トヨタが合意した日野自動車の経営統合、“裏の標的”が「テスラとBYD」だと言えるワケ – 今週のキーワード 真壁昭夫

ある意味で総合商社的な存在であるトヨタ自動車が、強みを生かした特定分野に集中し投資を行う方針にかじを切っている。日野自動車の経営体制の変更で、トヨタと協力体制の象徴だった羽村工場はどうなるのか?トヨタがテスラやBYDを追いかける戦略とは?日産自動車の業績悪化でマレリが再び経営破綻する中、自動車業界の再編はどのように進むのだろうか。

【冥界からの魔物】シャチがマッコウクジラに襲いかかった…その恐ろしすぎる結末【書籍オンライン編集部セレクション】 – 動物のひみつ

ウォール・ストリート・ジャーナル、ガーディアン、サンデータイムズ、各紙絶賛! 生き物たちは、驚くほど人間に似ている。ネズミは水に濡れた仲間を助けるために出かけるし、アリは女王のためには自爆をいとわない。カケスは雛を育てるために集団で保育園を運営し、ゾウは亡くなった家族の死を悼む。あまりよくない面でいえば、バッタは危機的な飢餓状況になると仲間に襲いかかり、動物園の器具を壊したゴリラは怒られるのが嫌で犯人は同居している猫だと示す…といったように、どこか私たちの姿をみているようだ。シドニー大学の「動物行動学」の教授でアフリカから南極まで世界中を旅する著者が、好奇心旺盛な視点とユーモアで、動物たちのさまざまな生態とその背景にある「社会性」に迫りながら、彼らの知られざる行動、自然の偉大な驚異の数々を紹介。「オキアミからチンパンジーまで動物たちの多彩で不思議な社会から人間社会の本質を照射する。はっとする発見が随所にある」山極壽一(霊長類学者・人類学者)、「アリ、ミツバチ、ゴキブリ(!)から鳥、哺乳類まで、生き物の社会性が活き活きと語られてめちゃくちゃ面白い。……が、人間社会も同じだと気づいてちょっと怖くなる」橘玲(作家)と絶賛されたその内容の一部を紹介します。

株主総会シーズン必見!「経営に対し建設的な提言がある企業ランキング」3位は出光興産、1位は? – 社員クチコミからわかる「企業ランキング」

人的資本経営への注目が高まるなか、社員が経営に対して建設的に提言できる企業が支持を集めている。オープンワークはクチコミ分析を通じて、社員が自社の未来に意見を述べる「経営提言スコア」を算出しランキングした。

「部長の発言、おかしくない?」会社のトイレで同僚が悪口…でも個室に誰かいる→どう切り抜ける? – 大人の言い換え力検定

人に好かれるも嫌われるも、真意が伝わるも伝わらないも、一目置かれるも軽く見られるも、すべては使う言葉次第。クイズに挑んで、ワンランク上の「大人の言い換え力」を身につけましょう!

結婚式の音楽で「JASRACに絶対お金を払いたくない人」が取るべき最終手段 – ニュースな本

店舗や結婚式で流す音楽、あるいは音楽教室で使用する練習用の音源には、「JASRACへの著作権使用料の支払い」が伴う。過剰ではないかとの声もあるこの使用料制度だが、JASRACに対して支払い義務のない音楽の楽しみ方も存在するという。では、その対抗手段とは何か?※本稿は中村真『世にもふしぎな法律図鑑』(日本経済新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです。

電通PRコンサルティング PRX Studio Q著「広報・PRの現場直送 だれでもPRメソッド スルーされない 伝わる情報設計」発売

電通PRコンサルティングのプランニングユニット「PRX Studio Q」による著書「広報・PRの現場直送 だれでもPRメソッド スルーされない 伝わる情報設計」(宣伝会議)が6月20日(金)に発売された。

書籍「広報・PRの現場直送 だれでもPRメソッド スルーされない 伝わる情報設計」
宣伝会議、四六判、200ページ、本文2色(カラー)、紙書籍/電子書籍、2200円(税込)、ISBN:978-4-88335-627-0

※電子書籍は近日発売予定

【書籍の内容】
PRプランナーの「暗黙知」を大公開
現場ですぐに使える情報設計のノウハウを書籍化

日々膨大な情報であふれ返り、いわば、情報が「スルーされる」ことが当たり前となった現代。企業や組織の情報発信においては、一方的に「どう伝えるか」だけでなく「どうすれば相手に伝わるか」という「PR視点」が欠かせない。電通PRコンサルティングのプランニングユニット「PRX Studio Q」が、2021年から「note」で発信してきた実践知とメソッドを再編集し、書籍「広報・PRの現場直送 だれでもPRメソッド スルーされない 伝わる情報設計」として1冊にまとめた。

本書では、電通PRコンサルティングが開発・実践してきた「ソーシャルハンティング®」(※1)や「鬱憤構文®」(※2)などのオリジナルフレームを具体的な事例で紹介するほか、さまざまな分野で活躍されるプロフェッショナルの方へのインタビューも掲載している。企業の広報やPR、宣伝担当者はもちろん、経営、商品担当、マーケティング、人事など、あらゆる分野で「伝わる」ことに向き合う全ての方に、実践的に活用していただける内容となっている。

※1 SNS上にあふれるn=1の感情や行動から兆しを読み解く新しい情報収集のアプローチで、ソーシャルリスニングでは見落とされがちな“少数派のリアルな声”を発見する手法。
 
※2 生活者のモヤモヤや不満といった“鬱憤(うっぷん)”に着目し、そこからインサイトを導き出すための発想支援ツール。50種類以上の構文があり、ワークショップや商品開発、社内のパーパス浸透などさまざまな場面で活用されている。

 

【目次より】
序章 「スルー大前提時代」にPRのスキルを
第1章 スルーされないための「相手視点」の広げ方
・“鳥の視点”で相手を取り巻く全体像を捉えよう
・“虫の視点”でリアルな声を拾おう
・「虫の視点」実践編 みんなの「モヤモヤ」を見てみよう
・相手の“守備範囲”に合わせると、伝わりやすくなる
・相手“じゃない方”にも目を向けてみよう
第2章 まずは目に留めてもらうために「ひと工夫」を
・“インパクト”の力:ニュースになる情報って?
・画の力:一目で伝わるビジュアル
・数字の力:納得と驚きを引き出すデータ
・問いの力:思わず考えたくなる問い
・言葉の力:誰かが乗っかりたくなるワード
・SNSでスルーされないための2つの工夫
第3章 “らしさ”は、スルーされない力に変わる
・お互いの“らしさ”を重ねると届かなかった相手に届く
・「周年」は“らしさ”が伝わる絶好のタイミング
・「自己PR」は自分らしさを相手に合わせて翻訳しよう
・“らしさ”を起点に少しズラすと新しさが生まれる
・届けた後こそ大事。“関係性”の変化を測ろう
    
〈インタビュー〉
・ハフポスト日本版 泉谷由梨子編集長 
「メディアが大切だと思うこと」と「世の中が知りたいこと」の接点を探る
・noteプロデューサー 徳力基彦さん
SNSでの「よい関係づくり」は、「おしゃべり」と同じ
・タレント・子育てインフルエンサー 木下ゆーきさん 
よい関係のコツは、見ている人を裏切らない「自分らしさ」
・(株)水星 ホテルプロデューサー 龍崎翔子さん 
お客さまが「語りたくなる」ブランド設計

【著者情報】
編集長:平林未彩
編集:齊藤国浩/橋本めぐ/松尾雄介/岩澤俊之
執筆:鶴岡大和/森光菜子/山崎珠里/深谷朋宏/小野真世/大森祥子/箕輪淑子/生井達也/中曽根亜純/西山友佳子/浦島怜/高藤雅男/今井慎之助/高橋洋平

■PRX Studio Q(ピーアール トランスフォーメーション スタジオ キュー)
電通PRコンサルティング内のプランニング専門部署を中心に、2021年に発足したチーム。PRの専門性に加え、クリエイティブプランナーやデジタルプランナー、元記者など、多様なバックグラウンドを持つメンバーが集結。PRの力で、社会とビジネスの双方を前進させることをミッションに掲げ、戦略立案から実行まで、枠にとらわれない柔軟な発想で、PRの新たな可能性を追求し続けている。
「PRX Studio Q」サイト:https://www.dentsuprc.co.jp/prx-studio-q/
「PRX Studio Q」公式note:https://note.prx-studio-q.com/

■本件に関するリリースはこちら
 

「わたしたちはわかりあえないからこそ展」アドミュージアム東京で6月25日から開催

アドミュージアム東京(東京・汐留)は、6月25日(水)から8月30日(土)まで企画展「わたしたちはわかりあえないからこそ展」を開催する。

先日、世界経済フォーラム(WEF)から発表された最新の「Global Gender Gap Report」によると、日本のジェンダーギャップ指数は148カ国中118位。ジェンダーに関する意識や表現についてのあり方も、いまも模索と更新の途上にある。本展はそうした現状に対して、広告の事例を通して、コミュニケーションにできることを学び、ともに考え続けるための試みだ。

「声をあげてみる」「問いかけてみる」「決めつけをやめてみる」など、私たちの行動を促すキーワードをもとに展示を構成。映像、グラフィック、実物など国内外約60点の広告事例を紹介する。また、本展では対話や思考を促す体験展示や常設展示およびライブラリーとの連動展示も実施する。

「わたしたちは わかりあえない からこそ」展

【概要】
主催:
吉田秀雄記念事業財団、電通
協力:(つづく)、TBWA\HAKUHODO
会期:6月25日(水)〜8月30日(土)
会場:アドミュージアム東京 企画展示室(Hall B)
東京都港区東新橋1-8-2カレッタ汐留
開館時間:火~土曜 12:00~18:00
※状況により開館時間、曜日が変更になることがあります
休館日:日曜、月曜(ほか不定休あり)
入場料:無料

■本企画展の詳細はこちらから


【ステートメント】

わかりあえないからこそ。
わたしたちは想像する。
わたしたちは問いかける。
わたしたちは対話する。
わたしたちは何かを生み出す。
2024年
日本のジェンダーギャップ指数は
146ヵ国中118位。
未だ埋められない格差に
絶望するのではなく。
いらだちに分断を
あおられるのではなく。
ひとりとして同じではない、
ひとりひとりの人間として。
わかりあえないからこそ生まれる
コミュニケーションの可能性を
探求してみませんか。

【展示構成】

アドミュージアム東京

■ アドミュージアム東京について
広告を通して新しい発見に出合う場所。世界に例のない広告ミュージアム

2002年に開館以来、来館者は200万人を超え、広告の社会的・文化的価値への理解を深めてもらう活動を行っている。江戸時代から現代まで約33万点の収蔵資料を誇り、ライブラリーでは、広告とマーケティング関連書籍の閲覧、広告作品のデジタルアーカイブを検索・閲覧することができる。

「アドミュージアム東京」の展示のようす

アジアの若者たちが考える「ツギクル健康のかたち」とは?

2025年、アジアは人口の4分の1がZ世代となるといわれており、購買力が期待される世代としても注目されています。こうした背景のもと、電通若者研究部(以下、電通ワカモン)は、電通グローバル・ビジネス・センターや電通グループの海外拠点メンバーと連携し、アジアの7つの市場(日本、台湾、インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピン、マレーシア)の10~20代の学生を対象に、Z世代の新たな価値観についての「ツギクル」調査を実施しました。(プレスリリースは、こちら

本連載では、現地の大学生と実施したワークショップの結果をもとに、アジアのZ世代のインサイトを探ります。各市場での共通点や違いに注目しながら、Z世代が未来の仮説として考える価値観やトレンドを紹介します。

今回のテーマは、若者が考える「ツギクル健康のかたち」です。コロナ禍を経て健康を取り巻く環境にも変化が起きています。今、この変化を把握することで、Z世代とのより柔軟なコミュニケーションを実現するヒントになると考えています。

電通ワカモン
高校生や大学生を中心とした10~20代の実態を調査し、若者と社会がよりよい関係を築けるようなヒントを探る、電通内のプランニング&クリエイティブユニット。「次に来る○○のかたち」というテーマで未来仮説の構築を行っている。過去の「ツギクル」ワークショップの記事は、こちら


 

<目次>
アジアの若者から見る、「ツギクル健康のかたち」とは

ツギクル健康のかたち in 日本

ツギクル健康のかたち in ベトナム

ツギクル健康のかたち in タイ

ツギクル健康のかたち in マレーシア

アジア各国のツギクルから見えてきた未来仮説

 

アジアの若者から見る、「ツギクル健康のかたち」とは

今回は、アジア7市場の中から特に際立った特徴を持つ4つの市場(日本・ベトナム・タイ・マレーシア)を紹介します。各市場の学生たちにとって「健康」のかたちがどのように変化しているのかを紹介しながら、未来の仮説を考察します。

学生たちのリポートを見ると、健康と一概に言っても、興味を持つ内容はそれぞれという印象をまず受けました。特に身体面の健康だけではなく、心の健康にも注目している学生が多く見られました。

ツギクル健康のかたち in 日本

体の健康、心の健康という捉え方がありますが、今回の学生リポートを考察すると「どちらを重視するか」というバランスが変わってきていると感じます。リポートの中には、「不健康を許容する」というものがありました。多様性を認めるという風潮が健康に対しても、出てきているのではないでしょうか。正解のない時代において、絶対的に健康であるべきというのが、果たして正解なのか?問われている事例かもしれません。

電通若者研究部

他には、「LEDで太陽光を浴びることができる時代が来る」や「カップ麺が健康食になる」という、「太陽光は屋外で浴びるもの」「カップ麺は不健康な食べ物」といった概念を覆す未来への兆しを記したリポートも見られました。

電通若者研究部
電通若者研究部

「本当はカップ麺を食べたいけれど、体に悪いから食べてはいけないと我慢することの方が、心の健康に悪いのではないか」。そんな思いから生まれたカップ麺のリポートからも読み取れるように、「体の健康のために、心が不健康になる」ことへの疑念が高まっていると感じます。

実際、テクノロジーの進化により、部屋の中にいたまま太陽光を浴び、オンラインでリアルと同じような人間関係が成立し、完全栄養食のカップ麺で体の健康が保てれば、「ひきこもり=不健康」という先入観にも変化が起こるかもしれません。

「まずは心の健康ありき」の時代へと移行すれば、「健康なひきこもり」も成立し得ることになるでしょう。

ツギクル健康のかたち in ベトナム

ベトナムのインサイトは、「テクノロジーでヘルスケア」がキーワードになっています。アプリをフル活用して、健康的な運動や食事を習慣化しようと取り組んだり、睡眠をトラッキングしたり、健康を可視化していく流れが見受けられました。

電通若者研究部

電通若者研究部
身体を健康に保つために若者が取り組んでいる背景には、老後の健康貯金のために今から身体の健康に気をつけるという価値観が表れたとも考えられます。また、若者は身体の健康に、いま特段悩みがあるわけではないので、モチベーションが作りづらい中、頑張りを見える化することでモチベーションを保とうとしているとも言えます。

ツギクル健康のかたち in タイ

タイでも身体の健康と心の健康、両方の側面から健康について向き合おうという姿勢が感じられました。

身体の健康面では、エクササイズのコンテンツ化が挙げられており、ベトナム同様、モバイルアプリやオンラインコンテンツを取り入れる兆しが見られました。動画コンテンツでも、エクササイズは1つのジャンルとして確立されている傾向があります。

電通若者研究部

テクノロジーとは別に、メンタルヘルスをケアしていく手法の一つとして、占いや幸運を呼ぶ宝石を好む地元の信仰、つまり「ムテル」に頼ることもあるという話はタイならではの視点でした。

電通若者研究部

タイの世代間意識として特筆すべきは、将来の子どもたちに老後の面倒を見てもらおうという意識が低く、自分自身で自分の面倒を見ないといけないという意識が高いことです。若いうちから、ヘルスケア商品や保険、高齢者住宅を探し始めているそうです。

これはタイの伝統的な価値観で、自分の子どもは将来自分の面倒を見て、すべての責任を肩代わりしてくれると信じていたり、子育てを自分の将来への投資と考える親世代への反発から起こっていると推測できます。

ツギクル健康のかたち in マレーシア

マレーシアでは、スマホで自ら情報を調べられるようになったことがきっかけで、若い世代では、西洋医学的アプローチから、予防医療といった東洋医学的、伝統的な療法への転換が起きています。受動的な対処や治療処置から、若返りと総合的な治癒を重視する予防治療重視へ移行しつつあるそうです。もはや病院・クリニック中心ではなく、いつでもどこでも健康と向き合っていこうという前向きな姿勢が感じられます。

電通若者研究部
電通若者研究部

またメンタルヘルスについても、オープンになっていくのではないかという示唆も得られました。若者の健康意識では、心のウエートが増えてきていることが分かります。

電通若者研究部

アジア各国のツギクルから見えてきた未来仮説

全体を通して、身体の健康が全てではなくて、心の健康・メンタルヘルスを保てていてこそ真の健康と言えるという気づきをZ世代が得るようになっていると感じました。身体と心の健康の境がなくなってきているのではないでしょうか。

ではなぜそのような気づきを得ているのか。背景は大きく2つ挙げられます。1つ目は、グローバル全体で影響の大きかったコロナ禍を経て、身体的な健康意識は高まったものの、行動制限により心の不健康が発生し、メンタルヘルスに注目が集まってきたことです。

コロナ禍に、SNSへの関与が高まったため他人との比較が生まれてしまい、心の病につながってしまうという事象も起きています。テクノロジーの力を借りて、SNSとうまく付き合い、バランスを取っていく必要があるという理解も生まれつつあります。

2つ目は多様な幸福感がトレンドになってきていることです。日本での考察にあった、「引きこもりだけど幸せ」という話のように、他者が何を好きであろうと干渉しない風潮が見られます。例えばソバーキュリアス(お酒を飲める人があえて飲まない、または少量しか飲まないライフスタイル)というライフスタイルも定着しつつありますが、何を健康とするかは人それぞれの価値観による・その価値観を受け入れてこそ理解であるという考え方が浸透してきていることも感じられました。

今回の「ツギクル健康のかたち」を通じて、各国のグラデーションはあリますが、若者の多様化する健康への課題感に対してのニーズが見えてきたと感じました。より一層メンタルヘルスなどの解決に向けたマーケティングの重要性が高まり、注目されていくのではと考えています。

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なぜ日本で中国アリババ「Qwen」を採用する企業が急増?高性能で、ライセンスも使いやすく

●この記事のポイント
・日本の企業でAIモデルの開発に中国アリババクラウドの「Qwen」を採用する企業が増加
・高い性能が出る上にコストが比較的低く、ライセンス形態のオープン度合いが高い
・モデルのサイズの種類が豊富で、開発するモデルの選択肢が豊富にそろう

 AIモデルと聞くと米メタの「Llama」や米グーグルの「Gemma」、米OpenAIの「o1」などが思い浮かびやすいが、日本の企業でAIモデルの開発に中国アリババクラウドの「Qwen」を採用する企業が増えているという。Llamaなどよりも高い性能が出る上にコストが比較的低く、ライセンス形態のオープン度合いが高いことなどが理由だとされるが、なぜQwenが選ばれているのか。専門家の見解を交えて追ってみたい。

●目次

AIモデルの精度面とライセンス面

 アリババは2023年にQwenシリーズとしては初となる「Qwen-7B」「Qwen-7B-Chat」をリリース。今年に入っても「Qwen2.5-Max」「Qwen2.5-VL-32B」を相次ぎリリースし、直近4月には最新世代「Qwen3」を、そして5月には同社として初めて「ハイブリッド推論」モデルを搭載した「Qwen2.5-Max」を発表。119の言語と方言に対応し、翻訳や多言語プロンプト処理で業界トップクラスの精度を実現したとしている。

 そんなQwenをAIモデルの開発に採用する企業が日本では増えているという。例えば株式会社ABEJAはQwenをベースに開発した「ABEJA QwQ-32B Reasoning Model」を4月に発表。OpenAI社の「GPT-4o」「o1-preview」などを上回る性能に到達していながら、320億パラメータと圧倒的に小型であるため多用なエッジ環境での実装が可能となっている。

 ABEJAのプリンシパルデータサイエンティスト・服部氏はいう。

「Qwenを採用する企業が増えている理由は、大きくは2つあります。まず、AIモデルの精度面に関して、1年くらい前まではメタのLlamaが使われることが多かったのですが、今時点を切り取って最新の世代を比較するとQwenのほうが総合的にみると性能・精度が高いと評価されており、AIモデルを開発する側としては『より高精度のモデルをベースにしたほうがいい』という判断になります。もう一つの理由がライセンス面です。Qwenは公開している多くのモデルがApache License 2.0といって、権利の自由度が非常に高く、使いやすくなっています。。メタのLlamaやグーグルのGemmaなどは各社独自のライセンス形態となっており、ライセンスの継承などの点でさまざまな考慮をする必要があり、Qwenはそういう必要がまったくないという点が大きいです。

 付け加えるなら、Qwenはモデルのサイズの種類が豊富で、開発するモデルのコストと性能のバランスを考えるときに選択肢が豊富にそろうというのもQwenを採用するメリットです。

 技術者の間でも実際に評判が良いです。昨年から使われ始めているQwen2.5も明らかに性能が良く、技術者のコミュニティの中でも評判が広がって使われるようになっているという流れがあると思います」

 ちなみにABEJAがQwenをベースに開発した「ABEJA QwQ-32B Reasoning Model」は、ローカル環境で動作させるのに現実的なサイズである一方、論理的思考ができて性能が高く、コストと性能面の両面を勘案するとバランスが良いのが特徴だ。

「このモデルより性能が高くなると大量のGPUを搭載したハードウェアが必要となり、逆に小さいモデルになると性能が低くなってしまいます。実用ベースではOpenAIのGPT4やo1-previewを超えており、かつコストを抑制しているのが強みであると考えています」(服部氏)

過去1年でオープンモデルのAIモデルのリードカンパニーが交代

 中国企業が手掛けるモデルを使うリスクはないのか。

「中国に置いてあるサーバー上に弊社が開発するモデルを置くわけではなく、アリババがが開発したモデルを弊社側の環境で中身を見ながら使うという形態であり、中国的な思想のような部分も日本語の追加学習である程度打ち消すことできるので、弊社のような用途では問題ないと考えています」

 ABEJAによれば、Qwenはオープンモデルのため各国の研究者によって安全性が検証されており、同社独自のシステムを使って安全性を高める取り組みもしているという。

 では、Qwenを採用する企業は今後も増えていくと考えられるのだろうか。

「今のままQwenがどんどん先頭を走っていけば、それもありうると思いますが、一方で先が読めない部分もあります。というのは、1年前はメタのLlamaが強かったですが、この1年で変化し、オープンモデルのAIモデルのリードカンパニーは移り変わる、という状況があるので、今後どうなっていくのかは見えない部分もあります」(服部氏)

(文=BUSINESS JOURNAL編集部、協力=株式会社ABEJA

【無料公開】ノーベル経済学賞受賞者「ビジネスで使えるマッチング理論」特別講座 – Diamond Premiumセレクション

ゲーム理論の応用分野である「マッチング理論」の研究成果が認められ、2012年にノーベル経済学賞を受賞した米スタンフォード大学のアルヴィン・ロス教授に、ビジネスでマッチング理論を活用する上での要諦などを聞いた。