なぜ森永製菓「ハイチュウ」海外進出が加速?米国事業190億円超え、地道かつ周到な戦略が奏功

●この記事のポイント
・発売から50周年を迎えた森永製菓の「HI-CHEW(ハイチュウ)」が海外市場で売上を拡大
・米国では2014~15年頃に全国規模のスーパーに「HI-CHEW」が採用され、認知度が向上
・欧州への進出は、海外事業成長の大きな機会と捉えアジアや米国といった既存エリアの深耕と並行して開拓

 今年で発売から50周年を迎えた森永製菓のソフトキャンディー「HI-CHEW(ハイチュウ)」が、海外市場で売上を拡大させている。ハイチュウを中心とする米国事業の24年3月期の売上高は、21年3月期時点の目標値の約2倍にあたる約191億円にまで伸長。欧州市場でも開拓が進んでおり、同社はハイチュウグローバル推進室を設置してハイチュウの海外展開を加速させている。同社はどのような施策・取り組みによってハイチュウの海外売上を拡大させているのか。同社への取材をもとに追ってみたい。

●目次

さまざまなニーズに対応する商品ラインアップを拡充

「チョコボール」「ダース」「小枝」「エンゼルパイ」「ミルクキャラメル」など数多くのロングセラー商品を抱える森永製菓は、2025年3月期の年間売上高が2289億円、営業利益が212億円、従業員数が約3000人(連結)に上る、日本を代表する総合菓子メーカーだ。

 そんな同社の看板商品であるハイチュウが誕生したのは1975年。当時の高級志向の高まりを受けて高級を意味する「HI」を付けてハイチュウと名付けられた。粒は現在の構造とは異なり、上下が白く真ん中にフルーツ色のキャンディを挟んだ3層構造だった。外側と内側の二重構造の「あんこ巻」になったのは1986年で、同時にパッケージもスティックパックに変更。海外展開としては、2001年に台湾で発売したのを皮切りに、04年に中国、08年に米国へ進出してきた。

 森永製菓の「ハイチュウ」ブランドを含む海外事業は近年、伸びている。「2021中期経営計画(21中経)」策定当初(21年3月期)は海外売上高が約117億円、海外売上高比率が7.0%だったが、米国を中心に大きく成長したことにより、24年3月期には海外売上高が約269億円、海外売上高比率が12.7%にまで伸長した(「ハイチュウ」ブランドのみの売上実績は開示していない)。

 海外でハイチュウの売上が拡大している理由について、森永製菓は次のように説明する。

「『HI-CHEW』の特長である独自の『食感』と『リアルなフルーツの味わい』が受け入れられたのではないかと考えています。また、海外市場では通常品に比べ砂糖使用量を削減した健康軸の商品や、キャンディの個包装をなくし環境に配慮した商品等、さまざまなニーズに対応する商品ラインアップの拡充や、多様な包装形態の展開にも力を入れています」

「ハイチュウグローバル推進室」を23年4月に設立

 なかでも米国市場で大きな伸長を続けている要因は何か。

「米国事業(実績はハイチュウ以外も含む)は、21中経の最終年度である2024年3月期で売上高目標100億円を掲げていましたが、結果として約191 億円となりました。為替の要因もありますが、直近3年間でも飛躍的な成長を遂げることができました。米国ではもともと森永製菓の商品の一つとして『HI-CHEW』が販売されていました。そこで日本人観光客やアジア系の人だけでなく、現地の人も購入していることに着目。08年に米国森永製菓株式会社を設立し、アメリカ西海岸での販売を強化しました。

 とはいえ、08年当時は日系やアジア系のスーパー、地元スーパーのアジアフードコーナーなどには取り扱ってもらえたものの、一般的な菓子コーナーには並べてもらえませんでした。取扱店の拡大や菓子コーナーでの採用を目指して商談を重ねましたが、当時は企業も商品名も認知が低く、なかなか採用されない状況が続きました。

 一方で、商談の際、どの小売店も『HI-CHEW』のクオリティは高く評価してくれており、米国市場における確かな手ごたえを感じていました。そのようななか、粘り強く商談を続けた結果、14年~15年頃にやっと全国規模のスーパーのキャンディコーナーに『HI-CHEW』が採用されることが決まりました。これを機に『HI-CHEW』の認知が広まりました」(同)

 現在、同社は欧州市場での販売拡大にも力を入れている。どのような戦略・施策を進めていくのか。

「米国と同規模のキャンディ市場を擁する欧州への進出は、海外事業成長の大きな機会と捉え、アジアや米国といった既存エリアの深耕と並行して開拓を進めています。まずは各国において導入の拡大に努めている状況です。それと並行して認知獲得を狙ってまいります。直近では25年2月2日~5日にドイツのケルンで開催されたISM(国際菓子専門見本市 )にて『HI-CHEW』のブースを出展しました。本見本市では、『HI-CHEW』ブランドを欧州はじめ諸外国へ知っていただく良い機会となりました」

 そして米国・欧州を含めたグローバル展開をさらに加速させていくという。

「グローバルにおけるブランド深耕・ブランドエクイティの最大活用・利益最大化を目的に『ハイチュウグローバル推進室』を23年4月に設立いたしました。これは包括的にブランド、原材料、生産関係の中長期戦略を策定、実行する部署になります。これにより『HI-CHEW』のグローバル化をさらに加速させてまいります」

【2025年最新版】受注管理システムおすすめ比較10選|中小企業・上場企業向けに選び方・機能・価格を徹底解説

「受注管理システムを導入すれば、業務効率は本当に向上するのだろうか?それとも、投資に見合った効果は得られないのだろうか?」

「数ある選択肢の中から、我が社の規模や業態に最適なシステムを見極めるにはどうすればよいのだろうか?」

中小企業から上場企業まで、多くの経営者や管理職の方々が、システム導入に関するこうした現実的な疑問や不安を抱えているのではないでしょうか。特に、初めての導入を検討される企業様にとって、これは切実な課題となっています。

本記事では、2025年最新の受注管理システムを比較・検証していき、導入による具体的なメリット・デメリットの分析から、企業規模・業態別の最適な選び方まで、実際の導入事例や運用データを交えて詳しく解説します。さらに、よくある導入の失敗パターンや、それを防ぐためのポイントについても触れていきます。経営課題の解決に直結する、賢明なシステム選びのための情報を、ぜひ最後までご覧ください。

受注管理システムとは?基本機能と仕組みをわかりやすく解説

受注管理システムとは、顧客からの注文受付から納品・請求・入金に至るまでの一連のビジネスプロセスを統合的に管理するデジタルプラットフォームです。これまでは手書きの伝票やExcelスプレッドシートで個別に処理していた業務を、クラウドベースのシステム上でリアルタイムに一元管理・共有することが可能になります。

具体的には、受注データの入力から見積書・請求書の自動生成、リアルタイムの在庫状況確認、出荷指示書の発行、包括的な顧客情報管理まで、すべての業務プロセスを統合されたインターフェースで効率的に処理できます。さらに、既存の会計システムや在庫管理ソフトウェアとシームレスに連携することで、受発注から経理業務まで、企業活動全体の自動化・効率化を実現できることも大きな特徴となっています。

特筆すべきは、近年の受注管理システムは中小企業にも導入しやすい価格帯と使いやすさを実現していることです。導入により、日常的な業務効率の大幅な改善、人為的ミスの予防、リアルタイムでの売上分析・経営指標の可視化などが実現可能です。

システム導入の経験が少ない企業であっても、現場スタッフの作業負担を軽減しながら、業務プロセス全体の透明性向上とデータに基づく意思決定を実現できる、実用的なビジネスソリューションとなっています。

受注管理システムを導入するメリット

受注管理システムの導入には、業務効率化からコスト削減まで、様々なメリットがあります。以下では、主要なメリットについて詳しく解説していきます。

「また伝票ミス?」現場のヒューマンエラーを根本から減らす

受注業務では、手書き伝票やExcelでの管理に頼っていると、記入ミス・聞き間違い・転記漏れといったヒューマンエラーが頻発しやすくなります。

たとえば、商品数を誤って入力したり、顧客名を間違えたまま出荷してしまったりすることで、クレームや返品対応の手間が発生し、現場の負担が増える一因となります。

受注管理システムを導入すれば、注文情報をリアルタイムで一元管理できるため、関係部署間での情報共有もスムーズになり、ミスの原因となる二重入力や確認漏れを根本から防げます。

さらに、操作履歴やステータスが可視化されることで、属人化の防止や業務フローの標準化も進み、業務全体の品質向上につながります。

「在庫が足りない…」から「納期に余裕あり」へ

在庫管理と連携していない受注業務では、「注文を受けたのに在庫がなかった」といったトラブルが起こりやすく、納期遅延や顧客満足度の低下を招きます。

受注管理システムを導入すれば、在庫状況をリアルタイムで確認しながら受注処理が行えるため、欠品リスクを未然に防ぐことが可能です。

在庫管理連携のメリット

  • システム上で在庫数を確認しながら注文を確定できる
  • 無理な受注が減り、納期に余裕を持った対応が実現
  • 仕入れや生産スケジュールと連動した在庫補充
  • 販売機会の損失を防ぐ

「売上は伸びているのに利益が見えない」経営判断を支えるデータ可視化

Excelや紙での受注管理では、売上や利益の状況をリアルタイムで把握することが困難です。顧客別の販売実績や、商品ごとの売上高、個別案件の収益性といった情報が分散してしまい、経営判断に不可欠な数値が見えにくくなってしまいます。

受注管理システムを導入することで、受注データは自動的に蓄積・集計され、顧客別・商品別の売上推移や利益率をリアルタイムで可視化できます。

これにより、重点的に取り組むべき顧客や改善が必要な商材が明確になり、データに基づいた確かな経営判断が可能になります。さらに、会計システムや在庫管理との連携により、原価や在庫回転率も一元管理できるため、より戦略的な経営が実現します。

受注管理システムを導入するデメリット

受注管理システムには様々なメリットがありますが、一方でデメリットや注意点もあります。以下では、導入時に考慮すべき主なデメリットについて解説します。

「導入したけど使われていない…」初期コスト・教育コストの盲点

受注管理システムは導入すればすぐに業務改善が進むわけではありません。特に現場のITリテラシーが高くない企業では、「使い方が分からない」「入力が面倒」といった理由から、結局これまでの紙やExcel管理に戻ってしまうこともあります。

導入にはライセンス費用や初期設定費用がかかるだけでなく、社内での操作研修やマニュアル作成といった教育コストも発生します。これらが不足すると、せっかくのシステムも現場で活用されず、投資が無駄になるリスクがあるでしょう。

スムーズに定着させるには、導入初期にしっかりとサポートを受けながら、少しずつ現場に慣らしていく運用体制が不可欠です。

「便利だけど業務が合わない」既存フローとのズレ

受注管理システムは基本的な業務フローに対応していますが、企業ごとの固有の業務までは必ずしも吸収できるわけではありません。

たとえば、独自の承認手順や特殊な帳票出力が必要な場合、標準機能では対応しきれず、現場が「合わせる運用」を強いられることがあります。すると、使い勝手が悪くなり、手入力やExcelへの転記など、かえって業務が複雑になることも。

フロー不適合のリスク

  • 独自の承認手順への対応不足
  • 特殊な帳票出力への制限
  • システムに合わせた運用変更の負担
  • カスタマイズコストの発生

一部のシステムではカスタマイズ対応が可能ですが、費用と時間がかかる点に注意が必要です。導入前には、自社の業務プロセスを丁寧に棚卸しし、どこまでシステムにフィットするかを確認することが大切です。

「ネットが落ちたら終わり?」クラウド依存のリスク

近年主流となっているクラウド型受注管理システムは、インターネット接続が前提です。

便利で柔軟な反面、ネットワーク障害やクラウドベンダー側のトラブルが発生した場合、業務が一時的に完全停止してしまうリスクがあります。

たとえば、倉庫からの出荷指示が出せない、営業が受注状況を確認できないなど、日常業務に大きな支障が出ることもあります。また、クラウドのセキュリティ対策やサーバー稼働実績などもサービスによって異なるため、導入前にチェックが必要です。

BCP(事業継続計画)の一環として、ネット障害時の代替手段や手動対応のマニュアルを用意しておくと安心でしょう。

受注管理システムの選び方

受注管理システムを選ぶ際には、機能面だけでなく自社の業務フローや規模に合わせた適切な選択が重要です。以下では、基本的な選定ポイントと業態別の選び方について詳しく解説します。

基本の選定ポイント|導入前にチェックすべき5つの観点

観点 チェックポイント
クラウド or オンプレミス 社内IT体制やセキュリティ方針に適合しているか
外部連携の柔軟性 会計ソフトや在庫管理、ECカートなどとスムーズに連携できるか
UI/UX・操作性 現場メンバーでも直感的に操作できるか、マニュアル整備が容易か
サポート体制 導入前後の支援やトラブル対応の有無、対応チャネルの充実度
導入実績・評価 同業種での導入事例やユーザーのレビュー・口コミの信頼性

選定時の重要ポイント

  • 自社の業務体制や運用環境に合うかを事前に見極める
  • クラウド・オンプレミスの選択は慎重に検討する
  • 外部システムとの連携性を確認する
  • 使いやすさとユーザビリティを重視する
  • サポート体制の充実度を確認する

タイプ別の選び方|自社のビジネスモデルに合った製品を選ぶ

それでは、各企業のタイプ別に最適な受注管理システムの選び方について、具体的な事例や特徴を見ていきましょう。

【EC事業者向け】在庫・出荷・カート連携重視

EC事業者が受注管理システムを選ぶ際は、在庫管理・出荷処理・ショッピングカートとの連携機能が重要です。複数のネットショップを運営している場合、モールごとの在庫数や注文情報を一元管理できる仕組みが求められます。

たとえば、楽天やAmazon、Yahoo!ショッピングなどからの注文データを一括で管理し、在庫の引き当てや出荷指示を自動化することで、業務の手間やミスを大幅に削減できます。

【製造業向け】受注後の製造計画・在庫連動を重視

製造業における受注管理では、単なる注文受付だけでなく、製造計画や資材の在庫状況と密接に連動させる必要があります。

製品によって仕様や納期が異なるため、個別の要件に対応できる柔軟性が求められます。こうした業種には、生産管理システムと連携できる受注管理システムが適しています。

たとえば受注と同時に必要な在庫を把握したり、部材の発注や納期調整を行ったりと、スムーズな生産体制を支援することが可能です。結果として、納期遵守率の向上や無駄な在庫の削減にもつながります。

【受託業/BtoB企業向け】案件単位での管理や工程進捗の見える化がカギ

受託業やBtoB企業では、単なる「注文処理」だけでなく、案件単位で業務全体を管理する必要があります。

たとえば、見積作成から受注、納品、請求、入金までの各工程を一つの流れとして把握し、それぞれの進捗状況を関係者間で共有することが重要です。

受注管理システムを導入することで、誰がどこまで対応しているのか、次に何をすべきかといった情報が明確になり、属人的な業務から脱却が可能です。また、顧客ごとに異なる契約内容や納品スケジュールにも柔軟に対応でき、業務の抜け漏れを防止できます。

【ITベンチャー・少人数チーム向け】低コスト&スモールスタート重視

ITベンチャー企業や少人数のチームにとって、業務効率化は重要な課題です。ただし、大規模なシステムは費用や導入負担が大きく、現実的ではない場合もあります。そのため、初期費用を抑えつつ、必要な機能だけを使える受注管理システムも存在します。

月額1万円前後で使えるクラウド型のツールも多く、特別なITスキルがなくても簡単に使える設計がされています。業務が拡大しても、ノーコードや設定ベースで柔軟に機能追加できるため、将来を見据えて安心してスモールスタートが可能です。また、サポート体制が整ったサービスを選べば、少人数でも安心して導入・運用ができ、業務の属人化解消や業務品質の向上にもつながります。

おすすめの受注管理システム10選【比較表あり】

以下の比較表では、各システムのタイプ、対応業種、主な特徴、料金プラン、無料トライアルの有無を整理しています。自社に合った製品を絞り込む際の参考にしてください。

製品名 タイプ 対応業種 特徴 月額費用 無料トライアル
BtoBプラットフォーム受発注 飲食業向け 卸売・製造 電子化によるFAX削減、取引先との一括連携 要問合せ あり
楽楽販売 業種汎用 全業種対応 柔軟なカスタマイズ、申請フロー搭載 約40,000円~ あり
アラジンEC 製造業向け 製造・卸売 EC・基幹・在庫・出荷の統合管理 要問い合わせ あり
楽楽B2B EC向け 小売・卸 B2B EC特化、帳票自動発行 要問い合わせ あり
MOS 製造業向け 製造・建材 工程・在庫・販売連動、クラウド生産管理 要問い合わせ あり
kintone スモール・BtoB向け 全業種対応 ノーコード拡張、柔軟な設計 約1,500円/ユーザー~ あり
Oracle NetSuite 大企業向け 製造・小売 ERP一体型の高機能クラウド 要問い合わせ あり
freee販売 スモールビジネス向け 小規模法人・個人事業 会計連携、シンプルUI 約2,000円~ あり
ネクストエンジン EC向け 小売・EC 複数店舗の在庫・出荷一元化 約10,000円~ あり
GoQSystem EC・スモール向け 小売・ネットショップ 自動処理ルール、CSV連携が簡単 約10,000円~ あり

BtoBプラットフォーム 受発注(株式会社インフォマート)

出典:公式サイト

BtoBプラットフォーム受発注は、企業間での受発注から請求までの業務をクラウド上で一元管理できるサービスです。これまで電話・FAX・メールで行っていたやり取りを、AI-OCRやCSVデータで効率化し、すべてWeb上で完結させることができます。

主な特徴

  • 注文書・請求書の完全デジタル化:FAX・紙のやり取りから脱却
  • AI-OCR・CSV連携で入力作業を削減:データ取り込みがスムーズ
  • マルチデバイス対応:PC・スマホ・タブレットからも利用可能
  • 基幹システム・会計ソフトと連携:API・CSV対応あり
  • 法対応も安心:インボイス制度・電子帳簿保存法にも準拠
  • 50,000社以上(2024年8月14日時点)の導入実績:信頼性と継続性のあるサービス

料金プラン(税別)

プラン内容 初期費用 月額費用 備考
基本プラン 要問合せ 要問合せ 企業規模・機能により変動あり

※料金は利用規模や導入範囲によって異なるため、詳細は公式問い合わせが必要です。

楽楽販売(株式会社ラクス)

出典:公式サイト

楽楽販売は、中小〜中堅企業向けに特化したクラウド型の受発注・販売管理システムです。見積〜受注〜請求〜売上計上までの業務を一元化し、これまでExcelやFAX、メールで対応していた煩雑な業務を自動化・効率化します。

主な特徴

  • 業務プロセスの一元管理:見積から請求・売上計上までを自動化
  • わかりやすいUI:マウス操作だけで完結、非IT人材にも優しい
  • 柔軟な設定機能:複雑な価格体系や承認フローも簡単に構築可能
  • クラウド型で導入しやすい:自社サーバー不要、短期導入が可能
  • 外部連携:クラウドサインとの連携で電子契約も可能
  • 安心のサポート体制:導入支援・操作マニュアル・設定代行あり
  • 導入実績多数:約5,000社(2024年12月時点)に採用される信頼性と安定性

料金プラン(税別)

項目 金額 備考
初期費用 150,000円~ 導入時の設定・環境構築費用
月額費用 70,000円〜 ユーザー数・データベース数によって変動

※詳細な費用は企業規模や導入内容により異なるため、見積もりが必要です。

アラジンEC(株式会社アイル)

出典:公式サイト

アラジンECは、製造業・卸売業向けに開発されたBtoB専用の受発注管理クラウドシステムです。従来FAXや電話で行っていた受注業務をWeb化し、業務の効率化と精度向上を実現します。

主な特徴

  • 業種特化型設計:製造業・卸売業に特化し、業務に即した操作性
  • 複雑な単価設定に対応:取引先ごとの条件(価格・数量)を個別管理可能
  • 基幹システム連携:APIによるシームレスな連携で在庫・出荷工程もカバー
  • 高いカスタマイズ性:業務にフィットする柔軟な設計変更が可能
  • ペーパーレス推進:注文書・納品書などの電子化で業務効率アップ
  • 導入実績多数:中堅~大手企業を中心に幅広い採用実績あり

料金プラン(目安)

項目 金額の目安 備考
初期導入費用 要問合せ カスタマイズ内容により大幅に変動
月額利用料 要問合せ システム規模に応じて変動

※導入規模や要件により、費用は大きく異なります。詳細見積が必要です。

楽楽B2B(株式会社ネットショップ支援室)

出典:公式サイト

楽楽B2Bは、小売・卸売業者向けのクラウド型EC受発注システムで、BtoB取引と複数のECモール運営を一元管理したい企業に最適なサービスです。

主な特徴

  • 複数ECモールと連携:楽天市場、Yahoo!ショッピング、自社ECなどと在庫・受注情報を一元管理
  • AI-OCR搭載:FAX注文や紙伝票のデータ化を自動で実現
  • モバイル対応:スマホやタブレットでも操作可能、営業現場の即時対応に便利
  • 帳票出力もワンストップ:請求書・納品書なども簡単発行
  • クラウド型でスモールスタート可能:ITに不慣れな企業でも導入しやすい設計

料金プラン(目安)

プラン名 初期費用(目安) 月額費用 主な仕様例
Standardプラン 要問い合わせ ¥39,800〜(税抜) 5ユーザー、商品10,000件、取引先5,000件まで
Professionalプラン 要問い合わせ ¥69,800〜(税抜) 20ユーザー、商品50,000件、取引先10,000件まで
追加ユーザー ¥1,980/人(税抜) 必要に応じて柔軟に拡張可能

※プランにより機能制限あり。詳細は公式資料・見積もりで要確認。

MOS(株式会社アクロスソリューションズ)

出典:公式サイト

MOSは、モバイル対応のBtoBクラウド受発注システムで、スマホやタブレットからもスムーズに取引できるのが特徴。FAXや電話による煩雑なやり取りを削減し、現場の業務効率化を強力にサポートします。

主な特徴

  • モバイル対応:外出先や店舗からも受発注操作が可能で、営業の即応性を向上
  • CSV連携:基幹システムへ受注データをスムーズに反映、二重入力の手間を削減
  • 代理発注機能:各拠点の発注を本部が一元管理、業務の見える化に貢献
  • ミス・漏れ防止:受注状況をリアルタイムで確認でき、確認漏れや処理忘れを予防
  • 柔軟なカスタマイズ:業種・業態に応じて機能を拡張可能

料金プラン(目安)

項目 内容
初期費用 要問合わせ
月額費用 要問合わせ

※大規模運用や特別な要件がある場合は、個別相談が必要。

kintone(サイボウズ株式会社)

出典:公式サイト

kintone(キントーン)は、プログラミング不要で業務アプリを作成できるクラウドサービスです。受注管理をはじめ、在庫管理や請求処理などのフローもノーコードで構築でき、業務に合わせた柔軟なカスタマイズが可能です。

主な特徴

  • ノーコードでアプリ作成:開発知識がなくても受注・在庫・請求などの業務を自社仕様で構築
  • テンプレート・事例が豊富:業種ごとの導入事例やサンプルを参考にすぐ始められる
  • 柔軟なアクセス管理:ユーザーや部署ごとに操作権限を設定可能で、セキュリティも安心
  • コミュニケーション機能:コメントや通知機能で、部門間の情報共有がスムーズ
  • API連携による拡張性:スタンダード以上のプランで、外部システム連携も自在に

料金プラン(税抜)

プラン名 月額費用(1ユーザー) 主な機能と上限
ライトコース ¥1,000 アプリ上限200、スペース上限100、API非対応
スタンダードコース ¥1,800 アプリ上限1,000、スペース上限500、API対応
ワイドコース ¥3,000 アプリ上限3,000、スペース上限1,000、高度なAPI連携

※いずれも10ユーザー以上で契約、初期費用無料、月単位契約可

Oracle NetSuite(日本オラクル株式会社)

出典:公式サイト

Oracle NetSuiteは、受注・在庫・出荷・請求・入金・会計などを一元管理できるERPクラウドシステムです。グローバル対応や部門横断的な業務連携に強く、中堅〜大企業の複雑な業務ニーズにも柔軟に対応します。

主な特徴

  • 受注~入金まで一気通貫:一度の入力で各工程に自動連携、業務の属人化・手戻りを防止
  • 高度な業務要件に対応:多拠点・多通貨・直送・分納処理など、複雑な販売管理も可能
  • リアルタイム経営管理:営業・在庫・財務などの情報をリアルタイムに共有
  • 柔軟なカスタマイズ性:業種や規模に応じた拡張性があり、EC・在庫・財務連携も自在
  • 内部統制とガバナンス強化:アクセス制御や監査ログの整備で、上場企業にも対応

料金目安(税抜)

※要問合わせ


  • 導入支援・カスタマイズ費用も別途必要
  • 従量課金制(ユーザー数/モジュール数に応じて変動)
  • 見積は個別対応が基本のため、価格幅に大きな差あり

freee販売(フリー株式会社)

出典:公式サイト

freee販売は、中小企業や小規模事業者向けに開発されたクラウド型の販売・受注管理システムです。見積・受注・納品・請求・入金までを一元管理でき、簿記や経理に不慣れな人でも直感的に使えるUIが強みです。

主な特徴

  • freee会計と完全連携:販売データがそのまま会計へ連携され、経理処理の手間を削減
  • 案件単位の管理が可能:原価や粗利も可視化され、利益構造の把握に役立つ
  • 簡単なUI設計:専門知識不要で、初めての販売管理システムとしても導入しやすい
  • 外部サービスとの連携:Shopify、請求書発行サービスとも柔軟に接続可能

料金プラン(税抜)

プラン名 月額料金 標準ユーザー数 主な機能概要
スタータープラン 3,980円 1名(追加1名ごと500円) ・請求書発行、受注管理、基本的な取引管理機能
・個人事業主や小規模法人向け
スタンダードプラン 40,000円 10名想定 ・承認ワークフロー、原価・粗利管理、内部統制対応
・中小企業の業務効率化に最適

初期費用は無料で、月額費用はユーザー数・プランによって異なります。

ネクストエンジン(NE株式会社)

出典:公式サイト

ネクストエンジンは、複数モールや自社ECサイトを運営する事業者向けに設計された、クラウド型の受注・在庫管理システムです。楽天市場・Amazon・Yahoo!など異なるチャネルの注文を一画面で一元管理でき、EC運営の効率化とミス削減を実現します。

主な特徴

  • 複数チャネルの一元管理:転記不要で、受注処理の重複やミスを防止
  • 業務の自動化:受注ステータス変更、出荷指示、メール通知などを自動化
  • 在庫管理の効率化:リアルタイムの在庫引き当て、欠品リスクの低減
  • 外部連携が充実:会計、分析、倉庫管理(WMS)などと接続できるアプリストアを搭載

料金体系(税抜)

項目 内容
初期費用 無料
月額基本料金 3,000円(200件まで)
従量課金制 注文件数に応じて料金が段階的に加算される
無料トライアル あり(詳細は公式サイトで確認)

※注文件数が多くなると、必要に応じて上位プランやオプションを追加可能。

GoQSystem(株式会社GoQSystem)

出典:公式サイト

GoQSystemは、ネットショップ運営に特化したクラウド型受注管理システムです。ECサイトからの注文データを自動で取り込み、在庫確認・出荷指示・帳票出力までの一連の業務をスムーズに処理できます。

主な特徴

  • 複数ECモール・倉庫連携に対応:楽天、Amazon、自社ECなどからの注文を自動集約
  • 定額制&選べるプラン構成:業務規模や成長段階に応じて無理なく導入可能
  • 最短40分で導入完了:スピード感をもって業務効率化を開始できる
  • サポートが充実:メール・電話・チャットに加え、LINEでも問い合わせ可能

料金プラン(税抜)

プラン名 初期
費用
月額料金 主な機能
フリープラン 0円 0円 受注管理の基本機能、機能制限あり
受注管理プラン 30,000円 15,000円 受注データ自動取り込み、帳票出力
受注・出荷管理プラン 40,000円 29,800円 在庫・出荷管理を含む中小EC向け機能
WMS連携プラン 50,000円 44,800円 倉庫管理システム(WMS)との連携機能
出荷管理プラン 100,000円 64,800円 フル機能搭載、大規模運営に対応

※機能制限のない20日間の無料トライアルも可能です。

受注管理システムの導入に関するよくある質問(FAQ)

受注管理システムの導入に関する一般的な疑問や懸念事項について、以下のFAQでわかりやすく解説していきます。

Q1. クラウド型とオンプレミス型、どちらを選べば良いですか?

システムの選択は企業のニーズによって異なります。クラウド型は、初期投資を最小限に抑えながら迅速な導入が可能で、サービス開始までの時間を短縮できるため、多くの企業に適しています。

特に、システム運用の手間を省きたい場合や、柔軟なスケーリングを求める企業にとって理想的な選択肢となります。

一方、オンプレミス型は、自社でIT部門を持ち、高度なセキュリティ要件がある場合や、業務に特化した詳細なカスタマイズが必要な場合に検討する価値があります。また、データの完全な管理権限を持ちたい企業や、長期的な運用コストの最適化を目指す組織にとっても、有力な選択肢となります。

Q2. 導入にどれくらいの期間がかかりますか?

システムの規模や業務フローによって導入期間は大きく異なります。クラウド型システムの場合、基本的な機能のみを利用するのであれば、アカウント設定やデータ移行を含めて最短1〜2週間程度で本稼働が可能です。特に標準的な業務フローを想定した製品であれば、マニュアルに沿って段階的に導入を進められます。

一方、オンプレミス型システムや、業務プロセスに合わせた大規模なカスタマイズが必要な場合は、要件定義から環境構築、テスト運用を経て本稼働までに2〜3か月、場合によっては半年程度の期間を見込む必要があります。また、既存システムとの連携や、複数拠点での展開を行う場合は、さらに時間がかかることもあります。

Q3. 初期費用や月額料金はどれくらいですか?

クラウド型システムの場合、導入時の初期費用は、基本的なプランであれば0円から始められ、カスタマイズや導入支援が必要な場合は数十万円程度までの幅があります。

月額費用については、小規模事業者向けの基本プランで1万円前後から、中堅・大企業向けの高機能プランで10万円程度までが一般的な相場となっています。

ただし、これらの費用は、利用するユーザー数、必要な機能の範囲、サポートのレベル、データ容量などの要因によって大きく変動する可能性があります。そのため、複数のベンダーから見積もりを取得し、自社の要件や予算に合わせて慎重に比較検討することをお勧めします。

Q4. 小規模な会社でも導入できますか?

はい、導入は十分可能です。freee販売やGoQSystemなど、多くのサービスが小規模企業のニーズに配慮したライトプランを提供しています。これらのプランは、基本的な受注管理機能に特化しており、初期費用を抑えながら必要最低限の機能からスタートできます。

システムへの慣れや業務の成長に応じて、段階的に機能を追加していくことも可能です。このようなスモールスタートのアプローチにより、導入時のリスクやコストを最小限に抑えながら、効率的な運用を実現できます。

さらに、多くのサービスが無料トライアル期間を設けているため、実際の業務での使用感を確認してから本格導入を決めることができます。

Q5. サポートはどこまで対応してもらえますか?

サポート体制は各サービスによって大きく異なります。一般的なサポート対応としては、チャット・メール・電話のいずれか、もしくは複数の組み合わせでのサポートを提供しています。

多くのベンダーが平日の営業時間内での技術的な問い合わせ対応を基本としており、プランによってはより手厚いサポートを受けられる場合もあります。

また、導入時のサポートも重要なポイントです。セットアップ代行や業務フロー構築支援、データ移行のサポート、社員向けの操作研修など、きめ細かな導入支援サービスを提供しているベンダーを選ぶことで、スムーズな立ち上げと運用が可能です。

特に初めてシステムを導入する企業の場合は、こうした充実したサポート体制があるサービスを選択することをお勧めします。

Q6. 自社独自の業務フローに合わせたカスタマイズは可能ですか?

カスタマイズの対応範囲は製品によって様々です。

多くの製品では、画面レイアウトの調整、入力項目の追加・変更、承認フローの設定など、管理画面からの設定ベースのカスタマイズが可能です。より高度なカスタマイズについては、プログラミングによる開発が必要となるケースもあり、対応可能な範囲はサービスによって大きく異なります。

たとえば、kintoneやMOSなどのプラットフォーム型のサービスは、APIやプラグイン開発による柔軟な機能拡張が可能で、独自の業務フローに合わせた設計がしやすいという特徴があります。

まとめ

受注管理システムは、企業の業務効率化とコスト削減に大きく貢献する強力なビジネスツールです。

従来の手書きやExcelによる管理方法からの脱却により、人為的なミスの防止や業務プロセスの標準化が実現でき、さらには作業時間の大幅な短縮も期待できます。データの正確性が向上し、リアルタイムでの情報共有が可能となることで、経営判断のスピードアップにも貢献します。

システムの形態は、クラウド型からオンプレミス型まで多岐にわたり、企業規模や業務内容、セキュリティ要件に応じて最適なものを選択することが可能です。

初期費用や運用コストについても、基本的な機能に特化した低価格プランから、高度なカスタマイズが可能な本格的なプランまで、幅広い選択肢が用意されており、小規模企業から大企業まで、それぞれのニーズと予算に合わせた導入が可能な環境が整っています。

自社の業務課題を明確に分析し、現場のニーズに合った適切なシステムを選定することで、受注業務の効率化だけでなく、正確な納期管理や在庫把握による顧客満足度の向上、さらには経営データの可視化による戦略的な意思決定の実現も可能となるでしょう。

日商、歴史生かす観光拠点整備支援を国に要請=訪日客分散促進で提言

 日本商工会議所は17日、観光需要の一段の喚起に向けた政策提言「『観光立国推進基本計画』改定に向けた意見」を公表した。三大都市圏に集中しがちな訪日客の渡航先を分散させる課題を克服するため、地域の歴史や文化を生かした観光拠点「ユニークベニュー」の整備について国の後押しを求めた。近く国土交通相に手交する方針。

 訪日客は昨年、過去最高の3687万人となり、消費額も8.1兆円に達した。ただ渡航は首都圏や関西、中部に偏り、潜在的に豊かな価値を持つとされる他の地域への訪問は不十分にとどまっている。

 提言は、国が各地の需要掘り起こしに向け、歴史的建造物の復元で必要となる文化財保護や建築基準などにまつわる申請手続きを一本化したり、事業化に向けて自治体・企業と伴走しつつ支援したりするよう要請した。

 先行例として、神奈川県横須賀や広島県呉、長崎県佐世保、京都府舞鶴の4市が共通して持つ旧軍港の名残をとどめる拠点で、多言語案内の表示やガイドの育成で協力していることを紹介。茨城県結城市も神社仏閣や酒蔵をステージとして活用した音楽祭を開いて国内外の若年層客を引き寄せ、雇用創出につなげているという。

 日商担当者は「観光関係者は地域と緊密な関係を築き、オーバーツーリズムを避けながら情報発信を強化していく必要がある」と訴えた。(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2025/07/17-18:43)

博報堂DYグループ、スター社員の思考方法をAI化し社内で活用→大幅な業務時間削減とクリエイティビティ創出

●この記事のポイント
・博報堂DYグループが、スター社員の思考方法をAIサービスに落とし込み、それを社員が利用することで大幅な業務効率向上を実現
・多くの社員がコンセプト開発に利用することで業務時間削減、その時間でさらに高度な業務への取り組みが可能に
・マーケターやクリエイターとの打ち合わせ前に、営業がたたき台として自力でコンセプトワークを行えるといった効果も

 大手広告会社の博報堂DYグループが、スター社員の思考方法をAIサービスに落とし込み、それを社員が利用することで大幅な業務効率向上を実現させている。TBWA HAKUHODOのChief Creative Officer(CCO)であり、国内外で多数の受賞歴を持つ細田高広氏の思考方法を再現するAIサービス「STRATEGY BLOOM CONCEPT(ストラテジー ブルーム コンセプト)」を開発。プロダクト利用によって業務時間の削減、その時間でアイデアの深堀りや本質的な議論の増加といった効果や、クリエイターが細田氏に直接相談せずとも普段では思いつかないような視点で思考整理できるといった効果が出ているようだ。なぜ、このようなAIを開発したのか。また、社内ではどのように使われているのか。博報堂DYグループの担当に取材した。 

●目次

細田CCOの優れた手法を社内で有効活用してノウハウを継承

 同プロダクトを開発・導入するに至った背景について、開発担当の博報堂テクノロジーズ豆谷浩輝氏はいう。

「背景としては大きく2つありまして、まずコンセプト開発には時間がかかるという課題があった点です。企画の最初のコアを考えていくというステップは、従来は営業、マーケティング、クリエイティブなどの部署の担当者が7、8回ぐらい集まり会議を重ねて、1カ月ぐらいかけてコンセプトを固めるというかたちでした。このように時間がかかっていた部分をもう少し効率化できないか、例えばAIを取り入れて5合目ぐらいまでにはもう少し早くたどり着くようにできないか、という発想から始めました。

 もう一つの背景は、コンセプト開発の担い手育成という課題があったことです。コンセプト開発は専門性の高い業務なのですが、その手法が各チームごとにギルド的に蓄積されて、スキルとして社内で共有知として活かされていませんでした。そこで、細田CCOの優れた手法をもっと社内で有効活用してノウハウを継承できないかという視点に立ち、AIサービスを開発して多くの社員がいつでも利用できるようにしたいという思いで開発を始めました」

 同社は2023年12月頃に開発に着手し、約1年かけて開発を行い24年11月に社内リリースした。具体的にどのようなAIなのか。

「クライアントが抱える課題、例えば『商品の売上向上』のために、新たなターゲット設定や戦略策定についての問いをAIが入力として受けて、それに対して細田CCOのインサイト型のコンセプト開発手法に従って、その課題を解決するコンセプトを提案するといったことをしてくれます。社員は『具体的にターゲットはここがいいよね』『そのターゲットはどういった課題やインサイトを持っているのか』という問いについてAIと壁打ちしながらコンセプトを詰めていったり、『競合はこういったことができるけど、こういったことはできないよね』といった競合視点でも分析して、『クライアントが持っている強みをどういうかたちで活かせるか』『勝ち筋を見つけていって、こういうコンセプトでやってみませんか』というコンセプトの開発を進められるというものです」(豆谷氏)

営業部門の社員による利用も多い

 クリエイティブ部門の社員のみならず、営業部門でも高い頻度で使用されているという。

「幅広い職種の社員が使っており、さまざまな使い方があるのですが、営業部門の社員による利用も多いです。マーケターやクリエイターとの打ち合わせ前に、営業担当者がいったんこのAIを使って自分でコンセプトワークを行い、それをアイディアに関するディスカッションの叩き台にするといった使い方が多いです。利用者の割合としては営業担当者が40%ぐらいで、残りの半々がマーケターとクリエイターというイメージです。 

 クリエイティブ部門とマーケティング部門の社員はもう少しアドバンスな使い方をしていまして、これまで自分たちが行っていたコンセプト開発に、細田CCOの思考方法に照らし合わるというプロセスを追加して思考整理をより深めることによって、これまで気づけてなかった視点を得るという使い方をしています」(豆谷氏)

 AIの導入により、目に見える業務効率向上の高い効果が出ているという。

「職種によって効果に違いがありますが、当初の見立てでは1回の利用あたり4時間ほど時間削減効果が出ると見込んでいて、約4000時間の業務時間の削減効果がありました」(豆谷氏)

難易度の高い仕事により多くの時間を費やす

 人手不足が叫ばれる昨今、同社としては業務時間の削減を将来的には人件費の抑制につなげたいという意向があるのか。

「AIを使う大きな目的は、業務時間を削減することも実現しながら、それによって社員の仕事の密度が高まり、難易度の高い仕事により多くの時間を費やしていき、人間しかできない創造的な仕事によってクリエイティビティを世の中に提供していくという点にあります。今後は発想支援など人間の創造性を支援するAIを開発し現場に投入していこうという発想です」(豆谷氏)

 同社は今後もAI活用をさらに進めていく計画だという。

「コンセプト開発が主な用途である『STRATEGY BLOOM CONCEPT』の利用状況やメリット・デメリットを検証した上で、さまざまな分野のスター社員のスキルをAIサービス化していくことを検討しています。まず、今年度中にもマーケティングスキルに関するAIサービスを2つぐらい開発したいと考えております」(豆谷氏)

管理組合が機能しない、管理会社が積立金を着服…高齢マンション問題が顕在化、スラム化を回避する方策

●この記事のポイント
・高齢の入居者の比率が高い傾向がある高齢マンションをめぐる問題が全国で続出
・管理組合が億単位の修繕積立金を管理会社に着服されたり、メンバーの高齢化によって管理組合が機能しなくなり、管理会社が“逃げ出す”ケースも
・セカンドオピニオンや管理組合運営事業者の利用も方策

 高齢の入居者の比率が高い傾向がある高齢マンションをめぐる問題が全国で続出している。国土交通省「マンションの適正管理及び再生に向けた検討の方向性」によれば、築40年以上のマンションは現在(2023年末)の約137万戸から、20年後には約3.4倍の約464万戸に増加する。こうしたマンションでは世帯主が70歳以上の住戸の割合が5割超となっているというが、管理組合が億単位の修繕積立金を管理会社に着服されたり、メンバーの高齢化によって管理組合が機能しなくなり、管理会社が“逃げ出す”ケースも出ているという。背景には何があるのか。また、こうしたトラブルを回避するためには、どうすればよいのか。専門家の見解を交えて追ってみたい。

●目次

多額の積立金を扱っているという管理組合の特性

 マンションの管理組合が管理会社によって積立金を着服されるなどの被害に遭うケースというのは、なぜ起きるのか。不動産事業のコンサルティングを手掛けるオラガ総研代表取締役の牧野知弘氏はいう。

「マンション版振り込め詐欺のようなこうした事例は、最近目立つようになってきています。ここ数年、高齢者が犯罪者のターゲットになることが問題化していますが、管理組合も高齢化しており、加えて相当な金額の積立金を扱っているので、そこにつけ込むというかたちです。もっとも悪質なのが、管理会社が管理組合の積立金を着服するというケースですが、悪質なコンサルタントのような人物が実質的に管理組合のお金を差配して私文書を偽造してしまうケースもあります。また、『積立金を運用して差し上げます』とつけ入って、勝手に運用して損害を与えたり、大規模修繕を行うときに建設会社などと謀って談合して多額のキックバックを得るという手口もあります」

 こうした被害に遭わないために、どうすればよいのか。

「何でもかんでもすべて疑い始めると仕事にならなくなりますし、理事長と理事だけで対処するには限界があるので、専門家に頼むというのが一つの回答になるわけですが、専門家を名乗る詐欺師的な組織もあるので、なかなか難しいです。一つの方策としては、セカンドオピニオン的なものを必ず取るようにするということ、もう一つは、しっかりとした基盤と実績を持つ、管理組合運営を受託する事業者に管理を任せるという方式も、最近では増え始めています。理事のなかに建築業や設計に知見を持つ人がいない限り、大規模修繕などの見積もりが高いのか安いのかを判断するのは難しいので、しっかりとしたセカンドオピニオンを求めるというのは重要です。

 業者から提示される見積もりが妥当なのかを見抜くことは専門家以外の人はできないので、多少コストがかかっても第三者的な機関に依頼することによって大きな被害を防ぐということが非常に求められてきたと感じます。老朽化したマンションほど住民が高齢化している傾向があるので、外部の力を借りて備えるということが大切です」

マンションの自主管理は困難

 高齢マンションでは、他にもトラブルが増えているという。

「管理組合を構成するメンバーが80代、90代と高齢になって、管理組合自体が全く機能していないマンションというのが出始めています。築年の古いマンションで、かつ小規模な物件になると、理事長や理事の成り手がいないという事態が出始めています。管理会社は自ら物事を決めるのではなく、あくまで管理組合に提案をして決裁してもらわないと何もできないので、責任を持って管理できないということで、管理会社が再契約をせずに撤退するマンションも出始めています。そうなると自主管理という形になりますが、管理会社が逃げてしまうようなマンションを自主管理するのは難しいので、高齢化が原因で何も意思決定ができないようなマンションは、さらに老朽化が進んでしまいます。最終的にはスラム化するマンションが増えて社会問題につながる可能性もあります」

(文=BUSINESS JOURNAL編集部、協力=牧野知弘/オラガ総研代表取締役)

『報道特集』の選挙報道は“誤導”ではない! 参政党・神谷や国民民主党・玉木が繰り広げた外国人ヘイトのデマを徹底検証

「日本人ファースト」を掲げ、外国人に対する差別的主張によって支持を広げている参政党だが、その問題に切り込んだ『報道特集』(TBS)がやり玉に挙げられている。  7月12日放送の『報道特集』では、今回の参院選で外国人政策が重要争点として急浮上しているなかで参政党が支持を広げ...

トヨタ系大手4社、省エネや電動化で技術アピール=人とくるまのテクノロジー展

 トヨタ自動車グループの主要部品大手4社が、16日から愛知県国際展示場(常滑市)で開催の「人とくるまのテクノロジー展」で、最新技術を用いた省エネやリサイクル、電動化分野の製品、部品をアピールしている。同展示会は自動車技術会主催。18日まで。

 内外装部品を手掛ける豊田合成は、大阪・関西万博で実証中の「ペロブスカイト太陽電池」を紹介。同電池はフィルムのように薄く、柔軟性が特長で、衣服に貼り付けて冷却ファンを動かす「スマートウエア」の実用化を目指す。トヨタ紡織はドアの内外装やシートに用いる材料を、複合材から一つの素材に統一。リサイクルが容易な「モノマテリアル(単一素材)」技術をアピールした。

 アイシンは電気自動車(EV)に必要な駆動・電力変換・熱制御など主要部品を集約し、搭載性能を向上させた「機能統合電動ユニット」を出展。量産品と比較し占有スペースを6割程度カットするという。デンソーもコア部品を一体化した「eAxle内蔵インバーター」を展示。従来品より体格を約2割低減したといい、担当者は「(電動車の)車室空間の拡大には力を入れている」と話した。(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2025/07/16-15:26)

コミュニティから生まれた異色のVC…千葉道場ファンド、10年で6社上場の秘密

●この記事のポイント
・「千葉道場ファンド」は、極めて異色のベンチャーキャピタル(VC)である。その成り立ちもユニークだが、投資先への伴走形態や投資の出口に対するスタンスも、既存のVCとは大きく異なる。
・あくまでも投資家たちの相互支援のコミュニティーという側面が強い。それだけに、一生涯を共にしようという強い絆が根底にある。

 2015年、たった7人の起業家が集まり始まった勉強会が、いまや約100社の起業家が参加する日本有数の“コミュニティ・ベンチャーキャピタル”へと進化を遂げた。

 起業家による、起業家のための、起業家のコミュニティーー、それが千葉道場である。

「Catch the star(星をつかめ)」を合言葉に、年2回の“合宿”では、ときに涙し、失敗を語りながらも、熱く未来を語る起業家たちの姿がある。本稿では、創設から10年を迎えた千葉道場ファンドの軌跡と哲学、そしてスタートアップ市場に対する提言を、3人のジェネラル・パートナーの言葉から紐解く。

目次

起業家の悩みから生まれた、伝説の「道場」

「千葉道場」と聞くと、坂本龍馬が剣術を学んだ北辰一刀流の桶町千葉道場を思い浮かべる人も多いだろう。しかし、スタートアップの起業家に聞けば、「『千葉道場』とは起業家コミュニティのことだ」と答える人も少なくないのではないだろうか。

 この「千葉道場」は、コロプラ副社長を務めた千葉功太郎氏が10年前に運営を始めた起業家コミュニティであり、そこから生まれたのが、コミュニティ発のベンチャーキャピタル「千葉道場ファンド」だ。通常のVCと異なり、先にコミュニティがあり、そこからファンドが生まれたというユニークな成り立ちを持つ。

「せっかく思いがあって起業したなら、とにかく大きい会社を目指そう」ーー、千葉氏は同コミュニティの象徴的な活動である“合宿”の場で、こう語り続けてきた。

 実際、千葉道場のコミュニティからは6社がIPO(株式公開)を果たし、そのうち3社は、時価総額が一時1000億円を超える水準に達した。これは偶然ではない。「Catch the star」というミッションを掲げ、目指す場所は山の頂上ではなく、“星をつかめる高さ”であるという価値観が、参加者全員の意識を変えてきた結果である。

 千葉道場ファンドのルーツは2015年に開催された「千葉道場研修会」までさかのぼる。当時はスタートアップのノウハウや情報は2025年現在よりも情報が乏しく、資金調達や採用、マネジメントも手探りだった起業家たちが、当時コロプラ副社長としてエンジェル投資を行っていた千葉氏に「勉強会を開催してほしい」と声をかけたのが始まりだった。

 現在同ファンドのジェネラル・パートナーを務める石井貴基氏も、当時千葉氏からエンジェル投資を受けており、この「千葉道場研修会」の初期メンバーの一人だった。「千葉道場」というネーミングは、千葉氏の名字と、坂本龍馬ゆかりの千葉道場にちなんで付けられたが、本人は「そもそも名前が恥ずかしいし、運営も大変そうなのでやめたい」と、当初は乗り気ではなかったという。

 それから10年。初回から参加したスペースマーケット社長の重松大輔氏はIPOを果たした。また、令和トラベルの篠塚孝哉氏や、VELVETTの原田大作氏のように、2度目の起業をしているメンバーもいる。当初は、千葉氏の投資先の起業家が集まるクローズドなコミュニティだったが、継続的にコミュニティを支援し、スタートアップへ投資する体制を整えるため、外部投資家を集めて2019年に千葉道場コミュニティ内に千葉道場ファンドを組成。現在も、コミュニティを母体とする稀有なベンチャーキャピタルとして活動を続けている。

10年間、半年に1度の「合宿」を続けてきた理由

 千葉道場が他のベンチャーキャピタルと一線を画す最大の特徴は、「コミュニティを母体とした、千葉道場コミュニティのためのベンチャーキャピタル」であること。その実態はどのようなものなのか。ジェネラル・パートナーの石井氏は、こう語る。

「スタートアップを志す起業家には特有の悩みがあり、それを起業家同士で本音で話せる場というのは、当時はもちろん、今でも非常に貴重な存在だと思っています」

 起業家の視野を広げ、視座を上げることを目的とした、“起業家による起業家のための起業家のコミュニティ”。その象徴として、千葉道場は半年に一度、起業家たちが泊まり込みで語り合う“合宿”を開催してきた。参加できるのは、千葉道場ファンドの投資先企業の代表取締役のみ。ある種、秘密結社のような場でもある。

 初回はわずか7社の参加だったが、現在では100社を超える起業家たちが集い、熱い議論と率直な意見交換が交わされている。なかでも合宿の一つの目玉となっているのが、各社の失敗を乗り越えた成功談を語る「しくじり先生」だ。ときには会社を清算することになった起業家やM&A(合併・買収)を選択した起業家が、その背景を赤裸々に語る場面も珍しくない。

「起業家にとっては、過去うまくいかなかった実体験は最も語りたくない話の一つです。でも、それをあえて共有する。『明日は我が身』という思いで、皆が真剣に聞き、共感し、挑戦を称えるんです」(千葉氏)

 千葉道場では、合宿とは別に“スナック吐露”と呼ばれる少人数の懇親会が開かれる。マグロのトロを囲みながら、起業家たちが「いま、本当に困っていること」を“吐露”する時間だ。時には泣き、笑い、悩みを共有する。そんなエモーショナルなやり取りが、起業家たちの絆をより一層、強固なものにしている。

VCが支援するのではなく、共に育つ“仲間”である

 千葉道場の支援スタイルは、従来のベンチャーキャピタルにおける「ハンズオン」とは一線を画している。「起業家のサポートを投資家が主導する」のではなく、「起業家コミュニティを裏方として支える」という姿勢が一貫しているのだ。コミュニティマネージャーを雇うことはなく、ジェネラル・パートナー自らがコミュニティの運営を担う。まさに、「千葉道場はVCにコミュニティマネージャーがいるのではなく、コミュニティにVCマネージャーがいる」という状態である。

 千葉道場合宿の運営の要となっているのが、毎回5名が選ばれる“幹事”制度だ。彼らが半年間かけて、合宿のテーマや構成を練り上げる。幹事の選出は、ジェネラル・パートナーである石井氏と廣田航輝氏が担当し、選ばれたメンバーには信頼をもって全てを任せる。この運営スタイルにこそ、コミュニティとしての本気度が表れており、彼らが「私たちはファンドではなく、“コミュニティのためのファーム”だ」と語る所以でもある。

 千葉道場ファンドの投資先には、特定の業種やテーマの制限はない。では、どのような観点で投資先を選んでいるのか。特徴的なのは、「千葉道場コミュニティのカルチャーフィット」が投資基準の中核をなしている点だ。これはもはや“起業家への投資”というより、“社員採用”に近い考え方である。

 カルチャーに合う起業家とは、どんな人物か──。その問いに返ってきたのは、「赤ちょうちんがあるような安い居酒屋で深夜までディープに事業の話をしているタイプ」「『こういう社会を作りたい』という強い思いがある人」「今コミュニティにいる起業家たちと切磋琢磨できる関係を築けそうな人」といった答えだった。マーケットのトレンドよりも、起業家個人の原体験や熱量を重視している。廣田氏は「起業家の作りたい未来に共感し、自分が入社したいほどに支援したいと思う会社に投資をしている、という感覚なんです」と話す。

 たとえば、ショートドラマアプリ「BUMP」を運営するemoleの場合、創業者の澤村直道氏の人柄や考え方に共感し、「千葉道場で先を行く経営者たちから学ぶことで、必ずいい会社になる」(石井氏)と確信し、シード期からの投資を決めた。

 千葉道場ファンドのファンドサイズは最大60億円と上限を設けており、現在の運用資産残高は約180億円ほどだ。ベンチャーキャピタル業界ではファンドサイズを拡大すれば、組織の拡大も必要になる。千葉氏は、個人として68ファンド(2025年7月時点)にLP出資した経験を踏まえ、「現在の組織体制を維持したまま、投資戦略──すなわち“型”──を崩さず、千葉道場コミュニティを支えるための千葉道場ファンドのパフォーマンスの再現性を最大化できるのは現状最大60億円だ」と結論づけたという。支援する起業家の数をあえて限定し、一人ひとりに深く向き合う。それこそが、20年、30年と千葉道場コミュニティを支え続ける持続可能なファンドをつくる“型”なのだ。

 さらに興味深いのは、“千葉道場コミュニティの参加のシード・アーリー投資”だけでなく“上場マーケットの送出のためのレイター投資”も行うという点である。シード・アーリー期に投資した企業がレイター期に差し掛かったとき、「上場マーケットへの送出投資」として再び出資するのだという。いわば“推しの卒業”を祝うようなスタンスで、その企業を誰よりもよく知る千葉道場ファンドが、真っ先に投資を申し出る。これは新たな投資家を呼び込む“呼び水”の役割も果たしている。

投資の出口より「起業家の人生」を見つめる

 千葉道場ファンドの特徴のひとつが、投資先の会社をベンチャーキャピタルの投資先ではなく、起業家として、一生に付き合い続けるという哲学がある。ベンチャーキャピタルとしてはIPOの経験を持つ千葉氏、M&Aの経験を持つ石井氏の知見を用いて、支援ができる体制は整っている。しかしスタンスとして、「起業家の人生に寄り添う」ーーというのが千葉道場の考え方だ。

「私たちはスタートアップという企業ではなく、“人”を支援しているんです。たとえ1回目のチャレンジで届かなくても、人生の2週目、3週目で星を目指せばいい。どこかのタイミングで“Catch the star”を実現してくれたらうれしい、そういう気持ちで起業家に向き合っています」

 千葉氏のこの言葉には、起業家人生に対する深い理解と共感がにじむ。

 実際に、千葉道場の初期メンバーの多くが、会社売却を経て、再び起業の道を選んでいるという。この独自の投資スタイルに対して、LP(出資者)も十分に理解した上で支援しており、「上記のスタイルも含めた千葉道場コミュニティを支援している」といった共通認識がある。実際、千葉道場ファンドは着実にリターン実績も積み上げている。

 起業家にIPOの期限を急かしたり、売却の際に過度な回収に走ることはしない。一方で、自分たちには明確な責任を課すーー、その姿勢が、千葉道場ファンドの“型”である。

「VCはポートフォリオマネジメント。ファンドの仕上がりに対して責任を負うのは私たちであり、リスクを取るのもファンド側です。起業家サイドのビジョンややりたいことを妨げてまでもVCの都合を押し付けるのは、違うと考えています」(千葉氏)

セカンダリー市場への提言と、文化を変える覚悟

 スタートアップ市場の課題を、千葉道場のメンバーたちはどのように捉えているのだろうか。

 千葉氏は、スタートアップ投資における“構造的課題”として、「セカンダリー市場の未整備」を挙げる。2014〜2015年ごろに組成されたファンドが2025年に満期を迎えるなか、セカンダリー売却やM&Aのニーズは確実に高まっている。しかし一方で、「M&Aやセカンダリー=IPOできなかった会社」という根強い誤解があり、正当な価格での取引が成立しづらい構造が続いている。

「これはプレイヤーが足りないからではありません。最大の障害は“文化の壁”なんです。認識を変えていくことで促進されるものもあると思います」(千葉氏)

 文化の変革には、一つひとつの言葉の使い方から見直す必要があるーーそれが千葉道場の姿勢だ。千葉道場は“型”を崩さず、伝統と信頼を積み上げていくことを目指し続ける。

(寄稿=相馬留美/ジャーナリスト)

コーチングによって経営課題が1年前倒しで解決…大手企業とスタートアップから「ビジネスコーチ社」が選ばれる理由

 2005年に創業し、ビジネスコーチの分野の第一人者として大企業からスタートアップまで500社以上を支援してきたビジネスコーチ株式会社は、7月10日にビジネスコーチングに関するメディア向け勉強会を開催した。

 勉強会では、同社取締役副社長の橋場剛氏がビジネスコーチングの市場動向や、1対1型コーチングによる企業の経営課題の解決について解説。また、実際にコーチングを受けた経験をもつ日本電気株式会社(NEC)の上坂利文氏を迎え、コーチングから得られた成果について語られた。

研修市場では1対1型へシフトする動きが加速

 ビジネスコーチング市場では、人的資本経営の考え方が広がるなかで、東証プライム上場企業を中心に、従来の集団型研修から個別の1対1型研修へのシフトが加速しているという。

「4〜5年前は集合型研修が主流でしたが、確実な成果を出すためには、1対1のコーチングで実践までフォローする育成方法が必要という認識が広がっています。実際、今年の4月から6月にかけて、当社は大手金融機関の管理職250名に対して1対1型コーチングを実施し、ピープルマネジメント力の向上を支援しました」(橋場氏)

 1対1型のコーチングへシフトした背景には、働き方改革やコロナ禍によるリモートワークの急速な普及がある。急激な変化の時代に突入したことで、これまでの成功パターンが通用しにくい「正解のない時代」を迎えた。このような状況下では、経営者やリーダーも正解を持ち合わせていないため、対話を重ね、現場に近い人々の知恵を積極的に活用することが重要だ。

 こうした理由から、1対1型のコーチングを通じてともに答えを見つけていく必要性が高まっている。とくに急成長するスタートアップでは経営幹部の若返りが進み、マネジメント経験のない30代の幹部育成が課題となっていることからも、コーチングの重要性がいっそう増している。

コーチングは自分で答えを見つけさせることが重要

 1対1型のコーチングでは、 コンサルティングとは異なり専門知識にもとづく解決策を提供するのではなく、対話を通じてクライアント自身が答えを見つけ出すことを支援する。

「1対1型のコーチングは、傾聴と質問を通じて相手から答えを引き出すアプローチが基本です。対話する際は、すぐに答えが出ない質問を投げかけるのがポイント。

 たとえば、『仕事の生産性を倍にするためには、どのような仕事の仕方をすればいいでしょうか』といった質問です。このような問いかけを受けると、自然と脳が活性化し、自ら生産性向上の方法を探りはじめます。ToDoリストの一部を部下に任せる、1時間早く起きて自己研鑽の時間を作るなど、具体的なアイデアが浮かぶでしょう。

 コーチングでは、クライアントが自分の考えを声に出して聞くことで、課題に対する新たな気づきを得ることが重要です。これは、他者から指示されたことよりも、自分で考えて導き出した答えのほうが行動に移す意欲が高まるからです。自ら発見した解決策は、強いモチベーションと実行力につながります」(橋場氏)

他者への敬意が芽生えたのが成果

 コーチングの成功事例として、NECのコーポレートIT戦略部門長である上坂利文氏から、コーチングを受ける前と後で何がどのように変化したかについて語られた。

 上坂氏がコーチングを受講した背景には、データセンタークラウドサービスの事業責任者時代に昇進資格判断のために受けた社内アセスメントがある。このアセスメントにより、ピープルマネジメントと部下育成に課題があることが明らかになった。上坂氏はこの課題を克服する為に、自身のマネジメントスタイルの変革に着手した。

 それ以前にもコーチングを受けていたものの、ピープルマネジメントや部下育成における具体的な問題点を把握できていなかった。そこで橋場氏に支援を依頼し、対話を通じて課題を明確化し、行動目標を設定することができた。

「それまでの私は、相手の話した内容を確認し、意図を正しく理解するという当たり前のことができていませんでした。自分の考えが伝わったかどうかを相手に確認せず、一方的に伝えるだけ。また、メール・チャットでは要件だけを伝えており、相手に対する感謝の気持ちも表現していなかったのです」(上坂氏)

 コーチングは2023年5月から2024年1月までの9カ月間実施された。週次では橋場氏とメールやチャット、クラウドコーチング(コーチとの対話を行うシステム)を通じた振り返りを行い、加えて月1回の対面での月次振り返りという構成で進められた。

「橋場さんの特徴的なところは、困りごとを相談した際に自分の体験談からアドバイスするのではなく、完全に寄り添う姿勢で気づきを与えてくれるようなコミュニケーションを取ってくださったことでした」(上坂氏)

 コーチングの成果として、上司、同僚、部下からは「相手の立場に対する理解や配慮をもったコミュニケーションを実践するようになった」というフィードバックを得て、行動変容が評価された。

「コーチング前は上司・部下という関係性で接していたため、コミュニケーションも一方的な指示になっていました。コーチングを受けた結果、他者への敬意を持って接することができるようになったと、周囲からのフィードバックで実感できました。

 2025年に向けて設定していたクラウドビジネスの規模拡大という経営課題を1年前倒しで達成しましたが、これは一人では決して成し得ないことです。上司・部下という縦の関係性ではなく、同じ課題とビジョンを共有する仲間として対話を重ね、ともに成果を出せたことが私にとっての最大の収穫です」(上坂氏)

 ビジネスコーチングを導入した企業の多くが組織全体のパフォーマンス向上を実現していることから、業界は拡大し、参入企業も増加している。業界を牽引してきたビジネスコーチ株式会社は、東証プライム上場企業の社長や役員層といった日本経済を支える企業のトップ層への支援実績を強みとし、そこで培ったノウハウをミドル層に展開しながら事業拡大を進めている。

「あなたに1人のビジネスコーチ」というスローガンのもと、個人の魅力や想いを引き出し、働く人が幸せを感じられる社会の持続的発展を目指している。ビジョン実現のため、コーチングプラットフォームを整備し、ICF(国際コーチング連盟)資格保持者から厳正な審査を経てコーチ陣を選抜。現在の150人体制から将来的には500人体制への拡大を計画しており、一人ひとりにコーチがつく環境の実現に向けて着実に前進を続けている。

(取材・文=福永太郎)

※本稿はPR記事です

無印良品、V字復活で最高益の理由…日用品に注力でヒット誕生、年100店ペースで出店攻勢

●この記事のポイント
・無印良品を運営する良品計画の25年8月期連結決算見通しは、純利益が前期比13%増の470億円と2年連続の最高益の予想
・600坪ほどの“儲かる店舗フォーマット”、どのエリアに出店しても儲かるというパターンが確立
・購買頻度が高い商材であるヘルス&ビューティー、ハウスウェア、食品が売れている

 無印良品の業績が好調だ。運営元の良品計画が7月11日に発表した2025年8月期連結決算見通しは、純利益が前期比13%増の470億円と2年連続の最高益の予想となった。直近の24年9月〜25年5月期の連結決算も営業収益(売上高に相当)が前年同期比19%増の5910億円、純利益は同30%増の435億円と伸長がめざましい。3年ほど前までは伸び悩みや成長鈍化が指摘されていた同社だが、なぜV字復活を遂げているのか。専門家の見解を交えて追ってみたい。

●目次

年間110店舗以上のペースで店舗数が純増

 同社の業績が好調な要因について、経営コンサルタントでムガマエ株式会社代表の岩崎剛幸氏は次のように分析する。

「一つは、出店戦略が非常にうまくいっている部分が大きいです。ここ数年は年間110店舗以上のペースで店舗数が純増となっており、これが全体の売上の上乗せになっています。加えて、600坪ほどの“儲かる店舗フォーマット”が無印良品の鉄板となっており、どのエリアに出店しても儲かるというパターンが出来上がっています。600坪というと雑貨などを中心とする専門店としては大きめの売り場面積ですが、大規模で売上がしっかりとあがる店舗が増えることで全体での売上が伸びています。また、店舗数の伸び以上に売上が伸びているのも好調の要因です。2019年時点では一店舗あたりの売上は4億4000万円ほどでしたが、24年には5億円を超え、約6000万円も増えているのです。一店舗あたりの売上をこれだけ増やすのはかなり大変ですが、全体の店舗数の増加に一店舗あたりの売上増も重なるという好循環が生まれています」

 なぜ一店舗あたりの売上が増えているのか。

「化粧品関連を含むヘルス&ビューティーのカテゴリが大きく伸びています。現在は全体売上の約2割ほどですが、このままいくと3割くらいにまで拡大するのではないでしょうか。同社は10年ほど前から着々と化粧品業界の人員を採用してこのカテゴリを強化しようと商品開発に注力してきました。世の中的にも、消費者の間で、化粧品を選ぶ際に肌にいいもの、環境にいいものを使いたいというトレンドが強まっており、これが無印良品の商品にバッチリはまってきたという面もあります。

 さらに、購買頻度が高い商材であるハウスウェアのカテゴリが売れている点も要因としてあげられます。ハウスウェアのカテゴリというのは要は日用品ですが、ポリ袋や台所の三角コーナーの水切りネット、掃除で使うもの、トイレットペーパー、洗剤、除湿剤、バススポンジといった、価格帯としては一個数百円程度と低価格ではあるものの、家の中で高い頻度で使用される消耗品ですので、その分、高い頻度で買い替えが発生します。これらヘルス&ビューティーとハウスウェアに食品を加えた、購入頻度が高い3つのカテゴリが強化されたことで、お客さんの来店頻度が増え、一店舗当たりの売上増につながっています。

 ですので、無印良品がものすごく変わったことをやっているわけではなく、繁盛するお店の原理原則に則った取り組みを進めた結果といえます」(岩崎氏)

10~20代の客が増加

 かつての無印商品は、比較的購買力の高い30~40代以上の女性層が主力の客層といわれる時期もあったが、その客層も変化しつつあるという。

「ヘルス&ビューティーのカテゴリでヒットしている『発酵導入化粧液』は10~20代に非常に売れており、この世代のお客さんが増えています。数年前から化粧品関連のパッケージデザインをリニューアルしており、見た目的にもすごくシンプルかつスタイリッシュになりました。無印良品の代表的な商品の一つに『敏感肌用化粧水』がありますが、この『敏感肌用』というは非常に日本人に刺さるキーワードでして、化粧品によって肌が荒れたり湿疹になったりして、なかなか合う化粧品がないと悩んでいる女性は少なくなく、そういう人たちが反応し始めて、客層が若い層にも広がっている点も好調の要因でしょう。あわせて、数年前に安達祐実さんがご普段使いしているコスメとして、無印良品の化粧水を紹介した動画がバズって若年層に広がったという側面もあったようです」

(文=BUSINESS JOURNAL編集部、岩崎剛幸/経営コンサルタント、ムガマエ株式会社代表取締役社長)