パチスロ「高設定示唆」要素が多数発覚!「ビタ押し」マシンで、より有利に立ち回れ

 6号機ながらも5号機と変わらぬ打感。オーイズミの最新タイトル『パチスロひぐらしのなく頃に祭2』が、パチスロ上級者たちを中心に盛り上がりを見せている。

 ビタ押しが完璧であれば設定1でも機械割100%を超えるだけに、「設定1上等」と特に台選びをせずにブン回すプレイヤーも少なくないであろうが、より一層収支を安定させたいのであるならば高設定の奪取が理想。今回は、そんな本機の新たな設定推測要素を詳解したい。

 まずは既にお伝え済みのポイントをおさらいすると、小役はART中のみカウント可能な共通ベルと確定役の出現率に設定差があり、共通ベル出現率は15分の1付近を推移していれば高設定の可能性大。

 確定役は設定1:16384.0分の1~設定6:5957.8分の1と分母自体が大きいことから即効性はないが、早期に確認できればしばらく様子を見るべきであろう。

「にぱ~演出」発生時はゾロ目出現で設定が示唆され、「22%」は設定2以上、「33%」は設定3以上、「44%」は設定4以上に期待。「55%」は設定5以上、「66%」は設定6が濃厚となるようだ。

 また、ボーナス確定画面「夏描写」は設定4以上確定。富竹ボーナス中の銀背景は高設定示唆、金背景は設定2以上+高設定示唆で、金背景+「羽入」は設定4以上、金背景+「フレデリカ」は設定6が濃厚だ。

 続いて、新たな設定推測要素について述べると、運命分岐モード中は「レベル2突入ナビ」発生率に設定差があり、とりわけ富竹ボーナス後orART後、ひぐらしボーナス後は設定差大。

 詳しい数値は富竹ボーナス後orART後が設定1:1.6%、設定2:2.0%、設定3:2.3%、設定4:3.9%、設定5:5.1%、設定6:5.9%で、ひぐらしボーナス後が設定1:5.1%、設定2:5.5%、設定3:5.9%、設定4:8.6%、設定5:10.2%、設定6:12.5%となる。

 ひぐらしボーナスorオヤシロボーナス中のビタ押し成功時は画面を要チェックで、デフォルト時・1回目の「レナ」は偶数設定、「沙都子」は設定2以上示唆。「詩音」は設定1否定、「魅音」は設定2否定、「梨花」は設定3以上が濃厚のようで、デフォルメキャラの出現は設定6に大きな期待が持てる。

 このほか、本機はメニュー画面の遊技履歴にあるイラストをコンプリートすると、設定4以上であれば一度だけ「惨劇回避」の文字が出現する可能性があり、これが金文字であれば設定4以上、虹文字であった場合は設定6のサインとなる。コンプリートはかなり難しいが、達成できた暁には遊技履歴を必ず確認しよう。
  

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ファミマの「あんバターフランス」がプロも認めるウマさ!フランスパンなのにもちもち食感

 コンビニのパンは手軽に買える分、「専門店に比べると味が落ちるのでは……」と思う人も多いのではないでしょうか? そんな中、ファミリーマートで販売中の「あんバターフランス(欧州産バター100%使用)」(178円)が話題を集めています。

 1月1日に放送された『ジョブチューン ~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』(TBS系)で、一流料理人たちが満場一致の合格を出した同商品。視聴者から「コンビニでプロレベルのパンを買えるの!?」「あんこたっぷりだから食べごたえがありそう」などと注目を浴びています。

 あんことバターをサンドしたフランスパンは、生地に国産小麦配合の小麦粉を使用。やわらかく焼き上げられ、フランスパンでイメージしがちな硬さがありません。もちもちとした食感なので、硬いパンは食べにくくて苦手という人におすすめです。

 生地だけでなく、ほどよい甘さに炊かれたあんことバターの組み合わせも絶品。ほんのりしょっぱくて、甘すぎないバランスに仕上がっています。おやつとしてはもちろん、朝食用に買っても、くどさを感じず食べやすいですよ。

 実際に購入した人からは「なめらかなあんこが最高すぎる」「中の具が見えやすいようにパンをななめ切りにしてるのもおしゃれ」「少し焼いて食べたら香ばしくておいしかった!」と好評の声が相次いでいます。

 プロも認める味わいのフランスパンを、ファミマで気軽に購入してみてはいかがでしょうか?

(文=編集部)

※商品の価格は記事作成時の実売価格です。

JRA藤田菜七子は何故「サウジ遠征」を断念したのか。昨年、武豊と招待されるも遠征直前に「悔し過ぎる」アクシデント

 22日、昨年12月のチャンピオンズC(G1)を制したチュウワウィザード(牡6歳、栗東・大久保龍志厩舎)が、招待を受諾したサウジCを戸崎圭太騎手とのコンビで挑むことがわかった。

 昨年のチャンピオンズCで、戸崎騎手と約2年ぶりのコンビを組んだチュウワウィザードは、これまで全敗していた大本命クリソベリルを撃破。初のJRA・G1を制し、最優秀ダートホースにも選出された。

 管理する大久保調教師も「クセもわかってくれていますからね」と鞍上を信頼。新型コロナウイルスの影響で海外遠征が大きく制限されている状況だが、日本人コンビで積極果敢に世界の舞台に挑む。

 また、同じくキングアブドゥルアジーズ競馬場で開催されるリヤドダートスプリントに挑むマテラスカイ(牡7歳、栗東・森秀行厩舎)も、戸崎騎手とのコンビで挑むことが決まった。鞍上が定まっていなかった陣営にとって、戸崎騎手の海外遠征はまさに渡りに船といったところだろう。同レースに出走予定のジャスティン(牡5歳、栗東・矢作芳人厩舎)は、こちらも坂井瑠星騎手が共に海を渡る見込みだ。

 一方、いまだ鞍上問題が解決していないのが、マテラスカイやジャスティンと同じようにリヤドダートスプリントに出走予定のコパノキッキング(セン6歳、栗東・村山明厩舎)だ。

 一昨年のJBCスプリント(G1)2着などダート重賞常連の強豪コパノキッキング。昨年、マテラスカイが2着したことからもチャンスのある出走となるだけに鞍上が注目される。

「コパノキッキングといえば、藤田菜七子騎手が主戦を務めていることで有名です。新型コロナウイルスの影響で日本人騎手の遠征が微妙な状況でしたが、ここに来て戸崎騎手も遠征することが決まったのは大きいですね。もちろん国際情勢次第という前提ですが、これなら藤田菜七子騎手もサウジに向かう可能性は決して低くないと思います」(競馬記者)

 そんな中、藤田菜七子騎手がサウジCの前日に行われる騎手招待競走STCインターナショナルジョッキーズチャレンジに選出されたようだ。

 藤田菜七子騎手といえば昨年、武豊騎手と共にサウジCの前日に行われた騎手招待競走の招待を受けていたが、その約2週間前のレースで落馬して左鎖骨を骨折……。貴重な海外遠征の機会だったが、断念となった経緯がある。

 それだけに本人にとっては「今度こそ」の思いがあるかもしれない。現在、2週連続勝利中と好調を保っている藤田菜七子騎手の動向に注目だ。

「ポイ活」2兆円規模! バカにできないポイント運用・投資で得た儲けに税金はかかるの?

生活をもっと楽しく刺激的に。 オトナライフより】

急速に普及したスマホ決済アプリを利用すると、楽天ポイント、Pontaポイント、dポイント、Tポイントといったポイントがどんどん貯まっていく。その規模は航空会社のマイルなども換算すれば、すでに2兆円規模になっているという。最近は積極的にポイントを稼ぐ「ポイ活」も盛んになり、ポイントによる投資まで可能になってきた。そこで今回は気になる「ポイ活」の現状と、ポイント投資の方法や注意点などを解説しよう。

大手4社のポイント発行額だけで8000億円規模に!

 〇〇Payといったスマホ決済アプリの普及によって、ポイント市場は年々拡大している。買い物でもらえるポイントは元々“オマケ”的な意味合いが強く、古くはクレジットカードのポイントを商品に交換したり、次の支払いにポイントを充てるような使い方が主流であったが、最近は積極的にポイントを活用する“ポイ活”と呼ばれる動きも顕著になってきている。  分かりやすい例では、楽天市場、楽天トラベル、楽天銀行、楽天カード、楽天モバイル、ラクマなど、あらゆるサービスを揃えている「楽天」だ。各サービスに共通の「楽天ポイント」を付与することで、“楽天経済圏”…

続きは【オトナライフ】で読む

甘デジ「継続率約78%」「半数が約1000発」の強力RUSH!「時短突破型」の理想形で“波ヲ遊べ”!!【新台分析- PA交響詩篇エウレカセブンHI-EVOLUTION ZERO-編】

 パチンコにおいて強力なRUSHを可能にしたスペック。その一つが「時短突破型」のマシンである。

 昨年も様々な時短突破型マシンが登場。その中でも大手メーカー「サミー」が発売した『P交響詩篇エウレカセブンHI-EVOLUTION ZERO』は、ライトミドルながら現行MAXに匹敵する出玉性能で注目を集めた。

 初当りは99%が通常大当りで時短100回が付与される。ここで引き戻すことができれば継続率が約80%を誇るRUSHへ突入。右打ち中は75%の振り分けで1000発オーバーの出玉が獲得できる破壊力のあるスペックだ。

 そんな時短突破型として理想的なスペックを実現させた『エウレカセブン』が甘デジで登場。遊びやすくも高い一撃性は健在。更に進化した遊タイムを搭載したマシンとして間もなくホールへ降臨する。

『PA交響詩篇エウレカセブンHI-EVOLUTION ZERO』(サミー)

■初当り確率:1/99.9→1/68.1
■確変割合:ヘソ→1%・電チュー100%(ST100回)
■電サポ:40回or100回or379回
■大当り出玉:10R約1000発 6R約600発 3R約300発
■賞球玉数:1&3&4&10/10C
■遊タイム:低確率250回転後に発動(時短379回)
○○〇

 初当り(1/99.9)は、99%が「3R通常」となり、時短40回が付与される(残り1%は10R確変)。時短中に大当りを引き戻すことができれば、RUSH「SEVEN SLASH EXTRA」へと突入する。

 RUSHは100回転のSTで、この間に1/68.1の大当りを射止めて連チャンを伸ばすゲーム性。電チュー経由であれば全てが確変大当りとなり、その継続率は約78%を誇る。

 更に右打ち中の大当りは50%の振り分けで「約1000発」の払い出しを得られるため、出玉性能も十分。時短を突破するハードルは低くないが、一度RUSHへ入れてしまえば万発クラスの出玉にも期待できるだろう。

 注目の遊タイムは低確率250回転で発動。その後は「379回の時短」が付与され、次回大当りの期待度は驚愕の約98%を誇る。この間は電チューでの消化となるため、大当りを射止めればSTへ直行する点もポイントだ。

『PA交響詩篇エウレカセブンHI-EVOLUTION ZERO』の導入予定日は1月25日。甘デジ分野に新たな波が押し寄せる日は近い。

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「世界最高賞金レース」がトライアルに大暴落!? まるでアーモンドアイ、コントレイルがいないJRAジャパンC……「レースに出る必要があるのか」辛辣意見も

 24日、アメリカのガルフストリームパーク競馬場でペガサスワールドC(G1)が開催される。

 今年で5回目を迎えるペガサスワールドCは、賞金総額1200万ドル(約12億円)という世界最高賞金額を謳い文句に誕生した。一般的な競走とは異なるのが、出走馬の関係者は出走枠を得るために100万ドルを支払うという点だ。12頭立てで行われるため、プールされた1200万ドルが賞金として分配されるという仕組みになっている。

 だが、2019年から賞金総額は900万ドル、出走料は50万ドルに変更。さらに2020年には登録料制度が廃止され、賞金総額は300万ドルにまで減額された。これまで高額賞金を売りにしてきたレースだったが、現在では“普通の”G1になってしまった。

 今年の出走予定馬はブリーダーズCダートマイル(G1)の勝ち馬ニックスゴーがいるものの、それ以外は近走で目立った活躍をしていない。コードオブオナー、マスウィザードは一昨年にG1を勝っているものの、昨年はG1未勝利。昨年9着のタックスも、前走でようやくG3を勝ったばかりだ。

 第1回がアロゲート、第2回がガンランナーといった米国を代表する名馬が優勝を飾ってきたレースだが、今年の出走メンバーは手薄感が否めない。

 昨年のブリーダーズCクラシック(G1)を制したオーセンティック、ベルモントS(G1)の勝ち馬ティズザローはすでに引退。「ロンジンワールドベストレースホースランキング」で2位タイ、4位タイの2頭が不在ということも影響しているが、他にランクインしている9頭も出走しない。

 日本でいえば、有馬記念(G1)やジャパンC(G1)にアーモンドアイ、フィエールマン、コントレイル、クロノジェネシス、サートゥルナーリアが不在ということにあたる。それだけ深刻な事態なのだ。

 これには賞金減額の影響もあるが、2月のサウジC創設が大きく影響しているだろう。

 サウジCといえば、昨年創設された賞金総額2000万ドル(約20億円)のビッグレース。創設時のペガサスワールドCを上回る衝撃に、世界中のホースマンは強い関心を示した。

 昨年、マキシマムセキュリティのオーナーであるG.ウェスト氏は、ペガサスワールドCについて「300万ドルへの減額では全く話が変わってくる。サウジCへの遠征は考えていなかったが、4週間後に賞金2000万ドルのレースに出られるのに、なんで300万ドルのレースに出る必要があるのか」とコメント。同馬はペガサスワールドCに出走せず、サウジCに参戦して優勝を果たした。

 このコメントからも賞金減額のタイミングにサウジCが創設されたことで、ペガサスワールドCの魅力がかなり薄れてしまったと言えるだろう。

 皮肉なことに、ペガサスワールドCの優勝馬にはサウジCの優先出走権が与えられる。今年の出走メンバーはペガサスワールドC優勝の権威よりも、サウジCの出走権を狙いに来ている可能性すらあるだろう。

 かつての世界最高賞金レースは“トライアル”まで凋落してしまったのかもしれない……。

新台『ゴッド』シリーズ「約83%の高ループ」と「右8割1500発」は神の領域…だが懸念材料あり!?【パチンコ新台実戦JUDGEMENT】

 ホットな新台をユーザーの感想を交えつつ掘り下げていくこのコーナー、【激アツ新台実戦JUDGEMENT】。今回のピックアップマシンは、RUSH突入時の獲得平均出玉が約8000発!? 出玉性能特化型シリーズの最新作『Pアナザーゴッドポセイドン‐怒濤の神撃‐』(以下ポセイドン)だ。

 大当り確率1/498.5で確変割合80%、確変突入時の期待出玉が約9000発という強力な出玉力を装備した『CRパワーゲットゲーム』を源流にした、スロット『ミリオンゴッド』シリーズのパチンコ版。

『ミリオンゴッド』から『アナザーゴッド』まで数々のパチンコシリーズが登場してきたが、どのマシンも火力を武器に、『ゴッド』ブランドの名に恥じぬ過激な出玉性能を誇ってきた。

 もちろん、その最新作となる『ポセイドン』でもその流れは受け継がれている。大当り確率が1/319.68のミドルタイプ1種2種混合機となる本機は、継続率約83%の高ループと大当りの80%が最大ラウンド1500発出玉というRUSH(GOD GAME)性能となっている。

 ひとたびRUSHに突入すれば約8000発の出玉を期待できる爆発力は現行機でもトップクラスであろう。ゲーム性は1種2種タイプの王道を征くものとなっている。

 初当りのほとんどで移行する「時短5回転+残保留4回転」のRUSH突入チャレンジ「アトランティスゾーン」で大当りすれば、「時短19回転+残保留4回転」の連チャンモード「GOD GAME(GG)」にモードアップする流れ。GGへの突破率は約50%である。

 GGの破壊力はいうまでもないが、「20連オーバー2万発超え」「29連してクソ楽しかった」「朝イチ速攻で当たって42連で一撃4万発オーバー」といった激アツの報告が各所でなされている。

 また、本機には遊タイムも搭載されていて、大当り間で959回転消化すると時短19回転の電サポモードに突入する。つまり、遊タイム到達=GG突入となり、通常時からダイレクトで約83%ループに繋がるのである。

 以上、連チャン力と出玉感を高次元のバランスで兼ね備えた魅惑のスペックとなる本機だが、避けては通れない非常に厄介な問題が論争の的となっている。それは盤面の左に設けられたクルーンとそれに付随するスロープ&回転体役物の存在である。

 本機における通常時のプレイでは、基本的にこの左上のクルーンを通過しないとスタート入賞するチャンスはない。要は平和の「クギナイン」やサンセイの「右打ちクルーン」のような回転率に影響を与えるゲージ構成を採用しているのだが、これがなかなか厳しいものとなっている。

 最終関門となる回転体は10個の穴のうち2つがヘソに向かう入賞穴となっていて、見た目上の単純計算では1/5で振り分けられる。この1/5が障壁となり、なかなか回らないフラストレーションや極端な回りムラを発生させるのである。

「とことんクルーンに殺された」「クルーン無理」「ハズレ穴に2個重なること多発」「2/10の入賞穴を見事に回避する」

 仮に、この回転体で回転率を制御することによって本機の出玉感が担保されているというのであれば、評価が変化するのであろうか。私には甚だ疑問である。実際に打った感触としても、この試みは成功とは言い難いのではないだろうか。

 なぜならば、「回ったから面白い」はあっても「回らなくても面白い」は相当に高いハードルであり、当った後の出玉性能で勝負する本機のようなタイプとは相容れない部分があるように感じるのである。

 1万円、2万円と投資額を決めた一撃勝負や確率の2倍ハマリ以上の台で遊タイムを目指すといった遊び方が適しているのかもしれない。

(文=大森町男)

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クラシックの指揮者、なぜ楽屋は高級ホテル並みに豪華?高級ソファーや冷蔵庫、シャワーまで

 オーケストラで指揮をしているとき、このように問いかけられることがあります。

マエストロ、僕が吹いている音は何でしょうか?」

 マエストロというのは、イタリア語やスペイン語で芸術家や専門家に対する敬称として使われますが、クラシック音楽業界では指揮者のことです。これは便利な言葉で、「あ、今回初めて来た指揮者の名前、なんだっけ?」と忘れてしまっても、「マエストロ」とさえ言っておけば問題ありません。20代のペーペーの指揮者から、80代の大指揮者にまで呼びかけることができます。

 関西の繁華街で「社長、安い飲み放題のお店がありますよ!」と声をかけられる「社長」と、なんとなく似ているような気がしますが、それも”当たらずとも遠からず”です。イタリアに行けば、指揮者だけでなくパン屋の主人から生ハムづくりの名人まで、みんな「マエストロ」なのですから。

 さて、冒頭の「僕の吹いている音は何ですか?」との問いには、2つの意味があります。まず、楽譜が古くて、音符の印刷が不明瞭だったり、周りの楽器が出している音を聴いていると、自分の音はどう考えても間違えているのではないか、というものです。実は、楽譜には結構エラーがあり、指揮者のスコアだけ直されている場合が多く、指揮者に尋ねてくることもあります。また、演奏者は間違っているように感じるけれど、それは作曲家の意図であると指揮者が判断することもあるので、確認するために指揮者に尋ねてくることもあるのです。

 しかし、本来ならば、「僕が演奏している音は合っていますか?」と尋ねるところです。自分が演奏しているにもかかわらず、何の音なのかを尋ねてくるのは奇妙です。

 2つ目の意味は、同じ音であってもハーモニーによって高さが微妙に異なることから来るのです。音楽は、メロディー、リズム、ハーモニーから成り立っています。ピアノやギターとは違い、オーケストラの楽器は1人1つの音しか出すことができないので、一般的な3つの音で構成されるハーモニーであれば、最低3人の演奏者が必要となります。

 たとえば、ある演奏者が「ド」を吹いていたとしても、その「ド」がハーモニーのどこに位置するのかで、音の高さを微妙に調整するのです。ハーモニーの真ん中にある「ド」であれば、明るいハーモニーの場合は少し音を低めにとり、暗い場合は少し高めに演奏しないとハーモニーが美しく響きません。とはいえ、この程度の単純なハーモニーであれば、プロの奏者なら自分がどの位置の音を吹いているか即座に判断するのですが、もっと複雑なハーモニーの場合、指揮者に「自分は何の音」、つまりはどの位置の音かどうかを聞いてくるのです。

 その時に、指揮者がおどおどして、「えーっと、ちょっと待ってください……」などと言いながらスコアを必死で見つめてしまうようであれば、「あの指揮者、勉強していないのか」と、オーケストラ全体から白い目で見られることは間違いありません。

指揮者のために用意される豪華な部屋

 とはいえ、仮にそんな頼りないマエストロだったとしても、大学を出たてのペーペーマエストロでも、楽屋は個室を使用されます。簡単にいえば、大変優遇されているわけですが、指揮者の楽屋がどうなっているか、興味はないでしょうか。

 特に、オーケストラ専門のコンサートホールの場合は、なかなか快適な楽屋が多いです。自宅にあるものよりも高級なソファーが備え付けられていたりします。これには理由があります。自分がくつろぐためというよりも、楽屋には結構たくさんの方々が訪ねて来られるからです。スポンサーの大社長が来られることもありますし、音楽界の重鎮や重要な関係者にパイプ椅子に座っていただくことなどできません。時には、演奏会前に取材が入る場合もありますし、オーケストラの事務局員もさまざまな理由で尋ねてこられます。そんな場合にも、立ち話をするわけにもいかないので、ソファーがあると便利なのです。

 トイレやシャワーが備え付けられている楽屋も多くあります。シャワーは、やはり舞台上で結構汗をかくので、ありがたいものです。観客が演奏会の余韻をかみしめながら帰途の電車に揺られている頃、指揮者はシャワーを浴びているかもしれません。

 ベッドがないだけで、まるで高級ホテルの部屋のようですが、大きな違いは、壁に向かって化粧台と鏡が並んでいることでしょう。しかも、この鏡はたくさんの電球で囲まれています。舞台上では出演者には強い照明が当たるので、普通のメイクをしても照明で飛んでしまい、観客からは顔がのっぺりと見えてしまいます。そのため、舞台と同じくらいの光源を当ててメイクをする必要があるのです。これは、オペラ歌手やバレリーナ、舞台役者も同じです。

 客席からは自然なメイクに見えるソリストでも、実際に舞台上で共演してみると「かなり化粧が濃いなあ」と、デビューしたての頃は驚いていました。男の僕には化粧は必要ありませんが、ソリストの部屋はもちろん、楽員の大部屋でも同じように備えられています。しかも、蛍光灯やLEDではなく、いまだに白熱電球です。白熱電球でなければ、舞台と同じような照明が再現できないようです。スイッチひとつで10個くらいの電球が一気に点灯するので、部屋の気温が数度高くなったように感じます。

 ピアノや冷蔵庫が備え付けられていることも、よくあります。指揮者が冷蔵庫にビールを冷やしておいて、終演後に楽屋で1杯――。そのための冷蔵庫というわけではないでしょうが、僕はフィンランドのオーケストラの首席指揮者時代は、そういう使い方しかしませんでした。

 ちなみに、フィンランドは酒豪大国です。演奏が終わり、お辞儀をして舞台袖に引き上げてくると、指揮者は喉がカラカラになっているので、日本では舞台スタッフが水を1杯用意してくれていますが、フィンランドではビールを持って待ってくれています。そのビールをぐびっと飲んで、鳴りやまない拍手に応えるために再び舞台へと向かうわけです。

 楽屋に関して残念なのは、扉がものすごく重い点と、部屋に窓がないことが多く、あっても小窓程度だという点です。これは、外部からの音を遮断し、自分の音も外に出さないためですが、正直言うと、閉所恐怖症気味の僕にとって楽屋はあまり快適な部屋ではないのです。
(文=篠崎靖男/指揮者)

●篠﨑靖男
 桐朋学園大学卒業。1993年アントニオ・ペドロッティ国際指揮者コンクールで最高位を受賞。その後ウィーン国立音楽大学で研鑽を積み、2000年シベリウス国際指揮者コンクール第2位受賞。
 2001年より2004年までロサンゼルス・フィルの副指揮者を務めた後、英ロンドンに本拠を移してヨーロッパを中心に活躍。ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、BBCフィルハーモニック、ボーンマス交響楽団、フランクフルト放送交響楽団、フィンランド放送交響楽団、スウェーデン放送交響楽団など、各国の主要オーケストラを指揮。
 2007年にフィンランド・キュミ・シンフォニエッタの芸術監督・首席指揮者に就任。7年半にわたり意欲的な活動でオーケストラの目覚ましい発展に尽力し、2014年7月に勇退。
 国内でも主要なオーケストラに登場。なかでも2014年9月よりミュージック・アドバイザー、2015年9月から常任指揮者を務めた静岡交響楽団では、2018年3月に退任するまで正統的なスタイルとダイナミックな指揮で観客を魅了、「新しい静響」の発展に大きな足跡を残した。
 現在は、日本はもちろん、世界中で活躍している。ジャパン・アーツ所属
オフィシャル・ホームページ http://www.yasuoshinozaki.com/

ボーイング737MAX運航再開、国交省は性急な認可は禁物…墜落の危険性、解消されず

 ボーイングは2018年にインドネシアで、19年にエチオピアで起きたボーイング737MAXの墜落事故の原因となった欠陥を修正し、FAA(米連邦航空局)はこれを受けて20年11月18日、20カ月に及んだ飛行禁止令を解除した。

 欠陥があったのはMCAS(Maneuvering Characteristics Augmentation System:操縦特性補助システム)と呼ばれるシステムで、詳しくは後述する。今般ボーイングは、MCASというハードウェアは残したまま、それが誤作動を起こして急激な機首下げを発生しないようにセンサー等のソフトウェアの改修を行った。また、それが作動した場合にパイロットが速やかに適切な回復操作ができるための付加訓練も行う。

 ソフトウェアの改修点の詳細は不明であるが、これまで装備されていた2基のセンサーの数を増やすことなどによる信頼性の向上である。また、パイロットの付加訓練として、2件の墜落事故でパイロットがMCASの誤作動に対応して適切な回復操作をとれなかったことに鑑みて、回復操作手順の徹底とシミュレーターを使ったオペレーション訓練を行う。そして737MAXに乗務するパイロットが適切な回復操作ができるように、ボーイングは航空会社所属のパイロットを最大160人採用し、彼らに航空会社で35日間、指導者やコックピット・オブザーバーとして働いてもらうとしている。加えて、世界5地域でサポートにあたる154人の「オンサイト・スペシャライズド・チーム」も編成した。

 この従来にはなかった異例の措置をとった背景には、航空会社のパイロットがボーイングが定めた緊急操作を実行できないという問題があったからである。それは、エチオピア航空事故機のパイロットが前年にインドネシアで起きた事故原因を知っていながら同じトラブルに適切に対処できなかった事実、さらにFAAの運航再開の認可に向けたテスト飛行においても、優秀なテストパイロットでさえそう簡単には手順通り操作できなかったことからも明らかだ。

 米上院は20年12月18日、ボーイングの社員が運航再開を目指す過程でFAAの試験飛行のパイロットに「不適切な指導」を行っていたとの報告書を公表した。報告書は「事故原因とされる重要な制御システム『MCAS』の作動と回復操作をテストした際に、適切な手順を踏まなかった」と指摘。具体的には、FAAとボーイングがあらかじめ決められた結果を出して、パイロットの反応時間に関する人的要素の定説を再確認していた。この例では、FAAとボーイングが737MAXの悲劇につながった可能性のある重要な情報を隠匿しようとしていたとみられる」との見解を示したのである。

 報告書が引用した内部告発者の情報によると、ボーイングは試験飛行のパイロットらに事前に「(特定の)ピックルスイッチを忘れずに正しく操作せよ」と指示。指示を受けたパイロットの反応時間は約4秒となった一方、これまで米議会の公聴会での証言では、パイロットは反応に約16秒かかったとのことであった。

 737MAXの開発をめぐってパイロットがコックピット内の非常事態にどのように反応するかをボーイングが十分に考慮していなかったという報告が、相次いでなされてきたことも忘れてはならない。上院で再承認プロセスに関して懸念が表明されたのを受けて、墜落事故被害者の遺族は20年12月22日、FAAと運輸省に対し737MAXの運航再開許可を取り消すよう求めたのである。

 私がここで強調したいのは、FAAが指定したテストパイロットでさえ、MCASの誤動作に対して速やかかつ適切な回復操作を簡単に行えるものではないという点である。MCASの誤作動は、スタビライザー(水平安定板)のランナウエー(連続して一方方向に動くこと)という現象を引き起こすが、パイロットにとってこのランナウエー・スタビライザーというトラブルは最も回復操作の難しい緊急操作であり、訓練を重ねたとしても離陸直後のように高度が十分ない所で発生すると、優秀なパイロットでも確実に墜落を防げるものではない。

 今般、ボーイングがパイロットのチームをつくり、航空会社に派遣してパイロットに教育指導せざるを得ないという点を見ても、MCASの誤作動からの回復は極めて難しい操作なのである。加えて、世界のLCCを含む多くの航空会社においてパイロットの技量不足も散見されるなかで、訓練を付加しただけで問題が解決するとは到底思えない。

MCASが搭載された理由は

 そもそも、これまでほかの航空機にはなかったMCASというシステムは、なぜ737MAXに初めて搭載されるようになったのか。その要因としては、新型エンジンとその取り付け位置が挙げられる。737MAXには、従来型の737より約14%の燃費向上と搭乗旅客数の増大を目的として、ファン口径の大型化などパワーアップしたエンジンが取り付けられた。しかし、従来の737の主翼には、それを直に取り付けることができず、パイロンで主翼前方に突き出すとともに、地面とのクリアランス(間隔)を確保するように、従来の737より、若干上方および前方に移動させる必要が生じた。

 その結果、機首がピッチアップするモーメントが働くという特性が生じたため、ボーイングは離陸上昇中にピッチアップによる失速を防ぐために、手動操縦中においても2基あるセンサーからの迎角信号が規定値を超えると水平尾翼のスタビライザー(水平安定板)を自動的に操作して機首を下げるようにしたのである。このMCASによる機首下げやそれに伴う降下が異常である場合、パイロットは一瞬の猶予もなく、速やかにMCASを解除して機体の立て直しを行わないと墜落の可能性が大きくなる。手順としては、MCASが作動すると、スタビライザートリムホイールが動くが、そのオートトリムを切り、スタビライザー制御システムのカットオフスイッチを切って、手動でスタビライザーホイールを回してジャックねじを回転させる必要がある。

 この操作を瞬時に行わないと間に合わないという難しさがあるので、パイロットにとっては、それはまさに恐怖のトラブルともいえるものだ。スタビライザーは面積が大きく、それが一方的に機首下げの方向にランナウエー(連続的に動くこと)すると、その後方に付いているエレベーター(昇降舵)を操縦桿をいっぱい引いて操作しても、とてもそれを打ち消すだけの揚力を得られないため回復が難しいのである。

ソフトの改修だけではパイロットの不安は解消されない

 今般ボーイングはセンサーの数を増やすなどの改修を行い、MCASの誤作動の確率を減らしたり、誤作動が起きたときにパイロットが適切な操作ができるように付加訓練を強化することで飛行の再開にこぎつけた。しかし、それでもMCASがある限り予想できないトラブルによるランナウエー・スタビライザーの恐怖が消えるものではない。センサーの改修を行ってもコンピューターがトラブルを起こさない保証もないし、回復訓練を強化するとしても、トラブルが離陸直後など高度に余裕がないときに起きれば間に合うかどうかといった不安がつきまとうのである。抜本的な解決は、MCASを取り外す以外にはないと強調しておきたい。

 しかし、仮にそれには大幅な設計変更や時間がかかるため困難なので当面は飛行を継続したいということであれば、あくまで私案ではあるが、MCASをdeactivate(不作動)にして離陸時のエンジン定格出力を落とし、さらに失速からの回復操作をこれまでの737と同じ手順で可能とするなどの処置を行ってはどうか。

メーカーとFAAが、MCASを前提に飛行再開する理由

 737MAXはエアバスのA320neoとライバル関係にあり、ボーイングが失敗を認めて撤退することはアメリカの航空産業の失墜とエアバスにマーケットを独占されることにもなり、簡単に引き下がれないという事情があろう。2件の墜落事故を起こし計346名の乗客乗員の命を失った直後は、トランプ前大統領もMCASについて「常に不必要な対策や改善を進めている」と批判的な見解も述べていた。しかし、新型コロナウイルスの流行拡大により航空産業が大きな打撃を受けるなか、737MAXの飛行禁止を続けていくと、メーカー、エアライン、そこに従事する航空関係者の雇用も深刻な状況になる。そのためトランプ前大統領は自国の航空産業を守るために、大幅な経済支援を表明したのである。

 このような事情により、これまで航空機の安全性については厳しく監視してきたFAAも、ボーイングや米政府の意向に負けたかたちで今般の耐空性審査にゴーサインを出した。だが、前述のとおり審査の公正性と適正性に疑問が持たれる事態に発展し、FAAは信頼を大きく損なう結果となった。

ANAHDと国土交通省はどう対応するのか

 FAAが再飛行にゴーサインを出したことで、すでに一部の航空会社で運航を開始したり、発注を始めたりしている。では、日本の航空会社と行政当局はどう対応するのか。

 日本ではANAホールディングス(HD)が19年1月に最大30機の導入を決め、12月には「ほとんど発注に近い」という見解を示している。スカイマークも検討中であるほか、投資会社JIAがリース用として10機の購入契約を結んだ後に一度キャンセルしているが、今後どうするのか。

 加えて、日本では部品を製造する多くの企業が存在しており、運航停止が長引けば経営へのダメージも大きくなるので、国土交通省の認可に期待をしていることであろう。アメリカのFAAが運航再開を認可したが、日本では国土交通省の認可が必要となっており、今後、各航空会社もそれを待って発注などの手続きを行うこととなる。

 とはいえ、国土交通省は実質アメリカの言いなりで、ANAHD等の意向も踏まえて認可に動くことは間違いないだろう。それは2件の墜落事故を受け中国など多くの行政機関が運航停止にした後も、日本の国土交通省はアメリカが運航停止を決めたのを受けてやっと腰を上げたという経緯から見ても明らかである。

 だが、待ってほしい。ことは人命にかかわる重要案件である。FAAの運航再開への認証手続きで不正や不備が内部告発されている現状では、安易にアメリカ側に追随せず独自に安全性について検証を加えて判断すべきであろう。そしてANAHD等の航空会社では、何よりも自社のパイロットや整備士たちに意見を求め、少しでも不安があれば全員が納得するまで検証を行い、導入を急いではならない。

(文=杉江弘/航空評論家、元日本航空機長)

昨年から株価爆増中の岩谷産業とは何者なのか?「水素社会到来」という理想と現実

 1月13日の東京株式市場で岩谷産業株が一時、前日比300円(4%)高の7470円まで上昇し、株式併合を考慮した実質で上場来高値を更新した。株価は昨年9月から一直線の上昇トレンドを形成。2020年の東証1部上場企業の株価上昇率ランキングで15位、3715円(19年末の終値)から6360円(20年末の終値)へと71.2%高を記録した。今年に入ってからも連日上場来高値の更新を続けている。

 世界的に脱炭素への取り組みが加速するなか、燃焼時に二酸化炭素を排出しない水素はクリーンエネルギーの切り札として注目されている。産業用ガスや家庭用ガスの専門商社で水素事業を収益の柱とする岩谷産業に、投資マネーが流入している。

水素社会の実現を推進する団体を設立

 菅義偉首相は20年10月26日、就任後初めて行った所信表明演説で、50年に地球温暖化の原因となる二酸化炭素濃度の上昇を抑えるカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする)を実現する方針を打ち出した。

 50年、温暖化ガス排出実質ゼロを実現するには二酸化炭素を出さない水素の活用が不可欠だ。発電や燃料電池自動車(FCV)向け燃料として水素の利用を増やすには、コストを引き下げなければならない。

 トヨタ自動車、岩谷産業など9社は20年12月7日、水素分野におけるグローバルな連携や水素サプライチェーンの形成を推進する新たな団体「水素バリューチェーン推進協議会(JH2A)」を設立した。

 JH2Aは水素の需要創出や製造費のコスト削減、事業者への資金提供といった問題解決のための業界横断的な団体だ。トヨタ、岩谷産業、ENEOS、川崎重工業、関西電力、神戸製鋼所、東芝、三井住友フィナンシャルグループ、三井物産が理事会員として設立に参画。会員企業としてパナソニックや三井不動産など88社(20年12月7日現在)が集まった。岩谷産業の牧野明次会長、トヨタの内山田竹志会長、三井住友FGの國部毅会長が共同代表者を務める。

 12月7日の設立イベントで牧野氏は、1基当たり約5億円かかる水素ステーションの建設費について「規制緩和で価格を抑えることができると考える。都心部のガソリンスタンドと併用できれば早期の普及も可能だ」と展望を語った。

 水素はコストが高く実用化には課題がある。FCVなど自動車分野で技術開発が進むが、本格的な普及には水素ステーションの建設が重要になる。水素販売量で国内トップシェアを持つ岩谷産業が、水素社会の実現に向けて“アクセル役”として登場してきたのは、こうした背景からだ。

FCV向けの水素ステーションを設置

 国内最大手のLPガス事業者である岩谷産業はヘリウムなどの産業ガス、電池関連部材のほか、生活用品ではカセットこんろなど事業領域が広い。なかでも、特に注目されているのが水素関連事業だ。FCV向けの水素充填ステーションの設置に取り組んできた。

 15年4月13日、日本初となるショールーム併設型「イワタニ水素ステーション 芝公園」(東京・港区)がオープンした。「TOYOTA MIRAIショールーム」を併設し、前年に発売されたFCV「MIRAI(ミライ)」を展示した。東京オリンピック・パラリンピックを契機として、水素社会への進展が期待される東京の中心から、その実現に向けた情報を発信し、普及・啓発にも活用できる施設という位置付けである。純水素型燃料電池による電力供給の実証試験を行うなど、今後の水素ステーションのモデルとしての役割を担う。

 東京タワーの南側に位置し、1962年に創業したトヨタ東京カローラ発祥の地としてトヨタグループにとっても歴史的な場所にイワタニ水素ステーションは立地している。

 トヨタは2014年、ミライを発売した。ミライの20年9月末までの世界販売台数は1万1000台。しかし、19年度の日本でのFCVの販売はトヨタを含め約700台にすぎず、EV(電気自自動車)の約2万台とは比較にならない。FCVの普及のカギを握るのが水素を充填する水素ステーションなのである。

 岩谷産業は14年7月、兵庫県尼崎市に国内第1号の水素ステーションを設置した。以後、東京、名古屋、大阪、福岡の4大都市圏を中心に水素ステーションを設置。21年3月末までに53カ所を設置する計画でトヨタと組んだ。

 岩谷産業はトヨタと提携し、米国カリフォルニア州で4カ所の水素ステーションを運営している。独産業ガス大手メッサーグループがもつ水素ステーションを19年4月に買い取り、日本勢として初めて水素ステーション運営に参入した。数年後に20カ所程度に広げる予定だ。

 トヨタはミライだけでなく大型トラックでもFCVで米国に進出する計画で、水素インフラの充実が米国でもFCV普及のカギを握る。岩谷産業は米国で液化水素の製造に参入することも考えている。

水素ステーションはどこまで普及するのか

 国内の水素ステーションはENEOSが44カ所でトップだったが、岩谷産業は21年3月末には53カ所に増やし、トップに躍り出る。今後、既存のガソリンスタンドに働きかけて水素ステーションを併設していく。岩谷産業の間島寛社長は「東洋経済オンライン」(20年12月30日付)で、水素ステーションについて語っている。

<最も利用台数が多いイワタニ水素ステーション芝公園(東京・港区)では、1日に30台弱の利用がある。充填する水素ガス量が多いのはイワタニ水素ステーション東京有明(東京・江東区)だ。東京都の都営バスが燃料電池バスを導入しており、有明ステーションを利用している。こうした利用台数が増えてきたところについては、(採算的に)運営ができるところまで見えてきた>

 だが地方では、FCVは走っていないし、水素ステーションもない。勝負はこれからだ。既存のガソリンスタンドが、すんなり水素ステーションを導入するのだろうか、という根本的な疑問もある。水素社会構築の“アクセル役”に躍り出た岩谷産業の前途に立ち塞がる壁は高くて険しい。

(文=編集部)