会社は、人と人とが「会う社」。オフィスは、会社を表す「表紙」

お互いの距離は離れていても、テクノロジーを上手に使うことで、今までよりも近くに感じられる。ちょっとした発想の転換で、まったく新たなつながりが生まれる。新型コロナをきっかけにして始まりつつある新しいライフスタイルは「リモコンライフ」(Remote Connection Life)といえるものなのかもしれません。リモコンライフは、Remote Communication Lifeであり、Remote Comfortable Lifeも生み出していく。そうした離れながらつながっていくライフスタイルの「未来図」を、雑誌の編集長と電通のクリエイターが一緒に考えていく本連載。
7回目は「BRUTUS」の編集長・西田善太さんに伺いました。


<目次>
【リモコンライフストーリー#07 アイデアがあふれる場所】
現場には、リモートでは得られない「発見」がある
オフィスは、会社を象徴する「表紙」
家が「仕事場」になる時、建築家のデザイン力がものを言う
都市圏にある機能を、ローカルに持っていくとしたら? 
新しい街の、新しい楽しみ方
これからの時代、雑誌の強さとは?
今、必要なのは「平衡感覚」

 

【リモコンライフストーリー#07 アイデアがあふれる場所】

(ノザワ トモキ/金融会社勤務/44歳の場合)

世の中の多くの会社でリモートワークが推奨されると、都心のオフィスが「仕事場」としての役割を失い、代わりに住宅が「仕事場」として使われるようになる、と西田編集長は言います。このことが、オフィスそのものの意味や住宅のあり方、街のつくり方にどんな影響を与えるのか?西田編集長の示唆をもとに、ちょっとしたストーリーにまとめてみました。 

野澤友宏(電通1CRP局)

リモコンライフ イラスト
イラストレーション: 瓜生 太郎


──新しいアイデアが出にくくなった。会社全体で在宅ワークが基本になり半年がたったあたりから、社内でそんな話が聞こえるようになった。トモキ自身、会議室よりもリモートの方が活発な意見交換ができている実感はあったが、なんというか、「余計なこと」を言いにくくなったようにも感じていた。その場に必要なことは言いやすくなっているのだが、まだまとまっていない考えやふとした思いつき、ちょっとした愚痴や不平不満などは「今でなくてもいっか」と飲み込んでしまう。リモート会議で活用できるブレストツールも開発されているし、週イチで「リモート雑談会」などを試みてはきたのだが、トモキの「商品企画部」に限っては、これといった成果を出せていなかった。

そんな思いはメンバー8人全員に共通するものだったのだろう。「毎週金曜日を『出社日』にしようと思うんだが」と、リモート雑談会でトモキが提案してみたときも、特に反対するメンバーはいなかった。「ただし、打ち合わせや会議の予定を入れないこと」チームリーダーから出た意外なルールにメンバーたちは戸惑っていたが、やってみてすぐにその狙いを理解した。やり残している仕事を一人で仕上げてもよし、何かを集中して考える時間をとってもよし。ただ、メンバーが一番ありがたく思ったのは、思い立ったらすぐに話ができること、お互いに「ちょっといいですか?」と気軽に聞き合える環境があることだった。

「出社日」は、まず、チーム全員で1時間ほど「雑談」をする。仕事で気づいたこと、課題に思っていることをお互いに話し合う。最近家族で行った場所など、別に仕事に限らなくてもいい。メンバーの中に車椅子を利用する女性が2人いるので、場所選びは彼女たちに任せている。天気のいい日は日比谷公園まで足を延ばすこともあるが、会社からほど近いカフェのテラス席が定番となりつつあった。

「来週の金曜日は、うちでアイデア出しをしませんか?」朝の雑談会のネタも尽きようとしていた時、ヤマシタナオトから意外な言葉が飛び出した。「え?うち?」とトモキは思わず聞き返した。「うちって自宅ってこと?」「はい」と威勢よく返事をするヤマシタに、チームメンバー6人が質問を畳み掛ける。「場所はどこですか?」「私たち全員入れるんですか?」「え?そんなに広いの?」終わりかけていた雑談会が一気に息を吹き返す。トモキは思いがけない延長戦に備えて、コーヒーのお代わりを注文した。

ヤマシタの話では、もともとリフォームをする計画ではあったのだが、夫婦で在宅ワークとなったことをきっかけに家の中にワークスペースをつくったのだという。設計を担当するデザイナーさんからの提案で、玄関から入った1階部分をいわゆる土間にして、8人掛けの長いテーブルと本棚を設置。夫婦が2人ゆったりと仕事をするには十分だ。

「広さ的には大したことはないんです」とヤマシタがノートに間取り図を描いた。「ほんと玄関に毛が生えたくらいのもんで、妻と『玄関オフィス』って呼んでるくらいです」「マジで羨ましい」とメンバー最年長であるサワダマコトが口を尖らせた。「うちなんか、カミさんと小さいダイニングテーブルで向かい合って仕事することも多いんで、マジツラいですよ」トモキも「うちだって似たようなもんですよ」と言って笑った。

「車椅子でも大丈夫なんですか?」とオカムラサトミが車椅子から身を乗り出して聞いた。「全然、大丈夫です」とヤマシタがオカムラに屈託のない笑顔を向ける。「っていうか、むしろ週末は車椅子の方が多いくらいです」週末になれば「玄関オフィス」改めちょっとしたコミュニティースペースになるようで、小学生になる子どもたちが友達を連れてきたり、町内会の会合を開いたり。最近では、妻が近所の子どもを集めて書道教室を始めたのだという。駅からも近く、車椅子でも気軽に入れるということで、むしろ町の公民館より重宝されているようだった。

「中には、本当に町内の施設だと思っている人もいるみたいです」と言って笑うヤマシタに、メンバーからさらなる質問が浴びせられる。「ホワイトボードはありますか?」「壁全体がホワイトボードになっているから大丈夫です」「泊まれたりもするんですか?」「土間で寝てくれるなら、いくらでも泊まってってください」「アイデアを持ち寄るついでに、お菓子も持ち寄った方がいいですよね」「あはは、いいですね」いちばん若手のクマモトシンヤがボソッと口を開いた。「そういう拠点が全国にいくつもあったら、アイデア出しのたびに旅ができていいですね……」──なるほど、それは楽しいかも……。

メンバー全員の頭の中に、新しいアイデアのタネがまかれた。「それ、『アイデアツーリズム』なんて名前で企業に売れるかもしれませんね」とサワダが早くも食いついた。「リモートになって困っている会社たくさんあるみたいだし」「いいですね」と言ってヤマシタも大きな声で言った。「うちを設計してくれたデザイナーも巻き込みましょう」「だったら、温泉が近くにあったりするといいですよね」とオカムラも負けずに提案する。「だってアイデアが出やすいのはお風呂とトイレっていうじゃないですか」各メンバーが思い思いにアイデアをぶつけ合う。トモキは思いがけず始まったアイデア出しに備えて、またコーヒーのお代わりを注文した。

(このストーリーはフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません)

 

現場には、リモートでは得られない「発見」がある

上記の「リモコンライフストーリー」のヒントにさせていただいた「BRUTUS」編集長・西田善太さんのインタビュー内容を、ぜひご覧ください。

リモート取材に応じていただいたBRUTUS 西田編集長(下段は、電通の「リモコンライフ」チームメンバー)
リモート取材に応じていただいたBRUTUS 西田編集長(下段は、電通の「リモコンライフ」チームメンバー)

コロナ禍の中でいちばん実感しているのは、自分が意外に仕事してたんだなってこと(笑)。というのも、編集長ってキャッチャーみたいなもの、一人だけチームと逆の方向を見てる。つねに編集部全員を見渡しながら、一人一人の動きを見たり、必要ならば声をかけたり、細かい作業をたくさんしているんですね。リモートになるとそういう細かな作業が一切できなくなる。普段、編集長として処理している、その情報量のすごさを改めて実感しました。

雑誌は「発見のメディア」で、ウェブは「検索のメディア」なんです。検索ワードを知っている人にとってはウェブほど便利なものはない。仕事の感覚で言うと、リモートの仕事は「検索の仕事」に近い。何ができるかを分かっている人に仕事を頼んで、想定したものが返ってくる感じ。反対に、現場でやる仕事は「発見の仕事」で、思いもよらない情報や意外なことがたくさん出てくる。本や雑誌というパッケージメディアを作るのに、現場は必要だし「発見」は欠かせない。僕自身は、リモートだけで済ませるよりも「みんなで距離をとって会う」ことを大事にしていきたいですね。

オフィスは、会社を象徴する「表紙」

世の中はリモートワーク推奨の流れになっているけれど、テック系の企業は意外に「会社に行く」っていうスタンスも根強いと聞きました。人と人が直接会うというリアルな場所があることで、アイデアが生まれると信じている企業はたくさんある。バーチャルなIT系とかテック系こそ、マッスな重量を持った建築物とか環境とかの存在感が必要だったりするんじゃないでしょうか。「もう都心のオフィスはいらないんじゃないか」という議論も出てきていますが、会社の場所とかビルの形って本当はすごく大切にした方がいい。会社から「場所性」を消すのは、本から「表紙」をはぐようなもんです(笑)。

家が「仕事場」になる時、建築家のデザイン力がものを言う

コロナによっていちばん変わるのは、「距離感」です。特に、「家での距離感」がこれから大きく変わろうとしています。今まで日本の住宅って、仕事とプライベートの距離をとってこなかったんですね。急に家で仕事することになっても、ちゃんとしたデスクがなくて腰を痛める人いっぱいいるでしょう?(笑)雑誌「新建築・住宅特集」の編集長は、僕が「Casa BRUTUS」の建築担当だった頃からのネタ元なんですが(笑)、彼女から「家での距離感」の問題を解決できる建築家やデザイナーが注目を集めるようになるという話を聞いて「たしかに!」と思ったんです。

例えば、ある編集者の住宅で、玄関を入ると土間になっていて、そこに小さなデスクスペースと本棚が造り付けてある家があるんですね。日本の民家で、土間はある種の「ワークスペース」で、炊事場や農作業をしていた場所。それを今の建築家たちは再解釈して、そこに仕事場を置いてみた。家が「住む場所」に加えて「働く場所」にもなると、これまでの住宅の間取りの型ではどうにも解決できなくて、建築家のデザイン力が大いに求められる。リモートワークをきっかけに、今後、住宅建築がとても面白い動きを見せるかもしれません。

都市圏にある機能を、ローカルに持っていくとしたら? 

あともう一つ大きな変化としては、住宅地で過ごすことが長くなったとき、都心にある機能をローカルに持ってくる必要が出てくることですね。日本を代表する建築事務所「アトリエ・ワン」の塚本由晴さんが、これから可能性があるのは、大規模なホールとか市役所とか施設的な建築ではなく、型としては住宅サイズでありながら、一つの家族だけの住まいでもなく、公共施設でもないような建築だ、ということを言っています。

それは、本来住宅の中にあった機能を全部外へ丸投げしたのが今の閉鎖的な住宅地と高層化したオフィス街の姿で、それをもう一度住宅の中に取り戻そうという指摘です。その流れで、例えば、百貨店とか量販店という機能を細かく振り分けて住宅地に分散していくとしたらどうなるか……。そういうことを考えることは新しい街づくりのきっかけになると思います。この考え方は、建築だけじゃなくてオフィスや街全体のさまざまなところに影響していくでしょうね。

新しい街の、新しい楽しみ方

街の楽しみ方として、明らかに変わることがあります。ひとつは、時間の感覚が変わったこと。というのは、飲み始める時間が早くなったので「ずいぶん飲んだし、さあ帰ろうか」となっても「え、まだ10時?」ということが増えましたね。海外に旅行したような気分というか。家で1本映画を見られるぐらいの時間にちゃんと解散ができるようになったという意味では、やっと真っ当になるのかもしれませんね、われわれの生活が(笑)。

もうひとつは、「いい店」があるからその街に行くんじゃなくて、「いい街」だから遊びに行くという感覚。今に始まったことではないんですが、「そこに行けばどの時間帯でも遊べる」という街の受け皿がどんどんできていくという意味で、今の清澄とか幡ケ谷は最高に面白いです。ホントにローカルとかエリアというものの面白さを再認識していますし、街が生まれていくプロセスをつぶさに見ることは僕にとってもっともっと大事になっていく気がしています。

これからの時代、雑誌の強さとは?

雑誌は、確かに「紙」でできているんですが、なにがなんでも「紙媒体を読んでくれ」って思ってるんじゃなくて 、「紙」で作る手法を採用しているだけだと思っています。ウェブでネタを発信するときと違って、雑誌にはストーリーがあるんです。「パッケージ」としての面白さが常に試されている。ウェブのコンテンツ制作よりも、一手間二手間多い仕事なんですよ。

雑誌っていうのは手に取ることができるモノとしてあるので、デジタルよりも「存在」の強さは明らかにあります。 普通、流行をつくろうと思ってもつくれるものではないんですが、雑誌の場合、「こうなると面白いよね」というのを仮に決めて、数ある情報をパッケージにして置くと、思っていたように世の中が引っ張れるときがある。それがパッケージメディアの強さなんですね。記事一つで現象が変わることはないけど、特集はときに現象を残すんです。 

今、必要なのは「平衡感覚」

今は、多くのメディアが一つ一つのニュースに一喜一憂したり、あれやこれや未来を予言してみたり、デジタルシフトを大げさに言ってみたりしてますが、「人々の平衡感覚をもうちょっと信じなよ」って思いますね。今後、何よりも大事になってくるのは「平衡感覚」。いや応なく変化するものを受け入れつつも、揺り戻しがきっと起こっていくはずです。

震災の時も含めて、人間はいつも変わるものと変わらないもののバランスを取ろうとするもので、極端に「コロナを経て変化する」というのはそう多くないはず。もちろんコロナをきっかけに変わった方がいいものもありますけど、人にとって大事なことは意外に変わらないんじゃないでしょうか。


【リモコンライフチームメンバーより】

西田編集長のお話の中から見えてきた、
リモコンライフをより楽しむためのキーワードはこちらです。

◉オフィスのキャンパス化 
◉ブレスト専用オフィス
◉ドメスティックディスタンス 
◉職住近接/職住密接
◉土間オフィス 
◉脱施設化 
◉都市機能の地方分散

新型コロナウイルスで、私たちのライフスタイルはどう変わるのか──人々の暮らしの中にまぎれたささいな変化や日々の心の変化に目を向け、身近な “新常態”を未来予測し、新たな価値創造を目指したい。この連載では「リモコンライフ」という切り口で、その可能性を探っていきます。

朝日新聞を揺るがす「吉田証言&慰安婦報道」の真相…虚偽認定に30年以上かかった理由

 朝日新聞編集委員の北野隆一氏は9月2日、日韓記者・市民セミナーで「朝日新聞の慰安婦報道と裁判」というテーマで講演を行った。8月に『朝日新聞の慰安婦報道と裁判』(朝日新聞出版)を上梓した北野氏は、朝日新聞の慰安婦報道をめぐる訴訟、慰安婦問題の論点、国際社会への影響について語った。

 セミナー終了後は質疑応答が行われ、前編では、安倍晋三政権の対韓政策の総括や次期首相就任が濃厚な菅義偉官房長官の外交政策などについてお伝えした。

 今回は、吉田証言と慰安婦報道についての部分をお伝えする。旧日本軍が慰安婦を強制連行したという吉田清治(故人)の証言について、朝日新聞は2014年に虚偽であることを認め、関連記事16本を取り消した。波紋を呼んだ一連の騒動は、なぜ起きたのか。

記者の証言とアリバイ

――吉田証言に関する記事はどういう過程で執筆され、掲載されたのでしょうか。

北野隆一氏(以下、北野) それはよくわかりません。朝日新聞社の吉田証言に関する慰安婦報道の検証に、私が携わらなかったこともあります。もうひとつは、情けない話なのですが、吉田清治が強制連行したとする証言を最初に報じた記事「朝鮮の女性 私も連行」(1982年9月2日付大阪本社朝刊)の執筆者を、現在に至るまで特定できていません。

 最初は、この人だろうと想定して、会って話を聞いたところ、「確かに私が書いた」との証言を得られました。ところが、いろいろと調べていくうちに、この記者は韓国に行っていてアリバイがあり、記事を書いていないことが明らかになったのです。では、別の方かと調べていくと「そうかもしれないなぁ。よく覚えていないが」という証言もありましたが、最終的に調べると、この記者でもなかったのです。

 この記事を執筆されたと目された記者は、後に大変な攻撃を受けました。ただし、最初に有力視された記者は吉田清治を取り上げた記事を署名入りで書いているため、吉田証言を取り上げています。

 記事を執筆した経緯についても、細かい記録が残っていません。その日その日で流れていく新聞作成作業の中で、どういうプロセスで執筆したかについては、朝日新聞社第三者委員会で証言をもとに掘り下げ、いろいろと特定する作業をしなければなりませんでしたが、30年以上前の話でしたので、もどかしい思いもありました。

 ただ、後輩として言わせてもらえば、後から証言の危うさがあれば、そのときにきっちり収めてほしかった。確かにそのときはわからなかったかもしれないですが、歴史家の秦郁彦さんから92年当時に「吉田氏は相手にしない方がいい」と指摘されたときに、実際に相手にしない方が良かったのです。吉田証言の虚偽がじわじわと効いて30年後にとてつもなく大きくなり、朝日新聞の屋台骨を揺るがす事態になった。

 基本的に報道はやりっぱなしが多いのですが、後から検証し、後始末をする立場になってみると、ないものねだりではありますが、そのときの担当者がきちんとチェックしてほしかったという思いはあります。

――吉田証言の検証についての流れを教えてください。

北野 朝日新聞は吉田証言について16回報道しています。秦氏から「相手にしない方がいい」という指摘を受けた5年後の97年に、証言について「真偽は確認できない」と検証しました。2014年の特集記事で「証言は虚偽」と判断し、記事を取り消しました。実は、1997年の検証経緯でも「証言は虚偽であり、訂正まではいかないにしても、吉田証言を取り上げたのは誤りだった」という議論があったことも、朝日新聞社第三者委員会の検証で明らかになっています。

 ただ、その97年の検証記事には参画していませんが、後の北朝鮮報道検証記事も行った際、参画しています。拉致問題について朝日新聞社は冷淡だったのではないか、50年代から84年にかけて行われた北朝鮮帰還事業に伴う北朝鮮報道に問題があったのではないか、という批判にこたえるために行いました。

 いずれも90年代から2000年代にかけて行い、記事については見開き2ページを使い、当時の報道とその誤りや時代背景について執筆しました。97年の検証や北朝鮮記事の検証については、当時はツイッターなどのSNSもなく、それほど大きな反響はありませんでした。

 しかし、朝日新聞の慰安婦報道や北朝鮮報道はおかしいのではないか、という批判も相変わらずくすぶっていました。朝日新聞としてはおおむね批判にこたえられたと考えていましたが、日本社会もネットが普及して大きく変わり、朝日新聞社の批判が盛り上がり、従来通りの対応で対処しようと試みましたが、それがうまくいかなかったと考えています。

放置できなくなった慰安婦問題

――朝日新聞の吉田証言の掲載が1982年、それから10年を経て、秦氏が吉田証言の真偽について疑義を申し立てましたが、この10年間、何か動きはあったのでしょうか。

北野 日本社会としても、慰安婦問題を放置できなくなったのだと思います。91年暮れに、金学順(キム・ハクスン)と匿名の元慰安婦が日本政府を相手取って東京地裁に訴訟を起こし、国内外でそれなりに報じられました。

 また、朝日新聞が翌92年1月11日の朝刊1面で「慰安所 軍関与示す資料」と報じました。これは、吉見義明・中央大学教授(当時)の研究結果です。宮沢喜一首相(当時)が訪韓する直前の報道で、結果的に宮沢首相は謝罪に追い込まれました。

 これについて、保守派からは慰安婦問題を放置することはできないという考えが起き、西岡力・麗澤大学客員教授らが保守系新聞や論壇で慰安婦問題で疑わしい事項を指摘し、吉田証言についても疑義が提起され、同年に朝日新聞社も「真偽は確認できない」と検証しています。

 それまでは、日本政府も保守派も、それほど対処すべき事項と考えてはいなかったのではないかと受け止めています。

(構成=長井雄一朗/ライター)

オンライン授業の普及で早稲田大学eスクールに脚光…花園大学の“つぶやき授業”とは?

 新型コロナが生んだ教育問題として、2つの大きなテーマが話題になった。9月(秋)入学とオンライン授業である。

 結果的には反対論が多く、9月入学は頓挫。一方、オンライン授業は学校現場でさまざまな試みがなされ、今後のトレンドになりそうだ。小学校では、登校拒否や今までの教室授業になじめない生徒がオンライン授業で学習内容に関心が高まり、積極性が生まれている、という事例が報告されている。

 オンライン授業といっても、教員が授業動画や教材などを事前に用意しておき、それに生徒がアクセスして、オンライン上でコメントしたり課題を提出したりする非同期型というものがある。学校サイドにとって低コストで、生徒も時間を選べるという利点がある。

 ところが、コロナ禍では双方向性のオンライン授業が話題になった。多くは、リアルタイムで行うライブ(同期型)授業だ。学生は自宅などで同じ時間に参加し、インターネットで実際の授業のように質問したり、自分の意見を発表できることが多い。時には、グループ討論も可能となる。開講日や日時は決まっているので、実際の教室で授業を受けているような感覚になると言われる。ただ、教員にとっては準備にかかる負担が多く、授業の進行上の慣れや経験が必要になる。学生にとっては通学時間などの負担がなくなるが、各家庭によって通信環境の違いがあり、その整備にお金がかかるという学生の悩みも聞く。

早大のeスクールが注目される理由

 ネットによるオンライン授業は、先例がないわけではない。たとえば、ネットをフル活用した通信教育課程としては、早稲田大学人間科学部eスクールが今にわかに脚光を浴びている。

 講義の受講をはじめ、クラスごとにBBS(電子掲示板)での質問・議論など双方向コミュニケーションができる。レポート提出や小テストまですべてネットで行われる。授業そのものはリアルタイムの双方向ではないので、前述の非同期型である。一定のスクーリングはもちろん対面式だが、外国語授業などではデジタルでのコミュニケーションなどもあるようなので、全体的には同期・非同期の混合型に近いといってよいだろう。

 2003年のスタートから、累積1500名以上のOB・OGが誕生した。2019年の最終合格者は170名あまりだから、卒業率は10%以下と言われる他の通信制大学より高い。学費は高く在籍者の半分以上は30~50代の社会人なので、中退によるデメリットを認識しているのであろう。新型コロナでキャンパス閉鎖が続く中、大学関係者の関心も高まっている。

オンラインでのアクティブ・ラーニングは可能か

 春から夏になっても今なお、多くの全国の大学で学生のキャンパス立ち入り禁止が続いている。コストパフォーマンスに敏感な学生たちの一部は、双方向の同期型オンライン授業であっても学生にとってはデメリットが多いので、授業料を減額すべきと主張している。ほとんどの大学は、必要な学生にはネット環境整備のための補助を出すが、授業料減額は教員の負担増を考えれば受け入れられない、というのが本音のようだ。

 最近の大学教育は教室での一方的な講義でなく、学生の能動的参加を求めるアクティブ・ラーニングが大幅に取り入れられている。小学校からの発見学習、問題解決学習(PBL)、体験学習、調査学習に始まり、大学でも教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワークを行うことが多い。討論授業や反転授業、PBLなどは、どの大学のパンフレットやホームページでもよく登場するフレーズだ。

 少人数の学生を対象に教員が積極的に関与して、それぞれの学生の知識や能力に応じた個別対応の教育指導が必要なケースが多いので、オンライン授業はなかなかなじまないのではないか、という声もある。

 半面、授業と復習というスタイルを「反転」させる反転授業は、オンラインのデジタル教材によって学生がそれぞれ予習し、学校での対話型授業では発展的な関連演習や予習したテーマに関する意見交換をするスタイルが多いので、むしろ対話と非同期という混合型オンライン授業の可能性が広がるようだ。

 一般に、アクティブ・ラーニングは教室で知識を伝達するだけでなく、学生の関心や発言を引き出し、それをもとに討論を発展させる教育指導が必要になる。それを、オンラインでどこまで実現できるかが課題である。

 この春から、国立情報学研究所はオンライン授業に慣れていない大学教員の悩みにこたえるべく、毎週オンライン上でシンポを続けている。同研究所の喜連川優所長へのインタビュー記事が、朝日新聞の「いま聞く」という連載に載っていた。

 多くの大学でオンライン授業が数カ月展開する中で、教員の努力によって定着しつつあるという。中でも、おもしろいのは「オンラインの方が、チャットなどをつかった学生の質問が増えるなど、想定外の効果が出ています」という発言だ。

 私の過去の取材から考えて、このチャットによる問答をオンラインで展開することで、アクティブ・ラーニングとして活用できる可能性があると思う。

チャットを駆使した花園大の「つぶやき授業」

 私が2年前に取材した花園大学のつぶやき授業は、学生がスマートフォンなどを使って感想を書き込み、それに対して教員が反応しながら授業を進めていく。教室には黒板の代わりにスクリーンが設置され、学生の書き込みがリアルタイムに表示されていく。リモートではないが、オンライン授業といってよい。

 担当の師茂樹教授は、「それ以前にもツイッターによる授業を展開していました。ただ、ツイッターでは投稿が学外に漏れてしまうため、学生の心理的抵抗感が強かったり、ツイッター表現にあまり慣れていない学生などもいて、あまり盛り上がりませんでした」と言う。

 そこで、書き込みが教室内でしか見られないようにし、加えて匿名性を保証することで、書き込みが増えていったという。学生にとっては本音をつぶやけるし、それが他の学生の知的刺激になり、つぶやきが積極的になる。

 また、個々のつぶやきに通しナンバーをつけ、どのつぶやきに対するコメントかが瞬時にわかるようにした。学生は番号を書くことで、簡単につぶやきに対して賛同したり異論を唱えたりすることができる。まさにオンラインならではだ。

 注目すべき工夫は、スクリーンが2つあることだ。ひとつは学生のつぶやきがそのまま映し出され、もうひとつには授業で配布された資料のポイントが示されている。授業では、必要となる知識や大切な視点などについての資料が配られ、学生は理解を深めていく。テーマによっては、やや専門的な資料が配布されるので、そのポイントを教員が解説することによって、学生は最低限の知識を得ることができる。

学生参加型オンライン授業の可能性

 花園大学のホームページでは、この授業は「情報と社会」という科目のアクティブ・ラーニングとして紹介されている。扱うテーマは時事性が強く、「選挙を振り返る」というニュースから「監視社会をめぐる言説」まで幅広い。つぶやきが活発になるテーマとしては、「原発の再稼働に賛成か反対か」のように意見が分かれるものか、「バイト先で食材の上で踊った写真を投稿した問題」のように身近な話題が多いという。

 最近では、アクティブ・ラーニングは小中学生の頃から取り組んでいる。しかし、生徒に自発的な関心がない場合、どうしても公表する意見は決まり文句になりがちだ。たとえば、「これからも関心を持って考え続けていきたいと思います」といったワンパターンの意見が多くなる。

 しかし、師教授の考える大学の教養教育とは、あるテーマに関する多様な考え方を学び、知的想像力を高めることにある。つぶやき授業では、匿名なので自発的な発言が多く生まれ、決まり文句は意味がない。

 たとえば、「情報と社会」の講義で取り上げた「公文書改ざんと抗議デモ」というテーマについては、いろいろなつぶやきがあった。「『みんなが何を考えているのかがわかり、とてもおもしろかった』『学生の民度が問われる』『公文書改ざんや日報隠しは管理体制のずさんさが問題では?』などのつぶやきが続きました」と師教授は指摘する。

 つぶやき授業を参観した同じ大学教員の評価は高く、「学生がわからないところや感想をつぶやく仕組みとなっており、大教室でも学生が参加できる工夫がされている」という意見が多かったという。チャットを使ったオンライン授業は、大学教育における可能性を期待できそうだ。

(文=木村誠/教育ジャーナリスト)

●木村誠(きむら・まこと)
早稲田大学政経学部新聞学科卒業、学研勤務を経てフリー。近著に『「地方国立大学」の時代–2020年に何が起こるのか』(中公ラクレ)。他に『大学大崩壊』『大学大倒産時代』(ともに朝日新書)など。

パチンコ「徹底追求」された『P真・牙狼』に続く朗報!?「アノ神作」の“進化”を期待する声が浮上!!

「類まれなる出玉性能」と「圧倒的スピード感」で、パチンコ分野に大旋風を巻き起こした『牙狼』(サンセイR&D)。中でも「初代」は、業界に大きなインパクトを与えたレジェンドである。

 その後も後続機が続々と登場した本シリーズ。2020年は「初代牙狼を超える」と宣言したスピンオフ作品『P10カウントチャージ絶狼』が、「最高峰の時間性能」を武器に高稼働を実現した。

 この流れでファン待望の最新作『P真・牙狼』が始動。その詳細が公開され、熱視線を浴びている状況だ。

 大当り確率は1/319.68、初当りの50%で「130回転」のST「牙狼SLASH」へ振り分けられる。STのトータル継続率は約84%(継続率83.1%と時短2100回引き戻し率99.8%の合算値)。右打ち中は70%が最高出玉と、一撃にも期待できる仕様だ。

「さらには新解釈基準に対応した3種類の時短を搭載。遊タイムは低確率『900回転』消化で『1200回転』の時短が発動します。突然時短は引くことができれば2100回転の時短が濃厚。スルー後にも期待できる点は魅力ですね。

ST中は変動時間を短縮しスピードを強化。前作『P牙狼冴島鋼牙XX』の弱点を払拭することに成功したという印象です。あらゆる面を一新して登場する最新作が、快進撃を見せる可能性は十分にあるでしょうね」(パチンコ記者)

 待望の最新作『P真・牙狼』の導入は10月を予定。帝王の名に相応しい快進撃を見せられるかに注目したいが…。

 サンセイR&Dといえば、今後のラインナップも関係者の間では話題だ。同社が誇る人気シリーズの名が急浮上。気になる仕上がりに関しては「革命システムやファン歓喜の要素を搭載か!?」との声も聞こえる。

「サンセイさんが誇る人気コンエンツの動向に注目が集まっています。9月に入りよく聞くようになったのはアニメを題材にした機種ですね。『笑ゥせぇるすまん』や『キャプテン翼』などが該当するでしょうか。

いずれにせよパチンコでの実績は十分。事実であれば反響は得られるでしょう。最新作に関しては『新内規タイプが濃厚』との声が存在。好評が寄せられている『P真・牙狼』のような、新解釈基準に対応した時短を駆使した仕上がりを期待してしまいます。

あと気になるのは『今回は別のキャラが中心!?』『オリジナルの演出を用意しているとの情報あり』という噂。人気アニメを題材にした機種などは、演出面も重視される傾向にありますから興味深いですよね。続報に注目しましょう」(パチンコ記者)

『P真・牙狼』の快進撃が予想されるサンセイR&D。一定のファンを持つ人気シリーズ最新作も、間もなく動き出すのだろうか。ヒットメーカーのサプライズに期待したいところだ。

ドコモ口座不正出金、露呈したドコモ・銀行双方のずさんさ…個人でできるリスク低減策

 NTTドコモの電子決済サービス「ドコモ口座」を利用した不正預金引き出し問題が波紋を広げ続けている。10日には金融庁がドコモに対し、被害発生の原因などについて報告するよう命令を出した。

 ドコモ口座は、インターネットやスマホアプリを介し、利用者同士で送金したり、買い物ができるサービスで、ドコモは「どなたでも無料で簡単に開設できます」と謳っている。

 だが、“誰でも無料で簡単に開設可能”という利便性が、不正利用による被害を拡大させる要因になった。

 不正利用の手口は、次の流れと考えられる。

(1)銀行口座の名義人・口座番号・暗証番号を取得

(2)ドコモ口座を開設

(3)ドコモ口座と銀行口座を紐づけ

(4)銀行口座からドコモ口座に送金

(5)ドコモ口座から出金

 問題点は、どこにあると考えられるか。NTT出身で「スマホ評論家」として活躍する新田ヒカル氏に話を聞いた。

「ドコモ口座は最近始まったものではなく、実は古くからあるサービスです。名前のイメージから銀行口座と同じように思えますが、お金をチャージするプリペイドサービスの一種で、銀座口座のように出金ができる点が特徴です。ドコモも銀行も本人確認が不十分で、今回はそのセキュリティの甘さを突かれた格好です。

 キャリア(通信事業者)側は“通信のセキュリティ”に精通しており、金融機関は“お金のセキュリティ”に精通しています。どちらも保守的な考え方の業界で、お互いを信用しすぎた結果、盲点が生じたといえます」

 たとえば、ドコモ口座を開設する際の本人確認は甘く、またドコモ口座と銀行口座を紐づける際の本人確認も甘いことがわかってきているが、お互いに「相手側がしっかり確認しているだろう」という意識が働き、抜け穴が生じてしまったという指摘だ。

 昨今は国からもキャッシュレス決済が推奨され、銀行口座やクレジットカードからスマホ端末などにチャージして、買い物の利便性を高めるサービスが増えている。だが、このような不正利用が行われたことで、さまざまなサービスの安全性に不安を感じる人も少なくないだろう。不正利用の被害を受けるリスクが高いと考えられるサービスには、どのような特徴があるだろうか。

「まず、ワンタイムパスワードや二段階認証など、安全性が高いと考えられるセキュリティを導入していない金融機関や金融サービスは危ないです。また、本人認証が不要なものも危険です。そして何より、現金を引き出せるというところが大きなポイントです。ドコモ口座も、出金できるサービスという点が、狙われる要因になったといえます」(新田氏)

 このような被害に遭わないために、個人でできる対策はあるのだろうか。今回のドコモ口座の騒動においては、ドコモのユーザーであるかは関係なく、もちろんドコモ口座を開設したことがない人も被害に遭っている。さらに、勝手につくられたドコモ口座と自分の銀行口座が紐づけられて、知らないうちに預金が引き出されているわけで、防ぐ手段がないように思われる。だが、新田氏は、ある程度はリスクを減らす手段があるという。

「まず、パスワードや暗証番号は流出しているという前提で考える必要があります。個人のパソコンは簡単に破られますし、ネット上のサービスからも流出する恐れがあります。そのため、IDやパスワードなどの使いまわしを避けることで、被害に遭うリスクは減らせます」(同)

 今回、拡大しているドコモ口座を利用した預金の不正引き出しは、ほぼ被害者側に落ち度はないと考えられる。いわば、被害が判明している銀行に口座を持っているだけで、勝手に預金が引き出された格好だからだ。そのためドコモは、被害者に全額補償する方向で銀行と協議すると明らかにした。

 一日も早く事態の全容が解明されることを願う。

(文=編集部)

映画レビュー「れいわ一揆」

2019年の参院選で健闘した“れいわ新選組”に密着。原一男監督の長編ドキュメンタリー、ついに公開。

投稿 映画レビュー「れいわ一揆」映画遊民 映画をもっと見たくなる! 映画ライター沢宮亘理の映画レビュー、インタビューetc に最初に表示されました。

志田愛佳、初冠ラジオは「口封じ」!? スキャンダルまみれで憶測…

 元欅坂46メンバーでモデルの志田愛佳が、地元・新潟で自身初となる冠ラジオ番組『志田愛佳のLuna×Mona』(BSNラジオ)をスタートさせる。

『スポニチAnnex』によると、志田は「ラジオはしゃべることに集中できる。素の自分を出せているので、楽しく聴いてもらえたらうれしい」などとコメントしており、すでに3日に初収録が行われた模様。

 番組では、局アナの大塩綾子アナウンサーとともにプライベートでも訪れたことのある新潟市の青山海岸方面をドライブし、軽快に女子会トークを展開したようだ。

 この知らせに対し、欅坂46のファンからは「素の自分は出さない方がいいのでは」「また欅坂の現メンバーに迷惑かけそう」などといった声が上がっている。これまで数々のトラブル起こしてきた志田だけに、フリートークの多いラジオ番組出演を不安視するファンが多いようだ。

「欅坂46ではイケメンキャラとしてファンの心を掴んでいた志田ですが、その一方で地元・新潟でのデート報道を皮切りに、お泊まり報道やキスプリクラ流出とスキャンダルを連発。

結果的に本人は体調不良のため2018年にグループを卒業しますが、実際の原因はそれらの男性スキャンダルであると囁かれています。

卒業後、今年の7月に同じ元欅坂46メンバーの鈴本美愉とともに開設したYouTubeチャンネル『鈴本愛佳のぶちゃらけ』でも在籍時の恋愛関係を語って炎上し、さらに7月13日の『文春オンライン』では人気YouTuber・アバンティーズのメンバーとのお泊まり愛が発覚しています。

 そんなスキャンダルまみれの志田が『素の自分を出せる』と意気込んでいるわけですから心配ですね。ファンは戦々恐々といったところのようです」(芸能誌ライター)

『文春オンライン』によれば、欅坂46の運営サイドは卒業後の志田の活動に対し、頭を悩ませているとも激怒しているとも報じられている。

 また現メンバーでキャプテンの菅井友香は7月16日に開催された配信ライブで、「メンバーの卒業、脱退も続きました。グループの名前が一人歩きして、耳をふさぎたくなるようなことに悩まされた日もありました」と涙ながらにグループの改名を発表している。こうした事態にも志田のスキャンダルが強く影響を及ぼしていることだろう。

 志田の行動は現在もグループに関わる人間にとって悩みの種のようだ。

「今回の記事の本文の中に、志田に対して“元欅坂46”という表記はありません。やはり運営との深い溝があることは間違いないでしょう。

そんな彼女がラジオのレギュラー番組を獲得したことで、ネット上ではその原因について議論が起こっており『口封じに仕事を与えたのかも』という意見もある。

運営としては、こそこそ個人チャンネルでなにか暴露されるよりも、きちんとした仕事をしてもらった方が安心なので、その可能性は高いかもしれません」(同)

 度重なるスキャンダルにもかかわらず、再度チャンスを与えられた志田。今度こそ、ファンを裏切らない活動をすることに期待したい。

小室圭さん、「借金」認め時効利用し返済回避か…眞子さまと結婚強行なら批判必至

 小室圭さんの母親が元婚約者から受け取っていたとされる約400万円のお金を、時効によって返さなくてもよくなり、「借金は時効で消滅!」となるのではないかと9月10日発売の「女性セブン」(小学館)が報じている。

 これについては、8月に「週刊文春」(文藝春秋)も報じており、この連載でも触れた

 もっとも、何もしなくても自動的に返済義務がなくなるわけではない。「女性セブン」によれば、時効を成立させるには、債権者に対し「時効の効果を使って、このお金は返しません」と明確に意思表示をする必要があるという。そのためには、時効が過ぎたら、小室さんは、母親の金銭トラブルが“借金”であることを認めたうえで、時効を適用させなければならないのだ。

 問題は、それができるかということだろう。何しろ、これまで一貫して“贈与”と主張し続けてきたのに、突然やはり“借金”でしたと言い出したら、これまでの主張は嘘だったのかと思われるかもしれない。あるいは、時効を利用するために“借金”と主張し始めたのではないかと勘ぐられるかもしれない。

時効による借金消滅を正当化すれば批判殺到の恐れ

 日本で法律事務所に勤務していたことがあり、ニューヨークでもロースクールに在学中の小室さんは、人一倍法律にくわしいはずだ。だからこそ、母親の元婚約者が困窮していても、真摯に向き合わなかったのではないかと私は疑いたくなる。

 こういう厳しい目を向けるのは私だけではないだろう。小室さんの母親の金銭トラブルが報じられてから、この親子のふるまいに対しては厳しい意見が多かったが、時効を盾にしてお金を返さないことを正当化すれば、さらなる批判を浴びることは目に見えている。それでも、時効で返す必要はなくなったのだから、もう結婚に障壁はないはずと小室さんは結婚へと突き進むのだろうか。

 一方、眞子さまのほうも、コロナ禍で自粛を強いられているせいか、小室さんを実際よりも高く評価する過大評価が続いているように見える。それに拍車をかけているのが、小室さんしか見えない視野狭窄である。新しい出会いがないこともあって、この視野狭窄から抜け出すのはかなり難しそうだ。

 眞子さまを視野狭窄から抜け出させるために、秋篠宮ご夫妻あるいは宮内庁が新たな出会いの場を設定するという手もあるのだろうが、そういうお膳立てされた出会いによる結婚を眞子さまは望まれないのではないか。ご両親と同様に、あくまでも自由恋愛で結婚相手を見つけたいというお気持ちが強いように私の目には映る。

 この2人を秋篠宮ご夫妻はどんな思いで見つめておられるのだろうか。明日9月11日は、

 紀子さまの54歳の誕生日で、「眞子さまのご結婚について」という質問に文書で回答される予定のようだが、どのようにお答えになるのだろうか。気になるところである。

(文=片田珠美/精神科医)

JRA紫苑S(G3)マルターズディオサ「No.1」の実績はここでも通用!? 敗因ハッキリのクラシック2戦「完全休養」で状態に自信

 12日(土)、中山競馬場で行われる紫苑S(G3)に、マルターズディオサ(牝3歳、美浦・手塚貴久厩舎)が出走を予定している。

 新馬戦こそ敗れたものの、次の未勝利、サフラン賞(1勝クラス)と2連勝。阪神ジュベナイルフィリーズ (G1)2着、続くチューリップ賞(G2)を勝利するなど、実績だけなら「No.1」と言える存在だろう。

 しかし、3歳のクラシック戦線では桜花賞(G1)8着、オークス(G1)10着とともに惨敗。力の差なのか、それとも……クラシックでの敗戦が気になるところではあるが、この2戦の敗因はハッキリしている。

 桜花賞は、レース当日の雨で重馬場発表。レース後に田辺騎手が「やはり馬場が応えた気はします。最後の100mくらいは歩いてしまいました」と話したとおり、馬場によるところが大きかった。

 前走のオークスでは2400mという距離に加え、外枠に入り終始外々を回される厳しい競馬。陣営も「2000mならこなせる」と話しており、少なからず距離の影響はあったはずだ。

 さらに、この日はイレ込みがきつく、馬体重も新馬戦を下回る434㎏。状態自体が下降気味だったのも否めないところだろう。

 そんな事もあり、この夏は「完全休養」で英気を養ったマルターズディオサ。秋初戦を迎えるにあたり、状態は確実に良くなっているようだ。

 陣営は馬体重に変わりはないとしながらも「しっかり休んで、たくましくなった。落ち着きもあるし、クラシック2戦よりも明らかにいい」と状態に自信を覗かせている。

 9日の最終追い切りでも、美浦の南ウッドコースで5ハロン66.2秒。古馬3勝クラスのムスコローソと併せ馬を行い、楽々と併入した。

 実績はここでも「No.1」。

 落ち着きもあるし、条件も悪くない……力どおりに走れるようなら、自ずと結果はついてくるはずだ。

菅直人氏、原発事故対応を自画自賛し批判殺到…「総理で一番大事なことを教えます」に失笑

 ニュースサイトAERAdot.(アエラドット・朝日新聞出版)が10日に公開した記事『菅氏が菅氏に提言 「総理で一番大事なことを教えます」(菅直人)』に対し、インターネット上で「どの口が言うのか」などと批判が殺到している。

 この日、立憲民主党や国民民主党などが合流してつくる新党の代表選の投開票が行われ、立憲民主党の枝野幸男代表が、国民民主党の泉健太政調会長を破り、初代代表に選出された。新党の名称は枝野氏が提案していた「立憲民主党」に決まり、再出発を祝う「ハレの日」でもあったため、立憲民主党関係者からは「過去のマイナスイメージを体現する菅直人さんは頼むからもう出しゃばらないでほしいのに……」との恨み言も聞かれた。

福島第一原発事故時の「命をかけろ」発言を自画自賛

 同記事は安倍晋三首相の後任を決める自民党総裁選に触れ、菅義偉官房長官が注目を浴びている点を指摘。そのうえで「中国では『菅直人内閣復活か?』と混同する市民がいるとも伝えられる。名字の漢字が同じという縁がある2人だが、首相の“先輩”として立憲民主党最高顧問の菅(カン)氏は菅(スガ)氏に何を思うのか。話を聞いた」と企画の主旨を説明し、一問一答形式のインタビュー記事に仕立てた。

 中でも注目されたのは、次のようなやり取りだ。

「――菅(カン)さんの首相在任時に起こった東日本大震災、福島第一原発事故と、現在起こっている新型コロナウイルスの感染拡大は、国家の危機という点では共通しています。国家の危機におけるリーダーの役割とは何でしょうか。

 危機事態における総理大臣と官房長官の役目は、専門家の意見を聞きながら、実態はどうなっているのかを正確に把握し、どう対策を打つかを『判断』することです。安倍さんと菅さんは感染症の専門家ではないですし、私も原発の専門家ではありません。だから、まずは専門家の話をちゃんと聞く必要があります。ただ、そのうえで、何を最優先にすべきかという最終的判断は、総理がするしかないのです。

(中略)

 私にとって一番の危機は、2011年の3月15日でした。東電の清水正孝社長(当時)が『残っている職員をイチエフから撤退させたい』と言ってきたが、それをされてしまうと、福島第一原発の6基が全くの手つかずになり、放射能がどんどん漏れてしまうことになる。『ここはとにかく命をかけてでもやってもらいたい』。私は東電の社長だけではなく、多くの職員がいる前でそう言いました」

 当時政権与党であった民主党のイメージを著しく害したのが、一連の菅元首相の原発事故時の行動だった。例えば、2011年3月12日午前7時11分、菅元首相はカメラマンとともに東京電力福島第一原発をヘリで訪れた。

 炉内圧力が低下せず、危機的な状況下にあり、ほぼすべての職員が原子炉等規制法に基づくベント実施の準備に追われていた時期だったにもかかわらず、第一原発の所長だった吉田昌郎氏(故人)ら職員を呼びつけ、罵倒したことは今でも有名なエピソードとして知られている。

 また、今回のインタビューで自信満々に語っている東電社員に対する「命をかけろ」発言も物議を醸してきた。この件は、非常時だとは言え、総理大臣が民間企業の社員に対して「国家のために死ね」と命令できるのか否かという、国民の生存権を保障している憲法の解釈にもつながるテーマだ。菅元首相は戦前の軍国主義を批判し、リベラルな言論で名を売ってきた人物であり、当時から与野党を問わず発言を問視する声が上がっていたのだが、当の本人はまったく意に介していないようだ。

菅直人氏の大きすぎる負のイメージ

 立憲民主党関係者は次のように嘆息する。

「なぜ民主党がここまで国民の支持を得られなくなってしまったのか、まだわからないのでしょうか。野党再結集の節目だからこそ、ご自身の存在感をアピールされたかったのかもしれませんが、おとなしくしていただきたかった。

 自民党との政策論争以前の問題として、菅元首相の負のイメージはあまりに強いです。確かに『信念を曲げず、志を同じくする人と初志貫徹するんだ』という姿勢は市民運動家としては得難い特質なのかもしれません。

 ただ一国の首相として、周囲の意見をまともに聞かない、専門家を含めて人を信用できない、独断専行するという姿勢はどうなんでしょうね。我々のふがいなさもあったとは思いますが、菅元総理のように声の大きい大御所の皆さんがそれぞれの思想信条にこだわりすぎた結果、我々はセクト化し、離散を繰り返して国民の選択肢になり得なくなりました。もう新しい世代に道を譲っていただきたいと思います」

 高齢化や社会状況の変化に伴い、各業界で「老害」に対する批判がよく聞かれる。菅元首相は近視眼的に自分の信念を述べる前に、国民や党員がどのように自分を見ているのかを改めて確認したほうが良いのではないか。

(文=編集部)