テレワークで会社から支給されているものランキング、3位は通勤手当、2位はパソコンやアプリの購入費、では1位は?

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テレワークという働き方が急速に普及したため、テレワークをしている人のなかには、「働く環境が整っていない」、「集中できない」といった問題を抱えている人が多い。その1つに在宅勤務で生じる諸経費について、会社側が負担してくれないと悩む人がいるようだ。一方で、しっかり支払いされているという声も耳にするが、どういった経費を会社が負担してくれているのだろうか。

今回は、LIXIL住宅研究所が行った関東近郊(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県、長野県)に住む男女会社員を対象にした「在宅勤務の実態や会社からの援助などについて」の調査により判明した、会社から支給がある(あった)項目を紹介しよう。(複数回答可)

2位の手当がないと、相当な金額を負担することになる

 支給されているもの第3位は、「これまでと同様の通勤手当(出勤日が少なくとも従来通りの金額)」14.4%。3位ということで、たくさんの人がもらえているように見えるが、回答者の割合は2割にも満たない。通勤手当は、会社の就業規則によって支払い額が定められているため、出勤日数が少なくてもいきなりの減額や無…

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パチスロ「99%ループ」「1000G上乗せ確定」…強烈すぎる「5号機フリーズ」を特集!!

 ここ数年フリーズとは無縁の筆者だが、つい先日とあるホールで『バジリスク~甲賀忍法帖~絆2(以下、絆2)』を実戦時…隣のお客さんがフリーズを引いていた。

『絆2』のフリーズ確率は不明(非公表)だが、ネット情報によれば『バジリスク』シリーズの中で「最も重い確率」とも言われている。そんなフリーズを引いたお客さんは、しっかり「完走(2400枚)」して満足気の様子だった。

 設定は入っていなさそうだったが、「やはりフリーズは夢があるな」と再認識。ということで、今回は「恩恵が強烈なフリーズ(5号機)」を紹介したいと思う。

『SLOT魔法少女まどか☆マギカ』(メーシー)

 まず始めに紹介するのは、パチスロ『まどマギ』シリーズの「最高傑作」と言っても過言ではない初代である。

 中段チェリーの「約1/3」でフリーズする可能性があり、確率は「1/98304」。かなり打ち込んでいる人でも、お目にかかれる可能性は低いと言わざるを得ないだろう。

「まどかエピソードボーナス」「アルティメットバトル」「エンディングボーナス」「天国モード移行」という恩恵だ。

「まどかエピソードボーナス」に当選した時点でART・アルティメットバトルが確定となる。「アルティメットバトル」は、最低5回保証付きで、90%のループ率に漏れるまで継続。まどかが負けるまで上乗せし続ける。

「エンディングボーナス」は60G継続するボーナスとなり、レア役で上乗せが確定する。なかなか引くことができない分、それ相応の恩恵と考えていいだろう。

『聖闘士星矢 海王覚醒』(SANYO)

 もはや説明不要の爆裂マシン。フリーズ中で最も強烈なのが「アテナフリーズ」だ。その出現率は1/200,000とも言われているが、発生した時点で1000Gの上乗せが確定する。

 実際に引いた人によれば「1050G」「2100G」といった上乗せを実現している様子。確定した時点で1000Gの上乗せは「強烈すぎるフリーズ」と呼ぶに相応しいプレミアム上乗せ演出だ。

『怒涛の剣』(ミズホ)

 最後に紹介するのは、2008年にリリースされた『怒涛の剣』である。本機に搭載されているフリーズは「5号機史上最強に重い」とも言われている。

 その気になる恩恵は99%ループが確定するというもの。この領域まで来ると閉店まで終わらないレベルだろう。そもそも、ホールで引いた人がどれくらいいるのか気になるところでもある。

(文=ひろ吉)

<著者プロフィール>

 IT業界の世界に興味を抱き、iPhoneアプリの開発を4年程経験。その後、WEBマーケティングの知識や経験を重ねてきた。パチンコ・パチスロのヘビーユーザーであり、機種のスペック等の研究に時間を注いでいる。現在はパチMAXにて、パチンコやスロットの考察記事・実戦記事をメインに作成中。自身が好む低純増・低ベース機の動向にも注目している。

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 杉良太郎と松方弘樹、2人のベテラン俳優が活躍する藤商事の時代劇パチンコ『P遠山の金さん2 遠山桜と華の密偵』。そのライトミドルバージョンと甘デジバージョンが9月21日、ファン待望のホール導入を開始する。

 まず、ライトミドル『P遠山の金さん2 遠山桜と華の密偵JQA』は、大当り全てが10R約1,350個となるのが大きな特徴で、その大当り確率は約199.8分の1。消化後は100%時短へ突入し、50回or75回or100回or150回or200回or499回と6パターンある時短回数は「お華るーれっと」でジャッジされる。

 遊タイムへは500回転消化で到達し、その後は759回の時短がスタート。仮に大当り後、時短499回に振り分けられて当たりを引けずとも、1回転消化で遊タイムが発動するというわけだ。

 一方、甘デジ『P遠山の金さん2 遠山桜と華の密偵JWD』は、藤商事初のc時短「お電タイム」を搭載。招き猫クルーンチャレンジ中に「お電」の穴に玉が入れば当選で、時短30回内での大当りは確変が濃厚と思われる。

 肝心の大当り確率は99.9分の1で、3R約252個獲得後は時短50回の「御出座チャンス」へ移行。ここで再度大当りを引ければST70回の「スペシャルチャンスタイム」へと昇格し、以降の大当り確率は40.5分の1までアップ→約83%で大当りがループする仕組みだ。

 また、電チューでの大当り時は約68%で6R約504個以上の獲得が可能。10R約804個の振り分け割合も10%と現実的であることから、ヒキ次第では一気大量出玉が狙える。

 通常時の演出についてはミドルバージョンと同じく3種類のモードから好みで選択でき、「杉良太郎モード」はリーチ成立でチャンスを迎えるシンプルなモード。「超スベリ予告」発生時は回数に注目で、「桜吹雪ゾーン」や「金の桜吹雪」は発生した時点で大チャンスを迎える。

 自らの手でチャンスを呼び込む「松方弘樹モード」はタッチ演出発生で好機到来で、「招き猫タッチ」や「まっ金予告」発生で期待度特大。両モード共通の「お白洲リーチSP」は金さんが悪事を裁く最強の実写SPリーチで、打ち手を最大限に盛り上げてくれる。

 残る「密偵モード」は、人気声優「悠木碧」がCVを務める「お華ちゃん」が大活躍。超スベリ予告はスベるほどチャンスで、最終的に花が光れば大当りは目前だ。

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JRA福永祐一「痛恨クビ差」で大器ピクシーナイトに黄色信号!? スプリンターズS「賞金的に勝たないと」セントウルS(G2)2着でトップクラス証明も

 12日、中京競馬場で行われたセントウルS(G2)は、1番人気のレシステンシアが勝利。同舞台で行われた春の高松宮記念(G1)2着の雪辱を果たす秋のスプリンターズS(G1)へ、まずはライバルたちに貫録を見せつけた格好だ。

 その一方で、そんな勝ち馬をあと一歩まで追い詰めた3歳馬のピクシーナイト(牡3歳、栗東・音無秀孝厩舎)のスプリンターズS出走が怪しくなっているようだ。

「賞金的に勝たないとスプリンターズSに出られない可能性が高い馬なので、ある程度結果を求めた騎乗になると思う」

 レース前、主戦の福永祐一騎手がそう決意を語った通り、最後の直線は鬼気迫る追い上げ。開幕週の馬場を味方に、得意の勝ちパターンに持ち込んだレシステンシアをクビ差まで追い詰めた。

 この結果にはレシステンシアの鞍上C.ルメール騎手も、勝利騎手インタビューの開口一番「ギリギリセーフでした(笑)」と両手を広げるジェスチャー。王者ダノンスマッシュに次ぐスプリント界No.2を追い詰めたピクシーナイトは、本番のスプリンターズSでも楽しみな1頭に違いないが、短距離頂上決戦は今年も狭き門になるかもしれない。

「福永騎手がレース前に話していた通り、今年のスプリンターズSは6年連続のフルゲート(16頭)が濃厚です。重賞勝ち馬も多く、賞金ボーダーがかなり上がっている状況。ピクシーナイトにしても、すでにシンザン記念(G3)を勝ち、CBC賞(G3)で2着と3歳世代でも上位の賞金額を稼いでいますが、それでも出走が危ぶまれています。

無論、それは陣営も重々承知していることで、最終追い切りで併せ馬を4馬身もちぎるなど、(スプリンターズSの)前哨戦とは思えない内容。勝ちに行く仕上がりだったと思いますが、あと一歩届かなかったことは陣営にとっても痛恨だったと思います」(競馬記者)

 この状況には、ネット上の競馬ファンもSNSや掲示板などで「ピクシーナイト出られないとか、マジ!?」「重賞1勝、2着2回で賞金足りないとか」とピクシーナイトの今後を心配する声が続々……。

 中には「この馬を本番で見られないのはJRAの損失」「若い馬に不利な賞金ルールを変えるべき」など、出走決定ルール自体の見直しを求める声もあった。

「ピクシーナイトはデビューから7戦すべて福永騎手が手綱を握っていますが『それくらい手放したくない素材ということ』と惚れ込んでいる逸材。本格化は来年以降になりそうですが、今回のセントウルSの結果を見ても実力はすでにトップクラスですし、スプリンターズSに出走しても人気の一角になると思います。そんな馬がもし出られなかったら、馬券売り上げにも多少の影響はあるでしょうね。

G1などの大舞台で素質のある若い馬が出走できないことは珍しくないですが、例えばセントウルSやキーンランドCといった関連性の高いレースの3着までに優先出走権を付与するなど、毎年のようにフルゲートになっているスプリンターズSの出走馬決定にも改善の余地がありそうです」(別の記者)

「開幕週の外枠という条件の中で、よく差し込んで来てくれた。勝って大きく賞金を加算したかったが、強い相手にもよく健闘してくれました」

 レース後、福永騎手がそう語った通り、2着に入ったことで収得賞金を加算できたことは、ピクシーナイトにとって不幸中の幸いだろう。もしスプリンターズSに出走できなければ、改めて議論を呼ぶかもしれない。

(文=大村克之)

<著者プロフィール>
 稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

JRA 川田将雅「想定したよりも、遥かに良い内容」優しいコメントが逆に……桜花賞馬ハープスターの仔は初戦3着発進も、早くも心配される「あの馬の二の舞」

 12日、中山競馬場で行われた芝1600mの2歳新馬戦は、池添謙一騎手の2番人気オルコスが、2番手追走から抜け出して勝利。新種牡馬ドレフォンの産駒は、この週4勝の固め打ちで2歳種牡馬賞金ランキング・勝利数で共に首位に立った。

 一方、単勝2.5倍の1番人気に支持されるも、勝ったオルコスからクビ+半馬身差の3着に敗れたのが、川田将雅騎手が騎乗したライラスター(牡2歳、美浦・岩戸孝樹厩舎)だ。

 同馬の母は2014年の桜花賞(G1)を制覇、その年の凱旋門賞(仏G1)にも出走して6着だったハープスター。父は国内外でG1・6勝、13年のJRA年度代表馬ロードカナロア。クラブ法人・キャロットファームにて総額1億円で募集されている、まさに一点の曇りもない、期待の超良血馬である。

 レースは母の主戦も務めた川田騎手が、初めてハープスターの産駒に騎乗するという点でも話題となった一戦。6枠11番からスタートして、道中は中団のやや外目を追走。4コーナーで外を回して先団に取り付いたが、最後の直線では前を行く2頭を捕まえることができずに3着と惜敗した。

「この日の中山は開幕週でインが圧倒的に有利な馬場状態。勝ったオルコスと2着のニシノメグレスは終始内目を追走していました。ライラスターは4コーナーで4、5頭分、外目を回した分だけ最後に届かなかった印象です」(競馬誌ライター)

 結果的に1番人気を裏切る敗戦となってしまったが、乗っていた川田騎手はそれほど悲観もしていない様子だ。レース後「調教から想定したよりも、遥かに良い内容だった。現状できる精一杯のレースはできたと思う」とコメント。これからの成長、未勝利戦での折り返しVに期待といったところだろうか。

 ただ、新馬戦で好走したからといって、そう楽観視はできないのかもしれない。

 昨年デビューしたアークライトはハープスターの全弟、ライラスターの叔父に当たる血統で、美浦の藤沢和雄厩舎という期待馬だった。デビュー戦はライラスターよりも1つ上の2着だったが、折り返しの未勝利でも2着。その後も常に人気は集めるものの敗戦を重ね、先週行われた最後の未勝利戦でも13着と大敗……。

 ライラスターと同じキャロットファームで、募集総額は1億2000万円の期待馬。藤沢和厩舎の最後のダービー馬候補とも言われていたが、結局未勝利を勝ち上がることができず、今後の進路が不透明な状態となっている。

「アークライトも次は勝てると毎回のように言われていましたが、ズルズルと敗戦を重ねた結果、1度も勝てないまま未勝利戦が終了してしまいました。良血馬のライラスターも勝てるレースでしっかりと勝っておかないと、叔父のような状況になってしまうことも絶対に無いとは言い切れないでしょう」(同)

 実際、ネットの掲示板などでは「アークライトに似てる」「アークライトにならないように次は決めて欲しい」といった、ライラスターを叱咤激励するコメントが早くも目に付いていた。

 今回、負けはしてしまったものの、ライラスターは1頭だけ上がり34秒台を繰り出しており、地力は確かだと思われる。今後の競馬を盛り上げるためにも、良血馬の巻き返しに期待したいところだ。

(文=冨樫某)

<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

下関市立大学、暴走する経営執行部を教授が提訴…内部混乱で学生にも不利益及ぶ

 教員の意見を聞くことなく強引な教員採用や専攻科の設置を推し進めるなど、執行部の暴走が続いている公立大学法人の下関市立大学。執行部と教員の対立が続いているが、ついに教授が大学を訴える事態に発展した。

 提訴したのは、下関市立大学経済学部の飯塚靖教授(63)。飯塚教授は2019年4月、大学唯一の学部である経済学部の学部長に就任。同時に理事に任用され、大学の経営審議会と教育研究審議会の委員に任命されるなど、大学執行部の1人だった。

 飯塚教授が理事を解任されたのは2020年10月。きっかけは、同月に大分市で開催された大学の運営のあり方を考えるシンポジウムに出席したことだった。このシンポジウムには筆者も飯塚教授とともに登壇。飯塚教授は、下関市立大学の権限が学長と副学長に集中し、教員が教育や研究、人事など重要事項の決定に関われなくなっている実態を資料ともに報告した。

 その数日後、飯塚教授は突然理事を解任される。当初、解任の理由は明確に説明されなかった。飯塚教授が説明を求めると、翌11月になって大学の山村重彰理事長がメールで理由を回答。シンポジウムに参加して報告をしたことが役員の解任理由を定めた地方独立行政法人法第17条に違反することと、教員人事を不適切とする資料を作成し学外に公表するなど理事会の決定事項を尊重しないことが、「理事たるに適しない」と説明した。

 この決定に、飯塚教授が納得できるはずがなかった。「事実に基づき法人の法令違反の疑いを指摘することは理事として当然の義務」であり、「何ら違法はない」と主張。理事解任の手続きは違法として、2021年7月、法人に対して理事解任の無効確認と約270万円の損害賠償などを求める訴えを山口地方裁判所下関支部に起こしたのだ。

市長の要請による強引な教員採用から大学が一変

 下関市立大学をめぐる問題は、この連載でもたびたび言及してきた。発端は2019年6月。前田晋太郎下関市長の要請によって、経済学部しかない大学に特別支援教育の専攻科を設置することと、それに伴って複数の教員の採用が強行されたことだった。

 この決定が、大学の定款で定められている資格審査を経ずに進められたとして、教員の9割が反発。文部科学省も「規定に沿った適切な手続きを採ることが必要」とする助言を行った。

 ところが、前田市長はこの年の9月、学内審査がなくても教育、研究に関することや、教員人事や懲戒を理事会だけで決めることを可能にする定款変更の議案を市議会に提案し、可決された。山村重彰理事長は下関市の元副市長であり、前田市長と市議会による大学の自治の破壊といえる。

 しかし、混乱はこれだけでは収まらなかった。専攻科設置を前提に教授として採用されたハン・チャンワン氏が、2020年1月には大学の理事に就任。さらに4月には新設の副学長に就任し、教育、研究、人事評価などの業務の責任者となって、権限が集中する形になった。関係者の話によると、ハン氏の意に沿わない教員に対しては不当ともいえる人事評価が行われているという。副学長にはもう一人、元下関市職員で事務局長の砂原雅夫氏も就任している。

 さらに、教員採用や昇任などの人事が川波洋一学長の独断でできるように学内の規定が変更された。これは、全国の国公立大学でも異例の状態だ。2021年度に入ってからは教授会の定例開催も取りやめになって、すべての決定に教員が排除されているという。

 わずか2年間のうちに大学の運営体制は一変した。この現状に失望した専任教員が、2年間で12人も大学を去った。飯塚教授は2019年6月以降、大学の正常化を求めて発言、行動してきたが、執行部の暴走は止まらず、理不尽な理由で理事を解任されるに至ったのだ。

裁判を通して大学運営の是正を求めたい

 飯塚教授は2021年7月30日、下関市内で会見し、提訴に込めた思いを吐露した。提訴に至った直接の理由は理事を解任されたことだが、背景にはこの2年間の下関市やハン氏による「権力的支配」に対する怒りがある。

 1つは、教育研究審議会や経営審議会、理事会などの会議のなかで、問題点の指摘や正常化を求める訴えをしようとしたことに対し、理事長、学長、副学長らから人格権の侵害ともいえる数々の不当行為を受けたことだ。

 訴状によると、経営審議会の審議から排除されたほか、理事会では発言を妨害され、発言機会を与えられないことが相次いだ。2020年8月の理事会では、ハン氏が飯塚教授に対して2度にわたり「理事長に制裁を求める」と発言。理事長の山村氏は「提案を預かる」旨の発言をするなど、強権によって心理的威圧を加えられたという。このことも訴訟に踏み切った一因だと、飯塚教授は説明する。

「人格権の侵害ともいえる数々の不当行為を受け、精神的に大きな苦痛を味わってきました。本学役員によるこうした不当行為は、私の人生の中でこれまで味わったことのない屈辱的なものであり、私の名誉を著しく毀損し、かつ精神的不調をもたらしました。

 こうした不当行為は断じて許すことはできず、司法の判断を仰ぎ、適切な謝罪と賠償を求めるために訴訟に踏み切りました」

 もう1つは、大学の現状に対する怒りだ。これまで下関市からの運営費交付金が少なく、設備も十分とはいえないなかでも、教職員が力を合わせて黒字経営をして、よりよい大学を目指してきた。学生の就職状況も良好で、経済学部だけの単科大学として実績を積み上げ、地方の名門公立大学として知られてきた。

 それが、唐突な専攻科設置と採用人事の強行によって、大学は様変わりしてしまった。学長や副学長らによる強権的な運営によって、教員だけでなく、学生も不利益を被っているという。飯塚教授はこう訴える。

「本学の現状を嫌い、教育熱心で学生から人気があった若手の教員が多数転出してしまい、学生の期待を大きく裏切っています。こうした本学の悲惨な状況を見過ごすことはできません。裁判を通して是正を求めていきたいと考えています」

ハン氏が次期学長候補者に

 裁判の第1回期日は10月5日に決定した。日程が決まった9月1日付で、裁判所から大学に訴状が送付された。大学に9月3日に取材をしたところ、副学長兼事務局長の砂原氏は「訴状が届いたばかりなので、内部でよく検討して対応したい」と述べるにとどまった。

 下関市立大学をめぐる問題は現在も進行中だ。驚くべきことに、2022年3月で学長の任期が切れる川波氏の後任にはハン氏が就任予定だという。

 大学では定款変更に合わせて学長選考規程も改正され、学長候補者の推薦は理事2名の連名のみとなり、教職員から学長候補者の推薦権限が剥奪された。教職員による意向投票も廃止されている。そして、ハン氏が理事会で学長候補者として推薦を受け、唯一の学長候補者となったのだ。

 これから学長選考会議が開催され、学長候補者が決定される。しかし、選考会議の議長は砂原氏が務めており、候補者が1名のみの状況で結果は自ずと明白であろう。本来学長の選考は、複数の候補者を立てて、その教育研究の実績と抱負ならびに大学に対するビジョンなどをオープンに議論し、大学にとってのより良い人物が選択されるべきである。しかし、同大学の現状はこうしたオープンな方式とは真逆であり、それがどのような結果をもたらすか危惧されるところである。

 今回の提訴によって、下関市立大学をめぐる問題はこれから本格的に法廷で争われることになるが、下関市の関係者とハン氏による大学の「権力的支配」はさらに加速しそうだ。

(文=田中圭太郎/ジャーナリスト)

●田中圭太郎

ジャーナリスト、ライター。1973年生まれ。大分県出身、東京都在住。97年、早稲田大学第一文学部東洋哲学専修卒。大分放送を経て2016年からフリーランスとして独立。「上阪徹のブックライター塾」第1期・第3期修了。警察不祥事、労働問題、教育、政治、経済、パラリンピックなど幅広いテーマで執筆。相撲ジャーナリストとしても活動。著書に『パラリンピックと日本 知られざる60年史』(集英社)。メールアドレスは、keitarotanaka3000-news@yahoo co.jp、 HPはhttp://tanakakeitaro.link/

コーポレートブランディング成功のカギは「組織づくり」にあり!

コーポレートブランディングを効果的に推進するためには、自部署にどのような機能を持たせればいいのか。あるいは、他部署とどのように連携を図ればいいのか。

私が所属するコーポレートコミュニケーション部には、最近「組織づくり」の段階からご相談を頂くことが増えています。
その背景には、下記のようなことが挙げられるでしょう。

  • 事業の再編(ホールディングス化/M&A/不採算事業からの撤退など)に伴う、広報部門と広告部門の統合
  • 企業理念(パーパス/ミッション、ビジョン、バリュー)の策定に伴う、インターナルコミュニケーションの重要性の高まり
  • SDGs/ESG(環境、社会、ガバナンス)への対応が、従来のCSR(企業の社会的責任)活動を超え、経営に直結する課題になっている
  • コーポレートコミュニケーションのデジタルシフトに対する課題意識
  • 国内とグローバルにおける統合的なブランディングの推進の必要性

コーポレートブランディングやインターナルコミュニケーションのニーズは、さまざまな契機によって生まれます。しかし、課題の高度化・複雑化に伴って、「現在の組織体制では効果的に推進できない。とはいえ、必要なアクションは多岐にわたるため、どこまでの機能を自部署に持たせるかが悩ましい」。そのようなお悩みも増えてきています。

今回は、インターナルコミュニケーションを推進するそもそもの「基盤」となる、コーポレートブランディングを推進するための「組織づくり」について解説します。

コーポレートブランディングの全体像を把握する

コーポレートブランディングの組織体制を考える際には、まず「どのような活動がコーポレートブランディングに含まれるのか」を、正確に把握する必要があります。

筆者は、東洋大学現代社会総合研究所客員研究員の井上邦夫氏との共同研究により、「コーポレートブランディング実践に向けたフレームワーク コーポレート・アイデンティティ、ブランド、 レピュテーションの概念整理を中心に」と題する論文を発表しました。その中で、コーポレートブランディングのプロセスを下記のように規定しています。

図1:コーポレートブランディングの4段階プロセス

コーポレートブランディングの4段階プロセス

コーポレートブランディングとは、「企業としてのアイデンティティを確立し、好ましいレピュテーションを形成するための包括的なマネジメントプロセス」を指します。そして、下記の4つの段階が含まれます。

第1段階:基本理念と戦略的ビジョンの策定
企業の基本理念を策定、あるいは再確認した上で、それを実現するために将来像となる「戦略的ビジョン(ありたい姿)」を打ち出すことで、コーポレートブランディングの方向性を明確に定めます。

第2段階:コーポレートブランドの開発
企業のアイデンティティを、①コーポレートネーム、②ビジュアル・アイデンティティ(以下、VI)、③コーポレートスローガンの3要素を適切に組み合わせることによって象徴的に表現したものが「コーポレートブランド」です。理念やビジョンを内外のステークホルダーに分かりやすく伝えていくために必要な表現手段です。

第3段階:コミュニケーションの設計
コーポレートブランドの認知を高め、ステークホルダーの理解と共感、支持につなげるには、内外のさまざまなステークホルダーに対するコミュニケーションの設計が不可欠です。理念やビジョンを組織内に浸透させて新しい組織文化を確立し、一人一人の従業員の日々の業務に反映させるためのインターナルコミュニケーション、そして、PESOメディア(Paid Media/Earned Media/Shared Media/Owned Media)を戦略的に組み合わせたエクスターナルコミュニケーションを両輪で推進します。

第4段階:コーポレート・レピュテーションの形成
コーポレート・レピュテーションとは、「組織による価値創造の能力について、ステークホルダーが抱いている総合的な評価、あるいは累積的な認識」のことを指します。簡単に言うと、ステークホルダーが「この会社の商品を買いたい」「この会社で働きたい、働き続けたい」「この会社の株を買いたい、応援したい」と評価してくれるかどうか、ということです。それは長い時間をかけて、さまざまなコミュニケーションや企業活動を通じて形成されます。良好なレピュテーションの形成が、コーポレートブランディングの対外的な目的であり、その成果を図る指標としても位置づけられるのです。

このように見ていくと、コーポレートブランディングという活動は、

  • 企業理念や戦略的ビジョンの策定・発信への関与
  • コーポレートネーム/VI/スローガンの開発・運用
  • インターナルコミュニケーションの立案・実施
  • エクスターナルコミュニケーションの立案・実施
  • コーポレート・レピュテーションの測定とマネジメント

がコアとなる機能であることが分かります。

さらに、インターナルコミュニケーションにおいては社内イントラや表彰制度、研修制度、あるいはエクスターナルコミュニケーションにおいては、広報、広告(マス広告/デジタル広告)、IRなど多岐にわたります。まずこれらの機能を、現在自社内のどの部署が担っているのかを棚卸しする必要があります。

ここで一点、気をつけておきたいポイントとしては、多くの企業で「コーポレートコミュニケーション部門」の傘下に、VIの管理・運用やブランド戦略立案・レピュテーション測定などを担う「ブランド担当部署」が存在するケースが見られることです。

このような企業ではコーポレートブランディングを、「コーポレートコミュニケーションの中の一つの活動」と位置づける傾向があります。しかし本来は、前述のように「コーポレートブランディング」が「組織としてのアイデンティティを確立し、好ましいレピュテーションを形成するための包括的なマネジメントプロセス」として上位概念に位置づけられ、「コーポレートコミュニケーション(インターナル/エクスターナル)」をその中の一つの機能として捉える方が正確です。

「広報マトリックス」で自社の現状を棚卸しする

コーポレートブランディングにおける諸活動に、現在どの部署がどのように関与しているのか。それを整理する際にぜひ活用いただきたいのが、前述の井上氏が提唱する「広報マトリックス」です。

図2:広報マトリックス

広報マトリックス
※◎、〇は関与の強さを表す(上記のステークホルダーや部門、◎〇のプロットはダミー)

表側(行の見出し部分)に自社が関係するステークホルダーを、表頭(列の見出し部分)に自社の各部門を並べ、どの部署が、どのステークホルダーに対応しているのかをプロットしてみましょう。これだけでも、各ステークホルダーに対するコミュニケーションにおいて、本来どの部署とどの部署が連携をしなければいけないのかが見えてくるはずです。

その上で、自社の現状に照らし合わせながら、

  • コーポレートブランディングの主管部署の設定
  • 主管部署において管轄すべき機能の設定
  • 主管部署以外の部署における、「コーポレートブランディング担当者」の設置
  • 主管部署と各部署の定期的な会議体による情報共有・推進

を念頭に置いて、自社にとって最適な組織体制を検討していきましょう。

コーポレートブランディングは、製品やサービスを対象とするマーケティング活動の一環としてのプロダクトブランディングと異なり、すべての部門、ステークホルダーを対象とした「全社変革運動」であることが大きな特徴です。また、その統括責任者は企業トップが最もふさわしいと言えます。プロダクトブランドとコーポレートブランドの主な違いをまとめたのが下記の図となります。

図3:プロダクトブランドとコーポレートブランドの違い

プロダクトブランドとコーポレートブランドの違い
出典:井上・望月・中町(2021)「コーポレートブランディング実践に向けたフレームワーク コーポレート・アイデンティティ、ブランド、 レピュテーションの概念整理を中心に」

これから求められるのは、情報発信マネジメントの一元化

コーポレートブランディングの組織体制における最近のトレンドとしては、広報や宣伝広告、IR、CSRなど社内に分散している各コミュニケーション機能を集約する動きが進んでいることが挙げられます。

その背景としては、ソーシャルメディアの普及などにより、「情報発信のマネジメントの一元化」がより求められるようになったことが大きいと言えるでしょう。また、デジタル化やグローバル化の進展や、ホールディングス化の流れもコーポレートブランディング推進部門の「大部屋化」を加速させています。

例えばある企業では、従来は採用活動に関しては人事部、株主に対してはIR・総務関連の部署、社会貢献に関してはサステナビリティ(持続可能性)専門部署とそれぞれが情報発信を行っていたのですが、トップの強いリーダーシップのもと、それらの活動を統合する新部署を発足しました。そして、予算の集中投下やタイムリーな情報発信を実現することで、大きな成果を上げています。

企業にはさまざまな経営機能があり、それぞれに関連するコミュニケーション活動があります。これらは複数の部署にまたがり、相互に絡み合っている場合が多いです。例えばIRは財務部門や経営企画部門と、採用広報は人事部門と、SDGsの推進はCSR担当部門と密接なつながりがあります。これらをどのように調整し、コミュニケーション活動に一貫性を持たせるかは大きな課題です。前述の「広報マトリックス」などを活用して、集約する機能と必要に応じて連携する機能の「さじ加減」を考え、各企業個別のコンディションを勘案した上で判断するといいでしょう。

コーポレートブランディングのための組織づくりに「ただ一つの正解」は存在しません。電通 コーポレートコミュニケーション部では豊富な実績をもとに、その企業のDNA(価値観や規範など)や事業活動、そして未来に向けてのビジョンを見据えた上で、組織づくりからコミュニケーション活動までを一貫して支援しています。


参考文献:
・井上邦夫・望月真理子・中町直太(2021)「コーポレートブランディング実践に向けたフレームワーク コーポレート・アイデンティティ、ブランド、 レピュテーションの概念整理を中心に」『広報研究』第25号(日本広報学会)P4-19
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kohokenkyu/25/0/25_4/_article/-char/ja
・「主要企業の広報組織と人材 2020年版」(経済広報センター)

 
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そもそも「人事」とは、なんだろう?

経営戦略としての「人事」

ご自身のキャリアをベースに、企業のあるべき姿、形を提言しつづける八木洋介氏。八木氏が説くテーマを、一言で表すなら「人事改革」だ。人事改革なくして、企業の持続的成長などあり得ない。「人材こそが、わが社の宝である」と多くの企業は言う。しかしながら、その宝を「持ち腐れ」させてはいないだろうか?記事化にあたっては、八木氏ウェビナー(※)を聴講し、独自のインタビューも試みた。

老いも、若きも、男も、女も、他国の人々も。さまざまな個性が、ひとつの企業に集う。そのことの意味、そのことの楽しさ、そこから生み出される未来というものを、八木氏が顧問を務めるサイコム・ブレインズの取り組みからひもといてみたい。私たち一人ひとりは、ただ単に企業という「箱」に押し込められた「道具」ではないという思いを込めて。

文責:ウェブ電通報編集部

(※)サイコム・ブレインズによる「八木洋介氏と考える、これからの会社をリードする人事に必要な学び~ポスト・パンデミックの世界で勝つ~」と題されたウェビナー。詳細は、こちら


「みんな」という言葉は危ない

「企業における人材は、家族ではない。同じ目的に向かって戦う集団の、チームメイトだ」。八木氏のウェビナーは、このような問題提起から始まった。

「社員は、家族だ。というような時代も、確かにありました。でも、考えてみてください。家族の絆は、なにがあっても解かれることはない。一生涯を通じて、いや、何世代にも渡って、育んでいくものです。たとえ、家族の中に人として決して褒められない『人でなし』がいたとしても、その人を見捨てますか? そんなことはない。家族や親戚、みんなで支え合うでしょう。でも、企業における人材というものは、そういうものではない。数年で、次のキャリアをめざして会社を去る人もいる。会社とはゴールを共有して、それに沿ったアウトプットを生み出していくためのシステムなんです」

八木氏は、「みんな」という意識こそが危ないのだ、と指摘する。同じ会社に集う「みんな」が仲間だ。「みんな」のために、「みんな」で協力して働きましょう。精神論としては、よくわかる。でも、「みんな」という価値観が、果たして経営戦略と言えるのか?と問われれば、確かに疑問だ。

八木洋介氏: people first 代表取締役(前LIXILグループ執行役副社長) サイコム・ブレインズ顧問 1980年京都大学経済学部卒業後、日本鋼管株式会社に入社。96年National Steelに出向し、CEOを補佐。99年にGEに入社し、複数のビジネスで人事責任者などを歴任。2012年にLIXILグループ 執行役副社長に就任。Grohe, American Standard, Permasteelisaの取締役を歴任。17年 people firstを設立して、代表取締役。TBSホールディングス 社外取締役、GEヘルスケア・ジャパン 監査役。その他複数の会社の顧問に就任。著書に『戦略人事のビジョン』。
八木洋介氏:
people first 代表取締役(前LIXILグループ執行役副社長)
サイコム・ブレインズ顧問
1980年京都大学経済学部卒業後、日本鋼管株式会社に入社。96年National Steelに出向し、CEOを補佐。99年にGEに入社し、複数のビジネスで人事責任者などを歴任。2012年にLIXILグループ 執行役副社長に就任。Grohe, American Standard, Permasteelisaの取締役を歴任。17年 people firstを設立して、代表取締役。TBSホールディングス 社外取締役、GEヘルスケア・ジャパン 監査役。その他複数の会社の顧問に就任。著書に『戦略人事のビジョン』。

「企業風土」とは、なんだろう?

企業風土という言葉がある。「うちの会社は、まあ、こういう会社だから。こういう企業風土だから」という、なんとなくの空気感で仕事をしてはいないだろうか?企業風土という気分に甘えて、新しいことへのチャレンジを怠けてはいないだろうか?

「環境というものは、変わるものだし、変えていくものです」そう、八木氏は指摘する。企業風土というものを、例えば畑の土壌だと考えてみれば、よく分かる。丹念に耕す。肥料も与える。でも、あるとき洪水が来て、そうした苦労がすべて流されてしまうかもしれない。ならば、と次なる一手を考える。畑を痩せさせない、大切な畑を守っていくとは、つまりそういうことなのだ。

畑

制度を作ることが、人事の目的ではない

制度を作り、それを守っていることが人事の目的ではない。時代は常に変化しているのだから、と八木氏は指摘する。畑の例えで言えば、土壌は常に安定しているわけでは決してないということだ。日照り続きの年もあれば、洪水に見舞われることだってある。

八木氏によれば、年功序列・終身雇用・企業内組合の、いわゆる「三種の神器」への依存体質を見直すべきなのだという。思い当たる節は、誰にもあるはずだ。この原稿を書いている筆者自身が、なにやら反省しなければ、猛省しなければならないような気がしている。

とはいえまだ、なにを反省しなければならないのかは、よく分からない。読者の皆さんも、おそらくは同じような感想をお持ちなのではないだろうか。この連載では、そのあたりをぜひ解明していきたいと思う。続編をぜひ、お待ちいただきたい。

サイコム・ブレインズによる講座は、こちら。

CCBP育成講座
~個のキャリアを支援し組織を強くする変革リーダーを育成する~

次世代戦略人事リーダー育成講座
 

■講師コメント(酒井章氏)

新型コロナによって起こったことは「キャリア・ショック」と呼ばれています。働き方をめぐるさまざまな環境変化に加え、在宅を余儀なくされたことで、多くの人がこれまでの、そしてこれからの人生や働き方を深く考えたのではないでしょうか。誰もが自分のキャリアに不安を持ついま、キャリア支援を行う人の役割がますます重要性を増しています。本講座は、このようなニーズに対応し、他の講座には見られないような多彩な講師陣からの豊富で多角的なインプットに加え、職種も世代も多様な参加者との刺激的な切磋琢磨(せっさたくま)によって、これからのキャリア支援職に必要とされるマインドとスキルをアップデートすることができます。

■講師コメント(山口周氏)

これまでの「正解」も「定石」も通用しなくなったいま、人に求められる要件も劇的に変化しました。それは、問題を自ら発見できる「意味」のある人です。一方、仕事に対するやりがいでは世界でも最低ランクに位置づけるなど、日本人の働き方は異常な状態に陥っています。そして、新型コロナという未曽有の事態の到来によって、潜在的に起こっていたこのような問題があらわになりました。いまこそ、企業における最大の資源である人財を生かすキャリア支援職の皆さんの出番ではないでしょうか。こうした問題意識に基づいて立ち上げられた本講座の理念に賛同し、講師として参加させていただきます。これからの働き方やキャリアをより良くする志を持った皆さんとディスカッションさせていただくのを楽しみにしております。

本記事の作成にあたっては、八木洋介氏に筆を入れていただくとともに、電通OB酒井章氏(クリエイティブ・ジャーニー 代表/電通アルムナイ・ネットワークマネージャー)に監修を依頼しました。

酒井章氏が代表を務めるクリエイティブ・ジャーニーのHPは、こちら

酒井章氏:
電通に入社後、コピーライター、営業(自動車担当)、マーケティングプロモーション部門を経て2004年よりシンガポール(アジア統括オフィス)に駐在。11年帰任後はグローバル部門を経て人事局、キャリア・デザイン局でキャリア開発施策を担当。19年3月定年退職後、4月に起業。

酒井章氏と電通キャリア・デザイン局(当時)大門氏によるアルムナビでの対談記事は、こちら

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「社会派広告」に、コピーを学ぶ

電通で、クリエーティブ・ディレクター/コピーライターを務めている橋口幸生氏。彼が招待するのは、広告とは全く別の世界で活躍している「言葉の猛者」たち。

本連載では、隔月のペースで開催されるウェビナーの内容を、編集部視点で再編集。「新しいものは、必ず新しい言葉と共にやってくる」という橋口氏の視点のもとで、言葉の持つ力や、その可能性についての考察を深めていく。

第3回にあたる本稿では、広告制作のみならず、商品開発やブランドプロデュース、さらには報道番組のコメンテーターなど、さまざまな分野で「社会課題」と向き合う活動で注目を集める辻愛沙子氏と橋口氏の対談内容から、「社会を動かす広告の言葉」と題されたウェビナーの肝の部分について紹介していきたい。

                        文責:ウェブ電通報編集部

辻 愛沙子

 

「社会派クリエイターって、なんだろう?」(辻愛沙子)

「例えば、ホモソーシャルみたいなことが取り上げられたりしますが、表現を考える上でそういうことを意識することが社会派クリエイターということなんでしょうか?」ウェビナーの冒頭、辻氏はやや難しい投げかけをしてみせた。

確かにそうだ。多様性を認めよう、男女や年齢の垣根を越えてお互いをリスペクトしよう、みたいな意識は持っていても、いざプロジェクトチームを組むとなると男同士、女性だらけの編成になっていたりする。「僕自身、クリエーティブ・ディレクターとして仕事をしていますが、無意識にそれをやっている。その無意識に、というあたりが一番怖いですよね」と、橋口氏も同調する。

「例えば、若い女性向けのブランドを立ち上げよう、といった場合でも、意思決定の席にいるのは多くの場合、年配の男性だったりするわけです。もちろんその方々自体が悪いわけではないのですが、今の日本ではビジネスも政治もクリエイティブ領域でもこの傾向へと著しく偏っているのが現状です。技術や人脈だけでなく、ブランドが届けたい視点を背負えるチーム編成になっているかどうか、といった視点も大事だと思うんです。

長く愛されるブランドになるためには、さらに、ブランドを届けたいターゲットの向こう側、彼ら彼女らを通して見た社会へのメッセージが必要だと考えています。社会がターゲット層をどう見ているのか、逆にターゲット層が今社会に何を感じ何を伝えたいのか、そのリアルな声に目を向けエンパワメントしていくことが重要です。そもそも広告とは社会へ向けてメッセージを発信する行為なのだから、わざわざ『社会派』というレッテルを貼ることそのものに、若干の違和感があるんです」。そう語る辻氏の視点は、のっけから新鮮だ。

辻 愛沙子
辻 愛沙子氏:arca代表、クリエイティブディレクター。社会派クリエイティブを掲げ、「思想と社会性のある事業作り」と「世界観に拘る作品作り 」の二つを軸として広告から商品プロデュースまで領域を問わず手掛ける越境クリエイター。リアルイベント、商品企画、ブランドプロデュースまで、幅広いジャンルでクリエイティブディレクションを手掛ける。2019年春、女性のエンパワメントやヘルスケアをテーマとした「Ladyknows」プロジェクトを発足。同年11月より、報道番組「news zero」に水曜パートナーとしてレギュラー出演し、作り手と発信者の両軸で社会課題へのアプローチに挑戦している。

「『辻は、どう思う?』みたいな環境が、新鮮だった」(辻愛沙子)

辻氏のキャリアは、学生時代に社員数15名ほどの広告会社のインターン(研修)制度を利用したことに始まる。「もともと、 中高生の頃に人種も文化も多種多様な人たちが集まる海外のボーディングスクールに行っていたこともあり、年齢や性別といった“カテゴリー”によってジャッジされたり縛られたりする経験がなかったんです。でも、日本に帰ってくると“女の子なのに”とか“インターン生らしく”といったように型にはめてくる声が大きいということに気がつきました。でも、最初に入社した会社では、制作の現場にいると、インターンでも大学生でもなく、『辻はどう思うの?』といったことを先輩から尋ねられたりする。そのことが新鮮だったし、なんだかとってもワクワクしたんです」

辻氏によれば「自分自身のブランドづくり」といったことには全く興味がなく、フラットな立場で参加できる職場環境そのものが楽しくて、目の前にある仕事をただワクワクとこなしていただけ、なのだという。

「自己実現的なエネルギーの生み出し方が自分自身はあまり得意ではなくて、その時々で誰かの役に立てるアウトプットにとにかく全力で向き合う、という泥臭いキャリアの積み方をしているように思います。広告クリエイティブは、良くも悪くも不特定多数の方にメッセージを届けられる仕事。発する言葉一つとっても、希望を届けることもできればステレオタイプをより強固にしてしまう恐れもある。だからこそ広告というフィールドで、誰かのために、社会のために届けられるメッセージがあるんじゃないかな、と青臭いながらに思い、この業界に足を踏み入れたんです。当時の自分を改めて振り返ると、なんだかちょっと恥ずかしいんですけど」

橋口幸生
橋口幸生氏:電通 クリエーティブ・ディレクター、コピーライター。最近の代表作はロッテガーナチョコレート、「世界ダウン症の日」新聞広告、出前館、スカパー!堺議員シリーズ、鬼平犯科帳25周年ポスターなど。「100案思考」「言葉ダイエット」著者。TCC会員。趣味は映画鑑賞&格闘技観戦。https://twitter.com/yukio8494

 

「思考は、連想ゲーム。仕事は、連鎖のチカラ」(辻愛沙子)

「辻さんの発想法というか、仕事術みたいなことを、伺いたいんです」という橋口氏の質問に、辻氏はこう答えた。「業界でいうところのオリエンってありますよね?私の場合は、何か一つ課題をもらうと、次から次へと、妄想が膨らんじゃうんです。で、言葉にしろ、ビジュアルにしろ、なんだかメモしてたりする。オリエンはもちろん前提として都度立ち返りながら大事にしますが、伺った上で“これがベストなんじゃないか”というオリエン返しをさせていただくことも結構あります」

これまた業界でいうところの「百本ノック」というやつだ。こうがこうだから、こうなる。であれば、こんなこともできるのではないか?そんな連想ゲームを、夜中に一人で始めて、その熱量のまま企画書に落とし込む。そしてこんなことがやりたいんだと社内で話すと、「面白いね。なら、誰々と会ってみる?」みたいなことになって、仕事が回り出す。気がついたら、自分が作ったものに対して、全く知らない人にSNSでつぶやかれていたりする。「自分の企画が自分の手を離れて、知らない誰かの背中を押していたり楽しみになっていたりすることがもう、うれしくて、楽しくて。行き当たりばったり、みたいな生き方なんですけど、今でもそのワクワクの本質は変わってません」

辻さんの仕事は、自己実現とか、何かを達成したい、といったことから始まってはいない。思考の連想ゲームを続けているうちに、自然と人との連鎖が生まれていた、というものだ。

「そういうラッキーな人って、いるよね。まあ、若くて可愛い女の子だからできることなんだろうけど、僕にはできないなあ。会社や取引先とのしがらみとかも、いろいろとあるし」とやっかむおじさんに、一言、申し上げたい。ここまで紹介した彼女の文脈の中に「ラッキー」「若くて可愛い」「女の子」という要素が、どこかにあっただろうか?

RingoRing
辻氏が開発から関わった「RingoRing(リンゴ リング)」。名前がそのままプロダクト紹介になっていて、かつメモラブル。辻氏のコピーライターとしての能力は、もっと評価されるべきだ。(橋口氏)


 

「どんな組織も、気がつくと村(ムラ)になっている」(橋口幸生)

ウェビナーの中で辻氏は、いわゆるイノベーションというものを起こすために必要なことは「内省」と「開示」と「変化(アクション)」だ、という話をしてくれた。「結局、そのアクションは、なんのためにするんだ?ということが大事だと思うんです」

変革のための改革、では意味がない。表面だけの“変化的姿勢”ではなく、アクションが伴う“誠実さ”が必要だと思います。まずは、自分(自社)が過去にしてきたことを振り返って、反省すること。どんな人でも、どんな企業でも、完璧なことをして今に至っているわけではない。思い返してみれば反省すべきことだって、たくさんしてきているはずだ。まずは、その失敗と向き合って反省をすること。その内容を、ブラックボックスではなく誠実さを持って開示していく姿勢を持つこと。その上で、私は(私たちは)、ということを発信することが大切なのだ、と辻氏は言う。

例えば、クリエイティブのような「自由な仕事」においても、村(ムラ)社会になっていることがある、と橋口氏は指摘する。「広告賞をとるためには、こんな修業をして、こんな師匠について、こんな実績を残さなければならない……という暗黙の成功ルールがある。でもそれって、辻さんのおっしゃる『なんのために仕事をしてるの?』という理屈に照らし合わせてみると、ただ単にクリエイティブ業界という狭い村での話に過ぎないんですよね。もちろん、広告のクオリティ向上に、賞が果たしている役割は大きい。でも、絶対視せず、相対化した視点を持つことが欠かせないように思います」

Social Coffee House
内輪体質と批判されがちな広告業界にあって、広く社会に向けて発信しているのは、辻氏の強みの一つ。news zeroやハフライブへの出演に加えて、「現代の大人たちが今改めて知っておきたい教養」を学ぶためのコミュニティ、Social Coffee Houseも運営している。(橋口氏)


 

「思いは、必ず届く。それを、信じたい」(辻愛沙子)


「クリエイティブディレクションに必要なのは『技術』と『視点』だと思っています。『技術』は年齢や経験によって培われていくもの。一方で、『視点』はその人自身の生き様がもたらすもの。価値観やスタンス、思想と言ってもいいかもしれません。いい仕事をするには、その価値観が合うタッグが組めているかどうかだと思うんです。同じ方向を見られているかどうか。だから、例えば相手が人種差別的な価値観で社会を見ているとするならば、その企業の仕事は受けない。そのために、自分のスタンスを明確にしておくことが大事なんです。思いを同じくする人や企業と出会い連帯していくために」

それでも、思いは必ず届くはずだ、と辻氏は言葉を重ねる。「私は、私自身や私が作ったものを評価してほしい、とはあまり思っていません。ただ、これはいいな、と私が惚れ込んだものを、拙い技術でもなんとか形にして、世の中に届けて、それに心を動かされたという人が一人でもいてくださったときに、この仕事をしていて良かったな、と心の底から思うんです」

ウェビナーを通じて彼女が訴えていた「この時代に必要な連帯感」といったことの正体とは、いわゆる「連帯責任」のような縛り(ルールや制約)ではなく、同じ思いを共有できる人と共に社会をより良くしていきたい、という「自由への切符」を意味するものなのだと思った。

Tapista
これからは、ビジネスで排除されがちだった「社会へのスタンス」が、広告を強くする時代になっていく。辻氏が手掛けたTapista(タピオカ専門店)の「選挙へ行こう!キャンペーン」は、その例の一つ。(橋口氏)
 
 
※本連載は、「言葉最前線」と題されたウェビナーの内容を、主催者でありMC役でもある橋口幸生氏(CXCC局)の監修のもと、ウェブ電通報独自の視点で編集したものです。

 

【参加者募集中】 
「言葉最前線」Vol.4ウェビナー 9月28日(火)開催決定!
福満しげゆき×橋口幸生「いつもの毎日にこそ、おもしろい言葉があふれている」

福満しげゆき
ゲストは、「うちの妻ってどうでしょう? 」で第14回文化庁メディア芸術祭マンガ部門奨励賞を受賞した福満しげゆきさん。同作の他にも、青春時代を独特なトーンで描いた自伝的作品「僕の小規模な失敗」(青林工藝舎)、「妻」を題材にした「妻と僕の小規模な育児」(講談社)など、数多くのエッセイマンガを生み出しています。「そささー」「ズボーン」「ししゃもばい!」「チンピラDQNおじさん」など、福満さんのマンガには、独特のおもしろい「言葉」があふれ、エッセイなどの文章作品にも独自の言語センスが感じられます。少女マンガのような大恋愛や少年マンガのような冒険譚ではない、いつもの毎日。そこからおもしろく、愛おしい言葉を切り取る福満さんの観察眼に迫ります。

・日時:9月28日(火)20時~21時30分
・参加費:1,500円(税別)

お申し込みはこちらから
https://peatix.com/event/2904921/view=

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住友生命「Vitality」、驚異的ヒットの秘密…健康増進、買い物等で特典・割引も豊富

 住友生命保険「Vitality(バイタリティ)」が2018年7月の発売以来、累計販売件数で70万件を超えるヒットを飛ばしている。足元の2021年度第1四半期の販売件数も同社の過去最高となる9.7万件を記録した。一般的に保険商品は発売から2年も経過すると、販売ペースは落ち着く。しかしVitalityは、発売3年経過後も右肩上がりに件数が増え続けている。このヒットの裏には、行動経済学に基づいた仕組み以外に、保険業界にいまだかつてなかった新しいムーブメントがある。ヒットの秘密を探る。

 商品の概要から説明する。Vitalityは、リスクに備えながら、健康増進活動への取組みを応援する各種特典(リワード)や保険料の割引が受けられる、まったく新しい概念の保険だ。

【リスクに備えるとは?】

 リスクに備える生命保険契約として「死亡保障・高度障害保障」「生活障害収入保障特約(=就労不能・介護保障)」「認知症保障」「医療保障」から必要な保障を選んでオリジナルの保障を組み立てることができる。これに「Vitality健康プログラム」をセットしたものが「Vitality」となる。

【リスクを減らすとは?】

 リスクを減らすと期待されているのが、Vitality健康プログラムだ。保険契約にVitality健康プログラムをセットし、3つのステップを継続することで、顧客の健康増進活動につなげる役割を担う。なお、Vitality健康プログラムの利用には、保険料とは別に、Vitality利用料として標準プランは月額880円(税込)・家族プラン(※)は月額440円(税込)を支払う必要がある。

※家族プランは、すでに標準プランを利用している人の家族専用のプランであり、家族の健康増進に必要な特典(リワード)を厳選することで低廉な利用料となっている。

・ステップ1:健康状態を把握する

 まずは、自身の健康状態を把握するため、オンラインチェックを実施したり、健康診断を受けたりすることでポイントが獲得できる。

・ステップ2:健康状態を改善する

 日々の生活の中で健康的な活動を意識するため、いつもより多く歩くことを心がけたり、スポーツイベントに参加したりすることで、ポイントが獲得できる。

・ステップ3:特典(リワード)を楽しむ

 獲得した累計ポイントで判定されるステータス等に応じて、モチベーションアップに繋がるさまざまな特典を受けることができる。

 Vitality健康プログラムでは、取り組みに応じてポイントが付与され、年間の累積獲得ポイントに応じて、ブルー、ブロンズ、シルバー、ゴールドの4つのステータスが用意されている。保険料は契約1年目から一律15%の割引率が適用されるが、2年目以降は、ステータスに応じて保険料が変動し、割引率は最大で30%に達する。

 しかし、いくら「健康増進活動につながる」「保険料が安くなる」と言われて運動を始めても、3日坊主が関の山だ。それを解消するために次の仕組みが構築されている。

続けさせる仕組みとは何か

(1)1週間ごとに運動目標が設定され、目標を達成すれば、スターバックスやローソンで指定のドリンクと交換できるチケットがもらえたり、あるいは日本対がん協会に寄付を行うことが可能。1週間という短い区切りで目標設定し、達成に向けたインセンティブを用意することで飽きさせずに続けられるような仕組みとなっている。

(2)先に紹介したように、加入後2年目以降の保険料がステータスに応じて変動する。

(3)Hotels.comのオンラインで宿泊予約を行うと、ステータスに応じた特別会員価格(ゴールド40%割引、シルバー20%割引、ブロンズ15%割引、ブルー10%割引)でホテル・旅館などが利用できる。

(4)イオン対象店舗で対象の果物・野菜を購入すると、毎月購入金額の最大25%相当のVitalityコイン(所定の電子マネーギフト等に交換できる、住友生命が独自に発行・管理する仕組み)を獲得できる。

(5)その他にも、特典(リワード)を提供する提携先企業が毎年増加しており、今後も増えていくことが期待できる。

・提携先企業(令和3年8月現在)

Vitality会員同士の交流

 とはいえ、住友生命が健康増進の仕組みを構築したり、特典を増やしても、運動を自主的に継続できる人というのは、もともと運動の習慣が身についていたり、強い動機があるという方が多いのではないか。運動習慣がなかった人が、本当に運動を継続して習慣化できるものだろうか。この疑問を紐解くと、Vitalityの販売が右肩上がりになっている理由がみえてくる。

 理由の一つが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う健康意識の高まりにある。年齢に関係なく重症化したり死亡する現実を知り、健康の大切さを痛感する人が増えた。同時に、多くの企業がテレワークやリモートを行い、運動量が低下して、“テレワーク太り”になる人も珍しくない。そんな人にとって、リスクに備えながら、健康増進を掲げるVitalityの商品コンセプトがマッチしたことが考えられる。

 第2の理由は実績データにある。住友生命ではVitalityの加入者に加入後の健康増進の状況についてアンケート調査を実施、その結果を今年7月6日に発表した。加入時の健康診断の各項目が基準外であった会員について、44%の人は血圧が、31%の人は血糖値が、39%の人はLDLコレステロールが下がっている。健康診断の結果改善に貢献しているといえるのではないか。

 第3の理由が、営業職員の力だ。リモートでも活動できる今、Vitality会員に進捗状況を聞くほか、励ましたり支えることを怠らないという。一人では続けることが難しい時でも、身近な応援団は確かに心強い。

 第4の理由が、従来の保険業界になかったムーブメントだ。それは、Vitality会員同士のコミュニティが誕生したことだ。同社のHPには「Vitality部」という加入者同士が交流することができるサイトが設けられている。このサイトでのコミュニケーションもモチベーション維持に一役買っている。

 さらに、特記すべき第5の理由がSNSの存在だ。Vitality会員が自主的にSNSを通じて出会い、共感し合っている。これは保険業界ではかつてない新たな潮流だ。

 Vitalityのヒットや会員が自主的にSNSアカウントを立ち上げる様子に触れるにつれ、保険はリスクを軽減させるという役割から、健康を増進させ、楽しむ機会を提供する相乗効果を生み出すものに変容する新時代に突入していることを実感させられた。

(文=鬼塚眞子/一般社団法人日本保険ジャーナリスト協会代表、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表)

●鬼塚眞子/一般社団法人日本保険ジャーナリスト協会代表、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表

出版社勤務後、出産を機に専業主婦に。10年間のブランク後、保険会社のカスタマーサービス職員になるも、両足のケガを機に退職。業界紙の記者に転職。その後、保険ジャーナリスト・ファイナンシャルプランナーとして独立。両親の遠距離介護をきっかけに(社)介護相続コンシェルジュを設立。企業の従業員の生活や人生にかかるセミナーや相談業務を担当。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などでも活躍。