プラ削減策、歩み寄り焦点=条約交渉5日再開

 プラスチック汚染を防ぐ国際条約の策定に向けた交渉が5日、スイス・ジュネーブで再開される。14日までの日程で条文案を議論するが、プラの削減策や特定の製品・化学物質を規制するかどうかを巡る隔たりは依然として大きい。各国が合意に向けて歩み寄れるかが焦点となる。

 条約の策定は、プラによる環境汚染の深刻化を背景に、2022年の国連環境総会で決議された。24年末までの合意を掲げていたが、昨年12月の交渉では各国が強硬姿勢を崩さず、議長草案を基に議論を継続することとした。

 草案の中で意見の相違が大きいのは、(1)プラの生産・廃棄を含むライフサイクル全体での削減対策(2)健康への悪影響が懸念されるプラ製品と添加される化学物質の規制(3)途上国への資金支援―の3点。削減対策では、欧州連合(EU)や汚染の影響を受けやすい島しょ国が石油由来のプラの生産規制などを求める。一方、経済的な打撃を懸念する産油国のサウジアラビアやロシアなどは、廃棄物管理の強化でプラ汚染を防げると主張する。

 日本は、激しく対立する両者の「橋渡し役」(政府関係者)を担いたい考え。生産を含むライフサイクル全体での対策を各国の裁量で決める仕組みを設けるべきだと訴え、できるだけ多くの国が参加する条約を目指す。

 ただ、化学物質の規制や途上国支援に関しても参加国間に溝があり、合意できるかは不透明な情勢。今後も生産・消費量の増加が見込まれる中、危機感を共有して議論を前進させられるかは予断を許さない状況だ。(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2025/08/02-15:30)

グーグルの生成AI・Veo 3で制作したテレビCM、早くも放映…制作期間・コストを劇的に削減

●この記事のポイント
・グーグルの動画生成AIモデル「Veo 3」、テキストを入力するだけで、数分程度で約8秒の動画が自動で生成
・米国ではNBAファイナルの中継で、Veo 3を使って制作されたCMが放映
・日本で普及すれば広告業界に大きな影響を与える可能性も

 米Google(グーグル)が5月にリリースした音声付き動画生成AIモデル「Veo 3」。テキストや画像をプロンプト入力するだけで、数分程度で約8秒の動画が自動で生成される。米国では早くも6月のプロバスケットボール「NBAファイナル」のテレビ中継で、Veo 3を使って制作されたCMが放映されるなど、急速に普及する兆候がみられる。日本語にも対応しており、Google AI Pro(月額2,900円)を契約していれば利用可能(回数に制限あり)だが、どれくらいのクオリティのコンテンツをつくれるのか。また、6月23日付「GIZMODO」記事によれば、このNBAファイナルのCMの制作期間はわずか2日で、従来の広告制作費用より95%も削減できたとのことだが、もし日本で普及すれば広告業界にも大きなインパクトを与えるのか。専門家の見解を交えて追ってみたい。

●目次

表現としてはかなりリアル

 どれくらいのクオリティの動画がつくれるのか。実際の使用感について、システムエンジニアでライターの伊藤朝輝氏はいう。

「『Gemini』と『Flow』を使って、Veo 3を試してみました。Gemini経由であれば、日本語のプロンプトでも動画を生成できるため、Veo 3の基本的なクオリティを確認する手段としては非常に手軽です。たとえば『公園でサックスの練習をするロングヘアの女性』と入力してみたところ、音声と映像が連動して生成されるVeo 3の特徴がよく伝わる動画が出力されました。女性の指の動きに合わせてサックスの音が鳴り、口元もメロディに合わせて息を吹き込んでいるように見えます。奏でられる音が実際の運指に合っているかどうかは、私には判別できませんが、表現としてはかなりリアルです」

「続いて、キャラクターの外見や衣装、表情、位置関係が動画全体で一貫して保たれるVeo 3の特性を確かめるため、Flowからも試してみました。Flowは日本語プロンプトに非対応のため、英語で入力する必要があります」(伊藤氏)

「『日本人の女子高生が台所でチャーハンを作っている』といった内容を英語で記述するだけで、中華鍋を振る音や油のはねる音まで自動生成され、非常に簡単です。ローマ字でセリフを書けば、日本語もほぼ違和感なく話してくれました。リップシンク(口の動き)も自然で、しっかり合っています。ただし、キャラクターに日本人であることを明記しないと、セリフが片言になるケースも見られました。

 Veo 3で生成される動画は1本8秒ですが、それをFlowのシーン編集機能に読み込んで、延長用プロンプトを入力すれば最大1分の動画に仕上げられます。キャラクターの外見を固定したまま複数のシーンを連結できるため、ストレスなく編集できました」(伊藤氏)

 Veo 3の強み・魅力は何か。逆に弱い部分や難点はあるのか。

「Veo 3の最大の魅力は、テキストだけで音声付きの映像を自動生成できることです。カメラワークの指定に応じて、動きや奥行きのある映像が簡単に作れる点も非常に優れています。また、写真やイラストをもとに動画を生成する機能も試してみました。ただ、これについてはあまり大きな動きをつけられないように感じました。操作が不十分だった可能性もありますが、生成の自由度は完全ではない印象です。

 利用には『Google AI Pro』(月額2,900円/初月無料)または『Google AI Ultra』(月額3万6,400円/初回3カ月は1万8,000円)の契約が必要です。Flowで動画を生成する際には『AIクレジット』を消費し、Proプランでは月に1,000クレジットが付与されます。Veo 3で動画を1本作ると100クレジットを消費するため、試行錯誤するとすぐ使い切ってしまいました。本格的に使うなら、毎月1万2,500クレジットが付くUltraプランのほうが現実的だと思います」(伊藤氏)

YouTubeで公開・収益化されているチャンネルも

 では、どのような用途・目的の動画の制作に向いていると考えられるか。

「すでにVeo 3で作られたキャラクター動画や、会話形式の短編がYouTubeで公開・収益化されているチャンネルも存在します。特に自然な発話やカメラワーク、映像と音声の一体感を活かした表現は強みといえるでしょう。ただし、カメラの完全なコントロールは難しく、絵コンテ通りの映像を制作するような現場での導入は難しいと思います。偶然性や曖昧さを許容できるケースに限られそうです。一方で、直感的に高品質な映像を生成できるため、教育、広報、企画プレゼン、試作映像やストーリーボードの代替としては非常に有用だと感じました」

 テレビCMを制作しようとした場合、どれくらいの時間・労力が必要になると考えられるか。

「実際、NBA中継で放送されたCMがVeo 3で制作された事例があり、制作期間はわずか2日間だったそうです。簡単なプロンプトでも完成度の高い映像が得られる半面、狙い通りの演出を実現するにはかなりの試行錯誤と調整が必要です。また、Veo 3には『誰が作っても似た雰囲気になりやすい』という側面があります。個性やブランド性を重視する場面では、Veo 3だけで完結する制作手法は、現場での採用に至らない可能性もあるでしょう」(伊藤氏)

生成AIでつくったCMは増えてくる可能も

 もし日本で普及した場合、広告業界に大きな変化をもたらす可能性はあるのか。大手広告会社社員はいう。

「ナショナルクライアントのテレビCMの場合、有名タレントなどを起用するとなると企画から納品まで含めた制作期間は数カ月におよび、1本あたりの制作費は数千万円に上ります。生成AIを使えば制作期間もコストも大幅に削減されるのは間違いないですが、明らかに見た目的に『生成AIでつくりました』ということが分かるクオリティを、クライアントである企業が良しとするかどうか次第でしょう。また、生成AIによってつくられた動画が、すでに存在する他のコンテンツの著作権を侵害していないかどうかを、どう担保するのかという課題もあります。

 ただ、今の10~30代くらいの層は、普段からテレビほどクオリティが高くはないYouTubeやTikTokの“素人っぽい”動画などに慣れ親しんでいることもあり、生成AIによってつくられたテレビCMにそれほど違和感を感じないかもしれず、将来的には少しずつ生成AIでつくったCMは増えてくる可能性はあります。そうなると、従来の広告制作手法と多額の制作コストを前提に成り立っていた広告業界が少なくない影響を受けるかもしれません」

(文=BUSINESS JOURNAL編集部、協力=伊藤朝輝/ライター、システムエンジニア)

爆買いが消えてもインバウンドの9割が百貨店を訪れる理由…カギはスポーツ用品・こども服・日本の伝統

●この記事のポイント
・訪日外国人の91%が滞在中に百貨店を訪れているという調査データ
・高島屋はタイ、マレーシア、米国からの訪日客が好調
・百貨店ならではの安心感・信頼感のある商材として、こども服、スポーツ用品が大きく伸長

 今年1~6月の訪日外国人数(推計値)が2151万8100人(日本政府観光局発表)となり、過去最も速いペースで年間2000万人を超えるなど、引き続きインバウンドの増加傾向が続いている。4~6月期の訪日外国人旅行消費額(速報値)も前年同期比18.0%増の2兆5250億円(観光庁発表)と消費も旺盛だが、訪日外国人向けショッピングサポートアプリを提供する株式会社Paykeの調査によれば、訪日外国人の91%が滞在中に百貨店を訪れているという。一昔前にみられた爆買いがすっかり鳴りを潜めたといわれるなか、なぜいまもって百貨店は外国人観光客から人気なのか。また、百貨店はインバウンド取り込みのために、どのような取り組みを行っているのか。百貨店への取材を交えて追ってみたい。

●目次

国籍別では中国が半数以上のシェア

 ここ数年のインバウンド客の来店数・売上などの推移について、大手百貨店の高島屋は次のようにいう。

「2023年は売上高687億円・件数58万3000件、24年は売上高1,160億円・件数94万2000件でした。直近25年1Q(3~5月)では、24年度の円安を背景に急拡大したインバウンド需要の反動が大きく、実績は229億円で、24年度1Q比較ではマイナス100億円・マイナス30.5%、23年度同比較では+120億円、+110.3%でした。件数は訪日外国人客数が各月過去最高を更新するなか、買上件数は微増となっています。消費行動の変化が売上減少に影響しています」

 どの国・地域からのインバウンド客が多いのか。

「国籍別では中国が半数以上のシェアを占め一番多く、次いで香港、台湾、シンガポール、韓国などのアジア圏の訪日外国人客が多いですが、直近では、韓国、香港、台湾などの近隣国が軒並み減少しています。一方、タイ、マレーシア、米国からの訪日客が好調です」(同)

 いわゆる「爆買い」的行為は沈静化したといわれているが、インバウンド客からは、どのような商品・売り場が人気なのか。また、どのような商品の売上が大きいのか。

「ラグジュアリーブランド、化粧品の売上が中心です。ただ、直近ではラグジュアリーブランドの値上げや為替影響などにより、高額品購入の経済メリットが徐々に薄まってきています。

 一方、百貨店ならではの安心感・信頼感のある商材として、こども服、スポーツ用品が大きく伸長しています。化粧品については、日本国内のお客様同様、コンサルティングを通じて自分の好みに合った商品を選別して購入する傾向があります」(同)

 インバウンド客の集客や売上増のために、どのような取り組みや施策を行っているのか。

「前述のとおり、日本ならではの素材や製法の安心感・信頼感のある商材にニーズが拡大している背景から、日本の人気ブランドや技術や伝統を活かした商品の品揃えを強化しております。また、海外向けインフルエンサーの起用や各種海外向けSNSを活用した情報発信を行っております。

 さらに、為替や景気に左右されない消費意欲の高い訪日客のリピーター化に向けて、当社グループ海外店舗の上位顧客の送客に力をいれております。まずは昨年12月よりシンガポール高島屋S.C.の上位顧客を中心にVIPカードを発行(実際にはご案内状をお送りし、来店の際にVIPカードをお渡し)し、日本橋店、大阪店、京都店で、ご要望に応じてお買い物のアテンド、免税優先手続きなどのサービス施策を実施しており、今後さらに海外・国内ともに対象店舗を拡大していく予定です」(同)

デパ地下は外国人観光客の間では人気スポット

 では、訪日客の9割は百貨店を訪れるという調査データもあるほど、インバウンドにおいて百貨店が根強い人気を誇っている理由は何であると考えられるのか。

「高品質で安心安全な日本製品や正規品が購入できるという信頼感と、丁寧で親切な接客やサービスを受けることができるという点であると考えております」(同)

 大手小売りチェーン関係者はいう。

「東京でいいますと、多くの訪日外国人が集まる銀座、新宿には百貨店があるので、とりあえず観光の一環として入ってみるという流れがあるでしょう。円安の影響で高級ブランド品が海外より安く買えるので、そうしたテナントが多数入居する百貨店で比較的富裕層の観光客がまとめ買いするという傾向は一定程度みられます。また、日本の化粧品は人気なので、店舗で相談員役の店員とコミュニケーションを取りながら買っていくという楽しみ方をする観光客もいます。このほか、デパ地下は一種のエンターテインメントとして外国人観光客の間では人気スポットとなっており、多くのレストランも入っているため食事にも便利だという点もあります。

 とはいえ、一昔前にみられた爆買いは鳴りを潜めたといえる状況ですので、百貨店側は“外国人観光客が来てくれれば売れる”という状況ではないため、魅力ある特集的な売り場の設置や上質なコンシェルジュ的な接客サービスなど、あの手この手で工夫を行う必要があります」(同)

(文=BUSINESS JOURNAL編集部)

商船三井、中国で二元燃料VLCCの命名式典開催=ノルウェーのエクイノール社向け―シンガポール

 商船三井のグループ会社でシンガポールに本社を置くMOLエナージア(ENERGIA)は7月29日、ノルウェーのエネルギー大手エクイノール社向けの新造大型石油タンカー(VLCC)「エナージア・バイキング」の命名式を中国・大連で開催したと発表した。商船三井グループ初の液化天然ガス(LNG)二元燃料VLCCとなる。

 式典は中国・大連中遠海運川崎船舶工程有限公司(DACKS)で行われ、エクイノール社のアン・マイ・ハトレム・シニアバイスプレジデントと商船三井の橋本剛社長ら多数の関係者が出席した。

「エナージア・バイキング」は、1万立方メートル超のLNG燃料タンクを搭載、長距離輸送に適している。柔軟な輸送プランに対応するほか、乗組員の働きやすさを重視した休憩空間「IKOI(イコイ)」をVLCCで初めて導入した。

 商船三井は2050年までに温室効果ガス排出量ネットゼロ達成を目指す「商船三井グループ環境ビジョン2.2」を策定。LNG燃料は従来の燃料油と比べ、温室効果ガス排出量を約25~30%削減できる。同社は海運業界の脱炭素化推進のため、LNGなど低炭素燃料の導入を積極的に進めており、30年までにLNG/メタノール燃料船90隻の投入を目標としている。

 25年3月時点で約40隻のLNG燃料船を整備済みで、VLCCは25年より6隻が順次竣工する予定だ。このうち本船を含む3隻がエクイノール社向けの用船契約で運行される見込みで、商船三井はエクイノール社との協業を通じ、LNG燃料船の普及と脱炭素化推進に取り組む方針という。【時事】
(記事提供元=時事通信社)
(2025/07/31-20:18)

Zoff「ラバー製」メガネ、異例の大ヒットの理由…開発に3年、特許含めた高い技術を採用

●この記事のポイント
・「Zoff」、レンズ以外すべての部分がラバーでできた「Galileo」が売れている
・昨年10月に発売され、今年6月末の時点で販売数量は約1万8000本に上る
・形状を保ちつつ、かけ心地を損なわないために特許技術も含めた高い技術を使用

 大手メガネチェーン「Zoff」の、レンズ以外すべての部分がラバーでできた「Galileo(ガリレオ)」が売れている。誤って踏んでしまったり、モノとぶつかっても壊れにくいのが特徴。昨年10月に発売され、今年6月末の時点で販売数量は約1万8000本に上り、メガネの新商品としては異例のヒットとなっている。形状を保ちつつ、かけ心地を損なわないために特許技術も含めた高い技術を使用し、3年がかりの企画・開発期間を経て発売にこぎつけた同商品。そのヒットの理由について、Zoff運営元への取材を交えて追ってみたい。

●目次

柔らかさや厚みが違う何種類ものラバーが全部一体

 ラバー製メガネを開発・発売するに至った背景について、Zoffを運営するインターメスティックはいう。

「弊社には社長から商品開発担当者まで、ざっくばらんに商品について話し合い、理想を語り合った上で具現化していくという文化があるのですが、そのなかで、当初は子ども向けという点に軸足を置いて開発が始まったのがガリレオでした。日常生活や運動の際にメガネをかけていると『壊したらどうしよう』と気を取られてしまい集中できないことがあり、そうした子どもが抱く不安を払拭するメガネができたらいいよねというところが、開発のスタートでした。そのなかで社長から『メガネって、ずっとプラスチックとメタルの2種類しか素材がなくて、だから可能性が狭まってしまう』という言葉があり、そこから新しい素材でメガネをつくることにチャレンジすることになり、ラバーに行き着きました。

 実はラバーは一般的なメガネでは使われている素材ではありまして、例えばノーズパッドやツルの部分で使われていますが、全部ラバーのメガネはなく、普通であれば『無理でしょう』で終わってしまうかもしれませんが、弊社には『無理というのは基本的には言わない』という文化があり、開発と生産の担当者で突き詰めていった結果、ガリレオのような商品が出来上がったというのが経緯でございます」

 実際の購買層としては、子ども以外も多いという。

「メインで購入されているのが30~40代の男性でして、用途としてはスポーツ用などが多いです。60代以上の方々の購入もそこそこあり、老眼鏡としての需要が強いです。老眼鏡をかける方は、過去にメガネをかけてこなかった方が多く、眼鏡の扱いに慣れていない方に『壊れにくい』と感じていただける点がポイントとなっているようです」

 開発にあたっては、大部分をラバーで構成しても“かけ心地”が損なわれないように工夫し、開発には3年を要した。

「“かけ心地”を損なわないために、2種類の硬さのラバーを使用しています。外側には硬いラバー、内側には柔らかいラバーを使っていますが、ある程度の硬さがないとメガネとして形状を保つことができませんし、硬すぎるとかけ心地が悪くなってしまうので、外側の硬いラバーで形状を保ち、内側の肌に当たる部分には柔らかいラバーを使用することで、かけ心地を担保しました。

 ラバー製のメガネをつくることが決まっても、どのような硬さのラバーをどこに使えばよいのか、見当もついてないところからのスタートで、外側の硬さをどうするか、内側の硬さをどうするか、圧着した際の硬さはどうなのかという検証に時間がかかりました。また、通常のメガネは部分部分が金属の部品で止められており、金型をつくって量産を行いますが、一体型のラバー製になると通常のメガネとは勝手が違ってくるので、非常に高レベルな技術が必要となりました。何度もトライして、量産にたどり着くまでに多くの時間がかかりました。

 メガネの内側のラバーは特許を取得しており、斜線のような模様が入っていて外から圧力がかかると重なり合ってクッションになるようにつくられています。柔らかさや厚みが違う何種類ものラバーが全部一体で含まれており、かなり高い技術が使われています」

“他に見たことがない”という独自性

 昨年10月に発売され、今年6月末の時点で販売数量は約1万8000本に上っているという。

「メガネの新商品としては、かなり売れているといえる数字です。ガリレオのなかで主力商品となっているのが、1万3300円の大人用サイズです。おかげさまで想定を上回る販売数になっております。要因としては、“他に見たことがない”という独自性がまず大きいと感じておりまして、購入者アンケートやSNS等の声をリサーチしてみると、消費者の方々の興味・関心を引く商品になっていると感じます。プロダクト自体が新しい市場を生んだという部分が一番大きいです。見た目が通常のメガネに比べると少しゴツいという点が特徴なので、店舗に足を運んでかけてみて『普通に使えそう』と感じて購入される方や、普段からよく運動されるような方がメガネを壊してしまったとして店舗に来店されて、ガリレオを気に入って購入していただくというケースも多いようです」

(文=BUSINESS JOURNAL編集部)

地価高騰で相続税負担が増大…「相続時精算課税制度」が注目、贈与2500万円まで非課税?

●この記事のポイント
・相続を迎える人の相続税負担の増大が懸念されるなか、相続時精算課税制度が注目されつつある
・贈与税と相続税を一体として捉える課税制度
・累計2,500万円までの贈与について贈与税が非課税となる「特別控除枠」

 地価の上昇に伴い、相続を迎える人の相続税負担の増大が深刻な問題になると懸念されるなか、相続時精算課税制度がにわかに注目されつつある。累計2,500万円までの贈与について贈与税が非課税になるといったものだが、具体的にどのような制度なのか。また、どのように利用すればよいのか、デメリットはないのか。専門家の見解を交えて追ってみたい。

●目次

年間110万円までの基礎控除が新たに設置

 国税庁は7月1日、2025年分(1月1日時点)の路線価を発表した。路線価は相続税・贈与税の算定基準となる。全国約32万地点の標準宅地の平均は、現在の算出方法となった2010年以降としては最大の前年比2.7%プラスとなり、東京都内は平均で前年比8.1%プラス、関西2府4県は同2.7%プラスという高い伸びとなった。こうした路線価の上昇は、相続に大きな影響をもたらす。「近年、地価高騰が続き、それに伴う相続税負担の増加が、特に高齢者の方々にとって大きな関心事となっています。そうした中で、相続時精算課税制度への注目が高まっているのは自然な流れと言えるでしょう」というファイナンシャル・プランナーの黒田尚子氏に、まず制度の基本的な内容について解説してもらう。

「相続時精算課税制度は、贈与税と相続税を一体として捉える課税制度です。原則として、60歳以上の父母または祖父母から、18歳以上の子または孫に対して財産を贈与する際に選択できます。この制度の最大の特徴は、累計2,500万円までの贈与について贈与税が非課税となる『特別控除枠』がある点です。この枠を超えた贈与には一律20%の贈与税がかかりますが、注目すべきは2024年(令和6年)1月1日以降の改正点です。改正により、この制度を選択した場合でも、年間110万円までの基礎控除が新たに設けられました。この年間110万円までの贈与は、贈与税もかからず、かつ相続時にも相続財産に加算されないため、非常に使い勝手が良くなりました。また、2,500万円の特別控除と併用できますので、計画的に贈与を進めるうえで、将来の相続税負担を軽減する有効な手段となります。

 どのように利用すればよいのか。

「この制度を利用するには、贈与を受けた年の翌年3月15日までに、税務署に『贈与税の申告書』と『相続時精算課税選択届出書』を提出する必要があります。年間110万円以下の贈与で贈与税がかからない場合でも、初回は選択届出書を提出しなければなりません。具体的な利用方法としては、例えば、将来値上がりが予想される不動産や株式などを、評価額が低いうちに贈与するのも一つです。相続時精算課税制度で贈与された財産の評価額は、贈与時の価額で固定されるため、将来の値上がり分については相続税がかからないというメリットがあるからです。また、子が住宅を購入する際の資金援助や、孫の教育資金の援助など、まとまった資金を一括で贈与したい場合にも有効です」(黒田氏)

制度利用の上で注意すべき点

 利用する上では注意点もあるという。

「相続時精算課税制度にはメリットがある一方で、いくつか注意すべき点があります。

・一度選択すると撤回できない: 相続時精算課税制度を選択すると、その贈与者からの贈与については、以後、暦年課税(年間110万円の基礎控除)に戻すことはできません。この点は非常に重要なので、慎重な検討が必要です。

・相続時に精算される: 2,500万円の特別控除を受けた贈与財産は、贈与者が亡くなった際に相続財産に合算され、相続税の課税対象となります。贈与時に税金がかからなかったとしても、相続税がかかる可能性があることを理解しておく必要があります。

・小規模宅地等の特例が適用できない場合がある: 居住用不動産などを贈与した場合、相続時に『小規模宅地等の特例』が適用されなくなる可能性があります。この特例は、居住用の宅地などの評価額を大幅に減額できる制度であり、適用できない場合は相続税負担が増大する可能性があるので、不動産の贈与を検討する際には特に注意が必要です。

・不動産の生前贈与にはコストがかかる: 不動産を贈与する場合、登録免許税や不動産取得税といった税金、司法書士への報酬などの諸費用が発生します。相続の場合よりも費用がかさむケースもあるため、事前に試算することが大切です。

・物納ができない: 相続時精算課税制度で生前贈与を受けた財産は、相続税の物納(現金に代えて相続財産で納税すること)の対象外となります。納税資金の準備も考慮しておく必要があります」

相続において“おさえておくべき知識”

 相続時精算課税制度に限らず、相続においては、知らないと損をしたり労力が増大しかねない“おさえておくべき知識”がある。

「相続時精算課税制度以外にも、相続の際に知っておくべき制度は多岐にわたります。まず、最も基本的な制度として『暦年課税制度』があります。これは、年間110万円までの贈与であれば贈与税がかからない制度で、複数年にわたり計画的に贈与を行うことで、贈与税をかけずに財産を次世代に移転できます。ただし、2024年1月1日以降の贈与については、相続開始前7年以内に行われた贈与が相続財産に加算されることになりました(段階的に延長され、最終的に2031年からは7年となる)。これまでより長期的な視点で贈与計画を立てることが重要です。

 次に、『配偶者居住権』です。これは、夫または妻が亡くなった後も、残された配偶者が住み慣れた自宅に住み続けられる権利を保護する制度です。自宅の所有権と居住権を分離することで、自宅以外の財産を他の相続人に円滑に承継させつつ、配偶者の居住を確保できます。特に自宅の評価額が高い場合に有効な選択肢となります。

 さらに、『小規模宅地等の特例』は非常に重要な制度です。これは、亡くなった方(被相続人)が居住していた宅地や、事業を行っていた宅地について、一定の要件を満たせば、その評価額を最大80%(特定居住用宅地等)または50%(特定事業用宅地等)減額できる特例です。地価が高騰している現代においては、この特例の適用があるかないかで相続税額が大きく変わるため、必ず検討すべきです。ただし、前述の通り、相続時精算課税制度で贈与した不動産には適用できない場合がある点に注意が必要です。

 このほか『生命保険金の非課税枠』と『死亡退職金の非課税枠』も活用すべき制度です。それぞれ『500万円×法定相続人の数』の金額までは相続税が非課税となります。生命保険金は、受取人を指定することで遺産分割協議の対象外とすることもでき、納税資金の確保にも有効です。

 知らないと労力が増大する可能性のある制度としては、『遺留分』が挙げられます。遺言書で特定の相続人に財産を集中させても、兄弟姉妹以外の法定相続人には最低限の相続分である『遺留分』が確保されています。遺留分を侵害する遺言を残した場合、将来的に遺留分侵害額請求が発生し、相続人同士の争いにつながる可能性があります。遺言書を作成する際には、遺留分にも配慮し、必要であれば弁護士などの専門家を交えて検討することが賢明です。

 最後に、『遺言書』の作成も強くお勧めします。適切な遺言書があれば、遺産分割をめぐるトラブルを防ぎ、被相続人の意思を明確に反映させることができます。特に複雑な家族関係や、特定の財産を特定の人物に承継させたい意向がある場合は必須と言えるでしょう。形式不備などで無効にならないよう、公正証書遺言の利用や、専門家のアドバイスを得ることが大切です。相続は、家族の未来に関わる重要なテーマです。税制は複雑であり、個々の状況によって最適な対策は異なります。安易な判断は避け、必ず専門家(税理士、弁護士、司法書士など)に相談し、ご自身の状況に合わせた最適な相続プランを立てることをお勧めします」

(文=BUSINESS JOURNAL編集部、協力=黒田尚子/ファイナンシャル・プランナー)

味の素、サラワク州で理系教育イベント=中高生の研究活動支援―マレーシア

【クアラルンプール時事】マレーシア味の素は7月31日、中学・高校に相当するセカンダリースクール生向けの理系教育推進イベント「サイエンスキャッスル・マレーシア2025」を、日本の新興企業リバネス(東京都新宿区)と協力して開催したと発表した。開催地はボルネオ島サラワク州の州都クチンで、500人余りの生徒が参加した。

 リバネスは、科学技術分野の教育・研究・創業支援を手掛けている。会場では、56グループの生徒が口頭による発表やパネル展示を実施。環境問題から健康・衛生、農業や食料安全保障など幅広いテーマについて、研究成果を披露した。(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2025/07/30-19:24)

終活→美容医療→警備…20代の連続起業家が狙う「時価総額1兆円」

●この記事のポイント
・美容医療クリニック向けのクラウド型電子カルテ「medicalforce」を運営するメディカルフォース。medicalforceは単なる電子カルテではなく、リピート客を増やすためのマーケティングツールとして機能しており、約600のクリニックが導入。
・CTOを務める組田隆亮氏は、過去に「終活ねっと」を共同創業し、DMMへの売却を経験した連続起業家。さらに別の分野での起業ももくろんでいる。

目次

 昨年11月に厚生労働省が発表した「2023年の医療施設調査」によれば、全国の美容医療クリニック(美容外科標榜診療所)の数は2016施設となった。2020年の調査では1404施設だったので、612施設(43.6%)増えたことになる。都市部を中心に開業が相次いでおり、市場拡大が著しい科目だ。

 その美容医療で約600のクリニックが導入するクラウド型電子カルテ「medicalforce」を運営するのは、創業5年目のメディカルフォース(東京・品川区)だ。同カルテは自由診療事業者向けオールインワンSaaS(Software as a Service)だが、サービス提供開始が2021年3月なので急成長と言ってよい。畠中翔一CEOとのツートップ体制で代表取締役CTOを務める組田隆亮氏は急成長の理由について、単なる電子カルテではなく“マーケティングツール”だと説明する。

「クリニックの業務・経営のすべてを管理するだけでなく、リピート客を増やすツールです。例えば、医師や看護師がどれだけ顧客満足度の高い施術を提供できているかにつながるデータまで取れます。自由診療は保険診療と違って顧客単価が高く、ある意味でクリニックのファンになってもらうことが大切。『施術して3カ月経ちましたが、術後経過いかがですか。またお待ちしています』みたいなマーケティングが効く業界であり、medicalforceにはその仕組みが織り込まれています」(組田氏、以下同)

 組田氏は創業当初から、顧客ヒアリングからのスピーディーな開発を重視し、顧客に受け入れられるプロダクトを短期間で開発してきた。同社はmedicalforceで培ったノウハウを生かし、市場規模や産業を限定せず、異なる産業へも事業を展開していくことを戦略としている。実際、現在は警備業向けに配置・給与・請求などを一括管理するソフト「警備フォース」を提供している。これは、事業を通じてより広い対象に大きな価値を届けたいというビジョンに基づいている。

サービスを増やし他業界への展開を

 メディカルフォースを立ち上げたのは、CTO組田氏とCEOの畠中氏を含む3名。その後、経営陣の入れ替えを行い、COOに羽富が就任した。

「参入する業界については、創業者同士でかなりヒアリングしながら決めました。現在5期目ですが、スタートアップ立ち上げ期と成長期は別だと考えており、そのタイミングで経営陣の入れ替えを行いました。今後は組織も大きくなっていくので、今までみたいに阿吽の呼吸で経営するのは結構難しい。もっと緻密に企画を達成していくことが必要であり、しっかりした指揮系統を敷いて組織全体を動かしていくためにバトンタッチしました」

 現在は美容と警備という2つの業界でサービスを展開しているが、組田氏はビジョンを実現するために新しいサービスの立ち上げも必要だと考えている。

「社名はメディカルフォースですが、業務すべて完結できるオールインワンサービスのプロダクトをベースに、データ基盤や顧客基盤を使って、その産業自体の成長に寄与する事業を立ち上げていきたい。ただ、あまり市場規模が大きくなくて、業務が煩雑で困っている業界を開拓していきます」

 事業拡大に伴い、組織の多重階層化は避けられないと認識しており、今後はチームを適切に管理・育成できるマネージャー層の採用を強化していくとしている。

 組田氏は、過去にスタートアップの共同創業やM&Aを経験しているシリアルアントレプレナー(連続起業家)だ。そのときの経験がメディカルフォースの組織づくりや事業戦略に生かされている。

大学時代「終活ねっと」立ち上げに参画

 組田氏は東京大学在学中の2016年春、葬儀や墓などに関する情報サイト「終活ねっと」をCTOとして共同創業した学生ベンチャーだ。同サイトは月間1000万PVにまで成長し、DMMが18年10月に資本業務提携し、20年3月に完全子会社化した。その後、DMMは「終活ねっと」サービスを22年5月末に終了している。

 組田氏は参画した経緯や資本業務提携の背景など、当時のことをこう話す。

「先輩(CEOの岩崎翔太氏)から誘われたからというのが一番のきっかけです。私は工学部でパソコンを触っていたというだけで、なんとなくCTOになった(笑)。メディアなのでシステム自体は大変ではなく、リリースまでは3カ月でしたが、それから記事集めや投稿に時間がかかりました。立ち上げるまで投資家の方に結構話を聞いて、終活をテーマに選んだ。技術的な難易度が高い世界でもないので、学生スタートアップとしてはやりやすかった。メディアの売り上げは広告が基本なので、正直、それほど立っていなかったのですが、単価の高いお墓や葬儀などをやり始めて、数字も伸びていきました。DMMから資本業務提携のお声掛けをいただいたのは、そのタイミングです」

起業してみて経営の面白さに目覚める

 組田氏は理系で、グラフィックデザインをパソコンで作るなど、もともとはものづくりに興味があった。実際、起業に参画したのも、自分の作ったものを多くの人に届けたいという気持ちがあったからだ。しかし、起業してみて会社経営に興味が湧くようになった。

「経営は仕事として日々やることが変わる。どんどんフェーズが上がっていくので、自分の視野が広がっていくような感じがしたし、それがとても楽しかった。今の会社を立ち上げたのも、その感覚をまた味わいたかったからです。もっと高みを目指したいという感覚です」

 ものづくりが好きなエンジニアには、自分の作ったプロダクトを手放したくないという熱い思いを語る人も少なくない。しかし、組田氏はエンジニアよりも冷静なアントレプレナー(ゼロから新しい事業を立ち上げる起業家)としての顔を見せる。

「もちろん、(プロダクトに)思い入れはあります。でも、同じところにずっと留まっていても仕方ないという感覚が強い。資本業務提携をしたときも心配はなかったし、未知の世界にワクワクしました」

 今後の挑戦について、次のように話す。

「僕はこのメディカルフォースで時価総額1兆円規模は目指したい。40代半ばくらいまでにそこまでたどり着ければいいですね」

 組田氏は現在、美容と警備の次に参入できる市場を模索している。いまだDX(デジタルトランスフォーメーション)が及ばずくすぶっているような産業がターゲットで、ITやソフトウェアの力で本来のポテンシャルを発揮できるような状態にしていくことが目標だ。次に組田氏がどの業界を選ぶのか、今後に注目したい。

(文=横山渉/ジャーナリスト)

ヒト型ロボットのパイオニア=日本、フィジカルAI開発で世界に勝つ…産学連携でデータセット開発

●この記事のポイント
・AIとロボット技術の融合によるロボットデータエコシステム構築を目指す一般社団法人AIロボット協会が設立
・28社の企業(2025年6月現在)が参画し、基盤モデル開発に必要なデータの収集・保管・管理・公開などを推進
・20年ほど前にヒト型ロボットをつくった経験は日本のアドバンテージ

 開発基盤モデル「Cosmos」やロボット向け開発環境「Isaac」を運用する米エヌビディア、ロボット工学向けAIモデル「Gemini Robotics」を運用する米Google(グーグル)などが先行しているとされるフィジカルAI(物理AI)をめぐる開発競争が激化している。そうしたなか、世界で稼働する産業用ロボットの約4分の1があるといわれるロボット大国・日本でも、AIとロボット技術の融合によるロボットデータエコシステム構築を目指す一般社団法人AIロボット協会(AIRoA)が設立された。AIロボットの開発促進のための取り組みとして、基盤モデル開発に必要なデータの収集・保管・管理・公開、基盤モデル・個別モデルの開発・運用・公開などを推進する。トヨタ自動車や三菱電機、NECなど28社の企業が参画するが、AIRoAの取り組みや目指すべき方向性などについて、理事長で早稲田大学 理工学術院 教授の尾形哲也氏に取材した。

●目次

AIRoA設立の背景・目的

 AIRoAのロードマップとしては、2025年にベースとなるデータセットと基盤モデルを開発・公開し、26~29年に基盤モデルの改良と社会実装を行う。そして30年以降のAIロボット開発のコミュニティ活性化につなげる計画だ。

 まず、AIRoA設立の背景・目的について、尾形哲也氏は次のように説明する。

「アメリカ、中国を軸に生成AIが出てきて、その生成AIの使われ方はLLM、AIエージェント、フィジカルAIという流れになっています。これはロボット開発の研究者からすると、『突然AIがロボットの動作生成の領域に入ってきた』という受け止め方なのです。もともと画像認識などでAIは通常に使われてはいましたが、ロボット制御の部分に関するAI研究が、ここ数年、もっといえばこの1年で急激に増えてきており、まさに過渡期を迎えています。従来のロボットの動作生成開発では、基本的には人間が考えた制御プランニングに基づきロボットを動かすという発想でした。それに対しグーグルや中国勢などが開発をリードするフィジカルAIは、ロボットの運動生成、二足・四足で歩いたり跳ねたりといった動作を、『End to End』という発想で最初から最後まで、入力から出力までをすべて機械学習だけでやるというかたちです。これは従来のロボット研究の世界にとっては青天の霹靂といえる事態です。しかも、米国、中国ではそれがあっという間に実装され、ビジネス化が検討されている状況になっているわけです。

 実は日本はヒト型ロボットの開発は20年ほど前に十分にやってきたという経緯があります。例えばホンダのASIMOは走ったし、サッカーボールも蹴ったし、階段も上りましたが、当時は結局、ビジネスにはならないという共通コンセンサスにいたりました。それが今では海外では生成AIを活用するかたちでグーグルやテスラ、OpenAI、中国企業が積極的に開発を進め始めているなか、日本はどうしても踏み切れないところがあるわけです。

 日本は現在でもロボットの生産台数も稼働率も世界一で、世界の産業用ロボットの約4分の1は日本で稼働しています。日本のロボット研究の世界には『日本はすでに勝っているし、生成AIを活用する必要はない』という考えもあるわけですが、世界ではどんどん汎用型ロボットの開発が進んで実用化への期待が高まるなかで、日本だけが取り組まなくてよいのかという危機感を持っている人も、産業界やアカデミアにたくさんいます。特に若いスタートアップのなかには、その領域に大きな可能性を感じているところがたくさんあるわけです。

 そうしたなかで必要になってくるのが、データセットと基盤モデルの整備です。特にロボット向けAIの開発に必要なデータは、インターネット上で入手できるものだけでは不十分であり、体をどう動かすのかというデータが必要になってきます。海外の有力テック企業はそうしたデータを遠隔操縦で大規模予算で集めています。これに日本の一企業や一大学が対抗しようとしても無理です。そもそも日本ではそういうデータセットという概念が今のところはない状況にあります。AIRoAではデータを集めるのに加えて、アカデミアと企業がチームを組んで、公開してもいいよというデータを提供いただき、公開・共有してAIモデル(ロボット基盤モデル)をつくっていこうという取り組みです」

日本はAIロボットとの親和性が高い

 現状では後れを取っているとはいえ、日本では有益なデータが多く集まる可能性があるという。

「日本は20年ほど前にヒト型ロボットをつくって、その時は確かにビジネスという面では失敗したといえるかもしれませんが、かなり貴重な経験を積んでいるともいえます。1960年代以降、日本は無数のロボットを開発・利用してきており、現在のフィジカルAIの流れは非常に日本に向いているはずなのです。過去の経験をバックグラウンドにしながら、産業界・アカデミアに蓄積されたデータを集約して日本全体で活用していけば、いい流れになっていくと考えています」(尾形氏)

 データ駆動型ロボットが普及すると、日本の産業界にどのようなメリットが生じるのか。

「すでに配膳ロボットや案内ロボット、警備ロボット、工事ロボットがありますが、これらは実は本来は1台で兼ねることができるものです。ロボットというのは、工場で使われる産業用ロボット以外でも用途の幅がかなり広い。そして、生成AIは汎用のAIなので、翻訳や要約、テキスト生成などさまざまな作業を頼めます。そこで、このような多機能ロボットに汎用AIモデルを適用することで、1台でさまざまなことができるようになると期待できるのです。普及台数が増えてほどほどの価格になってくれば、広い領域で使われるようになると考えられます。

 本来ロボットというのは定義的には汎用機械であり、プログラムによって、移動やマニピュレーションなどさまざまな作業について適用できるものです。その制御プログラムの部分が汎用的な生成AIに置き換わるわけです。料理や洗濯、掃除、介護現場で必要な作業を、ある程度でもしてくれるようになれば、活用分野はそれなりに多くなってくると思います。このような汎用型ロボットの開発とAI基盤モデルの構築は同時に取り組んでいく必要があり、この2つがうまくかみ合わさることによって、広い領域でアプリケーション化が進むでしょう。

 産業用ロボットも現場で名前をつけて使ったり、ペットロボットがこれだけ流行ったりしている国は珍しいのです。日本はロボットとの親和性が非常に高く、AIロボットも文化として早くかつ広く定着する可能性は高いと思います。すでにAIRoAは国の支援を受けていますが、今後も日本がAIロボットを世界でもっとも開発しやすい国になるように制度設計して頂ければと思っています」(尾形氏)

(文=BUSINESS JOURNAL編集部、協力=尾形哲也/AIロボット協会理事長)

【2025年最新版】人事評価システムおすすめ15選|導入メリットと比較ポイントを徹底解説

「その人事評価、きちんと機能していますか?」

不透明な基準や場当たり的な評価運用は、社員の納得感を損ね、離職や訴訟リスクにもつながりかねません。近年はコンプライアンス違反や情報管理の不備が企業の信用を大きく揺るがすなか、人事評価制度にも「正当なプロセス」と「管理体制」が強く求められています。

  • ☑️ 評価の基準があいまいで現場任せになっている
  • ☑️ Excelや紙による管理が属人化・煩雑化している
  • ☑️ 評価と給与・育成が紐づいていない

こうした課題を解決する手段として、人事評価システムの導入が広がっています。評価制度をデジタルで一元管理することで、制度の整合性を保ち、評価の運用ミスや管理負荷を軽減することが可能に。個人情報の管理体制強化にも寄与します。

本記事では、人事評価システムの基本機能や導入メリット、比較すべきポイントに加え、2025年最新版のおすすめ人事評価システムをご紹介します。評価制度の運用に課題を感じている方は、ぜひ参考にしてください。

人事評価システムとは?導入する必要性と基本機能

人事評価システムとは、目標管理や評価ワークフロー、評価結果の蓄積・分析までを一元化できるSaaS型の人事支援ツールです。近年、紙やExcelによる運用には以下のような限界があり、人事評価業務のデジタル化が急速に進んでいます。

  • 属人化による運用のばらつきや制度の形骸化
  • 集計作業や確認業務の負荷が大きい
  • フィードバックや過去の評価が確認しづらい
  • ファイルの紛失・誤送信など、情報管理のリスク

特に評価情報は、給与・昇進・異動に関わる極めて重要な個人情報です。紙書類の紛失や、社内共有フォルダでの無防備な管理は、コンプライアンス違反や情報漏えいリスクを引き起こしかねません。システム導入により、アクセス制限やログ管理を徹底し、企業の信頼性維持にもつながります。

以下は、人事評価システムに共通する代表的な基本機能です。

機能カテゴリ 概要
従業員情報の管理 基本情報、職務経歴、スキル、評価履歴、研修履歴などを一元管理。人材育成や異動計画に活用可能。
目標・進捗管理 MBOなどに基づく目標設定と進捗の記録、面談履歴の保存。達成状況の可視化により、早期の課題発見を支援。
評価入力・承認フロー 評価シートの配布・入力・承認プロセスを自動化。評価者設定やステータス管理により、ミスや漏れを防止。
柔軟な評価制度設計 評価テンプレート、評価軸・配点設定により、自社制度に合わせた評価運用が可能。MBO、コンピテンシー、360度評価などに対応。
データ分析・レポート 評価結果をグラフやレポートで可視化。人材分布や部署別傾向などを分析し、戦略的人事に活用。
他システムとの連携 給与・勤怠・人材管理システムなどと連携し、業務全体の効率化と整合性のある人事運用を実現。
セキュリティ・アクセス管理 個人評価情報の閲覧権限やログ管理を徹底し、情報漏えい・不正閲覧のリスクを低減。

人事評価システムの主な導入メリット4つ

人事評価システムは、単に評価業務を効率化するだけでなく、組織の制度運用の質を高め、従業員の納得感や育成にもつながる重要なツールです。ここでは、企業が導入することで得られる代表的なメリットを4つに整理してご紹介します。

メリット1:評価業務の効率化で担当者の負担を削減

紙やExcelでの運用では、評価シートの配布・回収、進捗管理、集計・分析、催促連絡など、膨大な手作業が発生します。人事評価システムを導入すれば、評価フローの自動化や集計の即時化が可能になり、評価担当者や管理職の業務負担を大幅に軽減できます。

特に複数階層・複数拠点を持つ企業では、ワークフロー管理やリマインド機能によって、評価の遅延や漏れも防げます。

メリット2:公平・透明な制度設計で従業員の納得感向上

評価制度に対する従業員の不満は、納得できない運用や基準の不明確さから生まれがちです。人事評価システムを活用することで、評価基準・評価者・手続きが一貫して管理されるため、制度としての公正性が確保されます。

さらに、上長による評価内容やコメントが記録に残ることで、「どのように評価されたか」が見える化され、従業員の不信感を抑え、納得度を高めることにもつながります。

メリット3:人材データ活用による戦略的な配置・育成

システム上で蓄積される人材データ(目標達成状況、スキル、過去の評価結果、面談履歴など)は、単なる評価記録にとどまりません。これらを分析することで、配置転換の判断や後継者育成、昇格要件の見直しといった戦略的人事に活用できます。

従来は属人的な判断に頼らざるを得なかった人事配置も、データに基づいた根拠ある意思決定へと進化します。

メリット4:コミュニケーション促進でエンゲージメント向上

人事評価システムを通じて、目標設定や評価の場面で上司と部下が定期的に対話する機会が生まれます。1on1面談や評価コメントの記録機能などにより、日常的なフィードバックや育成のサイクルが仕組み化される点も大きな魅力です。

これにより、評価が一方通行にならず、従業員が自分の成長を実感できる環境が整い、エンゲージメントの向上にもつながります。

人事評価システムの選び方|比較するべき5つのポイント

人事評価システムは各社で機能や設計思想が大きく異なり、自社の課題や評価制度に合わないツールを選ぶと、運用に支障が出るリスクがあります。導入後の定着・効果を高めるためには、以下の5つのポイントを意識して比較・検討することが重要です。

① 目的別にタイプを選ぶ(評価特化型 vs タレントマネジメント型)

まず確認すべきは、「何を目的に人事評価システムを導入するか」です。大きく分けて以下の2タイプがあります。自社にふさわしい方を選びましょう。

タイプ 特徴 向いている企業
評価特化型 評価業務に特化し、目標設定・評価シート配布・集計・レポートまでを効率化。必要機能をコンパクトに実装。 評価制度はある程度整備済みで、運用の効率化を狙う中小〜中堅企業
タレントマネジメント型 評価に加えて、スキルやキャリア志向、研修履歴などを統合管理し、配置・育成戦略までサポート。 人材情報を戦略的に活用したい企業/評価制度と育成・配置を連動させたい企業

② 自社の人事制度に柔軟対応できるか

システムが自社の評価制度と合わなければ、導入しても定着せず、むしろ業務負担が増えるケースもあります。重要なのは、以下のような柔軟性があるかどうかです。

  • 評価項目・配点・評価段階などを自社ルールに合わせて設定できるか
  • 評価者(上長、一次、二次など)の構成やフローを自由に設計できるか
  • 評価期間や評価サイクル(年1回、年2回、通年型など)への対応

このような柔軟性があれば、現場への混乱を最小限に抑えながら、今ある制度をそのままスムーズにシステム化できるでしょう。

代表的な人事評価制度の種類と効果

自社制度との相性を見極めるためには、主要な人事評価制度の特徴や狙いを理解しておくことも重要です。人事評価システムの導入は、評価業務だけでなく制度そのものを見直す良いきっかけにもなります。

制度タイプ 概要 主な目的
MBO(目標管理制度) 個人ごとの数値・行動目標を設定し、達成度で評価する 成果志向の評価、モチベーション向上
コンピテンシー評価 職務ごとに求められる行動特性を軸に評価する スキル開発、定性的な評価の可視化
360度評価 上司・同僚・部下など複数の関係者から評価を受ける 多面的な視点の導入、リーダー育成
バリュー評価・行動指針評価 企業理念や行動規範に対する実践度を評価 組織文化の浸透、行動改善

③ 操作性の高さと利用者の使いやすさ

せっかくシステムを導入しても、評価者や従業員が使いにくければ運用は定着しません。管理職だけでなく現場社員や一般職も関わる業務であるため、利用者のITリテラシーや業務状況に配慮した設計が重要です。

  • 評価シートの入力が直感的に行えるか
  • スマホやタブレットでも操作可能か
  • システム内でコメント・リマインドができるか

また、記入項目が多すぎたり、指示が曖昧で何を書けばよいかわからないといった状況では、空白=マイナス評価というプレッシャーが生まれ、制度全体への不信やストレスの原因にもなります。

④ 初期費用・ランニングコストのバランス

クラウド型システムは「初期費用+月額課金」が一般的です。単にコストを抑えるだけでなく、費用に対してどれだけの業務改善効果や人材活用効果が見込めるかを冷静に見極めることが大切です。

  • 初期導入費・設定費はかかるか?
  • 利用人数単位での従量課金か?固定料金か?
  • 評価以外の機能(労務・タレントマネジメント)を含めると総額はいくらか?

また、評価回数や評価者数が多い企業では、費用が変動しやすい課金体系にも注意が必要です。

⑤ サポート体制と他システムとの連携可否

人事評価は個人と向き合う必要があり、企業ごとに制度やフローも異なるため、サポート体制の有無は導入成功の鍵になります。導入時の初期設計支援だけでなく、運用後の制度見直しやトラブル対応まで、継続的に伴走してくれるベンダーを選びましょう。

また、他の人事システム(勤怠・給与・人材DBなど)と連携できるかも重要です。データの二重入力や齟齬を防ぎ、スムーズな人事運用を実現します。

人事評価システムおすすめ15選

人事評価システムには、大きく分けて「タレントマネジメント型」と「評価特化型」の2タイプがあります。ここでは、それぞれの特徴に応じたおすすめの人事評価システム15選をタイプ別に紹介します。

人材データベースとしてシステムを使うなら

▶︎【タレントマネジメント型】おすすめ人事評価システム8選

評価制度だけのシンプルな使い方をするなら

▶︎【評価特化型】おすすめ人事評価システム7選

【タレントマネジメント型】おすすめ人事評価システム8選

人事評価に限らず、人材マネジメント全体を視野に入れた企業には、タレントマネジメント型のシステムがおすすめです。ここでは、機能性・拡張性に優れた注目の8サービスを紹介します。

カオナビ|顔写真で人材を直感的に把握!タレントマネジメントのパイオニア

出典:公式サイト

提供会社 株式会社カオナビ
対応評価制度 MBO、コンピテンシー評価、360度評価 など
主な機能 顔写真付き人材DB、目標管理、評価管理、配置シミュレーション、組織分析、アンケート機能
初期費用 要問い合わせ
月額費用 要問い合わせ
無料トライアル あり
カオナビの強み
  • 顔写真付きで直感的な人材把握が可能
  • 評価から配置・育成まで人事業務を一貫して支援
  • 導入実績4,000社以上・定着支援とサポート体制が充実
導入すると良い企業
  • 部門横断で人材情報を把握したい企業
  • タレントマネジメントを段階的に整備したい企業
  • 管理職がチームを戦略的に管理・育成したい企業

カオナビは顔写真をベースにした人材データベースと直感的な操作性が特徴のクラウド型タレントマネジメントシステムです。目標設定・評価管理に加え、組織分析やアンケート機能など、人材配置・育成・リスキリングを含む戦略的人事に対応可能。

実績は4,000社超で、サポートやユーザーコミュニティも豊富なため、初めての導入でも安心。運用の定着率も高く、制度設計から運用まで一貫した支援体制が整っています。

HRBrain タレントマネジメント|人材データ管理から分析までシームレスに

出典:公式サイト

提供会社 株式会社HRBrain
対応評価制度 MBO、OKR、コンピテンシー評価、360度評価 など
主な機能 目標管理、評価シート、1on1、タレントDB、スキル管理、組織図・配置シミュレーション、アンケート、分析ダッシュボード
初期費用 要問い合わせ
月額費用 要問い合わせ
無料トライアル あり
HRBrainタレントマネジメントの強み
  • 評価・育成・配置を一貫管理できる柔軟な設計
  • スキル可視化や組織診断などデータ活用に強み
  • シンプルな操作性で制度が現場に定着しやすい
導入すると良い企業
  • タレントマネジメントを初めて導入する企業
  • 評価を活かして育成・配置を進めたい企業
  • 組織状態を見える化し、現場運営を改善したい企業

HRBrainのタレントマネジメントは、評価・目標設定・1on1記録に加え、スキルやキャリア情報の一元管理が可能なプラットフォームです。組織図・配置シミュレーション・分析ダッシュボードにより、人材データを戦略的な意思決定に活かせます。

また、アンケート機能も備えており、社内の声を定量的に収集して可視化できる点も特徴です。評価特化型や360度評価特化型などフェーズに応じた導入も可能で、段階的な運用拡張がしやすい構成になっています。

タレントパレット|あらゆる人材データを分析・活用。科学的人事を実現する

出典:公式サイト

提供会社 株式会社プラスアルファ・コンサルティング
対応評価制度 MBO、360度評価、コンピテンシー評価、適性検査など
主な機能 評価・スキル・キャリア・適性・人材DB、組織図/配置、ピープルアナリティクス、AI人材検索、アンケート、労務連携
初期費用 要問い合わせ
月額費用 要問い合わせ
無料トライアル あり
タレントパレットの強み
  • 社員のスキル・適性・キャリアを細かく可視化できる
  • AI検索やBI分析で科学的な配置や育成が可能
  • アンケートや適性検査まで一括管理し、人事施策に活かせる
導入すると良い企業
  • データドリブンな配置・育成を進めたい企業
  • 適性データや意識調査をもとに人材理解を深めたい企業
  • 採用から定着・異動まで一元管理したい人事部門

タレントパレットは、人材データを科学的に活用するタレントマネジメントシステムです。スキル・適性検査(TPI)・キャリア・評価などのデータを統合し、AI検索やBI分析により、候補者探索や配置最適化が可能です。

適性検査は無料で提供され、アンケート機能も備わっており、採用・育成・定着施策を一つのプラットフォームで展開できます。組織改革や離職防止など、データに基づく人事戦略を目指す企業に最適です。

SmartHR|労務管理から人事評価まで一気通貫。データ活用の入口に最適

出典:公式サイト

提供会社 株式会社SmartHR
対応評価制度 MBO、コンピテンシー評価、360度評価など
主な機能 評価シート作成・配布・回収・集計、自動リマインド、テンプレート、360度評価、配置シミュレーション、キャリア台帳、HRアナリティクス
初期費用 要問い合わせ
月額費用 要問い合わせ
無料トライアル あり
SmartHRの強み
  • ワンクリックで評価業務の進捗管理から集計まで自動化
  • 柔軟な権限設計で、公正かつ偏りない評価運用が可能
  • 配置シミュレーションやHRアナリティクスなど分析機能が充実
導入すると良い企業
  • 労務管理と評価業務を統合して効率化したい企業
  • 権限設定にこだわった評価フローを運用したい企業
  • 評価データを用いて組織改善や人材配置につなげたい企業

SmartHRの評価機能は、評価シートの設計・進行・集計から、360度評価やリマインドまで、人事評価の一連を効率化できる機能が特徴です。

特に権限や閲覧制御の細やかさに強みがあり、フェアな評価制度の構築にも役立ちます。スマホ対応もしており、現場社員でもストレスなく入力可能。さらに分析機能を活用すれば、評価結果をキャリアや配置・組織改善施策に直結させることも可能です。

HRMOSタレントマネジメント|1on1支援機能が充実。従業員と組織の成長を可視化

出典:公式サイト

提供会社 株式会社ビズリーチ
対応評価制度 MBO、OKR、コンピテンシー評価、360度評価 など
主な機能 目標管理、人事評価、1on1記録、スキル・キャリア情報管理、従業員プロフィール可視化
初期費用 要問い合わせ
月額費用 要問い合わせ
無料トライアル あり
HRMOSタレントマネジメントの強み
  • シンプルなUIで社員に定着しやすい
  • 360度評価や1on1など多面的な育成に対応
  • 組織診断と分析で戦略的な人事を支援
導入すると良い企業
  • 評価を育成・配置に活かしたい企業
  • 1on1や360度評価を導入したい企業
  • 組織状態を可視化し戦略人事を進めたい企業

HRMOSタレントマネジメントは、目標管理・360度評価・1on1といった評価・育成機能に加え、スキルやサーベイ結果を蓄積し組織の状態を可視化できる戦略プラットフォームです。

導入企業では人事業務の効率化が進むだけでなく、分析を通じた配置・育成・離職防止施策の立案にも効果が見られます。UIのわかりやすさと柔軟な権限設計により、現場での定着率が高く、多面的な評価制度にも対応可能です。

One人事|評価・勤怠・給与を統合。人事の全体最適を実現する

出典:公式サイト

提供会社 One人事株式会社
対応評価制度 MBO、360度評価、コンピテンシー評価など
主な機能 勤怠・労務・給与・評価・スキル管理、人材DB、組織図、ワークフロー、アンケート、AI FAQ(ChatGPT搭載)
初期費用 要問い合わせ
月額費用 要問い合わせ
無料トライアル あり
One人事の強み
  • 必要な人事機能を自由に選んで導入できる
  • 勤怠や給与と評価を一元管理できる
  • ChatGPT搭載の社内問い合わせボットが使える
導入すると良い企業
  • 人事業務を段階的にDX化させたい企業
  • 勤怠〜評価まで一元管理したい企業
  • 問い合わせ対応をAIに任せたい企業

One人事は、評価・給与・勤怠といった人事関連業務を一気通貫で管理できる統合型システムです。ユーザーは必要な機能だけを段階的に導入でき、既存データとの連携性も高いため、人材施策の広がりに対応しやすい設計です。

さらに、ChatGPTによる自動FAQ応答も特徴で、人事部門のサポート体制をAIに任せることも可能。導入後も重複データ入力の無駄をなくし、現場の負荷軽減に貢献します。

サイレコ|組織図シミュレーションが強み。戦略的な組織改編をサポート

出典:公式サイト

提供会社 株式会社アクティブ アンド カンパニー
対応評価制度 MBO/OKR、コンピテンシー評価など
主な機能 評価ワークフロー、組織図&異動シミュレーション、スキルDB、人材台帳、ワークフロー、アラート、分析グラフ
初期費用 要問い合わせ
月額費用 要問い合わせ
無料トライアル あり
サイレコの強み
  • 組織図と連動して異動や配置を考慮できる
  • 評価ワークフローや申請承認を自動化できる
  • セキュリティ(2要素認証/IP制限)と操作性を両立
導入すると良い企業
  • 組織改編や配置見直しを頻繁に行う企業
  • ワークフローの自動化でミスや手間を省きたい企業
  • セキュリティに配慮し、組織情報を一元管理したい企業

サイレコは、組織図ベースに評価・スキル・異動履歴を統合管理できるHRオートメーションツールです。評価シート配布から承認、点数調整、アラート通知まで一連の業務が自動化され、運用負荷を大幅に軽減できます。

また、未来日や過去の組織図を使ったシミュレーション機能も搭載し、配置最適化の意思決定に適したツールです。2要素認証など、セキュリティ面にも配慮されており、DX推進と情報統制を両立させたい企業におすすめです。

ヒトマワリ|中小・ベンチャー企業に特化。人事の土台作りを支援する

出典:公式サイト

提供会社 株式会社Touch&Links
対応評価制度 MBO、コンピテンシー評価、360度評価など
主な機能 評価ワークフロー、組織図・異動シミュレーション、BI分析、人材DB、採用管理、申請フロー、アンケート
初期費用 0円
月額費用 スタートプラン:20,000円~(税抜)
スタンダード:60,000円~(税抜)
無料トライアル 要問い合わせ
ヒトマワリの強み
  • 評価・異動のシミュレーションができる
  • 評価から申請・アンケートまで自動化し業務を効率化
  • 0円導入&段階プランでコスパ重視の導入が可能
導入すると良い企業
  • 初めてタレントマネジメントを導入する企業
  • 組織図を見ながら異動や人材配置を検討したい企業
  • 人事制度を低コストで構築したい企業

ヒトマワリは、初期費用0円・月額費用20,000円~とコスト面で導入ハードルが低いタレントマネジメントSaaSです。自動生成される組織図からマウス操作で異動・評価のシミュレーションができ、評価ワークフローやアンケート機能なども備えています。

BI分析により人事データも可視化でき、評価→異動→配置→育成という人事サイクルを一気通貫で支援できます。段階的にスモール導入から拡張でき、コストパフォーマンスと汎用性を両立したい企業に向いています。

【評価特化型】おすすめ人事評価システム7選

評価制度の構築に注力したい企業には、シンプルな設計と実務への直結性を備えた「評価特化型」システムがおすすめです。ここでは、その中でも実績ある7つのサービスを紹介します。

あしたのチーム|制度構築コンサルが強み。給与と連動した評価制度を実現

出典:公式サイト

提供会社 株式会社あしたのチーム
対応評価制度 MBO、コンピテンシー評価、360度評価など
主な機能 評価ワークフロー、給与シミュレーション、AI目標添削、評価者モニタリング、レポート機能
初期費用 要問い合わせ
月額費用 要問い合わせ
無料トライアル あり
あしたのチームの強み
  • シンプル操作で評価制度をそのまま反映できる
  • 評価→給与連動やAI目標添削で公平性と効率を両立
  • 専任コンサル&サポートにより導入〜運用まで安心
導入すると良い企業
  • 制度設計から一気通貫で支援を受けたい企業
  • 評価と報酬を連動させたい企業
  • 初めて360度評価やAI活用を試みたい組織

あしたのチームは、4000社以上の導入実績を誇る評価特化型SaaSです。評価ワークフローだけでなく、AIによる目標添削や評価者モニタリング機能で、公平で効率的な評価運用を実現します。

また、コンサルタントが評価制度設計から運用まで伴走支援する体制も特長。給与や賞与に評価を連動させたい企業や、公正な評価を体制設計からサポートしてほしい企業におすすめです。

人事評価ナビゲーター|中小企業向けに特化。低コストで始められるシンプルさが魅力

出典:公式サイト

提供会社 株式会社日本経営
対応評価制度 MBO、360度評価、コンピテンシー評価など
主な機能 評価シート配布・回収・集計、フィードバック記録、進捗モニタリング、AIメモ機能、レポート出力
初期費用 110,000円〜
月額費用 5,500円(税込)~
無料トライアル あり
人事評価ナビゲーターの強み
  • 業界最安水準、月額5,500円〜で利用可能
  • コンサル会社ならではの「評価メモ」「履歴比較」搭載
  • シンプル設計&サポート充実で現場に定着しやすい
導入すると良い企業
  • コストを抑えつつ評価を自動化したい企業
  • 公平な評価運用を目指す企業
  • 評価制度の整備が初めての企業

人事評価ナビゲーターは、初期費用110,000円〜、月額5,500円(税込)〜という低コストで評価のクラウド化を実現するサービスです。評価シートの配布・集計から、現場でのメモ記録、評価履歴の比較による公平性チェックまで、実務に直結する機能が揃っています。

さらに、日本経営によるコンサルノウハウも活用でき、導入直後から制度設計と運用を支援してくれます。中小企業にとってちょうどいい評価システムを選ぶなら、有力な選択肢です。

ヒョーカクラウド|360度評価に強い。柔軟なカスタマイズで独自の制度に対応

出典:公式サイト

提供会社 株式会社シーグリーン
対応評価制度 MBO、コンピテンシー評価、360度評価など
主な機能 評価ワークフロー、スキルマップ、アンケート、Excel出力、権限設定、スマホ対応
初期費用 要問い合わせ
月額費用 月額30,000円〜
無料トライアル あり
ヒョーカクラウドの強み
  • 業務時間を最大50%削減できるシンプルなクラウド設計
  • スキルと行動評価で納得感のある評価が可能
  • 権限設定&ISO27001認証で安心のセキュリティ体制
導入すると良い企業
  • 評価業務の負担を軽減したい中小企業
  • 紙やExcel運用から脱却したい企業
  • 公平性と納得感のある制度を整えたい企業

ヒョーカクラウドは「評価業務のクラウド化」をコンセプトにしたシンプル設計のSaaSです。月額30,000円〜で利用でき、50〜300名規模の中小企業を中心に500事業所以上の導入実績を持ちます。

MBO・コンピテンシー・360度評価に対応し、スキルマップや行動ポイント制度など現場で活用しやすい機能が豊富です。ISO27001取得のセキュリティと、無料デモ提供など導入支援も含め、低コスト&高実用性の評価システムを提供しています。

ジンジャー人事評価|1人300円から。圧倒的コスパで評価業務をDX

出典:公式サイト

提供会社 jinjer株式会社
対応評価制度 MBOなど
主な機能 評価シート作成・配布・回収・集計、評価フロー設計、リマインド・進捗管理、スマホ対応、柔軟な入力フォーマット、権限設定
初期費用 要問い合わせ
月額費用 要問い合わせ
無料トライアル あり
ジンジャー人事評価の強み
  • 評価フローを自動化しリマインドで記入漏れを予防
  • スマホ対応でPC不要の現場社員にも使いやすい
  • 柔軟な入力方式&権限管理で自由度が高い
導入すると良い企業
  • 社員の評価進捗管理に課題がある企業
  • 現場社員も含めた評価文化を根付かせたい企業
  • 評価制度を自社仕様に柔軟に設計したい企業

ジンジャー人事評価は、評価シートの設計から進捗管理、リマインド送信、最終集計までをオンライン上で完結できるクラウド型評価システムです。スマホ対応により、PCのない現場社員でも手軽に入力できる点が特長です。

評価フローはAND/OR設定や複数ステップ設計が可能で、入力形式も自由にカスタマイズ可能。リマインドと進捗可視化により、評価漏れを防ぎつつ制度定着に寄与します。

GooooN|目標達成へのプロセスを重視。MBO運用に強み

出典:公式サイト

提供会社 株式会社ビジネスネットコーポレーション
対応評価制度 MBO、360度評価など
主な機能 目標管理、評価、キャリアプラン、人財DB、組織図、評価調整、アンケート
初期費用 要問い合わせ
月額費用 最低15,000円~
無料トライアル あり
GooooNの強み
  • 初期設定なしでスムーズに運用を開始
  • 継続率99%、評価納得度80%と高い定着実績
  • 役職別に最適化された使いやすいUI設計
導入すると良い企業
  • 評価システムの導入が初めての企業
  • 評価と目標管理をパッケージで始めたい企業
  • 導入後のサポートと安心感を重視する企業

GooooNは中小・中堅企業をターゲットにした、クラウド型人事評価システムです。初期設定は不要で、そのまま運用をスタートできる手軽さが特徴です。

導入後は継続率99%、面談実施率85%増、評価納得度80%など利用企業から高評価を獲得しています。管理職、現場、人事それぞれに最適化されたUI設計や、360度評価・キャリアプラン機能など、はじめてシステム導入する企業にも使いやすいのが魅力です。

WiMS/SaaS人事考課システム|大企業・グループ会社向け。複雑な人事制度にも対応

出典:公式サイト

提供会社 株式会社ソリューション・アンド・テクノロジー
対応評価制度 MBO、ジョブ型、コンピテンシー、OKR、360度評価など
主な機能 評価シート作成・配布・収集・集計、目標・自己申告、面談補助、評定値算出、自動リマインド、アンケート、組織分析など
初期費用 要問い合わせ
月額費用 要問い合わせ
無料トライアル 要問い合わせ
WiMS/SaaS人事考課システムの強み
  • 柔軟な制度設計で多様な評価制度に対応
  • 自動集計・リマインドで業務効率を大幅に改善
  • 組織図・アンケート・面談支援など補助機能も充実
導入すると良い企業
  • 独自の評価制度をシステム化したい企業
  • 評価業務を効率化し、本質的な人材育成に集中したい企業
  • ERPとの連携を視野に大規模導入を検討する企業

WiMS/SaaS人事考課システムは、ERP構築で培ったノウハウを活かして評価制度を柔軟に再現できるクラウド型人事考課ツールです。評価シートの配布~集計、自動評定値算出、面談補助、アンケートなどの機能により、人事業務の効率化と質の向上を両立できます。

連携性も高く、人事・給与・勤怠システムとの統合運用にも強みがあるため、大規模〜グループ導入におすすめです。

MONJU|評価シートのWeb化に特化。紙・Excelからの脱却を簡単に

出典:公式サイト

提供会社 コムネット株式会社
対応評価制度 MBO、360度評価、社員満足度調査、1on1支援など
主な機能 目標管理、満足度調査、1on1、評価・フィードバック管理
初期費用 なし
月額費用 社員20名まで:年額240,000円(税抜)
社員60名まで:年額648,000円(税抜)
社員100名まで:年額960,000円(税抜)
※200名以上要相談
無料トライアル あり
MONJUの強み
  • 目標設定・360度評価・満足度調査まで一貫対応
  • シンプル設計で導入企業から高評価
  • 小規模企業でも導入しやすい料金プラン
導入すると良い企業
  • 初期費用を抑えて人事評価を始めたい
  • 100名以上でも使える評価システムを探す企業
  • 目標管理・360度評価・満足度調査を一括導入したい企業

MONJUは、特に中小企業の「使いやすさ」と「納得の制度設計」にこだわったクラウド型人事評価システムです。MBOに加え360度評価や1on1、社員満足度調査まで幅広く対応。

20名まで年額24万円(税抜)から利用できるリーズナブルな価格設定が特徴です。無駄を省いた柔軟な目標管理と定量評価により、現場の納得感を高め、組織パフォーマンス向上に貢献します。

人事評価システム導入で失敗しないための注意点

人事評価システムは、導入するだけで効果が出るものではありません。評価制度の整備や社内の理解が不十分なまま運用を始めると、現場に混乱が生じ、逆に不満や形骸化を招くこともあります。

特に、評価者・被評価者が評価項目の意図を把握できていなかったり、記入に過度な負担を感じていたりすると、評価制度自体への不信感にもつながりかねません。このような失敗を防ぐためにも、以下の点に注意して導入を進めましょう。

導入時の注意点

  • 評価制度を整備せずに導入しない
  • 評価者・被評価者に説明せずに運用を始めない
  • システムに任せきりで評価を完結させない
  • 現場の負担感や不安に配慮しないまま進めない

人事評価システムに関するよくある質問(FAQ)

初めて人事評価システムを導入する際は、費用感や運用方法、制度との相性などに不安を感じることもあるでしょう。ここでは、導入前によくある疑問を整理し、安心して活用を始めるためのヒントをご紹介します。

Q. 人事評価システムは中小企業にも必要ですか?

はい、むしろ中小企業こそ早期導入が効果的です。評価基準が属人化しやすい中小企業では、システムを通じて「見える化」することで不公平感や不満を防げます。

管理負担の軽減だけでなく、社員の納得感やエンゲージメント向上にもつながるため、従業員数が少ない段階からの導入が望ましいでしょう。

Q. 無料または低価格で使える人事評価ツールは?

あります。評価機能に特化したシンプルなクラウドツールや、1人あたり数百円で利用できる料金プランも存在します。無料トライアルが用意されているサービスも多いため、まずは試しながら運用の流れを掴むのもおすすめです。

Q. Excelや紙の評価シートから移行できますか?

はい、ほとんどの人事評価システムはExcelのデータ取り込みに対応しています。既存の評価シートをベースにテンプレートを作成したり、CSVファイルで評価履歴を一括移行できるケースが一般的です。運用フローも紙に近い形で構築できるため、段階的なデジタル移行にも適しています。

Q. タレントマネジメント型との違いは何ですか?

評価に特化したシステムが「人事評価型」、人材情報を活用して配置・育成・組織戦略までカバーするのが「タレントマネジメント型」です。

後者は評価以外の要素も一元管理できるため、より戦略的な人事運用が可能になります。目的が明確な場合は、評価特化型のほうがシンプルに使える利点もあります。

  • ▶︎【タレントマネジメント型】おすすめ人事評価システム8選
  • ▶︎【評価特化型】おすすめ人事評価システム7選

Q. 評価制度がなくても導入できますか?

可能ですが、制度がない状態ではシステムの効果を十分に発揮できません。多くのツールは制度設計のテンプレートや支援機能を備えているため、導入と同時に制度の土台を整えることも可能です。

評価制度が未整備の企業こそ、システム導入をきっかけに仕組みを見直すチャンスと捉えるとよいでしょう。

まとめ|自社に合った人事評価システムを選ぼう

人事評価システムは、評価業務の効率化だけでなく、人材育成や組織の健全な成長にもつながる重要なツールです。導入にあたっては、評価制度との相性や操作性、サポート体制などをしっかり見極め、自社に合ったシステムを選ぶことが成功の鍵となります。

本記事で紹介した機能や比較ポイント、各ツールの特徴を参考に、自社の課題に最適なサービスを選定し、より納得感のある人事運用を実現していきましょう。