田村正和は映画を捨てた?アイドルと共演し、やくざ映画で海パン一丁だった意外な一面とは

 さる5月18日に、今年の4月3日に他界していたことが明らかになった田村正和。彼は生前「テレビ俳優」を自称し、“映画よりテレビドラマのほうが自分に向いている”といった発言もしていた。つまり、映画とは意図的に距離を置いていたのである。

 1980年以降の約40年間で出演した劇映画は、『子連れ狼 その小さき手に』(1993年/監督:井上昭)、『ラストラブ』(2007年/監督:藤田明二)のわずか2本のみ。そのネームバリューや人気を考えると、あまりに少ない。

 しかし、戦前より映画界で活躍した時代劇スター・阪東妻三郎の息子である田村にとって、俳優としてのキャリアのスタート地点はやはり映画であった。1960年に映画『旗本愚連隊』(監督:福田晴一)の端役でデビューし、翌年、松竹と専属契約。1966年にはフリーとなったが、その後も70年代の終わりまでは年に数本ペースで映画に出演していたのだ。

 テレビ界での田村は、1972年の『眠狂四郎』(フジテレビ系)以降、時代劇の主演作が増え、1983年の『夏に恋する女たち』(TBS系)以降は現代劇の連続ドラマに次々と主演していく。

 ところが映画界では、主演作がゼロではないものの、2番手、3番手の場合が多く、引く手あまたの看板スターというわけでもなかった。そのため、おそらく本人の志向と異なる役、その後のパブリックイメージと乖離した役を演じることも多かった。

 没後、俳優・田村正和の足跡が振り返られる機会は多いが、本稿では、触れられる機会の少ない田村の映画出演作、なかでも意外性の高いものを厳選して紹介したい。

アイドル映画のサブキャラが定位置?大きかった“スター”橋幸夫との格差

『男なら振りむくな』(1967年/監督:野村芳太郎)

 原作は石原慎太郎の小説で、レコード大賞受賞歴がある人気歌手・橋幸夫(当時24歳)がオートバイレーサーの青年を演じた。興行的に橋の人気に頼った、いわばアイドル映画だといえる。ヒロインは加賀まりこで、『男はつらいよ』以前の渥美清も出ている。24歳の田村が演じたのは、橋の相棒であるレーサーの役。若手イケメン枠ともいえるポジションだが、ポスターでの扱いは、橋が9に対し、田村は1だった。もちろん加賀が好意を持つのは橋のほうである。

『初恋宣言』(1968年/監督:梅津明治郎)

 主演は「西野バレエ団」のメンバーで、女性アイドルグループの元祖ともいわれる5人組「レ・ガールズ」として活動していた由美かおる(当時17歳)だ。スターを夢見る若い女性を描いた作品で、レ・ガールズの他メンバーも3名(奈美悦子、原田糸子、江美早苗)出演する正統派アイドル映画だ。

 田村の役は、主人公の相手役であるテレビ番組のディレクター。今なら坂口健太郎あたりがキャスティングされるところだろうか? いずれにしても、あくまで由美の人気ありきの作品であり、やはり田村はサブのイケメン枠ポジションだった。

『仁義なき戦い』以前の菅原文太と2度共演、陰性やくざ映画で勝新太郎に脅される

『侠勇の花道 ドス』(1966年/監督:松野宏軌)

 もともと文芸作品や人情喜劇を得意としていた松竹が、やくざ映画をドル箱とした東映を模倣して作った作品のひとつだ。

 田村が演じたのは、大親分の跡目を継ぐ実子の役だ。まだ人間として成熟しておらず、敵対組織の罠に落ち、悲劇的な結末を迎える設定になっている。田村を陥れる悪辣なやくざを演じたのは、東映移籍前で松竹専属だった菅原文太である。

 なお、文学青年が不良のまねごとをしたような松竹のやくざ映画は観客の支持を集めることができず、短期間で打ち切りになっている。

『現代やくざ 与太者仁義』(1969年/監督:降旗康男)

 松竹を離れフリーとなった田村はめぐりめぐって、東映やくざ映画にも出演した。これは、アウトローな三兄弟(池部良、菅原文太、田村正和)を描いた作品だ。

 上で紹介した『侠勇の花道・ドス』では悪役だった菅原は、東映に移りやくざ映画の主演格にランクアップしている。小柄で細身の田村が演じるのは、イケイケの武闘派でも、仁義を重んじる昔気質の侠客でもなく、現代の反社会業界でドライに生きる若者だ。サングラスをかけたワルの田村は珍しい。

 なお、菅原文太主演で5作品制作された「現代やくざ」シリーズは、5作目『現代やくざ 人斬り与太』で深作欣二を監督に迎えた。この作品こそ、今に語り継がれる「仁義なき戦い」シリーズの原点だといわれる。もし田村が「現代やくざ」シリーズに連続出演していれば、その流れで、『仁義なき戦い』に出演していた可能性もゼロではない。

『やくざ絶唱』(1970年/監督:増村保造)

 2017年に公開された『兄に愛されすぎて困ってます』(監督:河合勇人)という、土屋太鳳と片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)が主演のラブコメ映画があった。『やくざ絶唱』は、それとはまったく関係のない、“やくざの兄に愛されすぎて困っている女性”を描いた作品である。タイトルに「やくざ」が付くが、やくざの抗争劇を主軸とした作品ではない。そして全編、暗くて重く、ジメジメしている。

 兄を勝新太郎が、高校生の妹を大谷直子(土屋太鳳に似ているといわれる)が演じた。勝新は大谷に対し兄妹愛の枠を超えた一種独特の愛情を抱いている。寝ている大谷に覆いかぶさるシーンもある。そして、大谷に近づく男を「ぶっ殺してやる」と恫喝する。

 田村は、そんな怖い兄のいる大谷と交際する若い男の役だ。砂浜で、海パン一丁の田村とビキニ姿の大谷が砂だらけになって激しく絡み合う場面もある。しかし、勝新はもちろん2人の関係を許さない。勝新vs田村の対決は、およそ田村に勝ち目がなさそうだが、果てして……。

 なお、勝新はのちに『古畑任三郎』(1994〜2006年、フジテレビ系)にゲスト出演する話が具体的に進んでいたとか。もし実現していたら、そこでは田村の完勝だっただろう。

美輪明宏や右翼の大物と怪しい関係に?『女囚さそり』でおぞましい拷問シーンに挑む

『黒薔薇の館』(1969年/監督:深作欣二)

 深作欣二がメガホンを握り、美輪明宏(当時は丸山明宏)が主演した映画『黒蜥蜴』(1968年)は、三島由紀夫が戯曲化した江戸川乱歩の同名小説が原作だ。三島自身も、陳列されている人間の剥製(役名は「日本青年の生人形」)として出演している。まるで、美輪のプロモーションビデオのようにも感じられる一作だ。

 そしてこの『黒薔薇の館』は、乱歩も三島も無関係ながら、柳の下の2匹目のドジョウを狙った同系統の作品である。

 美輪は、資産家が経営するクラブ「黒薔薇の館」で、男たちを虜にしていく妖艶な美女を演じた。田村の役はその美女とやがて深い関係になる資産家の息子だった。陰鬱で耽美的なその世界に美青年の田村はハマった。美輪&田村というマッチングは絶妙だといえる。

『女囚さそり 701号怨み節』(1973年/監督:長谷部安春)

 大ヒットした梶芽衣子主演による「女囚さそり」シリーズの第4弾。監督が伊藤俊也から長谷部安春に替わり、作風に変化はみられるが、全編を支配するどんよりとした空気や残酷描写は、それ以前と変わらず。

 田村が演じるのは、過激派として扱われた元左翼活動家の役だ。過去に警察に激しく拷問されたことで下半身に障がいが残り、生殖機能を失っているという設定も。それがセリフだけで説明されるのではなく、田村が吊るされ、蹴られ、熱湯を股間にかけられ悶絶する回想シーンが挟まれることによってグロテスクに強調される。

 さそり(梶)と惹かれ合う描写もあるが、「女囚さそり」シリーズに平穏無事で終わる登場人物はおらず、田村も例外ではなかった。

『日本の黒幕(フィクサー)』(1979年/監督:降旗康男)

 これは、「ロッキード事件」の際に注目された児玉誉士夫と田中角栄の関係をモチーフに、日本の右翼団体と政財界の癒着を描いた意欲作。当初は大島渚が監督を務める予定だった。フィクサーとして暗躍する右翼の大物(佐分利信)が主人公で、田村はその側近かつ門下生のリーダー格を演じた。

 フィクサーは田村を寵愛し、田村はフィクサーに心酔している。2人は武将と小姓のようにもみえる。それでいて、田村はフィクサーの娘(松尾嘉代)とも男女の関係にある。また途中から、美しい少年をフィクサーが可愛がるようになると、田村は湧き上がる嫉妬のような感情を押し殺そうとする描写も。さらにフィクサーの邸宅内では、男と女、男と男、肉親同士の愛憎が複雑怪奇に絡み合う……。

 日本映画としては未踏の領域に踏み込んだこの作品を最後に、田村は映画界を離れ、テレビに専念するようになった。そこには、どのような思いがあったのだろうか?

 ここに挙げた映画のなかで田村が演じたのは、アイドル映画2作を除けば、いずれも陰湿な雰囲気のキャラクターで、また、多くの作品で無残な最期を遂げている。

 それは、『パパはニュースキャスター』(1987年、TBS系)や『古畑任三郎』での軽妙な紳士のイメージとも、『ニューヨーク恋物語』(1988年、フジテレビ系)、『過ぎし日のセレナーデ』(1989〜1990年、フジテレビ系)でのニヒルな二枚目のイメージとも大きくかけ離れている。

 だが、それらもまた、田村正和という俳優を語る上で重要な要素なのである。

(文=峯岸あゆみ)

●峯岸あゆみ(みねぎし・あゆみ)
CSと配信とYou Tubeで過去のテレビドラマや映画やアイドルを観まくるライター。ベストドラマは『白線流し』(フジテレビ系)、ベスト映画は『ロックよ、静かに流れよ』(1988年、監督:長崎俊一)、ベストアイドルは2001年の松浦亜弥。

五輪開催主張で炎上、竹中平蔵がYouTubeで冗談のような発言…パソナの五輪での暴利を棚上げし「一部の既得権者が利益をえている」

 竹中平蔵・パソナグループ取締役会長がまたも妄言を吐き、炎上している。  本日6日放送された『そこまで言って委員会NP』(読売テレビ)に出演した竹中氏は、政府のコロナ対策分科会の尾身茂会長が「いまのパンデミックの状況で五輪を開催するというのは、普通はない」と発言したことに...

甘デジ新台「77%継続×1000発」の強烈マシンが出陣!「明日から狙える」激アツ新機種を特集!!

『牙狼』『バジリスク』『ゴルゴ13』など、7日からの週に激熱タイトルが降臨するパチンコ分野。大量出玉や大連チャンの実現を期待させるスペックに、早い段階より反響が寄せられていた。

 どの機種もデビュー後は上々の稼働を見せそうだが、同日にデビュー予定の新台といえば「甘デジスペック」の充実ぶりも目立つ。

 甘デジとは思えぬ一撃性を有したマシンや、魅惑のループを搭載した人気コンテンツなど豪華ラインナップとなっている。

 まず注目したいのは、甘デジとは思えぬポテンシャルを秘めたパチンコ人気シリーズ最新作『P戦国乙女6~暁の関ヶ原~甘デジ』(アムテックス)だ。

 大当り確率1/99.9で初当りの98%が「4R+電サポ25回」という振り分け。この間に1/51.5の大当りを引ければ「天下分け目の関ヶ原RUSH」へと突入だ。トータル突入率は約44.5%となっている。

「電サポ71回」が付与されるRUSHのトータル継続率は約77%。その間は50%で1000発が得られるため、大量出玉の獲得も十分に期待できるだろう。また、本機には低確率777回転後で電サポ171回の「突RUSH」へと突入する遊タイムも搭載。遊びやすさの高さも魅力だ。

 注目度では83.5%の連チャン力で快進撃を見せた『P学園黙示録ハイスクール・オブ・ザ・デッド2』の甘デジスペックも負けてはいない。

P学園黙示録ハイスクール・オブ・ザ・デッド2 弾丸88Ver.』(高尾)は、大当り確率1/88.6と一般的な甘デジよりも軽めの仕様。しかしながら、出玉のカギを握る「奴RUSH」の性能は強力だ。継続率は75%で51%が最大出玉と、破壊力を感じられそうな仕上がりである。

 大当りが濃厚な遊タイムも搭載しており、遊びやすさに磨きが掛かっている印象。その点も稼働に影響を与えそうな気配だ。

 同日には「ゆゆゆ」の略称で知られる人気コンテンツも参戦予定。昨年11月にデビューした同名タイトルの甘デジ『P結城友奈は勇者であるGC250Ba』(西陣)は、先代と同じくツインループシステムを採用している。

 大当り確率は1/88.8、初回大当りの40%で「勇者RUSH」へ突入する仕様だ。図柄揃い確率「1/1」となるRUSH中は、オール10Rの出玉を獲得することが可能。50%がツインループ大当りの「満開勇者ボーナス」という振り分けになっている。その実質継続率は約83%と強力。先述した機種たちにも負けぬ出玉感を味わえそうだ。

 今回紹介した機種は6月7日より導入スタート予定。ぜひともホールで堪能していただきたい。

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JRAサリオス「不可解騎乗」でドン詰まり……安田記念(G1)松山弘平「位置を取れなかった」ベスト舞台で凡走に春全休コントレイルとの「共通点」

 6日、東京競馬場で行われた春のマイル王決定戦・安田記念(G1)は、川田将雅騎手の8番人気ダノンキングリーが優勝した。

 先に抜け出したグランアレグリアをゴール寸前で交わし、5歳を迎えた春に嬉しい初G1制覇。ダノンキングリーは昨年の天皇賞・秋(G1)を12着に大敗して以来の休み明け、このレースが初コンビだった川田騎手の手綱捌きも冴え渡った。

 その一方、3番人気に推された松山弘平騎手のサリオスは8着に完敗。前走の大阪杯(G1)は5着に敗れたとはいえ、雨で力のいる馬場も向かなかった。堀宣行調教師は「東京1600mは言い訳できない舞台」と話した通り、陣営がベストと主張するマイルの安田記念で巻き返しを期待されていた。

「取りたい位置を取れなかった。好位で脚を溜めたかった」

 松山騎手がそう振り返ったように、後方からの競馬を強いられたサリオスにとっては厳しい展開。直線では進路が開かず、なだれ込むような不完全燃焼だった。

 だが、スタートしたときから、すでに凡走の予兆があったかもしれない。

 ハナを切ったダイワキャグニー、2番手のトーラスジェミニ、3番手のラウダシオンはそれぞれの騎手が徹底先行の強い意思が伝わる主張を見せたのに対し、1枠1番のサリオスは周りの出方を見ながらの競馬。そうこうしている内に隣枠のギベオンにも前を遮られ、サリオスはポジションを下げざるを得ない状況へと追いやられた。

 3ハロン34秒9のスローペースに落ち着いたこともあり、馬群は団子状態。すぐ外にはダノンキングリーが並行する格好となり、内へ押し込まれたまま、外に持ち出すことも出来なかった。

 最後の直線も近づき、徐々にポジションを押し上げようとするも時すでに遅し。前にはラウダシオン、インディチャンプが立ち塞がり、狭いところから割り込んできたグランアレグリアに先を越される。結局、これといった見せ場も作れないままゴールすることになった。

「松山弘平騎手に積極性が足りなかったことも残念でした。1枠1番という最内からのスタートですから、ある程度は出して行く必要があったように思います。終始、後手に回る展開で、能力を発揮できないままの終戦でした。

上位に入線した馬が強かったのは間違いありませんが、もう少しスムーズな競馬が出来ていれば、ここまでの大敗はなかったようにも思えます」(競馬記者)

 ひとつ気になるとすれば、レース後に松山騎手が「スタートからトモ(後肢)が踏ん張り切れなかった」とコメントしていたことだ。

 これが好位に取りつけなかった理由ということなら、やはり雨中の激戦となった大阪杯の見えない疲れがあったのではないかという疑念も残る。先日、同レースに使われたコントレイルは疲れが抜けずに宝塚記念(G1)回避を表明したばかり。サリオスにも疲れが残っていた可能性は十分に考えられるだろう

 堀宜行調教師が「今回は結果を出さないといけないし、その仕上がりにあります」と、自信を隠さなかったサリオス陣営。にもかかわらず、2000mに続いて1600mでも結果を出すことが出来なかった。

 この敗戦は次走の選択に大きな影響を与えそうだ。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

パチンコ店「出入り禁止」から7年…遂に店長との直接交渉が実現!「大物ライター」念願の和解なるか!?

 先日、当サイトでご紹介した『パチンコ大物ライターが「出禁解除」を直談判! ホール店長との和解は…「前代未聞の体当たり企画」が話題!!』という記事を紹介させていただきました。

 この動画は、大物ライター「ヒロシ・ヤング」が約7年前に出入り禁止を言い渡されたパチンコ店へアプローチをかけ、再び入店できるように店長へ直談判するという斬新な企画となっています。

 誤解を招かないように説明しておきますが、ヒロシ・ヤング氏は迷惑行為やルール違反を犯して出入り禁止処分となったわけではありません。先述した記事をご覧になれば分かりますが、ライターとしての仕事が思わぬ誤解を招いて出入り禁止を言い渡されたという経緯があります。

 出入り禁止となったのは、歩いて行ける最寄りのパチンコ店。実に7年ものあいだ、その敷居を跨ぐことが許されていなかったというから驚きです。そんな長い沈黙を破り、前代未聞の和解を果たそうというのが今回の目的となります。

 そんな話題の企画も遂に大詰め。完結編となる動画が「ヤングちゃん、寝る?」より公開され、前回同様に大きな反響を呼んでいます。

・『【#11】「国際センター 和解への道 #2」ついに店長と面談! 和解成立なるか!?

 和解に向けて新展開を迎えたと話すヒロシ・ヤング。そのキーパーソンとなる人物として、パチスロ必勝ガイドなどで活躍する人気ライター「ガル僧」がゲストとして登場しています。

 なんでも、ガル憎はライターになる以前に、本件の対象となるホールでアルバイトをしていたとの事。その経緯もあり、当時の先輩スタッフだった人物に「何とかなりませんか」と相談していたというのです。

 それが実を結ぶ事となり、念願の店長との直接交渉が実現。果たしてヒロシ・ヤングは7年越しの和解をする事ができるのか。その結末はぜひご自身の目で確かめてみてください。

 また、今回ご紹介した動画チャンネル「ヤングちゃん、寝る?」は、他にも「パチンコ学力テスト」「パチ裏ワイドショー」「パチライターお宝写真館」といった様々な企画動画を公開しています。

 どれも興味深い内容となっており、ファン必見の要素は満載なので興味のある方はぜひ視聴してみてください。

(文=堀川茂吉)

<著者プロフィール>
 オグリキャップで競馬にハマり大勝負を繰り返してきた。その後は『ウルトラセブン』でパチンコの魅力に心酔し、競馬から離れパチンコ・パチスロのみを楽しむというスタイルを貫いている。ウェブ業界においてはライティング業務に従事。現在はパチMaxの編集部員として、主にパチンコ分野に関する記事作成および編集を行っている。パチスロ4号機時代など過去のエピソードも好んで作成しており、当時だからこそ起こり得た経験談を紹介中。

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JRA 安田記念(G1)大本命グランアレグリア「何故」敗れたのか。C.ルメール「違うレベルでした」「安全に……」4馬身差圧勝のヴィクトリアマイルとの違い

 6日、東京競馬場で行われた春のマイル王決定戦・安田記念(G1)は、8番人気の伏兵ダノンキングリー(牡5歳、美浦・萩原清厩舎)が優勝。一昨年の日本ダービー(G1)2着馬が悲願のG1初制覇を果たした。

 その一方で単勝1.5倍に支持されながらも2着に敗れたのが、G1・6勝目を目指したグランアレグリア(牝5歳、美浦・藤沢和雄厩舎)だった。

 14頭立ての芝1600mのレース。まずまずのスタートを決めたグランアレグリアだったが、行き脚がつかずに後方から。後方のまま迎えた最後の直線では、上がり3ハロン最速となる32.9秒の鬼脚を繰り出したものの、勝ったダノンキングリーにアタマ差及ばなかった。

「レース後にルメール騎手が『手応えが前走と全然違いました』と話していましたが、スタート直後、隣にいた池添謙一騎手とダノンプレミアムとのポジション争いに敗れて後方へ。ルメール騎手もすぐに外に出そうとしたんですが、そこを今度は川田騎手のダノンキングリーが外からチェックしていました。

さらにポジションを下げたところに、今度は外から岩田康誠騎手とケイデンスコールと『いいポジションを取れず、苦しそうだった』との言葉通り、グランアレグリアにとっては非常に厳しい展開になりましたね。

最後の直線でも狭いところを通らされましたし、『この展開で、よく2着まで来たな』というのが正直な感想です。敗れはしましたが、今のマイル戦線で頭一つ抜けた存在という評価は変わらないですね」(競馬記者)

 同じ東京のマイル戦で行われたヴィクトリアマイル(G1)から中2週。今回のグランアレグリアとルメール騎手にとって、大きなテーマの1つは4馬身差の圧勝劇に終わった「前走の再現」だったはずだ。

「やっぱり今日は違うレベルでしたね」

 これはヴィクトリアマイル後のルメール騎手のコメントだ。単勝1.3倍に応える4馬身差の勝利だけに「レベルが違う」と話すのも当然だが、この圧勝劇が安田記念で戦うライバルたちの警戒心を強めたことは間違いないだろう。

「スタートがそんなに速くないのでミドルポジションになりました」というのは、今回の安田記念でも同じだった。つまり、中団より後ろになることは、ルメール騎手にとっても想定内だったと言える。

 しかし、大きな違いが生じたのは、その直後だ。

「すぐ外に行けたのでポジションとか、馬のリズムとかが嬉しかったです」と話したヴィクトリアマイルの道中に対して、今回はライバルから激しいマークを受けた。ヴィクトリアマイルが6番、安田記念が5番とほぼ変わらないゲートからのスタートだったが、序盤の展開はまったく違った。

 結局「直線ではすぐ外に出ました。安全に乗りました」という状況も再現できず、上がり3ハロン32.9秒というメンバー最速の末脚を繰り出したものの、ヴィクトリアマイルで見せた32.6秒には及ばす。ペースや相手関係など様々な要因も然ることながら、それ以上にスムーズな走りができなかったことはアタマ差2着という結果に大きく響いた。

「ラストはよく来てくれていますし、ポテンシャルは凄い馬」

 最後にそう相棒を庇ったルメール騎手。思えば、先々週のオークス(G1)のソダシ、先週の日本ダービー(G1)のエフフォーリアも単勝1倍台に支持されながら激しいマークに遭って敗れている。

 昨年はコントレイルとデアリングタクトが無敗で三冠達成。アーモンドアイやグランアレグリアの躍進もあって、G1で1番人気が強さを見せつけた一年でもあった。

 しかし、今年はここまで1番人気でG1を勝ったのはフェブラリーS(G1)のカフェファラオと、ヴィクトリアマイルのグランアレグリアのみ。単勝1倍台に限るとヴィクトリアマイルのグランアレグリアだけになる。昨年から打って変わった群雄割拠の時代は、まだまだ続くのかもしれない。(文=銀シャリ松岡)

<著者プロフィール>
 天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。

パチンコ「一撃4万発」など「無双モード」へ突入中…「未完の名作」となってしまったダークファンタジーへ注目

 5月24日に導入が開始されたばかりのニューギンPベルセルク無双』が凄まじい高稼働を見せている。

 導入初週の稼働は今年のミドルタイプでは最高峰のもので、早くも「今年№1候補」との呼び名も高い。

 原作のベルセルクは『剣と魔法の世界』を描いたダークファンタジーで、アニメ化もされている人気漫画。1989年から何度かの休載を挟みながらも長期に渡り連載を続けていたが、つい先日その原作者が亡くなってしまったため完結を迎える事なく未完の作品となってしまった。

『Pベルセルク無双』自体はコーエーテクモの人気格闘ゲームの無双シリーズとのタイアップだが、導入タイミングで漫画の作者である『三浦建太郎』氏が亡くなった事も稼働に影響を与えているかもしれない。

 導入店が約1700店舗(6月4日現在)と少なかった事もあり、ホールでは空き台を探すのが難しい状況が続いているようである。

 高稼働は見込めないと判断し導入を見送った店舗は涙目になっているかも知れないが、僅かながら増販されるのは不幸中の幸いか。導入2週目の中古価格も50万OVERとなっているが、しばらくは高値で推移していくと予想される。

 そこで改めてスペックを確認したい。

〇〇〇
★大当り確率:約1/319⇒約1/45
★確変突入率:75%
★確変継続率:75%
★時短回数:0回or次回まで
★大当り出玉:10R/約1000発・4R/約400発・2R/約200発
〇〇〇

 特筆すべきは、やはり小当りラッシュだろう。

黒7揃い⇒無限蝕ラッシュ突入濃厚。
その他図柄揃い⇒降魔の儀ボーナス中の演出成功で無限蝕ラッシュ突入。
白7揃い⇒ベルセルクEXTRAに直行。

 無限蝕ラッシュは次回大当りまで続く確変モードで、確変大当りを引けばベルセルクEXTRAに突入。生か死か、原作さながらのDEAD OR ALIVE が繰り広げられる仕様だ。

 ベルセルクEXTRAは小当りRUSH付きの確変モードで期待出玉は約2000個(小当りRUSHによる出玉+10R確変大当りの出玉)が75%でループする。

 実に強烈な連チャンモードだ。新型アタッカーによる小当りラッシュは、狂速と呼ぶに相応しいスピード感溢れる仕上がりだ。

 当然ながら強烈な大量出玉にも繋がりやすく、パチンコ系の掲示板ではベルセルク無双で「一撃4万発GET」などといった報告が浮上している。

 決して流行りの『ド派手枠』を全否定する訳ではないが、源さん韋駄天しかり、海シリーズしかり、そしてベルセルク無双しかり。「パチンコの稼働にド派手枠は必要ない?」という感想を改めて持った次第だ。

 原作のベルセルクは見た事がないのだが、せめてパチンコでその世界観に浸りたい…。私も空き台を探しにホールへ足を運びたいと思う。

『三浦建太郎』氏のご冥福をお祈りいたします。

(文=オーハナB)
<著者プロフィール>
元ホール店員、店長経験者。パチンコ店の裏側で起きた出来事や、人間関係を題材にしたコラムを担当している。過去に話題になった業界ネタなど、時代背景を感じる記事も作成中。自身の思い入れのあるシリーズの動向にも熱い視線を注ぐ。

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1店舗で25の店名・業態を名乗るゴーストレストラン?ウーバーイーツで利用時の注意点は?

 新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言などで営業自粛を強いられ、厳しい経営を続けている外食業界で、“ゴーストレストラン”に取り組む動きが広まっている。店内に客の飲食スペースを設けず、デリバリーやテイクアウトに特化する営業スタイルで、出店費用や人件費などの運営費を大幅に圧縮できる点が特徴。UberEats(ウーバーイーツ)や出前館などの料理宅配業者の利用拡大にも後押しされるかたちで店舗・拠点は増え、大手外食チェーンでも吉野家やデニーズ、居酒屋「磯丸水産」などを展開するSFPホールディングスなど、続々と進出している。

 そうしたなか、主にウーバーイーツでの利用を前提に同一拠点で25にもおよぶ店名を名乗り、営業しているゴーストレストランがあるという投稿が、Twitter上で話題を呼んでいる。

 そこで、こうした営業行為をすることは何か問題があるのか、また、ウーバーイーツを利用する際にはこうした店は避けたほうがよいのかなど、自身でも飲食店経営を手掛ける飲食プロデューサーで東京未来倶楽部代表の江間正和氏に解説してもらう。

「釣り=誘導」が目的

 1店舗で25業態=25店名でウーバーイーツや出前館を中心にデリバリー専門店として営業しているゴーストレストランがあるのだとすれば、利用者はちょっとした注意が必要でしょう。

 そもそも、なぜこのような“ややっこしいこと”をするのでしょうか? 1業態1店舗よりもローコストで業態を増やせることはもちろんですが、他にも以下のようなメリットが考えられます。

・インターネット検索に引っ掛かりやすくしたり、ユーザーの目に触れる機会を増やすため利用者は業態ごとに検索することが多く、業態が多いほうがアクセスの「窓口」が多くなる。つまり、釣り糸を多く垂らしておく。

・「専門店」を名乗ったほうが、お客さんの注文が増えるため(エサとして釣りやすい)

・利用者が「どれにしようか?」と候補に挙げて検討する際に、同じ運営店内で選択させるため

 つまり「釣り=誘導」が目的だと思われます。

 では、営業許可の観点では問題ないでしょうか。飲食店の営業には保健所の営業許可が必要です。許可を得るには、「調理する場所が衛生的に適正か」「必要な設備は揃っているか」などが審査基準になるので、調理する場所に許可が降りていれば、1店舗で25業態を打ち出すことも可能です。通常の「出前」も飲食店営業の許可の範囲で行えます。

 ただし、作り置きをしたり、真空脱気包装や冷凍処理等して日持ちさせることを前提として製造したりする場合は、通常の営業許可のほかに「製造業等」の許可が必要となる場合があります。たとえば「そうざい」は、そうざい製造業、食肉製品は食肉製品製造業、冷凍するときは製造業と併せて食品の冷凍業の許可が必要となります。

 また、「感染拡大防止協力金を水増ししてもらうためではないか?」という指摘もみられますが、協力金は「事業主」ベースでの申請、審査になり、同じ事業者が25業態の店舗を運営しても1店舗分しか受け取れません。「営業許可証」や「光熱費の領収証」などが確認され、別店舗で運営されているかどうかといった審査も入るので、25店舗分の協力金を得ることは無理でしょう。

ポイントは店側の「責任感」

 では、利用者がウーバーイーツなどでこうした店を利用する際に、どのような点に注意すべきでしょうか。ポイントは店側の「責任感」です。

 たとえば、限られた調理スペースと調理人数では、業態が増えても、できることは限られてきますので、「専門店のフリをしたお手軽料理」になる可能性が高まります。専門店の「フリ」をしているわけですから、味や商品に対する責任感は伝わってきません。

 また、業態や店名をどんどん追加できるということは、次々と業態や店名を変えることができるということで、客からのクレームに対する責任感がなくなります。失敗したお店の看板を付け替えて新店のように見せかけるという手法は、よく見られますが、そのお手軽版みたいな感じです。

 もちろん、1店舗で複数の店名を名乗って営業しているゴーストレストランがすべて「責任感が低い」ということではないでしょう。ただ、料理は直接体に取り込むものなので、お店側が自分たちの提供する料理や看板に対してどれだけ責任感を持っているのかという点は重要です。ですので、個人的には、実店舗が存在するお店や、1つの店名を名乗っているお店をおススメしたいと思います。

(構成=編集部、協力=江間正和/飲食プロデューサー・東京未来倶楽部代表)

JRA コマンドライン級「超大物候補」がデビュー勝ち! 福永祐一「言うことなし」の絶賛、今年ラストクロップのクロフネ産駒は白毛のアイドル・ソダシに続けるか

 コマンドラインに続く大物候補が登場か。

 6日、東京5Rの2歳新馬(牝馬限定)は、福永祐一騎手の2番人気クレイドル(牝2、美浦・黒岩陽一厩舎)がデビュー勝ち。先週の日本ダービー(G1)で3着に入ったステラヴェローチェの半妹が好発進を決めた。

 2着にC.ルメール騎手の3番人気レディナビゲーターが入り、半姉にリアアメリアがいる川田将雅騎手の1番人気リアグラシアは3着に敗れた。

 上位人気に推された3頭が3着以内を独占。勝ち馬からクビ、クビの接戦をモノにしたクレイドル。好位から抜け出したセンスの良さも光ったように、大物の期待が懸かる。

 13頭立ての芝1600mのレース。好スタートを決めたクレイドルは先行争いを繰り広げた4頭のすぐ後ろの5番手。さらにリアグラシアが中団の8番手からの追走。出遅れたレディナビゲーターは10番手から徐々にポジションを押し上げていく。

 やや縦長の隊列となった最後の直線入り口で外からクレイドルが上がって行き、残り400mあたりで福永騎手がGOサイン。直線半ば過ぎに先頭へと躍り出ると、懸命に追いすがるリアグラシア、レディナビゲーターの猛追を凌いでゴールした。

「とても落ち着いて走ってくれた。ハミを取る時に鈍いところがあったけど、その中で勝ってくれた。言うことないですね」

 レース後のコメントからも伝わってくるように、コンビを組んだ福永騎手も好感触。

「福永騎手がハミを取るときに鈍かったと振り返ったように、反応の鈍さには課題が残りましたが、いい脚を長く使えそうなタイプです。

また、2着レディナビゲーター、3着リアグラシアも素質の高さを感じる走りでした。レースレベルも高かっただけに、次走は勝ち負け必至でしょう」(競馬記者)

 ハイレベルの裏付けとなりそうなのが、このレースの勝ちタイム1分35秒4と上がり3ハロン34秒3だ。

 これは土曜・東京5Rの2歳新馬を3馬身差の楽勝で飾った評判馬コマンドラインの勝ちタイムと上がり3ハロンと全く同じ。大物候補との呼び声が高いクラシック候補と遜色ないパフォーマンスを演じたことは、クレイドルの素質の高さを裏付ける結果でもある。

 父クロフネは昨年、白毛のアイドルホース・ソダシを出したことで話題となったが、ラストクロップとなる今年の2歳馬でも芦毛の大物候補を送り出した。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

東京五輪に反対する現代人は「群れ集う」ことに疲弊している?公認心理師に聞く潜在的願望

 各国のトップアスリートが一堂に集い、スポーツを通して世界に平和を発信する一大イベント。これが、オリンピック・パラリンピックの本来の目的であるはずだった。

 しかし、今夏に予定される東京五輪・パラリンピックに関しては、新型コロナウイルスの世界的蔓延が大きな引き金となって、開催の反対、もしくは延期すべきという声が国内外を問わず高まっている。

 当初、東京五輪・パラリンピックでは、選手も含めた大会関係者が約18万人来日すると見られていた。大会組織委員会の橋本聖子会長は、これを半分以下に減らす方針を打ち出したが、それでも東京という一都心に世界中の人が「集う」ことには変わりがない。

 しかし、私は別の観点から思う。五輪そのものより、五輪開催の是非をめぐる報道や話題ばかりが先行する状況にあって、果たして人々がスポーツの祭典を通した「集い、つながる」ことを本当に求めているのか。開催反対の声は、果たして新型コロナの蔓延だけに起因しているのか。

 何よりも「群れ、つながり合う」ことそのものを、現代人の多くは本当に心から望んでいるのか。もしかしたら、「集う」ことに多くの人が疲弊しているのではないか。そこにあるのは、新型コロナの蔓延をきっかけに表出した、「群れ、つながりたい欲求」から「個を尊重したい欲求」への潜在的願望の変化なのではないのか、と。

 この疑問に対する答えを求めて、20年近くの親交を持つ公認心理師(国家資格)の米倉一哉さんを、同氏が所長を務める「日本催眠心理研究所」(新宿区)に訪ねた。

SNSでのつながりで孤立感が深まる理由

――今やインターネットの普及で身近な知人・友人だけでなく、見知らぬ多くの人たちともつながれるようになりました。しかし、僕個人の感覚から言えば、依然として人々は孤立しているように思えるんです。

米倉一哉さん(以下、米倉) 確かに、群れ、つながることを良しとする時代が続いてきたと思います。今やフェイスブックなどのSNSで、日本だけでなく外国の見知らぬ人たちともつながることができるようになりました。

 ただし、それは形骸化したつながりです。内面を吐露して共感してもらえることもあれば、逆にツイッターなどに自分の意見を書き込んだことで、集団的なバッシングを受けることもあります。本当はありのままを受け入れてもらいたいのに、それも叶わない。さらに、ネットで知り合った人の幸せ感が伝わってきて、それに表面的に合わせなければならない自分に孤立感を覚える人も少なくないでしょう。

 つまり、ネットによって自己開示できる場ができて、いくら「いいね」を押してもらったとしても、そこにあるのは、しょせん表面的なつながりでしかないのだと思います。私はそこに、多くの人々の孤立を感じますし、ネットの普及によって、逆にそれが色濃くなってきたように思えるんです。

――確かに、僕自身もネットでのつながりには虚しさのようなものを感じています。

米倉 たとえば、誰かに悩みや苦しみを相談されたとしますね。そんなとき、「苦しいのはあなただけじゃない。他にもっと苦しんでいる人がいるよ」などと答えるのは、私に言わせればエネルギーの出し惜しみだと思います。というのも、他人の話を一方的に聞くことはエネルギーの消耗を意味するからです。逆に、話す相手はエネルギーを得ることになります。しかし、人間関係の健全なあり方とは、エネルギーを与え、得るという相互の循環にあるのだと思いますよ。ネットでは、それがなかなかできません。

現代人を襲う閉塞感の正体

――最近発表された若者を対象にした意識調査では、このコロナ禍で50%以上が閉塞感を覚えていることが浮き彫りになりました。

米倉 誰かとつながることを良しとし、それによって自分のアイデンティティを保とうとしている人が多いからだと思います。いわば、自分のアイデンティティを確認するために人と会ったり外出したりするわけですが、それがコロナ禍で断ち切られてしまった。アイデンティティを確認する手段が奪われてしまって、まるで自分が失われてしまったような感覚に陥るのでしょう。それが閉塞感を生んでしまうのです。ネットでのつながりだけでは、閉塞感や孤独感は本当の意味で解消されることがないからですね。

 この閉塞感は、若い人だけでなく、世代を超えた多くの人に共通しているものだと思いますよ。中には閉塞感を自覚できていない人もいるので、パーセンテージはもっと多いはずです。

――逆に、閉塞感をまるで感じないという人もいます。僕の場合、コロナの恐怖を感じないと言えば嘘になりますが、コロナ前も今も心のあり方にほとんど変化はありませんし、表層意識を見る限り、少なくとも閉塞感は抱いていないように思います。

米倉 集うことを良しとする人がいる一方で、独りでいることが好き、あるいは人との関わり合いが煩わしいと感じている人は、こういう状況下でも閉塞感はあまりないと思いますよ。私は織田さんの性格をある程度把握しているつもりですが、精神的にコロナ禍の影響をあまり受けていないというのは、織田さんご自身がご自分の世界を持っているからでしょう。つまり、干渉されるのが大嫌いという織田さんの性格と無縁じゃないと思います(笑)。

“当たり前”の崩壊で個を尊重する時代へ

――干渉されることに窮屈さを感じているのは、もちろん僕だけじゃないですよね。僕は4年前に人里離れた山奥に自分の庵を構え、月の3分の1以上をそこでのんびり暮らすようにしていますが、コロナが蔓延してからというもの、田舎の山奥に引っ越したり、田舎でリモートワークをする人が急増してきました。これは、どういう心理的な状態を映し出しているのでしょうか。

米倉 先ほど、集うこと、つながることを良しとした時代が続いていたと言いましたが、それによって人々が傷つけ合ってきたという側面も否定できません。裏返せば、それは監視されている、干渉されている、という窮屈な思いを潜在的に喚起させます。織田さんの場合、その煩わしさから逃げ出したい、独りで自分と向き合いたい、という思いで山に入ったのでしょうが(※筆者注:実際、そうだった)、コロナが蔓延してからというもの、多くの人がそれぞれの「解放されたい」という潜在的な欲求に抗しきれなくなったのでしょう。

 コロナ禍によって、今や人々はライフスタイルの変更を余儀なくされるようになりました。それまで私たちは、朝の通勤ラッシュでギュウギュウ詰めの電車に押し込まれ、それをどこかで不自然に感じながらも、当たり前だと思ってきたところがあります。「仕事は会社でするもの」という固定観念も手伝って、社会的なシステムに従ってきたんですね。

 そういう価値観がコロナによって崩壊した。これまで当たり前のことだと思ってきたものが、当たり前じゃなくなったわけです。静かな田舎に移住する、会社に行かずに地方の山でリモートワークをする、といったことが多くなってきたのも、当たり前のことが当たり前じゃなくなったことの表れでしょう。

 そういう意味で、確かに今はコロナをきっかけに、時代そのものが「群れ集う」ことから「個を尊重する」方向へと移り変わるプロセスにあるのではないかと感じます。

(文=織田淳太郎/ノンフィクション作家)

後編へ続く