「近藤真彦・不倫」はなぜ報じられたか…崩壊するジャニーズ帝国とメディアコントロール

 どうも、“X”という小さな芸能プロダクションでタレントのマネージャーをしている芸能吉之助と申します。

 昨年末で嵐が活動休止に入ったかと思えば、今年に入ってから「ジャニーズJr.の22歳定年制度」を導入することを発表したりと、相変わらず話題にこと欠かないジャニーズ事務所。ちなみに22歳定年制度は、ジャニーズ事務所副社長で、ジャニーズJr.(以下、Jr.)の育成を担当するジャニーズアイランド社社長・タッキーこと滝沢秀明氏による施策だといわれています。

 Jr.時代から絶大な人気を誇っていたものの、2018年に惜しまれつつも表舞台から去ったタッキーですが、彼がマネージメントに回ってからは、正式デビュー前のJr.がバラエティやドラマに出る機会が増えています。その反面、マスコミに狙われてスキャンダルが発覚し、処分を受けたり退所という選択をしたりするJr.も目に付くようになりました。

 なかでもインパクト大だったのが、Jr.内の人気ユニット「宇宙Six」に所属していた山本亮太くん。彼は昨年10月に“闇スロット通い”という、さわやかさがウリのジャニーズとはかけ離れたダーティすぎるスキャンダルが「文春オンライン」で報じられ、ジャニーズ事務所を退所しています。

 Jr.として19年も活躍しファンの歓声を浴びていた彼が、プライベートでは闇スロットの常連というダークサイドの住人だった……というのは、まるで裏社会系マンガの設定のようです。ただ、吉本興業の“闇営業問題”が大きな波紋を広げたように、いまや芸能界において反社会勢力との付き合いは基本的にタブー。こうした問題が二度と起きないように、ジャニーズ事務所もタレントの教育にはかなり力を入れているようです。

 昨年12月に「女性自身」(光文社)で報じられた、ジャニーズ事務所が全所属タレントに対する薬物検査を実施……というのもその一環でしょう。ここ数年、伊勢谷友介くんや沢尻エリカさん、ピエール瀧さんなど、芸能界で薬物逮捕者が増えていますし、田口淳之介くんや田中聖くんといった元ジャニーズも大麻所持の疑いで逮捕されていますから、ジャニーズ事務所が注意深くなるのも当然といえば当然。加えて、2019年7月にジャニーズ事務所の創業者であるジャニー喜多川氏が亡くなってから、一部で「ジャニーズ事務所の体制が崩れた」「退所者が続出している」などといわれていることもあり、徹底的に事務所内のクリーン化を図っているのかもしれませんね。

SMAP独立騒動あたりから、すでに“崩壊”が始まっていたジャニーズ事務所

 確かに、ジャニー喜多川氏が現役だった頃は「ジャニーさんがいるから辞めない」というタレントがたくさんいて、彼の死をきっかけに「いなくなったからもう辞める」というメンバーもいました。例えば、中居正広さんはSMAP解散後もしばらくジャニーズ事務所に在籍していましたが、それはジャニー喜多川氏に対して恩を感じていたからこそで、ジャニー喜多川氏が亡くなって事務所の幹部が代替わりしたタイミングで独立しています。“ジャニー喜多川氏の最高傑作”ともいわれている少年隊のメンバー、錦織一清さんと植草克秀さんも、彼の死をきっかけに退所を申し出たそうです。

 とはいえ、ジャニーズ事務所はジャニー喜多川氏が亡くなるだいぶ前である、SMAP独立騒動あたりからすでに崩壊していたように思います。SMAPの解散は誰がどう見ても“何かあった”と思わせるようなものでしたし、そもそもの発端はメリー喜多川氏と当時SMAPの敏腕マネジャーだった飯島三智氏が社内分裂したこと。社内で解決すべき問題だったはずが、彼女たちの溝は広がっていくばかりで、最悪の結末を迎えてしまった。

 加えて、Hey! Say! JUMPやKis-My-Ft2、Sexy Zoneなど、デビューから10年ほど経つ中堅グループは、年齢的に“ポストSMAP”、“ポスト嵐”となってもおかしくなかったはずが、国民的人気を誇っているとはいい難い。ここ数年、ゴタゴタ続きだった状況を、タッキーと社長のジュリーさんが中心となって必死に立て直している最中……と見るほうが、むしろ正確でしょうね。

嵐・大野智の大麻使用疑惑、セクシー女優のジャニタレ肉体関係騒動

 また、このところジャニーズタレントの未成年飲酒や熱愛などのスキャンダルが相次いでいることについて、「ジャニーさんがいなくなったことで、ジャニーズ事務所からスキャンダルをもみ消す“政治力”が失われた」などともよくいわれます。しかし、よくよく思い出してください。ジャニーズ事務所は以前から、所属タレントの素行不良や女性スキャンダルがスクープされています。薬物使用疑惑が報じられたタレントだって、昔からいました。

 たとえば2008年には「週刊現代」(講談社)が、嵐の大野智くんがカラオケボックス内で大麻を使用し、2人の女性と性行為に及んだ……なんていう特大のスキャンダルを報じています。また、元歌手でセクシー女優のAさんが「週刊文春」(文藝春秋)誌上で、「櫻井翔以外の嵐メンバー全員、その他複数のジャニーズタレントと肉体関係を持った」と衝撃的な告白をした上、2010年に自ら命を絶ったという出来事もありました。

 前者の真偽はともかく、後者のほうは、さまざまな状況証拠から一定の信憑性のある話だと業界内でも噂されていましたが、いずれにせよどちらのネタも、ワイドショーなどで大々的に報じられることは一切ありませんでしたよね……。

 確かに数年前までは、テレビや紙媒体をコントロールしておけば、スキャンダルが明るみになることはなかった。しかしネットありきの現代では、ありとあらゆる情報が均質に表に出て、そしてあっという間に拡散してしまう。SNSによって世間がタレントをより直接的に持ち上げたり攻撃したりすることが可能になっていて、そして一方のタレント側も、事務所やメディアを介さずにダイレクトに自己発信できる。それがこの数年、タレント、マスコミの距離感や役割を大きく変化させてきたのは周知の事実です。

 その結果、どんなに大きな芸能事務所でも、所属タレントに関する情報をすべて支配することはできなくなった。ジャニーズ事務所に関しても、結局のところ「ジャニーさんがいなくなったからスキャンダルが世に出るようになった」のではなく、「スキャンダルが拡散することを止める術がない」という状況でしょう。この影響から、芸能界の在り様が本質的に変わり始めていると感じる機会が増えています。

テレビも扱わざるを得なかった「近藤真彦・不倫」というビッグスキャンダル

 昨年末に「週刊文春」で報じられた“ジャニーズの長男”マッチこと近藤真彦さんの不倫は、まさにその典型例でしょう。数年前ならジャニーズパワーによって、ワイドショーではスルーされていたであろうネタですが、ネットで大騒動になったことから、テレビでも扱わざるを得なくなった。この一連の流れは芸能界全体にとっても衝撃的で、時代が変わったな~と実感させられました。

 しかもタイミングが悪いことに、近藤さんは昨年がデビュー40周年という記念すべき年で、メディア露出にめちゃめちゃ力を入れていたんです。というか、だからこそ文春は、このタイミングでこのネタをブッこんできたのでしょうが……。

 不倫報道で芸能活動無期限自粛を発表した後に発売された週刊誌「SPA!」12月8日号(扶桑社)において、近藤さんはなんと表紙を飾っており、4ページというロングインタビューも掲載されていた。記事中に、「編集部注:今回の取材は10月20日に都内で行われたものです」と添えられていたのが、なんとも切なかったですね……(笑)。

 近藤さんの不倫報道については、芸能界でもさまざまな人が言及していましたが、これもまた異例のことでした。かつてならジャニーズのスキャンダルは、芸能人なら誰もが触れたくない面倒な話題だったからです。

松本人志、加藤浩次が開けた、ジャニーズタブーの“パンドラの箱”

 ダウンタウンの松本人志さんは、昨年11月15日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)で、近藤さんの不倫が報じられているにもかかわらず各局のワイドショーで扱われていないことについて「いろんな地上波がやらないし、スルーするから。テレビが好きな人間からするとつらい」とコメントした上で、同月22日放送の同番組でも、「ジャニーズ事務所をみんながいじれるというか、ほかの事務所の芸人がちょっとずつでもできるようになってたら、今回のことはこんなふうになっていなかったのでは」と指摘していました。

 さらに極楽とんぼの加藤浩次さんも同月17日放送の『スッキリ』(日本テレビ系)で、近藤さんの不倫報道が直後にワイドショーで扱われなかったことについて、「週刊誌で出たのをそのまま流すことはできない。しっかりジャニーズ事務所の裏とか、マッチさんがコメントを出した上で我々はやるということ。週刊誌だけを鵜呑みにして流してしまうと、報道として責任がないことになってしまいますから、そこのルールがあってやれなかったというのがある」と持論を展開。加藤さんのこの意見には、ネットで「結局はジャニーズへの忖度かよ」といった声もありましたが、そもそも「うちの番組はジャニーズに事実確認しているのだ」ということを、ましてや芸能レポーターではなく司会者が番組内で言及することなど、最近のワイドショーではあり得なかった話なわけです。だからこそ、やはり加藤さんの発言にはとても大きな意味がある。まさに、芸能界の“パンドラの箱”を開けたのですから。

 マッチさんの不倫報道には、ネットで「なぜテレビで扱わないのか?」との指摘が相次ぎ、一部ではマスメディアに対する不信感も漂っていたなか、松本さんや加藤さんのような本音で語るコメンテーターが言及したことは、今後ジャニーズによるスキャンダルの扱いが変わっていく潮目になったはずです。おふたりは吉本興業の闇営業問題でもいろいろと“大活躍”した経験もあって、ネットの声やファンの反応に意識的、かつ自覚的な方。だからこそ、スルーを貫くわけにはいかなかったのでしょうね。

(構成=田口るい)

●芸能吉之助(げいのう・きちのすけ)
弱小芸能プロダクション“X”の代表を務める、30代後半の芸能マネージャー。趣味は食べ歩きで、出没エリアは四谷・荒木町。座右の銘は「転がる石には苔が生えぬ」。

 

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「一撃9万発」に続く“怒本命”スペック!1500発比率「88%」を誇る安心パチンコ!!【新台分析- P 安心ぱちんこキレパンダinリゾート編-】

 パチンコ分野で独特な存在感を放つ個性派メーカー高尾。

 大当りで約6000発を獲得できる『P ROKUROKU 6000Ver.』をはじめ、『P貞子3D2〜呪われた12時間〜』や『P閃乱カグラ2 胸踊る199Ver.』など昨年も数多くの注目マシンをホールへ送り出した。

 その中でも『P学園黙示録ハイスクールオブザデッド2』は、スピードとパワーを兼ね備えたスペック。未体験の速撃と称されたRUSHは継続率83.5%を誇り、ボリューム満点の出玉の連打で快進撃を見せた。ホールでは「一撃9万発」という大記録も報告されている。

 多くのユーザーを歓喜へと導いた高尾だが、2021年も更なる快進撃に期待がかかる。そんな同社は名物キャラクター「キレパンダ」をメインとした新機種のリリースを発表。安心感を追求した「怒本命スペック」に注目が集まっている状況だ。

『P 安心ぱちんこキレパンダinリゾート』(高尾)

■大当り確率:1/318.1→1/51.2
■TOTAL継続率:約71%
■確変割合:56%
■フルラウンド比率:88%※特図2
■電サポ回数:次回or128回or999回
■賞球数:2or1or6or1or10or15
■最大払出個数:1500発
■ラウンド&カウント数:2R or 10R/10カウント
■遊タイム発動条件:800回転変動終了後
■遊タイム時短回数:999回
○○〇

 本スペックの他に甘デジタイプの『79Ver.』が同時リリース。今回はミドルタイプについてご紹介させていただく。

 大当り確率1/318.1で確変割合は56%。大当りの内訳はヘソの場合「10R確変36%」「2R確変20%」「10R通常44%」だ。電チューからの大当りは「10%確変44%」「2R確変12%」と10R比率が88%となっている点が注目ポイント。いかなる大当りでも最後に必ず1500発の払い出しを得られる安心設計となっている。

 また通常大当りを引いた際に付与される時短は「128回」となっており、時短引き戻しにも期待できる仕様。確変割合は控えめだがTOTAL継続率は約71%と、十分な連チャン性能を秘めている。

 更に本機には遊タイムが搭載されており、800回転の変動終了後に時短999回が付与される。「安心ぱちんこ」と名乗る通り、ハマリに対する救済機能として高い安心感を与えてくれそうだ。

『P 安心ぱちんこキレパンダinリゾート』の導入予定日は2月15日。高尾が誇る「怒本命マシン」の活躍に期待したい。

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森喜朗氏、私が生で見た“最低最悪の傍若無人ぶり”…疑惑・暴言まみれの政治家人生

“暴言男”、森喜朗東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長の女性蔑視発言が、日本のみならず世界で話題になっている。森氏は4日の謝罪会見で「深く反省をしております」と語ったが、その表情や発言から、反省などまったくしていないことが世間に伝わった。

「日本は神の国」「子どもをつくらない女性を税金で面倒をみるのはおかしい」など、森氏の暴言、失言は数多あるが、関西在住の筆者が忘れられないのは「大阪は痰壺のようだ」である。もちろん「汚いこと、この上ない」の意味。

 これは1988年4月、京都市での懇談会で飛び出したもの。大阪市は主要な大都市のなかで、美しいとはいえない場所も多いことは確かだ。とはいえ、自虐好きな関西人とて、ここまでは言わない。ましてや、大阪の人間ではない男に公の場で堂々と言われた浪速っ子の不快感は大きかった。

「落選したら会見はしない」

 この森氏について、筆者はかつて「仰天のふるまい」を体験した。2009年8月の衆議院総選挙のことだ。小沢一郎率いる民主党が自民党に大勝したこの衆院選、石川2区の森氏はこの時72歳、元首相だ。しかし33歳と若い民主党の田中美絵子候補に負けるのではないかという情勢だった。追い回す記者たちに森氏がブチ切れる様子などが報じられていたが、筆者も雑誌からの依頼で取材に赴き、8月30日の投開票日は小松市の森氏の選挙事務所で大勢の記者やカメラマンたちと開票を見守った。

 しかし、森陣営は「落選したら会見はしない」とし、幹事社の朝日新聞記者(武田肇氏)が「それはおかしい」と盛んに広報担当とやりあっていた。衆院選に限らないが、落選したら会見しないなどの非常識は珍しい。記者やカメラマンたちは事務所の外で待っていたが、なんと森氏は地元紙の北國新聞社の記者だけを事務所に招いていた。

 まだ開票作業中に森氏が外へ出てきたので、筆者らはわっと取り囲んだ。武田記者が「地元紙だけに対応するのはおかしい」と抗議すると、なんと森氏は「石川県の人はみんな北國新聞だけを読んでるから、北國新聞にだけ話せば十分」と言ったのだ。武田記者が「朝日新聞だって読んでる人いるかもしれないじゃないですか」と反論すると、森氏は「いない」と断言し事務所に戻ってしまった。

 有力政治家が、ちやほやされる選挙地盤で踏ん反り返っている姿は何度も見たとはいえ、こんな政治家は見たことがなかった。それが元首相である。大激戦は森氏が僅差で制して当選。田中氏は比例復活で当選した。筆者はただただ「日本人はかくも低レベルな人物を首相と仰いでいたのか」と悲しくなったものだ。

「密室政治」で首相就任

 氏の早稲田大学入学や産経新聞社入社の経緯については、これまでさまざまな疑問が報じられてきたが、疑惑の極め付きは首相になった経緯だ。

 2000年4月、当時の小渕恵三首相が脳梗塞で倒れ、生命が危うくなった。当時、自民党幹事長だった森氏は、臨終を迎えた小渕氏の病室に、他者を排除して一人乗り込みしばらくして出てきた。そして「後を頼むと言われ、総理を任された」と言った。小渕首相はそのまま他界し、本当にそんなことを言ったという証拠もない。

 小渕氏の盟友で「自民党のドン」青木幹雄氏が森氏を担ぎ出していたが、「後を頼む」を錦の御旗に総裁選をさせない「密室政治」で森氏は首相に上り詰めてしまった。ときに62歳。石川県での選挙取材の時、森選対の古参幹部が森氏について「並外れて勘がいい」と話してくれたことがある。機を見るのは非常に「敏」。小渕氏が倒れ、森氏は何かを察知したに違いない。

 2001年2月、愛媛県の実習船「えひめ丸」が米海軍の潜水艦に衝突され、教員、高校生9人の命が奪われる悲劇が起きた。当時首相だった森氏は、連絡が入っても平然とゴルフを続け、のちに「私が(官邸に)行かないことで、何が遅れたのか」と開き直った。批判が沸騰し4月にあっけなく首相を辞任した。

 さて「女性蔑視発言」に戻ろう。2019年秋、マラソンの札幌移転問題で国際オリンピック委員会(IOC)のコーツ調整委員長が来日、小池百合子東京都知事、日本オリンピック委員会(JOC)や大会組織委との協議を取材していたが、森氏は好きなラグビーの話を滔々としていたものだ。

 今月6日の土曜日、テレビ番組『ウェークアップ!ぷらす』(読売テレビ)内でキャスターの辛坊治郎氏が森氏を揶揄った言葉に膝を打った。「そもそも論点違いますが、だいたい話の長い人ほど、人の話を聞くのを嫌ですね」。

(文=粟野仁雄/ジャーナリスト)

●粟野仁雄/ジャーナリスト

1956年生まれ。兵庫県西宮市出身。大阪大学文学部西洋史学科卒業。ミノルタカメラ(現コニカミノルタ)を経て、82年から2001年まで共同通信社記者。翌年からフリーランスとなる。社会問題を中心に週刊誌、月刊誌などに執筆。『サハリンに残されて−領土交渉の谷間に棄てられた残留日本人』『瓦礫の中の群像−阪神大震災 故郷を駆けた記者と被災者の声』『ナホトカ号重油事故−福井県三国の人々とボランティア』『あの日、東海村でなにが起こったか』『そして、遺されたもの−哀悼 尼崎脱線事故』『戦艦大和 最後の乗組員の遺言』『アスベスト禍−国家的不作為のツケ』『「この人。痴漢!」と言われたら』『検察に、殺される』など著書多数。神戸市在住。

花田優一、「平気で嘘をつく人」の特徴…過去に何度も嘘話を主張、貴乃花の反論で窮地

「週刊女性PRIME」の記事(2月1日配信)で、長男の花田優一氏に「モラハラ」や「暴力」などを告発された元横綱の貴乃花光司氏が、「週刊文春」(2月18日号/文藝春秋)の取材に応じ、「それらの内容は、自分に都合の悪い事実が伏せられて、巧妙な嘘で塗り固められています」と話している。

 たとえば、優一氏は「外へ出て行くと、父が見たこともない形相で突然つかみかかってきました。そのまま道端で1時間半くらいつかみ合って……殴られて……」と告発していた(「週刊女性」)。だが、貴乃花氏によれば、優一氏と電話で口論になり、自宅から目と鼻の先にあった息子のマンションに向かったところ、「下で待ち受けていた息子が取り乱しながら、私に蹴りかかってきた」という。その後、貴乃花氏は力ずくで優一氏を自宅に連れ入れて、説教したらしい(「文春」)。

 自分に都合のいいように話すことは誰にでもあり、そういうことを双方がやっている可能性は否定できない。だが、元横綱の父に1時間半くらい殴られたら、無傷ですむとは思えない。だから、少なくとも、優一氏の話には誇張があるのではないか。

 また、貴乃花氏が大切にしていた大型バイクのハーレーダビッドソンを売却した件についても、両者の言い分は食い違っている。優一氏は、次のように証言していた。

「“査定してもらって売れるなら、その代金を引っ越し費用に充てさせてもらいたいんですが、いいですか?”と関係者の方々にお話ししました。すると“それでいいと思いますよ”と」(「週刊女性」)

 この「関係者の方々」とは、貴乃花氏の友人2人のようだが、貴乃花氏によれば、「本人(貴乃花)に相談もせず、自分たちが勝手に『売ってもいい』なんて言うわけがない」と憤慨しているらしい。貴乃花氏自身も、「家族とはいえ、人の所有物を本人の許可なく売るなんて、考えられません」と「文春」で話しており、やはり優一氏が無断売却したのではないかと疑わずにはいられない。

 優一氏の「姑息な嘘をつく癖」を貴乃花氏は「文春」で嘆いているが、たしかに、そういう傾向が以前からあるようだ。たとえば、優一氏は靴職人になるためにイタリアの工房で修業したと主張しているが、実際に通っていたのはアートデザインの専門学校だし、『アナザースカイ』(日本テレビ系)で優一氏が師匠として紹介した男性は、その後「弟子ではなく、教師と生徒の関係だ」と話している。

 また、2017年6月に陣幕親方の長女と結婚したが、同年10月に出演した『徹子の部屋』(テレビ朝日系)では、独身を装っていた。さらに、2018年8月、貴乃花氏が夏巡業先の秋田市内で倒れて救急搬送された際も、優一氏は靴の納品が遅れていた理由の釈明のために父の看病を引き合いに出したようだが、貴乃花氏は入院もしていないし、看病もされていないという(「文春」)。

優一氏は「平気で嘘をつく人」?

 これだけ嘘が多いと、優一氏は「平気で嘘をつく人」なのではないかと疑いたくなる。こういう人の特徴として、アメリカの精神科医、M・スコット・ペックは次の点を挙げている。

・罪悪感や自責の念に耐えることを絶対的に拒否する

・他者をスケープゴートにして、責任を転嫁する

・他人に善人だと思われることを強く望む

・体面や世間体のためには人並み以上に努力する

 これらの特徴はすべて優一氏に認められる。父のバイクを勝手に売ったことに罪悪感や自責の念を覚えたくないから、あたかも許可を得ていたかのように話したのだろう。また、巧妙な責任転嫁もお得意のようだ。

 さらに、他人に善人だと思われることを強く望むのは、優一氏がメディアに出続けたいと願っており、そのためには“いい人”と思われなければならないことを自覚しているからだろう。

 おまけに、体面や世間体のためには人並み以上に努力するところもあるようだが、問題は、その努力が本業のはずの靴作りではなく、メディアでの自己正当化に注がれているように見えることである。

 このように自己正当化するのは、自己愛が強いからだろう。ペックも、「平気で嘘をつく人」にしばしば認められる「悪性の自己愛」を指摘している。この「悪性の自己愛」の持ち主は、「自分の罪悪感と自分の意志とが衝突したときには、敗退するのは罪悪感であり、勝ちを占めるのが自分の意志である」。

 優一氏も、父のバイクを売却して、お金を得たいという意志が強かったからこそ、それに罪悪感を覚えることもなく、その後も自己正当化に終始したのだろう。

 これほど自己愛が強いのは、貴乃花氏の元妻で優一氏の母である河野景子さんの溺愛によるところが大きいように見える。貴乃花氏によれば、景子さんは息子をテレビ局などに積極的に売り込んでいたようだが(「文春」)、こうした姿勢も優一氏の自己愛をさらに強めたのではないだろうか。

 優一氏を見ていると、芥川龍之介の次の言葉を思い出さずにはいられない。

「子供に対する母親の愛は最も利己心のない愛である。が、利己心のない愛は必ずしも子供の養育に最も適したものではない。この愛の子供に与える影響は―少くとも影響の大半は暴君にするか、弱者にするかである」

(文=片田珠美/精神科医)

参考文献

芥川龍之介『侏儒の言葉・西方の人』新潮文庫、1968年

M・スコット・ペック『平気でうそをつく人たち』森英明訳、草思社、1996年

●片田珠美/精神科医

広島県生まれ。精神科医。大阪大学医学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。人間・環境学博士(京都大学)。フランス政府給費留学生としてパリ第8大学精神分析学部でラカン派の精神分析を学ぶ。DEA(専門研究課程修了証書)取得。パリ第8大学博士課程中退。京都大学非常勤講師(2003年度~2016年度)。精神科医として臨床に携わり、臨床経験にもとづいて、犯罪心理や心の病の構造を分析。社会問題にも目を向け、社会の根底に潜む構造的な問題を精神分析学的視点から分析。

JRAノーザンファーム看板種牡馬ドゥラメンテ「大失敗」の可能性……種付け料高騰も重賞でことごとく惨敗

 荒々しさは未だ鳴りを潜めている。

 2015年の皐月賞、日本ダービーを圧倒的なパフォーマンスで優勝。翌年の宝塚記念で故障を発症し、競争能力喪失の診断が下され、残念ながら現役生活にピリオドを打ったドゥラメンテ

 社台スタリオンステーションにスタッドインし2017年から種牡馬生活をスタートさせると、供用初年度にいきなり当時の国内の年間種付頭数の過去最高となる284頭もの繁殖牝馬と交配されるなど人気を博し、初年度産駒は昨年にデビュー。6月に行われた新馬戦でアスコルターレが産駒JRA初勝利を挙げたことを皮切りに、2021年2月10日現在、35頭が勝ち上がりを収めている。

 順風満帆に見えるドゥラメンテの種牡馬生活だが、その「中身」は決して充実したものではないようだ。

 というのも、産駒の重賞勝ち数は未だゼロ。オープンクラスもアスコルターレがもみじSで挙げた1勝のみで、勝ち鞍のほとんどが新馬、未勝利戦という現状だ。種牡馬の同期であるモーリスやミッキーアイルが既に重賞勝ち馬を輩出しているだけに、やや物足りない内容であると言えそうだ。

 特に重賞に至っては【0・1・1・15】となっており、先週行われたきさらぎ賞(G3)には、クラシックでの活躍が期待されるダノンジェネラルとドゥラモンドの2頭が出走するも、共に勝ち馬ラーゴムから1秒以上離された大敗を喫している。

「ドゥラメンテは2020年の新種牡馬リーディングでトップを獲得しており、決して悪い成績であるとは言えません。

しかし、それはあくまでも並の種牡馬だとしての話。社台グループの結晶のような血統背景を持ち、鳴り物入りで種牡馬になったドゥラメンテに並々ならぬ期待がかけられていることは、種付け料からも窺いしれます。

2017年に400万円だった種付け料は、2019年に600万円、2020年には700万円と増加。産駒がデビューする前にこれだけ種付け料が上がるというのは極めて稀なことです。幼駒の評判が良かったということもあるようですが、それこそ一昨年に他界したディープインパクトの後釜くらいの期待がかけられているのではないでしょうか」(競馬記者)

 2021年はついに1000万円まで種付け料が高騰するも、既に満口になっているというドゥラメンテ。それだけに、現在の重賞成績は確かにいただけない。このままでは馬産地に不穏な空気が流れ始めるのも、想像に難くないだろう。

 14日、東京競馬場で行われる共同通信杯(G3)には産駒のキングストンボーイが出走を予定している。2018年の皐月賞を勝利したエポカドーロの半弟である良血馬だ。自身が2着に敗れたレースで息子がリベンジを果たすのをきっかけに、産駒たちの”荒ぶる魂”がついに目覚める……なんて姿に期待したいところだ。

「コロナ禍」でのパチンコの楽しみ方…正しい“知識”と“行動”が必要不可欠

 緊急事態宣言が延長されましたね。時短など営業的にパチンコ店が影響を受けるようなことはなさそうですが、不要不急の外出についての自粛要請で、そもそもパチンコを打つ頻度を控えようみたいな心理的な障害は以前多くのファンの胸裡に秘められているわけで、厳しい状況に変わりはなさそうです。

 もちろん、多くのホールが万全の対策を施しているし、そもそもしゃべる機会が少ないので感染のリスクは低いのではないでしょうか。

 そんななか、全日遊連が新型コロナウイルスの感染拡大の防止対策として遊技機や店内BGMの音量を最小に設定することを徹底するよう要請したというニュースをキャッチ。

 最初に見出しだけを見たとき、並み居る日本の統括組織、指導的立場の団体がそうであるように、独自の理論に基づいたわけわらかん理屈を言い出したのかと思いましたが、よくよく内容を精査してみると、どうやら大音量によって大声で話さざるを得ない状況をなくすためだとか。

 これは言われてみればもっともな話で、昨今、飲食店や居酒屋などが槍玉に挙げられている要因として「大声で話す」「近距離での会話」がありますので、飛沫の拡散についてはおおいに注意を払いたいとこですよ。これは理にかなった素晴らしい取り組みと言えるのではないでしょうか。

 一方で、「それはどうなん?」と疑問に思う対策もないこともないです。入店時の消毒のために、出入り口に消毒液が用意してあるホールがほとんどですが、次亜塩素酸水を置いてあるところもチラホラ見かけます。効果が怪しいし、手に妙なぬめりを感じるので、私は基本アルコール消毒しか使用しません。

 この次亜塩素酸水と同じ文脈になりそうなのが「光触媒」です。遊技通信webによると、ホールチェーンの最大手であるダイナムが経営する全店舗に光触媒コーティングを施行したと発表したらしいです。

 ダイナムほどの企業がやるのであれば科学的根拠に基づいて行っているのでしょうが、該当記事にはスプレーを遊技台に噴射している写真が掲載されていています。あくまで個人的な意見ですが、正直その効果のほどに疑問を抱かざるを得ません。

 光触媒自体には確かに効果があり、有害物質の除去や脱臭、抗菌の作用があるのですが、その主成分となる酸化チタンを粉末や塗料として壁、タイル、ガラス、フィルターなどに練り込んだ製品としてのもので、スプレーを塗布しただけで効くのか? と単純に疑ってしまいます。

 消費者庁のホームページには「新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする健康食品、アロマオイル、光触媒スプレー等に対し、緊急的追加措置として、景品表示法(優良誤認表示)及び健康増進法(食品の虚偽・誇大表示)の観点から表示の適正化について改善要請等を行うとともに」と明記されています。

 この報知がなされた時期が2020年3月27日と約1年前なので、光触媒スプレーにおける状況が激変したかもしれず、実際にシャープといった大きな会社も製品を発売している事実もありますが、新型コロナウイルスに限定すれば効果を証明したかどうかは明確になっていません。

 ワクチンの話題が注目を集めていますが、まだしばらくは新型コロナウイルスに気を配る生活を余儀なくされるでしょう。正しい知識と正しい行動でコロナ禍でもパチンコを楽しみたいものです。

(文=大森町男)

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JRA武豊ワグネリアンにダービー馬の「呪い」!? 京都記念(G2)キズナ、レイデオロも沈めた「73年」未勝利の絶望

 歴史的な勝利を挙げることが出来るだろうか。

 14日、阪神競馬場で開催される京都記念(G2)。昨年は優勝したクロノジェネシスが春秋グランプリを制覇、また過去の勝ち馬サトノクラウン、ラブリーデイも宝塚記念(G1)を制している。

 今年は京都競馬場が改修工事中のため、京都ではなく阪神芝2200m条件で行われる。例年以上に同じ条件である春のグランプリと直結するレースになりそうだ。

 昨年の宝塚記念で13着に惨敗したワグネリアン(牡6歳、栗東・友道康夫厩舎)は復活をかけて出走する。勝ち星から2年5か月遠ざかっている現状。かつて日本ダービー(G1)を制覇した輝きは失われつつある。

 だが、京都記念は新しい一面を見せる可能性がありそうだ。前走後、喉鳴りの手術を行っており、今回7か月ぶりの実戦となる。宝塚記念の凡走の原因が喉にあるとすれば、十分に挽回に期待できるだろう。

 また、鞍上には初コンビとなる武豊騎手を迎える。父ディープインパクトの主戦を務めたレジェンドがダービー馬の潜在能力を引き出すか注目が集まる。武豊騎手は13年の京都記念ではディープインパクト産駒のトーセンラーに乗り替わりで騎乗。見事に2年ぶりの勝利へ導いただけに、これは縁起のいいデータとなりそうだ。

 しかし、京都記念はダービー馬にとって「鬼門」と呼べるレースでもある。

 過去10年、京都記念に出走したダービー馬は以下の通り。

15年 キズナ 3着(2番人気)
16年 ワンアンドオンリー 6着(5番人気)
17年 マカヒキ 3着(1番人気)
18年 レイデオロ 3着(1番人気)
19年 マカヒキ 3着(2番人気)

 1頭も勝つどころか2着にもおらず、すべて人気以下の着順に敗れている。さらに遡れば、ウオッカ、アグネスフライトも勝つことが出来ておらず、不思議なことにダービー馬と相性の悪いレースなのだ。

 これまでに113回の歴史を誇る京都記念だが、ダービー馬の優勝は1948年のマツミドリただ1頭。73年もの間、多くの名馬が返り討ちに遭っているのだ。

 第14回・日本ダービーを制したマツミドリは父にカブトヤマを持ち、史上初の親子2代制覇を達成。この功績を受けて、カブトヤマ記念(G3・現在廃止)が創設された。また、「ダービー馬はダービー馬から」という名言の由来ともされている。

 引退後、種牡馬入りしたマツミドリだが、1953年に北海道で流行した馬伝染性貧血を患い、防疫上の観点から殺処分されるという非業の死を遂げた。

 それ以降、1頭もダービー馬が京都記念を勝てないのはマツミドリの“呪い”かもしれない。

 ディープインパクト産駒のワグネリアンはまさに「ダービー馬はダービー馬から」に当てはまる。ワグネリアンが京都記念を制して、この呪いを解くことが出来るだろうか。

Clubhouse招待枠も…「とりあえずメルカリで探す」が一般化、トラブル最新事情

「フリマアプリを探せば、どんなものでも売っている」と、ある40代主婦はいう。事実、鬼滅の刃コラボグッズやNintendo Switch、最近では音声SNS「Clubhouse」招待枠などもメルカリなどのフリマアプリで転売されて話題となった。メルカリではサービスや権利などの実態のない商品の売買は禁止されているが、Clubhouse招待枠は1万円前後で販売されており、その多くがすでに売れていた。

「要らないものを売っていいお小遣い稼ぎになるから、ママ友もみんなやっている。でも、転売ヤーが多すぎて鬱陶しいと思うこともある。抽選にはずれた子どもが欲しがっているゲームはすごい値段になっていて、ずっと買えなかった」

 転売とは、購入したものをよそに売り渡す行為を指し、転売をする人は「転売ヤー」と呼ばれる。転売自体は違法ではないが、転売ヤーの買い占めによって、必要とする人が購入できないことは社会問題化している。人気の商品を転売ヤーに買い占められないように工夫している店舗も増えてきているが、根本的な解決にはいたっていない。

 メルカリなどのフリマアプリにおける転売問題と対策の現状について解説したい。

メルカリは高額転売にアラートで対応

 経済産業省の「令和元年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)」(2020年7月)によると、メルカリを含む2019年のCtoCのEC市場規模は、前年比9.5%増の1兆7407億円と推計されている。フリマやオークションなどの個人間取引は増加し続けているのだ。

「少しでも売れそうなものがあったら何でも売る。お金ないんで」とある大学生に聞いた。「要らないものでお金になるし、欲しいものが安く手に入るなんて最高。自分は要らないものでも、絶対に欲しい人はいる」。使っているうちに、ある程度高く売れそうなものがわかってきたため、そのようなものは積極的に手に入れるようにしているという。たとえば期間・場所限定モノ、ファンが多いモノ、話題性があるモノなどだ。

 2020年11月に発売開始となったソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の新型ゲーム機「プレイステーション5(PS5)」も高額転売のターゲットとなった。メルカリでは発売前より高額出品が相次いでおり、一時は30万円の値がついたものもあった。品薄状態が続く中、メルカリでは約6000件が平均で定価より6割高い金額で売買されたという。それを受けて、SIEはメルカリに転売防止について理解と協力を要請している。

 一方、メルカリは2021年1月に、サービス運営の基本的な考え方となる「マーケットプレイスの基本原則(Principles)」を策定・発表。あくまで出品者と買い手の自由な取引を前提とし、出品自体は規制しない方針だ。

 代わりに、ゲーム機などの人気商品は、商品の発売元などと連携し、小売価格とかけ離れた出品を調査。商品価格が著しく高騰した商品については、商品検索画面や取引画面内で、ユーザーに発売元のウェブサイトで小売価格を確認することなどを求める「価格アラート機能」を今春以降に導入予定だ。

 PS5の場合、フリマアプリでの出品の説明欄に保証書やレシートの記載がないものもあった。このような商品を落札、保証書がついていなかった場合は、メーカー保証が効かない恐れが出てくる。精密機器や高額商品は、通常通り店舗などから購入したほうが安心といえるだろう。

法律違反となる転売行為に注意

 前述のように転売自体は違法ではないが、違法行為に当たる例もある。たとえばフリマアプリで要らないものを売るだけなら問題はないが、事業として継続的に行う場合は古物商許可証が必要であり、所持していなければ古物営業法違反となる。もちろん、転売が禁止されているチケットの転売も、チケット不正転売禁止法違反だ。

 2020年には、国民生活安定緊急措置法違反で、アルコール消毒液やマスクなどの高額転売をした容疑で逮捕者も出ている。新型コロナウイルス感染拡大でアルコール消毒液やマスクなどの不足が続いたため、5月に同法を改正、高額転売は禁止となっていた。

 8月には大阪府の吉村知事が会見で、新型コロナウイルスに対してポビドンヨードを含むうがい薬が有効な可能性があると言及し、品不足、転売が横行。しかしうがい薬は医薬品に当たり、医薬品医療機器等法により、行政の許可がなければ製造や輸入、販売はできず、出品は禁止されている。この場合も、メルカリから商品の削除等の対象となっていた。

無申告で追徴課税や「#メルカリ晒し」も

 メルカリでは、転売以外の問題も多く起きている。

 たとえば転売で売上が上がっている場合、給与所得がある人は年間20万円以上、給与所得がない人は48万円以上の利益が出ていれば、譲渡所得50万円を上限とした控除を超えた場合に、所得税が発生する。ある40代女性はメルカリなどのフリマアプリでの収益を数年分申告していなかったため、税務署の調査を受けて100万円以上の追徴課税を支払うことになったという。

 国税庁の「令和元事務年度 所得税及び消費税調査等の状況」(2020年11月)によると、インターネットを使った電子商取引を行っている個人に対して2019年度に税務調査の対象となった1877件のうち、1680件で無申告が発覚。追徴課税は、前年度比約12%増の65億円に上っている。該当する人は、必ず申告しておくべきだろう。

 フリマアプリなどでの個人間取引は、商品に対するクレームや勝手なキャンセルなど、トラブルが多いことが知られている。最近では、トラブルになった相手のアカウントや住所を、「#メルカリ晒し」などのハッシュタグを付けてSNSでさらす行為も横行している。「クレームをもらっても無視していたらアカウントをさらされた。送った商品に不備はなかったのに……」とある30代女性は肩を落とす。

 メルカリなどのフリマアプリのおかげで要らないものが売れてお小遣いが手に入り喜ぶ人は多い。しかし、利用の仕方によってはさまざまなトラブルや法律違反につながる可能性があるので、注意して利用してほしい。

(文=高橋暁子/ITジャーナリスト)

●高橋暁子/ITジャーナリスト

書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。 SNSなどのウェブサービスや、情報リテラシー教育などについて詳しい。元小学校教員。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)など著作多数。『あさイチ』『ホンマでっか!?TV』などメディア出演多数。

公式ブログ: 高橋暁子のソーシャルメディア教室