カテゴリー: 暮らしの情報センター
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渋谷区に住む小学生AI、「渋谷みらい」のつくり方。
“AIキャラクター・チャットボット”が渋谷区民になりました!
渋谷区在住のAIキャラクター「渋谷みらい」をご存じでしょうか?
小学校2年生、ちょっとおませな男の子です。デジタルコミュニケーションアプリ「LINE」を通じて、誰とでも会話できます。
http://www.youmakeshibuya.jp/mirai/
彼の役目は、渋谷区に関わる人たちみんなと仲良くなり、渋谷区の未来をつくること。
LINE上での活動だけではなく、渋谷のカウントダウンイベントで渋谷区長や芸人たちと音声会話をしたり、最近は“スタジオ地図”によるアニメ映画「未来のミライ」とのコラボレーションもスタートしました。渋谷区報にもコーナーを持っています。
本コラムでは、そんな彼を育ててきたチームの知見を共有できればと思います。コミュニケーションをとるためのチャットボット開発・運用において、電通がこれまで培ってきたクリエーティブ力やコミュニケーション設計力は非常にシナジーがあります。
AIキャラクターをブランディングに活用したい方々や、クリエーティブの拡張で新しい取り組みをと考えている方々の、お役に立てれば幸いです。
AIキャラクター・チャットボット開発に欠かせない三つの要素とは?
電通2CRプランニング局/デジタル・クリエーティブ・センターの大瀧篤です。
このプロジェクトを通してAIキャラクター・チャットボット開発に大切だと感じたことが三つあります。
1.世の中における存在意義とポジションの確定
これがないと、チームとしても、彼の育ち方としても、迷子になってしまいます。今回は「渋谷区基本構想の訴求を、渋谷区の一区民として行う」としました。
2.話題性と継続性を両立するためのキャラクター設定
この視点は、世に出した後のコミュニケーション面や、開発面のアップデートとセットで考えます。つまり、話題になりそうなPR性と、ローンチ後に展開していく際の拡張性を加味した設定が必要です。
今回は、発表時の話題性として「AIを自治体に住民登録する」という仕掛けを用意。また、今後の発展性やリスク、他のチャットボットとの差別化とダイバーシティーの観点を総合的に考慮して「小学生の中性的な子」に設定しました。
3.実績あるチームとのAIの実装と運用
知見を持ったチームと共に開発し、ローンチ後も継続して育て続ける必要があります。今回は開発をマイクロソフト、リスク管理をトランスコスモスと、実績豊富なパートナーと行っています。
また、電通社内チームも横断的に組んでいます。組織を超えて密に連携できる環境を整えることで、情報や意識の共有を随時行い、各メンバーがチャットボットのメンテナンスに取り組むことができる体制をつくっています。
これら三つの要素について、1を私が、2と3を1CRプランニング局の三浦慎也が解説します。
1.世の中における存在意義とポジションの確定
渋谷みらい誕生のきっかけは、渋谷区の未来設計図である「渋谷区基本構想」。この構想を、区民を中心に広く訴求していくためのアイデアが必要でした。
そこで、私たちは「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」という全体テーマを体現する「YOU MAKE SHIBUYA」キャンペーンを実施。一人一人の多様な声やアクションが渋谷区の未来をつくるのだということを伝え、実感してもらう中長期的な取り組みです。そのコア施策として、「渋谷みらい」を企画しました。
開発で一番大切にしたことは、彼の世の中における「立ち位置」です。それは、渋谷区の職員ではなくて、あくまでも一区民として家族と暮らすAIであること。
区が伝えたいことを住民に一方的に伝える存在では、愛着を持ってもらえません。彼自身が住民として渋谷区に溶け込み、区民の意見を代弁し、渋谷区の未来を考えていく存在になることを目指しました。
彼と友達感覚でチャットすることで渋谷区を好きになってもらい、また彼と話したことが渋谷区の行政に反映されていく…というイメージです。
そしてみらい君自身も、一緒に喋ってくれる人たちと共に、年齢もできることも「成長」していきます。
2.話題性と継続性を両立するためのキャラクター設定
電通1CRプランニング局/デジタル・クリエーティブ・センターの三浦です。
ここではAIキャラクターの開発・運用の一端に触れていただくために、キャラクター設定についてお話しします。
どんなキャラクターにするかについては、ローンチ後の運用を鑑みた中長期的な視点で、綿密に設計する必要があります。
今回は、区民とのコミュニケーションを通して渋谷区の街と共に成長していくシンボルとなるべく、渋谷区の未来を担う「小学生」というコンセプトでキャラクター設計を始めました。子どもであることで、「AIの不完全性」にユーザーが寛容になってくれるというリスク視点での狙いもあります。
一区民として渋谷区に溶け込むAIとして、私たちは徹底的にリアリティーのあるキャラクター像を追求しました。彼にはもちろん家族もいます。趣味もあります。学校にも通っています。

ユーザーは小学生の男の子に何を話しかけるだろう、と実際のコミュニケーションを具体的にイメージしながらプロフィールを設定しました。
写真を介したコミュニケーションができるように趣味を「カメラ」にしたり、渋谷区に関わる多様な話題に対応できるように家族にも細かなプロフィールを設定したり、中長期の展開を想定した工夫を凝らしています。
顔については、渋谷区で生活したりイベントに関わってくれた子どもたちの顔写真を基につくり上げており、定期的に「成長」もしています。多様な声や姿から渋谷みらいが生まれ、育っていくことで、彼の存在自体がYOU MAKE SHIBUYAの思想を体現しました。
さらに、渋谷区への特別住民登録を行い、話題化と同時に存在のリアリティーを高めました。
3.実績あるチームとのAIの実装と運用
最後に、つくったキャラクターのAIへの実装と、運用体制について紹介します。
今回は感情的なつながりを重視するAIを活用した女子高生AI「りんな」を開発しているマイクロソフトと、チャットボット運用の実績を多数持つトランスコスモスというパートナーとチームを形成し、密に連携しています。
渋谷みらいのAIの仕組みは、大まかに以下のようになっています。
■おしゃべり機能
みらい君のおしゃべり機能は、ユーザーと他愛のない会話をするための雑談機能と、渋谷区の未来をつくる子ども代表として答えてほしい、あらかじめ教えられたことから答える機能の二つに分かれています。
雑談機能には「りんな」に搭載されている感情型AIを活用しており、機械学習モデルがユーザーの文章を理解し、動的にその場で返答文を生成しています。
あらかじめ教えられたことから答える機能では、事前に設計したみらい君のプロフィールや渋谷区に関わる情報(渋谷区の地名や区政関連など)など、的確に答えてほしい内容を事前に暗記させています。


キャラクター性のブレや認識の相違が起きないように、渋谷区とやりとりをしながら、電通のコピーライターを中心に開発しました。少し丁寧な口調や、ひらがなを中心にするなど、キャラクターに合わせて調整する工夫も施しています。
■ゲーム機能
チャット上でできるいくつかのお遊び機能も開発しました。しりとりや山手線ゲーム、顔写真を送ると渋谷のモヤイ像風に加工してくれる機能などです。
しりとりや山手線ゲームには、小学生らしいお題や単語が使われており、みらい君らしさを味付けしています。画像加工機能には、マイクロソフトの研究所 Microsoft Research で開発された最新テクノロジー「Deep Image Analogy」が用いられており、雑談以外のAIも活用しています。
また、ユーザーに継続して話しかけてもらうモチベーションとして、毎日話しかけることでたまっていくスタンプカード機能なども搭載しています。
こうした機能は新鮮さを保つために、会話のアップデートと同様に、反響を見ながら日々改善し、また新機能の企画開発も行っています。
■見守りAI
ユーザーとのコミュニケーションを司るAIとは別に、それを見守るAIも搭載されています。
みらい君とユーザーが楽しく会話できるように、不適切な内容のユーザー発言に反応してしまったり、キャラクターとして危険な発言をしてしまうことが極力起こらないように、見守りAIがみらい君の反応や発言をチェックしています。
この機能のおかげで、育て親である私たちも安心して彼を自由に会話させることができるのです。
愛され続けるAIキャラクターを目指して
渋谷みらいは約半年間の開発期間とテスト運用期間を経て、2017年11月の「ふるさと渋谷フェスティバル」で、世界初の住民登録AIとしてお披露目できました。
ローンチから11カ月でLINE上での友達数は約1万9000人、累計約130万回の会話が行われています。
また、冒頭に書いたように、彼の活動はイベントや施設での各種施策まで大きな広がりを見せています。この夏からはみらい君が趣味のカメラを持って街に出て渋谷区の魅力を発信するウェブマガジン「みらいが行く!」もスタートしました。
引き続き、愛され続けるAIを目指して、渋谷区内の教育現場への展開、渋谷区新庁舎への導入、そして区民の意見を集約する仕組みづくりなど、より多くの人に彼とつながってもらうべく活動していきます。
渋谷みらいの今後の成長にご期待ください!
※マイクロソフトと電通は、りんなプラットフォームを活用した雑談会話モデルによるAIキャラクター・チャットボット領域においてビジネス拡張していくため、ソリューションパートナー契約を締結しています。(マイクロソフトプレスリリース)
「東京ミッドタウン DESIGN TOUCH 2018」 芝生広場には“みらいの公園”も
“デザインを五感で楽しむイベント”「東京ミッドタウン DESIGN TOUCH 2018」(http://www.tokyo-midtown.com/jp/event/designtouch/)が10月19日から11月4日まで、港区の同所で開催される。
同イベントは、インテリアやグラフィック、プロダクト、ミュージック、フードなど文化を形成するもの全てを「デザイン」として捉え、それらを通して日常生活を豊かにすることを提案するイベントとして2007年から毎年開催されている。 17年からは、「国内外の第一線で活躍するデザイナーや国内外で注目されるデザインが集結し、デザインの魅力や可能性を身近に体感できるデザインの祭典」をコンセプトにしている。

今年のテーマは「みらいのアイデア」。未来に向けたさまざまなコンテンツが展開される中、Rhizomatiks Architecture、ティー・ワイ・オー、電通ライブの3社が立ち上げたユニット「ウルトラ パブリック プロジェクト」(https://ultrapublic.jp/)は、“みらいの公園”として移動式の「PARK PACK」を、芝生広場に出展する。

同企画には、日建設計とプロペラ・アンド・カンパニーが加わり、公園の可能性を広げるツールとテクノロジーを紹介する。
PARK PACKには、「公園でこんなことがしたい」という気持ちを具体化するモジュールを複数設置。
モジュールは固定家具でも使い方が限定された遊具でもなく、訪れる人のアイデアで使われながら変化し、組み合わされ、その時、その場所ならではの「公園」を形づくれることを紹介する。

初日には、さまざまな障害や疾患を疑似体験することができるワークショップを実施。
また、芝生広場を誰もが楽しめる写真スタジオとして、自然の中で写真撮影の方法が学べるイベントや、ワイヤレスヘッドフォンを通して、音楽を楽しむサイレントディスコを開催する。
第71回「新聞大会」を仙台で開催
日本新聞協会は10月16日、新聞週間(10月15~21日)の中心行事として、第71回「新聞大会」を仙台市の仙台国際センターで開いた。全国の新聞社や通信社、広告会社の代表らが参加した。
式典の冒頭、河北新報社の一力雅彦社長が「東日本大震災から7年7カ月が経ち、震災を経験していない子どもたちが小学校に進学している。当時の記憶、教訓を伝えていく上で、新聞の果たす役割は大きい。また、『市民の皆さんに開かれた大会』とすべく、約6000人参加のワークショップを事前に開催した。さらに、新しい試みとして、宮城県内の大学8校、高校4校から学生・生徒計300人を今大会に招待している。社会を見る目を養っていく機会とし、新聞をもっと身近に感じてもらいたい」とあいさつした。
河北新報社の一力社長
日本新聞協会の白石興二郎会長(読売新聞グループ本社会長・読売新聞東京本社会長)は「東日本大震災を機に新聞社間で結ばれた相互援助協定が災害時に実を結ぶ一方、配達手段の問題なども浮上している。新聞協会では、災害対策特別委員会を中心に教訓・課題を整理し、情報共有を図っていく」と述べた。また、「新聞広告を軸に、デジタルメディアやテレビ、イベントなどをクロスした提案活動を本格化させている。広告主や社会に対し新しい課題解決の提案をすることで、新聞は今後ますます社会に貢献できるだろう」と展望した。また、新聞に触れる機会が少ない人たちへのPR活動の推進、2019年10月予定の消費税引き上げに伴う軽減税率の新聞への適用などにも言及した。
あいさつする白石会長
続いて、大会決議「さまざまな情報が行き交う今日、正確で有用な情報を届け、真実を追究するジャーナリズムの役割はますます大きくなっている。より一層信頼されるメディアとして、公共的・文化的使命を果たし、国民の知る権利にこたえていくことを誓う」(要旨)を採択した。
この他、新聞協会賞の授賞式、国立情報学研究所の新井紀子教授による記念講演「AI時代に求められる読解力」や新聞各社代表による研究座談会「新聞界の直面する諸課題―新聞力を磨く経営戦略」などが行われた。
新聞74紙に込められたメッセージ「#にほんをつなげ74」
新聞週間(10月15~21日)と新聞広告の日(10月20日)に合わせ、日本新聞協会は10月15日、全国の新聞74紙に各1ページの統一キャンペーン広告を掲載した。
画像提供:日本新聞協会
モデルのkoki,さんが登場する各紙の広告の右上に、平仮名を1文字ずつ掲載。74紙の原稿を北から南へと順番に並べると、以下のメッセージになるという仕掛けだ。
わたしは まだしらない
このくにのことや せかいのこと
しろう つよくなるために
しろう いっぽふみだすために
しろう じゆうをまもるために
しんぶんで みらいをひらこう
10月15、16日には2日間限定で特設サイトも開設。「#にほんをつなげ74」のハッシュタグと共に新聞の写真がSNSに投稿されると、サイト内の“新聞日本地図”も更新され、74紙の情報が埋まったところで日本新聞協会からのメッセージが完成した。
電通・電通デジタルとエモーションテック社、顧客体験指標を基点にしたCRM戦略支援サービスを開始
10月18日に配信された電通ニュースリリース文面は以下の通りです。
2018年10月18日
― NPS®データと顧客の感情・行動データを融合 ―
株式会社電通(本社:東京都港区、社長:山本 敏博)と株式会社電通デジタル(本社:東京都港区、CEO:山口 修治)は、株式会社Emotion Tech(所在地:東京都千代田区、代表取締役:今西 良光、以下「エモーションテック社」)と連携し、企業やブランドに対する愛着・信頼の度合いを指標化したNPS® (※)(Net Promoter Score)データと、顧客の感情・行動データを融合させることで、顧客体験指標を基点にした独自のCRM戦略支援サービスを開発しました。本日より、同サービスの提供を開始します。
商品・サービスの機能や性能だけでは競合他社との差異化が困難になってきた昨今、顧客戦略においては継続的に商品・サービスを利用してもらう顧客体験の重要性が高まっており、いかに顧客ロイヤルティーを可視化し、それを活用していくかに注目が集まっています。
こうした状況を踏まえ、電通と電通デジタルは、エモーションテック社が独自に持つNPS®および顧客体験向上支援のシステムと、企業・団体が活用しているCRMツールを連携させることで、NPS®データと顧客の感情・行動データを融合させた「課題の発見」「課題の解決」「効果の検証」をワンストップで提供できるサービスを開発しました。このサービスにより、顧客体験指標を基点としたCRM戦略の立案と実行が可能になります。
サービスフローは次のようになります。
①NPS®回答データをベースに課題を抽出
NPS®調査を実施し、エモーションテック社が開発した独自調査手法を用いて回答データを複数のプロセスに分解。各プロセスを顧客体験スコア(顧客体験の各プロセスを統計・AIを用いて分析し、NPS®に影響を与えているプロセスを可視化したもの)として定量評価し、顧客企業のマーケティング課題を抽出します。
②精緻な課題設定/改善案の検討と実行
抽出された課題について、顧客の感情データと行動データの両面から複合的な分析を行い、より精緻な課題設定を行った上で、顧客ロイヤルティーの向上に向けた改善案を検討し、CRMツールを用いて実行します。
③再NPS®調査で施策を検証
課題解決のために行った施策のNPS®への影響を評価し、戦略の再構築を行うなどPDCAサイクルを回していきます。
■サービスの概念図

<株式会社Emotion Techについて>
会社名:株式会社Emotion Tech(エモーションテック)
https://www.emotion-tech.co.jp/
所在地:東京都千代田区平河町2-5-3 Nagatacho GRID 4F
代表者:代表取締役 今西 良光
設立日:2013年3月8日
事業内容:特許取得のクラウドシステムにより、NPS®およびカスタマー・エクスペリエンスの向上をサポートする「EmotionTech」を提供。エモーションテックはNPS®をはじめとした感情データを統計、AIを用いて分析することにより、組織課題を可視化・改善するサポートを行っています。
※NPS®はNet Promoter Scoreの略で、Bain & Company, Inc.、Fred Reichheld、Satmetrix Systems,Inc.の登録商標、顧客ロイヤルティー(企業やブランドに対する愛着・信頼の度合い)を指標化したもの。
以上
電通ニュースリリース
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2018/1018-009625.html
注目のDMO(観光経営組織)に欠かせないものは?
最近、地方創生の切り札として「DMO」というテーマに注目が集まっています。DMOとは、「Destination Management/Marketing Organization」の略です。端的に訳すると「観光経営組織」です。最終回では、DMOの概要と問題点を明らかにしつつ、DMOづくりに欠かせないプレイス・ブランディングの思考法について解説したいと思います。
最近よく聞く「日本版DMO」って何?
2014年12月に閣議決定された「まち・ひと・しごと創生総合戦略」において、DMOが地方創生の柱の一つに取り上げられました。専門家によるとDMOとは、「観光に関する行政と民間事業者によるビジネス共同体」であり、「専門性と権限を持ったプロの組織である」と定義しています 。※海外ではすでに存在していた概念ですが、それを日本の現状に即して整備されたものが「日本版DMO」です。
日本版DMOには、地域単位に応じて、「広域連携DMO」(都道府県にまたがる単位)、「地域連携DMO」(市町村にまたがる単位)、「地域DMO」(単独市町村の単位)の3種類が存在します。それらを対象に次の五つの条件を満たすものを将来のDMO候補として、国が積極的に支援していこうというものです。
※高橋一夫(2017)「DMO-観光地経営のイノベーション」198pをもとに編集。

①多様な関係者の合意形成の仕組みづくりがなされている。
②データを活用したマネジメントがなされている。
③関係者の事業と戦略に整合性がある。
④法人格を持ち、責任者が明確化した組織である。
⑤安定的な運営資金が確保できている。
DMOとプレイス・ブランディングの共通点
これまでの連載を通じて説明してきたプレイス・ブランディングとは、区画、通り、街、都市、地方など、柔軟な単位で場所を意味づけし、民間企業、行政、市民など、さまざまなアクターを巻き込んでいきながら、持続的に“場所”をつくり出していくことです。こうしたプレイス・ブランディングとDMOの共通点を探っていきましょう。

DMOは、対象単位を戦略的に設定し、行政と民間が連携し、さまざまな関係者の合意を形成しながら推進していくことが強調されており、本質部分は大いにプレイス・ブランディングと重なリます。
DMOは、きちんと組織をつくってマネジメントしていこうというものですが、一方、プレイス・ブランディングでは、さまざまなアクターたちと緩やかなネットワークをつくりながら、マネジメント能力というよりも、ビジョンに向かって方向付けしていくディレクション能力が問われます。ここに大きな違いがあるのかもしれません。
DMOを目指した取組事例:「諏訪の国」プロジェクト
ここで長野県「諏訪地方」における地域連携DMOを目指した取り組みを見てみましょう。諏訪地方は、諏訪市、岡谷市、下諏訪町、茅野市、富士見町、原村という六つの市町村で構成される地方です。
この地方の課題は、これまで市町村間の連携が少なく、各地においてバラバラの取り組みがなされていることでした。また、諏訪湖を中心としたエリアと、八ヶ岳を中心としたエリアでは素材となる資産も異なり、なかなか統合化しづらい背景がありました。
そこで、この地方を代表する7年に1度のお祭り「御柱祭」を期に、統一ブランドをつくろうという取り組みが始まりました。地域間の壁を取り払うために、各地の方々と対話を積み重ね、諏訪地方のブランドコンセプトを開発していきました。
私たち外部の人間にとって、この地方は神秘的で不思議なモノや出来事であふれていました。諏訪地方を囲むように存在する4宮の諏訪大社では、御柱祭の時には、山々から16本の柱を人力で下ろし、各宮に運び、4本ずつ立てていくという神事をまち一体となって行っていきます。
一方で、茅野市では、愛らしくてちょっと不気味な「縄文のビーナス」と呼ばれる縄文時代の土偶が見られます。
その他にも、空中に浮かぶようにつくられた危険なお茶室「高過庵」(たかすぎあん)や、岡谷市の絹糸づくりは、蚕からどのように糸を紡いでいくのか、自然と手作業の間にある神秘的なプロセスを垣間見ることができます。
また、諏訪湖は冬になると湖面が凍結するのですが、時々音を立てて亀裂が走ります。その自然現象を地元の方々は、神様が渡った痕跡と見立て「御神渡り」(おみわたり)と呼んでいます。
このように私たち外部の人間から見ると、諏訪地方は、“神秘的な物語に満ちた独特な国のような場所”だと感じるようになっていきました。ようやく見えてきたブランドコンセプトをもとに、この地を代表する三つのシンボルである「諏訪湖」「御柱」「八ヶ岳」が組み合わされたロゴが地元のデザイナーによってつくられ、「諏訪の国」プロジェクトが立ち上がっていったのです。

プロジェクト開始からしばらくして、うれしい偶然の出会いがありました。ちょうどその時、若い世代の事業者の方々が諏訪地方をどうにかしようと計画しており、彼らと問題意識が合うことから、一緒に連携していこうということになりました。
その第1弾が八ヶ岳の「生とうもろこし」です。原村にUターンした若い農家の方が「メロンより甘いとうもろこし」を販売し、東京でレストランを経営している諏訪出身の方が、とうもろこしを素材にしたスイーツを開発し、それを諏訪出身の藤森慎吾さんがPRしてくれました。
諏訪出身の方々の熱い思いが記者に伝わり、その記事が多くのメディアで露出されました。もちろん「生とうもろこし」の売り上げも上々であり、第2、第3の新たな「諏訪の国」コンテンツが自発的に生まれる機運が高まってきました。このように、しっかりとした下地がつくられた上で、将来的にDMOが組成されるとうまくいくと考えられます。
*詳しくは、電通報をご覧ください。
“いきなりDMO”ではなく、“プレイス・ブランディング思考”でじっくりと下地づくりを。
まだまだ道半ばですが、以上が「諏訪の国」プロジェクトの事例です。地域資産を読み解き、若い世代の事業者との出会いを通じて、魅力的なコンテンツが生み出され、それが世の中に伝わっていくことで、成功体験が得られます。こうした内発的で自走するプレイス・ブランディングの醍醐味を感じていただけたでしょうか?
最後に日本版DMOのお話に戻しましょう。確かに、さまざまな民間企業が、それぞれ専門的スキルを持ち寄るとレベルの高いサービスが期待できるかもしれません。
しかし、私はそれだけでは何か足りないような気がします。課題の捉え方が表層的になり、画一的な課題解決手法に偏ってしまい、その場所の独自性を見いだせないまま終わってしまう可能性もあるでしょう。
そこで、私が提案したいのは、早急にDMOをつくる前に、その前段階として、“プレイス・ブランディング思考”を取り入れることです。
そうすることで、独自の課題を見つけ、あるべき方向性を描き、それに共鳴するキープレーヤーとの出会いを通じて、真に場所に根ざした組織を育成していきます。外からの専門家が集まって解決する組織ではなく、ローカルに価値を見いだす次世代の起業家の方々がつながっていく結果としてDMOが立ち上がっていく姿が理想形ではないでしょうか?

現在、DMOづくりでお悩みの方々は多くいらっしゃると思います。急いで立ち上げる前に、ぜひプレイス・ブランディングの思考法をヒントにしていただければ幸いです。
以上で5回にわたるプレイス・ブランディングの連載を終わりたいと思います。多くの方々に読んでいただきありがとうございました。プレイス・ブランディングを明日から実践したいと思われた方々は、ぜひ本書を手にとっていただけるとうれしいです。

書籍発売中!詳細はこちら。
新たな外国人、在留資格検討! 介護業界はどう変わるのか
単純労働の分野に外国人労働者が活躍する時代
菅官房長官が9月26日発表、臨時国会を経た後、来年4月スタートの予定だそうです。
その概要は、慢性的な人手不足に陥っている「建設」「農業」「宿泊」「介護」「造船」の5分野を対象に、新設され「特定技能評価試験」(仮称)に合格すれば就労資格を得られるようです。
就労資格を得られるのは最長5年ですが、技能実習生として最長5年滞在した後、新たな就労資格を得れば、10年にわたって滞在できるようです。
どの国からどのように受け入れることが可能になるのかはまだわかりませんが、人手不足の対策になると思います。
実質的移民受け入れという声も!
5年ないし10年の外国人労働者を受け入れるということは、日本の各地域で、外国人が今まで以上に多くなるということです。
期間が長くなるということは、労働力的な見方とは単純に考えられない側面に留意することが必要になるようです。
10年経ったら自国に帰ってもらうことが簡単にできるのか?
10年の期間は日本という国で生活基盤を築く充分な期間です。その間に結婚、出産、子供の教育、など色んな事象が起きることになります。こうしたことを無視して、この新たな試みを考えることは不可能です。
結局、事実上の移民受け入れに等しいのではないでしょうか。
介護業界の受け入れ体制は?
他業種に輪をかけて人材不足が深刻な介護業界は、早かれ遅かれ、この制度で入国してこられる外国の労働者の方の手を借りずには、サービス提供の維持は無理なようです。
介護業界は、技能実習生という名の移民受け入れの最前線で新たな多くの課題を解決していかなければならない業界としての未来が待ち受けているのです。
投稿 新たな外国人、在留資格検討! 介護業界はどう変わるのか は 近未来福祉研究所BLOG:特別養護老人ホームやデイサービスセンターの経営者向け情報 に最初に表示されました。