電通子会社「電通ダイレクトフォース」の社名変更について

2月14日に配信された電通ニュースリリース文面は以下の通りです。


2018年2月14日

電通子会社「電通ダイレクトフォース」の社名変更について

- ダイレクト領域強化に向け機能を集約、新社名は「電通ダイレクトマーケティング」 -

株式会社電通(本社:東京都港区、社長:山本 敏博)は、ダイレクトマーケティング領域における成長戦略を加速させるため、本社のダイレクト関連部署を再編し、専門機能を当社100%子会社ダイレクト領域専門エージェンシー「株式会社電通ダイレクトフォース」(本社:東京都港区、社長:白鳥 敏博)へ統合します。

本再編は、顧客のマーケティング活動において重要度を増すダイレクト領域に対する、当社グループの提供価値向上を目的とした国内事業戦略の一環です。専門性の高い人材とノウハウを集約することで、事業戦略から企画・実行までをワンストップでプロデュースする高度なサービスを提供していきます。

これを機に「株式会社電通ダイレクトフォース」は、2018年4月1日から社名を「株式会社電通ダイレクトマーケティング」(以下「DDM」)に変更します。

デジタルテクノロジーの進化によりダイレクトマーケティングの可能性が広がる中、DDMは従来型のダイレクトレスポンス広告に加え、戦略コンサルティング・デジタル・CRM領域にも注力することで、課題解決力を強化していきます。

また、顧客の多様な需要に応えるべく、最先端のケイパビリティーを保有するための投資や技術開発に加え、専門人材の獲得と育成を加速することで、「事業を成功へ導く」パートナーとして、名実ともにダイレクトマーケティングにおけるリーディングカンパニーとなることを目指します。

■株式会社電通ダイレクトマーケティングの主な提供サービス

①ダイレクトビジネスコンサルティング
ダイレクトマーケティング戦略立案、通信販売事業支援(事業戦略策定、投資/販売計画立案)、EC/顧客管理システム導入支援など

②ダイレクトコミュニケーションプランニング
ダイレクトレスポンス広告(マス媒体/OOH)のコミュニケーション戦略・プランニング・バイイング、レスポンスデータマネジメントなど

③デジタルマーケティング
デジタルマーケティング戦略、運用型広告のコンサルティング、オペレーション、オウンドメディア(ECサイト)構築/運用支援など

④ダイレクトクリエーティブ(独自メソッドに基づく「売れる」広告表現)
インフォマーシャル/CMなどの企画制作、パッケージ/ネーミング開発、DM/カタログなどの企画制作・発送代行、ダイレクトクリエーティブ診断プログラムなど

⑤CRMソリューション
CRMコンサルティング、データアナリティクス、カスタマーエクスペリエンスデザイン、リテンションプログラム構築、コミュニティーの企画運営など

<会社概要>(2018年4月1日より)
・社名:株式会社電通ダイレクトマーケティング(Dentsu Direct Marketing Inc.)
・所在地:東京都港区芝5-33-1 11階
・代表者:代表取締役社長 佐藤 聖仁(※)
・資本金:1億5000万円
・株主構成:株式会社電通 100%
・従業員数:約100名
・事業内容:ダイレクトマーケティングとデジタルマーケティングに関するソリューションの提供

 ※2018年3月19日開催の同社株主総会およびその後の取締役会で正式決定

以上


電通ニュースリリース
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2018/0214-009468.html

電通子会社「電通ダイレクトフォース」の社名変更について

2月14日に配信された電通ニュースリリース文面は以下の通りです。


2018年2月14日

電通子会社「電通ダイレクトフォース」の社名変更について

- ダイレクト領域強化に向け機能を集約、新社名は「電通ダイレクトマーケティング」 -

株式会社電通(本社:東京都港区、社長:山本 敏博)は、ダイレクトマーケティング領域における成長戦略を加速させるため、本社のダイレクト関連部署を再編し、専門機能を当社100%子会社ダイレクト領域専門エージェンシー「株式会社電通ダイレクトフォース」(本社:東京都港区、社長:白鳥 敏博)へ統合します。

本再編は、顧客のマーケティング活動において重要度を増すダイレクト領域に対する、当社グループの提供価値向上を目的とした国内事業戦略の一環です。専門性の高い人材とノウハウを集約することで、事業戦略から企画・実行までをワンストップでプロデュースする高度なサービスを提供していきます。

これを機に「株式会社電通ダイレクトフォース」は、2018年4月1日から社名を「株式会社電通ダイレクトマーケティング」(以下「DDM」)に変更します。

デジタルテクノロジーの進化によりダイレクトマーケティングの可能性が広がる中、DDMは従来型のダイレクトレスポンス広告に加え、戦略コンサルティング・デジタル・CRM領域にも注力することで、課題解決力を強化していきます。

また、顧客の多様な需要に応えるべく、最先端のケイパビリティーを保有するための投資や技術開発に加え、専門人材の獲得と育成を加速することで、「事業を成功へ導く」パートナーとして、名実ともにダイレクトマーケティングにおけるリーディングカンパニーとなることを目指します。

■株式会社電通ダイレクトマーケティングの主な提供サービス

①ダイレクトビジネスコンサルティング
ダイレクトマーケティング戦略立案、通信販売事業支援(事業戦略策定、投資/販売計画立案)、EC/顧客管理システム導入支援など

②ダイレクトコミュニケーションプランニング
ダイレクトレスポンス広告(マス媒体/OOH)のコミュニケーション戦略・プランニング・バイイング、レスポンスデータマネジメントなど

③デジタルマーケティング
デジタルマーケティング戦略、運用型広告のコンサルティング、オペレーション、オウンドメディア(ECサイト)構築/運用支援など

④ダイレクトクリエーティブ(独自メソッドに基づく「売れる」広告表現)
インフォマーシャル/CMなどの企画制作、パッケージ/ネーミング開発、DM/カタログなどの企画制作・発送代行、ダイレクトクリエーティブ診断プログラムなど

⑤CRMソリューション
CRMコンサルティング、データアナリティクス、カスタマーエクスペリエンスデザイン、リテンションプログラム構築、コミュニティーの企画運営など

<会社概要>(2018年4月1日より)
・社名:株式会社電通ダイレクトマーケティング(Dentsu Direct Marketing Inc.)
・所在地:東京都港区芝5-33-1 11階
・代表者:代表取締役社長 佐藤 聖仁(※)
・資本金:1億5000万円
・株主構成:株式会社電通 100%
・従業員数:約100名
・事業内容:ダイレクトマーケティングとデジタルマーケティングに関するソリューションの提供

 ※2018年3月19日開催の同社株主総会およびその後の取締役会で正式決定

以上


電通ニュースリリース
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2018/0214-009468.html

デジタルは人を幸せにできるのか?

電通と電通デジタルは、電通グループの持つあらゆるマーケティング手法を「人基点」で結集・高度化した統合フレームワーク「People Driven Marketing」(ピープルドリブンマーケティング、以下PDM)を開発しました。

PDMロゴ

People Driven Marketingとは

人の意識や行動に着目し、最先端テクノロジーでさまざまなデータを連携することで実現する、次世代のマーケティング。以下のようなコミュニケーションを実現することを目的としている。

・本当に必要な人に、
・必要なタイミングや必要な場所で、
・その人に合ったコンテンツを届け、
・その人の反応を受けてさらに最適化してゆく

これからの時代において、なぜPDMが必要なのでしょうか。

「人基点のマーケティングって、今までもそうだったじゃないの?」
「これまでのデジタルマーケティングと何が違うの?」

こんな疑問に答えます。


<目次>
花子さんに届く登山道具10%オフのメール
データが「つながる」ことでより鮮明に人が見えてくる
「気が利く」「かゆいところに手が届く」人基点のマーケティングへ
七つのフェーズを電通グループのプロフェッショナルたちが分かりやすく解説

花子さんに届く登山道具10%オフのメール

花子さんに届く登山道具10%オフのメール
イラスト:金井 沙樹

30歳の花子さんには生まれて間もない3カ月の赤ちゃんがいます。

以前花子さんが会員登録したアウトドア用品専門ショップから、今日もメールが届きました。

「週末にフェア開催中! 登山道具10%オフ」

お店側から見れば、会員登録してくれた人は皆「登山に関心のある有望層」です。だから、メールを毎週出し続ければ、ある程度の確率で来店してくれるだろうと計算しています。

でも赤ちゃんが生まれたばかりの花子さんは、当面登山に行く予定もありませんし、ましてや登山道具を買う気もありません―。
 


いかがでしょうか。もちろん、こうした「数打てば当たる」的な手法でも来店してくれる人はいるでしょうが、他の多くの人には花子さんのように「今ここでその情報が来てもね…」という気持ちを抱かせてしまうかもしれません。

マーケティングのあるべき姿を「顧客が本当に求める商品やサービスを創造し、その情報を適切に届け、顧客の満足度を最大化すること」と定義するならば、このショップのような情報発信は良いマーケティングとはいえません。

本来、よりきめ細かなアプローチができるはずのデジタルが、実際には“送り手都合”だけの情報発信を行ってしまっているのです。これでは、デジタルが人を幸せにしているとはとてもいえないのではないでしょうか?

データが「つながる」ことでより鮮明に人が見えてくる

従来のように断片的なユーザーデータを取得するだけでは、生きたユーザー像を正確に捉えることが難しく、花子さんのケースのように「以前は欲しかったかもしれない情報だけど、今は要らない」ということも多く発生してしまいました。

「どんな情報を、いつ、誰に、どんな形で送るべきなのか」を推察し、人の気持ちをおもんぱかってマーケティングしていくことこそが、デジタルを活用する本来の意味だと私たちは考えます。

スマートフォンの普及や、SNS、ECサイト、動画配信といったサービスの隆盛と技術の進化を背景に、今やより多くのユーザーデータ(特に購買データやネットの利用データなどの行動データ)が取得され、つながり合うようになってきています(※1)。

さらにこれからは位置情報、電子マネーでの決済情報、直近の検索内容、そして顔の表情情報までがデータとして取得できるようになっていくと予想されています。人の「実像」を、これまでよりもはるかに解像度高く描ける条件が整ってきたのです。

ただデータを多く集めればよいわけではなく、さまざまなデータをつなぎ合わせ、想像力を働かせることも重要です。「かつて会員登録したが最近登山に行っていない人」が「最近は赤ちゃん用品をネットで検索している」といった複数の異なる角度のデータをつなげば、「今この人に登山道具10%オフの情報は必要ない」と想像できるはずです。

豊富なデータと、その先にある生きたユーザー像を仮定する想像力。これらに加えて、コミュニケーション実施後もたゆみない検証でユーザー像の解像度を上げていくこと。それが人を本当に理解したマーケティング、People Driven Marketingの本質です。

※1 言うまでもなく、データ取得にはそれぞれユーザーのパーミッション=許可や匿名化・統計化処理が必要です。

「気が利く」「かゆいところに手が届く」人基点のマーケティングへ

前節で述べたように、PDMとはいわば一人一人に合わせたインタラクティブなデジタルマーケティングの実現です。受け手からすると、「気が利く」「かゆいところに手が届く」と感じるようなマーケティングといえるでしょう。

また、PDMでは製品やサービスを売って終わるのではなく、顧客のLTV(ライフタイムバリュー)を最大化することを目指します。常に受け手の気持ちに寄り添ってコミュニケーションを設計し、そのためのマーケティングシステムを構築することで、一時的な売り手買い手の関係ではない末永い関係を築けるようになるでしょう。

最近は自社のプライベートDMP(Data Management Platform)で顧客のデータを管理し、マーケティングに活用している企業も多いと思います。例えばそこに電通グループの提供するパブリックDMPである「People Driven DMP」(※2)のデータを掛け合わせることで、より立体的な顧客像を想定できるようになります。

※2 People Driven DMPは、多様な業種のパートナー企業との提携によって実現した次世代のプラットフォームです。
 

冒頭の花子さんに対して、PDMならどんなアプローチができるでしょうか?

“受け手都合”で今すぐ登山道具10%オフの情報を送りつけるのではなく、少し待ってから、「赤ちゃんに山好きな子どもに育ってもらうための育児関連情報」を送る。あるいは数年後に「子どもと一緒に楽しめるようなファミリー向けキャンプ道具」を提案することが喜ばれるのかもしれません。これならショップにとっても、花子さんにとっても幸せな関係が長続きしていきます。

ただし、受け手がストーカー的に感じるような空気を読まない情報発信では、人の気持ちを理解しているとはいえません。本当に「気が利く」「かゆいところに手が届く」コミュニケーションを実現するためには、ユーザーデータだけでなく「得られたデータを分析し、適切なコミュニケーションを設計するノウハウ」も不可欠になるでしょう。

PDMでは、取得したデータに対し、電通グループが長年積み重ねてきた調査研究結果やコミュニケーションノウハウを加味し分析・プランニングしていくことで、より精度の高いターゲット設定や目標達成ができるようになります。

もう一つ重要なのが、マーケティングに関わる全てのセクションが一斉に同じ目標(=人)に向かって連動すること。PDMでは、従来は独立して活動しがちだった各フェーズを「人基点」で統合し、より一貫したマーケティングを実現します。

PDMの実現に必要なもの

最後に、冒頭の疑問にお答えする形で、PDMについてまとめます。

Q.
「人基点のマーケティングって、今までもそうだったじゃないの?」 
「いままでのデジタルマーケティングと何が違うの?」

A.
PDMでは従来の電通のコミュニケーションノウハウに加えて「パートナー企業を含めた豊富なコンタクトポイントから得られる多角的なユーザーデータ」「デジタルテクノロジー」を駆使することで、これまでは技術的・環境的に難しかった一人一人のユーザーに最適化されたコミュニケーションを行うことを明確な目的としています。

ユーザーが欲しいと思ったタイミングで、そのユーザーに響くクリエーティブで、情報を届けられるのです。

これが、従来のデジタルマーケティングとの違いです。

七つのフェーズを電通グループのプロフェッショナルたちが分かりやすく解説

PDMのランニングプロセスは以下の七つのフェーズで構成されます。

PDMのランニングプロセス

・Objective:目標と課題設定。人で課題を捉え直す
・Deep Dive:人への洞察力。行動データを駆使して人に迫る
・Person:意識や行動の変化の可能性が高い人できめ細かくセグメントする
・Journey:セグメントごとのブランドとの接点を解き明かしチャンスポイントを発見する
・Media & Promotion Design:予算内で最大効果を発揮するプラン設計
・Creative & Activation:セグメントごとの意識と行動を変えるアイデア、コンテンツ
・Execution & PDCA:打ち手の効果を把握し、次の課題を発見する

個々の概念はこれまでもありましたが、統合して考え、結果を出し、実践知を蓄積していくところが従来とは異なります。必ずしもこの図の全てのフェーズを使うわけではなく、必要に応じて既存のマーケティングに組み込んでいける仕組みになっています。

次回からは、この七つのフェーズについて電通グループのプロフェッショナルたちが解説していきます。

デジタルは人を幸せにできます。ぜひご期待ください。

5年後

デジタルは人を幸せにできるのか?

電通と電通デジタルは、電通グループの持つあらゆるマーケティング手法を「人基点」で結集・高度化した統合フレームワーク「People Driven Marketing」(ピープルドリブンマーケティング、以下PDM)を開発しました。

PDMロゴ

People Driven Marketingとは

人の意識や行動に着目し、最先端テクノロジーでさまざまなデータを連携することで実現する、次世代のマーケティング。以下のようなコミュニケーションを実現することを目的としている。

・本当に必要な人に、
・必要なタイミングや必要な場所で、
・その人に合ったコンテンツを届け、
・その人の反応を受けてさらに最適化してゆく

これからの時代において、なぜPDMが必要なのでしょうか。

「人基点のマーケティングって、今までもそうだったじゃないの?」
「これまでのデジタルマーケティングと何が違うの?」

こんな疑問に答えます。


<目次>
花子さんに届く登山道具10%オフのメール
データが「つながる」ことでより鮮明に人が見えてくる
「気が利く」「かゆいところに手が届く」人基点のマーケティングへ
七つのフェーズを電通グループのプロフェッショナルたちが分かりやすく解説

花子さんに届く登山道具10%オフのメール

花子さんに届く登山道具10%オフのメール
イラスト:金井 沙樹

30歳の花子さんには生まれて間もない3カ月の赤ちゃんがいます。

以前花子さんが会員登録したアウトドア用品専門ショップから、今日もメールが届きました。

「週末にフェア開催中! 登山道具10%オフ」

お店側から見れば、会員登録してくれた人は皆「登山に関心のある有望層」です。だから、メールを毎週出し続ければ、ある程度の確率で来店してくれるだろうと計算しています。

でも赤ちゃんが生まれたばかりの花子さんは、当面登山に行く予定もありませんし、ましてや登山道具を買う気もありません―。
 


いかがでしょうか。もちろん、こうした「数打てば当たる」的な手法でも来店してくれる人はいるでしょうが、他の多くの人には花子さんのように「今ここでその情報が来てもね…」という気持ちを抱かせてしまうかもしれません。

マーケティングのあるべき姿を「顧客が本当に求める商品やサービスを創造し、その情報を適切に届け、顧客の満足度を最大化すること」と定義するならば、このショップのような情報発信は良いマーケティングとはいえません。

本来、よりきめ細かなアプローチができるはずのデジタルが、実際には“送り手都合”だけの情報発信を行ってしまっているのです。これでは、デジタルが人を幸せにしているとはとてもいえないのではないでしょうか?

データが「つながる」ことでより鮮明に人が見えてくる

従来のように断片的なユーザーデータを取得するだけでは、生きたユーザー像を正確に捉えることが難しく、花子さんのケースのように「以前は欲しかったかもしれない情報だけど、今は要らない」ということも多く発生してしまいました。

「どんな情報を、いつ、誰に、どんな形で送るべきなのか」を推察し、人の気持ちをおもんぱかってマーケティングしていくことこそが、デジタルを活用する本来の意味だと私たちは考えます。

スマートフォンの普及や、SNS、ECサイト、動画配信といったサービスの隆盛と技術の進化を背景に、今やより多くのユーザーデータ(特に購買データやネットの利用データなどの行動データ)が取得され、つながり合うようになってきています(※1)。

さらにこれからは位置情報、電子マネーでの決済情報、直近の検索内容、そして顔の表情情報までがデータとして取得できるようになっていくと予想されています。人の「実像」を、これまでよりもはるかに解像度高く描ける条件が整ってきたのです。

ただデータを多く集めればよいわけではなく、さまざまなデータをつなぎ合わせ、想像力を働かせることも重要です。「かつて会員登録したが最近登山に行っていない人」が「最近は赤ちゃん用品をネットで検索している」といった複数の異なる角度のデータをつなげば、「今この人に登山道具10%オフの情報は必要ない」と想像できるはずです。

豊富なデータと、その先にある生きたユーザー像を仮定する想像力。これらに加えて、コミュニケーション実施後もたゆみない検証でユーザー像の解像度を上げていくこと。それが人を本当に理解したマーケティング、People Driven Marketingの本質です。

※1 言うまでもなく、データ取得にはそれぞれユーザーのパーミッション=許可や匿名化・統計化処理が必要です。

「気が利く」「かゆいところに手が届く」人基点のマーケティングへ

前節で述べたように、PDMとはいわば一人一人に合わせたインタラクティブなデジタルマーケティングの実現です。受け手からすると、「気が利く」「かゆいところに手が届く」と感じるようなマーケティングといえるでしょう。

また、PDMでは製品やサービスを売って終わるのではなく、顧客のLTV(ライフタイムバリュー)を最大化することを目指します。常に受け手の気持ちに寄り添ってコミュニケーションを設計し、そのためのマーケティングシステムを構築することで、一時的な売り手買い手の関係ではない末永い関係を築けるようになるでしょう。

最近は自社のプライベートDMP(Data Management Platform)で顧客のデータを管理し、マーケティングに活用している企業も多いと思います。例えばそこに電通グループの提供するパブリックDMPである「People Driven DMP」(※2)のデータを掛け合わせることで、より立体的な顧客像を想定できるようになります。

※2 People Driven DMPは、多様な業種のパートナー企業との提携によって実現した次世代のプラットフォームです。
 

冒頭の花子さんに対して、PDMならどんなアプローチができるでしょうか?

“受け手都合”で今すぐ登山道具10%オフの情報を送りつけるのではなく、少し待ってから、「赤ちゃんに山好きな子どもに育ってもらうための育児関連情報」を送る。あるいは数年後に「子どもと一緒に楽しめるようなファミリー向けキャンプ道具」を提案することが喜ばれるのかもしれません。これならショップにとっても、花子さんにとっても幸せな関係が長続きしていきます。

ただし、受け手がストーカー的に感じるような空気を読まない情報発信では、人の気持ちを理解しているとはいえません。本当に「気が利く」「かゆいところに手が届く」コミュニケーションを実現するためには、ユーザーデータだけでなく「得られたデータを分析し、適切なコミュニケーションを設計するノウハウ」も不可欠になるでしょう。

PDMでは、取得したデータに対し、電通グループが長年積み重ねてきた調査研究結果やコミュニケーションノウハウを加味し分析・プランニングしていくことで、より精度の高いターゲット設定や目標達成ができるようになります。

もう一つ重要なのが、マーケティングに関わる全てのセクションが一斉に同じ目標(=人)に向かって連動すること。PDMでは、従来は独立して活動しがちだった各フェーズを「人基点」で統合し、より一貫したマーケティングを実現します。

PDMの実現に必要なもの

最後に、冒頭の疑問にお答えする形で、PDMについてまとめます。

Q.
「人基点のマーケティングって、今までもそうだったじゃないの?」 
「いままでのデジタルマーケティングと何が違うの?」

A.
PDMでは従来の電通のコミュニケーションノウハウに加えて「パートナー企業を含めた豊富なコンタクトポイントから得られる多角的なユーザーデータ」「デジタルテクノロジー」を駆使することで、これまでは技術的・環境的に難しかった一人一人のユーザーに最適化されたコミュニケーションを行うことを明確な目的としています。

ユーザーが欲しいと思ったタイミングで、そのユーザーに響くクリエーティブで、情報を届けられるのです。

これが、従来のデジタルマーケティングとの違いです。

七つのフェーズを電通グループのプロフェッショナルたちが分かりやすく解説

PDMのランニングプロセスは以下の七つのフェーズで構成されます。

PDMのランニングプロセス

・Objective:目標と課題設定。人で課題を捉え直す
・Deep Dive:人への洞察力。行動データを駆使して人に迫る
・Person:意識や行動の変化の可能性が高い人できめ細かくセグメントする
・Journey:セグメントごとのブランドとの接点を解き明かしチャンスポイントを発見する
・Media & Promotion Design:予算内で最大効果を発揮するプラン設計
・Creative & Activation:セグメントごとの意識と行動を変えるアイデア、コンテンツ
・Execution & PDCA:打ち手の効果を把握し、次の課題を発見する

個々の概念はこれまでもありましたが、統合して考え、結果を出し、実践知を蓄積していくところが従来とは異なります。必ずしもこの図の全てのフェーズを使うわけではなく、必要に応じて既存のマーケティングに組み込んでいける仕組みになっています。

次回からは、この七つのフェーズについて電通グループのプロフェッショナルたちが解説していきます。

デジタルは人を幸せにできます。ぜひご期待ください。

5年後

アート・市民・行政の対話。ミュンスター彫刻プロジェクトに学ぶ、地域とアートの関係

こんにちは。アートに関するプロジェクト「美術回路」を担当している電通の東成樹です。美術回路は社内外横断組織で、メンバーにはコレクターや研究者、さらにアーティストもいます。2017年3月7日には「アートで仕事をつくる」をテーマに講演会を開催し、社内外から200人が参加しました。

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業種や職種に関わらず大勢が参加し、アートへの関心の高さがうかがえた(撮影:横浜スーパー・ファクトリー)

日本のアート・マーケットはもっと大きくなる余地があります。私たちのミッションは、アートにまつわるさまざまな人々をつないで、「回路」をつくること。日本の作品が国内外から批評され、価値が上がって美術館やコレクターの手に渡っていく、という循環を生み出すことで、アートの価値を上げていくお手伝いをしたいと考えています。

お問い合わせ:美術回路  kairo@dentsu.co.jp

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2017年は、10年に1度の芸術祭の年でした。2年に1度のベネチアビエンナーレ(イタリア)、5年に1度のドクメンタ(ドイツ)、そして10年に1度のミュンスター彫刻プロジェクト(ドイツ)が重なっていました。

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日本でも地域芸術祭が盛んで、歴史ある世界の芸術祭から学べることはたくさんあります。そこで私はプレスとしてミュンスター彫刻プロジェクトとドクメンタを2回ずつ訪れ、地域の可能性を生かした芸術祭とは何かを探ってきました。行政と協力した芸術祭において、アートの独立性は保たれるのか? キュレーターと行政・スポンサーとの関係は? 地元民の理解は得られているのか?

これらの問題意識をもとに、ミュンスター彫刻プロジェクトの運営チームの代表、イムケ・イッゼン氏をはじめ3人の運営者に話を聞きました。

記事の前半では、この10年に1度の芸術祭の代表的な作品を紹介。後半では、運営者のインタビューをお届けします。
 

始まりは、抽象彫刻への市民の抗議

まずは、ミュンスター彫刻プロジェクトの成り立ちを紹介します。

ミュンスター市は73年、ジョージ・リッキー氏の作品「Three Rotary Squares」の購入を13万ドイツマルク(1346万4100円※総務省統計局[以下同]による73年のレート:1マルク=103.57円で換算)で計画しましたが、「一体、何だこれは?」と市民から厳しいコメントが殺到しました。ミュンスターは伝統的にカトリック教会の影響力が大きく、保守的な土地柄で、当時は現代彫刻への理解が進んでいませんでした。

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ジョージ・リッキー“Three Rotary Squares”(75年)

市民の反応を見たミュンスター市は作品購入を中止。代わりに現地の州立地方銀行が購入し、市に寄贈しました。それでも市民は銀行に抗議をしたそうです。

抗議を見たウェストファーレン州立美術館のキュレーター、クラウス・ブスマン氏は現代アートへの無理解を嘆き、市民に現代彫刻の魅力を伝えなければと考えました。そこで、当時ニューヨークにいたカスパー・ケーニヒ氏(ミュンスター彫刻プロジェクトの、現在のアーティスティック・ディレクター)に声をかけました。当時、キュレーターのハラルド・ゼーマン氏のもとで「ドクメンタ5」(72年)に関わるなど現代アート界で活躍していたケーニヒ氏は、ミュンスターが属するノルトライン・ウェストファーレン州生まれでもありました。氏は当時の最先端アーティスト10人をミュンスターに呼び集め、現代彫刻の展覧会を開催。これが第1回のミュンスター彫刻プロジェクトで、多くの市民が現代彫刻の魅力に触れました。

参考:カスパー・ケーニヒ インタビュー(2017年、ART iT)
 

公共とアートの関係を問う

ミュンスター彫刻プロジェクトのテーマは、アートと公共空間の関係を問うこと。40年前の第1回から変わっていません。そこでは、アートチーム、市民、行政が対話し、共同して作品を実現させていくことが必要です。

今年のミュンスター彫刻プロジェクトでは、市内に35人の作家による作品が展示されました。自転車で移動できる距離で、全て見るにはまる2日ほどかかります。公共空間との関わりを意識しながら、作品を紹介します。

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ミュンスター彫刻プロジェクトの看板と筆者

まず紹介するのは、アイシェ・エルクメン氏の“On Water”(17年)です。これは水面下にコンテナを橋のように設置することで、川を歩いて渡れる作品です。

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アイシェ・エルクメン“On Water”(17年)

彼女が興味を持ったのは、都市開発においてどのように土地が区切られるかということ。その区画の間を物理的にも、精神的にも乗り越えるには、どのようにすればよいのか。

そこで彼女は川を隔てて分かれていた住宅地と港とを、水面下の橋でつないだのでした。一方の端は私有地なので、彫刻プロジェクトの運営チームは、土地の使用について確認しました。また、人が川へと落ちないようにセーフガードもたてました。

作品を実現するために運営チームは2年半前から準備を始め、最後の半年は2週間に一度のペースで市と打ち合わせを行いました。作家と市民、そして市が協力して作品をつくり上げていることが分かります。

次に紹介するのは、ジェレミー・デラー氏の“Speak to the Earth and It Will Tell You”(17年)です。ミュンスターのクラインガルテン(市民庭園)54カ所に本を配り、07年から10年間、庭園にまつわる日記を書いてもらいました。今年、そのうちの約30以上の日記が庭園内の小屋で展示されました。

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ジェレミー・デラー“Speak to the Earth and It Will Tell You”(17年)

日記には、草花の生育や温度・天候のほか、市民の日々の暮らしがつづられています。市民庭園というこの地の特性を生かし、10年という月日を経て市民とつくった、ミュンスター彫刻プロジェクトでしかできない作品です。

ピエール・ユイグ氏のインスタレーション“After ALife Ahead” (17年)は、取り壊し予定の屋内スケートリンクを使った作品です。中にがん細胞を培養する機器(写真右)が設置され、細胞の数に応じて天井の窓が開閉します。

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ピエール・ユイグ“After ALife Ahead”(17年)

取り壊しが決まりミュンスターの中で死にゆく場所ともいえるこのスケートリンクは、窓の開閉により雨が吹き込み、蜂が出入りします。

まるで人間の手の届かないところで、独自のシステムで生態系が成り立っているようです。私は、がん細胞が死を、蜂が生を表していて、人間が途絶えた後の世界を表現しているのではと考えました。地域において死にゆく建物という位置付けと、作品の世界観とが重なった作品です。

ミュンスター彫刻プロジェクトの招待作家の中には、2人の日本人も選ばれていました。

荒川医(えい)氏のインスタレーション“Harsh Citation, Harsh Pastoral, Harsh Münster”(17年)は、LEDスクリーンによる絵と、音楽を体験する作品でした。

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荒川医“Harsh Citation, Harsh Pastoral, Harsh Münster”(17年)
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田中功起“Provisional Studies: Workshop #7 How to Live Together and Sharing the Unknown”(17年)の展示風景

また、田中功起氏の作品“Provisional Studies: Workshop #7 How to Live Together and Sharing the Unknown”(17年)は、ミュンスターに住むお互いを知らない市民8人と「他者との共生」をテーマにワークショップをしたもの。展示場では、四つの部屋でワークショップの映像が流れていました。

疑問に思ったのは、これが形ある彫刻作品ではないということ。オープニングで田中さんにお会いできたので質問してみると、このように彫刻に限らない作品は、この芸術祭において以前からあったのだそうです。公共におけるアートがテーマなので、他者との共生という作品のテーマがマッチしていました。

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展示場外の風景。ワークショップの一会場の写真が掲示されている
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ワークショップの日程。作品は、こちらからも見ることができます

この作品は、名誉なことに芸術祭の中心であるLWL美術館に買い上げられました。芸術祭後に美術館、キュレーターと市が話し合い、残す価値があると思うものに限って恒久展示作品として市が買います。日本人の作品が、この歴史ある市に展示され続けることをうれしく思います。

公共の場で見せる難しさ

最後に紹介した荒川さん、田中さんの作品は、会期中に盗難に遭っています。荒川さんの作品はデジタルパネルが、田中さんの作品は機器が盗まれました。

(日本ではあまりニュースになっていなかったようです。速報を出したのは、海外のアートメディアでした)

盗難に遭った作品は、後で再設置されました。この事実は、公共空間で作品を展示することの難しさを投げかけます。閉じられた空間で作品を守る美術館に対して、野外空間は誰が来るか分かりません。天候に左右され、盗まれたり落書きされたり、壊されることも受け止めねばなりません。

野外にある醍醐味は、そこに足を運ぶまでの体験です。雨が降ってきたり、「地図上では作品があるなのに」とうろうろして、頭上にある作品に気付いたり。湖の端から端まで移動してやっと作品に出合い、遠くまで自転車をこいだかいがあるなと思ったり。作品を、自然や住宅地の間に見ることが野外作品を見る面白みです。

では、野外彫刻を成り立たせるために運営チームは何をしているのでしょうか。行政や市民と、どのようにプロジェクトを実現させたのか聞きました。

40年間、変わらないテーマ

ミュンスター彫刻プロジェクトメンバーに予算、テーマ、作品の選定方法、成功指標について質問しました。

今回話を伺ったのは、マネージング・ディレクターのイムケ・イッゼン氏、プレスオフィサーのジャナ・デューダ氏、マーケティング・コミュニケーション担当のウッラ・ゲーアハルト氏です。

ミュンスター彫刻プロジェクトの組織は「市(行政)」「美術館」「彫刻プロジェクトチーム」の三つから構成されています。「彫刻プロジェクトチーム」は、キュレーターチーム(3名のキュレーターと3名のアシスタント)、プロジェクトチーム(作品を実現に導くチーム)、プレスチーム(広報・マーケティング)の三つからなります。マネージング・ディレクターのイッゼン氏は、作品設置に関する責任者です。

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マネージング・ディレクターのイムケ・イッゼン氏
111
プレスオフィサーのジャナ・デューダ氏
1112
マーケティング・コミュニケーション担当のウッラ・ゲーアハルト氏

まず、ゲーアハルト氏にプロジェクトのテーマについて聞きました。

「テーマは、40年前の第1回から変わらず『アートと公共空間の関係』です。作品は売るためではなく見せるためにあり、基本的に展示期間が終われば撤去されます」(マーケティング・コミュニケーション担当:ゲーアハルト氏)

本プロジェクトではミュンスター市内に作品が点在しており、この展示スタイルはテーマ「アートと公共空間の関係」を表しています。プロジェクト第1回のドナルド・ジャッド氏の作品は現在も残っています。作品の上からの湖の眺めが素晴らしく、湖の反対側から見ても作品は周りの自然に溶け込んでいました。作品と、展示される場所との関係が重要であるということがよく分かります。

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ドナルド・ジャッド「Untitled」(77年)

そもそも、ミュンスターはどのような市なのでしょうか?

「教会の力が強く、そのおかげで昔から主要な都市でした。教会、大学、農業の三つがあるおかげでずっと生活水準が高く、産業に依存していないからこそ豊かであり続けたといえるでしょう」(プレスオフィサー:デューダ氏)

今回から、隣の都市マールでも彫刻プロジェクトを共同で行うことになりました。伝統に依拠し続けているミュンスターと、マールの違いとは?

「マールは戦後、鉱物を採掘して復興しました。しかし、今は採掘産業が衰退しています。戦後の復興の道のりも対照的でした。市が破壊された後、伝統を重んじるミュンスターでは家を補修し、昔の町並みを取り戻しました。一方でマールは、いくつかの村を合併させてできました。現在、彫刻美術館がある場所を中心に新たな都市をつくったのです」(デューダ氏)

町並みを保つなど、ミュンスターは地域の見え方を歴史的に大切にしていることが分かりました。ならば、ここに作品を置くときにも歴史・環境と呼応したものが求められます。

次に、作品が実現するまでの道のりを教えてもらいました。

「まずキュレーター3人が、それぞれに持つネットワークから作家を招待します。作家はミュンスターを訪れ、こんな作品がつくりたいという提案書を提出。キュレーターと打ち合わせを行います。設置場所の許可がとれるのか、作家同士で場所がかぶらないかなどをチームで確認します。

建設する権利が得られるかの確認に3〜6カ月間かかります。それが私有地の場合、さらなる許可取りが必要です。また、第2次世界大戦でたくさんの爆弾が落とされたので、不発弾にも気を付けなければなりません。許可が得られたら今度は制作作業に移り、期限内に完成させる必要があります」(マネージング・ディレクター:イッゼン氏)

イッゼン氏率いるプロジェクトチームが行政、作家とのやりとりを根気よく続け、作家の制作を支えていることが分かります。例えば初めに紹介した水の上を歩くアイシェ・エルクメン氏の作品は、許可取りから実施、安全対策まで大変な行程だったそうです。野外彫刻ならではの話です。

では、プロジェクトの成功指標は何でしょうか?

「もしもアーティスティック・ディレクターのカスパー・ケーニヒに聞いたら『成功指標はない』と答えるでしょうね。彼にとって一番大事なことは、アートの自立性です。時に有名でない作家を選ぶのも、アートのためです」(イッゼン氏)

「プレスとしては、どれだけ国際的にメディアに取り上げられるかが重要です。賛否両論で構いません。その観点から今年は国際的認知が高く、成功したと思います」(デューダ氏)

最後に、予算はどうなっているのでしょうか。

「このプロジェクトは、ブスマン氏が77年から始め、最初は予算も5万マルク(572万1000円※77年のレート:1マルク=114.42円で換算)以下でしたが、第1回からドナルド・ジャッド氏やリチャード・セラ氏、ヨゼフ・ボイス氏など世界的な作家が参加していました。第3回の97年には、予算も600万マルク(8億6094万円※97年のレート:1マルク=143.49円で換算)以上になり、100人以上の作家が招待されました」(イッゼン氏)

現在のプロジェクトの収入はどうなのでしょう。企業が協賛するメリットは?

「入場料をとっていないので、チケット収入はありません。今回の予算は、総額800万ユーロです。予算の内訳は、ミュンスター市が150万ユーロ、ウェストファーレン州立美術館が100万ユーロ、文化財団が100万ユーロ、銀行・保険会社が450万ユーロです。この他、機材提供や電気の供給を受けており、作家ごとにもスポンサーがいます。

もちろん、お金の代わりにこれこれをしてくれ、と言う団体は限られています。とりわけアートに限っては、スポンサーというのは相手へ貢献することですよね」(イッゼン氏)

話を伺った結果、スポンサー企業も、アートを手段ではなく目的として見ており、アートのために動く心意気があることが分かりました。

アートのために動く

ミュンスター彫刻プロジェクトで大切なのは、ディレクターをはじめとしたチームがアートを市民に知ってもらおうと固い意志を持ち続けていることだと思います。

現在はこのプロジェクトによって多くの観光客が訪れていますが、プロジェクトはアートを地域創生あるいは観光収入の手段とは考えていません。アートの自立性を大切にし、ミュンスターという地でしか表現できないテーマを設定し、作品の選定を続けています。スポンサーも、アートの支援・地元への還元を目的に協賛費を出しています。

アートがあるから、芸術祭を開いたからといって人が来るというわけではありません。大切なのはアートを観光のための単なる手段と考えず、その土地らしいテーマを定めて作品選定を続けることです。そうすれば市の人も喜んで参加し始め、質のよい作品が集まってきます。

このプロジェクトが40年間継続している鍵は、アートに敬意を払い、アートのために動いていることだと思いました。

アート・市民・行政の対話。ミュンスター彫刻プロジェクトに学ぶ、地域とアートの関係

こんにちは。アートに関するプロジェクト「美術回路」を担当している電通の東成樹です。美術回路は社内外横断組織で、メンバーにはコレクターや研究者、さらにアーティストもいます。2017年3月7日には「アートで仕事をつくる」をテーマに講演会を開催し、社内外から200人が参加しました。

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業種や職種に関わらず大勢が参加し、アートへの関心の高さがうかがえた(撮影:横浜スーパー・ファクトリー)

日本のアート・マーケットはもっと大きくなる余地があります。私たちのミッションは、アートにまつわるさまざまな人々をつないで、「回路」をつくること。日本の作品が国内外から批評され、価値が上がって美術館やコレクターの手に渡っていく、という循環を生み出すことで、アートの価値を上げていくお手伝いをしたいと考えています。

お問い合わせ:美術回路  kairo@dentsu.co.jp

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2017年は、10年に1度の芸術祭の年でした。2年に1度のベネチアビエンナーレ(イタリア)、5年に1度のドクメンタ(ドイツ)、そして10年に1度のミュンスター彫刻プロジェクト(ドイツ)が重なっていました。

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日本でも地域芸術祭が盛んで、歴史ある世界の芸術祭から学べることはたくさんあります。そこで私はプレスとしてミュンスター彫刻プロジェクトとドクメンタを2回ずつ訪れ、地域の可能性を生かした芸術祭とは何かを探ってきました。行政と協力した芸術祭において、アートの独立性は保たれるのか? キュレーターと行政・スポンサーとの関係は? 地元民の理解は得られているのか?

これらの問題意識をもとに、ミュンスター彫刻プロジェクトの運営チームの代表、イムケ・イッゼン氏をはじめ3人の運営者に話を聞きました。

記事の前半では、この10年に1度の芸術祭の代表的な作品を紹介。後半では、運営者のインタビューをお届けします。
 

始まりは、抽象彫刻への市民の抗議

まずは、ミュンスター彫刻プロジェクトの成り立ちを紹介します。

ミュンスター市は73年、ジョージ・リッキー氏の作品「Three Rotary Squares」の購入を13万ドイツマルク(1346万4100円※総務省統計局[以下同]による73年のレート:1マルク=103.57円で換算)で計画しましたが、「一体、何だこれは?」と市民から厳しいコメントが殺到しました。ミュンスターは伝統的にカトリック教会の影響力が大きく、保守的な土地柄で、当時は現代彫刻への理解が進んでいませんでした。

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ジョージ・リッキー“Three Rotary Squares”(75年)

市民の反応を見たミュンスター市は作品購入を中止。代わりに現地の州立地方銀行が購入し、市に寄贈しました。それでも市民は銀行に抗議をしたそうです。

抗議を見たウェストファーレン州立美術館のキュレーター、クラウス・ブスマン氏は現代アートへの無理解を嘆き、市民に現代彫刻の魅力を伝えなければと考えました。そこで、当時ニューヨークにいたカスパー・ケーニヒ氏(ミュンスター彫刻プロジェクトの、現在のアーティスティック・ディレクター)に声をかけました。当時、キュレーターのハラルド・ゼーマン氏のもとで「ドクメンタ5」(72年)に関わるなど現代アート界で活躍していたケーニヒ氏は、ミュンスターが属するノルトライン・ウェストファーレン州生まれでもありました。氏は当時の最先端アーティスト10人をミュンスターに呼び集め、現代彫刻の展覧会を開催。これが第1回のミュンスター彫刻プロジェクトで、多くの市民が現代彫刻の魅力に触れました。

参考:カスパー・ケーニヒ インタビュー(2017年、ART iT)
 

公共とアートの関係を問う

ミュンスター彫刻プロジェクトのテーマは、アートと公共空間の関係を問うこと。40年前の第1回から変わっていません。そこでは、アートチーム、市民、行政が対話し、共同して作品を実現させていくことが必要です。

今年のミュンスター彫刻プロジェクトでは、市内に35人の作家による作品が展示されました。自転車で移動できる距離で、全て見るにはまる2日ほどかかります。公共空間との関わりを意識しながら、作品を紹介します。

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ミュンスター彫刻プロジェクトの看板と筆者

まず紹介するのは、アイシェ・エルクメン氏の“On Water”(17年)です。これは水面下にコンテナを橋のように設置することで、川を歩いて渡れる作品です。

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アイシェ・エルクメン“On Water”(17年)

彼女が興味を持ったのは、都市開発においてどのように土地が区切られるかということ。その区画の間を物理的にも、精神的にも乗り越えるには、どのようにすればよいのか。

そこで彼女は川を隔てて分かれていた住宅地と港とを、水面下の橋でつないだのでした。一方の端は私有地なので、彫刻プロジェクトの運営チームは、土地の使用について確認しました。また、人が川へと落ちないようにセーフガードもたてました。

作品を実現するために運営チームは2年半前から準備を始め、最後の半年は2週間に一度のペースで市と打ち合わせを行いました。作家と市民、そして市が協力して作品をつくり上げていることが分かります。

次に紹介するのは、ジェレミー・デラー氏の“Speak to the Earth and It Will Tell You”(17年)です。ミュンスターのクラインガルテン(市民庭園)54カ所に本を配り、07年から10年間、庭園にまつわる日記を書いてもらいました。今年、そのうちの約30以上の日記が庭園内の小屋で展示されました。

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ジェレミー・デラー“Speak to the Earth and It Will Tell You”(17年)

日記には、草花の生育や温度・天候のほか、市民の日々の暮らしがつづられています。市民庭園というこの地の特性を生かし、10年という月日を経て市民とつくった、ミュンスター彫刻プロジェクトでしかできない作品です。

ピエール・ユイグ氏のインスタレーション“After ALife Ahead” (17年)は、取り壊し予定の屋内スケートリンクを使った作品です。中にがん細胞を培養する機器(写真右)が設置され、細胞の数に応じて天井の窓が開閉します。

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ピエール・ユイグ“After ALife Ahead”(17年)

取り壊しが決まりミュンスターの中で死にゆく場所ともいえるこのスケートリンクは、窓の開閉により雨が吹き込み、蜂が出入りします。

まるで人間の手の届かないところで、独自のシステムで生態系が成り立っているようです。私は、がん細胞が死を、蜂が生を表していて、人間が途絶えた後の世界を表現しているのではと考えました。地域において死にゆく建物という位置付けと、作品の世界観とが重なった作品です。

ミュンスター彫刻プロジェクトの招待作家の中には、2人の日本人も選ばれていました。

荒川医(えい)氏のインスタレーション“Harsh Citation, Harsh Pastoral, Harsh Münster”(17年)は、LEDスクリーンによる絵と、音楽を体験する作品でした。

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荒川医“Harsh Citation, Harsh Pastoral, Harsh Münster”(17年)
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田中功起“Provisional Studies: Workshop #7 How to Live Together and Sharing the Unknown”(17年)の展示風景

また、田中功起氏の作品“Provisional Studies: Workshop #7 How to Live Together and Sharing the Unknown”(17年)は、ミュンスターに住むお互いを知らない市民8人と「他者との共生」をテーマにワークショップをしたもの。展示場では、四つの部屋でワークショップの映像が流れていました。

疑問に思ったのは、これが形ある彫刻作品ではないということ。オープニングで田中さんにお会いできたので質問してみると、このように彫刻に限らない作品は、この芸術祭において以前からあったのだそうです。公共におけるアートがテーマなので、他者との共生という作品のテーマがマッチしていました。

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展示場外の風景。ワークショップの一会場の写真が掲示されている
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ワークショップの日程。作品は、こちらからも見ることができます

この作品は、名誉なことに芸術祭の中心であるLWL美術館に買い上げられました。芸術祭後に美術館、キュレーターと市が話し合い、残す価値があると思うものに限って恒久展示作品として市が買います。日本人の作品が、この歴史ある市に展示され続けることをうれしく思います。

公共の場で見せる難しさ

最後に紹介した荒川さん、田中さんの作品は、会期中に盗難に遭っています。荒川さんの作品はデジタルパネルが、田中さんの作品は機器が盗まれました。

(日本ではあまりニュースになっていなかったようです。速報を出したのは、海外のアートメディアでした)

盗難に遭った作品は、後で再設置されました。この事実は、公共空間で作品を展示することの難しさを投げかけます。閉じられた空間で作品を守る美術館に対して、野外空間は誰が来るか分かりません。天候に左右され、盗まれたり落書きされたり、壊されることも受け止めねばなりません。

野外にある醍醐味は、そこに足を運ぶまでの体験です。雨が降ってきたり、「地図上では作品があるなのに」とうろうろして、頭上にある作品に気付いたり。湖の端から端まで移動してやっと作品に出合い、遠くまで自転車をこいだかいがあるなと思ったり。作品を、自然や住宅地の間に見ることが野外作品を見る面白みです。

では、野外彫刻を成り立たせるために運営チームは何をしているのでしょうか。行政や市民と、どのようにプロジェクトを実現させたのか聞きました。

40年間、変わらないテーマ

ミュンスター彫刻プロジェクトメンバーに予算、テーマ、作品の選定方法、成功指標について質問しました。

今回話を伺ったのは、マネージング・ディレクターのイムケ・イッゼン氏、プレスオフィサーのジャナ・デューダ氏、マーケティング・コミュニケーション担当のウッラ・ゲーアハルト氏です。

ミュンスター彫刻プロジェクトの組織は「市(行政)」「美術館」「彫刻プロジェクトチーム」の三つから構成されています。「彫刻プロジェクトチーム」は、キュレーターチーム(3名のキュレーターと3名のアシスタント)、プロジェクトチーム(作品を実現に導くチーム)、プレスチーム(広報・マーケティング)の三つからなります。マネージング・ディレクターのイッゼン氏は、作品設置に関する責任者です。

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マネージング・ディレクターのイムケ・イッゼン氏
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プレスオフィサーのジャナ・デューダ氏
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マーケティング・コミュニケーション担当のウッラ・ゲーアハルト氏

まず、ゲーアハルト氏にプロジェクトのテーマについて聞きました。

「テーマは、40年前の第1回から変わらず『アートと公共空間の関係』です。作品は売るためではなく見せるためにあり、基本的に展示期間が終われば撤去されます」(マーケティング・コミュニケーション担当:ゲーアハルト氏)

本プロジェクトではミュンスター市内に作品が点在しており、この展示スタイルはテーマ「アートと公共空間の関係」を表しています。プロジェクト第1回のドナルド・ジャッド氏の作品は現在も残っています。作品の上からの湖の眺めが素晴らしく、湖の反対側から見ても作品は周りの自然に溶け込んでいました。作品と、展示される場所との関係が重要であるということがよく分かります。

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ドナルド・ジャッド「Untitled」(77年)

そもそも、ミュンスターはどのような市なのでしょうか?

「教会の力が強く、そのおかげで昔から主要な都市でした。教会、大学、農業の三つがあるおかげでずっと生活水準が高く、産業に依存していないからこそ豊かであり続けたといえるでしょう」(プレスオフィサー:デューダ氏)

今回から、隣の都市マールでも彫刻プロジェクトを共同で行うことになりました。伝統に依拠し続けているミュンスターと、マールの違いとは?

「マールは戦後、鉱物を採掘して復興しました。しかし、今は採掘産業が衰退しています。戦後の復興の道のりも対照的でした。市が破壊された後、伝統を重んじるミュンスターでは家を補修し、昔の町並みを取り戻しました。一方でマールは、いくつかの村を合併させてできました。現在、彫刻美術館がある場所を中心に新たな都市をつくったのです」(デューダ氏)

町並みを保つなど、ミュンスターは地域の見え方を歴史的に大切にしていることが分かりました。ならば、ここに作品を置くときにも歴史・環境と呼応したものが求められます。

次に、作品が実現するまでの道のりを教えてもらいました。

「まずキュレーター3人が、それぞれに持つネットワークから作家を招待します。作家はミュンスターを訪れ、こんな作品がつくりたいという提案書を提出。キュレーターと打ち合わせを行います。設置場所の許可がとれるのか、作家同士で場所がかぶらないかなどをチームで確認します。

建設する権利が得られるかの確認に3〜6カ月間かかります。それが私有地の場合、さらなる許可取りが必要です。また、第2次世界大戦でたくさんの爆弾が落とされたので、不発弾にも気を付けなければなりません。許可が得られたら今度は制作作業に移り、期限内に完成させる必要があります」(マネージング・ディレクター:イッゼン氏)

イッゼン氏率いるプロジェクトチームが行政、作家とのやりとりを根気よく続け、作家の制作を支えていることが分かります。例えば初めに紹介した水の上を歩くアイシェ・エルクメン氏の作品は、許可取りから実施、安全対策まで大変な行程だったそうです。野外彫刻ならではの話です。

では、プロジェクトの成功指標は何でしょうか?

「もしもアーティスティック・ディレクターのカスパー・ケーニヒに聞いたら『成功指標はない』と答えるでしょうね。彼にとって一番大事なことは、アートの自立性です。時に有名でない作家を選ぶのも、アートのためです」(イッゼン氏)

「プレスとしては、どれだけ国際的にメディアに取り上げられるかが重要です。賛否両論で構いません。その観点から今年は国際的認知が高く、成功したと思います」(デューダ氏)

最後に、予算はどうなっているのでしょうか。

「このプロジェクトは、ブスマン氏が77年から始め、最初は予算も5万マルク(572万1000円※77年のレート:1マルク=114.42円で換算)以下でしたが、第1回からドナルド・ジャッド氏やリチャード・セラ氏、ヨゼフ・ボイス氏など世界的な作家が参加していました。第3回の97年には、予算も600万マルク(8億6094万円※97年のレート:1マルク=143.49円で換算)以上になり、100人以上の作家が招待されました」(イッゼン氏)

現在のプロジェクトの収入はどうなのでしょう。企業が協賛するメリットは?

「入場料をとっていないので、チケット収入はありません。今回の予算は、総額800万ユーロです。予算の内訳は、ミュンスター市が150万ユーロ、ウェストファーレン州立美術館が100万ユーロ、文化財団が100万ユーロ、銀行・保険会社が450万ユーロです。この他、機材提供や電気の供給を受けており、作家ごとにもスポンサーがいます。

もちろん、お金の代わりにこれこれをしてくれ、と言う団体は限られています。とりわけアートに限っては、スポンサーというのは相手へ貢献することですよね」(イッゼン氏)

話を伺った結果、スポンサー企業も、アートを手段ではなく目的として見ており、アートのために動く心意気があることが分かりました。

アートのために動く

ミュンスター彫刻プロジェクトで大切なのは、ディレクターをはじめとしたチームがアートを市民に知ってもらおうと固い意志を持ち続けていることだと思います。

現在はこのプロジェクトによって多くの観光客が訪れていますが、プロジェクトはアートを地域創生あるいは観光収入の手段とは考えていません。アートの自立性を大切にし、ミュンスターという地でしか表現できないテーマを設定し、作品の選定を続けています。スポンサーも、アートの支援・地元への還元を目的に協賛費を出しています。

アートがあるから、芸術祭を開いたからといって人が来るというわけではありません。大切なのはアートを観光のための単なる手段と考えず、その土地らしいテーマを定めて作品選定を続けることです。そうすれば市の人も喜んで参加し始め、質のよい作品が集まってきます。

このプロジェクトが40年間継続している鍵は、アートに敬意を払い、アートのために動いていることだと思いました。

平昌オリンピック開幕  冬季大会史上最多の国・地域が参加  日本代表、序盤でメダル獲得!

2月9日、平昌オリンピックが開幕した。
(写真=フォート・キシモト)
韓国でオリンピックが開催されるのは30年ぶりで、アジアで冬季大会が開催されるのは3度目になる。
大会には冬季オリンピック史上最多の92カ国・地域から、約2900人の選手が参加し、25日までの17日間、7競技102種目でメダルが争われる。
大会スローガンは「Passion Connected.」(つながる情熱)。
競技では、スピードスケートの男女マススタート、スノーボードの男女ビッグエア、アルペンスキーの混合団体、カーリングの混合ダブルスの計6種目が新たに採用された。

日本は、選手123人と監督・コーチなど144人の計267人を派遣。
関連記事:https://dentsu-ho.com/articles/5781
日本は4日目を終えて、モーグル男子で原大智選手が銅メダル、スピードスケート女子1500メートルで髙木美帆選手が銀メダル、ジャンプ女子で髙梨沙羅選手が銅メダルを獲得し、幸先のいいスタートを切った。
その他、葛西紀明(スキー・ジャンプ)や、小平奈緒(スピードスケート)、渡部暁斗(ノルディックスキー複合)、羽生結弦(フィギュアスケート)、平野歩夢(スノーボード)らの有力選手にメダル獲得の期待が高まっている。
また、平昌での日本代表の活躍は、2020年東京オリンピックの機運を高めるものとして注目されている。

■ 開会式

平昌オリンピックスタジアムでは、午後8時から開会式が行われ、日本からは安倍晋三首相が出席した。
五輪をイメージした五角形の会場では、5人の子どもたちが、過去から未来を旅するというストーリーに沿って、伝統舞踊やヒップホップダンス、歌唱、花火や炎のショーなどさまざまなテクノロジーを使ったライブ感のあるパフォーマンスを繰り広げた。
選手入場で日本は62番目に登場。旗手の葛西選手を先頭に、元気に行進し笑顔を振りまいた。

 

特例参加の北朝鮮は、韓国の選手団と共に「コリア」として入場。両国は南北合同チームを組み、女子アイスホッケーを戦う。ドーピング問題で参加が認められなかったロシアからは、OAR(Olympic Athlete from Russia)として約170人の選手が個人資格で出場する。
聖火リレーの最終走者は、南北の女子選手で、聖火台の下で舞う元フィギュアスケート選手のキム・ヨナさんに引き継がれた。キム・ヨナさんの点火により炎の輪が上昇し、韓国の伝統的な陶器である白磁のつぼをイメージした聖火台に火がともると、会場はクライマックスを迎えた。

開会式に出席した、東京2020組織委の武藤敏郎事務総長は「LEDとテクノロジーを駆使したパワーのある演出が印象的で、素晴らしい平和の祭典だった。およそ900日後に世界のアスリートを迎えることへの思いが増した。平昌大会のスローガンの通り、この熱気を東京にしっかり引き継いでいきたい」とコメントした。
尚、NHK総合で生中継された開会式の平均視聴率は28.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と高視聴率を記録した。
大会公式サイト:https://www.pyeongchang2018.com/jp/

電通、米国のブランドデザイン会社「キャラクター社」の株式100%取得で合意

2月13日に配信された電通ニュースリリース文面は以下の通りです。


2018年2月13日

電通、米国のブランドデザイン会社「キャラクター社」の株式100%取得で合意

株式会社電通(本社:東京都港区、代表取締役社長執行役員:山本 敏博、資本金:746億981万円)は、海外本社「電通イージス・ネットワーク」(※)を通じて、米国のブランドデザイン会社「Character SF, LLC」(本社:サンフランシスコ市、共同創業者:Benjamin Pham他2名、以下「キャラクター社」)の株式100%を取得することにつき、同社株主と合意しました。

1999年に3名のデザイナーにより設立されたキャラクター社は、顧客企業のブランドや製品がオンライン/オフラインを問わずユーザーにどう体験されているかという視点を重視し、ユーザーへの訴求に有用なソリューションを提供することで、高い評価を得て成長してきました。

現在では多くの多国籍企業を顧客として抱え、差別化のためのブランド戦略の策定、ブランド・アイデンティティーの確立から、ブランド体験の施策展開に至るまでのサービスを包括的に提供しています。サービスには、ユーザーとの接点を重視したウェブデザインやモバイルアプリの開発、パッケージデザインや店頭でのブランド展開などが含まれます。

この買収により、当社グループはブランド・コンサルティング領域においても確固たる強みを得ることになります。当社は、キャラクター社と当社グループ傘下の各ブランドとの協力関係を強化し、相乗効果を高めることで、世界最大の広告市場・米国における成長戦略を加速させていきます。

なお、本件が当社の2018年12月期の連結業績に与える影響は軽微です。

【キャラクター社の概要】
社名:Character SF, LLC(キャラクター社)
本社所在地:米国カリフォルニア州・サンフランシスコ市
設立:1999年8月
株主構成:株式取得後、電通イージス・ネットワーク100% 
収益(Revenue):930万ドル(約10.2億円)(2017年12月期)
代表者:共同創業者 Benjamin Pham(Partner & Director of Strategy)他2名
従業員数:31名
事業内容:ブランド戦略の策定、ブランド・アイデンティティーの確立から、ブランド体験の施策展開に至るまでのサービスを包括的に提供


※電通の海外事業を統括する「電通イージス・ネットワーク社」(ロンドン)は、10のグローバルネットワーク・ブランドを中心に世界でビジネスを展開しています。10のブランドとは、Carat、Dentsu(Dentsu Brand Agencies)、dentsu X、iProspect、Isobar、mcgarrybowen、Merkle、MKTG、Posterscope、Vizeumを指します。

以上


電通ニュースリリース
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2018/0213-009465.html

「給付付き税額控除」を導入すれば複雑怪奇な税制はクリアになる [橘玲の日々刻々] – 橘玲の日々刻々

税制は専門的で難しいと思われていますが、じつはけっこういい加減です。例えば基礎控除。これまでずっと38万円で、他に控除がない場合、この金額を超える収入に納税義務が生じます。日本では、年収38万円で「健康で文化的な生活」ができるようです。

日経平均株価に「ダブルボトム」形成の兆しが! マクロ環境は良好で値幅的にも十分に調整したので、 直近の決算内容が良かった銘柄を拾って行こう! – 成り上がり投資術

乱高下した米国株式市場ですが、ようやく落ち着きを取り戻しつつあります。まず、前週末2月9日のNYダウは、3日ぶりに反発、前日比330.44ドル高の2万4190.90ドルでした。週明け12日のNYダウは続伸し、前週末比410.37ドル高の2万4601.27ドルでした。VIX指数は前週末比3.45(11.87%)安の25.61と、続落しました。このように、NYダウの安値圏での強力な買い、VIX指数の低下から、投資家の不安心理は和らぎつつあると評価してよいでしょう。ただし、今回の急落の震源地の米国長期金利については、2月12日の米10年物国債利回りが時間外取引で一時2.90%に上昇し、依然として高止まりしています。