JR福知山線事故、現場解体し“覆い隠す”施設建設…負の痕跡消去に被害者遺族から反発も

祈りの杜

 異常な数の警官が、1秒たりとも立ち止まらせまいと通行人をうるさく規制し、花束を手にして訪れた遺族らにJR西日本社員らが慇懃に頭を下げる。報道陣は道路を挟んだ側のテントに集められ、そこで追悼慰霊式のモニターカメラを見るだけ。直接撮影はすべて記者クラブの代表撮影と、まるで皇室取材のよう。追悼会場には筆者のようなフリーランスどころかJR担当の記者クラブ員も入れないのには驚いた。

 2005年に106人の乗客と運転士1人が死亡した福知山線転覆事故(脱線事故のレベルではない)。例年のように4月25日、尼崎市の現場をオートバイで訪れた。

 事故時刻の午前9時18分頃。現場を通過した列車は数秒間、哀悼の警笛を鳴らし、スピードを落として走った。ここまでは昨年と同じだが、事故14年目にして初めてのことがあった。昨年までは数キロ離れた別の会場で行われてきた追悼慰霊式が、事故現場で行われたのだ。

 JR西日本が3年かけて整備し、昨年9月に事故現場に完成した追悼施設「祈りの杜(もり)」が追悼式の舞台だ。敷地は約7500平方メートル。列車が衝突したマンションの一部が保存されているものの、北側の衝突面には一般入場者は入れない。

 事故当時の広報室長だった来島達夫社長が「尊い命、夢や希望にあふれた、かけがえのない人生を奪ったことを改めて心から深くおわびします。この『祈りの杜』を事故を反省して安全を誓い続ける場として将来にわたりお守りします」と述べた。

 37歳だった長男の満さんを亡くした斉藤百合子さん(76)は「慰霊のことば」で「やっと私たちの近くに帰ってこられたね。これからはここが満たちが安心して眠れるところよ」と喜んだ。31歳だった長男の吉崇さんを亡くした菅尾美鈴さんは「事故現場を整備してもらい感謝します。「祈りの杜」が完成して初めての慰霊式で、あの時のことが鮮明によみがえります」と話した。2両目で負傷した土田佐美さん(50)は「ここで慰霊式が行われることにはいろんな意見はあると思いますが、亡くなった人の思いが集まる場で事故が起きた日に手を合わせることは意味があると思います」と話し、足を骨折した小椋聡さん(49)は「慰霊式は事故現場で行うべきだと思う。式の途中も、近くを走る電車の大きな音が聞こえてきて改めて事故の大きさを思い起こした」と話した。

事故で長女を奪われた藤崎光子さん

加害者の本音


 だが、意見はさまざまだ。3両目で車外に投げ出され重傷を負った玉置富美子さん(69)は、「事故現場の臨場感や切迫感というものが、まったくなくなっていました。けがからのリハビリでまだ苦しんでいる人は大勢いるのに、それを忘れたように感じられました」と話した。そして「まだ事故現場へ足を運ぶことができない人もいるのに開催するのは残念」と話す。こうした被害者たちのために別会場で式次第が中継された。

 40歳の長女の道子さんを亡くした藤崎光子さん(79)は「娘の近くにいたい」と、JR側が用意した席に座らずマンション横で黙とうをした。事故直後から「4・25ネットワーク」を立ち上げて真相解明、責任追及、再発防止に奮戦してきた。最近、がんに侵されているという藤崎さんは「そのまま残してほしいと訴えてきたので、周囲に高い木が植えられて外からよく見えなくなってしまったのは残念」と無念そうだった。

 18歳だった次男の昌毅さんを亡くした上田弘志さん(64)は「警笛を鳴らされた時は耳を塞いだ。とてもつらく、二度と現場で開催してほしくない」と拒否反応を示した。上田さんはマンションをそのまま保存することを主張し、解体に反対し続けた。しかし9階建てのマンションは5階以上を解体され、残った部分も巨大な屋根で覆った。なんだか、サッカーのノエビアスタジアム神戸(神戸市)のようでマンションはほとんど見えない。別の建物が建ったようにしか見えない。「事故が起きた現場が全然想像できない形になった」と上田さんは嘆く。

 JRと被害者らの議論の末の結論とはいえ、「思い出してしまい辛いから見たくない」という遺族らの意向は、事故の痕跡を消し去りたいJRにはありがたかったはず。JRは、マンションを壊す理由として通過する運転士に与える心理的負担も挙げていた。「祈りの杜」には慰霊碑と犠牲者の名碑のほか、事故を伝える資料や遺族らの手紙などもあるが、それらは事故の直接の痕跡ではない。表向きは「風化させない」としながらも、可能な限り痕跡を消し、残ったものも見えなくしたり姿を変えてしまいたい加害者の本音も透ける。

事故発生時間に現場を通過する列車、後方は衝突されたマンションが建っていた場所

 変わりゆく現場をビデオカメラに収め続けてきた上田さんは現在、姫路市のJR施設に保管され、最終保管場所が決まっていない4両の事故車両を事故現場で保存するよう来島社長に直接、要望している。マンション東側の広場には犠牲者の名を刻む慰霊碑などがあるが、上田さんは「北側の広いスペースで保管できる。車両がなければ現場ではない。亡くなった人の思いを伝えるために現場に保存して誰でも見られるようにすべきだ」と訴える。

歴代社長3人は無罪


 JR史上最悪の事故は、制限速度が時速70キロの急なカーブを、ミスによる遅れを取り戻そうと焦ったとみられる21歳の運転士が、116キロで飛ばした快速列車が線路から飛び出してマンションに激突したというもの。当時の鉄道事業本部長一人が起訴されたが無罪となり、不起訴となった歴代社長3人は検察審査会の議決で強制起訴されたが、無罪となった。業務上過失罪は個人にしか適用できず、藤崎さんらは会社などに対する組織罰を求めている。

 さて、東北では侃々諤々の議論の末、津波の遺構はほとんどの物が、撤去解体されてしまった。「見たくない」との遺族の意向が反映したが、天災でもそうなのだ。ましてや明らかな人災なら、加害者側は痕跡を後世に残さないようにしたい。以前、財政破綻した夕張市の取材の際、若き日に取材した、大事故を起こした炭鉱の跡地に行ってみたが何もなかった。

 一方、数年前、チェルノブイリ(ウクライナ)を訪れた時、キエフで原発事故の博物館を見学した。亡くなった原発職員や消防隊員の遺品なども残され、記録ニュースも上映されるなど、充実した内容の展示だった。もちろん、旧ソ連が崩壊していなければそんな博物館をつくったとは考えにくい。しかし振り返って、日本が福島原発の事故を物語る博物館をつくることなど、ありえないだろう。

「悲劇の象徴」の力学では、消したり隠したり姿を変えたいベクトルが強いようだ。
(写真・文=粟野仁雄/ジャーナリスト)

パチスロ6号機で実質「一撃万枚」な"革命マシン"登場か。爆裂メーカー「シリーズ最新作」に熱視線!【パチスロ新台―徹底考察―】

 先日、シリーズ"初6号機"となる『パチスロ黄門ちゃまV 女神盛- MEGAMORI-』をリリースした爆裂メーカー・平和。高い実績を持つヒットコンテンツということもあり、ホールでの稼働状況は良好だ。

 その勢いはとどまるところを知らず、同じくヒットシリーズ『ガールズ&パンツァー』(通称、ガルパン)最新作を正式発表。ファン待望の「戦車道」がさらにパワーアップして帰ってくる。

『ガールズ&パンツァーG ~これが私の戦車道です!~』

パチスロ6号機で実質「一撃万枚」な革命マシン登場か。爆裂メーカー「シリーズ最新作」に熱視線!【パチスロ新台―徹底考察―】の画像1
平和 HP」より

 シリーズ最新作となる本機のスペックは、純増2.6枚のATタイプ。通常時に発生するCZ「戦車道チャレンジ」「あんこう祭り」からAT当選を目指すゲーム性だ。

 まず、期待度40%の「戦車道チャレンジ」は、対戦相手校のパネルが昇格するほどAT当選期待度はアップし、選択されたパネルの相手校に応じてジャッジパートにてバトル。計3回のバトルで勝利することができれば、AT「戦車道」当選だ。

 一方、「あんこう祭り」は前作にも搭載されていたAT突入の大チャンスゾーン。当選期待度は70%オーバーとなっている。

 気になるAT「戦車道」は、出玉減算区間のない「ノンストップAT」を採用。出玉ストッパー「有利区間」の2400枚到達まで出続ける仕様だ。

 突入時は必ず戦略アイテム特化ゾーン「パンツァーアタック」からスタートし、ここでは戦局を有利にするアイテムをゲットできる。このアイテムを活用して、前作同様の「完全自力バトル」が展開され、勝利時にランク(C~SS)に応じて報酬を獲得。これまでと遜色なくアツいバトルを堪能できそうだ。

 また新要素として3つのVストック特化ゾーンを搭載。さらに、形勢を一発逆転する「革命」は新旧合わせて計10種類を搭載するなど、魅力溢れるゲーム性を実現している。そんな待望の『ガルパン』最新作に「念願の新作!」「これは楽しみ」と早くも注目を集めている状況だ。

 ただ、やはり気になるのは、6号機最低クラスの「純増枚数」だろう。前作の約2.5枚からわずか「0.1枚程度」のアップと、6号機らしい仕上がりとは言いがたいが......。

 その出玉スピードを犠牲にした「ある対策」が関係者の間で話題だ。

パチスロ6号機で実質「一撃万枚」な革命マシン登場か。爆裂メーカー「シリーズ最新作」に熱視線!【パチスロ新台―徹底考察―】の画像2

「AT終了後は、『引き戻しゾーン』若しくは表彰式発生で『チャンスゾーン』突入などと公式サイトには記載されていますが、どうやらこれは有利区間"終了後"にも発生すると言われています。

つまり、有利区間の獲得上限『2400枚到達後』もCZが発生し、再びAT当選に期待が持てる仕様だということ。もっと言えば、強靭なヒキの持ち主であれば、2400枚×AT5回=12000枚という実質一撃で万枚を狙えるということですね。このような仕様を実現するため、純増スピードを"あえて"抑えて開発したのかもしれません」(業界ライター)

 6号機最大のネックとされていた「有利区間」に早くも"攻略法"が発覚か? 今後の6号機市場に大きな影響を及ぼしかねない、平和の6号機最新作『ガールズ&パンツァー』の動向に注目だ。

JR九州 新幹線での旅をPRするプロジェクト展開 ミッキーマウスがデザインされた車両も運行

JR九州は、ウォルト・ディズニー・ジャパンと契約し、九州新幹線での旅をPRするプロジェクト「Go! Waku Waku Trip with MICKY」を5月から11月まで展開する。
ミッキーマウスの映画デビュー90周年を記念した。
5月17日には、ミッキーマウスがデザインされた「JR九州 Waku Waku Trip 新幹線」(800系 1編成・6両)の運行が始まった。
(記事の画像は全て ©Disney)

一番列車には、「九州の旅をわくわくさせるモノやコト」を描いた絵の応募者から抽選で選ばれた約200人(Waku Waku Trip隊)が乗り込み“旅”を楽しんだ。
始発の博多駅では出発式が行われ、終着の鹿児島中央駅では出迎え式にミッキーマウスがサプライズ登場し、会場を盛り上げた。

出発式で、青柳俊彦社長は「事前に“九州のワクワクするもの”というテーマで絵を募集したところ、全国の幅広い年齢層から応募があり、世界で活躍するミッキーマウスの影響力を感じた。ミッキーマウスのデザインと九州のワクワクするデザインがちりばめられた新幹線に乗って、一緒に楽しんでほしい」とあいさつ。
ウォルト・ディズニー・ジャパンの目黒敦バイスプレジデントは「長年、夢や元気を与えてきたJR九州とプロジェクトができて光栄だ。同新幹線は、皆さんの笑顔を乗せて九州を走ります。鉄道が大好きだった、創業者のウォルト・ディズニーがこの新幹線を見たら、とても喜んだでしょう」とコメントした。

 車両には、九州の旅に出たミッキーマウスが、旅で見つけた各県の名産品や旅行アイテムもオリジナルアートにして装飾。乗客は、座席のヘッドカバーの他、意外な場所に隠されたミッキーマウスのアートを探したりして楽しめる。

 鹿児島中央駅での出迎え式では、ディズニーのエンターテインメント「ブラスト!:ミュージック・オブ・ディズニー」のメンバーと、地元の神村学園吹奏楽部が「ミッキーマウスマーチ」を披露。迫力のあるパフォーマンスに、会場から大きな拍手が起きた。
また、スペシャルゲストとしてミッキーマウスがサプライズで登場すると、ひときわ大きな歓声が上がった。

JR九州では、Waku Waku Trip隊第2弾を募集(~6月24日)。抽選で8月1日に運行するスペシャル号(博多駅から鹿児島中央駅まで運行)に招待する。車内では、ディズニー初・公式アカペラグループ「ディカペラ」のライブを開催予定。
公式サイト:https://www.jrkyushu-wakuwaku.jp/

 

パチンコ「制覇」のポテンシャル!? 注文が殺到の「高継続×ロングST」間もなく!!

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 パチスロ6号機の中で、圧倒的な存在感を放っている『Re:ゼロから始める異世界生活』(大都技研)。

 導入から2カ月も経たずに増産が決定。その数は約15000台と、需要の高さを認識させることになった。「それ以上の台数が7月に用意される」との情報もあるが、すでに「完売している」とも言われている状況だ。

「人気アニメのタイアップ機というだけではなく『純増8枚』というウリはありましたが、正直ここまでヒットすると予想した関係者は少なかったと思います。スピード感や多彩なゲーム性は、予想以上の評価を得ることに成功しましたね。

これまでは爆発的な人気に対し供給が追い付いていない感じでしたが、増台によって勢いは落ち着いてくるはずです。当然ながら店の扱い方が重要になってきますが、そんな状況でも高稼働を続けられれば"絶対的存在"になるでしょうね。6号機の未来のためにも、そうなって欲しいです」(パチスロライター)

 全国のホールで「救世主」とまで評される『Re:ゼロから始める異世界生活』。この勢いで新時代の"覇権"を掴むのだろうか。今後の展開に注目していきたい。

 待望のヒット作が登場したパチスロ6号機だが、パチンコも長期稼働が期待できる新規則機が続々と発表されている。

 京楽産業.の『Pぱちんこ冬のソナタ Remember Sweet Version』は、約15000台が予想通りに完売したとの情報が存在。サミーのサンリオ原作のガールズバンドアニメとのタイアップ機『P SHOW BY ROCK!!』も、リリースより上々の反響が寄せられていた。

 そのような意味では、不動の人気作とコラボした"アノ新機種"も注目したい1台だ。「継続率82%×ロングST」マシンへ、注文が殺到したとの情報が話題となっている。

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 「ニューギンさんの『Pうる星やつら~ラムのLoveSong~』ですね。パチンコやパチスロとしてもお馴染みの版権ですから、興味を示すホールは確実にいると思いましたが......『あっという間に完売した』と言われています。

新規則機では数少ないロングST(200回)という点が評価されたのかもしれませんね。ST継続率は82%で、ST大当り時の50%が10Rとライトミドルスペックとしては抜群の出玉性能を誇ります。

通常大当りには必ず時短100回が付与され、時短中の引き戻しの確率も37%と高い。安定感と一撃性を両立させた仕上がりと言えるでしょう。オリジナルアニメに加え、TVアニメ主題歌ラムのラブソングが初収録されているなど、原作ファンも見逃せない要素も満載。『覇権を掴む』とまでなるかは分かりませんが、予想以上の活躍があっても不思議ではありません」(パチンコライター)

 導入前の評価は上々の『Pうる星やつら~ラムのLoveSong~』。パチンコ新規則機へ勢いを与えるような反響を得られるのだろうか。導入後の稼働状況に注目したい。

任天堂、“3度目の”中国市場参入に潜む死角…グーグルら参入でゲーム業界に地殻変動

ニンテンドースイッチ(「Wikipedia」より/Elvis untot)

 4月18日、中国広東省は、任天堂のゲーム機「ニンテンドースイッチ」とその専用ゲームソフトの販売を認めた。任天堂は詳細を公表してはいないものの、ゲーム大手テンセントと共同して中国事業を進めるものとみられる。同社にとって、再び中国進出を目指すことは“悲願達成”に向けた大きな第一歩といえるかもしれない。

 2003年、2005年と任天堂は中国市場への参入を目指した。しかし、任天堂は中国での販売を伸ばすことはできなかった。中国のゲーム市場は世界最大だ。中国のインターネットユーザー数は8億人に達するともみられている。任天堂にとって、中国は実に魅力的な、喉から手が出るほど欲しいマーケットである。今回、テンセントという強力な事業パートナーを獲得できたことの意義も大きい。

 同時に、中国事業のリスクは高い。中国では政府の意向が企業経営を大きく左右するからだ。任天堂は、中国ビジネスの収益化に取り組みつつ、新しいヒット商品の創造に取り組み、収益源泉を分散させる必要がある。そのために任天堂が、テンセントや他のIT先端企業とどのように関係を構築していくかに注目したい。

悲願達成に取り組む任天堂

 
 中国の広東省は、IT大手テンセントに対して、任天堂のゲーム機及びソフトの販売を認めた。現時点で、任天堂が中国全土で事業を展開できるか否かは不透明だが、同社にとってこれは“悲願達成”に向けた大きく、かつ、極めて重要な第一歩だ。

 任天堂にとっての悲願とは、米国と欧州に加え、一大ゲーム市場である中国の需要を取り込み、海外売上高比率を一段と押し上げることだ。それは、同社の成長期待を大きく左右する。中国ゲーム市場への参入は、任天堂がより多くのフリーキャッシュフローを獲得し、新商品やマーケティングプラットフォームの開発を強化するために欠かせない。

 わが国では、少子化と高齢化、および人口の減少が進む。国内のゲーム需要は縮小均衡に向かう。任天堂が成長を目指すには、海外市場の開拓が重要だ。この考えに基づき、同社は海外戦略を強化してきた。その結果、海外売上高比率は上昇傾向で推移し、直近では70%を超えている。うち、約40%が米国、30%弱が欧州だ。ここに中国での売上高を加えることができれば、同社の収益は一段と増えるだろう。

 収益基盤の増強のために任天堂は過去に2度、中国市場に参入した。しかし、いずれも失敗に終わってしまった。失敗の原因は、任天堂が強力なパートナーを得ることができなかったからだろう。中国のゲームユーザーの好みは、わが国とはかなり異なる。任天堂は、中国のゲームユーザーの好みや環境の変化にうまく適応できなかった。ここ数年間、同社の中国戦略は事実上、止まってしまった。

 今回、任天堂は世界のゲーム大手であるテンセントとの協業を決めた。その理由は、同社が中国を代表するIT先端企業であるからだ。米国のIT先端企業を代表する呼称として、“GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)”が知られている。これに対して、中国では“BAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)”が急成長を遂げ、米国企業としのぎを削っている。

任天堂が狙う中国での商機

 
 中国は、世界最大のゲーム市場だ。任天堂はテンセントとともに、広東省を足掛かりにして中国ゲーム市場でのシェアを獲得したい。任天堂には、その自信もあるはずだ。中国において「スーパーマリオ」はよく知られている。1月には、中国共産党の中央政法委員会が、短文投稿サイトにスーパーマリオを模したキャラクターを使った動画をアップロードし、綱紀粛正への取り組みをアピールした(のちに削除)。それほどスーパーマリオは知名度が高い。

 中国市場において、任天堂は人気キャラクターを前面に出して、ニンテンドースイッチとその専用ソフトの販売を増やしたい。任天堂としては、その商機をできるだけ早く手に入れたい。テンセントにとっても、任天堂との協業はオンラインをベースとしたプロダクト・ポートフォリオを分散し、収益を増やすために重要だ。

 ただ、本当にそうした展開が見込めるか否か、現時点ではよくわからない部分がある。なぜなら、中国は米国に比肩する、あるいはそれを上回るペースでIT先端技術を開発し、社会に普及させてきたからだ。

 特に、中国におけるスマートフォンを用いたSNS、フィンテック、モバイルゲームなどの利用者数増加には、世界に類を見ないほどのダイナミズムがある。中国政府としても、デジタル技術を駆使して社会への監視を強めたい。政府は新作ゲームの認可に関しても、オンラインゲームの認可を優先するだろう。

 一方、任天堂は、自前の製品=ゲーム機のシェア拡大を追求してきた。オンラインを軸に発展してきた中国ゲーム市場において、任天堂がゲーム機の販売を増やし、収益につなげることができるか、不確実な部分がある。すでに、米グーグルがクラウドゲーム(エンドユーザーの端末上ではなく、クラウドサーバー上でゲームが進行する)に参入し、ゲーム業界の競争は激化している。これは、任天堂にとって無視できない変化だ。

任天堂が注力すべきデジタル分野

 
 任天堂にとって、テンセントとの協業は実に大きなチャンスだ。中国事業の収益化と、今後の変化への対応のために、同社はこのチャンスを生かさなければならない。

 市場参加者の間では、任天堂は業績のぶれが大きい企業との見方が多い。過去、任天堂はヒット商品(ゲーム機)に続くヒットを打ち出すことが難しかった。足許の業績に関しても、ニンテンドースイッチの需要が飽和すれば、任天堂の業績は相応のマグニチュードで悪化するのではないかと少なからぬ不安を抱く参加者もいる。

 任天堂に期待したいことは、テンセントのアニマルスピリッツを取り込んで、矢継ぎ早(連続的)に新しいヒット商品の創造を目指すことだ。特に、デジタル売上高(ソフトのダウンロード、コンテンツの購入など)を増やすことは、任天堂の将来を左右するだろう。任天堂のデジタル売上高の割合は、売上高全体の20%程度にとどまっている。

 今後、世界的に、スマートフォンなどモバイルデバイスを用いネット空間にアクセスし、ゲームを楽しむことが増えていくだろう。この展開をもとに考えると、任天堂はデジタル分野の収益力を高めなければならない。特に、グーグルが注力するクラウドゲームは、端末の演算処理能力に負荷をかけることなく、新しいゲームを、高度な画質で楽しむことを可能にする。これは、任天堂にとっても、テンセントにとっても脅威だ。

 任天堂には、テンセントの成長のダイナミズムを取り込みつつ、クラウドゲームなどの新しいゲーム事業に積極的に取り組むことを期待したい。同時に、任天堂はテンセントのネットワークを生かし、当局とも良好な関係を築かなければならない。政府による規制強化というリスクを考えると、その2つを同時に進めることが、任天堂の悲願達成には欠かせない。その上で、任天堂が他のIT先端企業との提携などを進め、ヒット商品を創造できれば、同社の持続的な成長への期待は高まるだろう。
(文=真壁昭夫/法政大学大学院教授)

小室圭さん「愛子さまを天皇に」の声増大の遠因? 眞子さまも秋篠宮家も為す術なく国民に疑問渦巻く

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 秋篠宮家の長女眞子さまとの結婚問題に注目が集まる小室圭さん。

 国際弁護士を目指すべく米フォーダム大学に留学中の小室さんだが、いまだその将来設計が見えず、国民の疑念もどんどん増幅している印象だ。

 そんな中、作家の山田順氏が、これまでの小室さんの「行き当たりばったり」の人生に疑問を呈する記事をYAHOO! JAPAN内で綴っている。

 山田氏は小室さんが音大付属小学校からなぜかインターナショナルスクールに入ったこと、その後海外ではなくICUに進学、就職は大手銀行にもかかわらずパラリーガルとして法律事務所勤務に転身した点など、それらの選択を「間違いだらけ」とまで断言している。

 確かにそのキャリアは不可解な点が多いが、これまでの小室さんの行動を見てれば、それにも納得がいくというもの。とにかく一貫性がないことだけは明白である。

「小室さんの代理人の『弁護士になるとは決まっていない(後に撤回)』という発言が話題になりましたが、そんな気持ちを抱いていても不思議ではない状況です。そのうち『次はパイロットを目指す』といっても違和感がないほどに......。

これまでの経緯を見れば、小室さんは常にその時の『気分』や『欲望』を重要視している印象があります。今後、思いもよらぬ動きがさらに続く可能性はあるでしょうね」(記者)

 小室さんに対しここまで国民が疑問を呈していても、眞子さまはご自身のお気持ちを重視され、妹の佳子さまも応援されている状況。秋篠宮ご夫妻は現状にアクションを起こされることもない。秋篠宮家への疑問も強まっているのが実状だ。

 現在の国民の気持ちは、先日の「世論調査」からも明らかだ。

「4月の共同通信の世論調査では『女性天皇』に賛成が8割近くに上りました。つまりは天皇皇后両陛下の長子である愛子さまが将来天皇になられることに賛成の声が多いということです。

無論、女性天皇やその長子が『女系天皇』となる点などに反発は多いですが、それ以上に秋篠宮家の現状と天皇皇后両陛下、そして愛子さまの現状が、その声を後押ししているのは間違いありません。小室さんが秋篠宮家の長男悠仁さまの"義兄"となる可能性がある点に拒否反応を示す意見も少なくありません」(同)

 今後の皇室にとっても、小室さん問題は早急に解決しなければならないことなのだが......。

パチンコ「簡単に万発」の秘技が炸裂! ホールに眠る「お宝台」の見つけ方とは!? 【谷村ひとしパチンコ実戦記】

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 ゴールデンウィークは九州の旅打ちを実行。4月を「プラス28万8100円」の勝利で飾りました。毎回恒例の甥っ子シンちゃんを勝たせるミッションは、18年連続勝たせることに成功しました。

 今年のゴールデンウィークは何と言っても『ぱちんこ GANTZ:2』です。4月に登場以来、全国のホールで暴れています。

 九州では博多で8万発超えのレポートも届きました。ボクも登場1週間で2戦9万円GETして九州に乗り込んだくらいです。

 初めて『GANTZ2』を打つシンちゃんに、連チャン即ヤメ台を選びます。4月の勝利も連チャン即ヤメの100回転以内の台に座って「オスイチ1万発」のオンパレードです。

 空いてる台を見つけ他のホールで実戦中のシンちゃんを呼び出した瞬間、ぬらりひょんに勝って超GANTZボーナスGET。慌ててバトンタッチします。「41回転!」これが「7110ぽいんと」で、訳が分からないシンちゃんに小当りRUSHと超ボーナスの説明をしていたところ......43回転!

 またまたぬらりひょんで今度はシンちゃんが引き戻します。これが「6270ぽいんと」で、合計1万発突破です。

 その後、派手な引き戻しのない状態をシンちゃんに経験してもらって、8519個交
換3万円で、初打ちGANTZでまるまる3万円の勝利でした。

 九州でのゴールデンウィークの客付きや、深夜のパチンコTV番組や日昼でも流れるホールのCMを見て......「パチンコ不況のネットニュースは、どこで誰が流してるの?」と、聞きたくなる熱狂ぶりでした。

 東京に帰ってきてもゴールデンウィーク中はどこも、お客さんが一杯でした。風評被害もなく負けた人へのお慰み情報として受けとっていいくらいです。

 連休が終わると潮が引くようにお客さんのいなくなるホールは「今年もやっちまったな」と感じてしまうダメダメホールです。

 一番目立つのは『Re:ゼロから始まる異世界生活』のヒットや、今年11月12月と撤去の決まったスロットの元気な暴れっぷりです。

 パチンコは相変わらず『真・北斗無双』と『戦姫絶唱シンフォギア』がメインのホールも珍しくありません。

 65%撤廃のルール改正で、パチンコ人気は蘇っています。2400発搭載の機種も頑張っています。特に1月に登場した『ルパン三世LAST GOLD』が人気復活で、入替当初に辛い出方をしていた同じ『ルパン』とは思えない稼働ぶりです。

 5月12日(日)の午後7時41分、ポロリ1回転でタイプライター"大泥棒の盗みの美学"が赤III保留ではずれて、ノイズ発生復活!

 正真正銘ポロリ1回転490回転でルパン勝利でGOLDENTIMEへ!

 しかしこれは4連で3千発ちょっと。よくある『ルパン』です。

 この時短明の130回転で銭形歌舞伎チャレンジ。ライジングCHARGEで260発の雀の涙に、「今夜はこれくらいにしておこう」と思ったら......30回転めに7図柄テンパイからのルパンと五ェ門と次元勢揃いです。

 タイマーもあって当ったと思ったら緑カットインで外れます。ガシンと紫のロゴ落ち。ここで紫のタイプライター"裏切りは女のアクセサリー""魔性の女"不二子登場で777のゴールデンボーナスGETです。

 これが8連して「1万8千発!!」の大勝利です。

 夜の仕事帰りの平日月曜日の勝負としては、ポロリ1回転で5百円しかやっていません。これが「ドンキホーテ流のパチンコ」です。

 新台の『CRキャッツアイ~最高のお宝、頂きに上がります』も、100回転以内狙いが『GANTZ』同様"ビタッ"と決まります。それも時短なしで、ひとケタでヤメてたりする台ばかり狙って打ちます。

 初打ち、63回転で7図柄テンパイ俊夫と瞳のラブストーリーリーチで大当り。キュインキュインと小当りなのにロング開放の大量出玉で1万2653発GETです。

 連休が明けてもホールをカニ歩けば、そこに必ず「お宝台」は眠っているのです。

(文=谷村ひとし)

ミニバン、危険でお金を払う価値なし?ワースト1位はトヨタ「エスティマ」?

トヨタの「エスティマ」(「トヨタ エスティマ | トヨタ自動車WEBサイト」より)

 1980年代まで、ファミリーカーの主役はセダンだった。しかし、1994年に発売されたホンダの「オデッセイ」が大ヒット。それを機にミニバンの新型車が続々と登場し、以降20年間にわたってミニバンはファミリーカーの王座に君臨してきた。

 室内空間が広く大人数が乗ることができ、シートアレンジが多彩で使いやすい。さらに、電動スライドドアの採用など高級感のある車種も多い。そうした事情から、「ミニバンを持つことが父親のステータス」ともいわれたほどだ。

 ところが、近年はミニバンの凋落が顕著になっている。よく指摘されるのは「人気のSUV(スポーツ用多目的車)に取って代わられている」というものだが、それだけではない。実は、その原因はミニバン自体にもあるのだ。自動車に詳しいライターの呉尾律波氏に、人気凋落を招いた「ミニバンのワースト3」を挙げてもらった。

各メーカーが次々と生産終了、マツダは撤退


 昨年1年間でもっとも売れたミニバンは日産自動車の「セレナ」。販売台数は約10万台で、全乗用車のなかでも4位に食い込んでいる。ほかにも、トヨタ自動車の「シエンタ」が5位、同じくトヨタの「ヴォクシー」が6位と、トップ10に3台のミニバンがランクインしている。

 一方で、近年は各メーカーでミニバンの生産終了が相次いでいる。トヨタ「ウィッシュ」「アイシス」「イプサム」、ホンダ「ストリーム」「エリシオン」、日産「プレサージュ」「ラフェスタ」、さらにマツダ「プレマシー」「ビアンテ」、三菱自動車「グランディス」、スバル「エクシーガ」など、10車種以上が生産終了となっているのだ。

 また、「中古車市場でもミニバンの凋落が見て取れる」と呉尾氏は指摘する。

「昨年のはじめくらいから、ミニバンの中古車が値崩れしています。2、3年前までは強気な価格設定でしたが、おそらく中古車がだぶついているのでしょう。これは新車としての需要も下がってきていることの表れです」(呉尾氏)

 実際、各メーカーの新型車もここ数年はSUVが目立つ。マツダに至っては一昨年にミニバンそのものから撤退し、ミニバンのような3列目シートを持つ7人乗りの大型クロスオーバーSUV「CX-8」を発売した。これは、明らかにミニバンのユーザー層をターゲットにしたモデルだ。

「近年は各メーカーからミニバンのニューモデルが発売されておらず、マイナーチェンジばかりを繰り返しています。ミニバンブームが過ぎ去り新顔も出てこないとなると、販売台数は徐々に減少していくでしょう。マツダに続き、撤退するメーカーが出てきてもおかしくはありません」(同)

ミニバン凋落の原因はトヨタ・エスティマ?


 なぜミニバン人気は低下したのだろうか。それは、SUVの台頭に加えて「ミニバン自体が抱える多くの問題が関係している」と呉尾氏は話す。

「ミニバン凋落のきっかけをつくったのはトヨタ『エスティマ』です。初代は過剰品質と思えるくらい、しっかりとしたクルマでした。しかし、ミニバンという金脈を発見したトヨタは、2代目『エスティマ』から外装だけを先進的にし、各部のコストをごっそり削ぎ落としてしまった。その商法をほかのメーカーが追随し、少しずつ個性を出し合っていたのが、かつてのミニバンブーム。その結果、ハリボテのようなクルマが大量生産されてしまったのです」(同)

 そうしたコストカットのなかでも、特に目に余るのが安全面の問題だという。

ミニバンは室内空間が広いことが最大の売りです。しかし、コストをかけずに室内を広くしようと思ったら、車両の内側をギリギリまで削るしかない。そうなると、当然ながらボディの衝突安全性は著しく低下します。さらに、2列目シートのフットスペースを確保するために3列目も後方に移動させたので、リアのクラッシャブルゾーンが極端に小さくなり、追突にも弱い。はっきり言って、今のミニバンは全方位で危険極まりないボディのクルマばかりです」(同)

 コストを抑えた開発の悪影響は足回りにも及んでいる。「そのひとつが、トーションビーム式サスペンションです」と呉尾氏は指摘する。トーションビーム式サスペンションは、主に軽トラックや商用車などに採用されるサスペンション構造のひとつ。独立懸架式サスペンションに比べて構造が簡単なため、製造コストを低く抑えられるが、その半面、走行性に難点があるという。

「トーションビーム式サスペンションは低コストであるだけでなく、下部にメカ類が設置されるので、その分空いたスペースにバッテリーなどを置くことができます。安くつくれて室内を広くできるので、メーカーとしては一石二鳥なのですが、路面への追従性が悪いので走行中にバタつきます。走りの安定性という意味では、とてもおすすめできるサスペンションではありません」(同)

 トーションビーム式サスペンションを採用しているミニバンは、「エスティマ」をはじめ、日産「セレナ(二駆)」、ホンダ「ステップワゴン」、トヨタ「ヴォクシー」「ノア」などの車種だ。これらのミニバンが猛スピードで走る光景を目にすることもあるが、走行性能に難があることを考えると危険な運転といえる。

「ファミリーカーという幻想と高級感にだまされてミニバンを購入し、後になって問題点に気づいて後悔するユーザーも多いと聞きます。国産ミニバンの価格帯は200万円弱から400万円台半ばといったところですが、そのお金を出す価値はありません。それでもあえてミニバンを選ぶなら、おすすめは三菱『デリカD:5』。ボディの強度が比較的高く、オフロードを走れるほど走行性能も良いからです」(同)

コストカットしすぎ?ミニバンのワースト3


 これらの情報を踏まえて、「ミニバンのワースト3」を紹介しよう。

【3位】
ホンダ「ステップワゴン」(車両価格245万5920円~)

「走り出しが弱く、パワーが非力すぎる。ご多分に漏れずボディもペラペラで、もっとも割り切ってコストカットしているミニバンといえます。ただ、ミニバンでは唯一、シートがフルフラットになるため“動かない秘密基地”としては最高です」(同)

【2位】
日産「セレナ」(車両価格244万800円~)

「内装と建て付けが最悪。シートアレンジがカチッと決まらず、走っていると『半ドアかな』と思うほどカタカタ音が鳴るので怖い。ディーゼル車もラインナップされていますが、エンジン音が車内に響いてうるさいくらいです。『売るために無理をしてつくっているのでは?』と思わざるを得ません」(同)

【1位】
トヨタ「エスティマ」(車両価格327万1418円~)

「ミニバンのコストカットモデルの元凶です。ドアがすごく薄くて、パネルを外して内側を見るとサビがある場合も。安全面ではもっとも危険なのではないでしょうか。『売れればいい』という悪謀を象徴しているようなクルマで、2019年に生産中止が噂されています」(同)

 ミニバンのみならず、今後はSUVでも低コストで外観だけをそれらしくしたモデルが多数を占めるようになるかもしれない。購入する際には熟考したほうがよさそうだ。
(文=沼澤典史/清談社)

首都圏のタワーマンションがパタリと売れなくなった…一時、契約率3割の記録的低水準

「Gettyimages」より

 首都圏新築マンションが売れません。民間調査機関の不動産経済研究所では、毎月、その月に発売された新築マンションのうち何%が売れたかを示す契約率を調査しています。70%が好不調のボーダーラインといわれていますが、図表1にあるように首都圏ではこのところ70%を切る厳しい状態が続いています。

バブル崩壊時以来の契約率50%割れも


 2017年はそれでもまだ70%台を維持する月が少なくなかったのですが、2018年に入ると3月に一度70%を超えて以来、2019年2月まで11カ月連続して70%割れが続いています。わけても、2018年12月には49.4%と、1991年のバブル崩壊時以来という50%割れを記録しました。

 その売行き悪化の象徴が超高層マンションです。20階建て以上の超高層マンションは、眺望がいいことやステータス感もある上、駅前再開発の好立地や人気の高い湾岸エリアなどに建設されることが多いこともあって、極めて高い人気を得てきました。超高層マンションを売り出せば即日完売が続き、首都圏全体の契約率が70%のときでも、超高層だけは80%、90%と高い契約率を誇ったものです。

 ところが、その超高層マンションが売れません。首都圏全体の契約率が49.4%まで下がった2018年12月には31.4%という記録的な低さになりました。その後も1月は59.2%、2月が50.4%と低空飛行を続けています。



近畿圏の3倍近い勢いで上がり続けてきた


 なぜ、こんなに売れなくなったのか――理由は簡単です。高くなり過ぎたのです。

 首都圏がこれほど厳しい状態に陥っているのに対して、近畿圏は比較的順調です。やはり不動産経済研究所の調査によると、近畿圏の新築マンションの契約率はこのところ70%超をキープしています。2018年3月に67.3%と70%割れを記録して以来、常に70%超をキープ、2019年2月も75.8%でした。

 なぜ、近畿圏は順調なのか、その理由も簡単です。価格が安定しているからです。

 図表2をご覧ください。これは首都圏と近畿圏の新築マンションの平均価格の推移をグラフ化したものです。首都圏は2012年の4540万円を底に右肩上がりになって、2018年の平均は5871万円、6年間で29.3%も上がっています。

 それに対して、近畿圏は2012年が3438万円で、2018年は3811万円です。6年間の上昇率は10.8%で、首都圏の上昇率の3分の1程度にとどまります。その差が、契約率に反映されているといっていいでしょう。




新築一戸建ての価格はほとんど横ばい


 いまひとつ、新築一戸建て、いわゆる建売住宅の価格動向をみてみましょう。図表3をご覧ください。

 これは首都圏新築マンションと、首都圏新築一戸建ての平均価格をグラフ化したものです。新築一戸建て(1)は10区画以上の比較的規模の大きい建売住宅で、主に大手不動産、大手住宅メーカーなどが手がけています。それに対して、新築一戸建て(2)は中堅ビルダーやパワービルダーと呼ばれる大量供給を行っているメーカーなどが主な対象です。

 特に、新築一戸建て(2)と新築マンションの価格動向の違いは一目瞭然です。新築マンションが右肩上がりのカーブで、6年間で19.2%も上がっているのに対して、新築一戸建て(2)はほとんど横ばいです。6年間でわずかに1.5%しか上がっていません。

 初めてのマイホームを考える人たちの多くは、予算との兼ね合いで、さまざまな住宅形態を検討するものです。マンションがいいのか、一戸建てがいいのか、はたまた新築か中古かと、取捨選択を行い、最終的に現実的に取得可能な形態に落ち着きます。

 その際、予算との兼ね合いから真っ先にはじかれるのが、高くなり過ぎた新築マンションということになります。新築マンションの契約率が低い水準にとどまっているのには理由があるのです。



東京の新築マンションの年収倍率は13.26倍


 では、どうすればいいのか――理想の形態でいえば、景気が急回復して年収が大幅にアップ、一般の会社員などでも買えるようになることですが、それは当面期待できないでしょう。そうなると、残るのは価格の引下げです。平均的な会社員でも買えるような水準に価格を下げるしかありません。

 民間調査機関の東京カンテイでは、70平方メートルの新築マンションを年収の何倍で買えるかを示す年収倍率の調査を行っています。その2017年の平均は7.81倍でした。年収の7倍以上出さないと買えないのですから、なかなか厳しい数字ですが、これが首都圏になると、11.01倍に跳ね上がり、東京都は13.26倍という気の遠くなりそうな数字です。年収の13倍以上の現金を蓄えるのはほとんど現実的ではありませんから、その多くは住宅ローンでまかなうしかありません。その高額のローンを組むためには一定の年収が必要になります。

 実際、リクルート住まいカンパニーが、首都圏で新築マンション、新築一戸建てを買った人たちの平均年収を調べたところ、図表4のようになっています。




新築マンションは年収1000万円台が条件に


 2014年には新築マンションの平均が801万円で、新築一戸建てが720万円でした。両者の差は100万円以下だったのですが、2018年には新築マンションが960万円と1000万円台に乗せようかという水準で、一戸建ては763万円でした。両者には200万円近い差が付いています。

 これは首都圏の平均ですから、なかでも価格が最も高い東京都で買った人だけに限るともっと高くなるはずです。当然、平均年収は1000万円を超えているでしょう。

 そのため、夫婦どちらかだけの収入では手が届かないため、共働きの割合が高まります。リクルート住まいカンパニーの調査では、首都圏で新築マンションを買った人たちの57.3%が共働きでした。2001年には35.4%だったものが、2009年には44.6%と40%台に乗せ、2014年には53.2%と50%台に到達、そして2018年には57.3%まで増えました。

 ほとんど共働きでないと買えないという異常な事態といわざるを得ません。もちろん、北欧のように、出産・育児・子育てなどの環境が充実した国ならいいのですが、日本ではまだまだ女性の負担が大きく、共働きでの取得をさらに増やしていくのには限度があるのではないでしょうか。

買いやすい価格まで価格を下げる必要がある


 そう考えると、契約率を回復させ、新築マンション市場の活況を取り戻すためには、価格を下げるしかありません。それも、本欄の2月21日号でお伝えしたように、専有面積を圧縮したり、仕様・設備のグレードを落とすようなかたちでの値下げではなく、企業努力によって下げていく必要があります。

 消費者が納得できるようなかたちで価格を引き下げて、無理なくとまでもいわなくとも、多少の無理をすれば買えるようなところまで到達すれば、契約率が回復し、市況も安定するでしょう。

 そのためには、少なくとも市場が堅調に推移している近畿圏の価格上昇率程度に引き下げる必要があるでしょう。図表2で見たように、この6年間で首都圏の新築マンションは29.3%も上がっているのに対して、近畿圏の上昇率は10.8%にとどまっています。2012年の4540万円に対して、10%の上昇率だと5000万円ほどということになります。

 現実には2018年の平均は5871万円ですから、17%ほど下げないと売れないのではないかということです。簡単ではありませんし、時間もかかるでしょうが、大手による寡占化が進みつつあるなかだけに、大手不動産会社にぜひ一考していただきたいところです。
(文=山下和之/住宅ジャーナリスト)

グローバルのコミュニケーション戦略ってどこから手を付ければいいですか?

世界的なマーケティングテクノロジー企業Amobee, Inc(以下アモビー)と電通が協業し、海外展開を目指すクライアントを対象に、「ブランド・インテリジェンス分析」(BI分析)に基づくデジタルマーケティングサービスの提供をスタートしました。

電通、米マーケティングテクノロジー会社「アモビー社」とブランド・インテリジェンス分析を活用したサービス開発で協業
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2019/0123-009740.html

 

BI分析とは聞き慣れない言葉かもしれませんが、いわば「ブランドの健康診断」に活用できる技術で、ブランドをグローバル展開する際には非常に役立ちます。

BI分析の有用性とは?ソーシャルリスニングとの違いは?電通グローバル・ビジネス・センターの丸山博之が解説します。

<目次>
海外にブランド展開するクライアントがぶつかるさまざまな「壁」
生データを提供するのではなく、ブランドに寄り添った「ストーリー」を抽出する
あらゆる企業が日本から世界へキャンペーンを展開する時代に

 

海外にブランド展開するクライアントがぶつかるさまざまな「壁」

企業やブランドの海外展開は多くの場合、特定の国のマーケットだけではなく、複数以上のエリアに及びます。それぞれのエリア戦略があるため、複雑です。

各エリアの消費者を理解した上での戦略立案が必要ですが、そのためにイチからマーケット調査やブランド調査を行うとなると、時間もコストもかかります。「調査以前に、最初の方向感をざっくりと知る方法はないか」と多くのクライアントが感じているのではないでしょうか?

筆者は多くの日本のクライアントの海外キャンペーンに携わってきましたが、特に多かった課題は以下のようなものです。

  • 海外におけるブランドメッセージの開発をすることになったが、何から着手していいのか分からない。
  • クリエーティブ主導でブランドメッセージの開発を進めてきたが、今後の改善方向の示唆が欲しい。
  • ブランド調査をすることになったが、対象マーケットが大きく、調査だけでも莫大な金額と時間がかかる。
  • 国内の経験則とブランドとしてのアイデンティティーでメッセージ開発をしてきて、海外拠点の評判も良いが、消費者やターゲットのフィードバックがないので、グローバルでどう受け入れられているのか、不安だ。
  • 社内を説得する上で参考となるデータを増やしたい。

BI分析は、まさにこうしたニーズに応えるものです。さまざまな「ウェブコンテンツ消費データ」を、AIを用いて収集・分析し、あるブランドや競合ブランドに対するコンシューマーインサイトを見いだすことができる、特許取得済みの技術です。

ウェブコンテンツ消費データとは、ソーシャルメディア上の投稿、コメント、いいね、シェアなどのアクションデータに加えて、ウェブページや文章、動画、画像等の閲覧数なども対象です。

ウェブコンテンツ消費データ

コンテンツが発信された国・エリア、掲載メディアや情報量、時系列の変化も含め、1日あたり600億以上のウェブコンテンツ消費データを収集できます。AIが整理したデータを、さらにアモビーのデータサイエンティストが相関分析、クラスター分析などの統計手法を用いて可視化します。

BI分析の大きな特長は、いわゆる「サイレントマジョリティー」のインサイトをも把握できることです。

企業のコミュニケーション分析ではソーシャルリスニングも活用されますが、それで取得できるのは主にソーシャルメディア上で積極的に意見を発信するタイプの生活者(マーケティングでいうイノベーターやアーリーアダプター)の声です。

その点、BI分析なら、「意見を外にはあまり発しないが、コンテンツやキャンペーンに触れている生活者」、つまり大多数のサイレントマジョリティーのインサイトも把握できます。SNSだけでなくあらゆるコンテンツを対象としているので、偏りのないフラットな視点で生活者のコンテンツ消費状況を可視化できるのです。

ソーシャルインサイトとBI分析

なお、BI分析はあくまでも「ある時点のウェブコンテンツ消費状況」を切り取ったデータ分析なので、永続的に機能するものというよりイニシャルプランニングに寄与し、マーケッター、戦略プランナーに示唆を与えてくれるでしょう。

まとめると、ブランド活動のグローバル戦略策定から実施計画まで一連の設計に、各国・各言語圏のコンシューマーインサイトを活用できるようになるというのが、BI分析の概要となります。

BI分析でできること

デジタル×グローバル領域におけるデータ分析は、今やマーケティングに欠かせません。世界的に有名な映画シリーズの新作のチケット販売総額を事前に予測したり、アメフトのスーパーボウルに関連して注目されているブランド名をリアルタイムに把握するなど、さまざまなブランド、キャンペーンでのデータ分析活用が進んでいます。

生データを提供するのではなく、ブランドに寄り添った「ストーリー」を抽出する

アモビーと電通がクライアントに提供するのは、BI分析の結果に基づいた「ブランドコミュニケーション戦略立案」であり、実際に提供するアウトプットは、「レポート」という形になります。

クライアントと何度かやりとりをしながら、注目すべきデータと、そこから導き出されたターゲットや戦略を盛り込んだレポートを仕上げていきます。

もしクライアントの中で課題感やビジョンが定まっていない場合でも、とりあえず自社と競合ブランドの「今」の状況を把握し、分析することで、そこからブランドストーリーを組み上げていくアプローチが可能です。ターゲットが明確でない場合でも、コンテンツ分析の過程でターゲットを発見できます。

また、アモビーのBI分析では不要なデータをクレンジングして必要なデータのみを収集できますが、データはあくまでもデータでしかありません。プランニングに役立てるには、クライアントにフィットしたコンテンツを見る力や、それを解釈してストーリーをつくる力が必要です。

ここにクライアントのマーケティング戦略を理解する電通が入ることで、クライアントの商品・サービスとその課題をよく理解した上で、膨大なデータから価値ある消費者インサイトを発見し、マーケティングに活用可能なシナリオを“ブランドストーリー”として抽出していきます。BI分析を用いたブランド戦略をリードするため、電通が果たせる役割は大きいと考えています。

さまざまな分析視点からデータを表示可能

さまざまな分析視点
BI分析のダッシュボードでは、必要に応じてさまざまな分析視点からデータを表示できる。

海外では、ブランドに対する生活者のインサイトを大まかに知ることができるアモビーのBI分析を、生活者の行動を定期的に把握するために活用するクライアントが増えているようです。

例えば、フィンテック業界や自動車業界など、業界ごとの注目キーワード、その注目度の大きさ、増減率などを見ることもできます。もちろん自社の商品・サービス名に特化して調べることも可能です。

フィンテック業界の分析例
自動車業界の分析例

ちなみに、BI分析に基づいたキャンペーンプランニングに加えて、そのターゲットをそのまま引き継いだデジタル広告運用も提供可能です。広告配信後のオーディエンスデータを活用した効果検証(キャンペーン分析やブランドリフト分析等)などマーケティング活動のPDCAが、今回の提携でさらにシームレスに実現できるようになりました。

今後もアモビーと電通は、BI分析をベースにしたサービスの体系化・深化を図り、顧客企業のマーケティング活動の高度化に資するサービスを開発・提供していきます。

あらゆる企業が日本から世界へキャンペーンを展開する時代に

最後に、日本企業のグローバルキャンペーンが増えている背景を考えてみます。

ここ数年の日本企業の傾向を見ていると、近く開催される国際的なスポーツ大会や国民的な関心イベントをきっかけに、中長期計画の策定や、グローバルブランドとしての再構築を行うといった話をよく聞きます。また、クロスボーダー型のM&Aにより、海外の新しいサービス、ブランドを傘下に入れる企業が増え、リブランディングしたいという問い合わせも増えています。

そして何よりも大きいのが、メディアプラットフォーム側の進化です。GoogleやFacebookなどのグローバルな広告プラットフォーマーだけでなく、アモビーをはじめとするグローバルDSPが世界中をカバーするようになり、リアルタイムでのデジタル出稿が容易になりました。

デジタルなので日本からワンストップで管理しやすく、どの国でも同じバイイング指標で展開し、結果のKPIも同一指標で見ることができるため、PDCAがしやすいという運用上の利点もあります。

各国企業のM&Aに伴うサービスや商品ラインアップの強化、エリアの拡大化が進み、グローバル展開を目指す企業は世界中に増えてきています。ボーダレスな時代だからこそ、電通は新しいテクノロジーやサービスを活用し、クライアントの優れたブランドに寄り添ったグローバル展開をお手伝いしていきたいと考えます。