コロナでスタバもドトールも赤字、なぜコメダだけ黒字?“高い客単価”実現の秘密

 新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、大手カフェチェーンが軒並み不調のなか、店舗数で業界3位のコメダ珈琲店(以下、コメダ)が黒字を確保したことが話題となった。

 コメダを運営するコメダホールディングスの2021年2月期第3四半期(20年3月~11月)連結決算は、売上収益は前年同期比8.2%減の212億4100万円、純利益は同28.7%減の約28億5500万円と、それぞれ数字を落としながらも黒字を記録している。

 一方で、業界2位のドトールコーヒーショップを運営するドトール・日レスホールディングスの同期連結決算では、ドトールコーヒーグループの売上高が前年同期比28.3%減の434億8000万円で、営業利益は18億9800万円の赤字。スターバックスコーヒージャパンの20年9月期決算(通年)も純利益が赤字になっていることを踏まえると、コメダの健闘ぶりがうかがえる。

 コメダはなぜ赤字とならずに利益を出すことができたのだろうか。外食業界全般に詳しいフードアナリストの重盛高雄氏に話を聞き、コメダの勝因を探った。

2010年代に台頭したコメダを支える独特なFCの仕組み

 コメダ珈琲店の歴史は1968年、愛知県名古屋市に開店した店舗から始まった。93年4月にFC(フランチャイズ)展開を本格化させ、現在は全国47都道府県に900店舗近く展開している。

 2013年4月に国内500店舗を達成以降、14年10月に600店舗、16年8月に700店舗、18年7月に800店舗とここ数年で店舗数を急増させているコメダだが、その理由はどこにあるのだろうか。

「10年代にコメダが多くの支持を得た理由は、安心して利用できる場所として認知されるようになったことと、朝食メニューが好評を博したことの2点が考えられます。

 コメダの店舗数が500を超えた13年は、さまざまなホテルや百貨店のレストランで食品表示の偽装問題が発覚し、社会問題として取り沙汰された年です。コメダは『くつろぐ、いちばんいいところ』を理念として掲げるように、座り心地の良い椅子を用意するなど安心してゆったりくつろげる空間づくりに努めていました。ですので、食事の場所に安心・安全を求める方が増えたことで、よりその存在がフォーカスされたのでしょう。

 また、10年代の後半は夜の時間帯があまり売れなくなり、ファミレスなどが需要拡大のためこぞって朝食メニューに力を入れるようになるという変化が起こりました。そのなかで、厚切りのトーストとゆで卵などの選べるトッピングが楽しめる、ボリューム満点なコメダのモーニングサービスが注目され、朝食目当てのお客さんを獲得していったのです」(重盛氏)

 コメダ独自の戦略としてよく語られるのが、FC(フランチャイズ)店の割合の高さだ。スターバックスコーヒーは約8%、ドトールコーヒーショップは約81%がFC店であるのに対し、コメダは97%がFC店と圧倒的な割合になっており、本社が固定費を負担する直営店が少なかったこともコメダが黒字を確保できた要因とされている。

 さらに、重盛氏によれば、そんなコメダのFCでは、コンビニなどのFCとは一風変わった試みがなされているという。

「一般的なFC展開は本部とFCの上下関係がハッキリとしていますが、コメダのFCは一緒に成長していくビジネスパートナーとして捉えた制度づくりがされていることが特徴的。

 コメダのFCはロイヤリティが1席当たり1500円の固定費で、コメダ社員として経験を積んでから開店できる独立支援制度や、開店に必要な初期費用を一時負担する建築支援制度などが用意されています。半面、独立支援を受けるには1年以上在籍するなどの条件があり、独立支援制度を利用しない場合は50万円払って約3カ月間研修を受ける必要があるなど、オーナーになるためのハードルが少し高く設定されているんです。

 コメダではどこに店舗を建てるのかがある程度FCのオーナーに任されているので、オーナーによっては固定客が見込める、馴染みのある土地に店を構えます。そういった店舗では、コロナ禍でも来客数が落ちず、売上を維持することができているようです」(同)

客単価の違いが他カフェチェーンとの明暗を分けた

 コメダとほかのカフェチェーンの最大の違いは、ビジネスモデルにあると重盛氏は続ける。

「コメダは一定以上の客単価をどのように維持するのかに焦点を当てた、いわば“安売りをしない”ビジネスを展開しています。

 そのため、単純に安いメニューを用意するのではなく、600円や700円といった金額でコスパが良いと思っていただけるような質の高い商品や、数人でシェアすることを前提としたボリュームのある商品を提供しているのです。

 客単価が高いお店ということもあって、年齢層もほかのカフェチェーンと比較すると高めです。昔ながらの喫茶店のようなスタイルなので、高齢者の方々の憩いの場にもなっていますね」(同)

 そんなコメダが今後さらに発展していくには、新規客の開拓が重要になるのだとか。

「居心地の良さを意識した店舗設計や高品質の商品で熱心なファンを獲得したからこそ、コメダはコロナ禍においても赤字になりませんでした。コロナが収束した後は、空いてしまっていた座席を埋めていくための施策が必要となります。そのためのカギとなると思われるのが、季節限定のメニューです。

 以前、コロッケを具材に使用したハンバーガー『グラクロ』が、同じくコロッケを挟んだハンバーガーであるマクドナルドの『グラコロ』との大きさの違いで話題となり、新規客の呼び込みに成功しました。『グラクロ』のように、これまで足を運んだことがない方にも関心を抱かせるような限定メニューを積極的に組み込んでいくようになれば、カフェ業界におけるコメダの地位はより盤石なものになるのではないでしょうか」(同)

 コメダはFCがメインの店舗展開や、客単価の高さを意識したビジネスモデル、くつろぎを与えることにこだわった店舗設計など、かねてからの取り組みが功を奏してコロナ禍においても黒字を維持することができた。

 しかしながら、赤字にはならずとも厳しい情勢下で大打撃を受けたこともまた事実。コロナ禍、あるいは収束後にコメダがどのような戦略を打ち出して利益を上げていくのか注目したい。

(文=佐久間翔大/A4studio)

未成年ゲーマー「飲酒と無償労働」に疑問の声…ApexLegends騒動を弁護士に聞く

 近年、新たな職業として、注目を集めることも多い「プロゲーマー」。現在、競技としてのビデオゲーム……すなわち「eスポーツ」は、ゲームタイトルによっては大会優勝賞金が1億円以上になることもあるほどにシーンが拡大。それにともない、大会賞金やスポンサーからの援助、ネット動画配信やイベントの出演料などを主な収入とするプロゲーマーが多数生まれている。

 昨年末、そんなプロゲーマー界隈でちょっとした炎上騒ぎが勃発し、物議を醸した。セミプロゲーマーチームが、未成年の所属メンバーに、労働基準法違反の“ただ働き”を強いたというのだ。いったい何が起きていたのか。

昨年12月、グラドル夢見るぅによる「ゲーム不正」が発覚し、大炎上に発展

 ことの発端は、グラビアアイドルとしても知られる夢見るぅの言動。2019年1月に放送された『家、ついて行ってイイですか?』(テレビ東京系)に出演し、「Iカップ」を武器に芸能界デビューを果たした人物だ。

 そんな彼女が、一人称視点のシューティングゲーム(FPS)『Apex Legends』(米国ゲーム開発大手Respawn Entertainmentが開発、エレクトロニック・アーツが販売)のPS4版を、「コンバーター」と呼ばれる器具を使ってプレイしているのではないか……という疑惑が発生。門外漢にとっては「?」な内容だが、ここでいう「コンバーター」とは、PS4にマウスやキーボードを接続することが可能となる器具。本来はコントローラーでプレイするPS4版は、マウスやキーボードを用いるPC版に比べて相手に狙いをつけることが難しい。そのため、その差を埋めるために「エイムアシスト」という機能が実装されているのだが、コンバーターを使用するとこの機能を利用したままPC版と同じ環境でプレイができるため、同ゲームの運営サイドが公式に禁止している行為なのである。

 ところが、夢見が9月にTwitterに投稿した画像に、このコンバーターを装着したPS4がうつっていたことが発覚。12月上旬にこの疑惑が浮上し、Twitterの炎上ニュースをまとめるアカウントが12月15日にこの件を投稿して、一気に炎上状態へと発展したのである。

kentoboss側が未成年飲酒を認め、警察に出頭して指導を受け、「無償で活動する」ことを表明

 夢見は同日、そのアカウントに対して投稿を削除するようTwitterのダイレクトメッセージ機能を使用して呼びかけたものの、そのアカウントは翌16日、削除を拒否するとともに、夢見が未成年2人と飲酒している画像を公表。夢見だけではなくこの2人にも批判が集まることとなったのだが、この未成年の参加者のひとりが、『Apex Legends』をプレイするセミプロゲーミングチーム「HYUGAR」に所属する「kentoboss」というプレイヤーであったことが発覚したことにより、さらなる問題が発生する。

 HYUGARはこの件を受け同16日、Twitterの公式アカウントで、kentobossが成人する2021年7月25日まで、「収益化、報酬、サポートの全てを停止し、無償で活動する事となりました」と発表。さらにkentoboss本人もこの投稿を引用し、「浮ついた軽率な行動をとってしまい申し訳ありません。チームの処罰に従いこれから心を入れ替えていきます」(いずれも原文ママ)と、処分を受け入れることを表明。

 またkentobossはその後12月25日には、今回の自身の未成年飲酒について警察に出頭し、指導を受けたことをTwitterで公表。2020年中は活動を自粛し、2021年が明けてから活動を再開すると宣言した。つまり、本人の同意こそあれ、未成年飲酒のペナルティとして、所属するメンバーを8カ月間という長きにわたって「ただ働き」させることを宣言したということになるのだ。

 この処分の発表後、ネット上では「これは労働基準法違反ではないか?」「無償で活動させるなんてブラックすぎる」「未成年飲酒のペナルティだからといって、ただ働きさせていいの?」といった、当然といえば当然の批判が巻き起こり、大炎上。

 こうした声を受けてか、HYUGAR公式アカウントはこの投稿をすぐに削除、翌12月17日には、「本選手は雇用契約ではなく業務委託契約となっており、今回の件でイベントや大会への斡旋を控えさせて頂くという処置になります」と処罰について説明し、つまりは労働基準法違反にはならないと主張。「配信活動等は、本選手が自由に活動でき制限も設けておりません」などと釈明することとなったわけであった。(いずれも原文ママ)

 その後、kentobossは宣言通り、年が明けた1月2日にはTwitter上でゲーム動画のシェアを行い、活動を再開。以降は動画の配信などを高い頻度で行っている。また、HUGARも1月25日には新たなスポンサーを獲得するなど、こちらも精力的に活動しているようだ。騒動から2か月近くが経った現在となっては、この問題も落ち着いた感があるが、eスポーツ界隈に少なくない衝撃を与えたことも事実だろう。

チーム側とプレイヤー側が合意していた場合には、プレイヤー側の無償での活動も許容されるのかもしれない

 YouTuber界隈やゲーム業界など、ネットの発達で近年勃興したタイプの新しいエンタメ業界では、まだ歴史が蓄積されておらず、にもかかわらずSNSで各々の主張を簡単に発信できてしまうがゆえ、昨今話題のてんちむとかねこあやの間のトラブルのように、揉めごとの当事者同士の臆面もないケンカに発展して醜態を晒したりしてしまうケースも多い。また今回のように、トラブルが起きた際に社会一般の常識・マナーにのっとった対応をできず、ときに法的に問題のある対応をしてしまうケースもままあることだ。

 さて、上記のセミプロゲーミングチーム「HYUGAR」の一件、法的にみるとどうなのか。果たして「業務委託契約」であれば、こうした“無償の活動”も許容されるのだろうか。東京都内で弁護士事務所を営むある弁護士に話を聞いてみた。

「詳細な契約内容が不明である以上、あくまでも出ている情報をもとにしか回答できませんが……。

 業務委託契約には、民法632条に定められている『請負契約』と、民法643条に定められている『委任契約』の2つがあります。前者は何かしらの成果物を作る契約であり、後者は契約にのっとった活動を行うというもの。

 請負契約は報酬を支払うことが必須ですが、委任契約についてはそうではない。現実には、請負契約と委任契約両方の性質を持つ業務委託契約も多くあるのですが、今回のHYUGARというゲームチームと、未成年とされるkentobossさんとの契約については、『セミプロゲーマーとしてチームで活動する』という委任契約の性質が強いものと考えられます。そう考えれば、チーム側とプレイヤー側が合意した場合には、無償での活動が可能となる場合もあり得るのではないでしょうか。

 HYUGAR側が削除した投稿は、未成年飲酒のペナルティとして、有償であった契約を無償に変更する……というふうに捉えられるものでしたよね。未成年飲酒は企業や団体の社会的評価に重大な悪影響を与えるものであると判断できますから、契約内容を表明の通りに変更をする余地はあるのではないかとは思います」

プレイヤー側が不服だとして訴訟を提起した場合には「無償活動」は問題となってくるのではないか

 とはいえ、これがHYUGAR側とkentobossさんとの間の訴訟などに発展した場合には、「無償の活動を強いた」として、チーム側にとってかなり不利になってケースも考えられるという。

「今回は、少なくとも互いの宣言を読む限り、ペナルティとしての『無償で活動する』という処置に、チーム側とプレイヤー側との双方が合意しています。しかし、ネット上で多くの疑問の声が上がっていた通り、『ただ働きをさせるのは許されない』という社会通念上の問題があります。ゆえに、もしプレイヤー側がこれに納得いかないとして訴訟を提起した場合には、裁判所の判断によって、こうした契約が無効だとされる可能性が高いといえます。

 また、この委任契約は名前の通り、委託者側の代理として契約を履行するという側面が強いため、業務の遂行において必要となる費用は、委託者が負担することとなるのが原則です。つまり、仮に無償での活動に両者が合意をしていたとしても、例えばその活動にあたって交通費などが発生した場合は、それは委託者であるHYUGAR側が負担することになるのが原則だといえますね。

 まあ、これは個別の契約内容にもよるので判断が難しいところですし、そもそも削除した『無償で活動させる』という投稿と、その後の釈明における『イベントや大会への斡旋を控える』という投稿とでは、その内容がかなり異なるような印象を受けるので、実際のところがどうなっているのか……」

日本eスポーツ連合(JeSU)なる国内競技連盟が誕生したものの、まだまだ発展途上のeスポーツ業界

 多くのプロスポーツ選手も、所属チームとの間で業務委託契約を結んでいることは多い。とはいえ、たとえばプロ野球においては『最低年棒は、育成選手の場合240万円』などと日本プロフェッショナル野球協約によって定められるなど、金銭面の待遇に関しては、明確に規定されている場合がほとんどだ。しかし、まだまだ市場が形成されてから日が浅いeスポーツ業界にあっては、こうした明確なルールは望むべくもないだろう。

 2018年2月に日本eスポーツ連合(JeSU)なる国内競技連盟が誕生したものの、同団体が掲げた「プロライセンス制度を発行すれば、高額賞金の大会が実現できる」との主張が大きな物議を醸すなど、まだまだ発展途上段階にあるこの業界。今後は、こうしたネガティブな話題を振りまかず、さらなる発展を遂げてほしいものである。

(文=編集部)

大阪地下鉄、88年目の岐路…都市近代化と一体化した地下鉄建設、民営化後の課題

 大阪市の地下鉄は、昭和8年(1933)に現在の御堂筋線梅田仮駅~心斎橋間を開業した。今年で88年目、米寿ということになる。開業当時、梅田駅は本駅が未完成で、手前の北行き線の上にホームが設置されて1線だけの仮駅での開業となった。開業の当日は、午後3時からの運行開始であったが、午後11時の最終までに6万5000人が詰め掛けるという盛況振りであった。

大阪市営地下鉄の民営化

 大阪市の地下鉄は、平成30年に民営化され、現在は、大阪市が100%出資する大阪市高速電気軌道株式会社(通称「大阪メトロ」)が経営している。大都市の公共交通の民営化が一つの流れになっているが、大阪市の場合は、府と市の二重行政の弊害の除去という要素があった。市営地下鉄の路線網は大阪市内に小さくまとまっており、市外に乗り出すのはごく限られている。人は府内に広く拡散しているのに、地下鉄は市内で止まってしまっているのである。大阪市を超える路線は、基本的には大阪府の責任である。

 橋下徹元大阪府知事は平成22年1月12日の記者会見で「府と大阪市は一つにまとまり、財布を一つにすべきだ」として府市再編構想を提起した。大阪府と大阪市の二元行政による非効率を排するために統合して「大阪都」を設置するというもの。

 そして、この構想を実現するために、平成23年11月、大阪府知事を辞職した上で大阪市長選に立候補した。府知事選挙と市長選は同日選挙となり、橋下氏は現職の平松邦夫氏を破って当選した。府知事には大阪維新の会のメンバーで橋下氏の後継候補の松井一郎氏が当選した。

 橋下氏は市長選出馬にあたってマニフェストを発表したが、そのなかで市営交通の完全民営化、私鉄との相互直通運転の拡大、運賃の引き下げを掲げていた。大阪市交通局を持株会社化して地下鉄、バスの運営会社を傘下に置くという。公営企業が持株会社となるというイメージであったようである。最終的にはこの持株会社の株式を公開して完全民営化を行うということであった。平成24年春には鉄道関係者、公認会計士、経営コンサルタントによる検討チームを立ち上げ、交通局長には民間人を登用することを決めた。

 民間出身の交通局長に選ばれたのが藤本昌信氏で、京都大学を卒業して京阪電気鉄道に入社、京福バス社長、京福電気鉄道副社長を歴任された。平成28年に任期満了となったが、市議会の自民党と公明党の要求で藤本氏の再任が認められなかった。一時、交通局の子会社の社長就任が囁かれたが「天下り」だとして批判を受けて実現しなかった。時の吉村市長は、再度局長を公募したが、そこに藤本氏が応募して採用されることになる。市議会での交通局民営化反対の政争のなかで翻弄されたが、交通局の民営化基本方針が、市議会の一部抵抗があったものの可決され、最終的に民営化を実現した。藤本氏は、現在は、大阪府下のローカル私鉄の水間鉄道の社長を務める。

大阪メトロの経営

 民営化後の経営状況はおおむね平坦に推移していたが、令和2年1月頃からの新型コロナウイルスの感染拡大により、大きく状況が悪化した。四半期ごとに470億円程度の収益を上げていたが、令和2年1~3月期には426億円、4~6月には271億円に急落した。全国的にみると、観光客やビジネス客の減少により、新幹線などの長距離旅客に大きな影響がみられ、一時は9割以上の減少となったが、通勤輸送については4割程度の落ち込みで、しかも緊急事態宣言が発出された4月から5月を底に回復に転じた。大阪メトロの連結収支でも同じような傾向をたどった。

大阪市営地下鉄を計画した關一市長

 大阪市の地下鉄は、もともと都市計画と一体的に整備され、大阪モデルとでもいうべき特徴を持っていた。

 大正時代、大阪の地下鉄の整備の陣頭指揮を執ったのが關一市長である。關一は、東京高等商業の教授の職にあったが、東京帝国大学との統合計画に反対の意思を示して退官。それを機に、大正3年、大阪市の池上四郎市長に懇請されて大阪市助役の任に就いた。学問の世界から実業の世界に移ったことになるが、關の場合は、確たる社会改革思想を持っており、学理を極めるよりも、思想を現実のものにすることが性に合っていた。

 当時の大阪は、大阪湾岸の埋め立て地に大工場が立ち並び、東洋のマンチェスターと例えられた。しかし、その工場煙突から排出される煤煙で昼間から霧がかかったようにどんよりと空気が淀んでいた。

 また、大阪は縦横に川が張り巡らされ、物流に利用されていた。その半面、道路は車馬の通行には適さず、幅が狭いのに加えて、舗装されない土の道であった。大阪の市域は都心のごく狭い地域であったが、大阪の工業化が進むにしたがって、市域の外側の人口が増加し、都心部よりむしろ住宅が密集していた。そこで、市内と外側を一体的に整備するために、明治30年に第1次市域拡大が行われた。その後も都市スプロールが進行していったため、大正14年には第2次市域拡大が実施された。

 このような大阪を近代的な都市に変えることに、關は使命感を感じた。そして、大阪市助役をしていた大正8年、御堂筋の拡幅について調査を開始。大正12年に大阪市長に任じられたが、その翌年には更生第一都市計画事業として事業化が決定した。御堂筋の道幅を6mから43.6mに広げるというもので、市会からは「市長は船場の真ん中に飛行場でもつくる気か」と揶揄された。この拡幅のためワンブロック分の家屋を撤去することになったが、当時は車の走行も少なく、広い道路は無駄としか思われなかった。そのため、批判的な市民も多かった。

 また、御堂筋の建設は大阪市が権限をもって実施されたが、市の予算だけでは用地買収や建設費を満たすことはできなかった。そこで、沿道の商家に対して、道路ができることにより利益が増える分を税として吸い上げて、工事費に充てられた。その後、この受益者負担の考え方は都市計画税として制度化されることになる。そして、昭和8年、昭和天皇の行幸に間に合わせて、大阪の市街地を南北に貫く広幅員の御堂筋は完成された。

 この御堂筋には、計画の当初から地下鉄の建設計画が織り込まれていた。現在の地下鉄御堂筋線で、第1期区間として梅田~難波間について、大正15年3月に内閣の都市計画決定の認可、4月軌道法による特許を得て、昭和5年1月工事に着手した。そして昭和8年5月梅田仮駅と心斎橋駅の間で営業を開始したのである。

 東京では、民営の東京地下鉄道が最初の地下鉄を建設したのに対して、大阪市は公共が整備にあたることになった。これについて、關一市長は著書の中で、アメリカの都市経済学者のマンローの所論を引用して、都市開発と交通計画のリンクの必要性を説いていた。都市計画と交通整備を市が統一的に実施することで、効率的に近代的な都市の建設が可能となるというのである。

都市計画と公共交通の一体的整備の終わり

 大阪の都心の開発は、現在でもいくつかの拠点で進められているが、大阪市が大規模に交通整備と連携させて都市開発を実施するケースは少なくなってきた。現在進められているのは、JRの梅田貨物駅の吹田移転と貨物支線の地下化にともなう「うめきた」開発と、臨海部の埋め立て地の開発くらいである。關一の時代のような地下鉄建設と都市開発をリンクさせる必要性が低下した。地下鉄の経営を大阪市が市営交通として実施する理由がなくなったのである。

 大阪市は、公営交通の民営化を進めることにし、平成29年6月1日に大阪市高速電気軌道株式会社を設立して、翌年4月1日に大阪市交通局の地下鉄事業を引き継いだ。東京の営団地下鉄が民営化して「東京地下鉄」が設立されたのと同じく、公共が100%出資する公共的な会社であり、正確には民営化というのは誤解を招く表現である。公共が完全出資する会社を特殊会社と呼ぶが、特殊会社は特別法により設立された会社であるのに対して、東京地下鉄と大阪の新会社はいずれも商法に基づいて設立された普通の株式会社である。

 会社設立にあわせて、ニックネームやロゴなどのCI(コーポレート・アイデンティティ)構築や新会社のPR事業者を募集、最終的に、JR東日本の子会社であるジェイアール東日本企画関西支社が選定された。愛称は公募されたが、1位は「大阪地下鉄」であったものの、選ばれたのは2位の「大阪メトロ」であった。

市営バスも大阪シティバスに譲渡

 平成30年4月、交通局のバス事業も大阪シティバス株式会社に譲渡され、交通局は廃止された。大阪シティバスは、昭和63年に大阪市交通局と大阪交通労働組合が出資して設立された大阪運輸振興株式会社が起源で、大阪市交通局の路線バスの営業所単位での業務が委託されていた。同様に、神戸市にも、神戸交通振興株式会社という市バスの業務を受託する会社がある。東京都交通局の場合は、子会社の「はとバス」に委託している。

 大阪運輸振興は、平成18年4月に交通局の100%出資となり、社名を現行の大阪シティバスに変更した上で、大阪市交通局からバス事業の譲渡を受けた。現在は、株式の65.3%を大阪市高速電気軌道、34.7%を大阪市が保有する。

地下鉄民営化の意義

 東京メトロの場合、地下鉄整備が一段落したのを機に、民営化したのであるが、最終的に株式を上場して完全民営化する予定である。現在の株主は財務省と東京都であるが、財務省は、東日本大震災の復興資金の財源として、株式の売却を進めようとしているが、東京都はこれに反対している。地下鉄は都市の経済活動の動脈であり、効率的な都市経営には交通手段を公共が経営することが望ましいというのである。東京の場合は、地下鉄を営団と都営の二者で整備・運営しているという特殊事情もあり、これを一元化することで、利用者の利便性は高まり、経営効率も高まるとの考え方であった。

 地下鉄経営には、新線建設にともなう資本費負担が大きく、公営地下鉄の多くが赤字経営を続けている。そのなかで、新線建設の終わった東京の営団地下鉄は、健全経営を続けており、新しい路線の多い都営地下鉄とは対照的である。つまり、十分に民間が利潤原則の下で経営することができるので、完全民営化がふさわしいという判断があった。

 それに対して、大阪の場合は、建設の新しい路線が多く、建設費の償還が終わっていないだけでなく、2025大阪万博を目指して中央線の夢洲までの延伸計画がある。建設費用が膨大であるため、民間企業が単独で資金調達するのは難しい。国や自治体からの建設補助を受ける必要があるが、現状では、公営かそれに準じる第三セクターが経営する路線でなくてはならない。将来的には完全民営化を目指すものの、今のところは市が全株式を持つ公営に準ずる経営体であるのが有利である。

 大阪市交通局の民営化は、経営の効率化よりも、事業の多角化に意義があった。市営時代には「民営圧迫」として関連事業が制約されていた。それが公共主体から独立した株式会社となったことで、経営者が経営センスを発揮して、収益事業を拡大することができるようになった。

 大阪メトロの初代社長には、パナソニック顧問の河井英明氏を迎えた。地下鉄の安全運行を維持するとともにホーム柵の整備を進めるほか、「駅ナカ」開発についても意欲を示す。

民営化後の地下鉄経営

 地下鉄の民営化後の旅客数の状況は、平成30年度の輸送人員は9億3418万人(前年度比1448万人増)、運輸収入は1534億円(同21億円増)で順調な船出となった。しかしその後の動向は新型コロナの感染拡大によって大きく変わった。

 令和元年度は、コロナの影響は1~3月期だけであるが、運輸収入は18億円減収の1516億円、令和2年度の見込みは、平成30年度比で411億円減の1123億円と深刻である。輸送人員については、定期旅客が令和元年度に対して2年度は10%減にとどまるのに対して、定期外旅客は41%減と大きい。令和元年度にはIC乗車券「ICOCA」による近郊私鉄との連絡定期券の発売などの施策によって定期旅客が前年度より882万人増加していたので、民営化の勢いに水を差される形になってしまった。

 大阪市交通局の末期には、民営化を見据えてサービスの見直しを実施したが、その一つが平成26年4月1区運賃の200円から180円への値下げであった。消費税率が8%に引き上げされたのに伴う運賃改定の際に、東京の地下鉄に比べて割高な初乗り運賃を引き下げたものである。他の区間については消費税増税分として10円を値上げしている。民営化の平成29年4月1日にも、1区運賃との格差を縮めるために2区運賃を240円から230円に値下げしている。

 平成29年4月の値下げにもかかわらず、同年度の営業収益は前年度より21億円の増収、民営化初年度の平成30年度には135億円と大幅な増収となった。営業利益も、平成28年度407億円、29年度445億円、30年度473億円と順調に増加した。

中期経営計画による事業の多角化

 大阪メトロは、中期計画で2025年には不動産開発の売り上げを10倍にする計画である。「南北軸」「東西軸」「近郊・周縁」の3つのエリアに分けて、交通事業との相乗効果を期待できる不動産開発を進めるという。すでに大阪市港区のもと大阪市の公務員官舎を賃貸マンションに改造したほか、多くの商業ビルや賃貸・分譲マンションの開発を進めている。

 ところが、新型コロナの問題が発生して、積極策の見直しが必要となった。令和3年2月に民泊用施設を開業する予定であったものを、一度も使用されないまま外部に売却されてしまった。

おわりに

 大阪市交通局は、大阪高速電気軌道という株式会社に変わった。民間から経営陣を受け入れ、地下鉄と路線バスだけの経営から不動産や「駅ナカ」商業施設などの兼業部門の開発を進めているところである。そこに、新型コロナの感染拡大が襲い掛かった。今後の感染状況や、コロナ後の需要の回復など、いまだ未知数といわざるを得ない。

 そのなかで、2025年の大阪万博にむけて地下鉄中央線の夢洲(万博会場)への延伸工事が始まる。また夢洲には、万博後のIR開発を見据えて、大阪メトロが超高層ビルを建設する計画もある。また不動産事業の拡充のために大規模な投資が必要となる。これらが成功するためには、コロナ禍を乗り越えて、大阪経済が再度活性化されることが前提条件となる。

(文=佐藤信之/交通評論家、亜細亜大学講師)

●佐藤信之

交通評論家、亜細亜大学講師、Yahoo!オフィシャルコメンテーター、一般社団法人交通環境整備ネットワーク相談役

亜細亜大学で日本産業論を担当。著書に「鉄道会社の経営」「新幹線の歴史」(いずれも中公新書)。秀和システムの業界本シリーズで鉄道業界を担当。

ジャニーズとNHK大河の蜜月を考える…草なぎと木村の共演、松潤のもと嵐再集結はあるか

 1月中旬、2023年に放送されるNHK大河ドラマ『どうする家康』に、嵐を活動休止中の松本潤が主演し、徳川家康を演じることが発表された。

 松本は、『琉球の風』(1993年)の東山紀之(少年隊)、『新選組!』(2004年)の香取慎吾(当時SMAP)、『義経』(2005年)の滝沢秀明(当時タッキー&翼)、『軍師官兵衛』(2014年)の岡田准一(V6)に続く、大河ドラマに主演する5人目の現役ジャニーズ事務所所属者となる。

 そもそもジャニーズ事務所と大河ドラマの関係は深く、主演に限らず、これまでも数多くの所属タレントを出演させてきた。先日最終回を迎えた『麒麟がくる』でも、風間俊介が徳川家康を、長谷川純が斎藤道三(本木雅弘)の次男・斎藤孫四郎を、HiHi Jetsの井上瑞稀が織田信長(染谷将太)の嫡男・織田信忠を演じていた。

 そこで本稿では、歴代のジャニーズ事務所所属者が出演した大河ドラマ作品のなかで、特に重要度が高いものを9つ、紹介していきたい。

【1】郷ひろみらジャニーズ勢が平家の兄弟を演じた歴史的作品/『新・平家物語』(1972年)

 今から半世紀前のジャニーズ事務所は、4人組グループ・フォーリーブスを看板としており、研修生的位置づけのジャニーズJr.から有望な人材を吸い上げて次々にデビューさせていく……という現在採られているシステムを構築する前だった。そんな時代に放送された大河ドラマ『新・平家物語』は、吉川英治の同名小説を原作に平家の栄華と滅亡を描いた作品で、ジャニーズ事務所が大河ドラマと深くかかわった最初の例だ。

 主人公の平清盛(仲代達矢)と、その異母弟の平経盛(古谷一行)の若き日を、清盛=内田喜郎、経盛=郷ひろみと、当時のジャニーズ事務所所属者2名が演じていたのだ。

 内田はもともと映画会社「大映」専属俳優だったが、ジャニーズ事務所にスカウトされて移籍した人物。郷ひろみはフォーリーブスの弟分として強力にプッシュされていた新人で、この大河放送中の1972年8月に「男の子女の子」で歌手デビューを果たし、一躍トップスターの座をつかむことになる。なお、平清盛役の内田は、“大河ドラマの主人公を演じた最初のジャニーズ事務所所属者”ということになる。

 一方、郷は1975年にジャニーズ事務所を離れた後も、たびたび大河ドラマに出演しており、『草燃える』(1979年)で鎌倉幕府第2代将軍・源頼家、『峠の群像』(1982年)では赤穂四十七士のひとりである片岡源五右衛門を演じた。さらに、『信長 KING OF ZIPANGU』(1992年)で演じたのは徳川家康だった。このキャスティングは、『麒麟がくる』の風間俊介、『どうする家康』の松本潤と続くアイドル系家康の源流といえるだろう。

【2】たのきん、シブがき隊、少年隊の選抜メンバーが総出演/『峠の群像』(1982年)

『峠の群像』は堺屋太一の同名小説が原作で、『赤穂浪士』(1964年)、『元禄太平記』(1975年)に続く、忠臣蔵を描いた大河ドラマの3作品目に当たる。大石内蔵助が緒形拳、吉良上野介は映画監督デビュー前の伊丹十三という配役だった。

 1982年といえば、たのきんトリオ(田原俊彦、近藤真彦、野村義男)のブレイクで一気に勢いを増したジャニーズ事務所が、シブがき隊(薬丸裕英、本木雅弘、布川敏和)を5月に歌手デビューさせ、ジャニーズ少年隊(のちの少年隊/錦織一清、東山紀之、植草克秀)をデビュー予備軍として待機させている時期である。

 そしてこの『峠の群像』は、大河ドラマとジャニーズ事務所の“蜜月”が確実になった作品だといえる。なにしろ、上記の3グループのメンバーのなかの各1名が顔を出しているのだ。

 たのきんトリオからは野村義男が、四十七士の一員である矢頭右衛門七役で登場。シブがき隊の薬丸裕英は、松の廊下のシーンにも登場する伊達村豊役を演じた。さらにジャニーズ少年隊の錦織一清が吉良家側の武士・清水一学役で出演している。これは、ジャニーズ事務所側が大河ドラマ出演を所属タレントのキャリアアップの場として重視したことの表れだろう。なお、『峠の群像』には、この年デビューした人気女性アイドルの小泉今日子、三田寛子も出演したことも付け加えたい。つまり、NHKが、大河ドラマにおいて男女を問わずアイドルを重用する傾向は、ここに始まったのである。

【3】史上最高視聴率番組に、男闘呼組の岡本健一らジャニーズ勢が複数参戦/『独眼竜政宗』(1987年)

 山岡荘八の小説『伊達政宗』を原作とした『独眼竜政宗』は、平均視聴率39.7%、最高視聴率は47.8%(最終回)を記録した(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)大河ドラマ史上最大のヒット作だ。主演の渡辺謙はこの作品のヒットを足がかりに、現在の地位を築いている。

 1987年といえば、6月に光GENJIが歌手デビューして大ブームを巻き起こした年だが、それと並ぶ同年を象徴するブームとなった『独眼竜政宗』に、ジャニーズ事務所は2名を送り込んでいる。中村繁之と岡本健一である。伊達氏の家臣・遠藤文七郎を演じた中村は、イーグルスというグループでの活動を経て、1985年にソロ歌手としてデビューしたアイドル。後に男闘呼組としてデビュー、現在も俳優としてジャニーズ事務所に所属する岡本健一は、伊達政宗の弟である小次郎役を演じた。

【4】初の“ジャニーズ主演”、東山紀之が主人公を演じた異例ずくめの作品/『琉球の風』(1993年)

 1600年代に薩摩藩の侵攻により属国とさせられる琉球の人々を描いた『琉球の風』は、東山紀之(少年隊)が主人公を演じている。これは、ジャニーズ事務所所属者が大河ドラマに主演した最初の例である。すでにSMAPがデビューしているこの時代、少年隊はグループとしてよりメンバー個々の活動が増えていた。そのなかで、東山は主演級で時代劇に出演する機会が多く、大河ドラマ出演は自然な流れともいえた。

 ただし、この『琉球の風』は正統派の大河ドラマではなく、異例の要素が多数ある実験的作品だった。まず、放送期間が1993年1月から6月の2クールという短さが何よりの特筆点だ。また、現在の沖縄県を舞台にするというのも斬新だった。さらに、主演の東山が「啓泰」という架空の人物を演じたのも珍しい。過去の大河ドラマで歴史上実在しなかったキャラクターが主人公だった例は『獅子の時代』(1980年)、『山河燃ゆ』(1984年)などゼロではないものの圧倒的に少数派であり、今のところ『琉球の風』が最後である。また、オープニング曲がNHK交響楽団の演奏した楽曲ではなく、谷村新司による歌詞のあるポップス曲だったのもレアケースだといえる。

【5】タッキー&ヒガシ、忠臣蔵で、現在の事務所幹部クラスが共演/『元禄繚乱』(1999年)

『元禄繚乱』は、『峠の群像』以来となる忠臣蔵もので、先代の中村勘九郎が大石内蔵助を演じた作品だ。当時はまだ全員が10~20代のSMAP、TOKIO、V6、KinKi Kidsを擁し、嵐の歌手デビューを11月に控えていたジャニーズ事務所は、この作品に所属タレント3名を出演させている。

 まず、浅野内匠頭を、2度目の大河ドラマ出演となる東山紀之が演じた。そして、『峠の群像』では野村義男が演じた矢頭右衛門七役で今井翼が登場。一方、吉良上野介(石坂浩二)の養子である吉良義周を演じたのは滝沢秀明だ。この時代の滝沢と今井は、タッキー&翼を結成する前だが、ジャニーズjr.のフロントメンバーであり、人気も高くメディア露出も多かった。もう一点、興味深いのは、2018年に芸能活動を引退し、やがてジャニーズ事務所の取締役副社長となった滝沢と、タレント側のリーダー的なポジションにいる東山という、ジャニーズイズムの申し子的な幹部2名が同じ作品に出ていたという事実である。

【6】香取慎吾&草なぎ剛、元SMAP2名が三谷幸喜作品で揃い踏み/『新選組!』(2004年)

 三谷幸喜が脚本を担当した『新選組!』は、2作目のジャニーズ事務所所属者主演作品である。前年に「世界に一つだけの花」をトリプルミリオンヒットにしたSMAP(当時)の香取慎吾が新選組局長・近藤勇を演じた。『琉球の風』は半年の放送だったので、ジャニーズ事務所所属者がゴールデンタイムのテレビドラマで1年間主役を張ったのは、これが初めてであった。

 またこの作品には、後に香取と一緒にジャニーズ事務所を離れる草なぎ剛が榎本武揚役でゲスト的に出演を果たし、盟友の主演作に華を添えている。

【7】現ジャニーズ事務所副社長・滝沢秀明が大河史上最年少の22歳で主演/『義経』(2005年)

 宮尾登美子の原作を映像化した作品で、源義経を演じた滝沢秀明が当時史上最年少(22歳)で大河ドラマ主演となった。若い滝沢を支えるべく、武蔵坊弁慶役の松平健をはじめ、『武田信玄』(1988年)の中井貴一、『春の波涛』(1985年)の松坂慶子、『勝海舟』(1974年)の渡哲也、『樅ノ木は残った』(1970年)の平幹二朗と、4名の大河ドラマ主演俳優など豪華キャスト陣が脇を固めた。

 滝沢はタッキー&翼として2003年に歌手デビューしているが、2005年はこの『義経』の撮影で多忙だったためかシングルを1枚しかリリースしていない。その点で、寂しい思いをしていたタッキー&翼ファンに、NHKはうれしいプレゼントを用意した。『義経』に、弓術の名手である那須宗高(いわゆる那須与一)役で今井翼をゲスト出演させたのである。なお、ジャニーズ事務所の歴史で、滝沢と今井のように、大河ドラマ2作品で共演した組み合わせはほかにない。

【8】戦国時代にジャニーズ初参入!V6岡田准一が黒田官兵衛を熱演/『軍師官兵衛』(2014年)

 この『軍師官兵衛』は前川洋一によるオリジナル脚本で、岡田准一(V6)が武将・黒田官兵衛を演じた作品である。ジャニーズ事務所所属者主演作4作品目にして、初めて戦国時代が舞台の作品となった。また、官兵衛と同じキリシタン大名だった高山右近役で、生田斗真の出演もあった。

 岡田の大河ドラマ出演は今のところこれが唯一だが、以後も時代劇映画の出演が続いており、2021年公開予定の映画『燃えよ剣』では、新選組の土方歳三を演じる。一方、生田は『いだてん~東京オリムピック噺~』(2019年)にも出演。ストックホルムオリンピックに出場したマラソン選手・三島弥彦役だった。

【9】電撃解散の男闘呼組メンバー岡本健一と高橋和也が豊臣方で再合流/『真田丸』(2016年)

 現役のジャニーズ事務所所属タレントが、ジャニーズ事務所から他の芸能プロに移籍したタレントと共演することは珍しい。木村拓哉が、袂を分かつことになった稲垣吾郎草なぎ剛香取慎吾と同じフレームには収まるということはなかなか考えにくい。だが、登場人物が多い大河ドラマでは、元ジャニーズと現ジャニーズが同じ作品に出演する例がある。

 かつて同じグループに属していた現ジャニーズと元ジャニーズの出演が実現したのが、『新選組!』に続き三谷幸喜が脚本を手掛け、堺雅人が主演した『真田丸』だ。この作品で、豊臣氏の武将・毛利勝永を演じたのは岡本健一で、豊臣秀吉(小日向文世)の寵愛を受ける武将・宇喜多秀家役は高橋和也(以前は髙橋一也)なのだ。この2名は、1993年にファイナルライブなどなしに突然解散した4人組バンドの男闘呼組メンバーであり、高橋は解散時点でジャニーズ事務所から離れた人物だ。『真田丸』のキャスティングは、当時の事情を知っている古参のジャニーズファンをざわつかせた。

 ちなみに、前述のように風間俊介、長谷川純、井上瑞稀と3名の現ジャニーズが出演した『麒麟がくる』には、斎藤道三役で本木雅弘(元シブがき隊)、毛利新介役で今井翼(元タッキー&翼)という2名の元ジャニーズも出演していた点にも触れておきたい。大先輩である本木と父子の役で共演した長谷川は、そこに特別の思いがあったという趣旨のコメントを残している。また、風間、長谷川と今井は、10代の頃から揃ってジャニーズJr.として活動していた面々で、この大河ドラマでの再合流を感慨深く思ったファンも少なくなかっただろう。

『青天を衝け』『鎌倉殿の13人』、そして松本潤の『どうする家康』に“追加ジャニーズ”の出演はあるのか?

 さて、いよいよ放送がスタートとし、初回は20%という高視聴率を獲得した『青天を衝け』には、徳川慶喜役で元SMAPの草なぎ剛が出演するが、今後発表の追加出演者のなかに現役ジャニーズ事務所所属者が含まれるということも……大河ドラマなら、ないとはいえない。

 またそれ以上に、2022年放送の三谷幸喜脚本で小栗旬主演の『鎌倉殿の13人』はまだ一部のキャストしか発表になっておらず、その翌年放送の『どうする家康』は松本潤の主演が決まったのみの状態だけに、そこに、新たにジャニーズ事務所所属者が加わる可能性は大いにある。とくに『どうする家康』には、他の嵐メンバーの出演を期待する気の早い声もあるが、それも可能性はゼロではないだろう。

(文=ミゾロギ・ダイスケ)

●ミゾロギ・ダイスケ
ライター・編集者・昭和文化研究家/映画・アイドルなど芸能全般、スポーツ、時事ネタ、事件などを守備範囲とする。今日の事象から、過去の関連した事象を遡り分析することが多い。著書に『未解決事件の昭和史』(双葉社)など。

女子アナの“30歳定年説”は本当なのか?意外に厳しいセカンドキャリアとテレビ局の事情

 よく「女性アナウンサーは30歳が事実上の定年」などと言われるが、実際にセカンドキャリアに悩む女子アナは少なくないという。日本テレビ系列の青森放送でアナウンサーを務めた樋田かおりさんは、他の地方局出身アナとともに、日本アナウンサーキャリア協会を設立した。「アナウンサーのスキルを活かして活躍できる場を広げたい」と語る樋田さんに話を聞いた。

女子アナが企業の広報を代行も

――2020年9月に日本アナウンサーキャリア協会を設立した経緯について、教えてください。

樋田かおりさん(以下、樋田) セカンドキャリアに悩む女性アナの方々に、スキルを活かした働き方を提案することが目的です。アナウンサーとして働いた経験があるものの、出産や育児を経て、あるいはフリーアナが飽和状態のため、能力があっても職に就けていない“潜在アナウンサー”が増えています。そうした方々が、テレビやラジオなどのメディアにとらわれずに活躍の場を広げられることを目指しています。

 もともと、15年に企業研修などの講師を女性アナが務める会社「トークナビ」を設立し、19年8月からは中小企業の広報を女性アナが代行してメディアへのPRを行う「女子アナ広報室」というサービスを展開していました。今回、広報業務を基礎から身につけることができる「広報スペシャリスト検定」を創設し、広報のプロ育成にも力を入れています。また、トークナビで育成した約30人の講師が「面接で役立つ!自己PR講座」や「オンライン就活での話し方」を教える予定で、就職活動の自己PRに役立てたいという学生などが受講に意欲を見せています。

――女子アナによる企業広報の代行というのは、どのようなメリットがありますか。

樋田 言葉にこだわってきたアナウンサーだからこそ、企業の魅力をわかりやすくまとめることができます。中小企業の中には、素晴らしい商品・サービスをつくっているのに、その魅力をうまく伝えられていない会社も少なくありません。それは実に惜しいことで、アナウンサーの表現力を生かせば、日本のモノづくりの良さを世界に伝えることができると思っています。そこで、人やモノの魅力を伝える女性を「広報アナウンサー」と命名しました。広報アナウンサーには無限の可能性があると信じています。

――女子アナの方々は華やかな印象がありますが、どのような生活を送っているのでしょうか。

樋田 もちろん人それぞれですが、朝の番組であれば早朝4時に出勤ということも珍しくありません。多忙で他業界の方とは時間がずれたライフスタイルになってしまうので、出会いも限られ、プライベートは充実しにくいのが現実です。

 プロ野球選手と結婚して引退……というケースが目立つように見えますが、実際は社内や広告代理店の方との結婚も多いです。そして、お子さんが生まれると退職するというケースも。育児をしながら早朝の番組に出たり、レギュラー番組を何本も持ったりするのは不可能に近いですから。そのため、結婚式やパーティーの司会業に転身したり、企業の広報に転職したりする方もいます。

女子アナの“30歳定年説”は本当か

――局アナは身分が保証されているとはいえ、やはり激務なのですね。

樋田 同じ局アナでも、東京と地方では事情が若干違います。地方局では契約アナも多く、新しく入ってくる人がいる分、契約が切れてフリーになる方もいます。東京では正社員が多いですが、地方では契約年数が決まっていたり、トークがうまいので営業部に、司会ができるのでイベント事業部に、などとアナウンサーから異動になるケースも少なくありません。それこそ、女性アナが30歳直前になってアナウンス部から他部署へ、というケースも聞きますね。

――局アナと違って、フリーアナの場合は営業力も必要になってきますね。

樋田 事務所に所属し、営業の場はオーディションで、決まれば番組に出るケースが多いです。しかし、今は新型コロナの影響でテレビ局も経費削減を迫られ、オーディション数が減っています。また、テレビ局がYouTubeチャンネルを持つようになり、以前より二次利用のケースが増えてきたことで、無償で二次利用OKのフリーアナを求めたりもしています。

――今後の展望について、教えてください。

樋田 女性アナの方々が自分らしく働けるキャリア教育に重点を置いて、活動していきたいと考えています。たとえば、広報スペシャリスト検定を受ける中で、自身のキャリアや目指すべきフリーアナ像について、どういうビジョンを描いていくか。具体的に、どういう活動をしたくて、社会に何を還元できそうなのか。一人ひとりが明るいキャリアを描けるよう、サポートしていきたいですね。

 特に、地方局で働いていた27~29歳ぐらいのフリーアナがセカンドキャリアに悩むことが多く、悩みを共有できたり相談できたりする相手も多いわけではありません。私や、日本アナウンサーキャリア協会を一緒に立ち上げた仲間も、同じように悩みました。フリーアナの方々は、気軽に相談してほしいと思っています。

(構成=長井雄一朗/ライター)

コンビニ&スーパーの焼き芋5選!イオンの紅優甘がコスパ最高?甘さトップの紅天使とは

 冬を代表する味覚「焼き芋」。かつてはトラックやリヤカーでの移動販売がメインだったが、今ではスーパーやコンビニなどの小売店でも、店内で焼き上げた焼き芋が売られるようになってきている。

 気軽に買えるようになった焼き芋だが、芋の品種以外にも、店ごとの味の違いは意外と大きい。今回は5社の焼き芋を実食し、食感や甘さなどを比較・検証してみた(価格は税込み、甘さは5段階評価)。

イオン

品種:紅優甘
価格:213円
食感:ねっとりとほくほくの中間
甘さ:3
その他の販売品種:安納芋(267円)、シルクスイート(267円)、紅あずま(192円)

 5品の中で、糖度、食感ともに最もバランスが取れていると感じたのが、イオンの焼き芋だ。今回は紅優甘をチョイスしたが、なめらかな食感が特徴の安納芋とシルクスイート、ほくほく系の紅あずまなど、ラインナップも幅広い。販売する品種は店舗や日時によって異なるという。

 イオンの「紅優甘」は持ってみるとしっかりした感触なので「ほくほく系」かと思いきや、ところどころでねっとりとした食感も味わえる。まさに、1本で二度おいしい焼き芋だ。糖度も甘すぎず芋感もあり、バターなどをつけてもマッチするだろう。香ばしい皮も、さつまいもの甘さにアクセントを与えている。

 イオンの焼き芋売り場では、焼き上がりの目安時間を記載してアナウンスしてくれる店舗も多いため、焼きたてを狙って買うことも可能。ただし、常にすべての品種が売られているわけではないので、お目当ての品種がないこともある。

マルエツ

品種:シルクスイート
価格:170円
食感:ねっとり(粘質系)
甘さ:4
その他の販売品種:安納芋(213円)、紅優甘(192円)、紅はるか(181円)

 関東で300店舗近くを展開するマルエツでは、冬季に限らず年間を通して焼き芋を店頭販売している。今回は2店舗に足を運んだが、販売品種が多く、店員によると「店舗や日、時間帯、シーズンによって、取り扱う品種を変えている」という。

 今回は他のスーパーでは見かけなかった「シルクスイート」という品種をチョイスした。一口噛むと歯にくっつくほど濃厚な味わいで、甘さが非常に強い。食感、糖度ともに干し芋のようだ。蜜の量が多く、皮を剥くのは少し大変だった。

 マルエツもイオンも、焼き芋売り場でお目当ての商品を選び、レジへ持っていくという販売形式だ。しかし、両店舗とも品種を見分けるポイントは紙袋の違いのみだという。もし「お目当ての芋がどれかわからない」という場合は、近くの店員に尋ねると安心だ。

オオゼキ

品種:紅天使
価格:321円
食感:とてもねっとり(粘質系)
甘さ:5
その他の販売品種:なし

 東京都と神奈川県に店舗を展開する地域密着型スーパーのオオゼキで販売されている焼き芋は、茨城県の「ポテトかいつか」というさつまいも専門会社のブランド芋「紅天使」を使用している。ポテトかいつかは移動販売がメインの「ほくほく山KAITSUKA」というブランドを展開しており、オオゼキでは常設されているのだ。

 売り場の機械から商品を取り出すと、ふにゃふにゃした感触でベタつきもあり、袋に入っていても蜜の多さとやわらかさが感じられる。手で半分に割ることすら難しいほどやわらかく、まるでクリーミーなスイートポテトのようだ。甘味は強いが、自然な甘さなので食べやすい上品な味わいになっている。焼き芋にしてはいささか値が張るが、1本が大きいのでそれほど割高という感じもない。

 現在、ほくほく山KAITSUKAは全国へ販路を広げている。公式サイトで取り扱い店舗を確認できるので、近場にあればぜひ食べてみてほしい。

ドン・キホーテ

品種:紅はるか
価格:181円(店舗によって異なる)
食感:ほくほく(粉質系)
甘さ:2
その他の販売品種:なし

 ドン・キホーテの店内で甘く漂う焼き芋の香りを嗅いだことがある人は多いだろう。近年、ドン・キホーテでは焼き芋を通年販売する店舗が増えてきている。しかも、ほとんどの店舗が24時間営業の上、高知県を除く46都道府県に出店していることから、“いつでもどこでも焼き芋が買える店”と言っても過言ではない。

 品種は「紅はるか」のみだ。一般的に紅はるかはねっとりとした食感と言われているが、ドン・キホーテの焼き芋はほくほくとしている。遠赤外線でじんわり加熱する方法が、堅めの食感につながっているのかもしれない。

 購入した時間帯や店舗の差もあるだろうが、ドン・キホーテの焼き芋は芯が残っているものが多かった。控えめな甘さや筋の多さも相まって蒸かし芋のように感じるが、サイズは大きめなので満足感はある。

ローソンストア100

品種:紅あずま(店舗によっては紅はるかの場合もある)
価格:108円
食感:ほくほく(粉質系)
甘さ:2
その他の販売品種:安納芋(216円)

 ローソングループの中で100円均一商品を豊富に取り扱う「ローソンストア100」。スーパーと違い、店内で焼き上げた焼き芋を販売しているコンビニは数少なく、貴重な存在だ。

 ローソンストア100の焼き芋の最大の魅力は、その安さ。1本108円という安さは、今回検証した5つの中でもダントツだ。大きさは値段相応だが、おやつや軽食として食べるのであれば、十分なサイズといえる。子どもや女性、少食の人でも食べ切れる量なので、「大きな焼き芋だと残してしまいそう……」という人にもおすすめだ。味や食感は蒸かし芋っぽく、どこかなつかしさも感じられる。

 ドン・キホーテ焼き芋同様、糖度はそれほど高くない上、ほくほくとした食感も手伝って、料理やスイーツに使う食材としても最適。この焼き芋をベースにサラダやスイートポテトなどにアレンジすれば、時短調理も叶うだろう。

 焼き芋は、同店舗、同時間帯、同品種であっても、さつまいもの大きさ、機械のどこに置いて加熱するかなどにより、甘さや食感に違いが生じる。今回取り上げた商品も、条件が変われば違った味わいになる可能性が高い。そのため、必ずしも今回の評価通りではない場合もあるが、その「当たり・はずれ」も焼き芋を選ぶ楽しさと考えてみてはいかがだろうか。

(文=清談社)

橋本聖子より酷い 丸川珠代は男女共同・五輪担当相に不適格! 男社会を内面化した「娘として」発言、夫婦別姓反対、ヘイトデマ丸乗り

 東京五輪組織委員会の新会長に橋本聖子氏がおさまり、すっかりメディアでは一段落感が漂っている。しかし、橋本氏がいかに組織委会長にふさわしくないかについてはすでにお伝えしたとおりだ(https://lite-ra.com/2021/02/post-5799.html)。  ...

橋本聖子より酷い 丸川珠代は男女共同・五輪担当相に不適格! 男社会を内面化した「娘として」発言、夫婦別姓反対、ヘイトデマ丸乗り

 東京五輪組織委員会の新会長に橋本聖子氏がおさまり、すっかりメディアでは一段落感が漂っている。しかし、橋本氏がいかに組織委会長にふさわしくないかについてはすでにお伝えしたとおりだ(https://lite-ra.com/2021/02/post-5799.html)。  ...

セガサミー遊技機事業は「約88億円」の経常損失。コンシューマ分野で好調も…

 大手パチンコ・パチスロメーカーのサミー、ゲームメーカーのセガなどの持ち株会社であるセガサミーホールディングス(東証一部:6460)は2月12日、2021年3月期第3四半期決算を公表した。

 これによると売上高2101億7,700万円、営業利益135億2,700万円、経常利益125億7,400万円、純損失62億3,900万円。前年同期比でそれぞれ25.2%減、51.8%減、51.4%減で、前年同期は純利益229億8,900万円だった。

 遊技機業界は旧規則機の撤去期限延長を受け、引き続きホールの購買意欲の回復には時間を要する状況。パチンコ遊技機については、新規則機の人気タイトルが登場するなど、需要回復への期待が高まっている。

 遊技機事業においては、パチスロ遊技機は『パチスロ七つの大罪』などの3タイトルを主に販売し、販売総数は12,487台。パチンコ遊技機は『P真・北斗無双 第3章』などの3タイトルを中心に累計59.359台を販売し、結果、売上高373億7,200万円、経常損失87億7,100万円となり、パチスロ遊技機105,860台、パチンコ遊技機75,094台を販売した前年同期の売上高871億8,000万円、経常利益194億8,000万円を大きく下回った。

 エンタテインメントコンテンツ事業においては、コンシューマ分野で「龍が如く7 光と闇の行方」(欧州版)などのゲーム本編や、主にスマートフォンやPC向けのゲームコンテンツとするF2Pで「Re:ゼロから始める異世界生活 Lost in Memories」などの新作タイトルが好調に推移。

 アミューズメント機器分野では「UFOキャッチャーシリーズ」などの定番製品の販売に加えて「StarHorse4」のコンテンツ更新料を計上し、アミューズメント施設分野では6月中旬以降に全店舗で営業を再開、郊外やショッピングセンターの店舗を中心に施設稼働の回復が進んだことなどにより、売上高は前年同期比10.0%減の1676億300万円、経常利益は前年同期比106.8%増の331億9,600万円となった。

 今後の見通しとしては、遊技機事業は販売ラインナップを見直し、一部のタイトル販売を来期に遅らせたことから、販売タイトル数の減少を予定。

 パチスロ遊技機は『パチスロ北斗の拳 宿命』『パチスロAngel Beats!』など、パチンコ遊技機は『P甲鉄城のカバネリ』などを販売予定にあげた。

 通期連結業績予想については、エンタテインメントコンテンツ事業におけるコンシューマ分野の好調持続を主因に黒字転換する見込みとしたほか、構造改革に伴う特別利益の計上額が前回予想を上回る見込みとのことから、売上高2760億円、営業利益90億円、経常利益70億円、純損失30億円に修正。

 株主優待を廃止した一方、期末配当予想については中間配当から10円増額の1株当たり20円とした。

【注目記事】

パチスロ新台『バイオ7』のモード推測は「○○」をタッチ!「状態を察知」してチャンスを逃すな!!

パチンコ「6万発」も余裕の破壊力! 連チャンをストックする「未知のシステム」で“大量出玉”をプロデュース!!

パチスロ「高設定」を掴むコツ…“アノ機種”を狙って「7000枚」など大量出玉も!!

JRA三浦皇成「G1未勝利」に終止符を……ダイヤモンドS(G3)グロンディオーズ快勝に「珍・偉業達成」の絶好調厩舎と重なる思惑!?

 20日、東京競馬場で行われたダイヤモンドS(G3)は、7番人気のグロンディオーズ(牡6歳、美浦・田村康仁厩舎)が優勝した。

 田村厩舎はこの日、小倉1Rをマダムシュシュで勝利。東京2Rでは、3頭出しのレースで上位を独占する珍しい記録も成し遂げている。

■2月20日 東京競馬2Rの着順
1着 エストレラブレイン 2番人気 三浦皇成
2着 キングスハンド 9番人気 江田照男
3着 サイレントギフト 5番人気 石川裕紀

 上記の3頭は全て田村厩舎の管理馬。グロンディオーズでも勝利した田村厩舎は、この日3勝の大暴れとなった。

 そのダイヤモンドSは、16頭立ての芝3400m戦。ブラックマジックがハナを主張する形でレースはスタートした。

 1番人気のオーソリティは、好スタートを切ったが控えて好位を追走。グロンディオーズは中団、それを見るように2番人気のポンデザールもこれに続き、長距離戦らしく一団の競馬となる。

 長丁場ということもあり、2周目3コーナーまでは淡々とした流れ。残り1000mからペースは上がり始め、最後の直線に向かった。

 好位2列目から手ごたえ十分に先頭に立ったオーソリティだが、外からグロンディオーズがジワジワと迫り、残り200mでは一騎打ちの様相。ゴール直前まで粘ったオーソリティが失速すると、最後はグロンディオーズがグイッと伸びて差し切り勝ちを収めた。

 レース後、グロンディオーズに騎乗した三浦皇成騎手は「うれしいですね。距離はこなしてくれると信じて乗っていました。折り合いもついていいポジションで競馬ができましたし、直線に向くまで理想通りの展開になったと思います。瞬発力ではオーソリティの方が上なので一瞬離されてしまいましたけど、追いついてくれると信じて追っていました。重賞を獲ったからにはG1っていう目標も出てくると思います」とコメント。三浦騎手にとっても悲願となっている「G1」という言葉も口にした。

 田村調教師は、グロンディオーズの勝利が今年の8勝目。調教師リーディングでもトップ10入りを果たしており、例年になく調子が良さそうだ。

「2018年の年間31勝が最高となっている田村厩舎ですが、今年はすでに8勝に到達と絶好調ですね。それだけいい馬も集まっているということでしょう。グロンディオーズはサンデーレーシングの所有馬ですが、田村厩舎が過去にG1を勝利したのも同じくサンデーレーシングのメジャーエンブレムでした。メジャーエンブレムの初仔であるプレミアエンブレムも今年3歳で、やはりクラシックを始めG1は意識するところでしょう。2016年以降G1勝ちがない田村厩舎にとっても、『G1制覇』という思いは三浦騎手と同じではないでしょうか」(競馬記者)

 この日、田村厩舎の管理馬で2勝を手にした三浦騎手。このコンビでは昨年10月10日以降、5連対中と相性は抜群だ。

 2016年以降G1勝利のない田村厩舎と、G1で94連敗中とデビュー以降いまだ勝利のない三浦騎手。両者の思惑は、もちろんグロンディオーズでの天皇賞・春(G1)制覇だろう。

 昨年、一昨年と同レースを連覇したフィエールマンが引退した今、混沌とする長距離戦線。2人の思いが届くことに期待したい。