【偏差値+5】AIに“たった一言”加えるだけで、子どもの学力が劇的に伸びるワケ【佐々木圭一×坪田信貴】 – 伝え方が9割
年収6千万円超えの異色職種「FDE」とは…OpenAIもMUFGに送り込んだ“最強の刺客”
●この記事のポイント
・生成AI競争は「性能」から「現場で稼げるか」へ移行した。OpenAIが送り込むFDE(前線配備型エンジニア)は、顧客の業務に入り込み、AIで直接利益を生み出す新たな中核人材。その台頭は、日本型SIerモデルの限界を浮き彫りにする。
・年収6000万円超の異色職種「FDE」がシリコンバレーで急増中。AIを“売る”のではなく、“現場で稼がせる”この人材を武器に、外資は日本企業の中枢へ踏み込む。日本のSIerは、この変化に耐えられるのか。
・コードを書く力より、利益を生む力が問われ始めた。顧客の業務に常駐し、AIで成果を出すFDEの台頭は、エンジニアの価値基準を再定義する。AI時代に「勝てる人材」と「淘汰される組織」の分岐点が見えてきた。
今、米シリコンバレーのテック企業で起きている採用競争は、かつての「天才プログラマー争奪戦」とは様相が異なる。OpenAI、Palantir、Anthropicといった生成AIの最前線に立つ企業が、年収総額6000万円超のパッケージを提示してまで奪い合っているのは、純粋なコーディング能力の持ち主ではない。
彼らが血眼になって探しているのは、「FDE(Forward Deployed Engineer)」と呼ばれる異色の職種だ。
FDEとは、直訳すれば「前線配備型エンジニア」。自社オフィスではなく、顧客企業の現場に常駐し、技術を使って“直接利益を生み出す”ことをミッションとするエンジニアである。
これまでのエンジニアバブルが「プロダクトを作る力」への投資だったとすれば、現在のFDEバブルは、「顧客に利益を生ませる力」への投資だ。AIバブルが“夢”のフェーズから、“実利”のフェーズへ移行したことを象徴する存在だといえる。
●目次
- 「FDE」とは何者か:営業でもSEでもない「第3の存在」
- なぜ今、テック企業は「エンジニアを現場に送り込む」のか
- 日本市場の最前線:三菱UFJ銀行に常駐するOpenAIの精鋭
- 日本の「客先常駐(SES/SIer)」との決定的な違い
- AI時代に「勝てるエンジニア」「勝てる企業」の条件
「FDE」とは何者か:営業でもSEでもない「第3の存在」
FDEは、既存の職種では定義できない。
・営業ではない
契約を取ることが仕事ではない。顧客の未整理なデータを解析し、その場でプロトタイプを作り、「本当に使えるか」を実証する。
・SE/プログラマーでもない
仕様書を待たない。「何を作るべきか」という経営・業務課題の定義から入り、ビジネスインパクトが出るまで実装を止めない。
・コンサルタントとも違う
スライドは作らない。成果物は「動くシステム」と「数値で確認できる改善効果」だ。
ある外資系AI企業の元幹部は、FDEを「FDEは“AIを売る人”ではない。AIで顧客のPL(損益計算書)を直接変えに行く人だ」と表現する。
なぜ今、テック企業は「エンジニアを現場に送り込む」のか
FDEが求められる背景には、AIビジネスモデルの構造変化がある。
生成AIの競争軸は、すでに「モデル性能」だけではなくなった。重要なのは、エンタープライズ企業で“実運用され、使われ続けるか”だ。
しかし、大企業の現場には、
・レガシーシステム
・部門ごとに分断されたデータ
・暗黙知に依存した業務フロー
が複雑に絡み合っている。
APIを提供するだけでは、AIは現場に定着しない。「最後の1マイル」を埋める人間が不可欠なのだ。
ITジャーナリスト・小平貴裕氏は次のように見解を示す。
「生成AIの失敗理由の多くは、技術ではなく“現場適応”です。FDEは、技術と業務の翻訳者であり、定着を担保する装置でもある」
日本市場の最前線:三菱UFJ銀行に常駐するOpenAIの精鋭
このFDEモデルは、すでに日本にも上陸している。象徴的なのが、OpenAIと三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の提携だ。OpenAIは日本法人設立にあたり、単なる営業拠点ではなく、FDE的役割を担う専門人材を日本市場に投入している。
彼らは「サポート担当」ではない。
・銀行内に蓄積された膨大な非構造化データの整理
・業務プロセスに即したAI活用の設計
・PoCから実運用までの並走
を、銀行員と同じフロアで進める。
「従来のベンダーとは決定的に違う。OpenAIの人間は“外注先”ではなく、一緒に成果を出す当事者として入り込んでくる」(小平氏)
日本の「客先常駐(SES/SIer)」との決定的な違い
「エンジニアが顧客先に常駐する」と聞くと、日本のSESやSIerを想起する読者も多いだろう。しかし、FDEと日本型常駐モデルは、似て非なるものだ。
FDEは「下請け」ではない。対等、あるいはそれ以上の立場でDXを牽引する“戦術将校”に近い存在だ。
AI時代に「勝てるエンジニア」「勝てる企業」の条件
人材論の専門家は、FDEをこう位置づける。
「FDEは“技術者の進化形”ではありません。ビジネスと技術を同時に設計できる、AI時代の最上流人材です」
また、元SIer幹部はこう警鐘を鳴らす。
「日本のIT産業がこのモデルを理解しないままだと、価値創出の主導権はすべて外資に握られる」
FDEの台頭は、エンジニアの価値基準を根底から変えつつある。
・コードが書けるだけ
・指示通りに作るだけ
・技術に閉じこもるだけ
こうした役割は、AI自身が急速に代替していく。
一方で、
・顧客の痛みを理解し
・技術を“利益”に変換し
・成果が出るまで現場に入り続ける
FDE的な人材の価値は、むしろ高まる。
企業にとって問われているのは、「AIを導入できるか」ではなく、「AIで稼げるか」だ。その分水嶺に立つのが、FDEという存在なのである。
(文=BUSINESS JOURNAL編集部)
年収6千万円超えの異色職種「FDE」とは…OpenAIもMUFGに送り込んだ“最強の刺客”
●この記事のポイント
・生成AI競争は「性能」から「現場で稼げるか」へ移行した。OpenAIが送り込むFDE(前線配備型エンジニア)は、顧客の業務に入り込み、AIで直接利益を生み出す新たな中核人材。その台頭は、日本型SIerモデルの限界を浮き彫りにする。
・年収6000万円超の異色職種「FDE」がシリコンバレーで急増中。AIを“売る”のではなく、“現場で稼がせる”この人材を武器に、外資は日本企業の中枢へ踏み込む。日本のSIerは、この変化に耐えられるのか。
・コードを書く力より、利益を生む力が問われ始めた。顧客の業務に常駐し、AIで成果を出すFDEの台頭は、エンジニアの価値基準を再定義する。AI時代に「勝てる人材」と「淘汰される組織」の分岐点が見えてきた。
今、米シリコンバレーのテック企業で起きている採用競争は、かつての「天才プログラマー争奪戦」とは様相が異なる。OpenAI、Palantir、Anthropicといった生成AIの最前線に立つ企業が、年収総額6000万円超のパッケージを提示してまで奪い合っているのは、純粋なコーディング能力の持ち主ではない。
彼らが血眼になって探しているのは、「FDE(Forward Deployed Engineer)」と呼ばれる異色の職種だ。
FDEとは、直訳すれば「前線配備型エンジニア」。自社オフィスではなく、顧客企業の現場に常駐し、技術を使って“直接利益を生み出す”ことをミッションとするエンジニアである。
これまでのエンジニアバブルが「プロダクトを作る力」への投資だったとすれば、現在のFDEバブルは、「顧客に利益を生ませる力」への投資だ。AIバブルが“夢”のフェーズから、“実利”のフェーズへ移行したことを象徴する存在だといえる。
●目次
- 「FDE」とは何者か:営業でもSEでもない「第3の存在」
- なぜ今、テック企業は「エンジニアを現場に送り込む」のか
- 日本市場の最前線:三菱UFJ銀行に常駐するOpenAIの精鋭
- 日本の「客先常駐(SES/SIer)」との決定的な違い
- AI時代に「勝てるエンジニア」「勝てる企業」の条件
「FDE」とは何者か:営業でもSEでもない「第3の存在」
FDEは、既存の職種では定義できない。
・営業ではない
契約を取ることが仕事ではない。顧客の未整理なデータを解析し、その場でプロトタイプを作り、「本当に使えるか」を実証する。
・SE/プログラマーでもない
仕様書を待たない。「何を作るべきか」という経営・業務課題の定義から入り、ビジネスインパクトが出るまで実装を止めない。
・コンサルタントとも違う
スライドは作らない。成果物は「動くシステム」と「数値で確認できる改善効果」だ。
ある外資系AI企業の元幹部は、FDEを「FDEは“AIを売る人”ではない。AIで顧客のPL(損益計算書)を直接変えに行く人だ」と表現する。
なぜ今、テック企業は「エンジニアを現場に送り込む」のか
FDEが求められる背景には、AIビジネスモデルの構造変化がある。
生成AIの競争軸は、すでに「モデル性能」だけではなくなった。重要なのは、エンタープライズ企業で“実運用され、使われ続けるか”だ。
しかし、大企業の現場には、
・レガシーシステム
・部門ごとに分断されたデータ
・暗黙知に依存した業務フロー
が複雑に絡み合っている。
APIを提供するだけでは、AIは現場に定着しない。「最後の1マイル」を埋める人間が不可欠なのだ。
ITジャーナリスト・小平貴裕氏は次のように見解を示す。
「生成AIの失敗理由の多くは、技術ではなく“現場適応”です。FDEは、技術と業務の翻訳者であり、定着を担保する装置でもある」
日本市場の最前線:三菱UFJ銀行に常駐するOpenAIの精鋭
このFDEモデルは、すでに日本にも上陸している。象徴的なのが、OpenAIと三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の提携だ。OpenAIは日本法人設立にあたり、単なる営業拠点ではなく、FDE的役割を担う専門人材を日本市場に投入している。
彼らは「サポート担当」ではない。
・銀行内に蓄積された膨大な非構造化データの整理
・業務プロセスに即したAI活用の設計
・PoCから実運用までの並走
を、銀行員と同じフロアで進める。
「従来のベンダーとは決定的に違う。OpenAIの人間は“外注先”ではなく、一緒に成果を出す当事者として入り込んでくる」(小平氏)
日本の「客先常駐(SES/SIer)」との決定的な違い
「エンジニアが顧客先に常駐する」と聞くと、日本のSESやSIerを想起する読者も多いだろう。しかし、FDEと日本型常駐モデルは、似て非なるものだ。
FDEは「下請け」ではない。対等、あるいはそれ以上の立場でDXを牽引する“戦術将校”に近い存在だ。
AI時代に「勝てるエンジニア」「勝てる企業」の条件
人材論の専門家は、FDEをこう位置づける。
「FDEは“技術者の進化形”ではありません。ビジネスと技術を同時に設計できる、AI時代の最上流人材です」
また、元SIer幹部はこう警鐘を鳴らす。
「日本のIT産業がこのモデルを理解しないままだと、価値創出の主導権はすべて外資に握られる」
FDEの台頭は、エンジニアの価値基準を根底から変えつつある。
・コードが書けるだけ
・指示通りに作るだけ
・技術に閉じこもるだけ
こうした役割は、AI自身が急速に代替していく。
一方で、
・顧客の痛みを理解し
・技術を“利益”に変換し
・成果が出るまで現場に入り続ける
FDE的な人材の価値は、むしろ高まる。
企業にとって問われているのは、「AIを導入できるか」ではなく、「AIで稼げるか」だ。その分水嶺に立つのが、FDEという存在なのである。
(文=BUSINESS JOURNAL編集部)
「技術もビジネスもわからなかった」素人女性が起業…半年で事業を生み出す現場
●この記事のポイント
・Women AI Initiative Japan(WAIJ)が主催する女性起業家支援プログラム「RAISE HER」第2期のデモデーが2026年1月31日、Google Japan(渋谷ストリーム)で開催された。東京都スタートアップ支援展開事業(TOKYO SUTEAM)の協定事業として実施され、半年間のプログラムを経た起業家たちがAIを活用したサービスを発表した。
・受賞者たちは、BCP支援や広報業務効率化など、実務経験から生まれた課題を解決するサービスを開発。審査員からは「すぐにビジネスになる」「市場規模が大きい」といった高評価が相次いだ。特に、技術的な完成度の高さと、実際の企業導入実績が評価された。
・参加者の多くが「1年前は技術もビジネスもわからなかった」と振り返りながら、プログラムを通じて「仲間の存在」と「挑戦する勇気」を得たと語った。半年間で何度もMVPを作り直し、ユーザーの反応を見ながら事業を磨き上げた過程が、今回の成果につながった。
Women AI Initiative Japan(WAIJ)が主催する女性起業家支援アクセラレーションプログラム「RAISE HER」第2期のデモデーが2026年1月31日、Google Japan(渋谷ストリーム)で開催された。東京都スタートアップ支援展開事業(TOKYO SUTEAM)の協定事業として実施されたこのイベントには、半年間にわたり生成AIを軸としたMVP開発・事業検証に取り組んだ起業家たちが集結。予選を勝ち抜いた決勝進出者6名が、自らの原体験から生まれたプロダクトを披露した。
本記事では、イベントの概要、注目のプロダクト、そして受賞者たちの声を通じて、「RAISE HER」第2期が示した女性起業家の可能性をレポートする。
●目次
東京都協定事業として始動した「RAISE HER」第2期
RAISE HERは、「AIを武器に、社会課題に挑む女性起業家を育成・輩出する」ことを目的とした実践型アクセラレーションプログラムだ。第2期は東京都スタートアップ支援展開事業(TOKYO SUTEAM)の協定事業として選定され、半年間にわたり参加者たちが生成AIを活用したMVP開発と事業検証に取り組んできた。
デモデー冒頭の挨拶で、東京都副知事の松本明子氏は、東京都のAI戦略と女性活躍支援について語った。「東京都は2024年夏に『東京都AI戦略』を策定し、都民のQOL向上のためにAIを活用する取り組みを進めています。また、2024年末には全国の自治体として初めて『雇用就業の場における女性の活躍を推進する条例』を制定しました」と述べ、AIと女性活躍の両方を推進する東京都の姿勢を強調した。
松本副知事はまた、「女性は日本最大のポテンシャルである」という小池知事の言葉を引用し、「AIを活用する女性という両方をお持ちの皆さんを全力で応援していきます」とエールを送った。
実務経験が生んだ課題解決型プロダクト
今回のデモデーで特徴的だったのは、参加者の多くが自身の実務経験から生まれた課題に取り組んでいた点だ。BCP担当者のプレッシャーを軽減するツール、兼業広報担当者の業務効率化を支援するプラットフォーム、地域コミュニティのデジタル化など、現場のリアルな課題を解決するプロダクトが次々と登場した。
審査員からは「技術的な完成度が高い」「すでに企業導入が進んでいる」「市場規模が大きい」といった評価が相次ぎ、単なるアイデアの域を超えた、ビジネスとして成立する可能性を持つサービスが揃った。
特別賞・受賞者たち:技術と情熱で切り開いた道
数多くの登壇の中から、審査員と運営が選んだ受賞者たちを紹介する。
●特別賞(RAISE HER賞):若旅 多喜恵さん
半年間を通じてコミュニティ作りや勉強会の企画など、プログラムを積極的に盛り上げた功績が評価され、特別賞が贈られた。北海道・函館からリモートで参加していた<名前要確認>さんは、受賞スピーチで涙を見せながら「最初は起業を本気で考えていなかった。でも素晴らしい方々に囲まれたらきっとできると思えた。楽しくてやっていたことをこのような形で表彰いただいて嬉しい」と語った。
●2位(シルバー賞):蓑口恵美さん 広報業務効率化AIツール「PR Capital」
15年間にわたりVC、PR会社、スタートアップという3つの立場から合計100社以上の広報支援に携わってきた経験を活かし、兼業広報担当者向けのAIツール「PR Capital」を開発。日本企業の半数は経営者や営業担当が兼業で広報を担っているという課題に着目し、SlackやGoogleドライブと連携して社内情報を自動で吸い上げ、プレスリリースやSNS投稿の下書きをワンクリックで生成する仕組みを構築した。
すでに7社への導入を実現し、売上見込み1600万円という実績を持つ。審査員の川島氏は「日本企業の97パーセントは中小企業で、専属広報を置く余裕がない企業が大半。市場規模が非常に大きく、スケールの可能性があるビジネスモデル」と高く評価した。
蓑口さんは「1年前の今日、今の時点では技術も知らないし、ビジネスもわからないというスタートだった。RAISE HERでAIを教えていただき、ビジネスのことも基礎から学べて、本当に怖くない状態でスタートに立てて走れた」と振り返り、「パソコンを開くと子供を抱きながら開発している仲間を見ると、自分だけが弱音を吐けないと思って半年間進めた」と、プログラムを通じて得た仲間の存在の大きさを語った。
●1位(ゴールド賞):南條詩織さん BCP支援ツール「もしもクラウド」
自身のBCP(事業継続計画)に関する知見と経験を活かし、災害対策を支援するツール「もしもクラウド」を開発。災害大国日本において、企業のBCP担当者が1人でプレッシャーを抱えている現状に着目し、LINEに組み込んで簡単に使える仕組みと、BIで可視化する機能を実装した。使う人にも管理する人にも優しい設計が高く評価された。
審査員の小田氏(Google)は「技術的にしっかり作られている。LINEへの組み込み、BIでの可視化の挙動が優れており、実際に顧客がつけばすぐにビジネスになる」と評価。山口氏は「BCP担当者のプレッシャーを解決できる。本当にお金を払ってでも使う価値があるサービス」と絶賛した。
南條さんは「今までこの事業案は、いろんな人に『何言ってるかわからない』と言われることが何百回もあった。そのたびに無理かなと思った」と苦労を振り返りながら、「プレゼンでAI搭載機能の説明を全て忘れてしまい落ち込んでいたが、それでもビジネスモデルと解決したい課題が伝わって評価されたことがありがたい」と語った。
そして、「今まで自分がやろうとしていた事業が人にちゃんと届いたと思った瞬間がなかなかなかった。自分1人だったら絶対ここまで行けなかった。このプログラムを通じて出会った全ての方々に導いていただけた」と感謝の言葉を述べ、「妄想で終わらせず、ちゃんとローンチしていきたい」と今後の決意を語った。
RAISE HERが証明したもの
「RAISE HER」第2期のデモデーは、単なる起業支援プログラムの成果発表会にとどまらない意味を持っていた。参加者の多くが「1年前は技術もビジネスもわからなかった」と語りながら、半年間で実際に企業に導入されるレベルのプロダクトを開発した事実は、適切な支援と仲間があれば誰もが起業に挑戦できることを証明している。
特に印象的だったのは、受賞者たちが口を揃えて「仲間の存在」の大きさを語ったことだ。子供を抱きながら開発する仲間の姿を見て弱音を吐けないと思った、何百回も否定されながらも諦めなかったのは仲間のおかげだった。競争ではなく協創を重視するRAISE HERのコミュニティが、挑戦を後押しする土壌となったことが伝わってきた。
審査員からは「技術的な完成度が高い」「すぐにビジネスになる」といった評価が相次ぎ、第2期はアイデア段階を超えた、実際にビジネスとして成立する可能性を持つプロダクトが数多く生まれた。東京都の協定事業として実施されたことも、プログラムの信頼性と支援体制の充実につながった。
AIと女性活躍という2つのテーマを掛け合わせた「RAISE HER」は、第2期を通じて確かな成果を示した。ここから生まれたプロダクトが、今後どのように社会に広がっていくのか。引き続き注目していきたい。
(取材・文=昼間たかし/ルポライター、著作家)
「技術もビジネスもわからなかった」素人女性が起業…半年で事業を生み出す現場
●この記事のポイント
・Women AI Initiative Japan(WAIJ)が主催する女性起業家支援プログラム「RAISE HER」第2期のデモデーが2026年1月31日、Google Japan(渋谷ストリーム)で開催された。東京都スタートアップ支援展開事業(TOKYO SUTEAM)の協定事業として実施され、半年間のプログラムを経た起業家たちがAIを活用したサービスを発表した。
・受賞者たちは、BCP支援や広報業務効率化など、実務経験から生まれた課題を解決するサービスを開発。審査員からは「すぐにビジネスになる」「市場規模が大きい」といった高評価が相次いだ。特に、技術的な完成度の高さと、実際の企業導入実績が評価された。
・参加者の多くが「1年前は技術もビジネスもわからなかった」と振り返りながら、プログラムを通じて「仲間の存在」と「挑戦する勇気」を得たと語った。半年間で何度もMVPを作り直し、ユーザーの反応を見ながら事業を磨き上げた過程が、今回の成果につながった。
Women AI Initiative Japan(WAIJ)が主催する女性起業家支援アクセラレーションプログラム「RAISE HER」第2期のデモデーが2026年1月31日、Google Japan(渋谷ストリーム)で開催された。東京都スタートアップ支援展開事業(TOKYO SUTEAM)の協定事業として実施されたこのイベントには、半年間にわたり生成AIを軸としたMVP開発・事業検証に取り組んだ起業家たちが集結。予選を勝ち抜いた決勝進出者6名が、自らの原体験から生まれたプロダクトを披露した。
本記事では、イベントの概要、注目のプロダクト、そして受賞者たちの声を通じて、「RAISE HER」第2期が示した女性起業家の可能性をレポートする。
●目次
東京都協定事業として始動した「RAISE HER」第2期
RAISE HERは、「AIを武器に、社会課題に挑む女性起業家を育成・輩出する」ことを目的とした実践型アクセラレーションプログラムだ。第2期は東京都スタートアップ支援展開事業(TOKYO SUTEAM)の協定事業として選定され、半年間にわたり参加者たちが生成AIを活用したMVP開発と事業検証に取り組んできた。
デモデー冒頭の挨拶で、東京都副知事の松本明子氏は、東京都のAI戦略と女性活躍支援について語った。「東京都は2024年夏に『東京都AI戦略』を策定し、都民のQOL向上のためにAIを活用する取り組みを進めています。また、2024年末には全国の自治体として初めて『雇用就業の場における女性の活躍を推進する条例』を制定しました」と述べ、AIと女性活躍の両方を推進する東京都の姿勢を強調した。
松本副知事はまた、「女性は日本最大のポテンシャルである」という小池知事の言葉を引用し、「AIを活用する女性という両方をお持ちの皆さんを全力で応援していきます」とエールを送った。
実務経験が生んだ課題解決型プロダクト
今回のデモデーで特徴的だったのは、参加者の多くが自身の実務経験から生まれた課題に取り組んでいた点だ。BCP担当者のプレッシャーを軽減するツール、兼業広報担当者の業務効率化を支援するプラットフォーム、地域コミュニティのデジタル化など、現場のリアルな課題を解決するプロダクトが次々と登場した。
審査員からは「技術的な完成度が高い」「すでに企業導入が進んでいる」「市場規模が大きい」といった評価が相次ぎ、単なるアイデアの域を超えた、ビジネスとして成立する可能性を持つサービスが揃った。
特別賞・受賞者たち:技術と情熱で切り開いた道
数多くの登壇の中から、審査員と運営が選んだ受賞者たちを紹介する。
●特別賞(RAISE HER賞):若旅 多喜恵さん
半年間を通じてコミュニティ作りや勉強会の企画など、プログラムを積極的に盛り上げた功績が評価され、特別賞が贈られた。北海道・函館からリモートで参加していた<名前要確認>さんは、受賞スピーチで涙を見せながら「最初は起業を本気で考えていなかった。でも素晴らしい方々に囲まれたらきっとできると思えた。楽しくてやっていたことをこのような形で表彰いただいて嬉しい」と語った。
●2位(シルバー賞):蓑口恵美さん 広報業務効率化AIツール「PR Capital」
15年間にわたりVC、PR会社、スタートアップという3つの立場から合計100社以上の広報支援に携わってきた経験を活かし、兼業広報担当者向けのAIツール「PR Capital」を開発。日本企業の半数は経営者や営業担当が兼業で広報を担っているという課題に着目し、SlackやGoogleドライブと連携して社内情報を自動で吸い上げ、プレスリリースやSNS投稿の下書きをワンクリックで生成する仕組みを構築した。
すでに7社への導入を実現し、売上見込み1600万円という実績を持つ。審査員の川島氏は「日本企業の97パーセントは中小企業で、専属広報を置く余裕がない企業が大半。市場規模が非常に大きく、スケールの可能性があるビジネスモデル」と高く評価した。
蓑口さんは「1年前の今日、今の時点では技術も知らないし、ビジネスもわからないというスタートだった。RAISE HERでAIを教えていただき、ビジネスのことも基礎から学べて、本当に怖くない状態でスタートに立てて走れた」と振り返り、「パソコンを開くと子供を抱きながら開発している仲間を見ると、自分だけが弱音を吐けないと思って半年間進めた」と、プログラムを通じて得た仲間の存在の大きさを語った。
●1位(ゴールド賞):南條詩織さん BCP支援ツール「もしもクラウド」
自身のBCP(事業継続計画)に関する知見と経験を活かし、災害対策を支援するツール「もしもクラウド」を開発。災害大国日本において、企業のBCP担当者が1人でプレッシャーを抱えている現状に着目し、LINEに組み込んで簡単に使える仕組みと、BIで可視化する機能を実装した。使う人にも管理する人にも優しい設計が高く評価された。
審査員の小田氏(Google)は「技術的にしっかり作られている。LINEへの組み込み、BIでの可視化の挙動が優れており、実際に顧客がつけばすぐにビジネスになる」と評価。山口氏は「BCP担当者のプレッシャーを解決できる。本当にお金を払ってでも使う価値があるサービス」と絶賛した。
南條さんは「今までこの事業案は、いろんな人に『何言ってるかわからない』と言われることが何百回もあった。そのたびに無理かなと思った」と苦労を振り返りながら、「プレゼンでAI搭載機能の説明を全て忘れてしまい落ち込んでいたが、それでもビジネスモデルと解決したい課題が伝わって評価されたことがありがたい」と語った。
そして、「今まで自分がやろうとしていた事業が人にちゃんと届いたと思った瞬間がなかなかなかった。自分1人だったら絶対ここまで行けなかった。このプログラムを通じて出会った全ての方々に導いていただけた」と感謝の言葉を述べ、「妄想で終わらせず、ちゃんとローンチしていきたい」と今後の決意を語った。
RAISE HERが証明したもの
「RAISE HER」第2期のデモデーは、単なる起業支援プログラムの成果発表会にとどまらない意味を持っていた。参加者の多くが「1年前は技術もビジネスもわからなかった」と語りながら、半年間で実際に企業に導入されるレベルのプロダクトを開発した事実は、適切な支援と仲間があれば誰もが起業に挑戦できることを証明している。
特に印象的だったのは、受賞者たちが口を揃えて「仲間の存在」の大きさを語ったことだ。子供を抱きながら開発する仲間の姿を見て弱音を吐けないと思った、何百回も否定されながらも諦めなかったのは仲間のおかげだった。競争ではなく協創を重視するRAISE HERのコミュニティが、挑戦を後押しする土壌となったことが伝わってきた。
審査員からは「技術的な完成度が高い」「すぐにビジネスになる」といった評価が相次ぎ、第2期はアイデア段階を超えた、実際にビジネスとして成立する可能性を持つプロダクトが数多く生まれた。東京都の協定事業として実施されたことも、プログラムの信頼性と支援体制の充実につながった。
AIと女性活躍という2つのテーマを掛け合わせた「RAISE HER」は、第2期を通じて確かな成果を示した。ここから生まれたプロダクトが、今後どのように社会に広がっていくのか。引き続き注目していきたい。
(取材・文=昼間たかし/ルポライター、著作家)
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映画レビュー「両親が決めたこと」
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投稿 映画レビュー「両親が決めたこと」 は 映画遊民 映画をもっと見たくなる! 映画ライター沢宮亘理の映画レビュー、インタビューetc に最初に表示されました。