日本、造船業も中韓勢に敗北、存亡の危機…一地方造船所だった今治造船、国内トップへ

 国内造船最大手の今治造船(愛媛県今治市、檜垣幸人社長、非上場)と2位のジャパンマリンユナイテッド(JMU、神奈川県横浜市、千葉光太郎社長、非上場)の連合体が動き出した。両社が共同出資した船の設計や営業を行う新会社、日本シップヤード(NSY、東京都千代田区)が1月1日付で発足した。海外の独禁当局の承認が長引き、当初予定の20年10月1日から3カ月遅れとなった。

 資本金は1億円。今治造船が51%、JMUが49%出資し、社長にJMUの前田明徳取締役執行役員、副社長に今治造船の檜垣清志専務取締役が就任した。社員約510人は両社からの出向だが、9割は設計要員が占める。NSYは二酸化炭素などの排出を抑えた環境船に注力する。まずアンモニア燃料船の開発に取り組む。中韓勢もアンモニア燃料船などに着手し、環境対応を進めており、先行きは厳しい。

 前田社長は1月6日、東京都内で記者会見し、「環境技術で世界一といわれる会社にしたい」と抱負を語った。今治造船とJMUは、海運大手3社でつくったコンテナ船運航会社が使う世界最大級のコンテナ船6隻を受注しており、2023年~24年の完成を目指している。

 政府が国内造船業の基盤を維持するために設けた金融支援の枠組みを使い、コンテナ船の購入資金への融資に事実上、国の保証をつけることが決まっている。

今治造船がJMUに30%出資

 今治造船とJMUは20年3月27日、資本・業務提携した。JMU救済の色彩が濃かった。JMUは13年1月、日立造船・日本鋼管(現・JFEホールディングス)系のユニバーサル造船とIHI・住友重機工業系のアイ・エイチ・アイマリンユナイテッドが合併して誕生した。日立造船は祖業の造船事業から撤退しておりJMUの経営から退いた。これに伴い、資本の組み換えが行われた。20年6月、JFEHDとIHIが300億円の増資を引き受け、両社の出資比率は49%に上昇、日立造船は1%とかたちだけ残した。

 今治造船は当初、20年10月1日にJMUに出資する予定だったが、欧州連合(EU)や中国など海外の独禁当局による審査に時間がかかり、遅れていた。独禁当局の審査が完了した今年1月、350億円の増資を実施した。内訳は今治造船が150億円、JFEHDとIHIが100億円ずつ引き受ける。JFEHDとIHIは議決権のない優先株などを引き受けた。JMUの新資本金は575億円。増資後の議決権ベースの出資比率は今治造船が30%、JFEHDとIHIがそれぞれ35%。日立造船は保有株をJFEHD、IHIに譲り渡した。

 JMUの20年3月期の連結決算の売上高は前期比6%減の2531億円、最終損益は390億円の赤字(前期は3億円の黒字)。最終赤字は2期ぶり。液化天然ガス(LNG)船などで中韓造船大手との激しい価格競争があり、これが響いた。舞鶴事業所(京都府舞鶴市)で新造船から撤退するのに伴い、生産設備を減損処理したことで赤字が増大した。

 20年4~9月期の連結売上高は1042億円と前年同期から16%減り、最終損益が5億円の赤字(前年同期は65億円の赤字)と2期連続で最終赤字となった。有明事業所(熊本県長洲町)で新型コロナの集団感染が発生し、造船所の操業が一時止まり、船の引き渡しが遅れたことが影響した。

国内シェア50%を握るが、それでも世界シェアの1割どまり

 共同出資した日本シップヤードが船出したが、課題が山積している。今治造船は10カ所、JMUは5カ所の造船所を持っている。決まっているのは、JMUの舞鶴事業所で21年に商船建造から撤退することぐらいだ。

 JMUの主要拠点は大型石油タンカーなどを建造する有明事業所、コンテナ船に強い呉事業所(広島県呉市)、ばら積み船がメインの津事業所(三重県津市)の3カ所。JMUは今回の増資資金を活用して津や有明などに溶接ロボットやクレーンを導入、生産効率を上げる。韓国や中国などの造船業は政府の手厚い支援を受けている。中・韓勢に対抗する武器は最新設備である。

 中国では造船首位の中国船舶工業集団(CSSC)と2位の中国船舶重工集団(CSIC)が経営統合し、韓国も現代重工業と大宇造船海洋が統合を決めるなど海外勢は一段と企業規模を大きくしている。

 これに対して、中韓勢の価格攻勢で受注競争に敗れた国内勢は、事業規模の縮小を余儀なくされた。三菱重工業は長崎造船所香焼工場(長崎県長崎市)を売却する。三井E&Sホールディングス傘下の造船子会社も3月までに常石造船と資本業務提携することで最終合意する見通しだ。サノヤスホールディングスも主力のばら積み船の受注減少を背景に子会社、サノヤス造船(大阪府大阪市)を2月末に新来島どっく(東京都千代田区)に売却する。今治造船の建造量、450万総トン、JMUの建造量は236万総トン。2社を合わせると国内シェア50%を握る“メガ造船”がスタートを切ったわけだが、世界シェアで見ると、わずか1割にとどまる。

 今回、独立系で非上場の今治造船と上場会社の造船部門を結集したJMUという、これまで交わることがなかった2社が手を結んだことに意味がある。今治造船は非上場のオーナー企業ゆえに、その実態はほとんど知られてこなかった。オーナーの檜垣家は、「謎の造船一族」と呼ばれている。今治造船本体のほか、グループ・関連会社などで檜垣一族の総数100人が経営の中枢にある、といわれている。

 1980年代には三菱重工業や三井造船、石川島播磨重工業(現・ジャパンマリンユナイテッド)、日立造船といった大手造船会社が全盛で、今治造船は上場造船会社の3分の1の生産能力しかなかった。瀬戸内海に数多くある地場系造船所の1つにすぎなかった。その後の造船不況で大手がドックを削減し、新事業にシフトするなか、今治造船は経営不振の造船会社を次々と傘下に収め規模を拡大した。

 今治造船が積極路線をひた走ることができたのは、株主や株価に左右されることのない非上場のワンマン経営だったからである。今治造船は、非上場のため財務情報は開示していない。官報に掲載される決算公告が手に入る唯一の資料だ。

 2020年3月期決算(単体)は売上高が前期比3%減の3806億円、最終損益は116億円の赤字に転落した。船価の下落で穀物や鉄鉱石などを運ぶばら積み船などの採算が悪化。新型コロナウイルスの感染拡大で、保有している株式の株価が下がったことによる減損処理で収益が悪化した。

 それでもM&A攻勢はとどまることを知らない。今度はJMUがターゲットとなった。今治造船がJMUを傘下に収め、名実ともにトップの座を窺う。檜垣一族が日本の造船王になる日は近い。

(文=編集部)

接触確認アプリ「COCOA」で不具合続出…なぜ厚労省アプリは質が悪い?国民にも問題

 新型コロナウイルス対策として厚生労働省が昨年6月から提供している接触確認アプリ『COCOA』で、深刻な不具合が続発している。

 本来、アプリをインストールしていれば、新型コロナの陽性者と「おおむね1m以内の距離で15分以上の近接した場合」に通知が来る仕組みだが、なぜか情報が勝手に初期化され、陽性者と濃厚接触している人に対しても通知されない不具合が確認されている。厚労省は、この不具合を確認しており、早期に改善すると発表している。

 実は、このCOCOAについては、提供当初からさまざまな不具合が報告されている。急拡大する新型コロナ対策として、見切り発車だった感はあるにせよ、あまりにもお粗末なバグが少なくない。たとえば、陽性者との接触を知らせるプッシュ通知を受け、アプリを開いてみると接触が確認されないといった不具合があり、昨年9月にアップデートされたが、その後も同様の不具合が続いた。逆に、何度も陽性者と濃厚接触があり、それぞれにCOCOAをインストールしていたにもかかわらず、アプリ上では接触が確認されないという事例もある。

 COCOAで感染拡大を防ぐことはできないにしても、厚労省肝入りのアプリとして開発され、大臣が国民に対してインストールを呼びかけるなど、政府を挙げて推進してきた事業としては稚拙すぎないだろうか。

 また、厚労省が提供しているアプリはほかにも、『EMIS(広域災害・救急医療情報システム)』『ねんきん情報アプリ』があるが、いずれも評判はすこぶる悪い。たとえば『ねんきん情報アプリ』は、年金に関する情報を短い漫画で説明するだけで、詳細を調べようとすると厚労省などのHPに飛ぶなど、特別な機能はほとんどない。「今どき、子供でも作れるレベルで、アプリとして配布する必要性を感じない」など、インストールした人たちからは酷評されている。

 なぜ、厚労省のアプリは質が悪いのだろうか。スマホ評論家の新田ヒカル氏は、問題点は大きく2つあるという。

「まず、国に対する監視の力が弱いということが挙げられます。監視には国民の目とメディアがありますが、国民の国への監視はシビアではないですし、メディアも報道の自由度が低く、発信力は強くありません。

 また、戦後間もない頃の官僚は能力が高かったものの、高度成長期以降の官僚は保身に走り、新しいものを生み出す力が低くなっています。国民としても、“お上”に頼るメンタリティが染みつき、自分たちで問題解決を図ることができなくなっているのではないかと思います。

 そうして役所の仕事は効率やスピードが求められないため、質の高い製品を生み出さなくてはならないという危機感も持たないまま開発が進むという悪循環になっているのではないでしょうか。特にそれはITの分野で顕著に表れています」

COCOAをインストールするインセンティブが働かないワケ

 COCOAは、インストールする人が多いほど効果が高まるが、ダウンロード数は現時点で約2430万人と、十分とはいえない数だ。性能の低さ、機能の少なさ、セキュリティの甘さなどが指摘され、インストールしない人も多い。

「機能の弱さは、個人情報の保護などさまざまなことを“配慮しすぎた”結果だと思います。韓国、香港、台湾など、ある程度コロナ対策で結果を出している国・地域は、強権を背景に施策を推進しています。COCOAは中途半端になっており、インストールするインセンティブが働いていません。現実的には難しいですが、国民全員がスマホを保有してアプリをインストールするといった状況になれば、高い効果を得られるでしょう。

 また、アプリを入れている人は優先的にPCR検査やワクチンを優先的に受けられるようにするなど、インセンティブを付加することでインストールする人を増やせると思いますが、そういった施策もありません」

 COCOAのソースコードはオープンになっているため、誰でも見ることができる。日本中のプログラマーたちが結集すれば、不具合は簡単に解決できるのではないだろうか。

「もちろん、不具合を改善するだけであれば難しくはないと思いますが、そもそも国民がCOCOAにあまり期待していないのではないでしょうか。総理大臣が『これで新型コロナの感染を抑えるんだ』という強い意志を示していないので、開発者たちにも国民たちにも本気度が伝わっていないと思います」

 厚労省はCOCOAについて「利用者は、新型コロナウイルス感染症の陽性者と接触した可能性が分かることで、検査の受診など保健所のサポートを早く受けることができます。利用者が増えることで、感染拡大の防止につながることが期待されます」と説明しているが、利用者が増えないため、あまり感染拡大防止につながっていないのが現状だ。

 今後、政府は広報活動を活発化させるとしているが、さらにCOCOAの性能アップや陽性者が判明した後の保健所・医療機関との連携などを充実させて、感染拡大防止の効果を高めてほしい。

(文=編集部)

藤井聡太、全敗だった天敵・豊島将之に初勝利…86手目「8六歩」“絶妙の好手”を追う

 7戦目にして初勝利――。

 藤井聡太(18)が1月17日に名古屋市の名古屋国際会議場で行われた「朝日杯将棋オープン戦」本戦の準々決勝で、最も苦手としていた豊島将之二冠(30/竜王、叡王)に勝ち、2月11日に東京で渡辺明三冠(36/名人、王将、棋王)と対戦する準決勝(同日に決勝)にコマを進めた。

 藤井はプロ入り後、豊島には公式戦で6連敗し、1勝もしていなかった。現在、藤井と公式戦で3戦以上の対局をして勝ち越している棋士には、久保利明九段、大橋貴洸六段、佐々木大地五段がいるが、豊島は「最大の天敵」だった。

 2017年、18年と藤井が連覇した朝日杯は観客を入れての公開対局だ。「藤井が苦手の豊島に勝てるか」ということで、コロナ禍にもかかわらずファンが駆け付けた「7度目の対決」は、期待通りの熱戦となった。同杯は持ち時間が一人40分と短く、使い切れば一手を1分以内に指さなくてはならない「1分将棋」になる。

 豊島が先手番。序盤に角交換し、豊島がよく見かける「腰掛銀」で様子を見たのに対し、藤井は3筋と4筋(後手なので6筋と7筋)で積極的に銀を前進させる「早繰り銀」という、豊島も予期していなかった急戦に持ち込んだ。難しい将棋は、徐々に豊島が優勢になっていたようにも見えた。

 先に時間を消費してしまったのは藤井。その時点で豊島は9分残していた。この差は大きい。時計係の秒読み「……50秒、1、2、3、4、5、6、7、8」に藤井ファンはハラハラさせられる。10まで読み上げられたら敗北だ。実はプロの棋士でもたまにあり、ひふみんこと加藤一二三九段(引退)は現役時代、何度かこの「ポカ」をやっていたそうだ。

 ちなみに日本将棋連盟の規則では、秒読みに追われて慌てて指そうとして万が一、駒を落としてしまったら、指で盤面部分を押さえ、指す手を口頭ですぐに伝えれば時間内に指したとみなされる。

「相手がやったことも自分がやったこともありますが、やはり相手が認めてくれなくては駄目ですね」(今泉健司五段)

無意識に妙手を放つ

 この対局、藤井が「9」まで読まれて角で王手した場面もあった。慌てたわけではないだろうが、あまりよい手ではなかったとみられる。だがその後、藤井が86手目に放った「8六歩」の攻めが絶妙の好手となりその後、94手目で豊島が投了した。

 局後、藤井は「今まで6局やって勝てていなかったので、ホッとした気持ちはあります。しっかり集中して良い将棋をお見せできるようにしたいと思います」「強い相手と対局できるのはすごく楽しいことなので、過去の成績というのは忘れて一生懸命指そうと思っていました」などと語った。敗れた豊島は「序盤に失敗してしまって中盤あたりで難しくなったような気もしたんですけど、最後のほうに何かチャンスがあったのかもしれないですけど、ちょっとわからなかったです。8六歩がいい手でしたね」などと相手を称えた。棋士が対局後に、相手の一手を具体的に取り上げて褒めるのも珍しい。

「8六歩」について、大盤解説をしていた森内俊之九段(50/永世名人資格者)は「(藤井には)もう一枚歩があるから7八歩で『詰めよ』がつくれる。かっこいい手です」と感心していた。「詰めよ」とは、王手ではないが相手が守らなければ次の手から詰んでゆく一手のこと。「詰めろ」ともいう。

 しかし局後に藤井本人は「詰めろ、のかけ方がわからなかったので、あのあたり、まったくわかっていなかったです」と振り返った。藤井聡太は本音でもないことを言ってみせて相手を煙に巻いたり、攪乱させるような芸当ができる男ではないだろう。年齢ではなく彼の性格からそう感じる。であれば、「わかっていなかった」は本心だろうが、それならば究極の「秒読み」に追われながらも半ば無意識で相手が脱帽するような妙手が放てたわけである。やはり「不世出の天才」たるゆえんだろう。

この勝利の大きな意義

 藤井と豊島はともに愛知県出身。すでにプロ入りしていた豊島が、小学6年生だった藤井と対戦したことがある。豊島は「自分が6年生の時よりもずっと強い」と驚いていた。   

 2人の公式戦初戦は2017年の夏に行われた棋王の挑戦者決定トーナメントだった。すでにA級棋士だった豊島に、四段だった15歳の藤井は完敗し、A級という壁の高さを痛感していた。その後は力の差が縮まり、次第に接戦になってゆくが、藤井はなぜか豊島には勝てず、優勢に進めている将棋も逆転されたりした。

 とりわけ、昨年10月の王将戦の挑戦者決定リーグでは、圧倒的に優勢だった藤井が土壇場でミスから大逆転を許してしまい、「実力差なのか」としょげていた。トップクラスの棋士たちの実力は紙一重。ここで一人でも苦手な相手をつくると真のトップとして君臨してゆくことは難しくなる。その意味でも、この機に勝っておけたのは大きな意義がある。

 一方、名人戦につながる順位戦リーグでは藤井は現在、B級2組で一人だけ負けなしの8戦全勝。、師匠であり同級に在籍する杉本昌隆八段(52)を追い越してB級1組への昇級、つまり「一期抜け」の可能性が高まっている。順位戦の第9局は朝日杯の2日前である2月9日に東京の将棋会館で行われ対戦する窪田義行七段(48)に勝てば昇級決定だ。

 あれこれ書いていると忘れそうになるが、藤井はまだ高校3年生である。高校卒業までわずかの期間も、天才棋士まだまだ楽しませてくれそうだ。

(写真・文=粟野仁雄/ジャーナリスト) 

●粟野仁雄/ジャーナリスト

1956年生まれ。兵庫県西宮市出身。大阪大学文学部西洋史学科卒業。ミノルタカメラ(現コニカミノルタ)を経て、82年から2001年まで共同通信社記者。翌年からフリーランスとなる。社会問題を中心に週刊誌、月刊誌などに執筆。『サハリンに残されて−領土交渉の谷間に棄てられた残留日本人』『瓦礫の中の群像−阪神大震災 故郷を駆けた記者と被災者の声』『ナホトカ号重油事故−福井県三国の人々とボランティア』『あの日、東海村でなにが起こったか』『そして、遺されたもの−哀悼 尼崎脱線事故』『戦艦大和 最後の乗組員の遺言』『アスベスト禍−国家的不作為のツケ』『「この人。痴漢!」と言われたら』『検察に、殺される』など著書多数。神戸市在住。

我が子の学力、親による「習慣形成」が大きく左右…意思とは無関係に自然と勉強に励む

「宿題まだでしょ、ちゃんとやってから遊びなさい」

 いくら言っても机に向かわないため、

「何やってるの! 宿題やらないとダメでしょ!」

「早くやりなさい!」

と声を荒げる。そして、

「なんでウチの子はいつもこうなの。嫌になっちゃう」

と嘆く。よくみられる光景である。

 一方で、宿題を手っ取り早く済ませてから遊び始める子どももいる。何が違うのだろうか。

習慣形成の意義は、意志の力が不要になるところにある

 宿題をやらずに遊んでばかりいる子どもを見て、どうしたら宿題をちゃんとやらせられるかに頭を悩ます親が少なくない。誰だって宿題をするより遊んでいるほうが楽しいに決まっている。

 やらねばならないということは頭でわかっていても、なかなかやる気になれない。怠け心に負けてしまう。それはだれもが経験していることのはずだ。学校時代を振り返っても、試験勉強に集中しなければいけないと思っても、なかなかやる気になれず、ダラダラしてしまう、つい気晴らしに走ってしまう。そんなこともあっただろう。

 大人になってからも、似たような経験をしている人が多いはずだ。ダイエットのために毎日帰宅後に運動をしようと決め、最初の1週間くらいは続いても、

「今日は疲れてるからやめよう」

「今日はアルコールが入ってるからやめよう」

などと、「まあ、今日くらいいいだろう」といった心理が働き、ついついさぼりがちになり、ついにやらなくなってしまう。

 自己啓発本に刺激を受け、仕事力を高める自己研鑽のため、毎朝30分早く起きて勉強をしようと心に決める。わずか30分でも毎日の積み重ねは大きい。これで自分もかなり力をつけられるはず。そう思って始めるが、やはり朝は眠い。目覚まし時計が鳴っても、眠気に打ち克つことができず、「まあ、今日くらいいいだろう」と再び眠ってしまう。そんな日がしだいに増え、そのうち立ち消えになってしまう。

 このような苦い経験は、だれにもあるのではないだろうか。

 勉強でも仕事でも運動でも、何かを継続するには根気がいる。「ちゃんとやらなくちゃ」と頭では思っていても、行動がついていかない。つい怠け心に負けてさぼってしまう。どうしても安易なほうに流されがちだ。そこを踏み止まって継続するには、強靱な意志の力が必要となる。ゆえに、たいていは怠け心に負けることになる。

 そこで大切なのが習慣形成だ。早起きが習慣になっている人は、とくに意志の力を発揮しなくても、当たり前のように早起きができる。毎晩運動することが習慣になっている人は、とくに努力しなくても運動を継続することができる。毎晩夕食後に机に向かうのが習慣になっている人は、食事が終わると自然に机に向かっている。

 習慣形成のもつ意義は、まさにそこにある。いったん習慣化すると、頑張って意志の力を発揮することなしに、ほぼ自動的に望ましい行動を取ることができるのである。

まずは小さな習慣形成から

 習慣形成がいかに有効なものであるかがわかったはずだ。でも、子どもの習慣形成というと、食習慣や睡眠習慣など、生活の基本的なサイクルにかかわる習慣づくりが連想されがちだ。育児情報でも、そのような習慣をつけさせることの大切さが説かれている。

 もちろんそうした習慣形成も大切だが、教育心理学の立場からすると、本を読む習慣や机に向かう習慣を身につけることが、その後の学力向上にとって非常に重要と言わざるを得ない。

 かつては学校の先生が厳しかった。私の子ども時代には非常に厳しい先生がいた。机に向かう習慣がなかった私などは、宿題をせずに毎日遊び回っていたため、甘い先生のときは宿題忘れのグラフで首位を独走していた。ところが、転機が訪れた。メチャクチャ厳しい先生が担任になったのだ。宿題をちゃんとやらない私は毎日厳しく叱られた。容赦なかった。そのお陰で、私は放課後に遊んだ後、夕食後に宿題をちゃんとやるようになった。毎日机に向かうのが習慣になった。

 だが、今はそんな厳しい先生はいない。今どきの先生たちは、保護者のクレームを怖れ、義務を果たさなくても叱らず、良いところをほめ、子どもの気持ちを傷つけないように気をつかわなければならない。ゆえに、学校に任せていたら、子どもに望ましい習慣形成を促すことはできない。

 保護者のクレーム対応に先生たちが疲弊しているというのは、メディアを通して知っているはずだ。子どもの望ましい習慣形成を学校に任せられる時代ではなくなっているのだということを、まずは自覚しておかねばならないだろう。

 そこで、家庭においていかに望ましい習慣を身につけさせるかを工夫する必要がある。たとえわずかな時間であっても親が一緒になって本を読んだり、宿題を済ませたらテレビを見てもいいという方針を貫いたり、家庭によってやり方はさまざまだが、無軌道にならないような工夫が求められる。

 冒頭にあげた例のように、いくら親が声を上げて叫んでも、嘆いても、子どもの行動パターンが変わることはない。大事なのは、少しずつでいいから習慣形成をしていくことだ。

哲学者ジョン・ロックも強調する習慣形成の威力

 近代教育思想の確立にも大いに貢献した、著名な哲学者ジョン・ロックも、習慣形成が教育において担う役割を強調している。

「子供の精神の形成とその早期の鍛錬には大いに注意しなくてはなりません。これらのことは、いつも将来の子供の生活に影響を与えるのです」(ジョン・ロック 服部知文訳『教育に関する考察』岩波文庫、以下同書)

 このように、子ども時代に望ましい行動を習慣化することが将来の生活に大きな影響を及ぼすとするロックは、とくに克己心の大切さを強調する。

「体力は主として困難に耐えることにあるごとく、また精神力についても同様です。そしてあらゆる徳と価値の偉大な原理と基礎が置かれていますのは、人間は自己の欲望を拒み、自己の傾向性をおさえ、欲望が別の方向へ傾いても、理性が最善として示す処に純粋に従うことができるという点です」

 このように、負荷をかけることによって身体が鍛えられるのと同じく、自分の欲望を我慢することによって精神力が鍛えられるとする。そして、欲望を我慢する力は子どもの頃からの習慣によって培われる、といった視点を示している。

 その意味においても、子どもと約束して、何らかの決まりに従うように仕向けることが習慣形成の第一歩になるだろう。

「あらゆる美徳と美質の原理は、理性が認めないような自分自身の欲望を充足することを自ら斥ける力にあることは、明らかであると思われます。この力は、習慣によって得られ、増進されまた早くから実行して、わけなく身近なものにすべきです。そこで、もし耳をかしてもらえるなら、通常の方法に反して、子供はゆりかごにいる間からさえ、自分の欲望を克服し、熱望するものをもたずに我慢することに慣れるようにすべきだ、と忠告したいと思います」

 最近は、教育界でレジリエンスという言葉が重視されるようになってきつつある。自分の思い通りにならないような状況になると、すぐに落ち込んだり、かんしゃくを起こしたりする子どもたちが非常に多くなっているからだ。一方で、そんなときも冷静さを失わず、頑張り続けることができる子もいる。そこには、いわゆるレジリエンスの違いがあるのだ。

 もちろんロックの時代にはレジリエンスという概念はなかったのだが、今風に言えば、そのレジリエンスの違いをもたらすのが、幼い頃から自分の欲望のコントロールを習慣化できているかどうかだというのが、ロックの考えだと言ってよいだろう。

 ロックは、子ども時代に欲しいものを何でも与えられ我慢せずに育った者は、大人になってから酒に溺れたり女に溺れたりするが、我慢する習慣を身につけてきた者はけっしてそのようなことはないといった例をあげ、「その相違は欲望があるとかないとかいうことではなくて、その欲望のうちにあって自己を統御し、克己する力にあります。若いときに、自己の意志を他人の理性に服従させることになれていない者は、自己の理性を活用すべき年齢になっても、自分自身の理性に傾聴し従うことは、めったにないものです」とする。

 そして、そのような違いは子どもの頃のしつけに起源があるとし、「一方の子供は欲しがったり、わめいたりするものを与えられるのが習慣になっており、他方の子供はそんなものなしに我慢するのが習慣になっている」というように、どのような習慣を身につけているかで大人になってからの人生が大きく違ってくることを強調している。

 子どもの将来のためを思うなら、習慣形成の重要性をここで再認識しておく必要があるだろう。

(文=榎本博明/MP人間科学研究所代表、心理学博士)

●榎本博明/MP人間科学研究所代表、心理学博士

1955年東京生まれ。東京大学教育心理学科卒。東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。川村短期大学講師、カリフォルニア大学客員教授、大阪大学大学院助教授等を経て、MP人間科学研究所代表。心理学をベースにした執筆、企業研修・教育講演等を行う。著書に『「やりたい仕事」病』『薄っぺらいのに自信満々な人』『伸びる子どもは〇〇がすごい』(以上、日経プレミアシリーズ)、『モチベーションの新法則』『仕事で使える心理学』『心を強くするストレスマネジメント』『ビジネス心理学大全』(以上、日経BP)、『「上から目線」の構造<完全版>』(日経ビジネス人文庫)、『教育現場は困ってるに変更』(平凡社新書)、『他人を引きずりおろすのに必死な人』(SB新書)など多数。

東京五輪、全国から1万人の医療従事者とコロナワクチン未接種の国民を東京に集結の方針

 1月27日、河野太郎ワクチン担当相は「65歳以上の高齢者(約3600万人)へのワクチン接種は、4月1日から始め6月第3週までに終了する」という見通しを記者団に語った。ということは、65歳未満の人への接種は7月以降になるということだ。

 海外でも、ワクチン接種がなかなか進んでいないようなので、おそらく各国とも6月中には全国民に接種できないだろう。つまり、東京オリンピック・パラリンピック(以下、東京五輪)が開催される予定の今年7月は、日本も含め世界中がワクチン接種の真っ最中ということになる。

 世界中がコロナと戦っている時期に、世界中から人を集め「コロナに打ち勝った証」として東京五輪が開催できるのだろうか。五輪は、スポーツの祭典ともいわれるが、要するにカーニバル(お祭り)にすぎない。世界中が一人でも多くの人に、できるだけ早くワクチンを接種しようと躍起になっている7月に、日本では「コロナに勝った証として、世界中から人を集め大騒ぎをしている」のだ。それを「微笑ましい」と思う人よりも「何を馬鹿騒ぎをしている」と思う人のほうが多いのではないだろうか。

 しかも、あとになってから「東京五輪がコロナを世界中に拡散させた」ということにでもなると、「なぜ中止しなかったのか、延期しなかったのか」という叫びが世界中から湧きあがり、日本の信用は失墜してしまうだろう。

“Go To 東京”で浮かれている場合ではない

 おそらく菅義偉首相は、東京五輪期間中とその前後には、少しでも多くの人を東京に集めようと、Go Toトラベルを大々的に実施するだろう。そうなると東京には、日本全国あるいは世界中から数十万人規模で人が集まってくる。ほかにも、選手団やボランティアの人たちも集まる。ボランティアだけで約11万人(大会ボランティア8万人、都市ボランティア3万人)、さらに、医療従事者も東京五輪のために1万人も集めるという。

 しかも、医療従事者の人たちを除いて、集まってきた人たちの多くはワクチン接種を終えていないはずだ。いくら夏場とはいえ、終息に近づいていたとしても、ワクチンを接種していない人たちを東京に大集合させることは大丈夫なのだろうか。 

 一方、その時、全国で65歳未満の人たちへのワクチン接種が始まっている。東京の街なかは、日本も含め世界中から集まった人に加え、ワクチン接種の人たちでごった返すのではないだろうか。

 そもそも、もし終息間近だったとしても、日本中がワクチン接種で大混乱しているかもしれない時期に、東京五輪の感染対策のために、1万人もの医療従事者の人たちを東京に集めていいものだろうか。

 世界中からワクチン接種が終わっていない人たちが大集合する姿を見て、世界中の人たちは「スポーツの祭典を盛り上げてくれてありがとう」と感謝するだろうか。

 いくら無観客だろうが、日本人限定だろうが、東京五輪開催中の7月は、世界中がワクチン接種を続けながらコロナと必死に戦っているはずだ。本当にコロナに打ち勝った証として祭典をしたいのなら、世界中から医療従事者の人たちを集めて、感謝の祭典を開いたほうが、世界中の人たちが喜んでくれるだろう。

 無観客だろうが日本人限定だろうが、定員の半分の人数にしようが、いずれにしてもコロナに感染することが怖いから取る措置だ。コロナに打ち勝ったわけではなく、コロナにおびえている証拠だ。とてもコロナに打ち勝った証とはいえない。菅首相は、7月23日の開会式に、世界中の人々に向けて「コロナに打ち勝った証として東京五輪を開催します」と自信をもって宣言できるのだろうか。

 東京五輪は、中止か延期するしかない。

(文=垣田達哉/消費者問題研究所代表)

●垣田達哉/消費者問題研究所代表、食品問題評論家

1953年岐阜市生まれ。77年慶應義塾大学商学部卒業。食品問題のプロフェッショナル。放射能汚染、中国食品、O157、鳥インフルエンザ問題などの食の安全や、食育、食品表示問題の第一人者として、テレビ、新聞、雑誌、講演などで活躍する。『ビートたけしのTVタックル』『世界一受けたい授業』『クローズアップ現代』など、テレビでもおなじみの食の安全の探求者。新刊『面白いほどよくわかる「食品表示」』(商業界)、『選ぶならこっち!』(WAVE出版)、『買ってはいけない4~7』(金曜日)など著書多数。

マツキヨ、今冬のビミョ~すぎる5品…甘すぎるしょうが湯、剥がしづらすぎる絆創膏

“マツキヨ”の愛称で親しまれる「マツモトキヨシ」は、医薬品に日用品、化粧品、食品と多彩な商品ラインナップを誇る大手ドラッグストアチェーンだ。グループ全体で47都道府県に1738店舗出店(2020年9月末時点)しており、国外ではタイに31店舗、台湾に13店舗構え、今後はベトナムへの進出を予定しているという。

 そんなマツキヨでは1990年代からPB(プライベートブランド)を展開し、現在では「matsukiyo」というブランド名でさまざまな商品が発売されている。そのなかには、世界的なデザイン賞・広告賞を5つも受賞したトイレットペーパーのように絶賛を受けているアイテムがある一方で、ユーザーからの評価が芳しくないアイテムがラインナップされているのもまた事実。

 そこで、「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」では日用品を中心にmatsukiyo商品をリサーチ。「この冬、買ってはいけないアイテム」を5つピックアップした。調査班が独自に選んだ商品ではあるが、マツキヨでの買い物で損をしないため参考にしてほしい。

しょうが湯 15g×6袋/158円(税抜、以下同)

 体が芯から温まるような飲み物が恋しくなる冬。紅茶やコーヒー、ココアといった定番ドリンクだけでなく、風邪予防に効果のあるしょうが湯やかりん湯を楽しむという方も多いだろう。

 matsukiyoでもさまざまなホットドリンクが発売されており、「しょうが湯 15g×6袋」もそのひとつ。1袋分の粉末で90mlのしょうが湯が味わえる商品で、国産の生しょうがをまるごとすりおろしたというだけあって、しょうがの香りを存分に堪能できる。

 だが、肝心の味はというと、しょうがの風味は感じられるもののそれ以上に甘みが強く、しょうが湯を飲んでいるという実感をあまり抱けないドリンクとなってしまっている。味覚でもガツンとしょうがの風味を楽しみたい方や甘いドリンクが苦手な方は、別のしょうが湯を購入するべきだろう。

通気絆創膏 Mサイズ 30枚/278円

 乾燥で手荒れしやすい冬は、手先にひび割れやあかぎれなどの傷ができやすい季節。絆創膏のお世話になる機会が増えるという方も多いのではないだろうか。だが、matsukiyoの絆創膏は当たり外れが激しく、「通気絆創膏 Mサイズ 30枚」も残念ながらおすすめしづらいアイテムとなっている。

 まず、「通気絆創膏 Mサイズ 30枚」の利点は粘着剤が肌にフィットすることと、通気性に優れているためムレにくいことにある。つまり、ムレによる痒みなどを心配することなく、傷のできた部分をしっかりと外部刺激から守ることができる絆創膏というわけだ。

 ところが、肌にピッタリと貼りつく粘着力の高さが、実は最大の欠点でもある。非常に剥がしづらく、剥がすときに痛みを感じたり、粘着剤が指に残ったりしてしまうのだ。実際に使用して剥がしたみたところ、あまりの粘着力で基材であるウレタン不織布が指にくっついてしまったこともあった。付け剥がしをしやすい絆創膏を使いたい場面では使うべきではないだろう。

トイレブリーチ 500g/168円

 例年よりも家の中で過ごす時間が増えるであろうこの冬。これまではあまり意識していなかった場所の汚れが気になるようになったという方も少なくないはず。matsukiyoには多種多様な清掃グッズがラインナップされているが、「トイレブリーチ 500g」はクセが強いため、購入する際に注意が必要だ。

 便器の内側の黒ずみやカビを落とすだけでなく、便器やフタ、タンクなどの掃除も可能と、トイレ掃除全般で活用できるこのアイテム。ノズルの先端が曲がっているためフチ裏にも液をかけやすく、こすらなくともしっかりと汚れを落とすことができるのが特徴だ。

 そんな使い勝手と性能に優れていてコスパも優秀な商品なのだが、液体のニオイが強すぎるという欠点を抱えているのである。パッケージにも記載されている通りにしっかりと換気をして掃除しても、ニオイがしばらく残るため塩素系のニオイが苦手だという方は別の清掃グッズを選んだほうがいいかもしれない。

ペーパーハンドタオル 82組(164枚)/95円

 手洗い後の手拭きに使用してそのまま捨てられるペーパータオルは、今では公共の施設だけでなく家の中で使用したり、外に携帯するグッズとしても使われている。洗面台周りの拭き掃除や雑巾代わりにも活用できる利便性の高さも評価されているポイントだろう。

 Matsukiyoの「ペーパーハンドタオル 82組(164枚)」は、柔らかな肌触りが特徴。取り口が広いため中身が取り出しやすく、82組入りで95円とコスパが優秀で、簡素な包装でゴミ出しでもかさばらないと、利点が多いアイテムだ。

 しかし、ソフトな使用感を追求したために、力を入れて拭くと破けやすいという欠点も併せ持っている。場合によっては無駄に紙を使ってしまうことになりかねないので、使い方をよく考えたうえで購入してほしい。

アルコール除菌スプレー本体 400ml/278円

 アルコール除菌・消毒のためのグッズが必需品となった昨今。一時期のようにどこへ行っても品薄という状況ではなくなったため、自分の使い方やライフスタイルに合わせたグッズ選びを心がけたいところだ。

アルコール除菌スプレー本体 400ml」はスプレータイプのキッチン用除菌グッズで、まな板や包丁などの調理用具、台ふきん、三角コーナー、シンクなどの除菌、冷蔵庫などの家電や調理台、食卓の拭き掃除などで使える。天然由来の成分なので、食器にかかっても安全で除菌の際にも洗い流す必要がないことが特徴だ。

 だが、一部のユーザーからは中身のアルコールの揮発性に問題があると指摘されており、確かに実際に食卓の除菌で使用したところ、拭き跡がテーブルの上にハッキリと残ってしまっていた。また、本体にもスプレーノズルが「閉」の状態でハンドルを押すと、ノズルを切り替えたときに中身が出てしまうという問題点がある。速乾性に優れたアルコール除菌グッズが欲しいのであれば買うべきではないだろう。

 今回紹介した5アイテムは、使い方次第では値段以上に活躍してくれるだろうが、特徴を理解せずに買ってしまうと、ほとんど使わないなんてことにもなりかねない。買い物の際は価格だけでなく、どういう用途で使うのかを想像して商品を選ぶことが大事ということだろう。

(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)

※情報は2020年12月21日現在のものです。

木村拓哉が歌うのはSMAP曲を消し去らないため?…キムタクの音楽と役者活動の背景

 日本が誇るスター俳優のひとりとして、いまだ熱い注目を集める木村拓哉。昨年3月いっぱいで中居正広がジャニーズ事務所を退所したことにより、事務所に残った唯一の“元SMAP”となったわけだが、その活躍ぶりは相変わらず安定している。2021年正月にはスペシャルドラマ『教場2』(フジテレビ系)が2夜連続でオンエアされ、第1夜の視聴率が13.5%、第2夜が13.2%と好成績を残した(視聴率は共にビデオリサーチ調べ/関東地区)。

 あるテレビ誌の記者は次のように語る。

「キムタクが冷徹な鬼教官・風間公親(かざま・きみちか)を演じることで話題となった『教場』ですが、2020年正月にオンエアされた第1弾は視聴率15%超えを果たしていました。今回の『教場2』はそれを超えることはできなかったわけですが、どの局もお正月ならではの強力な特番を持ってくるなか、13%超えで同時間帯トップというのはさすがです。

 出演予定だった伊藤健太郎がひき逃げ事件で降板。しかも役どころが『訓練中に同級生をひいてしまう生徒役』だったというのには驚かされましたが、とにかく撮り直すしかない。コロナ禍でただでさえ撮影が困難ななか、木村さんもスタッフや共演者を鼓舞し、なんとか撮り直したそうです。若い時から主演を張り、座長役が身についてる木村さんならではのエピソードですよね。

 そんな『教場2』は、風間がなぜ右目を失い冷徹な鬼教官になったのか、そのきっかけとなる事件までさかのぼったところで幕を下ろしました。つまり1年後まで引っ張る気まんまんなわけで、スペシャルドラマでここまでクリフハンガーを作れるのはキムタクドラマしかないと思います。強烈なキャラをしっかり成立させられないと、1年間も引っ張れませんから」

タレントの映画公開に合わせて連ドラをかぶせてくるのは、ジャニーズのお家芸

 今年は大ヒット映画「マスカレード」シリーズの最新作『マスカレード・ナイト』の公開を9月に控え、現在はその撮影の真っ最中とか。前作の『マスカレード・ホテル』(2019年公開)が興行収入46億円超えを果たしているだけに、“2021年最大の注目作”との呼び声も高い。

「緊急事態宣言が発出されたため、撮影現場では当然ながら感染予防対策を徹底させてはいるものの、時間的な制約も多い。それでも木村さんはロゴ入りのオリジナルマスクを作成してスタッフや共演者に配るなど、ここでも安定の座長ぶりを発揮しているそうです。2回目の緊急事態宣言でメジャー作品の公開延期も相次いでいますが、『マスカレード・ナイト』はぜひとも無事に公開にこぎつけてほしいですね。

 今回も長澤まさみさんとの息の合ったコンビネーションが見られるでしょうし、このマスカレードシリーズの主人公である新田浩介は、原作者の東野圭吾さんが木村さんを想定して当て書きしたともいわれています。つまり、木村さんにとってはこれ以上にない“代表作”になり得る作品なわけで、いつも以上に力が入っているのかもしれません。映画公開の9月に合わせて連ドラをかぶせてくるのは、ジャニーズのお家芸。『グランメゾン東京』のような、木村さんが得意とする職業ドラマを企画進行中との噂があるので、それも楽しみですね」(前出・テレビ誌記者)

「SMAPの曲をこの世から消し去らないため」の音楽活動なのか

 今年も絶好調な滑り出しを見せた木村拓哉。2021年も順風満帆にいくのか? ジャニーズに詳しいある週刊誌記者は次のように語る。

「2019年1月にはB’zの稲葉さんや槇原敬之さんなど錚々たるメンツが参加した初のソロアルバム『Go with the Flow』を出し、SMAP時代からカウントすると約5年ぶりにライブも敢行。そこで、ソロ曲以外にもSMAP時代の『SHAKE』や『夜空ノムコウ』を歌い、ファンたちは当然ながら狂喜乱舞。

しかし、3月からコロナ禍が待ったなし状態となったため、ソロアーティストとしての話題が長く続かなかったんです。本来なら2020年はもっとアーティスト面を強化し、シンガー・木村拓哉の印象を強く残したかったはず。今はライブもなかなかしづらい状況ですが、本人はまた折を見てやりたいという思いが強くあるようです。

 というのも、事務所を退所した新しい地図の3人はSMAPの曲を原則的に歌えず、中居くんも退所してしまった以上、SMAPの歌をやれるのは木村さんのみ。もしかして木村さんは、SMAPの曲をこの世から消し去らないために、アーティスト活動を再開したのかもしれません。SMAPの再結成は絶望的に難しいと思いますが、彼らの名曲は後世に残すべきだという思いは事務所首脳陣のなかにも強くある。コロナが収まれば、仕切り直しの意味も込めて全国ツアーなども考えているようですよ」

 元メンバーが続々と事務所を離れ、孤高の存在となってしまった木村拓哉。しかし、彼が役者やアーティストとして第一線で孤軍奮闘しているからこそ、SMAPという看板は永遠に我々の脳裏から消えないのだ。

(文=藤原三星)

●藤原三星(ふじわら・さんせい)
ドラマ評論家・コメンテーター・脚本家・コピーライターなど、エンタメ業界に潜伏すること15年。独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を中心に量産中。<twitter:@samsungfujiwara

東京のコロナ感染者は本当に減ったのか 接触者追跡縮小し検査件数も2割以上削減! 和歌山県知事は「崩壊招く」と警告

   今週に入って、東京都で1月25日月曜日に発表された新規感染者数が618人と激減。26日(火)も1026人、27日(水)も973人、28日(木)1064人、本日29日(金)は868人と、減少トレンドにあるとして、多くのメディアで楽観ムードが漂っている。  たしかに、前週...

パチスロ「万枚」報告も飛び出した6号機で“豪腕”を炸裂…「怒濤の展開」に大歓喜!!

 パチスロ6号機が登場し約3年が経過した。現在に至ってなおユーザーを悩ませる仕様が「2400枚制限」である。

 例外を除いた多くの6号機には「有利区間」が搭載されており、一定の条件で遊技状態がリセットされてしまう。

 その条件とは「有利区間開始から1500G経過」と「2400枚のプラス差枚」である。そのため5号機のような「一撃万枚」を目指すことは不可能に近い形となった。

 しかし、それは出玉性能の限界値ではない。一撃に拘らなければ大量の出玉を形成可能な機種が続々と登場し続けているのだ。

 例えば、カルミナの『探偵オペラ ミルキィホームズ 1/2の奇跡』や『パチスロ 天元突破グレンラガン』などである。

 これらは有利区間の開始後を連チャンゾーンとして設計されており、AT(若しくは連チャン)終了後に有利区間リセットすることにより、さらなる連チャンで大量出玉が獲得できるのだ。

 2021年1月の新台『戦国乙女3~天剣を継ぐもの~』も同様の工夫が見られる。AT「天剣乱舞」終了後に有利区間リセット(継続の場合アリ)し、その直後に引き戻し抽選を行う。

 新台といえばニューギンよりリリースされた『パチスロ花の慶次~武威』も強烈なスペックで話題だ。

 先述した機種のように有利区間開始時に引き戻しを行っているわけではないが、低設定であっても天国モードに期待でき、1000枚や2000枚といった出玉の連打が可能。インターネット上では「万枚報告」も飛び出し、1G辺り約8.7枚という高純増でありながら、荒波なスランプグラフを描くと大きな注目を浴びている。

 同機種の凄まじさはARROWS- SCREENが配信する『【生放送】シーサ。の回胴日記第1011話』が参考となるだろう。

 本動画は生放送の映像をそのまま収録し投稿されたものであり、3時間以上の長尺動画となっているので見応え満点だ。

 見どころは動画開始1時間17分頃より開始される一連の流れ。ATで大量獲得した後に天国ループでズバズバと出玉を伸ばしていく様子が楽しめる。

 特筆すべきは天国と思しきゲーム数でのATにも関わらず4桁枚数の大量獲得に繋がっている点。ヒキ強で有名なシーサ。の剛腕は健在といったところであろうか。

 気になる方、ご興味のある方は是非ご覧になってみてはいかがだろうか。

(文=大松)

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サークル活動がそのまま就職活動になる時代へ

突然ですが、私は大学時代の4年間をバンドサークルで過ごしました。プロのアーティストも輩出しているサークルで、憧れの先輩バンドがたくさんいました。しかし、そんな先輩たちも3年の冬になるとサークルを引退。下北沢で買った古着を脱ぎ捨て、格安のリクルートスーツに着替えて面接に行くようになりました。

「サークルでの活動なんて、就活では何の役にも立たないよ」

そう言い残して、先輩たちは一般企業や公務員の道へ。憧れだったバンドも、次々と解散していきました。

なぜサークル活動と就職活動はこんなに分断しているのだろう。

なぜ就職活動のために、サークルを辞めないといけないのだろう。

なぜ学生サークルという存在は、社会とつながっていないのだろう。

申し遅れました。電通若者研究部(電通ワカモン)の小島雄一郎です。電通ワカモンは、学生の就職・採用活動のリデザインを行っています。

1月29日に、電通、「エンカレッジ」を運営するリクー、大学生マーケティング会社のユーキャンパスの3社でリニューアルした「サークルアップ」というサービス(リリースはこちら)は、そんな私の原体験から生まれました。

会社とサークルが混ざっていく

日本の大学生活は「モラトリアム」(社会に出るまでの猶予期間)と呼ばれることがあります。その期間に多くの大学生たちが通る道。それがサークル活動学生団体などの課外活動です。

大学1年生では、実に89%が所属している「サークル」は、日本の大学特有の存在。会社でもなければ、法人でもない。設立の許可もいらないし、解散の基準もありません。

スポーツ系であれば、体育会ほど「ガチじゃない」ことがサークルの意味だったりもしますし、事実「サークルノリ」という言葉は社会に出ると「子どもじみている」という意味で使われることがほとんどです。

けれども私は、この「サークル」こそ次の組織づくりのヒントになる、という仮説を持っています。

  • 終身雇用制の廃止
  • 企業の副業解禁
  • コロナ下のリモートワーク
  • 個の時代

昨今、組織に対する帰属意識は下がる一方です。

これまでのトップダウン型の組織ではなく、リーダーを置かない、可変性の高いティール組織なども注目され始めてきました。

サークルアップ
また「好きなことで、生きていく」というYouTubeの広告コピーのように、「趣味は仕事にしないもの」という価値観は一転し「趣味を仕事にする」流れもあります。

これらの潮流から、徐々に会社(ガチな組織)とサークル(ゆるい組織)の境界線が溶けていくのが次の時代。

会社がサークルのような雰囲気になっていくこともあれば、サークルがそのまま会社化することも多くなっていくでしょう。大学で謎解きサークルの代表を務めていた松丸亮吾氏が謎解き制作会社を設立したのも好例といえます。

サークル活動と就職活動が分断しない世界を

いわゆるサークルの中でも、代表的なのが大学サークルですが、社会や企業との接点があるサークルは多くありません。

サークル活動とは、あくまで趣味的にやるもの。

学生たちのこの意識には、大学と経団連が定めた「就活解禁日」の影響もあります。

時代によって時期は異なりますが、これまでは会社説明会や採用面接の解禁日が設定されていました。例えば、2020年卒業生の説明会解禁日は、2019年3月1日でした。

これは裏を返せば「3年の冬までは就職のことなんて考えなくていい」(学業に専念しましょう)というメッセージにもなります。しかし日本の大学は海外に比べて比較的簡単に単位が取れるため、実際に専念するのは学業ではなくサークルをはじめとする課外活動(もしくはアルバイト)になっているのが実態です。その結果「サークルを引退する時=就職活動が始まる時」という認識が定着し、サークル活動と就職活動の分断が起こっています。

サークルアップ

そこで、大学サークルがもっと社会で顕在化すれば、社会と接点を持てば、大学も、学生も、企業も少しずつ変わり始めるのではないか。そんな仮説の下で2013年にリリースしたのが「サークルアップ」というサービスです。

当時、サークルの連絡ツールとして使われていた「メーリングリスト」をアプリ化。さらに登録学生がアンケートなどに回答することで、サークルの活動費を得られるポイント機能を実装。大きなプロモーションはしませんでしたが、6年間で7万人のユーザーを獲得しました。

しかし7万人という数字は広告メディアとしては少なく、電通の事業としては収益を出せません。また(これは言い訳ですが)当時の私はアプリ開発のノウハウもなく、ユーザーに良質なUI/UXを提供できたともいえませんでした。改善の途中で開発費はなくなり、軽微な改修しかできない状況が数年間続いていました。

このサービスは、サークルの顕在化という点では大きな手応えがありました。サークルアップのプロモーションとして開催したイベントから次々とスターが生まれたのです。

ソニーミュージックと共催した「SOUND YOUTH」という音楽サークルのコンテストには、Official髭男dismの藤原聡さんやYOGEE NEW WAVESらが学生時代に参加。

吉本興業と共催している「NOROSHI」というお笑いサークルの大会には、今注目のフリー芸人ラランドや、にゃんこスターのアンゴラ村長が学生時代に参加しました。また、大会がきっかけで吉本興業の養成所に入る学生も多く、昨今の東京NSC(吉本興業の養成所)を首席卒業した芸人は、直近4年間のうち3年でこの大会に出場経験のある方でした。大学サークルという存在は、新たな「才能発掘の場」として機能したのです。

これらの実績がきっかけとなり、サークルアップは「サークル活動と就職活動を分断させない」をコンセプトに、今回の全面リニューアルを迎えることとなりました。

サークルと企業がフラットにお互いの活動を支援し合うサービスを構築

そもそも、サークル活動と就職活動は相性がいいはずです。

バンドサークル → エンタメ業界
ボランティアサークル → 教育業界
国際交流サークル → 商社

という業界との親和性はもちろんありますが、それだけではありません。

サークルアップ

サークルには、仕事のような雑務が伴います。代表をはじめ、会計や庶務、後輩育成など、社会人なら給与をもらって行うようなことを、逆に部費を払ってやっています

それでもなぜ学生たちはサークル活動をするのでしょうか?

サークルに所属する大学生たちに聞いたら、こんな答えが返ってきました。

  • サークルの雰囲気が好きだから
  • 興味のある分野に関われているだけでうれしいから
  • 自分の居場所だと感じるから
  • サークルを使えば自分のやりたいことができそうだから

どうでしょう。会社に置き換えて考えみると、理想の組織ではないでしょうか?

サークルなんて、いつでも辞められる。

それでも学生たちはその組織に居ることを自己決定している。なんだかんだ言いながら、そこが居場所となっているからです。

社会人になっても身を置く場所は、そんな組織であってほしいと思います。例えば、そのテニスサークルの雰囲気が好きだから、と部費を払ってまで雑務を引き受けていた学生には、同じようにその会社の雰囲気が好きだから、雑務も苦じゃない組織が見つかればいい。

サークルでの仕事の経験を生かしてスキルアップし、それで少しずつお金をもらえるようになった。そんなゆるやかな移行を自然な就職の形にしたい、サークル活動と就職を地続きなものにしたい。

これらの思いを、リニューアルする「サークルアップ」には込めました。コンセプトコピーは「サークル活動って無限かも。」です。

サークルアップ
最後にサービス内容を少し紹介します。

リニューアル後のサークルアップを端的に表現すれば、サークルと企業がお互いの活動を支援し合うプラットフォームです。企業は学生のサークル活動を支援する。学生は企業のリクルーティングやマーケティング活動を支援する。企業も学生も、どの団体の活動を支援するかは自らで決める。

もう少し具体的に説明します。

サークルアップに登録している学生は皆、何かしらのサークルに所属しています。企業は支援したいサークルや学生を決めたら、自社のリクルーティングやマーケティング活動への協力を依頼するオファーを配信。オファーを受け取ったサークルや学生は、それに応えることでサークルポイントマイポイントという二つのポイントを得ることができます。

サークルアップ
サークルポイントはサークルの活動資金などに交換でき、マイポイントも現金として個人口座で受け取ることが可能です。

ちなみに、個人口座に入金される仕組みを新たに追加したのは、アルバイトにかける時間を減らすためです。

サークル活動にはお金がかかるため、お金を工面するためにアルバイトにかける時間も長くなりがち。アルバイトに時間を取られている間に就職活動の時期になり、結局サークルもアルバイトも辞めざるを得なくなる。

サークル活動を存分にできなかった学生は、就職活動でアピールすることがなくなってしまう

こんなループにハマってしまう大学生は少なくないのです。

サークルアップ
そこで考えたのが「サークル活動がそのまま就職活動になる」というソリューション。

企業側はサークルの活動内容や、サークルメンバーからの他己紹介を材料に支援するサークルや学生を探します。つまりサークル活動に力を入れれば入れるほど、企業からの注目度が増すのです。

そして企業がサークルを支援するほどに、サークル活動は活性化。個人にも報酬があるので、学生のうちから企業と関係値をつくれればバイトを辞めてサークル活動に集中することも可能。結果的に学生の実績づくりにもつながるという構造です。

サークルアップ
就職活動の時期になったら、サークルもバイトも辞めて、就職活動用に「盛った自己PR」を考える必要なんてなくなります。

サークル活動がそのまま就職活動になる時代へ。

リニューアルした「サークルアップ」で、少しでも実現していきたいと考えています。

サークルアップ
「サークルアップ」プロジェクトメンバー。(左)小島雄一郎氏(ビジネス・デザイナー)、(右)古橋正康氏(エクスペリエンス・デザイナー)