JRAキセキが敗戦の中で見せた「復活」への光明!? クイーンエリザベス2世C(G1)デアリングタクト、ラヴズオンリーユーに挑戦状

 14日に中京競馬場で行われた金鯱賞(G2)で5着のキセキ(牡7、栗東・辻野泰之厩舎)は、4月25日に香港のシャティン競馬場で行われるクイーンエリザベス2世C(G1)に次出走することが分かった。

 このレースには金鯱賞で2着のデアリングタクトも出走を予定。さらに今年の京都記念(G2)を勝利したラヴズオンリーユーも次走の候補として挙がっているため、それぞれ出走することとなれば、香港の地で日本馬3頭の対決となる。

 その一方、キセキが昨年出走した春の天皇賞(G1)を使わないことは、今年の始動戦に昨年と同じく阪神大賞典(G2)ではなく、金鯱賞が選ばれたことからもある程度の想像は出来たといえる。前進気勢の強いキセキにとって、折り合いが課題となる長距離よりは、中距離戦線に活路を見出したいという陣営の狙いもあるのだろう。

 昨年の阪神大賞典は1.6倍という圧倒的支持を集めたにもかかわらず、1秒以上もゲートから出ない大出遅れ。気性難更生の救世主として川田将雅騎手から武豊騎手へのバトンタッチもあった。

 その甲斐もあって落鉄のあった春の天皇賞は6着に敗れはしたが、続く宝塚記念(G1)では見せ場十分の2着に好走する。京都大賞典(G2)でも2着に入り、秋の天皇賞(G1)でも4番人気で5着と悪くない内容。これで視界良好と思われた矢先で、大暴走ともいえる超ハイペースの大逃げとなったジャパンC(G1)を8着、巻き返しを狙った暮れの有馬記念(G1)でも12着と精彩を欠いていた。

 やはり、キセキが折り合いの呪縛から解放されるためには、距離短縮という結論が正しいのかもしれない。

 事実、敗れたとはいえ金鯱賞の敗戦は、それほど悲観する内容ではないともいえる。

 中京の前残りする馬場を味方に最低人気のギベオンが逃げ切ったレースだが、結果的にノーマークの逃げがハマった感のある勝ち馬に対し、キセキは正反対となる最後方からの競馬。最後の直線で繰り出した末脚は、2着に敗れたデアリングタクトの3F36秒1を上回る35秒9だった。

 最後方から使った脚のため、多少速くなるのは当然かもしれないが、勝ち馬とのタイム差はわずか0秒2でしかない。キセキがもし、逃げの手に出ていれば勝っていたのではないかという声も出ていたとはいえ、3番人気の馬がはたしてギベオンと同じく楽に逃げられたかどうかは怪しい。

 久しぶりにコンビを組んだM.デムーロ騎手が、レース後のコメントで物足りなさを感じたのは、全盛期を知る騎手だったことも少なからずあるだろう。

だが、キセキ陣営としては折り合ってレースが出来たことに対する収穫の方が大きかったのではないだろうか。

 デビュー時から管理していた角居勝彦厩舎の解散によって辻野泰之厩舎に転厩したキセキ。環境の変化がいい意味で落ち着きに繋がっているようなら、2000m戦であるクイーンエリザベス2世Cへの参戦は、天皇賞に比べると悪くない選択となりそうだ。

「価値づくり」広報に向けて“ソーシャルバリュー”を生み出す方法

これからの企業に求められる「価値づくり」広報とは何かを紹介する本連載。

第1回では、「価値づくり」広報を成功させるために、企業広報戦略研究所(略称C.S.I./電通PR内)の調査に基づいて、以下の3大重点ターゲットを設定しました。

  • 重点ターゲット1位「株主・投資家」を中心とした“ソーシャルバリュー”の追究
  • 重点ターゲット2位「顧客」との“エンゲージメント”の構築
  • 重点ターゲット3位「従業員とその家族」との“インターナルブランディング”の実践

今回は「価値づくり」広報を実現するために、具体的に重点ターゲットをどのように捉え、どう取り組んでいくべきか、事例を踏まえて紹介します。

投資家だけでなく、一般生活者も“ソーシャルバリュー”に注目

本稿では“ソーシャルバリュー”(社会価値)を、

企業価値向上と、社会の持続的成長の両立を目指し、独自の資産・事業・理念で社会課題解決に挑戦することで生み出す新たな価値

と定義し、「価値づくり」広報の根源となる重要テーマと捉えています。

“ソーシャルバリュー” へは、ESG投資の観点から「株主・投資家」からの注目が高まっているのはもちろんですが、現在は一般生活者も重視し始めています。

これは、当研究所が実施したESG・SDGs調査にも表れています。「企業のSDGsに関する取り組みを知って、該当企業に対して実際に行動を取ったか」を聞いてみたところ、「行動を取った」と回答した一般生活者は7割を超えました【図表1】。

行動の内訳を見ると、「ウェブサイトの閲覧をした」人が約3.5人に1人、「製品やサービスを購入・利用した」人は約5人に1人となっています【図表2】。

※詳細はこちら
https://www.dentsu-pr.co.jp/csi/csi-outline/20200929.html


私たちが想像している以上に、一般生活者も企業の“ソーシャルバリュー”につながる活動を見ており、それによって態度変容を起こす世の中に変わりつつあるのです。

また、この傾向は若年層ほど高く【図表3】、未来の経済社会を支える次世代とのエンゲージメントを高めるためには、欠かすことのできないテーマといえます。

【図表1】企業のSDGsに対する取り組みを知り実際に行動を取った人

企業のSDGsに対する取り組みを知り実際に行動を取った人

【図表2】企業のSDGsに対する取り組みを知り実際に取った行動の内訳

企業のSDGsに対する取り組みを知り実際に取った行動の内訳

【図表3】企業のSDGsに対する取り組みを知り実際に取った行動の年代別内訳

企業のSDGsに対する取り組みを知り実際に取った行動の年代別内訳

この“ソーシャルバリュー”を真ん中に据えて「価値づくり」を考えると、ESG経営やSDGs推進がテーマになってくるでしょう。当研究所が昨年末に出版した書籍「新・戦略思考の広報マネジメント」では、ESG先進企業として評価が高い花王のESG広報担当部長・大谷純子氏に話を伺い、ESG経営の実践と「価値づくり」についてひも解いています。

そして、別の観点から“ソーシャルバリュー”を企業が実現するための主な活動に、

 “顧客エンゲージメント”と “インターナルブランディング®”

の二つがあります。

当研究所では、それぞれを以下のように定義しています。

顧客エンゲージメント:複合的かつ双方向にコミュニケーションを展開し、顧客との“良い関係性”につながる新たな価値を生み出す活動

インターナルブランディング:従業員こそが企業の最も重要な資産であると考え、従業員一人一人の企業理念への理解や共感を深め、事業への浸透を図り、新たな価値を生み出す活動

社員一丸で新たな価値づくり。住友商事の「22世紀プロジェクト」

ここからは、“ソーシャルバリュー”につながる「価値づくり」をインターナルブランディングのアプローチで実現している住友商事のケースを例に、「価値づくり」広報の実践について解説します。

住友商事グループの「22世紀プロジェクト」は、2019年12月の同社100周年を機に「変化と挑戦」のムーブメントを目指そうと、2017~19年の3年計画で実施された全社的なプロジェクトでした。

このプロジェクトが社員に支持されたポイントは、徹底したボトムアップ推進とトップの本気度にあったと考えられます。

プロジェクトは、公募で手を挙げて選ばれた、熱量の高い“アンバサダー”が推進しました。社内公募は初の試みだったそうです。このことからも、伝統的な大企業がどれだけ本気で新たな取り組みを開始したかが分かります。それは社員にも伝わったことでしょう。

また、このボトムアップ推進の大前提に、「住友の事業精神と経営理念以外は、何を変えてもいい」というトップのコミットメントがあったといいます。

そのおかげで、アンバサダーも「変化と挑戦」のための議論を思う存分することができたのでしょう。社員を巻き込み、社員と共に創ろうと考えるならば、社員が安心して力を発揮できる環境を整え、経営層が社員をモチベートすることが重要です。

アンバサダーが主催する社員ワークショップの様子
アンバサダーが主催する社員ワークショップの様子

最初に取り組んだのは、住友商事グループの「徹底解剖」でした。社内外合わせて1000人以上の声を集め、それを基にアンバサダーたちがディスカッションを繰り返しました。その結果、強化すべき要素を「未来起点」「多様性」「つなぐ力」「個の力」に集約し、これらを強化するためにさまざまなアクションプランが企画・実行されました。

そのひとつである「未来LAB」では、他業界の人たちとグループ社員が交流。農業、地方創生、教育などさまざまな切り口でワークショップを行い、見たこともない世界、未来の社会を考えました。その活動が、現在のオープンイノベーションラボ「MIRAI LAB PALETTE」の開設につながったそうです。

参考:https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/palette/index.html 


「MIRAI LAB PALETTE」は組織や分野の壁を越え、グループ内外の多様なメンバー同士が新しい価値を共創する場として活動しています。アート視点を取り入れた事業開発を検討する東京藝術大学との連携や、福島県浪江町との協業案件など、さまざまな実践が進んでいます。

ボトムアップでの「価値づくり」プロジェクトは、相当な手間と時間がかかります。住友商事の取り組みは、あえて手間と時間をかけ、社員一人一人が共感できるファクト(事実)を一つずつ実現していくことが、新たな企業の「価値づくり」につながることを証明する事例でしょう。

ステークホルダーが共感するファクトに基づく企業の「価値づくり」

住友商事の事例から分かる通り、「価値づくり」広報で重要なことは、ステークホルダーが共感できる課題設定と、その課題を解決するアクションプランの創出です。そして、そのアクションプランは、ステークホルダーが参加したくなる試みであることが肝となります。

図表4で示すように、世のさまざまな社会課題から重点ステークホルダーが共感する課題を抽出し、その解決を実現する取り組みが、新たな社会価値(ソーシャルバリュー)の創出につながります。こうした一連の「価値づくり」の活動が、“魅力的な企業”というステークホルダーからのレピュテーションの獲得につながると考えます。

【図表4】社会価値の概念図

社会価値の概念図

当研究所では企業のファクトとブランドイメージの関係性についても調査・研究しています。どのようなファクトが一般生活者に魅力として届くのか、そしてブランドイメージの形成に寄与するのかについては次回ご紹介します。

いずれにしても、今の時代の広報・PRでは、各社に脈々と受け継がれてきた企業理念やビジョンをベースに自社の実力を見極め、社会課題の解決によって新たな「社会価値」を生み出し続けることが重要です。

【調査概要】
■ESG/SDGs調査
調査対象:全国の20~69歳の男女 計10,500人
調査概要
調査方法・期間:インターネット調査・2020年6月24~30日
設問内容:ESG/SDGsの認知の有無、企業に期待するSDGsの取り組み、投資に対するESGを考慮する度合いなど 
※本調査では小数点第2位以下を四捨五入しています。
 

恐ろしいほど世の中が見える。バズウォッチの世界へようこそ

インターネットで生まれる「バズ」を、細部にわたって可視化するバズ解析ツール「バズウォッチ」は、従来のソーシャルリスニングの課題(操作性が複雑・面倒など)を解決するための機能をたっぷりと備えています。

そして、単なるバズ解析にとどまらず、これまで企業や社会から見過ごされがちだった「個/点」の声を、「こんな主張を掲げる人々の声が高まっています!」と民主化して共有できるポテンシャルも秘めているのです。

恐ろしいほど世の中が見えてしまう、バズウォッチの世界とは一体なんなのか。その正体に迫ります。

バズウォッチ

そのバズ、正確に把握できていますか?

インターネットで日々起こっている「バズ」は、今を生きる人たち/企業にとって、とても重要なものになっています。しかし、バズの実態を正確に把握するのことは、かなり難しく、多くの時間と労力が必要とされます。一言でいえば、面倒過ぎるのです。

バズの発生源であるSNSを分析する方法のひとつに、ソーシャルリスニングツールの活用が挙げられます。私たちも国内外のあらゆるツールを試しては、その利便性を実感する毎日です。しかしその一方で、従来のソーシャルリスニングツールだけでは、“分析できる視点がかなり限定的”で“かゆいところに手が届かない”という面もあると感じています。

■従来のソーシャルリスニングツールの課題

(1)データ解析的に「足りない視点」が多い
ツイート数などの話題量は分析できるものが多いのですが、その発言を「性/年齢のデモグラフィック構成別」「ポジティブ/ネガティブ別」「感情別」で見ることは、得意ではないようです。また、肝心カナメとなる、どんなバズ内容だったかを見るのも苦手なようで、「キーワードクラウド」的アプローチだけの場合がほとんどです。

これでは、「広告キャンペーンの反応確認」に必要な視点は足りないまま。「誰にどう語られ、どのように広がったのか」は、担当者の肌感で推定するしかなかったのです。

(2)「専門的な人でないと使いこなせない」リソース確保
ソーシャルリスニングツールは、多機能なものほど操作性が複雑です。検索スキルや分析スキルも求められるため、属人的で労働集約型になりがちです。ごく一般的なオフィスワーカーが誰でも手軽に、かつ正確に、バズを把握できるツールは存在しないのが現状です。

(3)「個別語ごとの検索性」に特化していた
従来のソーシャルリスニングツールは、個別語を検索対象としたものがほとんどです。個別企業名・個別商品名・個別人物名・個別記事などを、一つ一つ検索していくスタイルが求められます。

それを望む企業・ご担当者さまも多いと思いますが、一方で見落としがちなのが「全体を俯瞰した企業・ブランドの立ち位置」という視点。自社・自ブランドのバズが多いのか少ないのかは、競合に限らずソーシャル全体を見渡さないと分からないのに、局所的な検索で手一杯。全体像を俯瞰する視点が、とても困難となっていました。

こうした課題を解決すべく、私たちは2015年から研究・開発をスタートしました。かなり複雑なアルゴリズム開発のために、数多くの数学オリンピックメダリストを擁するモンゴルAIチームの協力も得ながら(データアーティスト社等)、ブラッシュアップを重ねてきました。そして、“かゆいところに手が届く”機能を備えた「バズウォッチ」が完成したのです。

それでは、楽しくて超便利なバズウォッチの中身をご覧いただきましょう。

バズを丸裸にする、バズウォッチの機能

■CM/TV番組/トレンドワード/トレンドツイート ランキング

バズウォッチは全自動で、日本中のほぼ全ツイートから各種ランキングを毎週お届けしています。

CMランキング

「CMランキング」
約3000社分の「企業別」でみるCMランキングを日次、週次で更新中。さらに、ブランド別/タレント別でも、ランキングをご確認いただけます。

「TV番組ランキング」
どんなTV番組が最もバズられていたかのランキングを、週次で更新中。

「トレンドワード(拡散語)ランキング」
Twitterのトレンドにランクインしたワードを、週次で更新中。便利です。

「トレンドツイート(拡散)ランキング」

  • フォロワー数が1万人未満の「一般アカウント」
  • フォロワー数1万人以上の「著名アカウント」
  • Twitter公式認証済の「公式」
  • YouTube動画へのリンクを含んだツイート「YouTube」

の4項目で、話題になったツイートを、週次で更新中。

ランキングの生成には、機械で3000社の企業の4万語以上のキーワード(クエリー)を用いるだけでなく、毎日、人間によるチェックも加えることで精度を飛躍的に高めています。このランキングを見るだけで、その日、その週に何がバズっていたのかを誰もが簡単に知ることができるのです。

■デモグラフィック構成の推定

バズられているCMが、どんな層によって話題となっているのかを、新開発のAIによって推定します。性・年代構成(デモグラ別)の反応把握は、CMのターゲット訴求の成否を知る上で大切なポイントです。バズウォッチは、従来のツールでは「ありそうでなかった」デモグラ反応を可視化します。

デモグラ構成

■ポジネガ/感情分析

バズられているCMへのボジティブ/ネガティブ反応度や、「joy/hate/neutral/surprising」といった感情の割合をグラフ化します。CMへの反応感情がどんなものであったかを、手に取るように把握可能です。20%以上の「ネガ」「hate」で要注意。30%以上だと「炎上」となっている場合が多くなります。

ポジネガ反応
感情分析

■代表ツイートの自動抽出

肝心カナメの機能です。バズられているCMへのツイートとは、どんなものが代表的だったのか?全ツイート内容をAIが判別し、サンプルとなる「代表ツイート」を自動推定してくれます。代表度別に1〜10位のランキング形式で閲覧できます。

これを人力でやろうとすると、そもそも大量のツイートを人間がチェックすること自体が大変ですし、その中から代表的なツイートを選出するとなると、どうしても恣意的なピックアップになりがちです。

全ての情報を均一に分析できるAIの力を活用することで、一つ一つのツイートを追わなくても、どんな反応があったのかをつかむことができるのです。

■意味的クラスター分析

バズられているCMへの全ツイートを、例えば「このCMが好き層」「このCMが嫌い層」「出演タレントが好き層」といった「意味的に近しいグループ(≒クラスター)」に自動で仕分けし、ビジュアライズしてくれます。

さらに、クラスターごとに「ポジネガ度」「キーワード」「代表ツイート」まで自動で分かるため、バズの実態に奥深くまで迫れます。全企業の広告ご担当者さま、必携の機能です。

意味的クラスター分析

■ファンエンゲージメント分析

バズられているCMに反応した人の「新規層/リピート層」の構成比を自動抽出、さらにリピート層の中の「ファン層/アンチ層」の構成比まで自動で分かります。

ここまで紹介した機能を全て掛け合わせ、私たちは「ファン・エンゲージメント度」というバズウォッチ独自の指標を生み出しました。いうなれば、CMに対するロイヤリティ度です。

このファン・エンゲージメント度を週ごとの推移で表すと、今まで見えなかったものが見えてくるかもしれません。ちなみに、特別契約者の皆さまには推移グラフの3D表示も提供しています。

ファンエンゲージメント分析

例えば、あるビール会社のファン・エンゲージメント度を男女別に見ると、2018年までは女性からの支持がとても強かったのですが、2020年には男性からの支持が驚異的に増えていました。男性の方がビールを頻度高く飲んでくれることから、男性支持へシフトされたことで、この企業/ブランドの好調ぶりの一因がうかがえます。

そして最後に、これぞ“かゆいところに手が届く”機能だと自負しているのが、こちら。

「解析結果のパワポ出力機能」です。ここまでお伝えした各種データをパワーポイント形式でダウンロードできます。もちろん、そのままチーム内/上層部/クライアントさまへもシェア可能。ダッシュボード時代にふさわしい機動力で、報告資料としてお使いいただけます。

パワーポイント出力

バズウォッチの世界、お楽しみいただけたでしょうか。少しでも興味が湧いた方は、今なら30日間の無料トライアルを用意していますので、ぜひお試しください。

無料トライアルはこちら!

バズウォッチ事務局 buzzwatch@dentsu.co.jp(各種ご相談、応じます)
 

私たちには行きたいところがある〜バズウォッチが目指す未来〜

 

私たちは5年の歳月を経て、これまでブラックボックスだったバズの実態を、誰もが見える化できる世界までたどり着くことができました。しかし、私たちにはまだまだ行きたいところがあります。最後に、未来の話を少しさせてください。

バズウォッチは次のステップに向けて既に始動し、あと1〜3年で飛躍的に進化する可能性を秘めています。それはもはや、CMや広告領域だけにとどまるものではありません。

例えば、今のバズウォッチは、日次・週次単位での集計・把握が主ですが、将来的には全項目をリアルタイムで可視化できるようになっていきます。CMが流れた瞬間に「だれが」「どう反応したか」「主な発言内容はこう」というのが、たちどころに分かるようになります。

さらに、次はCMや広告に限らず、世の中のあらゆる出来事をバズ解析可能になるでしょう。TV番組のバズ反応、ソーシャル上で話題のバズ反応、そして「地震が起きた!」「緊急事態宣言が出た!」「スポーツ大会で金メダルを獲った!」「タレントが結婚した!」など、世の中を騒がす全ての事象について、バズ解析を可能にします。

バズ反応確認は、社会にとって必須となってくるはずです。

そして、バズ解析が進化するほど、「個人の声」の民主化も進んでいきます。どういうことかというと、これまでの「私たち一人一人の声は、小さすぎて届かないものである」という前提が崩れ、その声が届きやすくなります。

一人一人の声は小さくても、同じような声の人が何人も何十人も集まると、その声や主張が、バズウォッチでは見えるようになっていくだろうと思うのです。政府や企業・団体は、より正確かつ有益なフィードバックが得られるようになります。

近年は、一部の人の意見がメディアを通して肥大化し、企業活動に大きな影響を及ぼすという現象も起きています。バズの実態を正確にひも解くことができれば、いわゆる「フェイクバズ」に振り回されることなく、常に正しい判断ができるようになるでしょう。

私たち、バズウォッチの開発テーマは、「Whole(全体性)ありきの個/点」です。

これまでのソーシャルリスニングツールは、全て「個/点」ありきの発想で、局所をよく見るための進化を遂げていました。

でも、世の中のニュース番組のほとんどが「最も大きな出来事」から始まるように、自分の街のことだけを見ていたら、世界は見えてこないのです。まず、世界を見る目を持つこと。次に、世界を見る目と同じ指標で、自分の関心事も見られるようになること。

世界中(日本中)の人のつぶやきが、どんな傾向で生成されているのかが分かるようになれば、自分の関心事は「なぜバズるのか?/なぜバズらないのか?」が、よく見えるようになるはずです。

バズウォッチは、まず全体を俯瞰する。その上で、個を見ることをモットーとしています。

バズウォッチの進化は、まだまだ続きます。

  1. 全体をもっと詳しく見えるようにする進化
  2. 個をもっと詳しく見えるようにする進化
  3. テーマワードで自在に詳しく見えるようにする進化

を現在開発中です。テレビCMだけでなく、テレビ番組のバズや、世の中の話題のニュースをどんどん「見える」ようにしていきます。

なぜそれが必要なのかといえば、「みんながバズを見られるようになれば、各々の主張が分断されなくなるから」です。これまで耳を傾けあえなかった「個/点」の声を民主化していけたら……!そんな未来を夢見ています。

最後に次期バズウォッチの開発テーマを公開します。興味のある方はぜひお問い合わせください。一緒に未来をつくりましょう!

バズウォッチ事務局 buzzwatch@dentsu.co.jp
 
 

まず、「X for WHOLE」。CM主体のバズウォッチを、どんどんAIで精度向上します。

次に「Y for NEXT」。テレビ番組やトレンドワードでも詳細なバズ解析を可能にします。

Z for THEME」。お好きなテーマ(ブランド名等)で詳細なバズ解析を可能にします。

そして、「X-BD BreakDown」。バズ解析にクロス集計のような機能を実装します。

X
Y
Z
X-BD

さぁ、恐ろしいほど世の中が見えるバズウォッチを手に取り、新しい世界に足を踏み入れてみませんか?

30日間無料トライアルはこちら!

バズウォッチ事務局 buzzwatch@dentsu.co.jp(各種ご相談、応じます)
 
 

東京五輪、“史上最低”の開催になる恐れ…中止すれば北京冬季五輪にも影響か

 “史上最低”の五輪は、このまま強行開催されてしまうのだろうか。

 森喜朗・元大会組織委員会会長の女性蔑視発言、正式発表されない開催の可否、新型コロナウイルスの感染が拡大する諸外国の状況を、まるで無視したかのような自国ファーストの発言の数々。本来、政治と切り離して考えるべき五輪が政治家たちの道具として取り扱われる状況は、歴史を回顧しても“異常”といっても大袈裟ではない。

 ある調査によると7割以上の国民が開催に反対しており、五輪の公式スポンサーの中ですら一連の騒動に関して喫驚の声が上がっているという。本来、五輪が持つ精神ともっともかけ離れた政府の舵取りは、諸外国からも呆れた眼差しを向けられている。

 日本での報道は限定されていたが、そもそも総理大臣まで務めた森元会長のような政治色の強い人間を組織委員会のトップに置くという人選にも、大きな疑問が投げかけられてしかるべきであった。齢80を超えた元総理をどういった論理で組織のトップに据えていたのか。

 組織委員会からも「何があっても開催する」というような開催前提の発言が目立つ一方、聖火リレー走者からは辞退が相次ぎ、苦境に立つ医療従事者への配慮も当然のように見られない。その極めつきが、まるでコントのような川淵三郎氏への会長オファー→就任受諾→辞退という一連の流れだった。

 結果、橋本聖子元五輪相が組織委員会会長に就任することになった。自民党関係者は、裏事情をこう明かす。

「橋本聖子現会長が森元会長の後任と報道されたとき、『やはりな』と思いましたね。もはや組織委員会会長は誰がなっても汚れ役。女性を置くことで対外的なアピールにもなります。そこに菅政権の“傀儡”である橋本氏を据えることで、コントロールがとれます。

 個人的な意見ですが、格的にいえばJOC(日本オリンピック委員会)会長であり、世界的な認知度も高い山下泰裕氏が適任でしょう。しかし、森氏の発言が世界的にも大きく騒がれたこともあり、山下氏には“自身が前に出る”という気概はなかったようです。政府としては誰をスケープゴートにしても、どんな状況であれ五輪開催を強行したいというのが本音です。中止決定をすれば賠償金問題も発生しますし、これだけ自国での五輪開催をアピールしてきたにもかかわらず中止となれば、今年の衆議院解散・総選挙でも自民党が議席を大幅に減らすことにつながるため、それだけは避けたいところです」

 別の自民党の関係者は、都政と政権の連携にも大きな問題がある、と危惧する。

「小池百合子都知事は、新型コロナと五輪を自身のアピールの道具として利用し、今のところそれが成功しています。菅義偉総理としては、その状況が面白くないわけです。世間の反応を見ると、どちらかといえば“小池劇場”に押されている形。風見鶏な小池氏のことですから、世間の反応を見ながら政権への圧力もかけているのが現状です。

 仮に五輪が中止となったところで、政府のせいにできるため、小池氏にとっては自身のキャリアに傷がつくわけではありません。総理としては、相次ぐ不祥事を緩和する意味でも五輪は格好の舞台なわけで、2人の意思が一致する理由は見当たりません。とはいえ、元を辿れば菅総理と小池都知事の仲違いの理由は“私怨”ですからね。お互いに歩み寄って譲歩できないものか、と思ってしまいますよ」

開催or中止の決定が次の五輪にも影響

 もっとも今回、開催/中止の決定がこれだけ遅れているのは、“ある大国”の存在が大きい、という見方もある。JOC関係者が、こう明かす。

「2022年の北京冬季五輪開催が予定されている中国との兼ね合いも大きいです。というのも、仮に東京五輪が中止となった場合、次の国際的な視線は中国での冬季開催に向かうわけです。東京が中止となった場合、北京の冬季開催もかなり厳しい状況に追い込まれます。もともと新型コロナウイルスが中国から世界に広がったわけで、日本よりも中国に対しては、見方がより厳しくなります。もはや東京の開催/中止の決定は、中国の動向も大きくかかわる時期に差し掛かってきています」

 仮にこのまま五輪が強行された場合、どうなるのか。感染拡大が進むブラジル、世界最大の感染者数を出すアメリカ、いまだ厳しい状況にある欧州のなかには、必然的に不参加という選択を行う国も出てくる。満足に練習できる環境にないアスリートも少なくない。現状でも競技者の選考が完了していない競技も多くあり、時間的に考えても間に合わすことは困難だ。前出のJOC関係者が続ける。

「コロナの状況を鑑みると、欧州などから必ず不参加国は出てくるでしょう。その対応を日本はどうするのか。今後はそういった対応でも賛否が分かれるはずです。そして何より、競技者のなかでも満足がいくパフォーマンスができるかは不透明です。加えて問題なのは、五輪という“枷”でアスリートたちをしばり続けるという傲慢な思考です。アスリートへの敬意が欠けているということを、どれだけの政治家は理解しているでしょうか」

 近代五輪の父とされるピエール・ド・クーベルタンは、五輪の意義について、このようなスピーチを述べたという。

「オリンピックの理想は人間をつくること、つまり参加までの過程が大事であり、オリンピックに参加することは人と付き合うこと、すなわち世界平和の意味を含んでいる」

 かつてこれだけ政治の歪みに翻弄された五輪があっただろうか。クーベルタンも草葉の陰で泣いていることだろう。
(文=中村俊明/スポーツジャーナリスト)

効率よく有益な情報を得るには海外メディアの日本語版…ロイター・CNN・AFPがお勧め

「どうやって新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)に関する情報をアップデイトしているのですか」

 最近、このような質問を受ける機会が増えた。筆者は連載などで毎月15報ほどの文章を書いており、医療ガバナンス研究所から発表する年間100報程度の英文論文に何らかの形で関わっている。臨床医のなかでは発信力はあるほうだと思う。新型コロナの流行以降、特に発信の機会が増えた。冒頭は、筆者の文章をフォローされている方からのご質問だ。

 筆者は臨床医であり研究者だ。発信する際には、エビデンスに基づいた具体的な議論を展開したい。そのためには、多くの情報を効率よく集めねばならない。本稿では、医師以外の一般のビジネスパーソンにも参考になりそうなノウハウをご紹介したい。

 情報収集で重視すべきは、海外からの情報に目を通すことだ。新型コロナのような科学の問題は容易にグローバルスタンダードが形成される。医学のグローバルスタンダードは英「ネイチャー」、米「サイエンス」、英「ランセット」、米「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン」などの総合科学誌や医学誌での論文発表や議論を通じて形成される。

 臨床研究の場合、一つの画期的な研究が発表されて、それでコンセンサスが形成されることは少なく、追試が繰り返されて、やがて合意が形成される。このような合意は、前出の「ネイチャー」や「ランセット」の「総説」や「社説」という形で発表される。専門家は、このような記事に必ず目を通さねばならない。ただ、本稿では、このような専門誌からの情報収集は扱わない。また別の機会に論じたい。

世界で共通の評価を知る

 では、一般人が新型コロナの専門情報を効率よく入手するには、どうすればいいだろうか。お勧めは、海外メディアの日本語版だ。最近は自動翻訳が発達し、どんな言葉で書かれたニュースでも日本語で読むことができるが、やはり日本人向けに書かれたニュースは読みやすい。お勧めは、英「ロイター」、米「CNN」、仏「AFP」だ。

「ロイター」と「AFP」は、米「AP通信」や「UPI通信」と並ぶ世界的通信社だ。「AP通信」や「UPI通信」には日本語サイトはないが、「ロイター」と「AFP」は日本語サイトがあり、スマホ用のアプリまで開発されている。「CNN」は、1980年にテッド・ターナーによって設立された世界初の24時間放送のニュース専門チャンネルだ。世界中のニュースをリアルタイムで報じている。このようなニュースをフォローすると、日本のメディアからは知ることができない情報や雰囲気を知ることができる。

 例えば、2月22日に「ロイター」は「シノファームのワクチン、4300万回以上使用=中国国営メディア」「香港行政長官がシノバックのワクチン接種、市民の不安解消へ」という記事を掲載している。この2つの記事を読めば、中国は急速な勢いで国産ワクチンの接種を進めているが、国民はその品質に不安を覚えていることがわかる。

 中国人の自国のワクチンに対する評価は合理的だ。2月9日、ブラジルとトルコで実施されたシノバックの不活化ワクチン「コロナバック」の第三相臨床試験の結果が公表されたが、有効性は51%だった。入院・重症・死亡は100%予防したものの、ファイザーモデルナなどの欧米企業のワクチンと比べると見劣りがした。

 このような評価は世界で共通だ。2月23日には「AFP」が「比、中国製ワクチン承認、有効性の低さから医療従事者と高齢者には非推奨」という記事が掲載されており、一連のニュースとも一致する。

 ただ、中国の医学の進歩は急速だ。日本が開発できていない新型コロナワクチンを、独自に作り上げてしまった。現在も研究を進めており、2月3日にはシノバック社製の不活化ワクチンの高齢者を対象とした第1,2相臨床試験の結果が英「ランセット感染症版」に報告されているし、2月1日には中国クローバー社が米ダイナバックスのアジュバントを用いて、同社の蛋白ワクチンの第2,3相臨床試験を開始すると発表した。そして、2月23日には2億3000万ドルを調達したことを「フィアース・バイオテック」などが報じている。

 残念なことだが、中国ワクチンに対するこのような評価は日本のメディアをフォローしているだけではわからない。中国について知りたければ、海外メディアに目を通さなければならない。

「ロイター」のホームページの検索欄で「中国」と「ワクチン」という単語を用いて検索すると、本稿を執筆している3月3日現在、過去1カ月間で164の記事がヒットする。一方、新聞データベース「日経テレコン」を用いて同様の検索をしてヒットするのは朝日新聞30報、読売新聞47報にすぎない。記事内容も「中国、偽ワクチン次々 海外に送った例も確認 新型コロナ」(朝日新聞2月16日)、「中国、ワクチン無償援助 53か国・地域 途上国と関係強化」(読売新聞2月10日)のようなワクチン自体の評価よりも国際政治の視点から論じたものが多い。

「現場での活動」と「海外メディアのフォロー」のかけ算

 生産性を高めるためには、日本メディアだけでなく、海外メディアをフォローしなければならない。臨床論文の発表を例にノウハウをご紹介したい。

 2月22日、「ロイター」は、「テキサス州を襲った寒波被害、バイデン大統領が大規模災害を宣言」という記事を掲載した。自然災害は世界が関心を寄せるテーマだ。「テキサス州」と「寒波」という単語で検索すると、過去1カ月間に「ロイター」は71報、「CNN」は26報の記事がヒットする。ちなみに、同じ単語で「日経テレコン」を検索してヒットするのは朝日新聞2報、読売新聞3報だ。

 実は、この時期に日本でも自然災害が起こった。2月13日の福島県沖での大地震だ。「ロイター」は、過去1カ月以内に「福島」と「地震」という単語を含む記事を日本語版で83報、英語の国際版でも22報配信している。

 このようなニュースから、我々はどう仕事を発展させればいいだろう。有効なのは「かけ算」だ。最近なら、自然災害とコロナ対策だ。つまり、コロナ対策は自然災害で、どのような影響を受けるかは、興味深いテーマとなる。

 福島県いわき市に澤野豊明氏という外科医がいる。彼が勤務する常磐病院は、地域の中核病院で、コロナ患者も診療する。彼らは2月13日に震災を経験した。詳細は省くが、澤野医師たちは、今回の地震での浜通りの住民避難の問題点を「新型コロナウイルス流行下での自然災害時の住民避難」という論文にまとめて、2月22日に英オックスフォード・アカデミックが出版する「QJM」誌に投稿した。この論文は、無修正で、即日受理された。そして、2月27日にはオンライン版で公開された。

 論文投稿からオンライン版での掲載までは、普通、数週間はかかる。「QJM」編集部は、その主たる読者である欧州の臨床医がコロナ流行下の災害対策に強い関心を抱いており、一刻も早く情報を提供しなければならないと考えたことがわかる。

 この論文は、澤野医師のアイデアがすべてだ。なぜ、彼がこのようなアイデアを思いついたのか。それは、澤野医師が日常診療の傍ら、福島県立医科大学博士課程に在籍し、坪倉正治教授の指導のもと、日常的に海外メディアの情報を浴びていることが大きい。坪倉教授は、2011~2015年まで東京大学医科学研究所の大学院に在籍し、私が指導した。そして、今回、ご紹介した情報収集法を学んだ。坪倉教授は、東日本大震災以降10年間を、福島で診療、研究し、その成果を約160報の英文論文として発表している。いまや原発事故対策の世界の第一人者であり、米「サイエンス」は3月5日号に5ページにわたる記事を掲載し、その活動を大きく紹介した。

 坪倉教授の元指導教員として、私も米「サイエンス」編集部の取材を受けたが、編集部は「10年間も被災地で活動を続け、大量の論文を発表した若手研究者は、過去に見たことがない。新しい研究者のスタイルを作り出した」と筆者に語った。

 坪倉教授が現場で働きながら、多くの研究成果を発表できたのは、海外からの情報を上手く活用できたからだ。ITが発達した昨今、やる気とノウハウさえあれば、このような作業はどこでもできる。アイデアが沸くのは現場だ。この結果、坪倉教授のような働き方が可能となった。是非、現場で活動しながら、海外メディアをフォローし、「かけ算」する癖をつけてほしい。

(文=上昌広/特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長)

●上昌広/特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長

1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。

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SDGsの達成に向けて、サステナビリティー広告に求められることは?

2030年の目標達成に向けて、SDGsへの関心が高まる昨今。自社の取り組みや考え方を社外に発信する広告の役割も重視されつつあります。

この記事では、昨年の広告電通賞から創設された「SDGs特別賞」の選考委員長・金田晃一氏が、企業がSDGsへの取り組みや社会との向き合い方を広告する意義や現状、賞の選考ポイントなどを語ります。

金田晃一
アナウンサーとしての経歴も持つ金田氏。

SDGs時代の広告の役割は、人々に参加を促すこと

企業がSDGsに取り組む際には、主に三つのアプローチが重要だと考えています。

①自社の「製品・サービス」を通じて、SDGsで提示されている社会課題を解決すること。

②研究、開発、輸送、調達、製造、マーケティング、販売、廃棄など全ての事業活動において環境破壊をしないように、そして、地域住民、自社やサプライヤーの社員、消費者への人権侵害や法令違反など、自らが社会課題を生み出さない、あるいは深刻化させないように「事業プロセス」を見直し、改善すること。

③企業市民として、社会課題解決に向けて活動するNGO/NPO、社会起業家、地域の人々を、寄付、寄贈、社員ボランティア、経費負担などによる「社会貢献活動」で応援すること。

SDGsの採択を機に、これら「製品・サービス」「事業プロセス」「社会貢献活動」に加え、自社の考え方や社会との向き合い方である「ミッション(企業理念)/パーパス(存在目的)」を対象とした広告が増えました。また、必ずしも自社の行為や考え方に限らず、「SDGs自体」や、「SDGsのキー・メッセージ」を訴求対象とした広告も見られるようになりました。

私はそういった広告を「サステナビリティー広告」と呼んでいます。今回、選考委員長を務めたSDGs特別賞の新設は、「サステナビリティー広告」を日本社会、特に日本企業に広く知らしめる意義深いアクションだと感じています。

サステナビリティー広告

受賞作は、当事者が社会課題を世間に伝える広告だった

SDGs特別賞は、アートディレクター、会計士、NGO/NPO代表、社会起業家など、異なる専門性を持った総勢10人が選考委員を担当。「アイデア」「SDGsへの思い」「誠実さ」という選考基準を踏まえつつ、各自の視点で作品を評価しました(SDGs特別賞の詳細はこちら)。

広告電通賞 SDGs特別賞

その結果、東海テレビ放送のテレビ広告「見えない障害と生きる。」が受賞しました。社会的にあまり認知されておらず、見えづらい発達障害をテーマに、当事者が置かれている状況を世間に知らせるため、ドキュメンタリー方式で制作された広告です。

第73回広告電通賞 SDGs特別賞
東海テレビ放送「見えない障害と生きる。」

https://www.youtube.com/watch?v=hFppNU0ONQo 

この作品は、複数の選考委員から高い評価を受けました。まずは「アイデア」面。当事者にしか分からない課題を当事者が語るというアプローチ。とてもチャレンジングであったと思いますが、選考委員の心にストレートなインパクトを与えました。

発達障害という難しいテーマを取り上げながら、複数の当事者それぞれが日常生活で感じる異なるタイプの課題を語ることで「多様性」が、また、問題解決の糸口は「連携」という形で表現されていました。「多様性」と「連携」はSDGsにおいて重要なテーマであり、「SDGsへの思い」が感じられました。

さらに、東海テレビ放送は、ここ数年、異なる社会課題を継続的に取り上げ、広告を制作しています。社会課題に向き合う「誠実さ」が評価されました。

「サステナビリティー広告」の輪郭

東海テレビ放送の広告を含め、最終選考に残った広告には「災害対応」「人種の多様性」「人と自然の共生」「差別といじめ」「テクノロジーの活用」など、さまざまな社会課題が提示されていました。それらの作品への各選考委員からの評価ポイントをいくつか紹介します。

サステナビリティー広告

また、一部の層に疎外感を与えてしまいかねない広告を、逆の意味で注視したという意見もありました。SDGsは、「誰一人取り残さない」ことが前提です。通常の広告はある一定のターゲット層に届けばよいという面がありますが、「サステナビリティー広告」においては、その意向が出過ぎてしまうとSDGsの趣旨から外れてしまいます。

同様に、社会課題の描き方がきれい過ぎる場合も、違和感を与えかねません。この場合の“きれいさ”とは、登場する人物や環境のビジュアル的な美しさと、ストーリーの予定調和という二重の意味があります。現実の社会課題には、ある種の“ざらつき感”が伴うもの。そこが表現できていないと、空々しさを与えかねません。もちろん、広告の手法として、意図的に、その違和感を狙いにいくことはあるでしょうが、このあたりは「サステナビリティー広告」の論点の一つかもしれません。

サステナビリティー広告

人々を一旦謙虚にさせる広告

私が個人的に注目したのは、「広告に触れた人々を一旦謙虚にさせる力があるか」という点です。日常の中で人はそれぞれ自分自身の価値観を大切にしながら生活していますが、その思いが強く出過ぎると、自分の考え方以外は間違っていて受け入れ難い、と思い込んでしまうことがあります。

そんなときに良質な「サステナビリティー広告」に触れ、異なる視点や解決方法、すなわち多様性に気づけば、「もう少し広く豊かに考えてみよう」、あるいは「これまでとは違う社会課題の解決に向けたアプローチを試してみよう」と思うでしょう。

いくら企業、政府、NGO/NPO、そしてそこに属する個人が力を持っていても、その力が干渉し合ってしまうと、持続可能な社会づくりにはつながりません。しかし、「サステナビリティー広告」によって、これまでの自分にとって思考の外にあったものへの理解が深まると、考え方や行動に変化が起きるのではないでしょうか。他者の考えに“乗っかる”のも良し、他者と補完的に組むのも良し、といった柔軟さを身につけることができれば、それはSDGsの達成に向けた大きな力となります。おのおのが一旦謙虚になることが、その後の共感や連携の足場をつくるのです。

SDGsは、共感や連携なくして達成できません。異なるセクター、そして私たち一人一人が一緒になって課題解決に動く「コレクティブ・アクション」が重要です。社会課題の本質を知る、課題同士の関係性を学ぶ、その上で、一旦謙虚になって行動する……。それぞれの局面に大きな影響を与える「サステナビリティー広告」が持つ可能性に期待しています。

社会価値に照準を合わせ、自社らしさをどう見せるかが制作のコツ

「サステナビリティー広告」も広告である以上、広告主の企業の強みを活かした内容であること、広告主にメリットをもたらす内容になっていることは外せないポイントです。必要なのは社会価値と企業価値の創造です。

例えば、自社の製品・サービスが持続可能な社会に貢献するものであれば、それを商品広告として取り上げることで、売り上げにつながる可能性が高まるため、社会価値と企業価値の創造につながります。また、SDGsの認知を高める啓発広告を打つアプローチは、レピュテーション向上を目指したコーポレート・ブランディングにつながるでしょう。

これによって優秀な人材をリクルーティングできたり、広告を見た自社社員のモチベーションが高まったり、新たなパートナーが見つかったりするなどの効果も期待できます。

ただし、広告で取り扱う社会課題と広告主である企業との関連性は大切で、この関連が薄い場合、人々に、取ってつけたような違和感を与えてしまうこともあります。

今年もSDGs特別賞の募集を行いますが、社会課題を通じて、自社の優位性や“らしさ”をどう見せるかは、これから「サステナビリティー広告」を企画する企業にとって重要な着目点となるのではないでしょうか。

これまで企業は、まず、自社の「顧客価値」と「企業価値」の創出にフォーカスして活動してきました。しかし今後は、最初から「社会価値」の創出に照準を合わせた上で、そこから「顧客価値」や自社のミッション/パーパスと重なる部分を見つけることで「企業価値」につなげていくという発想が必要になってきます。広告制作も然りです。

2020年は日本の「サステナビリティー広告元年」。これからも、SDGs特別賞の選考プロセスで、「社会価値」、特に「社会の持続可能性向上」という価値の創出から発想する数多くの「サステナビリティー広告」に出合い、謙虚になる瞬間を楽しみたいと思います。

金田晃一
MITメディアラボにて、表現とデジタル技術の関係について思索。

パチンコ「継続率約91%」×「最大1200個」の激アツ!かつてない「高火力のST機」の魅力に迫る!!

 大手メーカーSANKYOの子会社「ジェイビー」と言えば、「パトラッシュ」「フィーバークィーン」など、一風変わった機種を輩出し一躍人気を集めた。そんな、「ジェイビー」から、2021年3月8日に「パトラッシュ」の最新台が導入された。

『PパトラッシュV GREEN』(ジェイビー)

 本機は大当り確率約1/199.8、RUSH突入率55%。遊タイム(500回転消化/時短500回転)搭載のシリーズ初1種2種混合機となっている。

 通常時からRUSH突入までの流れは至ってシンプル。初当り「3R(通常/45%)」or「3R(RUSH/55%)」の2種類が存在。ラウンド終了後に発生する「レスキューチャンス(55%)」成功でRUSH突入となる。

 ST「レスキューRUSH」は「ST20回転」で大当り確率「約1/10.5」の大当りを目指す。継続率は驚異の約91%となっており、大当り振り分け「3R(約360個/約94.8%)」「10R(約1200個/約5.2%)」の2種類。3Rが大当りのメインとなる。

『パトラッシュ』シリーズは「RED(ミドル)」「GREEN(ライトミドル)」「BLUE(甘デジ)」の3種類で構成されているが、本機はどのシリーズよりも高継続に主眼を置いているのが特徴だ。

 通常時からの初当りでRUSHに突入できなければ時短が付かないため、かなり厳しい展開が予想される。荒れやすい台と言えるだろう。RUSHに突入できるかが、大きなターニングポイントになりそうだ。

 本機のSTは平均約11連となるが、引き次第では万発も狙えるスペックと言えるだろう。ただ、本機は高継続であるほかに、10R(約1200個)があるのも魅力の一つだ。いかに10R(約1200個)を引けるかが、大きな鍵になるだろう。

 本機は遊タイムも搭載しており、ここでの大当りはレスキューRUSH突入が濃厚と恩恵はかなり大きい。即ヤメする人が多いと思うが、回されている台を狙い撃ちする機種としては「最高の台」でもある。率先的に狙っていきたいところだ。

『パトラッシュ』はシンプルなゲーム性で、ドット絵という特徴も、「ドット厨」には堪らない機種である。導入後の賑わいに注目したいところだ。

(文=ひろ吉)

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てんちむ、えみりん、ヴァンゆんも…ネガティブコメント削除がバレてかえって批判噴出

 近年、注目度が高まっているユーチューバー。チャンネル登録者数が100万人ほどになると、強い発信力によって大きな影響力を持つようになる。半面、動画内で不適切な言動があったり、プレイベートでも不祥事などを起こせば、猛批判を浴びるようになる。

 最近では、ファンの女性と“不適切な関係”を持ったフィッシャーズの「ぺけたん」、未成年女性にわいせつな画像を送らせていた「ワタナベマホト」がYouTubeの表舞台を追われることになった。

 一方、不祥事が判明しても、批判を受け流して動画を上げ続けたり、ほとぼりが冷めるまで活動を休止して、何事もなかったかのように再開する人物もいる。テレビに出ている芸能人やタレントと異なり、スポンサーの顔色をうかがう必要がないユーチューバーならではの対応といえるだろう。

 だが、ユーチューバーであっても、企業案件(PR活動など)を引き受けるようになると“イメージ”は重要になる。そこで、ネガティブな出来事があった場合、そのイメージをいかに早く消し去るかが大切になってくる。

「企業案件は、SNSのフォロワー数や動画のチャンネル登録者数といった影響力にもよりますが、1件当たり数百万円の報酬が得られます。一部のトップユーチューブの場合、1件500万円にも上ると言われています。1月に長崎県大村市の市長がヒカルと宮迫博之に対し、ボートレースの広告を2000万円で発注したことが判明し、その金額の是非が問われましたが、広告代理店とヒカル・宮迫が折半するかたちで受け取っているとみられます。ユーチューバーは、動画制作よりも企業案件を受けるほうが収入がよいので、案件獲得は非常に重視しています」(芸能記者)

 そんな企業案件を意識してか、巧みにネガティブイメージをかわしてポジティブイメージを醸成しているユーチューバーたちがいる。

「今、特に注目を浴びているのは、エミリンとてんちむです。エミリンは過去に出した謝罪動画を削除したことが判明し、以前に起こした騒動が再燃しつつあります。昨年、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて緊急事態宣言が発出された際、東京都の制作したCMに出演して外出自粛を呼びかけていたにもかかわらず、自身はほかのユーチューバーとコラボ動画を撮っていたことが指摘されました。エミリンは『緊急事態宣言前に撮影した』と釈明しましたが、動画に映っていた商品から緊急事態宣言中の撮影であったことが判明しました。エミリンは釈明が虚偽であったことに対する批判に対して黙秘を続け、いまだに説明や謝罪はしていません。

 ほかにも、既婚男性との親密な関係を匂わせる言動を繰り返したことを謝罪する動画を秘密裏に削除していたことが明るみに出て、批判の声が噴出しています。しかし、それらの批判の声を動画のコメント欄から削除したり、表示しないようにしていることから、『印象操作だ』と怒りの声が多数出ているのです。

 同様のことが、てんちむの動画でも見られます。昨年以来、数々の不祥事が判明し、たびたび謝罪動画を出して『謝罪芸人』などと揶揄されているてんちむですが、動画のコメント欄を承認制にし、ネガティブなコメントが表示されないようにしているようです。そのため、『低評価』が多い動画でも不自然に称賛の言葉だけが羅列され、かえって不興を買っています」(同)

 エミリン、てんちむのほかにも、元さんこいちの古川優香も一部のコメントを削除しているようだ。グループの解散を発表した動画内での言動がファンの反感を買い、しばらく批判の声にさらされた。最近になって収まりつつあったように見えたが、元メンバーのほりえりくが見解を出し、また元スタッフがツイッターで裏事情を語るなど、騒動が再燃の兆しが出ている。そんななか、古川の動画のコメント欄で、古川の意に沿わないコメントが削除されているとして、再び批判の声が上がっているのだ。

 さらに、ヴァンゆんも12日に公開した『子犬を放置してたら捨て犬みたいになってしまいました…』との動画のタイトルが、「自分の愛犬の手入れ怠り、それを捨て犬と表現することに違和感がある」などと批判の声が上がると、タイトルを変更し、寄せられていた批判コメントを削除。それがさらに批判を呼ぶ悪循環に陥っている。

 今やユーチューバーも人気商売。良いイメージをつくっていくことも必要ではあるが、批判の声に真摯に耳を傾け、謝るべきところは素直に謝るのでなければ、ファンは離れていってしまうのではないだろうか。

(文=編集部)

医学部受験9年浪人の女性、なぜ母親を殺害?医学部多年浪人のリスクと親の“教育虐待”

 2018年に滋賀県内で起きた長女による実母殺害・死体遺棄事件。今年1月、桐生のぞみ被告に懲役10年の控訴審判決が言い渡され刑が確定したが、裁判の過程では、のぞみ被告が母親から教育虐待を受けていた事実が明らかになり、人々の関心を呼んでいる。

 3月15日付「47NEWS」配信記事『医学部受験で9年浪人 “教育虐待”の果てに… 母殺害の裁判で浮かび上がった親子の実態』によれば、のぞみ被告は母親から地元の国公立大医学部医学科に入学することを強く求められ、14年に国立大学医学部看護学科に合格するまで、9年間にわたる浪人生活を余儀なくされ、その間、母親から携帯電話を取り上げられるなどして過度の束縛を受けていたという。

 そして17年には医科大学付属病院から看護師として就職内定を得たものの、母親はのぞみ被告に対し、就職を辞退して助産師学校に進学するよう要求。のぞみ被告は看護師になるという意思を伝えたが、母親はそれを認めず夜通しで叱責し、ついにのぞみ被告は犯行におよんだという(同「47NEWS」記事より)。

 医学部6年生が卒業前に受験する医師国家試験の合格率(2020年・新卒者)は94.4%であり、医学部入学者の多くは将来医師になるため、医学部は難関であることが知られている。また、私立大学の医学部場合、6年間でかかる総費用は入学金・授業料などで総額平均3000万円超えとされ、2008年に大幅な授業料値下げを行った順天堂大学も2080万円(河合塾のHPより)となっている。一方、国公立大学は6年間で総額350万円前後と私立に比べて大幅に下がるが、学費の低さから実質的な競争率も高くなる傾向があり、加えて、一般的に入試科目が5科目と私立(3科目)より多く、難易度は高いとされる。

 そんな国公立大学医学部への入学を母親から求められたのぞみ被告は、9年にわたる浪人生活を強いられたわけだが、大手予備校関係者はいう。

「以前よりは少なくなりましたが、どこの大手予備校にも、医学部合格を目指して何年も在籍している浪人生や、毎年のように予備校を変えて通っている浪人生の姿が見られますが、なかには医学部合格へのモチベーションが低下したものの諦めきれずに惰性で浪人を続けているように見受けられるケースも散見されます。

 とにかく医学部は難関で、医師という職業への就職に直結する色合いも強いこともあり、他の学部に比べて特殊だと考えるべきです。そのため、何年も浪人を重ねて勉強したからといって合格が近づく保証はないというのが現実です。また、数年前に医学部入試で一部の大学が女子学生や多浪生を“受かりにくくする”よう採点を操作していたことが表面化しましたが、現在も同じようなことが“まったく行われていない”という保証はどこにもなく、一部の医学部で不公平な選抜が行われている可能性もある。

 そうした状況を踏まえると、10~20代の貴重な時期を、医学部を目指して何年も浪人を重ねることに費やすことには賛成できません。実際に、現役や1浪で医学部に落ちた学生が看護学部や理工系学部に志望を変えて、翌年にはちゃんと合格していく事例はごまんとあります。そもそも医師に限らず、第一志望の職業に就ける人などほんの一握りなのですから、受験生も保護者も、広い視点といい意味での諦めを持つことが大切だと感じます」

 では、なぜ、母親はのぞみ被告を医学部へ入学させることに執拗なまでにこだわり、その結果、悲惨な事件が起きるまでに至ったのだろうか。『子どもを攻撃せずにはいられない親』(PHP新書)の著者で精神科医の片田珠美氏に解説してもらった。

片田医師の解説

 なぜ母親は娘に対して監禁まがいのことまでして、医学部入学にこだわったのでしょうか。

 まず、支配欲求が非常に強いことが挙げられます。一人娘のうえ、夫とは娘が小学校高学年の頃からずっと別居していて、「長年にわたり母子だけの閉鎖的な環境」だったようなので、母親の関心がすべて娘に注がれ、それに支配欲求が加わったように見えます。

 支配欲求に拍車をかけるのが「子どもに投資している」という意識です。母親は娘に幼い頃から通信教材を買い与えていたようですので、子どもにお金をかけてきたと思っていたはずです。そう思っている親ほど、「あれだけ時間とお金をかけて育ててきた子どもなのだから、多少は思い通りに支配させてもらってもバチは当たらないだろう」と自らの支配欲求を正当化しやすいのです。

 それでは、なぜ支配欲求を抱くのでしょうか。多くの場合、利得と自己愛がからんでいます。利得はわかりやすいですよね。母親の希望通り娘が医師になれば、高収入を得られる可能性が高いですから。

 より厄介なのは、親の自己愛、とくに傷ついた自己愛です。娘は、「47NEWS」記事の取材に対し「母は工業高校を卒業したそうです。最終学歴が高卒であることを悔やんでいると何百回も聞かされました。学歴コンプレックスがあったのだと思います」と話していますが、このように何らかのコンプレックスを抱いている親ほど、子どもに代理戦争を戦わせ、敗者復活をめざそうとします。平たくいえば、自分の果たせなかった夢を子どもに託すわけです。ですから、親の期待というのは、実は親の自己愛、とくに傷ついた自己愛の投影にほかなりません。

 しかも、支配欲求の強い親は、往々にして所有意識と特権意識も強いのです。子どもを自分の所有物とみなしているからこそ、自分の好きなように扱ってもいいと思い込み、殺害された母親のように娘を医師にしたいという自身の欲望を押しつけ、9年間も浪人させるわけです。

 また、「自分は親なのだから、少々のことは許される」という特権意識を抱いていることも少なくありません。こういう親は、子どもは「自分をよく見せるための付属物」という認識を抱いていることが多く、世間体や見栄のために子どもを自分の思い通りに支配しようとします。

 娘は、現役で国立大の医学部保健学科を受験し、不合格だったにもかかわらず、母親は親族には「合格した」と嘘をつき、娘にも従うよう求めたということです。これは、母親にとって娘が「自分をよく見せるための付属物」だったからでしょう。

 それでは、なぜ娘は母親から逃げられなかったのでしょうか。まず、「血は水よりも濃い」という言葉があるように、血のつながりからはなかなか逃げられません。しかも、支配欲求の強い親ほど血のつながりを強調するのです。

 また、支配欲求の強い親は、「私ではなく、あなたのためを思うからこそ、~するのがいい」という言い方をします。私自身、大学進学の際、自分の希望に反して、親から医学部進学を強要されたのですが、そのときも同じようなことを言われました。おそらく、殺害された母親も、あくまでも娘のためを思って言っているというスタンスで、娘を自分の思い通りにしようとしてきたのでしょう。

 さらに、殺害された母親は、娘の罪悪感をかき立てるのが巧みだったようです。娘が母親に「看護師になりたい」と本音を打ち明けたとき、母親は「あんたが我を通して、私はまた不幸のどん底にたたき落とされた」と言ったということですが、子どもの罪悪感をかき立てることによって、子どもを支配しようとする親は少なくありません。そういう親の決まり文句は「あなたのために、いろいろなことを犠牲にしてきた」という言葉ですが、殺害された母親も同じようなことを言っていたのではないでしょうか。

 こういう親を変えるのは無理なので、逃げるしかないのです。娘は3回にわたり家出をしたものの、結局連れ戻されたということなので、「逃げても、どうせ連れ戻される」と逃亡をあきらめてしまったのかもしれません。家族以外の人に相談して、その助けを借り、逃げていたら、母親殺害という最悪の結末は避けられたのではないかと思うと、本当に悔やまれます。

(文=編集部、協力=片田珠美/精神科医)