『その女、ジルバ』なぜ絶賛一色?「ジジババばかり」で何がおもしろいのか

 放送直前、番宣番組に出演した主演女優・池脇千鶴の「劣化騒動」が話題になったことが懐かしく感じてしまう。それほどスタート当初から感動と高評価の声が集まり続けている『その女、ジルバ』(東海テレビ・フジテレビ系)。

 ただ、「女は四十(シジュー)から」のキャッチコピーにあるように、同作は女性の物語。称賛の声も、その多くを女性が占めていて、男性はいまだにピンと来ていない人も少なくないだろう。

 それに出演者を見ると、若者視聴が見込まれる週末の深夜とは思えないほどの高齢ぶり。くじらママ役の草笛光子(87歳)、ひな菊役の草村礼子(80歳)、チーママ役の中尾ミエ(74歳)、エリー役の中田喜子(67歳)、ナマコ役の久本雅美(62歳)、みか役の真飛聖(44歳)、スミレ役の江口のりこ(40歳)と、主要女性キャストはすべて主人公・笛吹新役の池脇千鶴(39歳)より年上だ。

 男性キャストも、マスター役の品川徹(85歳)を筆頭に、常連客・滝口役の梅垣義明(61歳)、花山役の芋洗坂係長(53歳)、新の元カレ・前園真琴役の山崎樹範(46歳)、石動良一役の水澤紳吾(44歳)、謎の男・白浜俊輔役の竹財輝之助(40歳)も池脇より年上。ネット上で「ジジババばかり」と揶揄する声を見かけるほど中高年ばかりにもかかわらず、なぜ支持を集めているのか。

描かれているのは人生が変わる“紙一重”

 主人公の新は、結婚話が破談になった後、恋とは無縁の寂しい日々を過ごし、仕事でも大手百貨店から「姥捨て」と言われる物流倉庫に左遷。野暮ったい服やメイク、肉のついた顔や猫背の後ろ姿から、人生をあきらめている様子が伝わってきた。しかし、40歳の誕生日に熟女バー「OLD JACK & ROSE」に出会い、笑顔と生きる力を取り戻していく。

 寂しい日々を過ごしていた新と、熟女バーで輝き始める新は、まさに紙一重。小さな気づきを得ることで「人はこれだけ変われる」「明るい気持ちで生きていくことができる」ことを当作は示している。

 それは同じ物流倉庫で働く、みか、スミレとのエピソードも同様。当初、百貨店からの出向組である新、みかと、倉庫の正社員でグループリーダーであるスミレの間には大きな壁が存在していたが、「OLD JACK & ROSE」でのやり取りを通して同じ40歳独身であることを知るなど意気投合し、すぐに親友のような関係性になった。両者の間にあった大きな壁を感じて敵対関係のままか、それを乗り越えて親友になるかは、やはり紙一重だったのだ。

 第5話で、みかが故郷に残した母親と生きるために倉庫を辞めて実家に帰ったことも、第6話で新に告白しようとしていた石動がちょっとしたきっかけでスミレへの恋心に気づいたことも、同じように紙一重。派手な展開があるわけではなく、普通の女性たちが日常の小さな言動によって新たな道に気づき、一歩を踏み出していく様子が穏やかに描かれている。

「この先いいことなんてあるのかな」「今さら何かが変わることはなさそう」などと、絶望しないまでも希望を抱けなくなっている人々にエールを贈るような作品なのだろう。その意味で当作は女性に限ったものではなく、男性の心も癒す作品と言える。

「人に歴史あり」を醸し出す名優たち

 そんな紙一重の人生模様を描けるのは、冒頭に挙げた中高年の俳優たちによるところが大きい。

「OLD JACK & ROSE」は一見、「こんなバーはあるのか?」と感じるファンタジー空間と思わせつつ、そこにいる人々にけれんみはなく、いずれも地に足のついたキャラクター。底抜けに明るい人たちばかりなのだが、俳優たちは決して誇張した演技をしているわけではなく、自然体のような姿を見せることでリアリティを感じさせている。

 実際、視聴者は説明セリフやナレーションがなくても、その人物の性格や背景を想像できるし、紙一重の出来事によって一喜一憂してきたであろう人生もほのかに感じられる。映画中心で民放連ドラ出演がほとんどない池脇と、叩き上げの江口のりこ。世代屈指の実力派も、草笛光子、草村礼子、中田喜子らのレジェンドも、その佇まいから「人に歴史あり」「伊達に長く生きているわけじゃない」という人物像を醸し出しているのだ。

 コロナ禍で重苦しいムードが続き、何かしらの不安を抱えながら生きる人が多い中、身近なところに手を差し伸べ、心を軽くしてくれる人がいる。今は厳しい日々でも、幸せな日々とは紙一重にすぎないから明るく生きていけばいい。新やスミレ、くじらママやエリーらを見ているだけで元気をもらえる人が多いのは、そんな等身大のメッセージを受け取っているからではないか。

 つまり、『その女、ジルバ』は「ジジババばかりなのにおもしろい」のではなく、「ジジババばかりだからおもしろい」。当作は「本物の実力派俳優を揃えれば、突飛な設定や展開に頼る必要がない」ことを実証している。

 2月20日放送の第7話では、ジルバと関係のある謎の男・白浜が本格参戦。演じる竹財輝之助はドラマ出演を重ねるほか、主演映画『劇場版ポルノグラファー~プレイバック~』の公開を26日に控えるなど注目俳優であり、さらなる反響を集めるだろう。

 一方、新は弟・光(金井浩人)のカフェオープンを手伝うほか、ずっと両親に言えなかった左遷やバーでのバイトをついに伝えるなど、一歩踏み出す姿が描かれるという。今冬は、男女入れ替わり、タイムスリップ、ゾンビなどのファンタジー作が目立つが、何気ない日々を描くだけでも視聴者を引きつけられる当作の価値は高い。

(文=木村隆志/テレビ・ドラマ解説者、コラムニスト)

●木村隆志(きむら・たかし)
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。雑誌やウェブに月20~25本のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』(フジテレビ系)、『TBSレビュー』(TBS系)などに出演。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

パチスロ新台『バイオ7』のモード推測は「○○」をタッチ!「状態を察知」してチャンスを逃すな!!

 導入から1週間以上が経過したカプコン×ユニバーサルエンターテインメントとの強力タッグ第1弾マシン、アデリオンの『パチスロ バイオハザード7 レジデント イービル』。ホールデータの集計によると低設定が甘いともっぱらの評判で、天井狙いが効果的だと早くもスロッターたちを賑わせている。

 本機は天井に到達するとクライマックスバトルへ突入し、これを2戦突破できれば1G純増約5.0枚のAT「ハザード・ラッシュ」が確定。通常時にバイオポイントを貯めることでアイテムを獲得していれば、突破率50%超といわれるクライマックスバトルの突破期待度が高まる仕組みだ。

 天井は4種類あるモードで変化し、最大天井は「通常A」の753G。「通常B」は603G、「通常C」は503Gで、「天国」は153G以内のクライマックスバトル当選が約束される。

 既報の通り、滞在モードは前兆「ベイカーズ・ディナー」への移行ゲーム数などから推測が可能で、1~50G以内の移行は通常Cor天国濃厚。151~200Gでの移行は通常Bに期待でき、ベイカーズ・ディナー中の「ステップ黄色」到達は400G以内、「ステップ赤到達」は300G以内のクライマックスバトル当選の大チャンスを迎える。

 逆に、101~150Gでベイカーズ・ディナーへ移行しなければ通常C濃厚。201~250Gでの同パターンは通常A以外の可能性が高まる。
 
 また、バイオポイント高確の「モールデッドアタック」終了後はセリフでモードが示唆され、「静かに寝てろ」と「やられてたまるか」は通常B以上示唆(前者が弱、後者が強)。「絶対に生き延びてやる」は通常B以上、「悪夢もこれで終わりだ」は天国の可能性大で、「待ってろよ、エブリン」は発生から199G以内のCBorAT当選が確定するようだ。

 このセリフを発生させるためには、モールデッドアタック終了時にサブ液晶の「!」マークをタッチする必要あり。1G消化すると「!」マークは消えてしまうので、忘れないようにしよう。

 なお、基本的にクライマックスバトルorAT終了時は有利区間リセットと共にモードが再抽選されるが、AT終了時に有利区間が引き継がれた場合は早期のCB当選に期待できる。加えて、CB失敗時に2択の押し順当てが発生する「ラストチャンス」も獲得できるので、AT当選にも大きく前進することとなるのだ。

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急速に普及してきたQRコード決済。サービスごとにさまざまなキャンペーンが実施されているが、あまりにも多すぎてよく分からないという人も多いだろう。ここでは代表的なPayPay・楽天ペイ・au PAY・d払い・FamiPay・LINE Pay・メルペイなどのキャンぺーンをまとめて紹介するので、自分がよく使っている〇〇Payの特典を見逃さず、もっとお得に買い物をしよう!

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東京五輪・橋本聖子新会長「名馬」と意外なつながり。JRAフェブラリーS(G1)攻略のヒントは“ゴタゴタ”東京五輪人事にあり!? “サイン馬券”が大波乱を呼ぶ?

 JRAの今年最初のG1、フェブラリーSが21日に東京競馬場で開催される。

 19日には枠順が発表され、上位人気が予想されるカフェファラオは2枠3番、レッドルゼルは大外8枠16番に決まった。どちらも理想とは違う枠に収まり、混戦模様に拍車をかけそうだ。

 超難解と言わざるを得ない今年のフェブラリーS。ここは思い切って、サイン馬券で攻略の糸口を探ってみた。

 今週国内で最も大きく取り上げられたトピックといえば、やはり東京五輪・パラリンピック組織委員会の“ゴタゴタ”人事だろう。今月12日に森喜朗前会長が女性蔑視発言の責任を取る形で辞任。すったもんだの末、18日に橋本聖子氏が全会一致で森氏の後任に選ばれ、新会長就任が決まった。

 就任会見では、約5か月後に迫った東京大会に向けて、「国民の皆さんに歓迎される大会の開催に向けて全力で準備に取り組みたい」と抱負を語り、大会の成功に意欲を見せた。

 一方、海外メディアを中心に、過去の“セクハラ騒動”が蒸し返されるなど、良くも悪くも今週メディアで最も取り上げられた人物であることに異論はないだろう。

 夏季冬季合わせて7度の五輪出場を誇る橋本氏だが、実は競馬界にも深い関わりがある。昨年10月に他界した父の善吉氏は、娘をオリンピアンに育てたことで知られるが、競走馬の生産者として8戦無敗の名馬マルゼンスキーを輩出したことでも知られる。

 マルゼンスキーが生まれたのは橋本氏が10歳の時。「家族総出で出産に立ち会った」というエピソードを『日本馬主協会連合会』ホームページ上のインタビューで数年前に明かしている。そして、今年のフェブラリーSに出走する16頭の中で、5代血統表の中にマルゼンスキーの血を持つ馬が1頭だけいる。

 高柳大輔厩舎が送り出すソリストサンダーだ。母の父がスペシャルウィークで、その母父がマルゼンスキーである。

 G1には初挑戦というソリストサンダー。重賞も2走前に2着した武蔵野S(G3)に次いで2度目だが、前走の門司S(OP)は、58kgを背負って快勝した。混戦模様の今年なら、一発があっても驚けない。

 他には、石「橋」守厩舎が送り出すスマートダンディー、御神「本」訓史騎手が騎乗するミューチャリーの「橋本」馬券なら、超特大の万馬券は間違いなし。2頭のワイドでもかなりの高配当となるだろう。

 また、橋本氏の会長就任に伴い、五輪担当相の後任には丸川珠代氏が就いた。同氏は、2016年8月からの1年間、同担当相を務めており、“再”登板となる。

 オーヴェルニュへの“再”騎乗が決まった「丸」山元気騎手とレッドルゼルに騎乗する「川」田将雅騎手の「丸川」馬券もぜひ押さえておきたい。どちらも前哨戦を勝った実力馬で、ワンツーの可能性は十分。

 果たして今年最初のG1は「サイン馬券」で大波乱となるだろうか。

パチンコ「6万発」も余裕の破壊力! 連チャンをストックする「未知のシステム」で“大量出玉”をプロデュース!!

 ホットな新台をユーザーの感想を交えつつ掘り下げていくこのコーナー、【激アツ新台実戦JUDGEMENT】。今回のピックアップマシンは、超人気ソシャゲがついにパチンコにされたうえに夢のある特殊なシステムによって爆連を期待できる注目度ナンバーワンマシン『Pフィーバーアイドルマスター ミリオンライブ!』(以下ミリマス)だ。

 アイドルを育成しながらライブ劇場を発展させていくプロディーサーとしてプレイしていくシミュレーションゲーム「アイドルマスターミリオンライブ!」。「アイドルマスター」シリーズは不動の人気作として10年以上も多くのファンに支持されているタイトルとあって、パチンコ化に耳目が集まるのも無理からぬことだが、そのコンテンツ力以上に注目されているのがスペックやシステムである。

 大当り確率が1/319.7のミドルタイプで初当り獲得後は100or150回の時短に突入する1種2種混合機とこれだけみれば普通の内容だが、この時短中に最大4個「V-LOOP」と呼ばれる抽選機会をストックできるようになっていて、それが本機の出玉トリガーとなる。

 ストックに成功すれば連チャンゾーンとなる「RUSH」に突入。ストックがあるかぎり時短状態が継続され、それぞれのストックごとに約72%の割合で継続が抽選されているというとんでもない仕組みが搭載されているのである。

 つまり、ストックが4個あれば、ストック発動1個目→72%継続抽選→大当り→抽選→大当り→抽選→失敗→ストック2個目発動→72%継続抽選→大当り→抽選……と展開していく流れとなる。

 これが1G(1回転)で展開していくために、かなりのスピード感をもった出玉の増加を体感できる。RUSH中は大当りの半分が約1500発となっているので圧倒的な瞬発力と爽快感を味わえるのである。

 さらに、システム的な可能性は打ち手に無限の夢を与え、たとえば「Vループ3つでほぼ2万発」とループの複合によってトータルの大量出玉を獲得することもあれば「ストック1個で32連(表記38000)」と一発でも大連チャンを引き起こすパターンもある、激アツすぎるスペックなのである。

 ちなみに、「ストック」は大当りをストックするわけではないのでV-LOOPストックの成功が必ずしも出玉獲得を意味しない点は注意が必要なポイント。また、その破壊力のある反面、ストックタイムでストックできない展開が続くと絶望的で、約450個しか玉が取れない中で重い当りを何度も目指さないといけない地獄絵図となる。

 ただ、本機には救済措置となる遊タイムが搭載されていて、大当り間で959回転を消化すると150回転の時短に突入となる。しかし、この遊タイムモードは「ストックタイム」と同じ機能なので、ここでストックを入手できるかどうかの勝負が発生する。その意味において、本機の遊タイム機能はそれほど強力なものではない。

 要するに、かわいい女の子キャラが多数登場する萌え寄りコンテンツではありながら、スペック面では出入りの激しい荒波マシンであり、「ミリマスでこのスペックにするか普通」「けっこうキツそう」など版権から入ってくる勢にはハードルが高そうなイメージもある。

 とはいえ、新規性の高いシステムを含めたスペック的な魅力は非常に高く、終日打ち切って6万発を獲得した報告も確認できるなど、アイドル並みに夢のつまった機種となっているのである。

(文=大森町男)

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菅政権、容赦なき銀行再編が開始…銀行が銀行を子会社化、独禁法適用除外の“特例”断行

 2021年は地方金融機関の経営統合・再編が加速することになる。再編論者である菅義偉氏が首相に就任後、広域連合や異業種提携が相次いでいる。先陣を切って福井銀行が、同じ福井市内に本店を置く福邦銀行を子会社にする。福邦銀は非上場の第2地銀である。

 1月14日、福邦銀が実施する50億円の第三者割当増資を福井銀が引き受けることで合意した。福井銀が福邦銀株式の過半数を取得して子会社にする方向で協議を進める。2021年度中に手続きを完了する。

 地方銀行再編を看板政策に掲げる菅政権の発足後、実際に経営統合が決まるのは初めて。共同持ち株会社を設立し傘下に各銀行を置くのが一般的で、子会社にするのは珍しい。当面、福邦銀のブランドは維持し、1グループ2行体制となる。

 福井銀の林正博頭取は記者会見で、「効果は変わらず、労力が少ないため子会社を選んだ」と述べた。共同持ち株会社形式では全株式を持ち株会社が持つことになるため、株式交換の手続きが必要になる。新しい組織の役員や管理部門設置もコスト要因となる。福邦銀の渡邉健雄頭取も「(持ち株会社にすると)内向きの仕事が増える。資本関係を強化して弾力的にやっていく」とした。

 福邦銀は09年に国から60億円の公的資金を注入されている。福井銀に対する第三者割当増資の実施前に、前倒しして公的資金を一括返済する。利益剰余金をこれに充当する。県内の大企業を中心に大きなシェアを持つ福井銀の20年9末時点の単体の預金残高は2兆7179億円、貸出残高は1兆7851億円。21年3月期の連結純利益は前期比12%増の24億円の見込み。

 相互銀行が発祥で零細企業や個人事業主を取引先に持つ福邦銀の20年9月期末時点の預金残高は4387億円、貸出金残高は3170億円。21年3月期の連結純利益は2億7000万円を予定している。両行の福井県内の貸出金のシェアを合算すると金額ベースで50%弱となる。福井銀は福井県内のほか、石川、富山両県にも支店を展開しており、石川県の北國銀行(地銀)、富山県の富山第一銀行(第2地銀)とも提携している。

特例法が地銀再編の号砲となる

 人口減少により地域経済は衰退の一途をたどる。長引く日銀のマイナス金利政策。そこに新型コロナウイルス感染拡大が加わり、地方銀行を取り巻く経営環境は一段と厳しくなっている。政府は20年11月、地銀同士の合併に独占禁止法を適用しない特例法を施行。10年間の時限措置だが、これで同一県内の金融機関同士が合併しやすくなる。地銀再編を促すための地ならしである。

 日銀も同年11月、経営統合または経費削減に取り組んだ地銀や信用金庫などに対し、日銀当座預金の金利を年0.1%上乗せする制度を取り入れた。22年度までの限定だが、日銀が地銀再編に「アメ」を与えるという異例の措置だ。

 法整備の背景には県内合併がタブー視されてきたことがある。長崎県の旧親和銀行(本店佐世保市)を傘下に持つふくおかフィナンシャルグループ(本社福岡市、傘下に福岡銀行、熊本銀行を持つ)と旧十八銀行(同長崎市)の統合協議は16年2月に基本合意してから、公正取引委員会の審査に2年以上かかった。両行を合わせると県内の中小企業向けシェアが75%に上り、競争を阻害する恐れがあると見られたためだ。20年10月、合併が認められ、十八親和銀行がようやく発足した。

 親和銀と十八銀の合併が公取委の反対で暗礁に乗り上げたことが、県内合併に道を開くことになったのだから皮肉である。これ以降、新潟県の第四北越フィナンシャルグループ(本社新潟市)傘下の第四銀行(本店新潟市)と北越銀行(同長岡市)が21年1月に合併して第四北越銀行がスタートを切った。三重県の三十三フィナンシャルグループ(本社四日市市)傘下の三重銀行(本店四日市市)と第三銀行(同松阪市)は21年5月に合併して三十三銀行となる。

青森、宮城、山形、福島の東北が次の火薬庫

 特例法が県内合併に道を開いた。同じ県内の金融機関同士が合併し、結果的に貸し出しシェアが高くなっても容認される。福井県の福井銀行による福邦銀行の子会社化が合併特例法の第1号案件となったが、21年の最大の焦点は、地域金融機関の再編がどこまで進むかである。

 震源地は東北だ。東北の人口は全体の1%程度、約9万人が毎年減り続けている。それなのに東北6県に15行の地域金融機関がひしめき合っている。東北が地銀再編の発火点となる。

 青森県はトップを走る青森銀行(本店青森市)をみちのく銀行(同)が追う図式だったが、両行が経営統合を検討していると報じられた。両行は「検討している事実はない」として統合について否定的だが、「公的資金が入っている、みちのく銀が単独で生き残るのは難しいのではないか」(有力金融筋)。「統合すれば県内のシェアは7割を超えるが特例法の適用でハードルは一気に下がる」(東北ブロックの地銀の頭取)。

 ただ、みちのく銀が公的資金200億円を返済できるかどうかが今後の大きなポイントになる。公的資金の扱いが統合の最大のネックになる可能性が指摘されている。宮城県は七十七銀行(本店仙台市)、山形県は山形銀行(同山形市)、福島県は東邦銀行(同福島市)が県内で圧倒的なシェアを確保している。そのため、各県の2番手が県境をまたいで合併する可能性が出ている。

 仙台銀行(本店仙台市)ときらやか銀行(同山形市)の第2地銀同士が経営統合し、2012年に、じもとホールディングス(HD、本社仙台市)を設立した。じもとHDはネット金融大手で「第4のメガバンク構想」を掲げるSBIホールディングス(HD)と資本提携した。

 SBIHDは福島県の福島銀行(第2地銀、本店福島市)、大東銀行(第2地銀、同郡山市)に相次いで資本参加した。だが、SBIのメガバンク構想に参画を表明しているのは福島銀だけで、大東銀は加わらない。SBIのメガバンク構想に参加している宮城の仙台銀、山形のきらやか銀、福島の福島銀の広域連合もありうる。群馬県の東和銀行(第2地銀、同前橋市)もSBIとの資本・業務提携を決めた。

 20年10月、静岡銀行(地銀、本店静岡市)と山梨中央銀行(地銀、同甲府市)が業務・資本提携した。20年11月、群馬銀行(同前橋市)が千葉銀行(同千葉市)や第四銀行(同新潟市)、中国銀行(同岡山市)など地銀10行で構成する地銀広域連携「TSUBASAアライアンス」に参加した。

 TSUBASAアライアンスに加わった沖縄県の琉球銀行(同那覇市)と沖縄銀行(同)は1月、包括業務提携に進んだ。現在までのところ、両行の経営統合については否定的な考えを示しているし、第2地銀の沖縄海邦銀行(同)は2行連携に参加しなかった。“オール沖縄”を体現する金融機関が果たしてできるのだろうか。

 政府・日銀が再編を促すなか、2021年は中位以下の地銀を中心とした動向をチェックしたい。

 上位行は、それぞれが主導権を握れるかたちでの広域金融機関を目指すことになろう。具体的なイメージとしては、傘下に地銀首位の横浜銀行(本店横浜市)と都内の第2地銀東日本銀行(本店東京都中央区)を持つコンコルディア・フィナンシャルグループ(本社東京都中央区)、ふくおかフィナンシャルグループあたりだとみられている。

 首都圏の地銀最大手の1行である千葉銀行はどうするのか。静岡県の静岡銀行、岡山県の中国銀行が“台風の目”となるかもしれない。

(文=編集部)

JRAダイヤモンドS(G3)単勝100円が「32550円」奇跡は再び起こるのか……オーソリティではない「◎」最低人気ミライヘノツバサとの共通点

 20日、東京競馬場で行われる芝3400mの長距離戦。ダイヤモンドS(G3)を予想する。

 昨年は最低人気のミライヘノツバサが勝利し、大波乱となったレース。単勝でJRA重賞史上3位となる高額配当「325.5倍」を記録した。

 とはいえ、このレース最大の特徴といえば、なんといっても距離だろう。「芝3400m」という距離設定は、中山競馬場で行われるステイヤーズS(芝3600m・G2)に次ぐ長さ。もちろん、東京競馬場で行われるレースとしては最長距離である。

 その特徴は血統にも強く影響。過去10年の内、父ハーツクライの4勝を筆頭に、キングマンボ系が3勝、ステイゴールド系が2勝と大きく偏っている印象だ。

 昨年の勝ち馬ミライヘノツバサは、父ドリームジャーニーでステイゴールド系。やはり、上記3頭の血を引く馬が有利だと思われるだけに、それらを積極的に狙っていきたい。

「◎」は、4番ヒュミドール(セン5歳、美浦・小手川準厩舎)。

 父はステイゴールド系のオルフェーヴルで、母父はフランス生産馬のチチカステナンゴという血統だ。

 前走のステイヤーズS(G2)では5着に敗れているが、これはレース中盤が大きく緩んで前残りとなったレース。陣営も「態勢は整いましたし、前走は初めての重賞ですからね。掲示板なら合格点でしょう」と胸を張る。

 今回のレースにも出走を予定する3着ポンデザールとは、僅か「0.3秒差」。差し脚が活きる流れなら十分に逆転は可能だろう。

「○」は、1番人気が予想される3番オーソリティ(牡4歳、美浦・木村哲也厩舎)。

 父はヒュミドールと同じくオルフェーヴルで、こちらもスタミナは十分である。

「これまで安定した競馬を続けていましたが、前から気性的に危うい面も持ち合わせていました。有馬記念に関しては、ずっと手前を替えないままで走っていましたしね。調教では、以前よりもコントロールが利くようになっていますよ」(厩舎関係者)

前走の有馬記念(G1)では惨敗を喫しているが、これは手前を替えなかったことが敗因。決してあれが実力ではないとのことで、これまでの実績からは本命候補の一頭だろう。青葉賞(G2)やアルゼンチン共和国杯(G2)を見ても左回りでのパフォーマンスは高く、折り合いさえスムーズなら距離も大丈夫だろう。

「▲」は、C.ルメール騎手が騎乗する13番ポンデザール(牝6歳、美浦・堀宣行厩舎)。

 こちらはハーツクライ産駒で、前走のステイヤーズSでも3着と健闘。

「勝負所の手応えが悪かったのは馬場状態が響きましたね。決して距離が長かったわけではないですよ。東京競馬場の良馬場であれば、この距離でも反応できると思いますよ。状態は上向いていますし、今からレースが楽しみです」(厩舎関係者)

 前走からはハンデも据え置きで、リーディングトップを走るルメール騎手が鞍上。良馬場での巻き返しに期待したいところだ。

 その他「△」は、穴馬含む以下の3頭を挙げておく。

 5番サトノガーネット(牝6歳、栗東・矢作芳人厩舎)は、これが引退レース。今回は薄いブリンカーをつけてレースに挑むようだ。

「ここが引退レースということもあり調教師も『目いっぱい仕上げる』と気合が入っているみたいですね。ズブさは相変わらずのようですし、以前からこういう距離を使ってみたかったようです。主戦の坂井瑠星騎手がサウジアラビア遠征のため岩田望来騎手へ乗り変わりとなりますが、若い力で変わり身を引き出してほしいですね」(競馬記者)

 折り合いがつく馬なだけに、あとは展開次第。大幅な距離延長となる今回は、ポジショニングにも注目したい。

 10番グロンディオーズ(牡6歳、美浦・田村康仁厩舎)は、今回唯一のキングマンボ系で、父はルーラーシップ。抽選で出走が決定したという、運も持ち合わせている。

「前走(2000m)は、この馬に短かったですね。その後は京都記念を視野に入れていましたが、長距離を求めてこのレースに変更しました。最終追い切りは素晴らしい動きでしたし、馬体も絞れて仕上がっています。前走より増えると思いますが、適性体重だと思いますよ。脚元の状態も落ち着いていますし、仕上がりも良好です」(厩舎関係者)

 近2走で騎乗していたルメール騎手がポンデザールに騎乗するため、今回は三浦皇成騎手へと乗り替わり。ただ、距離延長はプラスとなりそうで、馬券圏内の好走は十分に見込めそうだ。

 15番パフォーマプロミス(牡9歳、栗東・藤原英昭厩舎)は、父ステイゴールド。昨年勝利したミライヘノツバサの父ドリームジャーニーと同系統だ。

「予定していた戸崎騎手はサウジアラビア遠征で乗り替わりとなりましたが、ミルコでも重賞を勝っていますからね。年齢的に落ち着いていますし、天皇賞・春(G1)での3着があるように長い距離に適性も感じます」(厩舎関係者)

 今年で9歳となったパフォーマプロミスだが、これまでの長距離実績を考えれば押さえておいた方がいいだろう。

 以上を踏まえ、印は以下の通り。

◎4番ヒュミドール
○3番オーソリティ
▲13番ポンデザール
△5番サトノガーネット
△10番グロンディオーズ
△15番パフォーマプロミス

 馬券は三連複で勝負。保険としてワイドも抑えておく。

三連複 フォーメーション
◎-○▲-○▲△△△ 7点

ワイド 流し
◎-○▲ 2点

 さすがに昨年のミライヘノツバサのような穴は狙えないが、あとはヒュミドールの人気が落ち着いてくれることを祈るのみ。オーソリティ、ポンデザールが相手でも、それなりの配当になることを期待したい。

(文=宍戸ハレ)

中国、日本のバブル崩壊直前と酷似…出生数4割減で少子化が深刻、大量就職難民の懸念

中国で言論の統制や人権の抑圧が行われていることは事実だが、新型コロナウイルスの流行を抑え込み、コロナ経済危機の克服にも成功したことは率直に認めなければならない」

 2月17日付ニューズウィークはこのように報じたが、コロナ禍で中国が「ひとり勝ち」の様相を呈しているのは事実である。2028年には経済規模が米国を追い抜き世界第1位となると見込まれる中国だが、死角はないのだろうか。

 中国公安部は2月8日、昨年1年間に公安機関に出生が届けられた新生児の数が1004万人だったことを明らかにしたが、この数字は驚きをもって受け止められた。19年に比べて460万人以上、比率にして32%も新生児の数が減ってしまったからである。コロナ禍の影響で世界各地で出生数が減少していることは1月22日付コラムで紹介したが、32%の減少とは驚きである。日本は2%減、台湾は7%減、最もコロナ被害が大きいとされるイタリアでは3%減にとどまっている。

 中国の出生数の減少は昨年だけの話ではない。いわゆる「一人っ子政策」が15年に廃止されたが、16年以降も出生数の減少傾向が続いた。16年に1786万人だった出生数は、「一人っ子政策」廃止後の5年間で44%も激減してしまった。

 昨年の出生数が激減した理由について、中国の専門家はコロナ禍以外のさまざまな要因を論じているが、異口同音に指摘しているのは住宅コストの高騰である。

 中国では20年以上にわたって続いた不動産バブルのせいで、都市部の住宅価格は普通の人々の手が届かないほどの高値になってしまった。中国の場合、独身者が賃貸アパートに住むことは許されても、結婚して賃貸アパートに住み続けることは社会的通念ではほとんどあり得ないとされている(2月16日付「現代ビジネス」)。このため、新婚夫婦はマンションを購入するために多額の住宅ローンを組まざるを得ないが、月収に占める住宅ローンの返済額は5割に達しているという。昨年11月に実施された調査によれば、3分の1が「高い住宅費が2人目の子供を持つことを拒む原因になっている」と回答している。

 都市部の夫婦の生活を大きく圧迫し、彼らに子供を産む意欲を失わせているというわけである。人口統計学者は「『二人っ子政策』の効果が現れるまでには15年を要する可能性がある」と指摘しているが、このような悠長なことがいっていられる状況なのだろうか。

政府、「住宅コスト」抑制へ

 出生数の激減がもたらす少子高齢化の急激な進行は、21世紀に入ってから続いてきた中国の高度成長を終焉させ、世界の覇権国となる夢を奪ってしまうことになりかねない。目先の経済成長のみを重視してきた長年のツケが「少子化」という深刻な現象をもたらしていることに危機感を持った政府は、「住宅コスト」の抑制という重い課題に取り組もうとし始めている。

 中国の金融監督当局は昨年12月31日、「21年1月から銀行の住宅ローンや不動産企業への融資に総量規制を設ける」と発表した。中国でもコロナ禍に苦しむ中小企業を支援するための金融支援を拡大したが、その副作用で投機マネーが不動産市場に流れ込み、大都市を中心にマンション価格が高騰した。

 昨年12月に開かれた中国共産党の経済分野における最重要会議である中央経済工作会議では「不動産バブルは突出した問題である」と位置づけられた。不動産市場の安定に向けて中国人民銀行は、不動産開発業者の負債規模に応じて新規の銀行融資を制限する資本調達規制を全面適用する方針である。

 中国のこのような動きについて、「バブルが爛熟状態での総量規制導入は、30年前の日本の二の舞に、なるかもしれない」との見方が出ている(2月10日付ニュースソクラ)。バブル期の1990年3月末に実施された日本の総量規制は、「金融機関の規模に関係なく、不動産向け融資の伸び率を総貸出の伸び率以下に抑える」という内容だった。これにより翌年地価が弱含みになり、91年12月に規制は解除されたが、解除後も地価下落は止まらず、総量規制が「地価バブル崩壊」の引き金となったと評された。民間債務の対GDP比率が200%、高齢化率が12%を超えた中国のマクロ状況は、30年前の日本と酷似している。

 習近平国家主席は1月29日「中国は『ブラックスワン』や『灰色のサイ』のような事態に備える必要がある」との考えを示した。「ブラックスワン」「灰色のサイ」とは、高い確率で深刻な問題を引き起こすと考えられるにもかかわらず、軽視されがちなリスクのことを意味する。習氏は不動産バブルが崩壊するリスクがあっても、少子化を食い止めるための手立てを強力に講じることを覚悟したのかもしれない。

デフォルト急増の懸念

 しかし不動産バブルが崩壊すれば、コロナ禍で不動産頼みの傾向を強める地方財政に致命的な打撃を与える可能性がある。金融システムで資金需給が逼迫しつつある中国では、今年3月から4月にかけて4000億ドル以上の社債(人民元建て)が償還を迎えることから、今後市場でのデフォルトが急増するとの懸念が強まっている。

 30年前の日本では、地価崩壊が戦後最大の金融危機を招いたが、中国でも金融危機が発生する可能性は排除できない。経済が長期にわたり低迷することになれば、日本で大量の就職難民が生じたように、過去最高人数を更新し続ける中国の大学卒業生の就職に甚大な悪影響を与え、深刻な社会問題になることだろう。

 中国の政治学者は今年2月、「米国は大英帝国崩壊のシナリオを踏襲することになる」とする論考を独誌「シュピーゲル」に投稿したが、長期的な国力を左右する人口動態からみれば、中国が圧倒的に不利であるといわざるを得ないのである。

(文=藤和彦/経済産業研究所コンサルティングフェロー)

●藤和彦/経済産業研究所コンサルティングフェロー

1984年 通商産業省入省

1991年 ドイツ留学(JETRO研修生)

1996年 警察庁へ出向(岩手県警警務部長)

1998年 石油公団へ出向(備蓄計画課長、総務課長)

2003年 内閣官房へ出向(内閣情報調査室内閣参事官、内閣情報分析官)

2011年 公益財団法人世界平和研究所へ出向(主任研究員)

2016年 経済産業研究所上席研究員

2021年 現職

料理不要で利用者急増「ワタミの宅食ダイレクト」体験レポ…感動の品質、意外な難点

 ワタミが展開する冷凍惣菜の通信販売サービス「ワタミの宅食ダイレクト」の売り上げが好調だ。2020年度上期(4~10月)の売上高は、前年同期比約300%を記録したという。

 冷蔵商品において10年連続で病者・高齢者食宅配市場売上シェアNo.1を占める「ワタミの宅食」から派生して、冷凍惣菜の宅配サービスとして17年に始まった「ワタミの宅食ダイレクト」。急成長を遂げた本サービスは、メインターゲットにしていた中高年世代だけではなく若年層にも利用してもらいたいという思いから、20年12月からアマゾンでも出品を開始している。

 そんな「ワタミの宅食ダイレクト」の主力商品である「いつでも三菜」は、管理栄養士が監修した10食分の冷凍惣菜が対象商品。塩分やカロリーに気を配りたい人向けに栄養バランスのとれたヘルシーフードだ。

 通常価格が4700円(税込、以下同)のところ、21年2月初旬現在、「お試し割」で注文すると3900円で購入できる。送料800円が別途かかるため、送料込みの合計額は4700円である。

 ちなみにアマゾンから注文すると、送料込みで5110円とやや割高。アマゾンに会員登録している人なら注文は楽だが、「ワタミの宅食ダイレクト」から頼んだほうがやや割安ということだ。

 商品の内容は、豊富な種類の献立から10食すべてランダムに選ばれ、いずれも1食当たり10品目の食材が使われているという。栄養満点のおかずが送料込みでも1食当たり470円(アマゾン注文の場合は511円)で購入可能なことから、スーパーなどに買い物に出かける必要もなく、健康的な食事をとることができるとして人気が高まっているようだ。

 そこで今回は20代後半男性である筆者が若年層を代表して、実際に「ワタミの宅食ダイレクト」から「いつでも三菜」を注文し、味や量について忖度なしのレポートをしていこう。

ホームページで会員登録し、注文

 まずは「ワタミの宅食ダイレクト」のホームページにアクセスして会員登録を行う。登録料、月額費は無料だ。冷凍惣菜である「いつでも三菜」を扱っているのは「ワタミの宅食ダイレクト」のみなので、冷蔵品だけを扱う「ワタミの宅食」と間違えないよう要注意だ。

 

 商品の支払い方法はクレジットカードと代引きがあり、代引きだと手数料が330円かかるとのこと。今回はクレジットカード支払いを選択した。お試し割の「いつでも三菜」が3900円で、送料800円を合わせた合計額は4700円となっている。

 余談だが「お試し割」からの購入で気に入った場合は、その後は定期購入がお得だ。定期購入プランは毎週、隔週、4週ごとの指定日に10食分が届けられるというもので、定期購入だと通常価格の4700円から10%引きの4230円となり、さらに3回分の送料負担もナシになる。長く利用するならこちらを選択するのもアリだろう。

届いた「いつでも三菜」を実食

 さて、火曜日に注文し、届いたのは土曜日。一気に10食分届くので、冷蔵庫の冷凍室が小さめだとわりといっぱいになる。その代わり、今後の10食分については、献立を何にするか悩んだり、買い物に行ったりする手間がなくなるのでありがたい。

 届いた「いつでも三菜」の内容は、「ヒレカツ」「白身魚のタルタル」「豚肉となすのみそ炒め風」「サワラの野菜あんかけ」「ほたて貝と青梗菜の中華クリーム」「エビカツ」「回鍋肉風」「ブリの照り焼き」「ビーフシチュー」「麻婆豆腐」の10食。

 主菜は大まかに4つに分類される。「揚げ物」が3食、「中華」が4食、「魚料理」が2食、「洋食」が1食。中華がやや多めで洋食が少なめといった印象である。

 それぞれの特徴を書いていこう。「揚げ物」は油分、水分のバランスが良く、スーパーなどのタイムセール品の弁当のようなパサパサした感じはない。とてもジューシーにいただける。

 次に「中華」。料理の名称が「回鍋肉“風”」になっているものの、味付けも食感もほぼ回鍋肉と同じ。本来、中華料理であれば多く使われるであろう油と塩分をできる限り抑えたうえで、これだけのクオリティの料理を提供できるのは、さすがといったところ。

「魚料理」で一番懸念される点であろう生臭さは、どちらもまったくない。自炊しようとすると手間がかかりがちな魚料理は、ひとり暮らしで自分ひとり分のために料理するほどでもないという人も少なくないのではないだろうか。これなら手軽に食べられるので、ありがたい。

「洋食」のビーフシチューは、ゴロっとした大きいニンジンと、インゲン豆、牛肉が入っている。唯一の洋食らしい洋食でおいしくいただいたが、思ったよりも洋食メニューが少なかったのはたまたまだろうか。

 今回のメニューは中華や海鮮が中心だった。とはいえ、献立の種類はまだまだたくさんあるだろうし、継続して注文しても飽きずに食べ続けられそうだ。

「いつでも三菜」は若年層に浸透するのか?

 全体的な感想としては、どれも主菜、副菜がバランスよく入っていて、三角食べができる点は魅力的だ。副菜のバリエーションもとても豊富である。味はどれも申し分なくおいしい。

 ただ、管理栄養士の管理した高齢者向けの惣菜ということもあってか、味はやはりどうしても薄味になっている印象。商品のコンセプトを思えば当たり前だが、例えばスーパーやコンビニの弁当のようなガッツリ感はない。

 さらに、若年層向けにも展開を狙っているという面では、内容量の少なさも気になった。ホームページには「カロリーは250kcal基準」と記載があり、実際に10食のいずれも200kcal弱〜300kcal弱だった。プレート1食分でご飯1杯を食べることはできるが、物足りなさはある。

 例えば20代・30代男性が利用すると考えると、おかずの量としては追加でもう1食分、つまり合計2食分を食べると、ちょうどいいくらいかもしれない。しかし、せっかく管理栄養士がしっかりと考えた献立も、一度に2食分食べてしまっては、商品のコンセプトとしてはあまり意味をなさないだろう。

 食事制限を強いられている人や、健康意識の高い中高年世代にとっては、うってつけの商品かもしれない。しかし、働き盛りの20代・30代男性には、ダイエット中などではない限り「いつでも三菜」は少々おすすめしづらいのが正直なところ。

 ただ、こちらのシリーズからは1食分が3品から5品に増えた「いつでも五菜」(「お試し割」価格:4900円+送料)もある。今回のレポートを見て気になった人は、「いつでも五菜」も含めて検討してみてはいかがだろうか。

(文=A4studio)

Clubhouse、早くも利用規約が有名無実化…録音され公開、想定外の問題続出

 音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」が大流行中だ。まだiOS版のみでAndroid版が出ていないものの、連日メディアを賑わせる人気ぶりとなっている。現状は芸能人などが大量に参入しており、ここだけの話が聞けることでも人気となっている。

 ある40代男性は、入浴中もトイレ中も使い続け、「クラブハウスに住んでいる状態」という。「憧れの漫画家さんと直接話せて夢のよう。すべてClubhouseのおかげ」。一方、眠っている間に貴重な話を聞き逃すのが怖くて、ほとんど眠れなくなってしまったという。

 あまりの人気から、Facebookでも対抗となる音声SNSを開発中と報道されている。Twitterでも昨年末より「Spaces」という音声チャットルームのβテストを開始しており、音声SNSへの注目は当分続きそうだ。

 一方、Clubhouseにはさまざまな問題点が指摘されている。改めて3つの大きな問題についてご紹介したい。

データの取扱いは不透明、セキュリティリスクは高い

 Clubhouseではじめから指摘されていたのは、セキュリティ上の問題だ。「セキュリティ的に考えると怖くてできない」という人も少なくなく、利用していても「セキュリティは心配だけれど利用したいから仕方がない」という人もいる。

 2月、独ハンブルクのデータ保護当局は、同アプリの個人情報の扱いを問題視する文書を公表している。「運営会社がルーム内の全ての会話を録音・保存している」と指摘。同時に、個人情報の収集方法にも問題があるとしている。ユーザーが誰かを招待する際はスマホの連絡先データを全てアプリ側に渡す必要があり、運営会社はサービスの利用者以外の個人情報も得るが、データ管理や削除方法については不透明のままだ。このようなデータは、知らぬ間に第三者に利用される可能性もある。

 さらに、米スタンフォード大学の調査によると、同アプリのデータの一部に中国企業がアクセスできる可能性があるという。同アプリにAPIを提供している上海のソフトウェアプロバイダーAgora社に、ユーザーのIDとチャットルームのIDを送信しているというのだ。つまり、Agora社を経由すれば、誰がどのチャットルームにいたかがわかってしまうというわけだ。

 さらに、アカウントも一度つくったら簡単には削除できない点も問題だ。削除ボタンがあるわけではなく、アカウント削除や無効を希望する場合にはメールアドレスを登録の上、support@joinclubhouse.comに削除申請を送る必要がある。しかも、申請が受理されるまでに時間がかかるという声もあがっている。

出会い系利用や情報ビジネスの温床にも

 Clubhouseで興味があるテーマのルームに参加すると新しい出会いにつながることがある。これは楽しい経験だが、一方で諸刃の剣にもなりうる。

 あるルームで初めて会った同士が、「明日会おう」と言っていたという。つまり、すでに出会い系に使われているということだ。次の項で述べる通り未成年も多く参加しており、音声でのやり取りが残らない以上、出会い系被害につながっても証拠も残らない可能性があるのだ。

 すでに誹謗中傷や差別発言などが見られるだけでなく、情報ビジネスや宗教関係とも相性が良いといわれている。海外ではすでに情報ビジネスの温床となっていると聞く。他のSNSではフォロワーがそれほど多くないのに同アプリ内ではフォロワーを多く集め、「一般人が○日でフォロワー☓☓人になったコツ」などとルームを立てて語っているのを見かけることもある。

 話が上手い人が活躍できるSNSだが、逆に話術によって騙されるリスクも出てくるので注意が必要だ。

18歳以下も多く、録音録画される例も

 Clubhouseには利用規約があるが、規約はまったく守られていない。たとえば18歳以上対象とされるが、年齢確認などの仕組みはなく誰でも利用可能だ。「高校生(17)」「高校生、17歳です」「15歳の中学生です」「中学生、13歳です」などというユーザーが多数見つかる状態だ。なんと「8歳の小学生がいた」という声もあがっている。

 大人が18歳以下のユーザーをフォローしたり、話しかけることもできる。実際、「高校生と話せた」と喜んでいる40代男性の話を聞いたことがある。前述のように出会い系にも使われていることを考えると、リスクが高いことは言うまでもない。

 同アプリは、規約で会話の録音や記録を禁じている。ところが、藤田ニコルさんが話していた内容が週刊誌の記事となってしまい、規約が守られていないことが明らかになった。また、YouTubeなどで検索すると、同アプリでの芸能人などの会話が録音・録画された例が多数見つかる状態だ。「規約で禁止されていても、アカウント停止になる程度。スクープがとれるなら自分でもやると思う」とある記者は言う。

 フォロワーを増やすために相互フォローを目的としたいわゆる「フォロー部屋」も禁止されている。ところが、フォロー部屋を名乗るルームは頻繁に立ち上がっており、こちらも特に罰則などもないようだ。規約が有名無実化しているのが現実だ。

合わない人もいるが可能性はたくさん

 この他にも、電話番号を使った招待制のため、思わぬ問題も起きている。SNSでつながる今の時代、電話帳に登録されているのは友だちとは限らず、最新の人間関係を反映させたものではなくなっている。「友だちの多い本名も知らないキャバクラ嬢に招待されてしまった」とか、「縁を切ったはずの元カレや絶交した元友人が表示されて気分が悪い」という話も聞く。

 その他、アーカイブが残らないリアルタイムで聞かねばならないサービスのため、時間を食ってしまい睡眠不足になっている人もいる。

 問題を中心に述べてきたが、Clubhouseが楽しいものであることは確かだ。このサービスが向いている人にとっては、コロナ禍でもリアルコミュニケーションできる貴重な場であり、新しい出会いにつながる場でもあるだろう。

 すでにビジネスに活用している人も出てきている。なかには、ルームでのトークで数十万円の物販につながったという人もいるようだ。ただし、「特に承諾のないまま商業目的で商品またはサービスの売買を広告しまたは販売すること」は規約で禁止されており、注意が必要だろう。

 新しいサービスが、はじめから問題がないということはまずない。リスクもあるが、可能性も秘めていることは間違いない。興味がある方は、リスクに気をつけながら使ってみるのもいいかもしれない。

(文=高橋暁子/ITジャーナリスト)

●高橋暁子/ITジャーナリスト

書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。 SNSなどのウェブサービスや、情報リテラシー教育などについて詳しい。元小学校教員。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)など著作多数。『あさイチ』『ホンマでっか!?TV』などメディア出演多数。

公式ブログ: 高橋暁子のソーシャルメディア教室