JRA武豊から勝ち取った「主戦の座」!? 川田将雅ポタジェ勝利で分かれた「明暗」リーディング奪取へ「反撃の狼煙」か

 30日、東京競馬場で行われた白富士S(L)は、川田将雅騎手の騎乗したポタジェ(牡4歳、栗東・友道康夫厩舎)が優勝。1.9倍の圧倒的1番人気に応え、1勝クラスから4連勝を飾った。

 レースは13頭立ての芝1800m戦。ポタジェは好スタートから内に潜り込み、好位5番手を追走する。

 しかし、向正面でC.ルメール騎手が騎乗するブレステイキングが捲り上げ、これを見るように各馬が前へ進出。絶好位をキープしたかに思われたポタジェは、中団まで位置取りを下げるよりなかった。

 直線では前が壁になりかけたポタジェだったが、1頭分のスペースをこじ開けると残り100m辺りでは先頭に躍り出る。最後はサンレイポケットが外から猛然と追い込んだが、クビ差これを凌いで勝利をもぎ取った。

 川田騎手はレース後「前半途中から流れが悪くなって位置取りも苦しくなりましたが、直線はしっかりと動き出してくれました。一生懸命に走り勝ち切ってくれるので、とても偉いなと思います」とコメント。着差は僅かながら、連勝を続けるポタジェを労った。

 そんな川田騎手だが、今年に入ってからは先週まで2勝と絶不調。全く波に乗れない状況が続いていた。

 2週前に行われた日経新春杯(G2)でもポタジェと同じ金子真人オーナーの期待馬である2番人気のヴェロックスに騎乗するも9着と惨敗を喫していた。その日経新春杯で1番人気に推されていたのがアドマイヤビルゴで、それまで武豊騎手で4戦4勝と大きな話題を集めていた同馬も、ヴェロックスとともに人気を裏切る敗戦を味わっている。

 しかし、今回のポタジェ勝利が川田騎手と武豊騎手、2人明暗を大きく分けたといえそうだ。

 ポタジェは友道厩舎の管理馬で、アドマイヤビルゴと同世代のディープインパクト産駒。武豊騎手が騎乗しての連勝が止まったアドマイヤビルゴに対して、ポタジェは川田騎手で5戦5勝と勢いが止まらない。過去にはポタジェにも騎乗していた武豊騎手だが、プリンシパルS(L)、その後の1勝クラスをともに2着惜敗。ポタジェに関しては、完全に川田騎手が主戦の座を勝ち取ったといえるだろう。

 この日、武豊騎手は5鞍に騎乗したが馬券圏内に入ることもできず、全てのレースで4着以下。一方、川田騎手は5Rのボーデンで6馬身差の圧勝劇を飾ると、ポタジェでメインレースも制している。先週、東海S(G2)で今年初の重賞勝ちとともに2勝目を挙げた川田騎手は、ボーデン、ポタジェで、この日2勝を上乗せ。武豊騎手とは対照的に、ようやくエンジンがかかってきたようだ。

 昨年は167勝を挙げリーディング2位に輝いた川田騎手。今年は30日の開催を終えて未だ4勝と、宿敵ルメール騎手の17勝には遠く及ばないが、これからの巻き返しが期待できそうだ。

甘デジ「約82%の高継続率」「右25%が1000発」! 強力スペックを掲げ「控えおろう」!!

 2回ループ機で名を馳せた平和の名機『黄門ちゃま2』。そのシリーズ最新作として2019年に登場した『P真・黄門ちゃま』は初代の2回ループを現代に蘇らせたマシンとして注目された。

 今回紹介するのはその『P真・黄門ちゃま』の甘デジバージョン。残念ながら本機には2回ループシステムが搭載されていないが、流行りの時短突破型高ループマシンとして、2回ループに遜色のない出玉性能を保持しているのである。

 大当り確率は1/99.9で、ヘソ抽選時は確変突入率がわずか1%の振り分けとなっており、初当りのほとんどが3ラウンドの通常大当りとして50回転の時短が付与される。この時短中に再び大当りを引き当てることができれば100回転のSTに突入する仕組みとなっている。

 50回転の時短「黄門祭り」はその名の通り、お祭りをモチーフにした電サポ専用モード。先読み、連続予告を中心にしたスピーディーな変動で大当りを狙う。リーチは「喧嘩神輿リーチ」「和太鼓リーチ」「金魚すくいリーチ」「特大花火リーチ」「お銀もじもじリーチ」「御一行集結リーチ」「初代リーチ」の7種類。

 キャラ特化のリーチほど期待度が高くなる。特に昔の演出を楽しめる初代リーチは演出が成功すれば10ラウンド大当りとプラスアルファを期待できる激アツ演出だが、強い予告が発生すればお祭り系リーチでも大当りに期待できる。

 電サポ50回転中に1/99.9を引き当てる確率は約39.5%。残保留4回転を加えても約42%と、50%がひとつの基準となっている通常の突破型よりはハードルが高い設計となっている。

 しかし、突破した先に待ち構えるSTは大当り確率が1/59.5で100回転、その継続率は約82%と強力なものになっている。さらに、最大出玉となる10ラウンド約1000発が25%も振り分けられているので、その連チャン力と相まって甘デジとしては規格外の出玉感を味わえるのである。

 また、本機は遊タイムを搭載。発動条件は通常確率状態で265回転消化することで、到達すれば310回転の電サポモードに突入する。遊タイム発動時の大当り期待度は約95.6%と超破格なうえに電チューでの大当りなのでST突入も約束される激アツの展開となる。

 初当り後の時短消化時ならあと215回転となるが、ST終了後の100回転は遊タイム発動条件には加味されないので注意が必要となる。ただ、通常画面の右下に「◯◯◯/265」と遊タイムまでのカウントが表示されるのでここを見れば間違いはない。

 遊タイム優遇も装備された時短突破型高ループマシン『P真・黄門ちゃま 甘デジ』に注目である。

(文=大森町男)

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格安SIM「mineo」が5GBで月額1,380円の新プランを発表! スマホ料金競争の大本命になる!?

生活をもっと楽しく刺激的に。 オトナライフより】

ドコモの「ahamo」、ソフトバンクの「Softbank on LINE」、auの「povo」など、大手キャリアが打ち出したネット専用の格安新料金プランの煽りで、窮地に立たされたのが「格安SIM」である。何しろ、大手キャリアより“割高SIM”になってしまったのだから、早急に手を打たないと根こそぎ顧客を奪われてしまう。そこで格安SIMの「mineo(マイネオ)」は、新プラン「マイピタ」を発表。とくに月5GBで月額1,380円は、2021年春のスマホ料金競争の大本命になるかもしれない。

「ahamo」の登場で窮地に立たされた格安SIM

 大手キャリア(MNO)のドコモが月20GB+1回5分かけ放題で月額2,980円という格安新料金プラン「ahamo(アハモ)」を発表すると、ソフトバンクやauもこれに追随。さらに、楽天モバイルは1GBまで無料、3GBまで月額980円、20GBまで月額1,980円、20GB以上で月額2,980円という段階制の新料金プランを発表したのは皆さんもご存じだろう。だが、これで窮地に立たされたのが格安SIM(MVNO)である。何しろ、大手キャリアが発表した格安新…

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JRA C.ルメール「極上馬質」で大コケ!? 川田将雅「自滅」も忍び寄る新たな刺客にリーディング陥落の危機

 C.ルメール騎手は、このままリーディングトップを守れるのだろうか……。

 30日、中京競馬場では福永祐一騎手が3勝の固め打ち。田辺裕信騎手と並びリーディング3位タイだった福永騎手が、単独3位へと浮上した。

 この日、福永騎手は3Rを除く11鞍に騎乗。午前中に騎乗した3レースでは結果を出せなかったが、午後になってエンジンが点火した。

 午後、最初のレースは5Rの未勝利戦。騎乗したのは福永騎手にも深くゆかりのあるルペルカーリアだ。

 同馬の母はシーザリオで、日米オークス(G1)制覇を成し遂げた名牝。その仔には、デアリングタクトを輩出するなど、現在種牡馬としても活躍中のエピファネイアがおり、ルペルカーリアはこれの半弟に当たる。

 デビュー戦では4着に敗れ「まだトモの力がなく、動き切れるだけの感じがなかった」とコメントしていた福永騎手。しかし、この日は前進気勢を出す調教の効果か3馬身差の圧勝を飾り、「この血統らしい勝ち方だった」とルペルカーリアを称賛した。

 この勝利をきっかけに、7Rの1勝クラスはエアファンディタで優勝。続く8Rの2勝クラスでもフラテッリが勝利し、この日は3勝の大暴れとなった。

 一方、全く不甲斐なかったのがリーディングトップを走るルメール騎手だ。

 東京競馬場で9鞍に騎乗したルメール騎手だが、騎乗馬はいつも通りの超豪華ラインアップ。8Rまでの前半5鞍は全て1番人気とファンも固め打ちを期待していたはずだ。

 しかし、蓋を開けてみれば、その5鞍で手にしたのは僅か1勝のみ。全て馬券圏内には持ってきたものの、騎乗馬の人気からすれば期待を裏切る格好となった。

 9R以降の4鞍はさらに酷く、惨憺たる結果。唯一、クロッカスS(L)のレガトゥスで2着と健闘したものの、他の3鞍では全て2桁着順の惨敗に終わっている。

 9Rの銀蹄S(3勝クラス)ではカフェクラウンに騎乗し、好スタートから先行するもハイペースに巻き込まれ直線で失速。11R白富士S(L)のブレステイキングはスローを見越して向正面で捲りを見せたはいいが、最下位に敗れている。

 巻き返しが期待された最終レースのレインカルナティオでは痛恨の出遅れ。レースはスローペースとなり、後方からのを試みるも前が止まらず12着に敗れるという全く噛み合わない1日となってしまった。

 この日の上乗せが1勝のみとなったルメール騎手が、17勝でリーディングは未だトップ。しかし、3勝を挙げた福永騎手が2位の松山弘平騎手(15勝)に迫る14勝となり、ルメール騎手にも3勝差まで迫ってきた。

 昨年のリーディング上位4人のうち川田将雅騎手は不調に苦しんでいるが、昨年134勝で3位の福永騎手、127勝で4位だった松山騎手は今年も好調。2人とも順調に勝ち星を積み上げている。

 2017年から4年連続でリーディングジョッキーの座に君臨する「絶対王者」ルメール騎手。その牙城を崩すのは福永騎手か、松山騎手か、それとも……。

JRA「6馬身差」超速時計でサリオス超え!? ダイナカール一族の素質馬が持ったままの衝撃走…… ダノンザキッドと川田将雅「争奪戦」待ったなし?

 30日、東京競馬場で行われた5R・未勝利戦(芝1800m)は、川田将雅騎手の1番人気ボーデン(牡3、美浦・木村哲也厩舎)が優勝。2着に惜敗したデビュー戦の鬱憤を晴らす大楽勝で勝利を手にした。

 単勝1.7倍の圧倒的人気に支持されたのも納得する圧巻の走りだった。

 1分45秒2(良)の勝ちタイムはJRAの未勝利戦芝1800mで史上最速のオマケつき。稍重馬場での開催だったとはいえ、古馬G2の毎日王冠でサリオスがマークした1分45秒5をも上回る好時計で駆け抜けた。

 16頭立てのレース。好発を決めたボーデンは外目の好位5番手を追走。逃げたフジツボノミヤが快調に飛ばしたこともあり、1000m通過は57秒9のハイペースとなった。最後の直線に入って先行勢にはムチが入る中、ボーデンは終始楽手応えで先頭に並びかける。

 残り400m過ぎに先団を飲み込むと、そこからは後ろの馬と差が開く一方の独走劇。ノーステッキのまま他馬を圧倒した。ゴールしたときには2着を6馬身突き放すワンサイドゲームを披露した。

 ボーデンの血統は父ハービンジャー、母ボージェスト、母の父キングカメハメハ、母の母アドマイヤグルーヴという良血馬。血統表にダイナカール一族を持つ血は、ドゥラメンテやルーラーシップなど多くの活躍馬を輩出している。

「土曜の東京は今年初の開催ということもあり、速い時計が出ることは予想されていました。ある程度の時計が出ることは分かっていましたが、ここまで速いとなると能力なしでは出せないタイムでしょう。

前半がハイペースで流れる展開もあったにしろ、持ったままの勝利。追っていればさらにタイムを詰めることも出来たと思える走りでした」(競馬記者)

 この日の最終レースだった芝1800m条件の4歳以上・1勝クラスの勝ちタイムが1分48秒5だった。未勝利戦とはいえ1分45秒2は3秒3と大差がついたことも、馬なりで制したボーデンの強さが本物といえる証明だろう。

 また、コンビを組む川田騎手にとっても、今回の勝利は嬉しい誤算となるかもしれない、開催時期や条件の違いはあるにせよ、昨年の東京スポーツ杯2歳S(G3)を勝利したダノンザキッドの勝ちタイムは1分47秒5。すでにG1馬となった相手と比較するのは早いが、ボーデンの能力は遜色ないと感じられる内容でもあった。

 メインの白富士S(L)をポタジェで制した川田騎手。今年に入ってなかなか勝ち切れない騎乗が目立っていたが、先週の東海S(G2)をオーヴェルニュで制して初重賞勝ちを決めたように流れも向いてきた。

 新たなクラシックパートナー候補の出現で、得るものが多かった土曜の東京開催だったといえそうだ。

電通の本社ビル売却が象徴…テレビ広告需要の減退、企業の都心オフィス脱出の始まり

 広告代理店大手の電通グループが、東京都港区にある本社ビルの売却を検討しているという。その背景には、社会の構造変化が急速に進んでいることがある。近年、電通は働き方をはじめ多くの改革に取り組んできた。そこにコロナショックが発生し、同社のみならず社会全体でオフィスの必要性が低下した。また、同社の場合、主力収入源である広告需要も落ち込んでいる。同社としても、本社ビルの売却を検討するほど事業環境が変化している。

 就業空間(働く環境)をオフィスからリモート(テレ)ワークにシフトすることによって、個々人が無理なく業務を遂行できる環境を実現することも可能になる。今後、電通経営陣がどのようなビジネスモデルを確立し組織全体を糾合できるか、中長期的な事業運営に重要な影響を与えるはずだ。

電通本社ビル売却検討の背景

 電通が本社ビルの売却を検討する背景には、大きく2つの要因が指摘できる。まず、新型コロナウイルスの感染発生によって、同社のオフィスは余剰になった。同社は感染対策としてテレワークを導入し、その結果オフィスに出社する人が減ったからだ。

 企業にとって、本社ビルはその強さの象徴だといえる。ある若手ビジネスマンは、「東京の都心に大きな本社ビルをもつ企業で働くことは、自らに一定の達成感をもたらすだけでなく、両親の安心を得られるという点でも重要だ」と話していた。つまり、企業にとって本社ビルの所有は、その社会的な信用などを左右する要素となってきたわけだ。

 しかし、テレワークの普及によって、そうした価値観は急速に変化している。多くの人が、テレワークがもたらしたワーク・ライフ・バランスの改善に意義を見いだしている。企業が本社ビルの所有にこだわる必然性は低下しているといってよい。企業がそうした時代の流れに抗うことはできない。

 もう一つ理由として、電通の収益悪化がある。2019年度の最終損益は約809億円の赤字だった。2020年12月に電通が公表した業績予想では2020年度の最終損益も赤字の見通しだ。その背景には、広告をはじめマーケティングに関する需要が、SNSなどを手掛ける大手プラットフォーマーなどインターネット関連企業に流れたことがある。電通が公表した『2019年 日本の広告費』によると、2019年の国内テレビCM(広告)費は約1.9兆円だったのに対し、インターネット広告費は約2.1兆円だった。

 また、電通がより高い成長を見込んで強化した海外事業は、現地企業との競争激化などによって苦戦した。それに加えて、新型コロナウイルスの感染拡大によって電通のクライアントである企業などは、製品のプロモーションや販促イベントなどを実施することが難しい。その状況下、電通の収益動向は不透明だ。電通にとって、不安定感高まる事業体制を立て直すために本社ビルを売却し、収益性の改善と、より成長期待の高い分野に経営資源を再配分することの重要性は高まっている。

­世界的なオフィス需要の変化

 また、電通が本社ビルの売却を目指しているのは、世界的な経済環境の変化への対応という側面もある。コロナショックの発生を境に、世界的にオフィスの需要には下押し圧力がかかった。それは米国の株価推移から確認できる。2021年1月中旬までの過去1年間の株価変化率は、S&P500インデックスが16%超上昇したのに対して、S&P500に含まれる不動産セクターは7%以上下落した。つまり、不動産関連の事業を運営する企業の収益には、オフィス需要の低下など下押し圧力がかかっている。

 ただし、不動産業界の動向を細かく見ると、オフィスと住宅市場の状況は対照的だ。米国では雇用環境が厳しいにもかかわらず、住宅価格は上昇している。それが意味することは、オフィスから住宅に就業の場が移り、住宅需要が堅調だということだ。言い換えれば、テレワークによって、自分のスタイルで成果を実現でき、生産性も高まることに多くの人が気づいた。

 それは米国に限らず、世界的な変化だ。2020年4月以降のわが国では、多くのIT新興企業が拠点を置いた東京都渋谷区「ビットバレー」でオフィス空室率の上昇が鮮明化した。ITスタートアップ企業にとって重要なことは、優秀なプログラマーやクリエイターが、高いモチベーションをもってプロジェクトに注力することだ。そのために、オフィスが重要とは限らない。コストの問題を考えれば、オフィスを手放し、浮き出た経営資源を従業員の福利厚生に使ったほうが良いとの考え方もあるだろう。また、同年夏場以降は港区でもオフィス空室率の上昇が顕著だ。東証一部上場企業が多い千代田区や中央区でもオフィス空室率は上昇している。

 このように考えると、電通が本社ビルの売却を検討する背景には、コスト圧縮や収益改善の目的に加えて、個々人のさらなる創意工夫の発揮を目指す取り組みの一つとしての側面がある。ある意味では、コロナショックの発生によって企業の成長にとっての個の力(個性、個人の能力)の重要性は一段と高まったといえる。

今後、一段と重要性を増す個々の力の糾合

 ワクチンの接種などによって世界経済が新型コロナウイルスへの集団免疫を獲得したとしても、テレワークは止まらない。つまり、世界経済がコロナショック発生以前と同じ環境に戻ることはできないだろう。テレワークの定着によって、通勤やビジネススーツの需要は低下する。外出の頻度低下によって、外食や宿泊、交通など一部産業の需要はコロナ禍以前の水準に戻らない展開が想定される。

 注目したいのは、電通がそうした環境の変化にどう対応し、業績改善を実現するかだ。もともと同社は無から有を生み出してきた。電通が蓄積してきたノウハウをデジタル技術と融合することによって、新しい満足感や驚きを社会に与えることは可能だろう。

 そのためには、個々人の新しい発想の重要性が一段と高まる。例えば、SNSなどでイベントやスポーツの魅力を発信した上で消費者に実体験の場を提供し、需要を喚起することは可能だ。現在、世界的に人々の活動は制約され、社会的なストレスは高まっている。感染の収束とともに、観光、フェスなどのイベント、スポーツ観戦や実践に関するペントアップディマンドは発現するだろう。電通は、デジタル技術とリアルな体験(感情)の融合によってそうした需要を手に入れなければならない。

 そのために、個々人の発想がより良く発揮される就業環境の整備と、個の力を組織全体として束ねる事業体制の確立は喫緊の課題だ。電通には独立独歩で事業の開拓と収益の獲得を目指す人が多いといわれる。テレワークによってそうした考えは強まる可能性がある。電通に求められるのは、独立心に溢れる人を組織に糾合し、相応の達成感を共有して無理のない形で、持続的に事業の開拓と成長を目指すことだ。そのために経営陣がどのようなビジネスモデルを目指すかが問われる。

 コロナショックの発生によって、働き方改革をはじめとする電通の改革は加速しているとみるべきだ。どのような企業も、時代の流れには抗えない。本社ビルの売却が長期の視点での事業運営にどういった影響を与えるか、電通のさらなる取り組みに注目したい。それは、多くの日本企業の事業運営体制の変革にも無視できない影響を与えるだろう。

(文=真壁昭夫/法政大学大学院教授)

●真壁昭夫/法政大学大学院教授

一橋大学商学部卒業、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学大学院(修士)。ロンドン証券現地法人勤務、市場営業部、みずほ総合研究所等を経て、信州大学経法学部を歴任、現職に至る。商工会議所政策委員会学識委員、FP協会評議員。

著書・論文

『仮想通貨で銀行が消える日』(祥伝社、2017年4月)

『逆オイルショック』(祥伝社、2016年4月)

『VW不正と中国・ドイツ 経済同盟』、『金融マーケットの法則』(朝日新書、2015年8月)

『AIIBの正体』(祥伝社、2015年7月)

『行動経済学入門』(ダイヤモンド社、2010年4月)他。

マクドナルドと大戸屋、明暗分けたマーケティング…“ノイジー・マイノリティ”への配慮で差

 これまでマーケティングがビジネスをはじめ、世の中に大きく貢献してきたことは間違いないであろう。売り手志向から買い手志向への転換により、多くの商品やサービスは顧客にとって好ましいものになっている。

 売り手志向では、たとえばエンジニアは本質的にはより高い機能的価値の実現に注力してしまう。“史上初”といった商品を、自らの名前により世に誕生させたいわけである。しかし、一般的には高い機能的価値の実現はコストアップ要因となり、販売価格も上昇してしまう。

 さらに、あるプレス機メーカーが1時間に1000枚を打ち抜けるプレス機を2000枚へと機能的価値を向上させたが、価格アップに加え、多くのユーザー企業の必要数量を大幅に超えてしまい、在庫の置き場が必要となることなどから拒絶され、深刻な販売不振に陥ってしまったといった話も有名である。つまり、顧客の声を聴くこと、ニーズに注目することは極めて重要である。

 しかしながら、何事にもバランスは必要である。たとえば、“おもてなし”の重要性が声高に叫ばれる昨今、過度のサービスの提供により、困惑もしくは逆に居心地の悪い思いをする場合が筆者にはある。おそらく、サービスを提供するスタッフも、ここまでのサービスはさすがにやり過ぎと自覚しながらも、マニュアルに従い業務を進めているのではないかと推測している。

 このように理不尽な思いをしながら業務を行うことは、当然のことながら従業員満足度の低下につながっていく。もちろん、過度なサービスを提供するには、その分余計なコストが必要となるわけであり、売り手・買い手ともに不幸な状態である。

 また、アーティストが自らの熱い思いを封印し、顧客である視聴者を対象にクリエイティブな作業を行っても、顧客を大いに刺激するものが生まれるとは考え難い。そもそも、そうした行為は楽しくないだろう。厳しいビジネスの世界に“楽しさなんて甘い”との意見もあるだろうが、これからのマネジメントやマーケティングにおいては、こうした視点が重要になるのではないかと感じている。

“ノイジー・マイノリティ”(ノイジー・マイナー)

 ICTの進歩が目覚ましい現代社会において、消費者は大衆に向け、簡単にメッセージを発信できるようになっており、時に大きな影響を与える。また、競争が激化する市場環境において、多くの企業はこうした消費者の声に俊敏に対応することにより、他社との差別化を図ろうとする動きも目立っている。

 先日、青山学院大学の久保田進彦教授と話している際、“ノイジー・マイノリティ”(ノイジー・マイナー=声高な少数派)という言葉を初めて耳にした。確かに、物言わぬ多数派を意味する“サイレント・マジョリティ”という言葉があるゆえ、その対義語が存在することは驚きに値しないが、あまり耳にしない言葉である。

 近年、企業が顧客の声を注視することは理解できるものの、あまりに“ノイジー・マイノリティ”の声に振り回され、“サイレント・マジョリティ”を軽視し過ぎではないかという話になった。つまり、一部の熱烈なファンのニーズを重視するあまり、大多数を占める普通の顧客のニーズとの乖離が大きくなり、結果、業績を悪化させるケースが目立ってきているのではないかということである。

大戸屋とマクドナルド

 たとえば、業績不振に陥ってしまった大戸屋の場合、大多数を占める普通の顧客は大戸屋に“安くておいしい”を求めていたにもかかわらず、健康志向や高品質を求める一部の熱烈なファンのニーズに応えようと中価格帯の店にしてしまった。逆に、業績好調なマクドナルドは、以前はカロリーの低さなどを重視した商品展開を行っていたが、現在は“背徳感”をキーワードに“ガッツリした美味しさ”を前面に打ち出し、人気を回復させている。
(詳しくは、久保田進彦『普通の人の大切さ』

 もちろん、顧客の声を聴く重要性に異論はないものの、注目すべき層を、いかに取り入れるべきかなどに関して、精緻な検討が必要である。さらに、大きく捉えれば、これまでの“Customer is king”(顧客は王様である)、“The customer is always right(顧客はいつも正しい)”というスタンスを見直し、どう捉え、いかに対応していくのかを再検討する時期にあるように思われる。

“共創”というキーワードもひとつの視点かもしれないが、個人的には買い手・売り手ともにハッピー、楽しいといったポイントに注目していきたい。
(文=大﨑孝徳/神奈川大学経営学部国際経営学科教授)

JRA「10万馬券濃厚」シルクロードS(G3)己の勘を信じて「◎」に大穴指名! 荒れる中京攻略は一筋縄ではいかない!? 「激アツ情報」の付録付き

 31日、中京競馬場でシルクロードS(G3)が開催される。例年は京都競馬場で行われるが、今年は高松宮記念(G1)と同じ舞台ということで、前哨戦としてより注目を集めることになりそうだ。

 過去10年の3連単平均配当は11万8383円と、ハンデ戦らしくかなり荒れている。今年は中京開催ということで参考外かもしれないが、京都金杯(G3)、日経新春杯(G2)、東海S(G2)と高配当が続出していることを考えれば、今回も荒れる可能性が高そうだ。

 いつもであれば、「強力現場情報」をもとにシルクロードSを攻略するところだが、今週はトラブルにより情報が届いていない……。己の“勘”を信じて的中を狙う。

 まず「◎」はコントラチェック(牝5歳、美浦・藤沢和雄厩舎)だ。

 前走のラピスラズリS(L)は初のスプリント戦で10着に惨敗。さらに重賞2勝が買われてか、今回は斤量も55キロと魅力的ではない。これまでスピードを武器に逃げ切り勝ちを飾ってきたが、前走は控える競馬にモデルチェンジ。その結果が惨敗ということで人気を大きく落とすだろう。

 だからこそ、狙い目となる。

 10着という数字を見るとあまりにも負けすぎている印象だが、勝ち馬とのタイム差は0秒4。最後の直線は狭くなるところがあったが、しっかりと伸びている。控える競馬ができた収穫は大きいだろう。2戦目のスプリント戦で驚きの激走があってもおかしくない。

次に「〇」はモズスーパーフレア(牝6歳、栗東・音無秀孝厩舎)だ。

 昨年の高松宮記念勝ち馬を外すわけにはいかない。同レースが重馬場だったことを考えれば、今の力がいる中京コースは問題なくこなすだろう。また、牝馬ながら56.5キロを背負うのは酷に思われるが、昨年の北九州記念(G3)ですでに経験済み。この時、2着に好走しているのは心強い。

 今回は乗り慣れた松若風馬騎手から北村友一騎手に乗り替わりとなる。だが、北村友騎手とは過去に3度コンビを組んでおり、【1,1,1,0】とすべて馬券圏内の成績。むしろ、プラスに働く可能性もある。

「▲」はシヴァージ(牡6歳、栗東・野中賢二厩舎)だ。

 近7走はすべて上がり最速で、昨年の高松宮記念では5着。いつ重賞を勝ってもおかしくない存在だが、善戦マンに甘んじている。だが、重賞を勝っていないことが功を奏してハンデは56キロとそこまで重くない。単純に高松宮記念を物差しにすれば、モズスーパーフレアとの斤量差は2.5キロも有利になる。

 今回は久々に福永祐一騎手を鞍上に迎える。これがいい刺激になって、激走することに期待したい。

「△」はトゥラヴェスーラ(牡6歳、栗東・高橋康之厩舎)だ。

 前走、同じコースで行われた淀短距離S(L)を優勝。昨年のセントウルS(G2)でも6着とまずまずの結果を残している。また、中京芝1200mの持ち時計はセイウンコウセイに次ぐ2位タイ、芝1200mでも3位タイと優秀だ。

 過去10年、淀短距離S組は28頭が出走してわずか1勝。だが、複勝率は32.1%で、京阪杯(G3)組を上回っている。特に、その勝ち馬は7頭中4頭が2着。頭はないかもしれないが、馬券圏内は十分にありえるだろう。

「☆」はエイティーンガール(牝5歳、栗東・飯田祐史厩舎)だ。

 昨年のキーンランドC(G3)は重馬場をものともせず優勝。今の中京の馬場コンディションは合うだろう。前走のスプリンターズS(G1)は最後の直線で前が詰まったことが致命傷だったため、度外視することも可能。休み明けを走るということもプラスだ。

 ただ、55キロの斤量が割引材料。モズスーパーフレアがハイペースを刻めば、展開がハマる可能性が高いということから買い目に入れておく。

 なお、上位人気が予想されるラウダシオン、クリノガウディーは「消し」とする。ラウダシオンは久々の1200m戦に対応できるか疑わしい。クリノガウディーは大外に入ったこと、58キロの斤量がマイナス材料だ。

 買い目は以下の通り。

3連単 フォーメーション 6点

 1着[3,15]  2着[3,15]  3着[7,13,14]

3連複 ボックス 10点
 [3,7,13,14,15]  
 なお、「現場情報」は予想終了後に届いた……。せっかくなので参考に活かしていただきたい。

「◎」コントラチェック

「前走は直線でスペースがなくなって追い出しを待たされながら最後は良く差を詰めてくれましたね。初めての1200mにしてはいい内容だったと思います。前走で短距離でもやれることが分かりましたし、好レースに期待したいです」(厩舎関係者)

「〇」モズスーパーフレア
「もう調整パターンは決まっているので、難しいことはないです。本番の高松宮記念から逆算して余裕を持たせたローテーションは昨年と同じ。昨年は苦手な京都でしたが、今年は中京で行われるのはプラスですね。スムーズにスピードに乗せられれば自然とハナを切れるでしょう。あとは当日の馬場傾向や斤量がどれだけ響いてくるかですね。ウチの厩舎は今年の重賞で2戦2勝。厩舎の流れに乗って、いい形で本番へ迎えられればと思います」(厩舎関係者)

「▲」シヴァージ
「前走後は放牧に出してリフレッシュを図り、うまく立て直しができたようです。開催が進んで芝が荒れてきましたし、先週も雨が降ったので、この馬向きの馬場になってきたと思います。展開次第ですが、十分にチャンスがあるはずですよ」(競馬記者)

「△」トゥラベスーラ
「前走は57キロを背負いながら狭いところを割って伸びていました。今回も同じ舞台なので楽しみですね。陣営は『中2週になりますが、いい状態をキープしています』と話しており、体調の心配はなさそうです」(競馬記者)

「☆」エイティーンガール
「やれば結構動くタイプですので、中間はそれを踏まえてやりすぎないように調整しました。思い通りの調整ができましたし、落ち着きもあります。前哨戦になりますが、気性的には久々は問題ありません」(厩舎関係者)

(文=ハナビ杉崎)

千円下ろしたら手数料330円…銀行ATM引き出し手数料、じわり値上げ コンビニが要注意

 少々古い話になるが、全国に緊急事態宣言が出されていた昨年のゴールデンウィーク前後に、大多数の銀行が人知れず定期預金金利を引き下げています。それまで年利0.01%だった1年物の金利は0.002%まで引き下げられたのです。

「小数点以下の世界だから、さして違いはないだろう?」と思われるかもしれませんが、たとえば100万円を預けた場合、その利息は100円から20円にまで低下しているのです。普通預金は年間10円の利息(金利:0.001%)ですから、利息額を比較すれば定期預金を利用する価値を見い出すことはできそうにありません。

 ただ、政策金利はマイナス金利なうえ、物価も下落しているのだから、元本割れをしないだけマシ! といえそうですが、銀行はあの手この手で手数料という罠を仕掛けていることを忘れてはなりません。

 そのひとつが通帳の発行手数料。みずほ銀行は1月18日から70歳未満の新規口座開設者から1100円の手数料を徴収、2月には横浜銀行、4月には三井住友銀行も手数料を徴収する予定で、他の銀行も追随するところが増えることが予想されます。仮に1年定期預金で通帳発行手数料を利息分で賄おうとすれば、元本が5500万円も必要になることから、大多数の人が口座開設と同時に元本割れを被ることになるのです。

 手数料の高さが際立つのがコンビニATMの引き出し手数料。皆さんはお金を引き出す場合、どこで引き出すでしょうか。まさか引き出し手数料がかかるかたちでATMを利用していないですよね?

 引き出し手数料は、時間外または他行の場合は1回110円、時間外に他行が重なれば220円と倍増されることから、1度でも引き出し手数料を支払えば見事に元本割れとなってしまうのです。

平日18時以降は注意

 さらにコンビニATMからの引き出しでは注意したい。三菱UFJ銀行は2021年4月1日から、ローソン銀行のATM利用手数料を改定する予定です。同行のキャッシュカードを使用してローソン銀行のATMから引き出す場合、毎月25日と毎月末の8時45分~18時は110円から0円、それ以外の時間は220円から110円に変更されます。引き下げは朗報と思えるのですが、平日は8時45分~18時は110円から220円に、それ以外の時間は330円に値上げされるのです。ちなみに、同行のキャッシュカードでセブン銀行から引き出す場合は、すでに値上げ予定後の引き出し手数料が適用されているのです。

 また、三井住友銀行も同年4月5日から手数料を改定します。毎月25日、26日の8時45分~18時は無料、それ以外の時間は110円になるものの、この2日を除くと平日8時45分~18時は110円から220円に、それ以外の時間は330円に改定される予定です。

 ATMの引き出し手数料見直しは、三菱UFJ銀行、三井住友銀行といった大手銀行の動きにすぎませんが、この流れは他の銀行に広がることが予想されます。手数料体系をしっかり把握して、手数料を負担しないかたちで引き出せるように創意工夫を行いたいところです。知らずに1000円を引き出し330円の手数料を取られたら、泣くに泣けないではないか!

(文=深野康彦/ファイナンシャルリサーチ代表、ファイナンシャルプランナー)

●深野康彦/ファイナンシャルリサーチ代表、ファイナンシャルプランナー

AFP、1級ファイナンシャルプランニング技能士。クレジット会社勤務を3年間経て1989年4月に独立系FP会社に入社。1996年1月に独立し、現在、有限会社ファイナンシャルリサーチ代表。テレビ・ラジオ番組などの出演、各種セミナーなどを通じて、投資の啓蒙や家計管理の重要性を説いている。あらゆるマネー商品に精通し、わかりやすい解説に定評がある。

コロナ失政の与党議員の傍若無人ぶり…国民には厳しい生活強要、自分たちは深夜に飲み歩き

 東京・銀座の高級レストランやクラブをハシゴし、無症状でも安心して入院できる“上級国民”たちが、一般人に過料(行政罰)あるいは刑事罰を科す法案をたて続けに提出する動きがある。

 具体的には、政府が提出した新型コロナウイルス対策の特別措置法改定案、感染症法改定案などの新型コロナウイルス対策に関係するもの。そして自民党が提出する方針を決めた「国旗破損罪」のことだ。これらの法案からは、政府と自民党の“倒錯”ぶりが垣間見える。

一般人はペナルティーが科され自宅死、上級国民は即入院

 まず、コロナ特措法改定の当初案では、緊急事態宣言下で時短・休業要請に従わない業者に50万円以下の過料。緊急事態宣言前の予防段階でも都道府県知事が営業時間短縮・休業命令を出すことが可能になり、違反すると30万円以下の過料。

 感染症法改定案では、入院を拒否した者に懲役1年以下の懲役または100万円以下の罰金。さらに、感染経路を割り出す積極的疫学調査を拒否する感染者に50万円以下の罰金を科すというものだった。

 後述する自民党議員らの“ご乱行”に対する批判を考慮してか、自民党と立憲民主党による協議の結果、1月28日に以下のように修正が合意された。今後は、この案を審議する。

(1)緊急事態宣言下で時短営業・休業に違反した場合

50万円の過料→30万円の過料(「過料」は前科のつかない行政罰)

(2)宣言を出す前の予防段階で時短営業・休業等に違反した場合

30万円の過料→20万円の過料

(3)入院を拒否した感染者に

1年以下の懲役または100万円以下の罰金→懲役刑を削除し50万円以下の過料

(4)積極的疫学調査に協力しない感染者

50万円以下の「罰金」→30万円以下の「過料」

生活苦のシングルマザーが子供を残して入院も

 さすがに、感染者を犯罪人扱いする刑事罰は削除し、行政罰に変えた。とはいえ、自らの失政を顧みず、感染者の一部を刑務所に送ることを一瞬でも考えていたことには、倒錯的なものを感じる。そしてペナルティーを科すことには変わりない。

 経営が苦しく営業しなければ食えなくなる業者をさらに経済的に追い込む。もともと生活苦で近所に親戚もいないシングルマザーが感染した場合、子供のことを考えて入院をためらうことも考えられるだろう。当初案では、このように追い込まれた人たちをも懲役刑にしようとしていたのだ。

 国内で感染者が拡大し始めた昨年2月頃は、発熱しても「4日間は待て」と指示し、入院も診療もさせない方針だった。それが今や、緊急を要する場合でも入院できずに自宅で死亡する患者が相次いでいる。

 厚生労働省によると、1月20日現在の自宅療養者は3万5391人。日本テレビの調べでは、1月25日までに自宅死は少なくとも25人以上だという。その一方で、自民党の石原伸晃元幹事長は、無症状にもかかわらずすんなりと入院できた。

上級国民は高級店で会食、一般人には外出も会食も自粛強要

 さまざまな営業者に時間短縮を求めたことにより、多くの事業所が倒産したり廃業し、多くの人々が職を失い、自殺者も急増しているのは周知のとおりだ。昨年の緊急事態宣言時の4月30日、新型コロナの影響で縮小営業していた東京都練馬区のとんかつ店主が焼身自殺したことは記憶に新しい。

 一般人には昼も夜も「外出を控えろ」「同居する家族以外の会食をやめろ」と、政府は自粛を呼びかけている。ところが、昨年12月14日に菅義偉総理が銀座のステーキハウスで会食したのを筆頭に、自民党や公明党の議員が高級飲食店をハシゴするなど、やりたい放題である。ちなみに、菅首相ら8人が会食したのは、12月17日付毎日新聞電子版によると、「シェフおすすめコース」が一人3万円からという高級店だ。

 そして1月28日発売の「週刊新潮」(新潮社)によると、自民党の松本純・元国家公安委員長が通常国会召集日の1月18日夜、イタリア料理店を訪れ、その後銀座のクラブ2軒をハシゴしたという。1軒目のイタリア料理店はともかく、銀座クラブの2件とも営業時間短縮要請の午後8時を回っていたという。

 さらに4日後の1月22日夜、公明党の遠山清彦・前財務副大臣が深夜の銀座高級クラブで知人と会食した事実が発覚している(1月26日付「文春オンライン」)。この報道によると、遠山氏が銀座のクラブに入ったのは夜11過ぎである。松本氏、遠山氏は、午後8時以降の営業停止、午後7時以降の酒類提供自粛のことが、一瞬でも頭をよぎっただろうか。

 会食といえば、無症状で即入院の石原伸晃氏は、検査で陽性が判明する前日に、野田毅元自治相、坂本哲志・地方創生担当相と会食していた。自民党議員をはじめとする上級国民は、自分たちは会食してもいいし夜に飲み歩きで外出してもいいが、一般人には許さないとでも考えているようである。

 これまでの新型コロナウイルス対策を見ると、適切とはいいがたい面が多々ある。自分たちの失政により被害を拡大させているのに、失政を認めず、反省せず、当然、謝罪もしない。その一方で、刑事罰を含む改正案はひっこめたものの、コロナ感染者や業者に罰を与えようとしているのだから、まったく倒錯している。

 ともあれ、最低限の修正は行われた。しかし、これで安心はできない。彼らは、国民に刑罰を与える新たな法案を提出しようとしているからだ。それは、「国旗損壊罪」を新設する刑法の一部を改正する法律案だ。

2年以下の懲役または20万円以下の罰金

 1月26日付読売新聞によれば、「自民党は26日、日本を侮辱する目的で日の丸を傷つけたり汚したりする行為を処罰できる『国旗破損罪』を新設する刑法改正案を今国会に議員立法で提出する方針を固めた」という。

 実はこの法案は、野党時代の2012年に自民党が提出して廃案になっている。現行刑法には、外国の国旗については損壊罪が明記されているが、自国の国旗に関する条文がないことが問題だと自民党は主張していた。

 これに対して、当時の日本弁護士連合会は山岸憲司会長名で「声明」を出し、法制化に反対した。声明では、外国旗が損壊された場合、「国際紛争の火種となり、外交問題にまで発展する可能性」を指摘。日本国旗に同様のことを求めることについては、「少なくとも外国国章損壊罪と同様の保護法益が存在しないことは明らかである」と述べている。加えて「国家の威信や尊厳は本来国民の自由かつ自然な感情によって維持されるべきものであり、刑罰をもって国民に強制することは国家主義を助長しかねず」と批判している。

 そもそも、国民市民に犠牲(コロナ在宅死を含む)を押し付け、自分たちは安心して治療を受け、あるいは高級店で酒池肉林を堪能している人たちが、業者や感染者の一部に罰を与えようとしたり、日の丸を傷つけたり汚したりする人を処罰する資格はあるのだろうか。そのような暇があったら新型コロナウイルス対策に集中すべきであり、人を処罰する法律を制定して自民党議員らが国家主義的妄想に陶酔するなど論外である。

 むしろ必要なのは、一般人に厳しい生活を押し付けながら自ら違反するような行動をとり続け「国家の威信や尊厳」を傷つけている、彼ら上級国民にペナルティーを科す法律だろう。

(文=林克明/ジャーナリスト)