよ」(別の記者)

 そんな中で5日、「超大物」と噂されるドゥラメンテ産駒のスワーヴエルメ(牡2歳、美浦・堀宣行厩舎)が、いよいよデビューの時を迎えようとしている。

 先述した一昨年のセレクトセールにおいて1億8000万円で落札されたのが同馬。父も手掛けた陣営の評価も「すごく学習能力の高そうな馬。ひと追いごとに良くなっている」と上々だが、ここは崖っぷちの父の名誉に懸け、必勝と行きたいところだ。

室井佑月、今度はコロナ感染発生の病院を「責められるべき」「反省すべき」と批判し物議

 あの人気コメンテーターの発言が再び物議を醸しているようだ――。

 新型コロナウイルスの感染拡大で3月にクラスター(感染集団)が発生した永寿総合病院の湯浅祐二院長が1日、記者会見を行い、「他の病院に比べて、新型コロナへの対処が甘い状況があった」「病院の責任者として深くおわび申し上げる」と謝罪した。

 湯浅院長の説明によれば、集団感染の起点となった患者は脳梗塞の診断で入院して発熱と誤嚥を繰り返していたため誤嚥性肺炎と診断されていたが、新型コロナの感染が判明し、他の入院患者でもPCR検査で陽性反応が出たという。

 また、入院患者の増加に伴い、血液疾患の患者を別の病気の患者と同じ病棟に入院させるケースが発生し、免疫が低下した血液疾患の患者に感染が拡大したという。

 会見は多くのメディアでも取り上げられたが、2日放送のテレビ番組『ひるおび!』(TBS系)では、その内容とともに永寿総合病院の看護師の手記も紹介。新型コロナへの恐怖から泣きながら防護服を着るスタッフや支えてくれる家族がいたこと、他の病院でクラスターが発生した際に同病院の看護師4人が志願して救援に行ったことなどが書かれていた。

 これを受けてコメンテーターの作家、室井佑月氏は「一言、言っていい?」「医療の現場の人たち、ましてコロナにかかった人たちは、被害者なわけだから責めてはいけないと思う。だけど、こういう美談を出してきて、個人は悪くないよ」と前置きした上で、次のように語った。

「病院はやっぱり熱が出た人がいたわけだから、こんなにコロナの患者を出しちゃったのは、やはり責められるべきで、反省、病院側経営者はすべきなんだよね」

 さらに紹介された看護師の手記についても「個人は悪くない」と前置きしつつ「なんかすり替えっぽく感じる」と語った。

 すると日本感染症学会専門医の寺嶋毅氏は「3月当時はまだ無症状でもうつすとは、わかってなかった」「どこでも起こり得たこと」と説明。しかし、室井氏は「でも、病院から広がるなんてことはやめてほしい」「もっと注意しなければいけなかった」と話した。

室井氏「番組がそういう作りになっていたので」

 この一連の室井氏に発言に対し、インターネット上では批判の声が広がったが、室井氏は2日、自身のTwitter上で次のように発言の真意を説明した。

「永寿総合病院にいて大変だった一部の人の話を持ってきて、病院で集団感染があった事実を美談にすり替えるのはやめろといいました。番組がそういう作りになっていたので」

「医療の最先端、現場にいる人たちを次こそ守るためには、そのとき大変な思いをされた人の話を前に出して(大変だったと思いますが)、そこであった話を美談にすりかえてはダメ。病院は徹底的に反省すべきだし、丁寧な検証が必要」

 しかし、その後もネット上では次のような声が上がっている。

「だから直すところは直して改善していけばいいだけで、責めるのはやめましょう。そういうつもりは無かったのしても、なんか攻撃的だと思う」(原文ママ、以下同)

「高慢な発言が医療従事の方にどれほど傷つけたか」

「まさか病院まで責めるとは・・・」

「私は、準医療従事者として、断固として、室井佑月さんとTBSを許す事ができません」

「彼女の言いたいことを理解してもなお、彼女を擁護出来ない」

「室井さんがおしゃるとおりですけど、彼らはコロナに対し、懸命に戦っていたのに病院関係者に責任を取れというのは可笑しいです」

「下手すれば、世界の医療機関を敵に回す発言です」

「室井佑月は被害者である病院を上から目線で攻撃して、それを批判されると被害者ズラするという」

 今回の室井氏の発言について、産業医は語る。

「永寿総合病院でクラスターが発生した3月の時点では、医療関係者の間でも新型コロナに関する情報が少なく、具体的にどのような対応をすればよいのか、その解が確立されていませんでした。そのなかでどんどん患者が増えて、特に都内では多くの病院で医師や看護師などが自身も感染する恐怖と戦いながら精神的に追い込まれた状態で、必要な医療物資が不足するなかで長時間勤務を強いられるケースも多かった。

 さらに永寿総合病院は地域密着型の病院として知られており、来院する人や入院する患者も増えており、現場もかなり混乱していたといわれています。もちろんクラスターが起きた原因についての検証は必要ですが、今の段階で特定の病院を名指しして“責められるべき”“反省すべき”というのは、ちょっと違うのではないかと違和感を感じます」

5月にもマスクめぐる発言が騒動に

 室井氏といえば、5月にもネット上でバッシングを浴びる出来事があった。

 フィギュアスケート選手の羽生結弦が愛用していたことでも知られる“日の丸マスク”の製造元であるメッシュ素材メーカー、くればぁが、同商品の製造を休止。政府からの要請を受けて同商品を生産しているとの誤った情報が広がったことが原因だったが、その誤情報を信じた室井氏が、「これを作るのに、コストどのくらいあがったんだろう。こんなことより、枚数だろうに」とツイート。ネット上で室井氏への批判の声が広がり、室井は以下のようにTwitter上に投稿していた。

「この件に関して、あたしが一瞬でも間違ったツイートを流し、その後、謝罪し訂正したのだけど、結構な量のお詫びしろ、という意見が来ます。具体的に明日、弁護士に(旦那だけど)相談します。あたしがやったことの謝罪として(削除・訂正・謝罪はした)適切なのはどのようなものかを」

「ちゃんと謝る方法を今、考えてますから」

「あたし、訴えられてないですが。自分の悪かったという気持ちを、どう相手に示したらいいか、相手のいることなので考えているだけです」

 人気コメンテーターとしてその発言が注目される室井氏だけに、影響力が大きいようだ。

(文=編集部)

 

「セガサミー」新たな芸術文化の創造へ! 文化芸術財団「Dance Base Yokohama」グランドオープン

 一般財団法人セガサミー文化芸術財団は6月25日、横浜市中区みなとみらい線馬車道駅直結の複合施設「KITANAKA BRICK&WHITE」に「Dance Base Yokohama」を開設した。

 セガサミー文化芸術財団とは、国内外の優れた芸術や伝統文化への寄与を目的に2019年3月に設立。音楽振興や日本で新たに生まれ育つ舞踊の振興・普及、国内外のアーティストや組織団体との国際交流促進などを行っており、サミー代表取締役社長、セガグループ代表取締役社長などを兼任する里見治紀氏が理事長を務める。

 同財団は1月31日にDance Base Yokohamaの公式サイトを公開。当初は4月23日の開業予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響から延期していた。

 Dance Base Yokohamaは、プロフェッショナルなダンス環境の整備、ダンスに関連するあらゆるクリエイター育成に特化した事業を計画・運営するダンスハウス。

 複合芸術であるダンスの発展のため、振付家やダンサーといったアーティストのみならず、音楽家、美術作家、映像作家、照明デザイナー、音響デザイナー、プロデューサーやプロダクションスタッフ、批評家、研究者、観客の交流拠点となることを目指しているそうで、ダンスを巡る多くの人々が垣根なく集える磁場=プラットフォームとなるように「DaBY(デイビー)」との愛称を付けたという。

 開業を記念して25日~28日には人数制限を設けながら施設の一般公開をはじめ、DaBY初の創作活動を行うレジデンスコレオグラファーの平原慎太郎によるトライアウト&オープニングブレストや、DaBYダンスエバンジェリスト小尻健太によるダンスクラスの公開、山本康介をゲストに迎えたトークや実践を交えたオープンラボなどを開催した。

 横浜にはみなとみらい地区に3月7日、ソニー・ミュージックエンタテインメントの子会社Zeppホールネットワークが大型ライブハウス「KT Zepp Yokohama」(運営・コーエーテクモゲームズ)を、4月25日、チケット販売業のぴあが1万人規模の音楽専用アリーナ「ぴあアリーナMM」をオープンさせた。

 どちらも新型コロナウイルスの混乱によってイベントの開催延期・中止が続いているが、いずれはDance Base Yokohamaもこれら施設と共にセガサミーグループの理念のもと、芸術文化の振興・普及に貢献してくれることであろう。

 なお、同財団は3月30日、クラウドファンディング事業を展開するREADYFOR株式会社が実施中の『新型コロナウイルスによる中止イベント支援プログラム』を通じて、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止を余儀なくされたパフォーミング・アーツ公演の主催者を支援することも発表している。

小峠、岩尾、田中卓志、春日、EXIT……“ポストコロナ”に真の才能が開花する芸人6人

 日本のテレビ業界にも大きな影響を与えた、新型コロナウイルスの世界的な蔓延。バラエティー番組や情報番組では「3密」を避けるために、スタジオ出演者同士が“ソーシャルディスタンス”をとるようになったほか、スタジオ外からのリモート出演も増えた。当然ながら多数の芸人がひな壇に集結するなどといったことも難しくなり、出演者の数が削減されるケースも多い。

 いわば“コロナ後”にシフトしているテレビ界であるが、芸人に対する評価も変化している。リモート出演に向いている芸人・向いていない芸人、少人数の収録に向いている芸人・向いていない芸人というのが、徐々に明確になってきたというのだ。

間を活かすツッコミ力を遺憾なく発揮するバイきんぐ小峠

 リモート出演に向いている代表的な芸人が、バイきんぐ小峠英二だ。

「『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)がレギュラー陣のリモート出演を始めた頃、真っ先に注目を浴びたのが小峠さん。楽屋でも自宅でもなく、日本テレビのロビーからの出演というかなり変化球な出演だったということもあり、スタジオの南原さんがイジりまくったんですよ。そこでの反応がとにかく小気味よくて、“小峠はリモートで映える”という噂が業界内で一気に広がりました」(テレビ局関係者)

 小峠のようなツッコミ芸人は、現場の空気感を共有しづらく、タイムラグもあるリモート出演では、本領を発揮しにくいといわれている。にもかかわらず、どうして小峠はリモート芸人として評価を上げたのか? バラエティー番組にたずさわるある構成作家はこう話す。

「相手とのやり取りの“間”を重視してスピーディーにツッコむ芸人は、リモートで苦戦しています。でも、小峠さんの場合、相手の発言をすべて聞いたうえでツッコむタイプなんですよ。間を埋めていくツッコミ芸人ではなく、間を活かすツッコミ芸人なので、多少ラグがあるくらいのほうが、よりわかりやすくその魅力が伝わるんです」

相方・後藤のいない場で本来の能力が発揮されたフットボールアワー岩尾

 小峠のように間を活かすタイプの芸人ということでは、フットボールアワー岩尾望も評価を上げた。

「岩尾さんは『バイキング』(フジテレビ系)でのコメント力が高評価となっていますね。岩尾さんは、元々センスのあるコメントができるタイプの芸人さんですが、どうしても相方・後藤さんのツッコミにばかり注目がいっていた。生放送だと、よりスピーディーな展開となり、ゆったりした空気の岩尾さんの発言が後藤さんのツッコミによって途中で遮られることも多かったんです。

 でも、『バイキング』にリモート出演する際は、基本的に後藤さんは不在なので、岩尾さんのコメントが最後までしっかりオンエアーに乗る。その結果、もともと岩尾さんが持っていたコメント力が存分に発揮されるようになったんです。大人数の芸人が出演しているひな壇系の番組ではガヤのほうが目立つけど、リモートでは静かな芸人もちゃんと活かされる。まさに岩尾さんは、リモートで活かされた芸人ですね」(前出・構成作家)

落ち着いたコメント力のアンガールズ田中、ハートの強いオードリー春日

 岩尾と同様の理由で現場からの信頼感が高まっているのが、アンガールズ田中卓志。さらに、オードリー春日もリモート出演が功を奏している。

「田中さんはひな壇では大立ち回りをすることもありますが、リモートでは落ち着いた雰囲気でコメントができます。最近はそういった能力が特に発揮されていますね。春日さんについては、コメント力があるということではないのですが、“間”に左右されないボケができるのと、リモート出演でスベってもダメージを受けないというハートの強さがある(笑)。そういう意味でも、“コロナ後”に使いやすい芸人となっているんです」(前出・構成作家)

圧倒的に“映える”EXIT

 現在のバラエティーの世界を席巻するお笑い第7世代もまた、コロナ後にフィットする芸人たちだ。なかでもダントツの存在感を発揮しているのが、EXITだろう。

「EXITは、とにかく華がある。スタジオ出演者の人数を減らさなくてはならない以上、より“映える”芸人をブッキングする必要があるわけです。そうすると、圧倒的に華があるEXITが、どうしても起用されやすいんですよ。若々しくてイケメンな兼近はもちろんですが、りんたろー。も外出自粛期間の間に痩せて、かなりイケメンになっていて、コロナ前よりもいっそう“映える”芸人になっています。さらに、ルックスがいいだけでなく、兼近は忖度なしの自然体なコメントをすることも多く、視聴者に刺さりやすいという側面もある。チャラいだけでない意外性もあるということでEXITは、コロナ後もどんどん仕事を増やすでしょうね」(前出・テレビ局関係者)

もともとテレビにはない発想力が売りのフワちゃん

 芸風とは異なる部分で重宝されているのはフワちゃんだ。

「フワちゃんはそもそもがYouTuberなので、リモートで成立する企画を提案できるんですよ。企画だけでなく、撮影・編集もできるので、なんなら番組で流すためのVTRを完パケで作れる。テレビ業界の人間にない発想も持っているし、本当に今の時代に必要な芸人といえるでしょうね。ただ、最近はテレビのほうに軸足が置かれているので、このまま完全な“テレビ芸人”になってしまったら、フワちゃんの存在価値が薄れてしまう可能性はありますけどね」(前出・テレビ局関係者)

 もはや“コロナ前の世界”には戻れない――とは昨今しばしばいわれる言葉だ。それはテレビ界とて同じ。芸人もまた、コロナ後の価値観やスキルを身に着けていかなければならないのだ。

(文=編集部)

ニトリ「モチモチクッション」で幸せ広がる…「Nクール」と合体の“神商品”も

 家具やインテリアを扱うニトリの「モチモチクッション」シリーズが、多くのネットユーザーを虜にしています。

 同シリーズは、その名の通りモチモチとした触感がウリの柔らかなクッション。サイズやデザインも豊富で、1,000円以下で購入できるものもあります。

 また、ニトリではこの時期、接触冷感素材「Nクール」を使用した商品も人気ですが、「モチモチクッション(40R Nクールジオ o-i)」や「モチモチクッション(Nクール クジラ o-i)」なども展開されています。

 ネット上の評判を見てみると、

「モチモチクッションが気持ち良すぎて、家にいる間ずっと手放せない」

「ニトリのモチモチクッション、一度触ると永遠にモチモチ揉み続けてしまうな」

「Nクールのモチモチクッションでお昼寝が捗る」

「家で仕事する時は大きめサイズのモチモチクッションに座ってるから、お尻が快適」

「家族みんな大好きなモチモチクッション。ペットも気に入ったのか、よく乗ってくつろいでるよ」

「モチモチクッションは、触る者みな幸せにしてくれる」

などと喜ばれています。ニトリの公式通販「ニトリネット」でも購入できるので、お気に入りの「モチモチクッション」を見つけましょう!

(文=編集部)

 

JRA武豊も注目!? 【エクリプスS(G1)展望】世界最強馬エネイブル始動戦に豪華メンバーが集結! 最大目標・凱旋門賞を占う重要な戦い

 5日、イギリスのサンダウン競馬場でエクリプスS(G1)が開催される。今年のイギリス競馬は新型コロナウイルスの影響で3月17日から中断していたが、6月1日から開催を再開した。この中断期間中には2000ギニー(G1)開催日なども含まれていたため、同レースをはじめとしたクラシック競走は延期での開催となっている。

 幸いにも、例年通りの開催となったエクリプスSには豪華メンバーが集結した。また、日本での馬券発売もあるため、多くの競馬ファンが注目しているのではないだろうか。

 まず、最も活躍に期待がかかるのは日本代表ディアドラ(牝6歳、栗東・橋田満厩舎)だ。

 昨年から活動の拠点を海外に移し、ドバイ、香港、イギリス、アイルランド、サウジアラビアと世界中のレースを転戦している。これだけワールドワイドに第一線で活動している馬は日本競馬史上初だ。

 昨年8月にイギリスのグッドウッド競馬場で行われたナッソーS(G1)で悲願の海外G1制覇を飾ったディアドラ。その後も、愛チャンピオンS(G1)で4着、英チャンピオンS(G1)で3着と好走しており、欧州の芝への適応も感じられる。現在、ニューマーケットを拠点に調整されており、日本馬ながら出走条件は欧州馬と変わらない。

 鞍上のO.マーフィー騎手は日本でもお馴染みの名手。ナッソーS以来5戦続けてコンビを組んでおり、すでにディアドラを手中に収めているはずだ。6戦ぶりの勝利に名手の手綱捌きに期待がかかる。

 また、今年の最大目標を凱旋門賞(G1)に置いているため、好メンバーが揃ったエクリプスSは重要な1戦となる。

 次に、世界中が熱い視線を注ぐのが世界最強馬エネイブル(牝6歳、英・J.ゴスデン厩舎)だろう。

 15戦13勝、G1・10勝を誇るエネイブル。凱旋門賞2連覇、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1)2勝と凄まじい経歴を持つ、言わずと知れた最強馬だ。

 だが、3連覇に挑んだ昨年の凱旋門賞では2着に敗れた。その結果、当初は年内で引退予定だったが、引退を撤回し現役続行を表明。今年、もう一度「史上初」の凱旋門賞3勝目を目標にしているのだ。

 昨年の凱旋門賞以来、9か月ぶりの実戦となるエネイブルだが、陣営はしっかりと策を練っている。6月17日のプリンスオブウェールズS(G1)も始動戦の選択肢だったが、当時は競馬が再開したばかりということや社会情勢を踏まえて、開催がより確実なエクリプスSを選択。ここを目標に予定通りの入念な調整をされている。

 エネイブルにとってここは通過点かもしれない。いったいどのような走りを見せるか注目したい。

 日本の馬主キーファーズがクールモアグループと共同所有するジャパン(牡4歳、愛・A.オブライエン厩舎)も見逃せない。

 鞍上・武豊騎手で凱旋門賞参戦するため、キーファーズが購入したジャパン。昨年の英インターナショナルS(G1)では当時レーティング世界No.1のクリスタルオーシャンを退けて優勝した。凱旋門賞でも4着に好走している実力馬だ。

 今年の始動戦のプリンスオブウェールズSでは1番人気に推されるも、まさかの4着。この敗戦についてオブライエン調教師は、出遅れとハイペース、久々の実戦ということを敗因に挙げており、悲観していないようだ。叩き2戦目の今回、本領発揮となるだろうか。

 もし、ここを勝つようなことがあれば武豊騎手の凱旋門賞制覇もグッと引き寄せられることになるかもしれない。

 他にも、今年のコロネーションC(G1)を制したガイヤース、3連勝でプリンスオブウェールズSを制し勢いに乗るロードノースなども出走を予定している。

 凱旋門賞を占う上で重要なレースとなるエクリプスS。5日、日本時間23時35分の発走を予定している。

JRA兄は「1勝馬」でも2億円獲得! 「1億7000万円」弟サンデージャックの兄超えはデビュー戦が正念場!?

 2歳戦がスタートし、早1か月が経過した。

 今年の新種牡馬として注目を集めているのは、ドゥラメンテとモーリスの2頭だ。ドゥラメンテ産駒はのべ14頭が出走し、1頭は勝ち上がりを見せている。だが、それ以外はすべて馬券圏外で、期待通りの活躍とは言い難いだろう。また、モーリス産駒に至ってはのべ18頭が出走するも、未だに1頭も勝ち上がれていない状況だ。

 その一方で、現在2歳リーディングはディープインパクト、キズナの親子がともに3勝でトップに君臨している。ディープインパクトに至っては出走頭数わずか5頭で、3勝とはさすが大種牡馬といったところだ。それに続く2勝には、フランケル、スクリーンヒーロー、ダイワメジャーといったお馴染みの名前が名を連ねている。

 5日、阪神5R芝1600mの新馬戦に今年も好調なダイワメジャー産駒の注目馬・サンデージャック(牡2歳、栗東・宮本博厩舎)が出走する。

 2019年のセレクトセールで1億7000万円の高額取引をされたサンデージャック。落札価格からも注目の高さが窺えるだろう。また、ダイワメジャー産駒は4歳世代でアドマイヤマーズ、3歳世代でレシステンシアがおり、3年連続のG1馬輩出に期待がかかる。

 先月24日の追い切りでサンデージャックは、栗東・CWコースで松山弘平騎手を背に5ハロン70秒5、ラスト12秒5を記録。時計は目立ったものではないが、一杯に追う僚馬(2歳新馬)に2馬身半先着していることからも、新馬戦では能力上位と見て問題ないだろう。

「1週前追い切りに松山弘平騎手が跨っていることからも、期待の高さが感じられますね。高額馬に恥じない動きで、初戦から期待できそうです。陣営は『他の馬を気にする面がある』と言いながらも、能力の高さも評価しています。スムーズな競馬ができればといったところでしょうか」(競馬記者)

 サンデージャックが高額馬であることには血統的な裏付けもある。半弟は勝ち鞍「未勝利戦」のみで、獲得賞金2億円超えのエタリオウなのだ。

 兄は新馬戦で4着に敗れてしまうが、次走の未勝利戦で勝ち上がると、そこから4戦連続で2着に敗れる。この4戦目は青葉賞(G2)だったため、日本ダービー(G1)の切符を獲得。本番は13番人気ながら4着に好走し、その後の活躍が期待された。だが、またしてそこから3戦連続で2着に泣いた。

 近走は掲示板にもなかなか入れない不振が続いているが、これまでに菊花賞(G1)を含む重賞4回で2着に入ったことで、1勝馬ながら2億円もの賞金を獲得しているというわけだ。

 あと1歩勝利に届かない兄の二の舞とならないためには、サンデージャックは兄が敗れた新馬戦を制する必要があるだろう。兄が果たせていない重賞制覇を先に達成することに期待がかかる。

世の中との距離感を絶妙に測った 川腰さん ~2019年「クリエイター・オブ・ザ・イヤー」W受賞記念対談

4月、2019年クリエイター・オブ・ザ・イヤー(主催=日本広告業協会)が発表されました。受賞したのは、博報堂の神田祐介氏と、電通の川腰和徳氏。同賞始まって以来の2人同時受賞となりました。そこで、この受賞を記念した両社オウンドメディアの特別企画として共同取材を実施。前回の神田氏メインのインタビューに続き、今回は川腰氏の声をメインでお届けします。なお取材はリモートで、お互いへの質問も交えながら同時に行い、今この状況下でクリエイティブに何が求められるのか、深いディスカッションも展開しました。ぜひ神田祐介氏のインタビューもお楽しみください。

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リモート取材中の神田氏(左上など写真4点)と川腰氏(左下など写真4点)

発想を実現するところまでがアイデア

──ご受賞おめでとうございます。アート・ディレクターの受賞は、過去にもあまり多くないそうですね。まず、受賞に際しての感想を教えてください。

川腰:本当に大きい賞を頂いて、自分でいいのでしょうかと、自分自身がいちばん驚きました。発表から少し時間がたって、プレッシャーもひしひしと感じています。クライアントやチームのメンバーの支えがあって受賞できたようなものなので、今後とも精進してお返ししていきたいです。
また、CMプランナー出身のクリエイティブ・ディレクターの受賞がこれまで多かったので、アート・ディレクターというバックボーンで評価されたことは、すごくうれしいです。今、各媒体の価値がどんどん変化して、表現のフィールドも変わってきているので、これを励みに職種の枠を拡張できるような存在になりたいと思っています。

──ご自身の仕事の中で、ターニングポイントとなった作品とその舞台裏を伺えますか?

川腰:ひとつは2017年に担当している北國新聞社のお仕事で、「第101回高等学校相撲金沢大会」のビジュアル「相撲ガールズ82手」です。100年以上続く伝統的な高校相撲全国大会のリブランディングの仕事で、大会の認知拡大と若い世代に相撲の魅力を伝えるため、相撲の伝統的なイメージをデザインアイデアで刷新しました。新聞広告の他に映像も含めてさまざまなプロモーションに展開し、メディアにも多く取り上げていただいた結果、認知拡大に成功し来場者数が大きく伸びました。
クリエイティブ・ディレクター兼アート・ディレクターとして企画も担当したのですが、大会のブランドイメージを進化させていこうとチームで共有して進めた仕事です。どんどん新しい媒体が生まれる中、オーソドックスな新聞広告という媒体にアート・ディレクターとしてフィールドを見つけ、新聞広告ならではのクリエイティブで話題化することにも成功して、とても手応えを感じました。

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北國新聞社「相撲ガールズ82手」プロモーションビジュアル新聞30段。メディアやSNSで話題になり、認知拡大と来場者増につながった。

──2018年アドフェストのプリントクラフト部門のグランプリをはじめ、D&ADイエローペンシル、ニューヨークADC GOLD、One Show GOLDなど海外の賞も多数受賞されていますね。

川腰:はい、その点でも今の自分につながっている仕事だと思います。結果的に素晴らしい賞をたくさん頂いたのですが、制作している当時はこの施策を実現させるために必死でした。舞台裏というか一番苦労したのは、企画は決まったものの、度重なるオーディションを経ても相撲の組手をとれる女性モデルさんが見つからず、もう企画倒れになるのではと焦ってました。最終的に柔道の有段者を2人見つけられた時は本当にうれしかったです。グラフィックスチールも映像も撮影したのですが、82手の組み手をリハーサル含め、計500回以上やっていただき、全部で丸3日間以上かかってモデルさんも制作陣も大変でした。ただ、その熱量がビジュアルに表れて作品が強くなったのではと思います。

──日本広告業協会の受賞者発表リリースでは、「大胆で緻密なデザイン力」に加えて、映画「『君の名は。』地上波放送プロジェクト」で誰もやったことのない発想を実現させた点も評価されていました。

川腰:「相撲ガールズ82手」も「君の名は。」もそうですが、いい発想が浮かんだとしても、それを実現するところまでがアイデアなので、発想と同じくらい実現する力も重要だと思います。この映画は主人公男女の入れ替わりがテーマなので、入れ替えるというアイデア自体はそう複雑ではありませんが、企業ロゴに触れるということは本来タブーで、普通はアイデアの時点で却下されますよね。今回は、クライアントはもちろんスポンサー各社、広告会社のチーム力の総力戦で動いていただけたからこそ実現できた施策だと思っています。

人が手に取りやすいストライクゾーンはどこなのか

川腰:もうひとつ、湖池屋の企業リブランディングでCI開発とフラッグシップ商品「KOIKEYA PRIDE POTATO」のパッケージデザインも、印象深かった仕事です。広告クリエイティブは面白さも大事ですが、最終的に商品が売れるかどうか、世の中にしっかり届くかどうかが問われています。発売当初かなり売れましたし、今年の上期ヒット商品として今現在も売れ続けていますから、手応えがありましたね。
購買を促すデザインを考えるとき、ハイセンスデザインを目指せば売れるというものではありません。消費者目線で考えると、ある程度の説得力や分かりやすさ、大衆性がないと世の中に伝わらない。店頭での差別化や見え方も考慮して。世の中の人が手に取りやすいデザインとは何か?売れる商品とは何か?デザインをコントロールができてこそアート・ディレクターだと思いますし、そのストライクゾーンはどこなのか?と研究しながら進めた仕事で、ちゃんと結果に結び付いたし、世の中とコミュニケーションが取れたという実感がありました。

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2016年10月に刷新された湖池屋のCIと、2017年2月に発売した「KOIKEYA PRIDE POTATO」のパッケージ。発売後、スナック市場売り上げナンバーワン(コンビニにおいて発売から2週連続/秘伝濃厚のり塩)を獲得。さらに、当初想定していた2月の販売量を、発売後約1週間で売り切り、品薄で一時は発売休止にもなった。

──アイデアを企画に落とし込むまで、どんなふうに考えているのですか?

川腰:最初にアウトプットのイメージがある程度あってビジュアルから逆算して考えていく方向と、ロジカルに理屈を積み上げてアウトプットに落とし込む方向があるとすると、僕はアート・ディレクターなので、どちらかというと前者寄りのビジュアル思考の企画の仕方をします。1枚のビジュアルだけで企画になるか?こういうビジュアルがあったら皆が驚くんじゃないか?というイメージがアイデアの出発点になることが多いです。
そのアイデアの中から、どうしたら話題につなげ、しっかり商品に落とし込めるかを練っていきます。例えば高等学校相撲金沢大会の施策では、認知拡大と来場者数の増加が目的だったので、そこに寄与するように、新聞を軸にしつつもソーシャルメディアを組み合わせたPRも並行して考えて、話題化するために全体設計を構築していくような方法をとりました。

分かりやすさや大衆性と、質の高いデザインとの折衷

──このインタビューに先立って、日本広告業協会の会報誌の取材でお二人は対面されているそうですね。異なる領域で活躍されてきたお二人ですが、神田さんから川腰さんに聞いてみたいことはありますか?

神田:川腰さんのデザイン、僕すごく好きです。時代の気分に即しているけれど、程よい距離感で少しだけ進んでいる、“ザ・デザイン”をしっかりつくられているところがいいなと思っていて。この距離感の取り方って、実は全ての職種にいえることですが、とても難しいと思うんですね。時代に対して進み過ぎているときょとんとされるし、でも時代に合い過ぎていると鮮度がない。この絶妙なところを押さえている感度が、すごいなと思っています。
湖池屋のロゴも、まさにそんなお仕事ですよね。名刺も側面など赤をベースにしていますが、あれはどう決めていくんですか?また、企業ブランディングで最初に考えるのはどこからですか?

川腰:そうですね、基本的にはロゴからです。企業理念や歴史、これからのビジョンなどさまざまな情報を集約した上で企業CIがどういう形がベストなのか、企業の個性をいかに魅力的に表現し思いが伝わりやすい形にするか?さまざまな視点から考えていきます。そこから企業ブランディングの家紋のようなロゴが生まれ、商品に展開していったという流れでした。
側面の赤い色は、それまでの企業ロゴの色を引き継いでいます。今までを否定するのではなく、これまでの伝統の積み重ねの先に新しい企業の形があると思います。なので赤色は生かしたいという思いがあって、原点に立ち返って形を抽出した上で検討しました。

神田:このロゴの印象は、やはり時代に対してちょっと進んでいて、でも全体としては湖池屋の伝統も感じます。背景にはそんな思考のプロセスがあったんですね。

川腰:そうなんですよね。奇をてらうデザインや、ハイリテラシーなロゴもつくろうと思えばつくれますが、やはり企業らしさを考えて、見せ方をコントロールします。そして、ある程度の分かりやすさや大衆性がないと、やっぱり伝わらない。伝わらないデザインは意味がないので、質の高いデザインとの折衷ですよね。カッコ悪かったらもちろんダメだし、真ん中でもダメ。

神田:真ん中でもない。

川腰:そうですね、まさに言っていただいたように、時代のちょっと先を感じてもらえるところに狙いを定めます。そのコントロールは、どんなデザインでもいつも意識して、一定の解像度をもって狙ってます。そして数値では測れない、人が感覚的にワクワクする魅力的なデザインを世の中に提示したいですね。

クリエイティビティーは日本人に必要な教養

──図らずも今、世界中が大きく揺らぐ事態に直面しています。企業は投資の見直しを迫られ、生活者の価値観も変化しています。その際にクリエイティブに求められることや、自身がどう応えていきたいか、伺えますか?
    
川腰:ある程度の経済の停滞は、避けられないですよね。その中で広告費も再検討されていくかもしれないし、限られた予算内で確実な成果を狙うとなると、保守的な考え方にならざるを得ない部分もあるのでは。要するに、挑戦しにくくなる。その中で、クリエイティビティーの力でピンチをチャンスに変えていこうとする企業が、今後のスタンダードをつくっていくのだと思います。自分としては、そのお手伝いができたらと。
クリエイターって、こういう時期は無力感に襲われたりするんです、新しい案件も動きづらいですし。でも、だからこそ「クリエイティブで何ができるか?」を考えて、この状況下の皆さんに対してメッセージ広告を企画しました。世の中が不安で覆われているときに励ましたり安心を感じてもらったりするには、やはりマス広告は唯一無二の場だと実感しましたし、今後もマス広告を扱うクリエイターとして、できることを模索したいと思っています。
生活者の価値観が大きく変わると、今まで有効だった表現が響かなくなったりセンシティブになったりすると思います。自分もいち生活者として、敏感にアンテナを張りつつ、感じ取ったことを仕事に生かしていきたいです。

──ありがとうございました。最後に、これからコミュニケーション領域の仕事を目指す方々へのメッセージをお願いします。

川腰:生活者の価値観が変わり、働き方や消費も変わってくる中で、柔軟に対応する力がますます求められてくると思います。ただ、どんな状況でも世の中を明るく、良くしていくことは広告の役割のひとつなので、そういうクリエイティブを目指してもらえるといいなと思います。自分自身も、そのお手本になれるようなクリエイターでありたいです。
これからの時代に合わせて、柔軟な対応力を付けるためと自分の知見を広げるためもあるのですが、アート・ディレクターの可能性を拡張していろいろと模索する実験の場「NEWSPACE PROTOTYPE OF ART DIRECTION」という自主活動を続けています。プロトタイプアイデアの表現を先に考えて、そのアウトプットとコラボできる企画を探してマネタイズを目指す、最終的にはビジネスにつなげることを意識していますが、その手前には「自分のアイデアを形にしたい、生み出したい、つくりたい」という内面から湧き起こる純粋なクリエイティビティーを大事にしたいと思っています。このクリエイティビティーは、控えめで画一的になりがちな日本人に今いちばん必要な教養だと思っているので、自分を含めてクリエイティビティーの楽しさや可能性を発信していきたいと思ってますし、そういう人が増えてほしいなとも思います。

■クリエイターの横顔を探る一問一答■
せっかくの2社合同企画なので、最後に一問一答でお互いの会社についての意識プラスアルファを聞いてみました。意外な共通点も浮かび上がりました!

【川腰さん編】
Q1.もし博報堂社員だったら、どんな仕事をしてみたい?
A1.そうですね、おしゃれでセンスがいい仕事をしてみたいです。博報堂はおしゃれなイメージがありますね。

Q2.なぜ博報堂に入らなかった?
A2.入れなかったんです(笑)。

Q3.憧れの博報堂人はいますか?
A3.浪人の頃から、佐藤可士和さんに憧れていました。可士和さんや佐野研二郎さん、もちろん大貫卓也さんも、博報堂はすさまじいアート・ディレクターを輩出されています。もしかなうなら、その方々の下について学んでみたかった。どういう仕事の仕方をしていたのか、勉強したいです。

Q4.広告業界以外で、影響を受けたことは?
A4.僕も漫画です(※神田さんも「漫画」と回答)。子どもの頃は漫画家になりたかったんです。絵は上手だったんですが、話をつくる能力がないので諦めました……。いちばん好きなのは、迷いますがベタに「ドラゴンボール」ですかね。

Q5.生まれ変わっても、今の仕事をしますか?
A5.広告は、やっていないかもしれないです。ただ、何か人に感動してもらえたり、笑ってもらえたりする仕事をしたい気持ちはあります。もし今、どの仕事でもできるなら、芸術家になってみたい。芸術家なら現代アートの世界で創作する日々を送りたいです。