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都市総合力で東京が世界2位…「ナイトライフ」が1位、100億円級の経済戦略
●この記事のポイント
・森記念財団の世界都市総合力ランキングで、東京がニューヨークを抜き世界2位に浮上。その原動力は「ナイトライフ世界1位」という意外な評価だった。東京の夜は、なぜ世界最強になったのか。
・深夜の爆買い、スナック体験、高度化するナイトエンタメ。東京の夜は「観る」から「体験する」観光へ進化し、1人2〜3万円の高単価消費を生む成長市場になっている。
・26億円の噴水構想や都庁プロジェクションマッピングは浪費ではない。東京は夜間経済を成長エンジンに、100億円規模の波及効果を狙う都市経営へ舵を切っている。
2025年、世界の都市勢力図に激震が走った。一般財団法人森記念財団都市戦略研究所が発表した「世界の都市総合力ランキング(GPCI)2025」において、東京がニューヨークを抜き、ロンドンに次ぐ世界2位に浮上したのだ。
GPCIは、経済、研究・開発、文化・交流、居住、環境、交通・アクセスという6分野・約70指標で都市の競争力を測る、世界でも評価の高いランキングである。そのなかで今回、東京の躍進を決定づけたのが、「文化・交流」分野、とりわけナイトライフの評価で世界1位を獲得した点だった。
かつて「夜が早い街」と評されてきた東京は、なぜ今、世界で最も魅力的な「夜の都市」となったのか。その実態と、背後で動く巨大な経済戦略を読み解く。
●目次
ニューヨークを抜き去った「東京の夜」の正体
GPCIにおけるナイトライフ評価は、単なる飲食店の数ではない。深夜の文化施設、エンターテインメント、治安、回遊性、外国人の利用しやすさなど、都市が夜間にどれだけ“機能しているか”が総合的に評価される。
観光政策アナリストの湯浅郁夫氏は、こう指摘する。
「東京の強みは、治安の高さと24時間稼働する都市機能が両立している点です。世界的に見ても、この2つを同時に満たす都市は極めて少ない」
欧米の大都市では、深夜帯の外出には一定のリスクが伴う。一方、東京では深夜でも公共交通や徒歩移動が成立し、外国人旅行者にとって心理的ハードルが低い。この「安心して夜を消費できる環境」こそが、東京の最大の競争優位となっている。
インバウンドが熱狂する「東京の夜」の実態
爆買いから「スナック体験」へ
訪日外国人の夜の過ごし方は、ここ数年で大きく変わった。
① 深夜消費の定着
中国・東南アジア圏の観光客を中心に、21時以降の深夜帯にドン・キホーテなどを巡る「夜の買い物」は完全に定着。小売業界では、深夜帯売上の比率がコロナ前水準を上回る店舗も珍しくない。
② 「スナック」という文化資産
特に注目されているのが、スナックや路地裏居酒屋を巡るナイトツアーだ。新宿や上野で「スナックはしごツアー」を運営する事業者によれば、1人2万〜3万円という高単価にもかかわらず、予約は数カ月先まで埋まるという。
湯浅氏はこう分析する。
「東京の夜は、単なる消費ではなく**“関係性を体験する観光”**へ進化しています。これは他都市が簡単に模倣できない価値です」
東京都の勝負手
「2050東京戦略」とナイトタイムエコノミー
この潮流を一過性のブームで終わらせないため、東京都も動き出した。
2025年に策定された「2050東京戦略」では、ナイトタイムエコノミーの戦略的強化が明確に位置づけられている。
都庁プロジェクションマッピング
・累計来場者:100万人超
・経済効果:約18億円(都試算)
世界最大級「ODAIBAファウンテン」
・整備費:約26億円
・年間経済波及効果:約98億円(推計)
東京都関係者は次のように語る。
「狙いは観光名所ではなく、夜の滞在時間を延ばす“装置”をつくることです」
周辺産業に広がる100億円規模の波及効果
ナイトライフの活性化は、飲食や観光だけでなく、タクシー、警備、清掃、物流といった都市インフラ産業をも潤す。
仮に100億円の夜間消費が発生した場合、
・交通:15億円
・警備:8億円
・清掃:5億円
・物流:25億円
といった波及効果が見込まれる。
東京は「夜」から再起動する
一方で、騒音、ゴミ、労働負荷といった課題も顕在化する。だが専門家は、ここにもビジネスチャンスがあると見る。
「東京が“夜の課題解決モデル”を確立できれば、その技術自体が輸出産業になる」(湯浅氏)
東京が世界2位に躍進した理由は、経済指標や高層ビルではない。安全で、多様で、消費が生まれる“夜の都市機能”そのものだ。
26億円の噴水は浪費ではない。東京が「24時間稼働する世界最高効率の都市」へ進化するための、戦略投資なのである。
(文=BUSINESS JOURNAL編集部)
MBOが買収の呼び水になる皮肉…マンダム争奪戦で明らかになった非公開化のリスク
●この記事のポイント
・日本企業で非公開化が過去最多ペースとなる中、MBOが「防衛策」ではなく買収合戦の引き金になる事例が増えている。マンダムを巡るCVC、旧村上ファンド、KKRの攻防は、その象徴だ。
・マンダムのMBOは、安値提示がアクティビストと海外PEを呼び込み、結果的に買収価格を60%超も押し上げた。MBOが「自社株は割安」というシグナルになる構造的リスクを浮き彫りにする。
・非公開化はもはや「逃げ道」ではない。企業には圧倒的な価格提示か、事前合意を尽くした高度な戦略が求められる時代へ。マンダムの行方は、日本型ガバナンスの試金石となる。
かつて「上場」は企業のゴールであり、社会的なステータスだった。しかし今、日本企業の間で「非公開化」を選択する動きが、かつてない勢いで広がっている。
東京証券取引所の公表データなどによれば、2025年上半期(1〜6月)の非上場化件数は過去最多水準に達した。もはや非公開化は、経営不振企業だけの選択肢ではない。
2024年にはローソン、ベネッセホールディングス、大正製薬ホールディングス、永谷園ホールディングスといったナショナルクライアントが相次いで市場を去った。2025年にも、豊田自動織機、富士ソフト、カオナビ、ティーガイアなど、むしろ業績・成長性に問題のない企業が非公開化へと舵を切っている。
●目次
- なぜ今、「上場廃止」が加速するのか
- マンダムを襲った「MBOの落とし穴」
- 「安値MBO」が招くフィデューシャリー・デューティの罠
- MBOプレミアムは「30%時代」から「50%超時代」へ
- 非公開化は「逃げ場」ではない
なぜ今、「上場廃止」が加速するのか
背景には複数の構造要因が重なっている。
・上場維持コストの増大
ガバナンス・コード強化に伴う人的・金銭的コスト
・短期主義からの脱却
四半期決算に縛られず、中長期改革を進めたいという経営判断
・東証改革の圧力
「PBR1倍割れ」是正など、株主還元要求の高まり
・PEファンドの成熟
巨額資金を持つPEが「敵」ではなく「パートナー」になった
だが、この「安全地帯」への移行が、逆に企業を最も危険な状況に追い込むケースが出始めている。その象徴が、化粧品大手マンダムを巡る攻防だ。
マンダムを襲った「MBOの落とし穴」
2025年、マンダムは欧州系PEファンドのCVCキャピタル・パートナーズと組み、1株1,960円でのMBO(経営陣による買収)による非公開化を発表した。この発表が、市場に「強烈なシグナル」を送ることになる。
まず反発したのは、シンガポールの投資ファンド、ひびき・パース・アドバイザーズだ。「買収価格が不当に低い」と、公然と反対を表明した。
さらに、旧村上ファンド系グループがマンダム株の17.6%超を急速に取得していたことが判明。株主構成は一気に緊張状態に入った。
CVC側は事態の沈静化を図るため、旧村上ファンド側と1株2,520円での応募契約を締結。プレミアムを大幅に引き上げ、非公開化は成立に向かうかに見えた。
しかし、ここで“本命”が現れる。米KKRが、さらに高値となる2,800円超での買収提案を示したのだ。
MBOという防衛策は、皮肉にも「マンダムは今、割安で買える」という世界向けの広告になってしまった。
「安値MBO」が招くフィデューシャリー・デューティの罠
なぜMBOは、逆に買収リスクを高めたのか。この点について、企業法務に詳しい弁護士は次のように指摘する。
「MBOは経営陣が“自社株は割安だ”と市場に宣言する行為です。第三者が『それなら、もっと高く買う』と名乗りを上げる余地を自ら作ってしまう」
さらに重くのしかかるのが、受託者責任(フィデューシャリー・デューティ)だ。
「取締役には株主価値最大化義務があります。より高い買収提案が現れた場合、それを無視すれば、経営陣は法的リスクを負いかねません」(同)
加えて、MBOはアクティビストにとって格好の「出口」になる。
「出来高の少ない銘柄でも、MBOが出れば必ず“買い手”が現れる。旧村上ファンド系にとっては、ほぼ確実なイグジット機会です」(金融アナリストの川﨑一幸氏)
MBOプレミアムは「30%時代」から「50%超時代」へ
近年のMBO・非公開化事例を見ても、価格競争の激化は明らかだ。
・富士ソフト:プレミアム約20% → KKR・ベインの争奪戦に発展
・大正製薬HD:プレミアム約50% → 高値提示で早期決着
・マンダム:当初約17% → 結果的に60%超水準へ
もはや「そこそこの上乗せ」では、市場も株主も納得しない。
非公開化は「逃げ場」ではない
マンダムの事例は、日本型MBOの前提条件が根底から変わったことを示している。
非公開化は、煩雑な株主対応から逃げるための「防衛策」ではない。巨額のプレミアムを支払ってでも変革を遂行する、極めて攻撃的な経営判断になりつつある。
今後、日本企業が上場廃止を選ぶなら、求められるのは二択だ。
・市場を沈黙させるほどの「圧倒的な価格提示」
・主要株主と事前に詰め切った、極めて緻密な合意形成
「上場をやめる」という決断そのものが、これからは最大の経営リスクになる。マンダムの行方は、日本企業のガバナンスが次の段階に進めるのかを占う、重要な試金石となりそうだ。
(文=BUSINESS JOURNAL編集部)