「家族のためなら耐えられる…」北海道・日高地方にインド人が多い驚きのワケ – ニュースな本

北海道の日高地方に行くと、驚くほど多くの外国人とすれ違う。彼らは競走馬の“乗り役”の仕事で、遠いインドから来日している。そんな彼らを牧場に斡旋するエージェントだが、8万円で職場を紹介することもあれば、130万円を支払わせることもあるという。日本の片隅でたくましく生きる外国人たちの姿を追った。※本稿は、ノンフィクション作家の河野 啓『HHH インド人、ジャパンの競馬をHelpします!』(集英社)の一部を抜粋・編集したものです。

中国政府の自粛要請は空砲に終わる?春節「訪日客6割増」とインバウンド構造転換

●この記事のポイント
・中国政府の渡航自粛呼びかけにもかかわらず、春節期間の中国人訪日客は予約数6割増と急回復。背景には団体から個人旅行への構造転換と、宿泊単価上昇を支える富裕層需要があった。
・中国インバウンドは「戻った」が、中身は別物だった。政治リスクの影響を受けにくい個人旅行客が主役となり、安売り型と高付加価値型の宿泊業の二極化が鮮明になっている。
・春節の活況は一時的な回復ではない。特定国・団体依存の脆さと、体験価値で選ばれる観光地の強さを浮き彫りにし、日本の観光業に「真の自立」を突きつけた。

「もう中国客は戻ってこないのではないか」――。そんな悲観論が日本の観光業界に広がっていたのは、つい数カ月前のことだ。

 中国政府による日本渡航の“自粛呼びかけ”、処理水問題を背景とした反日世論の高まり。インバウンドの最大市場である中国が冷え込めば、日本の観光業は再び冬の時代に逆戻りする――多くの関係者がそう覚悟していた。

 しかし、その見立ては大きく外れつつある。宿泊予約システムを手がけるtripla株式会社の調査によれば、2026年2月の春節(旧正月)期間における中国からの宿泊予約件数は、前年同期比で約60%増。客室単価も2割前後の上昇が見込まれている。数字だけを見れば、中国政府の“呼びかけ”は、ほぼ空砲に終わったかのように映る。

 だが、この回復は単なる「元通り」ではない。その内側では、中国インバウンドの構造そのものが静かに、しかし決定的に変わり始めている。

●目次

関西・京都を直撃した「11月の悪夢」

 振り返れば、昨年11月から12月にかけての落ち込みは深刻だった。

 中国政府による事実上の自粛要請を受け、中国依存度の高かった地域ほど打撃は大きい。大阪観光局によると、年末までの中国客予約のうち、5~7割がキャンセルに。関西国際空港をはじめ、関西3空港では中国路線の減便・運休が相次いだ。

 影響は京都にも及んだ。団体客を主軸としてきた中堅ホテルの中には、稼働率を確保するため、1泊1万円以下まで価格を下げる「投げ売り」に踏み切る例も珍しくなかった。

 観光公害(オーバーツーリズム)が社会問題化する一方で、特定国・特定形態への過度な依存が、いかに脆弱かを露呈した局面だったといえる。

団体から個人へ――規制が届かない“聖域”

 では、なぜこの冬、これほど急速な回復が起きたのか。

 最大の要因は、中国人観光客の旅行形態が、完全に「団体ツアー」から「FIT(個人旅行)」へと移行した点にある。

 中国の大手旅行会社は、政府方針を意識し、団体ツアーの販売を抑制せざるを得ない。一方、今回の呼びかけはあくまで「自粛」にとどまり、個人の海外渡航までを強制的に止めるものではない。

 SNSや口コミを通じて情報を集める富裕層・リピーター層は、政治的な空気とは距離を保ち、日本行きを選択している。

 インバウンド政策に詳しい観光政策アナリスト・湯浅郁夫氏は、次のように分析する。

「中国政府にとっても、個人旅行まで強く縛るのは得策ではありません。航空会社、地方空港、関連産業への影響が大きすぎる。政治と経済の綱引きの中で、個人旅行は“事実上の聖域”になりつつあります」

 実際、中国国内では航空各社の業績悪化が続き、日本路線の需要は貴重な外貨獲得手段でもある。経済合理性が、政治的な締め付けにブレーキをかけている構図だ。

北海道スノーリゾートが示した「新たな勝ち筋」

 こうした構造変化を最も象徴しているのが、北海道だ。

 ニセコ、富良野といったスノーリゾートには今冬、スキーやスノーボードを目的とした中国人観光客が殺到している。彼らが求めているのは、かつての「爆買い」ではない。

 世界的にも評価の高いパウダースノー、温泉、食、滞在体験――いわば「日本でしか得られない価値」だ。

 北海道の宿泊業関係者は語る。

「価格を下げなくても、選ばれる。むしろ高くても“納得して泊まる”お客様が増えています。量より質への転換が、ここ数年で一気に進んだという感覚があります」

 結果として、全国的に見ても客室単価は上昇傾向にあり、春節期間の強気な価格設定が成立している。

「中国頼み」からの脱却と、二極化する宿泊ビジネス

 2月の春節を境に、インバウンド需要は数値上、V字回復を遂げる可能性が高い。しかし、今回の回復が突きつける現実は、決して明るい話だけではない。

 団体客を大量に受け入れ、薄利多売で回してきたモデルは、政治リスクが表面化するたびに大きく揺さぶられる。一方で、欧米豪やアジア諸国、中国の個人富裕層を見据え、高付加価値化を進めてきた施設は、価格競争に巻き込まれずに済んでいる。

「“中国が戻ったかどうか”という問い自体が、もう本質ではありません。重要なのは、どの中国客を、どの価格帯で、どう受け入れるか。ポートフォリオの分散ができているかどうかで、明暗ははっきり分かれます」(湯浅氏)

春節の狂騒曲が突きつけた試金石

 確かに、中国客は戻ってきた。だが、それは以前と同じ中国インバウンドではない。

 政治リスクに左右されにくい個人客、体験価値に対価を払う層、そして「安さ」ではなく「理由」で選ばれる地域と施設――。今回の春節は、日本の観光業が量の成長から質の成長へと本当に舵を切れるのかを試す、重要な分岐点となる。

 春節の狂騒曲は一過性の回復ではない。それは、日本の観光業が「中国頼み」から脱却し、真に自立できるかどうかを映し出す、静かな試金石なのである。

(文=BUSINESS JOURNAL編集部)

中国政府の自粛要請は空砲に終わる?春節「訪日客6割増」とインバウンド構造転換

●この記事のポイント
・中国政府の渡航自粛呼びかけにもかかわらず、春節期間の中国人訪日客は予約数6割増と急回復。背景には団体から個人旅行への構造転換と、宿泊単価上昇を支える富裕層需要があった。
・中国インバウンドは「戻った」が、中身は別物だった。政治リスクの影響を受けにくい個人旅行客が主役となり、安売り型と高付加価値型の宿泊業の二極化が鮮明になっている。
・春節の活況は一時的な回復ではない。特定国・団体依存の脆さと、体験価値で選ばれる観光地の強さを浮き彫りにし、日本の観光業に「真の自立」を突きつけた。

「もう中国客は戻ってこないのではないか」――。そんな悲観論が日本の観光業界に広がっていたのは、つい数カ月前のことだ。

 中国政府による日本渡航の“自粛呼びかけ”、処理水問題を背景とした反日世論の高まり。インバウンドの最大市場である中国が冷え込めば、日本の観光業は再び冬の時代に逆戻りする――多くの関係者がそう覚悟していた。

 しかし、その見立ては大きく外れつつある。宿泊予約システムを手がけるtripla株式会社の調査によれば、2026年2月の春節(旧正月)期間における中国からの宿泊予約件数は、前年同期比で約60%増。客室単価も2割前後の上昇が見込まれている。数字だけを見れば、中国政府の“呼びかけ”は、ほぼ空砲に終わったかのように映る。

 だが、この回復は単なる「元通り」ではない。その内側では、中国インバウンドの構造そのものが静かに、しかし決定的に変わり始めている。

●目次

関西・京都を直撃した「11月の悪夢」

 振り返れば、昨年11月から12月にかけての落ち込みは深刻だった。

 中国政府による事実上の自粛要請を受け、中国依存度の高かった地域ほど打撃は大きい。大阪観光局によると、年末までの中国客予約のうち、5~7割がキャンセルに。関西国際空港をはじめ、関西3空港では中国路線の減便・運休が相次いだ。

 影響は京都にも及んだ。団体客を主軸としてきた中堅ホテルの中には、稼働率を確保するため、1泊1万円以下まで価格を下げる「投げ売り」に踏み切る例も珍しくなかった。

 観光公害(オーバーツーリズム)が社会問題化する一方で、特定国・特定形態への過度な依存が、いかに脆弱かを露呈した局面だったといえる。

団体から個人へ――規制が届かない“聖域”

 では、なぜこの冬、これほど急速な回復が起きたのか。

 最大の要因は、中国人観光客の旅行形態が、完全に「団体ツアー」から「FIT(個人旅行)」へと移行した点にある。

 中国の大手旅行会社は、政府方針を意識し、団体ツアーの販売を抑制せざるを得ない。一方、今回の呼びかけはあくまで「自粛」にとどまり、個人の海外渡航までを強制的に止めるものではない。

 SNSや口コミを通じて情報を集める富裕層・リピーター層は、政治的な空気とは距離を保ち、日本行きを選択している。

 インバウンド政策に詳しい観光政策アナリスト・湯浅郁夫氏は、次のように分析する。

「中国政府にとっても、個人旅行まで強く縛るのは得策ではありません。航空会社、地方空港、関連産業への影響が大きすぎる。政治と経済の綱引きの中で、個人旅行は“事実上の聖域”になりつつあります」

 実際、中国国内では航空各社の業績悪化が続き、日本路線の需要は貴重な外貨獲得手段でもある。経済合理性が、政治的な締め付けにブレーキをかけている構図だ。

北海道スノーリゾートが示した「新たな勝ち筋」

 こうした構造変化を最も象徴しているのが、北海道だ。

 ニセコ、富良野といったスノーリゾートには今冬、スキーやスノーボードを目的とした中国人観光客が殺到している。彼らが求めているのは、かつての「爆買い」ではない。

 世界的にも評価の高いパウダースノー、温泉、食、滞在体験――いわば「日本でしか得られない価値」だ。

 北海道の宿泊業関係者は語る。

「価格を下げなくても、選ばれる。むしろ高くても“納得して泊まる”お客様が増えています。量より質への転換が、ここ数年で一気に進んだという感覚があります」

 結果として、全国的に見ても客室単価は上昇傾向にあり、春節期間の強気な価格設定が成立している。

「中国頼み」からの脱却と、二極化する宿泊ビジネス

 2月の春節を境に、インバウンド需要は数値上、V字回復を遂げる可能性が高い。しかし、今回の回復が突きつける現実は、決して明るい話だけではない。

 団体客を大量に受け入れ、薄利多売で回してきたモデルは、政治リスクが表面化するたびに大きく揺さぶられる。一方で、欧米豪やアジア諸国、中国の個人富裕層を見据え、高付加価値化を進めてきた施設は、価格競争に巻き込まれずに済んでいる。

「“中国が戻ったかどうか”という問い自体が、もう本質ではありません。重要なのは、どの中国客を、どの価格帯で、どう受け入れるか。ポートフォリオの分散ができているかどうかで、明暗ははっきり分かれます」(湯浅氏)

春節の狂騒曲が突きつけた試金石

 確かに、中国客は戻ってきた。だが、それは以前と同じ中国インバウンドではない。

 政治リスクに左右されにくい個人客、体験価値に対価を払う層、そして「安さ」ではなく「理由」で選ばれる地域と施設――。今回の春節は、日本の観光業が量の成長から質の成長へと本当に舵を切れるのかを試す、重要な分岐点となる。

 春節の狂騒曲は一過性の回復ではない。それは、日本の観光業が「中国頼み」から脱却し、真に自立できるかどうかを映し出す、静かな試金石なのである。

(文=BUSINESS JOURNAL編集部)

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