造船大国ニッポンの象徴・三井E&S、造船から事実上撤退…日本勢、中韓勢に完敗

 政府が造船と海運業を金融支援する。政府は世界の造船市場のシェアを拡大する韓国と中国に対抗して、造船業界に大規模な金融支援を実施する方針を固めた。産業基盤を維持し、海上輸送力を確保する。船舶を購入する特定目的会社(SPC)を海外に設立し、政府系金融機関を総動員して資金を供給する。日本国際協力銀行(JBIC)はSPCに直接融資し、日本政策投資銀行(DBJ)はSPCに融資する民間銀行に公的保証を付与するなど、可能な限りの手段を尽くすとしている。

 政府系金融機関などの資金でSPCが船舶を購入。海運会社はSPCを通じて運用船舶を買い取ったり用船したりする。低利で資金を借り入れたSPCは、低価格での用船が可能になる。この結果、海運会社が日本の造船会社から船舶を調達する割合も増える。一石二鳥、いや一石三鳥の青写真が描かれている。

韓国や中国勢の攻勢が続く造船業は消滅の危機

 低迷する日本の外航海運・造船業の支援策を検討するため、赤羽一嘉国土交通大臣は5月20日、交通政策審議会へ諮問。これを受けて7月2日、国際海上輸送部会と海事イノベーション部会が合同会議を開いた。日本の外航海運、造船業の活性化に向けた施策を審議し、11月末まで方向性をまとめて、答申することとなった。

 合同会議の冒頭、国交省の大坪新一郎海事局長は「外航海運、造船業はわが国の経済安全保障上、必要不可欠な産業だ。両業界が共に好循環を生み出し、成長していくためにどのような方策を講じるべきか議論していただきたい」と強調した。

 日本の造船業が消滅するかもしれないという危機感が、政府を突き動かした。日本の造船業の世界シェアは受注量基準で2015年の32%から19年には16%とわずか4年半で半減した。韓国と中国の低価格攻勢に晒され、思うように受注できなくなったからだ。日本の海運会社が日本の造船会社に発注する割合も、14~18年に75%まで落ちた。1996~2000年には94%に達していた。大規模な金融支援が、窮地に陥った造船・海運が国際競争力を向上させる近道なのだ。

 19年の世界の造船会社の建造量ランキングのトップは韓国の現代重工業、2位は中国船舶集団、3位が韓国の大宇造船海洋。いずれも政府主導による再編が行われてきた。中国船舶集団は中国船舶工業集団と2位の中国船舶重工集団が19年11月経営統合した。いずれも国有企業だ。韓国でも現代重工業と大宇造船海洋が統合作業を進める。統合によって生まれる両国の新会社2社だけで、世界の4割のシェアを握ることになる。これでは日本勢は太刀打ちできない。

 韓国政府は大宇が2015年に経営難になって以降、1.2兆円規模の金融支援を実施。その後も受注拡大のため政府支援を続けてきた。日本政府は、韓国が自国の企業に国際ルールに違反する過剰な公的支援を行っているとして、世界貿易機構(WTO)に2度にわたり提訴した。現代重工業と大宇造船海洋の経営統合は、各国の独禁法当局が審査を進めているが、コロナ禍もあって当初計画より手続きが遅れている。

 中韓の政府支援を強く批判してきた日本政府が造船業の金融支援に乗り出すことに関して、政府高官は「このままでは消滅しかねず、WTO協定に違反しない範囲内で政府が手を差し伸べるしかない」と苦しい胸のうちを明らかにした。

三井E&S、造船から撤退

 三井E&Sホールディングス(HD)はツネイシホールディングス(広島県福山市、非上場)と、造船子会社同士が資本提携する方向で協議に入った。三井E&SHDが子会社・三井E&S造船(東京・中央区)の株式の一部をツネイシ傘下の常石造船(広島県福山市、非上場)に譲渡する。三井E&S造船と常石造船は18年に業務提携した。資本提携に踏み込むことになったことについて、三井E&SHDの岡良一社長は「常石造船と協業して、グローバルで中小型のばら積み船市場をけん引する」と語った。出資比率などは今後詰めるが、常石の資本参加後も三井E&SHDは三井E&S造船の過半以上の株式を保有する方針で、親会社の地位は維持する。12月をめどに合意をめざす。

 あわせて、玉野艦船工場(岡山県玉野市)での商船建造からの撤退を検討していることも明らかにした。千葉工場(千葉県市原市)での商船建造を21年3月末に終了する。6月中旬には護衛艦などの艦艇事業を防衛最大手・三菱重工業に売却する協議を始めた。年内にも最終契約を結び、21年10月末までに手続きを完了する予定だ。

 三井E&SHDの艦艇を含む船舶事業の売上高は1151億円。これがなくなる。岡社長は「(造船事業は)設計が中心となる」としている。三井E&SHDはインドネシアでの火力発電所工事での大幅な損失計上で業績が悪化し、資産売却や1000人規模の人員の削減を進めてきた。造船事業も20年度(21年3月期)まで6期連続の営業赤字を見込む。完全子会社の三井E&S造船の受注は官公庁からの艦船1隻にとどまる。

 三井E&SHDの21年3月期の売上高は前期比19.9%減の6300億円、営業損益は100億円の赤字(前期は620億円の赤字)、最終損益はゼロ(同862億円の赤字)を見込む。大幅赤字の原因だったインドネシアの火力発電所の採算は改善するが、原油安や新型コロナウイルスの影響による子会社・三井海洋開発の業績悪化が痛手だ。

 三井海洋開発は20年12月期の最終損益の予想を100億円の赤字に下方修正した。従来予想の120億円の黒字から一転して赤字転落だ。三井E&SHDは三井物産造船部としてスタートしたが、造船からは撤退することになった。

非上場の専業メーカーが造船再編の主役だ

 造船大手が中韓勢の攻勢に打ち負かされるなか、海外の造船所の活用などで競争力を磨いてきた専業メーカーが造船再編の主導権を握る。建造量の国内ランキングによると、常石造船は4位、三井E&S造船は8位。両社の建造量を合わせると、川崎重工業を抜き、首位の今治造船(愛媛県今治市、非上場)、2位のジャパンマリンユナイテッド(JMU)に次いで3位になる。ツネイシHDは瀬戸内海の造船所以外に中国やフィリピンでも造船所を運営し、海外進出の先駆的存在だ。

 ツネイシHDは1903(明治36)年、創業者の神原勝太郎氏が海運業(現・神原汽船)を興したのがルーツ。1917年(大正6)年、塩浜造船所(現・常石造船)を創業し、造船業に進出した。同族経営を貫いており、ツネイシHDの神原宏達社長は創業者の直系の四代目。神原家は長年、地元選出の宮澤喜一元首相を支援してきたことで知られる。

 ツネイシHDの2019年12月期の連結売上高は前期比4.3%増の2287億円。3期連続で増収を達成した。主力の造船事業は7.5%増の1646億円。建造隻数は18年から6隻増えて46隻だった。ばら積み船を得意としていたが、コンテナ船などにも船種を広げたことが奏功した。

 連結利益は開示していない。単体の決算公告によると、常石造船の最終損益は56億円の赤字、ツネイシHDのそれは43億円の黒字。海運事業などほかの事業が黒字化に貢献したことがわかる。

 日本の造船業は2000年前後には三菱重工業など重工系の大手が建造量の6割を占めていた。その後は今治造船や常石造船など専業系が伸び、19年には専業系が6割を握った。国内造船最大手の今治造船(愛媛県今治市、非上場)は10月にも、2位のジャパンユナイテッド(JMU)に3割を出資する。三菱重工は創業の地である長崎造船所の香焼工場(長崎市)を大島造船所(長崎県西海市)に売却する。

 戦後の高度成長を支え、「造船王国」を謳歌した日本の造船業は中韓勢に土俵際まで追い詰められた。政府の支援をバックに今治造船、常石造船の専業系が“造船ニッポン”の復活を担う。ただし、大型再編・造船所の整理に大ナタを振るう必要がある。税金でゾンビ造船会社を延命させてはならない。

(文=編集部)

カインズ、デジタル革命で業界トップ浮上…ホームセンター業界、なんでもありの再編突入

 外出自粛や在宅勤務で生活スタイルが変化し、DIYやガーデニング需要が拡大。衛生用品やトイレットペーパーなどの消耗品の売上も伸び、「巣ごもり需要」を追い風にホームセンター各社が業績を伸ばしている。

 経済産業省の商業動態統計速報によると、ホームセンターの4月の売上高は2986億円で前年同月比4.1%増、5月はさらに増え、3382億円となり前年同月比11.2%増となった。分野別で2ケタ伸びたのはインテリア(23.9%増)、DIY用具・素材(21.3%増)、電気(15.0%増)、園芸・エクステリア(13.9%増)。

 業界2位のDCMホールディングス(HD)の3~5月の既存店の売上は9.0% 増となり、営業利益は前期比で1.7倍と大幅に増えた。6月の売上は19.4%増とさらに伸び、3位のコーナン商事も4月が12.4%、5月が21.7%、6月が15.8%となった。

 コロナを契機に、ホームセンターが見直された結果になったが、こうした状況がいつまで続くか見通しは不透明で、今回の生活者の意識・行動変容を契機に、潜在ニーズの掘り起こしや提案力を高めるなどして需要喚起を促し、積極的に顧客を取り込んでいく必要がある。

カインズ、「IT小売企業」へ

 さらなる成長に向けて矢継ぎ早に手を繰り出しているのが業界トップのカインズ。2000年からSPA(製造小売)を取り入れPB(プライベートブランド)開発に注力、PB比率が40%まで上昇、同業他社との差別化戦略につながり、増収増益を続け、昨年度、DCMホールディングスを抜いて業界トップに躍り出た。

 昨年創立30周年を迎え、3月に創業家出身の土屋嘉雄社長が会長に就任、高家正行副社長が社長に昇格し新体制をスタートした。そして、次の30年に向けた持続的な成長を続けるために不連続な改革を実行すべく、2019 年度から21年度までの 3カ年中期経営計画「PROJECT KINDNESS(プロジェクト カインドネス)」を策定した。

 そのなかで注目されるがデジタル戦略。IT・AIの最新技術を活用して、利便性を向上しながら新たなショッピングの楽しさを実現しようとする取り組みだ。その一環として、手始めにデジタルアドバイザリーボードの設置や米国シリコンバレーでのCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)の設立など、国内外における最先端のテクノロジーを享受できる体制を整備してきた。

 建築業者などプロ顧客向けの新しいデジタルサービスとして、店舗在庫を取り置きする「55-DASH PRO」や店頭にない商品も取り寄せて提供する「CAINZ-DASH PRO」なども開始した。  

 そして、お客と店舗スタッフの煩わしさを解消するため、売り場・在庫検索アプリ「Find in CAINZ(ファインド イン カインズ)」を開発し、昨年10月21日から順次、全国店舗での利用を始めた。これまで、お客から店舗スタッフへの質問のうち、「この商品はどこにあるの?」という売り場に関する内容が約8割を占めていたが、ホームセンター特有の店舗の広さや幅広い品揃えにより、店舗メンバーがスピーディかつ的確に対応することは困難だった。

「Find in CAINZ」は、この難題をテクノロジーで解決し、お客にとってストレスのない楽しい買物体験をサポートする。今後、デジタル関連事業に3年間で100~150億円を投資し、デジタルトランスフォーメーションを加速することで「IT小売企業」としての地位の確立をめざしていく。

ライバル同士も提携

 新たなホームセンターの歴史を塗り替える可能性のある取り組みを始めたのがコメリ。ホームセンターは、建築資材や農業資材といったプロ向けの商材も扱っており、資材館などを設けて需要の取り込みを図っている。

 コメリは、DIYと園芸・農業資材を取り扱う小型店業態「ハード&グリーン」を全国に約1200店展開しているが、今年2月、上伊那農業協同組合(JA上伊那)は、JA上伊那の専売商品をコメリの店舗で販売するなど、協業を開始することを発表した。

 JAとの提携はホームセンター業界で初めてで、これまでは同じ農業資材を販売するJAとは長年ライバル関係にあり、敵対関係にあった両者が手を結ぶのは考えられなかったこと。農業資材は約1兆円の市場で、そのうちコメリの売上は約800億円にすぎず、シェアを拡大する余地は大きいと考え、今回の協業を契機に、取り組みを全国に拡大し、JAとのタッグで新たな成長をめざそうとしている。

 建設資材では、コーナン商事が昨年6月に、全国に66店舗を持つ会員制建材卸の建デポを完全子会社化した。同社は、日本初のホームセンターだったドイトの事業も、パン・パシフィック・インターナショナルHD(旧ドン・キホーテHD)から譲り受け、M&Aを活発化させている。

 今後、ホームセンター市場の拡大が見込めないなかで、成長を担保するにはM&Aや経営統合といった合従連衡はますます盛んになる。6月9日にはアークランドサカモトがLIXILビバを買収することを発表し、アークランドサカモトはTOB(公開買い付け)をするなどし、完全子会社化する。リクシルグループの事業の選択と集中により、LIXILビバはニトリへの売却話もあり、その動向が注目されたが、業界9位が6位を傘下に収める下克上という結果になった。

 両社の売上は、20年2月期でそれぞれ1969億円と1127億円、合わせると3096億円となり、業界トップのカインズ4410億円、DCMホールディングス4374億円、コーナン商事3746億円、コメリ3486億円に次ぐ5位に浮上する。今後、両社は21年度中にホールディングカンパニーに移行し、それぞれのブランドを維持しながら店舗を自主独立で運営し、10年後売上5000億円・営業利益400億円をめざす。   

 4兆円のホームセンター市場は上位10社で約64%のシェアで寡占化が進み、限られたパイをめぐって熾烈な競争が繰り広げられている。6月9日の記者会見で、ビバの渡邉修社長は、戦略的なシナジー効果をめざしながら、新しいマーケットの変化を主導するために、必要なのがアライアンスでありゲームチェンジであると考え、今後さらなる合従連衡もあり得ると言及している。

業界外のM&Aのプレイヤーの動き

 昨年4月には、ダイユー・リックHDがバローホールディングスグループのホームセンターバローを株式交換により子会社化した。もともとダイユー・リックHDは、東北を地盤にするダイユーエイトと中国地方を地盤とするリックコーポレーションが、2009年3月に資本業務提携、16年9月に経営統合した。そしてダイユー・リックHDはアレンザホールディングスと社名変更し、バローホールディングスの傘下となった。アレンザとはイタリア語で「同盟・連合」の意味で、グループ企業の関係強化と拡大を誓うという意味が込められている。

 19年度の売上は1342億円で業界9位に位置しているが、2030年度には3000億円まで引き上げる計画だ。そのためにはM&Aは必須で、さらなる動きも出てくる可能性はきわめて大きい。中堅企業を巻き込んでのさらなる業界再編は避けられない状況で、大手企業同士の合従連衡の可能性も否定できず、寡占化に突き進んでいくのは確実だ。

 当面は独立を堅持してきたナフコと島忠をめぐる動きがどう出てくるか注目される。そして、ニトリをはじめ業界外のM&Aのプレイヤーの動きにも目が離せない。成熟化した市場においては、お互いに競り合う競合ではなく、生き残りをかけた競争が繰り広げられ、淘汰される企業が続出し、業界の勢力地図も一変する可能性がある。

 コロナ特需はあくまでも一過性のもの。これを契機に次代の成長に向けた次の一手を打てるかで、その企業のポジショニングにも大きく影響する。業態としてのイノベーションが求められているなかで、次代を切り拓く新たな羅針盤が必要。手をこまねいていては、これからますます激しくなる荒海を乗り切ることはきわめて難しくなる。ホームセンター大激変時代が幕を開けようとしている。

(文=西川立一/流通ジャーナリスト、マーケティングプランナー)

鈴木おさむ×矢嶋健二が語る、新時代のタレント論

デジタルやソーシャルメディアを活用し、個人の才能で勝負できる今、タレントはどのように生まれるのか?これからのタレントビジネスの行方は?

タレントの変遷を肌で知る放送作家の鈴木おさむ氏。鈴木奈々、須田亜香里(SKE48)、よしあき・ミチ姉弟などを擁する芸能プロダクション「ツインプラネット」の代表取締役であり、コンテンツプロデューサーでもある矢嶋健二氏。お二人を迎え、電通でデジタルやテクノロジー領域のビジネス開発を推進する奥谷智也氏が話を聞きました。

タレント論
左から、矢嶋健二氏(ツインプラネット代表取締役)、鈴木おさむ氏(放送作家)、奥谷智也氏(電通 統合マーケティングプロデュース部長)

ソーシャルメディアの台頭で、タレントの生まれ方が変わった

奥谷:最近はデジタルやソーシャルメディアから新しいタイプのタレントが多く出てくるようになり、タレントの生まれ方が変わってきたなと感じます。お二人はどのように感じていますか?

鈴木:テレビからスターが生まれていた時代は変わりつつありますね。この前、「M 愛すべき人がいて」(以下、M)というドラマの脚本を書いたのですが、浜崎あゆみさんのようなスターは、もう生まれにくい時代かなと思っています。

そもそも「売れるって何だろう?」と考えたときに、以前はテレビに出ていたら、「売れている」といわれていた。だけど今は、「売れる」の定義はいっぱいある。

奥谷:「売れる」の定義が増えたというのは興味深いですね。

矢嶋:今、「売れる」ためのメディアは、YouTubeやSHOWROOM、TikTok、Instagramなど、たくさんある。タレントも細分化していて、Instagramでは有名だけどYouTubeでは知られていない、TikTokでは有名だけどテレビには出てないから多くの人は知らない、というように特定のメディアだけで有名な人が多い。誰もが知っている圧倒的なスターは生まれにくく、各ソーシャルメディアで活躍するタレントが存在する時代ですね。

鈴木:昔、映画に代わってテレビからスターが生まれたように歴史は必ず変わっていきますから。でも長い間、テレビに代わるものは誰も想像がつかなかった。テレビが絶対王者であると信じていたし…。

矢嶋:もちろん今でもテレビにはテレビの価値があるけれど、それが全てではなくなってきた。同じようなことがタレントにもいえます。タレントって抽象的なイメージですもんね。これからは、例えばメンタリストのDaiGoさんみたいに肩書がある人、専門家に近い人の活躍が増えてくるかなと感じます。

鈴木: 1000万人、2000万人に支持されなくても、1万人の熱烈なファンがいるタレントも成立する。例えば1億円稼ぐタレントって、これまでならテレビでたくさん司会をやっていたり、音楽で売れていたりと方法論は限られていたけど、今はたくさんあります。

奥谷:確かにマネタイズが多様になり、ファンの人数が1万人でも、一人一人のファンの熱量やエンゲージメントが高ければたくさん稼ぐことは可能ですね。

鈴木おさむ

予想不可能!? 新時代のタレントの売れ方とは?

鈴木:昔と違うのは、成功しているタレントたちが、個人で稼げるようになったことです。例えば、ごく普通の女子高生なんだけど、実は、彼女がプロデュースした「つけま」が話題になって売れて1万人のカリスマになることもあり得る。

矢嶋: 今は本当に売れ方が多種多様で、自分を表現するメディアもそれぞれ使い分けていますよね。静止画が得意で写真の見せ方がうまいタレントはInstagramを主体にしたり、動画が得意なタレントはYouTubeやTikTokを活用したり、そのメディアで話題になったらテレビが取り上げ、フォロワーがさらに増えて認知度も上がる。

鈴木:最近の例では、「monogatary.com(モノガタリードットコム)」という、小説やイラストの投稿サイトから火が付いた音楽ユニットYOASOBIの勢いがすごい。サイトに投稿された小説「タナトスの誘惑」をもとに「夜に駆ける」という曲を作ったら、小説との相乗効果で話題になり、YouTubeのMVも人気になった。

そんな中、今度は人気ミュージシャンが出演している、一発撮りで収録されたパフォーマンス映像が人気のYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」に出演。オリジナルアレンジを公開してまた爆発して、2000万回再生を突破。その後、「めざましテレビ」が取り上げたんです。この間、たったの数カ月ですよ。

矢嶋:YOASOBIの世界観って、おしゃれなんですよね。芸能人にも反響があって、香取慎吾さんは同曲をカバーした動画をYouTubeで配信し、それも話題になってましたね。

鈴木:ラジオでYOASOBIのAyaseくんが言っていたんですが、「良いもの作るだけでは絶対にダメだ」と。これはいろいろなYouTuberも言ってますが、関連動画がアップされるようにキーワードなどの分析も必要だと。要はただのクリエーターではなく、プロデューサーでもなければいけないんです。

矢嶋:従来のやり方だと「曲ができました」ってライブハウスやイベントで楽曲を披露し、そこにお客さんを動員したり、メディアを呼ぶという流れで認知を広めていったと思うんですよ。でも、YOASOBIはまったく違うやり方で、ものすごいスピードで人気になりましたね。今、売れ方が全く変わり、スピードも速く予測不可能って思っている大人たちがいっぱいいると思います。

奥谷:プロデュース能力に長けたクリエーターこそ圧倒的に価値が大きいわけですね。

矢嶋健二

アスリートにも似ている、YouTuberのテレビ活用法

矢嶋:テレビのキャスティングも、ネットやソーシャルメディアを意識してますよね。「TikTokですごい」「YouTubeですごい」っていう肩書を持った上でテレビに出るパターンが多い。そういうタレントは、テレビを一個のメディアとして活用している感覚なんでしょうね。

鈴木:そうそう。僕の知り合いのYouTuberも言ってましたよ。「テレビよりYouTubeの方が圧倒的に稼げる。だけど、テレビではYouTubeと違うキャラを出せるので、認知度アップの作戦のひとつとして出るのはアリ」みたいなことを。

奥谷:あえて別のキャラクターを作ってテレビに出るというのは面白いですね。

鈴木:テレビに出てYouTubeの売り上げを増幅させたいわけだから。同じものをテレビで見れたら、本業の価値がなくなってしまう。そういう意味では、YouTuberってアスリートに似ていますよね。ストイックなプロ。アスリートとして球場にいる自分と、テレビに出ている自分は違うみたいな。

奥谷:アスリートというのは本質ですね。戦う舞台があり、結果がスコアとして明確。という中で、順番はソーシャルメディアが先で、テレビは後なんですか。

鈴木:その傾向はあると思います。最近はネットやSNSで流行っているものをテレビで紹介することがめちゃくちゃ多くなりましたよね。

僕はYouTuberの知り合いも多いけど、テレビ局の会議で、「この芸能人とYouTuberがコラボしたらどうだろう?」とか、「この芸能人にYouTubeを作ってもらおう」とか、たくさんの企画が出るけど、どれも難しいかなと。YouTubeで跳ねている芸能人が全くいないわけではないですが、基本的に芸能人の中でYouTube一本に命をかけてやろうと考えている人は少ないし、YouTubeだけに命かけているYouTuberに勝つのはなかなか難しいかなと。

 奥谷 智也

テレビがもっと面白くなるためには?

奥谷:これからテレビとデジタルメディアが共存していく中で、両者のWIN-WINの関係ってどんな形なんでしょう。

鈴木:今のところ、「M」が一個の成功パターンを出したんじゃないかなと思っています。このドラマは、テレビ朝日とABEMAの共同制作だったので、そのおかげで規模も大きくなりました。そして、テレビ朝日が地上波で放送した後、TVerでは見逃し配信を一切しないで、全部ABEMAビデオで配信しました。

インターネットテレビ局単体でドラマを作るより、地上波とセットの方が、ビデオの再生回数も桁違いに上がる。やっぱりテレビの影響力はすごいですから。地上波とデジタルが組むやり方は、今後も増えるんじゃないかなと思います。

それとテレビはやっぱりプライドを持って、媚びずに面白いと思うものを作ることですね。とはいえ、面白いことを考えている人が持っているコネクションや、外部のプロデューサーの力は相当必要かなって思いますよ。

矢嶋:そう、役割分担ですよね。テレビはテレビの役割がある。テレビで全部を終結させようとするのではなく、役割を理解しながら一個のコンテンツを作っていく。テレビとネット、お互いが尊重し合うことで、タレントの関わり方もいろんな方法論が生まれてきそうです。

鈴木:マネタイズも変わってくるんじゃないかな。例えばですよ、タレントがテレビにスポンサーを引っ張ってこれたら、タレントにもロイヤリティーが入るようにしよう、みたいな。売り上げはテレビ局だけじゃなくて、みんなが頑張った分だけ入るようなシステムになっていくんじゃないかと。

奥谷:面白いですね。新たにサステナブルなインセンティブ設計ができるかもしれませんね。

タレント論2

ゼロ→イチ後から始まる、タレントとプロダクションの関係性

奥谷:タレントプロダクションも、タレントビジネスの方法論が変わってきていますよね。

矢嶋:そうですね。稼げる人は、プロダクションに所属していなくても、テレビに出なくても稼げるようになってきて、これまでのタレントプロダクションのビジネスの前提が変わってきています。

大事なことは、タレント自身がまだ表現しきれていない魅力をいかに引き出すかということ。タレントの価値を客観的に見て、テレビがすべてではなく、SNSでの表現の仕方や個性やストーリー性を生かしたプロデュースまで全方位で考えて、ふさわしい場やパートナーを見つけて提案していくのが、これからのプロダクションのあり方ではないかと考えています。

弊社は、新しく「ビジネスパーソナルシップ」というサービスを始めたのですが、これは事務所所属や個人事務所やフリーランスなどの枠にとらわれず、活躍するさまざまな個人にフォーカスして、その人個人にとって必要な部分だけを提供するサービスです。

マスメディアへの営業活動のサポート、SNS上の誹謗(ひぼう)中傷、権利侵害などのリスク管理、プロジェクトファイナンスなど資金調達の手助け、経理や納税、現場へのマネジャー派遣など。これまで芸能プロダクションとして培ってきたノウハウを生かして、個人で芸能活動する際のさまざまなニーズに応えていくサービスです。芸能プロダクションが一から十までタレントを管理してやるのではなく、役割分担ですよね。

奥谷:タレントの能力に新たなビジネスが掛け合わされるとリターンが大きくなる。それをアレンジしてくれるプロデューサーが必要になってくるということですね。

鈴木:昔は芸能人になりたいというと、ゼロからイチの価値を作ることをプロダクションがやっていた。でも今は、タレント本人が自力でゼロからイチを作れる時代。これからは、イチから先をどう伸ばすかがプロダクションの役割になっていく。

例えば、TikTokで人気のタレントに、「『THE FIRST TAKE』に出たら最高だよね?」って提案するような。でも、出るのは、かなりハードルが高い。今、プロダクションが持つべきコネクションは、テレビ局に加えて、いろいろなメディアやその中のチャンネルがすごく必要だなと感じます。

矢嶋:新しいメディアを開拓してファンを増やす他にも、タレントによっては、その子の商品プロデュース能力を伸ばすことにも貢献できそうです。コロナ禍によってネットで買い物をすることが増えました。従来のタレントの商品イメージモデル契約ではなく、自分の個性や強みを持っていれば、その子がプロデュースするものが売れ始めています。企業とタレントがコラボしながら、自身のSNSを活用しながらダイレクトにユーザーに伝え、本当に良いものを売っていくこともできる。

奥谷:素晴らしい才能に対してどういうストーリーを書いてあげるとスケールするか。タレントの個の力だけだとそのスピード感が1→2→3ぐらいだけど、プロダクションのサポートがあれば、1→10→100→1000にもなりそうです。今後ますます新しいタレントビジネスが加速しそうですね。本日はありがとうございました。

ビジネスには「遊び」から入る。PLAY FIRSTのススメ

スタンフォード大学が作った脱出ゲーム!?

スタンフォード大学のデザインスクールであるHasso-Plattner Institute of Design、通称「d.school」はとても興味深い一台のバスを所有していることをご存じでしょうか?

DEEPER LEARNING PUZZLE BUS

DEEPER LEARNING PUZZLE BUS
DEEPER LEARNING PUZZLE BUS

このバス、なんと移動式の脱出ゲーム(エスケープルーム)なのです。

脱出ゲームとは、部屋などの中に閉じ込められた人たちが協力し合い、パズルや仕掛けなどの謎解きをしながら脱出を試みるという世界的に人気の遊びです。

この PUZZLE BUS の中も、部屋のようになっており、謎解きをしながら、参加者同士でバスからの脱出を目指していきます(私も実際に参加し、無事に脱出することができました!難易度は初級〜中級といった感じでしょうか?)。

なぜスタンフォード大学のデザインスクールが脱出ゲームのバスなんて持っているのでしょうか?実は脱出ゲームを体験した後に、その本当の目的があるのです。

多くの脱出ゲームは、制限時間が来れば、脱出成功・失敗に関わらず自動的にゲームが終わりますが、この PUZZLE BUS は終了してからが本番。ゲーム中、バスの中にいたファシリテーターと会話をしながら、バスでの行動を振り返ります。

参加者がどのようなコミュニケーションを取り合っていたのか、どのように協力していたのか、なぜあのときに正しい行動を起こさなかったのか、などについて話し合いながらコミュニケーションスキルを深めていくというプログラムになっていたのです。

d.schoolは、“コミュニケーションスキルを学ぶ”という学術的な目的のために脱出ゲームという遊びを活用しています。

「さあ、今からコミュニケーションスキルについての講義を始めましょう」

これ、普通の授業ですよね。ところが同じことを学んでもらいたいときに、脱出ゲームという遊びの要素を入れてみる、さらにはこんなバスまで作ってみることで、「ちょっと体験してみようかな」という気持ちになるのではないでしょうか?

一見ハードルが高く感じること、一般的に興味が湧きづらいこと、面倒だなと思ってしまうことなどなど。これらのよくある課題に対して、「遊びから入る」というアプローチはとても有効なのです。

ゲーミフィケーションではなく、プレイファーストで。

「遊び」の要素を課題解決に取り入れてみる。

「それって、ゲーミフィケーションでは?」と思われる方も多いでしょう。「ゲーミフィケーション」という言葉が流行してから、もうすでに10年くらいたちましたでしょうか?

皆さん、ゲーミフィケーションにどのようなイメージをお持ちですか?

例えば、漫画のアプリならば、ユーザーが毎日アクセスをしてくれたら、その日数に応じて無料で読めるまんがが増えたり。ランニング用のアプリであれば、走った距離や回数を友達と競わせるようなランキングの機能を入れてみたり。

ゲーミフィケーションとは、そういったソーシャルゲームにあるような要素を取り入れることなのではないかとイメージされる方も多いと思います。

ビジネスにおいて、特に自社サービスからの流出を防ぐために顧客をどうやってサービスにとどめておくか。ランキング制を取り入れて、ユーザー同士を競わせる。ある一定期間サービスを利用し続けることで報酬をもらえるような仕組みを入れる。さらに特別な報酬はもらえる確率を変え、ユーザーの射幸心をあおって、1回の金額は極めて小さくても何回も課金してもらえるようにする。ここ10年、実際にそういったものも多かったと思います。

これらはたしかに「遊び」の要素ではあるのですが、ユーザーが本当に楽しめているかどうかは怪しいところ。目の前の利益を追い求め、短期的に収益を上げるのであれば有効かもしれませんが、長期的に見て、果たしてブランドとしていい印象を与えているのでしょうか?

射幸心をあおるようなやり方を加えて、さも楽しそうに錯覚させるのではなく、「遊びを起点にする」ことで、プロセスそのもの、商品サービスそのものを楽しく、新しくすることができるのではないでしょうか?

そこで私たちは新しいプロジェクトチームを立ち上げることにしました。

「PLAY FIRST」
PLAY FIRST

「遊びから入る」というゲーミフィケーションの新しいアプローチであり、さまざまな課題解決をしていくデザインユニットです。

従来のゲーミフィケーションの手法にとどまらない形で、遊びやゲームの本質を生かし、企業のコミュニケーション領域の課題を解決。さらに、教育分野、エンタテインメントの領域まで、一貫して「遊びから入る」をコンセプトに活動していくことで、遊びを起点としたプランニング、サービスの体系化、研究開発を推進していきます。

まずは「遊びから入る」。

プロ野球選手は、野球と出合ったその瞬間から激しい練習を始めていたのでしょうか?きっとボールを速く投げられた!バットにボールを当てたら前よりも遠くに飛んだ!など、やはり遊びから入っているのではないでしょうか?

もちろん猛練習しなければプロにはなれないのでしょう。しかし、いきなり練習プログラムをやって楽しいと思える人もいないはずです。初めに楽しいと思えないと続かないですよね。

真面目なものに遊びを入れてみるのはどうでしょうか?

例えば「防災訓練」。防災訓練がすごく楽しかったという人は少ないでしょう。訓練ですので真面目に取り組まなければならないため、お世辞にも楽しいとはいえません。しかし、人間悲しきかな、防災訓練は参加した方がいいと頭では分かっているにもかかわらず、別の楽しい用事があれば防災訓練よりも優先しちゃったりします。

であれば、防災訓練も遊びから入ってみてはどうだろうか。避難ばしごやベランダにある蹴破り戸を組み合わせてフィールドアスレチックのようにする。いざというときにちゃんと使えるようになる、そして、日頃の運動不足にもなる。楽しくてためになる。一石二鳥だと思いませんか。 

「遊び」には人と引き付ける強い価値があります。

PLAY FIRSTによって改めて遊びやゲームの持つ力に光が当たり、ポスト・ゲーミフィケーションのコンセプトとして、皆さまのお役に立てればと思っております。

ご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。

お問い合わせフォームはこちら(https://play-first.jp/)です。

PLAY FIRST の主な活動

  • 遊びから入る新規事業支援/新商品開発支援
  • 遊びから入るコンサルテーション
  • 教育プログラム/企業研修の開発・教材化
  • アイディエーションワークショップ
  • 遊びから入るマーケティング・コミュニケーション
  • 遊びの研究およびサービス開発

非課税投資枠を“最大”にする最強の投資法…「つみたてNISA」より「NISA」優先!

 昨年の「老後資金2000万円問題」以降、資産形成に関心を持つ人が増えています。そこに新型コロナウイルスの感染拡大で株価が一時的に急落したことから、若年層を中心に証券会社に口座を開設する人も急増しています。口座開設が急増している背景には、令和2年度の税制改正も影響しているかもしれません。NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金制度)の非課税投資期間などが拡充されているからです。

 各制度の拡充の内容は割愛させていただきますが、迷うのは「NISA」と「つみたてNISA」のどちらを利用したらよいのかです。なぜなら、NISAとつみたてNISAは併用して利用することができないからです。非課税枠を最大限に利用するという前提に立てば、NISAを利用することをお勧めします。

 NISAは2023年で終了が決まっていますが、24年からは「新NISA」に衣替えして5年間延長されます。新NISAの非課税投資枠は年間122万円、5年間では610万円になります。現在のNISAの非課税投資枠は年間120万円。制度が終了する23年まで4年間あることから、NISAを利用した非課税投資は480万円です。24年から新NISAを利用すれば、年間122万円の5年間になることから610万円の非課税投資が可能になります。

 しかし、新NISAは28年で終了する予定ですが、つみたてNISAは42年まで非課税投資期間があります。つまり、29年からつみたてNISAを利用するのです。つみたてNISAの非課税投資枠は年間40万円で変わることはありません。ただ、非課税投資期間が今年度の税制改正で5年間延長されたことにより、29年から非課税投資期間は14年間あることから、非課税投資できる金額は560万円になります。

 すべてを合計すると、

・NISA(480万円)+新NISA(610万円)+つみたてNISA(560万円)=1650万円

の非課税投資を行うことができます。ちなみに、つみたてNISAは5年間延長されたとはいえ、年間非課税投資枠は40万円であることから、今年から初めても非課税投資額は最大920万円にしかなりません。

 幸いにして、つみたてNISAの対象となる商品は、すべてNISAで投資することが可能です。あくまでも非課税投資枠を最大限利用するのであれば、つみたてNISAよりもNISAを優先して利用すべきなのです。

(文=深野康彦/ファイナンシャルリサーチ代表、ファイナンシャルプランナー)

“リモートし過ぎ”で疲れ目には「赤い目薬」を買うべき…買ってはいけない目薬とは?

 中国・武漢由来の新型コロナウイルスが発見されてから、どこでもリモートで画面を見ることが増えてきました。テレビをつけても「リモート」の画質が悪い映像を見ることになり、仕事においても「リモート」で会議をすることが出てきています。薬局でも「リモート」で服薬指導を行っていいことになっていますが、残念ながら私が勤務している薬局には設備がないので行ったことはありません。今後はこうした設備も薬局の課題となることでしょう。

 薬剤師は知識を更新するために研修を受けるのですが、オンライン研修ばかりです。生身の人間を見ている時と違って、画面の人間を見ていると目が疲れます。人間を見ているようでも実際に見ているのは「画面」ですから。かくいう私もコロナウイルスが流行する前とはいえオンライン研修の講座を撮影していたので、自粛中にたまたま私の映像を視聴して目が疲れた方もいることでしょう。

疲れ目の原因は毛様体筋の緊張

 目の中に「毛様体筋」という筋肉があります。これはレンズの厚みを変えるための筋肉です。近くを見る時はこの筋肉が緊張します。そうすると筋肉がレンズを引っ張ります。その結果レンズは厚くなり、焦点を近くに合わせることができます。一方、遠くを見る時は毛様体筋が緩みます。そうすると引っ張る力がないので、レンズは薄くしぼみ、遠くに焦点を合わせることができます。

 しかし、パソコンの画面を見る時は30cmくらいの近距離で見続けることになります。生身の人間で30cmの距離に顔があると、よほど親しい人でない限り拒否反応を示すでしょう。しかし、パソコンの画面では30cmでも気持ち悪くならないですし、スマホに至っては5cmくらいの距離で画面を見ることになります。近くを見るためには、それだけ毛様体筋は緊張し続けます。目の筋肉は意識して休ませられないので、そこに画面がある限りずっと緊張を続けて疲れてしまいます。

疲れ目対策

 厚生労働省は2019年7月に「情報機器作業における労働衛生管理のガイドライン」を策定しました。これは旧ガイドラインを大幅に見直して新しいガイドラインとしてつくられたものです。

・1日の連続作業が長時間にならないようにする

・一連の作業が1時間を超えないようにする

・その作業中に小休止を1~2回入れる

・さらに次の作業に移る時は10分~15分の休憩を入れる

・画面と目の距離は40cm以上空ける

 ほかにも健康診断の実施など細かい規定はたくさんあります。人間の集中力は1時間、どんなにがんばっても2時間で切れてしまうので、1時間作業をして10~15分休むというのは理にかなっています。

ビタミンを取ることが疲れ目に有用

 ビタミンB12は赤い色をしているので「赤いビタミン」と呼ばれています。通常の食生活で不足することはあまりないので、ビタミンCのように強く推奨することはありません。そのため知らない人が多いと思います。

 しかし、画面を見ることが増えている現在は必要な量が増えているので、相対的に不足しがちです。ビタミンB1、B6と協力して神経の伝達を正常化する働きがあります。ビタミンB1は神経にエネルギーを与える、B6は神経伝達物質をつくる、B12は神経を修復する、といった働きがあります。これら3つのビタミンが助け合って神経を正常に保っています。目の神経の働きが鈍ると、情報伝達が鈍るので脳は見えていないと判断して視力が低下します。

 よってビタミンB1、B6、B12の3つの成分が入っているビタミン剤が医薬品として発売されています。「アリナミン」をはじめ各社発売されているので、みなさんもお世話になっているかもしれません。

 ビタミンAも目には大切なビタミンです。網膜に「ロドプシン」という物質があり、これが光情報を受け取っています。ロドプシンはレチナールとそれを支えるアポ蛋白質からできています。レチナールはビタミンAを原料にしてつくられるので、ビタミンAが不足するとレチナールが不足してしまいます。ビタミンAは脂溶性ビタミンで蓄積できるので、大量に取ると副作用が出やすくなります。そのためβ-カロテンのかたちで飲んでおくと、必要に応じて体が勝手にビタミンAに変換してくれるので、副作用の心配はなくなります。

 目薬も効果的です。ビタミンB12は毛様体筋に働きます。直接筋肉にも働きますし、毛様体筋を動かすための神経にも働きます。この神経の修復をしてくれるのでスムーズに筋肉へ指令が伝わります。ビタミンB12は「赤いビタミン」ですから、赤い色の目薬を買えばよいです。

 しかし、注意しなくてはならないことがあります。ビタミン以外の成分、たとえば充血を抑える目的で「塩酸テトラヒドロゾリン」を加えている目薬があります。疲れ目だけでしたら、この成分は不要です。目の血管を収縮させる効果があるのですが、不必要に収縮させると反動でさらに血管を広げてしまいます。血管が広がると充血の症状が表れます。疲れ目で使っているはずが、充血がひどくなるといったことになりかねません。

「ソフトサンティアひとみストレッチ」は血管収縮成分が配合されていませんし、さらに防腐剤もないので目にやさしく、かつしっかりと疲れ目を取ってくれる薬です。

(文=小谷寿美子/薬剤師)

岩田明子も参加 NHK政治部の「フェイスシールドで鍋」宴会を企画した「政治部長」は安倍政権批判を潰してきた官邸の代弁者

 安倍内閣の支持率はどんどん低下しているのに、むしろ政権忖度は強化されている感のあるNHKの政治報道。新型コロナ対応でも、持続化給付金などの政権の失態をほとんど取り上げず、『日曜討論』では約1カ月にわたって野党を出席させないなどの露骨な政権擁護姿勢を見せ、大きな批判を浴びた...

パチンコ新台『P真・牙狼』リベンジを確信!?「一新したスピード」「遊タイム・突然時短」を搭載の帝王が降臨!!

 各メーカーより看板機種の最新作が発表されているパチンコ。『北斗無双』や『ルパン三世』など、大物シリーズが始動しファンの期待は日に日に高まっているが…。

 そのような状況下、爆裂ブームを牽引した『牙狼』シリーズ最新作へ熱視線が注がれている。演出やスペックなどを一新した「帝王」が、間もなくホールへ降臨だ。

 サンセイR&Dは、ファンから注目を集めていたパチンコ新機種『P真・牙狼』のリリースを発表。HP上で製品情報が公開され、大きな反響が寄せられている。

■大当たり確率:1/319.68→1/73.63
■賞球:3&1&15
■カウント:10C
■ラウンド数:2Ror3Ror10R
■ST回数:130回
■ST突入率:50%
■トータル継続率:約84%
■電サポ回数:50回(通常時短)・900回(突然時短)、1200回(遊タイム)
■遊タイム突入条件:通常時900回消化
■突然時短確率:1/89.04 ※主に真ガロバト中に抽選

〇〇〇

 新機能「遊タイム」搭載のV-STタイプ。遊タイムは通常時900回転消化で時短1200回が発動する。

 初当り時の50%で突入するSTのトータル継続率は約84%と強力(継続率83.1%と時短2100回引き戻し率99.8%の合算値)。右打ち中は70%が最高出玉と、『牙狼』らしさを感じることはできそうだ。

 ST中は変動時間を短縮しスピードを強化。ストレスのない爽快な遊技を堪能できるだろう。また、右打ち終了直後には残保留4回限定の引き戻しゾーン「真ガロパト」へ移行。ここでは大当りだけではなく、突然時短も同時に抽選される。残保留4回転のトータル期待度は約1/17。当選すれば時短900回へ突入だ。

「新解釈基準に対応した時短を駆使した仕上がりと言えるでしょう。特に注目したいのは突然時短。引くことができれば、2100回転の時短が濃厚という強力なシステムですね。スルー後にも期待できる点は魅力だと思います。

シリーズの特徴である“出玉力”は弱まっている印象ですが、スピード面を追求した点を好むユーザーは多いのではないでしょうか。『P牙狼冴島鋼牙XX』は強力な出玉を誇ったものの、スピードに批判が集中しましたから…。

総合的には好評を得られそうな仕上がりではないでしょうか。前作よりもスペックのバランスは良いと思いますし、間違いなく大きな反響を得られると思いますね」(パチンコ記者)

 通常時の主要演出も一新。スペックとスピードも進化した印象の『牙狼』が、帝王の名に相応しい快進撃を見せるのだろうか。新機種『P真・牙狼』の導入は10月5日を予定している。

行政処分のGLAY・TERU、過去にも航空会社にクレーム、知人男性の下半身を生配信

 1990年代から2000年代初頭にかけて爆発的な人気を誇り、現在も大御所ロックバンドとして精力的に活動を続けるGLAY。そのフロントマンであるTERUの発言に注目が集まっている。

 TERUは19日、SNSのTwitterで自身のアカウントを更新。今月の12日にYouTubeのGLAY公式チャンネルにて公開された『GLAY野外無観客ライブ in 函館・恵山』という動画について、意見を求めるコメントを発した。

「この動画は、北海道函館市の自然公園で行われた無観客ライブの様子を撮影したものでしたが、許可を得ずにステージを設置していた疑いがあるとして、北海道がこの動画の制作会社に対し行政指導する方針であることが18日に明らかにされていました。

 TERUはこの動画について、【北海道庁からご指摘頂いた『無許可』で製作会社が行政指導を受けるのであれば、恵山でのライブ映像の配信は不適切な映像として停止すべきだと思うのですが、どうなんでしょうか? このまま配信してても良いものなのでしょうか?】と投稿。当事者のアーティスト本人がTwitterで『どうなんでしょうか?』と公然と対応策への問いを投げかける……という能天気ぶりに、呆れる声が上がっていたのです。

 さらにTERUはその1時間後、『北海道庁に確認を取ってもらいますね』とTwitterに投稿、今回行政指導をすると表明した北海道庁に直接問い合わせる意向を示し、さらなる失笑を買っていましたね」(芸能ライター)

「商品としてちゃんと届けられるようなクオリティ」に自らミソを付けてしまった

 19日夕刻現在、この動画はいまだ配信され視聴が可能となっている。また、FNNプライムオンライン19日午後の報道によればGLAYの所属事務所ラバーソウルは、「制作会社は、北海道側にドローンの撮影許可を受けに行った際、ステージの設置についても伝えたが、必要な手続きについて説明がなく、問題はないと思い、書類を提出しなかった。認識の相違があった」とコメントした模様だ。

 対してファンの側の認識はどうなのか。

 この件についてTERUのTwitter投稿へのリツイートでは、「消さないでほしい」「可能な限り残しておいてほしい」などファンと思しき人々からの声が殺到。一方で、「とりあえず消したほうがいいに決まってる」「正式な許可が下りるまでは公開するべきではない」などといった声も散見された。

「そもそもこのライブ動画は、同じく12日に発売されたバンドGLAY通算56枚目のシングル『G4・2020』に合わせたもの。TERUは、13日にGLAYの公式サイト上に掲載された同シングル発売に寄せたインタビューのなかで、配信ライブを行う際のポリシーについて問われた際、無料で音楽を届けることについては否定的であることを表明。

『商品としてちゃんと届けられるようなクオリティを保って、お金を発生させることを意識していますね』としていました。今回のYouTubeの動画は19日時点で47万回以上再生されているため、ある程度の広告収入は見込めるにせよ、許可取りという初歩的なミスによって、このインタビューでいうところの“クオリティ”にミソを付ける自体となったのは、なんとも皮肉な話ですね」(同・芸能ライター)

航空会社にクレーム、知人男性の下半身を意図せず露出……SNSで失敗続きのTERU

 今回の件では、TERU自身にも批判が集まっているのは前述の通り。

「いい年して、問題の起きた動画の公開の可否をネットで聞くのはちょっとどうかと思う」「一般常識や社会通念に照らし合わせて考えればわかることなのでは?」等々の声が多いのだが、これに対して前出の芸能ライターは以下のように続ける。

「実はTERUは、こうした少し“天然”気味のコメントが多いことでも知られているんです。2019年1月には、自身が搭乗予定となっていた飛行機が除雪などの理由で遅延したことについて、『どんな理由があるのか? 理解できないが』『ちゃんとアナウンスしてくれないのは困る』などとTwitterで発言。『クレーマーのようだ』『怒っても仕方がないことだろう』などの批判を浴びていました。

 さらに翌2月には、自身のインスタグラムのライブ機能を使って知人男性の入浴シーンを配信したものの、下腹部が丸見えとなってしまう事態に。この際にもかなりの批判が集中していましたね。こうした件を今回の問題と絡めて、『TERUはSNSを始めたことでがっかりさせられた芸能人のひとり』『やはりTERUにTwitterで喋らせるのは悪手だな』という声もネットでは見られます」(同・芸能ライター)

 過去の発言から、一部からは“炎上キャラ”認定されている模様のTERU。ファンから見ればそれも“ご愛嬌”のひとつなのかもしれないが、ことが「行政指導」というおおごととなってしまった以上、それだけで済む問題とはならなかったようである。

(文=編集部)

白石麻衣、YouTube参入にファン歓喜…一方で卒業ライブが動画配信になるとの観測も

 乃木坂46の現役メンバーでは初めて、白石麻衣が公式YouTubeチャンネルを開設した。第1回目の配信は、自身の28歳の誕生日である8月20日の午後9時に実施する。

 活動初日の登録者数の記録としては、嵐が約43万人、佐藤健が約40万人といわれているが、白石は19日20時の時点で38万人を超えており、開始までに上記2組に並ぶ、もしくは超えてくる可能性もある。本田翼がYouTubeデビューした際には1日で約27万人が登録したと報じられているが、白石はそれをはるかに上回っている。

 また、白石は今年1月にグループからの卒業を発表し、5月に卒業ライブを開催する予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて中止となり、卒業も延期となった。そのためファンの間では、卒業公演自体が行われなくなるのではないか、といった懸念も上がっていたが、ここにきてYouTubeチャンネルが開設されたことから、卒業公演が動画配信で行われるとの見方が広まってきた。

 乃木坂46の公式サイトでは「白石麻衣がYouTubeチャンネルを開設致しました!」と宣伝するとともに、「記念すべき第1回目の配信は、自身の誕生日となる8月20日に生配信として実施致します。また、延期になっていた卒業ライブに関しての情報を20日の番組内にて発表する予定です」と予告している。

 白石自身も「配信の中では、今後このチャンネルでやってみたいことなどをお話ししたり、卒業コンサートについても、お知らせできたらなと思っています。皆さん是非遊びに来てくださいね!」とのメッセージを出している。

 白石のYouTubeチャンネル開設にファンからは歓喜の声が相次いでいる。乃木坂の卒業生では生駒里奈や井上小百合らがチャンネル開設しているが、人気の高かった生駒ですら、登録者数は15万人にとどまっている。長年、乃木坂の顔としてチームを引っ張ってきた“レジェンド”ともいえる白石は、やはり段違いの注目度となっている。

なぜ芸能人が続々とYouTubeに参入しているのか

 それにしても今年は、芸能人のYouTubeデビューが相次いでいる。カジサック(梶原雄太)や中田敦彦(オリエンタルラジオ)の成功が火付け役になったとみられているが、江頭2:50、宮迫博之(雨上がり決死隊)が驚異的な速さで登録者数100万人と突破したことで、お笑い芸人を中心にYouTubeで稼ごうという動きが加速した。

 YouTubeには後ろ向きといわれていた石橋貴明(とんねるず)も6月にチャンネルを開設し、ファンから高い評価を得ている。

 そして白石と同じく20日には、松村邦洋がユーチューバーとしてデビューすると宣告。「番組を終えた瞬間に逮捕されるような、そういうくらいの番組が一番いいですね」と語り、過激な展開をもくろんでいることを示唆した。

 こうした芸能人ユーチューバーが急速に増えている理由として、テレビ界の事情とYouTube界の事情の両方が合わさっていると芸能記者は語る。

「テレビは今、コロナ禍にあって番組制作が思うようにできなくなっています。そのため、ロケなどに出ずにスタジオで簡単につくれるお笑い番組が増えています。しかし、今年は“第7世代”といわれる一部のお笑い芸人ばかりが重宝され、それ以外の芸人やタレントはテレビに出演する機会が激減しています。そのため、テレビに出る機会を求めてYouTubeに参入する若手が多くなっています。また、規制が多くなり自由度が下がったテレビ業界に嫌気したベテラン芸人たちも、自分のやりたいことができるとしてYouTubeやネット配信に活路を求める傾向があります。

 また、YouTubeは3月頃に広告単価が大幅に下がりましたが、今はかなり回復しました。しかも、ファンを多く獲得できる芸能人がYouTubeに進出する際には、一般人に比べて高い単価で収益化できるようになったといわれています。通常、収益化のためにはチャンネル登録者1000人以上が条件で、そこから収益化を申請し、審査を経て数カ月後に収入を得られるようになります。しかし、芸能人はそれより圧倒的に有利な条件で参入できるようにYouTube側で改定があったといわれています」

 チャンネル登録者数が収入に直結するわけではないが、動画が10万回程度再生されれば、数万円の利益が出る。それを月に10~20本上げれば、それなりに生活費は稼げる。しかも、ある程度ファンを獲得できていれば、企業が商品紹介などを依頼してくるようになる。人気があるユーチューバーの場合、企業案件1社あたり数百万円に上るという。

 このような事情から、YouTubeへ参入する芸能人が増えているのだ。テレビとYouTubeを両立することも難しくはないため、芸能人がYouTubeに参入する傾向は今後さらに加速していくことだろう。

(文=編集部)