星野リゾート、革新的経営の秘密…「100%保証システム」導入で瀕死の施設を再建

 最近、星野リゾート代表取締役社長である星野佳路氏をテレビなどのメディアでよく見かける。コロナ禍において、とりわけ大きなダメージを受けている旅行業界に一石を投じるべく、積極的に出演されているようだ。

 その主張は、海外や遠方からの観光客のみに注力するのではなく、近場からの観光客に注目しようというものである。そのために、たとえば自社のHPにて“ご近所旅行のススメ”なるサイトを立ち上げ、知ってそうで知らない地元の魅力を探求することを目的に、自宅から30分~1時間で行ける範囲の旅行「マイクロツーリズム」を強く推奨している。

 テレビなどでタブレットを片手に理路整然と話す星野氏の姿は、新しいタイプの経営者という印象を多くの視聴者に与えていることだろう。考え方もユニークであり、「教科書の理論なんて机の上でしか通用しない。ビジネスの現場では役に立たない」と多くの実務家が思っているなか、星野氏は「教科書に書かれていることは正しく、実践で使えると確信している」とまで言い切っている。

 星野氏がこうした信念を持つに至った背景には、アメリカのコーネル大学ホテル経営大学院で学んだことも大きく影響しているだろう。同大学院は世界でもっとも優れたサービスに関わる研究・教育機関のひとつである。

 こうした信条のもと、星野リゾートでは多くの取り組みが米国のビジネス・スクールなどに所属する研究者たちが体系化した理論に基づき、実践されている。詳細は2010年に出版された『星野リゾートの教科書 サービスと利益 両立の法則』(日経BP社)に記されている。こうした理論のひとつとして1988年の経営学誌『Harvard Business Review』に掲載された「The Power of Unconditional Service Guarantees(無条件サービス保証の力)」という論文が紹介されていた。ミシガン大学ビジネス・スクールの研究者による論文であり、マッキンゼー賞を受賞した名著と言われている。筆者も10年ほど前に読んだ記憶があり、これを機に再読した。

サービスの100%保証システムとは?

「The Power of Unconditional Service Guarantees」は直訳すると「無条件サービス保証の力」となるが、日本版である『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』では「サービスの100%保証システム」と訳されている。以下、その概要を紹介していく。

 商品では当たり前となっている保証制度だが、サービスに関しては付与されていない場合が少なくなく、あったとしても条件付きといった状況である。しかしながら、サービスを完全保証しながら、高い顧客満足と収益性を同時に実現し、他社との差別化に成功している企業も存在している。

 たとえば、アメリカの害虫駆除会社BBBKは、他社が「納得できる水準まで駆除する」と謳うなか、「完全に退治する」ことを約束している。具体的には、「完全に駆除されるまで支払い不要。顧客が満足しなかった場合、過去1年にさかのぼっての返金に加えて、翌年、顧客が選んだ他の業者への駆除料金を肩代わりする。ホテルなどの顧客のゲストが害虫を見つけた場合、そのゲストの飲食・宿泊代および次の宿泊に係る費用もすべて負担する。害虫により営業停止となった場合はすべての損害賠償金と迷惑料を支払う」と、徹底した内容になっている。

 結果、BBBKは同業他社の最高10倍もの料金設定にもかかわらず、ずば抜けて高いシェアを誇っている。また、BBBKのサービス水準は極めて高く、1986年の売上3300万ドルに対して補償金は12万ドルという状況であった。

 さらに、高い利益率をもとに平均より高い賃金水準を設定することで、多くの有能な求職者を集め、厳しい審査を経て採用している。厳しい審査により、採用者は選ばれたグループの一員と感じるようだ。その後、6カ月の研修、さまざまな表彰制度により、スタッフのモチベーションを向上させている。ちなみに、害虫駆除産業ではスタッフのモチベーションの低さと転職の激しさが慢性的な問題となっていた。

 サービスの100%保証システムを実施時における重要なポイントとして、以下5点が挙げられている。

・付帯条件や留保条件がない

・わかりやすい(数値化するなど:「スピーディ」という表現ではなく「5分で」など)

・意味がある(顧客が重視するポイント、金銭的保証など)

・顧客が簡単に請求できる

・簡単かつ迅速な払い戻し

 また、100%保証システム実施から得られるメリットに関しては以下5つの点が挙げられている。

・組織全体がマネジャーの仮説ではなく、顧客が定義する「優れたサービス」に注目するようになる。

・サービスに関する具体的な基準を設定し、従業員のサービスの質やモラルを向上させる。

・サービスが悪い場合、払い戻しを通じてフィードバックされる。

・プロセス(サービス・デリバリー・システム)においてミスが発生しやすい部分を自ら検討するようになる。

・顧客の信頼を得ると同時に売上やシェアが向上する。

星野リゾートにおける100%保証システムの実践

 星野リゾートは2003年、第3セクターによる経営が行き詰まったスキーリゾート、アルツ磐梯の再建に乗り出した。再建に際して詳細な顧客満足度調査を実施したところ、驚くほどの低評価であった。スキー場のスタッフは自らの仕事がサービス業であるとの自覚がなく、顧客満足度など考えたことがない人が多かった。こうした状況に対して、星野氏はスタッフの意識を劇的に変えなければならないと決意する。そのために、「サービスの100%保証システム」論文を実践した。

 具体的には、ゲレンデにあるレストランの主力メニューであるカレーライスの「おいしさ保証」(食べた客が「おいしくない」と感じたら全額返金)を発案した。この案に対して、スタッフからは「おいしく感じても返金を求める客が相次ぎ、大変なことになる」と激しい反発があったものの、星野氏は反対を押し切り「おいしさ保証」を導入した。導入に際しては、何度も試食を繰り返し、味を改善させている。

 導入後、初日と2日目は返金の申し出がなかったものの、3日目には返金の要求があった。スタッフは案の定、これから不正な返金要求が相次ぐのではないかと恐れたものの、「ごはんがべとべと」という返金の理由を確認すると、炊飯器の老朽化により、しっかり炊けていないことがわかり、その後、危機感を抱いたスタッフが迅速に新しい設備を整えた。これをきっかけにスタッフの意識も変わり、「おいしさ保証を伝える大看板をつくろう」「辛口の辛さをわかりやすく伝えよう」など、顧客満足の向上を目指して主体的に行動するようになっていった。ちなみに、1シーズン10万食の提供に対して返金は10件程度とのこと。

 さらに、こうした取り組みはスキー・スノーボード・スクールにも波及した。「上達保証制度」を開始し、レッスン終了後、客が事前に約束したレベルに達しなかったと感じたら、受講料を全額返金するというサービスである。「先生が生徒に教える」ではなく「お客様に対してスクールというサービスを提供する」との方針のもと、教え方マニュアルの作成、インストラクターの評価制度、1レッスンの受講定員を12名から4名へ3分の1に縮小といった取り組みが行われた。結果、返金発生率0.1%以下、さらには高いサービスが話題となり、日本有数の人気スクールとなった。

 このように星野リゾートでは、経営に関わる理論や論文が見事に実践され、大きな成功につながっている。興味があれば、『星野リゾートの教科書』を一読されてみてはいかがだろうか。

(文=大﨑孝徳/神奈川大学経営学部国際経営学科教授)

ローソンのPBデザインが大不評を買った本当の理由…わかりやすいセブンプレミアムとの違い

 2020年春、コンビニ大手のローソンはプライベートブランド(PB)のパッケージデザインを一新した。ブランド名も「ローソンセレクト」から「L basic」「L marche」に細分化し、そのロゴやパッケージを世界的に著名なデザインオフィス「nendo」が手がけるという、一大リニューアルプロジェクトだった。

 しかし、いざ発売を開始すると、ネット上で新パッケージに対する批判が噴出。ローソンの竹増貞信社長自ら、一部商品パッケージの変更を発表する事態に陥った。

新パッケージの最大の問題点

 nendoの公式ホームページ(HP)では、件のローソンPB商品パッケージについて、以下のように解説している。

「従来のパッケージにあったような大きな商品写真ではなく、優しい印象のフォントとともに中身や原材料などがそれとなくわかるような手描きのイラストをパターン状にあしらうことで、女性層でも手に取りやすい柔らかな表現を目指した」

 確かに、ベージュやグレーに統一されたベースカラーからはやわらかさが伝わってくる。しかし、商品名が茶系のフォントで書かれているため、背景に文字が馴染んで読みにくいという声も多い。

「フォントの読みにくさもありますが、文字に頼りすぎている点も消費者視点が欠けていると言えます。ビジュアルの情報量が少ないので文字を読まなければならず、ほしいものを見つけるまでに時間がかかってしまいます」

 そう話すのは、消費経済ジャーナリストの松崎のり子氏だ。松崎氏は「買い物中に文字を読ませるのは消費者の負担になる」と指摘する。

「海外では読み書きができない人を考慮して、パッケージや説明書は写真やイラストでわかりやすく表現するケースが多いもの。日本の識字率はほぼ100%で、世界を見渡しても、選挙の投票用紙に立候補者の名前を書かせる国は珍しい方だとか。今回のローソンPBのパッケージは『全員、文字が読める』という前提でつくられた、極めて日本的なデザインとも言えます。誰でも使えることを意味する『ユニバーサルデザイン』とは逆行している印象です」(松崎氏)

 ローソンの新パッケージは、英語やローマ字が大きく書かれ、下に小さく日本語と中国語、韓国語の計4カ国語が記載されている。nendoのHPには「海外からの訪問客が困らないように配慮」とあるが、「本当に海外客を意識するのであれば、商品ビジュアルが必要なはず」と松崎氏。

「私たちも、海外旅行に行ったときはメニューの文字よりも写真を見て注文する人が多いはずです。一方、ローソンのPBパッケージにはささやかなイラストと控えめすぎるロゴがあるのみなので、海外からの訪問客は途方に暮れてしまうかもしれません。ある意味で、消費者を置き去りにしていますよね。

 たとえば、『MENTSUYU』はめんつゆだとわかるまでに時間がかかりました。雑貨や洋服を時間をかけて選ぶのとは違って、コンビニではほしいものをサッと買いたいシーンが多いので、感覚的にわかりづらいパッケージはストレスになりますよね。

 また、大きく表記されるのはローマ字だけかと思いきや、スライスチーズの『SLICED CHEESE』は英語なので、ローマ字と英語が混同しているようです。一方、写真右の改変前のローソンセレクトは日本語も読めて写真もあるので、わかりやすいですね」(同)

直感的に買える「セブンプレミアム」

 一方、業界最大手のセブン-イレブンのPB商品「セブンプレミアム」は「消費者が直感的に買えるパッケージが多い」と松崎氏は話す。

「大きな納豆の写真とともに『北海道産大豆小粒納豆』と漢字でデカデカと書いてあるので、すぐに納豆だとわかります。同時に産地もわかるので、こだわりがある人にとっては有益な情報ですよね」(同)

 店内であれこれ迷いたくないコンビニ利用者にとって“わかりやすさ”は重要なポイントだろう。パッケージのわかりやすさで圧勝のセブンだが、実は同社にも“わかりにくさ論争”を巻き起こした過去がある。その中心となったのが、2013年に導入した「セブンカフェ」のコーヒーマシンだ。

 アートディレクターの佐藤可士和氏がデザインを担当し、日本語を排したデザインで、ボタンの表記はすべて英語。サイズ表記もMやLではなく「R(Regular)」と「L(Large)」という分類で、消費者の混乱を招いてしまった。そのため、各店舗は「ふつうサイズ」「大きいサイズ」と書かれたシールを貼るなどの対応に追われ、結果的に当初のスタイリッシュなデザインを活かせない事態となった。

 その後、セブンカフェのコーヒーマシンはマイナーチェンジを繰り返し、最新型はタッチパネルで操作できる仕様になっている。

課題山積の中でコロナ禍が襲うコンビニ業界

 このように、近年のコンビニが“オシャレ迷子”に陥る背景について、松崎氏は「コンビニに対するイメージの悪化が関係しているのでは」と分析する。

「2020年は新型コロナのインパクトが強すぎて薄れていますが、ここ数年はコンビニの問題点が露呈し続けていました。たとえば、24時間営業問題。店舗の人手不足やFC店オーナーの負担の大きさが指摘されています。ほかにも、恵方巻きやクリスマスケーキの販売数にノルマを設けたり、賞味期限切れの商品を大量廃棄する食品ロスの問題も深刻です。今では、そうした経営戦略が“悪”とみなされるようになっています」(同)

 それらの課題が山積する中で起きたのが、新型コロナウイルスの感染拡大だ。その結果、コンビニ業界はさらなる苦境に突入したという。

「コンビニの売り上げは軒並み下がっています。今年7月の数字を見ると、3社とも前年割れ。加えて、客数も減少しています。特に、緊急事態宣言後に多くの企業がリモートワークに切り替えたため、オフィス街のコンビニはかなり厳しい状況です」(同)

 新型コロナの打撃は予想外だが、「コンビニ業界そのものが転換期を迎えている」と松崎氏。

ローソンのパッケージ刷新は『飽和状態になっているイメージを変えたい』という、経営陣の気概を感じます。その気持ちはわかりますが、さすがに振り幅が大きすぎましたよね。都市部で働く女性やSNSを使う若者をターゲットにしているようですが、コンビニは都市部だけでなく高齢者が多い地方にもたくさんあります。高齢者にとってローマ字はすぐ頭に入ってこないし、写真でわからない商品は手に取りにくい。そうした地域差を考えると、このパッケージを全店舗で展開するのは思い切りがよすぎる印象です」(同)

 今後、日本は超高齢社会が進展していくにもかかわらず、ローソンのPBパッケージが高齢者にとって手に取りにくいデザインだったのは明白だ。松崎氏は、PB商品の中で棲み分けをすれば批判は抑えられたのでは、と話す。

「デザートのパッケージだけをオシャレにしたり、健康志向が強い客が多い『ナチュラルローソン』のみで販売したり、客層を絞った範囲で展開すれば、ここまで不評を買うことはなかったかもしれません。そもそも、食品や調味料にそこまでオシャレさを求めるだろうか、という疑問もあります。ローソンには『バスチー』や『悪魔のおにぎり』など、味が評価されている人気のPB商品もあります。いち消費者としては、パッケージのオシャレさではなく、商品力でストレートに勝負してほしいですね」(同)

 ローソンは現在、期間限定で「無印良品」の商品を実験販売している。今後、無印と一緒にPB商品を製造することになれば、また新たな展開もあるのでは、と松崎氏。果たして、名誉挽回の機会は訪れるのだろうか。

(文=真島加代/清談社)

●松崎のり子
消費経済ジャーナリスト。『レタスクラブ』『ESSE』など生活情報誌の編集者として20年以上マネー記事を担当。「貯め上手な人」「貯められない人」の家計とライフスタイルを取材・分析した経験から、貯蓄成功のポイントは貯め方よりお金の使い癖にあるとの視点で、貯蓄・節約アドバイスを行う。『定年後でもちゃっかり増えるお金術』(講談社)など、著書多数。『ビジネスジャーナル』でも連載中。

●「消費経済リサーチルーム

税理士が脱税→資格剥奪までの裏側…取引先へマルサが反面調査、その緊張の現場

 元国税局職員、さんきゅう倉田です。好きな小説の書き出しは「『おい調査さ行ぐんだで!』2人はデッキの手すりに寄りかかって、新人が背のびをしたように伸びて、帳簿を抱かかえ込んでいる税理士を見ていた」です。

 この連載でも何度か取り上げてきた金の売買を使った「消費税の還付」。その指南をしていた税理士が、脱税で告発されました。

 かねて、不動産投資を行う人たちの間で金の売買による課税売上割合の調整がトレンドとなっていましたが、昨年末に発表された税制改正により、改正後に行われることはなくなりました。「金の売買」と聞いて非日常的な怪しさを感じる人もいるかもしれませんが、改正で対応することからもわかるように、違法ではありません。

 しかし税理士は、このコンサルティングによって得た売上を除外していたようです。税法を知り、税の大切さを理解した税理士が脱税を行うのは珍しく、報道を見た多くの人が驚いたと思います。

 税理士資格は剥奪。税理士になるために何年も勉強に費やしたはずなのに、資格を失うリスクを冒してまで脱税をするなんて、理解しがたいです。急に大金を手にし、納税意識が崩落したのでしょうか。

 実は、報道の前から当該税理士に調査が入っていることは知っていました。それは、この税理士にコンサル料を支払っていた法人に、反面調査が入っていたからです。

 反面調査とは、どこかの法人や個人事業者の税務調査に付随して行われます。調査先から得た情報だけでは不十分な場合や非違が明らかでない場合に、取引先に臨場して聞き取りや資料収集に当たることを指します。

 反面調査をされる会社からすれば、時間を取られるだけでなく精神衛生上もよろしくない行事です。行われないに越したことはありません。しかし、協力しなければ不正に加担していると思われてしまうかもしれないので、要求には可能な限り応ずるべきだと思います。

突然の反面調査

 反面調査は、いつだって突然です。調査担当者は連絡なしにやってきます。通常の税務調査が無予告で行われれば「顧問税理士が来るまで対応できません」「今日は都合が悪いので、予約をしていらしてください」などといった対応もあると思います。

 しかし、反面調査であれば、そのように断る人は聞いたことがありません。ぼくの知らないところでいるかもしれませんが、断って発生するリスクを考慮すると、素直に応じることが多いように思います。

 ある日、ぼくの知人の知人が経営する法人に、国税局査察部がやってきました。理由を聞くと、反面調査だと言います。反面調査がなんのかはよくわからないものの、大勢で闖入してくる様子はありません。社長は、すぐに顧問税理士(金の売買とは関係のない、法人の申告を依頼している税理士)に連絡しました。

社長「マルサが来てるんですけど」
税理士「え? なぜですか?」
社長「○○税理士の件で、確認したいことがあるって」
税理士「ああ、あの金の売買の」
社長「どうしたらいいですかね」
税理士「話ぐらいなら、いいと思いますよ」

 社長は職員を応接室に通し、話をすることにしました。金の売買に関するコンサル料の支払いやコンサルの内容を確認され、取引記録をコピーさせてほしいと言われたところで再度、顧問税理士に相談しました。

社長「資料も見せてほしいと言ってるんですが」
税理士「見せなくていいんじゃないですか」
社長「そうですね。十分、協力したし」

 社長は資料のコピーをさせず、話だけで帰ってもらいました。しつこく粘られることもなかったそうです。告発された税理士が大勢の人にコンサルを行っていたとすると、この法人から無理に資料を収集する必要はなかったのかもしれません。

 税に精通している税理士であっても、脱税をすればバレてしまいます。安易な売上の除外が、とてつもない損害になると思い知らされる事案だったと思います。
(文=さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人)

●さんきゅう倉田
大学卒業後、国税専門官試験を受けて合格し国税庁職員として東京国税局に入庁。法人税の調査などを行った。退職後、NSC東京校に入学し、現在お笑い芸人として活躍中。2017年12月14日、処女作『元国税局芸人が教える 読めば必ず得する税金の話』(総合法令出版)が発売された。

「ぼくの国税局時代の知識と経験、芸人になってからの自己研鑽をこの1冊に詰めました。会社員が社会をサバイバルするために必須の知識のみを厳選。たのしく学べます」

メルセデスが“日本で一番売れる輸入車”の理由…新型GLAから透ける巧妙なマーケティング

 独メルセデス・ベンツは、「GLB」とデビューのタイミングを合わせた「GLA」でも、GLB同様に革新的なコンセプトを貫いた。メルセデスの豊富なラインナップの中にあって最小のSUV(スポーツ用多目的車)だというのに、保守的にならず、より一層SUVらしさを強調して誕生したのだ。

 初代GLAは、デビューするや否や市場で受け入れられた。Aクラスのプラットフォームを流用しながら、SUVらしく車高を上げて登場。時代がSUV色を強めていたこともあり、その流れに乗った新しい形のファミリーカーとして認知されたのだ。とはいうものの、不満の声もあった。SUVらしさが希薄だったという点だ。その反省なのか、2代目GLAはボディを大きくして生まれ変わった。

 新型GLAを眺めてまず驚かされたのは、その迫力である。エクステリアデザインテイストは、先代から大きな変化はない。細部の変化は当然のことだが、デザイナーの筆使いには違いがない。だが印象は劇的に異なる。その理由は、100mmも高くなった車高にある。

 ドライバーの着座点は、先代に比較して140mmも高い。いかにもSUVをドライブしているがごとき視点の高さである。兄貴分のGLBより52mmも高いというのだから、その拡大ぶりには驚かされる。

 それでも、全長や全幅に大きな変化はない。肥大化によってそれまでのユーザーがそっぽを向くことを防いでいる。そのため、日本の狭い交通環境でも持て余すことがない。立体駐車場へのエントリーには気を使うことになったものの、一般的な使い方への影響は少ない。

 マーケットがSUVに傾倒していると察知するや、すかさず次に手を打ってくるところがメルセデスの強さである。長さも幅も変えずに迫力だけを強調し、乗員がその感覚を意識できるように着座点を高めた。つまり、日常の使い勝手を犠牲にせず、印象だけを巧みに操作したということになる。

 もちろん、安易な印象操作にとどまらない。導入されるのは「200d 4MATIC」のみのモノグレードだ。2リッター直列4気筒ディーゼルターボは、4輪駆動と合体される。これまでのように1.6リッターの非力なガソリンエンジンの設定はなく、FF駆動も選択できない。最高出力は150ps、最大トルク320Nm。8段デュアルクラッチと組み合わされる。低回転域の発進はモタモタする。だが、いったん動き出してしまえば推進力は強い。先代を明らかに上回る動力性能である。

 4WDゆえに、走りの性能を好みに合わせてアジャスト可能な「ダイナミックセレクト」も装備されており、しかも、「エコ」「コンフォート」「スポーツ」に加え、道無き道を突き進む「オフロード」モードも組み込まれた。4WDクラッチがデフロックのように作用する。基本的には前後駆動トルクが50:50に変化。クロスカントリー性能が高まったのだ。

 つまり、外観の印象だけでなく、全体的なデザインテイストをそのままに、一気にコンセプトチェンジをしたのである。緻密なマーケティングと開発スピードの速さには圧倒される。

 メルセデスが日本でもっとも売れている輸入車の地位を獲得できたのは、そんなスピードにあるのだろうと想像した。
(文=木下隆之/レーシングドライバー)

●木下隆之
プロレーシングドライバー、レーシングチームプリンシパル、クリエイティブディレクター、文筆業、自動車評論家、日本カーオブザイヤー選考委員、日本ボートオブザイヤー選考委員、日本自動車ジャーナリスト協会会員 「木下隆之のクルマ三昧」「木下隆之の試乗スケッチ」(いずれも産経新聞社)、「木下隆之のクルマ・スキ・トモニ」(TOYOTA GAZOO RACING)、「木下隆之のR’s百景」「木下隆之のハビタブルゾーン」(いずれも交通タイムス社)、「木下隆之の人生いつでもREDZONE」(ネコ・パブリッシング)など連載を多数抱える。

りんたろー。整形を告白…1カ月半で12キロ減量成功の秘訣、チャラ男キャラ崩壊

 いわゆる“お笑い第七世代”のなかでも抜群の人気を誇り、連日テレビに引っ張りだことなっているお笑いコンビ・EXIT。そんな彼らのツッコミ担当、りんたろー。が明かした事実が話題を呼んでいる。

 EXITは13日、情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)に出演した。人気コーナー「クイズッス」にお笑いコンビ・ハナコの岡部大とともに登場した2人は、同局で夜に放送される『THE 突破ファイル』の番宣を行うとともに、番組名にちなみ、各々が突破したピンチについて言及。ここでりんたろー。は、自身に関するプチ整形の経験と、そのもたらした意外な効果について明かすこととなった。

「りんたろー。は、『僕、番組でプチ贅沢ロケみたいのをさせてもらって、整形をちょっとさせてもらったんですけど、プチ整形みたいなもの』と切り出すと、『それがちょっと大人の事情でお蔵入りして、整形したんだけど誰にも気付かれない』と告白。相方であるEXIT・兼近大樹から、『突破できてんすか?』とツッコまれたものの、その影響で美容の仕事が増えたといい、『スケジュール、IKKOさんみたいになってきた』と独特の言い回しでその“メリット”についても語っていました。番組内ではそのプチ整形の内容が、額のシワを伸ばすためのボトックス注射であったことも明かされていましたね」(芸能ライター)

 りんたろー。はこのエピソードを、4月に出演した『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)のなかでも明かしているほか、メディアのインタビュー記事などでも幾度か語っている。しかしネット上では、「え? 整形してたの……?」「まったく変わった感じがない」と、初めてこの事実を知ったと思われる者から、整形したことがまったくわからないという声も。さらに、「この整形ネタわりと面白いよね」「まったく見た目変わってなくて笑っちゃった」という声もあり、整形にまつわるこの話は、りんたろー。の“鉄板ネタ”となっているようだ。

りんたろー。は「美容系YouTuber」としても活躍中

「りんたろー。といえば今年4月、『NAIL MAX』(カエルム)という雑誌で、彼のネイルケアが取り上げられたほか、7月には配信サイトnoteへの投稿で、『ある雑誌で僕のネイルを軸にしたページを出してくれるみたいで、その撮影を、やっておりました』と明かすなど、本人の言葉通り、美容にまつわる仕事を増やしているようです。また、YouTubeのEXIT公式チャンネルでは、“美容系YouTuber・りん子”として、たびたびセルフカラーやストレッチ、健康的な料理動画などを投稿。“美容系キャラ”定着への努力を続けているようですね。

 さらにりんたろー。は、今年2月末から4月にかけての1カ月半ほどで12キロの減量に成功。その秘訣についてもnoteで秘訣を語ったことでも話題に。とはいえその中身はというと、『要するに、人それぞれ。自分に合ったダイエット方法をみつけるしかない。って事ですよね』『炭水化物、脂質、タンパク質を、バランス良く摂取しながら、消費カロリーより摂取カロリーを抑える。これがベストなのではないでしょうか』と、当たり前といえば当たり前のことが書かれていたので、落胆の声も少なくはありませんでしたが……(笑)」

 プチ整形にまつわる“鉄板ネタ”を手に入れた上、美容系の仕事も着実に増やしつつあるEXITりんたろー。。しかし一方で、「もうチャラ男キャラって崩壊してない?」「昔オネエ漫談やってたらしいけど、それが素に近いのかな」と、ピン芸人時代に行っていたオネエ漫談に言及するような声も上がっている。臨機応変にキャラを変えていくこうした柔軟な姿勢が、現在のEXIT人気の秘訣なのかもしれない。

(文=編集部)

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