JRA何故「干された」M.デムーロ騎手が抜擢されたのか。約3年ぶりキセキとのコンビ復活……昨年わずか7鞍の「疎遠状態」が一変した理由

 25日、菊花賞馬のキセキ(牡7歳、栗東・角居勝彦)が金鯱賞(G2、3月14日)から始動することが分かった。なお、鞍上はM.デムーロ騎手が予定されている。

 2017年の菊花賞(G1)を1番人気に応え、G1初挑戦初制覇を飾ったキセキ。しかし、そこから約3年半、さらなるG1制覇どころか、勝利にさえ届かないとは誰が想像できただろうか。今年で7歳を迎え、いよいよキャリアの晩年に差し掛かっている。

 そんなキセキにとって、デムーロ騎手は唯一のG1勝利となる菊花賞を共にしたパートナーであり、通算4勝のうち2勝を挙げていることから、最も「キセキの勝たせ方を知るジョッキー」と述べても過言ではないだろう。

 キセキの主戦騎手だったデムーロ騎手は菊花賞制覇後、同年の香港ヴァーズ(G1)、翌年の宝塚記念(G1)で人気を裏切る敗戦。その後の天皇賞・秋(G1)ではスワーヴリチャードとコンビを組む予定だったことから、キセキは川田将雅騎手に乗り替わりとなった。

 しかしその後、善戦はするものの16戦連続で1着から遠ざかっているキセキ。特に最近は結果が出ない中でR.ムーア騎手、武豊騎手、浜中俊騎手と次々と名手が騎乗するなど試行錯誤が繰り返されているが、その手綱がデムーロ騎手に戻ってくることはなかった。

「この背景には、デムーロ騎手とキセキを管理する角居勝彦厩舎の疎遠がありそうです。キセキを始め、ドバイワールドカップ(G1)を制したヴィクトワールピサ、チャンピオンズC(G1)のサンビスタ、朝日杯FS(G1)のリオンディーズと、デムーロ騎手とG1を勝ちまくった角居厩舎ですが、昨年から騎乗依頼が激減……。今年になってもデムーロ騎手が角居厩舎の馬に騎乗した例は1レースもありません」(競馬記者)

 記者が話す通り、デムーロ騎手×角居厩舎のここ5年を振り返っても40→47→32→36→7と、その減少ぶりは明らか。昨年、重賞4勝に終わるなど不振が目立っているデムーロ騎手だが、角居厩舎との疎遠は間違いなく原因の1つとして挙げられるだろう。

 そんな中、何故ここに来てキセキの手綱がデムーロ騎手に戻ってきたのだろうか。

「やはり一番大きいのは2月一杯で角居厩舎が解散することですね。キセキの転厩先となる辻野泰之調教師は元角居厩舎の調教助手という経歴の持ち主ですが、キセキの菊花賞制覇や先に挙げた名馬たちとの“黄金時代”を知っている方。

したがってキセキは辻野厩舎の管理馬として金鯱賞に挑むことになりますが、調教師がデムーロ騎手にいいイメージを持っていることが、今回の抜擢の最大の要因だと思います」(同)

『「今までありがとうございました」。心からそう言いたいです』

『netkeiba.com』で連載中のインタビュー企画『Road to No.1 M.デムーロ世界一になる』では、角居調教師の引退を心から嘆く様子が伝わってくるデムーロ騎手。数多くの快挙を共にした恩師が競馬界を去ることは残念だが、”風向き”は良い方向に変わるのかもしれない。

【総務省接待】幹部総退陣で通信業界に大打撃…元凶は菅首相長男のコネ入社、側近壊滅

「日本の通信業界は今後10年、世界から取り残される」――。

 携帯電話業界に詳しいあるアナリストは、菅義偉首相の長男・正剛氏が勤める放送関連会社「東北新社」から総務省の高級幹部が接待を受け軒並み処分された問題を受け、こう肩を落とした。特に菅氏の右腕として携帯電話料金値下げを主導してきた谷脇康彦総務審議官が今夏の人事で退官することが確実となったことが大きな影響を及ぼしそうだ。

農水省幹部の処分もあり、人事院はパンク状態だった

 総務省は24日、谷脇氏、吉田真人総務審議官、秋本芳徳前情報流通行政局長など11人に減給などの処分を下した。戒告以上の処分は給与にも影響が出てくるため、「次官に昇格させて給与を上げることができない以上、年次的に谷脇氏は退官せざるをえない」(同省関係者)。

 今回の接待問題が発覚したのは、今月4日発売の「週刊文春」(文藝春秋)の報道からだ。「文春オンライン」は内容を先行して前日3日に報じたが、先の関係者によると、4日には吉田氏は辞表を総務省側に提出していたが、人事院から「待った」がかかったという。関係者の解説。

「吉田氏は自分が辞表を出すことで今回の事態の幕引きを図ろうとしたのですが、人事院は鶏卵業界が絡んだ農水省の癒着問題での同省職員の調査もあり、パンク状態で、『とにかく調査を受けてから判断してほしい』と引き留めた。実際に総務省側は当初12日ごろに処分があるだろうと考えていたようですが、調査が長引き、24日までずれこんでしまった。人事院からすれば、ろくに調査もせずに“文春砲”で辞職する先例を簡単につくってしまえば、今後の行政に支障があると考えてのことでしょう。いずれにしろ、人事院の倫理審査委員会にこれほど世間を騒がせる案件が集中するのは前代未聞です」

谷脇ロスで携帯改革は停滞する

 今回処分された11人のうち、通信行政を担う高級幹部は谷脇、吉田、秋本の3氏だが、谷脇氏以外の評価は、吉田氏は「人柄で成り上がった人」であり、秋本氏は「菅氏の覚えがめでたいだけの人」というものであった。つまり、実務は谷脇氏が担ってきた面が大きいということになる。

 谷脇氏について、筆者は過去に「現代ビジネス」で記事を書いているので、ご参照いただきたいが、保守的な携帯業界の改革について、並々ならぬ情熱を傾けてきた。今年の夏の人事で次官に昇格し、「菅氏の威光を背景に向こう2年で改革は圧倒的に進むとみられていた」(全国紙記者)だけに、今回の不祥事で名前が上がったことで業界関係者に衝撃が走った。

 谷脇氏の悲願だった携帯料金引き下げは菅氏の強権で目先は達成したが、今後は次世代通信規格「5G」関連をはじめ、大手携帯キャリアが格安スマホ業者に回線を貸し出す接続料を引き下げる際の法令整備や、オンライン手続きの普及によって取り残される携帯電話販売代理店の問題への対応など課題は多い。

「谷脇氏は一つの国会で2、3本も法案をみれる怪物のような人だっただけに、5Gをめぐって世界各国が競争している現在は特に、日本の通信業界全体のダメージは非常に大きい」(冒頭のアナリスト)

 今回の処分で谷脇氏以下、電波行政を担う旧郵政系の幹部が一気に4人も抜けることになり、実務に支障が出るのは間違いない。次期次官候補としては、現在内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局地方創生総括官の名前が上がるが、旧自治省系で電波行政の知見はゼロ。ある携帯大手の中堅幹部は「役所に法案のことを相談しようにも、そもそも話がわからない幹部ばかりになり、早晩途方に暮れるのは避けられない」と予測する。

政治家も官僚も「菅銘柄」は壊滅

 今回の接待問題の本質は、菅氏が正剛氏を東北新社にコネ入社させ、長男が接待係として同社でハバを聞かせる余地をつくってしまったことにある。「文春」側が事前に正剛氏の接待の日時と場所を把握していたことを考えると、東北新社側からのリークであることは間違いなく、社内で相当の不興を買っていたことは想像に難くない。

 正剛氏は40代の会社員だが、通常なら中央官庁の高級幹部が接待に会うことなどあり得ない。課長クラスがせいぜいというところだろう。背景には菅氏の威光があったことは明らかだ。人事権で霞が関を掌握してきた菅氏の長男に呼ばれたら、拒否することなどできるわけがない。官僚自身の脇の甘さもあるのは間違いないが、そうした環境を菅氏が用意してしまったことは否定できない事実だ。

 それにしても、菅氏の引きで出世した人間は政治家も官僚もほぼ壊滅状態だ。今回処分された総務省幹部は菅氏が総務大臣だったころに目を付けたメンバーだ。政治家にしても、2019年の参院選での収賄罪で起訴された河井克行被告や、菅原一秀元経済産業相は菅氏の側近中の側近だった。官房長官時代には「鉄壁のガースー」としてディフェンス能力の高さを評価されていたが、最高権力者になって逆風が強まり、馬脚を現したということだろう。

 菅氏は「秋田の田舎から出てきて出世した」という苦労人のイメージを振りまいてきたが、今回の接待問題で、長男のコネ入社など、本質的には「成り上がりのオヤジ」と変わらないことを露見してしまった。低迷を続ける菅氏は総選挙に向けて、ますます厳しい政権運営を迫られることになる。

(文=松岡久蔵/ジャーナリスト)

●松岡 久蔵(まつおか きゅうぞう)

Kyuzo Matsuoka

ジャーナリスト

マスコミの経営問題や雇用、農林水産業など幅広い分野をカバー。特技は相撲の猫じゃらし。現代ビジネスや文春オンライン、東洋経済オンラインなどにも寄稿している。ツイッターアカウントは @kyuzo_matsuoka

ホームページはhttp://kyuzo-matsuoka.com/

処女作「日本が食われる」(彩図社)が好評発売中!

 

パチンコ「超速RUSH」など最高峰スペックが話題!敏腕メーカー「次なる一手」に注目集まる!!

 2021年のパチンコ分野において、激戦を繰り広げそうなライトミドルスペック機。各メーカーより話題作が発表されており、ファンの期待は高まっている状況だ。

 まずは、パチンコ初「ランクアップバトルシステム」を搭載した『P FAIRY TAIL2』が絶賛稼働中である藤商事の新機種。3月には「Vチャージ」によって連チャンを発生させる『P戦国†恋姫 Vチャージver』と、「異次元ライトミドル」と評される『P緋弾のアリア~緋弾覚醒編~』が登場予定だ。

 どちらも「斬新なアイデア」が組み込まれた仕上がりとなっており、早くも注目を集めている。昨年ミドルスペック『Pとある魔術の禁書目録』で旋風を巻き起こした藤商事が、今年はライトミドル分野を盛り上げそうな気配だ。

 話題性では、ボートレース漫画の金字塔「モンキーターン」を題材にした新台も負けてはいない。

 西陣はシリーズ最新作『PモンキーターンV』を3月に導入予定。ライトミドル屈指の出玉性能と、遊タイムを搭載した仕上がりを評価する声も多い。

■大当り確率:1/199.20
■SG RUSH時図柄揃い確率:1/7.67
■SG RUSH突入率:約52%
■SG RUSH継続率:約80%
■遊タイム突入条件:500回転到達
■遊タイム性能:電サポ251回転+残保留4回
■ラウンド数:3Ror4Ror10R(10C)
■賞球:1&1&6&1&11
○○○

 大当り確率1/199.20の1種2種混合機で、初当り時の大半は4R(約400発)の出玉獲得後に「電サポ1回+残保留最大4回」が付加される(残り4%はRUSH直行)。ここで大当りを引くことができれば「SG RUSH」へ突入だ。

 SG RUSHは基本「電サポ7回+残保留最大4回」で継続率は約80%を誇る。この間は70%が10R(約1110発)と、ライトミドルとは思えぬ一撃にも期待できるだろう。

 遊タイムは低確率500G消化で発動し、上位RUSH「超速EXTREME∞」へと突入する。その内容は電サポ251回+残保留最大4回と、大当り・RUSHに大きな期待が持てる魅力的な内容だ。

「強力RUSH×激アツ遊タイム」の最高峰システムを搭載。ボートレースさながらの超速RUSHが、ホールへ熱狂を呼び込むのだろうか。導入後の動向に注目したい。

『PモンキーターンV』の導入を控えている西陣といえば、人気シリーズ最新作『P織田信奈の野望 全国版』にも反響が寄せられている。

 大当り確率1/199.80の本機は、RUSH突入率が100%という安心仕様。さらに右打ち中の10R比率は52%と、まとまった出玉も狙える点が特徴だ。こちらも導入後は好稼働を見せそうである。

 ライトミドル分野の目玉機種を発表している西陣だが、今後のラインナップに関する情報も一部関係者の間で話題だ。その候補の中には、同社が誇るヒットシリーズの名前も含まれている。「早くも新作が!?」との声が浮上中。こちらの詳細も気になるところだ。続報を楽しみに待ちたい。

【注目記事】

パチスロ初代『吉宗』で“全6”の大盤振る舞い!「あんなの冗談じゃあ!」と関係者が怒り狂う衝撃の結末…

パチスロ新台「LIVEの臨場感」で興奮度MAX!2つのボーナスが出玉を加速!?

甘デジ「15R比率40%」最高連チャン率“70%”オーバー! 良スペックが紡ぐ出玉物語!!

パチンコの「遊び方が大進化」する可能性!? 新たな「画像動画投稿サイト」のローンチから思う「新時代」の楽しみ方

 パチンコ・パチスロの業界ニュースを提供する遊技日本によると、グローリーナスカがファン向けの画像動画投稿サイト「パピモコ」という新しいサービスを開始したようです。

 パチンコ・パチスロに特化したSNSであると同時に、より機種に対して投稿内容をフォーカスすることによって、両分野の面白さや魅力をダイレクトに伝えることができるとその特長を紹介しています。

 なるほど。既存のSNSだと、ベースとなる人間関係やその他もろもろのほかの情報に埋もれてしまって、たとえばホール関係者だったり有名ライターだったり、その影響力や発信する情報の偏りが生じてしまう場合もありますものね。

 多くのライターが同じ機種の実戦様子なんかを同じタイミングで掲載しだすと「ああ。ね」と裏事情が透けて見え、妙に醒めたり逆にマイナスプロモーションになったりするなんて、関係ないながら思ったりもしますよ。

 まあ、これは私というライターがこのような場所からかけ離れたところに存在しているがゆえにイジっているんですが、「金払うんでやってください」って言われたら喜んでやりますよ。

 話がだいぶ逸れましたが、この「パピモコ」、『誰』は関係なく、『何で』テンションが上がったかにフォーカスしているのであれば、ユーザー名なんか表示しなくて、投稿のタイトルに機種名が付く機能とか、そっちのほうがもっと面白いんじゃないかなと思ったりもします。

 ただ、取り組み自体は非常に興味深いもので、パチンコ・パチスロファンの新たなインフラとして、ユーザーが繋がるコミュニティーとして、パチンコ・パチスロの面白さや魅力を伝播させる新規の媒体として、可能性を感じますよね。

 若干主旨が異なりますが、ファン同士の繋がりという意味では、離れた台同士でコミュニケーションを図れるような機能が実装されると、パチンコ・パチスロの遊び方が革新され、また新たなフェーズに移行できると昔から考えていまして。

 同じ店で離れた場所に別々で打っている友だちとホール側が用意しているテレビが観れたり台のデータ情報なんかを表示できるモニターを使ってお互いの状況を確認できる「ZOOM打ち」みたいなサービスとか。

 あるいは、Daiichiで台枠にサブモニター載っけてる台があったじゃないですか。あれと「パチログ」みたいなインタラクティブなサービスを併用して、遠く離れた違う店にいる仲間と連携を取りながらパチンコ打てたりするのもアリかと。

 後はオンラインゲームみたいにまったく知らない人とミッションをクリアする対戦ができるみたいな機能があったら面白いと思いますね。

 小津安二郎の映画「お茶漬の味」に、「パチンコには純粋の孤独があり、その幸福な孤独感が魅力だ」といった意味のセリフがあり、私なぞもその角度からもパチンコに魅力を感じているひとりです。

 ただ、経験や繋がりに高い価値観を見出すような傾向にある現代においては、「フォートナイト」の大成功などゲーム業界がそうであるように、そっち方向にシフトするような戦略もアリなんじゃないでしょうか。知らんけど。

(文=大森町男)

【注目記事】

パチスロ初代『吉宗』で“全6”の大盤振る舞い!「あんなの冗談じゃあ!」と関係者が怒り狂う衝撃の結末…

パチスロ新台「LIVEの臨場感」で興奮度MAX!2つのボーナスが出玉を加速!?

甘デジ「15R比率40%」最高連チャン率“70%”オーバー! 良スペックが紡ぐ出玉物語!!

「2020年 日本の広告費」解説──コロナ禍で9年ぶりのマイナス成長。下期は底堅く回復基調に

2月25日、「2020年 日本の広告費」が発表されました。マスコミ4媒体、インターネット、プロモーションメディアの各広告市場の変化について、電通メディアイノベーション研究部の北原利行が解説します。

北原利行

「2020年 日本の広告費」の概要──全体的に減少する中、インターネットは増加

2020年(1~12月)における日本の総広告費は、6兆1594億円でした。

2011年の東日本大震災以来、8年連続で成長を続けてきましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、9年ぶりのマイナス成長となりました。前年比88.8%と、その下げ幅はリーマンショックの影響があった2009年(前年比88.5%)に次ぐ数字です。

日本の総広告費推移

日本の広告費は大きく

  • 「マスコミ4媒体広告費」
  • 「インターネット広告費」
  • 「プロモーションメディア広告費」

に分類しています。

媒体別「日本の広告費」(2018~20年)

総広告費におけるそれぞれの構成比は、マスコミ4媒体が36.6%、インターネットが36.2%、プロモーションメディアが27.2%です。

広告費はマスコミ4媒体が前年比86.4%、プロモーションメディアが前年比75.4%と減少した一方、インターネットは前年比105.9%で増加となっています。

2020年 媒体別構成比

●マスコミ4媒体広告費──6年連続の減少

新聞、雑誌、テレビ、ラジオのマスコミ4媒体広告費は、前年比86.4%の2兆2536億円でした。

内訳は、新聞が前年比81.1%、雑誌が73.0%、ラジオが84.6%、地上波と衛星メディア関連を合わせたテレビメディアが89.0%と、すべて前年割れ。6年連続の減少となりました。

●インターネット広告費──マスコミ4媒体全体とほぼ並ぶ

インターネット広告費(媒体費+「物販系ECプラットフォーム広告費」+広告制作費)は、前年比105.9%の2兆2290億円と、1996年の推定開始以来、一貫した成長を続けています。2020年はついにマスコミ4媒体の2兆2536億円にほぼ匹敵する、2.2兆円規模の市場となりました。

●プロモーションメディア広告費──外出・移動の自粛が大きく影響

前年比75.4%の1兆6768億円です。各種イベントや従来型の広告販促キャンペーンの延期・中止に加え、外出・移動の自粛も影響しました。特に「イベント・展示・映像ほか」「折込」などが大幅に減少しています。

9年ぶりのマイナス成長の中でも増加を見せた業種とは?

2020年は、各種イベントや広告販促キャンペーンの中止・延期、レジャーの自粛などのため、広告出稿が通年で大幅に減少しました。

しかし、マスコミ4媒体費の四半期ごとの伸び率の推移を見ると、1回目の緊急事態宣言が発出された4-6月期で大きな落ち込みをみせたものの、その後は全体に回復基調を見せています。

2020年 マスコミ4媒体広告費の四半期別伸び率

また、外出自粛による生活様式の変化から、増加の見られる業種もありました。

●マスコミ4媒体広告費<新聞広告費>

業種別で見ると、「交通・レジャー」広告が前年比51.1%と大幅に減少。特に旅行会社や芸能・芸術・文化施設、各新聞社のイベント告知が、大きく減少しました。

一方で、ウェビナー、リモートワーク関連、オンラインショップ(EC関連)などの出稿増加により、「情報・通信」が前年比107.9%で伸長しています。

●マスコミ4媒体広告費<雑誌広告費>

広告宣伝費の落ち込みやデジタルシフトの加速もあり、厳しい状況が続きました。業種別では、構成比の大きい「ファッション・アクセサリー」「化粧品・トイレタリー」が大幅減となっています。一方、巣ごもり需要の影響で「家電・AV機器」が増加しました。

●マスコミ4媒体広告費<ラジオ広告費>

ラジオでも、各種イベント告知、「交通・レジャー」「流通・小売業」などの出稿が減少し、通年で大幅に減少しました。一方、巣ごもり需要により「家電・AV機器」などの出稿に増加が見られたのは雑誌広告と同様です。

●マスコミ4媒体広告費<テレビメディア広告費(地上波テレビ+衛星メディア関連)>

予定されていた各種大型スポーツイベントの開催延期や中止、広告宣伝費の縮小により、減少しています。しかし10-12月期には経済活動の再開傾向が見られ、特に「情報・通信」「自動車・関連品」の広告費が復調しました。

●プロモーションメディア広告費<屋外広告、交通広告、折込>

緊急事態宣言後、店舗の営業時間の短縮や催事・イベントの中止、各種交通機関の利用者減少により、全体の広告収入は大きく減少しました。

ただ、新しい生活様式に合わせて、デジタル時代への最適化が加速する傾向も見られました。屋外広告では、渋谷に飲料メーカー専用のビジョンが新設された他、位置情報データを活用しインプレッション数でセールスする媒体社が本格稼働し、屋外ビジョン広告の下支えに貢献しました。昨年の注目ポイントに挙げたタクシービジョンの売り上げも、一時的には減少しましたが、インプレッション課金の導入によりキャンセルではなく減額出稿となり、下支えに寄与しました。

●プロモーションメディア広告費

4月の緊急事態宣言でDM実施予定案件の延期、中止が相次ぎ、一時非常に厳しい状況に陥ったものの、デジタル施策との併用が進み、7月以降は回復傾向が見られました。

●プロモーションメディア広告費<フリーペーパー(フリーペーパー、フリーマガジン、電話帳の総称)>

通年を通して減少傾向にあり、休廃刊も見られたものの、各戸に直接配布するポスティングタイプは配布部数が比較的堅調でした。非常事態下において、「地域密着メディア」としての根強い力が見受けられました。

●プロモーションメディア広告費

積極的な店頭集客キャンペーンができないため、大きく減少しました。一方で、実演販売や接客の代わりに小型モニターPOPの設置や、店頭でのデジタルサイネージを活用したリモート接客が活用されるようになりました。

●プロモーションメディア広告費<イベント・展示・映像ほか>

「東京2020オリンピック・パラリンピック」をはじめ、プライベートショーやマラソン大会などで開催方法の変更や中止・延期がありました。しかし、少しずつオンライン開催が定着していき、10-12月期には増加傾向となっています。

映像関連は動画配信、リモート制作、最新テクロジーの活用など、新たな需要が生じました。リアルイベントの代わりにオンラインイベントが急増し、今まで距離や時間がネックとなり参加できなかった人たちにとって利便性が向上しました。一方で、皆で集まって盛り上がることに価値を置く種類のイベントは、今後ワクチンの接種が進む中で元に戻っていくことも考えられます。

シネアドは大幅な減少を見せたものの、日本の興行収入記録を更新した邦画アニメが登場し、数多くの広告主を得ました。

インターネット広告は早めの回復基調で、コロナ禍でもプラス成長

インターネット広告も、新型コロナウイルス感染症による消費の低迷と広告出稿減少の影響を受けましたが、他メディアよりも早く回復基調となり、通年では前年比105.9%と、唯一プラスになっています。

インターネット広告媒体費1兆7567億円(前年比105.6%)のうち、運用型広告費は1兆4558億円(前年比109.7%)。

昨年も注目ポイントに挙げたマスコミ4媒体由来のデジタル広告も、運用型広告の活用を中心に、さらに進みました。マスコミ4媒体由来のデジタル広告費は803億円(前年比112.3%)と、前年に引き続き二桁成長です。

2020年 マスコミ4媒体由来のデジタル広告費

●新聞デジタル──不安な世情の中、新聞電子版の信頼性が見直される

新聞デジタルは、堅調な成長トレンドが続いています。4-6月期は予約型広告出稿が減少したものの、サイトPV数が増加した結果、運用型広告による売り上げも増加しました。新聞本紙を基盤とするコンテンツ(記事)の信頼性によるものと考えられます。

●雑誌デジタル──巣ごもり需要で電子雑誌が大幅に伸長

4-6月期から、出版各社主要ウェブメディアのPV数が大きく増加。特に電子雑誌は、コミック誌を中心に大幅な伸長を見せました。ウェビナー企画やオンラインイベント、広告主サイトのコンテンツ制作、SNS活用、動画制作、配信企画などが広告モデルとして引き続き成長しています。

●ラジオデジタル──ラジオの運用型広告に注目

外出自粛や、リモートワークの普及により「radiko」の聴取率が伸びたことでラジオデジタルの運用型広告への注目が集まりました。また、従来型のイベントが減った一方で、ラジオとオンラインイベント、ラジオとSNSを掛け合わせた施策が増え、それに伴う出稿が増える結果となっています。

●テレビメディアデジタル──「TVer」のユーザー数が大幅に増加

テレビメディアデジタルのうち、「テレビメディア関連動画広告」は170億円(前年比113.3%)と、前年に続いて伸長。なかでも「TVer(ティーバー)」は地上波テレビ放送由来のコンテンツ力を背景にユーザー数を大きく伸ばしており、テレビ受像機での利用も伸びてきたことがテレビメディア関連動画広告に寄与しました。

 

2020年は、危機的な状況の中でDX(Digital Transformation|デジタルトランスフォーメーション)が劇的に加速し、“今後10年かけてこうなっていくだろう”と思われていた世界観が一気に実現されました。

そんな中で見えてきたのが、メディアの価値の再構築・再定義です。例えば、減少はしたものの下がり方が緩やかだったDMは、デジタルだけでは伝えきれない情報を届ける役割を担っています。

そもそもテレビ広告などの従来のマスメディア広告はインターネット広告とは性格が違う側面があります。例えば、長期的記憶に基づくようなブランド構築のための広告は、リーチの広さやメディアの信頼性からテレビや新聞などの強みがまだまだあります。

また、インターネット広告は個人や小規模事業者も多く出稿しており、その使い方もプロモーションメディア系の手法に近いものも多くあります。ですので、同等に比較するというのではなくて、それぞれの強みをいかに組み合わせ使いこなしていくかという考え方が必要となります。

この辺りについては、昨年の「日本の広告費」特別対談が参考になるかと思います。

「2019年 日本の広告費」特別対談 今、マスメディア広告の成長に必要なものは?

 

DXとは必ずしも「全てがデジタルになる」という意味ではなく、デジタルの力で紙媒体も含めたメディア全体の構造をつくり直し、それぞれの強みを相乗的に生かすもの、という捉え方ができるでしょう。

コロナ禍という有事に、「マスコミ4媒体由来のデジタル広告費」が伸長したのは、新聞やテレビといったメディアへの“信頼性”の表れだろうと思います。メディアのさまざまな価値や役割があらためて再認識された1年だったといえます。

「2020年 日本の広告費」詳細はこちら(電通ニュースリリース)。

日本の広告費推計範囲

アスリートブレーンズ為末大の「緩急自在」vol.9

為末大さんに「いま、気になっていること」について、フリーに語っていただく連載インタビューコラム。唯一、設定したテーマは「自律とは何か、寛容さとは何か」。謎の「聞き手」からのムチャ振りに為末さんが、あれこれ「気になること」を語ってくれます。さてさて。今回は、どんな話が飛び出すことやら……。乞う、ご期待。

インタビューに応える為末さん

──前回に続いて「さびしさとは、何か?」というテーマで伺おうと思います。前回のお話の最後でカジノなどを例に「自分がとった行動で、何かが反応すること」に対する一種の依存症のような話が出たと思うのですが、今回、冒頭で伺いたいのは、人はさびしさを「紛らわしているのか」それとも「コントロールしているのか」ということです。

為末:またまた難しい質問から入りますね。アスリートでいうと、もちろん成績や結果も大事なんですが「世間の反応がダイレクトに来る」ということが最も心躍る瞬間なんです。言うなれば「さびしさ」の対極にいられる瞬間、ですよね。その高揚感を味わっているうちに、段々、世間に自分が泳がされているような感覚になってくる。そうなると、人って不思議なもので、世間、いわゆる俗世から離れたい、という欲求が出て来るんですよね。せっかく「さびしさ」から解放されたというのに、です。

──ひとつの「境地」ですね。

為末:そうなんです。さびしさから解放されるために、なにかに没頭する。たしかにその何かは、さびしさから解き放ってくれる。でも、その何かに今度は依存していく。ここが人間の厄介なところです。酒でも、恋愛でも、仕事でも、ギャンブルでも、もちろんスポーツも、です。

──よく、分かります。

為末:そうなると、いったん俗世から離れたくなるんです。さびしさから逃れるためにしがみついていた俗世から。例えば現役時代、海外に遠征したりすると、2〜3週間でものすごくいい気分になるんです。なにかから解き放たれた、という感覚。これって「さびしさ」とニアリーイコールだと思うのですが、とてもポジティブな気持ちになれるんです。 

──深いお話ですね。

インタビュtーに応える為末さん

為末:要するに「さびしさ」とどう付き合うか、ということだと思うんですよ。人はさびしさから逃れたいがために、何かにしがみつく。しがみつくと、今度はその対象に依存して縛られてしまう。

──それは、一流アスリートならずとも、われわれでも同じですよね。例えば、入社以来、猛烈に働いてきたというのに、あるとき突然、左遷を言い渡されてしまう、とか。そのときの「喪失感」たるや、言葉にはできません。

為末:アスリートでいうと、現役を引退するときの「喪失感」は、半端ないです。人生の95%を失ってしまった、くらいの感覚です。さびしい、なんてものではありません。頭の中が真っ白になるというか、心に穴があいたというか、膝から崩れ落ちるような感覚。なにしろ人生のほとんどすべてを捧げてきたものが、取り上げられてしまうのですから。 

──その「喪失感」は、どうやって克服されたんですか?

為末:僕の場合は、とにかく本を読み漁りました。本を読んで、知識を深めていくと、目にするものすべてが新鮮に映る。ヒマつぶしといえばヒマつぶしなんですが、知識とか教養とかって、さびしさに耐えるため、さびしさを乗り越えていくために絶対に必要なものだと思うんです。 

──なるほど。

為末:そうすることで、自分が今までやってきたことの意味であるとか、これから何をしていくべきなのか、といった道筋も見えてくる。 

(聞き手:ウェブ電通報編集部)


アスリートブレーンズ プロデュースチーム白石より

現役引退後の耐えがたい喪失感を読書(知識や教養)で克服した、というエピソードに現在の為末さんが形成される萌芽を感じます。アスリートを「さびしさ」という軸で捉えると、通常、一般人では感じ得ない振れ幅で「さびしさ」を、しかも比較的若くして感じる宿命。この課題をひもとくことはアスリートの“セカンドキャリア問題”はもちろん、「さびしさ」によって生じている社会課題の解決にも資する示唆を得られる感触があります。アスリートブレーンズとしても、チャレンジしたい領域です。

アスリートブレーンズプロデュースチーム 電通/日比昭道(3CRP)・白石幸平(事業共創局)

為末大さんを中心に展開している「アスリートブレーンズ」。
アスリートが培ったナレッジで、世の中(企業・社会)の課題解決につなげるチームの詳細については、こちら

アスリートブレーンズロゴ

道は、決して一つではない

「アルムナイ」という取り組み(制度)を、ご存じだろうか?元々は、「卒業生/同窓生/校友」を意味する言葉で転じて、「企業のOBやOGの集まり」を意味するようになった。海外では、一度、企業を離れたアルムナイを、貴重な人的資源して有効活用することが、ごく普通に行われている。本連載では、そうした「アルムナイ」をこれからの事業戦略の核たる制度として捉えていく潮流を紹介。「キャリアデザイン」というものの本質に迫っていきたい。#04となる今回のゲストは、ハッカズーク代表取締役CEO鈴木仁志氏です。


「手段」と「目的」の見極めが大切

カナダの大学を卒業した後、グアムやシンガポール、中国などで仕事をしてきました。そうしたバックボーンから、僕の仕事のベースである「人事」や「採用」に「海外」と「テクノロジー」をいかに掛け合わせるか、を意識しています。僕は「人事」「海外」「テクノロジー」を軸に選びましたが、例えば外国語がしゃべれるようになったり、SNSを使いこなせるようになったりしても、自身のキャリアを前に進めるための「手段」を手に入れたにすぎません。それをもって自身のキャリアが前に進んだわけではないんです。

鈴木仁志氏
メディアの取材に応える鈴木仁志氏

大切なことは「自分自身がどうなっていきたいのか」という目的であって、人事もグローバルもテクノロジーも、その目的を果たすための手段でしかない。100人いたら、100通りの目的があって当然。その目的を果たすために、世界とつながろう、ITを駆使しよう。そう考えることから、始めるべきだと思うんです。それなのに、人も企業も社会も、みんなが「グローバルやテクノロジーを意識しなくてはいけない」と、「画一化」へ向かってしまっているような気もして。それ自体が目的のように思ってしまうのは違うと思うんですよね。

「キャリアデザイン」って、なんだ? #04 タイトル

自分らしい人生、とは?

働き方改革も同じで、本来は手段でしかないのに、多くの企業や人にとって目的になってしまっている。働き方を緩めようとした結果、「ゆとり労働」などという新たなワードも生まれ、「働き方改革」という言葉自体、手あかがついてきた感覚すらあります。

僕の考え方としては「人生の選択肢が広がっている」のが何より大事なこと。さまざまな手段を使うことで自分の人生を自分自身で決められる。これって素晴らしいことだと思うんです。もちろん、道半ばではありますが、そうしたそれぞれが持つ理想へ向かってみんなで進んで行こうよ、というのが働き方改革の本筋だと思うんです。

そうした発想が社会に根づいていけば、個人にとっては目的を達成するための手段が選びやすくなって、自分の人生を自分で描きやすくなる。そうなれば、企業もより豊かになれるはずだと僕は信じています。働き方改革といわれるものの本質は、そこにあるのではないでしょうか。

「広がっていく人生の選択肢」その一例
「広がっていく人生の選択肢」その一例

「巻き込まれること」に価値がある

父親からはよく自分の意思を問われていました。こうしろ、ではないんですよね。「どうなりたいんだ?」という問いかけです。でも、それこそが、一番難しい。明確な目標を持てる人間など、ほんの一握りです。だから、みんな悩む。でもあるとき、父親の言葉をこう考えたらいいんじゃないか、と思ったんですね。「おまえの人生、おまえ自身が責任持たないでどうするんだ?」と。これってつまり、考える時間、猶予を与えられている、ということなんですよね。少し気が楽になると同時に、不安にもなりました。メジャーリーガーになる、みたいな一本道は凡人には見えません。これだ、という才能もない。そのとき思ったのが「であれば、何かに巻き込まれてみよう」ということです。

自分で「この道に進むぞ」と仲間を集めて巻き込んでいくだけではなく、「この道に進もうよ」と巻きこまれる選択肢もあるわけです。他人を巻き込め、とはビジネス界でよく言われる格言みたいなものだと思うのですが、発想としてはその逆。そして、巻き込まれる存在になるためには、目の前のことを懸命にやりつつ、自分がやっていることを発信するのが大切です。

何かに巻き込まれるということは「疑似体験をさせてもらっている」ということで、これはとてもぜいたくなことだなあ、と気づいたんですよね。ああ、こんなやり方もあるんだ。ということをその都度、教えてもらえる。その疑似体験を参考に、自分の人生の道筋を決めればいいと思うようになりました。

Tシャツ姿の鈴木仁志氏
Tシャツも、あえてインパクトのある表現をして巻き込まれることを狙っている?

アナログとは、ラグジュアリーなものだ

最近はあらゆるものがデジタル化されていますが、僕は「アナログとは、ラグジュアリーなものである」と思っています。店舗でデジタル注文することに抵抗はなかったとしても、商品を受け取る時はロボットではなく、人から受け取りたいと考える人は一定数いるのだと思います。そういう意味で、アナログは価値がある。

仕事も同じで、昨今、仕事の仕方や成果評価など、あらゆるものがデジタル化されていて、社会全体もそれに慣れてきてしまっている。例えば人事でいうと、A Iで社員評価を完結するとします。AIはデータとアルゴリズムを掛け合わせて意思決定をするわけで、人が感覚的に判断するよりも公平であるという意見もある。ただ、人事がアルゴリズムを理解せずに「A Iで評価しました」とだけ言われるのは、感情的に嫌な人もいますよね。だからこそ上司などが「こういうロジックで評価していて、私はこう考えている」と、人が説明をすることも重要。それこそがアナログのラグジュアリーさ、だと思うんです。

コロナによって、リモート会議でも結構、仕事ってできるんだな、みたいな風潮になっていますが、僕は逆に、コロナによってアナログの大切さを再確認させられたように感じています。人と人との触れ合いって、ただデジタルデータの交換をすればいい、というものではないですから。

ハッカズーク社員との集合写真
アナログのラグジュアリーさを共に提供する仲間たち

アルムナイとは「ほどよい距離」を生むための仕組み

僕は「人事」「海外」「テクノロジー」を軸にキャリアを築いてきて、今は「アルムナイ」をテーマとした事業をやっています。そこで目指したいことは、人生を豊かにするための「つながり」をつくりたい、ということなんです。つながるか、つながらないかというゼロかイチかではなく、あの人の意見を聞いてみたい、というときにつながりを強くするために普段から弱くつながる、というアナログな関係性です。人と人との心地いい関係は、ほどよい「距離感」にあるのだと思います。夫婦でも、恋人でも、親子でも、企業との関係でも、「ほどよい距離」と「ほどよいマインドシェア」が、大事。

アルムナイとは、ずっと強固なつながりを維持するものではなく、その時々で関係に強弱を付けられるもの。「0」でも「1」でもない、ほどよい関係、ほどよいつながり。退職したら、はい、さようなら。あなたと私は、もう無関係です。では、さみしいじゃないですか。個人のキャリアの道は決して一つではないのですから。企業と人との「ほどよい距離感」をいかに育むか。アルムナイの本質は、そこにあるのだと思います。

ハッカズークHPは、こちら
サービスページは、こちら
アルムナイ特化型メディア「アルムナビ」は、こちら


電通キャリア・デザイン局(当時)大門氏と、電通OB酒井章氏(クリエイティブ・ジャーニー代表)によるアルムナビでの対談記事は、こちら

 

福島沖地震で東電と菅首相が福島原発の異変を隠蔽! 地震計は故障、汚染水タンクがずれ、格納容器が水位低下しても「すべて正常」

 もうすぐ福島第一原発事故から10年の節目を迎えるが、2月13日に福島県沖で発生したマグニチュード7.3、最大震度6強の地震をめぐり、とんでもない事実が次々と判明している。  なんと、福島第一原発の3号機に設置されていた地震計2台が故障していたことを東京電力が確認しながら...

【参加者募集】セミナー「100億ブランドの事例に学ぶCRM」をオンライン開催

電通ダイレクトマーケティングは3月5日、オンラインセミナー「100億ブランドの事例に学ぶCRM ワンランク上の顧客体験とは」を開催する。

健康食品や化粧品に代表される単品リピート通販は、2000年代に大手メーカーが参入、近年もEC からの参入が続くなど、ますます活況を呈している。特に昨年のコロナ禍におけるリアル店舗事業の危機は、顧客を直接購入へ導く“ダイレクト化”を促進した。そこで重要となるのが、顧客との関係づくりを通じ、リピーターやロイヤル顧客を増やしていくCRM。

「事業を開始して間もないため、既存顧客へのアプローチを始めていない」「新規獲得優先 でCRMに手を尽くしていない」「教科書に沿ったCRMのプログラムを行っているが、いまひとつ自信がない」。そのような課題に対し、オンラインとオフラインを問わない本質的な CRM 施策のノウハウを伝授。CRM施策で大きく成長した企業の最新事例を交えながら、顧客とのコミュニケーション活性化のヒントを提供する。

【参加者募集】セミナー「100億ブランドの事例に学ぶCRM」をオンライン開催

100億ブランド事例に学ぶCRM ワンランク上の顧客体験とは
【実施概要】
日時:3月5日(金)16:00~17:00
対象:事業会社の宣伝・販促 ・マーケティング担当者
定員:100人(抽選)
参加費:無料
申込締切:3月3日(水)
申込方法:下記URLからお申し込みください(メールで抽選結果をお知らせします)。
https://www.ddm-dentsu.co.jp/seminar/

【当日のプログラム】
● 10年ブランド・EC参入ブランドの課題
● お客様のインサイトをとらえる、ロイヤリティ施策とは
● CRMに効くデータ分析とは (事業の見える化から、予測、クラスターまで)
● 新たな顧客接点(LINEを活用した顧客育成の紹介)
●質疑応答
※プログラムは予告なく変更になる可能性があります。

【こんな方におススメ】
・新規獲得のためウェブ広告をメインに展開しているが、顧客の継続に課題を感じている。
・ダイレクト事業を始めたが売り上げが伸び悩んでいる。
・あらゆる施策をやり尽くして施策が飽和状態になり、何をしてよいか分からない。

【講師紹介】
電通ダイレクトマーケティング
事業コンサルティング2部長 末次一子

事業主と専業代理店、両方の立場でダイレクトマーケティングに長年従事。大手メーカーの通販事業立ち上げに複数携わり、会員数約300万人を超えるブランドに育成。引き上げ~ロイヤル育成・休眠復活など、事業ライフサイクルのあらゆるフェーズや課題で、CRMのプロジェクトマネジメントを行っている。日本ダイレクトメール協会DMマーケティングエキスパート講師。

便利がいい?いや、不便があるともっといい!!

突然ですが、2020年、コロナウイルスに起因する暮らしの変化はあなたの意識をどう変えたでしょうか?

「会えない」
「行けない」
「話せない」

これまで当たり前だったはずのことが、突然できなくなりました。

中でも、誰もが制限されたであろう「移動の自由」。

あなたも不便をこうむったでしょうか。当たり前ながら、便利か不便かでいえば「不便」には違いありません。一方でリモート会議や音声SNSが当たり前になったことでもたらされた「便利な体験」の数々は、あなたにどんな益(Benefit)をもたらしているでしょうか?

「すぐに連絡できるけれど、距離感がつかめずストレスを感じる」
「会って話せば伝わるはずなのに、変な誤解が増えた」

そう感じている人もいるのではないでしょうか。しかもこれ、実際に経験してみるまでピンとこないことも多かったと思いませんか。

便利なのか?不便なのか?その境界線が溶けていく中で筆者が注目したいのは、

「人は本当は何を欲しがっているのか?」「心に残る体験はどうすればつくることができるか?」という問いでした。

この答えに迫る上で今回ご紹介したいのが、

便利が無条件に好ましいわけではなく、意図する/せざるに関わらず不便な状況がある、あるいは好んで不便を取り入れることによって、かえって喜びが生まれたり、共感できるタネが生まれる」という真理。

そして、この真理を「体験のデザイン」に生かす具体的な方法についてです。

連載全3回のうち初回のテーマは、

「便利がいい?いや、不便があるともっといい!!」

です。

不便益01

皆さんは「不便益」という考え方をご存じでしょうか?

 

不便益(ふべんえき)」という言葉。もしかすると、書籍やテレビ番組他で耳にしたことがあるかもしれません。

【不便益とは?】
京都大学の川上浩司特定教授を中心に2000年代から考えられてきた概念で、不便であるからこそ得られる効用のこと。現在、大学の垣根を越えた研究会やバーチャルな研究組織「不便益システム研究所」が運営され、自動車運転支援や観光支援など、さまざまな分野で実践されている。

 

具体的にいうと、以下のようなことを指します。

  • 造花は水をやる必要がなくて楽ちんだが、世話をしないと枯れてしまう生花に愛を注ぐ方が好きだ
  • 遠足のおやつは「300円まで」(なぜかいつの時代も)と制限されるからこそ、お菓子コーナーでは気合が入るのであり、その楽しさは今も覚えている
  • YouTubeでもアーティストのライブは見られるのに、わざわざ雨ガッパで山奥の夏フェス会場へ足を運び、どろんこずぶ濡れになって見たあの日のステージが忘れられない

いかがでしょうか(ご自身の体験を、ぜひ思い起こしてみてください)。

不便益02

これらの例に共通していえることは、

手間ひま(面倒)や遠回り、苦労、負荷がそこに存在することで、(存在しない場合に比べて)体験そのものが味わい深くなり、印象に残りやすい」ということ。

「あぁ〜そういうのあるよね、前から」と誰もが、なんとなく共感できるのではないでしょうか。

一方で、「これって昭和の時代を生きてきたおっちゃん、おばちゃんのノスタルジックな“愛で<メデ>”に過ぎないのでは?」(“映え<バエ>”に対して言ってみました)

そう感じた方もいるでしょう。

ところが、これは全然ノスタルジックな現象ではないという数字が出てきました。

川上先生とわれわれのチームでこの2年にわたり重ねてきた共同研究結果から見えたのは、「むしろ10代、20代、それも男性よりも女性の方がこの考え方への共感度や関心度が高い」という驚くべき事実です。

そうです。スマホ世代、デジタルネイティブ世代、Z世代(好きに呼んでもらって問題ないです。とにかく“便利”が当たり前の世代)にこそ刺さりまくっているという事実には何かヒントめいたものを感じる……そんなあなたは、もしかしてマーケティング界の住人の方でしょうか?

不便益調査01
DMI調査結果から抜粋

【便利への抵抗感(便利疲れ)】

  • 全体の4割弱(36.1%)が便利になりすぎることへの「抵抗感あり」。
  • 女性にその傾向が強い(10代と50代が突出)。
  • 女性はSNS疲れとも関係あり?もしくはAIや先進テクノロジーへの忌避感?
不便益調査02
 
不便益調査03
DMI調査結果から抜粋

ググれば一見正しいとおぼしき解が見つかり、料理をつくりたければどこにいても即座にレシピを引き出すことができる今、「それでは本当の自分のスキルとはいえないのではないか」などという、まるで人生100年時代の後半戦を生きてるんじゃないかと思えるような熱いコメントが、まさかの10〜20代の男女から出てきているのです。

AIやロボットが人間の行動を代替すればするほど、取り上げられてしまう「何か」

過剰な便利さに対して、人々が心地よくないと感じたり、どことない不安を抱くという事実は、いわゆる「スマホ疲れ」「SNS疲れ」「デジタルデトックス」といった、2000年代初頭から流行してきた言葉を振り返っても分かることです。

このことについて、川上先生の書籍では、「人間は目の前でそのしくみが理解できる道理=“物理”に根ざした安心を感じるようにできている(目をみて話を聞き、うなずきながらエンピツでメモをとるビジネスマンの方が目も合わせずにスマホとタブレットをスワイプしまくる“デキる風ビジネスマン”よりも信頼される)」といったメカニズムが紹介されています。なるほど“物理”かと、いたく腹に落ちました。

これ、カセットテープやレコードが若者の間で流行っているという現象にも当てはまります(レコード針が塩化ビニール盤の溝を這うことで音が出たり、鉛色のテープをヘッドが物理的にこすってるさまがクール!という視点)。

不便益04

あえて人間にしかできない「不便な活動を選んでする」行為は、共感のタネになったり、あるいは自身が喜びを感じて生きるための強い動機となる可能性に満ちていることがお分かりいただけたでしょうか。

ここで本連載のポイントを、ここでもう一度言わせてください。

不便益は工学の話にとどまらず、広告コミュニケーションとエクスペリエンスデザインの領域にも応用できる

そう気付いたのは、実は今から約2年前のことでした。

単純に従来のマーケティングや広告・宣伝においても、不便益の思考法は十分に機能するように思えます。しかし、そこから大きな変貌を遂げていった時代の意味に改めて思いをはせる今、当時の気付きはまだ入り口にすぎなかったのだと感じます。

企業のマーケティング手法は、消費行動の変容はもちろんのこと、その根底にある時代感覚の変化の影響を免れません。「モノ消費からコト消費へ」「パーパスブランディング」「インフルエンサーマーケティング」うんぬん……それぞれの時代をラベルしてきたマーケティングキーワードの根本にある、恒久普遍的な何かを解き明かす必要がある。その先で、「最適な不便」をデザインすることが可能になるはずだと考えました。

すべてが判明しきっていないことが価値。手探りの段階を共創に生かすコミュニティの誕生

「好んで取り入れる不便(たとえばあえて遠くまで行ってみること)は、それが難しくなってしまった今だからこそ、相対的な価値が高まっている。そればかりか、これからの時代は、不便益が心の豊かさそのものを生み出す力になるのではないか」。

そんな確信に近いものを抱きながら、25年ぶりに再会したある人物のことが頭に浮かびました。N=1をテーマにした顧客心理に関わる書籍を書かれたスマイルズ取締役・CCOの野崎亙さんです。私は早速、野崎さんにこの話をしてみました。

すると、野崎さんからは「スマイルズの顧客サービス設計や体験デザインの考え方は、松井さんが抱いた確信に非常に近い。文化人類学や行動心理学の観点からも類型化されるべき動機付けのきっかけが他にもあるはず。不便益を含め、これらを探求することに興味がある」と、構想が一気に広がっていきました。

ここから生まれたのが、『Undiscovered Benefit(不便益を含む未知なる益)』共同研究コミュニティです。

不便益を含む、便利の影に見落とされがちな価値観を総称して“Undiscovered Benefit 〜未知なる益〜”と名付け、企業活動にこれを生かすことで社会実装することを試みます。

不便益05

企業のマーケティング担当者はもちろん、クリエイター、プランナー、事業創造に携わる方々まで幅広く迎え入れる研究組織を2021年4月、スタートします。

私自身も約20年勤めた電通を退社し、生活者と企業・ブランドのなめらかなつながりを音楽やアート体験を通じて生み出す小さな法人を設立。元電通社員のライフシフトプラットフォーム「ニューホライズンコレクティブ」にも参画し、本コミュニティのオーガナイズと企画プロデュースに携わります。

現在、スマイルズ生活価値拡充研究所のサイトでは、研究生の募集を開始しています。「読む応募要項」と「聴く応募要項」がありますのでチェックしてみてください。


「Undiscovered Benefit(不便益を含む未知なる益)」の共同研究会研究生募集

株式会社スマイルズ(本社所在地:東京都目黒区、代表取締役社長:遠山正道、以下スマイルズ)の研究機関・スマイルズ生活価値拡充研究所(以下、スマ研)は、不便益研究の第一人者である、京都大学大学院情報学研究科の川上浩司特定教授、東京大学生産技術研究所の平岡敏洋特任教授、株式会社電通(本社:東京都港区、代表取締役社長執行役員:五十嵐 博、以下「電通」 )とともに、不便益を含めた「未知なる益=Undiscovered Benefit 」の共同研究コミュニティを発足、2021年2月24日(水)より研究生募集を開始します。(締め切り:2021年3月21日(日)24:00)

<活動概要>

LECTURE
毎月開講。川上教授、平岡教授を招いての「未知なる益」共同研究ゼミ。

不便益研究の第一人者・川上浩司特定教授(京都大学)、平岡敏洋特任教授(東京大学)、スマイルズCCO野崎亙氏を主な講師として2021年4月より9月までの半年間、毎月1〜2回のゼミを実施。シラバスの詳細はスマ研公式WEBサイトにて公開中。
https://smkn.smiles.co.jp/

UDB TALK
12カ月連続オンライントークイベント「UDB TALK」がこの4月よりスタート。豪華ゲストが登壇予定。

毎月「UDB TALK」を開催。さまざまな分野のエキスパートをお招きして、川上特定教授らとのセッションを通してこれからの「価値」を探究します。研究生は本イベントに無料で参加することができ、研究のヒントにできます。
 

COMMUNITY
研究会メンバー限定の読書会/勉強会/アルムナイネットワーク。

研究ライフをより楽しむための、独自のサポート体制も。

詳細は、上記のサイトをご確認ください。
ではまた次回、お会いしましょう!