北欧発デザインスクールに、世界中の経営者が殺到するわけ。

電通ビジネスデザインスクエア(以下、BDS)では、デンマーク・コペンハーゲンの教育機関「CIID」(Copenhagen Institute of Interaction Design)と連携し、デザインの手法やアプローチを学ぶことができる「CIID Winter School」を2020年2月に日本で開催します。

今回は、BDSビジネスデザイナーの齋藤陽介氏が登場。コペンハーゲンで開催された「CIID Summer School」経験者の視点から、CIID の魅力やBDSと連携する意義について語ってもらいました。

新しい知恵が生まれる、壮大な実験場

CIIDは2006年にコペンハーゲンで創立されたデザイン教育機関です。「クリエーティブな発想からソーシャルインパクトを創造し、ビジネスにつなげていくこと」が、CIIDの目指す姿。

コペンハーゲンで毎年開催されるサマースクールには、「People Centered Research」や「Design for Sustainability」「Designing Interactive Spaces」など、デザインに関するさまざまなプログラムが用意されています。

カリキュラムは参加者主体のグループワークが中心で、参加者は数名のチームに分かれ、5日間を通して与えられた社会的な課題に対してデザインの手法を実践。最終日に向けて作品やアイデアなどのアウトプットを完成させ、同時期に開講している他のコースの参加者も含めて全体で発表を行います。

欧米では非常に有名な学校で、私自身、2016年にロンドンのデザインスクールに留学していた時、よく名前を耳にしていました。しかし当時はUXデザイナーやエンジニア向けのインタラクションデザインの学校だと、彼らの取り組みを狭い視点でしか捉えていませんでした。

しかし、実際にサマースクールに参加してみて感じたことは、CIIDはデザインという共通言語を通して新しい知恵を生み出す「壮大な実験場」だということです。

各プログラムの講師は、NASAの研究所でリサーチャーとして活躍する方や、Spotifyのシニアプロダクトデザイナー、WeWorkのデザインディレクターなど産業界のトップランナーばかり。彼らは、一方的に知識を教えるのではなく、いわば“ファシリテーター”の役割を担います。つまり、参加者同士が自由に意見を交わす環境をつくり、時折、最新のセオリーや知見をエッセンスとして加えていきます。

トップランナーたちの最先端の知見に触れられる機会とあって、世界中のトップ企業から多種多様な人材が集まってきます。私がサマースクールで参加したコース「People-Centered Research」でも、UI/UXデザイナーらデザインに直接関係する職種の人だけではなく、経営者や建築家、考古学者など、さまざまな人材が13カ国から集まりました。

そうした異なる国籍・バックグラウンドを持つ参加者から出る意見が集積することによって、新しい知恵が生み出される。本当にワクワクする体験でした。

「People-Centered Research」コースの集合写真
「People-Centered Research」コースの集合写真

5日間で「デザインアプローチ」を身につけ、ビジネスの武器にする

大量生産・大量消費の時代は、「データ」を重視するマーケティングを行うことで人々のニーズを捉えられていました。例えば、「20代男性のうち、〇%の人たちがこういう価値観を持っている。だからこういうものを欲している」という考え方です。

しかし、これからの時代は、人々が求めるものや行動パターンがさらに多様化し、データだけで人々の本質的なニーズをとらえるのが困難になっていくことが予測されます。

そこで、世界の有力企業が経営に取り入れているのが、
共感→定義→アイデア開発→プロトタイプ→テスト
を基本とするデザインアプローチです。

「デザイン」は「人」に深くフォーカスします。例えば、同じ20代の男性でも、子煩悩な父親、大学院で研究に没頭する人など、立場はいろいろ。フィールド調査やユーザー観察などを通して、人のリアルなストーリーや文脈を掘り下げていきます。

デザインリサーチにおいて中でも重要な要素の一つが、「すべてを見える化」すること。調査で得た情報を付箋などに書き出すなどして壁一面に張り、それを見ながら情報を統合していきます。そして、拡散と収束のプロセスを繰り返しながら、ソリューションのアイデアを導き出します。思い付きではなく、「リサーチ→インサイトを発見→問いの設定→事業機会の特定」と、体系化されたプロセスはデザインアプローチならではです。

また、「プロトタイピング」を頻繁にすることもデザインの良いところです。アイデアを実際に紙などでつくりながら進めることで、スピード感をもってアイデアを磨き上げていくことができます。

失敗を恐れがちで、初めから完成度の高いアイデアを出そうとする傾向がある日本では、こうしたデザインの考え方を現場レベルで実践しているのはまだ珍しいのではないでしょうか。手を動かして失敗から学び、多様なメンバーでコラボレーションしながら、実践的に新しいアイデアを形作っていくアプローチを伝え、このスクールを、日本企業のマインドセットや視点の変化、そして未来に対するアクションを促す機会にしていくこと。そこにCIIDとBDSが連携する意義があると考えています。

2020年2月に開講の「CIID Winter School」は、8種類のカリキュラムを設けています。

・People-Centered Research
・Service Design
・Intro to Interaction Design
・Prototyping as a Process
・Designing for Impact & Inclusion
・Designing Interactive Spaces
・Change Management through Design
・Future Casting
<各コースの詳細はこちら> 

CIIDが提示する20種類以上のカリキュラムの中から、日本人に合いそうなものやニーズが高いと思われるカリキュラムをBDSがピックアップしました。新規事業を生み出すためのブレイクスルーを得たい人、既存事業を別のアプローチ方法で見つめ直したい人など、誰もがビジネスに役立つ武器を身につけられる5日間になるでしょう。

コペンハーゲンで行われたサマースクールのオープニング
コペンハーゲンで行われたサマースクールのオープニング

地球規模でサービスを考える「サーキュラーエコノミー」がグローバルスタンダード

CIIDで学べるデザイン思考は、「人」にフォーカスするだけにとどまりません。同機関が提唱するのは「相互に作用するデザイン」。ユーザー1人ではなく、その人を取り巻くコミュニティーや地球環境にまで価値がある仕組みをつくって初めて、よい製品やサービスが生まれるという考えです。CIIDでは“Life-Centered Design”とも表現されています。

カリキュラムは、ジェンダー平等、気候変動、持続可能な生産消費といったSDGs(持続可能な開発目標)で掲げられているテーマに沿って構成されています。CIID自体、国連と提携をしている教育機関なので、社会課題と向き合う姿勢にブレがありません。

デンマークをはじめ北欧諸国では「サーキュラーエコノミー」という考え方が広く産業界で実践されています。「作って、使って、捨てる」という直線的な「リニア型エコノミー」ではなく、廃棄物を出さずに価値を循環させていく、大量生産・大量消費モデルに変わる環境負荷の低い新しい経済の仕組みです。「地球環境が持続可能でなければ人間は生き残れない」という強い認識が、日常レベルで息づいていると感じています。

CIIDが提唱する「相互に作用するデザイン」とも非常にマッチする「サーキュラーエコノミー」の考え方をもとに、上記の国々ではどんどん新しいサービスが生まれ、イノベーションを起こすパイオニアとなっています。すでにグローバルスタンダードとなりつつあり、近い将来、必ず日本企業にも必要になってくるでしょう。

しかし現在のところ、日本で「サーキュラーエコノミー」が浸透している企業はまだ多くありません。その根底には、「地球環境保護はできれば達成した方がいいけど、それは自社のビジネスとは関係ない社会貢献活動である」という発想があるのではないでしょうか。そうではなく「事業を成功させるために欠かせない考え方である」と認識しなければ、世界から取り残されてしまうでしょう。

その一方で、「サーキュラーエコノミー」と密接に関わるSDGsの考え方が日本社会にも浸透してきており、企業も積極的に取り入れるようになってきています。しかし、大切なのは、企業が社会貢献活動としてSDGsにある項目を個別にピックアップして対応することではなく、「自社が世の中にどのような価値を提供する存在なのか」「社会にどんなインパクトを与えるか」といった本質的な議論をし、実践をしていくことです。

SDGsは共通のアジェンダではありますが、SDGsのどのゴールに軸足を置いて事業を展開するのかを決めるだけでは、その先行き詰まってしまいます。自分たちの掲げるビジョン対して向き合っていく視点や姿勢、マインドセットを身につけ、行動していくためにCIIDの考え方やツールは非常に有効だと思います。

ぜひこのCIID Winter Schoolで、多くの人に体感していただきたいと考えています。

コペンハーゲンで行われたサマースクールの授業の様子
コペンハーゲンで行われたサマースクールの授業の様子

「CIID Winter School」インフォメーション

松本人志が安倍首相との食事会で主張した「割り勘」は嘘だった! 東野が今頃「フジと向こうで折半」「我々は一銭も払ってない」

「桜を見る会」をめぐってみっともない言い訳をしているのは安倍首相だけではないらしい。この問題は、出席していた芸能人にとっても黒歴史化。ワイドショーや情報番組では、出席経験者はバツが悪いのか、出席したことのない芸能人も出席した者を表立って批判したくないのか、「出席した芸能人が...

令和初「年末ジャンボ宝くじ」 高額賞金に“買わない、という選択肢は ないやろう!“

令和初の「年末ジャンボ宝くじ」「年末ジャンボミニ」が11月20日、全国で発売された。
ジャンボ宝くじは1等・前後賞合わせて10億円、ジャンボミニは1等・前後賞合わせて5000万円の高額賞金で、10万円以上の当せん本数は、2つ合わせて約10万9000本と、チャンスが多いのが魅力。

高額当せんが多く出ることで知られる東京・中央区の西銀座チャンスセンターでは、宝くじ幸運の女神・近藤綾さんの発声で売り場窓口がオープン。早朝から列を作っていた多くの宝くじファンが、年末ジャンボを買い求めた。

同日、売り場前の特設ステージで行われた発売記念イベントには、ジャンボ宝くじCMキャラクターの笑福亭鶴瓶さんと佐藤健さん、新テレビCM「年末ショーで宝くじ」編で共演するタレントの西野七瀬さんが駆け付けた。

CMでは、舞台上の鶴瓶さんが「令和元年、最後にはきっといい事があると信じましょう。だから…」と観客に語り掛ける。客席の佐藤さんが「まさか…」とつぶやくと、背後から西野さんが登場し、宝くじ券で作られれた“令和”の文字を掲げる。
鶴瓶さんは「買わない、という選択肢はないやろう!」とキメぜりふ。同時に暗幕が開くと、そこにはベートーヴェン“第9”のメロディーで「10億10億~ 10億ラ~ララ~」と熱唱する合唱団が。合唱団には、俳優の片桐仁さんの顔も見える。豪快にタクトを振る鶴瓶さんの姿に、佐藤さんは「年末だな~」と感慨深げ。

鶴瓶さんは撮影について、「指揮者役が初めてで、どう演じたらいいか分からなかった。テスト撮影の代役の人に経験があったので習った」とエピソードを披露。
佐藤さんは「これまでは師匠と一緒だったが、初の別撮りだったので寂しかった。でも、同時撮影だったら、タクトを振る姿に笑ってしまい芝居にならなかったと思う」と会場を沸かせた。
西野さんは「いつも見ていたCMに出演できてうれしい。“令和”の額縁が予想外に重く、次の日に筋肉痛になった」と明かした。

「今年を表す一文字」を聞かれた佐藤さんは、私服のカラーコーディネートを考えるのが面倒で、ほぼ毎日黒い服を着続けたので「黒」。鶴瓶さんは、10年ぶりに映画の主役を務めるなど、再び何かをやる機会が多かったことから「再」と発表し「先日、知らない女性に“再ブレークしましたね”と声を掛けられた。このテレビCMはいいですよね」と笑みを見せた。西野さんは、乃木坂46を卒業して新しいことに挑戦し続けたので「新」だと話した。

ステージに10億円に見立てた山が登場すると、3人は圧倒的なボリュームに驚きの表情。「もし10億円を手に入れたら」の問いに、佐藤さんは「黒以外の服を買う」、西野さんは「当せん記念に、地元に碑を建てたい」、鶴瓶さんは「地価の高い銀座の真ん中に、日本建築の自宅を」とそれぞれの夢を語った。
両ジャンボの発売期間は12月21日までで、抽せん会は年末31日に東京オペラシティ コンサートホールで行われる。

公式サイト:
https://www.takarakuji-official.jp/special/nj2019/

社内の当たり前、ふつうはスルーですよね?

「会社の正解」を得るのが難しい時代の中、オリジナリティーを発揮する元気の良い会社があります。その秘訣(ひけつ)とは一体何でしょうか? 電通「カンパニーデザイン」チームがそれぞれの会社のキーパーソンに伺った話をご紹介する本連載コラム。1回目は、兵庫県の東田ドライのケースです。

ウェブ電通報「カンパニーデザイン」連載記事は、こちらから。
 
 

東田ドライ
「おせっかい」なクリーニングで、業績V字回復

宅配クリーニング「リナビス」を展開し、首都圏を中心に全国から注文が殺到する東田ドライ。その躍進の陰には、「おせっかい」という現場力を企業のオリジナリティーに据えた経営があった。

話し手:東田伸哉氏(東田ドライCEO 社長)
聞き手:後藤一臣氏(電通 第1統合ソリューション局)
 
東田ドライ 1961年創業。元々は兵庫県西脇市を拠点とする町のクリーニング屋さん。2014年からインターネットを使った宅配クリーニングサービス「リナビス」をスタート。
東田ドライ
1961年創業。元々は兵庫県西脇市を拠点とする町のクリーニング屋さん。2014年からインターネットを使った宅配クリーニングサービス「リナビス」をスタート。
「リビナス生産工場」内部の様子
「リビナス生産工場」内部の様子

高品質宅配のブルーオーシャンを開拓した「おばちゃんのおせっかい」

「単純にショックでした」。大学を卒業して家業を継いだ時、東田氏は初めて事業が赤字であることを知ったという。受注量を増やすために宅配サービスを始め、「安さ」「早さ」を訴求したウェブ広告を出稿したが、1年しても効果が表れなかった。そこでふと思い出したのが、母親の「おせっかい」だった。「寒い冬の夜に、取りに来るのを忘れたお客さまにわざわざ届けに行くんですよ」。そこから東田氏は「消費者がクリーニングに望んでいるものは『誰に頼みたいか』なのではないか」という発想に至り、職人のおばちゃんたちが勝手にやっていたボタン直しやシミ抜きなどの「無料のおせっかい」を、サービス品質の価値としてアピールした。すると、広告の反応率は3倍に跳ね上がったのだ。

ただいま、「おせっかい」作業中。
ただいま、「おせっかい」作業中。
作業が終わると、このような手紙が添えられる。一つ一つ
作業が終わると、このような手紙が一つ一つ添えられる。

現場が自分たちで考える余白をつくる経営術

「おせっかい」という価値を生み出す現場を、どのように東田氏が運営しているのか尋ねてみると、「ふわっとしたルールだけをつくるようにしている」とのこと。「端から端まで決まっているとそれしか生まれない」という考え方で、現場が自分で考える余白を残しているのだという。具体的には、期間における生産量とおせっかいサービスの実施を指示する程度で、八つある「無料のおせっかい」からどれを適用するかも職人自ら考えてもらっているそうだ。「技術のことは職人に任せて口を出さず、いつも現場をふらふらしています」と謙遜気味に語ったが、自分の目で現場を観察し、疑問に思ったことは素直に質問する東田氏の姿勢こそが、会社の業績と職場の良好な雰囲気につながっていると感じた。

東田ドライCEO 社長・東田伸哉氏(写真右)と電通 第1統合ソリューション局・後藤一臣氏(同左)。「東田氏は、クリーニングサービスを通して「日本人の思いやり」を世の中に再提示しているのかもしれないですね(後藤氏)」
東田ドライCEO 社長・東田伸哉氏(写真右)と電通 第1統合ソリューション局・後藤一臣氏(同左)。「東田氏は、クリーニングサービスを通して「日本人の思いやり」を世の中に再提示しているのかもしれないですね」(後藤氏)

編集部が見た「カンパニーデザイン術」#01

東田社長の印象を端的に言うと、マーケティングの本質を知っている人、ということだ。顕在的な事象に捉われることなく、潜在的なニーズを掘り下げる。奇抜なサービスを提供するのではなく、誰に、何を頼みたいのか、を徹底的に調べ尽くす。その結果、クリーニング店に求められているのは「自分では洗えないくらい大事なものを、信頼できる誰かに預ける」という期待にこそあるのだ、ということに気付く。

その期待に「おせっかい」というネーミングをすることで、お客さまの期待を、見える化する。社員のやる気を、喚起する。その様が、そのまま広報のソースとなる。広報のソースは、ポジティブなことばかりではない。卓越した技術を誇る現場のチカラをもってしても「できなかったこと」の説明を、きちんと行う。そうした姿勢が、オンリーワンの信頼につながっているのだと思う。

東田社長によれば、努力とは「やった結果、いい方向に向かう」こと。やった結果、疲れただけやな、というのはただ単に苦労しただけ、なのだという。その姿勢は広報や広告にも現れていて、「伝えた」ということと「伝わった」ということには、天地の開きがあるのだそう。「早い、安い、安心」など、どの店でも掲げているメッセージを、どれだけ演出したところで、今の時代、お客さまの心には響かない。その先にある「東田ドライならではの価値」を、とことん突き詰める。その姿勢にこそ、人の心を揺さぶるヒミツがあるのだと、改めて学ばされた。

「カンパニーデザイン」のプロジェクトサイトは、こちら

社内の当たり前、ふつうはスルーですよね?

「会社の正解」を得るのが難しい時代の中、オリジナリティーを発揮する元気の良い会社があります。その秘訣(ひけつ)とは一体何でしょうか? 電通「カンパニーデザイン」チームがそれぞれの会社のキーパーソンに伺った話をご紹介する本連載コラム。1回目は、兵庫県の東田ドライのケースです。

ウェブ電通報「カンパニーデザイン」連載記事は、こちらから。
 
 

東田ドライ
「おせっかい」なクリーニングで、業績V字回復

宅配クリーニング「リナビス」を展開し、首都圏を中心に全国から注文が殺到する東田ドライ。その躍進の陰には、「おせっかい」という現場力を企業のオリジナリティーに据えた経営があった。

話し手:東田伸哉氏(東田ドライCEO 社長)
聞き手:後藤一臣氏(電通 第1統合ソリューション局)
 
東田ドライ 1961年創業。元々は兵庫県西脇市を拠点とする町のクリーニング屋さん。2014年からインターネットを使った宅配クリーニングサービス「リナビス」をスタート。
東田ドライ
1961年創業。元々は兵庫県西脇市を拠点とする町のクリーニング屋さん。2014年からインターネットを使った宅配クリーニングサービス「リナビス」をスタート。
「リビナス生産工場」内部の様子
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「単純にショックでした」。大学を卒業して家業を継いだ時、東田氏は初めて事業が赤字であることを知ったという。受注量を増やすために宅配サービスを始め、「安さ」「早さ」を訴求したウェブ広告を出稿したが、1年しても効果が表れなかった。そこでふと思い出したのが、母親の「おせっかい」だった。「寒い冬の夜に、取りに来るのを忘れたお客さまにわざわざ届けに行くんですよ」。そこから東田氏は「消費者がクリーニングに望んでいるものは『誰に頼みたいか』なのではないか」という発想に至り、職人のおばちゃんたちが勝手にやっていたボタン直しやシミ抜きなどの「無料のおせっかい」を、サービス品質の価値としてアピールした。すると、広告の反応率は3倍に跳ね上がったのだ。

ただいま、「おせっかい」作業中。
ただいま、「おせっかい」作業中。
作業が終わると、このような手紙が添えられる。一つ一つ
作業が終わると、このような手紙が一つ一つ添えられる。

現場が自分たちで考える余白をつくる経営術

「おせっかい」という価値を生み出す現場を、どのように東田氏が運営しているのか尋ねてみると、「ふわっとしたルールだけをつくるようにしている」とのこと。「端から端まで決まっているとそれしか生まれない」という考え方で、現場が自分で考える余白を残しているのだという。具体的には、期間における生産量とおせっかいサービスの実施を指示する程度で、八つある「無料のおせっかい」からどれを適用するかも職人自ら考えてもらっているそうだ。「技術のことは職人に任せて口を出さず、いつも現場をふらふらしています」と謙遜気味に語ったが、自分の目で現場を観察し、疑問に思ったことは素直に質問する東田氏の姿勢こそが、会社の業績と職場の良好な雰囲気につながっていると感じた。

東田ドライCEO 社長・東田伸哉氏(写真右)と電通 第1統合ソリューション局・後藤一臣氏(同左)。「東田氏は、クリーニングサービスを通して「日本人の思いやり」を世の中に再提示しているのかもしれないですね(後藤氏)」
東田ドライCEO 社長・東田伸哉氏(写真右)と電通 第1統合ソリューション局・後藤一臣氏(同左)。「東田氏は、クリーニングサービスを通して「日本人の思いやり」を世の中に再提示しているのかもしれないですね」(後藤氏)

編集部が見た「カンパニーデザイン術」#01

東田社長の印象を端的に言うと、マーケティングの本質を知っている人、ということだ。顕在的な事象に捉われることなく、潜在的なニーズを掘り下げる。奇抜なサービスを提供するのではなく、誰に、何を頼みたいのか、を徹底的に調べ尽くす。その結果、クリーニング店に求められているのは「自分では洗えないくらい大事なものを、信頼できる誰かに預ける」という期待にこそあるのだ、ということに気付く。

その期待に「おせっかい」というネーミングをすることで、お客さまの期待を、見える化する。社員のやる気を、喚起する。その様が、そのまま広報のソースとなる。広報のソースは、ポジティブなことばかりではない。卓越した技術を誇る現場のチカラをもってしても「できなかったこと」の説明を、きちんと行う。そうした姿勢が、オンリーワンの信頼につながっているのだと思う。

東田社長によれば、努力とは「やった結果、いい方向に向かう」こと。やった結果、疲れただけやな、というのはただ単に苦労しただけ、なのだという。その姿勢は広報や広告にも現れていて、「伝えた」ということと「伝わった」ということには、天地の開きがあるのだそう。「早い、安い、安心」など、どの店でも掲げているメッセージを、どれだけ演出したところで、今の時代、お客さまの心には響かない。その先にある「東田ドライならではの価値」を、とことん突き詰める。その姿勢にこそ、人の心を揺さぶるヒミツがあるのだと、改めて学ばされた。

「カンパニーデザイン」のプロジェクトサイトは、こちら

「コカ・コーラ」リボンボトル リトグリが華やかにミニライブ

日本コカ・コーラは11月19日、東京・世田谷区の二子玉川ライズ ガレリアで、人気女性ボーカルグループ・Little Glee Monster(リトグリ)のクリスマスミニライブを開催した。

同社は10月から、発売4年目になる“リボンボトル”をメーンにしたウィンターキャンペーンを展開中で、新テレビCM「リボンボトル」編では、リトグリの新曲「愛しさにリボンをかけて」がCMソングになっている。
リボンボトルは、ラベルをはがしてテープを引くと、華やかなリボンになる仕掛けのボトルで、今回はリトグリが歌うクリスマスソングが聴けるなどの特典がある。

大きなクリスマスツリーをバックにした会場には、事前応募で当選した招待客約260人が詰め掛け、道行く人たちも足を止める中、メンバー5人が登場すると、大きな歓声が起きた。5人は特典で聞ける楽曲のひとつ「We Wish a Merry Christmas」を美しいコーラスで披露し、会場を盛り上げる。

リボンボトルで楽曲を聴くには、ラベルのテープに印字された番号を公式サイトに入力し、希望の曲を選択する。曲は新曲の他、メンバーが歌うクリスマスソングなど計5曲。新曲以外は、メンバー全員の歌唱バージョンに加え、各メンバー別のソロパートも用意されている。
かれんさんは、全員でMAYUさんのパートを聴いたと明かし、芹奈さんは「友達と集まって、5人のパートを一気に再生すると、コーラスで歌っているみたい」と楽しみ方を紹介した。
今年のリボンボトルには、オリジナルアイスケーキやLINEポイントが当たるプレゼントくじの楽しみもある。アイスケーキを目の当たりにしたメンバーは、ライブ後に楽屋に差し入れると聞くと大喜びだった。

5人が新曲のCMソングをライブで初披露すると、観客はその歌声に聞き入り、「メリークリスマス!」の掛け声で、メンバーと観客がコカ・コーラで乾杯。
メンバーは「今日は本当にうれしかった。クリスマス当日も、リボンボトルと私たちの音楽で楽しんでほしい」と話し、最後に「もろびとこぞりて/Joy to the World」をプレゼント。会場は一足早いクリスマスムードに包まれた。

公式サイト:
https://c.cocacola.co.jp/ribbon2019/

今年の「桜を見る会」は安倍自民党の参院選事前運動だった! 参院改選議員に招待枠、安倍首相の「前夜祭」も大会場で開催

 安倍首相「桜を見る会」問題をめぐって、想像以上の私物化、悪質な選挙利用の証拠が出てきた。  自民党が、今年4月の「桜を見る会」に、7月の参院選で改選を迎えた党所属の参院議員に、後援会関係者らを「4組までご招待いただけます」と記載した案内状を1月に送っていたことがわかった...

パチンコ「必殺の一撃」は不要! 第3世代きっての迷機!?【羽根物・名機列伝】

 

羽根物コラム 『がんばれ丸ちゃん』

 

 羽根物第3世代きっての迷機である。

 役物こそ『たぬ吉くん』『玉ちゃんファイト』に連なる王位継承のマシンであるものの、致命的ともいえる役物のマイナーチェンジと「結局射幸性かい」と言わんばかりのV連続出現機能を搭載していないことから、前任者たちのような爆発的な人気を獲得することができなかった羽根物となる。

 ただ、私はパチンコに出玉力を重視していないし、ましてや羽根物である。『玉ちゃんファイト』も好んで打っていた理由はやっぱり役物の面白さゆえなのである。翻ってこの『がんばれ丸ちゃん』。必殺の一撃がなかろうと楽しめる自信があった。

 のであるが、なんとVゾーンの手前に穴があり、そこからもぐらがランダムに飛び出してきてV入賞を邪魔するのである。「は? リアル『花のもぐら組』かよ?」血気盛んな私は悪態をついたものだ。

 ちなみに、『花のもぐら組』とは大一商会の生み出した傑作権利物である。しかし、これは私の事実誤認で、実際には『CRいれてなんぼ』を引き合いに出したかったのだ。

 この『CRいれてなんぼ』とは、タヌキがゴルフに興じる演出が展開する5回リミッター時代の名機(私の主観である。異論は認めない)なのだが、その演出内でバンカーに打ち込んだ際にもぐらが登場し、玉を拾い上げてグリーンと逆方向の池に投げ入れるという無慈悲な演出があるのだが、それを指して前述の揶揄なのである。

 さらなる余談ではあるが、『花のもぐら組』に登場するヘルメットをかぶったもぐらは、バトルヒーローシリーズの絵柄で登場したりする。

 どのもぐらの話だかすっかりとっちらかってしまったが、『がんばれ丸ちゃん』のもぐらが絶妙に嫌なタイミングで邪魔をする、人とイライラさせることにおいては人後に落ちないものとなっていたのである。

 本当にいいところで毎回のように“ひょっこりはん”するので、カイジの沼ではないが、「絶対大当りさせないマン機能」が働いているのかと勘ぐるほどである。

 このもぐらのおかげで悪い意味で印象に残っている稀有な羽根物である。私はハマらなかった台をすぐに忘れるのだ。

 

 しかしこの台、前述したように世間的にもあまり評判が良いとは思えなかったのであるが、なぜかスペック違いの兄弟機がトータルで4タイプも発売されており、導入率はそこそこ高かったように記憶している。

 それもそのはずで、2001年の『CR必殺仕事人』メガヒットを皮切りに、一時代を築く勃興期の真っ最中。京楽イケイケなのである。

 羽根物1機種で4タイプこそあまり見かけない事象であるものの、この頃から羽根物でも2タイプくらいはコンスタントにスペック違いを出すような風潮となっていた。いろんなホール業態へ対応するための販売戦略であるが、羽根物での走りは本機であったようだ。もぐらだけに。

かかってない。

(文=大森町男)

パチスロ『バジリスク絆』撤去の前にガチ勝負……人気パチスロ誌で「衝撃的」大敗!!


 11月14日にガイドワークスより発行された「パチスロ必勝ガイドMAX12月号」で、衝撃の実戦結果が掲載された。

 問題の実戦は巻頭企画で敢行。当サイトでも既に報じた通り、12月15日が認定期間満了となる『バジリスク~甲賀忍法帖~絆』と『アナザーゴッドハーデス-奪われたZEUSVer.-』、その2機種でプライドを賭けた5対5のガチ勝負が繰り広げられたわけだが、人気パチスロライター・塾長を大将とした「バジ絆軍」がなんと、大マイナスを叩き出してしまったのだ。

 詳しくはネタバレとなるので割愛させていただくが、目も当てられぬ大きな負債を抱えてしまったのだから、実戦人全てが高設定に辿り着けなかったことは明白である。

『バジ絆』といえば、最高設定における機械割の高さ、高設定確定演出の発生しやすさなどから、特定日ともなれば朝イチからファンが台を取り合う人気タイトル。 優良店は高設定を積極的に投入する傾向にあったが、今は知識豊富なパチスロライターでさえ、高設定を探し出すことは困難なのであろうか。

 厳しい現実を、まざまざと見せつけられた気分だ。

 ちなみに、中武一日二膳率いる「ハーデス軍」の結果は5戦2勝でマイナス。2勝したとはいえこちらは確定役等を引き当てたことによるもので、高設定をブン回しての勝利ではない。

『ハーデス』は確定役の多さや強力な上乗せ性能、端的に言えば設定不問の爆発力が魅力でもあるわけだが、やはり高設定投入割合は下がっているように思える。

 どちらも、全国に大量設置されているビッグタイトルだ。撤去までの約3週間、もう一度、或いは初の「万枚達成」を目論んで勝負に挑むものもいるだろうし、勝負度外視で最後の想い出作りをしようと考えるものもいるだろう。

 対峙するスタンスは人それぞれだろうが、「せっかく打つならば勝利したい」と考えるプレイヤーは慎重にホール選びをすべきであろう。


 今回の実戦結果で学んだ教訓である。

税務調査で不正バレそうになり虚偽発言&隠蔽工作→余計に重加算税が重くなった!

 元国税局職員、さんきゅう倉田です。好きな加算税の割合は、「40%」です。

 先日、知らない税理士の方から、メッセージを頂きました。「今は、帳簿の保存期間は10年ですよ」という内容です。その理由も添えられた丁寧なメッセージでした。ぼくの過去の記事に、7年である旨の表記があったのでしょう。会社法では、昔から10年の保存が義務付けられていましたが、税法では7年。指摘をされて、「そういえば、税法も10年に変わったな」ということは思い出せましたが、どの記事に書いたかは失念したままです。

 通常の法人の税務調査では、5年分の帳簿を見て、誤りや不正があれば修正申告を逍遥(しょうよう)します。そこに、仮装・隠蔽が認められれば、重加算税が賦課されます。さらに、偽りその他不正の行為が認められれば、5年ではなく7年遡及になります。

 今回は、無申告だった自動販売機設置の仲介業者が税務調査を受け、偽りその他不正の行為があって7年遡及された話を紹介します。

領収書がないのに経費を主張

 ある年の7月、ジュースの自動販売機設置の仲介業者Aに、税務調査が入りました。Aはずっと無申告で、税務調査があっても調査担当者に虚偽の発言を続けたそうです。

 Aは、パチンコ店に自動販売機を設置する旨の契約を取り、自動販売機を設置した業者から、販売本数に応じた収入を得ていました。また、契約の見返りとして、パチンコ店経営会社に対し、協賛金を支払っていました。

 これらを預金口座から把握した調査担当者は、収入金額について追求したところ、口座への入金には貸付金の返済分が含まれており、一部は収入に当たらない。さらに、領収書のみを提示し、収入より経費が多いと説明した上で、所得がマイナスになったため申告しなかったと主張しました。また、領収書のみを提示したことからもわかるように、帳簿の作成は行っていませんでした。

 調査担当者は、調査の結果、入金の全額を収入とし、経費の全額を認めず、決定処分を行って、重加算税を賦課しました。

 貸付金が否定された理由については、Aが自販機設置業者との間で金銭の貸付があったという金銭消費貸借契約などの客観的証拠はなく、通常であれば、認識しているはずの貸付金の総額や残額を認識していなかったこと、また、その金額を管理すらしていなかったことが挙げられます。

 一般的な感覚として、どうでしょうか。他人にお金を貸した場合、どこかに金額をメモしませんか。「貸した金額はわからない。メモもしていない」という主張には、合理性がないように思えます。

 さらに、Aは契約書に他人の名前を用い、借名口座へ入金させ、取引先には仮装した支払伝票を作成・保存させ、誰の収入となるかを偽装していました。

 Aは、一見して、自身の所得とわからないように書類やお金の流れに手を加えていたのです。その上で、申告もしていませんでした。

 これだけにとどまりません。税務調査が行われることが決まると、所得の有無が容易に判明すると予期したのか、経費を過大に記載した取引記録とメモを作成して、調査担当者に提示していました。所得がマイナスであるかのように見せて、無申告であったことの理由をつくったのです。

 所得がマイナスであれば、生活費などはどこから捻出するのでしょうか。また、それだけの経費があれば、経費の詳細も調べます。しかし、領収証はなく、「領収証はないけれど、経費は認めてくれ」と言うのです。

 調査担当者も馬鹿ではありません。そのような主張を鵜呑みにするわけがありません。Aの行為は、故意に事実をわい曲しており、その結果、無申告であるため、重加算税を賦課され、さらに7年遡及されました。

 調査で7年遡及されることは多くありません。7年遡れば、調査担当者の事務手続きも増えます。Aの行為はそれだけ重大で、金額が大きかったとわかります。税務調査のために、おざなりに書類を偽造するなんて、調査担当者への侮辱です。例外なく正しく申告し、もし無申告で調査があったら、すぐにあきらめて事実を話すのが懸命かと思います。
(文=さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人)

●さんきゅう倉田
大学卒業後、国税専門官試験を受けて合格し国税庁職員として東京国税局に入庁。法人税の調査などを行った。退職後、NSC東京校に入学し、現在お笑い芸人として活躍中。2017年12月14日、処女作『元国税局芸人が教える 読めば必ず得する税金の話』(総合法令出版)が発売された。

「ぼくの国税局時代の知識と経験、芸人になってからの自己研鑽をこの1冊に詰めました。会社員が社会をサバイバルするために必須の知識のみを厳選。たのしく学べます」