大方の予想とは逆に、コロナ下で食料・資源・運賃などあらゆる価格が高騰している理由

 新型コロナウイルス感染症拡大の危機によって経済が深刻な打撃を受けているにもかかわらず、全世界的に食料やエネルギーの価格が高騰している。コロナ危機発生直後は、需要の極端な減少で価格が暴落し、全世界的にデフレが進行するとの声が多かったが、これは単なるイメージでしかない。確かに販売不振で価格が低下する商品もあるが、ビジネスの維持に必要となる必需品は、むしろ供給がタイトになり、不景気であるにもかかわらず物価上昇が進むケースが多い。

食料品の価格が暴騰している

 このところ全世界的に食料品の価格が急上昇している。国連食糧農業機関(FAO)が算出している食料価格指数(2014~2016年=100)は、2020年12月段階で107.5となり、2020年5月との比較で18%も上昇した。同指数はコロナ危機が深刻化した2020年前半に下落したが、すでにコロナ前の水準を突破する状況となっている。

 価格高騰は食料品だけの現象ではなく、コモディティ全般に広がっている。IMF(国際通貨基金)の調査によると、金属類は2020年11月時点で5月との比較で24%の上昇、燃料(原油や天然ガス、石炭の総合値)価格は90%近くの上昇となっている。天然ガスについては寒波による中国や韓国の輸入急増やプラントのトラブルといった特殊要因があるが、多くの商品価格が上昇しているのは間違いない。

 各国の株式市場では、コロナ危機で多くの企業が業績悪化に苦しむなか、株価だけが顕著に上昇するという、ある種の異常事態が続いてきた。ニューヨーク証券取引所のダウ平均株価は史上最高値を更新中だが、コロナ危機の最中に株価が上昇しているのは、ポストコロナ社会への期待感が原因とされる。

 今、相場をリードしているのはGAFA(米グーグル、米アップル、米フェイスブック、米アマゾン・ドット・コム)に代表される巨大IT企業である。コロナ危機をきっかけに社会のIT化が一気に進むと予想されており、その主役となる企業に買いが集まっているという図式だが、IT銘柄への期待感だけでここまで相場が上昇するとは考えにくい。背景には、コモディティ価格の上昇によるインフレ期待も大きく作用しているはずだ。

 コモディティ価格の高騰は、市場の混乱が最大の原因だが、IT銘柄の高騰と同じく、コロナ後の社会を暗示していると解釈することもできる。

 コロナ危機など緊急事態が発生すると、平時には隠れていた国家のエゴが丸出しになる。一部の国は不測の事態に備え、食料や資材の備蓄を増やしたり、輸出を一時的に制限するなど資源確保に走る。実際、2020年前半にはロシアやカザフスタンが小麦の輸出を制限したほか、中国は政府によるコメの買い入れを過去最高水準まで増やしている。日本では極度のマスク不足が発生したが、中国やドイツなどマスクの生産国は一時、輸出を制限する措置を実施していた。

従来型サプライチェーンが抱えるリスク

 ドイツも中国もマスクの輸出を再開したし、食料を備蓄した国も状況に応じて備蓄を放出していく。最終的には需要と供給のバランスは取れるはずだが、一時的であっても市場において需要と供給の不一致がもたらす影響は大きい。需要と供給のバランスが崩れるリスクが存在する状況では、企業は割高になっても数量を確保しようとするので、どうしても価格は上がってしまう。

 短期的な需給のバランスが改善しても中長期的には別の要因が加わってくる。それはサプライチェーンの混乱である。各国の企業は食料や資材、部品を調達するため全世界に巨大なサプライチェーンを構築している。近年は特にその傾が強く、1円でも安い商品を求めて地球の裏側からでも調達するのが当たり前となってきた。

 だが、こうした巨大な調達網は、その一部が滞っただけでも全体に大きな影響を与えてしまう。物資を輸送するルートや集約拠点で新型コロナウイルスのクラスターが発生すると、そこがボトルネックになり、最悪の場合、全体が止まってしまうのだ。

 天然ガスの異常な価格高騰の最大の原因は、プラントのトラブルとされるが、2020年に限って過去に例を見ない水準で天然ガスプラントにトラブルが発生した理由はよくわかっていない。各国で発生したトラブルの種類はさまざまだが、人員の配置や保守部品の調達、電力の確保などにおいて、コロナ危機が間接的に影響した可能性は否定できないだろう。

 コロナ危機は海運や空運にも大きな影響を与えている。

 経済活動の停滞や各国が実施している入国制限などの影響で、飛行機の乗客が激減していることは周知の事実である。船舶はモノの移動なので飛行機ほどの影響は受けていないが、各国の消費需要が減少しているので、やはり取り扱う貨物の量は減っている。

 では船舶の運賃は暴落しているのかというそうではなく、むしろコロナ危機以降、急上昇しているのが現実だ。フレイトス社が公表している全世界のコンテナ船運賃指数は大幅に上昇しており、2020年5月との比較で3倍近くに高騰した。

同じ傾向が長期的にも続く?

 今回のような経済危機が発生すると、需要が大幅に減少するので、価格が暴落するのではないかとイメージする人が多い。筆者はコロナ危機の発生直後から、出演するテレビ番組や寄稿するコラムなどにおいて、供給制限によって価格が上昇する可能性があると指摘していたが、ネットでは一部の人から「コイツは頭がおかしいのか」などと激しく批判(というよりも誹謗中傷)された。

 いわゆる専門家と呼ばれる人の一部にも、需要減少から激しいデフレが発生するのが当然であり、インフレなどあり得ないという声高な主張が見られたが、これは経済メカニズムに対する認識不足から来る誤解といってよい。

 確かに経済危機の発生で需要が減少すれば、価格が下がるのは価格理論上、当たり前のことだが、それは供給が変わらなければの話である。現実には、企業など経済主体の一部は、極端に需要が減少した場合、収益を維持するため一時的に損失を抱えてでも供給を絞り、利益率を維持しようとする。

 コンテナ船の運賃はまさにその典型で、船会社は船舶の供給量を絞ったことで船便が減少。コンテナが滞留するようになり、コンテナの調達がタイトになって価格が大幅に上昇した。結果として輸送量が減ったにもかかわらず、運賃が高騰する現象が発生している。

 先ほど、社会のIT化への期待から株価が上昇しているという話をしたが、社会のIT化が高度に進めば、全世界の物流をAI(人工知能)を使って最適化できるはずなので、同じ経済を維持するために必要な物流量を減らすことができる。

 つまり短期的な利益維持のための供給制限は、実は長期的な利益を維持するための供給制限にもつながってくる話なのだ。そうだとすると、食料価格の高騰や運賃の高騰というのは、今だけの話ではない可能性についても考えなければならない。いずれにせよコロナが終わればすべて元に戻るという感覚は持たないほうがよいだろう。

(文=加谷珪一/経済評論家)

●加谷珪一/経済評論家

1969年宮城県仙台市生まれ。東北大学工学部原子核工学科卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。独立後は、中央省庁や政府系金融機関など対するコンサルティング業務に従事。現在は、経済、金融、ビジネス、ITなど多方面の分野で執筆活動を行っている。著書に著書に『貧乏国ニッポン』(幻冬舎新書)、『億万長者への道は経済学に書いてある』(クロスメディア・パブリッシング)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)、『ポスト新産業革命』(CCCメディアハウス)、『教養として身につけたい戦争と経済の本質』(総合法令出版)などがある。

大方の予想とは逆に、コロナ下で食料・資源・運賃などあらゆる価格が高騰している理由

 新型コロナウイルス感染症拡大の危機によって経済が深刻な打撃を受けているにもかかわらず、全世界的に食料やエネルギーの価格が高騰している。コロナ危機発生直後は、需要の極端な減少で価格が暴落し、全世界的にデフレが進行するとの声が多かったが、これは単なるイメージでしかない。確かに販売不振で価格が低下する商品もあるが、ビジネスの維持に必要となる必需品は、むしろ供給がタイトになり、不景気であるにもかかわらず物価上昇が進むケースが多い。

食料品の価格が暴騰している

 このところ全世界的に食料品の価格が急上昇している。国連食糧農業機関(FAO)が算出している食料価格指数(2014~2016年=100)は、2020年12月段階で107.5となり、2020年5月との比較で18%も上昇した。同指数はコロナ危機が深刻化した2020年前半に下落したが、すでにコロナ前の水準を突破する状況となっている。

 価格高騰は食料品だけの現象ではなく、コモディティ全般に広がっている。IMF(国際通貨基金)の調査によると、金属類は2020年11月時点で5月との比較で24%の上昇、燃料(原油や天然ガス、石炭の総合値)価格は90%近くの上昇となっている。天然ガスについては寒波による中国や韓国の輸入急増やプラントのトラブルといった特殊要因があるが、多くの商品価格が上昇しているのは間違いない。

 各国の株式市場では、コロナ危機で多くの企業が業績悪化に苦しむなか、株価だけが顕著に上昇するという、ある種の異常事態が続いてきた。ニューヨーク証券取引所のダウ平均株価は史上最高値を更新中だが、コロナ危機の最中に株価が上昇しているのは、ポストコロナ社会への期待感が原因とされる。

 今、相場をリードしているのはGAFA(米グーグル、米アップル、米フェイスブック、米アマゾン・ドット・コム)に代表される巨大IT企業である。コロナ危機をきっかけに社会のIT化が一気に進むと予想されており、その主役となる企業に買いが集まっているという図式だが、IT銘柄への期待感だけでここまで相場が上昇するとは考えにくい。背景には、コモディティ価格の上昇によるインフレ期待も大きく作用しているはずだ。

 コモディティ価格の高騰は、市場の混乱が最大の原因だが、IT銘柄の高騰と同じく、コロナ後の社会を暗示していると解釈することもできる。

 コロナ危機など緊急事態が発生すると、平時には隠れていた国家のエゴが丸出しになる。一部の国は不測の事態に備え、食料や資材の備蓄を増やしたり、輸出を一時的に制限するなど資源確保に走る。実際、2020年前半にはロシアやカザフスタンが小麦の輸出を制限したほか、中国は政府によるコメの買い入れを過去最高水準まで増やしている。日本では極度のマスク不足が発生したが、中国やドイツなどマスクの生産国は一時、輸出を制限する措置を実施していた。

従来型サプライチェーンが抱えるリスク

 ドイツも中国もマスクの輸出を再開したし、食料を備蓄した国も状況に応じて備蓄を放出していく。最終的には需要と供給のバランスは取れるはずだが、一時的であっても市場において需要と供給の不一致がもたらす影響は大きい。需要と供給のバランスが崩れるリスクが存在する状況では、企業は割高になっても数量を確保しようとするので、どうしても価格は上がってしまう。

 短期的な需給のバランスが改善しても中長期的には別の要因が加わってくる。それはサプライチェーンの混乱である。各国の企業は食料や資材、部品を調達するため全世界に巨大なサプライチェーンを構築している。近年は特にその傾が強く、1円でも安い商品を求めて地球の裏側からでも調達するのが当たり前となってきた。

 だが、こうした巨大な調達網は、その一部が滞っただけでも全体に大きな影響を与えてしまう。物資を輸送するルートや集約拠点で新型コロナウイルスのクラスターが発生すると、そこがボトルネックになり、最悪の場合、全体が止まってしまうのだ。

 天然ガスの異常な価格高騰の最大の原因は、プラントのトラブルとされるが、2020年に限って過去に例を見ない水準で天然ガスプラントにトラブルが発生した理由はよくわかっていない。各国で発生したトラブルの種類はさまざまだが、人員の配置や保守部品の調達、電力の確保などにおいて、コロナ危機が間接的に影響した可能性は否定できないだろう。

 コロナ危機は海運や空運にも大きな影響を与えている。

 経済活動の停滞や各国が実施している入国制限などの影響で、飛行機の乗客が激減していることは周知の事実である。船舶はモノの移動なので飛行機ほどの影響は受けていないが、各国の消費需要が減少しているので、やはり取り扱う貨物の量は減っている。

 では船舶の運賃は暴落しているのかというそうではなく、むしろコロナ危機以降、急上昇しているのが現実だ。フレイトス社が公表している全世界のコンテナ船運賃指数は大幅に上昇しており、2020年5月との比較で3倍近くに高騰した。

同じ傾向が長期的にも続く?

 今回のような経済危機が発生すると、需要が大幅に減少するので、価格が暴落するのではないかとイメージする人が多い。筆者はコロナ危機の発生直後から、出演するテレビ番組や寄稿するコラムなどにおいて、供給制限によって価格が上昇する可能性があると指摘していたが、ネットでは一部の人から「コイツは頭がおかしいのか」などと激しく批判(というよりも誹謗中傷)された。

 いわゆる専門家と呼ばれる人の一部にも、需要減少から激しいデフレが発生するのが当然であり、インフレなどあり得ないという声高な主張が見られたが、これは経済メカニズムに対する認識不足から来る誤解といってよい。

 確かに経済危機の発生で需要が減少すれば、価格が下がるのは価格理論上、当たり前のことだが、それは供給が変わらなければの話である。現実には、企業など経済主体の一部は、極端に需要が減少した場合、収益を維持するため一時的に損失を抱えてでも供給を絞り、利益率を維持しようとする。

 コンテナ船の運賃はまさにその典型で、船会社は船舶の供給量を絞ったことで船便が減少。コンテナが滞留するようになり、コンテナの調達がタイトになって価格が大幅に上昇した。結果として輸送量が減ったにもかかわらず、運賃が高騰する現象が発生している。

 先ほど、社会のIT化への期待から株価が上昇しているという話をしたが、社会のIT化が高度に進めば、全世界の物流をAI(人工知能)を使って最適化できるはずなので、同じ経済を維持するために必要な物流量を減らすことができる。

 つまり短期的な利益維持のための供給制限は、実は長期的な利益を維持するための供給制限にもつながってくる話なのだ。そうだとすると、食料価格の高騰や運賃の高騰というのは、今だけの話ではない可能性についても考えなければならない。いずれにせよコロナが終わればすべて元に戻るという感覚は持たないほうがよいだろう。

(文=加谷珪一/経済評論家)

●加谷珪一/経済評論家

1969年宮城県仙台市生まれ。東北大学工学部原子核工学科卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。独立後は、中央省庁や政府系金融機関など対するコンサルティング業務に従事。現在は、経済、金融、ビジネス、ITなど多方面の分野で執筆活動を行っている。著書に著書に『貧乏国ニッポン』(幻冬舎新書)、『億万長者への道は経済学に書いてある』(クロスメディア・パブリッシング)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)、『ポスト新産業革命』(CCCメディアハウス)、『教養として身につけたい戦争と経済の本質』(総合法令出版)などがある。

なぜ日本の労働生産性の低い?社員のモチベーションが上がらないのは、管理職に原因?

 自民党の一億総活躍推進本部が、週休3日選択制を政府に提言するというニュースを踏まえ、日本の労働生産性の低さに関して、本連載前回記事では「産業構造的視点」から分析した。今回は「個人のモチベーションの視点」から検討する。

 日本の労働生産性の低さに関して、産業構造に関連する要因が影響を与えている部分は少なくはないが、もちろん個人の問題も見逃せない。

 古いデータではあるが、2011年に米国のコンサルティング会社・ケネクサが世界28カ国で実施した「従業員エンゲージメント(やる気度)調査」において、日本は31%と最下位であった。また、同じく米国のコンサルティング会社・ギャラップが2017年に139カ国で実施した調査において、「熱意あふれる社員」の割合が日本は6%で、米国の32%を大きく下回り132位と、最下位クラスになってしまっている。

 こうしたデータを見て、みなさんはどのように感じられるだろうか。正直、筆者にそれほど大きな驚きはない。皮肉を込めると、それほどまでに日本は素晴らしい社会ともいえなくもない。なぜなら、たとえば、おなかがペコペコに減っていると、食料を獲得するために人はもちろん全力で頑張るだろう。しかし、それほど減っておらず、さらに少し手を伸ばせば簡単に食料が手に入る環境で必死になる人が少ないのは、当然の帰結ともいえる。現在の日本社会は、そうした状況に思える。

 筆者がフィリピンの大学で講義をしていた時は毎回、まさに必死であった。もちろん、新天地でフィリピン人の学生たちを大いに刺激したいという前向きな意向もあったが、2期連続で学生からの授業評価が良くなければクビになるという恐ろしいシステムがあったからである。その基準は7段階評価で上位2段階までに入っていなければならないというシビアなものであった。

 さらに研究にもノルマがあり、実際、親しい同僚のなかでも大学を去ることになってしまった者もいた。幸い筆者は、外国人の教員が下手な英語で一生懸命に頑張る姿に多くの同情を得られたからか、比較的良い評価であったが、なかなかスリリングな体験であった。もちろん、多くのフィリピン人が親日的であるといったことも大きく影響していたことだろう。

 筆者が知る限り、授業評価の結果により、クビになる、もしくは減給になるといった大学は、日本には存在しない。もちろん、こうしたシステムが絶対的に正しいと主張するつもりは毛頭なく、何事にも明と暗は存在する。

 翻って日本に注目すると、多くの人がそれほど必死にならずとも食べていくだけならばなんとかなるという豊かな社会であり、個人の権利の重要性が、見方によれば過剰と思えるほど叫ばれている。こうした社会における従業員のマネジメントは、極めて困難な課題である。しかも、近年、人材不足が叫ばれるなか、より深刻になっているように思われる。

学生たちを見て感じること

 大学には体育会をはじめ、さまざまな部活動があり、講義の時とは別人ではないかと思われるほど、必死に頑張る学生の姿が目に付く。その理由は、もちろん好きなことをやっているからということもあろうが、全国大会を目指してなど明確な目標のもと、自らの力を発揮でき、競い合い、評価される場や仕組みがしっかりと用意されているからではないかと思われる。筆者のゼミにおいても、研究大会へのエントリーが決まると、学生たちのモチベーションは驚くほどに上昇する。

 しかし、企業における業務では、営業など一部の職種を除けば、こうした場や仕組みが十分には整備されていないのではないだろうか。月並みではあるが、目標設定や評価に関して、精緻なシステムを構築し、さらに納得性の高い運用がなされることが肝要であろう。そのためには、一般社員以上にトップをはじめ、管理職の本気度が試されているように思われる。

 たとえば、多くの大学では試験において全員に100点を付与することも可能である。仮にそうした場合、誰からも文句を言われることはなく、おまけに「優しい」「いい先生」といった評判を労せずして勝ち取り、精神衛生上、極めて良好な日々を過ごせることだろう。しかしながら、簡単に100点が取れる状況となれば必死に努力する学生が少ないことは明白であり、当然のことながら、彼・彼女らのためにならないわけである。

 こうしたことを踏まえれば、部下から嫌われる覚悟を持って初めて信頼を勝ち得るスタート台に立てるということかもしれない。

 若手社員の実情はまったくわからないが、少なくともその前の段階である学生たちは目標設定と評価の仕組みがしっかりしていれば、十分に頑張ることができる素養を持っていることは間違いない。
(文=大﨑孝徳/神奈川大学経営学部国際経営学科教授)

なぜ日本の労働生産性の低い?社員のモチベーションが上がらないのは、管理職に原因?

 自民党の一億総活躍推進本部が、週休3日選択制を政府に提言するというニュースを踏まえ、日本の労働生産性の低さに関して、本連載前回記事では「産業構造的視点」から分析した。今回は「個人のモチベーションの視点」から検討する。

 日本の労働生産性の低さに関して、産業構造に関連する要因が影響を与えている部分は少なくはないが、もちろん個人の問題も見逃せない。

 古いデータではあるが、2011年に米国のコンサルティング会社・ケネクサが世界28カ国で実施した「従業員エンゲージメント(やる気度)調査」において、日本は31%と最下位であった。また、同じく米国のコンサルティング会社・ギャラップが2017年に139カ国で実施した調査において、「熱意あふれる社員」の割合が日本は6%で、米国の32%を大きく下回り132位と、最下位クラスになってしまっている。

 こうしたデータを見て、みなさんはどのように感じられるだろうか。正直、筆者にそれほど大きな驚きはない。皮肉を込めると、それほどまでに日本は素晴らしい社会ともいえなくもない。なぜなら、たとえば、おなかがペコペコに減っていると、食料を獲得するために人はもちろん全力で頑張るだろう。しかし、それほど減っておらず、さらに少し手を伸ばせば簡単に食料が手に入る環境で必死になる人が少ないのは、当然の帰結ともいえる。現在の日本社会は、そうした状況に思える。

 筆者がフィリピンの大学で講義をしていた時は毎回、まさに必死であった。もちろん、新天地でフィリピン人の学生たちを大いに刺激したいという前向きな意向もあったが、2期連続で学生からの授業評価が良くなければクビになるという恐ろしいシステムがあったからである。その基準は7段階評価で上位2段階までに入っていなければならないというシビアなものであった。

 さらに研究にもノルマがあり、実際、親しい同僚のなかでも大学を去ることになってしまった者もいた。幸い筆者は、外国人の教員が下手な英語で一生懸命に頑張る姿に多くの同情を得られたからか、比較的良い評価であったが、なかなかスリリングな体験であった。もちろん、多くのフィリピン人が親日的であるといったことも大きく影響していたことだろう。

 筆者が知る限り、授業評価の結果により、クビになる、もしくは減給になるといった大学は、日本には存在しない。もちろん、こうしたシステムが絶対的に正しいと主張するつもりは毛頭なく、何事にも明と暗は存在する。

 翻って日本に注目すると、多くの人がそれほど必死にならずとも食べていくだけならばなんとかなるという豊かな社会であり、個人の権利の重要性が、見方によれば過剰と思えるほど叫ばれている。こうした社会における従業員のマネジメントは、極めて困難な課題である。しかも、近年、人材不足が叫ばれるなか、より深刻になっているように思われる。

学生たちを見て感じること

 大学には体育会をはじめ、さまざまな部活動があり、講義の時とは別人ではないかと思われるほど、必死に頑張る学生の姿が目に付く。その理由は、もちろん好きなことをやっているからということもあろうが、全国大会を目指してなど明確な目標のもと、自らの力を発揮でき、競い合い、評価される場や仕組みがしっかりと用意されているからではないかと思われる。筆者のゼミにおいても、研究大会へのエントリーが決まると、学生たちのモチベーションは驚くほどに上昇する。

 しかし、企業における業務では、営業など一部の職種を除けば、こうした場や仕組みが十分には整備されていないのではないだろうか。月並みではあるが、目標設定や評価に関して、精緻なシステムを構築し、さらに納得性の高い運用がなされることが肝要であろう。そのためには、一般社員以上にトップをはじめ、管理職の本気度が試されているように思われる。

 たとえば、多くの大学では試験において全員に100点を付与することも可能である。仮にそうした場合、誰からも文句を言われることはなく、おまけに「優しい」「いい先生」といった評判を労せずして勝ち取り、精神衛生上、極めて良好な日々を過ごせることだろう。しかしながら、簡単に100点が取れる状況となれば必死に努力する学生が少ないことは明白であり、当然のことながら、彼・彼女らのためにならないわけである。

 こうしたことを踏まえれば、部下から嫌われる覚悟を持って初めて信頼を勝ち得るスタート台に立てるということかもしれない。

 若手社員の実情はまったくわからないが、少なくともその前の段階である学生たちは目標設定と評価の仕組みがしっかりしていれば、十分に頑張ることができる素養を持っていることは間違いない。
(文=大﨑孝徳/神奈川大学経営学部国際経営学科教授)

パオパオ活動再開で歓喜、えむれな破局で悲鳴…YouTube界の注目ニュース3選

 良くも悪くも世間を騒がせるユーチューバーたち。今回は、1月22日~28日に起きたユーチューバー関連のニュースをピックアップしていこう。

1年8カ月ぶりにパオパオチャンネル活動再開

 現在、登録者数150万以上を誇る男女2人組ユーチューバー「パオパオチャンネル」。2019年5月24日に突如、活動休止を発表したが、今年1月23日、約1年8カ月ぶりとなる動画がアップされた。

 そもそも2人が活動休止した理由は、「2人で何かを成し遂げたい」という気持ちから「それぞれの夢を成し遂げたい」と考えが変わったためとしていた。5月31日の動画を最後にぱったり更新がなくなるも、1月23日公開の動画で2人が久々に顔を出した。今後は3カ月に1回程度の頻度で更新していくという。

人気カップルユーチューバー「えむれな」が破局

 明るいニュースが飛び込む一方で、悲しいお知らせもある。1月25日に人気カップルユーチューバー「えむれな」が、「ご報告」と題した動画を投稿。神妙な面持ちで、破局したことを明かし、ファンに衝撃を与えた。

 えむれなといえば、若者の間で“理想のカップル”と呼び声が高かった。だが昨年12月8日投稿の動画を最後に、1カ月以上も投稿がストップしていた。

 破局の報告を受けて視聴者からは「この2人は絶対別れないと思ってた」「嘘であってほしい」といった困惑の声が続出。ちなみに破局の原因は、“価値観の違い”によるものだという。

ワタナベマホト、結婚後にたて続けに暗いニュース

 1月21日に元欅坂46・今泉佑唯との結婚を発表したユーチューバー「ワタナベマホト」。しかし、その翌日に所属事務所UUUMから契約を解除されたうえ、1月27日時点でYouTubeチャンネル「マホトMAHOTO」がアカウント停止になっていることが明らかになった。

 事の発端は、未成年へのわいせつ行為。15歳の少女にわいせつな写真を送るよう要求していたことが報じられると、UUUM公式サイトでも「本人に確認しましたところ、概ね内容を認めました」と、事実を認めている。

 他方、マホトと交流のあるユーチューバー「ラファエル」が復活を支持するなど、“天才”と評されるマホトを慰留する声も多くあるが、児童ポルノ法違反にも抵触する可能性のあるマホトに対する非難の声も強い。YouTube界の実力者の間でも擁護派と反対派が分かれているが、マホト本人は疑惑発覚後、コメントを出していない。今後の動向がどうなるか、いまだ不透明だ。

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、YouTubeの視聴時間も増えるなど注目度が高まっているが、明るいニュースがあふれることを期待したい。

(文=編集部)

パオパオ活動再開で歓喜、えむれな破局で悲鳴…YouTube界の注目ニュース3選

 良くも悪くも世間を騒がせるユーチューバーたち。今回は、1月22日~28日に起きたユーチューバー関連のニュースをピックアップしていこう。

1年8カ月ぶりにパオパオチャンネル活動再開

 現在、登録者数150万以上を誇る男女2人組ユーチューバー「パオパオチャンネル」。2019年5月24日に突如、活動休止を発表したが、今年1月23日、約1年8カ月ぶりとなる動画がアップされた。

 そもそも2人が活動休止した理由は、「2人で何かを成し遂げたい」という気持ちから「それぞれの夢を成し遂げたい」と考えが変わったためとしていた。5月31日の動画を最後にぱったり更新がなくなるも、1月23日公開の動画で2人が久々に顔を出した。今後は3カ月に1回程度の頻度で更新していくという。

人気カップルユーチューバー「えむれな」が破局

 明るいニュースが飛び込む一方で、悲しいお知らせもある。1月25日に人気カップルユーチューバー「えむれな」が、「ご報告」と題した動画を投稿。神妙な面持ちで、破局したことを明かし、ファンに衝撃を与えた。

 えむれなといえば、若者の間で“理想のカップル”と呼び声が高かった。だが昨年12月8日投稿の動画を最後に、1カ月以上も投稿がストップしていた。

 破局の報告を受けて視聴者からは「この2人は絶対別れないと思ってた」「嘘であってほしい」といった困惑の声が続出。ちなみに破局の原因は、“価値観の違い”によるものだという。

ワタナベマホト、結婚後にたて続けに暗いニュース

 1月21日に元欅坂46・今泉佑唯との結婚を発表したユーチューバー「ワタナベマホト」。しかし、その翌日に所属事務所UUUMから契約を解除されたうえ、1月27日時点でYouTubeチャンネル「マホトMAHOTO」がアカウント停止になっていることが明らかになった。

 事の発端は、未成年へのわいせつ行為。15歳の少女にわいせつな写真を送るよう要求していたことが報じられると、UUUM公式サイトでも「本人に確認しましたところ、概ね内容を認めました」と、事実を認めている。

 他方、マホトと交流のあるユーチューバー「ラファエル」が復活を支持するなど、“天才”と評されるマホトを慰留する声も多くあるが、児童ポルノ法違反にも抵触する可能性のあるマホトに対する非難の声も強い。YouTube界の実力者の間でも擁護派と反対派が分かれているが、マホト本人は疑惑発覚後、コメントを出していない。今後の動向がどうなるか、いまだ不透明だ。

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、YouTubeの視聴時間も増えるなど注目度が高まっているが、明るいニュースがあふれることを期待したい。

(文=編集部)

森喜朗会長がJOC会議で“女性差別”丸出し発言し国際問題化必至! 山口香、高橋尚子ら女性理事が理事会密室化に反対したことへの腹いせか

 東京五輪大会組織委員会の森喜朗会長が、とんでもない女性差別発言をおこなった。本日3日におこなわれた日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議員会で、女性理事を増やすというJOCの方針に対して「女性の理事を増やしていく場合は、発言時間をある程度、規制をしないとなかなか終わら...

菅首相が「G7で日本だけワクチン接種まだ」と追及受け「確保は早かった」とデタラメ言い訳! 時期はずれ込み接種管理も大混乱

 緊急事態宣言の期間延長について昨日2日に記者会見をおこなった菅義偉首相。メディアでは菅首相が発信力強化のためにプロンプターをはじめて使用したことや、自民党幹部による「深夜の銀座クラブ通い」問題について「素直にお詫び申し上げます」と陳謝したことなどが取り上げられているが、昨...

人見知りは身につけるべき! 誰と対峙してもひるまないためのスキル

 失敗したくない。気に入られたい。評価されたい。


 そう思うばかりに、会議やプレゼン、面接で本来の力が発揮できず、失敗してしまう。


 そんな悩みを解決するには、誰とでもフラットに向き合える力である「対峙力」を身につけることが必要だろう。


 『対峙力 誰にでも堂々と振る舞えるコミュニケーション術』(クロスメディア・パブリッシング刊)の著者で、ベンチャー女優・タレント・司会として活躍する寺田有希氏も、本来は一目ばかりを気にする小心者で人見知りだったそうだ。しかし、「出会う人みんなとうまくコミュニケーションをとれるようになろう」と意識し、自分自身と向き合い、周りから学び、トライ・アンド・エラーを切り返して身につけた術が「対峙力」だ。


 本書は、そんな寺田氏が自身の経験を元に導き出した「対峙力」の身につけ方を紹介する一冊である。

 

■どんな相手とも対等な立場に立って向かい合う力が「対峙力」


 女優業の傍ら、堀江貴文氏のYouTube番組『ホリエモンチャンネル』やメンズファッションを紹介するYouTube番組『B.R.CHANNEL College』等でMCを務める寺田氏。各業界の大物と呼ばれている人物や初対面の人とどのようにコミュニケーションをとっているのか。


 そのコツは、相手を認め、自分のことを認めてもらって話すこと。それが「対峙力」なのだ。どんな相手とも対等な立場に立って、本気で向かい合う。それが周りから「対峙力がある」と言われる状態だ。


 しかし、初対面の人や目上の人、業界の大物と呼ばれる人と接すると、緊張したり、萎縮してしまうものだろう。では、誰に対してもひるまないスキルを身につけるにはどうすればいいのか?


 初対面の人の場合、じっくりと親睦を深める時間もないまま、すぐ協働で作業にとりかからなくてはならなかったり、アピールや売り込みを始めなければならない。


 こうした場合、寺田氏は「相手に合わせて臨機応変に対応を変えていく」ように心掛けているという。そのために、現場に入った瞬間から「場を読む作業」と「相手を知る作業」をスタートさせる。


 「場を読む作業」とは、「これはどういう場なのか」「自分はなぜ呼ばれたのか」「自分は何を求められているのか」「その上で、現場の反応、空気感はどうなのか」「場を円滑に回すために、誰と何をすべきか」を読むこと。


 そして、「相手を読む作業」とは、「話すのが好きかどうか」「緊張しているかどうか」「場慣れしているかどうか」「自信があるかどうか」を読むことだ。


 そして、その場で求められることに対して、自分だったらどんな力を発揮できるか考えながら対応する。現場に入ったら、場を読み、相手の力量を判定して、戦い方を変えていくことで、その場その場で最適なパフォーマンスを出せるようになるのだ。


 本書の「対峙力の身につけ方」を読むだけでは、対峙力はまだつかないだろう。コミュニケーションをとる中で、トライ・アンド・エラーを繰り返していくうちに、徐々に精度が上がり、身についていく。人見知りや小心者を自負する人は、「対峙力」で自信を持ってコミュニケーションが取れるようになるはずだ。(T・N/新刊JP編集部)


※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

パチスロ「万枚」報告に続くサプライズ! 実力派メーカー「鉄板スペック」が始動!!

 各メーカーより発表された新機種の登場で、盛り上がりを見せ始めているパチスロ6号機市場。中でも、強烈な出玉報告が浮上しているマシンへの注目は高い印象だ。

 まずはサミーの『パチスロ頭文字D』。「リアルボーナスがATで出現率アップ」という「Type D」を採用した本機は、ネット上で万枚到達データが公開され大きな話題となった。

 ニューギンよりリリースされた『パチスロ花の慶次~武威』も、好反響が寄せられている1台。純増約8.7枚のハイスペックAT機で、最高継続率99%という強力な連チャン力が備わった仕上がりだ。

 こちらもネット上で万枚報告が飛び出すなど、ポテンシャルの高さが評価されている状況。6号機の波を変える「業界初システム」が、好調を維持できるかに注目したい。

『パチスロ花の慶次~武威』が話題になっているニューギンだが、同社といえばスタンバイしている新機種も注目を集めている。

 8日からの週にはパチンコ新機種『P野生の王国 GO』が登場予定。人気シリーズ最新作は遊タイム搭載のミドルスペックで、確変ループ率は約70%と連チャンに期待できる仕様だ。

 遊タイムは低確率状態800回転(時短後680回転)消化で発動。時短1000回がスタートする。突入後の大当り期待度は「約97%」と、救済システムとしての役割を十分に果たしてくれる内容だ。

 安定感と連チャン性を感じられる仕上がり。幅広い層から好まれそうであるが、そんな『P野生の王国 GO』の導入を控えているニューギンは先日パチンコ新機種のリリースを発表。こらちらも熱視線を浴びている。

 大人気恋愛スマホゲーム「ガールフレンド(仮)」が待望のパチンコ化。『Pガールフレンド(仮)』は、大当り確率約1/199のライトミドルタイプで登場だ。

 突入率50%のSTは100回で、その継続率は80%を誇る。最大出玉約1100発の比率は50%と、出玉感を十分に感じられるスペックだ。注目の遊タイムは低確率500回消化で時短759回が発動。安心感も備わっている点は魅力だろう。

「人気コンテンツ×高継続×遊タイム」と、ヒット要素を存分に盛り込んだ仕上がり。ズキュンと突き刺さる「鉄板萌えライトミドル」が旋風を巻き起こすのだろうか。導入は4月を予定している。

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