白夜のスウェーデンを訪れたアメリカの学生たち。異様なカルト集団の洗礼を受け、一人また一人と地獄の底に落ちていく。
投稿 映画レビュー「ミッドサマー」 は 映画遊民 映画をもっと見たくなる! 映画ライター沢宮亘理の映画レビュー、インタビューetc に最初に表示されました。
白夜のスウェーデンを訪れたアメリカの学生たち。異様なカルト集団の洗礼を受け、一人また一人と地獄の底に落ちていく。
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「ご相談させていただけますでしょうか」
「ご確認させていたければと思います」
「ご報告させていただければ幸いと存じます」
…こんな文章が書かれているメールが、よく送られてくるようになった。
同業者のソーシャルメディアを覗いてみれば
「担当させていただいた仕事で、受賞させていただきました!」
…みたいな投稿がチラホラ。
テレビをつければ芸能人が
「入籍させていただいたことを、ご報告させていただきます」
…なんて記者会見をしている。
どこもかしこも「させていただきます」だらけ。なんでこんな世の中になってしまったのか?背景にあるのは「嫌われたくない」という心理だ。
ビジネスのメールであれば、「させていただきます」という書き方をするのは、相手にとってイヤな内容を書くときだ。
「納期の前倒しをご相談させていただければ幸いと存じます」
…といった感じだ。
クリエイターにありがちな「カンヌを受賞させていただきました!」みたいな投稿からは、「自慢するけど嫌わないでネ♪」という下心がすけて見える。「入籍させていただきました」も同様だろう。
何がなんでも嫌われたくない。叩かれたくない。「させていただけないでしょうか」は、不寛容の時代を象徴する言葉と言えるかもしれない。
しかし、ビジネスにおいて「嫌われたくない」という気持ちが強すぎるのは問題だ。相手にとって嫌なことを伝えなくてはいけない場面は、どうしても出てくる。「させていただけないでしょうか」を連発する人は、一見礼儀正しいようで、ビジネスより嫌われないことを優先しているのだ。では、どんな文章を書けばいいのか?
…自己紹介が遅れました。コピーライターの橋口幸生です。日々「させていただけないでしょうか」メールを毎日山のように受け取っています(笑)。この経験を生かして、「させていただけないでしょうか」と使わずにメールを書く方法を解説したいと思います。
次の例文を見てください。
先日のキャッチフレーズについて、その後、再度あらためて検討したところ、方向性や考え方(コンセプト)はおおむね問題ないものの、キャッチフレーズそのものの内容につきましてあらためてご検討・ご相談させていただきたいのですが、ご検討いただければ幸いと存じます。
ありがちな「嫌なことをやんわりと表現した結果わかりにくい上にかえってイラつく文面になった現象」ですね。ここから「させていただけないでしょうか」的な遠回しな表現を削除してみましょう。
すいません!キャッチフレーズの新案を書いてください。
いかがでしょうか。後者のほうが短くて分かりやすいし、印象だって良いですよね。
慇懃無礼という言葉があります。「表面の態度は丁寧だが、心の中では相手を軽くみていること」という意味です。丁寧すぎる文章は、かえって心象を損ねるのです。
「させていただけないでしょうか」を連発する人が、相手を軽く見ているということはないでしょう。しかし、ムダな敬語で固められた文章は、どうしても書き手の顔を見えにくくします。顔が見えない人が信頼されることは、ビジネスでもプライベートでもありません。
文章を書くとき、「させていただけないでしょうか」禁止というルールを意識してみてください。どんなに書きたくなっても、グッと我慢して、他の言い方を考えるのです。メールはもちろん個人的なソーシャルメディアの投稿も、グッと分かりやすくなるはずです。
もっと詳しい方法を知りたければ、ぜひ拙著「言葉ダイエット」を読んでみてください。
伝えにくいことを、短く&感じが良い文章にする方法を、例文とともに解説しています。
オススメさせていただければ幸いです!
…おっと。分かっていても、つい、書いてしまいますね。気をつけないと。
アクアポニックスという農業システムをご存じでしょうか。アクアポニックスとは水産養殖(アクアカルチャー)と水耕栽培(ハイドロポニックス)を組み合わせた循環農法のことです。養殖した魚から出る排泄物を微生物で分解し、それを肥料に野菜を水耕栽培する仕組みで、水耕栽培で水を浄化して再び魚に供給するので、魚も元気に育ちます。
欧米では主に都市農業として導入されていて、アメリカでは都市部の空きビルを活用して、養殖したティラピアなどの魚や、水耕栽培のケールやビーツなど付加価値のある野菜を周辺の高級スーパーなどに卸しています。
日本でも最近、アクアポニックスを導入する企業が登場しています。例えば新潟ではデータセンターの排熱を利用してアクアポニックスを展開しています。生態系を勉強するのに役立つこともあり、学校の環境教育用や、ハーブと観賞魚をセットにした家庭用など、興味深い動きも見られます。
ここで、ちょっと視点を変えて、日本の都市農業に目を向けてみましょう。日本の都市農業の主体の多くは、地域で代々続く農家です。東京都にもおよそ1万1000世帯の農業従事者がいます。これは実は世界的には珍しく、欧米圏では市街地と農地が比較的明確に区別されて発展してきたこともあり、都市農業の主体は非農家の市民や企業です。
そのため、欧米では、コミュニティーや農業体験のような側面が強調される一方で、日本は地産地消がテーマとなることが多いという違いが見られます。とはいえ、昨今では日本でもビルの屋上のコミュニティー農園など、農業体験を楽しむ機会は増えています。この動きは近年の規制緩和の流れを受けて、さらに増えていきそうです。
この潮流を踏まえると、例えば、都市の空き家にアクアポニックスを設置し、都市コミュニティーで活用することも考えられます。市民農園などで行われる農業体験に、アクアポニックスでの魚の養殖・水産体験まで組み合わせるのです。



利用者は野菜を栽培しつつ、魚のエサやりをする。収穫時期には野菜を採りつつ、育てた魚をさながら釣り堀のように釣り上げるのです。魚も野菜も自家消費してもよいし、付属の販売所で販売したり、グローサラントのように、その場でさばいた魚と収穫した野菜の料理を提供するレストランで食べたりしてもよいでしょう。こうした施設があれば、都市住民の食意識、ひいては地域コミュニティーへの意識もより深まるのではないでしょうか。
未来予測支援ラボ:http://dentsu-fsl.jp/
井上氏:前回、集中を生み出すポイントとして
1)できるだけ「要素」を満たすこと
2)入りやすい「構造」を用意すること
3)入るための「準備」を整えること
の三つを挙げさせていただきました。最終回となる今回はその三つのポイントから2月3日にグランドオープンした「Think Lab汐留」に施された工夫を、つぶさに解説していきます。

入り口でスマートフォンをかざすと、真っ暗なスペースが現れます。心地のいいアロマの香りに誘われて進むと、小さな受付があり、その奥には、2種類の小さなブース群が整然と待ち受けています。3列ひな壇のように配された「CONCENTRATION BOOTH」と「IDEATION BOOTH」。前者は「論理的な思考」を、後者は「クリエイティブな思考」をいずれも一人で深めるため、だけに設計されているのです。

二つのブースに向かう前の「真っ暗なスペース」にも理由があってイメージしたのは、鳥居から本殿へ向かう間を、一本道でつなぐ暗い参道。神社仏閣の基本構造に、集中力を高めるヒントを見いだしたわけです。
実際、「Think Lab汐留」をつくる上での合言葉は「東京に、高野山をつくろう!」でした。緊張をつくってから、緩和させる。そうした「構造」により、集中力が研ぎ澄まされる「準備」が整うのです。
これまでの脳科学で行われていた「右脳的」「左脳的」という分類は、もはや前時代的なもの、とされていて、「論理的な思考」、例えば、プレゼンのストーリーを考えるような場合には「こうが、こうだから、こう」といったように、物事を整理し、集約していく“前のめり”な集中力が求められる。
対して「クリエイティブな思考」は、イメージをぼーっと広げていくための集中力が必要で、目に飛び込んでくる景色も、当然、開放的であるべきなのです。
ブースの手前には、
フリードリンク(コーヒー、紅茶、緑茶など)とともに、当社の調査により
集中へのエビデンスが認められた熱めのおしぼりを用意してあります。

コーヒーには、論理的な思考を助けるカフェインが紅茶や緑茶には、創造力を刺激するテアニンがそれぞれ含まれていますし、おしぼりから感じられる熱や、アロマの香りにより、脳の海馬が刺激され、集中の時間への「準備」がさらに整っていくのです。
ブースへ入ると、温かみのある照明、かすかに聞こえる川のせせらぎや鳥の声、
あちこちに配された植栽が迎えてくれます。

青白い光は、人の脳に「昼間」をイメージさせる。寝る前のスマホが体によろしくない、とされるのはそのためでスマホからの青白い光によって睡眠導入物質のメラトニンの分泌を阻害されてしまう。いたずらな興奮は、集中力には不要なものだからです。
ブース内の照明は、適度な「温かみ」を感じられるように設計しました。癒しの音や植栽なども、すべて集中力を高めるための「要素」といえるのです。
横幅96センチのデスクにも、ヒミツがあります。一般的な120センチの幅では、集中力が削がれてしまうから。絶妙に計算された高くも低くもない仕切りもまた、しかり。低すぎると、集中できない。高すぎると、マンガ喫茶のような状態になり、
気持ちが緩み過ぎて、これまた集中できないのです。
優しい座り心地の椅子にも、こまかな工夫を施してあります。欧米人は、背筋が強い。だから、欧米式の“のこぎり”は、前に押し出すようにできているんですね。一般的な椅子は、こうした欧米人仕様でできている。背筋の弱い日本人にとっては、このような椅子では、背中が疲れてしまう。椅子ひとつにも、集中できない「要素」は隠れているのです。
科学的な根拠に裏付けられたこれらの仕組みや装置の数々が、いまだかつて経験したことのない密度の「集中力」をもたらしてくれる。ぜひ、「Think Lab」に足を運んでいただいて、集中力が深化していくさまを体感いただければ、と思います。

(編集後記)
「働き方改革は『時間』だけじゃない!『質』を高めるための“集中力”セミナー」と題して行われたJINS井上氏による講演の内容をつぶさに紹介してきたこの連載。なにより興味深かったのは、集中という、ともすれば「精神論」で語られがちなことを科学的に分析してみよう、という試みだ。
「ゾーンに入った」とか、「ああ、私は今、癒やされてる。体中の神経が、敏感になっている」という感覚を、誰もが、経験としては持っている。そうした経験を、メガネというツールを通して解析することで、リアルな装置として「再現」してみせる。
井上氏のトライアルに、「働き方改革」の目うろこな可能性を見た。
コピーライター/CMプランナーの諸橋秀明です。当たり前ですが、スタートアップがスケールしていくためには社会の欲望(ニーズ)を受け入れていく必要があります。どんな種類、サイズの欲望を事業として受け入れていくのか。
今回ご紹介するTOKIMEKU JAPANとの仕事では、その定義を言葉で実践していきました。
TOKIMEKU JAPANは入院患者のためのファッションブランド「KISS MY LIFE」を展開しているスタートアップ。カラフルな病院服、ケア帽子、車椅子スカートなどの、高いファッション性と機能性を兼ね備えたアイテムを展開しています。
この「KISS MY LIFE」の成り立ちには、“がんサバイバー”という塩崎社長個人のバックグラウンドが大きく関係しています。
がんと闘病していた頃の彼女のストレスは、オシャレを奪われたこと。
アパレルショップを経営していた彼女にとって、毎日同じ入院服を着させられるのは耐え難かった。そんな中で「入院患者でもファッションを楽しめるような社会をつくる」という思いが、起業の着火剤となりました。
しかし、私がとあるご縁で塩崎社長にお会いしたとき、彼女は漠然と不安を抱えているようでした。
事業は徐々に軌道に乗り始めて、自分の理想が形になってきている。なのに何だか不安。社員のモチベーションは大丈夫だろうか。ちゃんと事業はスケールするだろうか。そのために今すべきことは何なんだろうか。不安の正体が分からず、やみくもに悩んでいる印象を受けました。
そこで、何回か電通にお越しいただいて、不安の正体をいろいろと掘り下げていきました。その過程で見えてきたのは、もろもろの不安の根源は、今のTOKIMEKU JAPANが受け入れられる欲望のサイズが小さいことにあるかもしれない、ということでした。
TOKIMEKU JAPANが受け入れていたのは、塩崎社長の、もしくは同じような境遇にいる方の欲望でした。それはとても尊重されることではありますが、ビジネスで考えた場合に十分な大きさではないという意識が、不安の原因だったのです。
やはり、企業が持続的に成長拡大するには「社会の欲望」を受け入れなくてはいけない。会社の受け入れる欲望のサイズの適正化。それがTOKIMEKU JAPANの抱える本質的な課題だと考えました。
浮き彫りになった課題を解決するのに、やはり言葉が必要だと感じました。
会社の受け入れる欲望の種類とサイズを定義し、宣言する言葉。ただ、頭を悩ませたのは、その言葉の形態(フォーマット)でした。
企業ビジョンか、タグラインか、はたまたウェブサイトの社長挨拶文か。どこに配置され、どのように記載される言葉がいちばん正確に強く伝わるのか。
私たちがたどり着いたのは「事業名」でした。事業の根幹の言葉をコミュニケーションのアイテムと捉え直し、アップデートしましょう、と提案しました。事業名をコピーとして機能させるというアイデアです。
入院患者向けのファッション事業
という事業名では、ミクロ視点の事業に見えて大きな欲望をつかまえづらいかもしれない。塩崎社長も、ファッションはあくまで手段で「どんな状況でも自分らしくあること」を提供したい、とおっしゃっていました。
ならば、この考えそのものを事業名として据えることで、もっと大きな面で社会と向き合うことができるのではないか。顧客も患者だけじゃなくてもいい。自分らしさを奪われそうになっているすべての人と捉えれば、たくさんの欲望を受け入れられる。
そんな考えをまとめ提案したのが、
クリエイティブケア事業
という言葉でした。
人間の創造性をケアする、ということをTOKIMEKU JAPANの事業名にし、ファッションビジネスはクリエイティブケア事業のひとつの手段という整理にしました。
以下が事業名の提案の際に補足として書いたステートメントです。


さらには社名ロゴの上にいつも「CREATIVE CARE COMPANY」と入れて、事業名を大々的に標榜しましょうと提案しました。

この事業名の再定義には、社会の欲望を集める以外の目的もありました。
ひとつは社内からのビジネスアイデアを出やすくすること。クリエイティブケアであれば、必ずしもファッションでなくてもよいのです。軸足を定めながら自由に発想ができるという、アイデアを出す上で理想の状態になります。
もうひとつは、資金調達の際などに効果を発揮する会社のプレゼンテーション力の向上です。ありふれた事業名ではないところに、新しい市場を開拓するフレッシュさと挑戦の精神が滲み出てきます。
「自分たちが受け入れる欲望」を定め明文化した今回のような作業を、スタートアップは早いうちに取り入れるべきだと考えます。
というのもたくさんのスタートアップと出会う中で、欲望の種類が特殊過ぎたり、サイズが小さ過ぎると感じるケースは少なくないからです。「社会の欲望」という視点が抜け落ちてしまっています。
集めたい欲望の種類とサイズ、さらには集め方までを冷静に定めておく。できればそこには、外部から客観視できる頭や目線を投入できるとベストだと考えています。
「経営における言葉」をテーマに掘り下げてきた一連のシリーズは、今回で最後です。次回は、特別版として、初回に登場いただいたIetty(イエッティ)の小川さんとの対談を掲載します。