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「家庭の蓄電池が“発電所”になる時代へ」──Shizen Connectと考える、エネルギーマネジメントの新常識

再生可能エネルギーの普及が進むなか、電力の世界はいま大きな転換点を迎えています。

2026年度、家庭用蓄電池やEVといった低圧の分散型エネルギー設備(以下、低圧リソース)が、需給調整市場に参入できるよう制度整備が進められています。

発電所が電気を一方的に供給する時代から、蓄電池やEV(電気自動車)といった分散型リソースが、多くの人の生活を支える存在へと変化しつつあります。

しかし、家庭用蓄電池などの低圧リソースを含む分散型エネルギー設備が需給調整市場に参入していくには、まだ課題も残されています——。

そう話すのは、株式会社Shizen ConnectのCSO 兼 事業企画室長の平尾宏明氏。今回は、レジル株式会社 安藤圭祐が、需給調整市場における課題やShizen Connectのアプローチ、今後について伺いました。

低圧リソースにも対応するVPPプラットフォーム

安藤:まずは、株式会社Shizen Connect設立の背景を教えてください。

平尾:Shizen Connectは、2018年に自然電力株式会社内にできたデジタル事業部が母体になっています。

「不安定な電源」と言われがちな再生可能エネルギーの弱みを、デジタルの力を活用して解決していこうとできあがった部署です。

Shizen Connectとして分社化したのは、パートナー戦略をより高い次元で推進するためです。VPPの実現には1社でできることに限界があり、同じビジョンを掲げる企業様との緊密な連携が欠かせません。自然電力の一事業部という位置づけに留まらず、独立した法人として事業を展開することで、パートナーの皆様と手を取り合い、共に事業を推進していくための最適な体制を整えました。

安藤:なぜShizen Connectは、VPP事業をするに至ったのでしょうか?

平尾:再エネの拡大と系統の安定化の両立に、課題を見出していたためです。

電力の需給バランスには「同時同量」が求められます。これは、電力の需要(消費量)と供給(発電量)を常に一致させる原則で、系統の安定化に不可欠です。現在はまだ火力などの大型リソースが多く稼働しているため、再エネによる発電量が過剰になった場合は、「出力制御(出力抑制)」を行うなどの方法をとっています。しかし、今後、天候などによって発電量が上下する再エネの割合が増えて、火力などの割合が減ってくると、量と質を保った電力の安定供給が難しくなってしまう可能性があります。

再エネの拡大にともなって、各所に点在する太陽光や蓄電池などの分散型リソースの電源を束ね、ひとつの発電所のように機能するVPPが、必ず必要になると考えています。

安藤:そんなVPPを支えるプラットフォーム、「Shizen Connect」の基本的な機能などについて教えてください。

平尾:「Shizen Connect」は主に、リソースアグリゲーターやアグリゲーションコーディネーターといった、VPP事業を担う事業者向けに提供しているエネルギーマネジメントシステムのプラットフォームです。

各施設や家庭に設置された蓄電池やEVなどの分散型エネルギーリソースを遠隔で制御するシステムで、アグリゲーション事業等の電力活用を行う事業者をサポートします。具体的には、容量市場や需給調整市場への対応に加え、デマンド・レスポンス(※1)を活用した小売電気事業者との取引などを支えています。当社のシステムは、系統用蓄電池だけでなく、低圧リソースに対応できる点が特徴です。

安藤:一般的なエネルギーマネジメントシステムは系統用蓄電池を対象にしていることが多いのですが、「Shizen Connect」は、家庭用蓄電池等の低圧リソースにも適用でき、旧一般電気事業者や大手新電力等、ご家庭のお客さまとの接点が多い事業者向けにサービス展開できる点が特徴ですね。

一般家庭のリソースを束ね、それを調整力として提供できるプロダクトを持った企業は少なく、システム自体の品質や制度変更への柔軟性が非常に高いことも大きなアドバンテージです。

平尾:また、さまざまなメーカーのエネルギー機器に対応しているため、特定の機器に限らずに活用していただける部分も強みですね。

※1:電力の需給が逼迫した際などに、電気を使う側が使用量などを調整すること

需給調整市場×低圧リソースの課題とは

安藤:2026年度から、家庭用蓄電池やEVなどの低圧リソースが需給調整市場に参入可能になりますね。市場にどのようなインパクトをもたらすと考えていますか?

平尾:現在、需給調整市場は一部の地域を除いて、必要な調整力に対して供給が十分とはいえない状態です。低圧リソースの市場参入は供給量の底上げにつながることが期待されますが、実はまだまだ課題も存在します。

需給調整市場では、最低入札量が1,000kWと定められています。家庭用やEVなどの低圧リソースの場合、かなりの数を束ねないと最低入札量に達しません。

また、現在調整力として活用されている火力発電がどの程度のスピードで減少していくかの見通しが立っていません。そのため、エネルギー基本計画で想定される通りに再エネの割合が増えた場合、どの程度の調整力が必要なのかが把握しづらく、市場の見通しが立てにくいことも大きな課題ですね。

安藤:制度変更等により市場の収益性の見通しが立てづらいことも大きな要因ですよね。

これらの課題が山積するなかで、Shizen Connectはプラットフォーム事業者としてどのようにアプローチするのでしょうか?

平尾:まずは、「求められる必要量に対して、分散型リソースがしっかりと供給が行える」という信頼性を高める仕組みを、より強固にしていかなければいけないと考えています。

もうひとつはルールづくりに関わっていくことですね。私たちは資本業務提携を通じて、さまざまなプレイヤーとフラットに議論できる立場にあります。その強みを生かし、現場の実態を踏まえた形で、市場や制度がどうあるべきかを発信していく役割を担っていきたいと考えています。

ルールづくりに必要なプラットフォームの視座

安藤:たしかに、Shizen Connectは電気事業における主要プレーヤーとの資本提携関係が多いですね。

平尾:現在12社と業務資本提携を行っています。これは単に出資を募るものではなく、ともに事業を推進していく前提のものです。

たとえば東京ガスとは、2026年度、低圧リソースの需給調整市場参入を見据えて、需給調整市場の一次オフライン枠(※2)向けの制御が可能かの技術実証を共同で行いました。こちらはすでに商用で導入が開始されています。

安藤:VPPの社会実装を推進するために非常に有効な技術実証ですよね。VPPの普及や低圧リソースの活用をさらに拡大させるために必要なことはどんなことだと考えていますか?

平尾:やはり先述のルールづくりの部分に、多くの企業が当事者意識を持って関与していくことですね。電気の世界は典型的な規制産業です。せっかく技術があっても、ルールが追いついてこなければ社会実装は進みません。

しかし、1社だけが声を上げてもなかなか制度を変えることはできません。また、多くの企業は、自分たちの専門分野に関する部分には言及できるのですが、制度全体を俯瞰し、電源・市場・需要側まで含めた設計を語れるプレイヤーが、まだ多くありません。

そこで、私たちのような再エネに関して広い領域で対応できるプラットフォームを持つ企業が、多くの企業と提携することで声を束ねて発信していくことが重要だと考えています。

安藤:Shizen Connectの動きによってVPPの社会実装が進み、低圧リソースでの需給調整が当たり前になれば、電力の調達にも一層の柔軟さが生まれ、調達コストも最適化されます。私たちのような小売電気事業者にとっても非常にメリットが大きいですね。

実際、家庭用の蓄電池はとくに首都圏で多く導入されており、ポテンシャルとしては火力発電所1〜2基分に匹敵するレベルの調整力になるとの考えもあります。

しっかりと低圧リソースの活用が機能すれば、かなり大きな調整力になってくれますね。

※2:電力系統の周波数が乱れた瞬間に、あらかじめ決めたルールに従って自動で反応する調整力を取引する枠

必要なのは供給と需要、双方へのアプローチ

安藤:今後、エネルギーの世界が火力などの「中央集権型」から再エネや蓄電池などの「分散型」へ移行するなかで、系統のあり方や市場取引はどう変化していくでしょうか?

平尾:火力も再エネも、そして家庭の蓄電池なども、市場としては取引する場所は同じです。分散型のリソースであっても、火力などの大型リソースと同じ土俵で競争していく世界になっていくと考えています。とくに火力発電はすでに施設の減価償却が終了しているケースも多く、電源としては安価になっています。

そうした状況で再エネなどを含む分散型リソースが競争していくには、太陽光と蓄電池を掛け合わせ、充放電のタイミングを上手に使い分けていくことなどで安定供給化を図ることです。また、分散型リソースによる電気の安定供給のためには、供給する側の調整だけではなく、デマンド・レスポンスの仕組みをより市場に組み込んでいくことも重要です。

安藤:しかし、実際に電気の消費者など“使う側”に対する負担があると、どんなに時間帯などによる需要抑制などを啓蒙してもなかなか長続きしないですよね。

平尾:そこで私たちが持つプラットフォームの機能をより多くの事業者に認知・活用してもらうことで、消費者に気づかれない状態でデマンド・レスポンスが行えればと考えています。

人が動くのではなく、技術と仕組みを使い、需要側を柔軟に制御することで、供給バランスに対して事前にアプローチする。そういった動きをすることで、消費者生活に変化を求めないまま、系統の安定性を高めていく役割を担っていければと思っています。

 

現在、蓄電池の設置などで電気を「意識する」ことが当たり前になっています。しかし、Shizen Connectが見据えるのは「意識しなくても最適化される」世界です。

分散型リソースやデマンド・レスポンスの仕組みは、その転換を陰で支えるインフラになりつつあります。

Shizen Connectは、家庭の蓄電池が発電所のように機能するというエネルギーの新常識を一歩ずつ形にしていきます。

【エネルギー管理システム「Shizen Connect」について】
IoT/AIで蓄電池等を制御し、VPP構築や電気代削減を実現するエネルギー管理システム。大手電力・ガス各社に採用されており、DR・VPPプラットフォームの法人契約数シェアNo.1(2023年度)を誇ります。

【会社概要】
会社名:株式会社Shizen Connect
設立:2023年10月2日
株主構成:自然電力㈱100%
※大阪ガス(株)、(株)JERA、四国電力(株)、新日本空調(株)、(株)ソラコム、ダイキン工業(株)、東急不動産(株)、東京ガス(株)、西日本鉄道(株)、北陸電力(株)、北海道電力(株)及び事業会社1社(社名非公表)の計12社と新株予約権付転換社債による資本業務提携契約を締結
URL:https://se-digital.net

※本稿はPR記事です。

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