ローランド上場廃止→再上場で、米投資ファンドはどのように巨額利益を得たのか?

 電子楽器大手のローランド(本社:浜松市)が株式市場に戻ってくる。

 東京証券取引所は11月11日、再上場を承認し、12月16日、東証1部に上場した。公開価格は1株3100円。想定仮条件(2810~3710円)の平均価格を下回る水準で決まった。3100円の売り気配でスタートし、初値は2954円。公開価格を146円(4.7%)下回った。時価総額は約807億円。2020年の新規株式公開では、公開価格を基にした時価総額で雪国まいたけ(約876億円)に次ぐ2番目の規模となった。

 ローランドは13年3月期まで4期連続で最終赤字となり抜本的な経営再建のため、14年にMBO(経営陣が参加する買収)によって東証上場を廃止した。米投資ファンド、タイヨウ・パシフィック・パートナーズがグループを通じて株式の94.9%を持つ。再上場にあわせ、このうち1171万株(上場時発行済み株式数の42.8%)を売り出す。公募やほかの株主の売り出しはしない。初値で計算するとタイヨウは346億円のキャッシュを手にする。

 再上場後もタイヨウの保有株は最大1423万株(52.1%)残る。上場日から360日間のロックアップ(売り出し制限)がかかっているが、将来的には追加売り出しで、資金の回収を図ることになろう。ローランドの再上場は、タイヨウの出口戦略にほかならない。

プロのミュージシャンに愛用者が多い

 ローランドは1972年、大阪市で設立。電子ピアノ、電子ドラム、シンセサイザー、ギターアンプなどをつくっており、高価格帯の商品に強みがあるが、2008年のリーマン・ショックで国内外で販売が落ち込んだ。上場廃止した後はタイヨウの傘下で、マレーシア工場への生産の集約や不採算事業の整理を進め、競争力を取り戻した。

 同社の楽器はプロのミュージシャンに愛用者が多く、知名度は高い。世界中のあらゆる地域で製品を展開しており、海外売上高比率は85%に上る(19年12月期実績、以下同様)。地域別では欧州31%、北米30%、中国11%など。重要市場である米国では高いシェアを有し、電子ドラムは58%で第1位だ。製品別の売上高は鍵盤楽器27.0%、ギター関連機器26.5%、管打楽器22.5%など。20年12月期の連結決算は売上高が前期比3.2%増の652億円、純利益は51.3%増の39億円と増収増益を見込む。

 楽器業界は新型コロナウイルスの世界的な蔓延の影響を免れない。各国の感染拡大防止策により、取引先の販売店の多くが休業となり、主力のマレーシア工場も一時、操業停止した。上期(1~6月)の売上高は前年同期比3.2%減となった。オンラインでの販売促進や電子楽器への巣ごもり需要が出てきたことから販売が大幅に回復し、株式の再上場にこぎつけた。

MBOをめぐり創業者と経営陣が対立

 創業者は故・梯郁太郎氏。電子ピアノやドラム、ギター、シンセサイザーなど、世界に通用する電子楽器を数多く世に送り出した。1980年代に演奏情報を電子信号に変換して伝送するための世界共通の規格「MIDI(ミディ)」を生み出した功績が評価され、2013年、米グラミー賞のテクニカル・グラミー賞を日本人として初めて個人で受賞した。

「スタンダードがないと業界は発展しない」との信念のもと、MIDIを無料で公開した。社内外で反対意見が多数あったが、無料で公開したため一気に世界で普及。楽曲制作や音響、カラオケなどさまざまな場面で活用される世界の共通言語のひとつとなった。

 創業者の梯氏と社長の三木純一氏が対立した。三木氏ら経営陣が米投資ファンド、タイヨウ・パシフィック・パートナーズと組んでMBOを計画していることに対し、梯氏は「MBOはタイヨウによる乗っ取りだ」と主張し、反対した。

 両者の対立は、ローランドの子会社、ローランド ディー.ジー.(DG)(浜松市、東証1部上場)の経営をめぐってだった。DGは広告・看板向けインクジェットプリンターで世界首位級の優良企業だ。ローランドはMBOに先立ち、DG株の一部をDGに売却。DGはローランドの連結決算の対象から外れた。

 14年6月27日、ローランドの定時株主総会に車イスで出席した梯氏は「MBOをやると、DG(の株)もそのままついてくる。(タイヨウにとって)こんなおいしい話はない。それ、わかっていますか」と質問。MBOではドル箱のDGを手に入れるタイヨウだけが利益を得る、「投資ファンドによる乗っ取りだ」と反対したわけだ。三木社長は「DGに関しては、タイヨウは経営権を取るつもりのないことが表明されている」と反論した。

 三木社長が代表取締役を務める特別目的会社が実施したTOBは成立。ローランドは14年10月、上場廃止となった。

タイヨウは労せずしてローランドとローランドDGを手に入れた?

 上場廃止後、買い付け会社とローランドは合併し、新しいローランドが発足した。タイヨウによるローランド買収作戦は、すべてうまくいった。買い付け会社はTOB資金416億円のうち325億円を、りそな銀行から借りた。残り91億円をタイヨウが出資した。ローランドがDG株をDGに売却した代金114億円は借入金の返済に充てられる。だから、りそな銀行は気前よく融資した。

 ローランドはDG株の20%を売却した後も、DGの議決権の25%を保有していた。DGが取得した自社株には議決権がない。タイヨウは保有していた分と合わせると、DGの議決権の割合は37%に高まり、拒否権をもつ圧倒的な大株主になったわけだ。

 DG株を一部売却したのはTOBを成功させる手段だった。稼ぎ頭のDGが連結対象から外れたことでローランドの業績悪化は必至である。TOBが成立せず上場廃止できなければ、株価の下落は避けられない。「ここはTOBに応募して高値で売ったほうが得だ」と株主は考えた。タイヨウは91億円を出資しただけで、ローランドのすべてを手に入れたことになる。創業者の梯氏は「会社をファンドに売り渡した」と嘆いた。

 タイヨウを仕切っているのは、米国でも“乗っ取り屋”の異名を持つウィルバー・ロス氏だ。日本長期信用銀行の買収でも暗躍した人物として知られている。M&Aに疎いサラリーマン社長の三木氏を手玉に取るくらい、何の造作もなかった。ローランドの再上場でタイヨウは巨万の富を手にする。

 梯氏は17年4月1日、87歳で死去した。梯氏は株主総会で「今日が私にとっての最後の総会。私の名前を創業者として今後いっさい使わないでほしい」と述べた。TOBの成立を受け、地元、静岡新聞の取材に、梯氏は「残念。こんな乗っ取られ方では会社も、一緒にがんばってきた技術者たちも気の毒だ」と悔しさを滲ませた。

(文=編集部)

コロナ関連の給付金や助成金、課税・非課税リスト!PCR検査やマスクは医療費控除対象?

 元国税局職員、さんきゅう倉田です。好きなNintendo Switchのソフトは「でていけ タックスヘイブンの島」です。

 新型コロナウイルスの流行を受けて、国や地方自治体がさまざまな支援や助成を行っています。国民に一律に配られた10万円は、ほとんどの方が受給されたのではないでしょうか。また、個人事業者であれば、持続化給付金や家賃支援給付金を受け取っているかもしれません。

 しかし、それらのお金をもらったはいいものの、収入として計上するべきなのか、確定申告が必要なのかわかりません。会社員やパート・アルバイトなど税に明るくない職業の方がいるにもかかわらず、ほとんど案内されていないと思います。

 もちろん、調べれば出てきますが、最初から明らかになっていたわけではありません。我々税金関係者も取り扱いがどうなるのか、様子を窺っていた時期があるくらいです。

 今回は、みなさんがもらったであろう給付金や助成金の所得税法上の取り扱いをまとめています。

国や地方公共団体から助成金が支給された場合の取り扱い

【税金がかからないもの】
新型コロナウイルス感染症対応休業支援金
新型コロナウイルス感染症対応休業給付金
特別定額給付金
子育て世帯への臨時特別給付金
学生支援緊急給付金
低所得のひとり親世帯への臨時特別給付金
新型コロナウイルス感染症対応従事者への慰労金
企業主導型ベビーシッター利用者支援事業の特例措置における割引券
東京都のベビーシッター利用支援事業における助成

【税金がかかるもの】
 その内容によって、所得区分が異なります(所得区分が異なると、所得税の計算方法が異なりますが、確定申告書の様式などは変わりません。複数ある場合は、まとめて確定申告します)。

〇事業所得になるもの
持続化給付金
家賃支援給付金
農林漁業者への経営継続補助金
文化芸術・スポーツ活動の継続支援
東京都の感染拡大防止協力金
雇用調整助成金
小学校休業等対応助成金
小学校休業等対応支援金

○一時所得になるもの
持続化給付金(給与所得者向けの特例の場合)
Go Toキャンペーン事業における給付金

○雑所得になるもの
持続化給付金(雑所得者で確定申告をしている人は事業所得でなくこちらになります)

※所得区分は、各人の状況によって変わる場合があります。

学生に対して大学等から助成金が支給された場合の取り扱い

 学生には、行政からだけでなく、各大学からも支援が行われています。まず、それらを調べて支援を受けることが大切ですが、税の取り扱いについても知っておくと良いと思います。

・学費を賄うために支給された支援金…非課税所得となる「学資金」に該当するので、税金はかかりません。

・生活費を賄うために支給された支援金…一時所得になるため、他の一時所得と合計して確定申告を行います。ただし、年間50万円の控除があるため、それ以下であれば申告不要です。

 なお、競馬やパチンコなどのギャンブルで得た利益は、一時所得となります。

・感染症に感染した学生に対する見舞金…こちらも非課税所得となるため、税金はかかりません。

・遠隔授業を受けるためにもらったパソコンやカメラ、マイクなど…非課税所得となる「学資金」に該当するので、税金はかかりません。

PCR検査とマスクは医療費控除の対象か

 医療費控除の対象は、診療や治療、医薬品の支払いです。よって、マスクを買っても医療費控除の対象となりません。また、医師等の判断によりPCR検査を受けた場合は、医療費控除の対象となります。ただし、自己負担部分に限ります。

 自主的にPCR検査を受けた場合は、感染していないことを明らかにする目的で受けたのであれば、医療費控除の対象となりません。ただし、「陽性」であることが判明し、引き続き治療を行った場合には、その検査は治療に先立って行われる診察と同様に考えることができるので、検査費用は医療費控除の対象となります。

 2020年分の確定申告に向けて、今のうちから調べ、備えておきましょう。
(文=さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人)

●さんきゅう倉田
大学卒業後、国税専門官試験を受けて合格し国税庁職員として東京国税局に入庁。法人税の調査などを行った。退職後、NSC東京校に入学し、現在お笑い芸人として活躍中。2017年12月14日、処女作『元国税局芸人が教える 読めば必ず得する税金の話』(総合法令出版)が発売された。

「ぼくの国税局時代の知識と経験、芸人になってからの自己研鑽をこの1冊に詰めました。会社員が社会をサバイバルするために必須の知識のみを厳選。たのしく学べます」

収入が戻るまで数年かかるという現実…とにかく「現金・預金」を増やし、生き残りを最優先

 令和2年は「コロナに始まりコロナで終わる」と思われますが、年末年始を迎えて雇用や賃金などの環境がかなり厳しくなると予想されます。いや、年末年始を乗り越えても年度末には再度厳しい状況になるかもしれません。このため年末年始を迎えるにあたり家計は「現金・預金」を厚めに保有しておくべきでしょう。備えあれば憂いなしです。

 家計(個人)は依然として残業時間がコロナ前に戻っておらず、また今冬のボーナス支給額は日本経済新聞調べ(12月1日時点)で、対前年比8.55%の減少となっています。さらに早期希望退職者を募集している上場企業の数は72社と、2019年通年の35社の2倍超になっています。この数値は東京商工リサーチが10月30日にリポートで公表したものですが、その後も早期退職募集を公表する企業が増加しています。

 一時的な状況であればよいのですが、企業業績の回復度合いから推測すれば、年末年始を無難に越しても年度末に向かって雇用状況はさらに厳しくなることも絵空事ではないはずです。来期の賃上げも、定期昇給だけでベアのない企業がかなりの数に上る可能性も否定できないでしょう。

 欧米ではワクチンの接種が始まりましたが、それが広がるにはかなりの時間がかかるはずで、景気回復や業績好転で個人の収入が増えるまでには相当の時間がかかるといわざるを得ません。リーマンショック後、民間企業の平均給与がショック前に戻るには9年もかかりました。

 リスクを挙げればキリがないのかもしれませんが、収入のリカバリーに数年の時間がかかるとすれば、私たちが行うことはただひとつ。手元の現金や預金を増やすことに尽きるでしょう。動物が冬眠するのと同じく、さらに厳しくなる前に現金・預金を増やして厚めに保有するくらいの慎重さが必要になるのです。何が起きても現金・預金で対応できるようにして生き残ることを最優先に考えるべきでしょう。余談ですが、筆者も住宅ローンの繰り上げ返済をせっせと行い、家計の財務内容改善に努めています。

 各種給付金によるモルヒネ効果もそろそろ年末で切れることから、年明けには倒産・廃業が増えると予想されます。年末年始を乗り切ったとしても、冬場にインフルエンザの流行あるいはコロナの感染者の大幅増加があれば、緊急事態宣言が出されなくとも人々の行動が減り、かつ景気も再び落ち込むことが予想され、年度末に向けて厳しい状況が企業、ひいては家計を襲う可能性があるのです。

 政府は第3次補正予算を考えているようですが、財政悪化を懸念する専門家の声が大きいことから、国民一律10万円のような特別定額給付金、中小企業などへの持続化給付金のような大盤振る舞いは期待できそうにありません。さらに第3次補正予算の審議は年明けからということですが、対応が遅すぎるといわざるを得ません。家計も企業も守るのは常に自分自身、政府はときどき止血や輸血、あるいは点滴を打って延命はしてくれるだけと認識すべきです。

(文=深野康彦/ファイナンシャルリサーチ代表、ファイナンシャルプランナー)

キム・ギドク監督死す

韓国のキム・ギドク監督がコロナ感染で死去した。表現のタブーに挑み、斬新な作品を生み続けた、天下無双の映画作家だった。

投稿 キム・ギドク監督死す映画遊民 映画をもっと見たくなる! 映画ライター沢宮亘理の映画レビュー、インタビューetc に最初に表示されました。

「したまちコメディ映画祭」小松政夫が爆笑トーク

12月7日に逝去した小松政夫さんを追悼し、10年前の「したまちコメディ映画祭」で披露された爆笑トークを紹介する。

投稿 「したまちコメディ映画祭」小松政夫が爆笑トーク映画遊民 映画をもっと見たくなる! 映画ライター沢宮亘理の映画レビュー、インタビューetc に最初に表示されました。

渡部建問題で橋下徹らのコメントは“性搾取・女性蔑視”容認だ!「世間は女性の人権と言うけど本人たちは…」「なんで断らなかった」

 いったい何だったのかという声が上がっているアンジャッシュ・渡部建の会見。渡部への批判が再燃する一方、なぜかワイドショーやネットでは「レポーターのほうがひどい」「渡部がかわいそう」「家族に謝ればいい話」「会見で謝罪する必要があったのか」「ここまで質問攻めにあわなければいけな...

DXの成功から、BX(ビジネストランスフォーメーション)の成功へ

電通による“人”基点のマーケティング「People Driven Marketing(※)」(ピープル・ドリブン・マーケティング)も、4年目を迎え、「PDM4.0」として大きく進化しました。 

本連載では、電通人と企業のゲストたちが、マーケティングとデータの未来を語った「People Driven Marketing® 実践ウェビナー2020」3日間の模様を、ダイジェストでレポートします。

本記事では、明治安田生命保険が取り組んでいるデジタル起点の営業マーケティング改革をはじめ、NEW STANDARDのD2C時代に向けた新しいDXのビジネスモデルを紹介。また、電通デジタルが目指す、単なるデジタル化にとどまらないビジネス変革をもたらすためのDX実践法を解説します。

※People Driven Marketing
https://www.dentsu.co.jp/business/pdm/
電通が提唱する、データ&デジタル時代に対応した“人”基点の統合マーケティング・フレームワーク。課題を人(People)基点で捉え直し、電通グループが持つ最先端のマーケティング手法を統合して、顧客の持続的な成長を支援していく。

 

Dosolutionsサイトへのリンク
※課題解決マーケティング情報サイト「Do!Solutions」でも、本ウェビナーの特集ページを開設しています。より詳細なレポートはこちらへ。

デジタル起点での生命保険の営業マーケティング改革

G-04登壇者

明治安田生命はデジタルマーケティングを起点とした営業改革に注力しています。その理由について、デジタルマーケティング開発グループの戸田典宏氏はこのように述べます。

「当社は以前からデジタルマーケティングに取り組み、デジタル広告からの送客に関しては一定の成果が得られていました。しかし以降の営業活動については営業職員任せになっており、“デジタルでの接点”と“リアルでの接点”のPDCAをバラバラに回している状態でした。この課題を解決すべく、デジタルを起点にしたオンオフ統合での営業マーケティング改革に着手したのです」

改革に向けて具体的に取り組んだ施策は五つあります。

【1】リーグ公式アプリ「Club J.LEAGUE」をはじめとしたJリーグとの連携
【2】マルチチャネルでのデジタルコミュニケーション
【3】デジタルデータを活用した営業支援
【4】コロナ禍で急速に需要が増える、非対面営業プロセスの推進
【5】オンオフ統合したPDCA

この五つの施策について、プロジェクトチームに参加した電通 マーケティング・プロデューサーの渡邉典文氏、電通デジタル デジタルストラテジー事業部長の坂本浩士氏がそれぞれポイントを解説しました。ウェブ電通報では三つの施策について紹介します。

リーグ公式アプリ「Club J.LEAGUE」をはじめとしたJリーグとの連携
2015年からJリーグのタイトルパートナーを務めている明治安田生命。Jリーグのファンとオンラインでの継続的な接点をつくるべく、Jリーグ公式アプリ「Club J.LEAGUE」を開発しました。

アプリは2017年のローンチ以来、順調に利用者数を伸ばし、毎月数10万人に利用されています。「試合に足を運んでくれるファンの行動の見える化、リピーターへの特別な体験の提供、ファンの主導で観客をスタジアムに呼び込むアンバサダープログラムなど、Jリーグの新規観戦者を増やす取り組みを実現しています」(渡邊氏)

マルチチャネルでのデジタルコミュニケーション
MA(マーケティングオートメーション)ツールとLINEを活用した、見込み顧客向けのナーチャリング(育成)シナリオを開発しました。LINEの設計は、公式アカウントAPIに精通した電通専門チームを立ち上げ、デジタルの先にある営業活動支援を含めた戦略を立案し、実装・配信・運用までワンストップで対応しています。

「LINEは一度つまらないと思われると見てもらいにくくなるため、幅広い興味カテゴリーを持つユーザーに合わせたコンテンツを継続的に配信するべく、マガジンハウスとのタイアップを導入しました」と坂本氏。

試行錯誤を重ね、プロジェクト開始から3年がたった現在も開封率40%超えを記録するなど、高い成果を維持し続けています。

オンオフ統合したPDCA
プロジェクトのKGIを成約数の最大化と定義した上で、その過程である収集・維持・発見・資料請求・営業の五つの段階でKPIを設定し、きめ細かなPDCAを回しています。

ポイントは、オンオフ双方の指標を分断せず、統合したKPIを設定している点です。

「例えば、オンラインはメール配信から数日で速報分析を行い、次の配信までにクリエイティブを修正する高速PDCAを実行。オフラインは週次・月次単位で営業活動の結果を分析しながら、営業スタッフの方々にフィードバックをします。オンラインのクリエイティブやセグメントを改善しながら、同時に数カ月にわたってオフラインの営業活動のデータを補い、中長期視点でのPDCAを回しています」(渡邊氏)

オンオフ統合PDCA

こうした施策によって得られた成果は大きく二つあると戸田氏は述べます。

「一つは、Jリーグの協力により、ファン、Jリーグ、パートナーの三方良しを実現しながら、新たなデータ活用のカタチを生み出せたこと。もう一つは、ファーストパーティーデータをはじめとする、さまざまなデータを活用し、デジタル施策で営業活動の高度化をかなえたことです」(戸田氏)

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生活者と共にブランドを育てる、D2C/DNVBとは?

G-05登壇者

本セッションでは、ビジネスデザインや事業開発を行うNEW STANDARD(旧TABILABO)代表の久志尚太郎氏、電通のソリューションプランナーである浅井康治氏、電通デジタルのデジタルコマース事業部長・三橋良平氏が登壇。時代と共に変化する人々の消費の価値観に対する、DXの可能性を語りました。

冒頭、三橋氏は生活者の消費に対する価値観が「モノ消費」から「コト消費」へと変化してきたことに触れ、さらに2010年以降はミレニアル世代の登場で「イミ消費」の時代に移りつつあると述べました。

イミ消費とは、「体験を得るために消費を行い、ブランドの哲学・世界観に共感できるかによって購買商品・サービス利用を決める」価値観のことを指します。

久志氏は、「ミレニアル世代以降のユーザーと事業を通して接する中で感じるのは、“高い社会課題意識からくる、つくられ過ぎた広告への嫌悪感”があること。加えて、パーパスやストーリーに敏感なユーザーが増えています」と述べ、この特徴がブランドのDXを考える上で重要だと指摘。

浅井氏も、「ミレニアル世代は、透明性やリアルな物語への共感を好む傾向にあります。単純にプロダクトや商品・サービスの良さだけではなく、その作り手の姿勢やビジョン、パーパスへの共感が商品・サービスの選択に大きく関わってきます」と久志氏の意見に賛同しました。

また、浅井氏はマーケティングも「マスで大きな網を張り、その中でターゲットに対して情報を届ける」という手法だけでなく、「“具体的な一人”を想定し、その人にどうすれば買ってもらえるかを考える」という逆算の手法が必要になると指摘。「プランを小さく検証しながら成功体験を重ねて、“具体的な一人”を特定していくプロトタイピング的なアプローチが求められます」と語りました。

こうした前提を踏まえて、アメリカのEC業界で新たに注目されているビジネスモデルが「D2C/DNVB(デジタル・ネイティブ・バーチカル・ブランド)」です。

これは、ブランドが小売りやECプラットフォームを挟まずに直接商品・サービスを販売する「D2C」を一歩進めた考え方で、体験を通じて共感を獲得し、ファンを増やしながら販売する手法。

久志氏は「D2C/DNVBは、生活者と一緒にブランドをつくるという点に重きが置かれています。そのため、オープンなコミュニティー形成や、透明性を高めて生活者との信頼関係を構築することが重要視されています」と、その特徴を解説しました。

D2C/DNVBの特徴

これを受けて三橋氏は「D2C/DNVBブランドに対するアジャストは、“商品の作り方、見せ方、売り方をデジタル化していく”ことに尽きます」と述べ、「EC=ネット通販」という概念そのものを刷新する時機が来ていることを示唆。

ECの新たな定義として「テクノロジーを使った新しいブランド体験・購買体験」を掲げ、これからはより広い視野で潮流を捉え、事業の成長を検討する必要があることを解説しました。

そして、こういったブランドの変革をサポートするために、NEW STANDARDと電通、電通デジタルが共同で「ブランド・デジタル・トランスフォーメーション」(以下、BDX)プロジェクトを開始したことに触れ、BDXの四つの特徴を紹介しました。

・ブランド創造
既存ブランドを再定義、または新しく創造する

・コミュニティー構築
コンテンツマーケティングやソーシャルメディアでユーザーと関係性をつくる

・事業成長
電通デジタルのデジタルマーケティングの知見を使い、BDXでの事業成長を支援

・イノベーションの創造の型化
社内で新規事業をつくるフォーマットを準備し、自走に結びつけるためサポート

BDXの4つの特徴

久志氏は、「D2C/DNVBのメリット自体は理解できても、“やり方が分からない”“オンオフの活用が難しい”“インタラクティブにユーザーとコミュニケーションするのが難しい”といった課題を多くのブランドが抱えていると聞いています」と日本の現状に言及。

「しかし、構造さえ理解できれば、D2C/DNVBのビジネスモデルは一気に浸透していくと考えています。私たちもプロジェクトを通して、この新しいビジネスモデルの導入を積極的に支援していきます」と、今後の展望を述べました。

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DX先進企業の「ビジネストランスフォーメーション」とは?

G-06登壇者

DXを実践する企業は年々増えていますが、「目的が曖昧」「手段が目的化している」といった悩みを抱えているケースが少なくありません。DXを事業成果に結びつけ、ビジネスの変革=BX(ビジネストランスフォーメーション)へとつなげるためには、どのようなアプローチが必要なのでしょうか。

これまで電通デジタルで数多くの企業のDXを支援してきた、ビジネストランスフォーメーション部門・部門長の安田裕美子氏が、現状の課題と解決策を提示しました。

電通デジタルの調査では、約7割の日本企業がDXに着手していますが、ビジネスとして成果が明確に出ているのは、そのうち約2割だといいます。この要因について安田氏は、「あまり効果が出ていない企業の特徴は、業務効率化・改善活動にとどまっている点」と昨年実施した調査データから指摘。

安田氏は、DXには

1. デジタルによる業務改革
2. 顧客体験の変革
3. 商品サービス/事業モデルの変革
4. 企業のなりわい革新

の4ステップがあると説明。DXを実践する多くの企業がステップ2は着手しつつあるが、顧客接点のデジタル化でとどまっており、顧客を基点にした2と3を継続していかなければ新しい価値の創造や収益の創出、すなわちBXにはつながらないと語りました。

DXが進まない企業では、何がボトルネックになっているのでしょうか?安田氏は、

・本質的な目標やビジョンがない、あるいは社内に共有されていないことでDXが進展しないという「構想課題」
・各部門が進めているDXを顧客利用価値につなげるための設計図がないという「戦略課題」
・全体構想や戦略はあるが各実行部隊に連携する司令塔がいない「実行課題」

という要因を挙げます。

DXを事業成長につなげるために クリアすべき3つの課題

この三つの課題を解決するためのアプローチについて、安田氏はDX先進企業との実践事例を交えながら具体策を提示しました。

事業成果創出に向けた3つの要件と具体策

大手食品メーカーでは、成長市場ではなく、あくまで未来の顧客の変化に着目した新規事業開発手法を提案、伴走する中で新たなパーソナライズサービスの誕生につながったといいます。なおかつ、「これからの企業の新たな提供価値やなりわい」、つまり「パーパス」にまで踏み込んだことで、企業の中でDXへの取り組みの共通認識が生まれ、その後も継続した成果を生み出し続けていることを紹介しました。

また、大手耐久消費財企業のサブスクリプションビジネス立ち上げの事例からは、既存事業がまだ収益のほとんどを占める日本企業において、新たなビジネスモデル推進を行う際のキーポイントを解説。エネルギー企業の事例では、既存企業の重要アセットである顧客基盤をデジタル化し、その上にデジタルサービスを走らせる「顧客利用」に着目したカスタマージャーニーの設計と具現化の重要性を語りました。

最後に安田氏は「DXの成功には経営層のコミットメントが最重要であることは言わずもがなですが、それに加えて重要なことがあります。それはミドルリーダーの「自分ゴト化」です。ビジネス変革を起こすためには、既存事業から課題を改善するフォアキャスト思考だけではなく、未来のビジョンを起点に既存事業を見直すバックキャスト思考も欠かせません。その両輪を理解し具現化・実現できるのがミドル層リーダーであり、ビジネス変革の起爆剤になる方々だと思っています」と述べ、セッションを締めくくりました。

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今こそ医療にDXを。医療崩壊と戦う、渋谷区医師会の挑戦

新型コロナウイルスの流行により、日本の地域医療におけるさまざまな課題が浮き彫りになりました。

コロナ禍以前からITを活用した医療システム全体の改革に取り組んでいた渋谷区医師会は、「かかりつけ医を持たない地域住民や地域で働く方が多い」という課題を解決する手段のひとつとして、医療機関予約/デジタル問診システム「CLIEN(クリエン)」を導入しています。

今、地域医療の現場で起こっている問題とは?それを解決するためにできることとは?

CLIENが目指す地域医療の在り方を、渋谷区医師会の事例と共に紹介します。

コロナ禍で浮き彫りになった、「かかりつけ医」の認知不足

 

CLIENは、近くのクリニックや病院を検索・予約でき、さらに事前に問診票を入力して予約したクリニックや病院に送ることができるサービスです。パソコンはもちろん、スマホひとつで検索・予約・問診票入力などができる点が特長で、幅広い世代が直感的に操作できるようシンプルな設計にもこだわっています。

また、データ連携によって患者さんがどんな心身の悩みを抱えているのか、この地域ではどんな病気が流行しているのかといった情報が蓄積できるため、患者さん一人ひとりに最適な医療サービスを迅速に提供できるようになります。

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今、コロナショックで「医療崩壊」が世間の注目を集めています。公的機関での危機を引き起こした原因のひとつは、「かかりつけ医」を持たない人の問い合わせが、保健所へ集中したことでした。

しかし、この「かかりつけ医がいない」という問題はコロナ以前から起きていたことで、コロナが収束すれば解決する話ではありません。一人でも多くの人に、いつでも頼れるクリニックや病院を見つけてもらう。そのためには、いかに生活者にとって使いやすく、地域の人と医療機関が連携しやすいサービスを提供できるかが重要です。

日本の医療体制や技術は世界トップの水準を誇りますが、日本人の医療に対する満足度は先進国でワーストレベルにあるといわれています。いまだに問診票が手書きだったり、電話予約しかできなかったりする利便性の課題。いざ病気やけがをしたときにどのクリニックが一番合うのかを知らないという情報不足。ユーザー目線で考えると、これらの解消が解決法のひとつに挙げられます。

こうした課題をデジタルの力を駆使して解決に導くのが、CLIENというサービスなのです。

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渋谷区医師会と二人三脚でCLIENを開発

 

今回のCLIEN開発に当たって、全面的に協力してくださったのが渋谷区医師会です。

もともとウェブサイトのリニューアルで相談があったのですが、詳しく伺ってみると、医療機関検索を取り入れたい、「かかりつけ医」の認知を広げたいという要望がありました。さらにITの中心地に暮らす人たちとの親和性も高いため、まだ開発段階だったCLIENをご提案すると、パートナーとして一緒に事業を進めてもらえることになりました。

急ピッチで開発をしていたちょうどその頃、世の中ではコロナ感染者が急増。かかりつけ医の重要性を地域の人たちに呼びかけるべく、スクランブル交差点でCLIENのCMを流すと予想以上の反響があり、改めて地域住民と医療機関がつながることの大切さを実感しました。

さて、電通と二人三脚でCLIENの開発をサポートしてくださった渋谷区医師会ですが、コロナ以前からITを活用した医療システムの改革に挑戦し、コロナ禍でも地域の医療崩壊を防ぐための取り組みを精力的に行っています。

今回は地域医療を支える立場から、コロナ禍で見えてきた課題や、医療崩壊を引き起こさないために私たちにできることを教えてもらうべく、CLIENプロジェクト責任者のアーロン・ズー氏が渋谷区医師会で会長を務めるリー啓子氏にインタビューしました。

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IT中心地・観光地の渋谷に、ITを駆使した情報共有は欠かせない

 

アーロン:はじめに、渋谷区医師会はコロナ以前からITを軸にした改革に取り組まれていたと思いますが、どのような課題意識があったのでしょうか?

リー:2019年に現体制となり、渋谷区医師会として「国の医療体制を見極めながら、渋谷区という地域に根ざした保健・医療・介護を展開していく」という大枠の方針が決まりました。その方針の下、医師会のシステム全体の改革に取り組んでいたのですが、その中でも地域の方々へのITを駆使した情報共有やニーズのキャッチアップが大きな課題でした。

アーロン:渋谷区には名だたるIT企業やベンチャーがひしめき合っているので、ITリテラシーの高い方が多くいらっしゃる印象です。

リー:はい、渋谷区民や渋谷区で働く方々に加えて、今はコロナ禍で少なくなりましたが、本来は観光スポットとして、さまざまな国・地域から観光客が訪れる街でもあります。そういった方々も含めて、迅速かつ効果的な情報提供・共有を行い、また地域の方々の医療に対するニーズを把握する。そのような双方向のコミュニケーションをIT活用で実現すべく、まず着手したのがウェブサイトのリニューアルでした。

アーロン:そのお手伝いをさせていただくことになったのですが、話を伺えば伺うほど、これはウェブサイトを作り直すだけでは解決できない問題だと思いまして(笑)。ちょうど開発に着手し始めていたCLIENを提案させてもらいました。

リー:誰もが使いやすくて便利ですし、医療機関にとっても地域住民のニーズや状況を把握して連携できるサービスだと思いました。

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リー啓子氏

なんとしてでも医療崩壊を防ぐべく、地域連携に奔走

 

アーロン:ちょうどその時期に、コロナ感染者が一気に拡大しました。改めて、コロナ禍で浮き彫りになった課題はありますか?

リー:まず国レベルでいうと、アメリカの疾病予防管理センター(CDC)のような感染症のコントロールセンターが十分に確立されていなかったことが明らかになりました。これは早急に立ち上げて運営していく必要があります。

また、日本には感染症の専門医が実は少なく、一般病院に感染症専門医が必ずいるとは限りません。現在の新型コロナウイルス感染症に関する文献発表数も海外諸国に比べると極端に少ないです。

つまり、日本全体で感染症の認知・知識が不足しており、その結果、感染症への風評被害がかなり起きているのが実情です。

アーロン:感染症に対する正しい知識が足りなくて、正しい情報を伝えられる専門家の数も少ない。確かにいろいろな情報が錯綜していて、みんな不安になりますよね。

リー:今ここで私たちがしっかりと感染症について学ばないと、この先また新興感染症や新型インフルエンザが流行したときに、医療崩壊だけでなく医療機関の経営崩壊も引き起こしかねないという危機感を抱いています。そのためには、ITを駆使した迅速な情報提供・共有も非常に重要な一手であると、改めて痛感しています。

アーロン:コロナ禍で渋谷区医師会はどのようなことに取り組まれたのでしょうか?

リー:2020年1月に国内初のCOVID-19発症事例が報告されてから、われわれは区内基幹病院、渋谷区、保健所と連携し、クリニックへの対応や区民の健康を守るための迅速な情報共有に努めてきました。しかし2月末には区内の基幹病院で感染者の受け入れが許容範囲を超え、早くも渋谷区の医療は危機的状況に陥りかけました。

医療崩壊は絶対に起こしてはならないと、渋谷区、保健所、基幹病院と緊急会議を開き、発熱患者に対応するための医療機関対応チャートなどを作成。災害用に備蓄していたサージカルマスクや予防衣などを緊急性の高い医療機関に配布しました。

4月には医師会主導でPCR検査室を開設し、保健所から紹介された患者のPCR検査を開始。現在はクリニックなどから紹介があった患者の検査も受け入れ、区内でPCR検査を実施している医療機関の取りまとめも行っています。

アーロン:刻一刻と変化する状況に合わせて、各機関が一体となって迅速かつ、きめ細かな対応を行っているのですね。

リー:はい。とにかく各機関と連携して対応することが大切で、患者の皆さんがスムーズに受診や検査を受けられるようにするための体制づくりが欠かせません。

アーロン:地域医療のハブである医師会として連携を強化すると同時に、地域に住んでいる人、地域で働く人たちがどんな医療課題を抱えているのか、常にリアルタイムで分析して、できるだけ早く適切な情報を提供していくことも必要ですよね。

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アーロン・ズー

リー:コロナ禍で、渋谷区民や渋谷区内で働く方々にとって、かかりつけ医を持つことの重要性が改めて分かってきたと思います。かかりつけ医を探すに当たってCLIENはその一端を担ってくれると思っています。

かかりつけ医を通して必要なときに病院を受診することができるようになると、特に病院救急外来の医療崩壊を防ぐ一助になると考えます。

アーロン:その一助になれていたらうれしいです。日本の医療水準は世界的に見てもトップクラスなのに、患者のニーズに応えられている医療機関はまだ少ないのが現状です。世代や地域を超えてCLIENを根付かせることで、患者さんとお医者さんをつなぐことに少しでも貢献したいと思っています。

リー:コロナ感染はまだまだ予断を許さない状況。医師会として発熱患者の皆さんが確実に、迅速に医療サービスを受けられるように、CLIENも活用しながらサポートし、絶対に医療崩壊を引き起こさないように気を引き締めて取り組んでいきます。

アーロン:今後ともよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。


今回、リー会長から医療の課題やそれに対する取り組みについて、いろいろと伺いましたが、ITリテラシーの向上やデータ活用に関する課題は、医療業界に限られたことではありません。

リモート会議やキャッシュレス、さらに紙などのデジタル化の必要性は、だいぶ前からいわれてきたことです。ただ、それがあまり進んでこなかったのが現実でした。

特に日本のような社会基盤が整っている国は、どうしても新しいものと既存のものとの親和性が大きな課題となってしまいます。他国が後発的な状況にもかかわらず、どんどんIT活用を進めている例を見ると、やはり日本にはもっと頑張ってほしいな、と思ってしまいます。

そういった意味でも、この仕事が日本の発展に大きく貢献できるように、これからも尽力していきたいと思います。

 

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光本氏“女性テキーラ自発的に一気飲み”釈明に否定証言…死亡事故直後もラウンジ遊び

 やはりラウンジ遊びとテキーラは、やめられないのだろうか――。

 起業家の光本勇介氏が都内・恵比寿の高級ラウンジ「S」で同席していた女性に対して、テキーラを一気飲みさせ死亡させたという情報がTwitter上で拡散し、炎上している。一連の情報によれば、光本氏は数名でこの店を訪れ、ラウンジ嬢らとテキーラのボトル1本を15分以内に飲み干せば10万円を払うというゲームに興じ、挑戦した女性・Aさんが死亡したという。

 光本氏といえば、個人が所有するアイテムをキャッシュに変えるアプリ「CASH」を運営するバンクの創業者で、2017年に同社をDMM.comへ売却。その後は自ら創業したheyの取締役などを務め、“総資産100億円の男”という異名も持つ。

 騒動の渦中にいる光本氏は、10日配信の「デイリー新潮」のインタビュー取材に応じ、10万円を賭けた“テキーラチャレンジ”について、

「これは私が提案したわけではないのです」

「よくある飲み会ゲームと同じ趣旨のレクリエーションとしてやっていたものです」

「彼女は『できると思うのでやりたいです』と言うので、じゃあボトルを1本頼みましょうとなったのです」

などと釈明。また、光本氏はAさんに残念賞として3万円を渡したという。

 だが、12日付「文春オンライン」記事でAさんの友人は、Aさんが自発的に一気飲みをしたという光本氏の主張を否定。さらに「文春」記事には、「光本さんは上客なので断れない空気がすごいんですよね」「光本さんはちょっと押しが強いところがあって、ビビッてる子も結構いました」というラウンジ関係者の証言も紹介されている。

テキーラチャレンジ常習犯

 週刊誌記者はいう。

「六本木界隈などのラウンジで働く女性や従業員、利用する客などへ取材した限りでは、以前から光本氏がテキーラチャレンジを好んでやっているという話は、一部では知られていたようです。ラウンジ嬢からは『“半ば強制的にやらされる”という噂もあったので、“自分が当たったらいやだ”という声もあった』『“どこどの店で光本たちからテキーラ飲まされてゲーゲー嘔吐した子もいた”と聞いたことがある』という話も聞きました。また、恵比寿のラウンジで死亡事故が起きた後も、相変わらず光本氏がラウンジ遊びをしているという証言もあります」

 ちなみに光本氏は前出「文春」」記事の取材に対し、事故が起きた日の1週間後、12月4日にあるラウンジで行われた“知人との会”に参加したことを認めている。その一方、光本氏は前出「新潮」の取材に対し、「実はいまは精神的に不安定になり」「本当にショックを受けております。非常に残念でなりません」「ショックで考えがまとめられていないところです」などと語っているが――。

「私は光本氏に付いたことがないので、直接知っているわけではありませんが……」という六本木のラウンジ嬢は語る。

「ウチのラウンジではシャンパンやワインは結構出ますが、テキーラを何本も頼むお客さんは、あんまりいません。また、光本氏のようにいつも男女大勢で一気飲みしてバカ騒ぎするような人もラウンジでは珍しいので、割と名は知れていたみたいです。

 女の子たちも基本的にはお金を稼ぎにきているので、店にもよりますが、やっぱりお客さんから外されて実入りが減ると困るし、一気飲みを断って場がシラケてしまうのは嫌なので、断りにくいもの。特に光本氏のようなお金持ちは、その飲み方や話、雰囲気からすぐにわかるので、“次につなげたい”という気持ちも起こるため、よりいっそう断りにくくなってしまうという面はあると思います」

 当サイトは12月11日付記事『光本氏“女性が自発的にテキーラ一気飲み死亡”釈明に批判殺到…ラウンジ・S常連の有名人』で、Aさんが亡くなった恵比寿のラウンジ「S」がどのような店なのかを報じているが、今回改めて再掲載する。

―――以下、再掲載―――

 テキーラ一気飲みが、大きな事件に発展している――。

 起業家の光本勇介氏が都内の高級ラウンジで同席していた女性に対して、テキーラを一気飲みさせ死亡させたという情報がTwitter上で拡散し、炎上している。一連の情報によれば、光本氏は数名でこの店を訪れ、ラウンジ嬢らとテキーラのボトル1本を15分以内に飲み干せば10万円を払うというゲームに興じ、挑戦した女性・Aさんが死亡したという。

「女性の死因は急性アルコール中毒ではなく、喉の手術による誤嚥性性肺炎と聞いています。嘔吐物が喉から気管に逆流した結果生じたと見られる急性肺炎が死因だとすれば、それとテキーラの一気飲みの直接的な因果関係を立証するのは難しいのではないでしょうか。あとは、このラウンジにおける従業員の安全配慮義務の問題でしょう」(警視庁関係者)

 光本氏といえば、個人が所有するアイテムをキャッシュに変えるアプリ「CASH」を運営するバンクの創業者で、2017年に同社をDMM.comへ売却。その後は自ら創業したheyの取締役などを務め、“総資産100億円の男”という異名も持つ。

 そんな光本氏が通っていたラウンジとは、どのような店なのだろうか。

「恵比寿にある会員制の『S』です。キャバクラよりグレードは高く、銀座の高級クラブをもう少しシックにした感じ。女性キャストの年齢層も高級クラブよりはぐっと若く、20代前半がほとんどだと思います。

 会員本人か、会員の同伴者しか入店できず、会員になるには一定以上の年収があるなどの条件を満たす必要があると聞きました。そのため、客層は経営者や芸能界関係者とその取り巻きのような人が多い。芸能人もちらほら来ていて、俳優のYが芸能プロ関係みたいな人に連れられて来ていたのを見たことがあります。

 女性キャストは現役のモデルなども多く、総じて美人。キャバクラよりグレードが高いという印象ですが、慣れているからか、年上の遊び人の経営者などともきちんと会話が成立する。ただ、一般的なキャバクラとは違い、女性たちは厳密な勤務シフトはなく、来れる日だけ来るという感じで、そのへんは自由みたいです。もちろん、客にお酒を注いだりオーダーのために店員を呼んだりと、きちんとサービスしてくれる。言葉遣いもちゃんとしているので、ため口が普通のガールズバーとは全然違います。

 会計的には、女性の飲食代も払うので客4人で行って20~50万円くらいでしょうか。高いボトルなどを入れると、もっといくのでは。常連客には有名起業家のMや、芸能関係者の間では名が知れたXなどがいるようです」(客としてSに行ったことがある男性)

光本氏本人がメディアで釈明


 経営者にはふさわしくない不祥事が降ってわいた光本氏だが、10日配信の「デイリー新潮」のインタビュー取材に応じ、10万円を賭けたテキーラ一気飲みについて、「これは私が提案したわけではないのです」「よくある飲み会ゲームと同じ趣旨のレクリエーションとしてやっていたものです」「彼女は『できると思うのでやりたいです』と言うので、じゃあボトルを1本頼みましょうとなったのです」などと釈明している。また、光本氏はAさんに残念賞として3万円を渡したという。

 光本氏の主張は、あくまでAさんが自発的に一気飲みをしたということだが、この記事を受け、インターネット上では光本氏に対して次のように厳しい声が広まっている。

「道義的な責任はあるだろう」

「いい年した大人ならば、同行の女性が志願しても、ちゃんと止めるのが普通」

「注文しなければ、馬鹿な事故など起こらなかった」

「命がけのゲームみたいなことやらせてる」

「危険なゲームを開催した主催者の責任は免れない」

「まともじゃあ無い」

 ある企業経営者はいう。

「今から15~20年くらい前にいた、毎晩のように飲み会をやって女性に現金を配って喜ぶような、いわゆる“ヒルズ族”みたいなベンチャー社長は随分減りました。若い社長たちが女性の前でシャンパンをポンポン開けて、CEO(最高経営責任者)のことを“チェオ”などと呼んで、いきがっていたのが懐かしいですね。

 今でもラウンジと呼ばれる場所などでつるんで遊んでいる社長はいますが、世間のベンチャー社長がみんなそういうイメージを世間から持たれてしまうのは、ちょっと迷惑な気もします。今は20~30代の成功している社長でも、プライベートはかなり地味だったり、アニメ好きのオタク趣味の人も多いですからね。逆に光本さんみたいな人は、珍しいんじゃないですか」

 一人の若い女性の命が失われている以上、ゲームの結果起きた単なる過ちでは済まないだろう。

(文=編集部)