3日、JRAは11日にオーストラリアのランドウィック競馬場で行われるクイーンエリザベスS(G1)の出走予定馬を発表した。日本からはダノンプレミアム(牡5歳、栗東・中内田充正厩舎)が挑戦する。なお、馬券発売も行われる見込みだ。
新型コロナウイルスの影響でドバイワールドカップデーが中止になるなど、海外遠征を敢行した日本馬がとんぼ返りを強いられている中、一足早く海を渡ったダノンプレミアムは順調に本番を迎えられそうだ。
今回は主戦の川田将雅騎手に替わってJ.マクドナルド騎手が手綱を執るが、ダノンプレミアムとの初コンタクトで「本当に素晴らしい馬」と感激。「走りのバランスが良かったですし、仕掛けた時の反応にも大変満足しています」と好感触を掴んでいるようだ。
昨年4月のマイラーズC(G2)以来、勝利から遠ざかっているダノンプレミアムだが、秋には天皇賞・秋(G1)、マイルCS(G1)で連続2着と実力を示した。現地でも優勝候補の1頭として、日本のトップホースを警戒している。
これにはマクドナルド騎手も「対戦相手となる地元馬やイギリス馬も強いですが、ベストを尽くしたい」と意気込み。「この馬に2つ目のG1タイトルを獲らせたい」という陣営の強い思いがあっての遠征だが、迎え撃つライバルたちも、そう簡単にビッグタイトルを譲るわけにはいかないだろう。
筆頭は、前哨戦のランヴェットS(G1)を制した英国のアデイブ(セン6歳、英・W.ハガス厩舎)だ。
現在5戦連続で連対中と充実一途のアデイブ。特に、昨秋の英チャンピオンS(G1)では、世界的名牝マジカルに3/4馬身差の2着だった。3着だった日本のディアドラに2馬身1/4差を付けており、これだけを見ても世界のトップホースの1頭であることがわかる。
前走のランヴェットSでは、1番人気のベリーエレガントとのマッチレース。後続を5馬身以上に突き放し、最後は半馬身前に出た。実力、充実度からもダノンプレミアムの最大のライバルになることは間違いないだろう。
一方、そのランヴェットSでアデイブと死闘を繰り広げたベリーエレガント(牝4歳、豪・C.ウォーラー厩舎)も、当然警戒すべき存在だ。
ランヴェットSでは惜しくも2着だったベリーエレガントだが、連闘で挑んだタンクレッドS(G1)では、2着に4馬身1/4差をつける圧勝。これだけを見ても、本馬が豪州の中長距離戦線のトップホースであることは疑いようがない。
管理するウォーラー調教師は、豪州競馬の伝説的名牝ウィンクスを手掛けた伯楽。ここ8年連続でリーディングを獲得している豪州では絶対的な存在。オーストラリアで「最も勝ち方を知る男」といえるだろう。
本質的にはマイラーながら、中距離でも高いパフォーマンスを発揮するテアカウシャーク(セン5歳、豪・J.リチャーズ厩舎)も優勝候補の一角だ。
ここまで1600m以下を主戦場として、今年2月にはG1を2連勝。豪州のマイル戦線では一枚上の存在だが、光るのは昨秋のコックスプレート(G1)3着だ。
この豪州の中距離王決定戦を制したのは日本のリスグラシュー。彼女が如何に強かったのかは、昨年末の有馬記念(G1)における圧勝劇で、日本の競馬ファンも記憶に新しい。テアカウシャークはリスグラシューにこそ突き放されたものの3着と、2000m級でも戦えることを示している。出走して来れば当然、要注意の1頭になるだろう。
そのコックスプレートで2着だったキャステルヴェキオ(牡3歳、豪・R.リット厩舎)も出て来ればチャンス十分だ。
コックスプレート2着後は連敗と低迷していたキャステルヴェキオだが、今年3月のローズヒルギニー(G1)で見事な復活勝利。クイーンエリザベスSの有力馬に浮上したが、4日に行われたオーストラリアンダービー(G1)では9着に沈んでいる。当てにできない面はあるものの、ハマった時に力はG1級。連闘になるが、参戦する可能性もありそうだ。
一方のダノンプレミアムも「こちらの馬場にも順応しているように感じました」とマクドナルド騎手は好感触。新型コロナウイルスの影響で、日本の競馬がいつ休止してもおかしくはない状況。果敢に海を渡った本馬には、明るいニュースを届けてほしいところだ。