企業がDX時代に直面する「個人情報の取り扱い」、課題とヒント(前編)

企業がDX時代に直面する「個人情報の取り扱い」、課題とヒント(前編)

「個人情報」の取り扱いが、改めて注目されています。

顧客接点のデジタル化が進み、個人情報をさまざまなタッチポイントで取得できるようになったためです。

今や、GDPR(※1)やCCPA(※2)など、世界的に個人情報保護規則の潮流が強まっています。日本でも個人情報保護法の改正(※3)があり、「顧客の個人情報をどう扱うか」について、企業のさまざまな部門が課題を抱えています。

本記事では、DX推進の上で必須である個人情報の取り扱いと、それに関連したプロジェクトを進める上での難しさ、そして解決の糸口を、実際にクライアントの課題に相対する3人の鼎談としてお送りします。

法務的な観点から弁護士の田中浩之氏、顧客データ基盤を提供するトレジャーデータの山森康平氏、そしてデジタルマーケティング全般のソリューションを提供する電通デジタルの今井紫氏です。

※1 GDPR
General Data Protection Regulation:一般データ保護規則。2018年に施行。EEA(欧州経済領域)で統一された、厳格な個人情報保護に関する規則。
 
※2 CCPA
California Consumer Privacy Act:カリフォルニア州消費者プライバシー法。2020年に施行。カリフォルニア州の住民の個人情報を取扱う事業者に適用される。全米初の包括的な個人情報に関する州法。

※3 改正個人情報保護法
2020年、日本で改正個人情報保護法が成立・公布され、2年以内に施行されることになった。一部のクッキーの利用が規制されるなど、規制が強化・追加されている。

<目次>
課題1:部門間の「個人情報に対する意識の違い」から意思決定が遅くなる
課題2:プライバシーを専門にする人材の不足
▼課題3:データ処理プロセスの透明化が難しい (※後編)
▼求められているのは「ユーザーに分かりやすく説明すること」 (※後編)

課題1:部門間の「個人情報に対する意識の違い」から意思決定が遅くなる

今井:この鼎談では、それぞれのクライアントから日々寄せられる個人情報関連の質問や課題を共有し、解決のヒントを導き出せればと思います。

電通および電通デジタルの場合、デジタルマーケティングを端緒とし、企業のさまざまな部署、部門を横断して個人情報に関してのお悩みを伺いつつ、戦略立案から戦術レベルまでをカバーしています。最近では特に、個人情報周りでの関係者間の調整に難しさを感じます。

山森:私たちが提供する「Treasure Data CDP(※4)」は、顧客情報を含めたあらゆるデータをマネジメントできるデータ基盤ですので、「個人情報の取り扱い」はまさに最重要項目と考えています。その前提で、最近感じるのは、クライアントがCDPのようなデータ活用サービスを検討・導入するのに、どうしても時間がかかりがちだという課題です。

※4 CDP
Customer Data Platform。企業が持つ顧客データを統合管理し、DXの基盤となる。Treasure Data CDPについてはトレジャーデータのサイトを参照。
 

今井:Treasure Data CDP自体はクラウドのサービスですから、オンプレミス(自社設備と自社システム)でデータ基盤を構築するのに比べれば、導入に際しての工数は圧倒的に少ないはずですよね。どこに時間がかかるのでしょうか?

山森:個人情報に関与する部署・部門が複数にまたがっているため、まず導入の意思決定プロセスに非常に時間がかかるのです。

今井:なるほど、そこは電通デジタルも同様の課題を感じています。以前は企業1社の中で調整ができていたのが、近年はグループ企業間や、販社を含めた広い企業体も包括する全体で、データの共有やプライバシーポリシーの統一をしたいという要望も頂くようになりました。そうしたケースでは、実際に顧客データを保有している現場と本社の間に、意識の乖離や物理的な距離があって、調整が難しい。

また、デジタルマーケティングの担当者は法務の専門家ではないので、プライバシーの重要性を理解していただくまでに数ヶ月かかってしまうこともあります。

山森:日本でも個人情報保護法の改正がありましたし、グループがグローバルに展開している場合は、さらに各国のプライバシー関連の法制度や判例なども把握しないといけませんよね。

さて、田中先生は個人情報と知的財産、そしてITの分野に精通しておられ、国内、海外のデータ保護法案件を手がけておられます。私や今井さんもよく相談させていただいていますが、法律家として、企業の部門間調整などについてどうお感じですか?

田中:私は弁護士として、企業の法務部門担当者との接点が多いのですが、法務とそれ以外の部門の温度差はよく感じます。現場と経営層、法務、そしてグローバルといった多岐に渡る部門の調整は非常に難しく、プロジェクトマネジメントに時間がかかるのもよく分かります。

一方で、経営層の意思で進めようとしている企業はスピード感がありますね。データ活用とプライバシー保護の重要性をメンバーが理解しているプロジェクトは、どんなビジネスであれ、決断が速い印象です。

今井:同感です。プライバシー関連が絡むプロジェクトは、マーケティングの現場からスタートするというよりも、最初に法務部門やコンプライアンス、そして経営陣といった関係各所が重要性を共有することで、初めてスタートラインに立つように思います。

課題2:プライバシーを専門にする人材の不足

山森:今、クライアントとお話すると、個人情報やプライバシーの取り扱いに対して不安に思われている方が増えていますね。巨額の制裁金を課すGDPRの執行事例が実際に増えている影響が大きいと思います。そこで改めて社内の運用を見直したときに、改正個人情報保護法に沿って考え直さなければならない点が多数あった、ということもあるでしょう。

今井:ただ、とにかくプライバシー関連は動きが非常に激しく、一企業の担当者がグローバルにおける法規制をリアルタイムで把握していくのは、現実的には難しいです。GDPRでも「明文を現実に落とし込むことが、システム上できない」という状況が各企業にあり、「法の解釈」が一層重要になってきています。法律と実務について、田中先生はどうお考えですか?

田中:こればかりは日々勉強していくほかないのですが(笑)、私自身はEUやアメリカの他、世界各国の法規制について常に最新の情報を得て、クライアントの実務を踏まえたアドバイスができるように努めています。

具体的な案件に取り組む中で、海外の弁護士と協同して知見が蓄積していく面もありますし、ここ数年、グローバルのデータ保護法に関する企業向けセミナーを定期的にやらせてもらっていますので、その準備のなかでもアップデートをするようにしています。

山森:最近ではCRM担当者やマーケティング担当者も、法律をある程度勉強しないと実務が成り立たなくなってきていると感じます。私はよくお客様に「ビジネスが総合格闘技化していますよ」と伝えています(笑)。寝技と打撃ではないですが、静的な構造で成りたっている既存システムや法務部門と、動的に変化する要件を検討していきたいマーケティング部門やDX部門が協力しないと、実情に追いつけなくなっている。部門間で、用語すら噛み合わないケースも実際に起きていますよね。

それと、プライバシー関連のプロジェクトが進まない要因の一つには、プライバシーやデータコンプライアンスの専門人材が日本企業にはほとんどいない、ということがあります。

今井:日本企業における情報セキュリティー担当者は、「インシデントが起きたときの対策」がメイン業務で、プライバシーは管轄外であることが多いのではないでしょうか。海外ではプライバシー専門の役職者がいる場合もありますが、田中先生から見て、日本企業でもそういった動きはありますか?

田中:ある程度の規模の企業では、いわゆるCPO(Chief Privacy Officer:プライバシー担当責任者)のような役職を設置する動きはあると思います。担当領域としては、事業側のニーズを踏まえて、プライバシーを尊重しながらビジネスにデータを利活用する、いわば“アクセル”側の役職ですね。

他方でGDPRが定めるDPO(Data Protection Officer、データ保護責任者)のような、事業や企業が法律に則った活動を行っているか監視する、“ブレーキ”側の役職もあります。

データ活用についてのアクセル側とブレーキ側、双方の責任者・担当者がいると、バランスは良いでしょう。ただし、両方が役職として揃ってしっかりワークしている企業は、正直、日本ではまだ多くないのではないでしょうか。

※後編に続く


トレジャーデータと電通・電通デジタルが協業し提供するソリューションについて、興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。
 
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高速PDCAが実現した、「認知と刈取を分けない」CM戦略

インターネット広告費が伸長する一方で、近年はスタートアップを中心としたテレビCMの出稿が増加傾向にあり、大きな広告成果を叩き出している企業もあります。その一つが、お店のデジタル化を支援するスタートアップ企業「hey(ヘイ)」。同社が手がけるサービス「STORES」は、テレビCMを活用して利用者を着実に増やしています。

【 STORES とは? 】
お店のデジタル化を支援するプラットフォーム。ネットショップ開設・運営サービス「STORES」、お店のキャッシュレス決済サービス「STORES 決済」、オンライン予約システム「STORES 予約」を展開している。https://stores.jp


なぜheyは事業を拡大できているのか?テレビCM効果を最大化するために、heyと電通が二人三脚で取り組んだチャレンジとは? 

本連載では、heyのマーケティングディレクター・山﨑佑介氏、電通のアカウントリード・阪口真衣氏、プランナー・濱大毅氏が、「STORES」のCM戦略について語り合います。

レスポンスコネクター・ダッシュボード
左から、阪口真衣氏(電通 アカウントリード)、山﨑佑介氏(hey マーケティングディレクター)、濱大毅氏(電通 プランナー)

視聴者のアクションが起こせないテレビCMは、やる意味がない

阪口:「STORES」のテレビCMは、2020年11月に関西と福岡でオンエアを始め、徐々にエリアを追加して今年1月から全国展開しています。
 



濱:私はCM効果を分析して出稿をプランニングする役割を担っていますが、正直、我々も驚くほど非常に良い結果が出ています。改めて、山﨑さんの「STORES」におけるマーケティング戦略や狙いを教えてください。

山﨑:これまでheyは、「ネットショップ開設・運営サービス」「店舗向けキャッシュレス決済サービス」「オンライン予約システム」を別々のブランド名で展開していました。この3つのサービスを昨年、「STORES」ブランドに統合。お店のデジタル化を支援する「STORES プラットフォーム」を立ち上げることで、お客様のお商売をサポートできる範囲が格段に広がりました。

しかし、「STORES」はもともと「ネットショップ開設・運営サービス」のブランドでした。「STORES=ネットショップがつくれるサービス」という世間のイメージが根強いため、「STORES=ネットショップも、キャッシュレス決済も、オンライン予約もできるブランド」という認知構造に変える必要がありました。

ネットショップを開設することは、お店をデジタル化する手段の一つであって、イコールではありません。「STORES」というプラットフォームを知っていただいた上で、各サービスを選んでいただくユーザーを増やすことが重要課題でした。

阪口:この課題を解決するために、テレビバイイング全体の戦略を立て、放送局のCM枠を選定・確保、CM素材の配分をマネジメントするのが私の役目です。テレビCMを活用した理由を改めてこの場でお聞かせいただけますか。

山﨑:二つの観点でテレビCMが適切だと思ったからです。一つ目は、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、お店のデジタル化へのニーズが拡大していること。二つ目は、先ほどの「STORES」ブランドの認知構造を変えることです。

阪口:最初のオリエンのときから、山﨑さんの意思や狙いが非常に明確だったのが印象に残っています。KPIも「オンエア直後30分以内の『STORES』サイトへの新規来訪数」に絞り込みましたよね。

山﨑:はい。もちろんブランド指標は別で計測しますが、スポットCMの最適化指標は、オンエア直後に検索してサイトに来ていただく、その一点のみですね。そもそも視聴者のアクションを起こせない広告は意味がないと思っているので、まずはしっかりとサイト来訪を促すこと。その上で、結果をもとに次のアクションを判断し、スピーディーにチューニングしていきたいとお伝えしました。

濱:広告効果を素早く的確に把握して、素早く次のアクションを起こす。そのオーダーに対応する形で開発したのが、「レスポンスコネクター・ダッシュボード」です。

【レスポンスコネクター・ダッシュボードとは】
CM1本ずつに対し、広告主が設定したKPI項目と紐づけすることにより、出稿効果を細かく検証するツール。どの曜日・時間帯でCMに効果があったかを分析し、ユーザーへの「即時的な広告効果」を可視化。さらには、質の高いユーザーの反応、すなわちLTV(Life Time Value)など、「中長期的な広告効果」も継続的に分析することが可能。本ツールの計測ロジックは特許出願中で、既に50社以上に提供実績有(リリースはこちら)。


濱:レスポンスコネクターは、資料請求や電話問い合わせ、SNS投稿など、テレビCMに対するさまざまな“レスポンス”を可視化できるのですが、今回は「サイトへの新規来訪数」をメインに据え、3サービス別の来訪者の特性の分析指標を山﨑さんと議論しながら決めていきました。

阪口:レスポンスを測るシステム自体は以前からあったのですが、これまでは目的が明確でなかったため活用がされておらず、人の手で作業していたので分析に時間がかかっていました。ダッシュボードで広告効果を翌日に確認できる機能がこのツールの特長です。「STORES」のマーケティングは、ダッシュボード形式でなければ対応できないくらいのスピード感だったということですね。

レスポンスコネクター・ダッシュボード

「認知と刈取、分けて考えるのっておかしくないですか?」

濱:最初のオリエンで忘れられないエピソードがあって。我々は広告の役割を「認知」と「刈取(購入、登録などのコンバージョン)」に分けて考えることが多く、テレビCM戦略について山﨑さんのオリエンを聞いたときも「今回のオーダーは刈取CMですよね?」と無邪気に質問したんです。

すると、「え、認知と刈取、分けて考えるのっておかしくないですか?レベル低い話をしていません?」とめちゃくちゃ怒られたんですよね。

山﨑:思い出しました(笑)。

阪口:その場にいた電通メンバー全員の背筋が凍るという……(笑)。

山﨑:認知を上げることと、コンバージョンを取ること、これは一緒にやらないと意味がないと思っています。なぜ別々の仕事になってしまうかというと、普通は異なる部署でそれぞれを考えているからです。広告会社も得意分野があったりして、認知とコンバージョンをそれぞれ別の会社が考えるケースもあります。

でも、ユーザー目線で考えると、そこが分かれているのは企業や広告会社の都合でしかないんです。自身の購買体験を振り返ってみても、CMを見て検索から購入まで一気にやることって普通にありますよね。僕はそれを15秒でできると信じていますし、いま実現できています。

濱:最初に指摘されたときは困りましたけれど、山﨑さんの話を聞けば聞くほど本当にその通りだなと思って。どうすれば認知と刈取を一緒にやれるか?という思考に切り替わりました。

阪口:一気に視野が広がりましたよね。うちのメンバーも最終的には「このプロジェクト、面白い!」って喜んでくれて(笑)。これが全ての始まりというか、ここまでずっと山﨑さんと私たちで建設的な議論が続けられている理由だと思います。

山﨑: 私の仕事は認知まで、私の仕事はコンバージョンから。よりは、ブランド全体の正しさを議論した方が楽しいですよね。その方が視点もぶれにくくなりますし、役割の縮小最適化も防げます。

レスポンスコネクター・ダッシュボード

目的、仮説がデータの価値を向上させる

阪口:先ほど、「レスポンスコネクター・ダッシュボード」は、「STORES」のマーケティングのスピード感に合わせて生まれたと言いました。実際、出稿のPDCAを回すスピードの速さは他に例を見ないものです。

出稿の結果をもとに、毎週ミーティングをして、仮説検証と次のアクションをその場で決定。週の後半には、放送エリアや時間帯、素材選択のチューニングを完了して、オンエアしています。テレビCMのPDCAサイクルは通常2、3カ月で回すことが多いので、異常な速さですよね。

レスポンスコネクター・ダッシュボード

濱:そうですね。CM放送後、キャンペーンデータを頂いて、2週間かけて分析してパワーポイントに落とし込み、その資料をクライアント内部で2週間検討していただき、その判断を2、3カ月後のCMに反映する。このくらいのスピード感が一般的です。

山﨑:でも、マーケットは待ってくれないですからね。特にここ数年は消費行動の形もどんどん変化してますし、都道府県ごとにデジタル化の状況も異なります。

緊急事態宣言時はネットショップのニーズが高まるんじゃないか。一方で、外出可能なエリアは店舗来訪もできるので、キャッシュレス決済のCMも流すべきじゃないか。リアルタイムの状況に合わせて適切なクリエイティブやベネフィットを、いかに早く正確にご提案できるかが勝負なんです。

阪口:今回、テレビCMを制作する際には、「ネットショップも、キャッシュレス決済も、オンライン予約もできるブランド」を伝える、「お店のデジタル、まるっと。篇」のほかに、山﨑さんのオーダーで、3サービスを別々に訴求する素材や、CTA(Call To Action)(※)に特化したバージョンも作りました。

※CTA(Call To Action):検索などの行動を誘導させること。付随して検索窓を入れたり、ナレーションなどを入れること。


そして、レスポンスコネクターの数値を見ながら、あるタイミングで、オンエアする素材比率を変えたり、CTA特化のバージョンに切り替えたりしたところ、サイトへの誘導効率が3倍も向上したんです。

山﨑:あれはCMの効果をまざまざと実感して、CM制作に取り組むみんなが盛り上がりましたね。

阪口:週次ミーティングでCMの切り替えが決まり、数日後には反映され、1週間後のミーティングで効果検証を行い、次のアクションを決める。社内の人間からは「テレビCMなのに、デジタル広告並みにPDCA回しているよね?」と驚かれました(笑)。

濱:山﨑さんの判断スピードが、スタートアップの中でも恐ろしいほど早いんです。

レスポンスコネクター・ダッシュボード

山﨑: 早い方が良くないですか?(笑)

あとは、上司にCM効果のレポートを出すために「レスポンスコネクター・ダッシュボード」を使っていない、という点もあります。ダッシュボードの計測データを社内に展開すれば“やってる感”は出せます。でも、マーケティング責任者として僕がやるべきことはそれではない。数字をもとに仮説を立てて、次のアクションを素早く判断し、結果を出すことです。

濱:CM出稿の結果だけ見せるのが「レスポンスコネクター・ダッシュボード」であり、その結果をどう判断するかが非常に重要ですよね。

山﨑:テレビCMの反応を素早く可視化できるようになったことは画期的です。しかし、どんなにデータが揃っていても、それをアクションに活かせなければ全く意味がありません。「レスポンスコネクター・ダッシュボード」のデータを考察の軸に使い、それ以外の外部データも補強しながら判断していく。「レスポンスコネクター・ダッシュボード」があることで仮説が出せるし、その精度も上がるというイメージです。

阪口:山﨑さんがおっしゃる通り、システムやデータがあるからみんな同じことができるわけではありません。企業のマーケターが明確な目的や仮説を持ち、結果の考察と具体的なアクションを示せなければ、どんなデータも無駄になってしまいます。

PDCAを回すってこういうことなのか!と、お恥ずかしいですが山﨑さんに教えてもらいました。

濱:その気づきがあったからこそ、阪口さんもスピード感を持って、CM枠の選定やバイイング、各テレビ局との交渉やマネジメントなどができたんじゃないですかね。

クライアントの明確な意思決定と判断スピード、プランナーのツールを駆使した仮説検証、営業の調整力と実行力が揃えば、テレビCMでも高速PDCAを回して、事業を拡大していける。今回、heyと電通が二人三脚で取り組んだ「STORES」のCM施策を通して、このことを証明できたと感じています。

―次回は、視聴者に伝わるテレビCM制作のポイントやメディアの考え方をお届けします!お楽しみに!

鳥インフル、過去最多の殺処分約1千万羽…なぜウィンドレス鶏舎で?経営大規模化が仇に

 日本で過去最大規模の高病原性鳥インフルエンザ感染が広がっている。3月13日に栃木県芳賀町で新たに鳥インフルエンザが発生し、この採卵鶏農場を含めて52農場で殺処分された鶏は計986万羽にも及び、過去最多だった183万羽の5.4倍以上に及んでいる。

 今回の流行は、主に「H5N8」というA型の鳥インフルエンザで毒性が強い高病原性のタイプであるが、感染から死亡までの期間がこれまでの2〜3日から6日に伸び、感染に気づきにくいといわれている。ヨーロッパで「H5N8」の感染が広がるなか、日本での感染拡大は渡り鳥がウイルスを持ち込んだことによるものである。渡り鳥はウイルスによる致死率が低いといわれる。

 今回の感染拡大では、注目すべき2つの特徴がある。ひとつは、この間の採卵養鶏経営の規模拡大の進行が、被害の拡大をいっそう深刻化させた点である。1990年には8万6500戸あった飼養農家は、2020年には3300戸と3.8%の規模まで縮小し、1戸当たりの採卵鶏飼養規模は1583羽から4万3000羽と27倍にもなっている。今回被害を受けた経営体では、1カ所で最大115万羽にも及んでいる。そのため、一度感染すると大規模に殺処分され、それも自治体や自衛隊の力を借りなければ処分できない状態に陥っている。

 もうひとつの特徴は、鳥インフルエンザ予防の切り札ともいわれてきたウィンドレス型の鶏舎で広がったという点である。野鳥が鶏舎内に入り込まないように窓がまったくない鶏舎だが、鶏糞の処理や餌も自動で処理されている。現在、日本ではこのウィンドレス型鶏舎が大規模に展開され、養鶏経営の規模拡大に拍車をかけていると。光が入らない構造で、養鶏業者は鶏がとる餌の量を減らすために鶏舎内の照明を極力減らし、薄暗い中で飼育している。

 高密度のケージ(バタリーケージ)飼育で、幅60センチ奥行き40センチのケージの中に10羽の鶏が押し込められており、アニマルウェルフェアなどどこ吹く風である。養鶏業者としては、鳥インフルエンザは絶対発生しないとの安心感からこのウィンドレス型鶏舎をどんどん導入してきたのだが、その神話が見事に崩壊した。養鶏業者からは、「うちの設備でも感染してしまうのか。これから防疫をどうしたいいものか」「明日はわが身。あとは運しかない」(共に2月10日付東京新聞より)との声が出ている。

養鶏経営の見直し急務

 農林水産省の疫学調査によれば、野鳥は防げても、ネズミや猫の侵入が認められたり、飼育担当者の靴の洗浄が不十分であったり、手指の洗浄が十分なされていなかったりといった事例が認められている。人や小動物によりウイルスが持ち込まれているのである。

 養鶏経営ではアニマルウェルフェアをどのように導入するのかが重要な問題となっているが、経営規模拡大や鳥インフルエンザに対する適切な防疫対策のあり方など、総合的に見直さなければならない時期に直面しているといえる。

 今回の感染拡大で国内の採卵鶏の4.4%が殺処分されたため、鶏卵の不足と価格上昇に懸念が広がっている。新型コロナウイルス感染拡大を受け、外食をはじめとする業務用需要が落ち込んでいるため、深刻な供給不足は生じていないとみられるが、今後の予断は許せない。

(文=小倉正行/フリーライター)

●小倉正行

1976 年、京都大学法学部卒、日本農業市場学会、日本科学者会議、各会員。国会議員秘書を経て現在フリーライター。食べ物通信編集顧問。農政ジャーナリストの会会員。

主な著書に、『よくわかる食品衛生法・WTO 協定・コーデックス食品規格一問一答』『輸入大国日本・変貌する食品検疫』『イラスト版これでわかる輸入食品の話』『これでわかる TPP 問題一問一答』(以上、合同出版)、『多角分析 食料輸入大国ニッポンの落とし穴』『放射能汚染から TPP まで 食の安全はこう守る』(以上、新日本出版)、『輸入食品の真実 別冊宝島』『TPP は国を滅ぼす』(以上、宝島社)ほか、論文多数

Vプリカ支払い、電話番号を要求…活況の恋活・婚活アプリ、巧妙な詐欺の被害多発

 春は出会いの季節である。新型コロナウイルス感染拡大で、出会い系アプリによる恋活、婚活も従来より格段に市民権を得た。ところが、その流れにつけ込む詐欺が横行し、巧妙な手口で男性をだまし金銭を巻き上げる被害が多発しているという。

婚活アプリ最大手で詐欺アカウントが跋扈

「まさか最大手の恋活・婚活アプリで詐欺アカウントが入り込んでいるなんて思いませんでした」――。こう肩を落とすのは、国内最大級の恋活・婚活マッチングアプリ「Pairs(ペアーズ)」を利用して詐欺被害にあった会社員男性の八木裕さん(仮名、33)。今後の被害防止につながればと筆者に情報提供してくれた。以下、具体的な手口についてみていこう。

 ペアーズは2012年にサービスを開始し、今や1000万⼈以上のユーザーがいるとされる。自分の写真やプロフィール、年収などを登録し、相手の異性とマッチングすればメッセージ交換でき、デートなどができるという仕組みだ。八木さんも昨年から登録し、婚活にいそしんでいたという。以下は八木氏の弁。

「ある日、アプリを利用していたところ、22歳の彩子という女性のプロフィールが目に留まりました。台湾からの留学生と書いてあり、LINEのIDが直接書いてありました。写真がすごく可愛かったので、好意を示す『いいね!』ボタンを押した後、待ちきれなくなって、そのIDを直接登録したのです。そうしたら、10分くらいでLINEで、『コロナで台湾に帰るに帰れないし、アルバイトもない。何とか援助してくださいませんか』という旨の片言の日本語で書かれたメッセージが来た。その後、水着や下着姿の写真も送ってくるようになり、私もついつい会うことに応じ、彼女が送ってきた住所のマンションの前まで行ってしまった」

足の付かないネット専用プリペイドカードでの支払いと電話番号を要求

 その後、途端に彩子は詐欺師の本性を現す。マンションについた八木さんがLINEでメッセージを送ると、「現金での支払いは逮捕、強制送還か200万円の罰金を払わないといけない。私の友達もそれで逮捕されたから、安心のためにネット専用プリペイドカード『Vプリカ』で支払ってほしい」との返事。このVプリカはコンビニなどで購入でき、ネットショッピングでのみ利用できるもの。身分証なしでも手軽に購入できるのがメリットだが、詐欺犯が現金をロンダリングする手段として使用するなど近年は犯罪利用が問題視されている。

 この彩子の提案を八木さんも疑問に思い、とにかく直接会ってほしいと要望したが、「私はただの女子大生だから怖い」と頑なに会おうとせず、「とにかく1万円を払ってくれれば信頼する」とつれない返事。以下は再び八木さん。

「まあ、1万円くらいならいいかと軽い気持ちで購入し、Vプリカの番号を写メで送りました。この番号を会員サイトに打ち込めば、購入した金額分がネットで使用できるのですが、その後で彼女は『警察とか友達に暴力を振るった人じゃないか確認したいから、電話番号を教えてほしい』と言ってきた。さすがに電話番号は怖いので断ったところ、『私の友達はおかしな客が暴れて大怪我をした。犯人は捕まっていない。電話番号が無理なら保証金2万円を先に払ってもらって、後から部屋に来た時に現金で返す』と言ってきた。現金が手元にあることを示すために1万円札2枚が写った写真を送ってくる念の入りようです。さすがにこれは私もおかしいと思い、その日はもう帰ることにしました」

 ここまでなら、八木さんが1万円をだまし取られただけだが、被害はこれで済まなかったという。

マメなメッセージとエロ写真で巧妙なアプローチ

 モヤモヤした気分を抱えながら、一日が経った八木さんに彩子から再びメッセージが来た。

「昨日は驚かせちゃったかもしれない。ごめんなさい。でも、私の置かれた状況も考えてほしいの。せっかく日本に来たのにお金もない。誰も守ってくれず、もし客から怪我をさせられたら泣き寝入り。保証金は必ず返すから、会いに来てくれない?」

 このメッセージと同時に、今撮影したとされる下着姿の写真も送られてきて、その後も熱心な片言のメッセージが続いたという。

「たかだか2万円にここまで手間をかけるものだろうか?」――。八木さんは迷ったが、もう一度指定されたマンションへ赴いた。そして近くのコンビニで2万円分のVプリカを購入し、彩子にカード番号の写メを送信した。彩子の言う通りにしたわけだが、そこは詐欺師、前言撤回したという。

「私のバックは⼭⼝組と福建マフィア」と脅迫

「『やっぱり電話番号を教えてほしい』と言い始めて、さらに保証金3万円を要求してきたのです。さすがに頭にきて文句を言ってやろうとLINE電話をしましたが出ず、『なんで言うこと聞いてくれないの?』などという若い女性の音声データのみがこちらに送信されてきました。その後はメッセージで『今までの3万円を全額返さないと警察に通報する』『返さない、3万円追加しろ』という押し問答が続いて、どちらもしびれを切らしてきたころ、彩子がいきなり日本語、中国語、英語で同じ内容のメッセ―ジを送りつけてきたのです」

 いかなるメッセージだったのか。要旨は以下の通り。

「もし通報したら、警察や裁判官にたくさんの知り合いがいる『社長』が違法買春であなたを警察に逮捕させ、数百万円の罰金を払わせることになる。あなたの家族や知り合いにも連絡が行く。社長はこのあたりの顔だ。山口組や福建マフィアみたいな強大な勢力を持っている。もし客とトラブルになった場合、山口組のメンバーが駆けつけて、手足を切り落とす。あなたもそうなりたいか?」

 まるで漫画のような脅し文句がアホらしくなった八木さんは彩子をLINEでブロックした後、こりごりしてその場を去ったという。

中華系の犯罪集団がテンプレを用意してカモを待つ

 八木さんに非があるのは間違いないが、今回の詐欺集団はカモを巧みにはめる手口をシステマチックに構築している点が特徴といえる。

 まず、ペアーズはGmailなどのフリーメールでアカウントを容易に開設できる。公式ホームページによると、「お相手と交流する前に本人確認が必須」とされているが、逆に言えば、マッチングしメッセージをやり取りする段階ではそれは必要なく、LINEのID交換自体はできるということだ。このため、八木さんのケースのようにプロフィールに直接LINEのIDを書き込むなど、悪意のあるアカウントが下心のある男性を釣ることは可能となる。

 八木さんからの情報提供から、筆者もペアーズだけでなく複数の出会い系アプリに登録し調査したところ、その多くに同様の詐欺アカウントが確認できた。特徴がいくつか浮かび上がったのでご紹介する。(1)年齢が20~23歳、(2)写真がモデルのような美人、(3)自己紹介が片言の日本語で書かれている、(4)出身が台湾かシンガポール、(5)LINEのIDが直接プロフィールに記載されている、(6)LINEのIDが英数字で4桁と非常に短い。アプリ当局もクレームが増えて怪しいアカウントを停止するなどの対応をしているためか、日本人に外注したと思われるほど流ちょうな日本語の自己紹介文を掲載したり、写真の中にさりげなくLINEのIDを仕込んでいたりするなど、さまざまな手法で監視の眼をかいくぐろうとする動きもみられる。組織犯罪に詳しいジャーナリストはこう解説する。

「話を聞いた限り、中国か台湾の系統の犯罪組織であると推測されます。まったく日本語がわからないとカモを誘導できないので、両国からの留学生や留学生崩れをプロ集団が雇い入れて組織的な犯罪行為をしている可能性が高い。英語と日本語のテンプレートを持っていたということですから、片言の日本語で通じない部分は英語と混ぜてコミュニケーションをとっていたのでしょう。あらかじめパターンに応じたテンプレを用意している点で、それなりの組織とみて間違いない。オレオレ詐欺のようなマニュアルもあったかもしれません。

 彼らの⼿法は、まず出会い系アプリに登録し、LINEにカモを誘導するまでがステップ1。そこからはエロ写真とかで男の下心をくすぐって、住所を送れば信用する男も出てくるため、そこで会う約束をするのがステップ2。Vプリカのような足が付きにくいネット専用プリペイドカードを買わせて番号を送らせるのがステップ3。あとはできるだけ懇切丁寧にメッセージを送って1円でも多くプリペイドカードを買わせるのがステップ4です。

 詐欺犯罪は基本的にカモがどう動くかを予想して仕組みをつくります。向こうの口車に一度乗った時点で逆転することはほとんど不可能なので、まず関わらない。関わってしまった場合は傷が広がらないうちに一刻も早く逃げるべきです。今回のケースでは八木さんは電話番号を教えませんでしたが、教えていたら脅し役の人間が『違法買春しようとした』などと直接電話で脅迫してくる可能性もあります。教えた電話番号そのものが悪用されることも考えられます。

 彩子が送ってきた山口組云々の馬鹿馬鹿しいメッセージは、指定暴力団の名前を出して脅した時点で脅迫罪や強要罪などが成立するので一向に気にしないでいいのですが、気の弱い人の場合、数万円では済まない額を脅し取られてもおかしくない」

 今回の八木さんのケースは典型的だが、こういう違法買春にからめた組織犯罪の被害者は自分にも負い目があるため、警察に通報しにくく表に出にくい。社会的にも自業自得と言われたらそれで終わりで、ただカネを騙しとられて泣き寝⼊りするしかない。後悔先に立たず、である。

 多忙で時間のない現代人にとって、出会い系アプリは恋人や結婚相手を探す貴重な手段だ。しかし、犯罪は常に社会に適応し、心のスキを狙っていることも忘れてはいけない。利用者は怪しいアカウントは無視し、アプリ当局側も安全・安心な出会いの場を提供できるよう監視を強化していただきたいものだ。

(文=松岡久蔵/ジャーナリスト)

●松岡 久蔵(まつおか きゅうぞう)

Kyuzo Matsuoka

ジャーナリスト

マスコミの経営問題や雇用、農林水産業など幅広い分野をカバー。特技は相撲の猫じゃらし。現代ビジネスや文春オンライン、東洋経済オンラインなどにも寄稿している。ツイッターアカウントは@kyuzo_matsuoka

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IKEA、春に買うべき便利グッズ5選!驚異的コスパのスプレーボトル、携帯電話ホルダー

 世界的な家具メーカーとして、もはや言わずと知れた存在であるIKEA。1943年にスウェーデンのエルムフルトで創業してから実に80年近くの歴史を誇る一方、時代を見据えて積極的に新たな取り組みを行う会社でもある。

 最近では利用者から買い取った家具や展示品を販売するスペース「Circular Hub(サーキュラーハブ)」を展開しており、日本でも2月13日にIKEA港北で初めて設置。IKEA港北以外にも、今年の夏までにIKEA仙台やIKEA神戸など国内8店舗でオープンする予定だと発表されている。

 そんなIKEAの商品は、優れたデザイン性と価格の安さ、性能の高さを併せ持つことからファンが多く、それはメインの家具だけでなく日用品でも例外ではない。

 今回「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」は、数多いIKEAの商品を独自にリサーチし、「この春、買うべきアイテム」5つをピックアップ。転勤・転職や子どもの入学などのライフイベントが多い春に相応しい商品を中心に選んだので、IKEAでの買い物の参考の一助としてほしい。

TOMAT トマート(スプレーボトル)/99円(税込、以下同)

 新しい年度を迎える春の季節は、心機一転して新しいことにチャレンジしようと考える方も多いだろう。そのなかでも観葉植物やハーブ、花などの栽培は、草花の鮮やかな色合いでフレッシュな気分になれることから、春に始める趣味の定番とされている。そういった草花の栽培で役立つのが、スプレーボトルの「TOMAT トマート」だ。

 オレンジピンク、ホワイト、ライトターコイズの3色が用意されているTOMATの最大の特徴は、コスパの優秀さにある。ポリプロピレンプラスチック製のボトルは長さ27cmで容量は350mlと容量が大きく、ノズルの先端を回すと霧状から直射への切り替えも可能。それでいて99円という低価格は驚きを覚える。

 単色のシンプルなデザインにスリムな形状は、あらゆる部屋に馴染み、置き場所に困らない。草花の水やりだけでなく窓ふきなど水を使う掃除や、消毒用アルコールの噴霧などにも活用できるので、一家に一本あると重宝するだろう。

PRICKIG プリッキグ(電子レンジ用ふた)/129円

 コンビニやスーパーで購入した惣菜を電子レンジで加熱するなど、自分で料理をつくる方でなくても、意外と使用する機会が多いラップ。しかし、基本的にラップは1回使ったらそのままゴミになる消耗品のため、頻繁に使う方だといちいち買い足すのが億劫に感じることもあるだろう。

 そういったラップの煩わしさを解消してくれるアイテムが、電子レンジ用のふたである「PRICKIG プリッキグ」。直径26cm、高さ9cmとかなり大きめで、ふたの上部に通気孔が開いていて耐熱温度が100度となっているため、電子レンジで加熱調理するあらゆるシチュエーションで使うことができる。

 食器洗い乾燥機対応なので、使用後の手入れも簡単。サイズが大きいため収納時にやや場所を取るのが難点だが、サッとふたで皿を覆うだけで加熱調理できるという手軽さを考えれば、欠点を補って余りある商品だ。

TJENA ティエナ(デスクオーガナイザー)/799円

 転勤・転職で新生活をスタートさせる方が多いこの季節は、新しい職場や新しい家で使用する整理・収納アイテムを買い揃える季節。IKEAでもさまざまなデスクオーガナイザーが販売されているが、「TJENA ティエナ」はそのなかでも自由度の高さから評価を受けている。

「幅17.5cm、奥行き25cm、高さ2.8cm」「幅8.8cm、奥行き24.6cm、高さ17cm」「幅8.2cm、奥行き8.2cmで、高さが5cm、9cm、13cmの3種」の合計5つのボックスで構成されるこの商品。それぞれが固定されていないので、5つのボックスをまとめて配置してもよし、すべてバラバラの場所で使ってもよしと、自由自在に使える。

 真っ白な紙が素材になっているので、シールやステッカーの貼り付けや着色などカスタマイズの面白さがあることも特徴的。身の回りの小物や書類を楽しく、綺麗に整理するのに打ってつけのアイテムといえるだろう。

VARIERA ヴァリエラ(ボックス)/599円

「VARIERA ヴァリエラ」は、2019年5月24日付当サイト記事『IKEA、感動モノの“お片付け”収納グッズなど厳選5品!数百円なのに超便利&オシャレ』でも紹介した収納ボックス。新生活に合わせて整理・収納アイテムを購入する機会が多い今、改めて紹介させていただきたい。

 大きな魅力は、収納スペースとその素材、デザインにある。幅33.5cm、奥行き24cm、高さ14.5cmと広めに取られていて、PET樹脂製なので丈夫かつ汚れたときの手入れも簡単で、真っ白のシンプルなデザインのため、場所を選ばずに使うことができる。

 また、取っ手が付いていてボックス自体の取り出しや持ち運びがしやすいことも嬉しいポイント。キッチンや冷蔵庫の調味料などの整理や、職場の書類置き場、子どもの道具箱などいろいろなシチュエーションで活用してほしい。

SIGFINN シグフィン(携帯電話ホルダー)/499円

 この1年で飛躍的に増えたであろうビデオ通話の機会。スマホを使ってビデオ通話するシチュエーションで困るのがスマホのセッティングで、ちょうどいい角度で固定するには時間や手間がかかり、手で持って話そうとすると手ブレするなど、苦労する場面は多い。

 そんなスマホでのビデオ通話によるセッティングの煩わしさを解消してくれるアイテムが、「SIGFINN シグフィン」。幅13cm、奥行き12cm、高さ18cmと大画面のスマホを置くのにも十分なサイズで、顔を映すのにちょうどいい角度ながら、それほどスペースを取らないことが特徴とされる。

 さらに、配線用の穴が開いているため、充電ケーブルを付けながら通話することもできる。実際に使用してみたところ、原材料の木材のニオイが少々気になるが、ビデオ通話だけでなく動画の視聴やゲームのプレイも適切な距離を保ってできる便利さを感じた。スマホを触る時間が長い方にはオススメしたい。

 ここまで紹介してきた5商品は公式オンラインストアでも取り扱われているので、IKEAの店舗に足を運べない方でも購入可能。また、オンラインストアの商品ページからは店舗の在庫状況も確認できるので、賢く活用して快適なショッピングを楽しんでほしい。

(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)

※情報は2021年3月20日現在のものです。

「わきまえろ」発言・性差別問題の本質は、貧困化する日本の経済問題…富を奪い合う社会

 東京五輪・パラリンピック大会組織委員会森喜朗前会長による女性蔑視発言は、日本社会の後進性をあらためて世界に知らしめる結果となった。一連の発言は性差別に関する認識の欠如が原因という認識が一般的だが、それだけが理由ではない。日本におけるこの手の発言の背景には、経済的な事情が密接に関係しており、実は経済問題でもある。

差別発言の根底にあるのは経済問題

 森氏は2021年2月3日に開催された日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議員会で「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかる」などと発言したことで批判を浴びた。4日には記者会見を行って発言を撤回したものの、会見中の発言や態度などに再び批判が殺到し、結局は辞任に追い込まれた。

 森氏は「女性が入っている会議は時間がかかる」という発言に加え、「組織委員会の女性はわきまえている」という発言も行っている。「男性」や「わきまえている女性」は周囲の状況を配慮して発言を遠慮しているのに、「わきまえない女性」にはそうした遠慮がないという意味である。

 一連の発言は「女性は黙っていろ」という趣旨なので、明らかに女性差別的だが、「余計な発言をするな」「空気を読め」というのは、若者など相対的に立場の弱い男性に対してもよく発せられる言葉である。日本社会はこの手の発言が実に多く、相対的に力の強い人が弱い人に対し、威圧的・抑圧的に振る舞うことで秩序が成立していることがよくわかる。

 では、なぜこうした抑圧的な振る舞いがまかり通っているのかという点については、「古い意識から脱却できていない」という社会的な理由で説明されることが多い。実際、今回の出来事についても、意識改革が必要というのがコンセンサスと見てよいだろう。

 もちろん、旧態依然とした意識から脱却できないことが原因のひとつであることについて異論はないが、それだけは不十分だと考えている。社会的な「しきたり」には経済的な理由が関係していることが多く、今回のケースもそうである可能性が高い。逆に言えば、経済的な理由が関係しているのだとすると、意識改革を進めると同時に、経済面での対策も同時平行で進めなければ、十分に効果を発揮しない可能性もある。

 こうした威圧的・抑圧的な発言というのは、経済的に苦しい状況に陥り、限られた資源を皆が奪い合う状況において発生しやすい。現代的な民主主義あるいは資本主義というのは、基本的に成長が持続し、富の絶対値が増え続けることが前提となっている。

 実際、男女平等や多様性といった概念が徹底しているのは、経済的に極めて豊かな国や地域である。残念なことに、近年の日本経済はその基準を満たしておらず、経済的な苦境が、こうした前時代的な社会慣習の温存につながっている。

富が有限な社会で台頭する「わきまえろ」の概念

 前近代的な農村共同体はその典型だが、生産性が低く、経済規模の持続的な拡大が見込めない社会では、基本的に富の総量は一定であり、皆がその富を奪い合う形で競争が行われる。このような環境下で「万人の万人に対する闘争」を行えば、安全な暮らしは保証されない。

「万人の万人に対する闘争」は、政治学的には「自然状態」と定義される。近代国家の概念というのは、「自然状態」を脱却するために編み出されたというのが理屈上の解釈(社会契約説)だが、現実は少し違う。近代思想が生まれるはるか以前から社会には秩序が存在しており、その延長線上に近代国家が位置している。そして、前近代における秩序の源泉となっていたのは、暴力を背景にした従属関係であった。

 現代の国家においても、表面上は近代民主主義を標榜していても、前近代的な色彩を残している国は多く、ある意味では日本もその1つに分類できるだろう。大抵の場合、こうした国々では、有限の富をうまく分配するため、力の強い人が多くの富を得ることができるものの、独占はできないという「しきたり」が出来上がっている。

 立場が上にいくに従って得るものが多くなるが、あくまでグラデーション(連続的な変化)にすぎず、相対的な上下関係の連続が全体の秩序をもたしている。明確な社会契約によって、誰かが独裁的な権力を持つよう定められているわけではないという部分が重要だ。

 こうしたコミュニティの秩序を維持するためには、全員が自分の「分」をわきまえる必要がある。誰かが「自分だけはもっと富が欲しい」と言い出してしまっては、収拾がつかなくなるからだ。「わきまえろ」というセリフが出てくることの背景には、限りある富を分配しなければならないという経済的な制約条件が存在している。

 中世の時代までは欧州も含めて似たような状況だったが、産業が農業から工業にシフトすることで状況が大きく変わった。工業は農業とは異なり、大量生産が可能なので、社会が生み出す富を何倍、何十倍にも拡大できる。

 皆が分をわきまえて、ごくわずかな富を奪い合うよりも、それぞれが富を最大限に増やしたほうが合理的であり、これによって資本主義と民主主義が発展してきた。日本も江戸時代までは、農業が主力産業であり、産出できる富は限られていた。当然、「身分をわきまえる」ことが求められており、旧士族には切捨御免という特権まで与えられていた(現実はあまり行使できなかったが……)。

 だが、明治以降の近代工業化によって、こうしたしきたりは徐々に薄れ、完全な民主化と高度成長を実現した戦後には、ほとんど消滅していたはずだった。実際、昭和から平成の時代においては、氏のようなリーダーから、(ホンネはともかく)わきまえろといった発言が出てくることはほとんどなかった。では、なぜ令和の今になって、こうした発言が社会問題になっているのだろうか。

透明性を高めれば、それだけも絶大な効果がある

 それは日本経済の貧困化と密接に関係している可能性が高い。多くの日本人はあまり意識していないかもしれないが、日本経済は過去20年間ほとんどゼロ成長が続いており、これは経済学的に見るとかなりの異常事態である。実際、同じ期間で先進諸外国はGDPを1.5倍から2倍に拡大させている。

 各国には輸出入が存在しており、国民が消費する財の多くは輸入品である。このため、豊かさというのは絶対値ではなく、相対値で決まってしまう。日本が過去20年間でゼロ成長で、他国が1.5倍から2倍の規模になったということは、日本は相対的に半分から3分の2の水準まで貧しくなったことと同じである。

 実際、米国では大卒初任給が50万円を超えることは珍しくなく、iPhone(モデルによっては1台10万円もする)を購入する負担はそれほど大きくない。だが日本人の大卒初任給は20万円程度しかなく、iPhoneを買うためには、初任給の半分を費やす必要があり、負担感の違いはあまりにも大きい。

 平成末期から令和に入って、「わきまえろ」といった発言が社会問題になっているのは、決して偶然ではない。旧態依然とした体質が残っているところに、経済の貧困化という問題が加わり、それが富の奪い合いをもたらし、秩序を保つため、相対的に立場が低い人に対して、分をわきまえることを強く求めているのだ。

 筆者は「豊かになればこうした問題は顕在化しない」と主張したいわけでもなければ、「貧しいので差別発言があってもやむを得ない」と主張したわけでもない。差別的な価値観をなくすため、社会全体として価値観を変えていくことは当然のことだが、問題解決には経済的な視点も重要だと主張したいだけである。

 理想的には経済のパイが拡大することだが、現時点においてもできることはある。限られたパイの奪い合いになっているのであれば、富の分配を明文化・ルール化するだけでも状況は大きく変わるはずだ。オリンピック関連の組織はその典型だが、透明性が低く内部でどのような議論をしているのか、外部からチェックが入りにくい。

 組織の透明性を確保する仕組みを整えるだけでも、状況は大きく改善する。分配のルールが明文化されていれば、忖度したり密室で議論する必要もなく、各人が何かをわきまえる必要もない。対症療法的に見えるかもしれないが、目の前の問題を解決できなければ、根本的な解決など不可能である。

(文=加谷珪一/経済評論家)

●加谷珪一/経済評論家

1969年宮城県仙台市生まれ。東北大学工学部原子核工学科卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。独立後は、中央省庁や政府系金融機関など対するコンサルティング業務に従事。現在は、経済、金融、ビジネス、ITなど多方面の分野で執筆活動を行っている。著書に著書に『貧乏国ニッポン』(幻冬舎新書)、『億万長者への道は経済学に書いてある』(クロスメディア・パブリッシング)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)、『ポスト新産業革命』(CCCメディアハウス)、『教養として身につけたい戦争と経済の本質』(総合法令出版)などがある。

NHK・志村けん特集、お笑いの裏の凄まじい“身のすり減らしぶり”&マンネリへの執念

 昨年3月29日にお笑いタレントの志村けんさんが亡くなってから、早1年がたった。新型コロナウイルス感染拡大下ということもあり、葬儀は限られた親族のみで営まれ、お別れ会なども行われていないが、いまだに志村さんのお墓や自宅前には多くのファンが訪れ、お花などを置いていくという。

「実兄の知之さんが各メディアの取材に応じ明かしていますが、1周忌を迎えた今も、志村さんの自宅や遺産、さらには自宅に残された膨大な量のDVDや書籍類などが、整理できないまま手つかずで残っているようです」(週刊誌記者)

 志村さんといえば、多くのタレントたちに慕われ、連日のように東京・麻布十番界隈で飲み歩いていたことでも知られているが、一方では優香や橋本マナミなど、年の離れた女性タレントとの“恋仲”が報じられるなど、“モテ男”の一面もあった。生前の志村さんを知る関係者たちに取材したことがある週刊誌記者はいう。

「志村さんが飲むときは、いつもタレントや俳優などの同業者が複数いて、ワイワイ飲むスタイル。優香や橋本などとも2人きりで会うことはなく、いつも“飲み会メンバーのなかに彼女たちもいる”という感じで、恋人説も単なる噂にすぎなかったようです。志村さんの家政婦が『女性セブン』(小学館/4月8日号)の取材に対し、志村さんは自身が有名人ゆえに家族が危険な目にあったり、辛い思いをしたりすることを危惧して、結婚を避けていたと証言していますが、関係者たちの話を聞く限り、そもそも志村さん本人に結婚願望はなかったのではないでしょうか」

 また、別の週刊誌記者はいう。

「以前六本木にあった某高級クラブでよく志村さんに同伴していたという女性の話によれば、いつも同じ鉄板焼き屋で2人で食事をしてからクラブに入店し、そこに上島竜兵(ダチョウ倶楽部)などの後輩芸人が合流するというパターンが多かったようです。その女性いわく、志村さんはどちからといえば、いつも寡黙で、一緒にいて嫌な思いをしたことは一度もないということでした。また、麻布十番の行きつけのガールズバーには、一人でフラっと行くことも多かったといいます」

「とことんまで考えて考えて緻密に計算」

 そんな志村さんに密着したNHKのドキュメンタリー番組『プロフェッショナル 仕事の流儀 志村が最後に見た夢~コメディアン・志村けん~』が30日に放送され、素顔の志村さんをとらえた貴重な映像が多数公開され、大きな反響を呼んでいる。

 志村さんはすでに“大御所芸人”としての地位を築いていた65歳のとき、普段多用する扮装やギャグを一切使わずに“素の状態”で演じるコント番組、『となりのシムラ』(NHK)に挑んだという。

「素では俺、そんなに面白くないんですよ。それがカツラとか役に、その人になると、何かできるのね。大胆なことがいける気がする」(志村さん)

 その番組内で演出を担当した吉田照幸氏は、志村さんに何度か“ラーメン屋の行列に並ぶ”という設定のコントを提案したが断られ、「俺、行列に並んでまで、ラーメン食わないから」と言われたという。

「ものすごくマス(多数)の人が体験していることと、よくニュースにはなるけど体験してないことっていう仕分けは、すごいはっきりされてました。『ラーメン屋』『行列』っていう今どきのことを外した結果、“蕎麦屋に来て食えなかった”というコントに結局なるんですよね。それは、誰にでも“食いたいものを食いに行ったら、食えなかった。じゃあ、他のものを食えるかっていったら、それは嫌だ”。そういう原始的なところまで落とし込んでるわけですよね。だから、どれもシンプルですよね、結果的に」(吉田氏)

 志村さんの挑戦はこれだけではない。56歳になって舞台『志村魂』を始め、以降、亡くなるまでの14年間、毎年、全国各地で公演を行っていた。その理由について、志村さんはこう語る。

「テレビだけだと、そのなかでスタッフは笑ったりするんだけど、ちょっと不安になるんだよね。舞台でやると、お客さんの反応と拍手と笑い声が、すごい自分の勇気と自信になっていくのね。『じゃあ、やっててよかった。これでもう1年、このままでいける』と思うわけだよ」

 番組内では志村さんの意外な一面が垣間見える場面もみられた。これまでゴールデン帯をはじめ数多くの冠番組を持ってきた志村さんだが、コント番組の収録前夜には緊張して眠れないことも多かったという。

「寝ようとするんだけど、『あっ、そうだ、あそこ、どうしようかな』って、自分で不安なところが10カ所くらいあったりするんで、そこをセリフ考えにいったりとかね。もう不安で寝られなくなっちゃうんですよ。結構、僕、気が小さいんですよ。こう見えても。受けなかったら怖いっていうのがあるんで、だから、とことんまで考えて考えて緻密に計算してやってくんですよね」(志村さん)

「マンネリって言われるのが、全然怖くもなんともない」

 このほかにも、「バカ殿」や「ひとみばあさん」「変なおじさん」など、定番のキャラクターやギャグをやり続けた理由について、志村さんが説明する貴重なVTRも流された。

「ベタをもっとちゃんとやらないといけない、と思ってるんですよ。ベタって、みんなバカにしてやらないけど、本当はベタなやつをタイミングと間を良くやったら、すっごいいいもんになるんですよ。マンネリが僕、好きなんですよ。毎回見ても面白いのが理想。マンネリって言われるのが、全然怖くもなんともないですよね」(志村さん)

 こうした身をすり減らす覚悟でお笑いに向き合い、最後までストイックな姿勢を崩さなかった志村さんに迫った今回の『プロフェッショナル』の放送内容を受け、Twitter上は次のような声が多数あがっている。

志村けんという人間の凄さに改めて気づかされた>(原文ママ、以下同)

<プロフェッショナルの志村けんの回最高だった。。また泣いてしまった。いい話>

<ギャグなりキャラクターなり、1つのことをとことんやり続けて「マンネリ」までいかないと、と。みんな展開もオチも知ってる。けど楽しんでる。マンネリと言われたい、と。志村けん氏の言葉に衝撃を受けたし、ある意味では救われた>

<笑いへの姿勢、仕事への姿勢。これぞプロ。たくさんの言葉を嚙み締めました>

 志村さんの凄まじいほどの“プロフェッショナル”ぶりが、多くの視聴者の心を打ったようだ。

(文=編集部)

 

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パチンコ「伝説シリーズ」初代は「保留玉連チャン」が魅力! 28年間愛され続けた“大物”がいよいよ登場!!

 パチンコアイドルキャラクターの先駆けともいえる、SANKYOの「夢夢(むむ)ちゃん」。同社マシンにおける「大当り濃厚」のプレミアムキャラとしても活躍する、その夢夢ちゃんの初登場は1992年のことであった。

 同社初のカラー液晶モニター搭載デジパチとしてデビューした、『フィーバーパワフルⅢ』。大当り確率は240分の1、大当り時の出玉は約2,400個で、9分割されたマスの縦・横・斜めのいずれかに7が揃うか、全マスにフルーツが停止(オールフルーツ)すれば大当りが約束される。

 大当り後は、保留玉2個目~4個目での大当り確率が16分の1まで大幅アップするのが大きな特徴。連チャン後は保留玉1個目から同確率で抽選されるため、連チャン期待度がさらに高まる仕組みだ。

 余談だが、9マス全てに7が停止する確率は約49億分の1との噂。あまりにも激低確率なことから、これを引き当てた遊技客には車をプレゼントするといった仰天イベントを催すホールもあったほどだ。

 そんな当機で、元気いっぱいな姿を見せてくれたのが夢夢ちゃんである。彼女は、フルーツや7を食べるとOL姿から強くて可愛らしいキャラへと変身。大当り時には「ラッキーチャチャチャ、フィーバー!」と遊技客を祝福してくれる。 

 このように、遊技機からボイスが発生するのは当機が初であり、大当り時のみならずデモ画面中にも喋ることから周囲を驚かせてしまうことも。こういった非常に珍しい要素も手伝って、4種類のセル(盤面)が登場するほどの大ヒットを記録した。

 ちなみに夢夢という名前は、当時30周年を迎えた同社が「夢・30」というキャッチフレーズを揚げていたことから、「夢を繰り返す」「夢を与える」との意味合いで考案されたとされている。

 そんな夢夢ちゃんとフィーバーパワフルの誕生から28年、同シリーズが定番コンテンツのひとつとしてファンに長く愛され続けたことは周知の通りであり、同社はこのほど、そんな節目を自ら祝うかのようにシリーズ最新タイトル『Pフィーバーパワフル』(製造:ジェイビー)の発売を発表した。導入は5月を予定しているという。

 リリース情報によると、当機はこれまでのシンプルな9ライン演出を継承すると共に、シリーズ初の遊タイムや新モードを搭載。大幅にパワーアップした、シリーズ最高の仕上がりとのことだ。

 過去シリーズの多くは老若男女を問わず楽しめるゲーム性だっただけに、その詳細が気になるところ。当サイトでも分かり次第、お伝えしよう。

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JRA グランアレグリア「距離延長」はむしろ大歓迎!? 大阪杯(G1)牝馬優位揺るぎなしもレイパパレには落とし穴

 4月4日、阪神競馬場では大阪杯(G1)が行われる。3冠馬コントレイルの始動戦として注目される一戦には、グランアレグリア(牝5歳、美浦・藤沢和雄厩舎)とレイパパレの牝馬2頭がスタンバイ。ともに有力候補として名前が挙げられる存在だ。

 思い起こせば、昨年は2、3歳戦を除く芝の牡馬混合G1で牝馬が牡馬を圧倒。天皇賞・春(G1)を制したフィエールマン以外は全て牝馬が優勝。昨年の大阪杯に至っては、ラッキーライラックとクロノジェネシスの牝馬2頭がワンツーを決めるなど、ここ数年は牝馬優位の時代が続いている。

 コントレイルに次ぐ人気が予想されるグランアレグリアは昨年、国内の短距離界を席巻。安田記念(G1)、スプリンターズS(G1)、そしてマイルCS(G1)で歴戦の牡馬たちを子供扱いした。一方のレイパパレは実績面で劣るが、これまで5戦全勝で未知の魅力にあふれる怖い存在だ。

 そんな牝馬2頭だが、データ的には「グランアレグリア>レイパパレ」という構図となりそうだ。

 2010年以降、芝の牡馬混合G1における牝馬の成績は「25-27-21-242/315」。14頭の牝馬が計25勝を挙げているが、牡馬相手にパフォーマンスを上げる条件の一つが、前走から距離を延ばしてきた時、いわゆる「距離延長時」である。

【牝馬の前走からの距離変動別成績、2010年以降、牡馬混合芝G1】
同距離 6-9-11-121/147(4.1%/10.2%/17.7%)
延長時16-8-5-65/94(17.0%/25.5%/30.9%)
短縮時 3-10-5-56/74(4.1%/17.6%/24.3%)
※カッコ内は左から勝率、連対率、複勝率

 同距離、延長時、そして短縮時という3つの条件の勝率を比較すると、距離延長時は17.0%で、同距離・短縮時の4.1%を大きく上回っている。マイルCSから2ハロンの距離延長が不安視されるグランアレグリアにとっては何とも心強いデータといえるだろう。

 さらに、距離延長組において、前走どのクラスを走っていたかも非常に重要である。

【距離延長組の前走クラス別成績】
G1 15-8-4-41/68(22.1%/33.8%/39.7%)
G2以下 1-0-1-24/26(3.8%/3.8%/7.7%)

 ご覧のように、距離延長組は前走でG1を使われていることが好走の絶対条件となっている。さらに、同じG1でも牝馬限定戦だった場合は、「2-6-4-27/39」(5.1%/20.5%/30.8%)で、牡馬混合G1の「13-2-0-14/29」(44.8%/51.7%/51.7%)に大きく見劣る。

 大阪杯で2番人気が予想されるグランアレグリアは、前走は牡馬混合G1のマイルCSだったので、すべてのデータが同馬を後押ししてくれている。

 一方、同じ牝馬でもレイパパレは、前走が今回と同じコースのチャレンジC(G3)。すなわち、データ上はあまり芳しくない同距離組だ。無敗馬とはいえ、ただでさえ相手関係が大幅に強化されるなか、データ的にも割引材料があって、さすがにここでは家賃が高いか。

 果たして、牝馬2頭はコントレイル相手にどんな競馬を見せてくれるだろうか。